説明

包装体

【課題】コストを低減し、資源が節約できる包装体を提供する。
【解決手段】包装体1が、筒状を呈し、内部に物品を収納するための空間Sが形成される主体部2と、この主体部2の両端開口に取り付けられ、前記開口を封止する封止部3とを有し、前記主体部2が紙材料より形成され、前記封止部3が熱可塑性の合成樹脂フィルムから形成

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等を一つあるいは複数包装するための包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の物品は、一つあるいは複数が包装体により包装されて販売されており、包装体は熱可塑性の合成樹脂からなるフィルムにより形成されている。(特許文献1)
【0003】
包装体は筒状を呈し、内部に物品を収納するための空間が形成されており、その両端開口はヒートシール等により封止されている。
【特許文献1】特開2005−178827号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示される包装体は、全体が熱可塑性の合成樹脂フィルムより形成され、この合成樹脂フィルムは強度を持たせるために比較的厚手のフィルムが使用されており、材料コストが高いという問題を有している。また、石油原料を用いているため、資源節約の面でも問題を有している。
【0005】
本発明の目的は、コストを低減し、資源の節約にも貢献する包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の包装体は、筒状を呈し、内部に物品を収納するための空間が形成される主体部と、この主体部の両端開口に取り付けられ、前記開口を封止する封止部とを備えた包装体において、前記主体部が紙材料より形成され、前記封止部が熱可塑性の樹脂フィルムから形成される包装体である。
【0007】
本発明によれば、主体部を紙で形成しているため、材料コストを低減することができる。また、樹脂フィルム部の部分を少なくすることができ、資源の節約をすることもできる。
【0008】
本発明の包装体においては、前記紙材料が故紙を原料とすることが好ましい。
本態様によれば、さらに資源の節約をすることができる。
【0009】
本発明の包装体においては、封止部が熱融着により封止されることが好ましい。
本態様によれば、物品の製造ライン中に包装工程を実行することができ、大量生産にも対応することができる。
【0010】
本発明の包装体においては、前記主体部の表面に防水または撥水処理が施されることが好ましい。
本態様によれば、外部からの水の飛散等により内部の物品に水分が浸透することが防止でき、物品の品質を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきではない。本発明の範囲は請求の範囲のみによって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
【0012】
実施例1:
以下、本発明の実施例が図面にしたがって説明される。
【0013】
図1は包装体の展開状態を示す。
【0014】
包装体1は主体部2およびその両端に配置された一対の封止部3,3からなる。主体部2と封止部3,3とは接着剤、ヒートシール等の公知の手段により接合部4,4にて接合されている。接合部4,4は包装体1の廃却時に分別を容易とするため、主体部2と封止部3,3とを分離可能とするように接合されていても良い。
【0015】
主体部2は紙材料より形成されている。この紙材料は、故紙を原料として再利用したものであってもよい。これにより、合成樹脂材料の使用を削減でき、コストを低減するとともに資源を節約することができる。
また、主体部2の一方の面には撥水処理あるいは防水処理が施されていてもよい。
これにより、包装体1により包装される物品を外部からの水の飛散等から保護することができる。
【0016】
封止部3,3はポリエステル系合成樹脂、ポリアクリロニトリル系合成樹脂、ポリ塩化ビニル系合成樹脂、ポリエチレン系合成樹脂、ポリプロピレン系合成樹脂、ポリスチレン系合成樹脂等の熱可塑性樹脂フィルムより形成され、これにより、封止部3,3はヒートシール、ソニックシール等の公知の熱融着手段により封止することができる。
【0017】
図2は内部に物品を収納した状態の包装体1の外観を示す。
【0018】
包装体1は、封止部3,3が主体部2の開口を覆い対向する位置となるように略筒状に変形加工され、その主体部2内部に物品Aを収納するための空間Sが形成される。空間Sに収容される物品Aは一つでも複数でもよい。
また、主体部2の外側表面には収容物品Aの内容が判る図柄やその他の表示が印刷されていても良い。
【0019】
物品Aは使い捨ておむつや生理用ナプキンであり、尿や経血を吸収するための吸収体を透液性のトップシートと不透液性のバックシートで挟み込んだ公知の構成を有し、各物品Aが折り畳まれた状態で収納されている。
【0020】
各封止部3,3は主体部2の開口を覆うように配置され、主体部2への接合部4とは反対側端部の融着部5,5で熱融着により封止されている。この封止部3,3の封止工程は、熱融着により行なわれるので、インラインすなわち物品Aの製造工程の一部として実行することができる。
これにより、大量生産に対応することができる。
【0021】
この場合、主体部2と封止部3,3とは予め接合された状態で製造ラインに供給されても良いし、製造ライン上で接合されても良い。主体部2と封止部3,3とが予め接合された状態で供給される場合には、原反ロールの幅方向両側に封止部3,3が接合されたものを使用する。また、製造ライン上で主体部2と封止部3,3とを接合する場合には、主体部2の原反から供給された主体部2用ウエブの幅方向両側に封止部3用のウエブを接合する工程が含まれる。
【0022】
封止部3,3を封止するに際して、包装体の側部にはガゼット6を形成しても良い。また、封止部3,3は透明なフィルムであっても良いし、不透明であっても良く、適宜図柄が印刷されていても良い。さらに、封止部3,3に開封を容易とするミシン目等の破断部を形成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、たとえば、使い捨ておむつや生理用ナプキンの包装体として適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例にかかる包装体の展開図である。
【図2】本発明の実施例にかかる包装体により物品を包装した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1:包装体
2:主体部
3:封止部
4:接合部
5:融着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状を呈し、内部に物品を収納するための空間が形成される主体部と、この主体部の両端開口に取り付けられ、前記開口を封止する封止部とを備えた包装体において、前記主体部が紙材料より形成され、前記封止部が熱可塑性の樹脂フィルムから形成される包装体。
【請求項2】
前記紙材料が故紙を原料とする請求項1記載の包装体。
【請求項3】
前記封止部が熱融着により封止される請求項1または2記載の包装体。
【請求項4】
前記主体部の表面に防水または撥水処理が施される請求項1乃至3記載の包装体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−18959(P2008−18959A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−191454(P2006−191454)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(591040708)株式会社瑞光 (78)
【Fターム(参考)】