説明

包装容器

【課題】簡単な構成、且つ、高い視覚効果を得ることが可能な包装容器を提供すること。
【解決手段】巻きたばこTをその内部に包装する包装容器1において、その上部に開口端を有する収納体5と、収納体5の開口端を閉塞する蓋体6と、収納体5及び蓋体6を一体、且つ、蓋体6を収納体5に対して回動可能に連結するヒンジ部7と、格子49が設けられたゲージ43、及び、異なる画像44A,44Bを有し、格子49に対して移動することで、格子49の隙間に位置する画像44A,44Bを表示させる下絵紙42を有する、収納体5に設けられた表示部8と、を備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻きたばこを包装する包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、紙巻たばこや葉巻たばこ等の巻きタバコは、例えば10本又は20本といった本数毎に包装容器により包装されている。このような包装容器は、所謂個装と呼ばれ、アルミ箔加工紙等の中包紙と、この中包紙を覆う外包紙によって形成される。外包紙は、所謂ソフトパック又はソフトパッケージと呼ばれる薄紙で形成されたものや、所謂ハードパック、ハードパッケージ又はボックスと呼ばれる、板紙を箱型に組み立てて形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような包装容器は、巻きたばこの製品名や成分量等の製品の情報が印刷されおり、当該巻きたばこの情報を伝達する手段でもある。また、包装容器には、他製品との差別化や購入者等の購買意欲の増加を目的として、製品の名称、トレードマーク、図形及び色彩等の組み合わせによるデザインにより視覚的効果を持たせたものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006−504590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した包装容器では、以下の問題があった。即ち、更なる他製品との差別化や、購買意欲の増加のために、包装容器の外面に印刷されたデザイン以外に、高い視覚効果を持たせた包装容器の要望もある。このような視覚効果を得るために、包装容器の外面に凹凸を設けてより視覚効果を得ることも考えられる。
【0006】
しかし、包装容器の外面に突起を形成すると、包装容器の梱包数が低減するなどの問題があり、このため、包装容器の外形状に制限がある。このため、現状においては、視覚効果はパッケージデザインのみで得ている、という問題がある。
【0007】
また、包装容器は、巻きたばこを包装するためのものであり、視覚効果を得るために複雑な構成とすると、包装容器の製造コストが増大し、製品価格の増大の要因となり、製品の流通を阻害する虞もある。
【0008】
そこで、本発明は、簡単な構成、且つ、高い視覚効果を得ることが可能な包装容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の包装容器は次のように構成されている。
【0010】
本発明の一態様として、巻きたばこをその内部に包装する包装容器において、その上部に開口端を有する収納体と、前記収納体の開口端を閉塞する蓋体と、前記収納体及び前記蓋体を一体、且つ、前記蓋体を前記収納体に対して回動可能に連結するヒンジ部と、隙間を有する格子が設けられたゲージ、及び、異なる複数の画像を有し、前記格子に対して移動することで、前記格子の隙間に位置する前記画像を表示させる下絵紙を有する、前記収納体に設けられた表示部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡単な構成、且つ、高い視覚効果を得ることが可能な包装容器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る包装容器の構成を示す斜視図。
【図2】同包装容器の要部構成を示す平面図。
【図3】同包装容器の要部構成を示す平面図。
【図4】同包装容器の構成を模式的に示す斜視図。
【図5】同包装容器のブランクを示す平面図。
【図6】同包装容器の要部構成を示す平面図。
【図7】同包装容器の要部構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る包装容器1を、図1〜7を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る包装容器1の構成を背面側から示す斜視図、図2は包装容器1の構成を背面側から示す平面図、図3は包装容器1の構成を背面側から示す平面図、図4は包装容器1の構成を正面側から示す斜視図、図5は同包装容器1のブランク2の構成を示す平面図、図6は包装容器1に用いられる下絵紙42の構成を示す平面図、図7は包装容器1に用いられるゲージ43の構成を示す平面図である。
【0014】
なお、図1〜4中、包装容器1の、収納体5の開口端が視認可能な側を正面側、ヒンジ部7が設けられる側を背面側として以下説明する。
【0015】
図1〜4に示すように、包装容器1は、収納体5と、蓋体6と、ヒンジ部7と、表示部10と、を備えている。包装容器1は、これら収納体5、蓋体6及びヒンジ部7が一体に形成される。また、包装容器1は、被包装体の包装時においては、その外形状が略直方体に形成されている。
【0016】
具体的に説明すると、包装容器1は、例えば、被包装体である葉巻たばこ又は紙巻たばこ等の巻きたばこT(以下「たばこT」として説明)を包装可能な、所謂ハードパック、ハードパッケージ若しくはボックスと呼ばれるたばこ箱であり、収納体5内部に内包体を有している。
【0017】
包装容器1は、その材料として、紙巻たばこTを包装可能な紙素材が用いられる。このような紙素材の一例として、例えばミードウエストベーコ社製、ハイイールドプリントコート(登録商標)のグラメジ(grammage)が221g/mの紙素材が用いられる。なお、紙素材は、これに限定されず、適宜使用可能である。後述する内体9を除く包装容器1は、図5に示すように、紙素材から、打ち抜き加工により形成されたブランク2を組み立てることで形成される。
【0018】
なお、内包体は、中包紙であって、例えば、包装容器1の開封までたばこTの束を直接包装し、たばこTの劣化を防止可能に形成されている。内包体は、保湿性及び保香性等を有している。この内包体は、主として、アルミニウムの膜が蒸着又は積層された紙が用いられるが、本実施の形態では内包体の詳細な構成、及び、図面中への記載は省略する。
【0019】
図1〜4に示すように、収納体5は、外体8と内体9とを備え、外体8及び内体9の上端により、収納体5の内部を開口する開口端が形成されている。外体8は、上端部が後方から前方に向って下方に傾斜して開口する箱体である。外体8は、第1前壁11と、第1後壁12と、一対の第1側壁13と、底壁14とを備えている。
【0020】
第1前壁11は、矩形状、例えば、平面視で幅方向が高さ方向よりも短い長方形状に形成されている。第1後壁12は、第1前壁11よりもその高さ方向に長い矩形状に形成され、その上方にヒンジ部7を有する。第1後壁12は、その一部に、表示部10を備えている。なお、第1後壁12は、ヒンジ部7を介して蓋体6の一部と一体に連続して形成されている。
【0021】
第1側壁13は、第1前壁11及び第1後壁12を連結させるとともに、その上端が傾斜する台形状に形成されている。底壁14は、平面視で長方形状に形成され、第1前壁11、第1後壁12及び一対の第1側壁13をこれら下端側で連結する。
【0022】
内体9は、第1前壁11及び第1側壁13の内面に沿って設けられている。具体的には、内体9は、前内壁17と一対の側内壁18と、を備えている。前内壁17は、第1前壁11の内面に設けられる。前内壁17は、第1前壁11の上方から突出する。側内壁18は、第1側壁13の内面にそれぞれ設けられる。側内壁18は、一対の第1側壁13の上方からそれぞれ突出する。
【0023】
また、内体9は、前内壁17及び側内壁18が第1前壁11及び第1側壁13の内面に接着剤等により接着されている。内体9は、外体8の第1前壁11及び第1側壁13に沿った壁を形成することで、蓋体6の案内を行うと共に、蓋体6が収納体5の開口端を閉塞時に、蓋体6の内面と少なくともその一部が干渉することで、蓋体6の移動を規制可能に形成されている。
【0024】
蓋体6は、第2前壁21と、第2後壁22と、一対の第2側壁23と、天壁24と、を備えている。蓋体6は、収納体5を覆うことで、収納体5の開口端を閉塞可能に形成されている。
【0025】
第2前壁21は、平面視で幅方向が高さ方向よりも長く、且つ、その幅は、第1前壁11と略同一寸法の矩形状に形成されている。第2後壁22は、第2前壁21よりも高さ方向に短い矩形状に形成され、その下方にヒンジ部7が形成されている。即ち、第2後壁22は、ヒンジ部7を介して第1後壁12と連続して形成される。
【0026】
第2側壁23は、第2前壁21及び第2後壁22を連結するとともに、その下端が傾斜する台形状に形成されている。なお、第2側壁23は、その下端の傾斜角度が、第1側壁13の上端の傾斜角度と略同一の角度に形成されている。天壁24は、平面視で長方形状に形成され、第2前壁21、第2後壁22及び一対の第2側壁23を上端側で連結する。
【0027】
ヒンジ部7は、第1後壁12及び第2後壁22間に設けられ、第1後壁12に対して第2後壁22を回動可能に形成されている。具体的には、ヒンジ部7は、連続する紙素材上に押圧によって形成された圧痕により形成されている。即ち、ヒンジ部7は、蓋体6を回動させた場合に、当該圧痕が曲折することで収納体5に対して蓋体6が所定の位置で回動する案内(回転中心)である。
【0028】
表示部10は、窓部41と、下絵紙42と、ゲージ43と、を備えている。窓部41は、第1後壁12に設けられた開口である。この窓部41は、例えば、第1後壁12の幅方向全体であって、高さ方向の一部に渡って開口する。なお、当該窓部41は、包装容器1に設けられる情報表示に応じて、その形状及び位置は適宜変更可能である。
【0029】
下絵紙42は、第1後壁12及び第2後壁22により形成される背面と略同一又は若干小さい矩形状に形成されている。下絵紙42は、窓部41から表示される下絵44と、ヒンジ部7と略同一位置に設けられた折線45と、を備えている。また、下絵紙42は、下絵44が設けられた面上の、折線45を挟んで下絵44が設けられていない側の範囲に、第2後壁22の内面に接着される糊代(接着部)46が設けられる。
【0030】
下絵44は、複合画像、例えば、2つの画像で形成されている。具体的には、下絵44は、図2の表示部10に示す第1画像44Aと、図3の表示部10に示す第2画像44Bとを備えている。この第1画像44A及び第2画像44Bは、後述するゲージ43の格子49間の隙間と略同一の幅で、画像に等間隔の欠部を有する。
【0031】
また、第1画像44A及び第2画像44Bは、一方の画像が他方の欠部に配置される。即ち、第1画像44A及び第2画像44Bは、図6に示すように、画像及び欠部で互いに重なり合って一つの下絵44を形成する。糊代46は、接着剤により第2後壁22に接着されることで、下絵紙42を蓋体6に固定可能に形成されている。
【0032】
ゲージ43は、基材47と、基材47の両端側に設けられた舌部48と、を備えている。
基材47は、透明な樹脂製のフィルム又は薄板状に形成され、隙間を有する格子49が設けられている。具体的には、格子49は、所定の隙間を有して等間隔で、一方向に沿って複数設けられた黒色または不透明のライン49aの組み合わせである。
【0033】
なお、格子49は、ライン49aが包装容器1の幅方向に沿うように配置され、窓部41の開口と略同一の範囲に設けられている。なお、格子49は、下絵44を覆う範囲に配置されるのであればよい。また、格子49は、基材47の一部に色づけがなされる等により形成される。舌部48は、基材47の両端側に一対設けられている。舌部48は、例えば、基材47のうち、窓部41よりも大となる範囲であって、格子49が設けられていない部位ある。舌部48は、第1後壁12の内面に配置されるとともに、例えば、第1後壁12の内面に接着される。
【0034】
次に、このような包装容器1を形成するブランク2について図5を用いて説明する。なお、図5中、鎖線は、ブランク2の折線を示し、太線は切断部をそれぞれ示している。なお、折線とは、ブランク2の組立時に、ブランク2を折り込む部位であり、たとえば、ブランク2の製造時に、折線を案内する圧痕が形成される。また、切断部とは、所謂切れ刃と呼ばれるブランク2形成時に切断した部位である。
【0035】
ブランク2は、包装容器1を展開した形状に紙素材を打ち抜き加工により切断した素材片である。ブランク2は、後面51と、底面52と、第1前面53と、天面54と、第1側面55と、第2前面56と、第2側面57と、を備えている。また、ブランク2は、第1接続面61と、第2接続面62と、第3接続面63と、第4接続面64と、を備えている。ブランク2は、打ち抜き加工により打ち抜かれた外周縁2aによって、その外形状が略矩形状に形成される。
【0036】
後面51は、第1、第2後壁12、22、及び、ヒンジ部7を形成する。具体的には、後面51は、圧痕71及び窓部41が形成されている。圧痕71はヒンジ部7である。窓部41は、後面51の一部が切断されて開口することで形成される。
【0037】
また、後面51は、その四辺に形成された圧痕75〜78を有する。後面51は、これら圧痕75〜78に囲われた領域であって、且つ、圧痕71の一方(図5中下方)の領域が第1後壁12を形成し、圧痕71の他方(図5中上方)の領域が第2後壁22を形成する。即ち、後面51は、圧痕75〜78が折り曲げられることで、第1、第2後壁12,22となる。
【0038】
底面52は、後面51の下端に隣接して設けられ、圧痕75,79及び切断部80,81により、その形状が、底壁14の形状に形成されている。なお、圧痕79は、圧痕75と平行に相対して設けられ、切断部80,81は、圧痕75,79の両端側にそれぞれ設けられている。
【0039】
第1前面53は、底面52の下端に隣接して設けられ、圧痕79,82,83及びブランク2の外周縁2aにより、第1前壁11の形状に形成されている。
【0040】
天面54は、圧痕76,86及び切断部87,88により、その形状が、天壁24の形状に形成されている。天面54は、後面51に隣接して設けられている。なお、圧痕86は、圧痕76と平行に相対して設けられ、切断部87,88は、圧痕76,86の両端側にそれぞれ設けられている。
【0041】
第1側面55は、圧痕82,83をそれぞれ介して第1前面53に隣接して設けられている。第1側面55は、圧痕82、切断部105及び外周縁2a、並びに、圧痕83、切断部107及び外周縁2aにより、第1側壁13の形状に形成されている。
【0042】
第2前面56は、圧痕86,95,96、97により、その形状が第2前壁21の形状に形成されている。第2前面56は、天面54に隣接して設けられている。また、第2前面56は、圧痕97に連続して舌片68を備えている。この舌片68は、圧痕97に沿って曲折することで、第2前壁21の内面に位置し、第2前壁21に厚みを形成する。
【0043】
第2側面57は、圧痕95,96をそれぞれ介して第2前面56に隣接して設けられている。第2側面57は、圧痕95、切断部100及び外周縁2a、並びに、圧痕96、切断部103及び外周縁2aにより、第2側壁23の形状に形成されている。
【0044】
第1接続面61は、圧痕104、切断部105及び外周縁2a、並びに、圧痕106、切断部107及び外周縁2aにより、底面52及び一対の第1側面55に隣接して、一対形成されている。なお、第1接続面61は、底面52と積層可能な形状に形成されている。
【0045】
第2接続面62は、圧痕77,104、切断部109及び外周縁2a、並びに、圧痕78,106、切断部111及び外周縁2aにより、後面51、一対の第2側面57及び第1接続面61に隣接して、一対形成されている。なお、これら一対の第2接続面62は、一対の第1側面55とそれぞれ積層可能に形成されている。
【0046】
第3接続面63は、圧痕77,113、切断部109及び外周縁2a、並びに、圧痕78,115、切断部111及び外周縁2aにより、後面51及び第2接続面62に隣接して、一対形成されている。第3接続面63は、第2側面57の形状と略同一形状に形成され、第2側面57とそれぞれ積層可能に形成されている。
【0047】
第4接続面64は、圧痕113、切断部87,100及び外周縁2a、並びに、圧痕115、切断部88,103及び外周縁2aにより、天面54、第2側面57及び第3接続面63に隣接して、一対形成されている。第4接続面64は、天面54とそれぞれ積層可能に形成されている。
【0048】
このように構成されたブランク2は、ヒンジ部7を形成する圧痕71を除く各圧痕が同方向に折りこまれる。このとき、一対の第1接続面61が底面52と、一対の第2接続面62が一対の第1側面55と、一対の第3接続面63が一対の第2側面57と、一対の第4接続面64が天面54と、それぞれ積層し、且つ、接着材により接着される。
【0049】
ブランク2は、必要な折線を曲折し、必要面を接着することで、後面51、第1、第2前面53,56、第1、第2側面55,57、底面52及び天面54により、第1、第2後壁12,22、ヒンジ部7、第1、第2前壁11,21、第1、第2側壁13,23、底壁14及び天壁24が形成される。
【0050】
なお、ブランク2から収納体5の外体8及び蓋体6を形成後、又は、ブランク2から収納体5の外体8及び蓋体6を形成時に、下絵紙42が設けられる。具体的には、下絵紙42の糊代46に接着剤を塗布し、折線45を、ヒンジ部7を形成する圧痕71に位置合わせを行い、糊代46を第2後壁22の内面と接着させる。これにより、下絵44は、窓部41に位置する。次に、外体8に内体9を接着し、包装容器1が形成される。なお、ここでは、包装容器1の内体9のブランク、及び、内体9と外体8との接着についての詳細な説明は省略する。
【0051】
次に、窓部41にゲージ43を設ける。例えば、ゲージ43は、窓部41からその基材47の格子49が露出するように配置するとともに、舌部48を第1後壁12の内面側に配置させる。なお、このとき、舌部48は、例えば、接着剤を用いて第1後壁12の内面側に接着する。なお、ゲージ43は、下絵紙42の前に、第1後壁12の内面に接着させてもよい。これらの工程により、表示部10を有する包装容器1が形成される。
【0052】
形成された包装容器1は、ブランク2、下絵紙42、ゲージ43及び内体9から包装容器1を形成する時に、内包体に包装されたたばこ束がその内部に設けられることで、たばこTを包装する。たばこ束を包装した包装容器1は、包装容器1の外囲が透明フィルム等の外包フィルムで外包される。これにより、たばこ商品となる。なお、このとき、たばこTが包装されたたばこ束(内包体)によって、下絵紙42は、第1後壁12側に押圧される。
【0053】
このように構成された包装容器1は、開封後蓋体6を開閉することで、表示部10に第1画像44A及び第2画像44Bが表示されることとなる。
【0054】
具体的に説明すると、蓋体6を閉状態からヒンジ部7を中心に回動させると、蓋体6に接着された下絵紙42は、蓋体6の回動に伴って移動することとなる。即ち、下絵紙42の糊代46が蓋体6の回動に伴って回動する。下絵紙42の折線45から下絵44側は、蓋体6に接着されていない。このため、蓋体6の回動に伴って下絵紙42の糊代46が回動すると、下絵紙42の他部(下絵44)は、蓋体6側に移動することとなる。
【0055】
また、蓋体6を開状態からヒンジ部7を中心に回動させると、糊代46も併せて回動し、下絵紙42の他部(下絵44)は、底壁14側に向かって移動することとなる。
【0056】
蓋体6の回動によって下絵44が移動し、第1画像44Aが格子49のライン49a間の所定の隙間に位置すると、第1画像44Aの欠部の第2画像44Bは、ライン49aに覆われる。このため、図2に示すように、第1画像44Aが表示部10に表示される。
【0057】
また、第2画像44Bが格子49のライン49a間の所定の隙間に位置すると、第2画像44Bの欠部の第1画像44Aは、ライン49aに覆われる。このため、図3に示すように、第2画像44Bが表示部10に表示される。これらのように、蓋体6の回動に伴って、第1画像44A及び第2画像44Bが交互に表示部10に表示されることとなる。
【0058】
このように構成された包装容器1によれば、下絵紙42を蓋体6の回動に伴って移動することで、表示部10に異なる第1画像44A及び第2画像44Bを表示させることが可能となる。また、下絵紙42は、糊代46を蓋体6の第2後壁22の内面に接着させる構成であり、下絵紙42の他部は第1後壁12側への押圧や案内をする必要がない。
【0059】
詳しく述べると、下絵紙42の下絵44は、ゲージ43に近接することで、下絵44が視認(表示)可能となる。しかし、下絵紙42は、折線45で折られるため、糊代46のみを第2後壁22に接着する構成であるため、図4に示すように、第1前壁11側へ第1後壁12から離間することとなる。
【0060】
ここで、下絵紙42は、包装容器1に包装されたたばこ束によって第1後壁12側へと押圧され、ゲージ43に近接する。即ち、下絵紙42は、他の構成によって押圧や案内をされなくても、第1後壁12に近接するように、包装容器1に包装されるたばこ束によって押圧及び案内がなされる。
【0061】
このため、下絵紙42は、糊代46により第2後壁22の内面に接着し、折線45に沿って曲折されるとともに、蓋体6の回動に伴って回動するだけで、下絵44がゲージ43に近接する。このため、表示部10に下絵44の複数の画像44A,44Bを交互に表示できる。
【0062】
このように、包装容器1は、下絵44の移動に伴って、第1画像44A及び第2画像44Bが交互に表示部10に表示することが可能となり、高い視覚的効果を得ることが可能となる。
【0063】
また、包装容器1は、包装容器1に包装されるたばこ束によって第1後壁12側へ案内するため、下絵紙42を糊代46で第2後壁22に接着するという簡単な構成でよい。これらのように、包装容器1は、視覚効果が高い表示部10を簡単な構成とすることで、製造コストの増大を防止することが可能となる。
【0064】
上述したように、本実施の形態に係る包装容器1によれば、包装容器1の外表面に表示される情報だけでなく、表示部10に異なる画像44A,44Bを表示可能となることで、更なる視覚的効果を得ることが可能となる。また、包装容器1は、表示部10に表示させる下絵紙42は、糊代46を蓋体6に固定し、下絵44が設けられた部位は包装されるたばこ束によって押圧及び案内されるため、簡単な構成となり、製造コストの増大を防止することが可能となる。
【0065】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、ヒンジ部7は、ブランク2に設けられた圧痕71である構成を説明したがこれに限定されない。例えば、ヒンジ部7は、圧痕71にさらに部分的に切断部を設けて構成してもよい。また、下絵紙42の折線45も、圧痕だけでなく、切断部を設けて構成してもよい。切断部を設けることで、曲折が容易となり、蓋体6の回動時において、ヒンジ部7及び折線45の2つが同時に曲折する構成であっても、蓋体6の開閉が容易となる。
【0066】
また、上述した例では、下絵紙42の下絵44は、第1画像44A及び第2画像44Bの2つを有する構成としたがこれに限定されず、複数の画像であってもよい。また、上述した例では、ゲージ43は、基材47に格子49を設ける構成を記載したが、これに限定されない。
【0067】
ゲージ43は、下絵44の複数の画像44A,44Bの一のみを視認可能とすればよく、例えば、ブランク2形成時において、格子に対応する部位を残存させて窓部を形成(切欠)させてもよい。即ち、第1後壁自体に格子に対応する格子部を紙素材で形成し、当該格子部で下絵44の一部を覆えばよい。このような構成とすることで、ゲージは、ブランクの形成時に加工すればよく、別途基材等により形成したゲージを用いる必要がない。このため、包装容器の製造コストや、包装容器の組み立て工数を低減することが可能となる。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…包装容器、2…ブランク、2a…外周縁、5…収納体、6…蓋体、7…ヒンジ部、8…外体、9…内体、10…表示部、11…第1前壁、12…第1後壁、13…第1側壁、14…底壁、17…前内壁、18…側内壁、21…第2前壁、22…第2後壁、23…第2側壁、24…天壁、31…回動部、41…窓部、42…下絵紙、43…ゲージ、44…下絵、44A…第1画像、44B…第2画像、45…折線、46…糊代(接着部)、47…基材、8…舌部、49…格子、49a…ライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻きたばこをその内部に包装する包装容器において、
その上部に開口端を有する収納体と、
前記収納体の開口端を閉塞する蓋体と、
前記収納体及び前記蓋体を一体、且つ、前記蓋体を前記収納体に対して回動可能に連結するヒンジ部と、
隙間を有する格子が設けられたゲージ、及び、異なる複数の画像を有し、前記格子に対して移動することで、前記格子の隙間に位置する前記画像を表示させる下絵紙を有する、前記収納体に設けられた表示部と、
を備えることを特徴とする包装容器。
【請求項2】
前記下絵紙は、前記蓋体に接着される接着部と、前記接着部と一体に設けられた前記複数の画像を有する下絵と、前記接着部及び前記下絵との間に設けられ、前記ヒンジ部に位置する折線と、を具備し、前記蓋体の回動に伴って前記蓋体に接着された前記糊代が回動することで、前記下絵が前記ゲージに対して前記収納体の内部を移動することを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記ゲージは、透明の樹脂材料により形成された基材と、前記基材に設けられた前記格子と、前記基材を前記収納体に固定する舌部と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−184010(P2012−184010A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46711(P2011−46711)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(594162973)株式会社トッパンプロスプリント (4)
【Fターム(参考)】