説明

化粧材の曲面への施工方法

【課題】 化粧材を曲面下地に容易に施工できる方法を提供する。
【解決手段】 化粧材を弾性接着剤と両面粘着テープを用いて曲面に施工する際、該化粧材の周縁と向き合う下地には、耐熱両面粘着テープを用いる。弾性接着剤としてシリコーン系の接着剤が、化粧材の温度、湿度による伸縮に追従できることから特に好ましく用いられる。両面粘着テープとしてはアクリル系粘着テープ、耐熱両面粘着テープとしてはアクリルフォームテープを用いる。曲面部はアイロン等で加熱しながら施工する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧材の曲面への施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧材を壁面に施工する際、弾性接着剤と両面粘着テープを用いる方法が知られている。これは弾性接着剤が硬化するまでの間初期接着力を両面粘着テープて化粧材を保持するもので、一般に化粧材の周縁に相当する壁面に弾性接着剤を塗布し、それより幾分内側の部分に両面粘着テープを貼り、更に、両面粘着テープで囲まれた部分の所々に弾性接着剤を塗布するといった方法が採用され、化粧材の周縁に相当する壁面に弾性接着剤を塗布する際には目地部に接着剤がはみ出さないよう、化粧材の周縁に相当する部分より多少内側に塗布される。
【特許文献1】特開平4−312671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、下地が平坦な場合は従来の方法でも施工が可能であるが、下地が曲面の場合には化粧材の端部の反発力が強く、初期接着力がないため端部が浮いてしまう、いわゆる「ナキワカレ」が生じるといった問題があり、施工が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる問題を解決するために検討されたもので、以下のことを特徴とする発明である。すなわち、請求項1記載の発明は、化粧材を弾性接着剤と両面粘着テープを用いて曲面に施工する際、該化粧材の周縁或いは該周縁と向き合う下地には、耐熱両面粘着テープを用いることを特徴とする化粧材の曲面への施工方法である。また、請求項2記載の発明は、該耐熱両面粘着テープがアクリルフォームテープであることを特徴とする請求項1記載の化粧材の曲面への施工方法である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の施工方法によれば、現場施工に適した簡易な方法で曲面下地に施工ができ、弾性接着剤が硬化するまで端部の初期接着が充分行われ、美しい仕上がり外観となる。また、弾性接着剤が目地部にはみ出すことがない。化粧材の周縁に相当する下地の部分に耐熱両面粘着テープを用いることによりアイロン等で加熱しても支障なく、また、反発力の強い化粧材の周縁を強固に圧着でき、曲面施工が容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。図1は曲面下地に弾性接着剤2が塗布され、両面粘着テープ3、耐熱両面粘着テープ1が貼着されている。
【0007】
化粧材の周縁に相当する下地の部分には耐熱両面粘着テープが貼着されており、アイロンにて加熱して圧締しても支障のないよう温度40〜110℃の耐熱性を有するもの、好適にはアクリルフォームテープが用いられる。
【0008】
アクリルフォームテープは、アクリルフォームを基材とし、その両面にアクリル系接着剤を積層してなるテープであり、耐熱性、耐水性などに優れ、強力な接着力を有する。
【0009】
市販品としては、例えば、日東電工株式会社製のハイパージョイントH9004、H9008、H9012、共同技研化学株式会社製2503G、2503W、2506G、2506W、住友スリーエム株式会社製のY−4905、Y−4930、Y−4920、Y−4914、Y−4627、Y−4630、Y−4609、Y−4615、Y−4602、Y−4612、Y−4608、Y−4604等が挙げられる。
【0010】
耐熱両面粘着テープの幾分内側には、弾性接着剤が該耐熱両面粘着テープに沿って塗布され、曲面施工する際、化粧材の反発による浮きを防止し、周縁の接着を強固なものとしている。
【0011】
更に、弾性接着剤の幾分内側には、両面粘着テープが該弾性接着剤に沿って貼着され、中央部分にも貼着されている。両面粘着テープとしてはアクリル系の両面粘着テープを用いればよく、特に限定はされない。
【0012】
更に、両面粘着テープで囲まれた部分の所々には弾性接着剤が塗布されている。ちなみに、本発明では弾性接着剤としてシリコーン系の接着剤が、化粧材の温度、湿度による伸縮に追従できることから特に好ましく用いられる。
【0013】
実施例1
3尺×6尺、厚み1.0mmにメラミン樹脂系可撓性化粧材の周縁に略々等しく位置する半径500mmRの下地部分に、厚み1mm、幅20mmのアクリルフォームテープを貼着し、図1に示すように、シリコーン系の接着剤を塗布し、アクリル系両面粘着テープを貼着し、所々にシリコーン系の接着剤を塗布した。次いで、メラミン樹脂系可撓性化粧材をあてがい、端部を温度80℃に設定されたアイロンにて圧締した。
【0014】
比較例1
3尺×6尺、厚み1.0mmにメラミン系可撓性化粧材の周縁より15mm内側に位置する半径500mmRの下地部分に、図2に示すようシリコーン系の接着剤を塗布し、アクリル系両面粘着テープを貼着し、所々にシリコーン系の接着剤を塗布して、施工しようとしたが、メラミン樹脂系可撓性化粧材の端部の反発が強く「ナキワカレ」が生じて施工できなかった。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の施工方法を示す平面図。
【図2】比較例の施工方法を示す平面図。
【符号の説明】
【0016】
1 耐熱両面粘着テープ
2 弾性接着剤
3 両面粘着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧材を弾性接着剤と両面粘着テープを用いて曲面に施工する際、該化粧材の周縁と向き合う下地には、耐熱両面粘着テープを用いることを特徴とする化粧材の曲面への施工方法。
【請求項2】
該耐熱両面粘着テープがアクリルフォームテープであることを特徴とする請求項1記載の化粧材の曲面への施工方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−77687(P2007−77687A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−267735(P2005−267735)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(000100698)アイカ工業株式会社 (566)
【Fターム(参考)】