動画ディスプレー制御方法及び装置
【課題】動画を視聴する場合に発生する副作用、特に3D立体動画を視聴する場合に発生する頭痛、吐き気または目眩などの副作用を緩和しながら立体感を感じるようにする。
【解決手段】方法は、動画及び前記動画と時間的に同期化されており、視聴者が前記動画を視聴しながら感じられる疲労感を制御するための動画の可変フィルタリング情報及びフィルターマスクイメージコードを含むデータソースが提供される段階と、前記可変フィルタリング情報及びフィルターマスクイメージによってフィルタリングが設定された区間に対して前記動画をフィルタリングする段階と、前記フィルタリングされた動画を出力する段階と、を含む。
【解決手段】方法は、動画及び前記動画と時間的に同期化されており、視聴者が前記動画を視聴しながら感じられる疲労感を制御するための動画の可変フィルタリング情報及びフィルターマスクイメージコードを含むデータソースが提供される段階と、前記可変フィルタリング情報及びフィルターマスクイメージによってフィルタリングが設定された区間に対して前記動画をフィルタリングする段階と、前記フィルタリングされた動画を出力する段階と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動画、特に3D動画を視聴する時視聴者が感じられる疲労感及び体に対する副作用を緩和する動画ディスプレー制御方法及び装置に関し、さらに詳しくは、3D動画に時間的に同期化された可変フィルターを利用して視聴者が感じる疲労感を緩和することができる動画ディスプレー制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、映画及び放送分野において、3D立体映画に対する関心が爆発的に増加している。人に立体を感じさせる要因は多いが、両眼の時差が立体感を感じらせる最も重要な要因である。このように、両眼の視差を通じて使用者が映像に対する立体感を感じることができるように開発された技術が両眼式(stereoscopic)立体技術と多眼式(multi−view)立体技術である。
【0003】
現在、3D立体動画に主に使用される技術は両眼式立体技術であり、両眼式立体技術は、使用者が特殊メガネを着用する否かによってメガネ方式と無メガネ方式に分けられる。メガネ方式は偏光メガネ(polarized glasses)を利用する方式とシャッターメガネ(shuttered glasses)を利用する方式などがある。無メガネ方式は目の細かい垂直方向の皺があるフィルムを利用するレンチキュラー(lenticular)方式と垂直方向の遮断ラインを利用するパララックスバリア(Parallax Barrier)方式などがある。
人が立体感を感じる過程は図1を参照して以下のように説明する。
【0004】
二つの目を有する全ての生物は目が鼻の両側に位置するため、それぞれの目で認知する像は少しずつ異なるが(網膜像格差:Retinal Image Disparity)、これが一つに見られるのは両目の網膜に到逹した互いに異なる視覚刺激(網膜対応点:Retinal Corresponding Points)を一つに認識するように脳で処理するからである。物体Oがある時、Oのイメージはそれぞれ目の網膜対応点(Retinal Corresponding Points)である黄斑Fに結像される。しかし、それぞれの目に認識されたFを我々は仮想の時間軸 F″に認識する。これを共通視方向(Common Visual Direction)と言い、我々が感じる一般的な時間軸である。AはOより遠く離れているが、同じ共通視方向(Common Visual Direction F)に位置する。Oを眺めている時、AはFより鼻側であるaに網膜対応点に結像されるが、我々はaがOより後ろにあると認識する。反対に、BはOより近くにあることからFより耳側であるbに網膜対応点に結像され、我々はbがOより前方にあると認識する。このように物体が両目の網膜対応点(Corresponding Retinal Points)に同時に結像される場合、我々は物体を一つに認識して単一視(Single Vision)のように認知して、共同の時間軸を有することになる。
【0005】
このように深みの分かる能力で、物を3次元的に認知する現象を立体視(Stereopsis)と言う。立体視のためには左目で見たイメージと右目で見たイメージがあり、これを頭の中で一つに認識する過程が必要である。両目からの網膜のイメージを一つのイメージに作るこのような神経学的過程を感覚性融合(Sensory Fusion)と言う。しかし、融合するためには左目で見たイメージと右目で見たイメージがある程度類似しなければならなく、全く異なる像が両目に結像されると、二つに見えたり(複視:Diplopia)、重なって見えたり(重畳:Superimposition)、二つの像が交互に見えたり(網膜競争:Retinal Rivalry)、または一つの像のみ見え(抑制:Suppression)、これは脳の視覚的疲労感を誘発する。
【0006】
また、従来の2D(平面)動画が3D空間上の立体動画に変換される立体視の過程を経る時、人の脳が処理すべき情報量は、単純に左映像、右映像を合せた数値を遥かに超えて、少なくとも4倍から多い場合には7倍以上に増幅されるという研究結果がある。これは、映像の画質もかなり良く感じられることを意味する。このような夥しい量の動画情報が急激な画面変換に繋がると、立体映画を観覧する観客は感覚融合の過負荷によって視覚的疲労感が蓄積されて、眩暈、吐き気とともに頭痛が発生される虞がある。
【0007】
特に、製作間違えた3D立体動画を視聴したり、動きが多く、複雑な場面に対する3D立体動画を視聴する場合に、視聴者は頭痛、吐き気または眩暈が感じられ、視聴した場面に対する立体感を感じることができなくなる。
【0008】
一方、3D立体映像を視聴する時に発生する後遺症の程度は人によって偏差が非常に大きい。例えば、複雑な映像に慣れた人の場合には後遺症がないかまたは少ないが、そうではない人の場合には後遺症が大きいきらいがある。
【0009】
このような後遺症は、3D立体動画を視聴する時のみ発生するのではなく、伝統的な2D動画を視聴する時にも発生することがある。例えば、ハンドヘルド(hand−held)技法で撮影された動画を視聴する場合に使用者は吐き気や頭痛を感じることがある。
【0010】
既に製作された3Dコンテンツに対して登場人物の移動速度や撮影するカメラの動きを変更させることはできないが、人が主観的に感じられる映像の複雑度は制御可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は動画を視聴する場合に発生する副作用、特に3D立体動画を視聴する場合に発生する頭痛、吐き気または眩暈などの副作用を緩和しながら、立体感を感じるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を解決するために、本発明は人が主観的に疲労感を感じることのできない程度の映像の複雑度を制御可能で、映像の複雑度の制御を装置の使用者が選択することができるようにする動画ディスプレー方法及びこのためのディスプレー装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によって動きが多かったり、複雑な場面の動画を視聴する時、視聴者に発生する虞のある頭痛、吐き気、眩暈など体に対する副作用を減らすことができ、視聴者が所望の場合には変換された動画ではない元々の動画を選択的に視聴することができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】人が立体映像を認識する過程を説明した概念図である。
【図2】本発明の一実施形態による装置の構成を示す図面である。
【図3】段階別にフィルタリングされた可変解像度のグラフである。
【図4】解像度を低減する場合におけるフレームを示す図面である。
【図5a】可変領域別解像度調節方式を示す図面である。
【図5b】可変領域別解像度調節方式を示す図面である。
【図5c】可変領域別解像度調節方式を示す図面である。
【図6】オーサリング・ツールで可変領域別解像度を調整することを示す図面である。
【図7】本発明の装置と連動して作動する遠隔制御器(リモートコントローラー)を示す図面である。
【図8】本発明による方法を説明するフローチャートである。
【図9】本発明による方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。
図2は本発明の一実施形態によるディスプレー装置の構成を示す。
【0016】
データソース提供部10は、動画、フィルターマスクイメージ、オーディオ及びその他のデータを提供する。例えば、地上波デジタル放送の場合に、データソース提供部10は、アンテナ、チューナーなど含むRF受信部と、RF受信部で出力するデジタルデータから動画、オーディオ及びその他のデータを分離して提供する逆マルチプレクサとを含む。衛星デジタル放送の場合に、データソース提供部10は、衛星放送を受信するためのフロントエンドと、フロントエンドで出力するデジタルデータから動画、オーディオ及びその他のデータを分離して提供する逆マルチプレクサとを含む。前記フィルターマスクイメージは、後述する可変フィルターでビデオデコーダーから出力される動画と合せるためには無損失圧縮方式(例えば、LZW方式、ハフマンコード方式、ZIP方式)で圧縮されていなければならない。ブルーレイディスクのように動画を保存した媒体を利用する場合に、データソース提供部10は、ディスクに記録された情報を読み取り、デジタルデータを読み出すディスクリーダーと、デジタルデータから動画、オーディオ及びその他のデータを分離して提供する逆マルチプレクサとを含む。前記データソースが予め記録された保存媒体は、現在としてはDVD、ブルーレイ、ハードディスク、SSDの中の何れか一つであってもよいが、今後開発される保存媒体を使用することができる。
【0017】
また、データソース提供部10は、何れか一つの方式のデータを受信するように設計されることができ、各種方式のデータを受信するように設計されることもできる。
【0018】
ビデオデコーダー30は、エンコード状態にある動画をデコーディングして再構成する。例えば、H.264方式でエンコードされた状態の動画に対してビデオデコーダー30はH.264デコーディング方式でデコーディングして元々の動画を再構成する。
【0019】
フィルターマスクイメージデコーダー31は、データソースの無損失圧縮されたフィルターマスクイメージをデコーディングしてフィルターマスクイメージを可変フィルターに供給する。
【0020】
オーディオデコーダー40は、エンコード状態にあるオーディオ信号をデコーディングして再構成する。例えば、AC−3方式でエンコードされたオーディオ信号の場合に、オーディオデコーダー40は、Ac−3デコーディング方式でデコーディングして元々のオーディオ信号を再構成する。
【0021】
データデコーダー20は、オーディオ及び動画データ以外の字幕データ、EPGデータのようなその他のデータをデコーディングする。データデコーダー20は、その他のデータに含まれている可変フィルタリング情報を抽出してこれを可変フィルター50に提供する。
【0022】
可変フィルタリング情報は、動画と時間的に同期化された情報で、動画と共通のタイムコード情報を有している。タイムコード情報はSMPTE(society of motion picture and television engineers)で規定した規格であってもよい。可変フィルタリング情報は、動画に対するポストプロダクションの過程で動画の製作者が著作した(authoring)情報であってもよく、または動画の製作者ではない第3者が動画の視聴疲労度を制御するために別途に著作した情報であってもよい。前者の場合に、動画と可変フィルタリング情報は動画が取り込まれている媒体(例えば、ブルーレイディスク)に一緒に保存されているが、後者の場合には、可変フィルタリング情報は動画が取り込まれている媒体に保存されていないで、装置の使用者はインターネットでダウンロードするなど別途の経路で可変フィルタリング情報を得ることができる。
【0023】
可変フィルター50は、データデコーダー20からの可変フィルタリング情報とフィルターマスクイメージデコーダーに提供されるフィルターマスクイメージによってビデオデコーダー30でデコーディングされた動画を可変領域別に解像度を調節する方式でフィルタリングする。
【0024】
画面が大型化されることによって視野角はそれだけ大きくなる。従って、目の焦点は休まずに画面のオブジェクト(object)を観察するために動くため目の疲れが早く誘発される。
【0025】
これを解決するために本発明は目の焦点の動きを最小化するために、画面全体の解像度を低減しないで、画面の解像度を部分的に調整する方式である。即ち、3D立体映像の具現に中心を置くべき画面のオブジェクトのみを3Dで処理し、必要ではない領域は2D水準に具現することによって、目の焦点が常に3Dオブジェクトに合わせられるように人為的に調節する方式である。この方式を利用すると、急変する画面で3D立体映像の效果を極大化しながらも視聴者の目の疲労度を最小化することができる。
図3は段階別にフィルタリングされた動画の可変解像度のグラフを示す。
【0026】
2D動画を基準にする時、最も高い段階の段階を有する3D動画まで動画を人が認識する程度の差を示すもので、解像度が最も高い段階の3D動画を視聴すると、人の疲労度が高いことを示すグラフである。
図4は本発明によってフレーム解像度を低減する方式のフィルタリング方法を示す。
図5a、5b、5cは、映像の一部を選択して領域別に可変して解像度を調節するフィルタリング方式を示す。
【0027】
ディスプレー技術の発展に伴って、画面のピクセル数も急激に増加されており、表現しようとする色の数も増加される。しかし、画面のピクセルサイズに準する大規模映像と早い動画を脳が処理することができなくなる。結局、このような症状は吐き気として現れる。吐き気を最小化するためには、脳が処理する情報量を減らせば良い。ここには、多様な方法があるが、画面解像度は固定されているので、解像度を低減させるような效果を具現すれば良い。即ち、高解像度イメージを画質が低下しない水準まで解像度を低減させる方法を利用すればよいが、一般の遠距離静止画面では高解像度が必要であるが、急激な動的画面の場合では、視覚的に流入される情報量を減らせばよい。解像度を可変するという意味は、実際に解像度を低減するのではなく、視覚的情報量を最小化するためのぼやけ処理、フレーム数の減少、カラー数の減少などを言う。勿論、立体映像であるので、画質は2D映像に比べてさらに良く感じることができるという長所がある。図5bのフィルターマスクイメージは、図5aの元々の解像度の動画に領域別に解像度を変換させるために、コードとして無損失圧縮方式で圧縮され、フィルターマスクイメージデコーダー31で圧縮を解凍した後、可変フィルターに提供する。フィルターマスクイメージデコーダー31で提供されたフィルターマスクイメージとデータデコーダー20で提供された可変フィルタリング情報によって可変フィルター50で可変領域別に解像度が変換されて、図5cのように部分別に解像度が異なる。
【0028】
前記フィルタリングするフレーム区間の選択は、予め使用者が全動画の中で映像流れの脈を続けて行きながら敏感な部分を選択して、必要によって選択することができる。動画の一部のフレームを前記方式のようにフィルタリングすることによって視聴者の継く3D立体動画の認識過程で発生する視覚的疲労感を緩和させることができる。
【0029】
図6は図5a、5b、5cの可変領域別解像度調節をオーサリング・ツールで作業する過程を示す。可変領域と可変解像度を表現するためには3D製作過程で対応するパラメーターと対応するデータをノンリニア(non−linea)形態で挿入したり、オーサリング過程で挿入することができる。映像を最終編集する編集者またはオーサリングエンジニアが任意のデータ値を入力して完成することができる。
対応するパラメーターとそのデータはオーサリング・ツールまたは編集ツールでプラグイン形態または別途のパラメータートラックで提供されることができる。
【0030】
基本的に製作された3D映像にレベル(例えば、10レベル)に応じて適用すべき可変領域と可変解像度の量を指定する。このように挿入されたデータは1時間映像を基準で何百KB程度の非常に少ないデータ量であるので、実質的な映像の駆動に如何なる負荷も発生しなく、DVDやブルーレイオーサリング過程では空いている字幕トラックに対応する情報を追加させることもできるので、大部分のフォーマットと互換される。
【0031】
オーサリング過程で記録された可変領域と可変解像度パラメーターとデータは、3D立体映像ディスプレー装置で再びデコーディングされて画面に適用される。デコーディングするための別途の装置がTVに搭載されていてもよく、セットトップボックス、レシーバー、チューナーなどに搭載されることもできる。連結されるデジタルケーブルのAuxトラックを使用すれば良いので、追加装置は必要ない。
【0032】
このように可変フィルタリング情報によってフィルタリングされた動画を視聴する場合に、視聴者が感じる疲労感は減少されることができる。しかし、視聴者がフィルタリングされていない元々の動画を視聴することを望む場合がある。元々の動画を視聴したい場合には、使用者インターフェース80を通じて可変フィルターの使用の否かを決めることができる。
【0033】
使用者インターフェース80から可変フィルターの使用命令が入力される場合、可変フィルター50は動画に対するフィルタリング動作を行うが、不使用命令が入力される場合、動画に対するフィルタリング動作を行わない。
【0034】
一方、装置の使用者は、可変フィルターによってフィルタリングされる強さを調整することもできる。この時、可変フィルターの使用命令にはフィルタリングの強さを調整するための命令が含まれていてもよい。可変フィルターの強さ調整命令に従って、可変フィルター50は可変フィルタリング情報から得るフィルタリングの強さを減少させたり、強化する。
【0035】
可変フィルタリング情報は、データデコーダー20で提供され、この情報に応じてビデオデコーダー30で出力された映像はフィルターマスクイメージデコーダー31で提供されたフィルターマスクイメージとともに可変フィルター50でフィルタリングされて、動画出力部60に出力される。その他にオーディオ出力部70はオーディオを出力する。
【0036】
このように可変フィルタリング情報によってフィルタリングされた動画を視聴する場合に、視聴者が感じる疲労感は減少されることができる。前述した実施形態と同様に、視聴者がフィルタリングされていない元々の動画を視聴することを望む場合がある。元々の動画を視聴したい場合には、使用者インターフェース80を通じて可変フィルターの使用の否かを決めることができる。
【0037】
使用者インターフェース80から可変フィルターの使用命令が入力される場合、可変フィルター50は動画に対するフィルタリング動作を行うが、不使用命令が入力される場合、動画に対するフィルタリング動作を行わない。
【0038】
図7は装置の使用者が遠隔制御器(所謂リモートコントローラー)を利用して予めオーサリングされた映像の複雑度制御の程度を再調整することができることを示す。例えば、リモートコントローラーの可変解像度オン/オフスィッチをオンにすると、段階別にフィルタリング作動が行われるとともに、領域別または画面全体の解像度が調節される。ジョグシャトルのようなスィッチを使って可変解像度を段階別に調整することができ、「+」スイッチを使って解像度を最高に高めた時はディスプレー装置の最高の解像度で3D立体映像を見ることができ、「−」スィッチを使って解像度を最低に低めた時は最低の解像度で2D映像を見ることができる。その間の段階ではオーサリングされたディスプレー画面の可変領域(または画面全体)の複雑度に合わせられた可変解像度でフィルタリングされた立体映像が見える。リモートコントローラーと、これに連動されて作動するTVなどのディスプレー装置にも可変解像度オン/オフスィッチ、レベルアップ/ダウンスィッチ等があってもよい。
【0039】
このような遠隔制御器(リモートコントローラー)に連動して作動することができるようにする遠赤外線受信部等のディスプレー装置内の構成は公知の技術であるので説明を省略する。
【0040】
一方、図2で可変フィルタリング情報は、データデコーダー20出力されることで説明したが、これは例示的なものであり、ビデオデコーダー30で出力された動画から可変フィルタリング情報を得ることも可能である。例えば動画の各フレームにウォーターマーク技法で可変フィルタリング情報が含まれた場合に、これを抽出して可変フィルターに提供することができる。
図8は本発明の一実施形態によるディスプレー過程を示すフローチャートである。
【0041】
ディスプレー装置は、動画、フィルターマスクイメージ及び可変フィルタリング情報を含むデータソースが入力されるS10。動画、フィルターマスクイメージ及び可変フィルタリング情報は、放送媒体を通じて入力されることができ、保存媒体を通じて入力されることもでき、有線または無線インターネットのような通信媒体を通じて入力されることもできる。また、動画は保存媒体を通じて入力され、可変フィルタリング情報は通信媒体を通じて入力されることもできる。入力された動画は損失方式またはは無損失方式で圧縮された動画であってもよく、圧縮されていない映像であってもよい。
【0042】
動画、フィルターマスクイメージ及び可変フィルタリング情報を含むデータソースが入力された後に、ディスプレー装置はフィルターが設定された区間の動画をフィルタリングするS20。フィルタリング区間の動画の一部または区間全体であってもよい。また、動画は複数のフィルタリング区間に分けられることができ、各区間ごとにフィルタリングの種類が異なってもよい。フィルタリングの種類はフィルタリング方式によって分けられてもよく、フィルタリングの強さによって分けられてもよい。フィルタリングの強さは所定のフィルタリング方式に対するフィルタリングの程度を決める。例えば、解像度を90%の水準に低減するか、80%の水準に低減するかはフィルタリングの強さによって決められる。
ティスプレー装置はフィルタリングされた動画を出力するS30。
【0043】
このように可変フィルタリング情報によって無条件的にフィルタリングする方式は劇場のように多くの人が視聴するディスプレー装置に適用されることができ、家庭用テレビにも適用されることができる。
図9は本発明の他の実施形態によるディスプレー過程を示すフローチャートである。
【0044】
ディスプレー装置は、動画、フィルターマスクイメージ及び可変フィルタリング情報が含まれたデータソースが入力されるS10。ディスプレー装置は、動画をディスプレーする途中に使用者インターフェースから可変フィルターに対する使用者命令が入力されるか否かを確認しS120、現在の状態が可変フィルターを使う状態である否かをチェックするS130。
【0045】
使用者命令が可変フィルターの使用である場合に、ディスプレー装置は、フィルタリングが設定された区間の動画をフィルタリングしS140、フィルタリングされた動画を出力するS150。可変フィルターの使用命令は、フィルタリングの強さを再調整するための命令が含まれてもよい。
使用者命令が可変フィルターの不使用である場合に、ディスプレー装置はフィルタリングなしに動画を出力するS160。
【0046】
可変フィルタリング情報によって動画が第1区間、第2区間、第3区間に分けられる動画があり、第1区間は解像度を100%出力し、第2区間は解像度を90%出力し、第3区間は解像度を100%出力すると設定した時、使用者命令が可変フィルターの不使用である場合に、第1区間〜第3区間は何れも解像度を100%出力する。使用者命令が可変フィルターの使用である場合に、第1区間は解像度を100%出力し、第2区間は解像度を90%出力し、第3区間は解像度を100%出力する。
【0047】
また、使用者命令がフィルターの強さを0.5倍に再調整する場合に、第1区間は解像度を100%出力し、第2区間は解像度を95%出力し、第3区間は解像度を100%出力する。使用者命令がフィルターの強さを2倍に再調整する場合に、第1区間は解像度を100%出力し、第2区間は解像度を80%に出力し、第3区間は解像度を100%出力する。
【0048】
前記実施形態による説明は、本発明の概念の理解に役に立つように例示したものに過ぎず、本発明の権利範囲は後述する特許請求の範囲によって解釈すべきである。
【符号の説明】
【0049】
10:データソース提供部20:データデコーダー
30:ビデオデコーダー
31:フィルターマスクイメージデコーダー
40:オーディオデコーダー
50:可変フィルター
60:動画出力部
70:オーディオ出力部
80:使用者インターフェース
S10:動画、フィルターマスクイメージ及び可変フィルタリング情報を含むデータソースが入力される。
S20:フィルタリングが設定された空間の動画をフィルタリングする。
S30:フィルタリングされた動画を出力する。
S110:動画、フィルターマスクイメージ及び可変フィルタリング情報を含むデータソースが入力される。
S120:可変フィルタリングに対する使用者命令を確認
S130:可変フィルター使用?→NO→S160動画を出力する
S140:フィルターが設定された空間の動画をフィルタリングする。
S150:フィルタリングされた動画を出力する。
【技術分野】
【0001】
本発明は動画、特に3D動画を視聴する時視聴者が感じられる疲労感及び体に対する副作用を緩和する動画ディスプレー制御方法及び装置に関し、さらに詳しくは、3D動画に時間的に同期化された可変フィルターを利用して視聴者が感じる疲労感を緩和することができる動画ディスプレー制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、映画及び放送分野において、3D立体映画に対する関心が爆発的に増加している。人に立体を感じさせる要因は多いが、両眼の時差が立体感を感じらせる最も重要な要因である。このように、両眼の視差を通じて使用者が映像に対する立体感を感じることができるように開発された技術が両眼式(stereoscopic)立体技術と多眼式(multi−view)立体技術である。
【0003】
現在、3D立体動画に主に使用される技術は両眼式立体技術であり、両眼式立体技術は、使用者が特殊メガネを着用する否かによってメガネ方式と無メガネ方式に分けられる。メガネ方式は偏光メガネ(polarized glasses)を利用する方式とシャッターメガネ(shuttered glasses)を利用する方式などがある。無メガネ方式は目の細かい垂直方向の皺があるフィルムを利用するレンチキュラー(lenticular)方式と垂直方向の遮断ラインを利用するパララックスバリア(Parallax Barrier)方式などがある。
人が立体感を感じる過程は図1を参照して以下のように説明する。
【0004】
二つの目を有する全ての生物は目が鼻の両側に位置するため、それぞれの目で認知する像は少しずつ異なるが(網膜像格差:Retinal Image Disparity)、これが一つに見られるのは両目の網膜に到逹した互いに異なる視覚刺激(網膜対応点:Retinal Corresponding Points)を一つに認識するように脳で処理するからである。物体Oがある時、Oのイメージはそれぞれ目の網膜対応点(Retinal Corresponding Points)である黄斑Fに結像される。しかし、それぞれの目に認識されたFを我々は仮想の時間軸 F″に認識する。これを共通視方向(Common Visual Direction)と言い、我々が感じる一般的な時間軸である。AはOより遠く離れているが、同じ共通視方向(Common Visual Direction F)に位置する。Oを眺めている時、AはFより鼻側であるaに網膜対応点に結像されるが、我々はaがOより後ろにあると認識する。反対に、BはOより近くにあることからFより耳側であるbに網膜対応点に結像され、我々はbがOより前方にあると認識する。このように物体が両目の網膜対応点(Corresponding Retinal Points)に同時に結像される場合、我々は物体を一つに認識して単一視(Single Vision)のように認知して、共同の時間軸を有することになる。
【0005】
このように深みの分かる能力で、物を3次元的に認知する現象を立体視(Stereopsis)と言う。立体視のためには左目で見たイメージと右目で見たイメージがあり、これを頭の中で一つに認識する過程が必要である。両目からの網膜のイメージを一つのイメージに作るこのような神経学的過程を感覚性融合(Sensory Fusion)と言う。しかし、融合するためには左目で見たイメージと右目で見たイメージがある程度類似しなければならなく、全く異なる像が両目に結像されると、二つに見えたり(複視:Diplopia)、重なって見えたり(重畳:Superimposition)、二つの像が交互に見えたり(網膜競争:Retinal Rivalry)、または一つの像のみ見え(抑制:Suppression)、これは脳の視覚的疲労感を誘発する。
【0006】
また、従来の2D(平面)動画が3D空間上の立体動画に変換される立体視の過程を経る時、人の脳が処理すべき情報量は、単純に左映像、右映像を合せた数値を遥かに超えて、少なくとも4倍から多い場合には7倍以上に増幅されるという研究結果がある。これは、映像の画質もかなり良く感じられることを意味する。このような夥しい量の動画情報が急激な画面変換に繋がると、立体映画を観覧する観客は感覚融合の過負荷によって視覚的疲労感が蓄積されて、眩暈、吐き気とともに頭痛が発生される虞がある。
【0007】
特に、製作間違えた3D立体動画を視聴したり、動きが多く、複雑な場面に対する3D立体動画を視聴する場合に、視聴者は頭痛、吐き気または眩暈が感じられ、視聴した場面に対する立体感を感じることができなくなる。
【0008】
一方、3D立体映像を視聴する時に発生する後遺症の程度は人によって偏差が非常に大きい。例えば、複雑な映像に慣れた人の場合には後遺症がないかまたは少ないが、そうではない人の場合には後遺症が大きいきらいがある。
【0009】
このような後遺症は、3D立体動画を視聴する時のみ発生するのではなく、伝統的な2D動画を視聴する時にも発生することがある。例えば、ハンドヘルド(hand−held)技法で撮影された動画を視聴する場合に使用者は吐き気や頭痛を感じることがある。
【0010】
既に製作された3Dコンテンツに対して登場人物の移動速度や撮影するカメラの動きを変更させることはできないが、人が主観的に感じられる映像の複雑度は制御可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は動画を視聴する場合に発生する副作用、特に3D立体動画を視聴する場合に発生する頭痛、吐き気または眩暈などの副作用を緩和しながら、立体感を感じるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を解決するために、本発明は人が主観的に疲労感を感じることのできない程度の映像の複雑度を制御可能で、映像の複雑度の制御を装置の使用者が選択することができるようにする動画ディスプレー方法及びこのためのディスプレー装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によって動きが多かったり、複雑な場面の動画を視聴する時、視聴者に発生する虞のある頭痛、吐き気、眩暈など体に対する副作用を減らすことができ、視聴者が所望の場合には変換された動画ではない元々の動画を選択的に視聴することができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】人が立体映像を認識する過程を説明した概念図である。
【図2】本発明の一実施形態による装置の構成を示す図面である。
【図3】段階別にフィルタリングされた可変解像度のグラフである。
【図4】解像度を低減する場合におけるフレームを示す図面である。
【図5a】可変領域別解像度調節方式を示す図面である。
【図5b】可変領域別解像度調節方式を示す図面である。
【図5c】可変領域別解像度調節方式を示す図面である。
【図6】オーサリング・ツールで可変領域別解像度を調整することを示す図面である。
【図7】本発明の装置と連動して作動する遠隔制御器(リモートコントローラー)を示す図面である。
【図8】本発明による方法を説明するフローチャートである。
【図9】本発明による方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。
図2は本発明の一実施形態によるディスプレー装置の構成を示す。
【0016】
データソース提供部10は、動画、フィルターマスクイメージ、オーディオ及びその他のデータを提供する。例えば、地上波デジタル放送の場合に、データソース提供部10は、アンテナ、チューナーなど含むRF受信部と、RF受信部で出力するデジタルデータから動画、オーディオ及びその他のデータを分離して提供する逆マルチプレクサとを含む。衛星デジタル放送の場合に、データソース提供部10は、衛星放送を受信するためのフロントエンドと、フロントエンドで出力するデジタルデータから動画、オーディオ及びその他のデータを分離して提供する逆マルチプレクサとを含む。前記フィルターマスクイメージは、後述する可変フィルターでビデオデコーダーから出力される動画と合せるためには無損失圧縮方式(例えば、LZW方式、ハフマンコード方式、ZIP方式)で圧縮されていなければならない。ブルーレイディスクのように動画を保存した媒体を利用する場合に、データソース提供部10は、ディスクに記録された情報を読み取り、デジタルデータを読み出すディスクリーダーと、デジタルデータから動画、オーディオ及びその他のデータを分離して提供する逆マルチプレクサとを含む。前記データソースが予め記録された保存媒体は、現在としてはDVD、ブルーレイ、ハードディスク、SSDの中の何れか一つであってもよいが、今後開発される保存媒体を使用することができる。
【0017】
また、データソース提供部10は、何れか一つの方式のデータを受信するように設計されることができ、各種方式のデータを受信するように設計されることもできる。
【0018】
ビデオデコーダー30は、エンコード状態にある動画をデコーディングして再構成する。例えば、H.264方式でエンコードされた状態の動画に対してビデオデコーダー30はH.264デコーディング方式でデコーディングして元々の動画を再構成する。
【0019】
フィルターマスクイメージデコーダー31は、データソースの無損失圧縮されたフィルターマスクイメージをデコーディングしてフィルターマスクイメージを可変フィルターに供給する。
【0020】
オーディオデコーダー40は、エンコード状態にあるオーディオ信号をデコーディングして再構成する。例えば、AC−3方式でエンコードされたオーディオ信号の場合に、オーディオデコーダー40は、Ac−3デコーディング方式でデコーディングして元々のオーディオ信号を再構成する。
【0021】
データデコーダー20は、オーディオ及び動画データ以外の字幕データ、EPGデータのようなその他のデータをデコーディングする。データデコーダー20は、その他のデータに含まれている可変フィルタリング情報を抽出してこれを可変フィルター50に提供する。
【0022】
可変フィルタリング情報は、動画と時間的に同期化された情報で、動画と共通のタイムコード情報を有している。タイムコード情報はSMPTE(society of motion picture and television engineers)で規定した規格であってもよい。可変フィルタリング情報は、動画に対するポストプロダクションの過程で動画の製作者が著作した(authoring)情報であってもよく、または動画の製作者ではない第3者が動画の視聴疲労度を制御するために別途に著作した情報であってもよい。前者の場合に、動画と可変フィルタリング情報は動画が取り込まれている媒体(例えば、ブルーレイディスク)に一緒に保存されているが、後者の場合には、可変フィルタリング情報は動画が取り込まれている媒体に保存されていないで、装置の使用者はインターネットでダウンロードするなど別途の経路で可変フィルタリング情報を得ることができる。
【0023】
可変フィルター50は、データデコーダー20からの可変フィルタリング情報とフィルターマスクイメージデコーダーに提供されるフィルターマスクイメージによってビデオデコーダー30でデコーディングされた動画を可変領域別に解像度を調節する方式でフィルタリングする。
【0024】
画面が大型化されることによって視野角はそれだけ大きくなる。従って、目の焦点は休まずに画面のオブジェクト(object)を観察するために動くため目の疲れが早く誘発される。
【0025】
これを解決するために本発明は目の焦点の動きを最小化するために、画面全体の解像度を低減しないで、画面の解像度を部分的に調整する方式である。即ち、3D立体映像の具現に中心を置くべき画面のオブジェクトのみを3Dで処理し、必要ではない領域は2D水準に具現することによって、目の焦点が常に3Dオブジェクトに合わせられるように人為的に調節する方式である。この方式を利用すると、急変する画面で3D立体映像の效果を極大化しながらも視聴者の目の疲労度を最小化することができる。
図3は段階別にフィルタリングされた動画の可変解像度のグラフを示す。
【0026】
2D動画を基準にする時、最も高い段階の段階を有する3D動画まで動画を人が認識する程度の差を示すもので、解像度が最も高い段階の3D動画を視聴すると、人の疲労度が高いことを示すグラフである。
図4は本発明によってフレーム解像度を低減する方式のフィルタリング方法を示す。
図5a、5b、5cは、映像の一部を選択して領域別に可変して解像度を調節するフィルタリング方式を示す。
【0027】
ディスプレー技術の発展に伴って、画面のピクセル数も急激に増加されており、表現しようとする色の数も増加される。しかし、画面のピクセルサイズに準する大規模映像と早い動画を脳が処理することができなくなる。結局、このような症状は吐き気として現れる。吐き気を最小化するためには、脳が処理する情報量を減らせば良い。ここには、多様な方法があるが、画面解像度は固定されているので、解像度を低減させるような效果を具現すれば良い。即ち、高解像度イメージを画質が低下しない水準まで解像度を低減させる方法を利用すればよいが、一般の遠距離静止画面では高解像度が必要であるが、急激な動的画面の場合では、視覚的に流入される情報量を減らせばよい。解像度を可変するという意味は、実際に解像度を低減するのではなく、視覚的情報量を最小化するためのぼやけ処理、フレーム数の減少、カラー数の減少などを言う。勿論、立体映像であるので、画質は2D映像に比べてさらに良く感じることができるという長所がある。図5bのフィルターマスクイメージは、図5aの元々の解像度の動画に領域別に解像度を変換させるために、コードとして無損失圧縮方式で圧縮され、フィルターマスクイメージデコーダー31で圧縮を解凍した後、可変フィルターに提供する。フィルターマスクイメージデコーダー31で提供されたフィルターマスクイメージとデータデコーダー20で提供された可変フィルタリング情報によって可変フィルター50で可変領域別に解像度が変換されて、図5cのように部分別に解像度が異なる。
【0028】
前記フィルタリングするフレーム区間の選択は、予め使用者が全動画の中で映像流れの脈を続けて行きながら敏感な部分を選択して、必要によって選択することができる。動画の一部のフレームを前記方式のようにフィルタリングすることによって視聴者の継く3D立体動画の認識過程で発生する視覚的疲労感を緩和させることができる。
【0029】
図6は図5a、5b、5cの可変領域別解像度調節をオーサリング・ツールで作業する過程を示す。可変領域と可変解像度を表現するためには3D製作過程で対応するパラメーターと対応するデータをノンリニア(non−linea)形態で挿入したり、オーサリング過程で挿入することができる。映像を最終編集する編集者またはオーサリングエンジニアが任意のデータ値を入力して完成することができる。
対応するパラメーターとそのデータはオーサリング・ツールまたは編集ツールでプラグイン形態または別途のパラメータートラックで提供されることができる。
【0030】
基本的に製作された3D映像にレベル(例えば、10レベル)に応じて適用すべき可変領域と可変解像度の量を指定する。このように挿入されたデータは1時間映像を基準で何百KB程度の非常に少ないデータ量であるので、実質的な映像の駆動に如何なる負荷も発生しなく、DVDやブルーレイオーサリング過程では空いている字幕トラックに対応する情報を追加させることもできるので、大部分のフォーマットと互換される。
【0031】
オーサリング過程で記録された可変領域と可変解像度パラメーターとデータは、3D立体映像ディスプレー装置で再びデコーディングされて画面に適用される。デコーディングするための別途の装置がTVに搭載されていてもよく、セットトップボックス、レシーバー、チューナーなどに搭載されることもできる。連結されるデジタルケーブルのAuxトラックを使用すれば良いので、追加装置は必要ない。
【0032】
このように可変フィルタリング情報によってフィルタリングされた動画を視聴する場合に、視聴者が感じる疲労感は減少されることができる。しかし、視聴者がフィルタリングされていない元々の動画を視聴することを望む場合がある。元々の動画を視聴したい場合には、使用者インターフェース80を通じて可変フィルターの使用の否かを決めることができる。
【0033】
使用者インターフェース80から可変フィルターの使用命令が入力される場合、可変フィルター50は動画に対するフィルタリング動作を行うが、不使用命令が入力される場合、動画に対するフィルタリング動作を行わない。
【0034】
一方、装置の使用者は、可変フィルターによってフィルタリングされる強さを調整することもできる。この時、可変フィルターの使用命令にはフィルタリングの強さを調整するための命令が含まれていてもよい。可変フィルターの強さ調整命令に従って、可変フィルター50は可変フィルタリング情報から得るフィルタリングの強さを減少させたり、強化する。
【0035】
可変フィルタリング情報は、データデコーダー20で提供され、この情報に応じてビデオデコーダー30で出力された映像はフィルターマスクイメージデコーダー31で提供されたフィルターマスクイメージとともに可変フィルター50でフィルタリングされて、動画出力部60に出力される。その他にオーディオ出力部70はオーディオを出力する。
【0036】
このように可変フィルタリング情報によってフィルタリングされた動画を視聴する場合に、視聴者が感じる疲労感は減少されることができる。前述した実施形態と同様に、視聴者がフィルタリングされていない元々の動画を視聴することを望む場合がある。元々の動画を視聴したい場合には、使用者インターフェース80を通じて可変フィルターの使用の否かを決めることができる。
【0037】
使用者インターフェース80から可変フィルターの使用命令が入力される場合、可変フィルター50は動画に対するフィルタリング動作を行うが、不使用命令が入力される場合、動画に対するフィルタリング動作を行わない。
【0038】
図7は装置の使用者が遠隔制御器(所謂リモートコントローラー)を利用して予めオーサリングされた映像の複雑度制御の程度を再調整することができることを示す。例えば、リモートコントローラーの可変解像度オン/オフスィッチをオンにすると、段階別にフィルタリング作動が行われるとともに、領域別または画面全体の解像度が調節される。ジョグシャトルのようなスィッチを使って可変解像度を段階別に調整することができ、「+」スイッチを使って解像度を最高に高めた時はディスプレー装置の最高の解像度で3D立体映像を見ることができ、「−」スィッチを使って解像度を最低に低めた時は最低の解像度で2D映像を見ることができる。その間の段階ではオーサリングされたディスプレー画面の可変領域(または画面全体)の複雑度に合わせられた可変解像度でフィルタリングされた立体映像が見える。リモートコントローラーと、これに連動されて作動するTVなどのディスプレー装置にも可変解像度オン/オフスィッチ、レベルアップ/ダウンスィッチ等があってもよい。
【0039】
このような遠隔制御器(リモートコントローラー)に連動して作動することができるようにする遠赤外線受信部等のディスプレー装置内の構成は公知の技術であるので説明を省略する。
【0040】
一方、図2で可変フィルタリング情報は、データデコーダー20出力されることで説明したが、これは例示的なものであり、ビデオデコーダー30で出力された動画から可変フィルタリング情報を得ることも可能である。例えば動画の各フレームにウォーターマーク技法で可変フィルタリング情報が含まれた場合に、これを抽出して可変フィルターに提供することができる。
図8は本発明の一実施形態によるディスプレー過程を示すフローチャートである。
【0041】
ディスプレー装置は、動画、フィルターマスクイメージ及び可変フィルタリング情報を含むデータソースが入力されるS10。動画、フィルターマスクイメージ及び可変フィルタリング情報は、放送媒体を通じて入力されることができ、保存媒体を通じて入力されることもでき、有線または無線インターネットのような通信媒体を通じて入力されることもできる。また、動画は保存媒体を通じて入力され、可変フィルタリング情報は通信媒体を通じて入力されることもできる。入力された動画は損失方式またはは無損失方式で圧縮された動画であってもよく、圧縮されていない映像であってもよい。
【0042】
動画、フィルターマスクイメージ及び可変フィルタリング情報を含むデータソースが入力された後に、ディスプレー装置はフィルターが設定された区間の動画をフィルタリングするS20。フィルタリング区間の動画の一部または区間全体であってもよい。また、動画は複数のフィルタリング区間に分けられることができ、各区間ごとにフィルタリングの種類が異なってもよい。フィルタリングの種類はフィルタリング方式によって分けられてもよく、フィルタリングの強さによって分けられてもよい。フィルタリングの強さは所定のフィルタリング方式に対するフィルタリングの程度を決める。例えば、解像度を90%の水準に低減するか、80%の水準に低減するかはフィルタリングの強さによって決められる。
ティスプレー装置はフィルタリングされた動画を出力するS30。
【0043】
このように可変フィルタリング情報によって無条件的にフィルタリングする方式は劇場のように多くの人が視聴するディスプレー装置に適用されることができ、家庭用テレビにも適用されることができる。
図9は本発明の他の実施形態によるディスプレー過程を示すフローチャートである。
【0044】
ディスプレー装置は、動画、フィルターマスクイメージ及び可変フィルタリング情報が含まれたデータソースが入力されるS10。ディスプレー装置は、動画をディスプレーする途中に使用者インターフェースから可変フィルターに対する使用者命令が入力されるか否かを確認しS120、現在の状態が可変フィルターを使う状態である否かをチェックするS130。
【0045】
使用者命令が可変フィルターの使用である場合に、ディスプレー装置は、フィルタリングが設定された区間の動画をフィルタリングしS140、フィルタリングされた動画を出力するS150。可変フィルターの使用命令は、フィルタリングの強さを再調整するための命令が含まれてもよい。
使用者命令が可変フィルターの不使用である場合に、ディスプレー装置はフィルタリングなしに動画を出力するS160。
【0046】
可変フィルタリング情報によって動画が第1区間、第2区間、第3区間に分けられる動画があり、第1区間は解像度を100%出力し、第2区間は解像度を90%出力し、第3区間は解像度を100%出力すると設定した時、使用者命令が可変フィルターの不使用である場合に、第1区間〜第3区間は何れも解像度を100%出力する。使用者命令が可変フィルターの使用である場合に、第1区間は解像度を100%出力し、第2区間は解像度を90%出力し、第3区間は解像度を100%出力する。
【0047】
また、使用者命令がフィルターの強さを0.5倍に再調整する場合に、第1区間は解像度を100%出力し、第2区間は解像度を95%出力し、第3区間は解像度を100%出力する。使用者命令がフィルターの強さを2倍に再調整する場合に、第1区間は解像度を100%出力し、第2区間は解像度を80%に出力し、第3区間は解像度を100%出力する。
【0048】
前記実施形態による説明は、本発明の概念の理解に役に立つように例示したものに過ぎず、本発明の権利範囲は後述する特許請求の範囲によって解釈すべきである。
【符号の説明】
【0049】
10:データソース提供部20:データデコーダー
30:ビデオデコーダー
31:フィルターマスクイメージデコーダー
40:オーディオデコーダー
50:可変フィルター
60:動画出力部
70:オーディオ出力部
80:使用者インターフェース
S10:動画、フィルターマスクイメージ及び可変フィルタリング情報を含むデータソースが入力される。
S20:フィルタリングが設定された空間の動画をフィルタリングする。
S30:フィルタリングされた動画を出力する。
S110:動画、フィルターマスクイメージ及び可変フィルタリング情報を含むデータソースが入力される。
S120:可変フィルタリングに対する使用者命令を確認
S130:可変フィルター使用?→NO→S160動画を出力する
S140:フィルターが設定された空間の動画をフィルタリングする。
S150:フィルタリングされた動画を出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画及び前記動画と時間的に同期化されており、視聴者が前記動画を視聴しながら感じられる疲労感を制御するための動画の可変フィルタリング情報及び無損失圧縮されたフィルターマスクイメージコードを含むデータソースを提供するデータソース提供部と;
前記データソースのデータをデコーディングするデータデコーダーと;
前記データソースの動画をデコーディングするビデオデコーダーと;
前記フィルターマスクイメージコードの圧縮を解凍するフィルターマスクイメージデコーダーと;
前記データソースのオーディオをデコーディングするオーディオデコーダーと;
前記可変フィルタリング情報及びフィルターマスクイメージによってフィルタリングが設定されている前記データソースの対応する空間に対して前記動画をフィルタリングする可変フィルターと;
前記可変フィルターでフィルタリングされた動画を出力する動画出力部と;
前記オーディオデコーダーからのオーディオを出力するオーディオ出力部と;
前記可変フィルターの使用または不使用の否かの命令が入力されて、命令を可変フィルターに提供する使用者インターフェースと;
を含むことを特徴とする動画ディスプレー装置。
【請求項2】
前記可変フィルターの使用命令はフィルタリングの強さを再調整することを含むことを特徴とする請求項1に記載の動画ディスプレー装置。
【請求項3】
前記データソースは、地上波放送または衛星放送を通じて供給されることを特徴とする請求項1に記載の動画ディスプレー装置。
【請求項4】
前記動画ディスプレー装置と連動して作動しながら前記可変フィルタリング作動をオン/オフするスィッチと、領域別画面または画面全体の解像度を可変的にまたは段階別に調整することができる可変スィッチとで構成された遠隔制御器(リモートコントローラー)をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3の中の何れか一項に記載の動画ディスプレー装置。
【請求項5】
前記データソースは予め記録されている保存媒体を通じて供給されることを特徴とする請求項1に記載の動画ディスプレー装置。
【請求項6】
動画及び前記動画と時間的に同期化されており、視聴者が前記動画を視聴しながら感じられる疲労感を制御するための動画の可変フィルタリング情報及びフィルターマスクイメージコードを含むデータソースが提供される段階と;
前記可変フィルタリング情報及びフィルターマスクイメージによってフィルタリングが設定された区間に対して前記動画をフィルタリングする段階と;
前記フィルタリングされた動画を出力する段階と;
を含むことを特徴とする動画ディスプレー方法。
【請求項7】
前記可変フィルタリングの使用または不使用を装置の使用者が選択することができる段階をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の動画ディスプレー方法。
【請求項8】
請求項6または7に係る動画ディスプレー方法を行うためのソフトウェアが記録されていることを特徴とする保存媒体。
【請求項1】
動画及び前記動画と時間的に同期化されており、視聴者が前記動画を視聴しながら感じられる疲労感を制御するための動画の可変フィルタリング情報及び無損失圧縮されたフィルターマスクイメージコードを含むデータソースを提供するデータソース提供部と;
前記データソースのデータをデコーディングするデータデコーダーと;
前記データソースの動画をデコーディングするビデオデコーダーと;
前記フィルターマスクイメージコードの圧縮を解凍するフィルターマスクイメージデコーダーと;
前記データソースのオーディオをデコーディングするオーディオデコーダーと;
前記可変フィルタリング情報及びフィルターマスクイメージによってフィルタリングが設定されている前記データソースの対応する空間に対して前記動画をフィルタリングする可変フィルターと;
前記可変フィルターでフィルタリングされた動画を出力する動画出力部と;
前記オーディオデコーダーからのオーディオを出力するオーディオ出力部と;
前記可変フィルターの使用または不使用の否かの命令が入力されて、命令を可変フィルターに提供する使用者インターフェースと;
を含むことを特徴とする動画ディスプレー装置。
【請求項2】
前記可変フィルターの使用命令はフィルタリングの強さを再調整することを含むことを特徴とする請求項1に記載の動画ディスプレー装置。
【請求項3】
前記データソースは、地上波放送または衛星放送を通じて供給されることを特徴とする請求項1に記載の動画ディスプレー装置。
【請求項4】
前記動画ディスプレー装置と連動して作動しながら前記可変フィルタリング作動をオン/オフするスィッチと、領域別画面または画面全体の解像度を可変的にまたは段階別に調整することができる可変スィッチとで構成された遠隔制御器(リモートコントローラー)をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3の中の何れか一項に記載の動画ディスプレー装置。
【請求項5】
前記データソースは予め記録されている保存媒体を通じて供給されることを特徴とする請求項1に記載の動画ディスプレー装置。
【請求項6】
動画及び前記動画と時間的に同期化されており、視聴者が前記動画を視聴しながら感じられる疲労感を制御するための動画の可変フィルタリング情報及びフィルターマスクイメージコードを含むデータソースが提供される段階と;
前記可変フィルタリング情報及びフィルターマスクイメージによってフィルタリングが設定された区間に対して前記動画をフィルタリングする段階と;
前記フィルタリングされた動画を出力する段階と;
を含むことを特徴とする動画ディスプレー方法。
【請求項7】
前記可変フィルタリングの使用または不使用を装置の使用者が選択することができる段階をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の動画ディスプレー方法。
【請求項8】
請求項6または7に係る動画ディスプレー方法を行うためのソフトウェアが記録されていることを特徴とする保存媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−21554(P2013−21554A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154061(P2011−154061)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(311001417)
【氏名又は名称原語表記】PARK,Seung−Min
【住所又は居所原語表記】Woosung Aptment 5−808,Dowha−dong,Mapo−ku,Seoul 121−040 Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(311001417)
【氏名又は名称原語表記】PARK,Seung−Min
【住所又は居所原語表記】Woosung Aptment 5−808,Dowha−dong,Mapo−ku,Seoul 121−040 Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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