説明

動力伝達機構

【課題】燃費が悪化することなく、シフトブロックを確実に解消できる動力伝達機構を提供する。
【解決手段】変速機はリバース機構5を備えている。リバース機構5はアイドラ軸10とアイドラ歯車11を備えている。アイドラ歯車11は駆動歯車及び出力歯車と噛み合う噛合位置と駆動歯車及び出力歯車から離間する離間位置とに亘ってアイドラ軸10に移動自在に設けられている。アイドラ歯車11は歯車本体17と第1スリーブ18と波形固定被押圧部20を備えている。第1スリーブ18は周方向に山部と谷部とが交互に設けられた波形被押圧部32が設けられている。波形固定被押圧部20は歯車本体17に固定されかつ周方向に第2山部44と第2谷部45とが交互に設けられているとともに波形被押圧部32の山部34と谷部35とに傾斜面46が隣り合う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、駆動歯車と噛み合う噛合位置と、駆動歯車から離間する離間位置とに亘って移動自在に設けられた伝達歯車を備えた動力伝達機構に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、エンジンの駆動力を走行条件に応じて変換して取り出すために、手動や自動の動力伝達機構としての変速機を備えている。このような変速機として、ギヤ式の変速機やベルト式の変速機等が用いられており、駆動力の伝達損失の少ないギヤ式の変速機が多用されている。この種のギヤ式の変速機のリバース機構には、選択摺動式の変速機構(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)が用いられている。
【0003】
リバース機構は、駆動軸に固定された駆動歯車と、出力軸の軸方向で駆動歯車と対向する位置に固定されかつ駆動歯車から間隔をあけた出力歯車と、前記駆動軸と前記出力軸との双方と平行な副軸と、この副軸に回転自在に設けられたアイドラ歯車とを備えている。また、アイドラ歯車は、副軸の軸芯に沿って移動自在に設けられている。アイドラ歯車は、駆動歯車と出力歯車との双方に噛合する噛合位置と、駆動歯車と出力歯車との双方から間隔をあける離間位置とに亘って移動自在となっている。アイドラ歯車は、自動車のシフトレバーの操作により前述した噛合位置と離間位置とに亘って移動される。
【0004】
リバース機構は、前記自動車が前進する際には、アイドラ歯車を離間位置に配置する。リバース機構は、前記自動車が後進する際には、アイドラ歯車を噛合位置に移動し、このアイドラ歯車を介して前記駆動軸の回転駆動力を出力軸に伝達して、前記自動車を後方に向かって走行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−277891号公報
【特許文献2】特開2010−25332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した選択摺動式の変速機構では、アイドラ歯車を噛合位置に向かって移動する際に、アイドラ歯車の歯の先が駆動歯車の歯の先又は出力歯車の歯の先に接触して、アイドラ歯車を駆動歯車と出力歯車との双方に噛合できない所謂シフトブロックが生じることがあった。特許文献1や特許文献2にはアイドラギヤを回転させてシフトブロックを解消する構造が記載されている。しかし、特許文献1の構造では、アイドラギヤが離間位置(中立位置)にある場合にアイドラギヤが振動して騒音が発生する虞がある。また、特許文献2の構造では円筒面に溝を形成するため製造性が悪い。
【0007】
一方、アイドラ歯車を駆動歯車と出力歯車に常時噛み合わせる常時噛合式の変速機では、前述したシフトブロックが発生することはないが、自動車が前進している間も常にアイドラ歯車が回転するために、潤滑油の攪拌抵抗と軸受の摺動抵抗が常に生じて、燃費が悪化してしまうという問題があった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、燃費が悪化することなく、シフトブロックを確実に解消できる動力伝達機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し第1の目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の動力伝達機構は、軸芯回りに回転駆動される駆動軸と、前記駆動軸に固定された駆動歯車と、前記駆動軸と平行に設けられた副軸と、前記駆動歯車と噛み合う噛合位置と、前記駆動歯車から離間する離間位置とに亘って、前記副軸に軸方向に移動自在に設けられた伝達歯車と、前記伝達歯車を前記離間位置から噛合位置に向かって押圧可能な押圧部材と、を備えた動力伝達機構において、前記伝達歯車が、前記駆動歯車と噛合可能な歯が外縁に設けられた歯車本体と、前記歯車本体に対する回転が規制され、かつ、前記歯車本体に軸方向に移動自在に設けられて前記歯車本体から前記押圧部材に向かって突出する方向に付勢されているとともに、周方向に山部と谷部とが交互に設けられて前記押圧部材から押圧される、波形の波形被押圧部が設けられた突没部材と、前記歯車本体に固定され、かつ周方向に第2山部と第2谷部とが交互に設けられて前記波形被押圧部が前記歯車本体内に没すると前記押圧部材から押圧されるとともに、前記歯車本体の軸方向で第2山部と第2谷部との間の傾斜面が前記波形被押圧部の山部と谷部とに隣り合う、波形の波形固定被押圧部と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の本発明の動力伝達機構は、請求項1に記載の動力伝達機構において、前記伝達歯車が、前記突没部材に対する回転が規制され、かつ、前記突没部材に軸方向に移動自在に設けられて前記歯車本体から前記押圧部材に向かって突出する方向に付勢されて前記突没部材よりも前記歯車本体から突出可能であるとともに、前記押圧部材から押圧される、平坦な平坦被押圧部が設けられた第2突没部材を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の本発明の動力伝達機構は、請求項2に記載の動力伝達機構において、前記突没部材には、前記歯車本体からの脱落を規制するストッパ部が設けられ、かつ、前記第2突没部材には、前記突没部材からの脱落を規制する第2ストッパ部が設けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の本発明の動力伝達機構は、請求項2又は請求項3に記載の動力伝達機構において、前記突没部材の内側に前記第2突没部材が設けられ、かつ、前記突没部材には、その内周面から内側に突出する凸部が周方向に間隔をあけて設けられているとともに、前記第2突没部材には、その外周面から外側に突出して前記凸部間に位置する第2凸部が周方向に間隔をあけて設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の本発明の動力伝達機構は、請求項4に記載の動力伝達機構において、前記歯車本体と前記凸部との間には、前記突没部材を前記押圧部材に向かって付勢する付勢部材が設けられ、かつ、前記歯車本体と前記第2凸部との間には、前記第2突没部材を前記押圧部材に向かって付勢する第2付勢部材が設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載の本発明の動力伝達機構は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載の動力伝達機構において、前記駆動軸と間隔をあけて平行に設けられた被伝達軸と、前記被伝達軸に固定されかつ前記駆動歯車と隣り合う被伝達歯車と、を備え、前記伝達歯車が、前記噛合位置では前記駆動歯車と前記被伝達歯車との双方に噛合することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の本発明によれば、歯車本体から押圧部材に向かって付勢された突没部材の波形被押圧部の山部及び谷部と、歯車本体に固定された波形の波形固定被押圧部の傾斜面とが歯車本体の軸方向で隣り合っている。このために、シフトブロックが生じた際に、押圧部材が波形被押圧部の山部の頂点又は谷部の底と接触して伝達歯車を回転させることができなくても、押圧部材が、突没部材を押圧すると波形固定被押圧部の傾斜面に確実に接触する。したがって、シフトブロックが生じた際に、押圧部材が確実に伝達歯車を回転でき、当該シフトブロックを確実に解消することができる。そして、伝達歯車の回転位置によらず、当該伝達歯車を駆動歯車と噛み合う噛合位置まで円滑に移動でき、伝達歯車の移動の円滑化を図ることができる。また、伝達歯車が、噛合位置と離間位置とに亘って移動自在であるために、常に駆動歯車に噛み合うことがない。よって、請求項1記載の本発明の動力伝達機構は、燃費が悪化することなく、シフトブロックを確実に解消することができる。
【0016】
請求項2記載の本発明によれば、伝達歯車が、歯車本体から押圧部材に向かって突出する方向に付勢されて突没部材よりも前記歯車本体から突出可能である第2突没部材を備えている。このために、伝達歯車を駆動歯車に向かって押圧する押圧部材が、まず、第2突没部材の平坦な平坦被押圧部に接触する。したがって、シフトブロックが生じていない状態では、押圧部材が波形被押圧部と波形固定被押圧部に接触しないので、伝達歯車の無駄な回転を防止できる。
【0017】
請求項3記載の本発明によれば、突没部材と第2突没部材とのそれぞれに脱落を防止するストッパ部と第2ストッパ部を設けているので、脱落を防止する部材を専用に設ける場合よりも、伝達歯車の小型化を図ることができる。よって、動力伝達機構自体の小型化を図ることができる。
【0018】
請求項4記載の本発明によれば、突没部材の内周面から凸の凸部を周方向に間隔をあけて複数設け、第2突没部材の外周面から凸でかつ凸部間に侵入する第2凸部を周方向に間隔をあけて複数設けているので、突没部材と第2突没部材とが、互いに軸芯周りに回転することを防止できる。このため、押圧部材に波形被押圧部が押圧された際に、確実に歯車本体を回転することができ、シフトブロックを確実に解消することができる。
【0019】
請求項5記載の本発明によれば、歯車本体と凸部との間に付勢部材を設け。歯車本体と第2凸部との間に第2付勢部材を設けているので、これらの付勢部材を周方向に間隔をあけて配置することができ、突没部材、第2突没部材及び歯車本体即ち伝達歯車が副軸に対して傾くことを防止できる。
【0020】
請求項6記載の本発明によれば、副軸と平行な被伝達軸と、この被伝達軸に固定されかつ駆動歯車と隣り合う被伝達歯車を備えているので、伝達歯車を駆動歯車と被伝達歯車との双方に噛み合わせることで、伝達歯車を介して駆動軸の回転駆動力を被伝達軸に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態にかかる動力伝達機構のトランスミッションケースを切り欠いて示す要部の側面図である。
【図2】図1に示された動力伝達機構のアイドラ歯車が噛合位置に位置付けられた状態を示す要部の側面図である。
【図3】図1に示された動力伝達機構のアイドラ歯車などを一部断面で示す斜視図である。
【図4】図1に示された動力伝達機構のアイドラ歯車の側面図である。
【図5】図4中のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図4中のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図6に示されたアイドラ歯車の波形被押圧部に押圧ピンが接触した状態を示す断面図である。
【図8】図7に示されたアイドラ歯車の波形固定被押圧部に押圧ピンが接触した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態にかかる動力伝達機構としての選択摺動式の変速機構(以下、単に変速機構と呼ぶ)を、図1乃至図8を参照して説明する。
【0023】
変速機構1は、図1、図2及び図3に示すように、トランスミッションケース2と、駆動部3と、被駆動部4と、複数の図示しないスリーブと、リバース機構5とを備えている。
【0024】
トランスミッションケース2は、アルミニウム合金などの金属で構成され、かつ箱状に形成されている。駆動部3は、図示しない駆動軸と、図示しない複数の変速歯車とを備えている。駆動軸は、円柱状に形成され、トランスミッションケース2に周知の軸受により軸芯P1回りに回転自在に支持されている。駆動軸は、勿論、トランスミッションケース2内に収容されている。駆動軸は、エンジンの駆動力により軸芯P1回りに回転駆動される。複数の変速歯車は、それぞれが駆動軸に回転自在に支持されているとともに、駆動軸の軸芯P1に沿って互いに間隔をあけて設けられている。
【0025】
被駆動部4は、被伝達軸としての図示しない出力軸と、図示しない複数の変速歯車とを備えている。出力軸は、円柱状に形成され、トランスミッションケース2に周知の軸受により軸芯P2回りに回転自在に支持されている。出力軸は、勿論、トランスミッションケース2内に収容されている。また、出力軸は、駆動軸と間隔をあけて平行に設けられている。このために、出力軸の軸芯P2は、駆動軸の軸芯P1と平行に設けられている。出力軸は、自動車の駆動輪に回転を伝達する。複数の変速歯車は、それぞれが出力軸に回転自在に支持されているとともに、出力軸の軸芯P2に沿って互いに間隔をあけて設けられている。
【0026】
駆動軸に設けられた変速歯車と、出力軸に設けられた変速歯車とは、1対1で対応しており、互いに対応する歯車同士が常に互いに噛合している。また、これらの駆動軸に設けられた変速歯車と出力軸に設けられた変速歯車とは、前進用の変速ギヤ列を構成している。
【0027】
スリーブは、出力軸に設けられた変速歯車に噛み合う駆動軸に設けられた複数の変速歯車のうちの任意の一つの変速歯車を駆動軸に固定する状態と、全ての変速歯車を駆動軸に対して回転自在とする状態とが切換自在となっている。
【0028】
リバース機構5は選択摺動式の変速機構であり、駆動軸に固定された駆動歯車8と、出力軸に固定されかつ駆動歯車8と間隔をあけて対向する被伝達歯車としての出力歯車9と、前記駆動軸と前記出力軸との双方と平行な副軸としてのアイドラ軸10と、このアイドラ軸10に回転自在に設けられた伝達歯車としてのアイドラ歯車11とを備えている。駆動歯車8は、駆動軸の端部に固定されている。出力歯車9は、出力軸の端部に固定されている。駆動歯車8と出力歯車9とは、軸芯P1,P2に対して直交する方向に沿って互いに間隔をあけて並べられている(隣り合っている)。
【0029】
アイドラ軸10は、円柱状に形成され、一端部がトランスミッションケース2に固定され、他端部がトランスミッションケース2にボルト12などにより固定される支持ブロック13に固定されている。アイドラ軸10は、勿論、トランスミッションケース2内に収容されている。また、アイドラ軸10は、駆動軸と出力軸との双方と間隔をあけて平行に設けられている。このために、アイドラ軸10の軸芯Pは、駆動軸の軸芯P1と出力軸の軸芯P2との双方と平行に設けられている。
【0030】
アイドラ歯車11は、アイドラ軸10の軸芯Pに沿って移動自在に設けられている。また、アイドラ歯車11は、アイドラ軸10に対して軸芯P回りに回転自在に設けられている。また、アイドラ歯車11は、アイドラ軸10の軸芯Pに沿って移動することで、駆動歯車8と出力歯車9との双方に噛合する噛合位置(図2に示す)と、駆動歯車8と出力歯車9との双方から間隔をあける離間位置(図1に示す)とに亘って移動自在となっている。アイドラ歯車11は、自動車のシフトレバーの操作により駆動されるシフトレバー機構14により、噛合位置と離間位置とに亘って軸芯Pに沿って移動される。
【0031】
シフトレバー機構14は、スライドロッド14aと、リバースシフトレバー15と、押圧部材としての押圧ピン16とを備えている。スライドロッド14aは、その軸芯が前記軸芯P,P1,P2と平行な円柱状に形成されている。スライドロッド14aは、トランスミッションケース2に前記軸芯P,P1,P2に沿う方向へ移動自在に設けられている。スライドロッド14aは、シフトレバーが操作されることにより軸芯P,P1,P2に沿って移動する。
【0032】
リバースシフトレバー15は、その長手方向の中央部がスライドロッド14aに連結している。リバースシフトレバー15は、一端部がトランスミッションケース2に回転自在に取り付けられている。リバースシフトレバー15の一端部の回転中心は、前記軸芯P,P1,P2に対して直交している。リバースシフトレバー15の他端部がアイドラ軸10に取り付けられたアイドラ歯車11と重なる位置に設けられている。
【0033】
押圧ピン16は、リバースシフトレバー15の他端部からアイドラ歯車11に向かって立設した円柱状に形成されている。押圧ピン16は、アイドラ歯車11の後述する第1スリーブ18の鍔部41間に侵入する。シフトレバー機構14は、スライドロッド14aが軸芯P,P1,P2に沿う方向へ移動し、リバースシフトレバー15が中央部を中心として回転して、他端部に設けられた押圧ピン16が鍔部41を押圧することで、アイドラ歯車11を噛合位置と離間位置とに亘って移動させる。
【0034】
アイドラ歯車11は、図4及び図5に示すように、歯車本体17と、突没部材としての第1スリーブ18と、第2突没部材としての第2スリーブ19と、波形固定被押圧部20と、付勢部材としてのコイルばね21(図6乃至図8に示す)と、第2付勢部材としてのコイルばね22(図6乃至図8に示す)とを備えている。
【0035】
歯車本体17は、円環状の歯車部材23と、ブッシュ24とを備えている。歯車部材23の外縁には、駆動歯車8及び出力歯車9の歯と噛合する歯25が設けられている。即ち、歯車本体17の外縁には、駆動歯車8及び出力歯車9の歯と噛合する歯25が設けられている。また、歯車部材23の内面には、当該歯車部材236の軸方向で波形固定被押圧部20が設けられた当該歯車部材23の一方の端面23aの側に向かうにしたがって内径が段階的に縮小する段差26が一つ形成されている。さらに、歯車部材23の内面には、段差26より一方の端面23a側に、当該内面に対して凹となる内径拡大部27が周方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0036】
ブッシュ24は、円環状の円環部28と、この円環部28の内縁から立設した円筒状の円筒部29とを一体に備えている。円環部28の外径は、歯車部材23の、当該歯車部材23の段差26よりも他方の端面23b側の内径と等しく形成されている。円筒部29の内径は、アイドラ軸10の外径と略等しく形成されている。ブッシュ24は、円環部28が歯車部材23の内周に取り付けられるとともに円筒部29の内側にアイドラ軸10が挿入されることで、歯車部材23即ち歯車本体17を、アイドラ軸10に対して軸芯Pに沿って移動自在とするとともに、軸芯P回りに回転自在とする。
【0037】
第1スリーブ18は、円筒状に形成されたスリーブ本体30と、ストッパ部31と、波形被押圧部32と、複数の凸部33(図3に示す)とを備えている。スリーブ本体30の外径は、歯車部材23の、当該歯車部材23の段差26よりも端面23a側の内径と等しく形成されている。スリーブ本体30の内径は、アイドラ軸10の外径よりも大きく形成されている。ストッパ部31は、スリーブ本体30の前記ブッシュ24寄りの端部から外周方向に突出しているとともに、周方向に間隔をあけて複数設けられている。ストッパ部31は、歯車本体17の歯車部材23の内面に設けられた内径拡大部27内に侵入するとともに、当該内径拡大部27と合致する形状に形成されている。
【0038】
波形被押圧部32は、第1スリーブ18の押圧ピン16寄りの端部の全周に亘って設けられている。波形被押圧部32は、図4に示すように、断面山形の山部34と、断面V字状の谷部35とが周方向に交互に設けられている。また、これら山部34と谷部35との間は、軸芯Pに対して直交する方向に対して傾斜した、平坦な傾斜面36となっている。
【0039】
凸部33は、図3に示すように、スリーブ本体30の前記ブッシュ24寄りの端部から内周方向に突出している。即ち、凸部33は、第1スリーブ18のスリーブ本体30の内周面から内側に突出している。凸部33は、周方向に間隔をあけて複数設けられている。また、互いに隣り合う凸部33間には、スリーブ本体30の前記ブッシュ24寄りの端部から軸方向に内周面を切り欠いたストッパ受け部37(図6乃至図8に示す)が設けられている。
【0040】
第1スリーブ18は、歯車本体17の歯車部材23の内側に収容され、かつ歯車本体17の歯車部材23に対して軸芯Pに沿って移動自在に設けられる。即ち、第1スリーブ18は、歯車本体17に軸方向に移動自在に設けられている。また、第1スリーブ18は、ストッパ部31が内径拡大部27内に侵入して、歯車本体17の歯車部材23に対する回転が規制されるとともに、ストッパ部31により歯車本体17の歯車部材23からの脱落が防止される。なお、第1スリーブ18は、内径拡大部27にストッパ部31が重なると、波形被押圧部32が波形固定被押圧部20よりも押圧ピン16に向かって突出する。
【0041】
第2スリーブ19は、円筒状に形成されたスリーブ本体38と、複数の第2凸部39と、第2ストッパ部40と、二つの鍔部41と、平坦被押圧部42とを備えている。スリーブ本体38の外径は、第1スリーブ18のスリーブ本体30の内径と略等しい。スリーブ本体38の内径は、アイドラ軸10の外径と略等しく形成されている。
【0042】
第2凸部39は、図3に示すように、スリーブ本体38の前記ブッシュ24寄りの端部から外周方向に突出している。即ち、第2凸部39は、第2スリーブ19のスリーブ本体38の外周面から外側に突出している。第2凸部39は、周方向に間隔をあけて複数設けられている。第2凸部39は、互いに隣り合う第1スリーブ18の凸部33間に侵入するとともに、当該互いに隣り合う凸部33間の空間と合致する形状に形成されている。
【0043】
第2ストッパ部40は、第2凸部39から外側に突出している。第2ストッパ部40は、第1スリーブ18の互いに隣り合う凸部33間に設けられたストッパ受け部37内に侵入するとともに、当該ストッパ受け部37に合致する形状に形成されている。
【0044】
鍔部41は、スリーブ本体38の長手方向の中央部と、スリーブ本体38の押圧ピン16寄りの端部とに設けられている。鍔部41は、スリーブ本体38の外周面から凸の円環状に形成されている。また、スリーブ本体38の長手方向の中央部に設けられた鍔部41は、第2凸部39と一体になっている。
【0045】
平坦被押圧部42は、第2スリーブ19のスリーブ本体38の長手方向の中央部に設けられた鍔部41の押圧ピン16寄りの表面であり、前記軸芯Pに対して直交する方向に沿って平坦に形成されている。
【0046】
第2スリーブ19は、第1スリーブ18のスリーブ本体30の内側に収容され、かつ第1スリーブ18のスリーブ本体30に対して軸芯Pに沿って移動自在に設けられる。即ち、第2スリーブ19は、第1スリーブ18に軸方向に移動自在に設けられている。また、第2スリーブ19は、第2凸部39が互いに隣り合う凸部33間に侵入し、第2ストッパ部40がストッパ受け部37内に侵入して、第1スリーブ18のスリーブ本体30に対する回転が規制されるとともに、第2ストッパ部40により第1スリーブ18のスリーブ本体30からの脱落が防止される。また、第2スリーブ19は、内側にアイドラ軸10を通すとともに、アイドラ軸10の軸芯Pに沿う方向の移動が許容され、軸芯P回りの回転が許容されている。なお、第2スリーブ19は、ストッパ受け部37に第2ストッパ部40が重なると、平坦被押圧部42が波形被押圧部32よりも押圧ピン16に向かって突出する。即ち、第2スリーブ19は、第1スリーブ18寄りも歯車本体17から突出可能である。
【0047】
波形固定被押圧部20は、歯車本体17と一体に形成され、かつ歯車本体17の押圧ピン16寄りの端面23aの内縁から立設して円環状の立設環状部43に設けられている。即ち、波形固定被押圧部20は、歯車本体17に固定されている。波形固定被押圧部20は、図4に示すように、断面山形の第2山部44と、断面V字状の第2谷部45とが周方向に交互に設けられている。また、これら第2山部44と第2谷部45との間は、軸芯Pに対して直交する方向に対して傾斜した、平坦な傾斜面46となっている。また、前述したように、歯車本体17の歯車部材23に第1スリーブ18が取り付けられると、歯車本体17の軸方向で前記傾斜面46が波形被押圧部32の山部34と谷部35との双方に隣り合う。
【0048】
コイルばね21は、各凸部33の表面から凹の穴に一端が収容されて、当該凸部33とブッシュ24との間に設けられている。コイルばね21は、第1スリーブ18を押圧ピン16に向かって付勢している。即ち、第1スリーブ18は、コイルばね21により歯車本体17から押圧ピン16に向かって付勢されている。
【0049】
コイルばね22は、各第2凸部39の表面から凹の穴に一端が収容されて、当該第2凸部39とブッシュ24との間に設けられている。コイルばね22は、第2スリーブ19を押圧ピン16に向かって付勢している。即ち、第2スリーブ19は、コイルばね22により歯車本体17から押圧ピン16に向かって付勢されている。
【0050】
前述した構成のアイドラ歯車11は、歯車部材23の内側に第1スリーブ18と第2スリーブ19とが順に挿入され、各凸部33,39に設けられた穴にコイルばね21,22が挿入された後に、歯車部材23のブッシュ24が取り付けられて組み立てられる。こうして、組み立てられたアイドラ歯車11は、内側にアイドラ軸10が通され、かつ鍔部41間に押圧ピン16が挿入された状態で、変速機構1に取り付けられる。
【0051】
前述した構成のリバース機構5は、前記自動車が前進する際には、アイドラ歯車11が離間位置に保たれる。このとき、勿論、スリーブは、いずれか一つの変速歯車を駆動軸に固定している。リバース機構5は、前記自動車が後進する際には、アイドラ歯車11を噛合位置に移動し、駆動軸の回転駆動力をアイドラ歯車11を介して出力軸に伝達して、前記自動車を後方に向かって走行させる。このとき、勿論、スリーブは、全ての変速歯車を駆動軸に固定していない。
【0052】
また、リバース機構5は、押圧ピン16によりいずれかの鍔部41が押圧されることで、アイドラ歯車11を噛合位置と離間位置とに亘って移動させる。前述したアイドラ歯車11は、シフトブロックしていない状態では、図6に示すように、コイルばね21,22の付勢力により、第1スリーブ18のストッパ部31が歯車本体17の歯車部材23の内径拡大部27に密に重なり、第2スリーブのストッパ部31が第1スリーブ18のストッパ受け部37に密に重なる。そして、波形固定被押圧部20よりも波形被押圧部32が押圧ピン16側に突出しているとともに、波形被押圧部32よりも平坦被押圧部42が押圧ピン16側に突出している。
【0053】
そして、アイドラ歯車11は、離間位置から噛合位置に向かって移動される際に、図6に示すように、平坦被押圧部42に押圧ピン16が接触する。そして、アイドラ歯車11は、平坦被押圧部42が押圧ピン16から押圧されて、噛合位置に向かって移動される。その後、シフトブロックが生じなければ、アイドラ歯車11が駆動歯車8と出力歯車9との双方に噛合する。
【0054】
また、アイドラ歯車11の歯25の先と、駆動歯車8と出力歯車9とのうちの少なくとも一方の歯の先とが互いに接触する、即ち、シフトブロックが生じる場合がある。この場合、アイドラ歯車11が噛合位置に向かって移動できなくなるために、押圧ピン16が平坦被押圧部42を押圧すると、コイルばね22の付勢力に抗して第2スリーブ19が歯車本体17の内側に向かって移動する。即ち、第2スリーブ19の平坦被押圧部42が歯車本体17内に没することとなる。そして、押圧ピン16が、図7に示すように、第1スリーブ18の波形被押圧部32に接触して、波形被押圧部32が、押圧ピン16から噛合位置に向かって押圧されることとなる。
【0055】
そして、押圧ピン16が。波形被押圧部32の傾斜面36に押圧すると、当該押圧ピン16が傾斜面36上を摺動して、第1スリーブ18即ちアイドラ歯車11を軸芯P回りに回転させる。すると、シフトブロックが解消されて、アイドラ歯車11が駆動歯車8と出力歯車9との双方に噛合する。
【0056】
また、押圧ピン16が、波形被押圧部32の山部34の頂点又は谷部35の底を押圧すると、当該押圧ピン16が傾斜面36上を摺動せずに、第1スリーブ18即ちアイドラ歯車11を軸芯P回りに回転させない。この場合、シフトブロックが解消せずに、アイドラ歯車11が噛合位置に向かって移動できない。
【0057】
しかし、押圧ピン16が波形被押圧部32を押圧すると、コイルばね22の付勢力に抗して第2スリーブ19の平坦被押圧部42が歯車本体17内に没するとともに、コイルばね21の付勢力に抗して第1スリーブ18が歯車本体17の内側に向かって移動する。即ち、第1スリーブ18の波形被押圧部32が歯車本体17内に没することとなる。そして、押圧ピン16が、図8に示すように、歯車本体17の歯車部材23に一体に設けられた波形固定被押圧部20に接触して、波形固定被押圧部20が、押圧ピン16から噛合位置に向かって押圧されることとなる。
【0058】
このとき、歯車本体17の軸方向で傾斜面46が山部34と谷部35との双方と隣り合う位置に設けられているために、押圧ピン16が。波形固定被押圧部20の傾斜面46を押圧する。そして、押圧ピン16が傾斜面46上を摺動して、歯車本体17即ちアイドラ歯車11を軸芯P回りに回転させる。すると、シフトブロックが解消されて、アイドラ歯車11が駆動歯車8と出力歯車9との双方に噛合する。アイドラ歯車11が駆動歯車8と出力歯車9との双方に噛合すると、コイルばね21,22の付勢力により、図6に示すように、波形固定被押圧部20よりも波形被押圧部32が押圧ピン16側に突出し、波形被押圧部32よりも平坦被押圧部42が押圧ピン16側に突出する。また、前述したリバース機構5は、噛合位置から離間位置に向かってアイドラ歯車11を移動させる際には、押圧ピン16が当該押圧ピン16寄りの鍔部41を押圧する。
【0059】
本実施形態によれば、歯車本体17から押圧ピン16に向かって付勢された第1スリーブ18の波形被押圧部32の山部34及び谷部35と、歯車本体17に一体に設けられた波形の波形固定被押圧部20の傾斜面46とが歯車本体17の軸方向で互いに隣り合っている。このために、シフトブロックが生じた際に、押圧ピン16が波形被押圧部32の山部34の頂点又は谷部35の底と接触してアイドラ歯車11を回転させることができなくても、押圧ピン16が、第1スリーブ18を押圧すると波形固定被押圧部20の傾斜面46に確実に接触する。
【0060】
したがって、シフトブロックが生じた際に、押圧ピン16が確実にアイドラ歯車11を回転でき、当該シフトブロックを確実に解消することができる。そして、アイドラ歯車11の回転位置によらず、当該アイドラ歯車11を駆動歯車8と噛み合う噛合位置まで円滑に移動でき、アイドラ歯車11の移動の円滑化を図ることができる。また、アイドラ歯車11が、噛合位置と離間位置とに亘って移動自在であるために、常に駆動歯車8に噛み合うことがない。よって、変速機構1は、燃費が悪化することなく、シフトブロックを確実に解消することができる。
【0061】
アイドラ歯車11が、歯車本体17から押圧ピン16に向かって突出する方向に付勢されて第1スリーブ18よりも前記歯車本体17から突出可能である第2スリーブ19を備えている。このために、アイドラ歯車11を駆動歯車8に向かって押圧する押圧ピン16が、まず、第2スリーブ19の平坦な平坦被押圧部42に接触する。したがって、シフトブロックが生じていない状態では、押圧ピン16が波形被押圧部32と波形固定被押圧部20に接触しないので、アイドラ歯車11の無駄な回転を防止できる。
【0062】
第1スリーブ18と第2スリーブ19とのそれぞれに脱落を防止するストッパ部31と第2ストッパ部40を設けているので、これらの脱落を防止する部材を専用に設ける場合よりも、アイドラ歯車11の小型化を図ることができる。よって、変速機構1自体の小型化を図ることができる。
【0063】
第1スリーブ18の内周面から凸の凸部33を周方向に間隔をあけて複数設け、第2スリーブ19の外周面から凸でかつ凸部33間に侵入する第2凸部39を周方向に間隔をあけて複数設けているので、第1スリーブ18と第2スリーブ19とが、互いに軸芯P周りに回転することを防止できる。このため、押圧ピン16に波形被押圧部32が押圧された際に、確実に歯車本体17を回転することができ、シフトブロックを確実に解消することができる。
【0064】
歯車本体17のブッシュ24と凸部33との間にコイルばね21を設け。歯車本体のブッシュ24と第2凸部39との間にコイルばね22を設けているので、これらのコイルばね21,22を周方向に間隔をあけて配置することができ、第1スリーブ18、第2スリーブ19及び歯車本体17即ちアイドラ歯車11がアイドラ軸10に対して傾くことを防止できる。
【0065】
変速機構1は、アイドラ軸10と平行な出力軸と、この出力軸に固定されかつ駆動歯車8と隣り合う出力歯車9を備えているので、アイドラ歯車11を駆動歯車8と出力歯車9との双方に噛み合わせることで、駆動軸の回転駆動力をアイドラ歯車11を介して、出力軸に伝えることができる。
【0066】
前述した実施形態では、動力伝達機構としての変速機構1をしている。しかしながら、本発明では、変速機構1以外の動力伝達機構にも適用することができる。要するに、本発明は、駆動歯車8と噛合する噛合位置と、駆動歯車8から離間する離間位置とに亘って移動自在に設けられた伝達歯車を備えた動力伝達機構に適用することができる。
【0067】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 選択摺動式の変速機構(動力伝達機構)
8 駆動歯車
9 出力歯車(被伝達歯車)
10 アイドラ軸(副軸)
11 アイドラ歯車(伝達歯車)
16 押圧ピン(押圧部材)
17 歯車本体
18 第1スリーブ(突没部材)
19 第2スリーブ(第2突没部材)
20 波形固定被押圧部
25 歯
32 波形被押圧部
33 凸部
34 山部
35 谷部
39 第2凸部
42 平坦被押圧部
44 第2山部
45 第2谷部
46 傾斜面
P1 駆動軸の軸芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸芯回りに回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸に固定された駆動歯車と、
前記駆動軸と平行に設けられた副軸と、
前記駆動歯車と噛み合う噛合位置と、前記駆動歯車から離間する離間位置とに亘って、前記副軸に軸方向に移動自在に設けられた伝達歯車と、
前記伝達歯車を前記離間位置から噛合位置に向かって押圧可能な押圧部材と、を備えた動力伝達機構において、
前記伝達歯車が、
前記駆動歯車と噛合可能な歯が外縁に設けられた歯車本体と、
前記歯車本体に対する回転が規制され、かつ、前記歯車本体に軸方向に移動自在に設けられて前記歯車本体から前記押圧部材に向かって突出する方向に付勢されているとともに、周方向に山部と谷部とが交互に設けられて前記押圧部材から押圧される、波形の波形被押圧部が設けられた突没部材と、
前記歯車本体に固定され、かつ周方向に第2山部と第2谷部とが交互に設けられて前記波形被押圧部が前記歯車本体内に没すると前記押圧部材から押圧されるとともに、前記歯車本体の軸方向で第2山部と第2谷部との間の傾斜面が前記波形被押圧部の山部と谷部とに隣り合う、波形の波形固定被押圧部と、
を備えたことを特徴とする動力伝達機構。
【請求項2】
前記伝達歯車が、
前記突没部材に対する回転が規制され、かつ、前記突没部材に軸方向に移動自在に設けられて前記歯車本体から前記押圧部材に向かって突出する方向に付勢されて前記突没部材よりも前記歯車本体から突出可能であるとともに、前記押圧部材から押圧される、平坦な平坦被押圧部が設けられた第2突没部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の動力伝達機構。
【請求項3】
前記突没部材には、前記歯車本体からの脱落を規制するストッパ部が設けられ、かつ、
前記第2突没部材には、前記突没部材からの脱落を規制する第2ストッパ部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の動力伝達機構。
【請求項4】
前記突没部材の内側に前記第2突没部材が設けられ、かつ、
前記突没部材には、その内周面から内側に突出する凸部が周方向に間隔をあけて設けられているとともに、
前記第2突没部材には、その外周面から外側に突出して前記凸部間に位置する第2凸部が周方向に間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の動力伝達機構。
【請求項5】
前記歯車本体と前記凸部との間には、前記突没部材を前記押圧部材に向かって付勢する付勢部材が設けられ、かつ、
前記歯車本体と前記第2凸部との間には、前記第2突没部材を前記押圧部材に向かって付勢する第2付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項4記載の動力伝達機構。
【請求項6】
前記駆動軸と間隔をあけて平行に設けられた被伝達軸と、
前記被伝達軸に固定されかつ前記駆動歯車と隣り合う被伝達歯車と、を備え、
前記伝達歯車が、前記噛合位置では前記駆動歯車と前記被伝達歯車との双方に噛合することを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の動力伝達機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−215267(P2012−215267A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82043(P2011−82043)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】