包装体およびシートパッケージ
【課題】 シート束をばらけさせることなく、シート束を用紙トレイに収納できるようにする。
【解決手段】 ミシン目32A,32Bに沿って包装紙30Aを破り、支持部33A以外の部位をシート束2から取り去る。次に使用者は、支持部33Aの長手方向の両端部を重ね、貫通孔31Aの位置と貫通孔31Bの位置とを一致させる。使用者が、この位置が一致した貫通孔31Aと貫通孔31Bとに指を通し、取っ手として握って上方に引上げると、シート束2の長手方向に沿った両方の側面と下面とが支持部33Aにより支えられて持ち上げられる。使用者は、持ち上げたシート束2を支持部33Aと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は長手方向に沿った両方の側面と下面とが支持部33Aにより支えられているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、支持部33Aを用紙トレイから取り除く。
【解決手段】 ミシン目32A,32Bに沿って包装紙30Aを破り、支持部33A以外の部位をシート束2から取り去る。次に使用者は、支持部33Aの長手方向の両端部を重ね、貫通孔31Aの位置と貫通孔31Bの位置とを一致させる。使用者が、この位置が一致した貫通孔31Aと貫通孔31Bとに指を通し、取っ手として握って上方に引上げると、シート束2の長手方向に沿った両方の側面と下面とが支持部33Aにより支えられて持ち上げられる。使用者は、持ち上げたシート束2を支持部33Aと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は長手方向に沿った両方の側面と下面とが支持部33Aにより支えられているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、支持部33Aを用紙トレイから取り除く。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート束を包む包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機等の画像形成装置への用紙補給は、用紙トレイにシート束を補給することにより行われる。このシート束は、例えば、特許文献1に記載されているようにアンダーホールド式またはカートンホールド式の包みかたによって包装紙で包まれており、使用者は包装紙を破ってシート束を取り出し、取り出したシート束を用紙トレイに収納して画像形成装置にシートを補給する。
【特許文献1】特開平10−236517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さて、シート束におけるシートの枚数は一般的に500枚となっているものが市場で多く販売されており、この際、シート束の重さはA4サイズで約2kg程度、A3サイズで約4kg程度となる。シート束を用紙トレイに補給する際には、シート束を手で掴んで用紙トレイに補給するが、シート束は上述したような重さがあるため、片手でシート束の端部を持つとシート束は自重により湾曲してばらけてしまう。シート束がばらけてしまい、シート束の形状が直方体ではなくなってしまうと、シート束を用紙トレイ収めにくくなり、シートを補給するのに手間がかかってしまうという問題が生じていた。
【0004】
本発明は上述した背景の下になされたものであり、用紙トレイにシート束を収納する際、シート束をばらけさせることなく用紙トレイに収納できるようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために本発明は、矩形のシートを積層したシート束を包む包装体において、取っ手部と、前記取っ手部につらなり、少なくとも前記シート束において対向する2つの側面および前記シート束の下面を包む支持部とを有することを特徴とする包装体を提供する。
この包装体によれば、取っ手部が把持されて上方に引上げられた際、取っ手部につらなる支持部によりシート束の側面と下面とが支持されるので、シート束を運ぶ時にシート束がばらけることがない。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シート束をばらけさせることなく、シート束を用紙トレイに収納することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[A.第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るシートパッケージ1Aの外観を示した図である。シートパッケージ1Aは、シート束2をシート状の包装紙30Aで包んで形成されている。シート束2は、図2に示したように最も広い面の形状が略長方形であるシート20を所定の枚数だけ積み重ねたものである。シート20は、その表面が白の無地となっており、シート束2においては、全てのシートの角が揃っている。
【0008】
図3は、包装紙30Aの展開図であり、シート束2を包んだ時にシートパッケージ1Aの外側となる面を示している。包装紙30Aには図3に示したように、手の指を通すことができる大きさの矩形の貫通孔31A,31Bが設けられている。貫通孔31Aは、包装紙30Aの長手方向の一方の端部、貫通孔31Bは、長手方向のもう一方の端部に設けられている。なお、貫通孔31A,31Bは、包装紙30Aの短手方向においては、短手方向の略中央部に位置している。包装紙30Aにおいて、図3に示した二点鎖線の箇所を折り曲げ、所定の部位を接着することによりシート束2は包装紙30Aにより包まれ、図1に示したシートパッケージ1Aが形成される。なお、使用者がシート束2を用紙トレイに収納する際には、シートパッケージ1Aにおいて貫通孔31A,32Aが位置する面が上を向くようになるため、以下、シートパッケージ1Aにおいて貫通孔31A,32Aが位置する面を「上面」、シート束2を挟んで上面に略平行な面を「下面」、上面に略直交する面を「側面」と呼ぶ。
【0009】
また、包装紙30Aには、ミシン目32Aとミシン目32Bとが設けられている。ミシン目32Aとミシン目32Bは、図3に示したように、貫通孔31A,31Bの長手方向の端部を挟むようにして、包装紙30Aの長手方向の一方の端部からもう一方の端部にかけて長手方向に沿って設けられている。シートパッケージ1Aにおいて、このミシン目に沿って包装紙30Aを破くことにより、包装紙30Aは、貫通孔31A,31Bを有する帯状の支持部33Aと、シート束2の長手方向の端部を包む端部35A,35Bとに分割される。
【0010】
次に、図4を参照して、用紙トレイにシート束2を収納する手順について説明する。まず、シート束2を用紙トレイに収納しようとする者(以下、使用者と称する)は、包装紙30Aに設けられているミシン目32Aとミシン目32Bとに沿って包装紙30Aを破り、包装紙30Aを、支持部33Aと端部35Aと端部35Bとに分割し、図4(a)に示したように支持部33A以外の部位をシート束2から取り去る。
【0011】
次に使用者は、支持部33Aにおいて貫通孔31Aが設けられている部分と貫通孔31Bが設けられている部分とを上方に持ち上げる。使用者は、図4(a)に示したように、支持部33Aの長手方向の両端部を重ね、貫通孔31Aの位置と貫通孔31Bの位置とを一致させる。使用者が、この位置が一致した貫通孔31Aと貫通孔31Bとに指を通し、支持部33Aの両端部を取っ手として握って上方に引上げると、シート束2の長手方向に沿った両方の側面と下面とが支持部33Aにより支えられて持ち上げられる。このようにシート束2は下面と側面とが支持部33Aにより支えられるため、使用者は、シート束2を片手で容易に持ち上げることができる。
【0012】
次に使用者は、持ち上げたシート束2を支持部33Aと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は長手方向に沿った両方の側面と下面とが支持部33Aにより支えられているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、図4(b)に示したように貫通孔31Aまたは貫通孔31Bの部分を上方に引上げ、支持部33Aを用紙トレイから取り除く。これにより、シート束2のみが用紙トレイに格納されることとなる。
【0013】
以上説明したように本実施形態によれば、数百枚のシートからなるシート束を片手で容易に用紙トレイに収納することができる。
【0014】
[B.第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係るシートパッケージ1Bの外観を示した図である。シートパッケージ1Bは、第1実施形態と同様にシート束2をシート状の包装紙30Bで包んで形成されている。
【0015】
図6は、包装紙30Bの展開図であり、シート束2を包んだ時にシートパッケージ1Bの外側となる面を示している。図6に示したように包装紙30Bは、ミシン目の本数と位置とが第1実施形態と異なっている。包装紙30Bには、ミシン目32C,32D,32E,32Fとが設けられている。ミシン目32Cとミシン目32Dは、包装紙30Bの長手方向の端部であって、貫通孔31Aが設けられている側の端部に端を発している。これらのミシン目は、貫通孔31Aの長手方向の端部を挟むようにして、シートパッケージ1Bの側面になる部分まで包装紙30Bの長手方向に沿って設けられている。またミシン目32Eとミシン目32Fは、包装紙30Bの長手方向の端部であって、貫通孔31Bが設けられている側の端部に端を発している。これらのミシン目は、貫通孔31Bの長手方向の端部を挟むようにして、シートパッケージ1Bの側面になる部分まで包装紙30Aの長手方向に沿って設けられている。
【0016】
図5に示したシートパッケージ1Bを使用する際には、まず使用者は、包装紙30Bに設けられているミシン目32E,32Fとに沿って包装紙30Bを破る。これらのミシン目に沿って包装紙30Bを破くことにより、包装紙30Bには、図7に示したように貫通孔31Bを有する取っ手部34Aが形成される。次に使用者は、包装紙30Bに設けられているミシン目32C,32Dとに沿って包装紙30Bを破る。これらのミシン目に沿って包装紙30Bを破くことにより、包装紙30Bには、図7に示したように貫通孔31Aを有する取っ手部34Bが形成される。
【0017】
次に使用者は、包装紙30Bにおいてシート束2を包むために接着されている部位を剥し、包装紙30Bをシート束2から取り外し自在な状態にする。この後、使用者は、取っ手部34Aと取っ手部34Bとを上方に持ち上げ、図7に示したように、取っ手部34Aの端部と、取っ手部34Bの端部とを重ね、貫通孔31Aの位置と貫通孔31Bの位置とを一致させる。使用者が、この位置が一致した貫通孔31Aと貫通孔31Bとに指を通し、取っ手部34Aおよび取っ手部34Bの端部を握って上方に引上げると、シート束2が包装紙30Bにより支えられて持ち上げられる。ここでシート束2は下面と側面とが包装紙30Bにより支えられるため、使用者は、シート束2を片手で容易に持ち上げることができる。
【0018】
次に使用者は、持ち上げたシート束2を包装紙30Bと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は、長手方向に沿った両方の側面と下面とが包装紙30Bにより支えられているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、取っ手部34Aまたは取っ手部34Bのいずれか一方を上方に引上げ、包装紙30Bを用紙トレイから取り除く。これにより、シート束2のみが用紙トレイに格納されることとなる。
【0019】
以上説明したように本実施形態によれば、第1実施形態と同様にシート束を片手で容易に用紙トレイに収納することができる。
【0020】
[C.第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態について説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係るシートパッケージ1Cの外観を示した図である。図8に示したようにシートパッケージ1Cは、シート束2をシート状の包装紙30Cで包んで形成されている。
【0021】
図9は、包装紙30Cの展開図であり、シート束2を包んだ時にシートパッケージ1Cの外側となる面を示している。包装紙30Cにおいて、図9に示した二点鎖線の箇所を折り曲げ、所定の部位を接着することによりシート束2は包装紙30Cにより包まれる。
【0022】
この包装紙30Cには、包装紙30Cと同じ材質でできており、シートパッケージ1Cを持ち運ぶ際の取っ手となる取っ手部34Cと取っ手部34Dとが取り付けられている。取っ手部34Cの長手方向の一方の端部には、手の指を通すことができる大きさの矩形の貫通孔31Aが設けられており、また、取っ手部34Dの長手方向の一方の端部にも、貫通孔31Aと同じ大きさの貫通孔31Bが設けられている。取っ手部34Cにおいて、貫通孔31Aが設けられている端部と反対側の端部は、包装紙30Cにおいてシートパッケージ1Cの長手方向に沿った側面となる部分に接着されている。また、取っ手部34Dにおいて、貫通孔31Bが設けられている端部と反対側の端部は、包装紙30Cにおいてシートパッケージ1Cの長手方向に沿った側面となる部分であって、取っ手部34Cが接着されている側面とシート束2を挟んで反対側の側面となる部分に接着されている。包装紙30Cによりシート束2を包んだ際には、取っ手部34Cと取っ手部34Dは、図8に示したように、包装紙30Cに沿って折り畳まれる。
【0023】
また、包装紙30Cには、ミシン目32Aとミシン目32Bとが設けられている。ミシン目32Aとミシン目32Bは、図10に示したように、取っ手部34Cと取っ手部34Dを挟むようにして、包装紙30Cの長手方向の一方の端部からもう一方の端部にかけて長手方向に沿って設けられている。シートパッケージ1Cにおいて、包装紙30Cをこのミシン目に沿って破くことにより、包装紙30Cは、取っ手部34Cと取っ手部34Dとを有する帯状の支持部33Cと、シート束2の長手方向の端部を包む端部35A,35Bとに分割される。
【0024】
次に、図10を参照して、用紙トレイにシート束2を収納する手順について説明する。
まず使用者は、図10(a)に示したように、取っ手部34Cと取っ手部34Dにおいて貫通孔が設けられているほうの端部をシートパッケージ1Cから持ち上げる。次に使用者は、包装紙30Cに設けられているミシン目32Aとミシン目32Bとに沿って包装紙30Cを破り、包装紙30Cを、支持部33Cと端部35Aと端部35Bとに分割し、支持部33C以外の部位をシート束2から取り去る。
【0025】
使用者は、図10(b)に示したように、取っ手部34Cの端部と、取っ手部34Dの端部とを重ね、貫通孔31Aの位置と貫通孔31Bの位置とを一致させる。使用者が、この位置が一致した貫通孔31Aと貫通孔31Bとに指を通し、取っ手部34Cおよび取っ手部34Dの端部を握って上方に引上げると、シート束2が包装紙30Cにより支えられて持ち上げられる。ここでシート束2は下面と側面とが支持部33Cにより支えられるため、使用者は、シート束2を片手で容易に持ち上げることができる。
【0026】
次に使用者は、持ち上げたシート束2を支持部33Cと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は長手方向に沿った両方の側面と下面とが支持部33Cにより支えられているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、取っ手部34Cまたは取っ手部34Dのいずれか一方を上方に引上げて用紙トレイから取り除く。これにより、シート束2のみが用紙トレイに格納されることとなる。
【0027】
以上説明したように本実施形態によっても、数百枚のシートからなるシート束を片手で容易に用紙トレイに収納することができる。
【0028】
[D.第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態について説明する。図11は、本発明の第4実施形態に係るシートパッケージ1Dの外観を示した図である。シートパッケージ1Dは、シート束2をシート状の包装紙30Dで包んで形成されている。
【0029】
図12は、包装紙30Dの展開図であり、シート束2を包んだ時にシートパッケージ1Dの外側となる面を示している。包装紙30Dは、ミシン目32Aとミシン目32Bとが設けられていない点が第3実施形態に係る包装紙30Cと異なる。
【0030】
図11に示したシートパッケージ1Dを使用する際には、まず使用者は、図13(a)に示したように、取っ手部34Cと取っ手部34Dにおいて貫通孔が設けられているほうの端部をシートパッケージ1Dから持ち上げる。次に、使用者は、図13(b)に示したように、取っ手部34Cの端部と、取っ手部34Dの端部とを重ね、貫通孔31Aの位置と貫通孔31Bの位置とを一致させる。使用者が、この位置が一致した貫通孔31Aと貫通孔31Bとに指を通し、取っ手部34Cおよび取っ手部34Dの端部を握って上方に引上げると、シート束2が包装紙30Dにより支えられて持ち上げられる。ここでシート束2は包装紙30Dにより包まれているため、使用者はシート束2を片手で容易に持ち上げることができる。
【0031】
次に使用者は、包装紙30Dにおいてシート束2を包むために接着されている部位を剥し、包装紙30Dをシート束2から取り外し自在な状態にする。この後、使用者は、取っ手部34Cと取っ手部34Dとを握ってシート束2を持ち上げ、持ち上げたシート束2を包装紙30Dと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は包装紙30Dにより包まれているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、取っ手部34Cまたは取っ手部34Dのいずれか一方を上方に引上げ、包装紙30Dを用紙トレイから取り除く。これにより、シート束2のみが用紙トレイに格納されることとなる。
【0032】
以上説明したように本実施形態によっても、第3実施形態と同様にシート束を片手で容易に用紙トレイに収納することができる。
【0033】
[E.第5実施形態]
次に本発明の第5実施形態について説明する。図14(a)は、本発明の第5実施形態に係るシートパッケージ1Eの外観を示した図である。図14(a)に示したように、シートパッケージ1Eは、シート束2をシート状の包装紙30Eで包んで形成されている。
【0034】
図15は、包装紙30Eの展開図であり、シート束2を包んだ時にシートパッケージ1Eの外側となる面を示している。シート束2を包んだ包装紙30Eには、包装紙30Eと同じ材質でできた取っ手部34Eが図14(a)に示したように取り付けられる。取っ手部34Eは帯状の部材であり、長手方向の端部が台形状になっている。この台形状の端部の一部は、シートパッケージ1Eの長手方向に沿った側面に接着剤により取り付けられている。
【0035】
また、包装紙30Eには、ミシン目32Aとミシン目32Bとが設けられている。ミシン目32Aとミシン目32Bは、図14(a)に示したように、取っ手部34Eが取り付けられる位置を挟むようにして、包装紙30Eの長手方向の一方の端部からもう一方の端部にかけて長手方向に沿って設けられている。シートパッケージ1Eにおいて、包装紙30Eをこのミシン目に沿って破くことにより、包装紙30Eは、取っ手部34Eを有する帯状の支持部33Eと、シート束2の長手方向の端部を包む端部35A,35Bとに分割される。
【0036】
次に、シートパッケージ1Eを用いて用紙トレイにシート束2を収納する手順について説明する。図14(a)に示したシートパッケージ1Eを使用する際には、まず使用者は、包装紙30Eに設けられているミシン目32Aとミシン目32Bとに沿って包装紙30Eを破り、包装紙30Eを、支持部33Eと端部35Aと端部35Bとに分割し、支持部33E以外の部位をシート束2から取り去る。次に使用者は、図14(b)に示したように、取っ手部34Eと、包装紙30Eとの間に指を滑りこませ、取っ手部34Eを握ってシートパッケージ1Eを持ち上げる。ここでシート束2は下面と側面とが支持部33Eにより支えられるため、使用者は、シート束2を片手で容易に持ち上げることができる。
【0037】
次に使用者は、持ち上げたシート束2を支持部33Eと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は、長手方向に沿った両方の側面と下面とが支持部33Eにより支えられているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、包装紙30Eに接着されている取っ手部34Eのいずれか一方の端部を包装紙30Eから剥すと共に、包装紙30Eにおいて接着されている所定の部位を剥し、シート束2を取り出し自在にする。そして使用者は、取っ手部34Eを上方へ引上げて取っ手部34Eおよび包装紙30Eとを用紙トレイから取り去る。これにより、シート束2のみが用紙トレイに格納されることとなる。
【0038】
以上説明したように本実施形態によっても、数百枚のシートからなるシート束を片手で容易に用紙トレイに収納することができる。
【0039】
[F.第6実施形態]
次に本発明の第6実施形態について説明する。図16は、本発明の第6実施形態に係るシートパッケージ1Fの外観を示した図である。シートパッケージ1Fは、シート束2をシート状の包装紙30Fで包んで形成されている。包装紙30Fは、ミシン目32Aとミシン目32Bとが設けられていない点が第5実施形態に係る包装紙30Eと異なる。
【0040】
図16に示したシートパッケージ1Fを使用する際には、まず使用者は包装紙30Fにおいてシート束2を包むために接着されている部位を剥し、包装紙30Fをシート束2から取り外し自在な状態にする。この後、使用者は、取っ手部34Eを握ってシート束2を持ち上げ、持ち上げたシート束2を包装紙30Fと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は、包装紙30Fにより包まれているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、包装紙30Fに接着されている取っ手部34Eのいずれか一方の端部を包装紙30Fから剥し、取っ手部34Eを上方へ引上げて取っ手部34Eおよび包装紙30Fとを用紙トレイから取り去る。これにより、シート束2のみが用紙トレイに格納されることとなる。
【0041】
以上説明したように本実施形態によっても、数百枚のシートからなるシート束を片手で容易に用紙トレイに収納することができる。
【0042】
[G.変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
【0043】
貫通孔31A,32Aの形状は、矩形に限定されるものではなく、例えば、円や楕円、ひし形など他の形状であってもよい。
【0044】
取っ手部34C,34D,34Eの端部を包装紙に接着する際には、シートパッケージの側面ではなく、上面または下面に接着するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシートパッケージ1Aの外観図である。
【図2】シートパッケージ1A内のシート束2を説明するための図である。
【図3】包装紙30Aの展開図である。
【図4】シート束2を用紙トレイに収納する際の様子を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るシートパッケージ1Bの外観図である。
【図6】包装紙30Bの展開図である。
【図7】シート束2を用紙トレイに収納する際の様子を説明するための図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るシートパッケージ1Cの外観図である。
【図9】包装紙30Cの展開図である。
【図10】シート束2を用紙トレイに収納する際の様子を説明するための図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るシートパッケージ1Dの外観図である。
【図12】包装紙30Dの展開図である。
【図13】シート束2を用紙トレイに収納する際の様子を説明するための図である。
【図14】本発明の第5実施形態に係るシートパッケージ1Dの外観図である。
【図15】包装紙30Eの展開図である。
【図16】本発明の第6実施形態に係るシートパッケージ1Dの外観図である。
【符号の説明】
【0046】
1A〜1F・・・シートパッケージ、2・・・シート束、20・・・シート、30A〜30F・・・包装紙、31A,31B・・・貫通孔、32A〜32F・・・ミシン目、33A,33C・・・支持部、34A〜34D・・・取っ手部、35A,35B・・・端部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート束を包む包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機等の画像形成装置への用紙補給は、用紙トレイにシート束を補給することにより行われる。このシート束は、例えば、特許文献1に記載されているようにアンダーホールド式またはカートンホールド式の包みかたによって包装紙で包まれており、使用者は包装紙を破ってシート束を取り出し、取り出したシート束を用紙トレイに収納して画像形成装置にシートを補給する。
【特許文献1】特開平10−236517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さて、シート束におけるシートの枚数は一般的に500枚となっているものが市場で多く販売されており、この際、シート束の重さはA4サイズで約2kg程度、A3サイズで約4kg程度となる。シート束を用紙トレイに補給する際には、シート束を手で掴んで用紙トレイに補給するが、シート束は上述したような重さがあるため、片手でシート束の端部を持つとシート束は自重により湾曲してばらけてしまう。シート束がばらけてしまい、シート束の形状が直方体ではなくなってしまうと、シート束を用紙トレイ収めにくくなり、シートを補給するのに手間がかかってしまうという問題が生じていた。
【0004】
本発明は上述した背景の下になされたものであり、用紙トレイにシート束を収納する際、シート束をばらけさせることなく用紙トレイに収納できるようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために本発明は、矩形のシートを積層したシート束を包む包装体において、取っ手部と、前記取っ手部につらなり、少なくとも前記シート束において対向する2つの側面および前記シート束の下面を包む支持部とを有することを特徴とする包装体を提供する。
この包装体によれば、取っ手部が把持されて上方に引上げられた際、取っ手部につらなる支持部によりシート束の側面と下面とが支持されるので、シート束を運ぶ時にシート束がばらけることがない。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シート束をばらけさせることなく、シート束を用紙トレイに収納することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[A.第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るシートパッケージ1Aの外観を示した図である。シートパッケージ1Aは、シート束2をシート状の包装紙30Aで包んで形成されている。シート束2は、図2に示したように最も広い面の形状が略長方形であるシート20を所定の枚数だけ積み重ねたものである。シート20は、その表面が白の無地となっており、シート束2においては、全てのシートの角が揃っている。
【0008】
図3は、包装紙30Aの展開図であり、シート束2を包んだ時にシートパッケージ1Aの外側となる面を示している。包装紙30Aには図3に示したように、手の指を通すことができる大きさの矩形の貫通孔31A,31Bが設けられている。貫通孔31Aは、包装紙30Aの長手方向の一方の端部、貫通孔31Bは、長手方向のもう一方の端部に設けられている。なお、貫通孔31A,31Bは、包装紙30Aの短手方向においては、短手方向の略中央部に位置している。包装紙30Aにおいて、図3に示した二点鎖線の箇所を折り曲げ、所定の部位を接着することによりシート束2は包装紙30Aにより包まれ、図1に示したシートパッケージ1Aが形成される。なお、使用者がシート束2を用紙トレイに収納する際には、シートパッケージ1Aにおいて貫通孔31A,32Aが位置する面が上を向くようになるため、以下、シートパッケージ1Aにおいて貫通孔31A,32Aが位置する面を「上面」、シート束2を挟んで上面に略平行な面を「下面」、上面に略直交する面を「側面」と呼ぶ。
【0009】
また、包装紙30Aには、ミシン目32Aとミシン目32Bとが設けられている。ミシン目32Aとミシン目32Bは、図3に示したように、貫通孔31A,31Bの長手方向の端部を挟むようにして、包装紙30Aの長手方向の一方の端部からもう一方の端部にかけて長手方向に沿って設けられている。シートパッケージ1Aにおいて、このミシン目に沿って包装紙30Aを破くことにより、包装紙30Aは、貫通孔31A,31Bを有する帯状の支持部33Aと、シート束2の長手方向の端部を包む端部35A,35Bとに分割される。
【0010】
次に、図4を参照して、用紙トレイにシート束2を収納する手順について説明する。まず、シート束2を用紙トレイに収納しようとする者(以下、使用者と称する)は、包装紙30Aに設けられているミシン目32Aとミシン目32Bとに沿って包装紙30Aを破り、包装紙30Aを、支持部33Aと端部35Aと端部35Bとに分割し、図4(a)に示したように支持部33A以外の部位をシート束2から取り去る。
【0011】
次に使用者は、支持部33Aにおいて貫通孔31Aが設けられている部分と貫通孔31Bが設けられている部分とを上方に持ち上げる。使用者は、図4(a)に示したように、支持部33Aの長手方向の両端部を重ね、貫通孔31Aの位置と貫通孔31Bの位置とを一致させる。使用者が、この位置が一致した貫通孔31Aと貫通孔31Bとに指を通し、支持部33Aの両端部を取っ手として握って上方に引上げると、シート束2の長手方向に沿った両方の側面と下面とが支持部33Aにより支えられて持ち上げられる。このようにシート束2は下面と側面とが支持部33Aにより支えられるため、使用者は、シート束2を片手で容易に持ち上げることができる。
【0012】
次に使用者は、持ち上げたシート束2を支持部33Aと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は長手方向に沿った両方の側面と下面とが支持部33Aにより支えられているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、図4(b)に示したように貫通孔31Aまたは貫通孔31Bの部分を上方に引上げ、支持部33Aを用紙トレイから取り除く。これにより、シート束2のみが用紙トレイに格納されることとなる。
【0013】
以上説明したように本実施形態によれば、数百枚のシートからなるシート束を片手で容易に用紙トレイに収納することができる。
【0014】
[B.第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係るシートパッケージ1Bの外観を示した図である。シートパッケージ1Bは、第1実施形態と同様にシート束2をシート状の包装紙30Bで包んで形成されている。
【0015】
図6は、包装紙30Bの展開図であり、シート束2を包んだ時にシートパッケージ1Bの外側となる面を示している。図6に示したように包装紙30Bは、ミシン目の本数と位置とが第1実施形態と異なっている。包装紙30Bには、ミシン目32C,32D,32E,32Fとが設けられている。ミシン目32Cとミシン目32Dは、包装紙30Bの長手方向の端部であって、貫通孔31Aが設けられている側の端部に端を発している。これらのミシン目は、貫通孔31Aの長手方向の端部を挟むようにして、シートパッケージ1Bの側面になる部分まで包装紙30Bの長手方向に沿って設けられている。またミシン目32Eとミシン目32Fは、包装紙30Bの長手方向の端部であって、貫通孔31Bが設けられている側の端部に端を発している。これらのミシン目は、貫通孔31Bの長手方向の端部を挟むようにして、シートパッケージ1Bの側面になる部分まで包装紙30Aの長手方向に沿って設けられている。
【0016】
図5に示したシートパッケージ1Bを使用する際には、まず使用者は、包装紙30Bに設けられているミシン目32E,32Fとに沿って包装紙30Bを破る。これらのミシン目に沿って包装紙30Bを破くことにより、包装紙30Bには、図7に示したように貫通孔31Bを有する取っ手部34Aが形成される。次に使用者は、包装紙30Bに設けられているミシン目32C,32Dとに沿って包装紙30Bを破る。これらのミシン目に沿って包装紙30Bを破くことにより、包装紙30Bには、図7に示したように貫通孔31Aを有する取っ手部34Bが形成される。
【0017】
次に使用者は、包装紙30Bにおいてシート束2を包むために接着されている部位を剥し、包装紙30Bをシート束2から取り外し自在な状態にする。この後、使用者は、取っ手部34Aと取っ手部34Bとを上方に持ち上げ、図7に示したように、取っ手部34Aの端部と、取っ手部34Bの端部とを重ね、貫通孔31Aの位置と貫通孔31Bの位置とを一致させる。使用者が、この位置が一致した貫通孔31Aと貫通孔31Bとに指を通し、取っ手部34Aおよび取っ手部34Bの端部を握って上方に引上げると、シート束2が包装紙30Bにより支えられて持ち上げられる。ここでシート束2は下面と側面とが包装紙30Bにより支えられるため、使用者は、シート束2を片手で容易に持ち上げることができる。
【0018】
次に使用者は、持ち上げたシート束2を包装紙30Bと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は、長手方向に沿った両方の側面と下面とが包装紙30Bにより支えられているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、取っ手部34Aまたは取っ手部34Bのいずれか一方を上方に引上げ、包装紙30Bを用紙トレイから取り除く。これにより、シート束2のみが用紙トレイに格納されることとなる。
【0019】
以上説明したように本実施形態によれば、第1実施形態と同様にシート束を片手で容易に用紙トレイに収納することができる。
【0020】
[C.第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態について説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係るシートパッケージ1Cの外観を示した図である。図8に示したようにシートパッケージ1Cは、シート束2をシート状の包装紙30Cで包んで形成されている。
【0021】
図9は、包装紙30Cの展開図であり、シート束2を包んだ時にシートパッケージ1Cの外側となる面を示している。包装紙30Cにおいて、図9に示した二点鎖線の箇所を折り曲げ、所定の部位を接着することによりシート束2は包装紙30Cにより包まれる。
【0022】
この包装紙30Cには、包装紙30Cと同じ材質でできており、シートパッケージ1Cを持ち運ぶ際の取っ手となる取っ手部34Cと取っ手部34Dとが取り付けられている。取っ手部34Cの長手方向の一方の端部には、手の指を通すことができる大きさの矩形の貫通孔31Aが設けられており、また、取っ手部34Dの長手方向の一方の端部にも、貫通孔31Aと同じ大きさの貫通孔31Bが設けられている。取っ手部34Cにおいて、貫通孔31Aが設けられている端部と反対側の端部は、包装紙30Cにおいてシートパッケージ1Cの長手方向に沿った側面となる部分に接着されている。また、取っ手部34Dにおいて、貫通孔31Bが設けられている端部と反対側の端部は、包装紙30Cにおいてシートパッケージ1Cの長手方向に沿った側面となる部分であって、取っ手部34Cが接着されている側面とシート束2を挟んで反対側の側面となる部分に接着されている。包装紙30Cによりシート束2を包んだ際には、取っ手部34Cと取っ手部34Dは、図8に示したように、包装紙30Cに沿って折り畳まれる。
【0023】
また、包装紙30Cには、ミシン目32Aとミシン目32Bとが設けられている。ミシン目32Aとミシン目32Bは、図10に示したように、取っ手部34Cと取っ手部34Dを挟むようにして、包装紙30Cの長手方向の一方の端部からもう一方の端部にかけて長手方向に沿って設けられている。シートパッケージ1Cにおいて、包装紙30Cをこのミシン目に沿って破くことにより、包装紙30Cは、取っ手部34Cと取っ手部34Dとを有する帯状の支持部33Cと、シート束2の長手方向の端部を包む端部35A,35Bとに分割される。
【0024】
次に、図10を参照して、用紙トレイにシート束2を収納する手順について説明する。
まず使用者は、図10(a)に示したように、取っ手部34Cと取っ手部34Dにおいて貫通孔が設けられているほうの端部をシートパッケージ1Cから持ち上げる。次に使用者は、包装紙30Cに設けられているミシン目32Aとミシン目32Bとに沿って包装紙30Cを破り、包装紙30Cを、支持部33Cと端部35Aと端部35Bとに分割し、支持部33C以外の部位をシート束2から取り去る。
【0025】
使用者は、図10(b)に示したように、取っ手部34Cの端部と、取っ手部34Dの端部とを重ね、貫通孔31Aの位置と貫通孔31Bの位置とを一致させる。使用者が、この位置が一致した貫通孔31Aと貫通孔31Bとに指を通し、取っ手部34Cおよび取っ手部34Dの端部を握って上方に引上げると、シート束2が包装紙30Cにより支えられて持ち上げられる。ここでシート束2は下面と側面とが支持部33Cにより支えられるため、使用者は、シート束2を片手で容易に持ち上げることができる。
【0026】
次に使用者は、持ち上げたシート束2を支持部33Cと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は長手方向に沿った両方の側面と下面とが支持部33Cにより支えられているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、取っ手部34Cまたは取っ手部34Dのいずれか一方を上方に引上げて用紙トレイから取り除く。これにより、シート束2のみが用紙トレイに格納されることとなる。
【0027】
以上説明したように本実施形態によっても、数百枚のシートからなるシート束を片手で容易に用紙トレイに収納することができる。
【0028】
[D.第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態について説明する。図11は、本発明の第4実施形態に係るシートパッケージ1Dの外観を示した図である。シートパッケージ1Dは、シート束2をシート状の包装紙30Dで包んで形成されている。
【0029】
図12は、包装紙30Dの展開図であり、シート束2を包んだ時にシートパッケージ1Dの外側となる面を示している。包装紙30Dは、ミシン目32Aとミシン目32Bとが設けられていない点が第3実施形態に係る包装紙30Cと異なる。
【0030】
図11に示したシートパッケージ1Dを使用する際には、まず使用者は、図13(a)に示したように、取っ手部34Cと取っ手部34Dにおいて貫通孔が設けられているほうの端部をシートパッケージ1Dから持ち上げる。次に、使用者は、図13(b)に示したように、取っ手部34Cの端部と、取っ手部34Dの端部とを重ね、貫通孔31Aの位置と貫通孔31Bの位置とを一致させる。使用者が、この位置が一致した貫通孔31Aと貫通孔31Bとに指を通し、取っ手部34Cおよび取っ手部34Dの端部を握って上方に引上げると、シート束2が包装紙30Dにより支えられて持ち上げられる。ここでシート束2は包装紙30Dにより包まれているため、使用者はシート束2を片手で容易に持ち上げることができる。
【0031】
次に使用者は、包装紙30Dにおいてシート束2を包むために接着されている部位を剥し、包装紙30Dをシート束2から取り外し自在な状態にする。この後、使用者は、取っ手部34Cと取っ手部34Dとを握ってシート束2を持ち上げ、持ち上げたシート束2を包装紙30Dと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は包装紙30Dにより包まれているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、取っ手部34Cまたは取っ手部34Dのいずれか一方を上方に引上げ、包装紙30Dを用紙トレイから取り除く。これにより、シート束2のみが用紙トレイに格納されることとなる。
【0032】
以上説明したように本実施形態によっても、第3実施形態と同様にシート束を片手で容易に用紙トレイに収納することができる。
【0033】
[E.第5実施形態]
次に本発明の第5実施形態について説明する。図14(a)は、本発明の第5実施形態に係るシートパッケージ1Eの外観を示した図である。図14(a)に示したように、シートパッケージ1Eは、シート束2をシート状の包装紙30Eで包んで形成されている。
【0034】
図15は、包装紙30Eの展開図であり、シート束2を包んだ時にシートパッケージ1Eの外側となる面を示している。シート束2を包んだ包装紙30Eには、包装紙30Eと同じ材質でできた取っ手部34Eが図14(a)に示したように取り付けられる。取っ手部34Eは帯状の部材であり、長手方向の端部が台形状になっている。この台形状の端部の一部は、シートパッケージ1Eの長手方向に沿った側面に接着剤により取り付けられている。
【0035】
また、包装紙30Eには、ミシン目32Aとミシン目32Bとが設けられている。ミシン目32Aとミシン目32Bは、図14(a)に示したように、取っ手部34Eが取り付けられる位置を挟むようにして、包装紙30Eの長手方向の一方の端部からもう一方の端部にかけて長手方向に沿って設けられている。シートパッケージ1Eにおいて、包装紙30Eをこのミシン目に沿って破くことにより、包装紙30Eは、取っ手部34Eを有する帯状の支持部33Eと、シート束2の長手方向の端部を包む端部35A,35Bとに分割される。
【0036】
次に、シートパッケージ1Eを用いて用紙トレイにシート束2を収納する手順について説明する。図14(a)に示したシートパッケージ1Eを使用する際には、まず使用者は、包装紙30Eに設けられているミシン目32Aとミシン目32Bとに沿って包装紙30Eを破り、包装紙30Eを、支持部33Eと端部35Aと端部35Bとに分割し、支持部33E以外の部位をシート束2から取り去る。次に使用者は、図14(b)に示したように、取っ手部34Eと、包装紙30Eとの間に指を滑りこませ、取っ手部34Eを握ってシートパッケージ1Eを持ち上げる。ここでシート束2は下面と側面とが支持部33Eにより支えられるため、使用者は、シート束2を片手で容易に持ち上げることができる。
【0037】
次に使用者は、持ち上げたシート束2を支持部33Eと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は、長手方向に沿った両方の側面と下面とが支持部33Eにより支えられているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、包装紙30Eに接着されている取っ手部34Eのいずれか一方の端部を包装紙30Eから剥すと共に、包装紙30Eにおいて接着されている所定の部位を剥し、シート束2を取り出し自在にする。そして使用者は、取っ手部34Eを上方へ引上げて取っ手部34Eおよび包装紙30Eとを用紙トレイから取り去る。これにより、シート束2のみが用紙トレイに格納されることとなる。
【0038】
以上説明したように本実施形態によっても、数百枚のシートからなるシート束を片手で容易に用紙トレイに収納することができる。
【0039】
[F.第6実施形態]
次に本発明の第6実施形態について説明する。図16は、本発明の第6実施形態に係るシートパッケージ1Fの外観を示した図である。シートパッケージ1Fは、シート束2をシート状の包装紙30Fで包んで形成されている。包装紙30Fは、ミシン目32Aとミシン目32Bとが設けられていない点が第5実施形態に係る包装紙30Eと異なる。
【0040】
図16に示したシートパッケージ1Fを使用する際には、まず使用者は包装紙30Fにおいてシート束2を包むために接着されている部位を剥し、包装紙30Fをシート束2から取り外し自在な状態にする。この後、使用者は、取っ手部34Eを握ってシート束2を持ち上げ、持ち上げたシート束2を包装紙30Fと共に用紙トレイに収納する。この際、シート束2は、包装紙30Fにより包まれているため、大きく湾曲することなく、ほぼ直方体の形状のまま用紙トレイに収納される。この後、使用者は、包装紙30Fに接着されている取っ手部34Eのいずれか一方の端部を包装紙30Fから剥し、取っ手部34Eを上方へ引上げて取っ手部34Eおよび包装紙30Fとを用紙トレイから取り去る。これにより、シート束2のみが用紙トレイに格納されることとなる。
【0041】
以上説明したように本実施形態によっても、数百枚のシートからなるシート束を片手で容易に用紙トレイに収納することができる。
【0042】
[G.変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
【0043】
貫通孔31A,32Aの形状は、矩形に限定されるものではなく、例えば、円や楕円、ひし形など他の形状であってもよい。
【0044】
取っ手部34C,34D,34Eの端部を包装紙に接着する際には、シートパッケージの側面ではなく、上面または下面に接着するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシートパッケージ1Aの外観図である。
【図2】シートパッケージ1A内のシート束2を説明するための図である。
【図3】包装紙30Aの展開図である。
【図4】シート束2を用紙トレイに収納する際の様子を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るシートパッケージ1Bの外観図である。
【図6】包装紙30Bの展開図である。
【図7】シート束2を用紙トレイに収納する際の様子を説明するための図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るシートパッケージ1Cの外観図である。
【図9】包装紙30Cの展開図である。
【図10】シート束2を用紙トレイに収納する際の様子を説明するための図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るシートパッケージ1Dの外観図である。
【図12】包装紙30Dの展開図である。
【図13】シート束2を用紙トレイに収納する際の様子を説明するための図である。
【図14】本発明の第5実施形態に係るシートパッケージ1Dの外観図である。
【図15】包装紙30Eの展開図である。
【図16】本発明の第6実施形態に係るシートパッケージ1Dの外観図である。
【符号の説明】
【0046】
1A〜1F・・・シートパッケージ、2・・・シート束、20・・・シート、30A〜30F・・・包装紙、31A,31B・・・貫通孔、32A〜32F・・・ミシン目、33A,33C・・・支持部、34A〜34D・・・取っ手部、35A,35B・・・端部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形のシートを積層したシート束を包む包装体において、
取っ手部と、
前記取っ手部につらなり、少なくとも前記シート束において対向する2つの側面および前記シート束の下面を包む支持部と
を有することを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記2つの側面は、前記シート束の長手方向に沿った側面であることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記支持部が帯状であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装体。
【請求項4】
前記包装体は、前記シート束の短手方向に沿った側面の周に沿ってミシン目を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の包装体。
【請求項5】
前記包装体は、所定の距離をおいて2本の前記ミシン目を有し、前記支持部は、この2本のミシン目の間の帯状の部位に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の包装体。
【請求項6】
前記シート束を請求項1乃至5のいずれかに記載の包装体で包んだシートパッケージ。
【請求項1】
矩形のシートを積層したシート束を包む包装体において、
取っ手部と、
前記取っ手部につらなり、少なくとも前記シート束において対向する2つの側面および前記シート束の下面を包む支持部と
を有することを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記2つの側面は、前記シート束の長手方向に沿った側面であることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記支持部が帯状であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装体。
【請求項4】
前記包装体は、前記シート束の短手方向に沿った側面の周に沿ってミシン目を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の包装体。
【請求項5】
前記包装体は、所定の距離をおいて2本の前記ミシン目を有し、前記支持部は、この2本のミシン目の間の帯状の部位に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の包装体。
【請求項6】
前記シート束を請求項1乃至5のいずれかに記載の包装体で包んだシートパッケージ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−69573(P2006−69573A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252413(P2004−252413)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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