説明

化粧板

【課題】目地に入り込んだ汚れが目立ちにくい化粧板を提供する。
【解決手段】化粧板11は、第1樹脂層19と、第1樹脂層19上に形成された透明又は半透明の第2樹脂層21と、第1樹脂層19と第2樹脂層21との間に分散した状態でこれらの樹脂層19,21の間に埋設された多数の透明又は半透明の粒子25と、を備えている。所定の大きさに切断加工された化粧板11の切断面11aには多数の粒子25のうちの一部が露出している。切断面11aには、少なくとも第2樹脂層21及び粒子25を覆う遮光性の被膜27が形成されている。被膜27は、この被膜27の外部から切断面11aにおける第2樹脂層21及び前記粒子25に水分が到達するのを抑制する防水性を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床材、壁材、門柱外装材などの化粧材として用いられる化粧板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床材、壁材、門柱外装材などの化粧材に用いられる化粧板として、天然細石などの多数の粒子が合成樹脂層同士の間に分散した状態でこれらの層間に埋設されたものが知られている(特許文献1参照)。この化粧板は、細石の上部に透明又は半透明の樹脂層が形成されているので、天然石調の風合いを有している。このような化粧板は、床面、壁面などに縦横に複数枚配列される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平5−84782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、化粧板を長期間使用すると、化粧板同士の継ぎ目(目地)には汚れが入り込み、美観が損なわれることがある。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、目地に入り込んだ汚れが目立ちにくい化粧板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の化粧板は、合成樹脂を主成分とする第1樹脂層と、合成樹脂を主成分とし、前記第1樹脂層上に形成された透明又は半透明の第2樹脂層と、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との間に分散した状態でこれらの樹脂層の間に埋設された多数の透明又は半透明の粒子、及び/又は前記第2樹脂層内に分散した状態で前記第2樹脂層内に埋設された多数の透明又は半透明の粒子と、を備えている。前記化粧板は、所定の大きさに切断加工されることにより形成された切断面を有している。前記切断面には前記多数の粒子のうちの一部が露出している。前記切断面には、少なくとも前記第2樹脂層及び前記粒子を覆う遮光性の被膜が形成されている。前記被膜は、この被膜の外部から前記切断面における前記第2樹脂層及び前記粒子に水分が到達するのを抑制する防水性を有している。
【0007】
この構成では、以下の理由から、床面、壁面などに配置された複数の化粧板の継ぎ目(目地)に入り込んだ汚れが目立ちにくくなるので、美観が損なわれるのを抑制することができる。
【0008】
従来の化粧板では、粒子が透明又は半透明で、この粒子の上部に設けられた第2樹脂層が透明又は半透明である場合、目地に汚れが入り込むと、この目地汚れは、それ自体が直接目視されるだけでなく、上面から入射した照明光や太陽光などの光が第2樹脂層及び粒子を透過して切断面に到達し、さらにこの切断面を通過して目地汚れに達することにより間接的にも目視される。したがって、目地汚れの大きさ(幅)は、直接目視される実際の目地汚れの幅よりも間接的に目視される分だけ幅広く見える。
【0009】
また、切断面に粒子が露出している部分においては、粒子がその下の第1樹脂層にめり込んでいる場合には、その粒子の下部を覆う第1樹脂層の厚みは、粒子が露出していない部分に比べて小さくなる。したがって、切断面に粒子が露出している部分においては、粒子が露出していない部分に比べて透明又は半透明の領域が厚み方向に大きくなるので、露出した粒子を通じた間接的な目地汚れの目視が一段とされやすい。
【0010】
一方、本構成では、化粧板の切断面に遮光性の被膜が形成されているので、上面から入射し第2樹脂層及び粒子を透過して切断面に到達した光は、そのまま切断面を通過するのではなく、切断面に形成された被膜によって遮光(又は減光)される。しかも、被膜は、この被膜の外部から切断面に水分が到達するのを抑制する防水性を有しているので、目地に汚れを含む水(汚水)が存在する場合であってもその汚水が切断面に達するのを抑制することができる。したがって、この防水性による観点からも目地汚れは、従来に比べて間接的な視認がされにくくなるので、目地に入り込んだ汚れが目立ちにくくなる。
【0011】
(2)前記化粧板において、前記切断面に露出した粒子と前記第1樹脂層との間、又は前記切断面に露出した粒子と前記第2樹脂層との間には隙間が存在する場合には、前記隙間に前記被膜の一部が入り込んでいるのが好ましい。このように前記隙間に入り込んだ被膜の一部は、前記隙間に汚水が浸透するのを阻止する。
【0012】
具体的に説明すると次のようになる。例えば、長期間の使用により化粧板の被膜の一部が摩耗するなどして切断面の一部が露出した場合、切断面に露出した粒子と樹脂層(第1樹脂層又は第2樹脂層)との隙間に汚水が浸透すると、目地汚れの幅はその分だけ幅広く見える。本構成では、前記切断面に露出した粒子と樹脂層(第1樹脂層又は第2樹脂層)との隙間に入り込んだ被膜の一部は、当該隙間を封止している。したがって、仮に切断面の一部が露出した場合であっても、前記隙間に入り込んだ被膜の一部は、前記隙間に汚水が浸透するのを阻止できる。
【0013】
(3)前記化粧板において、前記粒子が石又はガラスにより構成され、前記被膜が合成樹脂を主成分としている場合、前記被膜は、前記切断面に露出した粒子を覆うとともに、この露出した粒子の下部に位置する第1樹脂層と前記露出した粒子の上部に位置する第2樹脂層とに跨っており、前記第1樹脂層に対する前記被膜の付着性及び前記第2樹脂層に対する前記被膜の付着性が前記粒子に対する前記被膜の付着性よりも高くなるように構成されているのが好ましい。このような構成の被膜は、切断面に対して良好な付着状態が確保される。
【0014】
具体的に説明すると次のようになる。粒子の材料として石又はガラスが用いられ、被膜が合成樹脂を主成分とする場合、粒子に対する被膜の付着性が低くなることがある。そこで、本構成では、被膜は、粒子に対する付着性に比べて樹脂層に対する付着性が高く、しかも切断面に露出した粒子を覆うとともに、この露出した粒子の下部に位置する第1樹脂層と露出した粒子の上部に位置する第2樹脂層とに跨っている。すなわち、被膜は、切断面に露出した粒子の上下において第1樹脂層及び第2樹脂層と高い付着力で密着しているので、切断面に対する被膜の良好な付着状態が確保される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、目地に入り込んだ汚れが目立ちにくくなるので、美観が損なわれるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る化粧板を示す平面図である。
【図2】(A)は、前記化粧板を示す側面図であり、(B)は、図1のIIB-IIB線断面図である。
【図3】前記化粧板の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る化粧板11について図面を参照して説明する。本実施形態に係る化粧板11は、床材として用いられる。図1に示す化粧板11は、これよりも大きな化粧板母材を所定寸法の矩形状に切断加工して化粧板本体を作製し、この化粧板本体の周縁部の4つの切断面11aに被膜27を形成することにより得られる。複数の化粧板11は、床面に縦横に配列されて使用される。
【0018】
図2(A),(B)に示すように、化粧板11は、第1樹脂層としての着色層19と、第2樹脂層としての透明接着層21と、これらの層19,21の間に埋設された多数の粒子25とを備えている。具体的には、化粧板11は、基材層13、ガラス不織布15、中シート層17、着色層19、透明接着層21及びクリアフィルム層23がこの順に積層された多層構造を有している。各切断面11aには被膜27が形成されている。
【0019】
基材層13、中シート層17、着色層19、透明接着層21及びクリアフィルム層23の材料としては、例えば合成樹脂、合成ゴムなどが挙げられる。合成樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)などが挙げられる。ガラス不織布15は、化粧板11の強度を高めるために設けられているが、省略することもできる。
【0020】
粒子25よりも上方に配置されている上部層(本実施形態では、透明接着層21及びクリアフィルム層23)は透明又は半透明である。ここで、半透明とは、クリアフィルム層23を上にして化粧板11を上方から目視したときに、少なくとも粒子25の存在が確認できる程度に上部層が光を通すことをいう。
【0021】
多数の粒子25は、透明又は半透明であり、着色層19と透明接着層21との間のほぼ全域に分散している。図2(B)に示すように、各切断面11aには、多数の粒子25のうちの一部が露出している。
【0022】
粒子25の材料としては、有機系粒子、無機系粒子、これらを混合した粒子などを用いることができる。有機系粒子としては、例えばアクリル樹脂などの合成樹脂製の粒子が挙げられる。無機系粒子としては、例えば石製の粒子、ガラス製の粒子などが挙げられる。石製の粒子としては、人工石製の粒子、寒水石などの天然石製の粒子などが例示できる。
【0023】
粒子25の粒径は、着色層19の厚み、透明接着層21の厚みなどを考慮しつつ、適宜設定することができる。粒子25の粒径は、例えば標準網ふるい(JISZ8801)を用いて水洗方法又は振動ふるい方法により測定することができる(JISK5101-22)。粒子25の粒径の具体例を挙げると、例えば10メッシュ(目開き1.7mm)のふるいをパスする粒径を有するもの、15メッシュ(目開き1.0mm)のふるいをパスする粒径を有するものなどが挙げられる。
【0024】
被膜27は、遮光性を有している。ここでいう遮光性とは、光Lを完全に遮光する性質だけでなく、光Lを減光する性質も含む。減光する性質とは、図2(B)に示すように、上面(クリアフィルム層23の表面)から化粧板11内に入射し、クリアフィルム層23、透明接着層21及び粒子25(切断面11aに露出した粒子25)を透過して切断面11aに到達した光Lの一部のみを遮蔽し、残りの光Lが切断面11aを通過するのを許容する性質をいう。
【0025】
また、被膜27は、切断面11aに水分が到達するのを抑制する防水性を有している。ここでいう防水性とは、目地に溜まった汚水が被膜27を通じて切断面11aに到達するのを完全に防止する性質だけでなく、被膜27を有していない化粧板に比べて切断面11aに到達する汚水の量を低減することができる性質も含む。
【0026】
本実施形態では、被膜27は、各切断面11aのほぼ全域に形成されているが、これに限定されない。被膜27は、化粧板11が図2(B)に示すような積層構造である場合、少なくとも第1樹脂層としての着色層19及びこれより上に位置する上部層(透明接着層21及びクリアフィルム層23)の端面を被覆していればよい。
【0027】
被膜27の形成方法としては、被膜27を構成する材料を含む塗料を用いてこの塗料を各切断面11aに塗布する方法、予め膜状に成形された被膜27を切断面11aに接着剤などを用いて固定する方法などが例示できる。塗料を用いる場合には、単品ごとに被膜27を切断面11aに塗布してもよく、また、塗料が塗布されていない化粧板本体を複数枚積み重ねた状態で複数の切断面11aに同時に塗布してもよい。
【0028】
被膜27の材質は、上記した2つの機能を有しているものであれば特に限定されない。被膜27の材質としては、合成樹脂、合成ゴムなどを主成分とするものが例示できる。具体的には、例えばアクリル系、ウレタン系、エポキシ系、シリコーン系などの合成樹脂が例示できる。例えば、アクリル樹脂を主成分とする塗料としては、アクリルエマルジョンなどが例示できる。
【0029】
被膜27の色は、白色又はこれに近い色などを選択することができる。また、被膜27の色は、例えば着色層19の色に近いものを選択してもよい。
【0030】
被膜27の厚みの下限は、上記した2つの機能を発揮できるように被膜27の材質、色などを考慮して適宜設定される。被膜27の厚みの上限は、特に限定されないが、既存の化粧板に被膜27を形成する場合には、被膜27を除く部分の大きさの設計変更が不要であるという観点から、化粧板全体の寸法に対して被膜27の厚みを無視できる程度に小さい方が好ましい。被膜27の厚みは、例えばアクリルエマルジョンの塗料を用いる場合、例えば0.1μm〜100μm程度であるのが好ましい。
【0031】
ここで、粒子25が例えば石(寒水石など)により構成され、被膜27が合成樹脂(例えばアクリル樹脂など)を主成分とする場合、粒子25に対する被膜27の付着性が低くなることがある。本実施形態では、被膜27は、切断面11aに露出した粒子25を覆うとともに、この露出した粒子25の下部に位置する第1樹脂層としての着色層19と、露出した粒子25の上部に位置する第2樹脂層としての透明接着層21とに跨っている。そして、ポリ塩化ビニルなどの材料により構成された着色層19及び透明接着層21に対する被膜27の付着性は、粒子25に対する被膜27の付着性よりも高い。ここでいう付着性とは、被膜27の剥離強度のことである。
【0032】
各層の厚み及びガラス不織布15の厚みは、特に限定されないが、一例を挙げると次のようになる。化粧板11の厚みが数mm程度である場合、基材層13の厚みを数百μm〜2mm程度とし、ガラス不織布15の厚みを数十μm〜数百μm程度とし、中シート層17、着色層19、透明接着層21及びクリアフィルム層23の厚みを数百μm程度とすることができる。本実施形態では、中シート層17は白色である。
【0033】
化粧板11の製造方法について、各層がポリ塩化ビニルにより形成される場合を例に挙げて説明する。まず、図略の離型シートの上面に、透明接着層21の原料となるポリ塩化ビニルのゾルが図略のホッパーから吐出され、ほぼ均等の厚みとなるように離型シートの上面に塗着されることによりゾル層が形成される。
【0034】
ついで、寒水石などの粒子25がゾル層上に供給される。離型シート、ゾル層及び多数の粒子25からなる中間体が加熱されることにより、ゾル層がゲル化してゲル層となる。これにより、多数の粒子25は、ゲル層に埋め込まれた状態でゲル層の粘着力により固定される。ついで、離型シートを剥がされる。
【0035】
離型シートが剥がされた側のゲル層の表面にはクリアフィルム層23が積層され、ゲル層の反対側の表面には、着色層19、中シート層17、ガラス不織布15及び基材層13がこの順に積層されて積層体が形成される。この積層体は、必要に応じて上下にクッション材が配置された状態で図略の一対の金属板間に挟み込まれ、加熱されるとともに厚み方向に加圧される。この加熱及び加圧により、クリアフィルム層23、着色層19、中シート層17及び基材層13が軟化して層同士が接合され、多数の粒子25は、着色層19に埋め込まれる。これにより、化粧板母材が得られる。
【0036】
ついで、この化粧板母材を所定の寸法に切断加工することにより、4つの切断面11aを有する化粧板本体が得られる。
【0037】
ついで、化粧板本体の各切断面11aに上述したように塗料をスプレーなどを用いて塗布し、必要に応じて加熱処理することによって化粧板11が得られる。
【0038】
(変形例)
図3は、化粧板11の変形例を示す断面図である。この変形例では、切断面11aに露出した粒子25と着色層19との間、及び切断面11aに露出した粒子25と透明接着層21との間に隙間が存在している。そして、これらの隙間には被膜27の一部27aが入り込んでいる。
【0039】
粒子25が石、ガラスなどの無機系粒子によって構成されている場合には、粒子25を覆う樹脂層(着色層19及び透明接着層21)と粒子25との付着力は低くなりやすい。この場合、図3に示すように粒子25と樹脂層との間に前記隙間が生じることがある。この変形例では、前記隙間に被膜27の一部27aが入り込んでいるので、仮に被膜27の一部が摩耗するなどして粒子25の一部が露出した場合であっても、前記隙間に汚水が浸透するのを抑制できる。
【0040】
また、粒子25が石、ガラスなどの無機系粒子によって構成されている場合には、切断面11aに露出した粒子25の端面にクラック25aが生じやすい。このようなクラック25aが生じている場合には、このクラック25aにも被膜27の一部が入り込んでいるのが好ましい。
【0041】
前記隙間やクラック25aに被膜27の一部27aを入り込ませる方法としては、前述した製造方法において、小さな隙間、小さなクラック25aに塗料が入り込みやすいように塗料の粘度、表面張力などを調整すればよい。また、切断面11aに塗料を塗布する前に、前記隙間及びクラック25aに予め塗料を塗布して染みこませておくなどの方法を採用することもできる。
【0042】
(実施形態の概要)
以上の実施形態をまとめると以下のようになる。
【0043】
本実施形態では、化粧板11の切断面11aに遮光性の被膜27が形成されているので、上面から入射し透明接着層21及び粒子25を透過して切断面11aに到達した光Lは、そのまま切断面11aを通過するのではなく、切断面11aに形成された被膜27によって遮光又は減光される。しかも、被膜27は、この被膜27の外部から切断面11aに水分が到達するのを抑制する防水性を有しているので、目地に汚水が存在する場合であってもその汚水が切断面11aに達するのを抑制することができる。したがって、目地汚れは、従来に比べて透明接着層21及び粒子25を通して間接的に視認されにくくなるので、目地に入り込んだ汚れが目立ちにくくなる。
【0044】
本実施形態の変形例では、切断面11aに露出した粒子25と樹脂層(着色層19及び透明接着層21)との間に隙間が存在し、前記隙間に被膜27の一部27aが入り込んでいる。したがって、仮に切断面11aの一部が露出した場合であっても、前記隙間に入り込んだ被膜27の一部27aは、当該隙間に汚水が浸透するのを阻止できる。
【0045】
本実施形態では、被膜27は、切断面11aに露出した粒子25を覆うとともに、この露出した粒子25の下部に位置する第1樹脂層としての着色層19と粒子25の上部に位置する第2樹脂層としての透明接着層21とに跨っている。そして、粒子25が石又はガラスにより構成され、被膜27が合成樹脂を主成分としている場合、着色層19に対する被膜27の付着性及び透明接着層21に対する被膜27の付着性が粒子25に対する被膜27の付着性よりも高くなるように構成されている。すなわち、被膜27は、切断面11aに露出した粒子25の上下において各樹脂層と高い付着力で密着しているので、切断面11aに対する被膜27の良好な密着状態が確保される。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
【0047】
例えば前記実施形態では、化粧板が床材である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本発明の化粧板は、壁材、門柱外装材などの他の化粧材に適用することもできる。
【0048】
また、前記実施形態では、多数の透明又は半透明の粒子が第1樹脂層と第2樹脂層との間に分散した状態でこれらの樹脂層の間に埋設されている場合を例に挙げて説明したが、多数の透明又は半透明の粒子は、その一部又は全部が第2樹脂層内に分散した状態で第2樹脂層内に埋設されていてもよい。
【符号の説明】
【0049】
11 化粧板
13 基材層
15 ガラス不織布
17 中シート層
19 着色層
21 透明接着層
23 クリアフィルム層
25 粒子
25a クラック
27 被膜
27a 被膜の一部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂を主成分とする第1樹脂層と、
合成樹脂を主成分とし、前記第1樹脂層上に形成された透明又は半透明の第2樹脂層と、
前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との間に分散した状態でこれらの樹脂層の間に埋設された多数の透明又は半透明の粒子、及び/又は前記第2樹脂層内に分散した状態で前記第2樹脂層内に埋設された多数の透明又は半透明の粒子と、を備え、
所定の大きさに切断加工されることにより形成された切断面を有し、前記切断面に前記多数の粒子のうちの一部が露出した化粧板であって、
前記切断面には、少なくとも前記第2樹脂層及び前記粒子を覆う遮光性の被膜が形成されており、前記被膜は、この被膜の外部から前記切断面における前記第2樹脂層及び前記粒子に水分が到達するのを抑制する防水性を有している化粧板。
【請求項2】
前記切断面に露出した粒子と前記第1樹脂層との間、又は前記切断面に露出した粒子と前記第2樹脂層との間には隙間が存在し、前記隙間には前記被膜の一部が入り込んでいる、請求項1に記載の化粧板。
【請求項3】
前記粒子は、石又はガラスにより構成され、前記被膜は、合成樹脂を主成分とし、
前記被膜は、前記切断面に露出した粒子を覆うとともに、この露出した粒子の下部に位置する第1樹脂層と前記露出した粒子の上部に位置する第2樹脂層とに跨っており、
前記第1樹脂層に対する前記被膜の付着性及び前記第2樹脂層に対する前記被膜の付着性は、前記粒子に対する前記被膜の付着性よりも高い、請求項1又は2に記載の化粧板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−187803(P2012−187803A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52958(P2011−52958)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)
【Fターム(参考)】