説明

包装容器

【課題】本発明の目的は、簡易に製造することが可能であり、意匠性及び防犯性に優れた包装容器を提供することにある。
【解決手段】樹脂シートを所定形状に形成して、所定位置を折り曲げることにより成型される包装容器に関する。
包装容器1は、被包装品の出し入れを行う蓋部14と、蓋部14の天面14Aと略対向して配設される底面部T1と、蓋部14の天面14Aと底面部T1との間を連結する側面部11,12と、を有して構成されており、蓋部14の天面14Aの形状は、底面部T1の形状とは異なる形状で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器に係り、特に、両底面の形状の異なる意匠性の高い包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、紙、合成樹脂等を使用した包装容器が市場において使用されており、これら包装容器の強度を上げるとともに、意匠性を高め、商品価値を上げる技術が様々に提案されている。
特に、重量物を内挿するための包装容器においては、底面部分の強度が必要である。
また、陳列方法の制限を少なくするための工夫も必要であるとともに、防犯上の問題をも解決する必要もある。
【0003】
例えば、天面及び底面に再封性を持たせた差込みを有する角筒形状の包装容器が一般的に知られているが(所謂、一般的な有底・有天筺体)、これらの包装容器の意匠性を高めて商品価値を上げための技術が開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
特許文献1には、角筒状容器が開示されている。
特許文献1に係る角筒状容器の側面は三次元に湾曲しており、単なる角柱状の包装容器に比して意匠性が向上している。
また、特許文献2には、同様に包装容器が開示されている。
特許文献2に係る包装容器は、両底面が略楕円形状の有天・有底の筒体であり、その側面は、両底面の外周に沿って湾曲している。
つまり、枕型に膨らむ形状を有している。
このため、単なる角柱状の包装容器に比して意匠性が向上する。
【0005】
【特許文献1】特開2004−160965号公報
【特許文献2】実登第3032550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載の包装容器は、意匠性には優れるが、その構造上、天面及び底面の両者共に簡易に開封することができる。
よって、強度的な問題から、内部に重量の大きい製品を配設することが困難である。
また、このような強度の問題のため、横置き載置用にすれば、商品陳列の選択肢が限定される。
更に、底面が簡易に開封できることにより、内部の商品を底面から容易に抜き取ることが可能となるため、防犯上も好ましくない。
【0007】
更に、特許文献1の包装容器は、製造に手間がかかるため、製造コストが上昇するとともに生産性が良好ではない。
また、特許文献1及び特許文献2に係る包装容器は、意匠的にも一般的に想定できる範囲内であり、より、意匠性の高い包装容器の開発が望まれていた。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡易に製造することが可能であり、意匠性及び防犯性に優れた包装容器を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、強度の高い自立型であり、商品陳列の選択肢を制限することのない包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、請求項1に記載の包装容器によれば、シートを所定形状に形成して、所定位置を折り曲げることにより成型される包装容器であって、該包装容器は、被包装品の出し入れを行う蓋部と、該蓋部の天面と略対向して配設される底面部と、前記蓋部の前記天面と前記底面部との間を連結する側面部と、を有して構成されており、前記蓋部の前記天面の形状は、前記底面部の形状とは異なる形状で形成されていることにより解決される。
【0010】
このように、本発明に係る包装容器によれば、蓋部の天面と底面部との形状が異なるように構成されている。
このため一般的な円筒状、楕円筒状、角筒状の包装容器に比して、意匠性の高い斬新な包装容器を提供することができる。
よって、包装容器の商品価値を高めることができる。
【0011】
このとき、請求項1に係る包装容器において、前記底面部の形状は略円形若しくは略楕円形状であり、前記蓋部の前記天面の形状は、略多角形状であるよう構成されていると好適である。
このように、本発明に係る包装容器は、蓋部天面の形状は、複数の頂点を有する略多角形状に構成されているとともに、底面は、湾曲線で構成される略円形状若しくは略楕円形状に形成されている。
このため、直線を主要構成とする蓋部天面と、曲線を主要構成とする底面部が共存した意匠性の高い新規な形状の包装容器を実現することができ、意匠性が高まるとともに、包装容器の商品価値がより向上する。
【0012】
更に、このとき、請求項1に係る包装容器において、前記底面部の形状は略円形若しくは略楕円形状であるとともに、前記蓋部の前記天面の形状は略多角形状であり、前記側面部の前記天面側の開口の一の最長対角線と、前記側面部の前記底面部側の開口の最長径は略平行となるように配設され、前記側面部には、該側面部の前記天面側の開口の一の最長対角線の両端の頂点と、前記側面部の前記底面部側の開口の最長径の両端点とを結ぶ折り曲げ線が形成されるとともに、前記側面部の前記天面側の開口の他の頂点から前記底面部方向に垂下する鉛下屈曲線が、前記底面部に達しない位置まで形成されていると好適である。
【0013】
また、このとき、前記側面部には、前記側面部の前記天面側の開口の前記他の頂点から前記底面部方向に垂下する前記鉛下屈曲線の前記底面部側端点と、前記側面部の前記底面部側の開口の前記最長径の両端点のうちの距離が近い方の端点とを結ぶ湾曲線が形成されていると好適である。
【0014】
本発明に係る包装容器は、前述の通り、蓋部天面の形状は、複数の頂点を有する略多角形状に構成されているとともに、底面は、湾曲線で構成される略円形状若しくは略楕円形状に形成されている。
このように、直線を主要構成とする蓋部天面と、曲線を主要構成とする底面部が共存するため、安定した形状を簡易に作成するためには、側面部に形状を規定する補助の折り曲げ線、必要によっては折り曲げ線に加えて補助となる湾曲線が必要となる。
よって、本発明においては、側面部の天面側の開口の一の最長対角線の両端の頂点と、側面部の底面部側の開口の最長径の両端点とを結ぶ折り曲げ線が形成されるとともに、側面部の天面側の開口の他の頂点から底面部方向に垂下する折り曲げ線の底面部側端点と、側面部の底面部側の開口の最長径の両端点のうちの距離が近い方の端点とを結ぶ湾曲線が、補助線として形成されている。
このため、本発明に係る包装容器を立体的に形成したとき、側面部は、これら補助線に沿って屈曲するとともに湾曲線に沿って湾曲し、蓋部の天面の略多角形状と底面部の略円形状若しくは略楕円形状の形状相違を吸収して、安定した立体形状が維持される。
つまり、立体形状に組み立てるのみで、側面部は簡易に折り曲げ線に沿って屈曲するとともに湾曲線に沿って湾曲し、蓋部の天面と底面部の形状の異なる包装容器が容易に安定した状態で形成される。
【0015】
また、本発明に係る包装容器は、前記底面部は、前記側面部の一部と連結された閉塞型であると好適である。
更に、前記底面部の外周部には、該外周部より下部方向へ立ち下がる接合部が形成されており、該接合部の外側面と前記側面部の内側の面とが接着されていると好適である。
【0016】
このように本発明に係る包装容器は、底面部が側面部に固着された閉塞型である。
よって、一般的な上下底面が開封可能な容器に比して、耐荷重強度が高くなるとともに、底から製品を抜かれるといった犯罪を防止することができる。
よって、本発明によれば、高い強度及び防犯性を備える包装容器を提供することができる。
【0017】
このとき、前記底面部の正中線は正中折り曲げ線となっており、前記底面部及び前記接合部は、前記正中折り曲げ線が上部方向へ向けて山折りされて畳まれた状態で、前記側面部に差し込まれるとともに、前記接合部と前記側面部の前記底面部側の開口端部内側の面とが接着されており、前記正中折り曲げ線の折り目を折れていない状態に復帰させることにより、前記底面部と前記接合部の境界線が屈曲して前記底面部の外周部より下部方向へ立ち下がり、前記底面が下部方向へ張り出した湾曲面に形成されると好適である。
【0018】
このように構成されていることにより、立体的に組み立てる際に、煩雑な接着作業や底面作成作業が不要であり、単に正中折り曲げ線で折り畳んだ底面部及び接合部を側面部に差し込んで接着し、この折り畳んだ正中線を復帰させるのみで、底面が下部方向へ張り出して湾曲面に形成される。
よって、本発明に係る包装容器は、簡易に組み立てることができる。
【0019】
また、このとき、前記底面部と前記接合部の境界線が屈曲して前記底面部の外周部より下部方向へ立ち下がった接合部と、該接合部に接着された前記側面部の前記底面部側の開口端部とが足部となって自立可能となると好適である。
このように構成されていることにより、本発明に係る包装容器は、展示方法の選択肢が広がり、用途が制限されることがない。
【0020】
なお、本発明に係る包装容器は、例えば打抜き成型により樹脂シートを所定形状に形成して、折り曲げ成型により立体形状加工する形態である。
このため、真空成型による加工に比して、大掛かりな真空成型装置が不要であるとともに、形状毎に必要となる金型を作成するためのコストも削減できる。
更に、同時に大量の製品を成型することができるため、製造コストを低減することができる。
【0021】
また、真空成型品では、輸送及び廃棄の際に、二次元上に潰すことができないため、輸送の際には容積が大きくなるとともに、廃棄し難いという問題点があるが、本発明に係る包装容器は、もともと展開図形状を立体的に組み立てたものであるため、輸送時や廃棄時には、容易に畳み込んでコンパクトな状態とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る包装容器は、簡易に製造することが可能であるとともに、蓋部の天面及び底面部の形状が異なっており、従来の包装容器に比して意匠性の極めて高い斬新なものとなっている。
このため、商品価値が高い包装容器を提供することができる。
また、底面部は閉塞構造となっているため、耐荷重強度に優れるとともに、底から商品を抜き取るといった犯罪を有効に防止することができる。
よって、強度及び防犯性の高い包装容器を提供することができる。
また、強度の高い自立型であり、商品陳列の選択肢を制限することのない包装容器を提供することができる。
更に、真空成型品に比して製造コストを抑えることができるとともに、輸送時や廃棄時には、容易に畳み込んでコンパクトな状態とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
本実施形態は、簡易に製造することが可能であり、意匠性及び防犯性に優れた包装容器に関するものである。
また、本実施形態に係る包装容器は、強度の高い自立型であり、商品陳列の選択肢を制限することがないことを特徴とする。
【0024】
図1乃至図14は本発明の一実施形態を示す図である。
図1乃至図6は本発明の第1の実施形態を示す図であり、図1は第1包装容器の展開図、図2及び図3は第1包装容器の組み立て状態を示す説明図、図4は第1包装容器の各面図、図5は第1包装容器の斜視図、図6は第1包装容器の底面部を示す部分斜視図である。
【0025】
また、図7乃至図9は本発明の第2の実施形態を示す図であり、図7は第2包装容器の展開図、図8は第2包装容器の各面図、図9は第2包装容器の斜視図である。
【0026】
更に、図10乃至図14は本発明の第3実施形態を示す図であり、図10は第3包装容器の展開図、図11は第3包装容器の組み立て状態を示す説明図、図12は第3包装容器の各面図、図13は第3包装容器の斜視図、図14は第3包装容器の底面部を示す部分斜視図である。
【0027】
(第1の実施形態)
図1乃至図6により、第1包装容器1の構造を説明する。
本実施形態に係る第1包装容器1は、内部が製品配設用の空洞となった紙製の包装容器である。
ただし、この第1包装容器1の材質は、紙に限られることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、どのようなものが選択されてもよい。例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等の一般的合成樹脂により形成されていてもよい。
【0028】
図1に示すように、本実施形態に係る第1包装容器1は、第1裏面部11、第1表面部12、第1底部13、第1蓋部14、第1フラップ15,16を有して構成されている。
本実施形態に係る第1裏面部11は、略矩形状の面であり、略Y字形状の屈曲線が押型されている。
この第1裏面部11及び第1表面部12とで側面部を構成する。
【0029】
屈曲線は、上部側(第1蓋部14が形成される側)の短辺の中点から、第1裏面部11の重心点付近まで垂下される鉛下屈曲線L11と、この鉛下屈曲線L11の端点から、長辺へ向かい(つまり両端へ向かい)上に突に湾曲しながら伸びる2本の湾曲線L12,L13とで構成されている。
この第1裏面部11が、第1包装容器1の裏側側面となる。
なお、第1裏面部11の長辺側には、糊代G1が形成されている。
【0030】
また、本実施形態に係る第1表面部12は、第1裏面部11と連続して形成される略矩形の面である。
この第1表面部12は、折り曲げ線M1に対して第1裏面部11と線対称となるように構成されており、第1裏面部11に形成された屈曲線と同じ構成の屈曲線が形成されている。
つまり、鉛下屈曲線L14と2本の湾曲線L15,L16とで略Y字形状が形成された屈曲線が押型されている。
この第1表面部12が、第1包装容器1の表側側面となる。
【0031】
本実施形態に係る第1底部13は、第1裏面部11の下部側(湾曲線L12,L13の端点側)に延出している面である。
なお、この第1裏面部11と第1底部13との境界線を、「折り曲げ線M2」と記す。
この第1底部13の中央には、折り曲げ線M3が、折り曲げ線M2と平行に押型されている。
【0032】
また、この折り曲げ線M3を囲うように、略円弧状の折り曲げ線M4及び折り曲げ線M5が押型されている。
つまり、略円弧状の折り曲げ線M4及び折り曲げ線M5により略楕円形状の折り曲げ線が形成されるとともに、折り曲げ線M3は、この折り曲げ線M4及び折り曲げ線M5により形成される略楕円形状の折り曲げ線の長軸となっている。
なお、この折り曲げ線M3が「正中折り曲げ線」に相当する。
【0033】
この折り曲げ線M4及び折り曲げ線M5により形成された略楕円形状の面は、第1包装容器1の底面となる。以下、この折り曲げ線M4及び折り曲げ線M5により形成された略楕円形状の面を「第1包装容器底面T1」と記す。
なお、この略円弧状の折り曲げ線M4及び折り曲げ線M5により囲まれた略楕円形状部分の第1包装容器底面T1が「底面部」に相当する。
また、第1底部13のうち、第1包装容器底面T1以外の部分(つまり、折り曲げ線M4及び折り曲げ線M5により形成された略楕円形状の面の外側の部分)は、立体成型時に内部に折り込まれて、第1裏面部11及び第1表面部12の下部側短辺近傍に接着されて、第1包装容器1が自立するための足部分となる。
この部分が「接合部」に相当する。
【0034】
本実施形態に係る第1蓋部14は、略矩形状の面であり、天面部14A及び差込み部14Bを有して構成されている。
天面部14Aは、第1表面部12の上部側と連続しており、この連続側と対向する辺からは略矩形状の差込み部14Bが延出している。
【0035】
以下、天面部14Aと第1表面部12との境界線を「折り曲げ線M6」と記し、天面部14Aと差込み部14Bとの境界性を「折り曲げ線M9」と記す。
この第1蓋部14は、第1包装容器1の蓋となる部分であり、天面部14Aは第1包装容器1の天面となり、差込み部14Bは蓋の差込み固定片となる。
【0036】
本実施形態に係る第1フラップ15,16は、略矩形状の面である。
第1フラップ15,16は、第1裏面部11の上部側及び第1表面部12の上部側と各々連続している。
以下、第1フラップ15と第1裏面部11との境界線を「折り曲げ線M7」と記し、第1フラップ16と第1表面部12との境界線を「折り曲げ線M8」と記す。
【0037】
次いで、図2及び図3により、第1包装容器1の組み立て状態を説明する。
図2(a)に示すように、まず、第1底部13を、折り曲げ線M2から谷折りするとともに、折り曲げ線M3から山折りにする。
また、第1底部13のうち、第1包装容器底面T1以外の部分(つまり、折り曲げ線M4及び折り曲げ線M5により形成された略楕円形状の面の外側の部分:以下「接合部U1」と記す)、及び糊代G1に接着剤を塗布する。
【0038】
この状態で、折り曲げ線M1を中心に第1裏面部11及び第1表面部12を合わせるように折り、糊代G1に塗布された接着剤で固定するとともに、折り曲げた第1底部13を、この第1裏面部11及び第1表面部12の間に折り込む。
このようにして折り込んだ状態が、図2(b)の状態である。
所謂「出荷時」には、この状態で出荷される。
【0039】
図2(b)の状態で、H点を押圧すると、折り込まれていた折り曲げ線M3が復帰して、第1包装容器底面T1が、外側方向へ押し出されて、第1包装容器1の底が完成する。
なお、第1包装容器底面T1が外側方向へ押し出されるとき、一定の硬度を有する第1包装容器底面T1の折り曲げ線M3が復帰することにより、復帰音が生じるよう設計されている。
【0040】
この復帰音は、第1包装容器底面T1が完全に押し出されて、第1包装容器1の底が完成したことを報知するための音として機能する。
つまり、組み立てを行う際には、この復帰音を認識することにより、作業者は、この第1包装容器1の底が完成したことを認識することができる。
【0041】
次いで、図3に示すように、第1フラップ15,16を内部方向へ折り曲げるとともに、第1蓋部14の差込み部14Bを差し込むことによって、第1包装容器1が完成する。
このとき、天面部14Aが、第1包装容器1の天面となる。
【0042】
このようにして構成された第1包装容器1の各面図を図4に、斜視図を図5に示す。
図4(a)に示すように、本実施形態に係る第1包装容器1の天面14Aは略矩形状であり、図4(c)に示すように、本実施形態に係る第1包装容器1の第1包装容器底面T1は略楕円形状である。
そして、これら両面の形状の差異を物理的に吸収し、意匠的に優れた緩やかな湾曲を側面に付与するために、鉛下屈曲線L11,L14及び湾曲線L12,L13,L15,L16が押型されている。
【0043】
図5に示すように、このように本実施形態に係る第1包装容器1は、天面14Aと第1包装容器底面T1とでは異なる形状を取り、その異なる形状を実現するために押型された鉛下屈曲線L11,L14及び湾曲線L12,L13,L15,L16により、側面に優れた意匠性が付与されている。
【0044】
また、図6に本実施形態に係る第1包装容器底面T1の様子を示す。
このように、本実施形態に係る第1包装容器底面T1は略楕円形状に外側へ張り出すとともに、接合部U1は、第1裏面部11及び第1表面部12内部側の下部側短辺近傍に接着されており、この部分は第1包装容器1が自立するための足部分となっている。
よって、この第1包装容器1は、自立することができ、陳列方法の自由度が高まる。
【0045】
また、第1包装容器底面T1は略楕円形状に外側へ張り出す閉鎖型である。
つまり、第1包装容器底面T1は、接合部U1の接着を物理的に剥離するか、この部分を物理的に破損しなければ開封することができない。
このため、底面部分から商品を抜き取ることが困難となり、防犯性に優れる。
【0046】
(第2の実施形態)
次いで、図7乃至図9により、第2包装容器2の構造を説明する。
本実施形態に係る第2包装容器2は、内部が製品配設用の空洞となった紙製の包装容器である。
【0047】
なお、本実施形態における第2包装容器2は、前例の第1包装容器1とは、側面形状が異なることを除けば同様の構成であるため、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、この第2包装容器2の材質は、紙に限られることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、どのようなものが選択されてもよいことは前例と同様である。
【0048】
図7に示すように、本実施形態に係る第2包装容器2は、第2裏面部21、第2表面部22、第2底部23、第2蓋部24、第2フラップ25,26を有して構成されている。
本実施形態に係る第2裏面部21は、上辺が短辺となる略等脚台形状の面であり、略Y字形状の屈曲線が押型されている。
【0049】
屈曲線は、上部側(第2蓋部24が形成される側)の短辺の中点から、第2裏面部22の重心点付近まで垂下される鉛下屈曲線L21と、この鉛下屈曲線の端点から、長辺へ向かい(つまり両端へ向かい)上に凸に湾曲しながら伸びる2本の湾曲線L22,L23とで構成されている。
この第2裏面部21が、第2包装容器2の裏側側面となる。
なお、第2裏面部21の側辺側には、糊代G2が形成されている。
【0050】
また、本実施形態に係る第2表面部22は、第2裏面部21と連続して形成される略等客台形状の面である。
この第2表面部22は、折り曲げ線M11に対して第2裏面部21と線対称となるように構成されており、第2裏面部21に形成された屈曲線と同じ構成の屈曲線が形成されている。
つまり、鉛下屈曲線L24と2本の湾曲線L25,L26とで略Y字形状が形成された屈曲線が押型されている。
この第2表面部22が、第2包装容器2の表側側面となる。
【0051】
本実施形態に係る第2底部23は、第2裏面部21の下部側(湾曲線L22,L23の端点側)に延出している面である。
なお、この第2裏面部21と第2底部23との境界線を、「折り曲げ線M12」と記す。
この第2底部23の中央には、折り曲げ線M13が、折り曲げ線M12と平行に押型されている。
【0052】
また、この折り曲げ線M13を囲うように、略円弧状の折り曲線M14及び折り曲げ線M15が押型されている。
つまり、略円弧状の折り曲げ線M14及び折り曲げ線M15により略楕円形状の折り曲げ線が形成されるとともに、折り曲げ線M13は、この折り曲げ線M14及び折り曲げ線M15により形成される略楕円形状の折り曲げ線の長軸となっている。
【0053】
この折り曲げ線M14及び折り曲げ線M15により形成された略楕円形状の面は、第2包装容器2の底面となる。以下、この折り曲げ線M14及び折り曲げ線M15により形成された略楕円形状の面を「第2包装容器底面T2」と記す。
【0054】
また、第2底部23のうち、第2包装容器底面T2以外の部分(つまり、折り曲げ線M14及び折り曲げ線M15により形成された略楕円形状の面の外側の部分)は、立体成型時に内部に折り込まれて、第2裏面部21及び第2表面部22の下部側短辺近傍に接着されて、第2包装容器2が自立するための足部分となる。
【0055】
なお、本実施形態に係る第2包装容器底面T2には、略円弧状の補助線M13a,M13bが押型されている。
この補助線M13a,M13bは、折り曲げ線M13の中点を通り鉛直方向に延びる線に対して線対称に形成された折り曲げ線M13の中点に向かい凸となる略円弧状曲線であり、第2包装容器底面T2の立体形状を形作るための補助折れ線となる。
【0056】
本実施形態に係る第2蓋部24は、略矩形状の面であり、天面部24A及び差込み部24Bを有して構成されている。
天面部24Aは、第2表面部21の上部側と連続しており、この連続側と対向する辺からは略矩形状の差込み部24Bが延出している。
【0057】
以下、天面部24Aと第2表面部21との境界線を「折り曲げ線M16」と記し、天面部24Aと差込み部24Bとの境界線を「折り曲げ線M19」と記す。
この第2蓋部24は、第2包装容器2の蓋となる部分であり、天面部24Aは第2包装容器2の天面となり、差込み部24Bは蓋の差込み固定片となる。
【0058】
本実施形態に係る第2フラップ25,26は、略矩形状の面である。
第2フラップ25,26は、第2裏面部21の上部側及び第2表面部22の上部側と各々連続している。
以下、第2フラップ25と第2裏面部21との境界線を「折り曲げ線M17」と記し、第2フラップ26と第2表面部22との境界線を「折り曲げ線M18」と記す。
【0059】
第2包装容器2の組み立て方は、第1包装容器1の組み立て方と同様であるため簡単に説明する。
つまり、第2底部23を、折り曲げ線M12から谷折りするとともに、折り曲げ線M13から山折りにする。
また、第2底部23のうち、第2包装容器底面T2以外の部分(つまり、折り曲げ線M14及び折り曲げ線M15により形成された略楕円形状の面の外側の部分:以下「接合部U2」と記す)、及び糊代G2に接着剤を塗布する。
【0060】
この状態で、折り曲げ線M11を中心に第2裏面部21及び第2表面部22を合わせるように折り、糊代G2に塗布された接着剤で固定するとともに、折り曲げた第2底部23を、この第2裏面部21及び第2表面部22の間に折り込む。
【0061】
このように畳んだ状態で、第2底部23の両端付近を押圧すると、折り込まれていた折り曲げ線M13が復帰して、第2包装容器底面T2が、外側方向へ押し出されて、第2包装容器2の底が完成する。
このとき、補助線M13a,M13bにより、第2包装容器底面T2の湾曲形状が確実に形成される。
【0062】
なお、第2包装容器底面T2が外側方向へ押し出されるとき、一定の硬度を有する第2包装容器底面T2の折り曲げ線M13が復帰することにより、復帰音が生じるよう設計されている。
この復帰音は、第2包装容器底面T2が完全に押し出されて、第2包装容器2の底が完成したことを報知するための音として機能する。
つまり、組み立てを行う際には、この復帰音を認識することにより、作業者は、この第2包装容器2の底が完成したことを認識することができる。
【0063】
次いで、第2フラップ25,26を内部方向へ折り曲げるとともに、第2蓋部24の差込み部24Bを差し込むことによって、第2包装容器2が完成する。
このとき、天面部24Aが、第2包装容器2の天面となる。
【0064】
このようにして構成された第2包装容器2の各面図を図8に、斜視図を図9に示す。
図8(a)に示すように、本実施形態に係る第2包装容器2の天面24Aは略矩形状であり、図8(c)に示すように、本実施形態に係る第2包装容器2の第2包装容器底面T2は略楕円形状である。
【0065】
そして、図8(b)に示すように、これら両面の形状の差異を物理的に吸収し、意匠的に優れた緩やかな湾曲を側面に付与するために、鉛下屈曲線L21,L24及び湾曲線L22,L23,L25,L26が押型されている。
【0066】
図9に示すように、このように本実施形態に係る第2包装容器2は、天面24Aと第2包装容器底面T2とでは異なる形状を取り、その異なる形状を実現するために押型された鉛下屈曲線L21,L24及び湾曲線L22,L23,L25,L26により、側面に優れた意匠性が付与されている。
【0067】
また、第1包装容器1と同様に、本実施形態に係る第2包装容器底面T2は略楕円形状に外側へ張り出すとともに、接合部U2は、第2裏面部21及び第2表面部22内部側の下部側短辺近傍に接着されており、この部分は第2包装容器2が自立するための足部分となっている。
よって、この第2包装容器2もまた、自立することができ、陳列方法の自由度が高まる。
【0068】
また、第2包装容器底面T2もまた、略楕円形状に外側へ張り出す閉鎖型である。
つまり、第2包装容器底面T2は、接合部U2の接着を物理的に剥離するか、この部分を物理的に破損しなければ開封することができない。
このため、底面部分から商品を抜き取ることが困難となり、防犯性に優れる。
【0069】
(第3の実施形態)
次いで、図10乃至図14により、第3包装容器3の構造を説明する。
本実施形態に係る第3包装容器3は、内部が製品配設用の空洞となった紙製の包装容器である。
なお、本実施形態における第3包装容器3は、前例の第1包装容器1とは、天面形状が異なる。
また、この第3包装容器3の材質は、紙に限られることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、どのようなものが選択されてもよいことは前例と同様である。
【0070】
図10に示すように、本実施形態に係る第3包装容器3は、第3裏面部31、第3表面部32、第3底部33、第3蓋部34、第3フラップ35,36を有して構成されている。
本実施形態に係る第3裏面部31は、略矩形状の面であり、略く字形状の屈曲線が2本押型されている。
【0071】
屈曲線は、上部側(第3蓋部34が形成される側)の短辺の上から、第3裏面部32の下部方向へ向かって中程まで垂下される鉛下屈曲線L31と、この鉛下屈曲線の端点から、長辺へ向かい(つまり両端へ向かい)上に突に湾曲しながら伸びる湾曲線L33、これら鉛下屈曲線L31及び湾曲線L33と、第3裏面部31の両短辺(上下に配設された水平方向に延びる辺)の両中点を結ぶ直線に対して線対称に形成された鉛下屈曲線L32及び湾曲線L34とで構成されている。
この第3裏面部31が、第3包装容器3裏側側面となる。
なお、第3裏面部31の側辺側には、糊代G3が形成されている。
【0072】
また、本実施形態に係る第3表面部32は、第3裏面部31と連続して形成される略矩形の面である。
この第3表面部32は、折り曲げ線M21に対して第3裏面部31と線対称となるように構成されており、第3裏面部31に形成された屈曲線と同じ構成の屈曲線が形成されている。
つまり。略く字形状の屈曲線が2本押型されている。
この第3表面部32が、第3包装容器3の表側側面となる。
【0073】
本実施形態に係る第3底部33は、第3裏面部31の下部側(湾曲線L33,L34の端点側)に延出している面である。
なお、この第3裏面部31と第3底部33との境界線を、「折り曲げ線M22」と記す。
この第3底部33の中央には、折り曲げ線M23が、折り曲げ線M22と平行に押型されている。
【0074】
また、この折り曲げ線M23を囲うように、略円弧状の折り曲線M24及び折り曲げ線M25が押型されている。
つまり、略円弧状の折り曲げ線M24及び折り曲げ線M25により略楕円形状の折り曲げ線が形成されるとともに、折り曲げ線M23は、この折り曲げ線M24及び折り曲げ線M25により形成される略楕円形状の折り曲げ線の長軸となっている。
【0075】
この折り曲げ線M24及び折り曲げ線M25により形成された略楕円形状の面は、第3包装容器3の底面となる。以下、この折り曲げ線M24及び折り曲げ線M25により形成された略楕円形状の面を「第3包装容器底面T3」と記す。
【0076】
また、第3底部33のうち、第3包装容器底面T3以外の部分(つまり、折り曲げ線M24及び折り曲げ線M25により形成された略楕円形状の面の外側の部分)は、立体成型時に内部に折り込まれて、第3裏面部31及び第3表面部32の下部側短辺近傍に接着されて、第3包装容器3が自立するための足部分となる。
【0077】
本実施形態に係る第3蓋部34は、略6角形状の面であり、天面部34A及び差込み部34Bを有して構成されている。
天面部34Aは、第3表面部32の上部側と連続している。
また、差込み部34Bは、第1差込み片341、第2差込み片342,342とで構成されている。
【0078】
第1差込み片341は、天面部24Aと第3表面部32との境界線(以下、この天面部34Aと第3表面部32との境界線を「折り曲げ線M26」と記す)と対向する辺からは略矩形状の第1差込み片341が延出している。
また、折り曲げ線M26の両隣辺には、略3角形状の第2差込み片342,342が延出している。
【0079】
以下、天面部24Aと第1差込み片341との境界線を「折り曲げ線M29a」、天面部24Aと第2差込み片342,342との境界線を各々「折り曲げ線M29b」「折り曲げ線M29c」と記す。
この第3蓋部34は、第3包装容器3の蓋となる部分であり、天面部34Aは第3包装容器3の天面となり、差込み部34B(第1差込み片341、第2差込み片342,342)は蓋の差込み固定片となる。
【0080】
本実施形態に係る第3フラップ35,36は、略6角形状の面である。
この第3フラップ35,36は、第3包装容器3を立体的に組み立てた際形成される上部開口の内隅部の形状に整合する形状となっている。
第3フラップ35,36は、第3裏面部31の上部側の両端部に各々連続している。
以下、第3フラップ35と第3裏面部31との境界線を「折り曲げ線M27」と記し、第3フラップ36と第3裏面部31との境界線を「折り曲げ線M28」と記す。
【0081】
図11により、第3包装容器3の組み立て状態を示す。
なお、第3包装容器3の組み立て方は、第1包装容器1の組み立て方と同様であるため簡単に説明する。
つまり、第3底部33を、折り曲げ線M22から谷折りするとともに、折り曲げ線M23から山折りにする。
【0082】
また、第3底部33のうち、第3包装容器底面T3以外の部分(つまり、折り曲げ線M24及び折り曲げ線M25により形成された略楕円形状の面の外側の部分:以下「接合部U3」と記す)、及び糊代G3に接着剤を塗布する。
【0083】
この状態で、折り曲げ線M21を中心に第3裏面部31及び第3表面部32を合わせるように折り、糊代G3に塗布された接着剤で固定するとともに、折り曲げた第3底部33を、この第3裏面部31及び第3表面部32の間に折り込む。
【0084】
このように畳んだ状態で、第3底部33の両端付近を押圧すると、折り込まれていた折り曲げ線M23が復帰して、第3包装容器底面T3が、外側方向へ押し出されて、第3包装容器3の底が完成する。
【0085】
なお、第3包装容器底面T3が外側方向へ押し出されるとき、一定の硬度を有する第3包装容器底面T3の折り曲げ線M23が復帰することにより、復帰音が生じるよう設計されている。
この復帰音は、第3包装容器底面T3が完全に押し出されて、第3包装容器3の底が完成したことを報知するための音として機能する。
つまり、組み立てを行う際には、この復帰音を認識することにより、作業者は、この第3包装容器3の底が完成したことを認識することができる。
【0086】
次いで、図11に示すように、第3フラップ35,36を内部方向へ折り曲げるとともに、第3蓋部34の第1差込み部341及び第2差込み部342,342を差し込むことによって、第3包装容器3が完成する。
このとき、天面部34Aが、第3包装容器3の天面となる。
【0087】
このようにして構成された第3包装容器3の各面図を図12に、斜視図を図13に示す。
図12(a)に示すように、本実施形態に係る第3包装容器3の天面34Aは略6角形状であり、図12(c)に示すように、本実施形態に係る第3包装容器3の第3包装容器底面T3は略楕円形状である。
そして、図12(b)に示すように、これら両面の形状の差異を物理的に吸収し、意匠的に優れた緩やかな湾曲を側面に付与するために、鉛下屈曲線L31,L32,L35,L36及び湾曲線L33,L34,L37,L38が押型されている。
【0088】
図13に示すように、このように本実施形態に係る第3包装容器3は、天面34Aと第3包装容器底面T3とでは異なる形状を取り、その異なる形状を実現するために押型された鉛下屈曲線L31,L32,L35,L36及び湾曲線L33,L34,L37,L38により、側面に優れた意匠性が付与されている。
【0089】
また、図14に本実施形態に係る第3包装容器底面T3の様子を示す。
このように、第1包装容器1と同様、本実施形態に係る第3包装容器底面T3は略楕円形状に外側へ張り出すとともに、接合部U3は、第3裏面部31及び第3表面部32内部側の下部側短辺近傍に接着されており、この部分は第3包装容器3が自立するための足部分となっている。
よって、この第3包装容器3もまた、自立することができ、陳列方法の自由度が高まる。
【0090】
また、第3包装容器底面T3もまた、略楕円形状に外側へ張り出す閉鎖型である。
つまり、第3包装容器底面T3は、接合部U3の接着を物理的に剥離するか、この部分を物理的に破損しなければ開封することができない。
このため、底面部分から商品を抜き取ることが困難となり、防犯性に優れる。
【0091】
次いで、本実施形態に係る第1包装容器1、第2包装容器2、第3包装容器3の製造方法の一例を簡単に示す。
なお、製法はこれに限られることはなく、展開図を作成する方法は、ローリングダイによる作成等、どのような方法で行われていてもよい。
【0092】
まず、紙シートを準備する。
本実施形態においては、紙を使用したが、素材はこれに限られず、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂シートを使用してもよい。
次いで、紙シートから、第1包装容器1、第2包装容器2、第3包装容器3等の展開図形状を打抜く。
【0093】
この打抜きは、本実施形態においては、平板打抜き装置により実施される。
平板打抜き装置は、公知の打抜き装置であり、下部プラテン、上部プラテン、昇降機構、木型を有して構成されている。
下部プラテンは、略矩形状の平板であり、その上に被打抜き物である紙シートが載置される。
【0094】
また、下部プラテンの裏面側(下方側)には、昇降機構が配設されており、この下部プラテンを昇降動作させる。
上部プラテンは、下部プラテンの上方側に、この下部プラテンの表面側(上方側の面)と対向するように配設される。
【0095】
この上部プラテンには、チースが配設されており、このチースに木型が保持される。
木型には、紙シートを押し切るための押切刃、折り目をつけるための押刃、ミシン目をつけるためのミシン刃等の刃が、打抜く形状通りに植設されている。
このため、この平板打抜き装置を稼動させ、昇降機構を駆動すると、紙シートが木型に植設された刃に当接して、紙シートから所定形状の製品が折り目及びミシン目が付いた状態で打ち抜かれる。
【0096】
なお、このように木型を使用すれば、各刃の植設の仕方により、一度の打抜き処理で、複数の展開図を打ち抜くことが可能となる。
このため、真空成型品よりも、低いコストで、製品を製造することができる。
【0097】
次いで、折り目に沿って展開図を折り込むとともに、必要な箇所の接着を行う。
この作業は、機械貼りにより実施することが可能である。
なお、この状態では、各第1包装容器1、第2包装容器2、第3包装容器3は、コンパクトに折り畳まれた状態となっている。
【0098】
通常は、このような状態で、これら第1包装容器1、第2包装容器2、第3包装容器3は、被梱包製品を製造しているメーカーへと運搬され、完成品である立体形状に組み上げられた後、被梱包製品が挿入される。
【0099】
本実施形態に係る第1包装容器1、第2包装容器2、第3包装容器3では、このように、コンパクトな状態で運搬することができるために、運搬時にこれら第1包装容器1、第2包装容器2、第3包装容器3が占める体積を減少させることができるとともに、これら第1包装容器1、第2包装容器2、第3包装容器3を保管するためのスペースを小さく抑える事ができる。
【0100】
なお、上記には、底面が略楕円形状であり、天面が略矩形及び略6角形状の組み合わせ例を説明したが、底面及び天面の形状の組み合わせはこれに限られることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、どのような組み合わせであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る第1包装容器の展開図の展開図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る第1包装容器の組み立て状態を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る第1包装容器の組み立て状態を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る第1包装容器の各面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る第1包装容器の斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る第1包装容器の底面部を示す部分斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る第2包装容器の展開図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る第2包装容器の各面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る第2包装容器の斜視図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る第3包装容器の展開図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る第3包装容器の組み立て状態を示す説明図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る第3包装容器の各面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る第3包装容器の斜視図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る第3包装容器の底面部を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
【0102】
1 第1包装容器
2 第2包装容器
3 第3包装容器
11 第1裏面部
12 第1表面部
13 第1底部
14 第1蓋部
14A 天面部
14B 差込み部
15,16 第1フラップ
21 第2裏面部
22 第2表面部
23 第2底部
24 第2蓋部
24A 天面部
24B 差込み部
25,26 第2フラップ
31 第3裏面部
32 第3表面部
33 第3底部
34 第3蓋部
34A 天面部
34B 差込み部
35,36 第3フラップ
341 第1差込み片
342 第2差込み片
G1,G2,G3 糊代
L11,L14,L21,L24,L31,L32,L35,L36 鉛下屈曲線
L12,L13,L15,L16,L22,L23,L25,L26,L33,L34,L37,L38 湾曲線
M1,M2,M3,M4,M5,M6,M7,M8,M9,M11,M12,M13,
M14,M15,M16,M17,M18,M19,M21,M22,M23,M24,M25,M26,M27,M28,M29,M29a,M29b,M29c 折り曲げ線
M13a,M13b 補助線
T1 第1包装容器底面
T2 第2包装容器底面
T3 第3包装容器底面
U1,U2,U3 接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを所定形状に形成して、所定位置を折り曲げることにより成型される包装容器であって、
該包装容器は、被包装品の出し入れを行う蓋部と、該蓋部の天面と略対向して配設される底面部と、前記蓋部の前記天面と前記底面部との間を連結する側面部と、を有して構成されており、
前記蓋部の前記天面の形状は、前記底面部の形状とは異なる形状で形成されていることを特徴とする包装容器。
【請求項2】
前記底面部の形状は略円形若しくは略楕円形状であり、前記蓋部の前記天面の形状は、略多角形状であることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記底面部の形状は略円形若しくは略楕円形状であるとともに、前記蓋部の前記天面の形状は略多角形状であり、
前記側面部の前記天面側の開口の一の最長対角線と、前記側面部の前記底面部側の開口の最長径は略平行となるように配設され、
前記側面部には、該側面部の前記天面側の開口の一の最長対角線の両端の頂点と、前記側面部の前記底面部側の開口の最長径の両端点とを結ぶ折り曲げ線が形成されるとともに、
前記側面部の前記天面側の開口の他の頂点から前記底面部方向に垂下する鉛下屈曲線が、前記底面部に達しない位置まで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項4】
前記側面部には、
前記側面部の前記天面側の開口の前記他の頂点から前記底面部方向に垂下する前記鉛下屈曲線の前記底面部側端点と、前記側面部の前記底面部側の開口の前記最長径の両端点のうちの距離が近い方の端点とを結ぶ湾曲線が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の包装容器。
【請求項5】
前記底面部は、前記側面部の一部と連結された閉塞型であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装容器。
【請求項6】
前記底面部の外周部には、該外周部より下部方向へ立ち下がる接合部が形成されており、
該接合部の外側面と前記側面部の内側の面とが接着されていることを特徴とする請求項5に記載の包装容器。
【請求項7】
前記底面部の正中線は正中折り曲げ線となっており、
前記底面部及び前記接合部は、前記正中折り曲げ線が上部方向へ向けて山折りされて畳まれた状態で、前記側面部に差し込まれるとともに、前記接合部と前記側面部の前記底面部側の開口端部内側の面とが接着されており、
前記正中折り曲げ線の折り目を折れていない状態に復帰させることにより、前記底面部と前記接合部の境界線が屈曲して前記底面部の外周部より下部方向へ立ち下がり、前記底面が下部方向へ張り出した湾曲面に形成されることを特徴とする請求項6に記載の包装容器。
【請求項8】
前記底面部と前記接合部の境界線が屈曲して前記底面部の外周部より下部方向へ立ち下がった接合部と、該接合部に接着された前記側面部の前記底面部側の開口端部とが足部となって自立可能となることを特徴とする請求項7に記載の包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−13141(P2010−13141A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173911(P2008−173911)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(508199945)有限会社ヘイワパッケージ (2)
【出願人】(595014871)精英堂印刷株式会社 (3)
【Fターム(参考)】