説明

動作確認装置及びこれを用いた監視カメラシステム

【目的】簡単な操作で過去の録画状態を短時間で正確に確認できるとともに、簡単な操作でその確認前の動作状態に短時間で正確に復帰できることを可能とする動作確認装置及びこれを用いた監視カメラシステムを提供すること。
【解決手段】動作確認装置200は、過去の録画状態を確認するための動作確認ボタン204aと、過去の録画状態の確認からリアルタイム再生に復帰するための復帰ボタン204bとを備え、制御部202は動作確認ボタン204aの押下を検出すると過去の再生ポイントを含む複数のコマンドからなる動作確認コマンドを送信部210から送信させる。制御部302はこれを受信して再生ポイントに基づく再生を行う。また、制御部202は復帰ボタン204bの押下を検出するとリアルタイム再生に復帰させる復帰コマンドを送信部210から送信させる。制御部302はこれを受信してリアルタイム再生に復帰する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作確認装置及びこれを用いた監視カメラシステムに関し、更に詳しくは、監視カメラの映像の録画状態を簡易に短時間で正確に判断可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から一般的に、防犯用の監視カメラシステムでは、内蔵の大容量記憶メモリ又は録画再生装置にカメラ画像が録画される。その過去(1時間前、半日前、2日前等)の録画状態の確認は、操作リモコン又はマウスを複数回にわたって操作することによりなされる。
【0003】
また、この種の周知技術として、例えば、特許文献1のITV監視システムが知られている。特許文献1には、監視領域とその監視カメラの位置および異常発生箇所を表示し、更には、監視カメラを指定操作できるCRTタッチパネル方式の配置盤と、各監視カメラの個別の指定操作、モニタの指定操作、及び、監視/表示コマンドを指定操作できるCRTタッチパネル方式の操作盤とによって監視操作を行う技術が開示されている。
【0004】
特許文献2の録画状態監視方法には、録画された監視カメラの映像のファイルサイズの確認を一定時間(例えば1分間)行い、1分間の時間帯の間にファイルサイズに変化があれば、監視カメラの映像が正常に録画されているものと判断して正規の手順に戻る一方、1分間の時間帯の間にファイルサイズに変化がなければ、その録画ファイルには監視カメラの映像が録画されていないと判断し、警告処理として録画不能の警告を発し、録画不能となった録画ファイル名からその録画ファイルが属するサーバーと、その録画ファイルに画像データを送信している監視カメラを特定し、これを監視装置のモニターに表示するとともに「E−メール」(警告メール)を配信し、管理者のパソコン及び管理者が所持する携帯電話に異常発生箇所を通知する技術が開示されている。
【0005】
特許文献3には、監視カメラシステムとして、各人の寝室に設置された屋内監視カメラによって撮影された撮影画像を取り込み、この撮影画像を解析することによって就寝中か否かの住人の状態を認識し、その住人の状態(就寝中か否か)に基づいてセキュリティレベル管理テーブルにアクセスし、該当するセキュリティレベルを選択的に読み出し、選択されたセキュリティレベルに基づいてセキュリティ制御テーブルにアクセスし、各セキュリティシステムの稼動/非稼動を認識し、その動作制御を行うものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−143592
【特許文献2】特開2005−117339
【特許文献3】特開2005−135230
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記一般的な従来の防犯用の監視カメラシステムでは、録画状態を確認するための操作リモコン又はマウスの操作は、複数の操作からなり、専門知識を要するため、熟練した専門技術者でなければできないという問題がある。
【0008】
また、特許文献1では、ITV監視システムに配置盤や操作盤が設けられ、これらの操作により、モニタ間の画像切り換え、カメラ選択、録画再生装置制御等がなされる点が開示されているが録画状態を簡単に確認可能とする具体的手法については何ら開示がなされていない。
特許文献2の録画状態監視方法によれば、録画ファイルサイズの監視により、録画状態の正常異常が判断されるが、録画状態を目視により判断するものではなく、また、目視で簡単に確認する具体的手法については何ら開示がなされていない。
特許文献3の監視カメラシステムが示唆するのは、セキュリティシステムの稼働/非稼働の認識についてであり、録画状態の正常/異常を目視で簡単に確認する具体的手法についてのものではない。
【0009】
以上のように、従来では監視カメラの過去の録画状態を簡単な操作で目視で確認できる技術が存在しなかった。従って、監視カメラシステムを使用するオフィスビル、マンション等においては、管理人・清掃員等が簡単な操作で監視カメラの過去の録画状態を目視で簡単に確認できる技術が求められていた。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、簡単な操作で過去の録画状態を短時間で正確に確認できるとともに、簡単な操作でその確認前の動作状態に短時間で正確に復帰できることを可能とする動作確認装置及びこれを用いた監視カメラシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、防犯目的で設置される監視カメラの映像を録画再生する監視カメラシステムに用いられる動作確認装置は、
過去の録画状態を確認するための動作確認ボタンと、
過去の録画状態の確認からリアルタイム再生に復帰するための復帰ボタンと、
前記動作確認ボタンの押下を検出すると過去の再生ポイントを含む複数のコマンドからなる動作確認コマンドを送信部から送信させる動作確認コマンド送信制御手段と、
前記復帰ボタンの押下を検出するとリアルタイム再生に復帰させる復帰コマンドを送信部から送信させる復帰コマンド送信制御手段とを備えることを要旨とする。
この場合に、前記動作確認ボタンの押下及び前記復帰ボタンの押下はいずれも1回であることが望ましい。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る動作確認装置を備えた監視カメラシステムは、
前記動作確認コマンドを受信すると前記再生ポイントに基づく録画映像に切り換えさせて当該録画映像を再生させる一方、前記復帰コマンドを受信するとリアルタイム再生に用いられる録画映像に切り換えさせて当該録画映像を再生させる再生制御手段と、
録画映像を再生するモニタとを備えたことを要旨とする。
この場合に、前記監視カメラシステムは、前記動作確認コマンド又は前記復帰コマンドを受信しても、監視カメラの映像の録画を継続させる録画制御手段を備えるとよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る防犯目的で設置される監視カメラの映像を録画再生する監視カメラシステムに用いられる動作確認装置によれば、動作確認コマンド送信制御手段は前記動作確認ボタンの押下を検出すると、過去の再生ポイントを含む複数のコマンドからなる動作確認コマンドを送信部から送信させる。従って、作業者は動作確認ボタンを押下するという簡単な操作を行うだけで良いという効果がある。また、復帰コマンド送信制御手段は前記復帰ボタンの押下を検出すると、リアルタイム再生に復帰させる復帰コマンドを送信部から送信させる。従って、作業者は復帰ボタンを押下するという簡単な操作を行うだけで良いという効果がある。特に、前記動作確認ボタンの押下及び前記復帰ボタンの押下はいずれも1回である場合には、非常に簡単な操作となる。
【0014】
本発明に係る動作確認装置を備えた監視カメラシステムによれば、再生制御手段は前記動作確認コマンドを受信すると前記再生ポイントに基づく録画映像に切り換えさせて当該録画映像を再生させる一方、前記復帰コマンドを受信するとリアルタイム再生に用いられる録画映像に切り換えさせて当該録画映像を再生させ、モニタは録画映像を再生する。従って、作業者は短時間に正確に録画状態の確認及び復帰状態の確認を行うことができるという効果がある。また、録画制御手段は前記動作確認コマンド又は前記復帰コマンドを受信しても、監視カメラの映像の録画を継続させるため、監視カメラによる監視は中断されないため、ビル管理会社やマンション管理会社は安心して本発明に係る監視カメラシステムを導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る監視カメラシステム100のブロック構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る動作確認装置200の外観図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るコマンド設定装置400のブロック構成図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るコマンド設定装置400の制御フローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る動作確認装置200の制御フローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係るハードディスク装置本体300の制御フローチャートである。
【符号の説明】
【0016】
100 監視カメラシステム
102 操作リモコン
104 監視カメラ
106 モニターテレビ
200 動作確認装置
202 制御部(動作確認コマンド送信制御手段、復帰コマンド送信制御手段)
204a 動作確認ボタン
204b 復帰ボタン
206 メモリ
208 コマンド設定メモリ
210 送信部
300 ハードディスク装置本体
302 制御部(再生制御手段、録画制御手段)
304a 映像入力端子
304b 映像出力端子
306 メモリ
308a 再生ポイント記憶テーブル(再生ポイント)
308b イベント履歴テーブル(再生ポイント)
310a,310b 受信部
400 コマンド設定装置
402 制御部
406 メモリ
SW1〜5 スイッチ
410 受信部
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を参照して本発明の一実施形態に係る監視カメラシステム100(以下単に、「システム100」という)、動作確認装置200及びコマンド設定装置400について説明する。
(ハードウエア構成)
図1は本発明の一実施形態に係るシステム100のブロック構成図である。同図に示すように、システム100は、操作リモコン102と、動作確認装置200と、ハードディスク装置本体300(以下単に、「装置本体300」という)と、監視カメラ104、モニターテレビ106とを備える。
操作リモコン102は、当該リモコン全体を制御する制御部、その動作プログラムや各種データを記憶するメモリ、各種命令を入力するボタン、赤外線通信による送信部を備え、装置本体300に録画・再生・停止等の命令を送信したり、コマンド設定装置400に設定する各コマンド、例えば、再生コマンド・再生ポイント・復帰コマンドを送信するために用いられる。
【0018】
ここで、「再生コマンド」とは、装置本体300に録画映像を再生させる再生命令をいう。
また、「再生ポイント」とは、遡って再生するのは現在時刻より何分前(又は何時間前・何秒前)であるか(装置本体300で5分前に戻ると設定されているデフォルト値を示すデータや、装置本体300でk分前(k≧0、以下同じ)に戻るとユーザにより設定されたユーザ設定値を示すデータ)を直接又は間接的に示すデータや、遡って再生するのはモーションセンサーが作動した不審者・不審物等のモーションセンサー検出時)であることを示すデータをいう。本実施形態では、「再生ポイント」としてデフォルト値・ユーザ設定値・モーションセンサー検出時のいずれを用いるのかが設定されるが、これに限定されることなく、過去に遡る時間長さを直接設定してもよい。
更に、「復帰コマンド」とは、再生ポイントからの再生をリアルタイム再生に切り換えさせる復帰命令をいう。
【0019】
動作確認装置200は、当該動作確認装置全体を制御する制御部202、各種命令を入力するボタン(図2参照)、例えば、
(1)過去の録画状態を確認するための動作確認ボタン204a、
(2)過去の録画状態の確認からリアルタイム再生に復帰するための復帰ボタン204bを備える他、その動作プログラムや各種データ、例えば、再生ポイントとしてデフォルト値・ユーザ設定値・モーションセンサー検出時のいずれを用いるのかを示す設定フラグ等を記憶するメモリ206、各種データのうち特にコマンドを記憶するコマンド設定メモリ208、赤外線通信による送信部210を備える。
【0020】
制御部202は、動作確認ボタン204a及び復帰ボタン204bと接続されており、動作確認ボタン204aの押下を1回検出すると過去の再生ポイントを含む複数のコマンドからなる動作確認コマンドを送信部210から送信させる動作確認コマンド送信制御手段として機能する(図5参照)。制御部202は、この送信を1つのコマンド毎に行ってもよいし、複数コマンドをまとめて1回で送信してもよい。
また、制御部202は、復帰ボタン204bの押下を1回検出するとリアルタイム再生に復帰させる復帰コマンドを送信部210から送信させる復帰コマンド送信制御手段として機能する(図5参照)。
制御部202は、動作確認ボタン204a,復帰ボタン204bの1回の押下を検出するとそれぞれ動作確認コマンドや復帰コマンドを送信させる制御を行うが、ボタンの複数回押下の検出により送信制御を行うものでもよい。例えば、制御部202は、動作確認ボタン204aが所定時間以内(例えば、数秒以内、1秒以内)に複数回押下されたことを検出した場合には押下された回数に応じた再生ポイントを送信するものでもよい。
【0021】
コマンド設定メモリ208は、アドレス1〜5に1アドレスに1コマンドを記憶するが、アドレス数は増減してもよい。本実施形態では、コマンド設定装置400でコマンドが設定された後、当該装置400から取り外して動作確認装置200に搭載される。コマンド設定メモリ208は、
(1)アドレス1に再生コマンドを、
(2)アドレス2に再生ポイント(デフォルト値)を示すコマンドを、
(3)アドレス3に再生ポイント(ユーザ設定値)を示すコマンドを、
(4)アドレス4に再生ポイント(モーションセンサー検出時)を示すコマンドを、
(5)アドレス5に復帰コマンドを記憶する。尚、そのアドレスや順番、コマンド種類はこれに限定されない。
【0022】
ここで、図3のコマンド設定装置400のブロック構成図を参照して、コマンド設定メモリ208へのコマンドの設定について説明する。コマンド設定装置400は、当該装置400を制御する制御部402と、当該装置400の動作プログラムや各種データを記憶するメモリ406と、コマンド設定メモリ208のアドレス1〜5のいずれに書き込むかを指定するスイッチSW1〜5と、受信部410を備える。コマンド設定装置400は、スイッチSW1〜5のいずれかが押下された状態で、押下スイッチに応じたアドレスに操作リモコン102から赤外線通信により送信されるコマンドをコマンド設定メモリ208に記憶させる。本実施形態では、コマンド設定装置400はスイッチSW1〜5が押下された状態では、それぞれ、コマンド設定メモリ208のアドレス1〜5にコマンドを書き込む。
【0023】
装置本体300は、制御部302と、監視カメラ104に接続された映像入力端子304aと、モニターテレビ106に接続された映像出力端子304bと、装置本体300全体の動作プログラムや各種データ、録画映像をデジタル画像として記憶する大容量のメモリ306と、再生ポイントを記憶した再生ポイント記憶テーブル308aと、モーションセンサー(図示省略)によって不審な動きが検出された時刻を記憶したイベント履歴テーブル308bと、操作リモコン102から赤外線通信により送信されるコマンドを受信する受信部310aと、動作確認装置200から赤外線通信により送信されるコマンドを受信する受信部310bとを備える。
【0024】
制御部302は受信部310aで検出したコマンドに基づいて、例えば、監視カメラ104の映像を録画時刻とともにメモリ306に録画し、録画されたデジタル映像をリアルタイム再生する制御を行う。制御部302はリアルタイム再生を行う場合には、システム時計を参照して現在時刻を表示させる。尚、リアルタイム再生においても録画時刻を合わせて表示させてもよい。
制御部302は再生ポイント記憶テーブル308aやイベント履歴テーブル308bを参照してこれらに基づいて録画されたデジタル映像を再生することもできる。制御部302は再生ポイントから再生を行う場合には、録画時刻とともにシステム時計を参照して現在時刻を表示させる。
装置本体300にモーションセンサー(図示省略)が搭載又は周辺機器として接続された場合には、制御部302は録画中にモーションセンサーによって不審な動きが検出されると、その時刻をモーションセンサー検出時としてイベント履歴テーブル308bに記憶させる。
再生ポイント記憶テーブル308aには、どれだけ過去に遡って再生するかを示すデフォルト値として5分が記憶されるほか、ユーザ設定値としてk分が記憶される。
【0025】
制御部302は受信部310bで検出した動作確認装置200からのコマンドに基づいて、
(1)動作確認動作としてリアルタイム再生から再生ポイントに基づく再生に切り換えさせてモニターテレビ106に当該録画映像を再生させたり、
(2)復帰動作として再生ポイントに基づく再生等からリアルタイム再生に用いられる録画映像に切り換えさせてモニターテレビ106に当該録画映像を再生させる。例えば、制御部302は受信部310bで動作確認ボタン204aの押下を検出するとリアルタイム再生から再生ポイントに基づく再生に切り換える一方、受信部310bで復帰ボタン204bの押下を検出すると再生ポイントに基づく再生からリアルタイム再生に切り換える。
【0026】
モニターテレビ106は、映像出力端子304bに接続され、メモリ306に録画された映像並びに現在時刻及び/又は録画時刻をモニタに出力する。
【0027】
(ソフトウエア構成)
図4はコマンド設定装置400、図5は動作確認装置200、図6は装置本体300のフローチャートである。これらを参照して装置各部の動作について説明する。
(コマンド設定フローチャート)
図4のコマンド設定フローチャートA100を参照してコマンド設定動作について説明する。まず、作業者によりコマンド設定装置400にコマンド設定メモリ208が取り付けられ、スイッチSW1〜5のうちいずれかが押下される。その状態で、制御部402は、操作リモコン102から赤外線通信により送信されるコマンドの受信を待機し(A101)、そのコマンドを受信すると(A101:YES)、スイッチSW1〜5のいずれが押下されているかを検出し(A102,A103…A106)、押下されているスイッチに対応するアドレス1〜5のいずれかに、受信したコマンドを記憶させる(A102a,A103a…A106a)。これにより、所定のアドレスに所定のコマンドが設定される。
【0028】
これが終了すると、作業者は別のスイッチを押下して操作リモコン102を操作する。これにより、操作リモコン102から赤外線通信により送信されるコマンドが制御部402によって受信され(A102〜A106)、該当するスイッチに対応するアドレスに書き込まれる(A102a〜A106a)。これが全てのスイッチSW1〜5について行われる。コマンドの数は特に限定されることなく、仕様に応じてスイッチを追加することによって記憶させるコマンドも増加することができる。
【0029】
本実施形態においては、コマンド設定メモリ208の、
(1)アドレス1には再生コマンド(再生指令)が書き込まれ、
(2)アドレス2には再生ポイント(デフォルト値)が書き込まれ、
(3)アドレス3には再生ポイント(ユーザ設定値)が書き込まれ、
(4)アドレス4には再生ポイント(モーションセンサー検出時)が書き込まれ、
(5)アドレス5には復帰コマンドが書き込まれる。
【0030】
(動作確認フローチャート)
図5の動作確認フローチャートA200を参照して動作確認動作について説明する。まず、制御部202は動作確認ボタン204aの押下を待機し(A201:NO)、その押下を検出すると(A201:YES)、コマンド設定メモリ208のアドレス1から再生コマンド(複数コマンドからなる動作確認コマンドの1番目)を読み出して、送信部210から赤外線通信により送信する(A202)。
次に、制御部202は設定フラグの値(デフォルト値(設定フラグを設けない場合も含む)はアドレス2を示す。動作確認装置200のディップスイッチや筐体に設けたスイッチによってアドレス3、アドレス4と設定してもよい、また、プログラム的に書き換えることによりアドレス3、アドレス4と設定してもよい)に基づいてアドレス2〜4のいずれかから再生ポイント(複数コマンドからなる動作確認コマンドの2番目)を読み出して、送信部210から赤外線通信により送信する(A203)。通常は、アドレス2が読み出されるため、5分前に基づく再生を示す再生ポイントが送信される。アドレス3が読み出された場合には、ユーザ設定のk分前に基づく再生を示す再生ポイントが送信され、アドレス4が読み出された場合には、モーションセンサー検出時に基づく再生を示す再生ポイントが送信される。
【0031】
次に、制御部202は復帰ボタン204bの押下を待機し(A204:NO)、その押下を検出すると(A204:YES)、アドレス5の復帰コマンドを読み出して、送信部210から赤外線通信により送信する(A205)。その後、制御部202はA201の処理に戻り、動作確認ボタン204aの押下を待機する(A201:NO)。
【0032】
(録画再生フローチャート)
図6の録画再生フローチャートA300を参照して録画再生動作について説明する。まず、制御部302は受信部310bにおいて再生コマンドの受信を待機し(A301:NO)、再生コマンドを受信すると(A301:YES)、当該装置300がリアルタイム再生を行っている場合にはそれを一時停止させて再生ヘッドを移動可能状態とし、当該装置300がリアルタイム再生を行っていない場合には再生ヘッドを移動可能状態とする(A302)。
【0033】
次に、制御部302は受信部310bにおいて再生ポイントを受信すると(A303:YES)、再生ポイント(デフォルト値・ユーザ設定値・モーションセンサー検出時のいずれかを示すデータ)を参照して再生ヘッドを当該再生ポイントで示される映像を再生可能な位置へ移動させ、そこから映像を読み出し再生を開始させる(A304)。尚、再生ポイントがデフォルト値を示す場合は5分前に基づく映像が再生され(例えば、5分前から再生)、ユーザ設定値を示す場合はk分前に基づく映像が再生され(例えば、k分前から再生)、モーションセンサー検出時を示す場合は直近のイベント履歴に基づく映像が再生される(例えば、モーションセンサー検出時から再生)。このようにして、制御部302は再生ポイントに基づく録画映像に切り換えさせて当該録画映像を再生させる。
【0034】
これにより、モニターテレビ106には再生ポイントに基づく過去の録画映像が録画時刻及び現在時刻とともに映し出される。このとき、システム100による監視カメラ104の録画は継続された状態である。従って、作業者は録画動作に何らの影響も与えることなく、動作確認ボタン204aを押下するだけで録画状態を目視により簡単に確認できる。
【0035】
次に、制御部302は受信部301bにおいて復帰コマンドを受信すると(A305:YES)、再生ヘッドをリアルタイム再生を行う場合の映像を再生可能な位置へ移動させ、そこから映像を読み出し再生を開始させる(A306)。このようにして、制御部302はリアルタイム再生に用いられる録画映像に切り換えさせて当該録画映像を再生させる。これにより、モニターテレビ106にはリアルタイム再生による映像が現在時刻とともに映し出される。従って、作業者は復帰ボタン204bを押下するだけでリアルタイム再生に復帰できるため、目視により安心して録画状態の確認ができる。更に、作業者は復帰ボタンの押下を忘れても録画は継続されたままであるため安心である。
【0036】
(録画状態の確認動作)
次に、図面を参照して録画状態の確認がどのようになされるのかの一例を説明する。
システム100の装置各部の電源投入が作業者により投入され、装置各部の初期化処理等が行われた後、装置本体300による監視カメラ104の映像の録画及びリアルタイム再生が開始される。
この状態で、作業者が録画状態の確認をする場合には、動作確認ボタン204aを押下する。動作確認装置200の制御部202は動作確認ボタン204aの押下を認識すると(A201:YES)、コマンド設定メモリ208のアドレス1から再生コマンドを読み出して、送信部210から赤外線通信により送信する(A202)。すると、装置本体300の制御部302は受信部310bにおいて再生コマンドを受信し(A301:YES)、当該装置300がリアルタイム再生を行っている場合にはそれを一時停止させて再生ヘッドを移動可能状態とし、当該装置300がリアルタイム再生を行っていない場合には再生ヘッドを移動可能状態とする(A302)。
【0037】
一方、動作確認装置200の制御部202は続いて設定フラグの値に応じてアドレス2〜4(設定フラグがデフォルト値を示す場合(設定フラグを設けない場合を含む)はアドレス2、設定フラグがユーザ設定値を示す場合はアドレス3、設定フラグがモーションセンサー検出時を示す場合はアドレス4)のいずれかのデータを再生ポイントとして読み出して、送信部210から赤外線通信により送信する(A203)。すると、装置本体300の制御部302は受信部310bにおいて再生ポイントを受信し(A303:YES)、再生ヘッドを当該再生ポイントで示される映像を再生可能な位置へ移動させ、そこから映像を読み出し再生を開始させる(A304)。モニターテレビ106には再生ポイントに基づく過去の録画映像が録画時刻及び現在時刻とともに映し出される。これにより、作業者は過去の録画状態を目視により確認することができる。作業者が行う作業は、動作確認ボタン204aの押下だけであるため、専門的な知識を要することなく簡単かつ迅速に録画状態の確認が可能である。尚、過去の録画状態を確認している間も監視カメラ104の映像の録画は継続されている。
【0038】
(録画状態の確認からリアルタイム再生への復帰動作)
次に、図面を参照して録画状態の確認からリアルタイム再生への復帰がどのようになされるのかの一例を説明する。
動作確認ボタン204aの押下による過去の録画映像がモニターテレビ106に映し出された状態で、録画状態の確認を終了しリアルタイム再生へ復帰させる場合には、作業者は復帰ボタン204bを押下する。動作確認装置200の制御部202は復帰ボタン204bの押下を認識すると(A204:YES)、コマンド設定メモリ208のアドレス5から復帰コマンドを読み出して、送信部210から赤外線通信により送信する(A205)。
【0039】
すると、装置本体300の制御部302は受信部310bにおいて復帰コマンドを受信し(A305:YES)、再生ヘッドをリアルタイム再生を行う場合の映像を再生可能な位置へ移動させ、そこから映像を読み出し再生を開始させる(A306)。モニターテレビ106にはその映像が映し出される。現在時刻も合わせて表示される。これにより、作業者はリアルタイム再生へ復帰したことも目視により確認することができる。作業者が行う作業は、復帰ボタン204bの押下だけであるため、専門的な知識を要することなく簡単かつ迅速にリアルタイム再生への復帰が可能である。尚、動作確認ボタン204aの押下以降も監視カメラ104の映像の録画は継続されているため、作業者が復帰ボタン204bの押下を失念しても録画が中断されることはない。
【0040】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。上記実施形態においては、通信は赤外線通信によるものであるが、無線データ通信の種類は特に限定されない。また、有線による通信でもよい。更に、コマンド設定メモリ208には、各アドレスに1つのコマンドが記憶され、制御部202はこれを組み合わせて送信するが、これに限定されることはない。例えば、コマンド設定メモリ208には、コマンド命令群として先頭アドレスを各命令に関連づけて記憶させるとともに最終アドレスにはエンドマークを付加して記憶させ、制御部202には先頭アドレスからエンドマークまでを順次読み出させコマンドを送信させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係る動作確認装置及びこれを用いた監視カメラシステムは、ワンタッチで作業者が簡単に監視カメラの録画状態を確認することを可能にするとともに、ワンタッチで作業者が簡単に録画状態の確認からリアルタイム再生へ復帰させることができるため、オフィスビル、マンション等における録画状態の確認を管理人・清掃員等に行わせることができ専門家を派遣する必要がなくなる。従って、監視カメラを設置するオフィスビル、マンション等における多大な需要が見込まれ、産業上極めて有益である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防犯目的で設置される監視カメラの映像を録画再生する監視カメラシステムに用いられる動作確認装置であって、
過去の録画状態を確認するための動作確認ボタンと、
過去の録画状態の確認からリアルタイム再生に復帰するための復帰ボタンと、
前記動作確認ボタンの押下を検出すると過去の再生ポイントを含む複数のコマンドからなる動作確認コマンドを送信部から送信させる動作確認コマンド送信制御手段と、
前記復帰ボタンの押下を検出するとリアルタイム再生に復帰させる復帰コマンドを送信部から送信させる復帰コマンド送信制御手段とを備えたことを特徴とする動作確認装置。
【請求項2】
前記動作確認ボタンの押下及び前記復帰ボタンの押下はいずれも1回であることを特徴とする請求項1に記載の動作確認装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の動作確認装置を備えた監視カメラシステムであって、
前記動作確認コマンドを受信すると前記再生ポイントに基づく録画映像に切り換えさせて当該録画映像を再生させる一方、前記復帰コマンドを受信するとリアルタイム再生に用いられる録画映像に切り換えさせて当該録画映像を再生させる再生制御手段と、
録画映像を再生するモニタとを備えたことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項4】
前記動作確認コマンド又は前記復帰コマンドを受信しても、監視カメラの映像の録画を継続させる録画制御手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の監視カメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−44416(P2012−44416A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183355(P2010−183355)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(500344367)株式会社日本総合施設 (3)
【Fターム(参考)】