説明

動力工具

【課題】スイッチ本体のオン・オフ操作が安全、かつ確実に行われるスイッチ機構を備えるとともに、スイッチ機構を小型化することでハウジングをコンパクトにし、小型化、軽量化された動力工具を提供する。
【解決手段】該スイッチ機構は、該第2スイッチレバーの操作によって該スイッチ本体をオンする方向に移動する可動軸と、該スイッチ本体と該第1スイッチレバーとの間に位置し、一端を該可動軸の先端に回動可能に軸支されたコンタクトレバーと、該コンタクトレバーの他端を該スイッチ本体をオンする方向に移動させる第1スイッチレバーと、該可動軸を常時下方に付勢する付勢部材とからなり、該第1スイッチレバーと該第2スイッチレバーの双方を操作したときにのみ該コンタクトレバーを介してスイッチ本体がオンすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのスイッチレバーを備え、該2つのスイッチレバーの双方を操作したときにのみ、スイッチ本体がオンし駆動モータが駆動するスイッチ機構を備えた動力工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、この種の動力工具のスイッチ機構にあっては、スイッチ操作上の安全のため、二箇所のスイッチレバーを操作して初めて作動するものが知られている。すなわち、二箇所に設けられたスイッチレバーのうち一方のスイッチレバーを操作するだけでは、駆動モータを起動するスイッチ本体がオンとならず、また、二箇所のスイッチレバーを操作し、スイッチ本体をオンした状態で一方のスイッチレバーから手を離すとスイッチレバーがオフに切り換わり、動力工具の刃物部の動作が停止されるようになっている。
【0003】
たとえば、特許文献1に記載のスイッチ機構では、スイッチ本体のスイッチボタンを押してスイッチ本体をオンさせる可動軸(ピン)は、常時バネにより、スイッチ本体をオンさせる方向に付勢され、スイッチ本体がオフの状態では、第1スイッチレバーと第2スイッチレバーの双方により可動軸の移動を規制し、第1スイッチレバーと第2スイッチレバーの双方が操作されると規制が解除され、バネの付勢力により可動軸が移動しスイッチ本体をオンする構造である。
【0004】
また、特許文献1に記載のスイッチ機構では、第2スイッチレバーの回動軸(支持ピン部)がハウジングの駆動モータより前方に位置に設けられ、この回動軸と駆動モータの後方に設けられた可動軸とを連結する操作腕(中間アーム)が駆動モータを迂回して延びている。
【特許文献1】特許第3338543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のスイッチ機構では、バネの付勢力で可動軸を移動させスイッチ本体をオンする構造であるため、バネの付勢力のバラツキにより可動軸の移動が確実になされない、またバネの繰り返しの伸び縮みによりバネ力が弱くなり可動軸の移動が確実に行われなくなり、スイッチ本体のオン・オフが確実に行われなくなるという問題があった。
さらに、第2スイッチレバーの回動軸(支持ピン部)が本体部内の駆動モータより前方の位置に設けられているので、操作腕を駆動モータの両側を迂回して設けなければならないため、操作腕が大型化し、本体部をコンパクトにできず、この種動力工具の小型化、軽量化が図れないという問題があった。
【0006】
本発明は、スイッチ本体のオン・オフが安全、かつ確実に行われるスイッチ機構を備えるとともに、スイッチ機構を小型化することでハウジングをコンパクトにし、小型化、軽量化された動力工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、駆動モータと該駆動モータの回転を伝達する伝達機構部とを収納した本体部と、該本体部の後方に設けられスイッチ本体を収納したハンドル部とからなるハウジングと、該ハウジングの前方に設けられ、該駆動モータにより作動する刃物部とからなり、該ハンドル部に設けられた第1スイッチレバー、および該本体部に設けられた第2スイッチレバーの双方を操作したときにのみ、該スイッチ本体がオンするスイッチ機構を備えた動力工具において、該スイッチ機構は、該第2スイッチレバーの操作によって該スイッチ本体をオンする方向に移動する可動軸と、該スイッチ本体と該第1スイッチレバーとの間に位置し、一端を該可動軸の先端に回動可能に軸支されたコンタクトレバーと、該コンタクトレバーの他端を該スイッチ本体をオンする方向に移動させる第1スイッチレバーと、該可動軸を常時下方に付勢する付勢部材とからなり、該第1スイッチレバーと該第2スイッチレバーの双方を操作したときにのみ該コンタクトレバーを介してスイッチ本体がオンすることを最も主要な特徴とする。
【0008】
上記構成のごとく、該スイッチ機構は、該第2スイッチレバーの操作によって該スイッチ本体をオンする方向に移動する可動軸と、該スイッチ本体と該第1スイッチレバーとの間に位置し、一端を該可動軸の先端に回動可能に軸支されたコンタクトレバーと、該コンタクトレバーの他端を該スイッチ本体をオンする方向に移動させる第1スイッチレバーと、該可動軸を常時下方に付勢する付勢部材とからなり、該第1スイッチレバーと該第2スイッチレバーの双方を操作したときにのみ該コンタクトレバーを介してスイッチ本体がオンするようにしたので、スイッチ本体のオン・オフが安全に行われ、かつ第2スイッチレバーの操作によって、直接、可動軸が移動するので、スイッチ本体のオン操作が確実になされる。
【0009】
また、本発明の第2スイッチレバーに設けられた回動軸は、該駆動モータの後方にあって、該可動軸の前方又は後方のいずれか一方に設けられ、該可動軸に係合する操作腕を備えていることを特徴とする。
【0010】
上記構成のごとく、第2スイッチレバーに設けられた回動軸は、該駆動モータの後方にあって、該可動軸の前方又は後方のいずれか一方に設けられ、該可動軸に係合する操作腕を備えているので、可動軸に係合する操作腕を小型化できるため、ハウジングをコンパクトにできて、動力工具の小型化、軽量化を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の動力工具は、スイッチ本体のオン・オフ操作が安全に行われ、かつ第2スイッチレバーの操作によって、直接、可動軸が移動するので、スイッチ本体のオン操作が確実になされる。さらに、可動軸に係合する操作腕の小型化により、スイッチ機構の小型化が図れ、ハウジングをコンパクトにできて、この種動力工具の小型化、軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態を図1乃至図5に基づいて説明する。図1は、本発明の動力工具の一種である刈込機の一部を省略した側面図である。図2は図1の断面側面図である。図3乃至図5は、本発明の動力工具の一種である刈込機のスイッチ機構の作動状態を示す断面側面図である。
【0013】
図1において2は、本発明の刈込機1のハウジングであり、このハウジング2は概ね図中右側の本体部2aと図中左側の略D型をなすハンドル部2bとを主体として一体に形成されている。略D型をなすハンドル部2bの上側端部にあって本体部2aと接続する部分の近傍には本発明の第1スイッチレバーに相当するトリガ3が設けられている。本体部2aには、本体部2aの下部後方から前方にわたって、本体部2aの両側面(図中、垂直方向)にまたがる略コの字形状をしたフロントハンドル4が、前方に傾斜した状態でその両方の下端を固定ネジ5により固定されている。フロントハンドル4には、本発明の第2スイッチレバーに相当するフロントスイッチレバー6がピン7により回動可能に設けられている。さらに、本体部2aの前側の下部には、生け垣や街路樹の小枝を切断する本発明の刃物部に相当する刈刃8が設けられている。なお、図1、図2は、トリガ3とフロントスイッチレバー6の双方が操作されてない状態を示している。
【0014】
さらに、図2に示すように、上記本体部2aの略中央には、駆動モータ9がその出力軸9aを垂直(図中、上下方向)に立てた状態で収容されている。この駆動モータ9はハンドル部2bの上側端部にあって本体部2aと接続する部分の近傍に配置されたスイッチ本体10を開閉(オン・オフ)することによって起動・停止する。このスイッチ本体10は、図示下方に向けられたスイッチボタン10aを備えており、このスイッチボタン10aを上方に押し込むと当該スイッチ本体10はオンして駆動モータ9が起動する一方、押込み操作を解除するとこのスイッチボタン10aは突出方向に復帰し、駆動モータ9が停止するようになっている。なお、スイッチ本体10には図示を省略した電源側コードと駆動モータ側コードが接続されている。
【0015】
垂直に設けられた駆動モータ9の出力軸9aの先端部には、ピニオンギア9bが形成されており、このピニオンギア9bは、本体2aの下面開口部に嵌込み状に取付けられたギアケース11の内部に突き出されている。さらに、このギアケース11にはギア軸13が埋設され、ピニオンギア9bと噛み合うギア12を回転可能に軸支している。このギア12には2段に形成された偏心カム12aが一体的に設けられている。この偏心カム12aには、上下2つの可動刃からなる刈刃8が前後方向に往復動可能に係合し、小枝等の切断を可能にしている。
【0016】
次に、本発明の実施の形態の刈込機のスイッチ機構について説明する。
本体部2aの後方で、かつギアケース11の後方端部には支持孔11aが、上記駆動モータ9の出力軸9aに対して平行に形成されており、この支持孔11aには可動軸14の下端部が挿入され、図示上下方向に移動可能となっている。この可動軸14は長尺の軸であり、上部の所定の箇所を本体部2aに形成された支持部2cで支持され、その先端は上記スイッチ本体10のスイッチボタン10aの近傍まで延びている。
【0017】
この可動軸14の略中間部には、半球状のフランジ14aが一体に形成され、さらに上記本体部2aに形成された支持部2cとフランジ14aとの間には、本発明の付勢部材に相当する圧縮コイルバネからなる可動軸用バネ15が適度に圧縮された状態で装着され、常時可動軸14を図中下方向に付勢している。
【0018】
さらに、可動軸14の先端には、コンタクトレバー17がその一端(図中右端)を支軸16により回動可能に軸支されている。このコンタクトレバー17は板状に形成され、上記スイッチ本体10に設けられているスイッチボタン10aとトリガ3との間にあって図中後方に向けて所定の長さ設けられている。その他端(図中左端)は、圧縮コイルバネからなるコンタクトレバーバネ19により、常時下方に付勢され、上記トリガ3に備えられたダンパー18に当接している。
なお、ダンパー18は、熱可塑性樹脂等からなり、弾性変形可能に略Y字を横に倒した状態に形成されている。そして、その作用は、後述するトリガ3とフロントスイッチレバー6の双方が操作されたとき、コンタクトレバー17によりスイッチボタン10aに必要以上の押し込み力が生じた場合に、その押し込み力を吸収し緩和するためのものである。
【0019】
トリガ3は、スイッチ本体10に対向する位置に、その一端をピン20により回動可能に軸支されている。このトリガ3をピン20を中心に回動させハンドル部2b内に押し込む操作をすると、ダンパー18を介してコンタクトレバー17が支軸16を中心に上方(時計回り方向)へ回動することとなる。(図3参照)
【0020】
固定ネジ5により本体部2aに固定され、本体部2aの両側面(図中、垂直方向)にまたがる略コの字形状をした上記フロントハンドル4は、その断面形状を略U字状に形成している。このフロントハンドル4の略U字形状の溝部4aには、本体部2aの両側面(図中、垂直方向)にまたがり略コの字形状をし、その断面形状を略逆U字状に形成したフロントスイッチレバー6が出入り可能に挿入されている。そして、フロントハンドル4の溝部4aとフロントスイッチレバー6の溝部6aの先端部には圧縮コイルバネからなるフロントスイッチレバーバネ21が所定のバネ力が生じるように圧縮して設けられ、常時フロントスイッチレバー6をフロントハンドル4から離れる方向に付勢している。
【0021】
フロントスイッチレバー6の下端部は、図1に示すようにフロントハンドル4が固定されている下端部よりわずかに上方にピン7によりフロントハンドル4に回動可能に軸支されている。さらに、図2に示すようにフロントスイッチレバー6の両方の下端部は、上記ピン7と同軸上で本体部2aの両側面に形成された貫通孔2dに回動可能に係合している回転軸22の両端に嵌め合わされている。図示を省略している回転軸22の両端は、軸方向から見て小判形状の凸部に形成され、フロントスイッチレバー6の下端部に形成された軸方向から見て小判形状の凹部に嵌め合わされている。このため回転軸22は、フロントスイッチレバー6と一体となって同じ角度だけ回動することとなる。
【0022】
上記回動軸22には、上記可動軸14に対向する位置に操作腕22aが一体に形成されている。操作腕22aの先端部には長穴22bが形成され、この長穴22bに上記可動軸14が上下動可能に挿入されている。そして上記可動軸用バネ15のバネ力により、常時可動軸14に一体に設けられた半球状のフランジ14aの下端を操作腕22bの上部に当接させている。
【0023】
よって、図2において、フロントスイッチレバー6を握り込み操作して、図中時計回り方向に回動させると、回転軸22も一体となって時計回り方向に回動し、この回動軸22に一体に形成された操作腕22bも時計回り方向に回動する。このため可動軸用バネ15のバネ力に抗し、フロントスイッチレバー6と一体となった操作腕22bにより、フランジ14aを介して、直接、可動軸14を上方に移動させることができる。(図4参照)
そして、フロントスイッチレバー6の握り込み操作をやめると、図2に示すように、フロントスイッチレバー6は、フロントスイッチレバーバネ21のバネ力により元の位置に復帰し、可動軸14は、可動軸用バネ15のバネ力により下方に移動させられ元の位置に復帰する。
【0024】
本発明の実施の形態の刈込機のスイッチ機構は、トリガ3とフロントスイッチレバー6の双方を同時に操作し、コンタクトレバー17を介してスイッチボタン10aを押し込みスイッチ本体10をオンするので、スイッチ本体10のオン・オフ操作が安全になされ、さらにコンタクトレバー17を先端部に設けた可動軸14を、直接、フロントスイッチレバー6と一体となった回動軸22の操作腕22aにより、スイッチ本体10をオンする方向、すなわちスイッチボタン10aを押し込む方向に移動させるので、確実にスイッチ本体10のオン操作が可能となる。
【0025】
なお、可動軸14が上下動可能に挿入され、かつフランジ14aが当接する操作腕22aの先端部は、長穴22bに限定されるものでなく、U字形状に形成されても、L字形状に形成されてもよい。
【0026】
また、操作腕22aの上側には、凸部22cが略直角方向に形成されている。この凸部22cは、フロントスイッチレバー6が部品の寸法のバラツキ等により必要以上に回動することのないように、上記フランジ部14aに当接するストッパーの役割をしている。
【0027】
さらに、上記フロントスイッチレバー6の回動の中心軸である回動軸22は、駆動モータ9の後方(図中左側)にあって上記可動軸14の前側に設けられている。このため、回動軸を駆動モータの前側に設け、操作腕を駆動モータの両側を迂回して設ける従来技術の構成と比べ、本発明では、可動軸14を移動させるための操作腕22aを駆動モータ9の周囲に迂回させて設ける必要がなくなり、その長さを短く、幅を小さくできて、本体部2aの駆動モータ9周りをより細くできて、本体部2a、すなわちハウジング2をコンパクトになり、さらにフロントハンドル4、およびフロントスイッチレバー6の幅を小さくできて、刈込機の小型化、軽量化が図れる。
【0028】
なお、本実施の形態では、回動軸22を可動軸14の前側に設けたが、本体部2aにあって可動軸14の後端部(図中左側)、あるいはハンドル部2bの下側の先端部に設けてもよく、駆動モータ9と可動軸14の距離を短くすることができるので、より一層、刈込機の小型化、軽量化を図ることができる。
【0029】
次に、本発明のスイッチ機構を図2乃至図5によりその作用を説明する。
【0030】
まず、図2は、トリガ3とフロントスイッチレバー6の双方が操作されていないスイッチ本体10のオフの状態を示している。この状態では、トリガ3はコンタクトレバーバネ19のバネ力によりコンタクトレバー17とともに下方に位置している。また、フロントスイッチレバー6も操作されていないため、可動軸14は可動軸用バネ15により下方に押し下げられている。このため、コンタクトレバー17は、スイッチボタン10aと所定の距離を保ち離れている。
【0031】
次に、図3は、トリガ3のみが操作された状態を示し、スイッチ本体10がオフの状態を示している。この状態では、トリガ3はコンタクトレバーバネ19に抗してピン20を中心に図中時計回り方向に回動し、ハンドル部2b内に押し込められている。同じくコンタクトレバー17もトリガ3の回動によりダンパー18を介して支軸16を中心に回動している。しかし、コンタクトレバー17のダンパー18に当接している側はスイッチ本体10に近づいているが、フロントスイッチレバー6が操作されていないため、コンタクトレバー17の回動中心である支軸16の側は、依然、図2に示す位置にあり、スイッチボタン10aを押し込めない状態にある。すなわち、スイッチ本体10をオンできない状態にある。
【0032】
次に、図4は、フロントスイッチレバー6のみが操作された状態を示し、スイッチ本体10がオフの状態を示している。この状態では、フロントスイッチレバー6はフロントスイッチレバーバネ21、および可動軸用バネ15に抗して回動軸22を中心に図中時計回り方向に回動し、操作腕22aがフランジ14aを介して可動軸14を上方に移動させている。しかし、トリガ3が操作されていないため、可動軸14の先端に支軸16により回動可能に軸支されたコンタクトレバー17は、支軸16側では可動軸14とともに上方に移動するが、ダンパー18に当接している側は、依然、図2に示す位置にあり、スイッチボタン10aを押し込めない状態にある。すなわち、スイッチ本体10をオンできない状態にある。
【0033】
次に、図5は、トリガ3とフロントスイッチレバー6の双方が操作され、スイッチ本体10がオンの状態を示している。この状態では、トリガ3はコンタクトレバーバネ19に抗してピン20を中心に回動し、ハンドル部2b内に押し込められている。コンタクトレバー17はトリガ3の回動によりダンパー18を介して支軸16を中心に図中時計回り方向に回動する。同時に、フロントスイッチレバー6はフロントスイッチレバーバネ21、および可動軸用バネ15に抗して回動軸22を中心に図中時計回り方向に回動し、直接、操作腕22aがフランジ14aを介して可動軸14を上方に移動させている。このため。コンタクトレバー17の支軸16の側、およびダンパー18に当接している側の双方ともに上方に移動し、スイッチボタン10aをスイッチ本体10内に押し込みスイッチ本体10をオン状態としている。
【0034】
次に、図5に示す状態からフロントスイッチレバー6の操作だけをやめると、フロントスイッチレバー6はフロントスイッチレバーバネ21のバネ力により、可動軸14は可動軸用バネ15のバネ力により、図3に示す位置に復帰し、コンタクトレバー17によるスイッチボタン10aの押し込みが解除され、スイッチ本体10がオフの状態となり刈込機の駆動が停止する。
【0035】
同様に、トリガ3の操作だけをやめると、コンタクトレバーバネ19のバネ力によりトリガ3、およびコンタクトレバー17のダンパー18に当接してる側は、図4に示す位置に復帰し、コンタクトレバー17によるスイッチボタン10aの押し込みが解除され、スイッチ本体10がオフの状態となり刈込機の駆動が停止する。
【0036】
さらに、図5に示す状態からトリガ3とフロントスイッチレバー6の双方の操作をやめると、図2に示す状態となり、コンタクトレバー17によるスイッチボタン10aの押し込みが解除され、スイッチ本体10がオフの状態となり刈込機の駆動が停止する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、刈込機だけでなく、他にチェンソー等のようにフロントハンドルとハンドル部の双方にスイッチレバーを有する動力工具であればいずれにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の動力工具の一種である刈込機の一部を省略した側面図である。
【図2】図1の断面側面図である。
【図3】本発明の動力工具の一種である刈込機の第1スイッチレバーを操作した状態の断面側面図である。
【図4】本発明の動力工具の一種である刈込機の第2スイッチレバーを操作した状態の断面側面図である。
【図5】本発明の動力工具の一種である刈込機の第1及び第2スイッチレバーを操作した状態の断面側面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 刈込機
2 ハウジング
2a 本体部
2b ハンドル部
3 トリガ
6 フロントスイッチレバー
10 スイッチ本体
10a スイッチボタン
14 可動軸
17 コンタクトレバー
22 回動軸
22a 操作腕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モータと該駆動モータの回転を伝達する伝達機構部とを収納した本体部と、該本体部の後方に設けられスイッチ本体を収納したハンドル部とからなるハウジングと、該ハウジングの前方に設けられ、該駆動モータにより作動する刃物部とからなり、該ハンドル部に設けられた第1スイッチレバー、および該本体部に設けられた第2スイッチレバーの双方を操作したときにのみ、該スイッチ本体がオンするスイッチ機構を備えた動力工具において、
該スイッチ機構は、該第2スイッチレバーの操作によって該スイッチ本体をオンする方向に移動する可動軸と、該スイッチ本体と該第1スイッチレバーとの間に位置し、一端を該可動軸の先端に回動可能に軸支されたコンタクトレバーと、該コンタクトレバーの他端を該スイッチ本体をオンする方向に移動させる第1スイッチレバーと、該可動軸を常時下方に付勢する付勢部材とからなり、該第1スイッチレバーと該第2スイッチレバーの双方を操作したときにのみ該コンタクトレバーを介してスイッチ本体がオンすることを特徴とする動力工具。
【請求項2】
該第2スイッチレバーに設けられた回動軸は、該駆動モータの後方にあって、該可動軸の前方又は後方のいずれか一方に設けられ、該可動軸に係合する操作腕を備えていることを特徴とする請求項1に記載の動力工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−148360(P2010−148360A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326734(P2008−326734)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000006943)リョービ株式会社 (471)
【Fターム(参考)】