説明

化粧料組成物

【課題】化粧料組成物を提供することにあり、またより詳しくは、限定的ではないが、ケラチン質物質、特に皮膚、リップ、ツメ、又は睫毛をメイクアップするための化粧料組成物を提供するものである。
【解決手段】化粧料組成物であって、無水かつ非-粉末状であり、かつ油相を含む、生理的に許容される媒体;及び該組成物を適用するための基質上に、単分散性粒子の規則性ある格子を形成するのに適した、単分散性粒子を含むことを特徴とする、上記化粧料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料組成物に係り、またより詳しくは、限定的ではないが、ケラチン質物質、特に皮膚、口唇、ツメ、又は睫毛をメイクアップするための化粧料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
顔料及び着色剤を、メイクアップ組成物において使用することは、公知である。
しかし、このような顔料及び着色剤の使用は、様々な困難を生じる恐れがある。
すなわち、顔料及び着色剤は、紫外線輻射に対する相対的貧弱な耐性をもつ可能性があり、また光の照射下において損なわれる恐れがある。
さらに、吸収現象によって色を与える場合、得られる色は、意図したほどには鮮やかでも、輝いてもいない可能性がある。
最後に、化粧料において使用するのに適した、顔料及び着色剤の選択は、不十分である可能性がある。
顔料及び着色剤は、また処方物に制約をもたらす恐れがある。
ゴニオクロマチック(goniochromatic)効果を達成するために、干渉性顔料を使用することは、公知である。しかし、これらの干渉性顔料は、その製造が相対的複雑で、高い経費を要する。
【0003】
処方物において見られるゴニオクロマチック効果は、また特にWO 00/47167において教示されているように、単分散性粒子の規則性ある格子によっても与えることができる。この刊行物が相対的に古いにもかかわらず、本出願人が気付いている限りにおいて、現在の市場において、単分散性粒子の規則性ある格子を使用し、該粒子をケラチン質物質上に適用した後に、消費者にとって許容される長期間に渡り、鮮明かつ高輝度の発色を可能ならしめる、如何なる化粧料も、未だ存在していない。
本件出願人の会社による、公開WO 02/056854は、水性分散液中に、少なくとも1種の水溶性(hydrosoluble)湿潤剤及び単分散性粒子を含む、局所的に適用される虹色の組成物を開示しており、ここで該粒子は、50ナノメータ(nm)〜300nmなる範囲内の数平均粒径を有し、また該粒子の含有量は、該組成物の全質量を基準として、少なくともその3質量%を占める。
特許出願WO 05/018566は、皮膚に適用するための局所的な系を開示しており、該局所的系は、親水性相内のコロイド状結晶格子及び、少なくとも1種のオイルを含む相を含有する。
公開WO 2006/097332は、0.2質量%なる濃度にて、単分散性シリカ粒子を含む、毛髪から該粒子を結晶化するための、無水エタノール溶液を開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
少なくとも1種の単分散性粒子の規則性ある格子を用いて、ある色を生成し得る組成物を、さらに改良する必要性があり、このような格子は、しばしば「フォトニック結晶」と呼ばれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一局面によれば、本発明の化粧料組成物は、
・無水かつ非-粉末状であり、かつ油相を含む、生理的に許容される媒体、及び
・該組成物が適用される基質上に、単分散性粒子の規則性ある格子を形成するのに適した、単分散性粒子
を含む。
該用語「非-粉末状(non-pulverulent)」とは、該媒体が、場合によってチキソトロピー性を示す、少なくとも1種の液状又はゲル化相を含むことを示すものと理解すべきである。従って、本発明の組成物は、粉末とは異なる。
上記用語「無水」とは、質量基準での含水率が、5%又はそれ未満、より好ましくは2%又はそれ未満、さらに好ましくは0.5%又はそれ未満であることを意味するものと理解すべきである。本発明の組成物は、例えば該組成物の調製中に、意図的に添加される、如何なる水も含まないものであり得る。
【0006】
本発明は、不快感及び乾燥を伴う迅速な乾燥を生じることなく、ケラチン質物質上に適用することが困難である可能性のある水性媒体と異なり、敏感な領域例えば唇を包含する部分への、快適な適用及び保持を得ることを可能とする。
該油相は、該組成物中に十分な量で存在し、液状又はゲル化された状態にある、かつ非-粉末状の組成物を得ることを可能とする。
本発明の一態様において、該組成物中に存在する該粒子(単分散性粒子及び場合により他の粒子)の全質量に対する、該油相の質量比は、0.5を越え、また好ましくは0.75を越える。
【0007】
該単分散性粒子間の結晶配列は、該処方物が調製される間又は該粒子が皮膚上で乾燥する際に得ることができる。該結晶格子が、予め形成されるのではなく、乾燥中に生成する場合、該粒子は、好ましくは毛髪状の粒子である。該配列が、該組成物の製造中に得られる場合には、例えば以下のような方法を利用することができる:
・単分散性粒子のフォトニック結晶を生成し、次いで油相を添加する方法、ここで該油相は、ポリマーを含むことができ、また生成された該フォトニック結晶を膨張させる機能を果たす;
・油相の存在下で、水性溶液中にコロイド状の結晶を生成し、次いで該油相を段階的に蒸発させる方法;及び
・公知技術(沈降、物理的な束縛による結晶化、等)により、油性溶液中で、コロイド状結晶を生成する方法。
【0008】
好ましくは、あらゆる凝集現象を回避するために、該単分散性粒子は、好ましくは疎水性である。ポリスチレン又はポリメチルメタクリレート(PMMA)の粒子が、特に適している。というのは、単分散コアを持つ毛髪状の粒子及び1又はそれ以上のグラフト化ポリマーが、油相中に良好に分散され、またそこで首尾よく安定化されるからである。
例えば、該組成物を増粘化し、あるいはこれをゲル化するために、あるいはさらに該組成物の保留性を改善するために、該組成物には、ポリマーが存在していてもよい。
本発明の組成物は、該組成物の全質量を基準として、少なくとも15質量%、好ましくは少なくとも20質量%なる範囲の量で、単分散性粒子を含むことができ、該単分散性粒子は、好ましくは80nm〜500nmなる範囲、好ましくは150nm〜450nmなる範囲の平均粒径を有し、また該組成物を適用する基質上に、単分散性粒子の規則性ある格子を生成するのに適したものである。このような単分散性粒子の含有率は、上記した粒径の選択との組合せで、興味深い光学的特性、特に可視光領域又は近可視光領域における光の反射性を呈する、単分散性粒子の緻密な規則性ある格子を、容易に形成することを可能とする。
【0009】
相対的に高濃度での粒子の使用は、例えば化粧料のアプリケータの助けによって、結晶格子の生成を、一層容易にすることができる。相対的に高濃度での使用は、該組成物中での立体的な反発によって、及び/又は乾燥中に、該粒子の早期の組織化に導く恐れがある。
これらの粒子は、適用後に緻密な結晶格子を形成することができる。この格子は、不連続であって、破断及び転位を示すものであってもよい。
この格子によって回折される光の波長λの近似は、ブラッグの法則によって与えられる:
mλ = 2ndsinθ
ここで、mは回折次数(diffraction order)であり、nは該回折媒体の平均の屈折率であり、dは2つの回折面間の距離であり、またθは、入射光と該回折面との間のブラッグの角度である。
【0010】
従って、該回折波長は、主として観測角度及び粒子間の距離に依存する。生成される該格子が、緻密である場合には、この距離は、主として該粒子のサイズに依存する。従って、存在する粒子のサイズを変更することによって、様々なゴニオクロマチック色を得ることが可能となる。
また、紫外(UV)光範囲(UVに対する防御のため)、あるいは赤外(IR)光範囲(耐熱被膜)における反射を達成することも可能である。
該媒体は、揮発性又は不揮発性の油相を含むことができる。
揮発性の相の存在下では、該粒子間の距離が、乾燥中に変動するので、適用後の乾燥中に、(赤から青への)色の連続的な変化を示す、化粧料組成物を得ることは、相対的容易であり、これは消費者に対して、遊び心に富む効果をもたらすことができる。
本発明は、また初めは無色の組成物を、適用した後に、着色された析出物の形成を可能とする。
【0011】
所望ならば、本発明は、如何なる着色剤又は顔料をも含まない、化粧料組成物の製造を可能とし、その色は、該単分散性粒子の規則性ある格子によって生成される。
本発明は、また外的な刺激、例えば温度、湿度、又は紫外線輻射に対して感受性の高い、着色された析出物を生成することをも可能とする。
このような刺激は、該格子の、該粒子間距離に影響を及ぼし、結果として、上に説明した如く、色を変更することを可能とする。
該粒子間の距離は、例えば該外的な刺激の作用下で、該粒子のサイズを変更することによって、及び/又は実質的に一定のサイズを持つ粒子間の距離を、例えばこれら粒子間の反発力を変えることにより、及び/又は該粒子間に存在する少なくとも1種の化合物のサイズを変えることによって変えて、変更することができる。
該媒体の屈折率は、場合により、該外的な刺激、例えば温度の作用下において、変化する可能性がある。
本発明は、大きな面積に渡り、持続性のある、高い輝きのある色を得ることを可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
単分散性粒子
用語「単分散性粒子」とは、本発明において、15%以下の変動計数CVを呈する平均粒径を持つ粒子を表すために使用する。
該変動計数CVは、関係式:CV = s/D(ここで、sは該粒子の粒径分布の標準偏差であり、またDはその平均粒径である)によって定義される。
該平均粒径D及び該標準偏差sは、走査型電子顕微鏡、例えば供給元のヒタチ(Hitachi)から、S-4 500として入手できる顕微鏡の助けにより得た画像を、分析することにより、250個の粒子について測定することができる。画像解析ソフトウエア、例えば供給元のミタニ(Mitani)社により市販されているウインルーフ(WinroofTM)ソフトウエアを使用して、この測定を円滑化することができる。
単分散性粒子の変動計数CVは、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、より一層好ましくは5%以下、例えば実質上約3.5%である。粒径における小さな分散は、生成される該緻密な結晶格子の性能にとって、また結果として鮮明でありかつ光沢に富む色を得る上で好ましいものであり得る。
【0013】
単分散性粒子の平均粒径Dは、一般的に80〜500nmなる範囲、好ましくは100〜500nmなる範囲、又は150〜450nmなる範囲であり得、可能ならば、例えば得ようとする色及び周囲媒体の関数として選択できる。
好ましい平均粒径は、可視光範囲内の色を得るためには、150〜450nmなる範囲、より好ましくは190〜310nmなる範囲にある。この平均粒径は、UVを濾波処理はするためには、80〜200nmなる範囲であり得る。
本発明の一局面によれば、本発明の組成物における、質量基準での単分散性粒子の含有率は、該組成物の全質量を基準として、少なくとも15質量%であり得る。例えば、該含有率は、該組成物の全質量を基準として、15〜70質量%なる範囲、例えば20質量%以上、特に厳密には20質量%を越え、かつ25、30、35、40、又は45質量%以上であり得る。様々な組成、例えば1〜70質量%なる範囲の組成は、本発明の幾つかの他の局面において、許容される。該単分散性粒子が油相中に含まれている場合、該油相中の単分散性粒子の質量基準での含有率は、該油相の全質量を基準として、0.001〜70質量%なる範囲内であり得る。
【0014】
該組成物において使用した粒子の濃度に依存して、生成される周期的な格子は、単層又は多層格子であり得、また該格子は、緻密であっても、そうでなくてもよい。
該単分散性粒子の形状は、単分散性粒子の規則性ある格子の形成と両立するものでなければならない。
該規則性ある格子は、少なくとも部分的に体心立方、面心立方、緻密な六方晶系、又はこれらの配列又はその他のもののハイブリッドであり得る。
単分散性粒子からの結晶格子形成の様々な例が、刊行物:Xia等, Adv. Mater., 2000, 12:693-713に与えられている。
好ましくは、該単分散性粒子は、その形状において球形であるが、他の形状、特に軸対称性を呈する形状もとることができる。
該単分散性粒子は、単純な材料又は複合材料であり得る。
【0015】
該単分散性粒子は、中実又は中空粒子であり得る。中空単分散粒子は、中実粒子の密度よりも小さな密度を示し、従って与えられた質量基準の濃度に対して、より大きな体積を占めることを可能とする。該単分散性粒子が高密度の材料、例えば無機材料で構成される場合、中空粒子は、該組成物における沈降現象の制限を可能とする。
乾燥後の、該粒子内部における、空気又は何らかの他のガスの存在は、該粒子と周囲媒体との間に、大きな屈折率差を設けることを可能とし、このことは大きな回折ピークの密度を与え、結果的に極めて強力な色を発現することから好ましい。様々な不揮発性の化合物を、該組成物に添加することができ、またその上に適用でき、その際に該組成物の色を喪失し、また該組成物を最終的に透明なものとしてしまう恐れはない。
該単分散性粒子は、場合により多孔質であり得る。該粒子内部における小径の孔の存在は、該粒子の屈折率を低下させ得る。
【0016】
該単分散性粒子の屈折率npは、該処方物を適用した後に、該粒子の周りに広がっている該連続媒体の屈折率ncとは異なっており、またこれら屈折率間の差は、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.05以上、より一層好ましくは0.1以上、例えば0.02〜2なる範囲内、及び特に0.05〜1なる範囲内にある。
所定の結果を得るためには、極めて小さな屈折率差:np-ncの実現は、該規則性ある格子内に、多数の粒子層の存在を必要とする。極めて大きな屈折率差は、該層内での光の拡散現象を強調し、また適用された後に白化する析出物に導く可能性がある。
該単分散性粒子の屈折率は、平均の屈折率として定義される。複合粒子を使用した場合、該屈折率は、各成分の体積割合の関数として、線形様式で計算される。
【0017】
該単分散性粒子の屈折率は、該媒体の屈折率以上であり得、例えば1.4以上、特に1.4〜1.7なる範囲内であり得る。
与えられた平均粒径Dに対応する、全ての該単分散性粒子は、実質上同一の屈折率を持つことができる。
該単分散性粒子は、例えばケラチン質物質に適用した後に、生成される色の強度を補強し、及び/又はその後の該組成物の白化現象を回避するために、着色する、すなわち白色以外の色で着色することができる。
コロイド状の結晶を生成するのに使用される着色粒子の例は、刊行物:WO 05/012961に記載されている。
該単分散性粒子の色は、各単分散性粒子を構成する材料を選択することによって与えることができる。この着色は、該粒子による光の吸収量を増大させ、また拡散を減じる効果を持つことができる。
該単分散性粒子には、特に少なくとも一つの、有機又は無機の着色剤又は顔料を配合することができ、蛍光性であり得、また適当な場合には、紫外又は赤外蛍光性を呈するものであり得る。
【0018】
該単分散性粒子は、無機化合物を含むことができ、あるいは完全に無機物で構成されたものであり得る。
該単分散性粒子が無機物質である場合、これらは、例えば少なくとも1種の酸化物、特に金属酸化物を含むことができ、例えば珪素、鉄、チタン、アルミニウム、クロム、亜鉛、銅、ジルコニウム、及びセリウム並びにこれらの混合物の酸化物から選択される。該単分散性粒子は、また金属、特にチタン、銀、金、アルミニウム、亜鉛、鉄、銅、並びにこれらの混合物及びこれらの合金を含むこともできる。
該単分散性粒子は、有機化合物を含むことができ、あるいはこれらは完全に有機物で構成されたものであり得る。
有機単分散性粒子を製造するのに適したものであり得る材料としては、ポリマー、特に炭素鎖又はシリコーン鎖を持つポリマー、例えばポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びシリコーンポリマーを例示することができる。
該単分散性粒子が複合物質である場合、これらは、例えば、有機及び/又は無機材料等の、異なる材料製のコアと殻とを含むことができる。
【0019】
該単分散性粒子が複合物質である場合、該コア材料及び該殻材料は、例えば、該単分散性粒子の媒体中での安定性を改善し、屈折率を高め、及び/又は該粒子を着色し、及び/又は該粒子に蛍光性又は磁気感受性(磁化率)を付与するように、選択することができる。
該コアは、該粒子を含有する該媒体中に不溶性の材料、例えばシリカ等の無機材料、あるいは例えばアクリル系ポリマー等の有機物質で作ることができる。
該殻は、該粒子を含有する該媒体中に不溶性であり得る、ポリマー鎖で構成することができ、該ポリマー鎖は、それ自体該媒体に対して不溶性である、各単分散性粒子コアの表面にグラフトした、ポリマーを含むことができる。
コア及びポリマー鎖を含むこのような粒子は、「毛髪状」粒子としても知られており、またこれらは、静電的な相互作用ばかりでなく、排除体積型の立体的な相互作用によっても、該媒体中で安定化され得る。
【0020】
該ポリマー鎖によってもたらされる、この付随的な安定化及び体積は、該組成物の不安定化及び粒子凝集の如何なる可能性も無しに、該組成物中への他の成分の配合を容易にする。これらの他の成分は、例えば該組成物及びこれによって被覆された基質の外観改善するための、着色剤又はフィラー等であり得る。
該ポリマー鎖は、ケラチン質物質と一体化し、また該被覆すべき基質に対する該組成物の接着性を改善するのに適した化学的な官能基(例えば、カルボン酸、アミン、アミド、チオール基等)を含むことのできる、グラフト化ポリマー鎖を含むことができる。
該ポリマー鎖は、また該ケラチン質物質上に適用した後の、該粒子の格子の保留性を改善することを可能とする。
一例として、「毛髪状」粒子の例は、ポリマーコアに関する、イシズ(Ishizu)等による刊行物:化学と工業, 2004, 57(7)、及び該殻内にポリメチルメタクリレート又はポリ(スチレン-co-無水マレイン酸)ポリマーを含む、シリカコアに関する、オークボ(Okubo)等の刊行物:Colloid & Polymer Science, 2002, 280(3): 290-295に与えられている。
【0021】
適当な場合には、殻の存在は、ケラチン質物質又は媒体と直接接触することが望ましくない化合物をその内部に封入するように機能できる。該複合単分散性粒子は、また第二の物質のマトリックス内における、第一の物質の包含物を含むことも可能である。例えば、該第一の物質は、該粒子全体としての屈折率の増大を可能とする、高い屈折率を持つものであり得る。一例として、該粒子は、ナノ粒子、例えば酸化チタンのナノ粒子の包含物を含むことができる。
該単分散性粒子は、例えば刊行物:Xia等, Adv. Mater., 2000, 12:693-713に記載されているような、合成方法を利用して製造することができる。この文献を、参考としてここに組入れる。
適当なものであり得る、単分散性粒子の市販品としては、供給元としてのセラディン(Seradyn)から入手できる、216nm又は290nmのオプチバインド(OptibindTM)(ポリスチレン)微粒子、供給元としての日本触媒(Nippon Shokubai)社から入手できる、エポスター(EpostarTM) MX-100W (PMMA)及びエポスター(EpostarTM) MX-200W (PMMA)を例示することができる。
シリカを主成分とする磁性粒子及び単分散性粒子の例は、Xu等の文献:Chem. Mater., 2002, 14:1249-1256に記載されている。
【0022】
単分散性粒子を含む媒体
本発明によれば、該単分散性粒子を、少なくとも適用前に、生理的に許容される媒体中に含有せしめ、単分散性粒子の規則性ある格子を、該組成物が適用される該基質上に形成することができる。
該用語「生理的に許容される媒体」とは、「化粧学的に許容される媒体」なる用語と同義であり、ヒトのケラチン質物質、特に皮膚、粘膜、ツメ、又は毛髪に適用するのに適した、非-毒性の媒体を表す目的で使用される。
該生理的に許容される媒体を、一般に該組成物を適用すべき該基質の特性と、及び該組成物を包装すべき形状に適合させる。
該単分散性粒子は、液体相、特に油相又はゲル相に含めることができる。
該単分散性粒子を含有する該媒体は、完全な液体であり得、あるいは適当な場合には他の粒子を含むことができる。該粒子の全質量に対する、該油相の全質量の比は、0.5を越え、好ましくは0.75を越えるものであり得る。
【0023】
該粒子の適用前における該粒子の該媒体への分散が促進されされて、粒子の凝集が回避されるように、該媒体を選択することができる。
単分散性粒子の規則性ある格子が、該媒体をケラチン質物質に適用した後に、規則的な該粒子の積み重ねによって形成されるように、該媒体を選択することができ、該格子は、適用前には該組成物中に存在せず、また例えば該組成物中に含まれる溶媒が蒸発するにつれて形成される。
上記の如く、該媒体の屈折率は、有利には該単分散性粒子の屈折率に対して、ある差を呈し、その差の絶対値は、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.05以上、特に0.05〜1なる範囲、一層好ましくは0.1以上である。
該媒体は単相又は多相であり得、また場合により、該単分散性粒子以外の固体、特により小さな粒子又はより大きな粒子を含むことができる。
好ましくは、該単分散性粒子以外の固体物質の存在下で、該物質の量は、単分散性粒子の規則性ある格子の生成に対する妨害を回避し、かつ特に色に関する所定の結果の達成に対する障害を回避するのに十分に少ない。
【0024】
揮発特性
該単分散性粒子の規則性ある格子を生成するのに使用する該媒体は、場合により、該組成物を適用した後に蒸発させることが可能である。
好ましくは、該媒体は、揮発性溶媒を含む。該用語「揮発性溶媒」とは、本発明においては、周囲温度及び周囲圧力条件下にて、皮膚と接触した際に蒸発するのに適した任意の液体を意味するものとして使用する。
該媒体は、特に、該組成物が、少なくとも10%、又は少なくとも30%もの揮発性溶媒を含むように選択することができる。
【0025】
油性相(脂肪相とも呼ばれる)
本発明の組成物は、幾つかの態様において、油性相を含むことができる。該単分散性粒子は、場合により該油性相中に含めることができる。
特に、該油性相は、揮発性のものであり得る。
1又はそれ以上の油を、求めるスペクトル反射性又は着色効果の喪失を回避するように、該組成物に含めることができる。
該組成物は、油、例えば合成エーテル及びエステル;無機又は合成起源の直鎖又は分岐炭化水素;8〜26個の炭素原子を持つ脂肪アルコール;部分的にフッ素化された炭化水素及び/又はシリコーン油;場合により揮発性のシリコーン油、例えば周囲温度にて液状又はペースト状の、直鎖又は環状のシリコーン鎖を持つ、ポリメチルシロキサン(PDMS);及びこれらの混合物を含むことができる。また、その他の例を以下に与える。
本発明の組成物、及び例えば該生理的に許容される媒体は、少なくとも1種の揮発性油を含むことができる。
【0026】
揮発性油
本発明で使用する意味において、該用語「揮発性油」とは、周囲温度及び周囲圧力条件下にて、皮膚と接触した際に、1時間未満で蒸発するのに適した油(又は非-水性媒体)を意味するものとして使用する。
該揮発性油は、周囲温度にて液状の、特に周囲温度及び周囲圧力条件下にてゼロでない蒸気圧を有し、特に0.13パスカル(Pa)〜40,000Pa(10-3ミリメートル水銀(mmHg)〜300mmHg)、特に1.3Pa〜13,000Pa(0.01mmHg〜100mmHg)なる範囲、及びより特定的には1.3Pa〜1300Pa(0.01mmHg〜10mmHg)なる範囲の蒸気圧を持つ、揮発性化粧油である。
該揮発性の炭化水素油は、動物又は植物起源の、8〜16個の炭素原子を持つ炭化水素油、及び特にC8-C16分岐アルカン(イソパラフィンとしても知られている)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られている);イソデカン;イソヘキサデカン;及び例えばアイソパーズ(IsoparsTM)又はパーメチルズ(PermethylsTM)なる商品名の下で市販されている油から選択することができる。
【0027】
揮発性油としては、揮発性のシリコーンオイル、特に揮発性の直鎖又は環状のシリコーンオイル、特に≦8センチストークス(cSt)(8×10-6平方メートル/秒(m2/s))なる粘度を有し、また特に2〜10個の珪素原子、及びより具体的には2〜7個の珪素原子を持つシリコーンオイル、例えば場合により1〜10個の炭素原子を持つ、アルキル又はアルコキシ基を含む、シリコーン類を使用することも可能である。本発明において使用できる揮発性のシリコーンオイルとしては、特に5〜6cStなる範囲の粘度を持つジメチコーン;オクタメチルシクロテトラシロキサン;デカメチルシクロペンタシロキサン;ドデカメチルシクロヘキサシロキサン;ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン;ヘプタメチルオクチルトリシロキサン;ヘキサメチルジシロキサン;オクタメチルトリシロキサン;デカメチルテトラシロキサン;ドデカメチルペンタシロキサン;及びこれらの混合物を列挙することができる。
フッ素化揮発性油、例えばノナフルオロメトキシブタン又はパーフルオロメチルシクロペンタン、及びこれらの混合物を使用することも可能である。
上記オイルの混合物を使用することも可能である。
【0028】
不揮発性油
本発明の組成物は、不揮発性油を含むこともできる。
本発明の意味において、該用語「不揮発性油」とは、0.13Pa未満の蒸気圧を持つオイル、及び特に高い分子量を持つオイルを意味するものとして使用する。
該不揮発性油は、特に適当な場合にはフッ素化された、炭化水素油、及び/又は不揮発性シリコーンオイルから選択することができる。
本発明を実施するのに適したものであり得る不揮発性炭化水素油としては、特に以下に列挙するものを例示することができる:
・動物起源の炭化水素油;
【0029】
・植物起源の炭化水素油、例えばフィトステアリルエステル、例えばフィトステアリルオレエート、フィトステアリルイソステアレート、及びラウロイル、オクチルドデシル、フィトステアリルグルタメート、例えばアジノモト(Ajinomoto)によってエルドゥー(Eldew) PS203なる商品名の下で市販されているもの;脂肪酸とグリセロールとのエステルによって構成されるトリグリセライド、ここで該脂肪酸は、C4〜C24なる範囲内で変動する鎖長を持つことができ、また該鎖は、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和であり得る;これらのオイルは、特にヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセライドであり得る;任意の以下のオイル:麦芽;ヒマワリ;グレープ種子;ゴマ;トウモロコシ;アンズ;トウゴマ種子;カリタ(karita);アボカド;オリーブ;大豆;スイートアーモンド;ヤシ;菜種;綿種子;ヘーゼルナッツ;マカダミアナッツ;ホホバ;アルファルファ;ケシの実;カボチャ;ペポカボチャ;クロフサスグリ;待つ宵草;キビ;オオムギ;アカザ;ライムギ;ベニバナ;ククイノキ;トケイソウ;及びマスカットローズ;またカリタ(karita)バター;又は実際にはカプリル/カプリン酸トリグリセライド、例えば供給元としてのステアリネリーズデュボア(Stearineries Dubois)によって市販されているもの、又は供給元としてのダイナマイトノーベル(Dynamit Nobel)社により、ミグリオール(Miglyol) 810TM、812TM、及び818TMなる名称の下で市販されているもの;
【0030】
・無機及び合成起源の炭化水素油、例えば
・2〜40個の炭素原子を持つ合成エステル;
・無機又は合成起源の直鎖又は分岐鎖炭化水素、例えばワセリン;ポリデセン;水添ポリイソブテン、例えばパーリーム(parleam)、スクアラン;及びこれらの混合物、及び特に水添ポリイソブテン;
・合成エステル、例えば一般式:R1COOR2で示されるオイル(ここで、R1は1〜40個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖脂肪酸の酸基を表し、またR2は、炭化水素鎖、特に1〜40個の炭素原子を有する分岐炭化水素鎖を表し、これらの置換基は、R1+ R2≧10なる条件を満足する)。
【0031】
エステルは、特に脂肪酸エステルから選択することができ、その例は例えば
・セトステアリルオクタノエート;イソプロピルアルコールのエステル、例えばイソプロピルミリステート;イソプロピルパルミテート;エチルパルミテート;2-エチルヘキシルパルミテート;ステアレート又はイソプロピルステアレート;イソステアリルイソステアレート;オクチルステアレート;ヒドロキシエステル、例えばイソステアリルラクテート;オクチルヒドロキシステアレート;ジイソプロピルアジペート;ヘプタノエート;及び特にイソステアリルヘプタノエート;オクタノエート;デカノエート;又はアルコール又はポリアルコールのリシノレエート、例えばプロピレングリコールジオクタノエート;セチルオクタノエート;トリデシルオクタノエート;4-ジヘプタノエート;及びエチル2-パルミテート;アルキルベンゾエート;ポリエチレングリコールジヘプタノエート;プロピレングリコールジエチル2-ヘキサノエート;及びこれらの混合物;C12〜C15アルコールベンゾエート;ヘキシルラウレート;ネオペンタン酸エステル、例えばイソデシルネオペンタノエート;イソトリデシルネオペンタノエート;イソステアリルネオペンタノエート;オクチルドデシルネオペンタノエート;イソノナン酸エステル、例えばイソノニルイソノナノエート;イソトリデシルイソノナノエート;オクチルイソノナノエート;ヒドロキシエステル、例えばイソステアリルラクテート;ジイソステアリルマレート;
【0032】
・ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、例えばジペンタエリスリトールテトラヒドロキシステアレート又はテトライソステアレート;
・ジオールダイマー及び二酸ダイマーエステル、例えば供給元としてのファインケミカル(Fine Chemical)社により市販されており、また特許出願FR 03/02809に記載されている、ラスプラン(Lusplan) DD-DA5TM及びラスプラン(Lusplan) DD-DA7TM
・周囲温度にて液体であり、分岐した及び/又は不飽和の、炭素原子数12〜26の炭素鎖を持つ、脂肪アルコール、例えば2-オクチルドデカノール;イソステアリルアルコール;オレイルアルコール;2-ヘキシルデカノール;2-ブチルオクタノール;及び2-ウンデシルペンタデカノール;
・高級脂肪酸、例えばオレイン酸;リノール酸;リノレン酸;及びこれらの混合物;
・2つのアルキル鎖が、同一でも異なっていてもよい、ジアルキルカーボネート、例えばコグニス(Cognis)社により、セチオール(Cetiol) CCTMなる商品名の下で、市販されているジカプリルカーボネート;
【0033】
・不揮発性のシリコーンオイル、例えば不揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS);シリコーン鎖のペンダント及び/又はその末端にあり、夫々2〜24個の炭素原子を持つ、アルキル又はアルコキシ基を含む、ポリジメチルシロキサン;フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコーン;フェニルジメチコーン;フェニルトリメチルシロキシシロキサン;ジフェニルジメチコーン;ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン;及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート;100cSt以下の粘度を持つ、ジメチコーン又はフェニルトリメチコーン;及びこれらの混合物;及び
・以上列挙したものの混合物。
【0034】
該媒体は、OH結合を持つ、特にアルコール官能基を持つ、少なくとも1種の化合物を、例えば質量基準で5%以上、又は好ましくは10%以上の割合で、含むことができる。このような化合物は、規則性ある格子の生成を妨害することなしに、蒸発性を高めることを可能とする。
該媒体は、例えばエタノール又はイソプロパノール等のアルコール、又はグリコール誘導体、特にエチレングリコール又はプロピレングリコールを含有し得る。
該媒体は、透明又は半透明、着色又は無着色であり得る。該単分散性粒子を含む該媒体は、如何なる着色剤又は顔料をも含む必要はない。該媒体の着色は、追加の着色剤の添加に相当するものであり得る。
一例として、該媒体の色は、該単分散性粒子の規則性ある格子が生成し得る色、例えば垂直の入射光の存在下で観測した場合に、該格子によって生成される色に相当するものであり得る。
該媒体の色は、また光の拡散を制限するように、黒であってもよい。
【0035】
着色剤
該単分散性粒子の規則性ある格子は、かなり容易に緑、赤、又は青色を得ることを可能とする。この色の範囲は、例えば0.1〜15質量%なる範囲の濃度にて、追加の着色剤、例えば着色剤、吸収性の顔料、又は作用性顔料(effect pigment)を存在させることによって拡張できる。
ここで、「作用性顔料(effect pigment)」なる用語は、特に以下において定義するような、反射性粒子;真珠光沢剤;ゴニオクロマチック着色剤;又は回折性顔料を包含するものとして使用する。
相対的に大きな粒径の顔料、例えば真珠光沢剤の存在は、該顔料粒子と比べて該格子生成を妨害するものではなく、かえって該単分散性粒子の拘束を改善して、このような格子の形成性を高めることができ、この場合、該大きな粒子は該格子の幾つかの転位部分に挿入され得る。
【0036】
従って、該媒体は、該単分散性粒子の粒径の、少なくとも3倍、好ましくは5倍以上及びより一層好ましくは10倍以上大きな粒径を持つ、大粒子を含むことができる。これらの大粒子は、非着色性のフィラー又は顔料の粒子であり得る。このように、該媒体は、少なくとも1種の作用性顔料を含むことができる。
単分散性粒子の存在は、ケラチン質物質上に適用した後に、周期的な格子を得ることを可能とする。該格子は、光を回折することによる、着色作用を得ることを可能とし、また本出願人は、この周期的な格子を保存しつつ、作用性顔料によって、第二の光学的な効果を共有させることが可能であることを見出した。これら2つの光学的効果は、加算性であり、また結果的に、該顔料の存在は、その色の範囲を、及びケラチン質物質上に形成された格子によって達成される該光学的効果の拡張を可能とする。
該作用性顔料は、本発明の処方物中に、0.1〜70%なる範囲、好ましくは1〜50%なる範囲、より好ましくは5〜20%なる範囲内の濃度にて存在することができる。
【0037】
反射性粒子
反射性粒子は、肉眼で見ることのできる、著しい輝きを持つスポットを生成するように機能し得る。
該反射性粒子は、様々な形状で存在し得る。これらの粒子は、特に板状の形状で存在することができ、あるいはこれら粒子は、小球状、特に球状であり得る。これらの粒子は、反射性物質で覆われた基質を含むことができる。
該基質は、ガラス;金属酸化物;アルミナ;シリカ;シリケート、特にアルミノシリケート及びボロシリケート;マイカ;合成マイカ;合成ポリマー;及びこれらの混合物から選択することができる。
該反射性材料は、金属の層又は金属化合物の層を含むことができる。
板状の形状を持つ、銀で被覆されたガラス製基質を含む粒子は、供給元としてのニッポンシートガラス(Nippon Sheet Glass)社により、メタシャイン(Metashine)なる商品名の下で市販されている。
【0038】
反射性粒子の例としては、また例えば二酸化チタンにより被覆された合成微細基質を含む粒子;あるいは褐色酸化鉄、酸化チタン、酸化錫の何れか又はこれらの混合物で被覆されたガラス粒子、例えば供給元としてのエンゲルハード(Engelhard)社によって、リフレックス(ReflecksTM)なる商標の下で市販されているものを例示することもできる。
同様に本発明にとって適したものは、ニッポンシートガラス社により、市販されている一連のメタシャイン(Metashine) 1080R顔料である。これらの顔料は、より具体的には、特許出願JP 2001-11340に記載されており、またこれらは、65%〜72%なる範囲の量でSiO2を含み、ルチル型酸化チタン(TiO2)の層で覆われた、C-GLASSガラスのフレークで構成されている。これらガラスフレークは、1マイクロメータ(μm)なる平均の厚み及び80μmなる平均粒径を持ち、これらの値は、平均の厚みで割った、平均粒径の比:80を与える。これらは、該TiO2層の厚みに依存して、青、緑、黄、又は銀白の輝きを呈する。
【0039】
また、80〜100μmなる範囲の粒径を持ち、粒子全質量の12%を占める、二酸化チタンで被覆した、合成マイカ[フルオロフィロゴパイト(fluorophylogopite)]製の基質を含有する粒子を例示することができ、これは、供給元としてのニホンコーケン(Nihon Koken)社により、プロミネンス(Prominence)なる名称の下で市販されている。
該反射性粒子は、また異なる屈折率を持つ、少なくとも2つの層を積層することによって形成される粒子から、選択することも可能である。このような層は、ポリマー性又は金属性を持つものであり得、また特にこれらは、少なくとも1層のポリマー層を含むことができる。従って、該反射性粒子は、多層ポリマーフィルムから誘導された粒子であり得る。このような粒子は、特にWO 99/36477、US 6,299,979及びUS 6,387,498に記載されている。少なくとも2つのポリマー層の積層体を含む反射性粒子は、ミラーグリッター(Mirror Glitter)なる名称の下で、供給元としての3M社により市販されている。これらの粒子は、2,6-PEN(ポリエチレンナフタレート)の層及びポリメチルメタクリレートの層を、80/20なる質量比にて含む。このような粒子は、US 5,825,643に記載されている。
【0040】
真珠光沢剤(Nacres)
この用語「真珠光沢剤(Nacres)」とは、ここでは任意の形状を持ち、光学的な干渉色作用を持ち、また場合により虹色を呈する着色粒子、特にある種の軟体動物の殻中で製造されるもの、あるいはその他の合成されたものを意味するために使用する。
真珠光沢剤は、真珠光沢顔料、例えば酸化鉄で被覆されたチタンマイカ;ビスマスオキシクロリドで被覆されたマイカ;酸化クロムで被覆されたチタンマイカ;有機着色剤、特に上に指定した型の着色剤で被覆されたチタンマイカ;及びビスマスオキシクロリドを主成分とする真珠光沢顔料から選択することができる。これらは、また金属酸化物及び/又は表面上に重ねられた有機着色材料の、連続する少なくとも2つの層を含む、マイカの粒子であってもよい。
真珠光沢剤の例としては、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料、又はビスマスオキシクロリドで被覆された天然マイカをも例示できる。
市場で入手できる該真珠光沢剤としては、供給元としてのエンゲルハード(Engelhard)社によって市販されている、フラメンコ(Flamenco)真珠光沢剤及び供給元としてのメルク(Merck)社によって市販されている、ティミロン(Timiron)真珠光沢剤を例示することができる。
【0041】
ゴニオクロマチック着色剤
本発明で使用する意味において、ゴニオクロマチック着色剤とは、真珠光沢剤への入射角以上の観測角の関数としての、「カラーフロップ(color flop)」としても知られている、色変化を示す。
一例として、該ゴニオクロマチック着色剤は、干渉性多層構造体、及び液晶着色剤から選択することができる。
本発明に従って製造される組成物中で使用するのに適した、対称的な干渉性多層顔料は、例えば供給元としてのフレックス(Flex)から入手できるクロマフレール(Chromaflair);供給元バスフ(Basf)から入手できるシコパール(Sicopearl);供給元メルク(Merck)[ダルムシュタット(Darmstadt)]から入手できるキシロナ(Xirona)顔料;供給元シセイドウ(Shiseido)から入手できるインフィナイトカラー(Infinite Color)顔料;及び供給元CCICから入手できるカラーレリーフ(Color Relief)顔料である。
【0042】
交互のポリマー層、例えばポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレート型のポリマー層を含む、多層構造を持つ、ゴニオクロマチック着色剤を使用することも可能である。このような試薬は、特にWO-A-96/19347及びWO-A-99/36478に記載されている。
ポリマー型の多層構造を持つ顔料の例は、カラーグリッターなる名称の下で、供給元3Mにより市販されているもの、又はミクログリッターパール(Micro Glitter Pearl) なる名称の下で、供給元ベンチャーケミカル(Venture Chemical)社により市販されているものを挙げることができる。
一例として、液晶着色剤は、シリコーン又はセルロースエーテルを含み、これらの上にはメソモルフィックな(mesomorphic)基がグラフトされている。液晶ゴニオクロマチック粒子として使用できるものは、例えば供給元シェニックス(Chenix)により市販されているもの、及び供給元シクパ(Sicpa)により、ヘリコーン(HeliconeTM)なる名称の下で市販されているものを挙げることができる。
【0043】
本発明の組成物は、また分散されたゴニオクロマチック繊維を含むこともできる。このような繊維は、例えば50μm〜2mmなる範囲のサイズを持つことができる。ポリエチレンテレフタレートとナイロン-6との2-層構造を持つゴニオクロマチック繊維は、供給元テイジン(Teijin)により、モルフォテックス(Morphotex)及びモルフォトーン(Morphotone)なる名称の下で市販されている。
回折性顔料
この「回折性顔料」なる用語は、回折格子を構成する周期的なモチーフを持つ顔料を意味する目的で使用する。周期的なモチーフ間の距離は、可視光の波長と同程度の大きさにあるので、これらの顔料は、光を回折し、かつ例えば虹形成作用をもたらす。
このような顔料は、供給元JDSユニフェーズ社(Uniphase Corporation)から、スペクトラフレール(Spectraflair)なる名称の下で、市販品として入手できる。
このような顔料は、また以下の特許によって教示された方法を利用して製造することも可能である:US 6,818,051、US 6,894,086及びEP 1,634,619。これらの特許は、オパールと類似する構造を持つ、シリカ粒子の3-次元格子によって構成される、顔料を開示している。逆オパール構造のものを得、使用することも可能である。
【0044】
単分散性粒子以外の粒子のサイズ
該媒体は、該単分散性粒子のサイズよりも小さな、平均粒径Dを持つより小さな粒子を含むことができ、該平均粒径は、少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍小さく、従って該小さな粒子を、該格子の該単分散性粒子間に残される間隙中に挿入することができる。
これらの間隙にある粒子は、無機又は有機粒子であり得、また該格子の凝集性を改善し、さらに該格子の層によって光が吸収される様式を変更するように機能し得る。
これらの間隙にある粒子の例は、二酸化チタン;シリカ;酸化鉄;あるいはカーボンブラックのナノ粒子を挙げることができ、これらの平均粒径は、5〜150nmなる範囲、例えば10〜100nmなる範囲内にある。
これらの間隙にある粒子の他の例としては、ケラチン質物質に適用する前に、該組成物内で既に重合された状態にある、ポリマー粒子を挙げることができ、該媒体は、従って例えばラテックスを包含する。
【0045】
適当な場合には、該間にある隙粒子のサイズは、外部刺激の関数、及び/又は該媒体中の化合物の濃度の関数として変えることができる。該間隙にある粒子は、吸水性のものであり得る。該粒子のサイズは、従って例えば該媒体中の水の濃度の関数として変えることができる。
適当な場合には、該間隙にある粒子のサイズにおける変化は、該単分散性粒子間の距離に影響を及ぼす可能性があり、従って該格子により生成される色にも影響を及ぼす可能性がある。
ポリマーの存在
該媒体は、該格子の形成後にその保留性を改善する目的で、少なくとも1種のポリマーを含むことができる。
一例として、該組成物を適用し、かつ乾燥させる前に、該ポリマーは、完全には重合及び/又は架橋されていない、ある状態にあってもよい。
該媒体が、該組成物のケラチン質物質上への適用前に、完全には重合及び/又は架橋されていない、ポリマーを含む場合、該架橋及び/又は重合は、該組成物がケラチン質物質上に適用された後に、起るものであり得る。
【0046】
一例として、該架橋及び/又は重合は、該単分散性粒子の格子が、形成された後に、あるいは一変法においては、予め及び/又は同時に起ってもよい。
該媒体は、フィルム-形成性ポリマーを含むことができる。
フィルム-形成性ポリマー
本発明において、この「フィルム-形成性ポリマー」なる用語は、それ自体又は補助的なフィルム-形成剤の存在下で、ケラチン質物質に接着する、巨視的に連続なフィルムを形成するのに適したポリマーを表すために、また好ましくは凝集性のフィルム、及びより好ましくはこのようなフィルムが単離でき、また孤立状態で処理でき、例えば該フィルムを、非粘着性の表面、例えばテフロン(登録商標)(Teflon)又はシリコーン表面上での流込み成型により製造する場合におけるような、凝集性と機械的な特性とを持つフィルムを表すために使用される。
本発明の組成物は、油相を含むことができ、また該フィルム-形成性ポリマーは、該油相中に存在し得る。該ポリマーは、分散性のポリマー、あるいは両親媒性の又は会合性のポリマーであり得る。
【0047】
該用語「分散性のポリマー」とは、該油相中に可溶性ではなく、様々なサイズの粒子として存在するポリマーを表すために使用する。該ポリマーは、場合により架橋されていてもよい。その平均粒径は、典型的には25〜500nmなる範囲、及び好ましくは50〜200nmなる範囲にある。オイル中に分散した以下のようなポリマーを、使用することができる:アクリル系又はメタクリル系ポリマー;シリコーンポリマー;アクリルシリコーンポリマー。
該用語「両親媒性の又は会合性のポリマー」とは、該ポリマーを会合性又は相互作用性とする、1又はそれ以上の疎水性部分を含むポリマーを表すために使用する。特に、ポリスチレンを主成分とするブロックポリマー等の両親媒性のポリマーを使用することができる。
本発明の組成物は、油相を含むことができ、また該フィルム-形成性ポリマーは、該油相中に存在し得る。該ポリマーは分散状態又は溶液状態であり得る。該ポリスチレン-ポリアミド(PS-PA)型の又は(クラトン(Kraton)、レガライト(Regalite)スチレン)を主成分とするコポリマーであり得る、非-水性分散液型(NAD)又はマイクロゲル型(例えば、KSG)のポリマーを使用することができる。
【0048】
1又はそれ以上のシリコーン及び/又は炭化水素油中の、ポリマー粒子の非-水性分散液状態にあって、油溶性であり、また少なくとも1種の安定化剤、特に序列化され、グラフト化されたポリマー、又はランダムポリマーにより、該表面上で安定化され得る、フィルム-形成性ポリマーの非-水性分散液の例としては、イソドデカン中のアクリル系ポリマーの分散液、例えば供給元チメックス(Chimex)社から入手できるメキソメール(Mexomere) PAPTM;好ましくはアクリル系グラフトエチレンポリマーの液状脂肪相中の分散液を列挙することができ、ここで該エチレンポリマーは、有利には、特に文献WO 2004/055081に記載されているように、該粒子の表面上で、如何なる付随的な安定化剤も存在しない条件下で、分散されている。
本発明の組成物において使用するのに適した該フィルム-形成性ポリマーとしては、ラジカル型又は重縮合型の合成ポリマー、天然起源のポリマー、及びこれらの混合物を挙げることができる。
該用語「ラジカルフィルム-形成性ポリマー」とは、不飽和モノマー、特にエチレン系不飽和モノマーの重合によって得られるポリマーを表すために使用され、ここで各モノマーは、ホモ重合可能なものである(重縮合物とは異なる)。
【0049】
該ラジカル型のフィルム-形成性ポリマーは、特にビニルポリマー又はコポリマー、特にアクリル系ポリマーであり得る。
ビニルフィルム-形成性ポリマーは、少なくとも一つの酸基を持つエチレン系不飽和ポリマー及び/又は該酸性モノマーのエステル、及び/又は該酸性モノマーのアミドの重合の結果得られるポリマーであり得る。
酸基を持つモノマーとしては、α,β-エチレン系-不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、及びイタコン酸を使用することができる。好ましくは、(メタ)アクリル酸及びクロトン酸が使用され、またより好ましくは(メタ)アクリル酸が使用される。
酸モノマーのエステルは、有利には(メタ)アクリル酸のエステル((メタ)アクリレートとしても知られている)、特にアルキル(メタ)アクリレート、特にC1〜C30及び好ましくはC1〜C20アルキル(メタ)アクリレート;アリール(メタ)アクリレート、特にC6〜C10アリール(メタ)アクリレート;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特にC2〜C6ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから選択される。
【0050】
アルキル(メタ)アクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、エチル-2ヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、及びシクロヘキシルメタクリレートを挙げることができる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを挙げることができる。
アリール(メタ)アクリレートとしては、ベンジルアクリレート及びフェニルアクリレートを挙げることができる。
特に好ましい(メタ)アクリル酸のエステルは、アルキル(メタ)アクリレートである。
本発明において、これらエステルのアルキル基は、フッ素化又はパーフルオロ化されていてもよく、すなわち該アルキル基の水素原子の一部又は全てが、フッ素原子で置換されていてもよい。
【0051】
酸モノマーのアミドとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、及び特にN-アルキル(メタ)アクリルアミド、特にC2〜C12アルキル(メタ)アクリルアミドを挙げることができる。N-アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、N-エチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-t-オクチルアクリルアミド及びN-ウンデシルアクリルアミドを挙げることができる。
ビニルフィルム-形成性ポリマーは、またビニルエステル及びスチレンモノマーから選択されるモノマーのホモ重合又は共重合によって得ることもできる。特に、これらモノマーは、酸モノマー及び/又はそのエステル及び/又はそのアミド、例えば上記のものと共に重合することができる。
ビニルエステルの例としては、酢酸ビニル、ビニルネオデカノエート、ビニルピバレート、ビニルベンゾエート、及びビニルt-ブチルベンゾエートを列挙することができる。
スチレンモノマーとしては、スチレン及びα-メチルスチレンを挙げることができる。
フィルム-形成性重縮合体としては、ポリウレタン、ポリエステル、アミドポリエステル、ポリアミド、及びエポキシエステル樹脂、及びポリウレアを挙げることができる。
【0052】
ポリウレタンは、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性ポリウレタン;アクリル系ポリウレタン;ポリビニルピロリドンポリウレタン;ポリエステルポリウレタン;ポリエーテルポリウレタン;ポリウレア;ポリウレアポリウレタン;及びこれらの混合物から選択することができる。
公知の如く、ポリマーは、ジカルボン酸とポリオール、特にジオールとの重縮合によって得ることができる。
該ジカルボン酸は、脂肪族、脂環族、又は芳香族ジカルボン酸であり得る。このような酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、2,2-ジメチルグルタル酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、フタール酸、ドデカンジオン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタール酸、テレフタール酸、2,5-ノルボルナンジカルボン酸、ジグリコール酸、チオジプロピオン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、及び2,6-ナフタレンジカルボン酸を挙げることができる。これらジカルボン酸モノマーは、単独で又は少なくとも一つのジカルボン酸モノマーの組み合わせとして使用することができる。これらモノマーとしては、フタール酸、イソフタール酸、又はテレフタール酸を選択することが好ましい。
【0053】
該ジオールは、脂肪族、脂環族、又は芳香族ジオールから選択することができる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、及び4-ブタンジオールから選択されるジオールを使用することが好ましい。他のポリオールとしては、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、及びトリメチロールプロパンを使用することができる。
該アミンポリエステルは、二酸とジアミン若しくはアミノアルコールとの重縮合により、上記ポリエステルと同様な方法で得ることができる。ジアミンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタ-又はパラ-フェニレンジアミンを使用することができる。
本発明の組成物の一例において、該フィルム-形成性ポリマーは、有機溶媒又はオイルを含有する、液状脂肪相中に溶解されたポリマーであり得る(該フィルム-形成性ポリマーは、従って油溶性のポリマーと言うことができる)。該液状脂肪相は、好ましくは、場合により不揮発性のオイルと混合された、揮発性のオイルを含む。
【0054】
油溶性ポリマーの例としては、ビニルエステル(該ビニル基は、該エステル基の酸素原子に直接結合しており、また該ビニルエステルは、該エステル基のカルボニルと結合した、1〜19個の炭素原子を持つ、飽和、直鎖、又は分岐炭化水素基を有する)と、少なくとも一つの他のモノマーとのコポリマーであり得、ここで該他のモノマーは、ビニルエステル(既に存在するビニルエステルとは異なる);α-オレフィン(炭素原子数8〜28);アルキルビニルエーテル(ここで、該アルキル基は、2〜18個の炭素原子を持つ);あるいはアリル又はメタ-アリルエステル(該エステル基のカルボニルと結合した、1〜19個の炭素原子を持つ、飽和、直鎖、又は分岐炭化水素基を有する)であり得る。
これらコポリマーは、該ビニル型又は該アリル又はメタ-アリル型の、例えばテトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、ジビニルオクタンジオエート、ジビニルドデカンジオエート、及びジビニルオクタデカンジオエートであり得る、試薬の助けを借りて、架橋することができる。
【0055】
これらコポリマーの例としては、以下のコポリマーを挙げることができる:酢酸ビニルとアリルステアレート;酢酸ビニルとビニルラウレート;酢酸ビニルとビニルステアレート;酢酸ビニルとオクタデセン;酢酸ビニルとオクタデシルビニルエーテル;ビニルプロピオネートとアリルラウレート;ビニルプロピオネートとビニルラウレート;ビニルステアレートと1-オクタデセン;酢酸ビニルと1-ドデセン;ビニルステアレートとエチルビニルエーテル;ビニルプロピオネートとセチルビニルエーテル;ビニルステアレートとアリルアセテート;ビニルジメチル-2,2-オクタノエートとビニルラウレート;アリルジメチル-2,2-ペンタノエートとビニルラウレート;ビニルジメチルプロピオネートとビニルステアレート;アリルジメチルプロピオネートとビニルステアレート;0.2%のジビニルベンゼンで架橋した、ビニルプロピオネートとビニルステアレート;0.2%のジビニルベンゼンで架橋した、ビニルジメチルプロピオネートとビニルラウレート;0.2%のテトラアリルオキシエタンで架橋した、酢酸ビニルとオクタデシルビニルエーテル;0.2%のジビニルベンゼンで架橋した、酢酸ビニルとアリルステアレート;0.2%のジビニルベンゼンで架橋した、酢酸ビニルと1-オクタデセン;及び0.2%のジビニルベンゼンで架橋したアリルプロピオネートとアリルステアレートのコポリマー。
【0056】
油溶性のフィルム-形成性ポリマーとしては、ビニルエステルと、少なくとも一つの他のモノマーとのコポリマーを挙げることができ、ここで該他のモノマーは、ビニルエステル、特にビニルネオデカノエート、ビニルベンゾエート、ビニルt-ブチルベンゾエート、及びα-オレフィン、アルキルビニルエーテル、アリル又はメタ-アリルエステルであり得る。
油溶性のフィルム-形成性ポリマーとしては、さらに油溶性のコポリマー、及び特に9〜22個の炭素原子を持つビニルエステル又はアクリレート若しくはアルキルメタクリレートの共重合により得られるものを挙げることができ、ここで該アルキル基は、10〜20個の炭素原子を持つものである。
このような油溶性のコポリマーは、ビニルポリステアレート;ジビニルベンゼン、ジアリルエーテル、又はジアリルフタレートの助けにより架橋された、ビニルポリステアレート;ステアリル(メタ)アクリレート;ビニルポリラウレート;ラウリル(メタ)アクリレートのコポリマーから選択することができ;ここで該(メタ)アクリレートは、エチレングリコールジメタクリレート又はグリコールテトラエチレンの助けにより架橋されていてもよい。
【0057】
上で定義した油溶性のコポリマーは公知であり、特に特許出願FR-A-2,232,303に記載されており、これらは、2,000〜500,000なる範囲、及び好ましくは4,000〜200,000なる範囲内の質量平均分子量を持つことができる。
本発明において使用できる該油溶性のフィルム-形成性ポリマーとしては、同様にポリアルキレン及び特にC2〜C20アルケンコポリマー、例えばポリウレタン;C1〜C8の、場合により飽和の、直鎖又は分岐した、アルキル基を持つアルキルセルロース、例えばエチルセルロース及びプロピルセルロース;ビニルピロリドン(VP)のコポリマー、及び特にビニルピロリドンと、C2〜C40又は好ましくはC3〜C20アルケンとのコポリマーを挙げることができる。本発明において使用できる該VPコポリマーの例として、以下のコポリマーを挙げることができる:VPと酢酸ビニル;VPとエチルメタクリレート及びメタクリル酸;VPとエイコセン;VPとヘキサデセン;VPとトリアコンテン;VPとスチレン;VPとアクリル酸及びラウリルメタクリレートのコポリマー。
【0058】
また、一般的にシリコーンオイル中に可溶性又はこれにより膨潤性の、架橋されたポリオルガノシロキサンポリマーで構成されるシリコーン樹脂を挙げることもできる。シリコーン樹脂の命名法は、「MDTQ」なる用語の下で公知であり、この樹脂は、これが含有する様々なシロキサンモノマー単位の関数として記載され、該文字「MDTQ」の各々は、一種の型の単位を特徴付ける。
市販品として入手できるポリメチルシルセスキオキサン樹脂の例としては、以下に列挙するものを例示できる:
・供給元ワッカー(Wacker)社により、品名MK、例えばベルシル(Belsil) PMS MK樹脂として市販されているもの;及び
・供給元シン-エツ(Shin-Etsu)社により、品名KR-220Lとして市販されているもの。
シロキシシリケート樹脂としては、トリメチルシロキシシリケート(TMS)樹脂、例えば供給元ゼネラルエレクトリック(General Electric)社により、品名SR1000として、あるいは供給元ワッカー社により、品名TMS 803として市販されているものを挙げることができる。また、シクロメチコーン等の溶剤に溶解された該トリメチルシロキシシリケート樹脂、例えば供給元シン-エツ社により、品名「KF-7312J」として市販されているもの、又は供給元ダウコーニング(Dow Corning) 社により、「DC 749」又は「DC 593」なる名称の下で市販されているものを挙げることができる。
【0059】
同様に、シリコーン樹脂のコポリマー、例えばポリジメチルシロキサンについて上記したもの、例えば供給元ダウコーニング社により、品名BIO-PSAとして市販されており、USP 5,162,410に記載されている、感圧接着性コポリマー、又は実際に上記の如きシリコーン樹脂と、文献WO 2004/073626に記載されているような、ジオルガノシロキサンとの間の反応によって得られるコポリマーを挙げることもできる。
本発明の一態様において、該フィルム-形成性ポリマーは、異なるガラス転移温度(Tg)を持つ、少なくとも1種の第一の配列及び少なくとも1種の第二の配列を含む、フィルム-形成性線状序列化エチレンポリマーであり、該第一及び第二の配列は、該第一の配列を構成する少なくとも1種のモノマー及び該第二の配列を構成する少なくとも1種のモノマーを含有する中間的配列によって、一緒に結合されている。
有利には、該序列化ポリマーの該第一及び第二配列は、相互に非-相溶性である。
このようなポリマーは、例えば文献EP 1,411,069及びWO 2004/028488に記載されている。
【0060】
該フィルム-形成性ポリマーは、特にポリウレタン;ポリアクリル系樹脂;シリコーン;フッ素化ポリマー;ブチルゴム;エチレンコポリマー;天然ゴム;ポリビニルアルコール;及びこれらの混合物を包含する、ブロック又はランダムポリマー及び/又はコポリマーから選択することができる。該ポリマーが、周囲温度(25℃)よりも低いガラス転移点を持つような、少なくとも一つのモノマーとの結合を含む、ブロック又はランダムコポリマーのモノマーは、特にブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリル系、メタクリル系、イソプレン、イソブテン、シリコーン、及びこれらの混合物から選択することができる。
該フィルム-形成性ポリマーは、また一般的にはラテックス又は擬似ラテックスとして知られている、非水性溶媒中に分散された粒子状態にある組成物中に存在することができる。このような分散液を調製する方法は、当業者には周知である。
本発明の組成物は、該フィルム-形成性ポリマーによるフィルムの形成を促進する、可塑剤を含むことができる。このような可塑剤は、該求める機能を果たすのに適したものとして、当業者に知られているあらゆる化合物から選択することができる。
【0061】
当然、これらポリマーのリストは、網羅的なものではない。
好ましくは、該単分散性粒子を含有する該媒体が、フィルム-形成性ポリマーを含む場合、該フィルム-形成性ポリマーは、例えばアクリル系、ビニル系、フッ素化されている、又はシリコーン系のポリマー又はこれらの混合物の水性分散液である。
該単分散性粒子を含有する該組成物中の、該フィルム-形成性ポリマーの、質量基準での含有率は、例えば0.1〜10%なる範囲内であり得る。
該単分散性粒子を含有する該組成物が、完全に重合されていない及び/又は架橋されていないポリマーを含む場合、該重合及び/又は架橋は、熱による開始で、又は紫外線輻射によって起り得る。
重合は、また開始剤及び可能ならば架橋剤を添加することにより行うことも可能である。
【0062】
該媒体中で、単分散性粒子の格子を生成したい場合には、モノマー及び開始剤及び可能ならば架橋剤を添加し、次いで重合を実施することができる。
該処方物を製造するに際し、あるいは該処方物を皮膚に適用した後に、該重合を行ってもよい。この方法は、大きな分子量を持つポリマーを製造するか、あるいは架橋されたポリマーを製造することを可能とする。これは、該生成する系のレオロジーを、意図的に変更することを可能とする。
該媒体は、また例えばメイクアップすべき該基質上に、該組成物を適用した後に、あるいはその前に、ゲルの生成を可能とするポリマーを含むことができる。
【0063】
ゲルの生成を可能とするポリマー
ゲルの形成は、例えば該単分散性粒子の格子の凝集性を改善し、及び/又は外的な刺激及び/又は該媒体中の化合物の濃度に対して、該格子を応答性のものとするように機能し得る。
該組成物中のゲルを生成するためのポリマーの、質量基準での量は、0.5〜60%なる範囲、好ましくは5〜40%なる範囲であり得る。
該ゲルを生成するためのポリマーは、メイクアップすべき該基質上に、該組成物を適用した後に重合することができる。一変形によれば、該ゲルは、ケラチン質物質上に、該組成物を適用する前に、またその上に該組成物を適用した後に形成される。
該ゲルは、また該組成物を製造する前に生成することができる。例えば、H. Fudouzi等による文献:Langmuir, 2003, 19:9653-9660に記載されているようなポリスチレン球の格子から、ポリジメチルシロキサンエラストマーを主成分とするオイル状のゲルを製造することができる。
【0064】
適当なゲルは、また幾つかの化合物、特にシリコーン化合物の、相互に共存状態におかれた際に、相互作用し、また該相互作用の終了時点において、ポリマー格子に寄与する能力を、有効に利用することによって得ることができる。
化合物Xと化合物Yとを反応させることによって得られ、これら化合物の少なくとも1種が、以下に列挙するようなシリコーン化合物であるポリマーは、その場で、大気圧下及び周囲温度にて、有利には生体適合性のゲルの生成を可能とする。このような系は、部分的には、特にダウコーニング名義の文献WO 01/96450に記載されている。
従って、本発明の一態様においては、該媒体は、過酸化物の存在下で、少なくとも1種の化合物Xと少なくとも1種の化合物Yとの、ヒドロシリル化、縮合、又は架橋反応によって導くことができ、ここでこれら化合物X及びYの少なくとも1種は、シリコーン化合物である。
【0065】
第一の変法において、本発明の組成物は、少なくとも1種の化合物Xと少なくとも1種の化合物Yとの混合物を形成した後に、得ることができ、ここで該化合物X及びYの少なくとも1種は、シリコーン化合物であり、該化合物X及びYは、過酸化物の存在下で、相互に接触させた際に、ヒドロシリル化、縮合、又は架橋反応によって相互に反応させるのに適したものであり、このように、この反応によって得られる生成物は、本発明において考察中の、該単分散性粒子の存在下に置かれる。この変法は、特に、以下の例1において例示される。
第二の変法において、本発明による組成物は、その場での混合によって、あるいは組成物の適用を行う該基質上で直接、少なくとも1種の化合物Xを含有する第一の組成物と、少なくとも1種の化合物Yを含有する第二の組成物との間の反応によって得ることができ、該化合物X及びYは、上記定義通りであり、該第一及び第二の組成物の少なくとも一方は、さらに本発明において考察中の、該単分散性粒子をも含む。
【0066】
極性基を含む該化合物X及びYは、有利には周囲温度(20±5℃)及び大気圧下において、それ自体又は触媒の存在下で、過酸化物の存在下で、ヒドロシリル化、縮合、又は架橋反応によって、皮膚上で一緒に反応させるのに適したものである。
該「シリコーン化合物」なる用語は、その主鎖が、オルガノシロキサン単位の大部分を構成する化合物を意味するものとして使用する。
これらの化合物X及びYは、好ましくはポリマーである。より好ましくは、該化合物X及びYは、シリコーンポリマーである。
一態様において、これらは、シリコーン化合物、好ましくは接着性を持ち、また室温での加硫に適した、反応性エラストマーから選択される。
以下に述べるシリコーン化合物の幾分かは、またそのシリコーン含有率又はこれらが特定の添加剤との混合物中で使用されるか否かに依存して、同時にフィルム形成性及び接着性を示すことができる。結果的に、意図した用途に応じて、特に室温での加硫に適した反応性エラストマーに適用する際に、このような化合物の、該フィルム形成性又は該接着性を、調節することができる。
【0067】
特定の態様において、該化合物X及びYの少なくとも一方は、特に皮膚と少なくとも一つの水素結合を形成するのに適した、少なくとも一つの極性基を持つ。
該用語「極性基」とは、少なくとも一つのへテロ原子(例えば、O、N、S、又はP)と共に該基の化学構造中に炭素及び水素原子を含有する基を表すために使用され、従って該基は、皮膚と少なくとも一つの水素結合を確立するのに適している。
第一の態様において、該シリコーン化合物は、ヒドロシリル化によって反応させるのに適しており、該反応は簡略化された様式で、以下のように表すことができる:
-Si-H + CH2=CH-X → Si- CH2-CH2-X
このような状況の下で、該化合物Xは、シリコーン主鎖及び少なくとも2つの不飽和脂肪族基を持つシリコーン化合物から選択することができ、ここで該不飽和脂肪族基は、該主鎖からのペンダント(側鎖)であるか、あるいは該化合物の該主鎖の末端部に位置する(末端基)。
ヒドロシリル化によって反応する、化合物X及びYの組合せの例として、供給元としてのダウコーニング社から入手できる、以下のような品名のもの、すなわちDC 7-9800ソフトスキンアドヘーシブパーツ(Soft Skin Adhesive Parts) A & B、及びダウコーニング社により製造されている、以下のような混合物A及びBの組合せを挙げることができる:
【0068】
【表1】

【0069】
【表2】

【0070】
もう一つの態様において、該シリコーン化合物は、アルコキシシラン基を持つ2つの化合物間の反応を通して、縮合により、すなわち水の存在下(加水分解)で反応させるのに適したものである。
一変法において、該シリコーン化合物は、アルコキシシラン基を持つ化合物と、シラノール基を含む化合物とを反応させることにより、あるいはシラノール基を持つ2つの化合物間の反応により、所謂「直接」縮合によって反応させるのに適したものである。
このような状況の下で、同一でも異なっていてもよい、該化合物X及びYは、従ってシリコーン化合物から選択することができ、ここで該化合物の主鎖は、少なくとも2つのアルコキシシラン基及び/又は少なくとも2つのシラノール基(Si-OH)を持ち、該シラノール基は、該鎖の側部及び/又は末端にある。
アルコキシシラン基を持ち、かつ縮合によって反応される、化合物X及びYの組合せの例としては、供給元ダウコーニング社により製造された、以下の混合物A'及びB'を挙げることができる:
【0071】
【表3】

【0072】
【表4】

該化合物X及びYは同一であり、かつ混合物A'において、一体化されている((1)参照)ことが、観測されるはずである。
【0073】
第三の態様において、該シリコーン化合物X及びYは、過酸化物の存在下で、架橋により反応させるのに適している。
この反応は、好ましくは50℃以上、好ましくは80℃以上の温度に加熱して行われ、可能ならば120℃もの高い温度にて行うこともできる。
同一又は異なる該化合物X及びYは、従って少なくとも2つの側基:-CH3及び/又はCH3基を担持する少なくとも2つの側鎖を含む。
該化合物X及びYは、好ましくはシリコーン化合物であり、また例えば6を越える重合度を持ち、珪素原子に結合した少なくとも2つの-CH3側基、及び/又は少なくとも2つの-CH3基を担持する少なくとも2つの側鎖をもつ、分子量の大きな不揮発性直鎖ポリジメチルシロキサンから選択することができる。
【0074】
態様の如何に係らず、該化合物X及びY間の、過酸化物の存在下での、ヒドロシリル化、縮合、又は架橋反応は、熱を加えることによって、例えば該系の温度を25〜180℃なる範囲の温度にまで高めることにより、促進することができる。特に、該系は、皮膚上で反応させることができる。
該化合物X及びY間の比は、該反応の速度を、結果として該ゲルが生成される速度を変調し、あるいは実際に求める効果に応じて、形成されるゲルの諸特性(例えば、その粘度又はその接着特性)を適合させるように変更することができる。
特に、該化合物X及びYは、0.05〜20なる範囲、及び好ましくは0.1〜10なる範囲のモル比において、共存状態におくことができる。
【0075】
キット
本発明は、また本発明の組成物を含むキットをも提供する。
これらのキットは、下塗を形成するための、及び/又はトップコートを形成するための少なくとも一つの組成物を含むことができる。
従って、該キットは、
・ケラチン質物質上に適用するための、第一の組成物;及び
・該第一組成物上に適用するための第二の組成物であって、該第二組成物が、
・無水かつ非-粉末状の、生理的に許容される媒体、及び
・該組成物を適用すべき基質上に、単分散性粒子の規則的な格子を形成するのに適した、該単分散性粒子
を含む。
一変形において、該第一及び第二組成物の一方は、少なくとも1種の化合物Xを含むことができ、また該第一及び第二組成物の他方は、少なくとも1種の化合物Yを含むことができ、ここで該化合物X及びYは、上記のように定義される。
もう一つの態様において、本発明のキットは、
・第一の組成物、ここで該第一の組成物は、
・単分散性粒子;及び
・該組成物を適用すべき基質上に、単分散性粒子の規則的な格子を形成することを可能とする、無水かつ非-粉末状の媒体を含み、及び
・下塗又はトップコートを形成するための第二の組成物
を含む。
【0076】
該下塗及びトップコートは、同時に存在することができ、この場合において、該キットは、
・第一の化粧料組成物、ここで該第一の化粧料組成物は、
・単分散性粒子;及び
・該組成物を適用すべき基質上に、単分散性粒子の規則的な格子を形成することを可能とする、無水かつ非-粉末状の媒体を含み、
・該第一組成物の適用前に、該基質上に適用して、該基質に対する該第一組成物の接着性を改善し、かつケラチン質物質の表面を平滑にする、第二の化粧料組成物、及び
・該第一の組成物上に適用して、その色又は幾つかの他の可視性の特徴を変更し、かつ可能ならば該第二の組成物の保留性を改善するための、第三の化粧料組成物
を含むことができる。
【0077】
下塗
この下塗は、非-無水であり得、また例えばこの被覆の組成物全質量を基準として、90%までの水を含むことができる。
該下塗は、所望するメイクアップの諸特性、とりわけ上記したような一種の特性に依存して、ケラチン質物質、例えば皮膚、リップ、ツメ、睫毛、又は毛髪への適用に関して相溶性である。
該下塗は、特にフィルム-形成性ポリマーから選択される一種のポリマーを含むことができる。
本発明の様々な局面において、該下塗は、以下に列挙する機能の、1又はそれ以上を果たすことができる:
・この下塗は、単分散性粒子を含有する該組成物の適用前に、該基質を平坦化して、該格子の第一層の形成を容易にし、かつ可能な限り最大の単結晶領域を持つ格子を得ることを可能とする;
【0078】
・該下塗は、該格子によって生成される色を目だ立たせ、かつ変化させるように、該基質を着色することができる。この目的のために、該下塗は、該基質の明澄さを減少することを可能とする、少なくとも1種の着色剤を含むことができる。例えば、該下塗は、該単分散性粒子の該格子によって与えられる色に、追加の色を付加することを可能とする、着色された背景を生成するように、黒又はその他の色の顔料又は着色剤を含むことができる。該下塗中に存在し得る該着色剤又は顔料としては、特に黒色酸化鉄、カーボンブラック、及び黒色二酸化チタンを挙げることができる;及び
・該下塗は、メイクアップすべき該基質上への、該単分散性粒子を含有する該組成物の接着性の改善を可能とする。この目的のために、該下塗は、接着剤又はプロ-接着剤としての特性を持つ、すなわち他の化合物との相互作用により、接着剤とするのに適した、少なくとも1種のポリマーを含むことができる。特に、該ポリマーは、以下の特許:FR 2,834,884;FR 2,811,546;及びFR 2,811,547に与えられている意味において、接着剤又はプロ-接着剤特性を持つことができる。
【0079】
該下塗は、またケラチン質物質の表面張力に作用して、例えば該単分散性粒子を含有し、また該単分散性粒子の積層を促進する組成物の被膜によって、良好な湿潤性を保証することができる。
該下塗は、上記機能の少なくとも2つ、例えば平滑化機能及び接着性増大機能、及び可能ならば着色機能をも果たす、単一のポリマーを含むことができる。
該下塗は、該単分散性粒子の特性の関数として処方することができる。
本発明の非-限定的な態様において、該単分散性粒子は、ポリスチレン製であり得、また該下塗は、イソドデカン中の非水性分散液(NAD)又はダイトゾル(Daitosol)(ダイトカセイ(Daito Kasei)社)又はウルトラゾル(Ultrasol)(ガンツケミカル(Ganz Chemical)社)ポリマーを含むことができる。該単分散性粒子がシリカである、他の例において、該下塗は、イーストマン(Eastman) AQ(20%)又はPVA(10%)ポリマーを含むことができる。
該下塗は、揮発性の相を含むことができる。
【0080】
該ポリマーは、好ましくは該組成物を適用し、かつ乾燥した後に、フィルムを形成するのに適したものである。該フィルムは、凝集剤の助けによって生成し得る。該ポリマーは、水性相又は無水相中の分散液又は溶液であり得る。該ポリマーは、好ましくは水又はオイル中に分散された状態にある。より一層好ましくは、該ポリマーは、カルボン酸のように、水性溶液中でイオン化するのに適した、少なくとも一つの官能基を持つ。該ポリマーは、好ましくは適用及び乾燥後に、水性相との接触状態において溶解しない。
この方法において、皮膚に適用した後に、例えば、UV光の照射下で、又は加熱条件下で、又は水の存在下で重合するのに適したものであり得る、モノマー又はプレポリマーを、該下塗において使用することも可能である。一例として、シアノアクリレートモノマー、又は反応性官能基を担持する、低分子量のシリコーンポリマーを挙げることができる。
【0081】
水性分散液中のポリマーの例としては、供給元ガンツケミカル社からのウルトラゾル(Ultrasol) 2075;ダイトカセイ社からのダイトゾル(Daitosol);ノベオン(Noveon)社からのアバリュール(Avalure) UR 450;ナショナルスターチ(National Starch)社からのダイナム(Dynamx);インターポリマー(Interpolymer)社からのシントラン(Syntran) 5760;ローム&ハース(Rohm & Haas)社からのアキュソル(Acusol) OP 301;アベシア(Avecia)社からのネオクリル(Neocryl) A 1090を挙げることができる。
油性分散液状態にあるポリマーの例としては、ロレアル(L'Oreal)社の名義となる、特許出願EP-A-1,411,069に記載されているようなNAD及びポリマー、又は供給元タセイ化学工業(Tasei Chemical Industries)社からのアクリル系シリコーンポリマーACRIT 8HV-1023の分散液を挙げることができる。
該揮発性の相は、水性相又は無水相であり得る。
水性相を使用する場合、これは水、アルコール、及びグリコールにより構成されることが好ましい。
無水相を用いる場合、これは少なくとも1種の揮発性オイルによって構成されるものであることが好ましい。
【0082】
トップコート
該トップコートは、特に色及び光沢等の可視性の特徴を変更する機能、及び/又は単分散性粒子の格子の該支持表面上での保留性を改善する機能、特に該格子の、磨耗に耐える能力及び崩壊を防止する能力を改善する機能を持つ。
該トップコートは、場合により該粒子の格子内に侵入できる、一種又はそれ以上のポリマーを含むことができ、ここでポリマーの侵入は、該粒子の周りの該媒体の屈折率を変えることができ、結果的に上記のように色を変えることができる。
該トップコートは、揮発性の相を提供することができ、該相は、色の経時変化の抑制を可能とし、該揮発性相が一旦蒸発されてしまうと、色の変化は停止される。
該第二の組成物は、特に上記のような揮発性のオイルを含むことができる。
該トップコートは、不揮発性の溶媒を含むことができ、該溶媒は、該色の変化の耐久性を高めることができる。この溶媒は、該粒子間の媒体に侵入し、かつその中に留まって、結果的に該粒子の周りの屈折率を、同様に変更する。
【0083】
該トップコートを形成するための該第二の組成物は、従って上記のように不揮発性のオイルを含むことができる。
該トップコートは、高度の透明性を有していて、そのために該単分散性粒子の格子に起因する色及び/又は該色の強度に対する悪影響を回避することができる。
該トップコートは、また例えば該単分散性粒子の格子によって生成される色及び/又は光沢に影響を及ぼすために、着色することも可能である。
該トップコートは、また該規則性ある格子を含む組成物の層の、湿潤化又は乾燥を遅延することもでき、また得られる結果における経時的変動を軽減することもできる。
あるいは、逆に該トップコートは、例えば色を周囲の湿度及び温度に依存性のものとするために、環境に対する感度を高めることも可能である。
該トップコートは、好ましくはフィルム-形成性ポリマーを含む。
該トップコートの処方物を、該単分散性粒子の特性に適合させることができる。
【0084】
シリカ又はポリスチレンの単分散性粒子の例において、該トップコートは、イソドデカン中の非水性分散液(NAD)を含むことができる。該単分散性粒子が、ポリスチレン製である場合、該トップコートは、例えばアクリル系コポリマー又はPVAを含むことができる。ポリスチレン製の単分散性粒子に関しては、該トップコートは、例えば非水性分散液(NAD)、PVA(10%)、又はポリマーイーストマン(Eastman) AQ(20%)、ダイトゾル(Daitosol)、又はウルトラゾル(Ultrasol)を含むことができる。
該トップコートは、単分散性粒子を含むことができ、該単分散性粒子の平均粒径は、該トップコートにより覆われた該単分散性粒子の平均粒径とは異なる。これは、下部の組成物の色を変更するように機能し得る。従って、該トップコートそれ自体は、場合によりその保留性を改善するための層によって覆うことができる。
【0085】
添加剤
該単分散性粒子、該下塗、及び該トップコートを含む本発明の化粧料組成物は、化粧料分野において普通の添加剤、例えばフィラー;親油性ゲル化剤;油溶性の薬剤;保存剤;湿潤剤、例えばポリオール及び特にグリセリン;金属イオン封鎖剤;酸化防止剤;溶媒;芳香剤;物理的及び化学的サンスクリーン、特にUVA及び/又はUVB輻射に対して防御作用を与えるもの;臭気吸収剤;pH調節剤(酸又は塩基);及びこれらの混合物から選択される、少なくとも1種の添加剤を含むことができる。
該添加剤は、特にCFTAコスメティックイングレーディエントハンドブック(Cosmetic Ingredient Handbook), 第10版, コスメティック&フレーグランスアソシエーション社(Cosmetic and Fragrance Association Inc.)、ワシントンDC (2004)に述べられているものから選択することができ、この文献を、参考としてここに組入れる。
【0086】
形状
該単分散性粒子を含有する本発明の組成物は、局所投与用の化粧料の分野において使用されている類の様々な形状:ゲル、クリーム、溶液、懸濁液、ローション等として提供することができる。
本発明の組成物は、油性溶液、特にゲル化された溶液の形状を持つことができる。
該単分散性粒子を含有する本発明の組成物は、ケア組成物、メイクアップ組成物、及び/又はサンスクリーン組成物を構成し得る。サンスクリーン組成物において、該粒子のサイズは、UVA及び/又はUVB波長において光を反射するように選択することができ、該粒径は、例えばブラッグの法則:mλ=2ndsinθに基いて選択することができ、ここでmは回折次数であり、nは該媒体の平均屈折率であり、θは、入射光と該回折面との間の入射角であり、またdは回折面間の距離である。
該組成物は、顔面、特に皮膚及び/又はリップ、目、又はツメ用メイクアップの形状をとることができる。
【0087】
メイクアップ法
本発明は、またケラチン質物質をメイクアップする方法をも提供し、この方法は、以下の過程を含む:
・メイクアップするための基質上に、下塗を適用する過程;及び
・単分散性粒子及び単分散性粒子の規則性ある格子の生成を可能とする、無水かつ非粉末状の媒体を含む化粧料組成物を、該下塗上に適用する過程。
このような方法は、該単分散性粒子を含む組成物を適用する性能の改善を可能とし、かつ例えば皮膚又は毛髪に適用した後に、良好な「結晶性」の達成をも可能とする。
上に述べたように、該下塗は、ケラチン質物質の表面特性、特に表面張力を制御し、かつ均一にすることを可能とする。これは、また該表面を平滑にし、またその粗さを均一にするように機能する。
該粒子の配列を著しく改善することとは別に、該下塗は、場合によっては、該単分散性粒子の層を確実なものとする効果を有し、また外的な攻撃に対して該層を一層安定にする効果を持つこともできる。
【0088】
この方法において、該下塗は、好ましくはポリマー及び揮発性相を含む。
上に述べたように、該下塗は、接着性を有するポリマー及び/又は着色剤、特に黒色の着色剤を含むことができる。
該単分散性粒子を含有する本発明の組成物は、該下塗が乾燥した後に、例えば30秒間以上の期間の経過後に、適用することができる。
もう一つの局面において、本発明は、以下の過程を含む方法を提供する:
・メイクアップすべき、また恐らく下塗で覆われている基質上に、単分散性粒子及び単分散性粒子の規則性ある格子の生成を可能とする媒体を含む、化粧料組成物を適用する過程;及び
・該単分散性粒子を含有する組成物の堆積物上に、該単分散性粒子を含有する組成物の層の保留性を改善するのに役立つ、トップコートを適用する過程。
該トップコートは、フィルム-形成性ポリマーを含むことができる。
該トップコートは、該単分散性粒子を含有する組成物の層が、乾燥した後に、例えば30秒間以上の期間の経過後に、適用することができる。
【0089】
本発明は、また第一の平均粒径を持つ、単分散性粒子の第一の格子を形成し、次いで該第一の平均粒径とは異なる平均粒径を持つ、単分散性粒子の第二の格子を、該第一の格子上に形成する過程、を含む方法をも提供する。
もう一つの局面において、本発明は、以下の過程を含む方法をも提供する:
・単分散性粒子及び該粒子の格子の生成を可能とする媒体を含む、第一の組成物を適用する過程;及び
・特に、該粒子の格子の周りの該媒体の屈折率を変更することにより、及び/又は該格子中の粒子間の距離を変更することによって、該第一の組成物の色又は幾つかの他の可視性の特徴を変更することを可能とする、第二の組成物を、該第一の組成物上に適用する過程。
本出願人は、特に第一の化粧料組成物によって得られる色を、無色であり、かつ引続き適用される、第二の組成物を用いることにより、意図的に変えることができることを見出した。
【0090】
該第一の組成物によって形成される、結晶格子は、連続層又は不連続な島で構成することができる。光は、該結晶格子によって回折され、また該回折される光の波長は、該粒子間の距離及び屈折率に依存する。
該トップコートを形成する該第二の組成物は、該第一の組成物内に侵入して、該粒子間の距離及び該屈折率を変更するのに適した、少なくとも1種の液状媒体を含むことができる。該液状媒体は、場合により揮発性のものであってもよい。これが完全に揮発性である場合、その色の変化は一時的なものであり、また色は、段階的にその初期の状態に戻る。該液状媒体の大きな割合が、不揮発性である場合には、持続性のある該色の変化をもたらす可能性がある。
該結晶格子は、場合により緻密であってもよく、またこれは、場合により連続であってもよい。これを、適用前に形成しても、また適用中に形成してもよい。
【0091】
該第二の組成物は、該格子を膨潤し、また該媒体の屈折率を変更するのに適した、少なくとも1種の液体相を含むことができる。該屈折率のみを変える場合には、該液体相は、該単分散性粒子を取巻く該媒体の屈折率とは異なる屈折率を持つことができる。
該第二の組成物は、また該第一の組成物を固定するために、ポリマーを含むこともできる。
皮膚上に適用した後に、例えばUV光、又は熱の作用下で、又は水の存在下の何れかの下で、重合するのに適したものである、モノマー又はプレポリマーを使用することも、同様に可能である。ここに述べることのできる例は、シアノアクリレートモノマー、及び反応性官能基を担持する、低分子量を持つシリコーンポリマーである。
着色された又は着色されていない下塗は、場合によりこれら2つの組成物を該ケラチン質物質に適用する前に、適用することができる。
もう一つの局面において、本発明は、単分散性粒子の格子を、ケラチン質物質上に形成し、また該組成物を、該格子に適用する方法をも提供し、ここで該格子は、これを構成する該粒子、特にその表面層の色を変えることを可能とする、該格子表面層内の粒子の周りの屈折率を変えることができる。
【0092】
適用方法
該単分散性粒子を含有する該組成物及び恐らくは該下塗及びトップコートを形成するための組成物は、アプリケータ、好ましくはフロック加工したアプリケータ、例えばフロック加工した発泡体又はチップ、又は塗布ブラシ、特に微細かつ可撓性の植毛を持つブラシを用いて、適用することができる。
適用は、様々な方法で、例えば発泡体;フェルト;スパチュラ;焼結片;ブラシ;クシ;又は織布又は不織布によって行うことができる。
該組成物の適用は、また指で行うことができ、あるいは例えば圧電式デバイスの助けによる等によって、噴霧し、あるいは中間的な基質上に予め堆積させた該組成物の層を転写することによって、処理すべき基質上に直接該組成物を配置することによって行うことができる。
該単分散性粒子を含有する本発明の組成物は、例えば1〜10μmなる範囲、好ましくは2〜5μmなる範囲の厚みで、適用することができる。
【0093】
一例として、該単分散性粒子を含有する本発明の組成物は、1ミリグラム/平方センチメートル(mg/cm2)〜5 mg/cm2なる範囲の密度で適用できる。
形成する該単分散性粒子の格子は、例えば該粒子の少なくとも6層及び好ましくは該粒子の6〜20層を含む。
該単分散性粒子の格子が、堆積後に形成されるように、ケラチン質物質上に、該組成物を適用することができる。このようにして、該媒体が含有する該溶媒の蒸発を、十分に緩慢に行って、該粒子が規則性を獲得するのに十分な時間維持し、また適用前に、該粒子が不規則な様式で凝集するあらゆる危険性を、制限することを可能とするように、該組成物の媒体を、処方することができる。
一例として、該トップコートは、0.5〜10μmなる範囲の厚みで適用される。該下塗は、例えば0.5〜10μmなる範囲の厚みで適用できる。
該トップコートは、噴霧によって適用することができ、従って下部の規則性ある格子を損傷する、如何なる危険性も減じることができる。
【0094】
包装
本発明の組成物は、任意の容器内に、又はこの目的で設計された任意の基質上に包装、又は収容することができる。
本発明の組成物は、2つの別々の容器に収容した2種の組成物を含むキットとして提供できる。
本発明の組成物は、該単分散性粒子を含有する組成物を含む第一の容器、及び下塗及びトップコートを形成するための、少なくとも1種の組成物を含有する第二の容器を含む、キットであってもよい。
【0095】

特に述べない限り、以下の例に与えられる割合は、質量基準によるものである。
例1:リップ用の組成物
以下に説明する本例の組成物において、使用する化合物X及びYは、供給元のダウコーニングによって製造された、以下の混合物A及びBの組合せである:
【0096】
【表5】

【0097】
【表6】

【0098】
ポリスチレン粒子(供給元セラディン(Seradyn)により市販されているオプチバインド(Optibind)製品、粒径:216nm、CV=3.5%)を、遠心分離処理によって濃縮して、濃度40%とし、次いでこれらを、一辺4センチメートル(cm)及び高さ5mmを持つ角型のセルに導入した。これらの粒子は沈降により結晶化され、次いで水を完全に蒸発乾固させた。
次いで、以下の組成を持つ組成物を、以下の操作方法を利用して製造した:ポリスチレン粒子:35.0%;混合物A:32.9%;及び混合物B:32.1%。
混合物AとBとを含む混合物を、ポリスチレン粒子と接触状態におき、60℃にて18時間反応させた。
該粒子上の過剰量のシリコーンエラストマーを、次に除去した。この工程をもう一度繰返した。
得られた処方物は、緑色であり、このものは、乾燥させることなしに、リップに適用することができた。
【0099】
例2:アイシャドウ用の組成物
この組成物は、以下の処方を有していた:ポリスチレン粒子:30%;ペンタエリスリチルテトライソステアレート:67.5%;PEGジメチコン:2.5%。
この組成物は、以下のようにして製造した:
最初10%なる濃度にある、該ポリスチレン粒子は、水溶液として濃縮することによって、濃度40%とすることができた。該オイル及び該シロキサン湿潤剤を、別々に混合することができ、また軽く攪拌しつつ、添加して、水中油型エマルションを形成することができた。次いで、水を、段階的に完全に蒸発させた。
下塗を、上記組成物の適用前に、瞼に適用することができる。
該組成物の適用後に、青-緑色を得ることができた。
【0100】
下塗
該下塗は、以下のような組成を有していた:ウルトラゾル(UltrasolTM) 2075(ガンツケミカル(Ganz Chemical)社)*:80%;カブ-O-ジェット(Cab-O-Jet) 200 黒色着色剤**:10%;水:10%。
*:重量基準の濃度50%の、水分散液としての、アクリレートとアンモニアメタクリレートとのコポリマー;
**:供給元のカボット社(Cabot Corp.)により市販されている20%水性分散液としての、粒径130nmを持つカーボンブラックである。
【0101】
当然、本発明は、ここに記載された例によって限定されない。特に、他の着色剤を添加することができる。
「含む」なる用語は、特に述べない限り、「少なくとも1種を含む」と同義であるものと理解すべきである。
用語「なる範囲(内)」とは、特に述べない限り、該範囲の両限界部を包含するものと理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料組成物であって、
・無水かつ非-粉末状であり、かつ油相を含む、生理的に許容される媒体、及び
・該組成物が適用される基質上に、単分散性粒子の規則性ある格子を形成するのに適した、単分散性粒子
を含むことを特徴とする、上記化粧料組成物。
【請求項2】
該組成物の全質量を基準として、少なくとも15質量%の単分散性粒子を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
該組成物の全質量を基準とする、該単分散性粒子の質量基準での含量が、25質量%以上である、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
該組成物中に存在する該粒子の全質量に対する、該油相の質量比が、0.5を越える、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
該比が0.75を越える、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
該媒体が、過酸化物の存在下における、少なくとも1種の化合物Xと、少なくとも1種の化合物Yとの間のヒドロシリル化反応、縮合反応又は架橋反応から導かれ、該化合物X及びYの少なくとも1種が、シリコーン化合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
該化合物X及びYが、シリコーンポリマーであり、該化合物X及びYの少なくとも1種が、好ましくは少なくとも一つの極性基を持つ、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
ケラチン質物質上に、請求項1記載の組成物を適用することを含む、ケラチン質物質をメイクアップする方法。
【請求項9】
・ケラチン質物質上に適用するための、第一の組成物;
・該第一組成物上に適用するための第二の組成物を含み、該第二組成物が、
・無水かつ非-粉末状の、生理的に許容される媒体、及び
・該組成物が適用される基質上に、単分散性粒子の規則的な格子を形成するのに適した、該単分散性粒子を含む、キット。
【請求項10】
該第一及び第二組成物の一方が、さらに少なくとも1種の化合物Xを含み、該第一及び第二組成物の他方が、さらに少なくとも1種の化合物Yを含み、該化合物の少なくとも一つはシリコーン化合物であり、かつ該化合物X及びYは、過酸化物の存在下におけるヒドロシリル化反応、縮合反応又は架橋反応において一緒に反応すべく、相互に接触状態におかれた際に、反応するのに適したものである、ことを特徴とする、請求項9記載のキット。

【公開番号】特開2008−94849(P2008−94849A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−293706(P2007−293706)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(392006020)ロレアル (10)
【氏名又は名称原語表記】LOREAL
【Fターム(参考)】