説明

動物体照合装置および動物体照合プログラム

【課題】第1の動画像と第2の動画像とで撮影視点が大きく異なる場合であっても、第1の動画像に写った一つの動物体と同一の動物体を、同じ時間に撮影した第2の動画像に写った複数の動物体から特定する動物体照合装置を提供することを課題とする。
【解決手段】動物体照合装置100は、第1の動画像(対象動画像A)と第2の動画像(参照動画像B)とを撮像装置から取得し、動物体検出手段12(21)と、幾何特徴抽出手段13(23)と、幾何特徴記憶手段14(24)と、動的特徴抽出手段15(25)と、照合手段33と、類似度最大化手段34とを備え、第1の動画像から抽出した動物体(対象動物体)の形状に基づいて算出される対象動的特徴と、第2の動画像から抽出した複数の動物体(参照動物体)の形状に基づいて算出される複数の参照動的特徴とを照合し、類似度が高い参照動的特徴に対応する第2の動画像に写った一つの動物体を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の動物体が写った第1の動画像と、前記第1の動画像と同じ時間に異なる視点から撮った複数の動物体が写った第2の動画像とを照合し、前記第1の動画像に写った動物体と同じ動物体を、前記第2の動画像に写った動物体から特定する動物体照合装置および動物体照合プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルビデオカメラやCCD(Charge Coupled Device)カメラなどの第1の撮像装置により撮影して得られた動画像データに写った動物体と、第2の撮像装置により撮影して得られた動画像データに写った動物体とを照合するための物体照合手法には、テンプレートマッチング手法、色ヒストグラムによる手法、SIFT(Scale Invariant Feature Transform)特徴量による手法がある。
テンプレートマッチング手法は、物体領域の濃淡または色の面的な配置を特徴量として、異なる画像から抽出した各物体の各特徴同士の類似度を求め、当該類似度の高い組を探索することで照合を行う。前記類似度は例えば、コサイン類似度や相互相関、誤差和に基づいて算出される。
色ヒストグラムによる手法は、物体領域の全体または物体領域を分割した部分領域ごとの色ヒストグラムを算出し、色ヒストグラムの類似度に基づいて照合を行う。前記類似度の計算においては、例えば、ヒストグラム間のBhattacharyya距離を用いるものがある。
SIFT特徴量による手法は、回転運動やスケール、照明の変化による画像の変化に対して不変な画像特徴量であるSIFT特徴量を用いて(非特許文献1)、同一の物体を視点(撮影アングル)が異なる位置から撮影した画像に写った物体の(見た目の)画像特徴を比較して照合を行う。
【0003】
また、特許文献1には、ひとつの動画像に写った動物体の形状およびその動物体の運動を比較的少ないフレーム数(連続する画像の数)でロバスト(安定)に推定し、動画像に写った動物体を抽出することができる動画像の動物体抽出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4201958号公報(段落[0015]など)
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】D.G.Lowe, “Object recognition from local scale-invariant features”, Proc. of IEEE Int. Conf. on Computer Vision (ICCV) pp.1150-1157 (1999).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ある動画像(対象動画像)に写った動物体と、同じ時間に異なる視点から撮影した別の動画像(参照動画像)に写った複数の動物体との照合を行い、同一の動物体を特定することが、物体照合手法では以下のような問題がある。
【0007】
テンプレートマッチング手法の場合、視点変化がある場合に照合が困難であった。視点変化がある場合、動物体の並進運動や回転運動、スケールの変化を含めた情報を用いて、動物体の形状の変化を線形変換して近似することで、照合を行うことができる。しかし、並進運動や回転運動、スケールの変化も推定することなり、探索空間の次元が増えるため、演算負荷が膨大になるという問題がある。
【0008】
色ヒストグラムによる手法の場合、対象動画像と参照動画像との間で、同一の色を比較する必要があるため、撮像装置の仕様を考慮する必要があった。すなわち、異なる機種の撮像装置で撮影された画像間で照合を行うには、両撮像装置が同様の色特性を有するか、両撮像装置が同様の色特性となるように補正する必要があるという問題がある。
【0009】
SIFT特徴量による手法の場合、見た目の画像特徴を比較して照合を行うため、大きく異なる視点、例えば、対象動画像の動物体の形状と参照動画像の動物体の形状とが線形変換により近似できないほど異なる場所からの視点で被写動物体が撮影され、対象動画像と参照動画像とで被写動物体の画像特徴が全く異なる場合に、対象動画像の被写動物体と同一の動物体を参照動画像の複数の動物体から特定することができないというという問題がある。
また、SIFT特徴量を求めるためにはDoG(Difference of Gaussian)を生成する必要があり、ガウシアンカーネルのたたみ込み演算を繰り返し行うため、演算量が膨大であるという問題がある。
【0010】
また、従来(特許文献1)の動物体照合装置でも、ある動画像(第1の動画像)に写った動物体と同一の動物体を、同じ時間に異なる視点から撮影した別の動画像(第2の動画像)に写った複数の動物体から特定することができないという問題がある。
【0011】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、第1の動画像と第2の動画像とで撮影視点が大きく異なる場合であっても、第1の動画像に写った一つの動物体と同一の動物体を、同じ時間に撮影した第2の動画像に写った複数の動物体から特定することができる動物体照合装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の動物体照合装置は、複数の動物体が写った第1の動画像(対象動画像)と、前記第1の動画像と同じ時間に異なる視点から撮った複数の動物体が写った第2の動画像(参照動画像)とを照合する動物体照合装置において、動物体検出手段と、幾何特徴抽出手段と、動的特徴抽出手段と、照合手段と、類似度最大化手段とを備える。
【0013】
かかる構成によれば、動物体照合装置は、第1の動画像から抽出した動物体(対象動物体)に基づいて算出されるひとつの動的特徴(対象動的特徴)と、第2の動画像から抽出した複数の動物体(参照動物体)に基づいて算出される複数の動的特徴(参照動的特徴)とを照合し、類似度が高い参照動的特徴に対応する第2の動画像に写った一つの動物体を特定する。これにより、第1の動画像に写った一つの動物体と同一の動物体を、第2の動画像に写った複数の動物体から特定することができる。
【0014】
また、請求項2に記載の動物体照合装置は、請求項1に記載の動物体照合装置において、接続された入力手段を介して、前記第1の動画像に写った複数の動物体の中から、利用者により指定された動物体の情報を取得し、前記第1の動画像から指定された前記動物体を抽出する動物体指定手段をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
かかる構成において、動物体照合装置と接続された入力手段を介して、第1の動画像に写った複数の動物体の中から、利用者が指定した動物体と同一の動物体を、第2の動画像の複数の動物体から特定することができる。
【0016】
また、請求項3に記載の動物体照合装置は、請求項1または請求項2に記載の動物体照合装置において、前記幾何特徴抽出手段により算出される前記幾何特徴が、前記動物体検出手段により抽出された動物体の形状の面積値であることを特徴とする。
【0017】
かかる構成において、動物体照合装置は幾何特徴を動物体の形状の面積値とし、幾何特徴を数値で表現する。
【0018】
さらに、請求項4に記載の動物体照合装置は、請求項1または請求項2に記載の動物体照合装置において、前記幾何特徴抽出手段により算出される前記幾何特徴が、前記動物体検出手段により抽出された動物体の形状の外周長であることを特徴とする。
【0019】
かかる構成において、動物体照合装置は、幾何特徴を動物体の形状の外周長とし、幾何特徴を数値で表現する。
【0020】
さらに、請求項5に記載の動物体照合装置は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の動物体照合装置において、前記動的特徴抽出手段により算出される前記動的特徴が、前記第1の動画像および前記第2の動画像を構成する連続した画像に写った同一の動物体における、各画像の前記幾何特徴の連続値をフーリエ変換して得られる、最大振幅値のスペクトル成分の周波数値であることを特徴とする。
【0021】
かかる構成において、動物体照合装置は、照合の対象となる動的特徴を周波数値で表すことができる。
【0022】
請求項6に記載の動物体照合プログラムは、複数の動物体が写った第1の動画像(対象動画像)と、前記第1の動画像と同じ時間に異なる視点から撮った複数の動物体が写った第2の動画像(参照動画像)とを照合し、前記第1の動画像に写った動物体と同じ動物体を、前記第2の動画像に写った動物体から特定するために、動物体照合装置のコンピュータを、動物体検出手段、幾何特徴抽出手段、動的特徴抽出手段、照合手段、類似度最大化手段として機能させることを特徴とする。
【0023】
請求項7に記載の動物体照合装置は、利用者により操作されて情報が入力される入力手段と接続され、複数の動物体が写った第1の動画像(対象動画像)を処理する対象動画像処理手段と、前記第1の動画像と同じ時間に異なる視点から撮った複数の動物体が写った第2の動画像(参照動画像)を処理する参照動画像処理手段と、前記対象動画像処理手段の処理結果と、前記参照動画像処理手段の処理結果とを比較する照合処理手段とを備える動物体照合装置であって、前記対象動画像処理手段は、第1の動物体検出手段と、第1の動物体指定手段と、第1の幾何特徴抽出手段と、第1の動的特徴抽出手段とを備え、前記参照動画像処理手段は、第2の動物体検出手段と、第2の幾何特徴抽出手段と、第2の動的特徴抽出手段とを備え、前記照合処理手段は、照合手段と、類似度最大化手段とを備えることを特徴とする動物体照合装置。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
請求項1〜7に記載の発明によれば、動画像を構成する画像毎に、動物体の形状から幾何特徴を算出し(幾何特徴抽出手段)、前記動画像を構成する連続した画像に写った同一の動物体において、前記幾何特徴抽出手段で算出された幾何特徴の時間経過による変化値から前記動物体の動的特徴を算出(動的特徴抽出手段)する。この動的特徴を照合し、第1の動画像に写った動物体の動的特徴と類似度が高い、第2の動画像に写った一つの動物体を特定することにより、大きく異なる視点で被写動物体が撮影され、第1の動画像と第2の動画像とにおいて被写動物体の画像特徴が全く異なる場合においても、第1の動画像に写った動物体と同一の動物体を、第2の動画像に写った複数の動物体から特定することができる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、利用者は第1の動画像に写った動物体を指定することができるため、利用者が注目したい動物体を、第1の動画像だけでなく、大きく異なる視点で撮影された第2の動画像からも確認することができる。
これにより、利用者のニーズに合わせて動物体を指定できる動物体照合装置を提供することができる。
【0026】
請求項3や請求項4に記載の発明によれば、幾何特徴を動物体の形状の面積値や外周長とする。時間経過による動物体の動きの変化を、面積値や外周長の数値の変化から算出するため、動物体個々の動きの変化(動的特徴)を数値で取得することができる。動的特徴が数値であるため、第1の動画像に写った動物体の動的特徴と、第2の動画像に写った動物体の動的特徴とから算出された類似度から容易に照合できる。
【0027】
請求項5に記載の発明によれば、第1の動画像に写った動物体の周波数値と、第2の動画像に写った動物体の周波数値との類似度から、両動物体が同一であるか否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るサッカーの試合を撮影する2台の撮像装置と接続された動物体照合装置の一例である。
【図2】本発明に係る動物体照合装置のブロック図である。
【図3】(a)本発明に係る対象動画像データの1フレームである。(b)本発明に係るシルエット処理された対象動画像データの1フレームである。
【図4】本発明に係る幾何特徴記憶手段に記憶されるインデックス番号と各フレームと幾何特徴との関係を示すデータ図である。
【図5】(a)本発明に係る対象動画像データの1フレームである。 (b)(a)の数フレーム後の対象動画像データの1フレームである。 (c)本発明に係る参照動画像データの1フレームである。 (d)(d)の数フレーム後の参照動画像データの1フレームである。
【図6】(a)図6(a)の対象動画像データの1フレームをシルエット処理した画像である。 (b)図6(b)の対象動画像データの1フレームをシルエット処理した画像である。 (c)図6(c)の対象動画像データの1フレームをシルエット処理した画像である。 (d)図6(d)の対象動画像データの1フレームをシルエット処理した画像である。
【図7】(a)フレーム毎のシルエット動物体領域XSA1の幾何特徴の値と時間の関係を示したものである。 (b)フレーム毎の参照シルエット動物体領域XSB3の幾何特徴の値と時間の関係を示したものである。 (c)フレーム毎の参照シルエット動物体領域XSB2の幾何特徴の値と時間の関係を示したものである。
【図8】本発明に係る動物体照合装置の全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る動物体照合装置の対象動画像処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る動物体照合装置の対象動画像処理手段の過去K−1フレーム分の幾何特徴記憶処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る動物体照合装置の参照動画像処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る動物体照合装置の照合処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る動物体照合装置の照合処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る魚が入っている水槽を撮影する2台の撮像装置と接続された動物体照合装置である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の第1の実施形態について、適宜、図面を参照しながら詳細に説明する。
[動物体照合装置を含むシステム全体構成]
本発明の第1の実施形態において、サッカー場1001に設置された2台の撮像装置V(撮像装置V1、撮像装置V2)により、サッカーの試合が撮影されているとする(図1)。
ここで、撮像装置V2の動画像は、ゴール側の視点から広角で撮影されたものであり、ハーフライン付近でボールを蹴る直前の選手P1の他に、選手P1の味方チームの選手P2と、相手チームの選手P3と選手P4が写った映像である。そして、撮像装置V1の動画像は、また別の視点(メインスタンド側)から広角で撮影されたものであり、ゴール前へ走り込む選手P2、選手P3、選手P4が写った映像である。
撮像装置Vは、動物体照合装置100と無線もしくは有線で接続され、撮像装置V毎の視点から拡大/広角撮影された映像を動物体照合装置100に送信するものである。
そして、本発明に係る動物体照合装置100は、例えば、撮像装置V1の映像(動画像)に写る選手(P2)と同一の選手を、撮像装置V2の映像(動画像)から特定するものであり、処理の結果、撮像装置V2の映像(動画像)から選手P2を特定することができる。
【0030】
[動物体照合装置の構成]
動物体照合装置100の構成を図2に示す。動物体照合装置100は、撮像装置V(図1)と、表示手段4と、入力手段5と接続され、対象動画像処理手段1と、参照動画像処理手段2と、照合処理手段3とを備え、撮像装置V1(図1)が撮影した動画像データを対象動画像処理手段1と参照動画像処理手段2とは記憶し、撮像装置V1により撮影された動画像データ(対象動画像A)に写った複数の動物体から入力手段5により指定された動物体XAと同一の動物体を、撮像装置V2(図1)により異なる視点から撮影された動画像データ(参照動画像B)に写った複数の動物体から特定するものである。
【0031】
対象動画像処理手段1は、動物体検出手段12と、幾何特徴抽出手段13と、幾何特徴記憶手段14と、動的特徴抽出手段15と、動画像データ生成手段16と、動物体指定手段17とを備え、対象動画像Aを記憶し、その対象動画像Aを構成する各フレームデータ(対象動画像データAf)に写ったすべての動物体を検出し、利用者Uに入力手段5を介して指定された動物体XAの対象動的特徴dAと、動物体XAを特定する対象インデックス番号nA(動物体識別情報)とを出力する手段である。
【0032】
参照動画像処理手段2は、動物体検出手段22と、幾何特徴抽出手段23と、幾何特徴記憶手段24と、動的特徴抽出手段25とを備え、参照動画像Bを記憶し、その参照動画像Bを構成する各フレームデータ(参照動画像データBf)に写ったすべての動物体を検出し(検出した動物体総数をNとする)、すべての動物体XB(XB1,XB2,・・・,XBN)の参照動的特徴dB(dB1,dB2,・・・,dBN)と、各動物体XBを特定する参照インデックス番号nB(nB1,nB2,・・・,nBN)と、動物体総数Nとを出力する手段である。
【0033】
照合処理手段3は、計数手段31と、選択手段32と、照合手段33と、類似度最大化手段34とを備え、対象動的特徴dAと、参照動的特徴dBとを比較する処理を動物体総数Nと同じ数だけ繰り返して(すべての参照動的特徴dB1,dB2,・・・,dBNと比較する)、類似度の高い参照インデックス番号nBを特定する手段である。
【0034】
(対象動画像処理手段1の構成)
対象動画像処理手段1の各構成について説明する。
(対象動画像A)
対象動画像Aは、撮像装置V1により撮影された動画像であり、対象動画像Aは、複数のフレームデータ(対象動画像データAf(Af1,Af2,・・・,Afk,・・・,AfK-1,AfK,・・・))で構成される。
ここで、対象動画像Aは、動物体XAが写り、利用者Uにより動物体XAが指定(選択)される動画像である。一方、後記する参照動画像Bは、前記指定された動物体XBが写り、その動物体XBが特定される動画像である。
【0035】
(動物体検出手段12)
動物体検出手段12は、撮像装置V1が撮影した対象動画像Aを構成する対象動画像データAfを一つ取得し、図3(a)に示すように、その対象動画像データAfに写った(含まれる)すべての動物体XAを検出する(動物体検出処理)。そして、動物体検出手段12は、図3(b)に示すように、その動物体XAをシルエットにして(シルエット処理)抽出し、シルエット動物体領域XSAを生成する。そして、シルエット動物体領域XSAに対象インデックス番号nA(動物体識別情報)を割り当てる。そして、対象インデックス番号nAとシルエット動物体領域XSAとを幾何特徴抽出手段13に出力する手段である。
【0036】
ここで、動物体検出手段12が幾何特徴抽出手段13に出力するシルエット動物体領域XSAは、シルエット動物体領域XSAを含む画像データでもよいし、シルエット動物体領域XSAの輪郭形状を表現したデータ(例えば、チェーンコード)でもよい。
【0037】
(動物体検出手段12:動物体検出処理)
ここで、動物体検出手段12が行う動物体検出処理について説明する。
動物体検出手段12は、まず、予め記憶手段(不図示)に背景の色データ(背景色データ)を記憶させる。そして、その背景色データ以外の色データ(抽出色データ)を画像から抽出し、隣り合う抽出色データの集合(領域)を抽出する。これにより、動物体検出手段12は、対象動画像データAfに含まれるすべての動物体を検出することができる。
【0038】
また、動物体検出手段12は動物体検出処理をするときに、映像合成技術であるクロマキー(Chroma key)を用いて行ってもよい。
また、動物体検出手段12は、特許文献1に開示された動きベクトルを用いて動物体検出処理を行ってもよい。例えば、類似した動きベクトルをもつ座標同士を集めた領域を形成(クラスタリング)し、最大面積の領域を背景とし、それ以外の領域を動物体とすることで実現することができる。
【0039】
ここで、動物体検出手段12が対象動画像データAfから一つも動物体を検出できなかった場合(検出数“0”)には、動物体照合装置100はその後の処理を実行せず、動作を終了するものとする。
【0040】
(動物体検出手段12:シルエット処理)
ここで、動物体検出手段12が行うシルエット処理について説明する。
動物体検出手段12は、動物体検出処理により抽出された領域(抽出領域)を黒色にし、抽出領域以外の領域を白色にして、2値画像とし、領域内外を区別したシルエットにする。これにより、動物体検出手段12は、抽出領域に相当する動物体XAをシルエットにすることができる。ここで、シルエットにした動物体XAの抽出領域をシルエット動物体領域XSとする。
例えば、記憶手段(不図示)にサッカー場1001のピッチの色を背景色として記憶させることで、動物体検出手段12は、動物体検出処理とシルエット処理とにより、ピッチ上の選手やボール、審判を画像から抽出し、シルエットにすることができる。
【0041】
ここで、動物体検出手段12はシルエット処理をするときに、動物体検出処理で抽出された抽出領域を白色にし、抽出領域以外の領域を黒色にしてもよい。また、白黒だけでなく、カラーでもよい。
動物体検出手段12が行う以上の処理は、動画像データを再生中に実行されることが望ましい。
【0042】
(動画像データ生成手段16)
動画像データ生成手段16は、シルエット動物体領域XSAを選択できる選択機能情報(例えば、マウスカーソルで選択可能なボタン)や、シルエット動物体領域XSAに割り当てられた対象インデックス番号nA、選択機能情報の画面座標情報(例えば、画面上における選択可能なボタンの位置を示す座標情報)などの情報をシルエット対象動画像データASに埋め込んで表示手段4に送出するものである。これにより、動画像データ生成手段16は、それぞれのシルエット動物体領域XSAに相当する対象インデックス番号nAが表示された画面や、シルエット動物体領域XSAの形状をしたボタンが表示された画面を、表示手段4に表示することができる。
【0043】
(動物体指定手段17)
動物体指定手段17は、利用者Uに操作されて入力手段5から入力された指示データを取得する。そして、動物体指定手段17は、指示データを解析し、利用者Uが指定したシルエット動物体領域XSAに割り当てられた対象インデックス番号nAを取得し、幾何特徴抽出手段13にその対象インデックス番号nAを出力するものである。
【0044】
(幾何特徴抽出手段13)
幾何特徴抽出手段13は、動物体検出手段12により抽出された各フレーム(Kフレーム)のシルエット動物体領域XSAの幾何特徴gを定量化する手段である。そして、幾何特徴抽出手段13は、利用者Uにより指定された対象インデックス番号nAと各フレームの幾何特徴gAとの関係を示すデータを幾何特徴記憶手段14に記憶させる。
ここで、本発明の実施形態では、シルエット動物体領域XSAの幾何特徴gを「面積」とする。
幾何特徴抽出手段13は、動物体検出手段12からシルエット動物体領域XSAを含むKフレーム(K個)の画像データを取得する。そして、幾何特徴抽出手段13は、各画像データのシルエット動物体領域XSAの面積を算出する。これにより、幾何特徴抽出手段13は、Kフレームの幾何特徴gA(シルエット動物体領域XSAの面積値)を算出する。
このとき、画像データのシルエット動物体領域XSAは2値画像データで表されるため、シルエットの領域の画素数を計数することで、シルエット動物体領域XSAの面積を算出してもよい。
【0045】
また、幾何特徴抽出手段13は、シルエット動物体領域XSAの幾何特徴gAを「輪郭線長(外周長)」としてもよい。幾何特徴抽出手段13は、動物体検出手段12からシルエット動物体領域XSAの輪郭をコード化したチェーンコードを取得する。そして、幾何特徴抽出手段13は、チェーンコードからシルエット動物体領域XSAの輪郭線長(外周長)を算出する。
【0046】
幾何特徴抽出手段13は、一つ前の対象動画像Aの対象動画像データAfを取得し、対象インデックス番号nAが割り当てられたシルエット動物体領域XSAと同じ動物体XAのシルエット動物体領域を抽出し、その幾何特徴gAを算出する。そして、幾何特徴抽出手段13は、この算出処理を、過去K−1フレーム分のシルエット対象動画像データASに行う。これにより、幾何特徴抽出手段13は、対象インデックス番号nAが割り当てられたシルエット動物体領域XSAのKフレーム分の幾何特徴gAを算出することができる。
【0047】
ここで、過去のフレームのシルエット対象動画像データASからシルエット動物体領域XSAと同一動物体のシルエット動物体領域を抽出する処理は、特許文献1に開示された技術を用いることで、実現することができる。これにより、幾何特徴抽出手段13は、過去Kフレーム分のシルエット対象動画像データASからK個のシルエット動物体領域XSAを抽出することができる。
ここで、Kフレームとは、0.1〜1秒間の動画像データのフレーム数であるが、1秒以上のフレーム数としてもよい。
【0048】
(幾何特徴記憶手段14)
幾何特徴記憶手段14は、幾何特徴抽出手段13により、利用者Uにより指定された対象インデックス番号nAと各フレームの幾何特徴gAとの関係を示すデータが記憶される手段である。
図4は、後記する幾何特徴記憶手段24に記憶された参照インデックス番号nBと各フレームの幾何特徴gBとの関係を示すデータ図であるが、同じように、幾何特徴記憶手段14は、例えば、動物体XAに割り当てられた参照インデックス番号nAにおける、処理開始時点(現在時)からk個前のフレーム(過去k)の幾何特徴gnA(t−kΔt)を記憶するものである。
【0049】
(動的特徴抽出手段15)
動的特徴抽出手段15は、幾何特徴記憶手段14から幾何特徴gを取得し、幾何特徴gAの時間経過による変化を定量化し、対象動的特徴dAを算出し、対象インデックス番号nAと対象動的特徴dAを一組にした[対象インデックス番号nA、対象動的特徴dA]のデータを生成する手段である。
ここで、シルエット動物体領域XSの幾何特徴gを「面積」とした場合の対象動的特徴dの算出方法を以下に記載する。
動的特徴抽出手段15は、シルエット動物体領域XSの幾何特徴gを「面積」とした場合、幾何特徴記憶手段14からKフレーム(K個)の幾何特徴g(面積値)を取得し、それらフレーム毎の(時間経過)幾何特徴gの集合に対してフーリエ変換する。これにより最大の振幅を有するスペクトル成分の周波数φを算出することができる。この周波数φが対象動的特徴dである。
【0050】
例えば、現時点を含む過去Kフレーム分の幾何特徴時系列(g(t−kΔt))k=K-1,K-2,・・・,1,0に対し、フーリエ変換を施し、スペクトルG(f)を求める。ここで、Δtはフレームの時間間隔、fは周波数である。
フーリエ変換の際に、幾何特徴時系列(g(t−kΔt))k=K-1,K-2,・・・,1,0に対し、窓関数(例えば、ハン窓、ハミング窓、ブラックマン窓、方形窓(矩形窓)、三角窓(バーレット窓)など)を掛けてもよい。
そして、最大の振幅を有するスペクトル成分の周波数φを算出することができる。
【0051】
この算出方法での周波数φは式(1)で表すことができる。
【数1】

【0052】
また、動的特徴抽出手段15は、最大の振幅を有するスペクトル成分の周波数φを算出する際に、重み関数w(f)とスペクトルG(f)との乗算を最大化するfを算出してもよい。
【0053】
この算出方法での周波数φは式(2)で表すことができる。
【数2】

【0054】
そして、重み関数w(f)は、直流成分を遮断する関数である式(3)を用いることができる。
【数3】

【0055】
また、重み関数w(f)には、帯域通過型フィルタである式(4)を用いてもよい。
【数4】

【0056】
また、幾何特徴時間変化におけるスペクトルG(f)を動的特徴としてもよい。この場合、動的特徴は周波数fに関する動的特徴関数d(f)である。この動的特徴関数d(f)は式(5)で表すことができる。
【数5】

【0057】
そして、動的特徴抽出手段15は、最大の振幅を有するスペクトル成分の周波数φを算出する際に、重み関数w(f)とスペクトルG(f)との乗算を動的特徴関数d(f)である。この動的特徴関数d(f)は式(6)で表すことができる。
【数6】

【0058】
(参照動画像処理手段2の構成)
参照動画像処理手段2の各構成について説明する。
参照動画像処理手段2は、動物体検出手段22と、幾何特徴抽出手段23と、幾何特徴記憶手段24と、動的特徴抽出手段25とを備え、参照動画像Bを記憶し、その参照動画像Bを構成する各フレームデータ(参照動画像データBf)に写ったすべての動物体を検出し(検出した動物体総数をNとする)、すべての動物体XB(XB1,XB2,・・・,XBN)の参照動的特徴dB(dB1,dB2,・・・,dBN)と、各動物体XBを特定する参照インデックス番号nB(nB1,nB2,・・・,nBN)と、動物体総数Nとを出力する手段である。
【0059】
(参照動画像処理手段2の構成)
参照動画像処理手段2は、対象動画像処理手段1と類似した構成を備え、各構成は、参照動画像処理手段2が備える動物体検出手段22が、対象動画像処理手段1が備える動物体検出手段12に相当し、幾何特徴抽出手段23が幾何特徴抽出手段13に相当し、幾何特徴記憶手段24が幾何特徴記憶手段14に相当し、動的特徴抽出手段25が動的特徴抽出手段15に相当するものである。
以下に、参照動画像処理手段2が備える各構成で、対象動画像処理手段1と異なる機能や処理について記載する。
【0060】
(参照動画像B)
参照動画像Bは、撮像装置V2により撮影された動画像であり、参照動画像Bは、複数のフレームデータ(参照動画像データBf(Bf1,Bf2,・・・,Bfk,・・・,BfK-1,BfK,・・・))で構成される。
【0061】
(動物体検出手段22)
動物体検出手段22は、撮像装置V2が撮影した参照動画像Bを構成する参照動画像データBfを一つ取得し、その参照動画像データBfに写った(含まれる)すべての動物体XBを検出し(動物体検出処理)、その動物体XBをシルエットにした(シルエット処理)シルエット動物体領域XSBを生成する。そして、シルエット動物体領域XSBにインデックスn(動物体識別情報)を割り当てる。そして、インデックスnとシルエット動物体領域XSBとを幾何特徴抽出手段23に出力する。
動物体検出手段22は、検出した動物体の数をカウントし、その動物体総数Nを後記する照合処理手段3に出力する。
【0062】
(幾何特徴抽出手段23)
幾何特徴抽出手段23は、動物体検出手段22により抽出された各フレーム(Kフレーム)のすべて(動物体総数N)のシルエット動物体領域XSBの幾何特徴gBを定量化する手段である。そして、幾何特徴抽出手段13は、参照インデックス番号nBと各フレームの幾何特徴gBとの関係を示すデータを幾何特徴記憶手段24に記憶させる。
ここで、幾何特徴抽出手段23は、動物体検出手段22から過去Kフレーム分のシルエット参照動画像データBSを、参照インデックス番号nB順に取得することとする。しかし、幾何特徴抽出手段23は、予め決められた画面座標に最も近い順にシルエット動物体領域XSBを取得してもよいし、それぞれのシルエット動物体領域XSBの重心を算出し、既に取得したシルエット動物体領域XSBの重心に最もユークリッド距離の近いシルエット動物体領域XSBを取得してもよいし、動物体抽出手段22が行う動物体検出処理にて、特許文献1に開示された動きベクトルを用い、動物体抽出手段22で抽出された動物体(領域)の動きベクトル場に最も近い動きベクトル場を有する部分領域をシルエット動物体領域XSBとして取得してもよい。ここで、最も近い動きベクトル場を有する部分領域は、2つの動きベクトル場の部分領域内の平均ベクトルを求め、その差分の絶対値が最も小さいものを探索して求める。
【0063】
(幾何特徴記憶手段24)
幾何特徴記憶手段24は、幾何特徴抽出手段23により、参照インデックス番号nBと各フレームの幾何特徴gBとの関係を示すデータが記憶される手段である。
図4は、幾何特徴記憶手段24に記憶された参照インデックス番号と各フレームの幾何特徴gBとの関係を示すデータ図である。
図4に示すように、幾何特徴記憶手段24は、例えば、動物体XBに割り当てられた参照インデックス番号nBにおける、処理開始時点(現在時)からk個前のフレーム(過去k)の幾何特徴gn(t−kΔt)を記憶するものである。動物体総数Nのデータが記憶される。
【0064】
(動的特徴抽出手段25)
動的特徴抽出手段25は、幾何特徴記憶手段25から幾何特徴gBを取得し、すべて(動物体総数N)の幾何特徴gBの時間経過による変化を定量化し、参照動的特徴dBを算出し、参照インデックス番号nBと参照動的特徴dBを一組にした[参照インデックス番号nB、参照動的特徴dB]のデータを生成する手段である。
これにより、検出されたすべての動物体XBの[参照インデックス番号nB、参照動的特徴dB]のデータが生成される。
【0065】
照合処理手段3は、計数手段31と、選択手段32と、照合手段33と、類似度最大化手段34とを備え、対象動的特徴dAと、参照動的特徴dBとを比較する処理を動物体総数Nと同じ数だけ繰り返して(すべての参照動的特徴dB1,dB2,・・・,dBNと比較する)、類似度の高い参照インデックス番号nBを特定する手段である。
【0066】
(照合処理手段3の構成)
照合処理手段3の各構成について説明する。
(計数手段31)
計数手段31は、参照動画像処理手段2の動物体検出手段22(図2)から動物体総数Nを取得し、選択手段32および類似度最大化手段34に、インデックスを一つずつ出力し、出力後にインデックスをインクリメント(+1)する。そして、インデックスが動物体総数Nと一致するまで、計数手段31はインデックスを出力する手段である。
また、照合手段33からの指示データにより、インデックスをリセットする(インデックス=1にする)。
【0067】
(選択手段32)
選択手段32は、参照動画像処理手段2の動的特徴抽出手段25から[参照インデックス番号nB、参照動的特徴dB]の組み合わせをすべて取得し、計数手段31からインデックスを取得したことを契機に、一組の[参照インデックス番号nB、参照動的特徴dB]を出力する手段である。
【0068】
(照合手段33)
照合手段33は、動的特徴抽出手段15から[対象インデックス番号nA、対象動的特徴dA]を取得し、選択手段32から一組の[参照インデックス番号nB、参照動的特徴dB]を取得し、後記する類似度算出処理の手順で、対象動的特徴dAと参照動的特徴dBとを比較して類似度sを算出し、動物体総数Nの類似度sを生成する手段である。
ここで、類似度sは、以下にて説明する照合手段33が行う類似度算出処理により求められるが、類似度sは、対象動的特徴と参照動的特徴とがどれだけ一致しているかを百分率で示す一致率であってもよい。
【0069】
(類似度最大化手段34)
類似度最大化手段34は、計数手段31からインデックスを取得する毎に、照合手段33から類似度sを取得し、最大の類似度sに相当する参照インデックス番号nBを照合結果として出力する手段である。このとき、選択手段32が現在選択している参照インデックス番号nBは、計数手段31から類似度最大化手段34に出力されるインデックスにより特定することができる。
【0070】
(類似度算出処理)
ここで、照合手段33が行う類似度算出処理について説明する。例えば、対象動的特徴dAおよび参照動的特徴dBが周波数値である場合、照合手段33は、対象動的特徴dAと参照動的特徴dBとの差分から類似度sを算出する。この類似度sは式(7)で表すことができる。この式(7)により、対象動的特徴dAと参照動的特徴dBとの差分値が小さいほど、類似度sは大きい値をとる。
【0071】
【数7】

【0072】
また、例えば、対象動的特徴dAおよび参照動的特徴dBが周波数値である場合、照合手段33は、両動的特徴の一致/不一致に応じて2値をとる関数を類似度s(dA,dB)として定義することができ、この類似度sは式(8)で表すことができる。この式(8)により、類似度sが“1”となる対象動的特徴dAのシルエット動物体領域XSAと、参照動的特徴dBのシルエット動物体領域XSBとが同一動物体であると判定することができる。
【0073】
【数8】

【0074】
また、対象動的特徴dAおよび参照動的特徴dBが周波数fに関する関数である場合、類似度s(dA(f),dB(f))を式(9)で表すことができる。
【数9】

【0075】
そして、類似度最大化手段34が行う処理において、参照動画像Bに写ったシルエット動物体領域XSB(XSB1、XSB2、・・・、XSBN)のうち、対象動画像Aに写ったシルエット動物体領域XSAの対象動的特徴dAと類似度sが最も高い、参照動画像Bに写ったシルエット動物体領域XSBの参照動的特徴dBに対応するインデックス番号nBは、式(10)で表すことができる。ここで、Nは参照動画像Bに写ったシルエット動物体領域XSBの総数である。
【数10】

【0076】
ここで、対象動的特徴dA(f)および参照動的特徴dB(f)が、幾何特徴時間変化におけるスペクトルG(f)である場合、照合手段33は、式(9)を用いて、それらの振幅間の相関を計算する。この相関値から、シルエット動物体領域XSA1(図5(a))とシルエット動物体領域XSB2(図5(c))とは同一動物体であると判定することができるため、類似度最大化手段34はシルエット動物体領域XSB2を抽出することができる。
【0077】
表示手段4は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)などであり、動画像データ生成手段16から送出される動画像データを受信し、その動画像を再生表示するものである。表示手段4は、動物体照合装置100が内蔵していても構わない。
入力手段5は、利用者Uにより操作されて入力された指示データを動物体照合装置100に送出するものであり、キーボードやマウスなどにより構成される。例えば、キーボードから番号情報や、マウスなどのポインティングデバイスによって入力位置情報や画面座標情報などの画面位置情報が含まれた指示データが生成される。
これにより、利用者Uは、表示手段4にて再生表示される動画像を見ながら、表示手段4に表示された動画像領域に付されたインデックス番号の番号を、入力手段5を操作して入力することや、動画像領域の形状をしたボタンを選択することや、情報を入力することができる。
【0078】
なお、動物体照合装置100は、図示を省略したCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等を備えた一般的なコンピュータで構成することができ、コンピュータを前記した各手段として機能させるプログラムにより動作させることができる。
【0079】
図7(a)〜(c)は、幾何特徴gの時間経過による変化を示したものである。
例えば、図7(a)は、各画像のシルエット動物体領域XSA1の幾何特徴gA1の連続値をフーリエ変換して得られたグラフである。振幅が最大となる点(T1a、T2a、T3a、・・・)を周期とする周波数φaがシルエット動物体領域XSA1の対象動的特徴dA1である。
同様に、図7(b)の振幅が最大となる点(T1b、T2b、T3b、T4b、・・・)を周期とする周波数φbがシルエット動物体領域XSB3の参照動的特徴dB3であり、図7(c)の振幅が最大となる点(T1c、T2c、T3c、・・・)を周期とする周波数φcがシルエット動物体領域XSB2の動的特徴dB2である。
照合手段33は、周波数φaと周波数φb、周波数φaと周波数φcの照合を行い、類似度sを算出する。類似度最大化手段34は、周波数φa(対象動的特徴dA1)と周波数φc(参照動的特徴dB2)との類似度sが最も高い(対象動的特徴dA1と最も類似する)ため、参照動的特徴dB2を取得し、この参照動的特徴dB2をもつシルエット動物体領域XSB2を、シルエット参照動画像データBSから抽出するものである。
【0080】
[動物体照合装置の照合処理]
次に、図8ないし図13を参照して動物体照合装置が、撮像装置V1により撮影された映像である対象動画像Aに写った動物体XAと同一の動物体(動物体XB)を撮像装置V2により撮影された映像である参照動画像Bから抽出する処理(動物体照合装置の照合処理)について説明する(適宜、図2ないし図6を参照)。
【0081】
(全体の処理)
まず、図8を参照して動物体照合装置が行う、処理の流れを説明する(適宜、図2を参照)。
対象動画像処理手段1は、撮像装置V1により撮影された映像である対象動画像Aを取得し(ステップS11)、対象動画像処理を実行する(ステップS12)。
参照動画像処理手段2は、撮像装置V2により撮影された映像である参照動画像Bを取得し(ステップS21)、参照動画像処理を実行する(ステップS22)。
そして、照合処理手段3は、対象動画像処理手段1からの出力値と、参照動画像処理手段2からの出力値とを取得し、照合処理を実行する(ステップS13)。
【0082】
(対象動画像処理)
図9および図10を参照して、対象動画像処理手段1が行う対象動画像処理について説明する(適宜、図2を参照)。
【0083】
動物体検出手段12は、撮像装置V1により撮影された対象動画像Aの1フレームの対象動画像データAfを取得する(ステップS101)。
動物体検出手段12は、1フレームの対象動画像データAfからすべての動物体Xを検出する(ステップS102)。
動物体検出手段12は、検出したすべての動物体XAにシルエット処理したシルエット動物体領域XSAを生成する(ステップS103)。例えば、図5(a)の動画像であれば、図6(a)の動画像のようにシルエット処理する。ここで、図5(a)の動物体XA1のシルエットは図6(a)のシルエット動物体領域XSA1に該当し、動物体XA2のシルエットはシルエット動物体領域XSA2に該当し、動物体XA2のシルエットはシルエット動物体領域XSA3に該当する。
動物体検出手段12は、各シルエット動物体領域XSAに対象インデックス番号nAを割り当てる(ステップS104)。
【0084】
動物体検出手段12は、シルエット動物体領域XSAと対象インデックス番号nAとを対応付けたシルエット対象動画像データASを生成する(ステップS105)。
そして、動物体検出手段12は、シルエット対象動画像データASを動画像データ生成手段16に出力し、動画像データ生成手段16は、シルエット対象動画像データASを表示手段4に表示させる(ステップS106)。
動物体指定手段17は、入力手段5から指定データを取得したか否かを判定する(ステップS107)。
【0085】
指定データを取得していない場合(ステップS107,No)、ステップS101の処理に戻り、次の1フレームの対象動画像データAfを取得する。
【0086】
一方、指定データを取得した場合(ステップS107,Yes)、動物体指定手段17は、指示データを解析し、利用者Uが指定したシルエット動物体領域XSAの対象インデックス番号nAを取得する(ステップS108)。そして、動物体指定手段17は、対象インデックス番号nAを幾何特徴抽出手段13に出力する。
【0087】
幾何特徴抽出手段13は、動物体指定手段17から対象インデックス番号nAを取得し、対象インデックス番号nAと対応するシルエット動物体領域XSAの幾何特徴gAを算出する(ステップS109)。
幾何特徴抽出手段13は、シルエット動物体領域XSAの対象インデックス番号nAと対応付けた幾何特徴gAを幾何特徴記憶手段14に記憶させる(ステップS110)。これにより、対象インデックス番号nAを指定することで、その幾何特徴gAを取得することができる。
【0088】
そして、過去K−1フレーム分の幾何特徴記憶処理を行う(ステップS111,図10)。この処理により、幾何特徴抽出手段13は、ステップS101で取得した1フレームから、過去K−1フレーム分の対象動画像データAfの対象インデックス番号nAに相当するシルエット動物体領域XSAの幾何特徴gAを幾何特徴記憶手段14に記憶させる。
【0089】
(Kフレーム分の幾何特徴記憶処理)
ここで、図10を参照して、対象動画像処理手段1が行う過去K−1フレーム分の幾何特徴記憶処理について説明する(適宜、図2を参照)。
【0090】
動物体検出手段12は、ステップS101(図9)で取得した対象動画像Aの1フレームの対象動画像データAfの一つ前の1フレームの対象動画像データAfを撮像装置V1から取得する(ステップS201)。
動物体検出手段12は、1フレームの対象動画像データAfからすべての動物体Xを検出する(ステップS202)。
動物体検出手段12は、検出したすべての動物体Xにシルエット処理したシルエット動物体領域XSAを生成する(ステップS203)。
動物体検出手段12は、一つ前の1フレームの対象動画像データAfのシルエット動物体領域XSAの同定判定を行い、同じシルエット動物体領域XSAに同じ対象インデックス番号nAを割り当てる(ステップS204)。
幾何特徴抽出手段13は、指定データの対象インデックス番号nAと対応するシルエット動物体領域XSAの幾何特徴gAを算出する(ステップS205)。
幾何特徴抽出手段13は、シルエット動物体領域XSAの対象インデックス番号nAと対応付けた幾何特徴gAを幾何特徴記憶手段14に記憶する(ステップS206)。
【0091】
幾何特徴抽出手段13は、過去K−1フレーム分の対象動画像データAfを取得したか否かを判定する(ステップS207)。
過去K−1フレーム分の対象動画像データAfを取得していない場合(ステップS207,No)、ステップS201の処理に戻り、動物体検出手段12は、前回取得した対象動画像データAfの一つ前(1フレーム前)の対象動画像データAfを撮像装置V1から取得する。
一方、過去K−1フレーム分の対象動画像データAfを取得している場合(ステップS207,Yes)、「過去K−1フレーム分の幾何特徴記憶処理」を終了する。
【0092】
再び、図9に戻り、対象動画像処理手段1が行う対象動画像処理について説明する。
動的特徴抽出手段15は、対象インデックス番号nAと対応するKフレーム分の幾何特徴gAを幾何特徴記憶手段14から取得する(ステップS112)。
動的特徴抽出手段15は、幾何特徴gAを定量化し、動的特徴dAを算出する(ステップS113)。対象動画像処理手段1はすべての処理を終了する。
【0093】
(参照動画像処理)
図11を参照して、参照動画像処理手段2が行う参照動画像処理について説明する(適宜、図2を参照)。
【0094】
動物体検出手段22は、撮像装置V2により撮影された参照動画像Bの1フレームの参照動画像データBfを取得する(ステップS301)。
動物体検出手段22は、1フレームの参照動画像データBfからすべての動物体Xを検出する(ステップS302)。
動物体検出手段22は、検出したすべての動物体Xにシルエット処理したシルエット動物体領域XSBを生成する(ステップS303)。
動物体検出手段22は、各シルエット動物体領域XSBに参照インデックス番号nBを割り当てる(ステップS304)。
【0095】
動物体検出手段22は、シルエット動物体領域XSBと参照インデックス番号nBとを対応付けたシルエット参照動画像データBSを生成する(ステップS305)。
幾何特徴抽出手段23は、各参照インデックス番号nBと対応するシルエット動物体領域XSBの幾何特徴gBを算出する(ステップS306)。
幾何特徴抽出手段23は、シルエット動物体領域XSの参照インデックス番号nBと対応付けた幾何特徴gBを幾何特徴記憶手段24に記憶する(ステップS307)。これにより、ステップS303にて検出されたすべての動物体XBの幾何特徴gBが幾何特徴記憶手段24に記憶される。
【0096】
動的特徴抽出手段25は、過去Kフレーム分の参照インデックス番号nBと、幾何特徴gBとを取得する(ステップS308)。
動的特徴抽出手段25は、参照インデックス番号nBを幾何特徴記憶手段24から取得する(ステップS309)。
動的特徴抽出手段25は、参照インデックス番号nBと対応するKフレーム分の幾何特徴gBを幾何特徴記憶手段24から取得する(ステップS310)。
動的特徴抽出手段25は、幾何特徴gBを定量化し、動的特徴を算出する(ステップS311)。
【0097】
動的特徴抽出手段25は、繰返回数=シルエット動物体領域XSBの動物体総数Nであるか否かを判定する。(ステップS312:判定手段)。これにより、検出されたすべての動物体Xの動的特徴が算出されたか否かが判定される。
繰返回数≠シルエット動物体領域XSBの動物体総数Nの場合(ステップS312,No)、ステップS309の処理に戻り、未取得のインデックス番号nBを取得する。
一方、繰返回数=シルエット動物体領域XSBの動物体総数Nの場合(ステップS312,Yes)、検出されたすべての動物体Xの動的特徴が算出されたため、参照動画像処理手段2はすべての処理を終了する。
【0098】
(照合処理)
図12および図13を参照して、照合処理手段3が行う照合処理について説明する(適宜、図2を参照)。
【0099】
照合手段33は、対象動画像処理手段1の動的特徴抽出手段15から利用者Uにより指定された指定動物体の[対象インデックス番号nA、対象動的特徴dA]の組み合わせを取得する(ステップS401)。
選択手段32は、参照動画像処理手段2の動的特徴抽出手段25から[参照インデックス番号nB、参照動的特徴dB]の組み合わせをすべて取得する(ステップS402)。
計数手段31は、参照動画像処理手段2の動物体検出手段22(図2)から動物体総数Nを取得する(ステップS403)。
【0100】
計数手段31は、インデックスを出力する(ステップS404)。
選択手段32は、インデックスを取得したことで、一組の[参照インデックス番号nB、参照動的特徴dB]を照合手段33に出力する(ステップS405)。
照合手段33は、対象動的特徴dAと参照動的特徴dBとを照合し類似度sを算出する(ステップS406)。
【0101】
計数手段31は、インデックス=動物体総数Nであるか否かを判定する(ステップS407)。
インデックス≠動物体総数Nである場合(ステップS407,No)、計数手段31は、インデックスをインクリメント(+1)し(ステップS408)、ステップS404の処理に戻る。
【0102】
一方、インデックス=動物体総数Nである場合(ステップS407,Yes)、計数手段31はインデックスを出力しない。そのため、選択手段32から[参照インデックス番号nB、参照動的特徴dB]が出力されない。照合手段33は、動物体総数Nの類似度sを生成する(ステップS409)。
【0103】
そして、計数手段31はインデックスをリセット(インデックス=1にする)する(ステップS410)。そして、計数手段31は、インデックスを出力し(ステップS411)、計数手段31は、インデックスをインクリメント(+1)する(ステップS412)。
【0104】
類似度最大化手段34は、インデックスを取得したことで、比較基準となる類似度sを一つ取得(比較基準類似度)する(ステップS413)。
計数手段31は、インデックスを出力する(ステップS414)。
類似度最大化手段34は、未取得の類似度sを一つ取得(比較対象類似度)する(ステップS415)。
類似度最大化手段34は、比較基準類似度と比較対象類似度とで類似度sを比較する(ステップS416)。そして、類似度最大化手段34は、類似度が大きいほうを比較基準類似度とする(ステップS417)。
【0105】
計数手段31は、インデックス=動物体総数Nであるか否かを判定する(ステップS418)。
インデックス≠動物体総数Nである場合(ステップS418,No)、計数手段31は、インデックスをインクリメント(+1)する(ステップS419)。そして、ステップS414の処理に戻る。
【0106】
一方、インデックス=動物体総数Nである場合(ステップS418,Yes)、計数手段31はインデックスを出力しない。そして、類似度最大化手段34は、最大の類似度sの参照インデックス番号nBを出力する(ステップS420)。このとき、選択手段32が現在選択している参照インデックス番号nBは、計数手段31から類似度最大化手段34に出力されるインデックスにより特定することができる。
そして、照合処理手段3はすべての処理を終了する。
【0107】
[第1の実施形態の変形例]
(変形例1)
図2に示す動物体照合装置100は、動画像データ生成手段16と、動物体指定手段17とを備え、利用者Uが、表示手段4でシルエット動画像データを見て、入力手段5を操作してシルエット動物体領域を選択することで、ひとつのシルエット動物体領域を指定しているが、動物体指定手段17が、所定の条件に合致したシルエット動物体領域を自動で指定してもよい。
この動物体指定手段17は、入力手段5などを介して入力された所定の条件を記憶する機能と、前記所定の条件に合致するシルエット動物体領域をシルエット対象動画像データASから抽出する機能を備えることで実現することができる。
【0108】
例えば、サッカーの試合において所定の条件を「自陣ゴールに近いGK以外の自軍の選手」とする。
サッカー場を広角で撮影した映像を対象動画像A(図5(c)および(d)の画像)とすることで、動物体指定手段17は、前記所定の条件に合致するシルエット動物体領域XSB4を指定することができる。これにより、図5(c)および(d)の画像に、シルエット動物体領域XSBに基づいてオフサイドラインを自動で描くことが可能になる。
また、ここで、自動追尾機能を備えた撮像装置Vを動物体照合装置100が備え、自動追尾機能付撮像装置Vにて前記所定の条件に合致する選手を中心に撮影した映像を対象動画像A(図5(a)および(b)の画像)とすることで、動物体指定手段17は、前記所定の条件に合致するシルエット動物体領域XSAを指定することができる。これにより、動物体照合装置100は、参照動画像B(図5(c)および(d)の画像)から、シルエット動物体領域XSAと同一の動物体であるシルエット動物体領域XSBを特定することができる(参照インデックス番号nBを取得)。そして、参照インデックス番号nBに基づいて、特定されたシルエット動物体領域XSBを抽出することが可能な装置を備えることで、参照動画像Bにオフサイドラインを自動で描くことができる。
【0109】
(変形例2)
図14は、魚(G1、G2)が入っている水槽1002を撮影する2台の撮像装置V(V1、V2)と接続された動物体照合装置101である。
この場合、動物体検出手段12にて、魚の個体毎に大きさや形状、動きなどが異なる“尾ひれ”をシルエットにすることで、照合手段33および類似度最大化手段34の処理により、類似度sの高い照合結果が得られやすい。そのため、本実施形態の場合、グッピーなど尾ひれが大きく、形状に特徴のある魚が望ましい。
本発明の動物体照合装置101を用いることで、水槽1002内の魚を24時間監視して、魚の動きや軌跡のデータを容易に取得することができるため、魚の生態を観察することができる。また、予め通常の魚の尾ひれの動きをパターン化した対象動的特徴dAを記憶手段(不図示)に記憶しておくことで、魚の生態を観察しながら、魚の異常行動を尾ひれの動きから容易に把握することができる。
同様に、動物園や水族館などに設置して、動物体照合装置101を用いて、ある1頭の動物の行動パターンを容易に把握することができるため、その動物の生態を観察することができる。
【0110】
(その他の変形例)
本発明の動物体照合装置について、2台の撮像装置Vが、サッカーの試合が開催されているサッカー場1001、魚が入った水槽1002が置かれた部屋に設置された場合を示したが、2台の撮像装置Vは撮影目的に応じて、例えば、野球やラグビー、バスケットボール、水泳などが開催される競技場や会場に設置されてもよいし、防犯目的としてビルに設置された監視カメラでもよい。
【0111】
本発明の動物体照合装置において、抽出対象となる動物体は、動物体の個体毎に大きさや形状、動作などがそれぞれで異なるが、一定の動作を繰り返しているものが望ましい。
【符号の説明】
【0112】
1 対象動画像処理手段
2 参照動画像処理手段
3 照合処理手段
4 表示手段
5 入力手段
12 動物体検出手段
13 幾何特徴抽出手段
14 幾何特徴記憶手段
15 動的特徴抽出手段
16 動画像データ生成手段
17 動物体指定手段
22 動物体検出手段
23 幾何特徴抽出手段
24 幾何特徴記憶手段
25 動的特徴抽出手段
31 計数手段
32 選択手段
33 照合手段
34 類似度最大化手段
100 動物体照合装置
A 対象動画像
B 参照動画像
U 利用者
V(V,V) 撮像装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動物体が写った第1の動画像と、前記第1の動画像と同じ時間に異なる視点から撮った複数の動物体が写った第2の動画像とを照合する動物体照合装置であって、
前記第1の動画像および前記第2の動画像を構成する画像から動物体を抽出する動物体検出手段と、
前記第1の動画像および前記第2の動画像を構成する画像毎に、前記動物体の形状から幾何特徴を算出する幾何特徴抽出手段と、
前記第1の動画像および前記第2の動画像を構成する連続した各画像に写った同一の動物体に対する、前記幾何特徴抽出手段で算出された前記幾何特徴の時間経過に伴う変化量から、前記動物体の動的特徴を算出する動的特徴抽出手段と、
前記動的特徴抽出手段で算出された前記第1の動画像に写った動物体の動的特徴と、前記動的特徴抽出手段で算出された前記第2の動画像に写った各動物体の動的特徴とを照合し、類似度を算出する照合手段と、
類似度の高い前記動的特徴の前記第2の動画像に写った動物体を特定する類似度最大化手段と
を備えることを特徴とする動物体照合装置。
【請求項2】
接続された入力手段を介して、前記第1の動画像に写った複数の動物体の中から、利用者により指定された動物体の情報を取得し、前記第1の動画像から指定された前記動物体を抽出する動物体指定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載された動物体照合装置。
【請求項3】
前記幾何特徴抽出手段により算出される前記幾何特徴は、前記動物体検出手段により抽出された動物体の形状の面積値であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された動物体照合装置。
【請求項4】
前記幾何特徴抽出手段により算出される前記幾何特徴は、前記動物体検出手段により抽出された動物体の形状の外周長であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された動物体照合装置。
【請求項5】
前記動的特徴抽出手段により算出される前記動的特徴は、前記第1の動画像および前記第2の動画像を構成する連続した画像に写った同一の動物体における、各画像の前記幾何特徴の連続値をフーリエ変換して得られる、最大振幅値のスペクトル成分の周波数値であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載された動物体照合装置。
【請求項6】
複数の動物体が写った第1の動画像と、前記第1の動画像と同じ時間に異なる視点から撮った複数の動物体が写った第2の動画像とを照合し、前記第1の動画像に写った動物体と同じ動物体を、前記第2の動画像に写った動物体から特定するために、動物体照合装置のコンピュータを、
前記第1の動画像および前記第2の動画像を構成する画像から動物体を抽出する動物体検出手段、
前記第1の動画像および前記第2の動画像を構成する画像毎に、前記動物体の形状から幾何特徴を算出する幾何特徴抽出手段、
前記第1の動画像および前記第2の動画像を構成する連続した各画像に写った同一の動物体に対する、前記幾何特徴抽出手段で算出された前記幾何特徴の時間経過に伴う変化量から前記動物体の動的特徴を算出する動的特徴抽出手段、
前記動的特徴抽出手段で算出された前記第1の動画像に写った動物体の動的特徴と、前記動的特徴抽出手段で算出された前記第2の動画像に写った各動物体の動的特徴とを照合し、類似度を算出する照合手段、
類似度の高い前記動的特徴の前記第2の動画像に写った動物体を特定する類似度最大化手段
として機能させることを特徴とする動物体照合プログラム。
【請求項7】
利用者により操作されて情報が入力される入力手段と接続され、
複数の動物体が写った第1の動画像を処理する対象動画像処理手段と、
前記第1の動画像と同じ時間に異なる視点から撮った複数の動物体が写った第2の動画像を処理する参照動画像処理手段と、
前記対象動画像処理手段の処理結果と、前記参照動画像処理手段の処理結果とを比較する照合処理手段と
を備える動物体照合装置であって、
前記対象動画像処理手段は、
前記第1の動画像を取得し、前記第1の動画像を構成する画像から動物体を抽出する第1の動物体検出手段と、
前記入力手段を介して、前記第1の動画像に写った複数の動物体の中から、利用者により指定された動物体の情報を取得し、前記第1の動画像から指定された前記動物体を抽出する第1の動物体指定手段と、
前記第1の動画像を構成する画像毎に、前記動物体指定手段が抽出した動物体の形状から幾何特徴を算出する第1の幾何特徴抽出手段と、
前記第1の動画像を構成する連続した各画像に写った同一の動物体に対する、前記第1の幾何特徴抽出手段で算出された前記幾何特徴の時間経過に伴う変化量から、前記指定動物体の動的特徴を算出する第1の動的特徴抽出手段と
を備え、
前記参照動画像処理手段は、
前記第2の動画像を取得し、前記第2の動画像を構成する画像から動物体を抽出する第2の動物体検出手段と、
前記第2の動画像を構成する画像毎に、前記動物体の形状から幾何特徴を算出する第2の幾何特徴抽出手段と、
前記第2の動画像を構成する連続した各画像に写った同一の動物体に対する、前記幾何特徴抽出手段で算出された前記幾何特徴の時間経過に伴う変化量から、前記動物体の動的特徴を算出する第2の動的特徴抽出手段と
を備え、
前記照合処理手段は、
前記第1の動的特徴抽出手段で算出された前記第1の動画像に写り、前記利用者により指定された動物体の動的特徴と、前記第2の動的特徴抽出手段で算出された前記第2の動画像に写った各動物体の動的特徴とを照合し、類似度を算出する照合手段と、
類似度の高い前記動的特徴の前記第2の動画像に写った動物体を特定する類似度最大化手段と
を備えることを特徴とする動物体照合装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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