説明

化粧料用表面処理球状炭酸カルシウム粒子の製造方法

【課題】球状性と撥水性のみならず、滑り性にすぐれており、従って、これを化粧料に配合することによって、伸展性と肌に塗布した際の感触と肌表面への付着性にすぐれ、しかも、汗による化粧崩れを起こさない化粧料を与える化粧料用表面処理球状炭酸カルシウム粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば、平均粒子径が0.5〜20μmの範囲にある球状炭酸カルシウム粒子の水分散液をpH9〜11の範囲とし、この上記球状炭酸カルシウム粒子の水分散液中、上記球状炭酸カルシウム粒子100重量部に対して2.5重量部以上の高級脂肪酸塩を上記球状炭酸カルシウム粒子に25℃以上の温度で接触させた後、得られた水分散液を常温でpH6〜7に中和することを特徴とする化粧料用表面処理球状炭酸カルシウム粒子の製造方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料用表面処理球状炭酸カルシウム粒子の製造方法に関し、好ましくは、球状性と撥水性のみならず、滑り性にすぐれるので、化粧料に好適に配合することができる表面処理球状炭酸カルシウム粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料の伸展性や使用の際の感触を向上させるための配合材料として、球状炭酸カルシウム粒子を用いることが提案されているが(特許文献1参照)、球状炭酸カルシウムは、通常、水に対して不安定なバテライト型結晶からなる。
【0003】
そこで、化粧料用球状炭酸カルシウム粒子として、少なくとも一部がバテライトからなる球状炭酸カルシウムを表面処理してなるものが種々、提案されている。例えば、球状炭酸カルシウムをステアリン酸のような高級脂肪酸で表面処理して水に対する安定化を向上させたものや(特許文献1参照)、球状炭酸カルシウム粒子の表面をフタル酸セルロースで被覆して、水に対する安定性を一層改善したものが知られている(特許文献2参照)。また、最近においては、球状炭酸カルシウム粒子の表面をアパタイトで被覆し、更に、これをシリコーン処理したものも提案されている(特許文献3参照)。
【0004】
しかし、従来、知られている上述したような表面処理球状炭酸カルシウム粒子は、球状性や撥水性においては改善されているとしても、化粧料用途に最も重要な滑り性については、注意が払われていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭55−95617号公報
【特許文献2】特開昭57−92519号公報
【特許文献3】特開平8−12527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述したような従来の表面処理球状炭酸カルシウム粒子における問題を解決して、球状性と撥水性のみならず、滑り性にすぐれており、従って、これを化粧料に配合することによって、伸展性と肌に塗布した際の感触と肌表面への付着性にすぐれ、しかも、汗による化粧崩れを起こさない化粧料を与える化粧料用表面処理球状炭酸カルシウム粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、平均粒子径が0.5〜20μmの範囲にある球状炭酸カルシウム粒子の水分散液をpH9〜11の範囲とし、この上記球状炭酸カルシウム粒子の水分散液中、上記球状炭酸カルシウム粒子100重量部に対して2.5重量部以上の高級脂肪酸塩を上記球状炭酸カルシウム粒子に25℃以上の温度で接触させた後、得られた水分散液を常温でpH6〜7に中和することを特徴とする化粧料用表面処理球状炭酸カルシウム粒子の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化粧料用表面処理球状炭酸カルシウム粒子の製造方法によれば、球状性と撥水性にすぐれているのみならず、滑り性にすぐれており、従って、このような表面処理球状炭酸カルシウム粒子を配合してなる化粧料は、伸展性と肌に塗布した際の感触と肌表面への付着性にすぐれ、しかも、汗による化粧崩れを起こさない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明による化粧料用表面処理球状炭酸カルシウム粒子の製造方法は、平均粒子径が0.5〜20μmの範囲にある球状炭酸カルシウム粒子の水分散液をpH9〜11の範囲とし、この上記球状炭酸カルシウム粒子の水分散液中、上記球状炭酸カルシウム粒子100重量部に対して2.5重量部以上の高級脂肪酸塩を上記球状炭酸カルシウム粒子に25℃以上の温度で接触させた後、得られた水分散液を常温でpH6〜7に中和し、かくして、化粧料用表面処理球状炭酸カルシウム粒子を製造するものである。
【0010】
本発明において、原料として用いる球状炭酸カルシウムは、得られる表面処理球状炭酸カルシウム粒子を化粧料に配合したときに、伸展性と肌に塗布した際の感触と肌表面への付着性にすぐれると共に、滑り性にすぐれるように、平均粒子径が0.5〜20μmの範囲にあることが必要である。
【0011】
用いる球状炭酸カルシウム粒子の平均粒子径が20μmを越えるときは、化粧料に配合したとき、球状炭酸カルシウム粒子が肌において異物として感じられ、一方、0.5μmよりも小さいときは、滑り性が十分でなく、従って、このような球状炭酸カルシウム粒子を化粧料に配合しても、伸展性と肌に塗布した際の感触と肌表面への付着性にすぐれる化粧料を得ることができない。
【0012】
本発明の方法において用いる球状炭酸カルシウム粒子は、特に、平均粒子径が1〜10μmの範囲にあることが好ましく、このような球状炭酸カルシウム粒子は、好ましくは、特許第3013445号に記載されている方法によって製造することができる。上記特許に記載されている方法によって得られる球状炭酸カルシウム粒子は、平均粒径が数μmから10μm以下であり、バテライト結晶を90%以上含み、好ましくは、バテライト結晶を約99%含むものであって、本発明において、好ましく用いることができる球状炭酸カルシウム粒子である。
【0013】
炭酸カルシウムにおけるバテライト結晶の割合は、既によく知られているように、下記式(1)に従って求めることができる(M. S. Rao, Bull. Chem. Soc. Japan, 46, 1414 (1973))。
【0014】
バテライト結晶の割合F(v)=f(v)×100 … (1)
ここに、f(v)=1−I104(c)/(I110(v)+I112(v)+I114(v)+I104(c))であって、I104(c) はカルサイトの104 面におけるX線回折強度、I110(v) はバテライトの110 面におけるX線回折強度、I112(v) はバテライトの112面におけるX線回折強度、I114(v) はバテライトの114面におけるX線回折強度である。
【0015】
上記特許に記載されている方法によれば、生成する炭酸カルシウムの理論収量に対して0.3重量%以上の割合のある種のリン酸化合物の存在下に、水中、塩化カルシウムと炭酸水素塩及び/又は炭酸塩とを反応させることによって、上述したように、バテライト結晶90%以上を含む球状炭酸カルシウム粒子を得ることができる。
【0016】
上記方法においては、種々のリン酸化合物を用いることができるが、代表例として、例えば、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸ナトリウム、メチルアシッドホスフェイト、ブチルアシッドホスフェイト、2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4等を挙げることができる。
【0017】
本発明の好ましい態様によれば、球状炭酸カルシウム粒子を水に分散させて、水分散液とし、これに水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を加えて、水分散液のpHを9〜11の範囲、好ましくは、約10とした後、この水分散液に高級脂肪酸塩の水溶液を加え、次いで、得られた混合物を25℃以上の温度で適宜時間、通常、30分間から2時間程度、攪拌して、球状炭酸カルシウム粒子に上記高級脂肪酸塩を接触させて、球状炭酸カルシウム粒子を表面処理する。この後、水分散液を常温(20℃)まで冷却した後、水分散液に希酸水溶液を加えて中和し、水分散液のpHを6〜7、好ましくは、7とする。この後、このように表面処理した球状炭酸カルシウム粒子を濾過し、洗浄し、乾燥して、表面処理球状炭酸カルシウム粒子を得ることができる。
【0018】
上記表面処理温度が25℃よりも低いときは、球状炭酸カルシウム粒子の表面処理が不十分であって、得られる表面処理球状炭酸カルシウムが滑り性において不十分である。上記表面処理温度の上限は、球状炭酸カルシウム粒子の水分散液の沸騰温度であるが、好ましくは、95℃以下である。
【0019】
このような球状炭酸カルシウム粒子の表面処理に際して、球状炭酸カルシウム粒子は、通常、5〜50g/Lの含量を有する水分散液とし、高級脂肪酸塩は、その種類にもよるが、通常、1〜10g/L濃度の水溶液として用いられる。
【0020】
本発明において、表面処理剤として用いられる高級脂肪酸塩としては、炭素数6〜24、好ましくは、10〜20の飽和又は不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種が用いられる。上記高級脂肪酸塩のアルカリ金属塩及び有機アミン塩の具体例として、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸等のアルカリ金属塩及び有機アミン塩を挙げることができ、なかでも、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のアルカリ金属塩又は有機アミン塩が好ましい。
【0021】
上記高級脂肪酸のアルカリ金属塩としては、特に、ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましく用いられ、また、有機アミン塩としては、例えば、トリエタノールアミン塩が好ましく用いられる。
【0022】
このようにして、本発明によれば、球状炭酸カルシウム粒子の水分散液をpH9〜11の範囲とし、これに高級脂肪酸塩の水溶液を加え、得られた水分散液を、好ましくは、25〜95℃の範囲の温度で攪拌して、水分散液中、球状炭酸カルシウム粒子を高級脂肪酸塩に接触させた後、常温(20℃)で中和するという穏和な条件下に球状炭酸カルシウム粒子を表面処理するので、このような表面処理に際して、球状炭酸カルシウム粒子は、その球状性が崩れず、高い球状性を保持しており、しかも、得られる表面処理球状炭酸カルシウム粒子は撥水性と滑り性にすぐれる。
【0023】
従って、このような表面処理球状炭酸カルシウムを配合して得られる化粧料は、伸展性にすぐれ、肌に塗布した際の感触と肌表面への付着性にすぐれ、しかも、汗による化粧崩れを起こさない。
【0024】
本発明による表面処理球状炭酸カルシウムを配合することができる化粧料は、特に限定されるものではないが、例えば、パウダーファンデーション、両用ファンデーション、乳化状ファンデーション、リキッドファンデーション、ケーキ状ファンデーション、スティック状ファンデーション、白粉、タルカムパウダー、プレシェーブレーション、軟膏、日焼け止めクリーム、クレンジングクリーム、アンダーメークアップ、口紅、頬紅、フェイスパウダー、ボディパウダー、美白パウダー、プレストパウダー、乳液、化粧水、制汗剤、アイシャドー、アイライナー、アイブローペンシル、アイカラー、チークカラー等を挙げることができる。
【実施例】
【0025】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はそれら実施例によって何ら限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、球状炭酸カルシウム粒子の平均粒子径と濾液の導電率は次のようにして測定し、また、球状炭酸カルシウム粒子の特性として球状性と撥水性と滑り性を次のようにして評価した。
【0026】
球状炭酸カルシウム粒子のメジアン径
株式会社堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−750を用いて、体積基準によるメジアン径D50を測定した。
【0027】
濾液の導電率
(株)堀場製作所製導電率計ES−12を用いて測定した。
【0028】
表面処理球状炭酸カルシウム粒子の球状性
SEM写真から粒子100個をランダムに選び、長径と短径をそれぞれ測定して、短径/長径比を求めて、球状性とした。
【0029】
表面処理球状炭酸カルシウム粒子の撥水性
容量20mLのガラス製の透明な蓋付きの瓶に蒸留水10mLを計り取り、これに精秤した試料粉体1gを入れた。瓶に蓋をし、手で上下に5分間、振とうした後、振動のない水平な場所に静置して、24時間後に試料粉体が水中に沈降したかどうかを目視で調べて、試料粉体のすべてが沈降しているときは「×」とし、少しでも水面に浮いているときを「○」とた。
【0030】
表面処理球状炭酸カルシウム粒子の滑り性
試料粉体を一つまみ、手の甲に載せ、指先で伸ばして、そのとき、試料粉体が滑らかに伸びる感触を得たときを「○」、シャリシャリした感触を得たときを「△」、きしみ感がある感触を得たときを「×」とした。
【0031】
実施例1
生成する炭酸カルシウムの理論量に対して0.3重量%のヘキサメタリン酸ナトリウムを0.5モル/L濃度の塩化カルシウム水溶液200mLに加え、これを1L容量のビーカーに入れた。この塩化カルシウム水溶液を室温で磁気攪拌子を用いて攪拌しながら、これに0.5モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液200mLを加えた後、10分間攪拌した。
【0032】
得られた炭酸カルシウムを濾過し、濾液の導電率が70μS/cm以下となるまで、繰り返し、洗浄した後、120℃で乾燥して、平均粒子径4.9μmの球状炭酸カルシウム粒子を得た。この球状炭酸カルシウムにおけるバテライト結晶の割合は99%であった。
【0033】
この球状炭酸カルシウム30gを純水2.4Lに分散させて水分散液とし、30℃に昇温した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、そのpHを10とした。
【0034】
表面処理剤としてミリスチン酸カリウム1.05g(炭酸カルシウム100重量部に対して3.5重量部)を純水180mLに溶解させて水溶液とした。上記球状炭酸カルシウムの水分散液に攪拌しながら、この水溶液を50mL/分の割合で加えた後、攪拌下に70℃に昇温し、この温度で30分間、更に、攪拌した。次いで、得られた水分散液を常温まで冷却した後、分散液のpHが7となるように、分散液に希塩酸を加えた後、炭酸カルシウムを濾過した。得られた炭酸カルシウムを濾液の導電率が50μS/cm以下となるまで、繰り返し、濾過、洗浄した後、120℃で12時間乾燥して、本発明による表面処理球状炭酸カルシウム粒子A1を得た。
【0035】
炭酸カルシウム100重量部に対して、表面処理剤としてミリスチン酸カリウム3.5重量部に代えて、ミリスチン酸カリウム5.0重量部及び10重量部を用いた以外は、上記表面処理球状炭酸カルシウム粒子A1の製造と同様にして、それぞれ本発明による表面処理球状炭酸カルシウム粒子A2及びA3を得た。
【0036】
また、球状炭酸カルシウムの分散液に攪拌しながら、ミリスチン酸カリウム水溶液を加えた後、30℃、50℃及び90℃で攪拌した以外は、上記表面処理球状炭酸カルシウム粒子A1の製造と同様にして、それぞれ本発明による表面処理球状炭酸カルシウム粒子A4、A5及びA6を得た。
【0037】
比較例1
実施例1で得た球状炭酸カルシウム粒子そのままを表面処理なしの比較例による球状炭酸カルシウム粒子B1とする。
【0038】
炭酸カルシウム100重量部に対して、ミリスチン酸カリウム3.5重量部に代えて、ミリスチン酸カリウム1.8重量部を用いた以外は、前記表面処理球状炭酸カルシウム粒子A1の製造と同様にして、比較例による表面処理球状炭酸カルシウム粒子B2を得た。
上記実施例1で得た表面処理球状炭酸カルシウム粒子A1〜A6及び比較例1で得た表面処理球状炭酸カルシウム粒子B1とB2の球状性と滑り性と撥水性を表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
実施例2
ミリスチン酸カリウムに代えて、表面処理剤としてパルミチン酸カリウム1.05g(炭酸カルシウム100重量部に対して3.5重量部)を用いた以外は、前記表面処理球状炭酸カルシウム粒子A1の製造と同様にして、本発明による表面処理球状炭酸カルシウム粒子A7を得た。
【0041】
ミリスチン酸カリウムに代えて、表面処理剤としてヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン1.05g(炭酸カルシウム100重量部に対して3.5重量部)を用いた以外は、前記表面処理球状炭酸カルシウム粒子A1の製造と同様にして、本発明による表面処理球状炭酸カルシウム粒子A8を得た。
【0042】
ミリスチン酸カリウムに代えて、表面処理剤としてミリスチン酸ナトリウム0.99g(炭酸カルシウム100重量部に対して3.3重量部)を用いた以外は、前記表面処理球状炭酸カルシウム粒子A1の製造と同様にして、本発明による表面処理球状炭酸カルシウム粒子A9を得た。
【0043】
比較例2
炭酸カルシウム100重量部に対して、表面処理剤としてパルミチン酸カリウム1.8重量部を用いた以外は、前記表面処理球状炭酸カルシウム粒子A1の製造と同様にして、比較例による表面処理球状炭酸カルシウム粒子B3を得た。
炭酸カルシウム100重量部に対して、表面処理剤としてヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン1.8重量部を用いた以外は、前記表面処理球状炭酸カルシウム粒子A1の製造と同様にして、比較例による表面処理球状炭酸カルシウム粒子B4を得た。
【0044】
上記実施例2で得た表面処理球状炭酸カルシウム粒子A7〜A9と比較例2で得た表面処理球状炭酸カルシウム粒子B3とB4の球状性と滑り性と撥水性を表2に示す。
【0045】
【表2】

【0046】
表1及び表2に示す結果から明らかなように、本発明によって得られる表面処理球状炭酸カルシウム粒子は、球状性と撥水性のみならず、滑り性にすぐれるので、化粧料に好適に配合することができる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径が0.5〜20μmの範囲にある球状炭酸カルシウム粒子の水分散液をpH9〜11の範囲とし、この上記球状炭酸カルシウム粒子の水分散液中、上記球状炭酸カルシウム粒子100重量部に対して2.5重量部以上の高級脂肪酸塩を上記球状炭酸カルシウム粒子に25℃以上の温度で接触させた後、得られた水分散液を常温でpH6〜7に中和することを特徴とする化粧料用表面処理球状炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項2】
水分散液中で高級脂肪酸塩を球状炭酸カルシウム粒子に25〜95℃の範囲の温度で接触させた後、水分散液を常温まで冷却して、中和する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
高級脂肪酸塩が炭素原子数6〜24の脂肪族飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
高級脂肪酸塩がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸から選ばれる少なくとも1種の塩である請求項4に記載の方法。



【公開番号】特開2012−240930(P2012−240930A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109942(P2011−109942)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000174541)堺化学工業株式会社 (96)
【Fターム(参考)】