説明

動物の寄生動物に対する外用使用のための活性物質を含有する固体成型物

【課題】動物の寄生動物に対する外用使用のための活性化合物を含有する成型物の提供。
【解決手段】塩化ビニル等ポリオレフィンマトリックスを基剤とし、3個までの炭素原子を有する2価または3価のアルコールと6〜18個の炭素原子を有する脂肪酸を含んでなる1種またはそれ以上のエステル、1種またはそれ以上の殺虫活性化合物、および、所望により、更なる補助的な物質および添加剤を含んでなる固体成型物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物の寄生動物に対する外用使用のための活性化合物を含有する成型物に関する。
【背景技術】
【0002】
動物の寄生動物を制御する活性化合物含有成型物は、長い間知られてきた。これらの特質を有する成型物は、たとえば、WO 2002/78443、EP−A 539295、EP−A 763325、EP−A 1289363、EP−A 211207、EP−A 124404、EP−A 979605、FR 2729833、US 5620696、EP−A 576267、EP−A 569791、EP−A 542078、EP−A 470467、EP−A 251472、EP−A 50782、US 5858387およびEP−A 542080に述べられている。活性化合物を包含する成型物を製造するための以前に述べられている方法および混合物の不利な点は、従来のポリオレフィンまたはビニル樹脂マトリックスを使用する場合、それらは、フタール酸ジメチルおよびフタール酸ジオクチルのようなフタール酸エステルの使用を更に必要とすることである(たとえば、WO 01/787065、EP−A−0211207およびEP−A−0569791参照)。周知のごとく、この目的のために使用され、技術的見地から使用できるこのフタール酸エステルは、毒性学的にまったく無害というわけではない。適切に扱われない場合、それらは、成型物の製造および使用に関連する危険に繋がる可能性があり、そして、その上、環境汚染の危険がある。
【0003】
それ故、前記のフタール酸エステルを、毒性がより少ない環境的に適合する成分で置き換えることが望ましい。これらの新規な成分は、好ましくは、ポリマーマトリックスからの活性化合物の移動を増大させ、そして、その結果、ポリオレフィンマトリックスの好ましい物理化学的特性に悪影響を与えることなく、成型物の活性(残留およびノックダウン効果)を改善すべきである。
【0004】
驚くべきことに、この度、多価アルコールの特定の脂肪酸エステル(たとえば、ジ−およびトリグリセリドまたはプロピレングリコールエステル)を用いて、この目的を達成することができることが見出された。
【0005】
それらの物理化学的な構造の結果として、これらの脂肪酸エステルは極性化合物であり、一方、前記のポリオレフィンおよびビニル樹脂は、比較的、無極性プラスチックである。当業者は、極性化合物と無極性プラスチックは両立しないものと考えている。多くの場合において、これらの組み合わせは、偏析/相分離(demixing/phase separation)をもたらし、次には、弾性率、延性、引っ張り応力の伸び(tensile stress-elongation)および所与の成型化合物から除かれる能力などのポリマーマトリックスの物理化学的な特性の実質的な悪化をもたらし、そして、またプラスチックマトリックスから活性化合物を自発的に移動させ、その結果、長期間の活性の実質的な悪化をもたらす。それ故、多価アルコールの前記極性脂肪酸エステルの使用が、物理化学的特性にも成型物の長期間活性にも負の影響を及ぼさないことは、驚異的である。熟練者の見解に反して、加工性(processibility)および長期間活性の改善は、多くの場合に更に観察された。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、
ポリオレフィンマトリックスを基剤とする物体(bodies)であって:
3個までの炭素原子を有する2価または3価のアルコールと6〜18個の炭素原子を有する脂肪酸を含んでなる1種またはそれ以上のエステル、
1種またはそれ以上の活性化合物、
および、必要に応じて、更なる補助的な物質および添加剤、
を含んでなる動物の寄生動物に対する外用使用のための固体成型物(solid moulded bodies):
に関連する。
【0007】
本発明に従って使用されるエステルは、アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、またはグリセロールのような3個までの炭素原子を有する2価または3価アルコールを含む。通例は、アルコールの水酸基の少なくとも2個、好ましくはすべてがエステル化される。エステルの酸成分は、6〜18個の炭素原子を有し、直鎖または分枝状で、そして一不飽和かあるいは多価不飽和でありうる脂肪酸から構成されている。混合エステルまたは異なったエステルの種類の混合物を使用することが可能である。適切なグリセリドには、ジグリセリドおよびトリグリセリドがあり、好ましくは、たとえば、カプリル酸−カプリン酸トリグリセリドまたはカプリル酸−カプリン酸−リノール酸トリグリセリドのようなトリグリセリドである。同様に、プロピレングリコールおよびカプリル酸および/またはカプリン酸から構成されるエステル(プロピレングリコールオクタノアートデカノアート)が好ましい。特に好ましくは、これらのカプリル酸/カプリン酸のグリセロールまたはプロピレングリコールエステルは、5〜40、好ましくは、8〜35、特に好ましくは、9〜13mPa.s.の粘度範囲(20℃)を有する。これらのエステルは、Sasol Germany GmbH/Witten から、ミグリオール(Miglyol)840(プロピレングリコールオクタノアートデカノアート、CAS No.68583−51−7)およびミグリオール812(カプリル酸−カプリン酸トリグリセリド、CAS No.73398−61−5)の商品名で得ることができる。上記に言及した粘度範囲を有するそれらのポリエチレンオキシド−、ポリプロピレンオキシド−および/またはプロピレンカルボナート修飾誘導体を使用することも同様に可能である。
【0008】
本発明による成型物は、(所与の混合物の全体重量を基準として)1〜25重量%、好ましくは、5〜17.5重量%、特に好ましくは、5〜12.5重量%の割合で脂肪酸エステルを含む。
【0009】
本発明による固体成型物(solid moulded bodies)には、たとえば、首輪(neck collars)、首輪用ペンダント(メダル(medallions))、耳タッグ(ear tags)、手足または体部分につける留め輪(collars)、粘着性の細長片およびフィルム(adhesive strips and films)または剥離フィルム(stripping films)がある。メダルおよび特に首輪が特に優先される。
【0010】
熱可塑性かつフレキシブルな熱可塑性ポリオレフィンおよびエラストマーが担体物質または成型物の基剤として用いるのに適切である。言及できるものとしては、ポリビニル樹脂、EPDM(エチレン−/プロピレン−ジエン ターポリマー)、ポリエチレン(たとえば、HDPEまたはLLDPE)およびポリプロピレンであり、これらのものは、上記に言及した活性化合物と十分適合性がある。
【0011】
ポリマーは、それらが確実に成型の間に裂けたりもろくなったりしないために、十分な強度とたわみ性(pliability)を有さなければならない。それらは、通常の着脱に耐性があるように十分な耐久性がなければならない。更に、このポリマーは、活性化合物を十分に成型物の表面に移動させなければならない。
【0012】
ポリビニル樹脂には、ポリビニルクロリド、ポリビニルクロリド−ビニルアセタートおよびポリビニルフルオリドのようなポリビニルハライド;ポリスチレンおよびポリビニルトルエンのようなポリビニルベンゼンが含まれる。
【0013】
本発明による成型物のためのマトリックスとして使用するのに適切な他のプラスチックは、熱可塑性エラストマー(thermoplastic elastomers)である。これらは、熱可塑性加工性ポリマー中に物理的に導入されているか、あるいは化学的に結合されているエラストマー相を含有する材料である。エラストマー相がポリマー骨格の構成要素であるポリマー混合物(polymer blends)とは区別される。熱可塑性エラストマーの構成の結果として、硬い部分とやわらかい部分は、互いに並んで存在している。これに関連して、硬い部分は、結晶性の網状の構造または連続相を形成し、その隙間は、エラストマー部分で満たされている。この構成のために、これらの材料は、ゴム様特性を有する。これに関連して、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)およびスチレンブロックコポリマーに関する言及がされうる(たとえば、EP 542078参照)。
【0014】
本発明によれば、ポリビニルクロリド、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびEPDMが優先され;特にポリビニルクロリドが優先される。
【0015】
特別な場合では、固体のビニル樹脂を軟化させるために使用するのに知られている通例の可塑剤を、ポリオレフィン、特にポリビニル樹脂を基剤とする成型物を製造するのに更に使用することができる。使用される可塑剤は、樹脂および可塑剤との適合性に左右される。適切な付加的可塑剤は、リン酸エステルおよび、たとえば、ジイソ−およびn−ブチルアジパートのようなアジピン酸エステルである。アゼライン酸、マレイン酸、リシノール酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、セバシン酸、ステアリン酸およびトリメリト酸のエステルのような他のエステル、並びに複合構造の直線ポリエステル、高分子可塑剤およびエポキシ化大豆油を使用することもまた可能である。
【0016】
必要に応じて、付加的可塑剤は、組成物全体の約5〜50重量%、好ましくは約15〜45重量%の量で使用する。
【0017】
この成型物は、安定剤、滑沢剤、離型剤、増量剤および着色物質のような他の通例の構成要素を包含することも可能であり、通例、これらの構成要素は、組成物の基本的な特性を著しく変化させない。
【0018】
適切な安定剤は、抗酸化剤および、紫外放射および押し出し成型のような工程の間の好ましくない崩壊から留め輪(collars)を保護する薬剤である。エポキシ化大豆油などのいくつかの安定剤は、二次的な可塑剤としても役立つ。
【0019】
使用できる滑沢剤の例は、ステアリン酸塩、ステアリン酸および低分子量ポリエチレンである。これらの成分は、通例、全体の組成物の約5重量%までの濃度で用いられる。
【0020】
成型物を製造する場合、この異なった成分を公知の方法に従って混合し、そして、公知の押出および射出成形法に従って成型する。
【0021】
成型物を製造するための加工方法の選択は、原則として、技術的には、高分子担体材料のレオロジー特性および所望の成型物の形に左右される。加工方法は、加工技術に従って、または型出し(profiling)の性格に従って類別することができる。加工技術の場合、方法は、これらの方法において通過するレオロジー状態に従って類別することができる。従って、注型(casting)、圧縮、射出成型および伸展は、粘度のある高分子担体物質のために考慮するが、一方、射出成型、押出成型、カレンダー仕上げ、ローリング(rolling)および、必要に応じての混連は、弾性・粘性(elastviscous)ポリマーの場合に考慮する。型出しの性質に従って分類すると、本発明による成型物は、注型、浸漬成型、圧縮、射出成型、押出成型、カレンダー仕上げ、打ち抜き加工、屈曲、熱成型などによって製造することができる。固体の基礎支持(solid basal supports)の被覆もまた考慮する。
【0022】
これらの加工方法は、それ自体知られており、これ以上の詳細な説明は必要ない。原則的には、例としてポリビニル樹脂のために上記に述べた説明は、他のポリマーにも適用される。
【0023】
恒温動物に対する毒性の見地から有利であると同時に、本発明による固体成型物は、家庭内動物および生産的動物の場合における、並びに動物園の動物、研究所動物、実験動物および趣味動物の場合における動物畜産および動物飼育中発見される寄生動物を制御するのに適切である。これらは、通例敏感である種に対しても、耐性のある種に対しても、更に前記動物の発育過程の全部または一部に対しても効果がある。
【0024】
寄生動物は特に節足動物である。本発明による固体製剤を、外部寄生虫を制御するために使用することが優先される。
【0025】
上記に言及した外部寄生虫には、次のものが含まれる:マダニ(izodid ticks)、マダニ類ヒメダニ科(argasid ticks)、疥癬ダニ(mange mites)、ツツガムシ類のダニの幼虫(harvest mites)、ハエ(噛み付き、舐める)(flies)、寄生するハエの幼虫 (parasitizing fly larvae)、シラミ(lice)、トリコデセテスシラミ(Trichodecetes lice)およびフェリコーラシラミ(Felicola lice)、ボノミエラシラミ(bonomiella lice)、ダニ類(ticks)およびノミ類(fleas)。
これらの寄生動物は、次のものを含む:
【0026】
アノプルリダ(Anoplurida)目からは、たとえば、ブタジラミ属(Haematopinus spp.)、ケモノホソジラミ属(Linognathus spp.)、ペディクルス属(Pediculus spp.)、ケジラミ属(Phtirus spp.)、ソレノポーテス属(Solenopotes spp.)の種。
【0027】
マロファジダ(Mallophagida)目およびアンブリセリナ(Amblycerina)およびイシュノセリナ(Ischnocerina)亜目からは、たとえば、トリメノポン属(Trimenopon spp.)、タンカクハジラミ属(Menopon spp.)、カモハジラミ属(Trinoton spp.)、ボビコーラ属(Bovicola spp.)、ワーネキーラ属(Werneckiella spp.)、レピケントロン属(Lepikentron spp.)、ケモノハジラミ属(Trichodectes spp.)、フェリコーラ属(Felicola spp.)の種。
【0028】
双翅(Diptera)目およびネマトセリナ(Nematocerina)およびブラキセリナ(Brachycerina)亜目からは、たとえば、ヤブカ属(Aedes spp.)、ハマダラカ属(Anopheles spp.)、イエカ属(Culex spp.)、ブユ属(Simulium spp.)、ユシムリウム属(Eusimulium spp.)、サンチョウバエ属(Phlebotomus spp.)、ルツォミヤ属(Lutzomyia spp.)、サシバエ属(Culicoides spp.)、メクラアブ属(Chrysops spp.)、ヒボミトラ属(Hybomitra spp.)、キイロアブ属(Atylotus spp.)、ウシアブ属(Tabanus spp.)、ゴマフアブ属(Haematopota spp.)、フィリポミイア属(Philipomyia spp.)、ブラウラ属(Braula spp.)、イエバエ属(Musca spp.)、ヒドロテア属(Hydrotaea spp.)、サシバエ属(Stomoxys spp.)、ヘマトビア属(Haematobia spp.)、モレリア属(Morellia spp.)、ヒメイエバエ属(Fannia spp.)、ツェツェバエ属(Glossina spp.)、オオクロバエ属(Calliphora spp.)、ギンバエ属(Lucilia spp.)、オビキンバエ属(Chrysomyia spp.)、ヴォールファールトニクバエ属(Wohlfahrtia spp.)、ニクバエ属(Sarcophaga spp.)、ヒツジバエ属(Oestrus spp.)、ヒフバエ属(Hypoderma spp.)、ウマバエ属(Gasterophilus spp.)、シラミバエ属(Hippobosca spp.)、リポプテナ属(Lipoptena spp.)、ヒツジシラミバエ属(Melophagus spp.)の種。
【0029】
ノミ(Siphonapterida)類の目からは、たとえば、ヒトノミ属(Pulex spp.)、イヌノミ属(Ctenocephalides spp.)、ネズミノミ属(Xenopsylla spp.)、ナガノミ属(Ceratophyllus spp.)の種。
【0030】
異翅類(Heteropterida)の目からは、たとえば、トコジラミ属(Cimex spp.)、サシガメ属(Triatoma spp.)、ロードニウス属(Rhodnius spp.)、パンストロンジルス属(Panstrongylus spp.)の種。
【0031】
ゴキブリ(Blattarida)類の目からは、たとえば、東洋ゴキブリ(Blatta orientalis)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、ハイイロゴキブリ属(Supella spp.)の種。
【0032】
コナダニ(Acaria(Acarida))亜綱およびメタ−およびメソスチグマータ(meta-and mesostigmata)目からは、たとえば、ナガヒメダニ属(Argas spp.)、オルニトドルス属(Ornithodorus spp.)、オトビウス属(Otobius spp.)、マダニ属(Ixodes spp.)、イクソデス ホロシクルス(Ixodes Holocyclus)、キララマダニ属(Amblyomma spp.)、ウシマダニ属(Boophilus spp.)、カクマダニ属(Dermacentor spp.)、ヘモフィサリス属(Haemophysalis spp.)、イボマダニ属(Hyalomma spp.)、コイタマダニ属(Rhipicephalus spp.)、ダーマニサス属(Dermanyssus spp.)、ライリエチア属(Raillietia spp.)、ニューモニサス属(Pneumonyssus spp.)、スタノストマ属(Sternostoma spp.)、バロア属(Varroa spp.)の種。
【0033】
ケダニ亜目(前気門亜目)(Actinedida(Prostigmata))およびアカリディアダニ類(無気門亜目)(Acaridida(Astigmata))の目からは、たとえば、アカリダニ属(Acarapis spp.)、チェイレチーラ属(Cheyletiella spp.)、オルニトチェイレチア属(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属(Myobia spp.)、ヒツジツメダニ属(Psorergates spp.)、ニキビダニ属(Demodex spp.)、ツツガムシ属(Trombicula spp.)、リストロホラス属(Listrophorus spp.)、アカルス属(Acarus spp.)、チロファガス属(Tyrophagus spp.)、カログリファス属(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属(Hypodectes spp.)、プテロリチュス属(Pterolichus spp.)、キュウセンヒゼンダニ属(Psoroptes spp.)、ショクヒヒゼンダニ属(Chorioptes spp.)、ミミヒゼンダニ属(Otodectes spp.)、サルコプテス属(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属(Knemidocoptes spp.)、シトジテス属(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス属(Laminosioptes spp.)の種。
【0034】
この成型物は、通例、ほとんどの動物種、好ましくは恒温動物、特に哺乳類における寄生動物を制御するのに適切である。生産的および飼育動物には、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラクダ、水牛、ロバ、ウサギ、ダマジカおよびトナカイのような哺乳類、ミンク、チンチラおよびラクーンのような毛皮動物;雌鳥、ガチョウ、シチメンチョウおよびアヒルのような家禽が含まれる。
【0035】
研究所および実験動物には、ウシ、マウス、ラット、モルモット、ゴールデンハムスター、イヌおよびネコが含まれる。
【0036】
趣味動物には、ウマ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、ゴールデンハムスター、ノウサギおよびウサギが含まれる。
【0037】
本発明による組成物は、特に、ウシ、イヌ、およびネコを処置するため、好ましくは、ダニ類(ticks)および/またはノミ類(fleas)を制御するのに適切である。
この組成物は、予防的か、あるいは治療的に使用することができる。
【0038】
この成型物は、通例、固体製剤の全体重量を基準にして、活性化合物をそれぞれの場合、0.1〜30重量%、好ましくは、1〜20重量%、特に好ましくは2〜15.0重量%の濃度で含んでなる。
【0039】
この成型物は、通例、固体製剤の全体重量を基準にして、活性化合物の組み合わせを、全体の濃度で1〜35重量%、好ましくは、2〜25重量%、特に好ましくは2.5〜17.5重量%で含んでなる。
【0040】
この新規な固体成型物は、殺虫剤、殺ダニ剤、誘引剤、滅菌剤、殺菌剤、殺線虫剤、防カビ剤(fungicides)などのような活性化合物を含んでなる。この殺虫剤、殺ダニ剤および成長抑制剤には、たとえば、燐酸エステル、カルバマート、カルボン酸エステル、合成または天然ピレスロイド、ネオニコチノイド(neonicotinoids)(クロロニコチニルス(chloronicotinyls)とも呼ばれる;これらは、たとえば、クロロピリジン、クロロチアゾールおよびテトラヒドロフラン化合物を含んでいる)、ピロキシメート(pyroximates)、フェニルエーテル、フェニル尿素、微生物によって製造された物質などが含まれる。
【0041】
次は、有利な活性化合物と共活性化合物の実例である:
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤/成長抑制剤
アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アクリナトリン、アラニカルブ(alanycarb)、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルファシペルメトリン(alphacypermethrin)、アルファメトリン(alphamethrin)、アミトラズ、エバーメクチン、AZ60541、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホスA、アジンホスM、アゾシクロチン、
【0042】
バチルス・ポピリエ、バチルス・スファエリカス、バチルス・サブチリス、バチルス・チューリンゲンシス、バキュロウイルス、ベアウベリア バシアナ(Beauveria bassiana)、ベアウベリア テネラ(Beauveria tenella)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ベンスルタップ(bensultap)、ベンゾキシメート、ベータシフルトリン(betacyfluthrin)、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン(biopermethrin)、BPMC、ブロモホスA、ブフェンカルブ(bufencarb)、ブプロフェジン、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブチルピリダベン(butylpyridaben)、
【0043】
カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、クロエトカルブ(chloethocarb)、クロルエトキシホス(chlorethxyfos)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホスM、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、シス−レスメトリン(cis-resmethrin)、シスペルメトリン(cispermethrin)、クロシトリン(clocythrin)、クロエトカルブ、クロフェンテジン、シアノホス、シクロプレン(cycloprene)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シロマジン、
【0044】
デルタメトリン、デメトンM、デメトンS、デメトン−S−メチル、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジクルボス(dichlorvos)、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオフェノラン、ジスルホトン、ドクサトソディウム(docusatsodium)、ドフェナピン(dofenapyn)、
【0045】
エフルシラネート(eflusilanate)、エマメクチン、エンペトンリン(empenthrin)、エンドスルファン、エントモフソーラ属菌種(Entomopfthora spp.)、エプリノメクチン、エスフェンバレレート、エチフェンカルブ、エチオン、エトプロホス、エトフェンプロックス(etofenprox)、エトキサゾール、エトリムホス、
【0046】
フェナミホス、フェナザキン、酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキサクリム(fenoxacrim)、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンピラド、フェンピリトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フルアジナム、フルアズロン、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェノクスロン、フルメトリン、フルテンジン(flutenzine)、フルバリネート、フォノホス(fonophos)、フォスメチラン(fosmethilan)、ホスチアゼート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、フラチオカルブ、
【0047】
顆粒病ウイルス属(Granulosis viruses)
ハロフェノジド、HCH、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ヘキシチアゾックス(hexythiazox)、ヒドロプレン、
イミダクロプリド、イサゾホス(isazofos)、イソフェンホス(isofenphos)、イソキサチオン、イベルメクチン(ivermectin)、
核多角体ウイルス(Nuclear polyhederosis viruses)
ラムダシハロトリン(Lambdacyhalothrin)、ルフェヌロン
【0048】
マラチオン、メカルバム、メタアルデヒド、メタミドホス、メタルヒジウム アニソプリエ(Metharhizium anisopliae)、メタルヒジウム フラボビリデ(Metharhizium flavoviride)、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル(methomyl)、メトキシフェノジド、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、ミルベメクチン、モノクロトホス、モキシデクチン、
ナレド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン
オメトエート、オキサミル、オキシデメソンM(oxydemethon M)
【0049】
ペキロマイセス フモソロセウス、パラチオンA、パラチオンM、ペルメトリン(permethrin)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホキシム(phoxim)、ピリミカルブ(pirimicarb)、ピリミホスA(pirimiphos A)、ピリミホスM、プロフェノホス(profenofos)、プロメカルブ、プロポキスル、プロチオホス、プロトエート、ピメトロジン、ピラクロホス、ピレスメトリン(pyresmethrin)、ピレスラム、ピリダベン、ピリダチオン(pyridathion)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、
【0050】
キナルホス、
リバビリン
サリチオン、セブホス(sebufos)、セラメクチン、シラフルオフェン、スピノサド(spinosad)、スルホテップ、スルプロホス、
【0051】
タウフルバリネート(Taufluvalinate)、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリミホス(tebupirimiphos)、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、テミビンホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、テタシペルメトリン(thetacypermethrin)、チアメトキサム、チアプロニル、チアトリホス(thiatriphos)、チオシクラム ハイドロジェン オキサラート(thiocyclam hydrogen oxalate)、チオジカルブ、チオファノックス、ツリンジエンシン(thuringiensin)、Ti 435、トラロシトリン(tralocythrin)、トラロメトリン、トリアラテン(triarathene)、トリアザメート、トリアゾホス、トリアズロン(triazuron)、トリクロフェニジン(trichlophenidine)、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ(trimethacarb)、
【0052】
バミドチオン(Vamidothion)、バニリプロール(vaniliprole)、ベルチシリウム・レカニイ(Verticillium lecanii)
YI 5302
YRC 2894
ゼタシペルメトリン(Zetacypermethrin)、ゾラプロホス(zolaprofos)
【0053】
(1R−シス)−[5−(フェニルメチル)−3−フラニル]メチル−3−[(ジヒドロ−2−オキソ−3(2H)−フラニリデン)メチル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(3−フェノキシフェニル)メチル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート
1−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]テトラヒドロ−3,5−ジメチル−N−ニトロ−1,3,5−トリアジン−2(1H)イミン
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾール
2−(アセチルオキシ)−3−ドデシル−1,4−ナフタレンジオン
2−クロロ−N−[[[4−(1−フェニルエトキシ)フェニル]アミノ]カルボニル]ベンズアミド
2−クロロ−N−[[[4−(2,2−ジクロロ−1,1−ジフルオロエトキシ)フェニル]アミノ]カルボニル]ベンズアミド
3−メチルフェニルプロピルカルバマート
4−[4−(4−エトキシフェニル)−4−メチルペンチル]−1−フルオロ−2−フェノキシベンゼン
4−クロロ−2−(1,1−ジメチルエチル)−5−[[2−(2,6−ジメチル−4−フェノキシフェノキシ)エチル]チオ]−3(2H)ピリダジノン
4−クロロ−2−(2−クロロ−2−メチルプロピル)−5−[(6−ヨード−3−ピリジニル)メトキシ]−3(2H)−ピリダジノン
4−クロロ−5−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メトキシ]−2−(3,4−ジクロロフェニル)−3(2H)ピリダジノン
バチルス チューリンゲンシス ストレイン EG−2348(Bacillus thuringiensis strain EG-2348)
安息香酸[2−ベンゾイル−1−(1,1−ジメチルエチル)]ヒドラジド
2,2−ジメチル−3−(2,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イル ブタノアート
[3−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−2−チアゾリジニリデン]シアナミド
ジヒドロ−2−(ニトロメチレン)−2H−1,3−チアジン−3(4H)カルボキシアルデヒド
エチル−[2−[[1,6−ジヒドロ−6−オキソ−1−(フェニルメチル)−4−ピリダジニル]オキシ]エチル]カルバマート
N−(3,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−3−ブテニル)グリシン
N−(4−クロロフェニル)−3−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−4−フェニル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド
N−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]−N'−メチル−N”―ニトログアニジン
N−メチル−N'−(1−メチル−2−プロペニル)−1,2−ヒドラジンジカルボチオアミド
N−メチル−N'−2−プロペニル−1,2−ヒドラジンジカルボチオアミド
O,O−ジエチル−[2−(ジプロピルアミノ)−2−オキソエチル]エチルホスホラミドチオエート(O,O-Diethyl-[2-(dipropylamino)-2-oxoethyl]-ethylphosphoramidothioate)。
【0054】
好ましいピレスロイド類は、シフルトリン、β−シフルトリンおよびフルメトリンである。
【0055】
好ましいネオニコチノイド系剤(クロロニコチニル類)は、次の薬剤である:
【化1】

【0056】
イミダクロプリド、チアクロプリド、アセタミプリドおよびニテンピラムがクロロピリジンネオニコチノイドの代表例であり;チアメトキサム、クロチアニジンおよびAKD 1022が、クロロチアゾール ネオニコチノイドの代表例であり、そして、ジノテフランがテトラヒドロフラン ネオニコチノイドの代表例である。
【0057】
プロポキスルは、別の好ましい殺虫剤であると言及することができる。
好ましい成長抑制剤は、ピリプロキシフェン、メトプレンおよびトリフルムロンであり;これらは、特に他の殺虫剤/殺ダニ剤と組み合わせて使用するために適している。
好ましい相乗剤はピペロニルブトキシドである;この相乗剤は、また、しかるべき活性化合物と組み合わせて使用することも当然である。
【0058】
前記の共活性化合物と相乗剤を前記の活性化合物と一緒に使用することは、一般的に開示されてきた(たとえば、WO 00/02453、WO 95/33380、WO 95/07615、EP−A 569791、EP−A 0736252、EP−A 470467およびEP−A 251472参照)。
【0059】
言及されうる他の活性化合物は、ピラゾールオキシムおよびベンゾイル尿素である。
殺虫および殺ダニ効果を有する適切なピラゾールオキシムは、たとえば、出典明示により本明細書の一部とするEP−A−0234045中に述べられている。
【0060】
ベンゾイル尿素には、式(I):
【化2】

[式中、
は、ハロゲンであり、
は、水素またはハロゲンであり、
は、水素、ハロゲンまたはC1−4−アルキルであり、
は、ハロゲン、1−5−ハロゲン−C1−4−アルキル、C1−4−アルコキシ、1−5−ハロゲン−C1−4−アルコキシ、C1−4−アルキルチオ、1−5−ハロゲン−C1−4−アルキルチオ、フェノキシまたはピリジルオキシ(これらは、ハロゲン、C1−4−アルキル、1−5−ハロゲン−C1−4−アルキル、C1−4−アルコキシ、1−5−ハロゲン−C1−4−アルコキシ、C1−4−アルキルチオ、または1−5−ハロゲン−C−C−アルキルチオによって置換されていることもある)である]
の化合物が含まれる。
【0061】
前記化合物は、置換の種類によっては、像と鏡像として互いに関連する(エナンチオマー)か、または像と鏡像として互いに関連しない(ジアステレオマー)立体異性体の形態で存在することができる。この発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマー、またその混合物にも関連する。そのラセミ体並びにジアステレオマーは、公知の方法で立体異性体的に均質の構成物に分離できる。
【0062】
更に、化合物の中には、互変異性体の形で存在することができる。これは、当業者に知られており、そして、これらの化合物は、本発明の範囲に同様に包含される。
【0063】
本発明による化合物は、必要に応じて、シス異性体またはトランス異性体として存在することができる。たとえ、異性体の一方のみが示されている場合でも、本発明によって意味しているのは、常にシス異性体およびトランス異性体である。
【0064】
本発明による成型物は、動物、特に、イヌ、ネコおよびウシにおいて外的または皮膚処置を行うのに著しく適している。これらの成型物は、通例、厚さが0.25〜3.5mm、好ましくは、0.75〜2.5mmの厚みを有している。これらは、すべての気候帯において、3〜5年の極めて卓越した貯蔵安定性によって特徴付けられる。これらは、更に、応用が容易であること、通例9ヶ月までの非常に良好な生物学的長期間活性があること、および良好な環境適合性、特に、水(bodies of water)と適合性がよいことおよび恒温動物と適合性がよいことによって特徴付けられる。
【実施例】
【0065】
実施例
実施例1
組成:
2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカルバマート(Propoxur) 10g
ジ−n−ブチル アジパート 21g
プロピレングリコール オクタノアート デカノアート 9g
(商品名:ミグリオール840、Sasol/Wittenから)
エポキシ化大豆油 2g
ステアリン酸 1g
PVC 56g
色素混合物 1g
【0066】
製造:2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカルバマート、色素混合物(pigment mixture)およびPVCから成る混合物を、ジ−n−ブチル アジパート、プロピレングリコール オクタノアート デカノアートおよびエポキシ化大豆油から成る混合物と一緒に、ミキサー中で混合する。この混合を、熱を供給しながら混合物が均質になるまで継続する。この加熱によって、可塑剤混合物のPVC中への抽出(drawing)が促進される。次にステアリン酸を均一に分散させた後、この混合物を注入成型によって首輪に形作る。
【0067】
実施例2
組成:
2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカルバマート 10g
フルメトリン 2.5g
ジ−n−ブチル アジパート 21g
プロピレングリコール オクタノアート デカノアート 9g
エポキシ化大豆油 2g
ステアリン酸 1g
PVC 54g
色素混合物 0.5g
【0068】
製造:2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカルバマート、色素混合物およびPVCから成る混合物を、ジ−n−ブチル アジパート、プロピレングリコール オクタノアート デカノアート、エポキシ化大豆油およびフルメトリン(Flumethrin)から成る混合物と一緒に、ミキサー中で混合する。この混合を、熱を供給しながら混合物が均質になるまで継続する。この加熱によって、活性化合物−可塑剤混合物のPVC中への抽出が促進される。次にステアリン酸を均一に分散させた後、この混合物を注入成型によって首輪に形作る。同一の混合物をエクストルーダで押し出し、連続ウェブ(web)またはシートを形成するが、これは、利用形態に適切である長さまで製造業者またはユーザーによって加工される。メダル形態で動物の近くに垂れ下がる成型物は、押し出し物からカットするかまたは打ち抜く。
【0069】
実施例3
組成:
フルメトリン 2.5g
ジ−n−ブチル アジパート 21g
プロピレングリコール オクタノアート デカノアート 9g
エポキシ化大豆油 2g
ステアリン酸 1g
PVC 64g
色素混合物 0.5g
【0070】
製造:色素混合物およびPVCから成る混合物を、ジ−n−ブチル アジパート、プロピレングリコール オクタノアート デカノアート、エポキシ化大豆油およびフルメトリンから成る混合物と一緒に、ミキサー中で混合する。この混合を、熱を供給しながら混合物が均質になるまで継続する。この加熱によって、活性化合物−可塑剤混合物のPVC中への抽出が促進される。次にステアリン酸を均一に分散させた後、この混合物をエクストルーダで押し出し、連続ウェブ(web)およびシートを形成するが、これは、利用形態に適切である長さまで製造業者またはユーザーによって加工される。メダルまたは耳タッグ形態で動物の近くに垂れ下がる成型物は、押し出し物からカットするかまたは打ち抜く。
【0071】
実施例4
組成:
イミダクロプリド 10g
フルメトリン 5g
ジ−n−ブチル アジパート 21g
プロピレングリコール オクタノアート デカノアート 9g
エポキシ化大豆油 2g
ステアリン酸 1g
PVC 51g
色素混合物 1g
【0072】
製造:イミダクロプリド(Imidacloprid)、色素混合物およびPVCから成る混合物を、ジ−n−ブチル アジパート、プロピレングリコール オクタノアート デカノアート、エポキシ化大豆油およびフルメトリンから成る混合物と一緒に、ミキサー中で混合する。この混合を、熱を供給しながら混合物が均質になるまで継続する。この加熱によって、活性化合物−可塑剤混合物のPVC中への抽出が促進される。次にステアリン酸を均一に分散させた後、この混合物を注入成型によって首輪およびメダルに形成する。
【0073】
実施例中で言及した色素混合物は、実施例1および4の場合は商業上入手可能な酸化鉄の混合物であり、そして、実施例2および3の場合は、商業上入手可能な二酸化チタンおよび酸化鉄の混合物である。
【0074】
活性実験
ノミおよびマダニに対する活性を決定する実験を行うために、実施例1、2、3または4に応じて、イヌを首輪で処置するか、またはウシを体のサイズに合わせた押し出し物(extrudate)で処置した。この処置は、首輪の形で(幅が約1.4cmの細長片)動物の首に結び付けられている成型物によって行われた。この細長片は、できるだけ動物の首に接近させて(指幅の隙間をもたせて)備え付けた。メダル(Medallions)には、穴をあけ、そして通例の活性化合物がない首輪に結びつけた。メダルは、前首部分で動物の被毛に接触させるように位置づけた。
【0075】
実施例A:イヌにおけるイヌノミ属(クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis))に対する活性
−4および−1日目に、イヌに、1匹のイヌあたり、約100匹の成虫で絶食したクテノセファリデス・フェリスを寄生させる。これらのノミは動物の首に加える。
【0076】
0日目に、イヌにおいて侵襲が成功しているかを、意識のある動物上のノミを探すことによって調べる。生存しているノミの数を記録する。
【0077】
ノミをカウントした後、この動物を処置する。対照群のイヌには処置はしない。検討する薬剤は、首輪またはメダルとして動物に投与する。首輪およびメダルは、170日目の実験の終了まで動物につけておく。それぞれの場合、動物あたり、1個の首輪または1個のメダルのみを施す。臨床的に健常な動物のみが使用される。
【0078】
1日および2日目に、イヌのすべてで生存しているノミを調べる。この結果は未補正のデータ中に記録する。
【0079】
14、28、56、84、112、140および168日目に、イヌのすべてで1匹のイヌあたり、約100匹の成虫で絶食したクテノセファリデス・フェリスを再寄生させる。イヌのすべてで、それぞれの場合に再寄生の1日および2日後、生存しているノミを調べる。この結果は未加工のデータ中に記録する。
【0080】
アボット(Abbott)から順応された補正式が活性を計算するために使用される:
【数1】

CG:対照群
TG:処置群
【0081】
製剤実施例1、2、3または4に従って製造され、首輪およびメダルとして投与される活性化合物を含んでいる成型物を用いて、5−6ヶ月の期間にわたってクテノセファリデス・フェリスに対して>90%の活性が達成される。
【0082】
実施例B:イヌにおけるマダニ類(イクソデス・リシナス)(Ixodes ricinus)に対する活性
−1日目に、イヌを2%ロンプン(Rompun(登録商標))(Bayer AG)(0.1ml/kg(体重))で鎮静化させる。イヌのすべてに鎮静化剤を与えた後(約10−15分後)、これらを移送箱に移し、イヌ1匹あたり50匹のイクソデス・リシナス(25♀、25♂)を動物の首に加える。約1.5時間後、動物を再度移送箱からケージに移す。
【0083】
0日目に、イヌにおいて侵襲が成功しているかを、意識のある動物上のマダニを探すことによって調べる。これに関連して、頭および耳の部分(耳のひだを含めて)、首の部分、下腹部上、乳房内部分上、側面わき腹上およびまたつま先の指の間と手足上について完全な検査を行なう。それらが吸引によって付着している生存しているマダニの数を記録する。死んだマダニは除く。
【0084】
マダニをカウントした後、この動物を処置する。対照群のイヌには処置はしない。検討する薬剤は、首輪またはメダルとして動物に投与する。首輪およびメダルは、170日目の実験の終了まで動物につけておく。それぞれの場合、動物1匹あたり、1個の首輪または1個のメダルのみを施す。臨床的に健常な動物のみが使用される。
【0085】
1日および2日目に、イヌのすべてでそれらが吸引によって付着している、生存しているマダニと死んだマダニを調べる。この結果は未補正のデータ中に記録する。2日目に、生存しているマダニと死んだマダニのすべてをイヌから取り除く。
【0086】
14、28、56、84、112、140および168日目に、イヌのすべてで1匹のイヌあたり、それぞれの場合、50匹のイクソデス・リシナス(25♀、25♂)を再寄生させる。イヌのすべてで、それぞれの場合に再寄生の1日および2日後、それらが吸引によって付着している、生存しているマダニと死んだマダニを調べる。この結果は未補正のデータ中に記録する。再寄生後2日目に、生存しているマダニと死んだマダニのすべてをイヌから取り除く。
【0087】
アボットから順応された補正式が活性を計算するために使用される:
【数2】

CG:対照群
TG:処置群
【0088】
製剤実施例1、2、3または4に従って製造され、首輪およびメダルとして投与される活性化合物含有成型物を用いて、5−6ヶ月の期間にわたって、イクソデス・リシナスに対して>90%の活性を達成することができる。
【0089】
実施例C:ウシにおけるオーストラリアマダニ(イクソデス・ホロシクルス)(Ixodes holocyclus)に対する活性
−1日目に、ウシを2%ロンプン(Rompun(登録商標))(Bayer AG)(0.1ml/kg(体重))で鎮静化させる。ウシのすべてに鎮静化剤を与えた後(約10−15分)、ウシあたり10匹のイクソデス・ホロシクルス(5♀、5♂)を動物の首に加える。
【0090】
0日目に、ウシにおいて侵襲が成功しているかを、意識のある動物上のマダニを探すことによって調べる。これに関連して、頭および耳の部分(耳のヒダを含めて)、首の部分、下腹部上、乳房内部分上、側面わき腹上およびまたつま先の指の間と手足上について完全な検査を行う。それらが吸引によって付着している、生存しているマダニの数を記録する。死んだマダニは除く。
【0091】
マダニをカウントした後、この動物を処置する。対照群のウシには処置はしない。試験する薬剤は、首輪として動物に投与する。首輪は、170日目の実験の終了まで動物につけておく。それぞれの場合、動物1匹あたり、1個の首輪のみを施す。臨床的に健常な動物のみが使用される。
【0092】
1日および2日目に、ウシのすべてでそれらが吸引によって付着している、生存しているマダニと死んだマダニを調べる。この結果は未補正のデータ中に記録する。2日目に、生存しているマダニと死んだマダニのすべてをウシから取り除く。
【0093】
14、28、56、84、112、140および168日目に、ウシのすべてで1頭のウシあたり、それぞれの場合、50匹のイクソデス・ホロシクルス(5♀、5♂)を再寄生させる。ウシのすべてで、それぞれの場合に再寄生の1日および2日後、それらが吸引によって付着している、生存しているマダニと死んだマダニを調べる。この結果は未加工のデータ中に記録する。再寄生後2日目に、生存しているマダニと死んだマダニのすべてをウシから取り除く。
【0094】
アボットから順応された補正式が活性を計算するために使用される:
【数3】

CG:対照群
TG:処置群
【0095】
5−6ヶ月の期間にわたって、イクソデス・ホロシルスに対して90%以上である活性が、製剤実施例1、2、3または4に従って製造され、首輪として投与される活性化合物を含んでいる成型物を用いて達成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィンマトリックスを基剤とし、そして、
3個までの炭素原子を有する2価または3価のアルコールと6〜18個の炭素原子を有する脂肪酸を含んでなる1種またはそれ以上のエステル、
1種またはそれ以上の活性化合物、
および、必要に応じて、更なる補助的な物質および添加剤、
を含んでなる動物の寄生動物に対する外用使用のための固体成型物。
【請求項2】
ポリビニル樹脂マトリックスを基剤とする請求項1記載の固体成型物。
【請求項3】
ポリビニルクロリドマトリックスを基剤とする請求項1記載の固体成型物。
【請求項4】
6〜18個の炭素原子を有する脂肪酸を含む、1種またはそれ以上のエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセロールエステルを含んでなる、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の固体成型物。
【請求項5】
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドおよび/またはプロピレングリコールジカプリラート/ジカプラートを含んでなる請求項4に記載の固体成型物。
【請求項6】
動物の寄生動物を皮膚的に制御するための請求項1に記載の固体成型物の使用。

【公開番号】特開2013−63980(P2013−63980A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−235620(P2012−235620)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【分割の表示】特願2007−518489(P2007−518489)の分割
【原出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(508270727)バイエル・アニマル・ヘルス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (32)
【氏名又は名称原語表記】BAYER ANIMAL HEALTH GMBH
【Fターム(参考)】