動物に適応した照明方法及びシステム
人間の活動のための照明を提供するのに適した光を発するステップ101と、動物6の存在を示す動物示唆信号7を検出するステップと、該検出された動物6の存在に応じて、該光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるステップ105と、を有する照明方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明方法及び該照明方法を実行するように照明システムを制御するための制御装置に関する。本発明は更に、コンピュータプログラムモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の現代社会においては、公共の安全性を増大させるため、交通状況における安全性を改善するため、又は夜間において屋外活動が行われることを可能とするためのような、種々の目的のために、夜間のような自然光が少ない状況において、人工的な屋外照明がますます利用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
豊富な人工的屋外照明は、人間にとって利益をもたらすものの、動物、特に野生動物に対して有害な影響を与え得る。
【0004】
特に、薄明活動性及び/又は夜行性の動物は、人工的な照明に対して否定的に反応することが示されている。種々の影響の概観は、書籍「The ecological consequences of artificial night lighting」(Rich and Longcore編、Island Press、2006年、1-13頁)に示されている。
【0005】
人工的な照明により影響を受ける種の一例は、様々な種類のコウモリである。殆どのコウモリは絶滅に瀕していると考えられており、国内及び国際的なレッドリストに載っている。それ故、世界レベルから国内レベルに至るまで、コウモリは様々な条約及び法律(例えば「ボン条約」としても知られる国際コウモリ協定)により保護されている。
【0006】
コウモリは、強い照明を避けることが知られている。ねぐらの外の照明レベルが高過ぎると、コウモリは出現することを避け、「十分に」照らされた領域を避けて、風景に照明の連続的な帯を形成する屋外の照明ランプの列を通過しない。このような照明ランプは、居住地から狩を行う領域までの道のりを遮断し、コウモリにとって利用可能な生息地を大きく制限してしまい得る。
【0007】
夜間における過度の人工的な屋外照明によって、他の種類も影響を受けることが予想される。
【0008】
しかしながら、最初に言及した人工的な照明の有利な側面のため、夜間において屋外の人工的な照明を急激に削減することは実現可能であるとは思われない。
【0009】
先行技術の上述した及びその他の欠点に鑑みて、本発明の一般的な目的は、光出力装置による光出力の特性を制御するための改善された方法及び装置、とりわけ動物の存在に応じた出力光の特性の制御を可能とする方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、これらの及びその他の目的は、人間の活動のための照明を提供するのに適した光を発するステップと、動物の存在を示す動物示唆信号を検出するステップと、前記検出された動物の存在に応じて、前記光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるステップと、を有する、照明方法によって達成される。
【0011】
「人間の活動のための照明を提供するのに適切な照明」とは、住宅街、集落及び市街地における歩道のような低速な都市道路、自転車通路、駐車スペース、校庭、公園における非常通路、並びに庭園等といった、種々の人間の多い環境に対して十分な照明を与えるものと知覚される照明として理解されるべきである。例えば、該照明は、道路照明のためのSクラスに準拠する照明レベルを呈しても良く、照明レベルが有利にも10lx(クラスS2)と3lx(S5)との間にあることを意味する。実際には、中間のクラスS4(5lx)がよく利用される。更に、ユーザテストは、多くの人間が黄色がかった光よりも白色光を好むことを示唆している。
【0012】
「動物示唆信号」とは、動物の存在を示すいずれの種類の信号であっても良い。とりわけ、該信号は、無線信号のような電磁波信号、光信号、地面を通って伝達され得る衝撃波信号、又は音響信号のような圧力信号であっても良い。
【0013】
更に、「動物示唆信号」は、発せられた信号に応じて得られても良いし、又はいずれかの信号の以前の発信を伴わずに捕捉されても良い。
【0014】
更に、一時的に変化させられる発せられる光の特性は、光の強度、光の周波数分布、光の空間分布、光の変調(振幅変調及び/又はフリッカー周波数)、光の偏光、又はこれらの何らかの組み合わせのような、光のいずれかの適切な特性の1つ又は幾つかであっても良い。
【0015】
本発明は、現代の「人間」社会における十分な照明のための欲求と、種々の動物の自然の習性に対する制限された影響との間の有益な妥協が、動物の存在を検出して、それに応じて発せられる光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させることにより達成され得るという認識に基づくものである。
【0016】
検出される動物示唆信号は、動物により生成される信号であっても良く、この場合は受動的な検出の使用が可能とされるため有利である。電磁波信号(赤外線放射)及び音響信号を含む、種々のタイプの信号が動物により生成される。多くの動物は、可聴音か超音波の形で、特徴的な音響信号を発することが知られている。超音波を生成する動物の例は、イルカ及びクジラのような特定の海棲生物、昆虫、げっ歯類、カエル、鳥類、並びにコウモリである。
【0017】
動物により生成された音響信号を検出することにより、動物の検出は改善され得る。例えば、鳥類又はコウモリのような小型の動物の検出が改善され得、樹木又は低木のような物体の背後といった「見えない」動物の検出も改善され得る。
【0018】
とりわけ、超音波信号が有利に検出されても良く、これにより少なくとも幾つかの種の動物の検出が大きく容易化される。更に、「ノイズ」の量は一般に、可聴周波数領域におけるよりも超音波領域におけるほうが小さく、動物示唆信号の識別を容易化する。
【0019】
一実施例によれば、前記動物示唆信号を検出するステップは、信号を捕捉するステップと、前記信号を、動物の存在を示す特徴の所定のセットと比較するステップと、前記信号と前記特徴の所定のセットとが合致した場合、前記信号を動物示唆信号として分類するステップと、を有しても良い。
【0020】
該特徴の所定のセットは、信号を動物示唆信号として識別するために利用可能ないずれの特性を含んでも良い。
【0021】
単純な実施例においては、1つの特性は、捕捉された信号の1つ又は幾つかの特性の平均からの変動であっても良い。このとき、現在得られている信号が、平均から所定の値よりも大きく異なる1つ又は幾つかの特性を持つ場合に、「合致」が生じ得る。斯かる特性は例えば、信号周波数、繰り返し周波数、強度、間隔、分散等を含んでも良い。
【0022】
例えば、上述した又はその他の特性の1つ又は幾つかの時間的な変動は、動物又は動物のグループについての特徴的なパターンを形成し得る。
【0023】
他の実施例においては、前記特徴のセットは、動物種の特定のセットの存在を示すものであっても良く、前記分類するステップは、前記信号を、前記動物種のセットに属する動物の存在を示す動物示唆信号として分類するステップを有しても良い。
【0024】
具体的な一例によれば、コウモリの接近又は存在が、特徴的な超音波の反響定位を識別することにより検出されることができる。超音波の反響定位信号は一般に、例えば2秒毎に100kHz乃至25kHzに亘り得る1秒の長さの掃引のような、周期的な周波数掃引から成る。斯かる特徴的な信号の典型的な例は、Raghuram及びMarimutuによる「Donald Redfield Griffin, the discovery of echolocation」(Resonance、2005年2月、20-32頁)に示されている。
【0025】
別の例によれば、鳥の接近が、羽ばたきにより生成される特徴的な超音波信号を感知することにより検出されることができる。
【0026】
更に、捕捉された信号は、直接に所定のセット中の特徴と比較されるか、又は該捕捉された信号の調節の後に比較されても良い。例えば、捕捉された信号は時間ドメインから周波数ドメインへと変換されても良く、及び/又は、信号の周波数が解析の容易化のために逓減されても良い。
【0027】
動物の存在により変化する照明特性の人間の許容度を増大させるため、本方法は更に、検出された動物種又は種のセットについての情報を表示するステップを有する。斯かる情報は例えば、画像、一般情報、音声表現等を含んでも良い。
【0028】
勿論、表示される情報は、実際に存在する動物に正確に対応する必要はない。例えば、該情報は、種のグループ、代替の種、又は関連するタイプの「一般的な」動物に関するものであっても良い。
【0029】
動物の存在又は接近の検出に応じて照明光を変化させる直接的な方法は、単に光の強度を変化させることであり得る。光の強度が一時的に低下させられ、接近している動物を寄せ付けなくしないようにし、それにより該動物の自然の棲息地を削減しないようにしても良い。
【0030】
代替としては、交通量の多い道路又は空港の滑走路のような、動物にとって危険となり得る環境に動物が入ることを防ぐために、光の強度が一時的に増大させられても良い。
【0031】
しかしながら、動物の種に関する情報が決定され得る場合には、十分な照明に対する人間の欲求と、当該動物の種に対する光の影響との間で、より好適な妥協を達成するために、光の他の特性が変化させられても良い。
【0032】
例えば、特定の動物の種の光受容体のスペクトル感度についての知識に基づいて、光の色点が変化させられても良い。例えば、少なくとも幾種類かのコウモリについては、光受容体のスペクトル感度は、短波長受容体について350乃至520nm、中波長受容体について509乃至565nmに亘る極大値を持つことが知られている。また、コウモリの行動の日周期リズムは、同じ光受容体により制御されることが知られている(Joshi, J.、Comp. Physiol. A (1985年) 156:189-198;Winter et al. Nature, vol. 425、2003年10月9日、612-614頁;Wang et al.、Mol. Biol. Evol. 21(2):295-302、2004年)。
【0033】
明らかに、他の動物種についても同様のデータが得られる。
【0034】
更に、光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるステップは、照明される領域内の動物の行動の予想されるレベルに依存した所定の時間内においてのみ、実行されても良い。
【0035】
このようにして、人間の安全と人工的な照明が動物に与える影響との間の妥協が歪められて、検出された動物の存在に応じた光の変化が、照明される領域における人間の活動が比較的小さいと分かっている時間の間にのみ生じるようにされ得る。
【0036】
代替として、又は以上に詳述した手段と組み合わせて、検出された信号が解析され、人間の活動量(歩行者、自転車に乗っている人、自動車に乗っている人等)を決定し、(人間の)安全性の理由のため、検出された動物の存在に応じた光の変化を防止しても良い。
【0037】
本発明の第2の態様によれば、上述した及びその他の目的は、少なくとも1つの発光装置及び少なくとも1つの検出器に接続可能な制御装置であって、動物の存在を示す特徴の所定のセットを保存するためのメモリと、前記検出器により検出される信号を捕捉し、前記信号を、前記特徴の所定のセットと比較し、前記信号と前記特徴の所定のセットとが合致した場合、前記信号を動物示唆信号として分類し、前記動物示唆信号に応じて、前記発光装置を、前記発光装置により発せられる光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるように制御するように構成された処理回路と、を有する、制御装置により達成される。
【0038】
「処理回路」は、1つ又は幾つかのマイクロプロセッサのような、1つ又は幾つかの電子部品の形で備えられても良い。
【0039】
本発明の該第2の態様の更なる変形及び効果は、本発明の第1の態様に関連して以上に説明されたものと、大きく類似する。
【0040】
更に、本発明による制御装置は有利にも、人間の活動のための照明を提供するのに適した光を発するための発光装置と、動物の存在を示す動物示唆信号を検出するための検出器と、を更に有する照明システムに含まれても良い。
【0041】
照明システムにおいて、制御装置は、検出器により検出された信号を捕捉するため該検出器に接続され、該検出器により検出された動物示唆信号に応じて発せられる光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるように発光装置を制御するため該発光装置に接続される。
【0042】
一実施例によれば、該検出器は、動物により発せられる超音波信号を検出するための超音波検出器であっても良い。とりわけ、該検出器は、動物により生成される超音波信号を検出するための受動的超音波検出器であっても良い。
【0043】
該照明システムは更に、制御システムに接続され、該制御システムにより供給される表示所に応答する、表示ユニットを有しても良い。斯かる情報は例えば、検出された動物種を識別する情報であっても良い。
【0044】
該照明システムは、統合されたシステムであっても良いし、又は有線、無線若しくはこれらの組み合わせのような通信手段により相互接続された別個の装置の形で備えられても良い。
【0045】
更に、該照明システムは、複数の個別に制御可能な発光装置、及び対応する複数の検出器を有しても良い。これにより、個々の発光装置は、検出された動物の存在に応じて制御されることができる。
【0046】
例えば、該照明システムが、比較的高い照明レベルの連続的な帯を形成してコウモリの飛行経路を実質的に遮断する発光装置の列を有する場合は、当該列における発光装置のうち幾つかによって発せられる光の1つ又は幾つかの特性を変化させることで十分であり、斯くしてコウモリが飛行を継続することができる通路(ゲート)を生成して、コウモリの棲息地を断片化させる(切り刻む)という負の影響を軽減することができる。
【0047】
加えて、本発明は、本発明による制御装置に含まれる処理回路上で動作するときに、本発明による方法のステップを実行するように構成された、コンピュータプログラムモジュールを提供する。
【0048】
本発明のこれらの及びその他の態様は、本発明の現在の好適な実施例を示す添付図面を参照しながら、以下により詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の種々の実施例についての適用例を模式的に示す。
【図2】照明システムの第1の例を模式的に示すブロック図である。
【図3】超音波信号が検出される、照明システムの第2の例を模式的に示すブロック図である。
【図4】本発明による方法の実施例を模式的に示すフロー図である。
【図5(a)】信号を動物示唆信号として分類するための特徴の例を模式的に示す。
【図5(b)】信号を動物示唆信号として分類するための特徴の例を模式的に示す。
【図5(c)】信号を動物示唆信号として分類するための特徴の例を模式的に示す。
【図5(d)】信号を動物示唆信号として分類するための特徴の例を模式的に示す。
【図6】コウモリのスペクトル感度関数を模式的に示す図である。
【図7(a)】色点の変化をスペクトルパワー分布によって模式的に示す。
【図7(b)】色点の変化を色空間における位置によって模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下の説明においては主に、コウモリの存在を示唆する検出された超音波信号に応答して照明条件を変化させるように構成された照明システムに関連して、本発明が説明される。
【0051】
このことは決して本発明の範囲を限定するものではなく、衝撃波、可聴領域における音響信号、電磁波信号、又はこれらの組み合わせのような、他のいずれかのタイプの信号を感知することにより検出され得る、他の動物の検出された存在に応答して照明条件を変化させるように構成された照明システムに対しても、本発明は同様に適用可能であることは、留意されるべきである。
【0052】
図1は、街路灯1a乃至1dの形をとる、複数の照明システムを模式的に示す。各街路灯は、超音波検出器2a乃至2d、発光装置3a乃至3d、及び制御装置(図示されていない)を有する。
【0053】
通常の状況下では(動物の存在が検出されていない場合には)、これら街路灯に含まれる発光装置3a乃至3dは、街路灯1a乃至1dが配置された道路4に沿った公共の安全性を増大させるために、照明に適した特性(強度、色点)を持つ光を発する。
【0054】
しかしながら、コウモリ6が、これら街路灯の1つ(例えば1b)に接近すると、コウモリ6により発せられた超音波信号7が、街路灯1bの検出器3bにより検出される。図6a乃至bを参照しながら以下に詳細に説明されるように、コウモリ6の存在を決定すると、街路灯1bの制御装置が、発せられる光の少なくとも1つの特性を変更して、コウモリ6により知覚される光の強度を低減させるように、発光装置3bを制御する。これにより、コウモリ6は、光により妨害されて追い払われることから回避されることができる。
【0055】
最後のコウモリが調節された街路灯1bを通過してから所定の時間の後、制御装置は、照明のために適合された光を再び発するように、該街路灯に含まれる発光装置3bを制御する。
【0056】
本発明の実施例による照明システムの概略は、図2におけるブロック図を参照しながら、以下に説明される。
【0057】
図2において、制御装置11、検出器12、及び発光装置13を有する照明システム10が示されている。制御装置11は、メモリ14と、検出器12及び発光装置13に接続されたマイクロプロセッサ15の形をとる処理回路とを有する。図2に示されるように、マイクロプロセッサ15は、検出器12以外の発信源からの付加的な信号を捕捉しても良い。斯かる発信源は例えば、1つ又は幾つかの付加的な検出器、動物の特徴の種々のセットを有するデータベース、又は通信ネットワークであっても良い。更に、制御装置11は加えて、新たなソフトウェア等のダウンロードを可能とするインタフェースを有しても良い。
【0058】
図3を参照しながら、超音波信号が検出される、照明システム20のより具体的な例が説明される。
【0059】
図3において、超音波信号7が超音波センサ21により感知され、該感知された信号は感知周波数fSを持つ感知電気信号SSに変換される。(任意の)信号増幅器22における増幅の後、信号SSの周波数fSは混合器23を用いて逓減される。混合器23には、周波数生成器24も接続されている。混合器23からの出力は、中間周波数信号SIFである。アナログの中間周波数信号SIFは、アナログ−ディジタル変換器25によってディジタル信号に変換される。該変換器の出力部は、マイクロプロセッサ26の入力部に接続される。
【0060】
マイクロプロセッサ26において、ディジタル化された中間周波数信号は、マイクロプロセッサ26に接続されているメモリ27に保存された特徴のセットと比較される。
【0061】
マイクロプロセッサ26は、駆動回路28a乃至dを介して、複数の個別に制御可能な光源29a乃至dに接続される。ディジタル化された信号とメモリ27に保存された動物の特徴との比較の結果に基づいて、マイクロプロセッサ26は、光源29a乃至dにより発せられる光の1つ又は幾つかの特性を変化させるように、光源29a乃至dを制御する。
【0062】
超音波センサ21は例えば、少なくとも40kHzと80kHzとの間の範囲で感度のある、典型的な圧電ベースの超音波センサであっても良い。更に、音声を反射する放物面又は円錐形の「音声反射器」が超音波センサ21上に装着され、空間的な感度特性を最適化しても良い。
【0063】
光源は例えば、異なる色の発光ダイオード(LED)であっても良いし、又は、例えば低圧ナトリウムランプや蛍光灯を含む、他のいずれの種類の制御可能な光源であっても良い。
【0064】
図1に関連して説明された適用例に略対応する、本発明による方法の実施例が、図4におけるフロー図を参照しながら以下に説明される。
【0065】
本方法は主に図3における照明システムの例に関連して説明されるが、本発明による方法は図3に示された照明システムの特定の例に限定されるものでは決してなく、本発明の照明システムの他の実施例に等しく適用可能であることは、留意されるべきである。
【0066】
第1のステップ101において、人間の活動のための照明を提供するのに適切な光が発せられる。斯かる照明は、住宅街、集落及び市街地における歩道のような低速な都市道路、自転車通路、駐車スペース、校庭、公園における非常通路、並びに庭園等といった環境用のものであり、照明レベルは好適には、道路照明のためのSクラスに準拠する照明レベルを呈しても良く、照明レベルが有利にも10lx(クラスS2)と3lx(S5)との間にあることを意味する。実際には、中間のクラスS4(5lx)がよく利用される。更に、ユーザテストは、多くの人間が黄色がかった光よりも白色光を好むことを示唆している。
【0067】
一実施例によれば、照明用の白色光は有利にも、図3における複数の個々に制御可能な光源29a乃至dを用いて実現され得る。これら光源は例えば、高出力の白色(cool-white)LED(例えば29a及びb)並びに赤橙LED(例えば29c及びd)の形で備えられても良い。
【0068】
白色LED29a及びb並びに赤橙LED29c及びdが、例えば1Wの等しいパワーのものであり、白色LED29a及びbが最高のパワーで駆動され、赤橙LED29c及びdが半分のパワーで駆動されると仮定すると、図7aにおけるグラフ71により示されるスペクトルパワー分布が得られる。該スペクトルパワー分布71は、図7bにおける色空間表現75において示される色点(x0,y0)=(0.452,0.368)に対応する。更に、これらの照明設定に対して、相関する2450Kの色温度と77の演色Raが得られる。
【0069】
当業者には明らかであるように、以上に説明された白色LEDと赤橙LEDとの組み合わせは単に、人間の活動のための照明に適した光を実現するために利用可能な短波長と長波長光源との適切な組み合わせの一例に過ぎない。短波長光源と長波長光源との他の多くの組み合わせが、同様に利用され得る。適切な短波長光源の例は、高圧ナトリウム光源や蛍光光源等を含み、長波長光源の例は、アンバー又は赤色LED、低圧ナトリウム光源、黄色乃至赤色の蛍光光源(例えばMGM(Mn付活ゲルマン酸フッ化マグネシウム、Mg4GeO5.5F:Mn)又はYOX(Eu付活酸化イットリウム、Y2O3:Eu)のような蛍光体を用いたもの)を含み得る。
【0070】
図4におけるフロー図に戻ると、本方法はステップ102に進み、特定の動物により生成される超音波信号を感知する超音波センサ21(図3)を有しても良い検出器を用いて、信号6が捕捉される。
【0071】
図3に関連して以上に説明されたような信号6の捕捉及び任意の調整の後、ステップ103において、該信号は、少なくとも1つの動物の特徴と比較される。図3に示された照明システムの実施例においては、該比較はマイクロプロセッサ26において実行される。
【0072】
捕捉された信号がいわゆるコウモリの反響定位に起因する特定の場合についての斯かる動物の特徴の例が、図5a乃至dに示される。これら特定の例は、Raghuram及びMarimutuによる「Donald Redfield Griffin, the discovery of echolocation」(Resonance、2005年2月、20-32頁)からとられたものである。
【0073】
第1の特徴が図5aにおけるグラフに示され、ここで曲線51は、コウモリ7により生成される超音波バーストの1つの継続時間tbを示している。
【0074】
第2の特徴が図5bにおけるグラフに示され、ここで曲線52は、コウモリ7により生成される超音波バーストの1つの時間の関数としての周波数を示している。
【0075】
第3の特徴が図5cにおけるグラフに示され、ここで曲線53は、コウモリ7により生成される超音波バーストの1つの時間の関数としての振幅を示している。
【0076】
最後に、第4の特徴が図5dにおけるグラフに示され、ここで曲線部分54a乃至cは、コウモリ7により生成される連続する超音波バースト間の時間tiを示している。
【0077】
図4に示された方法のステップ103において実行される比較の後、本方法はステップ104に進み、動物が存在するか否かが決定される。
【0078】
捕捉された信号6を以上に説明された特徴のいずれか1つ又は幾つかと比較し、該捕捉された信号が記憶された特徴に十分に近い対応する特性を持つことを決定することにより、捕捉された信号6が動物示唆信号として分類されることができる。この場合、捕捉された信号と図5a乃至dに示された特徴の1つ又は幾つかとの間の合致を見出した場合には、捕捉された信号6は更に、コウモリ7の存在を示すものとして分類されることができる。
【0079】
「十分に近い」とは、用途及び望ましい確実さのレベルに依存したものとなり得る。この種のトレードオフは、当業者には非常に良く知られたものである。
【0080】
ステップ104において、コウモリが存在しないと決定された場合、本方法はステップ101に戻り、照明のための光を継続して発する。
【0081】
一方、コウモリ7のような動物がいることが決定された場合には、本方法はステップ105に進み、発せられる光の少なくとも1つの特性を変更する。
【0082】
引き続き、白色LED29a及びb(図3)と赤橙LED29c及びd(図3)との組み合わせにより光が発せられる、ステップ101に関連して以上に説明された実施例によれば、発せられる光の特性が、白色LED29a及びbをスイッチオフし、赤橙LED29c及びdを最高パワーで駆動することにより変更されても良い。
【0083】
その結果の変更された日は、図7aにおける曲線72により示されるスペクトルパワー分布と、図7bに示されるような変更された色点(x1,y1)=(0.670,0.330)とを持つこととなる。
【0084】
光源29a乃至dが、曲線71及び色点(x0,y0)により示される状態において、5lxの高いレベルを生成するように構成されている場合には、白色LED29a及びbをスイッチオフし、赤橙LED29c及びdを最高パワーで駆動することは約3lxをもたらし、この値は依然として人間の活動のための照明に許容可能であり得る。
【0085】
しかしながら、コウモリ7にとっては、知覚される強度の低減は、より劇的なものとなる。なぜなら、コウモリの光受容体のスペクトル感度は、短波長受容体について350乃至520nm、中波長受容体について509乃至565nmに亘る極大値を持つことが知られているからである。また、コウモリの行動の日周期リズムは、同じ光受容体により制御されることが知られている(Joshi, J.、Comp. Physiol. A (1985年) 156:189-198;Winter et al. Nature, vol. 425、2003年10月9日、612-614頁;Wang et al.、Mol. Biol. Evol. 21(2):295-302、2004年)。
【0086】
図6における曲線61により示されるように、対数スペクトル感度は、380nmと約560nmとの間で、約−10である。580nmにおいて、対数スペクトル感度は−10.7である。約600nm以上では、対数スペクトル感度は−11より小さい。このことは、コウモリの目にとって、約580nmの波長を持つ光源は、約380nmと560nmとの間の波長を発する光源よりも、5のファクタだけ、暗いことを意味している。600nmを超えると、更に差が10のファクタ以上となる。
【0087】
従って、以上に説明され図7a及びbに示された照明特性における変化は、コウモリ7により知覚される光強度を、8のファクタ以上で低減させることとなる。
【0088】
これにより、コウモリ7は、照明システム20により発せられる光を通って飛行を継続することができる。同時に、図4におけるステップ105からステップ101までのラインにより示されるように、人間の活動のために略最適な照明から、幾分減光され色が調節された照明へと、照明が一時的にのみ変化させられ、検出されたこコウモリの通過を可能とする。
【0089】
当業者は、本発明が好適な実施例に決して限定されるものではないことを、理解するであろう。例えば、本発明の種々の実施例による照明システムは、検出器、発光装置及び制御装置の、いずれの組み合わせを持っても良い。例えば、1つの制御装置が、単一の検出器からの入力に基づいて幾つかの発光装置を制御しても良いし、又は、1つの制御装置が、関連する検出器からの信号に基づいて複数の発光装置のうちの各々を制御しても良い。更に、動物の運動を示す信号のような、動物により生成される他の信号が利用されても良く、該運動は歩行、泳行又は飛行であっても良い。加えて検出は、生物発光によって生成される信号を検出しても良い。
【0090】
特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明方法及び該照明方法を実行するように照明システムを制御するための制御装置に関する。本発明は更に、コンピュータプログラムモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の現代社会においては、公共の安全性を増大させるため、交通状況における安全性を改善するため、又は夜間において屋外活動が行われることを可能とするためのような、種々の目的のために、夜間のような自然光が少ない状況において、人工的な屋外照明がますます利用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
豊富な人工的屋外照明は、人間にとって利益をもたらすものの、動物、特に野生動物に対して有害な影響を与え得る。
【0004】
特に、薄明活動性及び/又は夜行性の動物は、人工的な照明に対して否定的に反応することが示されている。種々の影響の概観は、書籍「The ecological consequences of artificial night lighting」(Rich and Longcore編、Island Press、2006年、1-13頁)に示されている。
【0005】
人工的な照明により影響を受ける種の一例は、様々な種類のコウモリである。殆どのコウモリは絶滅に瀕していると考えられており、国内及び国際的なレッドリストに載っている。それ故、世界レベルから国内レベルに至るまで、コウモリは様々な条約及び法律(例えば「ボン条約」としても知られる国際コウモリ協定)により保護されている。
【0006】
コウモリは、強い照明を避けることが知られている。ねぐらの外の照明レベルが高過ぎると、コウモリは出現することを避け、「十分に」照らされた領域を避けて、風景に照明の連続的な帯を形成する屋外の照明ランプの列を通過しない。このような照明ランプは、居住地から狩を行う領域までの道のりを遮断し、コウモリにとって利用可能な生息地を大きく制限してしまい得る。
【0007】
夜間における過度の人工的な屋外照明によって、他の種類も影響を受けることが予想される。
【0008】
しかしながら、最初に言及した人工的な照明の有利な側面のため、夜間において屋外の人工的な照明を急激に削減することは実現可能であるとは思われない。
【0009】
先行技術の上述した及びその他の欠点に鑑みて、本発明の一般的な目的は、光出力装置による光出力の特性を制御するための改善された方法及び装置、とりわけ動物の存在に応じた出力光の特性の制御を可能とする方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、これらの及びその他の目的は、人間の活動のための照明を提供するのに適した光を発するステップと、動物の存在を示す動物示唆信号を検出するステップと、前記検出された動物の存在に応じて、前記光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるステップと、を有する、照明方法によって達成される。
【0011】
「人間の活動のための照明を提供するのに適切な照明」とは、住宅街、集落及び市街地における歩道のような低速な都市道路、自転車通路、駐車スペース、校庭、公園における非常通路、並びに庭園等といった、種々の人間の多い環境に対して十分な照明を与えるものと知覚される照明として理解されるべきである。例えば、該照明は、道路照明のためのSクラスに準拠する照明レベルを呈しても良く、照明レベルが有利にも10lx(クラスS2)と3lx(S5)との間にあることを意味する。実際には、中間のクラスS4(5lx)がよく利用される。更に、ユーザテストは、多くの人間が黄色がかった光よりも白色光を好むことを示唆している。
【0012】
「動物示唆信号」とは、動物の存在を示すいずれの種類の信号であっても良い。とりわけ、該信号は、無線信号のような電磁波信号、光信号、地面を通って伝達され得る衝撃波信号、又は音響信号のような圧力信号であっても良い。
【0013】
更に、「動物示唆信号」は、発せられた信号に応じて得られても良いし、又はいずれかの信号の以前の発信を伴わずに捕捉されても良い。
【0014】
更に、一時的に変化させられる発せられる光の特性は、光の強度、光の周波数分布、光の空間分布、光の変調(振幅変調及び/又はフリッカー周波数)、光の偏光、又はこれらの何らかの組み合わせのような、光のいずれかの適切な特性の1つ又は幾つかであっても良い。
【0015】
本発明は、現代の「人間」社会における十分な照明のための欲求と、種々の動物の自然の習性に対する制限された影響との間の有益な妥協が、動物の存在を検出して、それに応じて発せられる光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させることにより達成され得るという認識に基づくものである。
【0016】
検出される動物示唆信号は、動物により生成される信号であっても良く、この場合は受動的な検出の使用が可能とされるため有利である。電磁波信号(赤外線放射)及び音響信号を含む、種々のタイプの信号が動物により生成される。多くの動物は、可聴音か超音波の形で、特徴的な音響信号を発することが知られている。超音波を生成する動物の例は、イルカ及びクジラのような特定の海棲生物、昆虫、げっ歯類、カエル、鳥類、並びにコウモリである。
【0017】
動物により生成された音響信号を検出することにより、動物の検出は改善され得る。例えば、鳥類又はコウモリのような小型の動物の検出が改善され得、樹木又は低木のような物体の背後といった「見えない」動物の検出も改善され得る。
【0018】
とりわけ、超音波信号が有利に検出されても良く、これにより少なくとも幾つかの種の動物の検出が大きく容易化される。更に、「ノイズ」の量は一般に、可聴周波数領域におけるよりも超音波領域におけるほうが小さく、動物示唆信号の識別を容易化する。
【0019】
一実施例によれば、前記動物示唆信号を検出するステップは、信号を捕捉するステップと、前記信号を、動物の存在を示す特徴の所定のセットと比較するステップと、前記信号と前記特徴の所定のセットとが合致した場合、前記信号を動物示唆信号として分類するステップと、を有しても良い。
【0020】
該特徴の所定のセットは、信号を動物示唆信号として識別するために利用可能ないずれの特性を含んでも良い。
【0021】
単純な実施例においては、1つの特性は、捕捉された信号の1つ又は幾つかの特性の平均からの変動であっても良い。このとき、現在得られている信号が、平均から所定の値よりも大きく異なる1つ又は幾つかの特性を持つ場合に、「合致」が生じ得る。斯かる特性は例えば、信号周波数、繰り返し周波数、強度、間隔、分散等を含んでも良い。
【0022】
例えば、上述した又はその他の特性の1つ又は幾つかの時間的な変動は、動物又は動物のグループについての特徴的なパターンを形成し得る。
【0023】
他の実施例においては、前記特徴のセットは、動物種の特定のセットの存在を示すものであっても良く、前記分類するステップは、前記信号を、前記動物種のセットに属する動物の存在を示す動物示唆信号として分類するステップを有しても良い。
【0024】
具体的な一例によれば、コウモリの接近又は存在が、特徴的な超音波の反響定位を識別することにより検出されることができる。超音波の反響定位信号は一般に、例えば2秒毎に100kHz乃至25kHzに亘り得る1秒の長さの掃引のような、周期的な周波数掃引から成る。斯かる特徴的な信号の典型的な例は、Raghuram及びMarimutuによる「Donald Redfield Griffin, the discovery of echolocation」(Resonance、2005年2月、20-32頁)に示されている。
【0025】
別の例によれば、鳥の接近が、羽ばたきにより生成される特徴的な超音波信号を感知することにより検出されることができる。
【0026】
更に、捕捉された信号は、直接に所定のセット中の特徴と比較されるか、又は該捕捉された信号の調節の後に比較されても良い。例えば、捕捉された信号は時間ドメインから周波数ドメインへと変換されても良く、及び/又は、信号の周波数が解析の容易化のために逓減されても良い。
【0027】
動物の存在により変化する照明特性の人間の許容度を増大させるため、本方法は更に、検出された動物種又は種のセットについての情報を表示するステップを有する。斯かる情報は例えば、画像、一般情報、音声表現等を含んでも良い。
【0028】
勿論、表示される情報は、実際に存在する動物に正確に対応する必要はない。例えば、該情報は、種のグループ、代替の種、又は関連するタイプの「一般的な」動物に関するものであっても良い。
【0029】
動物の存在又は接近の検出に応じて照明光を変化させる直接的な方法は、単に光の強度を変化させることであり得る。光の強度が一時的に低下させられ、接近している動物を寄せ付けなくしないようにし、それにより該動物の自然の棲息地を削減しないようにしても良い。
【0030】
代替としては、交通量の多い道路又は空港の滑走路のような、動物にとって危険となり得る環境に動物が入ることを防ぐために、光の強度が一時的に増大させられても良い。
【0031】
しかしながら、動物の種に関する情報が決定され得る場合には、十分な照明に対する人間の欲求と、当該動物の種に対する光の影響との間で、より好適な妥協を達成するために、光の他の特性が変化させられても良い。
【0032】
例えば、特定の動物の種の光受容体のスペクトル感度についての知識に基づいて、光の色点が変化させられても良い。例えば、少なくとも幾種類かのコウモリについては、光受容体のスペクトル感度は、短波長受容体について350乃至520nm、中波長受容体について509乃至565nmに亘る極大値を持つことが知られている。また、コウモリの行動の日周期リズムは、同じ光受容体により制御されることが知られている(Joshi, J.、Comp. Physiol. A (1985年) 156:189-198;Winter et al. Nature, vol. 425、2003年10月9日、612-614頁;Wang et al.、Mol. Biol. Evol. 21(2):295-302、2004年)。
【0033】
明らかに、他の動物種についても同様のデータが得られる。
【0034】
更に、光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるステップは、照明される領域内の動物の行動の予想されるレベルに依存した所定の時間内においてのみ、実行されても良い。
【0035】
このようにして、人間の安全と人工的な照明が動物に与える影響との間の妥協が歪められて、検出された動物の存在に応じた光の変化が、照明される領域における人間の活動が比較的小さいと分かっている時間の間にのみ生じるようにされ得る。
【0036】
代替として、又は以上に詳述した手段と組み合わせて、検出された信号が解析され、人間の活動量(歩行者、自転車に乗っている人、自動車に乗っている人等)を決定し、(人間の)安全性の理由のため、検出された動物の存在に応じた光の変化を防止しても良い。
【0037】
本発明の第2の態様によれば、上述した及びその他の目的は、少なくとも1つの発光装置及び少なくとも1つの検出器に接続可能な制御装置であって、動物の存在を示す特徴の所定のセットを保存するためのメモリと、前記検出器により検出される信号を捕捉し、前記信号を、前記特徴の所定のセットと比較し、前記信号と前記特徴の所定のセットとが合致した場合、前記信号を動物示唆信号として分類し、前記動物示唆信号に応じて、前記発光装置を、前記発光装置により発せられる光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるように制御するように構成された処理回路と、を有する、制御装置により達成される。
【0038】
「処理回路」は、1つ又は幾つかのマイクロプロセッサのような、1つ又は幾つかの電子部品の形で備えられても良い。
【0039】
本発明の該第2の態様の更なる変形及び効果は、本発明の第1の態様に関連して以上に説明されたものと、大きく類似する。
【0040】
更に、本発明による制御装置は有利にも、人間の活動のための照明を提供するのに適した光を発するための発光装置と、動物の存在を示す動物示唆信号を検出するための検出器と、を更に有する照明システムに含まれても良い。
【0041】
照明システムにおいて、制御装置は、検出器により検出された信号を捕捉するため該検出器に接続され、該検出器により検出された動物示唆信号に応じて発せられる光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるように発光装置を制御するため該発光装置に接続される。
【0042】
一実施例によれば、該検出器は、動物により発せられる超音波信号を検出するための超音波検出器であっても良い。とりわけ、該検出器は、動物により生成される超音波信号を検出するための受動的超音波検出器であっても良い。
【0043】
該照明システムは更に、制御システムに接続され、該制御システムにより供給される表示所に応答する、表示ユニットを有しても良い。斯かる情報は例えば、検出された動物種を識別する情報であっても良い。
【0044】
該照明システムは、統合されたシステムであっても良いし、又は有線、無線若しくはこれらの組み合わせのような通信手段により相互接続された別個の装置の形で備えられても良い。
【0045】
更に、該照明システムは、複数の個別に制御可能な発光装置、及び対応する複数の検出器を有しても良い。これにより、個々の発光装置は、検出された動物の存在に応じて制御されることができる。
【0046】
例えば、該照明システムが、比較的高い照明レベルの連続的な帯を形成してコウモリの飛行経路を実質的に遮断する発光装置の列を有する場合は、当該列における発光装置のうち幾つかによって発せられる光の1つ又は幾つかの特性を変化させることで十分であり、斯くしてコウモリが飛行を継続することができる通路(ゲート)を生成して、コウモリの棲息地を断片化させる(切り刻む)という負の影響を軽減することができる。
【0047】
加えて、本発明は、本発明による制御装置に含まれる処理回路上で動作するときに、本発明による方法のステップを実行するように構成された、コンピュータプログラムモジュールを提供する。
【0048】
本発明のこれらの及びその他の態様は、本発明の現在の好適な実施例を示す添付図面を参照しながら、以下により詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の種々の実施例についての適用例を模式的に示す。
【図2】照明システムの第1の例を模式的に示すブロック図である。
【図3】超音波信号が検出される、照明システムの第2の例を模式的に示すブロック図である。
【図4】本発明による方法の実施例を模式的に示すフロー図である。
【図5(a)】信号を動物示唆信号として分類するための特徴の例を模式的に示す。
【図5(b)】信号を動物示唆信号として分類するための特徴の例を模式的に示す。
【図5(c)】信号を動物示唆信号として分類するための特徴の例を模式的に示す。
【図5(d)】信号を動物示唆信号として分類するための特徴の例を模式的に示す。
【図6】コウモリのスペクトル感度関数を模式的に示す図である。
【図7(a)】色点の変化をスペクトルパワー分布によって模式的に示す。
【図7(b)】色点の変化を色空間における位置によって模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下の説明においては主に、コウモリの存在を示唆する検出された超音波信号に応答して照明条件を変化させるように構成された照明システムに関連して、本発明が説明される。
【0051】
このことは決して本発明の範囲を限定するものではなく、衝撃波、可聴領域における音響信号、電磁波信号、又はこれらの組み合わせのような、他のいずれかのタイプの信号を感知することにより検出され得る、他の動物の検出された存在に応答して照明条件を変化させるように構成された照明システムに対しても、本発明は同様に適用可能であることは、留意されるべきである。
【0052】
図1は、街路灯1a乃至1dの形をとる、複数の照明システムを模式的に示す。各街路灯は、超音波検出器2a乃至2d、発光装置3a乃至3d、及び制御装置(図示されていない)を有する。
【0053】
通常の状況下では(動物の存在が検出されていない場合には)、これら街路灯に含まれる発光装置3a乃至3dは、街路灯1a乃至1dが配置された道路4に沿った公共の安全性を増大させるために、照明に適した特性(強度、色点)を持つ光を発する。
【0054】
しかしながら、コウモリ6が、これら街路灯の1つ(例えば1b)に接近すると、コウモリ6により発せられた超音波信号7が、街路灯1bの検出器3bにより検出される。図6a乃至bを参照しながら以下に詳細に説明されるように、コウモリ6の存在を決定すると、街路灯1bの制御装置が、発せられる光の少なくとも1つの特性を変更して、コウモリ6により知覚される光の強度を低減させるように、発光装置3bを制御する。これにより、コウモリ6は、光により妨害されて追い払われることから回避されることができる。
【0055】
最後のコウモリが調節された街路灯1bを通過してから所定の時間の後、制御装置は、照明のために適合された光を再び発するように、該街路灯に含まれる発光装置3bを制御する。
【0056】
本発明の実施例による照明システムの概略は、図2におけるブロック図を参照しながら、以下に説明される。
【0057】
図2において、制御装置11、検出器12、及び発光装置13を有する照明システム10が示されている。制御装置11は、メモリ14と、検出器12及び発光装置13に接続されたマイクロプロセッサ15の形をとる処理回路とを有する。図2に示されるように、マイクロプロセッサ15は、検出器12以外の発信源からの付加的な信号を捕捉しても良い。斯かる発信源は例えば、1つ又は幾つかの付加的な検出器、動物の特徴の種々のセットを有するデータベース、又は通信ネットワークであっても良い。更に、制御装置11は加えて、新たなソフトウェア等のダウンロードを可能とするインタフェースを有しても良い。
【0058】
図3を参照しながら、超音波信号が検出される、照明システム20のより具体的な例が説明される。
【0059】
図3において、超音波信号7が超音波センサ21により感知され、該感知された信号は感知周波数fSを持つ感知電気信号SSに変換される。(任意の)信号増幅器22における増幅の後、信号SSの周波数fSは混合器23を用いて逓減される。混合器23には、周波数生成器24も接続されている。混合器23からの出力は、中間周波数信号SIFである。アナログの中間周波数信号SIFは、アナログ−ディジタル変換器25によってディジタル信号に変換される。該変換器の出力部は、マイクロプロセッサ26の入力部に接続される。
【0060】
マイクロプロセッサ26において、ディジタル化された中間周波数信号は、マイクロプロセッサ26に接続されているメモリ27に保存された特徴のセットと比較される。
【0061】
マイクロプロセッサ26は、駆動回路28a乃至dを介して、複数の個別に制御可能な光源29a乃至dに接続される。ディジタル化された信号とメモリ27に保存された動物の特徴との比較の結果に基づいて、マイクロプロセッサ26は、光源29a乃至dにより発せられる光の1つ又は幾つかの特性を変化させるように、光源29a乃至dを制御する。
【0062】
超音波センサ21は例えば、少なくとも40kHzと80kHzとの間の範囲で感度のある、典型的な圧電ベースの超音波センサであっても良い。更に、音声を反射する放物面又は円錐形の「音声反射器」が超音波センサ21上に装着され、空間的な感度特性を最適化しても良い。
【0063】
光源は例えば、異なる色の発光ダイオード(LED)であっても良いし、又は、例えば低圧ナトリウムランプや蛍光灯を含む、他のいずれの種類の制御可能な光源であっても良い。
【0064】
図1に関連して説明された適用例に略対応する、本発明による方法の実施例が、図4におけるフロー図を参照しながら以下に説明される。
【0065】
本方法は主に図3における照明システムの例に関連して説明されるが、本発明による方法は図3に示された照明システムの特定の例に限定されるものでは決してなく、本発明の照明システムの他の実施例に等しく適用可能であることは、留意されるべきである。
【0066】
第1のステップ101において、人間の活動のための照明を提供するのに適切な光が発せられる。斯かる照明は、住宅街、集落及び市街地における歩道のような低速な都市道路、自転車通路、駐車スペース、校庭、公園における非常通路、並びに庭園等といった環境用のものであり、照明レベルは好適には、道路照明のためのSクラスに準拠する照明レベルを呈しても良く、照明レベルが有利にも10lx(クラスS2)と3lx(S5)との間にあることを意味する。実際には、中間のクラスS4(5lx)がよく利用される。更に、ユーザテストは、多くの人間が黄色がかった光よりも白色光を好むことを示唆している。
【0067】
一実施例によれば、照明用の白色光は有利にも、図3における複数の個々に制御可能な光源29a乃至dを用いて実現され得る。これら光源は例えば、高出力の白色(cool-white)LED(例えば29a及びb)並びに赤橙LED(例えば29c及びd)の形で備えられても良い。
【0068】
白色LED29a及びb並びに赤橙LED29c及びdが、例えば1Wの等しいパワーのものであり、白色LED29a及びbが最高のパワーで駆動され、赤橙LED29c及びdが半分のパワーで駆動されると仮定すると、図7aにおけるグラフ71により示されるスペクトルパワー分布が得られる。該スペクトルパワー分布71は、図7bにおける色空間表現75において示される色点(x0,y0)=(0.452,0.368)に対応する。更に、これらの照明設定に対して、相関する2450Kの色温度と77の演色Raが得られる。
【0069】
当業者には明らかであるように、以上に説明された白色LEDと赤橙LEDとの組み合わせは単に、人間の活動のための照明に適した光を実現するために利用可能な短波長と長波長光源との適切な組み合わせの一例に過ぎない。短波長光源と長波長光源との他の多くの組み合わせが、同様に利用され得る。適切な短波長光源の例は、高圧ナトリウム光源や蛍光光源等を含み、長波長光源の例は、アンバー又は赤色LED、低圧ナトリウム光源、黄色乃至赤色の蛍光光源(例えばMGM(Mn付活ゲルマン酸フッ化マグネシウム、Mg4GeO5.5F:Mn)又はYOX(Eu付活酸化イットリウム、Y2O3:Eu)のような蛍光体を用いたもの)を含み得る。
【0070】
図4におけるフロー図に戻ると、本方法はステップ102に進み、特定の動物により生成される超音波信号を感知する超音波センサ21(図3)を有しても良い検出器を用いて、信号6が捕捉される。
【0071】
図3に関連して以上に説明されたような信号6の捕捉及び任意の調整の後、ステップ103において、該信号は、少なくとも1つの動物の特徴と比較される。図3に示された照明システムの実施例においては、該比較はマイクロプロセッサ26において実行される。
【0072】
捕捉された信号がいわゆるコウモリの反響定位に起因する特定の場合についての斯かる動物の特徴の例が、図5a乃至dに示される。これら特定の例は、Raghuram及びMarimutuによる「Donald Redfield Griffin, the discovery of echolocation」(Resonance、2005年2月、20-32頁)からとられたものである。
【0073】
第1の特徴が図5aにおけるグラフに示され、ここで曲線51は、コウモリ7により生成される超音波バーストの1つの継続時間tbを示している。
【0074】
第2の特徴が図5bにおけるグラフに示され、ここで曲線52は、コウモリ7により生成される超音波バーストの1つの時間の関数としての周波数を示している。
【0075】
第3の特徴が図5cにおけるグラフに示され、ここで曲線53は、コウモリ7により生成される超音波バーストの1つの時間の関数としての振幅を示している。
【0076】
最後に、第4の特徴が図5dにおけるグラフに示され、ここで曲線部分54a乃至cは、コウモリ7により生成される連続する超音波バースト間の時間tiを示している。
【0077】
図4に示された方法のステップ103において実行される比較の後、本方法はステップ104に進み、動物が存在するか否かが決定される。
【0078】
捕捉された信号6を以上に説明された特徴のいずれか1つ又は幾つかと比較し、該捕捉された信号が記憶された特徴に十分に近い対応する特性を持つことを決定することにより、捕捉された信号6が動物示唆信号として分類されることができる。この場合、捕捉された信号と図5a乃至dに示された特徴の1つ又は幾つかとの間の合致を見出した場合には、捕捉された信号6は更に、コウモリ7の存在を示すものとして分類されることができる。
【0079】
「十分に近い」とは、用途及び望ましい確実さのレベルに依存したものとなり得る。この種のトレードオフは、当業者には非常に良く知られたものである。
【0080】
ステップ104において、コウモリが存在しないと決定された場合、本方法はステップ101に戻り、照明のための光を継続して発する。
【0081】
一方、コウモリ7のような動物がいることが決定された場合には、本方法はステップ105に進み、発せられる光の少なくとも1つの特性を変更する。
【0082】
引き続き、白色LED29a及びb(図3)と赤橙LED29c及びd(図3)との組み合わせにより光が発せられる、ステップ101に関連して以上に説明された実施例によれば、発せられる光の特性が、白色LED29a及びbをスイッチオフし、赤橙LED29c及びdを最高パワーで駆動することにより変更されても良い。
【0083】
その結果の変更された日は、図7aにおける曲線72により示されるスペクトルパワー分布と、図7bに示されるような変更された色点(x1,y1)=(0.670,0.330)とを持つこととなる。
【0084】
光源29a乃至dが、曲線71及び色点(x0,y0)により示される状態において、5lxの高いレベルを生成するように構成されている場合には、白色LED29a及びbをスイッチオフし、赤橙LED29c及びdを最高パワーで駆動することは約3lxをもたらし、この値は依然として人間の活動のための照明に許容可能であり得る。
【0085】
しかしながら、コウモリ7にとっては、知覚される強度の低減は、より劇的なものとなる。なぜなら、コウモリの光受容体のスペクトル感度は、短波長受容体について350乃至520nm、中波長受容体について509乃至565nmに亘る極大値を持つことが知られているからである。また、コウモリの行動の日周期リズムは、同じ光受容体により制御されることが知られている(Joshi, J.、Comp. Physiol. A (1985年) 156:189-198;Winter et al. Nature, vol. 425、2003年10月9日、612-614頁;Wang et al.、Mol. Biol. Evol. 21(2):295-302、2004年)。
【0086】
図6における曲線61により示されるように、対数スペクトル感度は、380nmと約560nmとの間で、約−10である。580nmにおいて、対数スペクトル感度は−10.7である。約600nm以上では、対数スペクトル感度は−11より小さい。このことは、コウモリの目にとって、約580nmの波長を持つ光源は、約380nmと560nmとの間の波長を発する光源よりも、5のファクタだけ、暗いことを意味している。600nmを超えると、更に差が10のファクタ以上となる。
【0087】
従って、以上に説明され図7a及びbに示された照明特性における変化は、コウモリ7により知覚される光強度を、8のファクタ以上で低減させることとなる。
【0088】
これにより、コウモリ7は、照明システム20により発せられる光を通って飛行を継続することができる。同時に、図4におけるステップ105からステップ101までのラインにより示されるように、人間の活動のために略最適な照明から、幾分減光され色が調節された照明へと、照明が一時的にのみ変化させられ、検出されたこコウモリの通過を可能とする。
【0089】
当業者は、本発明が好適な実施例に決して限定されるものではないことを、理解するであろう。例えば、本発明の種々の実施例による照明システムは、検出器、発光装置及び制御装置の、いずれの組み合わせを持っても良い。例えば、1つの制御装置が、単一の検出器からの入力に基づいて幾つかの発光装置を制御しても良いし、又は、1つの制御装置が、関連する検出器からの信号に基づいて複数の発光装置のうちの各々を制御しても良い。更に、動物の運動を示す信号のような、動物により生成される他の信号が利用されても良く、該運動は歩行、泳行又は飛行であっても良い。加えて検出は、生物発光によって生成される信号を検出しても良い。
【0090】
特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の活動のための照明を提供するのに適した光を発するステップと、
動物の存在を示す動物示唆信号を検出するステップと、
前記検出された動物の存在に応じて、前記光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるステップと、
を有する、照明方法。
【請求項2】
前記動物示唆信号は、前記動物により生成される音響信号である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記音響信号は超音波信号である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記動物示唆信号を検出するステップは、
信号を捕捉するステップと、
前記信号を、動物の存在を示す特徴の所定のセットと比較するステップと、
前記信号と前記特徴の所定のセットとが合致した場合、前記信号を動物示唆信号として分類するステップと、
を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記特徴のセットは、動物種の特定のセットの存在を示すものであり、前記分類するステップは、前記信号を、前記動物種のセットに属する動物の存在を示す動物示唆信号として分類するステップを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記動物種のセットについての情報を表示するステップを更に有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記一時的に変化させるステップは、前記動物により知覚される光強度が低減されるように、前記光の色点を一時的に変化させるステップを有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるステップは、照明される領域内における人間の活動の予想されるレベルに依存した所定の時間内にのみ実行される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの発光装置及び少なくとも1つの検出器に接続可能な制御装置であって、
動物の存在を示す特徴の所定のセットを保存するためのメモリと、
前記検出器により検出される信号を捕捉し、
前記信号を、前記特徴の所定のセットと比較し、
前記信号と前記特徴の所定のセットとが合致した場合、前記信号を動物示唆信号として分類し、
前記動物示唆信号に応じて、前記発光装置を、前記発光装置により発せられる光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるように制御する
ように構成された処理回路と、
を有する、制御装置。
【請求項10】
前記特徴のセットは、動物種の特定のセットの存在を示すものであり、前記処理回路は、前記信号を、前記動物種のセットに属する動物の存在を示す動物示唆信号として分類するように構成された、請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記処理回路は、前記動物により知覚される光強度が低減されるように、前記光の色点を一時的に変化させるように構成された、請求項9又は10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記処理回路は、照明される領域内における人間の活動の予想されるレベルに依存した所定の時間内にのみ、前記光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるように構成された、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
人間の活動のための照明を提供するのに適した光を発するための発光装置と、
動物の存在を示す動物示唆信号を検出するための検出器と、
前記検出器により検出された動物示唆信号に応じて、前記発光装置により発せられる光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるように前記発光装置を制御するための、前記発光装置及び前記検出器に接続された、請求項9乃至12のいずれか一項に記載の制御装置と、
を有する、照明システム。
【請求項14】
前記検出器は、前記動物により生成される超音波信号を検出するための超音波検出器である、請求項13に記載の照明システム。
【請求項15】
請求項9乃至12のいずれか一項に記載の制御装置に含まれる処理回路上で実行されるときに、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように構成された、コンピュータプログラムモジュール。
【請求項1】
人間の活動のための照明を提供するのに適した光を発するステップと、
動物の存在を示す動物示唆信号を検出するステップと、
前記検出された動物の存在に応じて、前記光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるステップと、
を有する、照明方法。
【請求項2】
前記動物示唆信号は、前記動物により生成される音響信号である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記音響信号は超音波信号である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記動物示唆信号を検出するステップは、
信号を捕捉するステップと、
前記信号を、動物の存在を示す特徴の所定のセットと比較するステップと、
前記信号と前記特徴の所定のセットとが合致した場合、前記信号を動物示唆信号として分類するステップと、
を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記特徴のセットは、動物種の特定のセットの存在を示すものであり、前記分類するステップは、前記信号を、前記動物種のセットに属する動物の存在を示す動物示唆信号として分類するステップを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記動物種のセットについての情報を表示するステップを更に有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記一時的に変化させるステップは、前記動物により知覚される光強度が低減されるように、前記光の色点を一時的に変化させるステップを有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるステップは、照明される領域内における人間の活動の予想されるレベルに依存した所定の時間内にのみ実行される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの発光装置及び少なくとも1つの検出器に接続可能な制御装置であって、
動物の存在を示す特徴の所定のセットを保存するためのメモリと、
前記検出器により検出される信号を捕捉し、
前記信号を、前記特徴の所定のセットと比較し、
前記信号と前記特徴の所定のセットとが合致した場合、前記信号を動物示唆信号として分類し、
前記動物示唆信号に応じて、前記発光装置を、前記発光装置により発せられる光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるように制御する
ように構成された処理回路と、
を有する、制御装置。
【請求項10】
前記特徴のセットは、動物種の特定のセットの存在を示すものであり、前記処理回路は、前記信号を、前記動物種のセットに属する動物の存在を示す動物示唆信号として分類するように構成された、請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記処理回路は、前記動物により知覚される光強度が低減されるように、前記光の色点を一時的に変化させるように構成された、請求項9又は10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記処理回路は、照明される領域内における人間の活動の予想されるレベルに依存した所定の時間内にのみ、前記光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるように構成された、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
人間の活動のための照明を提供するのに適した光を発するための発光装置と、
動物の存在を示す動物示唆信号を検出するための検出器と、
前記検出器により検出された動物示唆信号に応じて、前記発光装置により発せられる光の少なくとも1つの特性を一時的に変化させるように前記発光装置を制御するための、前記発光装置及び前記検出器に接続された、請求項9乃至12のいずれか一項に記載の制御装置と、
を有する、照明システム。
【請求項14】
前記検出器は、前記動物により生成される超音波信号を検出するための超音波検出器である、請求項13に記載の照明システム。
【請求項15】
請求項9乃至12のいずれか一項に記載の制御装置に含まれる処理回路上で実行されるときに、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように構成された、コンピュータプログラムモジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図5(d)】
【図6】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図5(d)】
【図6】
【図7(a)】
【図7(b)】
【公表番号】特表2012−503289(P2012−503289A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527446(P2011−527446)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054047
【国際公開番号】WO2010/035175
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054047
【国際公開番号】WO2010/035175
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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