説明

包材及び包装容器

【課題】流動性食品が注出された後の包装容器10を廃棄する場合に、環境に与える影響を小さくすることができるようにする。
【解決手段】包装容器10を形成した状態における外側から順に、少なくとも、最外層、印刷層及び最内層を備える。また、前記最外層及び最内層のうちの少なくとも最外層は、透明性及び生分解性が高く、耐破断強度が大きい生分解性ブレンドポリマーによって形成される。この場合、前記最外層及び最内層のうちの少なくとも最外層は、生分解性ブレンドポリマーによって形成されるので、印刷層の画像を十分に識別することができるだけでなく、流動性食品を注出した後の包装容器10を廃棄した場合に、環境に与える影響を小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包材及び包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品、例えば、茶、ジュース、スープ、アルコール類等の流動性を有する食品、すなわち、流動性食品を収容する包装容器を製造する場合、ウェブ状、板状等の包材が使用され、該包材の所定の箇所がヒートシール、超音波シール等の手法によってシールされることにより、包装容器が形成されるようになっている。例えば、ウェブ状の包材を使用する場合、充填(てん)機において、前記包材をチューブ状にし、縦シール装置によって縦方向にシールした後、チューブ状の包材の中に液体食品を充填しながら、所定の間隔で横シール装置によって横方向にシールして切断し、枕(まくら)状の原型容器を形成し、該原型容器を更に所定の形状に成形して包装容器を完成させるようにしている。
【0003】
また、板状の包材を使用する場合、包材は、あらかじめ所定の形状を備え、所定の箇所に折り目が作られたブランケットとして形成される。そして、該ブランケットは、前記折り目に沿って折り曲げられて筒状カートンにされた後、一端が閉鎖され、他端が開口させられた有底筒状カートンにされる。次に、該有底筒状カートンの中に液体食品を充填し、他端を閉鎖することによって包装容器を完成させるようにしている。
【0004】
前記各包材は、包装容器を形成した状態における内側から順に、最内層、紙基材及び最外層から成り、必要に応じて、最内層と紙基材との間にガスバリヤ層を備える。前記最内層及び最外層は紙基材にポリエチレン樹脂等の樹脂を被覆することによって形成される。また、ガスバリヤ層は、前記紙基材にアルミ箔(はく)等を被覆することによって形成される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−10150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の包装容器においては、最内層及び最外層に、例えば、生分解性の低いポリエチレン樹脂を使用しているので、流動性食品が注出された後の包装容器を廃棄する場合に、環境に与える影響が大きい。
【0006】
本発明は、前記従来の包装容器の問題点を解決して、流動性食品が注出された後の包装容器を廃棄する場合に、環境に与える影響を小さくすることができる包材及び包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明の包材においては、所定の折曲げ加工によって形成されるようになっている。
【0008】
そして、前記包装容器を形成した状態における外側から順に、少なくとも、最外層、印刷層及び最内層を備える。また、前記最外層及び最内層のうちの少なくとも最外層は、透明性及び生分解性が高く、耐破断強度が大きい生分解性ブレンドポリマーによって形成される。
【0009】
本発明の他の包材においては、さらに、前記生分解性ブレンドポリマーは、透明性及び生分解性の高い第1の生分解性ポリマーに、所定の量の第2の生分解性ポリマーを添加することによって形成される。
【0010】
本発明の更に他の包材においては、さらに、前記第1の生分解性ポリマーはポリ乳酸系の透明生分解性樹脂である。
【0011】
本発明の更に他の包材においては、さらに、前記第2の生分解性ポリマーはポリヒドロキシアルカノアートである。
【0012】
本発明の更に他の包材においては、さらに、前記生分解性ブレンドポリマーにおける前記第2の生分解性ポリマーの含有率は5〜15〔%〕にされる。
【0013】
本発明の包装容器においては、請求項1〜5のいずれか1項に記載の包材によって形成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、包材においては、所定の折曲げ加工によって形成されるようになっている。
【0015】
そして、前記包装容器を形成した状態における外側から順に、少なくとも、最外層、印刷層及び最内層を備える。また、前記最外層及び最内層のうちの少なくとも最外層は、透明性及び生分解性が高く、耐破断強度が大きい生分解性ブレンドポリマーによって形成される。
【0016】
この場合、前記最外層及び最内層のうちの少なくとも最外層は、透明性及び生分解性が高い生分解性ブレンドポリマーによって形成されるので、印刷層の画像を十分に識別することができるだけでなく、流動性食品を注出した後の包装容器を廃棄した場合に、環境に与える影響を小さくすることができる。
【0017】
また、生分解性ブレンドポリマーの耐破断強度が大きいので、包装容器を形成するに当たり、所定の折曲げ加工を行っても最外層が破断することがなく、包装容器内の流動性食品が外に滲(にじ)み出すのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場合、ウェブ状の包材を使用して、流動性食品を収容する包装容器を製造する場合について説明する。
【0019】
図1は本発明の実施の形態における包装容器を示す斜視図、図2は本発明の実施の形態における包装容器の充填機を示す斜視図、図3は本発明の実施の形態における包材の断面図である。
【0020】
図1において、包装容器10は、前面12、後面13、側面14、15、頂面16及び底面17を備え、前記各側面14、15には、頂面16側から側面14、15側に折り曲げられた、三角形の形状を有する第1の耳片としての一対のトップフラップ19(図1においてはそのうちの一つのトップフラップ19だけが示される。)が、前記底面17には、側面14、15側から底面17側に折り曲げられた、三角形の形状を有する第2の耳片としての一対の図示されないボトムフラップが形成される。なお、S1は頂面16、後面13及び底面17にわたって形成された第1のシール部分としての縦シール部分、S2は頂面16及び各トップフラップ19にわたって形成された第2のシール部分としての横シール部分である。また、底面17及び各ボトムフラップにわたって横シール部分が形成される。本実施の形態において、包装容器10は、正四面体の形状を有するが、少なくとも底面を備え、底面のほかに、側面、頂面等の他の面を備え、三角錐(すい)型、ブロック型、多角柱型(例えば、五つ以上の側面を備えた五角柱型、六角柱型、七角柱型、八角柱型等)、ゲーブルトップ型等の各種の形状を有することができる。
【0021】
前記包装容器10は、充填機において、図2に示されるような手順でウェブ状の包材21を加工することにより形成される。
【0022】
すなわち、ウェブ状の包材21から包装容器10を製造する場合、前記充填機において、包材21は、リール22の状態で図示されない繰出機にセットされ、該繰出機によって繰り出され、図示されない送り装置によって搬送される。そして、前記包材21は、搬送されている間にパンチ穴が形成され、該パンチ穴を覆うように、図示されないインナテープ及びプルタブが貼(ちょう)着される。続いて、前記包材21は、一方の縁部に図示されないストリップテープが貼着されて垂直方向に搬送され、搬送方向における複数の箇所に配設された図示されないフォーミングリングによって案内され、かつ、変形させられてチューブ状にされ、図示されない縦シール装置によって縦方向にシールされて包材チューブ24になる。このとき、包材21の一方の縁部の外側面と他方の縁部の内側面とがオーバラップさせられて縦シール部分S1が形成される。
【0023】
続いて、流動性食品が、充填管23を介して上方から供給され、包材チューブ24内に充填される。なお、前記流動性食品には、例えば、茶、ジュース、スープ、アルコール類等の液体食品のほかに、液状調味料等の流動性を有するコロイド状、ゾル状の物質等も含まれる。また、全体として流動性を有するものであれば、流動性を有しない固体、ゲル等の成分を含有する物質も含まれる。
【0024】
次に、前記包材チューブ24は、図示されない横シール装置によって両側から挟持され、所定の間隔で横方向にシールされ、このとき、横シール部分S2が形成され、該横シール部分S2において包材チューブ24は切断され、成形フラップによって変形させられ、枕状の原型容器25が形成される。
【0025】
なお、前記縦シール装置及び横シール装置には、ヒータ、インダクタ等を利用してヒートシールを行うもののほかに、超音波を利用して超音波シールを行うものを使用することができる。
【0026】
続いて、前記原型容器25は、所定の成形装置によって成形され、各トップフラップ19が側面14、15側に、各ボトムフラップが底面17側に向けて折り曲げられ、かつ、融着されて包装容器10が完成する。
【0027】
なお、ウェブ状の包材21のほかに、板状の包材から包装容器10を製造することもできる。その場合、包材は、あらかじめ所定の形状を備え、所定の箇所に折り目が作られたブランケットとして形成される。続いて、該ブランケットは、前記折り目に沿って折り曲げられて筒状カートンにされた後、一端が閉鎖され、他端が開口させられた有底筒状カートンにされる。次に、該有底筒状カートンは、充填機に送られ、該充填機において、有底筒状カートンの中に流動性食品が充填される。そして、有底筒状カートンの他端を閉鎖することによって包装容器10が完成する。
【0028】
次に、前記包材21について説明する。
【0029】
図3において、包材21は、包装容器10を形成した状態における外側から順に、最外層32、印刷層33、紙基材34及び最内層35から成る積層体構造を有する。
【0030】
ところで、本実施の形態においては、印刷層33の外側に最外層32が形成されるので、最外層32の透明性が低いと、印刷層33のデザイン、文字等の画像を十分に識別することができなくなってしまう。また、ウェブ状の包材21から包装容器10を形成する場合、切断された包材チューブ24を変形させて枕状の原型容器25を形成したり、各トップフラップ19を側面14、15側に、各ボトムフラップを底面17側に向けて折り曲げたりする必要があり、板状の包材から包装容器を形成する場合も、板状の包材を折り曲げる必要があるので、最外層32、最内層35等の耐破断強度が小さいと、包装容器内の流動性食品、特に、液体食品が外に滲み出してしまう。
【0031】
そのため、最外層32及び最内層35として、透明性が高く、耐破断強度が大きい樹脂として、例えば、ポリエチレンを使用することが考えられるが、その場合、流動性食品を注出した後の包装容器10を廃棄した場合に、環境に与える影響が大きくなってしまう。
【0032】
そこで、本実施の形態においては、最外層32及び最内層35のうちの少なくとも最外層32に、透明性が高く、耐破断強度が大きく、しかも、生分解性の高い樹脂、すなわち、生分解性ブレンドポリマーを使用するようにしている。
【0033】
該生分解性ブレンドポリマーは、第1の生分解性ポリマーとしての、透明性及び生分解性の高いポリ乳酸系の透明生分解性樹脂に、所定の量の第2の生分解性ポリマーとしてのポリヒドロキシアルカノアート
【0034】
【化1】

【0035】
を添加することによって形成され、耐破断強度が大きくされる。
【0036】
この場合、前記生分解性ブレンドポリマーにおいて、ポリヒドロキシアルカノアートの含有率は、5〜15〔%〕、好ましくは、8〜12〔%〕にされ、ポリ乳酸系の透明生分解性樹脂の含有率は、85〜95〔%〕、好ましくは、88〜92〔%〕にされる。
【0037】
前記ポリヒドロキシアルカノアートにおいて、
n=1〜3
とし、
R=アルキル基(炭素数が1〜8、好ましくは1〜3)
とし、以下のものを使用することができる。
【0038】
n=1 R=ハイドロゲン ポリ(−3−ヒドロキシプロピオネート)
R=メチル ポリ(−3−ヒドロキシブチレート)
R=エチル ポリ(−3−ヒドロキシバレレート)
R=プロピル ポリ(−3−ヒドロキシヘキサノアート)
R=ペンチル ポリ(−3−ヒドロキシオクタノアート)
R=ノニル ポリ(−3−ヒドロキシドデカノアート)
n=2 R=ハイドロゲン ポリ(−4−ヒドロキシブチレート)
n=3 R=ハイドロゲン ポリ(−5−ヒドロキシバレレート)
そして、
n=2
R=メチル
のブチレートと、
n=2
R=プロピル
のヘキサノアートとの共重合体であるポリ(−3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノアート)を使用するのが最も好ましい。
【0039】
前記最外層32は透明性が高いので、印刷層33の外側に最外層32を形成しても、印刷層33の画像を十分に識別することができる。
【0040】
また、前記最外層32は、耐破断強度が極めて大きく、ポリ乳酸系の透明生分解性樹脂だけを使用した場合より、耐破断強度を10倍以上大きくすることができる。したがって、包装容器10を形成するに当たり、切断された包材チューブ24を変形させて枕状の原型容器25を形成したり、各トップフラップ19を側面14、15側に、各ボトムフラップを底面17側に向けて折り曲げたり、板状の包材を折り曲げたりして、所定の折曲げ加工を行うときに、最外層32が破断するのを防止することができる。したがって、包装容器10内の流動性食品、特に、液体食品が外に滲み出すのを防止することができる。
【0041】
さらに、最外層32として生分解性の高い前記生分解性ブレンドポリマーが使用されるので、流動性食品を注出した後の包装容器10を廃棄した場合に、環境に与える影響を小さくすることができる。
【0042】
また、前記印刷層33のインキとしては、フレキソ印刷用の水性又は油性のインキ、グラビア印刷用の油性のインキ、オフセット印刷用の硬化性のインキ等を使用することができる。
【0043】
そして、前記紙基材34は、クラフトパルプのような、包材21の強度を大きくすることができ、吸水性の低い材料によって形成されるのが好ましい。そのために、前記紙基材34として、晒(さらし)紙(FBL)、未晒紙(UBL)、晒紙の材料と未晒紙の材料との抄合せ紙(DUPLEX)、クレーコート紙、多層抄合せ紙(MB)等を使用することができる。
【0044】
また、前記最内層35としては、最外層32と同様の、ポリ乳酸系の透明生分解性樹脂にポリヒドロキシアルカノアートを添加し、該ポリヒドロキシアルカノアートの含有率を、5〜15〔%〕、好ましくは、8〜12〔%〕とし、ポリ乳酸系の透明生分解性樹脂の含有率を、85〜95〔%〕、好ましくは、88〜92〔%〕とした生分解性ブレンドポリマーが使用される。
【0045】
したがって、包装容器10を形成するに当たり、切断された包材チューブ24を変形させて枕状の原型容器25を形成したり、各トップフラップ19を側面14、15側に、各ボトムフラップを底面17側に向けて折り曲げたり、板状の包材を折り曲げたりするときに、最内層35が破断するのを防止することができる。その結果、包装容器10内の流動性食品、特に、液体食品が紙基材34に浸透し、包材21が劣化するのを防止することができる。
【0046】
さらに、最内層35として生分解性の高い前記生分解性ポリマーが使用されるので、流動性食品を注出した後の包装容器10を廃棄した場合に、環境に与える影響を小さくすることができる。
【0047】
なお、最内層35において、ポリ乳酸系の透明生分解性樹脂の含有率を100〔%〕にした生分解性ポリマーを使用することができる。この場合、少なくとも、最外層32の耐破断強度を大きくすることができるので、包装容器10を形成するに当たり、最外層32が破断するのを防止することができる。したがって、包装容器10内の流動性食品、特に、液体食品が外に滲み出すのを防止することができる。
【0048】
なお、生分解性ポリマーとして、他の生分解性の樹脂、例えば、微生物によって形成される3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシヴァリレート等の共重合体、化学的に合成される脂肪族ポリエステル等、天然高分子を含有するポリビニルアルコール/でんぷん複合体等を使用することができる。
【0049】
さらに、最内層35として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合体等のポリオレフィン系の樹脂、本実施の形態においては、低密度ポリエチレンを使用することができる。
【0050】
次に、最内層35に使用される生分解性ブレンドポリマーにおけるポリヒドロキシアルカノアートの含有率αを変化させたときの、耐破断強度について説明する。この場合、耐破断強度として、靱(じん)性について調べ、破断エネルギーEを比較した。
【0051】
【表1】

【0052】
この場合、ポリヒドロキシアルカノアートを10〔%〕又は20〔%〕添加すると、破断エネルギーEが飛躍的に大きくなり、耐破断強度が極めて大きくなることが分かる。
【0053】
次に、最内層35の生分解性ブレンドポリマーにおけるポリヒドロキシアルカノアートの含有率αを変化させたときの、透明性について説明する。この場合、透明性について、約1〔mm〕の厚さの生分解性ブレンドポリマーのシートを作成し、該シートを所定の印刷面上に置いて、該印刷面の画像を、人の目で観察することによって評価した。
【0054】
【表2】

【0055】
この場合、ポリヒドロキシアルカノアートを10〔%〕添加すると、透明性が良好になり、画像の識別が可能であることが分かる。
【0056】
したがって、ポリヒドロキシアルカノアートの含有率を5〜15〔%〕、好ましくは、8〜12〔%〕とするのが好ましい。
【0057】
次に、本発明における包材21の典型的な積層体構造について説明する。この場合、包材21を形成した状態における外側から順に材料で表示する。なお、印刷層33及び紙基材34については、材料ではなく、印刷層及び紙基材と表示した。
【0058】
生分解性ブレンドポリマー/印刷層/紙基材/生分解性ブレンドポリマー
生分解性ブレンドポリマー/印刷層/紙基材/生分解性ポリマー
生分解性ブレンドポリマー/印刷層/紙基材/LDPE
また、必要に応じて紙基材34を除去することができる。
【0059】
生分解性ブレンドポリマー/印刷層/生分解性ブレンドポリマー
生分解性ブレンドポリマー/印刷層/生分解性ポリマー
生分解性ブレンドポリマー/印刷層/LDPE
さらに、紙基材34と最内層35との間に、中間層としてポリビニルアルコールを配設したり、バリヤ層として、アルミ箔等を配設することができる。
【0060】
生分解性ブレンドポリマー/印刷層/紙基材/ポリビニルアルコール/
アルミ箔/生分解性ブレンドポリマー
生分解性ブレンドポリマー/印刷層/紙基材/ポリビニルアルコール/
アルミ箔/生分解性ポリマー
生分解性ブレンドポリマー/印刷層/紙基材/ポリビニルアルコール/
アルミ箔/LDPE
なお、前記バリヤ層として、前記アルミ箔のほかに、金属膜、無機酸化物膜等、又はポリエステル(PET)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロン(登録商標)、ポリ塩化ビニリデン等の非オレフィン系の樹脂のフィルムを使用することができる。前記無機酸化物膜は、蒸着フィルムによって形成され、該蒸着フィルムは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合体等のポリオレフィン系の樹脂、又はポリエステル、ポリビニルアルコール、ナイロン等の非オレフィン系の樹脂から成るフィルムに、酸化珪(けい)素、酸化錫(すず)、酸化亜鉛、酸化インジュウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機酸化物を、真空蒸着、スパッタリング、化学蒸着、プラズマ化学蒸着(PCVD)等によって蒸着することにより形成される。
【0061】
本実施の形態においては、ウェブ状の包材21を使用して包装容器を製造する場合について説明しているが、板状の包材を使用して包装容器を製造する場合に適用することもできる。
【0062】
また、本実施の形態においては、包材21に生分解性ブレンドポリマーを適用した例について説明しているが、透明な蓋(ふた)体に適用したり、板紙の外側に塗布される塗料に適用したりすることができる。
【0063】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態における包装容器を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態における包装容器の充填機を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態における包材の断面図である。
【符号の説明】
【0065】
10 包装容器
21 包材
32 最外層
33 印刷層
35 最内層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の折曲げ加工によって形成された包装容器の包材において、
(a)前記包装容器を形成した状態における外側から順に、少なくとも、最外層、印刷層及び最内層を備え、
(b)前記最外層及び最内層のうちの少なくとも最外層は、透明性及び生分解性が高く、耐破断強度が大きい生分解性ブレンドポリマーによって形成されることを特徴とする包材。
【請求項2】
前記生分解性ブレンドポリマーは、透明性及び生分解性の高い第1の生分解性ポリマーに、所定の量の第2の生分解性ポリマーを添加することによって形成される請求項1に記載の包材。
【請求項3】
前記第1の生分解性ポリマーはポリ乳酸系の透明生分解性樹脂である請求項2に記載の包材。
【請求項4】
前記第2の生分解性ポリマーはポリヒドロキシアルカノアートである請求項2又は3に記載の包材。
【請求項5】
前記生分解性ブレンドポリマーにおける前記第2の生分解性ポリマーの含有率は5〜15〔%〕にされる請求項2〜4のいずれか1項に記載の包材。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の包材によって形成された包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−27623(P2006−27623A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−205398(P2004−205398)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】