説明

包装容器用ラベル

【課題】薬品等の容器内の内容物を他の複数の容器に小分けしたときに、その内容物の管理を容易に行うことができる包装容器用ラベルを提供する。
【解決手段】包装容器に巻き付けられる本体ラベルと、その本体ラベルの巻き付け端部の外周面に重なるように積層され、かつ上下方向において多段状にかつ横向きに配置された複数の分離ラベルを備えた分離ラベル群パーツとを備え、分離ラベルは互いに分離可能に連結され、各分離ラベルの裏面には、本体ラベルの外周面に分離ラベル群パーツを貼着して保持する粘着層を有し、その粘着層は本体ラベルから剥離されてその包装容器とは別異の他の対象物に再貼着可能な弱粘着性を有し、各分離ラベルの外端部には、粘着性を有しないかまたは減殺された非粘着性を裏面に備えたつまみ部を備え、つまみ部を使用者が指でつまんで操作力を加えることにより、分離ラベル群パーツにおいて各分離ラベルを他の分離ラベルから分離するとともに、本体ラベルから剥離可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器の外周面に巻き付けられるように貼付される包装容器用ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
患者に施用される医薬や医療器具に患者と施用情報の照合を行えるバーコード付きラベルを貼付し、施用直前に患者と医薬情報を確認することにより医薬の過った施用を防止するとともに、このラベルを患者別、施用別に区分保管された医薬用袋に貼付することにより医薬の施用の間違いを防止する医薬施用管理方法が考案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−173810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、医薬の施用の間違いを防止することはできるが、薬品を複数の容器に小分けしたときの管理を行うことができないという問題がある。
【0005】
上記問題を背景とし、本発明の課題は、薬品等の容器内の内容物を他の複数の容器に小分けしたときに、その内容物の管理を容易に行うことができる包装容器用ラベルを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の包装容器用ラベルは、
包装容器の外周面に巻き付けられるように貼付される包装容器用ラベルであって、包装容器に巻き付けられる本体ラベルと、その本体ラベルの巻き付け端部の外周面に重なるように積層され、かつ上下方向において多段状にかつ横向きに配置された複数の分離ラベルを備えた分離ラベル群パーツとを備え、
その分離ラベル群パーツにおける、多段状に配置された複数の分離ラベルは互いに分離可能に連結され、かつ各分離ラベルの裏面には、本体ラベルの外周面に分離ラベル群パーツを貼着して保持する粘着層を有し、その粘着層は本体ラベルから剥離されてその包装容器とは別異の他の対象物に再貼着可能な弱粘着性を有し、
かつ、各分離ラベルの外端部には、粘着性を有しないかまたは減殺された非粘着性を裏面に備えたつまみ部を備え、このつまみ部を使用者が指でつまんで操作力を加えることにより、分離ラベル群パーツにおいて各分離ラベルを他の分離ラベルから分離するとともに、本体ラベルから剥離可能としたことを特徴とする。
【0007】
上記構成によって、分離ラベルを本体ラベルから容易に分離・剥離することが可能となり、薬品等の容器内の内容物を他の複数の容器に小分けしたときに、その内容物の管理を容易に行うことができる。
【0008】
また、本発明の包装容器用ラベルは、分離ラベル群パーツにおいて上下方向に多段状にかつ横向きに配置された複数の分離ラベルは、上下方向に並ぶもの同士が互いに横方向に形成されたミシン目を連結部として連結され、複数本の該ミシン目が多段の分離ラベルを区画する境界とされており、その分離ラベル群パーツにおけるすべての分離ラベルがミシン目において分断され、本体ラベルから剥離された状態においては、本体ラベルの外周面には分離ラベル群パーツの残部は一切残らず、その本体ラベルの外周面が露出する。
【0009】
上記構成によって、分離ラベルを分離し易くなるとともに、分離ラベルを分離した後の、ラベルの外観上の見栄えも悪化しない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】包装容器用ラベルの表面図。
【図2】図1の包装容器用ラベルの本体ラベルのみを示した図。
【図3】図1の分離ラベル群パーツの裏面図。
【図4】図1の包装容器用ラベルの断面図。
【図5】図1の包装容器用ラベルを包装容器に貼付した例を示す図。
【図6】図5の包装容器の底面から見た断面図。
【図7】包装容器用ラベルの表面図(変形例)。
【図8】図7の包装容器用ラベルの断面図(変形例)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明にかかる包装容器用ラベル1の実施形態の表面図を示す。図2に、図1の包装容器用ラベル1において、分離ラベル群パーツ5を分離した状態を示す。また、図3に、分離ラベル群パーツ5の裏面図を示す。また、図4に、図1の包装容器用ラベル1の分離ラベル3における断面図を示す。
【0012】
包装容器用ラベル1は、例えば紙やポリエステル系等の合成樹脂シート、合成紙などで形成されている。包装容器用ラベル1は、包装容器10(図5参照)の外周面に巻き付けられるように貼付される本体ラベル2と、本体ラベル2の巻き付け端部の外周面に重なるように積層された分離ラベル群パーツ5を含んで構成される。
【0013】
本体ラベル2の表面(表面層2a)には、例えば、薬剤情報が印刷されている。また、裏面には、包装容器10に貼り付けるための粘着層2bが形成されている。分離ラベル群パーツ5は、上下方向において多段状にかつ横向きに配置された複数の分離ラベル3を備えている。
【0014】
図1のように、分離ラベル3は、上下方向に並ぶもの同士が互いに横方向に形成されたミシン目6を連結部として連結され、複数本のミシン目6が多段の分離ラベル3を区画する境界とされており、その分離ラベル群パーツ5におけるすべての分離ラベル3がミシン目6において分断されるようになっている。また、個々の分離ラベル3には、例えば、薬剤情報が印刷された表示部31と、本体ラベル2からの分離を容易とするために、上下方向において多段状に整列して配置されたつまみ部32が設けられている。
【0015】
また、図3のように、各分離ラベル3の裏面には、本体ラベルの外周面に分離ラベル群パーツ5を貼着して保持する粘着層31aを有し、粘着層31aは本体ラベル2から剥離されて包装容器10とは別異の他の対象物に再貼着可能な弱粘着性を有している。また、分離ラベル3のつまみ部32の裏面には、例えばシリコンの微細粉末が塗布されたシリコン層を含んで形成される、粘着性を有しないかまたは減殺された非粘着性を備えた粘着力低減層32aが形成されている。
【0016】
図5に、図1の包装容器用ラベル1を包装容器10に貼り付けた状態の正面図を示す。図6に、図5における包装容器10の底面から見た断面図を示す。図5,図6のように、つまみ部32の裏面に粘着力低減層32aが形成されているため、使用者は、分離ラベル3を分離ラベル群パーツ5から容易に分離して、包装容器10から剥がすことができる。なお、図6において、粘着層31aは包装容器10に完全に貼り付いていないように描かれているが、説明のため粘着力低減層32aを強調しているためで、実際には粘着層31aは包装容器10にほぼ完全に貼り付いている。
【0017】
包装容器10から、別の容器に内容物の一部を移す(いわゆる「小分けする」)とき、分離ラベル群パーツ5の最上部の分離ラベル3のつまみ部32を、使用者が指でつまんで操作力を加えることにより、分離ラベル群パーツ5において該分離ラベル3を他の分離ラベルから分離するとともに、本体ラベル2から剥離可能となる。使用者は、切り離した分離ラベル3を別の容器に貼り付ける。このとき、分離ラベル3が本体ラベル2から剥離された状態においては、本体ラベル2の外周面には分離ラベル群パーツ5の残部は一切残らず、本体ラベル2の外周面が露出する(図2参照)。
【0018】
図7,図8を用いて、本発明にかかる包装容器用ラベル1の別構成例を説明する。本実施例は、図1〜図6の構成の変形例であるため、図1〜図6の構成と異なる点のみ述べる。図7に、本実施例における包装容器用ラベル1の構成を示す。また、図8に、図7の包装容器用ラベル1の断面図を示す。図7,図8のように、包装容器用ラベル1の、本体ラベル2の表面層2aの分離ラベル群パーツ5に対向する面には、例えばシリコンの微細粉末が塗布されたシリコン層を含んで形成される粘着力低減層7が形成されている。また、つまみ部32の裏面には、粘着層31aが形成され、粘着力低減層32aは形成されていない。
【0019】
分離ラベル群パーツ5は、粘着力低減層7の上に貼り付けられるので、使用者は、つまみ部32の裏面に粘着力低減層32aが形成されていなくても、分離ラベル3を比較的容易に切り離すことができる。無論、図7,図8の構成で、つまみ部32の裏面に粘着力低減層32aを形成してもよい。
【0020】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。例えば、本発明のラベルは、錠剤、カプセル、細粒、顆粒、散剤、液剤などの医薬品や、医薬品以外の内容物を収納した容器(例えば多角形状の容器でも)に適用してもよい。
【符号の説明】
【0021】
1 包装容器用ラベル
2 本体ラベル
3 分離ラベル
5 分離ラベル群パーツ
6 ミシン目
7 粘着力低減層
10 包装容器
31 表示部
31a 粘着層
32 つまみ部
32a 粘着力低減層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装容器の外周面に巻き付けられるように貼付される包装容器用ラベルであって、
前記包装容器に巻き付けられる本体ラベルと、
その本体ラベルの巻き付け端部の外周面に重なるように積層され、かつ上下方向において多段状にかつ横向きに配置された複数の分離ラベルを備えた分離ラベル群パーツとを備え、
その分離ラベル群パーツにおける、多段状に配置された複数の分離ラベルは互いに分離可能に連結され、かつ各分離ラベルの裏面には、前記本体ラベルの外周面に前記分離ラベル群パーツを貼着して保持する粘着層を有し、その粘着層は前記本体ラベルから剥離されてその包装容器とは別異の他の対象物に再貼着可能な弱粘着性を有し、
かつ、前記各分離ラベルの外端部には、粘着性を有しないかまたは減殺された非粘着性を裏面に備えたつまみ部を備え、このつまみ部を使用者が指でつまんで操作力を加えることにより、前記分離ラベル群パーツにおいて前記各分離ラベルを他の分離ラベルから分離するとともに、前記本体ラベルから剥離可能としたことを特徴とする包装容器用ラベル。
【請求項2】
前記分離ラベル群パーツにおいて上下方向に多段状にかつ横向きに配置された複数の分離ラベルは、上下方向に並ぶもの同士が互いに横方向に形成されたミシン目を連結部として連結され、複数本の該ミシン目が多段の分離ラベルを区画する境界とされており、その分離ラベル群パーツにおけるすべての分離ラベルが前記ミシン目において分断され、前記本体ラベルから剥離された状態においては、前記本体ラベルの外周面には前記分離ラベル群パーツの残部は一切残らず、その本体ラベルの外周面が露出する請求項1に記載の包装容器用ラベル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−10704(P2011−10704A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155090(P2009−155090)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(591037476)株式会社岩田レーベル (32)
【Fターム(参考)】