説明

包装用袋

【課題】開封作業が容易で、しかも、製造も簡単な包装用袋を提供する。
【解決手段】フィルム22で形成された内袋11と紙製の外袋12とからなる二重構造であって、外袋12及び内袋11の切り口部分に切り目又はミシン目からなる第1、第2の開封手段16、31をそれぞれ設け、第1の開封手段16に対応する位置に第2の開封手段31を配置して、外袋12と内袋11を一動作で同時に開封可能とした。これによって、開封時の作業性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重構造の包装用袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品(例えば、お茶、コーヒー豆、海苔等)、医薬品、入浴剤等の保存には、空気(主に酸素)や湿気(水)を遮断して保存性を高めるために、例えば、アルミ箔やアルミニウムを蒸着して、気密性を付与した樹脂製のフィルムで形成された包装用袋が使用されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1記載の包装用袋では、フィルムが剥き出しとなっているために破損し易いので、フィルムで形成した内袋を、紙製の外袋に入れた二重構造の包装用袋も開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−200941号公報
【特許文献2】実用新案登録第31909389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した二重構造の包装用袋は、内袋及び外袋を開封し易くするためにそれぞれに切り目を設けるが、通常、各切り目の位置を合わせておらず、外袋を開封後に内袋を開封しているので、2度手間となり開封時の作業性が劣るという問題があった。
また、1回の開封作業で外袋と内袋とを開封することも考えられるが、内袋と外袋の切り目の位置を正確に合わせなければならず、仮に中身を充填する前に、内袋と外袋の特定の位置にそれぞれ切り目を入れても、内容物の充填度合いやその後の運搬の状況で、外袋の切り目と内袋の切り目の位置がずれてしまうという問題があった。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、開封作業が容易で、しかも、製造も簡単な包装用袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う本発明に係る包装用袋は、フィルムで形成された内袋と紙製の外袋とからなる二重構造の包装用袋であって、
前記外袋及び前記内袋の切り口部分に切り目又はミシン目からなる第1、第2の開封手段をそれぞれ設け、該第1の開封手段に対応する位置に該第2の開封手段を配置して、該外袋と該内袋を一動作で同時に開封可能とした。
【0007】
ここで、内袋に入れる内容物(保存物)としては、例えば、魚の餌、ペットの餌、砂糖、医薬品等がある。また、紙製の外袋は、天然材料を使用した紙を用いる場合の他、天然材料以外(例えば、合成樹脂製)の紙で構成するものも含まれる。また、切り目は、その切り口(切り欠き)の形状からIカット、Vカット、Uカット等がある。また、内袋に形成されるミシン目には、切取線などにする点線状の孔の他に、フィルムの切り口部分に多数の貫通した傷痕を形成した、いわゆる、マジックカット(登録商標、特公平7−4891号公報参照)も含む。また、外袋に形成される第1の開封手段としては、外袋の側面に沿って設けられたミシン目であるのが好ましい。
【0008】
本発明に係る包装用袋において、前記第2の開封手段は、前記内袋に形成された側シール部に該内袋の長さ方向に沿って小間隔で複数設けられているのが好ましい。
本発明に係る包装用袋において、前記内袋の開口側シール部は、前記外袋の前記第1の開封手段を基準としてその外側に設けることができる。
本発明に係る包装用袋において、前記内袋の開口側シール部は、前記外袋の前記第1の開封手段を基準としてその内側に設けることができる。
本発明に係る包装用袋において、前記内袋と前記外袋の接合は前記第2の開封手段近傍で行うことができる。
本発明に係る包装用袋において、前記内袋と前記外袋の接合は前記第2の開封手段の内側又は外側(開口部側)の位置で行うことができる。
【0009】
本発明に係る包装用袋において、前記フィルムは気密性を備えてもよい。
気密性を備えたフィルム(以下、「気密性フィルム」ともいう)は、ガスバリア性(すなわち、酸素透過度が低い)を有するので、空気(特に酸素)が遮断され、内容物の変質を防止できる。更に、気密性フィルムは湿気(水分)も遮断でき、水分による内容物の腐敗も防止できる。気密性フィルムとしては、例えば、アルミ箔、アルミニウムを表面に蒸着した樹脂、ポリビニルアルコール系の樹脂、ナイロン系の樹脂、又はポリ塩化ビニリデンでコートした樹脂等を使用することができる。
【0010】
本発明に係る包装用袋において、前記フィルムの気密性は、酸素透過度が5000cc/m2・atm・day以下、好ましくは100cc/m2・atm・day以下、より好ましくは50cc/m2・atm・day以下、更に好ましくは10cc/m2・atm・day以下、特に好ましくは0.5cc/m2・atm・day以下であるのが好ましい。
ここで、酸素透過度の下限は、0cc/m2・atm・dayである。また、気密性フィルムの水蒸気透過度は、0cc/m2・atm・day又は0cc/m2・atm・dayを超えかつ20cc/m2・atm・day以下であるのが好ましい。
【0011】
本発明に係る包装用袋において、前記フィルムは、アルミニウムが蒸着されたポリエチレンテレフタレート、ナイロン、及びポリエチレンを順次積層して形成され、前記内袋は該フィルムを熱によって融着して前記アルミニウムの蒸着面を内側にした袋状に形成され、前記外袋はクラフト紙によって形成されているのが好ましい。
【0012】
本発明に係る包装用袋において、前記外袋は筒状に形成した外袋本体の開口部を閉塞して製造してもよい。
ここで、外袋本体の開口部の閉塞は、例えば、オーバテープ又はクレープ紙によって行ってもよく、接着剤や両面粘着テープ等を使用してもよい。オーバーテープとは、基材となる紙に熱可塑性樹脂層が設けられたもので、オーバーテープによる外袋本体の開口部の閉塞は、例えば、ヒートシールミシン縫いオーバーテープ(heat sealed and sewn and taped closure)といわれる手法を用いることができる。これは、外袋本体の開口部近傍を糸で縫った後、その上部に内側が熱可塑性樹脂となるようにオーバーテープを配置して熱により融着して行われる。また、強度は劣るが、ミシン縫いをせずに、開口部近傍に熱可塑性樹脂が内側となるようにオーバーテープを配置した後、ヒートシールして外袋本体を閉塞してもよい。更に、クレープ紙による外袋本体の開口部の閉塞は、例えば、外袋本体の開口部をクレープ紙で覆った後、クレープ紙の上部を糸で縫って行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1〜10に記載の包装用袋においては、外袋及び内袋の切り口部分に切り目又はミシン目からなる第1、第2の開封手段をそれぞれ設け、第1の開封手段に対応する位置に第2の開封手段を配置して、外袋と内袋を一動作で同時に開封可能としたので、開封時の作業性が向上する。
【0014】
特に、請求項2記載の包装用袋においては、第2の開封手段が、内袋に形成された側シール部に内袋の長さ方向に沿って小間隔で複数設けられているので、第1の開封手段から外袋を開封した場合、複数の切り目又はミシン目のうちいずれかによって内袋も同時に開封することができると共に、内袋の切り目又はミシン目の位置を外袋の第1の開封手段の位置に対して厳密に合わせる必要がなく、包装用袋の製造時の作業性も向上する。更には、内袋の内容物の充填状態が変化することによって、内袋の第2の開封手段の位置と外袋の第1の開封手段の位置がずれても、ずれが一定の範囲であれば確実に開封することができる。
【0015】
特に、請求項3記載の包装用袋においては、内袋の開口側シール部が外袋の第1の開封手段を基準としてその外側に設けられているので、外袋を第1の開封手段で開封すると同時に内袋を開封することができ、開封時の作業性が向上する。
請求項4記載の包装用袋においては、内袋の開口側シール部が外袋の第1の開封手段を基準としてその内側に設けられているので、輸送時には外袋によって内袋を保護でき、第1の開封手段から外袋を開封した際には、内袋を密封したまま外袋から取り出すことができる。
請求項5記載の包装用袋においては、内袋と外袋の接合が第2の開封手段近傍で行われているので、内袋の第2の開封手段と外袋の第1の開封手段が重なるように保持されて、第1、第2の開封手段の位置がずれ難い。
請求項6記載の包装用袋においては、内袋と外袋の接合が第2の開封手段の内側又は外側の位置で行われているので、開封後の内袋及び外袋の分離が容易である。
【0016】
請求項7記載の包装用袋においては、フィルムが気密性を備えているので、内容物の変質を防止できる。
請求項8記載の包装用袋においては、フィルムの気密性が酸素透過度5000cc/m2・atm・day以下であるので、内容物の変質を防止できる。
請求項9記載の包装用袋においては、内袋がアルミニウムが蒸着されたポリエチレンテレフタレート、ナイロン、及びポリエチレンをアルミニウムの蒸着面を内側にして順次積層した気密性フィルムを熱によって融着して袋状に形成されているので、高気密性を有する。また、外袋はクラフト紙によって形成されているので、安価に製造できる。
請求項10記載の包装用袋においては、外袋が筒状に形成した外袋本体の開口部を閉塞して製造されているので、簡単に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る包装用袋の説明図、図2(A)、(B)はそれぞれ同包装用袋に内容物を入れた際の図1のA−A断面図、B−B断面図、図3は同包装用袋の内袋を形成する気密性フィルムの拡大断面図、図4は本発明の第2の実施の形態に係る包装用袋の説明図である。
【0018】
図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る包装用袋10について説明する。
図1、図2(A)、(B)、及び図3に示すように、包装用袋10は、気密性を備えたフィルム(以下、「気密性フィルム」ともいう)22で形成された内袋11と、内袋11を覆う紙製の外袋12とからなる二重構造となっている。以下、詳しく説明する。
【0019】
図1に示すように、外袋12は、例えば、クラフト紙を筒状にして、その寸法が縦500〜900mm、横300〜600mm(この実施の形態では、縦787mm、横495mm)となった外袋本体13を有している。外袋本体13には、2つの開口部14、15が形成され、一方の開口部14側には、例えば、開口部14の端部から50〜120mm(例えば、85mm)内部の位置に開口部14と実質的に平行となるように第1の開封手段の一例であるミシン目16が形成されている。
【0020】
更に、外袋本体13の開口部14、15は、オーバーテープ19、20によって、それぞれ閉塞され、外袋12が形成されている。オーバーテープ19、20は、例えば、クラフト紙(基材)17の内側にホットメルト接着剤(例えば、熱可塑性樹脂)18がラミネート(積層)され、紙袋の縫い目又は端部の被覆に用いるテープである。ここで、外袋本体13の開口部15は、その端部から、例えば、幅が15〜100mm(ここでは、60mm)のオーバーテープ20をホットメルト接着剤18を内側として中央で折り曲げて、その端部が開口部15の端部から、例えば、7.5〜50mm(ここでは、30mm)の位置となるように開口部15の位置に配置し、熱によって融着させて外袋本体13とオーバーテープ20を接着し、開口部15が閉塞される。
【0021】
また、内袋11の端部と外袋12の開口部14の端部とが揃うように、内袋11を外袋12内に配置し、外袋本体13の開口部14の端部から、例えば、5〜25mm(ここでは、20mm)の内側位置をミシン(図示せず)によって糸21で縫った後、糸21の縫い目が隠れるように、例えば、幅が15〜100mm(ここでは、60mm)のオーバーテープ19をホットメルト接着剤18を内側として中央で折り曲げて、その端部が開口部14の端部から、例えば、7.5〜50mm(ここでは、30mm)の位置となるように開口部14の位置に配置し、熱によって融着させて外袋本体13とオーバーテープ19を接着し、開口部14を閉塞する。このような接合方法は、ヒートシールミシン縫いオーバーテープといわれる。
【0022】
また、図3に示すように、内袋11を形成する気密性フィルム22は、例えば、一方側の表面にアルミニウム23が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルム24、ナイロンフィルム25、及びポリエチレンフィルム26を順次積層して形成されている。内袋11の寸法は、縦500〜900mm、横300〜600mm(この実施の形態では、縦787mm、横493mm)となっている。また、気密性フィルム22の厚みは、例えば、50〜150μm(本実施の形態では、アルミニウム23が蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム24が12μm、ナイロンフィルム25が15μm、そして、ポリエチレンフィルム26が80μmとなって、107μmである)となっている。
【0023】
内袋11は、実質的に同じ大きさ(縦787mm、横493mm)の2枚の矩形の気密性フィルム22を、アルミニウム23の蒸着面(アルミニウムが蒸着されている側の面)を内側にして重ね合わせ、その周囲の3方を端部から、例えば、5〜20mm(この実施の形態では、9mm)まで加熱して融着して形成された側シール部27が設けられている。また、側シール部27が形成されていない開口部28から内容物29(例えば、養殖魚の餌等)を入れた後、開口部28側をヒートシールして開口側シール部30を形成することによって、内袋11が密閉されている。
【0024】
更に、内袋11の側シール部27には、外袋12のミシン目16に対応する位置、例えば、開口部28の端部から、例えば、50〜120mm(ここでは、70mm)の位置に、内袋11の長さ方向に沿って小間隔、例えば、2〜10mm間隔(本実施の形態では、5mm)で複数、例えば、3〜10(本実施の形態では、6つ)の切り目(第2の開封手段の一例)31が、例えば、切り込み深さ2〜10mm(本実施の形態では、5mm)で設けられている。また、本実施の形態では、内袋11の開口部28側と外袋12の開口部14側が同じになるように、内袋11を外袋12内に配置している。ここで、内袋11の開口側シール部30は、内袋11を外袋12内に配置した際に、ミシン目16を基準としてその外側、かつ、切り目31の外側となるように設けられている。
【0025】
また、内袋11には、内袋11内の空気を外部に放出し、内袋11外の空気を内部に侵入させない脱気弁32が、開口側シール部30の内側(ここでは、開口部28の端部から85mm内側)に取付けられている。
更に、内袋11と外袋12とは、内袋11の両側の切り目31の近傍(ここでは、切り目31を覆う位置、例えば、半径が5、10、20、又は30mmの半円領域)に接着剤33が塗布されて接合され、接合部34、35が形成されている。なお、接着剤33の代わりに、両面粘着テープ等によって内袋11と外袋12を接合してもよい。また、接合部を切り目31の内側又は外側の位置に設けてもよい。
【0026】
次に、包装用袋10の製造方法について説明する。
まず、縦787mm及び横1010mmで、しかも、長辺側の一端部から85mmの位置にミシン目16が形成されたクラフト紙を、短辺側の一端側から、例えば、250mm、更にそこから495mmの位置で内側に折って3つ折りし、その重なり部分(20mm)を、例えば、接着剤等で接合して、縦787mm、横495mmの筒状の外袋本体13を作成する。ここで、外袋本体13には、ミシン目16が設けられた側の開口部14と、その反対の開口部15が形成される。次に、ホットメルト接着剤18を内側にしたオーバーテープ20を開口部15を覆うようにして配置してヒートシールし、開口部15を閉塞する。なお、外袋の強度を高めるために、クラフト紙を2枚以上重ねてもよい。
【0027】
また、縦787mm、横493mmの2枚の気密性フィルム22を重ね合わせ、その長辺側の両方及び短辺側の一方をそれぞれ端部から9mmまでをヒートシールによって側シール部27を形成した後、側シール部27の長辺側両側であって開口部28の端部から70mmの位置から深さ5mmの切り目31を5mmの間隔で6つずつそれぞれ設ける。更に、内袋11には、開口部28の端部から85mm内側の位置に脱気弁28を取付けている。なお、1枚の気密性フィルムと、脱気弁が取付けられた1枚の気密性フィルムとを重ね合わせ、その周囲をヒートシールして内袋を形成してもよく、2枚の気密性フィルムをヒートシールして袋状にした後に脱気弁を取付けてもよい。
袋状の内袋11の開口部28から内容物29を入れた後、内袋11を外袋12内に配置した際に、ミシン目16を基準としてその外側、かつ、切り目31の外側となるようにヒートシールして開口側シール部30を設け、内袋11を密閉する。
【0028】
次に、内袋11の端部と外袋12の開口部14の端部とが揃うように、内袋11を外袋12内に配置し、内袋11の切り目31近傍に接着剤33を塗布して内袋11と外袋12を接合し、接合部34、35を形成する。
更に、外袋12の開口部14の端部から20mmの位置を内袋11及び外袋12が重なるようにミシンによって糸21で縫った後、ホットメルト接着剤18を内側にしたオーバーテープ19を、糸21で縫った開口部14を覆うように配置してヒートシールし、開口部14を閉塞して、内袋11を内包した外袋12を閉塞する。
【0029】
ここで、包装用袋10を開封する場合、切り口部分のミシン目16に沿って外袋12を開封すると、それと同時にミシン目16の近傍に配置された切り目31のいずれかによって気密性フィルム22が切断され、内袋11を一動作で同時に開封することができる。内袋11及び外袋12の開口側が重ねられて糸21で接合されているので、外袋12を掴むと内袋11も掴むことができ、内袋11が開封し易くなる。また、内袋11の切断方向は、ミシン目16によってガイドされるので、方向性を備え正確に開封することができる。また、接合部34、35の内袋11と外袋12との接合を解離すると、内袋11と外袋12が簡単に分離できるので、分別処理が容易である。
【0030】
図4を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る包装用袋40について説明する。なお、包装用袋10と同一の構成要素については同一の番号を付してその詳しい説明を省略する。
包装用袋40は、内袋41の開口側シール部42が外袋12のミシン目16を基準としてその内側に設けられている点で、包装用袋10と異なっている。包装用袋40は、ミシン目16で開封すると、内袋41を密閉状態のまま取り出すことができる。これによって、例えば、外袋12を持ち込めない食品工場等において、密閉された内袋41を外袋12から分離して使用できる。
【0031】
本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の包装用袋を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、前記実施の形態の包装用袋において、外袋をクラフト紙で形成したが、その他の紙で形成してもよく、また、気密性フィルムとしてアルミニウムが蒸着されているフィルムを使用したが、酸素透過度が5000cc/m2・atm・day以下、好ましくは100cc/m2・atm・day以下であればよく、アルミ箔、ポリビニルアルコール系の樹脂、ナイロン系の樹脂、ポリ塩化ビニリデンでコートした樹脂等で形成してもよい。
【0032】
更に、前記実施の形態では、外袋本体の開口部をオーバーテープにより閉塞したが、外袋本体の開口部をクレープ紙で覆った後、クレープ紙の上部を糸で縫ってもよい。また、前記実施の形態では、内袋を2枚の気密性フィルムを重ねて、その周囲をヒートシールして形成したが、1枚のフィルムを折り曲げてヒートシールして形成してもよい。気密性フィルムに脱気弁を設けたが、設けなくてもよい。更に、第1の開封手段をミシン目としたが、切り目でもよい。また、第2の開封手段を切り目としたが、マジックカットを含む切り目又はミシン目としてもよい。なお、前記実施の形態では、具体的な数値を用いて説明したが、本発明はこれらの数値に限定されるものではなく、用途に応じて数値を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る包装用袋の説明図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同包装用袋に内容物を入れた際の図1のA−A断面図、B−B断面図である。
【図3】同包装用袋の内袋を形成する気密性フィルムの拡大断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る包装用袋の説明図である。
【符号の説明】
【0034】
10:包装用袋、11:内袋、12:外袋、13:外袋本体、14、15:開口部、16:ミシン目、17:クラフト紙、18:ホットメルト接着剤、19、20:オーバーテープ、21:糸、22:気密性フィルム、23:アルミニウム、24:ポリエチレンテレフタレートフィルム、25:ナイロンフィルム、26:ポリエチレンフィルム、27:側シール部、28:開口部、29:内容物、30:開口側シール部、31:切り目、32:脱気弁、33:接着剤、34、35:接合部、40:包装用袋、41:内袋、42:開口側シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムで形成された内袋と紙製の外袋とからなる二重構造の包装用袋であって、
前記外袋及び前記内袋の切り口部分に切り目又はミシン目からなる第1、第2の開封手段をそれぞれ設け、該第1の開封手段に対応する位置に該第2の開封手段を配置して、該外袋と該内袋を一動作で同時に開封可能としたことを特徴とする包装用袋。
【請求項2】
請求項1記載の包装用袋において、前記第2の開封手段は、前記内袋に形成された側シール部に該内袋の長さ方向に沿って小間隔で複数設けられていることを特徴とする包装用袋。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項に記載の包装用袋において、前記内袋の開口側シール部は、前記外袋の前記第1の開封手段を基準としてその外側に設けられていることを特徴とする包装用袋。
【請求項4】
請求項1及び2のいずれか1項に記載の包装用袋において、前記内袋の開口側シール部は、前記外袋の前記第1の開封手段を基準としてその内側に設けられていることを特徴とする包装用袋。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装用袋において、前記内袋と前記外袋の接合は前記第2の開封手段近傍で行われていることを特徴とする包装用袋。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装用袋において、前記内袋と前記外袋の接合は前記第2の開封手段の内側又は外側の位置で行われていることを特徴とする包装用袋。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の包装用袋において、前記フィルムは気密性を備えていることを特徴とする包装用袋。
【請求項8】
請求項7記載の包装用袋において、前記フィルムの気密性は、酸素透過度が5000cc/m2・atm・day以下であることを特徴とする包装用袋。
【請求項9】
請求項7及び8のいずれか1項に記載の包装用袋において、前記フィルムは、アルミニウムが蒸着されたポリエチレンテレフタレート、ナイロン、及びポリエチレンを順次積層して形成され、前記内袋は該フィルムを熱によって融着して前記アルミニウムの蒸着面を内側にした袋状に形成され、前記外袋はクラフト紙によって形成されていることを特徴とする包装用袋。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の包装用袋において、前記外袋は筒状に形成した外袋本体の開口部を閉塞して製造されていることを特徴とする包装用袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−269329(P2007−269329A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−94657(P2006−94657)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000251130)林兼産業株式会社 (16)
【出願人】(591035771)名糖株式会社 (3)
【Fターム(参考)】