包装袋
【目的】適量の内容物(主に,粒状体,粉状体)を振り出すのに適した包装袋を提供する。
【構成】表,裏面フィルムの少なくとも一方に,上端開口部から中央に寄った箇所において,包装袋の一方の側部から他方の側部にかけて,外方に突出するようにひだが形成されている。このひだを広げると外からみて膨らみが,内部においては窪みが形成される。ひだが形成された面を下にして,かつ開口部を下方に向けて包装袋を傾けると,内容物は上記窪み内に溜まるので,必要に応じて開口部を通して目で見ながら,包装袋を上下に振り,内容物を適量,落として取出すことが可能となる。
【構成】表,裏面フィルムの少なくとも一方に,上端開口部から中央に寄った箇所において,包装袋の一方の側部から他方の側部にかけて,外方に突出するようにひだが形成されている。このひだを広げると外からみて膨らみが,内部においては窪みが形成される。ひだが形成された面を下にして,かつ開口部を下方に向けて包装袋を傾けると,内容物は上記窪み内に溜まるので,必要に応じて開口部を通して目で見ながら,包装袋を上下に振り,内容物を適量,落として取出すことが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は包装袋に関し,特に粒状体,粉状体を入れておいて,これらを小出しするのに適した包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
各種調味料,振り掛け,インスタントコーヒー,ココアなどの食料品のみならず,ビーズ等を含む粒状体,粉状体を,複数回分の使用量以上の量入れておく包装袋の場合,内容物を小出ししながら使用する。その場合に,必要にして充分な1回分の量を,包装袋から振り出すのはかなり難しい。
【0003】
包装袋からその内容物を小量ずつ取出すことができるようにするために,チャックが設けられたあけ口の内側(中央部寄り)の箇所に,袋の表裏フィルムを,非シール部をわずかに残してシールし,残した非シール部を取出し口としたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3155961号
【0005】
これは,取出し口を小さく絞って一ぺんに大量の内容物が出てしまうのを防止するにすぎず,必ずしも適量の内容物を振り出すのに適した構造ではない。取出し口の大きさによって,出にくかったり,逆に出やすかったりするからである。
【発明の概要】
【0006】
この発明は適量の内容物を振り出すのに適した包装袋を提供するものである。
【0007】
この発明による包装袋は,その上端開口部から中央方向に寄った箇所に,表,裏面のフィルムの少なくとも一方に,包装袋の一方の側部から他方の側部にかけて,包装袋の外方に突出するようにひだが形成されていることを特徴とするものである。このひだを広げると外からみて膨らみが,内部においては窪みが形成される。この包装袋からその内容物を取り出す場合には,上端開口部を開口し,その後,包装袋を,ひだが形成された面を下にし,かつ開口部を下方に向けて傾けると,内容物は上記窪み内に溜まるので,必要ならば開口部を通して目で見ながら,包装袋を上下に振り,内容物を適量,落として取出すことが可能となる。上端開口部とは,何らかの形態で閉じられていて(シール,チャック等により),内容物を取出すために開くべき端部を意味する。ひだは上向き(上端開口部の方向に突出)でも,下向きでもよい。上向きのひだと下向きのひだの両方を備えてもよい。
【0008】
好ましくは,ひだの両端部が包装袋に接着(溶着を含む。以下同じ。)される。これにより窪みを形成しやすくなる。ひだの両端部は包装袋の両側にそれぞれ接着してもよいし,ひだの両端部を包装袋の一側に接着してもよい。包装袋が背シール部を持てばその背シール部にひだの両端部を接着してもよい。ひだの両端部を包装袋の両側にそれぞれ接着する場合,包装袋の両側はシール(表,裏面のフィルムが包装袋の両側部で接着されること)されていることが好ましいが,ひだの両端部に相当する箇所でのみシールされていてもよい。
【0009】
一実施態様では,上端開口部とひだとの間の位置において,包装袋の表,裏面の内面にチャックが設けられる。チャックにより開口部が開閉自在となるので,適量の内容部を取出した後に,チャックにより包装袋の開口部を閉じることができる。
【0010】
他の実施態様では,上端開口部をシールしておいてもよい。
【0011】
さらに他の実施態様では,ひだが形成されている面において,ひだの近傍に,その面のフィルム部分を折り重ねて接着することにより,タブが形成される。タブを引っぱって,容易にひだを広げることができる。また,タブの基部を折り線として,包装袋をタブの反対側に折り返すことにより,簡易にリクローズさせることができる。
【0012】
表,裏両面のフィルムにひだが形成されている場合には,一方の面のひだを全面的に相互に接着してもよい。他方の面のひだのみを使うことになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施例の包装袋を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う拡大断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う拡大断面図である。
【図5】一実施例の包装袋の使用状態を示す斜視図である。
【図6】一実施例の包装袋の使用状態を示す断面図である。
【図7】包装袋をタブの位置で折り返してリクローズする様子を示す。
【図8】他の実施例の包装袋を示す平面図である。
【図9】さらに他の実施例の包装袋を示す平面図である。
【図10】図9に示す包装袋の背面図である。
【図11】さらに他の実施例の包装袋を示す平面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿う断面図である。
【図13】さらに他の実施例の包装袋を示す平面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線に沿う断面図である。
【実施例】
【0014】
図1から図4は一実施例の包装袋を示している。
【0015】
包装袋は後に詳述するように主にプラスチックを主体とする積層フィルムの折曲とシールにより形成される。この実施例の包装袋10Aは有底のもので,細長い積層フィルムがまちとなる(ガゼット状の)底部13の両がわから表面,裏面を形成するように折り返され,重ね合わされる。包装袋10Aの表面,裏面は一枚の積層フィルムにより形成されるものであるが,説明の便宜上,表,裏面を形成するフィルム部分を表面フィルム11,裏面フィルム12ということにする。これらの表,裏面フィルム11,12はその両側で互いにシールされている(シール部21,22)(シール部を交叉するハッチングで示す)。シールはフィルムの接着(溶着を含む)により行なわれる。表,裏両面のフィルム11,12の両側をシールするときに,表面フィルム11に後述するひだ(襞)(ギャザーまたはプリーツ)15,16およびタブ18がシール部21からシール部22にかけて(シール部21と22の間において)外方向に突出するように形成される。また,底面部フィルム13の四隅が表面フィルム11または裏面フィルム12と三角形状にシールされる(このシール部を符号23で示す)。
【0016】
さらにこの実施例では,包装袋10Aのひだ15,16,タブ18よりも開口部側の箇所に,表,裏面フィルム11,12の内面にチャック(ジッパー,線ファスナー)25が設けられている。チャック25は包装袋10Aの形成前に積層フィルムの袋内面となる面にあらかじめ接着しておくものである。このチャック25の存在により,包装袋10Aを何度も開けたり閉じたりすることが可能となる(開閉自在)。さらにこの実施例では,包装袋10Aのチャック25よりも外側の端部(上端開口部)では表,裏両面のフィルム11,12がシールされている(シール部を符号24で示し,上端を符号24Aで示す)。シール部24とチャック25との間が開封位置で,開封位置を示すマーク29が表面フィルム11に印刷されている。マーク29に代えてシール部21または22にノッチを形成してもよい。開封箇所を引き裂くかまたは切断して開封した後は,チャック25によりリクローズすることができる。
【0017】
ひだ15,16は,上端開口部から中央部の方向に少し寄った箇所に設けられている。すなわち,包装袋10Aの上端開口部から中央部に向かって,シール24,チャック25,タブ18,ひだ16,15の順に設けられている。ひだ15,16とタブ18の順序を入れ替えてもよい。ひだ15,16は,包装袋10Aの幅方向に細長く,表面フィルム11を,谷折りし山折りし,間隔を少しおいてこれを繰返して形成される。この実施例では,ひだ15,16の先端が上端開口部に向かって外方に突出しているが,下端部に向って突出させてもよい。2つのひだ15,16を設ける場合,ひだ15,16の折込幅Wは5〜10mm幅程度が好ましい。折込幅が5mm未満では,後述する窪みが不十分となり,内容物を充分に溜めることができず,10mm以上にするとひだが大きすぎ,ひだを大きく膨らましたときに上端開口部の開口が小さくなり,内容物が取り出し難くなるだけでなく,場合によっては開口が閉塞してしまうことがある。もちろん,ひだの数は2つである必要は必ずしもなく,最低1つあればよい。1つのひだのみを設ける場合の折込幅Wは15mm程度とするのが好ましい。いずれにしても,使い勝手を考慮して,ひだの数および折込幅Wは定められる。ひだ15,16は,シール22(または21)の部分(図3)と,それ以外の部分(たとえば包装袋10Aの中央部)(図4)とでは構造が異なっている。
【0018】
シール22(または21)の部分では,図3に示すように,表面フィルム11が谷折り,山折りされて形成されたひだ15,16の内側部15A,16Aと外側部15B,16Bとがそれぞれ接着(溶着を含む。以下同じ)され,これらのひだ15と16との間には間隙があり,この部分では表面フィルム11は裏面フィルム12に接着している(シール部22または21)。
【0019】
これに対して,包装袋10Aの中央部においては,図4に示すように,ひだ15,16の内側部15A,16Aと外側部15B,16Bとは折られてはいるが接着されてはいない。これにより,包装袋10Aの中央部に,後述するように,内容物を溜める窪み(外からみれば,膨らみ)が形成される。
【0020】
タブ18はシール部21,22の部分と,それ以外の部分とで構造に違いはなく,表面フィルム11の一部が折り重ねられ,かつ接着されることにより形成されている。タブ18を引っぱって,容易にひだを広げることができる。また,図7に示す包装袋10B(図1のIII−III線(図3)に相当する位置における断面図である)のように,チャック25を設けない場合に,タブ18の基部を折り線として,包装袋の上部24Bをタブ18とは反対側に折り返すことにより,簡易にリクローズさせることができる。タブは,ひだ15,16の近傍であればひだ15,16よりも包装袋の中央寄りの箇所に形成してもよい。
【0021】
図5および図6は,包装袋10A内の内容物Cを,包装袋10Aを傾けながらその開口部から出す(上下に振りながら出す)様子を示している。図5ではひだ15,16により形成される膨らみが外から見えるようにするために,包装袋10Aはまだ傾いていない。図6では内容物を振り出すことが可能な程度に包装袋10Aは傾いて描かれている。これらの図において,タブ18,チャック25の図示は省略されている。
【0022】
上述したように,開封箇所を開封したのち,チャック25を開ける。そうしてユーザは,包装袋10Aを一方の手で持ち,タブ18を他方の手で引っぱる。すると,折り畳まれていたひだ15,16が広がり,包装袋10Aの中央部で外方に膨らむ。これにより,包装袋10Aの内部には窪みができる。包装袋10Aを,そのひだ15,16側の面が下になる姿勢で持ち,かつ開口部が下方を向くように傾けると,内容物Cは底部から滑り落ち(流れ落ち),広がったひだにより形成された窪みに溜まる。ユーザは,図5,図6に矢印で示すように,出口(開口部)の近くにできた窪みに溜まった内容物Cを目で見ることができる。窪み内の内容物を目で見ながら,傾けた包装袋10Aを上下に軽く振れば,内容物は小量ずつ包装袋10Aの開口から出る。ユーザは内容物Cを見ながら振り出す操作を行うことができるので,適量の内容物Cを取り出すことができる。もちろん,ユーザは内容物Cを見なくてもよい。ひだ15,16を広げる作業はタブ18を用いずに,開口から包装袋10A内に指を入れるか,ひだ15,16を引っぱっても行うこともできる。ひだ15,16はその全部を伸ばさなくてもよい。ひだ15,16の広がりは内容物の量,使い勝手等を考慮して適切に調整すればよい。
【0023】
適量の内容物を取り出した後は,ひだ15,16を元の状態にたたみ,かつチャック25を閉じて,内容物が入った包装袋を保管することができる。
【0024】
この実施例では,表面フィルム11にひだ15,16を形成し,裏面フィルム12は平坦面となっている。例えば,内容物が少ないときには,ひだを広げず,平坦な裏面フィルム12を下にし,かつ開口部が下方を向くように傾けて内容物を取り出してもよい。内容物がひだに引っ掛かることがなく,内容物が少なくてもスムースに取り出すことができる。
【0025】
タブ18は必ずしも設ける必要はない。ひだの部分を引っぱればひだを広げることができるからである。シール部24とチャック25のいずれか一方を省略することができる。すなわち,チャック25があればシール部24はなくてもよい。チャック25を省略してもよい。内容物の取出し口となる開口部(チャック25やシール部24のある部分)の幅をやや小さくしてもよい。
【0026】
一枚の積層フィルムではなく,複数枚の積層フィルムを用いて包装袋10Aを形成してもよい。たとえば,図2を参照して,表面フィルム11用,裏面フィルム12用および底部フィルム13用の3枚の別々の積層フィルムを用意し,3枚の積層フィルムの端部を接着することで包装袋10Aを形成することもできる。このことは後述する他の実施例の包装袋においても同様である。1枚の積層フィルムを用いるか,複数枚の積層フィルムを用いるかは,包装袋(ひだ,タブ)の作りやすさなどに応じて適宜決めればよい。
【0027】
図8は三方シールの包装袋を示すものである。この包装袋10Cでは,上端部24,下端部26および右側部21でシールされ,左側にシール部はない。このような形態の包装袋では表,裏両面のフィルムにひだ15,16が形成される。ひだ15,16の両端部は右側シール部21の位置で重ね合わされて相互に接着される。一方の面のひだが不要であれば,そのひだをシール部21,22のように(図3参照),相互に接着してもよい。
【0028】
図9および図10は他の実施例を示すもので,ピロー形の包装袋の正面,背面をそれぞれ示している。この包装袋10Dは上端部24,下端部26および背シール部27でシールされ,左右側部にシール部はない。表,裏両面のフィルム11,12にひだ15,16が形成されている。ひだ15,16の両端部は背シール部27の位置で重ね合わされて相互に接着される。
【0029】
図11および図12はさらに他の実施例の包装袋10Eを示している。包装袋10Eは1枚の積層フィルムを表面,裏面を形成するように折ることでつくられ,まちを持たないものである(平パウチ)。また,2つのひだ15,16は,一方のひだ15の先端が下端部に向かって外方に突出し,他方のひだ16の先端は上端開口部に向かって突出している。
【0030】
図13および図14はさらに他の包装袋10Fを示している。包装袋10Fも平パウチ形のものである。この包装袋10Fは1つのひだ16のみを持つ。図13,図14に示されているように,ひだ16の先端部(折返部)がその一方の端部から他方の端部にかけてシール(符号16Aで示す)されている。
【0031】
他の形態,たとえば側辺にまちのあるまち付きタイプ(パウチ・タイプ)等の包装袋にもこの発明は適用可能である。
【0032】
上記包装袋の製造に好適なフィルムについて説明する。包装材としては,主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられる。簡単な構成のものでは,基材フィルム層にシーラント層を積層した構成の積層フィルムが用いられる。包装袋に充填される内容物に応じて,または,充填後の取扱い条件,もしくは水蒸気その他のガスバリヤー性,遮光性,各種の機械的強度など必要とされる性能に応じて,基材フィルム層とシーラント層との間などに,たとえば,中間層として,水蒸気その他のガスバリヤー層,遮光層,強度向上層などを積層した構成の積層フィルムを使用する。
【0033】
上記基材フィルム層や水蒸気その他のガスバリヤー層,遮光層,強度向上層などの中間層,シーラント層などは,それぞれ単独の層で形成してもよいが,複数の層を積層して形成してもよい。
【0034】
上記基材フィルム層には,ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルの二軸延伸フィルムのほか,ナイロン6,ナイロン66,MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのポリアミドの二軸延伸フィルム,そして,二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP),紙などを好適に使用することができる。
【0035】
上記ガスバリヤー層としては,エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH),ポリ塩化ビニリデン(PVDC),ポリアクリロニトリル(PAN)などのフィルムのほか,アルミニウム箔(AL),または,シリカ,アルミナ,アルミニウムなどの蒸着層やPVDCの塗膜層を設けた二軸延伸ナイロンフィルム(ONY),シリカ,アルミナ,アルミニウムなどの蒸着層を設けたポリエチレンテレフタレート(VMPET),二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム),二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などを使用することができる。これらのうち,アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を設けたフィルムは,不透明であるため遮光層を兼ねることもできる。
【0036】
上記強度向上層としては,上記基材フィルムのいずれかを適宜追加積層してもよく,二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。
【0037】
また,中間層に易引き裂き性の一軸延伸ポリプロピレンフィルム,一軸延伸高密度ポリエチレン,易引き裂き性二軸延伸ポリエステルフィルム(「エンブレット」PC(MD方向に易引き裂き性),ユニチカ(株)製)などを,その延伸方向が袋を開封する際の引き裂き方向と一致するように積層することにより,易開封性手段として,引き裂きを容易にし,かつその方向性を安定化させることができる。
【0038】
上記基材フィルム層とガスバリヤー層,遮光層,強度向上層などの中間層との積層には,公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
【0039】
上記シーラント層には,低密度ポリエチレン(LDPE),直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のほか,エチレン・αオレフィン共重合体,エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・アクリル酸共重合体,エチレン・アクリル酸エステル共重合体・アイオノマー,ポリプロピレン(CPP),シリカ,アルミナ,アルミニウムなどの蒸着層を設けたポリプロピレン(VMCPP)またはその共重合体などを使用することができる。
【0040】
シーラント層の積層は,上記の樹脂をフィルム状に製膜し,ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法,または上記の樹脂を押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。ただし,内容物がシーラント層に浸透しやすいものの場合は,ドライラミネーション法で積層することが好ましい。
【0041】
このようなプラスチックを主体とする積層フィルムの具体例として代表的には次の層構成からなる包装材を挙げることができる。下記1)〜8)はドライラミネーション法による積層フィルムであり,各層は接着剤で貼り合わされる。下記10),11)は押出しラミネーション法による積層フィルムであり,PE(ポリエチレン)は接着層の役割を果たす。なお,( )内の値は各層の厚さを示す。
【0042】
1)PET(12μm)/CPP(30〜60μm)
2)PET(12μm)/LLDPE(30〜60μm)
3)PET(12μm)/ONY(15μm)/LLDPE(30〜60μm)
4)PET(12μm)/VMPET(12μm)/LLDPE(30〜60μm)
5)PET(12μm)/VMPET(12μm)/CPP(30〜60μm)
6)PET(12μm)/AL(7μm)/LLDPE(30〜60μm)
7)OPP(20μm)/CPP(30〜60μm)
8)OPP(20μm)/LLDPE(30〜60μm)
9)OPP(20μm)/VMCPP(30〜60μm)
10)PET(12μm)/PE(15〜30μm)/AL(7μm)/PE(15〜30μm)
/LLDPE(30〜60μm)
11)PET(12μm)/PE(15〜30μm)/VMPET(12μm)/PE(15〜30μm )/LLDPE(30〜60μm)
【0043】
包装材としては,上記のようなプラスチックを主体とする積層フィルムのほか,層構成に紙を有する包装材を用いることもできる。このような紙を積層したものとしては次の層構成からなる包装材を挙げることができる。下記12)〜15)はドライラミネーション法による積層フィルムであり,各層は接着剤で貼り合わされる。下記16)〜19)は押出しラミネーション法による積層フィルムであり,PE(ポリエチレン)は接着層の役割を果たす。なお,( )内の値は各層の厚さを示す。
【0044】
12)紙(30g/m2)/CPP(30〜60μm)
13)紙(30g/m2)/LLDPE(30〜60μm)
14)紙(30g/m2)/AL(7μm)/CPP(30〜60μm)
15)紙(30g/m2)/AL(7μm)/LLDPE(30〜60μm)
16)紙(30g/m2)/PE(15〜30μm)/AL(7μm)/PE(15〜30μm)
/LLDPE(30〜60μm)
17)紙(30g/m2)/PE(15〜30μm)/AL(7μm)/PE(15〜30μm)
/CPP(30〜60μm)
18)PET(12μm)/PE(15〜30μm)/紙(30g/m2)/PE(15〜30μm)
/AL(7μm)/PE(15〜30μm)/LLDPE(30〜60μm)
19)PET(12μm)/PE(15〜30μm)/紙(30g/m2)/PE(15〜30μm)
/AL(7μm)/PE(15〜30μm)/CPP(30〜60μm)
【0045】
実際に,PET(12μm)/PE(15μm)/VMPET(12μm)/PE(15μm)/LLDPE(40μm)の積層フィルムを用いて図1〜図4に示す構造の包装袋を作成し,内容物Cとして振り掛けを収納して,図5,図6に示すようにして内部を見ながら振り出したところ適量の振り掛けを取り出すことができた。
【符号の説明】
【0046】
10A,10B,10C,10E,10F 包装袋
11 表面フィルム
12 裏面フィルム
13 底面部
15,16 ひだ
18 タブ
21,22,23,24,26 シール部
25 チャック
【技術分野】
【0001】
この発明は包装袋に関し,特に粒状体,粉状体を入れておいて,これらを小出しするのに適した包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
各種調味料,振り掛け,インスタントコーヒー,ココアなどの食料品のみならず,ビーズ等を含む粒状体,粉状体を,複数回分の使用量以上の量入れておく包装袋の場合,内容物を小出ししながら使用する。その場合に,必要にして充分な1回分の量を,包装袋から振り出すのはかなり難しい。
【0003】
包装袋からその内容物を小量ずつ取出すことができるようにするために,チャックが設けられたあけ口の内側(中央部寄り)の箇所に,袋の表裏フィルムを,非シール部をわずかに残してシールし,残した非シール部を取出し口としたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3155961号
【0005】
これは,取出し口を小さく絞って一ぺんに大量の内容物が出てしまうのを防止するにすぎず,必ずしも適量の内容物を振り出すのに適した構造ではない。取出し口の大きさによって,出にくかったり,逆に出やすかったりするからである。
【発明の概要】
【0006】
この発明は適量の内容物を振り出すのに適した包装袋を提供するものである。
【0007】
この発明による包装袋は,その上端開口部から中央方向に寄った箇所に,表,裏面のフィルムの少なくとも一方に,包装袋の一方の側部から他方の側部にかけて,包装袋の外方に突出するようにひだが形成されていることを特徴とするものである。このひだを広げると外からみて膨らみが,内部においては窪みが形成される。この包装袋からその内容物を取り出す場合には,上端開口部を開口し,その後,包装袋を,ひだが形成された面を下にし,かつ開口部を下方に向けて傾けると,内容物は上記窪み内に溜まるので,必要ならば開口部を通して目で見ながら,包装袋を上下に振り,内容物を適量,落として取出すことが可能となる。上端開口部とは,何らかの形態で閉じられていて(シール,チャック等により),内容物を取出すために開くべき端部を意味する。ひだは上向き(上端開口部の方向に突出)でも,下向きでもよい。上向きのひだと下向きのひだの両方を備えてもよい。
【0008】
好ましくは,ひだの両端部が包装袋に接着(溶着を含む。以下同じ。)される。これにより窪みを形成しやすくなる。ひだの両端部は包装袋の両側にそれぞれ接着してもよいし,ひだの両端部を包装袋の一側に接着してもよい。包装袋が背シール部を持てばその背シール部にひだの両端部を接着してもよい。ひだの両端部を包装袋の両側にそれぞれ接着する場合,包装袋の両側はシール(表,裏面のフィルムが包装袋の両側部で接着されること)されていることが好ましいが,ひだの両端部に相当する箇所でのみシールされていてもよい。
【0009】
一実施態様では,上端開口部とひだとの間の位置において,包装袋の表,裏面の内面にチャックが設けられる。チャックにより開口部が開閉自在となるので,適量の内容部を取出した後に,チャックにより包装袋の開口部を閉じることができる。
【0010】
他の実施態様では,上端開口部をシールしておいてもよい。
【0011】
さらに他の実施態様では,ひだが形成されている面において,ひだの近傍に,その面のフィルム部分を折り重ねて接着することにより,タブが形成される。タブを引っぱって,容易にひだを広げることができる。また,タブの基部を折り線として,包装袋をタブの反対側に折り返すことにより,簡易にリクローズさせることができる。
【0012】
表,裏両面のフィルムにひだが形成されている場合には,一方の面のひだを全面的に相互に接着してもよい。他方の面のひだのみを使うことになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施例の包装袋を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う拡大断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う拡大断面図である。
【図5】一実施例の包装袋の使用状態を示す斜視図である。
【図6】一実施例の包装袋の使用状態を示す断面図である。
【図7】包装袋をタブの位置で折り返してリクローズする様子を示す。
【図8】他の実施例の包装袋を示す平面図である。
【図9】さらに他の実施例の包装袋を示す平面図である。
【図10】図9に示す包装袋の背面図である。
【図11】さらに他の実施例の包装袋を示す平面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿う断面図である。
【図13】さらに他の実施例の包装袋を示す平面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線に沿う断面図である。
【実施例】
【0014】
図1から図4は一実施例の包装袋を示している。
【0015】
包装袋は後に詳述するように主にプラスチックを主体とする積層フィルムの折曲とシールにより形成される。この実施例の包装袋10Aは有底のもので,細長い積層フィルムがまちとなる(ガゼット状の)底部13の両がわから表面,裏面を形成するように折り返され,重ね合わされる。包装袋10Aの表面,裏面は一枚の積層フィルムにより形成されるものであるが,説明の便宜上,表,裏面を形成するフィルム部分を表面フィルム11,裏面フィルム12ということにする。これらの表,裏面フィルム11,12はその両側で互いにシールされている(シール部21,22)(シール部を交叉するハッチングで示す)。シールはフィルムの接着(溶着を含む)により行なわれる。表,裏両面のフィルム11,12の両側をシールするときに,表面フィルム11に後述するひだ(襞)(ギャザーまたはプリーツ)15,16およびタブ18がシール部21からシール部22にかけて(シール部21と22の間において)外方向に突出するように形成される。また,底面部フィルム13の四隅が表面フィルム11または裏面フィルム12と三角形状にシールされる(このシール部を符号23で示す)。
【0016】
さらにこの実施例では,包装袋10Aのひだ15,16,タブ18よりも開口部側の箇所に,表,裏面フィルム11,12の内面にチャック(ジッパー,線ファスナー)25が設けられている。チャック25は包装袋10Aの形成前に積層フィルムの袋内面となる面にあらかじめ接着しておくものである。このチャック25の存在により,包装袋10Aを何度も開けたり閉じたりすることが可能となる(開閉自在)。さらにこの実施例では,包装袋10Aのチャック25よりも外側の端部(上端開口部)では表,裏両面のフィルム11,12がシールされている(シール部を符号24で示し,上端を符号24Aで示す)。シール部24とチャック25との間が開封位置で,開封位置を示すマーク29が表面フィルム11に印刷されている。マーク29に代えてシール部21または22にノッチを形成してもよい。開封箇所を引き裂くかまたは切断して開封した後は,チャック25によりリクローズすることができる。
【0017】
ひだ15,16は,上端開口部から中央部の方向に少し寄った箇所に設けられている。すなわち,包装袋10Aの上端開口部から中央部に向かって,シール24,チャック25,タブ18,ひだ16,15の順に設けられている。ひだ15,16とタブ18の順序を入れ替えてもよい。ひだ15,16は,包装袋10Aの幅方向に細長く,表面フィルム11を,谷折りし山折りし,間隔を少しおいてこれを繰返して形成される。この実施例では,ひだ15,16の先端が上端開口部に向かって外方に突出しているが,下端部に向って突出させてもよい。2つのひだ15,16を設ける場合,ひだ15,16の折込幅Wは5〜10mm幅程度が好ましい。折込幅が5mm未満では,後述する窪みが不十分となり,内容物を充分に溜めることができず,10mm以上にするとひだが大きすぎ,ひだを大きく膨らましたときに上端開口部の開口が小さくなり,内容物が取り出し難くなるだけでなく,場合によっては開口が閉塞してしまうことがある。もちろん,ひだの数は2つである必要は必ずしもなく,最低1つあればよい。1つのひだのみを設ける場合の折込幅Wは15mm程度とするのが好ましい。いずれにしても,使い勝手を考慮して,ひだの数および折込幅Wは定められる。ひだ15,16は,シール22(または21)の部分(図3)と,それ以外の部分(たとえば包装袋10Aの中央部)(図4)とでは構造が異なっている。
【0018】
シール22(または21)の部分では,図3に示すように,表面フィルム11が谷折り,山折りされて形成されたひだ15,16の内側部15A,16Aと外側部15B,16Bとがそれぞれ接着(溶着を含む。以下同じ)され,これらのひだ15と16との間には間隙があり,この部分では表面フィルム11は裏面フィルム12に接着している(シール部22または21)。
【0019】
これに対して,包装袋10Aの中央部においては,図4に示すように,ひだ15,16の内側部15A,16Aと外側部15B,16Bとは折られてはいるが接着されてはいない。これにより,包装袋10Aの中央部に,後述するように,内容物を溜める窪み(外からみれば,膨らみ)が形成される。
【0020】
タブ18はシール部21,22の部分と,それ以外の部分とで構造に違いはなく,表面フィルム11の一部が折り重ねられ,かつ接着されることにより形成されている。タブ18を引っぱって,容易にひだを広げることができる。また,図7に示す包装袋10B(図1のIII−III線(図3)に相当する位置における断面図である)のように,チャック25を設けない場合に,タブ18の基部を折り線として,包装袋の上部24Bをタブ18とは反対側に折り返すことにより,簡易にリクローズさせることができる。タブは,ひだ15,16の近傍であればひだ15,16よりも包装袋の中央寄りの箇所に形成してもよい。
【0021】
図5および図6は,包装袋10A内の内容物Cを,包装袋10Aを傾けながらその開口部から出す(上下に振りながら出す)様子を示している。図5ではひだ15,16により形成される膨らみが外から見えるようにするために,包装袋10Aはまだ傾いていない。図6では内容物を振り出すことが可能な程度に包装袋10Aは傾いて描かれている。これらの図において,タブ18,チャック25の図示は省略されている。
【0022】
上述したように,開封箇所を開封したのち,チャック25を開ける。そうしてユーザは,包装袋10Aを一方の手で持ち,タブ18を他方の手で引っぱる。すると,折り畳まれていたひだ15,16が広がり,包装袋10Aの中央部で外方に膨らむ。これにより,包装袋10Aの内部には窪みができる。包装袋10Aを,そのひだ15,16側の面が下になる姿勢で持ち,かつ開口部が下方を向くように傾けると,内容物Cは底部から滑り落ち(流れ落ち),広がったひだにより形成された窪みに溜まる。ユーザは,図5,図6に矢印で示すように,出口(開口部)の近くにできた窪みに溜まった内容物Cを目で見ることができる。窪み内の内容物を目で見ながら,傾けた包装袋10Aを上下に軽く振れば,内容物は小量ずつ包装袋10Aの開口から出る。ユーザは内容物Cを見ながら振り出す操作を行うことができるので,適量の内容物Cを取り出すことができる。もちろん,ユーザは内容物Cを見なくてもよい。ひだ15,16を広げる作業はタブ18を用いずに,開口から包装袋10A内に指を入れるか,ひだ15,16を引っぱっても行うこともできる。ひだ15,16はその全部を伸ばさなくてもよい。ひだ15,16の広がりは内容物の量,使い勝手等を考慮して適切に調整すればよい。
【0023】
適量の内容物を取り出した後は,ひだ15,16を元の状態にたたみ,かつチャック25を閉じて,内容物が入った包装袋を保管することができる。
【0024】
この実施例では,表面フィルム11にひだ15,16を形成し,裏面フィルム12は平坦面となっている。例えば,内容物が少ないときには,ひだを広げず,平坦な裏面フィルム12を下にし,かつ開口部が下方を向くように傾けて内容物を取り出してもよい。内容物がひだに引っ掛かることがなく,内容物が少なくてもスムースに取り出すことができる。
【0025】
タブ18は必ずしも設ける必要はない。ひだの部分を引っぱればひだを広げることができるからである。シール部24とチャック25のいずれか一方を省略することができる。すなわち,チャック25があればシール部24はなくてもよい。チャック25を省略してもよい。内容物の取出し口となる開口部(チャック25やシール部24のある部分)の幅をやや小さくしてもよい。
【0026】
一枚の積層フィルムではなく,複数枚の積層フィルムを用いて包装袋10Aを形成してもよい。たとえば,図2を参照して,表面フィルム11用,裏面フィルム12用および底部フィルム13用の3枚の別々の積層フィルムを用意し,3枚の積層フィルムの端部を接着することで包装袋10Aを形成することもできる。このことは後述する他の実施例の包装袋においても同様である。1枚の積層フィルムを用いるか,複数枚の積層フィルムを用いるかは,包装袋(ひだ,タブ)の作りやすさなどに応じて適宜決めればよい。
【0027】
図8は三方シールの包装袋を示すものである。この包装袋10Cでは,上端部24,下端部26および右側部21でシールされ,左側にシール部はない。このような形態の包装袋では表,裏両面のフィルムにひだ15,16が形成される。ひだ15,16の両端部は右側シール部21の位置で重ね合わされて相互に接着される。一方の面のひだが不要であれば,そのひだをシール部21,22のように(図3参照),相互に接着してもよい。
【0028】
図9および図10は他の実施例を示すもので,ピロー形の包装袋の正面,背面をそれぞれ示している。この包装袋10Dは上端部24,下端部26および背シール部27でシールされ,左右側部にシール部はない。表,裏両面のフィルム11,12にひだ15,16が形成されている。ひだ15,16の両端部は背シール部27の位置で重ね合わされて相互に接着される。
【0029】
図11および図12はさらに他の実施例の包装袋10Eを示している。包装袋10Eは1枚の積層フィルムを表面,裏面を形成するように折ることでつくられ,まちを持たないものである(平パウチ)。また,2つのひだ15,16は,一方のひだ15の先端が下端部に向かって外方に突出し,他方のひだ16の先端は上端開口部に向かって突出している。
【0030】
図13および図14はさらに他の包装袋10Fを示している。包装袋10Fも平パウチ形のものである。この包装袋10Fは1つのひだ16のみを持つ。図13,図14に示されているように,ひだ16の先端部(折返部)がその一方の端部から他方の端部にかけてシール(符号16Aで示す)されている。
【0031】
他の形態,たとえば側辺にまちのあるまち付きタイプ(パウチ・タイプ)等の包装袋にもこの発明は適用可能である。
【0032】
上記包装袋の製造に好適なフィルムについて説明する。包装材としては,主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられる。簡単な構成のものでは,基材フィルム層にシーラント層を積層した構成の積層フィルムが用いられる。包装袋に充填される内容物に応じて,または,充填後の取扱い条件,もしくは水蒸気その他のガスバリヤー性,遮光性,各種の機械的強度など必要とされる性能に応じて,基材フィルム層とシーラント層との間などに,たとえば,中間層として,水蒸気その他のガスバリヤー層,遮光層,強度向上層などを積層した構成の積層フィルムを使用する。
【0033】
上記基材フィルム層や水蒸気その他のガスバリヤー層,遮光層,強度向上層などの中間層,シーラント層などは,それぞれ単独の層で形成してもよいが,複数の層を積層して形成してもよい。
【0034】
上記基材フィルム層には,ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルの二軸延伸フィルムのほか,ナイロン6,ナイロン66,MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのポリアミドの二軸延伸フィルム,そして,二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP),紙などを好適に使用することができる。
【0035】
上記ガスバリヤー層としては,エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH),ポリ塩化ビニリデン(PVDC),ポリアクリロニトリル(PAN)などのフィルムのほか,アルミニウム箔(AL),または,シリカ,アルミナ,アルミニウムなどの蒸着層やPVDCの塗膜層を設けた二軸延伸ナイロンフィルム(ONY),シリカ,アルミナ,アルミニウムなどの蒸着層を設けたポリエチレンテレフタレート(VMPET),二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム),二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などを使用することができる。これらのうち,アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を設けたフィルムは,不透明であるため遮光層を兼ねることもできる。
【0036】
上記強度向上層としては,上記基材フィルムのいずれかを適宜追加積層してもよく,二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。
【0037】
また,中間層に易引き裂き性の一軸延伸ポリプロピレンフィルム,一軸延伸高密度ポリエチレン,易引き裂き性二軸延伸ポリエステルフィルム(「エンブレット」PC(MD方向に易引き裂き性),ユニチカ(株)製)などを,その延伸方向が袋を開封する際の引き裂き方向と一致するように積層することにより,易開封性手段として,引き裂きを容易にし,かつその方向性を安定化させることができる。
【0038】
上記基材フィルム層とガスバリヤー層,遮光層,強度向上層などの中間層との積層には,公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
【0039】
上記シーラント層には,低密度ポリエチレン(LDPE),直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のほか,エチレン・αオレフィン共重合体,エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・アクリル酸共重合体,エチレン・アクリル酸エステル共重合体・アイオノマー,ポリプロピレン(CPP),シリカ,アルミナ,アルミニウムなどの蒸着層を設けたポリプロピレン(VMCPP)またはその共重合体などを使用することができる。
【0040】
シーラント層の積層は,上記の樹脂をフィルム状に製膜し,ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法,または上記の樹脂を押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。ただし,内容物がシーラント層に浸透しやすいものの場合は,ドライラミネーション法で積層することが好ましい。
【0041】
このようなプラスチックを主体とする積層フィルムの具体例として代表的には次の層構成からなる包装材を挙げることができる。下記1)〜8)はドライラミネーション法による積層フィルムであり,各層は接着剤で貼り合わされる。下記10),11)は押出しラミネーション法による積層フィルムであり,PE(ポリエチレン)は接着層の役割を果たす。なお,( )内の値は各層の厚さを示す。
【0042】
1)PET(12μm)/CPP(30〜60μm)
2)PET(12μm)/LLDPE(30〜60μm)
3)PET(12μm)/ONY(15μm)/LLDPE(30〜60μm)
4)PET(12μm)/VMPET(12μm)/LLDPE(30〜60μm)
5)PET(12μm)/VMPET(12μm)/CPP(30〜60μm)
6)PET(12μm)/AL(7μm)/LLDPE(30〜60μm)
7)OPP(20μm)/CPP(30〜60μm)
8)OPP(20μm)/LLDPE(30〜60μm)
9)OPP(20μm)/VMCPP(30〜60μm)
10)PET(12μm)/PE(15〜30μm)/AL(7μm)/PE(15〜30μm)
/LLDPE(30〜60μm)
11)PET(12μm)/PE(15〜30μm)/VMPET(12μm)/PE(15〜30μm )/LLDPE(30〜60μm)
【0043】
包装材としては,上記のようなプラスチックを主体とする積層フィルムのほか,層構成に紙を有する包装材を用いることもできる。このような紙を積層したものとしては次の層構成からなる包装材を挙げることができる。下記12)〜15)はドライラミネーション法による積層フィルムであり,各層は接着剤で貼り合わされる。下記16)〜19)は押出しラミネーション法による積層フィルムであり,PE(ポリエチレン)は接着層の役割を果たす。なお,( )内の値は各層の厚さを示す。
【0044】
12)紙(30g/m2)/CPP(30〜60μm)
13)紙(30g/m2)/LLDPE(30〜60μm)
14)紙(30g/m2)/AL(7μm)/CPP(30〜60μm)
15)紙(30g/m2)/AL(7μm)/LLDPE(30〜60μm)
16)紙(30g/m2)/PE(15〜30μm)/AL(7μm)/PE(15〜30μm)
/LLDPE(30〜60μm)
17)紙(30g/m2)/PE(15〜30μm)/AL(7μm)/PE(15〜30μm)
/CPP(30〜60μm)
18)PET(12μm)/PE(15〜30μm)/紙(30g/m2)/PE(15〜30μm)
/AL(7μm)/PE(15〜30μm)/LLDPE(30〜60μm)
19)PET(12μm)/PE(15〜30μm)/紙(30g/m2)/PE(15〜30μm)
/AL(7μm)/PE(15〜30μm)/CPP(30〜60μm)
【0045】
実際に,PET(12μm)/PE(15μm)/VMPET(12μm)/PE(15μm)/LLDPE(40μm)の積層フィルムを用いて図1〜図4に示す構造の包装袋を作成し,内容物Cとして振り掛けを収納して,図5,図6に示すようにして内部を見ながら振り出したところ適量の振り掛けを取り出すことができた。
【符号の説明】
【0046】
10A,10B,10C,10E,10F 包装袋
11 表面フィルム
12 裏面フィルム
13 底面部
15,16 ひだ
18 タブ
21,22,23,24,26 シール部
25 チャック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と裏面をもつ包装袋において,その上端開口部から中央方向に寄った箇所に,表,裏面のフィルムの少なくとも一方に,包装袋の一方の側部から他方の側部にかけて,包装袋の外方に突出するようにひだが形成されていることを特徴とする,包装袋。
【請求項2】
ひだの両端部が包装袋の両側にそれぞれ接着されている,請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
ひだの両端部が包装袋の一側に接着されている,請求項1に記載の包装袋。
【請求項4】
ひだの両端部が包装袋の背シール部に接着されている,請求項1に記載の包装袋。
【請求項5】
表,裏両面のフィルムにひだが形成され,一方の面のひだが全面的に相互に接着されている,請求項1に記載の包装袋。
【請求項6】
包装袋の両側がシールされている,請求項1から5のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項7】
上端開口部とひだとの間の位置において,包装袋の表,裏面の内面にチャックが設けられている,請求項1から6のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項8】
ひだが形成されている面において,ひだの近傍に,その面のフィルム部分を折り重ねて接着することにより,タブが形成されている,請求項1から7のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項1】
表面と裏面をもつ包装袋において,その上端開口部から中央方向に寄った箇所に,表,裏面のフィルムの少なくとも一方に,包装袋の一方の側部から他方の側部にかけて,包装袋の外方に突出するようにひだが形成されていることを特徴とする,包装袋。
【請求項2】
ひだの両端部が包装袋の両側にそれぞれ接着されている,請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
ひだの両端部が包装袋の一側に接着されている,請求項1に記載の包装袋。
【請求項4】
ひだの両端部が包装袋の背シール部に接着されている,請求項1に記載の包装袋。
【請求項5】
表,裏両面のフィルムにひだが形成され,一方の面のひだが全面的に相互に接着されている,請求項1に記載の包装袋。
【請求項6】
包装袋の両側がシールされている,請求項1から5のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項7】
上端開口部とひだとの間の位置において,包装袋の表,裏面の内面にチャックが設けられている,請求項1から6のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項8】
ひだが形成されている面において,ひだの近傍に,その面のフィルム部分を折り重ねて接着することにより,タブが形成されている,請求項1から7のいずれか一項に記載の包装袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−250736(P2012−250736A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124170(P2011−124170)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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