説明

化粧板

【課題】突き合わせ端面近傍の表面縁部に膨れが生ぜず、生産性の高い化粧板を提供することにある。
【解決手段】複数枚の単板11〜15を積層一体化した板状基材10の表面に、木質繊維板20および化粧シート21を順次、積層一体化するとともに、対向する側端面に雄実部16および雌実部17をそれぞれ形成した化粧板である。そして、前記木質繊維板20の外周端面と、前記板状基材10の表層単板11の両側木口端面とを防水性着色層22および透明塗膜層23で被覆した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧板、特に、板状基材の表面に木質繊維板,化粧シートを順次、積層一体化した化粧板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧板としては、基材表面につき板が貼られ、そのつき板上に着色がなされ、その上部に透明塗料が塗布されてなり、かつ、周縁に沿って化粧板材連結のため連結部が突出形成された化粧板において、前記連結部に着色がなされたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、連結部を単に着色しただけでは、水や防水ワックスの侵入を防止できない。また、着色剤を防水剤に換えて塗布したとしても、雌雄実を有する複雑な形状に合わせて均一に防水剤を塗布することは容易でない。このため、表面から突き合わせ端面間に侵入した水,ワックスにより、突き合わせ端面近傍の表面側縁部に膨れを生じる。
【0004】
このため、板状基材の表面にMDFボードを介在させて木質薄単板を貼着し、前記木質薄単板の表面に化粧塗膜層を形成し、前記化粧塗膜層の端縁部でMDFボードの端面を被覆するように延設してなる塗装建築板がある(参考文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−100358号公報
【特許文献2】特開平11−333811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の構成であっても、塗装建築板の表面に水が付着した場合に、突き合わせ端面の隙間を介して侵入した水が、板状基材を構成する表層単板の木口から侵入し、ついで、繊維方向に沿って移動し、さらに、MDFボードの裏面に移動しやすい。このため、MDFボードの突き合わせ端面近傍の表面縁部が膨れてしまい、美感を損ねるという問題点がある。
【0006】
本発明は、前記問題点に鑑み、突き合わせ端面近傍の表面縁部に膨れが生ぜず、生産性の高い化粧板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる化粧板は、前記課題を解決すべく、複数枚の単板を積層一体化した板状基材の表面に、木質繊維板および化粧シートを順次、積層一体化するとともに、対向する側端面に雄実部および雌実部をそれぞれ形成した化粧板において、前記木質繊維板の外周端面と、前記板状基材の表層単板の両側木口端面とを防水層で被覆した構成としてある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、木質繊維板の外周端面および表層単板の両側木口端面を防水層で被覆してあるので、水やワックスが侵入しにくくなり、化粧板の突き合わせ端面近傍の表面縁部に膨らみが生じることがない。
【0009】
本発明にかかる他の化粧板は、複数枚の単板を積層一体化した板状基材の表面に、木質繊維板および化粧シートを順次、積層一体化するとともに、対向する側端面に雄実部および雌実部をそれぞれ形成した化粧板において、表面側の外周縁部に、木質繊維板と表層単板との界面が露出する面取部を形成するとともに、前記面取部全面と、前記表層単板の両側木口端面のうち、前記面取部を除いた垂直面部とを防水層で被覆した構成としてもよい。
【0010】
本発明によれば、前述の効果に加え、外周縁部に形成した面取部に防水層を形成するので、化粧層だけでなく、防水層の一部をも同一方向からの塗布作業で処理できる。このため、複雑な形状を有する化粧板の塗装に大型設備を必要とせず、塗装作業が簡単になるので、生産性の高い化粧板が得られる。
【0011】
本発明にかかる別の化粧板は、複数枚の単板を積層一体化した板状基材の表面に、木質繊維板および化粧シートを順次、積層一体化するとともに、対向する側端面に雄実部および雌実部をそれぞれ形成した化粧板において、表面側の外周縁部に、木質繊維板と表層単板との界面および前記表層単板と第2層単板との界面が露出する面取部を形成するとともに、前記面取部全面を防水層で被覆した構成としてもよい。
【0012】
本発明によれば、前述の効果に加え、第2層単板の一部まで形成された面取部に防水層が形成されているので、防水効果がより一層確実になり、化粧板の表面側縁部の膨れをより一層確実に防止できる。
【0013】
本発明にかかる実施形態は、化粧シートの表面および面取部を、防水性着色層および透明塗膜層で被覆してもよい。また、化粧シートの表面および面取部を、着色層および防水性透明塗膜層で被覆してもよい。
本実施形態によれば、防水性着色層あるいは防水性透膜層で、面取部全面等を被覆するので、通常の塗装作業を介して防水層を形成でき、化粧板の外周縁部の膨れを防止できる。
【0014】
本発明にかかる他の実施形態は、単板の両側木口端面のうち、面取部を除いた垂直面部を、第2防水層で被覆してもよい。
本実施形態によれば、表層単板の面取部を除いた木口端面の垂直面部を、第2防水層で被覆するので、防水効果がより一層確実になり、化粧板の表面側縁部の膨れを防止できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明にかかる実施形態を図1ないし図3の添付図面に従って説明する。
第1実施形態は、図1に示すように、板状基材10の表面に木質繊維板20および化粧シート21を順次、積層一体化し、対向する両側端面に雄実部16,雌実部17をそれぞれ形成した。なお、前記板状基材10は、単板11ないし15を繊維方向が交互に直交するように積層一体化した合板である。ついで、前記雄実部16および前記雌実部17を形成した両側端面の上面縁部に、前記板状基材10と木質繊維板20の界面26を含むように面取り加工を施して面取部24を形成した。また、前記板状基材10の表面層に位置する単板11の端面全体、木質繊維板20の端面全体および化粧シート21の露出する全表面を防水性着色層22で被覆する。さらに、前記着色層22のテーパ面の一部および平坦面に透明樹脂を塗布して透明塗膜層23を形成する。
【0016】
本実施形態によれば、板状基材10の表面層に位置する単板11の木口端面および前記木質繊維板20の外周端面が防水性着色層24で被覆され、水,ワックス等が浸入できないので、化粧板の表面縁部が膨れることはない。
【0017】
板状基材10は、既述したように複数枚の単板11〜15を積層一体化したものであるが、少なくとも表層単板11と第2層単板12とは繊維方向が相互に直交するように積層一体化したものであればよい。例えば、全ての単板を繊維方向が交互に直交するように積層一体化した合板、あるいは、大部分の単板を繊維方向を同一方向に揃えて積層一体化した単板積層材であってもよく、用途,樹種に合わせて積層構造を選択できる。
【0018】
前記単板の樹種は特に限定しないが、後述する木質繊維板を積層一体化できるものであればよく、広い範囲から適宜選択できる。例えば、軽量で硬度が低い樹種、反りや捩れを生じやすい樹種、抜け節等の欠点が多い樹種、早晩材の硬度差の大きな樹種等のように使用範囲が限定されている針葉樹や早生植林木であってもよい。例えば、国産トドマツ、カラマツ、スギ、エゾマツ、ラジアータパイン、北洋カラマツ、ポプラ、アカシアハイブリッド、アカシアマンギューム、ファルカタ、ユーカリ、ゴム等からなる樹種が挙げられる。そして、これらの樹種単体あるいは2種以上の単板を組み合わせて使用できる。
【0019】
木質繊維板20は、板状基材と化粧シートとに積層一体化されることにより、補強材として使用されるものであり、一般的に、中質木質繊維板(以下、「MDF」という)または硬質木質繊維板(以下、「HDF」という)が挙げられ、より具体的には比重0.4〜1.0、特に、0.6〜0.8のものが好ましい。比重が0.4未満であると、耐傷性および耐荷重性に劣る化粧板となり、比重が1.0を越えると、水分による膨れが大きくなるからである。また、木質繊維板の厚さとしては、厚さ0.8mmないし3.0mm程度のものが好ましい。厚さが0.8mm未満であると、化粧シートの補強効果が得られないからであり、3.0mmを越えると、水分による膨れが大きくなるからである。
【0020】
前記MDFおよび前記HDFには、結合剤としてユリアメラミン系樹脂を用いた、いわゆる「Uタイプ」、結合剤としてメラミン系樹脂を用いた、いわゆる「Mタイプ」、結合剤としてフェノール系樹脂を用いた、いわゆる「Pタイプ」の他、イソシアネート系樹脂あるいはポリオール系樹脂を用いた木質繊維板等が挙げられる。また、広葉樹系木質繊維あるいは針葉樹木質繊維に前述の結合剤を組み合わせて使用してもよい。
特に、優れた形態安定性を実現するためには、前記広葉樹系木質繊維に結合剤としてメラミン系樹脂、フェノール系樹脂、イソシアネート系樹脂またはポリオール系樹脂を単独あるいは組み合わせて用いてもよい。
【0021】
前記板状基材10と前記木質繊維板20とは接着剤を介して積層一体化される。前記接着剤としては、一般的な木材用接着剤が使用される。より具体的には、例えば、尿素メラミン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ラテックス系樹脂、水性ビニルウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、イソシアネート系樹脂及びこれらの変性物質が単体または混合して使用される。
【0022】
化粧シート21は、材質、厚さ等に制限はないが、表面に着色層や透明塗膜層を設ける場合には、着色剤や透明塗膜剤に密着しやすいものが好ましい。例えば、厚さ0.05〜1.0mm、好ましくは0.05〜0.2mmの化粧紙、厚さ0.05〜1.0mm、好ましくは0.1〜0.2mmの化粧含浸紙、厚さ0.05〜1.0mm、好ましくは0.15〜0.6mmの化粧樹脂シート、厚さ0.05〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.6mm程度の木質化粧薄単板等が挙げられる。
【0023】
雄実,雌実加工は通常の加工方法で形成でき、例えば、本実あるいは相じゃくりであってもよい。また、面取り加工は、回転鋸や回転刃を用いて形成でき、単なるテーパ面であってもよく、あるいは、アール面加工であってもよい。さらに、面取り加工は、板状基材の表面層に位置する単板と木質繊維板と界面を含むように面取部を形成してもよく、さらに、前記板状基材の表面層に位置する単板と2層目の単板との界面を含むように面取部を形成してもよい。
本実施形態によれば、面取部を形成することにより、木質繊維板の端面および単板の端面を上方から目視できるので、防水塗布作業が簡単、かつ、確実になり、防水性能にバラツキがなくなり、生産性が高い化粧板を製造できる。
【0024】
木質繊維板20の外周端面、および、板状基材10の表層に位置する単板の両側木口端面を被覆する防水層の形成は任意の方法を選択でき、例えば、塗装法、真空塗装法、箔転写法等が挙げられる。
【0025】
塗装法は、通常の塗装工程による着色層および/または透明塗膜層を形成する防水塗装をいい、着色層の塗装法は、例えば、水性着色剤に、水性アクリル系樹脂エマルジョン、エポキシ系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョン、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、ポバール樹脂等を添加し、塗装した後、ドライヤーで前記着色剤とともに、乾燥させる方法が挙げられる。また、アクリルエマルジョンや紫外線硬化型樹脂を被塗装体に含浸させ、あるいは、パラフィンワックス等の防水性樹脂を被塗装体に塗布,固着してもよい。
【0026】
真空塗装法は、塗料を入れた塗装ブース内を減圧状態にし、ミスト化した塗料雰囲気中を被塗装体を通過させることにより、被塗装体全面に塗料を付着させる方法をいい、塗装後、紫外線を照射して樹脂を硬化させる方法である。
なお、真空塗装法によれば、塗装ブースの出口形状と被塗装体の外周形状との間に形成される隙間から外気が塗装ブース内に流入する。このため、流入する外気の風圧で余分な塗料が被塗装体の表面から掻き取られ、均一な塗膜を形成できるという利点がある。
【0027】
箔転写法とは、塗膜を予め剥離可能に積層した転写シートを被塗装体に積層し、熱ロールで圧着することにより、転写シート上の前記塗膜を被塗装体に転写する方法である。転写シートは任意に選択でき、例えば、クルツ(株)製のタッチウッド箔やタフコート等が挙げられる。
【0028】
透明塗膜層で防水層を形成する場合に、一般的に、透明樹脂は防水性に優れていると同時に、浸透性にも優れているので、UV樹脂の塗布量は若干多めに設定する必要がある。また、紫外線の照射によって硬化するUV塗料を使用する場合には、無溶剤系UV塗料が好ましい。また、塗布する場合には、粘度を低くするとともに、浸透性の向上および塗布量調整の観点から、例えば、35℃〜55℃程度に加温しながら、粘度調整を行い、塗布するのが好ましい。
【0029】
前述の塗装工程は、化粧板の意匠性に影響を与えない手法で行うことが好ましく、単板等の積層一体化、切削加工および塗装作業を行う生産ライン上で連続的に行うことが好ましい。
また、例えば、パラフィンワックスや転写箔等で防水層を形成する場合には、防水層の厚さは15μm〜100μm、特に20μm〜50μmが好適である。
さらに、着色剤やUV樹脂等で防水層を形成する場合には、50g/m〜150g/m、特に50g/m〜100g/mの割合で塗布するのが好適である。
そして、着色層あるいは最外表面に形成する透明塗膜層に防水機能を付与することにより、生産性が向上という利点がある。
【0030】
第2実施形態は、図2に示すように、着色層22で化粧シート21の上面および面取部24を被覆するとともに、透明塗膜層23で前記化粧シート21および表層単板11の垂直面部および第2層単板12の垂直面部25の一部を被覆する場合である。他は前述の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0031】
第3実施形態は、図3に示すように、着色層22および透明塗膜層23で化粧シート21の表面および面取部24を被覆するとともに、表層単板11の面取部24を除いた垂直面部25、および、第2層単板の垂直面部25を他の第2防水層27で被覆する場合である。他は前述の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0032】
第4実施形態は、図4に示すように、表面側の外周縁部に、木質繊維板20と表層単板11との界面26、および、前記表層単板11と第2層単板12との界面27が露出する面取部24を形成した場合である。そして、前記化粧シート21の表面および面取部24全面を防水性着色層22および透明塗膜層23で被覆した場合である。他は前述の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【実施例】
【0033】
(実施例1)
5枚の単板を木目方向が交互に直交するように接着剤を介して積層一体化して得た厚さ10.5mmの板状基材を、表層単板の木目が長手方向になるように切断することにより、巾310mm、長さ1850mmの帯状基材を得た。ついで、前記帯状基材の表面にPURホットメルト接着剤を用いて厚さ1.5mm、比重0.6のMDFを貼着一体化し、さらに、前記MDFの表面に水性ビニルウレタン系接着剤を用いてホワイトオーク単板を貼着一体化することにより、帯状積層体を得た。そして、前記帯状積層体の短辺側の端面を厚さ方向に3等分し、嵌合深さ3mmの雌実部および雄実部をそれぞれ形成した。さらに、図1に示すように、前記帯状積層体の短辺側の上面縁部に、表層単板に達する面取部を形成した。
【0034】
ついで、前記帯状積層体の表面および面取部に、水性着色剤を用いて着色し、さらに、紫外線硬化型樹脂からなる防水性透明塗膜で防水層を形成した。ついで、短辺側の端面のうち、表層単板および第2層単板の垂直面部に樹脂含有率40%の軟質アクリルエマルジョンをスプレーで塗布し、表面および面取部に付着した余分な前記軟質アクリルエマルジョンを拭き取った後、硬化させることにより、第2防水層を形成したサンプルを得た。
【0035】
得られた前記サンプルの短辺側の雄実部および雌実部を相互に嵌合して突き合わせた後、突き合わせ端面間に染料で着色した水性防水ワックス(リンレイ株式会社製)5ccを滴下して2時間放置し、表面の変化を目視で観察した。
観察の結果、突き合わせ端面近傍における表面縁部において膨れは見受けられなかった。また、目視観察後に突き合わせ端面を切断して断面を観察したところ、突き合わせ端面から1〜2mmの深さまでアクリルエマルジョンが含浸していることを確認できたが、防水ワックスは浸透していなかった。
【0036】
(実施例2)
実施例1で使用したアクリルエマルジョンの代わりに流動性バラフィンワックスを、短辺側の木口端面のうち、板状基材の表層単板および第2層単板の垂直面部に刷毛で塗布することにより、第2防水層を形成したサンプルを得た。
【0037】
実施例1と同様の膨れ試験を行ったところ、突き合わせ端面近傍における表面縁部において膨れは見受けられなかった。また、突き合わせ端面を切断して断面を観察したところ、突き合わせ端面から1〜2mmの深さまで流動性パラフィンワックスが含浸していることは確認できたが、防水ワックスは浸透していなかった。
【0038】
(実施例3)
実施例1と同質で厚さ11mmの帯状基材に厚さ0.8mmの木質繊維板を積層一体化する点を除き、他は実施例1と同様に処理して得た帯状積層体の外周縁部に、帯状基材の第2層単板に達する面取部を形成した。そして、前記帯状積層体にスポンジコーターおよびゴムロールコーターにより、前記帯状積層体の表面および面取部に着色層を形成した。さらに、スポンジコーターおよびロールコーターにより、帯状積層体の表面および面取部に防水性透明塗膜層を形成し、サンプルを得た。
【0039】
前記サンプルに実施例1と同様の膨れ試験を行ったところ、突き合わせ端面近傍の表面縁部に膨れ等は確認できなかった。また、突き合わせ端面を切断して断面を観察したところ、突き合わせ端面からの防水ワックスの浸透は確認できなかった。
【0040】
(比較例)
実施例1においてアクリルエマルジョンを塗布しない点を除き、他は実施例1と同様の方法でサンプルを得た。
【0041】
そして、実施例1と同様の膨れ試験を行ったところ、突き合わせ端面近傍の表面縁部に巾2〜3mmの膨れを確認した。また、突き合わせ端面を切断して断面を観察したところ、表層単板および木質繊維板の突き合わせ端面から3mm程度までワックスの浸透跡を確認できた。突き合わせ端面を切断して断面を観察したところ、突き合わせ端面から深さ約3mmまで着色された防水ワックスが浸透していることを確認できた。
【0042】
以上の実施例1,2,3および比較例から明らかなように、サンプルに形成した防水層によって膨れの発生を防止できることが判った。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明にかかる化粧板は、前述の化粧板に限らず、他の化粧板に適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1A,1Bは本発明に係る化粧板の第1実施形態を示す断面図および部分拡大断面図である。
【図2】図2A,2Bは本発明に係る化粧板の第2実施形態を示す断面図および部分拡大断面図である。
【図3】本発明にかかる第3実施形態を示す部分拡大断面図である。
【図4】本発明にかかる第4実施形態を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10:板状基材
11〜15:単板
16:雄実部
17:雌実部
20:木質繊維板
21:化粧シート
22:着色層
23:透明塗膜層
24:面取部
25:垂直面部
26,27:界面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の単板を積層一体化した板状基材の表面に、木質繊維板および化粧シートを順次、積層一体化するとともに、対向する側端面に雄実部および雌実部をそれぞれ形成した化粧板において、
前記木質繊維板の外周端面と、前記板状基材の表層単板の両側木口端面とを防水層で被覆したことを特徴とする化粧板。
【請求項2】
複数枚の単板を積層一体化した板状基材の表面に、木質繊維板および化粧シートを順次、積層一体化するとともに、対向する側端面に雄実部および雌実部をそれぞれ形成した化粧板において、
表面側の外周縁部に、木質繊維板と表層単板との界面が露出する面取部を形成するとともに、前記面取部全面と、前記表層単板の両側木口端面のうち、前記面取部を除いた垂直面部とを防水層で被覆したことを特徴とする化粧板。
【請求項3】
複数枚の単板を積層一体化した板状基材の表面に、木質繊維板および化粧シートを順次、積層一体化するとともに、対向する側端面に雄実部および雌実部をそれぞれ形成した化粧板において、
表面側の外周縁部に、木質繊維板と表層単板との界面および前記表層単板と第2層単板との界面が露出する面取部を形成するとともに、前記面取部全面を防水層で被覆したことを特徴とする化粧板。
【請求項4】
化粧シートの表面および面取部を、防水性着色層および透明塗膜層で被覆したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化粧板。
【請求項5】
化粧シートの表面および面取部を、着色層および防水性透明塗膜層で被覆したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化粧板。
【請求項6】
単板の両側木口端面のうち、面取部を除いた垂直面部を、第2防水層で被覆したことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の化粧板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−184305(P2009−184305A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29122(P2008−29122)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】