説明

化粧フィルム及び化粧シート

【課題】 改善された耐引裂き性及び優れた3次曲面施工性を有する化粧フィルムを提供する。
【解決手段】 (A)着色材受容面として機能する表面と、その表面と対向する裏面とを有する、アクリル樹脂含有ベース層と、(B)前記ベース層裏面に配置された補強層とを有する化粧フィルムであって、前記補強層は、50℃〜100℃のガラス転移点を有する非晶性ポリエステル樹脂及び/又は−50℃〜0℃のガラス転移点を有するウレタン樹脂を含有する層からなることを特徴とする化粧フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧フィルム及び化粧シートに関し、特に耐引裂き性が大幅に改善され、三次元曲面施工に優れた化粧フィルム及び化粧シートに関する。本発明の化粧シートは、建築内装、建築準外装である玄関ドアや窓枠等の表面材料として好適に使用できる。
【背景技術】
【0002】
ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂を化粧シートに用いた場合、燃焼時に有害な塩素系ガスが発生することから、環境問題の点に鑑み、PVC樹脂などの塩素含有樹脂を含まない化粧シートが近年開発されている。PVC代替樹脂として、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂が化粧シートに使用されているが、これらポリオレフィン系樹脂は結晶性樹脂であるため軟化温度が高く、ポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シートを加熱して三次元曲面に貼り付けていくと、局所的に不均一な伸びを示すため施工性に問題があった。
【0003】
そこで、PVC代替樹脂として、施工性(柔軟性)に優れたアクリル樹脂を用いた化粧シートが開発され、様々な化粧シートが開示されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3等参照)。しかし、アクリル樹脂を用いて化粧フィルムを作製した場合、その製膜方法(例えば、カレンダー法、押出し法、キャスティング法)によらず、アクリル樹脂自体の問題として、得られたフィルムの耐引裂き性が低く、小口処理や施工の際の貼り剥がしにおいて、フィルムが裂けてしまうという問題があった。
【特許文献1】特開平08-48014号公報
【特許文献2】特開2000-33675号公報
【特許文献3】特開2003-236998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、耐引裂き性及び施工性(柔軟性)に優れる化粧フィルム及び化粧シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成すべく本発明者らが検討した結果、施工性(柔軟性)に優れるアクリル樹脂からなるベース層に補強層を設けることにより化粧フィルムの耐引裂き性を改善でき、さらに、補強層をガラス転移点(Tg)が50℃〜100℃である非晶性ポリエステル樹脂及び/又はTgが−50℃〜0℃であるウレタン樹脂から形成することによって、アクリル樹脂からなるベース層の施工性(柔軟性)も維持できることを見出した。
即ち、本発明は、(A)着色材受容面として機能する表面と、その表面と対向する裏面とを有する、アクリル樹脂含有ベース層と、(B)前記ベース層裏面に配置された補強層とを有する化粧フィルムであって、前記補強層は、50℃〜100℃のガラス転移点を有する非晶性ポリエステル樹脂及び−50℃〜0℃のガラス転移点を有するウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含有する層からなることを特徴とする化粧フィルム、及びこの化粧フィルムと、該化粧フィルムの補強層の裏面側に設けた接着剤層とを含んでなる化粧シートを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明の化粧フィルムのベース層は、施工性(柔軟性)に優れるアクリル樹脂を使用する。アクリル樹脂としては、従来既知のアクリル樹脂が使用でき、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレートのアクリレートの1種または2種以上を重合又は共重合して得られたアクリルポリマーが挙げられる。これらのアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、好ましくは1〜8個の炭素原子、より好ましくは1〜5個の炭素原子を含む。また、アクリルポリマーは、これらアルキル(メタ)アクリレートモノマーに加え、本発明の効果を損なわない限り、アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な他のモノマーを含んでいても良い。
【0007】
ベース層に用いられるアクリル樹脂のTgは、40℃以上80℃以下が好ましい。Tgが40℃より低い場合、ベース層として十分な強度が得られなくなり、80℃より高い場合は柔軟性に劣ることがある。
ベース層の厚さは、通常20μm〜200μm、好ましくは50〜100μmである。20μmより薄いと、ベース層としての強度が十分でなく、着色材が受容される際(印刷工程)に、収縮等の不具合が生じることがある。200μmより厚いと防火性能が低下することがある。
【0008】
ベース層表面には装飾等の目的で着色材を受容させてもよい。受容される着色材は通常トナーまたはインクである。画像を形成するトナーは、バインダ樹脂と、そのバインダ樹脂中に分散された顔料とを含んでなる。バインダ樹脂は、たとえば、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂から形成される。
着色剤は、通常の印刷方法、例えばグラビア印刷、スクリーン印刷、静電印刷などにより、ベース層表面に受容させることができる。
【0009】
補強層は、Tgが50℃以上100℃以下の非晶性ポリエステル樹脂及び/又はTgが−50℃以上0℃以下のウレタン樹脂のいずれかの樹脂を含有する。
【0010】
本発明の補強層に用いられるTgが50℃以上100℃以下の非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分との共重合ポリエステル樹脂を主成分とし、加熱処理を行なっても結晶化による物性の変化を生ずることのない、結晶性を有さない樹脂である。このような樹脂としては、例えばグリコール変性ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。補強層に用いられる非晶性ポリエステル樹脂のTgは、通常50℃以上100℃以下、好ましくは60℃以上80℃以下である。Tgが50℃より低い場合、補強層の強度が十分に高くならないおそれがあり、Tgが100℃より高い場合は、得られる化粧フィルムが三次元曲面施工性に劣るという問題がある。
【0011】
Tgが−50℃以上0℃以下のウレタン樹脂としては、例えばブロック型や湿気硬化型、油変性型の1液型ウレタン樹脂や、ポリオールからなる主剤とポリイソシアネートからなる硬化剤とを混合する2液硬化型ウレタン樹脂を用いることができる。ウレタン樹脂のTgが0℃より高いと、得られる化粧フィルムは耐引裂き性に劣ってしまい、Tgが-50℃より低いと、タックが出て加工性に劣るという問題がある。
【0012】
補強層の厚さは、通常5μm〜100μm、好ましくは20μm〜50μmである。5μmより薄いと、ベース層の耐引裂き性を向上する効果が十分ではなく、100μmより厚いと、化粧フィルムの施工性に悪影響を与える可能性がある。なお50μmより厚いと防火性能が劣ることがあるので、防火性能が必要な用途においては50μm以下が好ましい。
【0013】
なお、本明細書のガラス転移点(Tg)は、測定装置として株式会社リガク製示差熱量分析装置(DSC)(モデル:サーモプラス8230)を用い、−50℃〜150℃の測定温度、10℃/min.の昇温速度で求めた値である。
【0014】
ベース層の表面保護を目的として、ベース層表面に保護層を配置してもよい。保護層は、全体として高い光透過性を有するのが好ましい。光透過率は通常60%以上、好適には70%以上、特に好適には80%以上である。本明細書における「光透過率」は、分光光度計または、光度計の機能も備えるカラーメーターを使用し、550nmの光を用いて測定された全光線透過率を意味する。
【0015】
保護層に用いられる樹脂は、好ましくはフッ素樹脂又はアクリル樹脂である。フッ素樹脂は、フッ素系モノマーを含むモノマーを重合して得たポリマーである。フッ素系モノマーの好ましい例は、フッ化ビニリデン、6フッ化プロピレン、4フッ化エチレン、3フッ化塩化エチレン等のフッ素系エチレンモノマーである。フッ素系モノマーに加えて、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリレート等の共重合可能なモノマーの1種または2種以上を共重合しても良い。また、フッ素樹脂とアクリル樹脂とをブレンドした樹脂組成物から保護層を形成しても良い。
【0016】
保護層を形成する場合、その厚さは、通常10〜100μm、好適には20〜50μmである。10μmより薄いと、耐磨耗性、耐引っ掻き性が保護層として不十分となり、100μmより厚いと、コスト上不利となるからである。
【0017】
ベース層、補強層、及び任意の保護層には、通常の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、スリップ剤、防カビ剤、着色剤等を含ませることができる。
【0018】
本発明の化粧フィルムは、たとえば、次の様にして製造できる。
まず、ベース層の裏面に、補強層をその表面が対向するように固定的に配置する。ベース層の裏面に補強層を固定的に配置する方法は特に限定されないが、好ましい方法としては、溶剤に溶解した補強層形成用樹脂をベース層裏面に塗布し、溶剤を除去して補強層を形成する方法、補強層形成用樹脂を加熱して溶融させ、これをベース層の裏面に塗布し冷却して補強層形成用樹脂を固化することにより補強層を形成する方法、又はすでにフィルム状に成形した補強層とベース層とを熱ラミネートにより圧着する方法等が挙げられる。さらに、工程用フィルム表面に補強層を形成し、この補強層とベース層とを熱ラミネートにより圧着してベース層裏面に補強層を固定的に配置した後に、工程用フィルムを剥離する方法を採用することもできる。
【0019】
ベース層と補強層との間には、層間の密着性を増す為のプライマー層を設けることもできる。このプライマー層も、上記ベース層裏面に補強層を配置する方法と同様の方法を用いて配置することができる。
【0020】
保護層をベース層表面に設ける場合も、上記と同様、様々な方法を用いることができる。
さらに、保護層の表面にエンボス加工を行い、意匠性の高い化粧フィルムを作製することもできる。エンボス加工は、通常の樹脂フィルムのエンボス加工の場合と同様、エンボスロールおよび化粧フィルムを加熱し、エンボスロール上に設けられた任意の凹凸模様を化粧フィルム上に押圧して行なう。
【0021】
本発明の化粧フィルムの裏面に接着剤層を密着させて、化粧シートを作製することもできる。接着剤層を密着させる方法としては、フィルムの裏面に接着剤を含有する塗布液を塗布し固化させた後、ライナーの剥離面を接着剤層の裏面に対向するようにラミネートする方法、ライナーの剥離面に接着剤を含有する塗布液を塗布し乾燥してライナー付き接着層を形成した後、このライナー付き接着層をフィルムに裏面に積層する方法等がある。
【0022】
接着剤には、取り扱いの容易さから、感圧接着剤を用いることが好ましく、一般に使用されているアクリル系、合成ゴム系、天然ゴム系等の感圧接着剤を使用できるが、耐候性の点からアクリル系感圧接着剤が好ましく用いられる。
【0023】
また、本発明の効果を損なわない限り、化粧フィルムと接着剤層との間に別の層、たとえばフィルムと接着剤層の密着性を増すプライマー層等を配置しても良い。
【0024】
化粧シート全体の厚さは、通常30〜300μm、好適には50〜200μmである。化粧シート全体の厚さが薄すぎると、取り扱いが困難となる上に破断強度が低下するおそれがある。反対に厚すぎると、シートのコシの影響で施工性が悪くなる上に、防火性能に劣るおそれがある。なお、本発明における化粧シートは、建築基準法に定める防火壁装材料「プラスチック製壁紙」の防火試験(発熱速度試験ISO5660−1、金属(0.27mm亜鉛鋼板)下地)で不燃レベルを得られる程度の防火性能があることが好ましい。
【0025】
以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
次の様にして本例の化粧フィルム及び化粧シートを作製した。
化粧フィルムの作製:
まず、ベース層として、Tgが56℃の80μm厚着色アクリルフィルム(バンドー化学株式会社製 商品名 COLORED ACRYLIC FILM)を用意した。
補強層として、Tgが80℃の非晶性ポリエステル樹脂からなる40μm厚さのフィルム(オー・ジー株式会社製、商品名PGS2008(80μm)と同組成で厚みを40μmにした試作品)を用意し、ベース層との密着性を増すためにグラビア印刷機で塩化ビニル−酢酸ビニル系インク(大日精化工業株式会社製、商品名USインク)をベース層と対向する面にベタ版を用いて塗布した。
【0027】
保護層として、フッ素樹脂とアクリル樹脂とを含有した20μm厚さのフィルム(電気化学株式会社製、商品名:DX-14S0220)を用意した。
上記補強層、ベース層、保護層をこの順序で積層して熱ラミネートにより圧着した後、保護層表面にエンボス加工により砂目柄の紋を付与して、化粧フィルムを得た。
【0028】
化粧シートの作製:
ライナーの剥離面にアクリル系感圧接着剤を含有する塗布液を塗布、乾燥してライナー付き接着層を形成した後、このライナー付き接着剤をフィルムに積層して化粧シートを得た。
【実施例2】
【0029】
補強層として、Tgが56℃の非晶性ポリエステル樹脂からなる40μm厚さのフィルム(アキレス株式会社製、商品名FIPY2003(80μm)と同組成で厚みを40μmにした試作品)を用いた以外は実施例1と同様にして、化粧フィルムおよび化粧シートを作製した。
【実施例3】
【0030】
補強層として、Tgが−2℃のウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポランYN−191)を用意し、これを工程基材(3M社製、商品名SCW200)上に、ナイフコーターを用いて塗布、乾燥し、30μm厚さの補強層を得た。この補強層を配置した工程基材に、実施例1で用いたのと同じベース層及び保護層を積層して熱ラミネートにより圧着した後、保護層表面にエンボス加工により砂目柄の紋を付与した。その後工程基材を除去して化粧フィルムを得た。
【0031】
化粧シートの作製
ライナーの剥離面にアクリル系感圧接着剤を含有する塗布液を塗布、乾燥してライナー付き接着層を形成した後、このライナー付き接着剤をフィルムに積層して化粧シートを得た。
【実施例4】
【0032】
補強層の厚さを50μmとした以外は実施例3と同様にして化粧フィルムおよび化粧シートを作製した。
【0033】
[比較例1]
補強層を設けない以外は実施例1と同様にして化粧フィルムおよび化粧シートを作製した。
【0034】
[比較例2]
補強層として、結晶性ポリエステル樹脂からなるフィルム(ユニチカ株式会社製 商品名 片面易接着処理透明ポリエステルフィルム:ST−20(試作品)厚さ20μm)を用いた以外は実施例1と同様にして化粧フィルムおよび化粧シートを作製した。
【0035】
[比較例3]
補強層として、Tgが121℃の、ポリカーボネート樹脂を混合した非晶性ポリエステル樹脂からなる40μm厚さのフィルム(太平化学製品株式会社製 商品名CG030M超耐熱OS(100μm)と同組成で厚みを40μmにした試作品)を用いた以外は実施例1と同様にして化粧フィルムおよび化粧シートを作製した。
【0036】
[比較例4]
補強層として、Tgが35℃のアクリルウレタン樹脂からなるフィルム(住友バイエルウレタン株式会社製 商品名 デスモフエンA365BA/XとスミジュールN75をNCO/OH=1/1となるよう配合し、厚さ30μmを得た)を用いた以外は実施例3と同様にして化粧フィルムおよび化粧シートを作製した。
【0037】
上記実施例及び比較例で作製した化粧シートについて、下記の方法により引裂き強さ、三次元曲面施工性、及び耐燃焼性を評価した。それらの結果は表1に示す。
(引裂き強さ)
得られた化粧シートを63mm×75mm形状にカットし、3枚重ねた後、JIS K7128に記載されているエルメンドルフ引裂法により引裂き強さを測定した。
(三次元曲面施工性)
吹き出し口温度が100℃のヘアドライヤーを用いて、丸天板に、接着層を介して化粧シートを貼り付け、曲面部分に追従する場合は「可」、曲面部分に追従しない、もしくは施工後に化粧シート端部が剥がれる場合は「不可」とした。
丸天板の仕様は以下のとおりである:
材質:MDFボード
直径:490mm
厚み:25mm
天板エッジ部の丸み:断面両端部:R5
断面中央部:R15
(耐燃焼性)
得られた化粧シートの燃焼性を、ISO 5660-1に記載されているコーンカロリーメータ法により測定し、総発熱量は8MJ/m2以下のものを合格とし、最高発熱速度は10秒以上継続して200kW/m2を超えないものを合格とした。
【0038】
【表1−1】

【0039】
【表1−2】

【0040】
上記試験の結果、補強層を設けていない比較例1の化粧フィルムは引裂き強さが低かった。結晶性ポリエステル樹脂からなる補強層を設けた比較例2の化粧フィルム、Tgが121℃の非晶性ポリエステル樹脂を含有する補強層を設けた比較例3の化粧フィルムは、十分な引裂き強さを有していたが、三次元曲面施工性に劣っていた。比較例4では、Tgが0℃より高いウレタン樹脂からなる補強層を設けたが、引裂き強さは低いままであった。
【0041】
これに対して、実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4の化粧フィルムでは、適切な特性を有する樹脂からなる補強層を設けたことにより引裂き強さが高くなると同時に、補強層がアクリル樹脂を含有するベース層の柔軟性(施工性)を損なうこともなく、化粧フィルムは優れた三次元曲面施工性を有していた。なお、実施例4の場合、補強層の厚さを50μmとして燃焼性の試験を行なっており、この結果より、防火性能が必要とされる用途においては補強層の厚さの薄い化粧フィルムを作製することが有利であることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)着色材受容面として機能する表面と、その表面と対向する裏面とを有する、アクリル樹脂含有ベース層と、
(B)前記ベース層裏面に配置された補強層とを有する化粧フィルムであって、
前記補強層は、50℃〜100℃のガラス転移点を有する非晶性ポリエステル樹脂及び−50℃〜0℃のガラス転移点を有するウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含有する層からなることを特徴とする化粧フィルム。
【請求項2】
前記アクリル樹脂のガラス転移点が40℃〜80℃であることを特徴とする請求項1に記載の化粧フィルム。
【請求項3】
前記化粧フィルム表面に光透過性保護層をさらに備え、当該保護層がフッ素樹脂とアクリル樹脂とを含有する樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1に記載の化粧フィルム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の化粧フィルムと、前記化粧フィルムの補強層の裏面側に設けた接着剤層とを有してなる化粧シート。
【請求項5】
JIS-K 7128に規定されるエルメンドルフ引裂法による引裂き強さが1.0N以上であることを特徴とする請求項4に記載の化粧シート。

【公開番号】特開2006−321179(P2006−321179A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−148293(P2005−148293)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】