説明

化粧格子

【課題】化粧格子を、容易かつ適切に構成できるようにする。
【解決手段】複数の縦桟1、1…と横桟構成体2’とを備えてなる化粧格子Lである。化粧格子Lの外縁を構成する左右の端縦桟1’、1’間にある中間縦桟1”には、横桟構成体2’を構成する棒状部材20の通し孔16が形成されている。横桟構成体2’は、前記棒状部材20と、間隔形成部材21とから構成されていると共に、この間隔形成部材21には棒状部材20における隣り合う縦桟1、1間に位置される箇所を納める凹部211が形成されている。棒状部材20は、棒材201と、ナット体202aを備えた雌具202とボルト体203aを備えた雄具203とからなる締め込み具とを有しており、この締め込み具により左右の端縦桟1’、1’の少なくとも一方と棒材201とを、この左右の端縦桟1’、1’間の距離可変にネジ止めさせてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、住宅の内装材として用いられる化粧格子に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅の内装材として用いられる化粧格子は、縦桟と横桟とを持つように、複数の材を組み合わせることで構成されている。
【0003】
典型的には従来は、縦桟100と横桟200とを相欠により組み合わせることにより、(図11)また、縦桟100に形成させたホゾ穴101を利用して各縦桟100間に横桟200となる材201を介装させることにより、(図12)化粧格子を構成させていた。しかし、前者の手法では、適切に化粧格子を構成させるためには相当の加工精度を要し、建築現場で仕上げることは容易ではない。また、化粧格子に表裏を生じさせるものであった。一方、後者の手法でも相当の加工精度を要すると共に、組み立て手間を要し、やはり建築現場で化粧格子を仕上げることは容易ではない。こうした現場において化粧格子を支障なく仕上げることができれば、現場には化粧格子の材料を単純に搬送すれば済むことともなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の化粧格子を、容易かつ適切に構成できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、化粧格子を、以下の(1)〜(4)の構成を備えたものとした。
(1)複数の縦桟と、
一以上の横桟構成体とを備えてなる化粧格子であって、
(2)化粧格子の外縁を構成する左右の端縦桟間にある中間縦桟には、横桟構成体を構成する棒状部材の通し孔が形成されており、
(3)横桟構成体は、前記棒状部材と、間隔形成部材とから構成されていると共に、この間隔形成部材には棒状部材における隣り合う縦桟間に位置される箇所を納める凹部が形成されており、
(4)棒状部材は、棒材と、ナット体を備えた雌具とボルト体を備えた雄具とからなる締め込み具とを有しており、この締め込み具により左右の端縦桟の少なくとも一方と棒材とを、この左右の端縦桟間の距離可変にネジ止めさせてなる。
【0006】
中間縦桟の通し孔に横桟構成体を構成する棒状部材を通すと共に、この棒状部材の端部を端縦桟に接続させた状態から、前記締め込み具を構成する雌具のナット体を操作することで、雄具のボルト体を左右の端縦桟間の距離を狭める向きに螺進させることができる。すなわち、一方の端縦桟に対し他方の端縦桟を引き寄せることができる。これにより、各縦桟間に配される間隔形成部材と縦桟とを密着させて各縦桟間に間隔形成部材の寸法分の所期の隙間を正確に形成させることができ、所望の化粧格子を容易に構成させることができる。また、各縦桟に反りなどがある場合でも、かかる締め込み具の操作によりこうした反りなどを矯正して、適切な化粧格子を形成させることができる。また、こうした反りなどが事後的に生じた場合でも、かかる締め込み具の操作によりこれを矯正することもできる。
【0007】
前記横桟構成体の棒状部材を構成する棒材の外面の少なくとも一部と間隔形成部材の凹部の内面の少なくとも一部とが面的に接し合うようにしておけば、棒材を介して棒状部材に対する間隔形成部材の組み合わせ状態を安定的に維持させることができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、縦桟と横桟構成体とを組み合わせた状態から、横桟構成体を構成する棒状部材の締め込み具を操作することで、各縦桟間に所期の間隔を備えた化粧格子を容易かつ適切に構成させることができる。これにより建築現場において化粧格子を支障なく仕上げることも可能となる。また、構成される化粧格子には表裏がないようにすることができ、設置の向きなどに格別の配慮を生じさせない特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は化粧格子の正面図である。
【図2】図2は図1におけるA−A線位置での断面図である。
【図3】図3は図1におけるB−B線位置での断面図である。
【図4】図4は化粧格子における上下方向中央位置での断面図である。
【図5】図5は図4の左側の拡大図である。
【図6】図6は縦桟と横桟構成体を構成する間隔形成部材と棒材とを分離させた状態で示した斜視図である。
【図7】図7は縦桟と横桟構成体の棒状部材を構成する棒材と締め込み具とを分離させた状態で示した斜視図である。
【図8】図8は締め込み具の構成の一部を変更した一例を示した断面図である。
【図9】図9は締め込み具の構成の一部を変更した他の一例を示した断面図である。
【図10】図10は化粧部材の構成図である。
【図11】図11は従来例を示した斜視図である。
【図12】図12は別の従来例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1〜図10に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。
【0011】
この実施の形態にかかる化粧格子Lは、住宅の内装材として用いられるものである。かかる化粧格子Lは、複数の縦桟1、1…と、横桟2を構成する一以上の横桟構成体2’とを備えてなる。横桟構成体2’はさらに、棒状部材20と間隔形成部材21とから構成されている。図示の例では、かかる化粧格子Lはさらに、上桟3と下桟4とを備えている。各桟1、2、3、4は、木材又は木質材から構成されている。
【0012】
複数の縦桟1、1…はそれぞれ、上下方向に長い材から構成される。図示の例ではかかる縦桟1は角材により構成されている。各角材は、略同寸同形に構成されている。各角材は、化粧格子Lの左右方向xにおける寸法に対し、化粧格子Lの前後方向yにおける寸法を大きくするように構成されて、幅広の側面10と幅狭の側面11とを有している。各縦桟1間には、後述する間隔形成部材21により、左右方向xに略等しい間隔が形成されている。図示の例では、化粧格子Lは、建物の開口部O内に備えられるようになっており、複数の縦桟1、1…のうち、化粧格子Lの外縁を構成する左側の端縦桟1’と左側の開口縁、および、化粧格子Lの外縁を構成する右側の端縦桟1’と右側の開口縁との間には、かかる左右の端縦桟1’間に位置される隣り合う中間縦桟1”間の間隔よりもやや広い間隔が形成されている。
【0013】
また、図示の例では、化粧格子Lは、上桟3と下桟4とを備えている。図示の例では、下桟4は、前記開口部Oの幅方向(左右方向x)に亘る長さを有し、この開口部O内において床Fに固定されると共に、各縦桟1の下端に組み合わされる。図示の例では、各縦桟1には、その下端に、下桟4の上部を納める凹所12が形成されている。また、各縦桟1のこの凹所12の内奥部にはダボの上端側を納めるダボ用穴13が形成されている。(図3)また、下桟4にはその下面と上面とに亘る貫通穴40が形成されている。図示の例では、下桟4と各縦桟1とは、前記凹所12に下桟4の上部を納めると共に、前記貫通穴40に入れ込ませたダボDを縦桟1のダボ用穴13に入れ込ませて、組み合わされている。また、下桟4と床Fとは、縦断面L字状をなすアングル材Eを介して固着されるようになっている。すなわち、かかるアングル材Eの屈曲部を挟んだ一方側を床F側に止着させると共に、この一方側上に載置された下桟4の下部側の側面とアングル材Eの屈曲部を挟んだ他方側とを止着させることにより、化粧格子Lの下部側を床Fに固定するようにしている。図中符号5で示されるのは、縦桟1と床Fとの間において、下桟4の下部に両面粘着テープなどにより貼り付けられてこの下桟4の下部を化粧するプレートであり、このプレート5によりアングル材Eが隠されるようになっている。
【0014】
また、図示の例では、上桟3も、前記開口部Oの幅方向に亘る長さを有し、この開口部O内において天井Rに固定されると共に、各縦桟1の上端に組み合わされる。図示の例では、各縦桟1には、その上端に、上桟3の下部を納める凹所14が形成されている。また、各縦桟1のこの凹所14の内奥部にはダボDの下端側を納めるダボ用穴15が形成されている。また、上桟3にはその上面と下面とに亘る貫通穴30が形成されている。図示の例では、上桟3と各縦桟1とは、前記凹所14に上桟3の下部を納めると共に、前記貫通穴30に入れ込ませたダボDを縦桟1のダボ用穴15に入れ込ませて、組み合わされている。また、上桟3と天井Rとは、縦断面L字状をなすアングル材Eを介して固着されるようになっている。すなわち、かかるアングル材Eの屈曲部を挟んだ一方側を天井R側に止着させると共に、この一方側下に位置される上桟3の上部側の側面とアングル材Eの屈曲部を挟んだ他方側とを止着させることにより、化粧格子Lの上部側を天井Rに固定するようにしている。図中符号6で示されるのは、縦桟1と天井Rとの間において、上桟3の上部に両面粘着テープなどにより貼り付けられてこの上桟3の上部を化粧するプレートであり、このプレート6により上桟3と天井Rとの間の隙間と、かかるアングル材Eとが見栄え良く隠されるようになっている。
【0015】
また、前記中間縦桟1”にはそれぞれ、横桟構成体2’を構成する棒材201の通し孔16が形成されている。図示の例では、各中間縦桟1”においてそれぞれ、その上下方向略中程の位置に、かかる通し孔16が形成されている。かかる通し孔16は、中間縦桟1”の幅広の両面間に亘って左右にこの中間縦桟1”を貫通した穴であり、また、中間縦桟1”の前後方向y略中程の位置に形成されている。図示の例では、かかる通し孔16は、その孔形状を、長径方向を上下方向に沿わせた小判形状としている。
【0016】
横桟構成体2’は、棒状部材20と、間隔形成部材21とから構成されている。かかる横桟構成体2’によって、化粧格子Lにおける上桟3と下桟4との間に、図示の例では一つの横桟2が形成されている。かかる上桟3と下桟4との間に二つ以上の横桟2を形成させる場合には、この横桟2に対応した数の前記通し孔16を縦桟1に形成させると共に、この数に対応した横桟構成体2’が用意されることとなる。
【0017】
横桟構成体2’を構成する棒状部材20は、前記棒材201と、ナット体202aを備えた雌具202とボルト体203aを備えた雄具203とからなる締め込み具とから構成されている。かかる棒材201は、左右の端縦桟1’、1’間の寸法よりもやや短い長さを有し、かかる締め込み具を介してその端部を端縦桟1’に組み付けられるようになっている。(図4)かかる棒材201は、縦桟1の通し孔16の長径よりも上下の太さを小さくすると共に、この通し孔16における長径側の孔内面16aに接する縦向きの面201aを前後に備えている。かかる棒材201は、二以上の短い材を接ぎ合わせて所望の長さを持つように構成させておくこともできる。図示の例では、棒材201の縦向きの面201aの一方にはこの棒材201の長さ方向に亘って溝底を平坦にした溝201cが形成されており、後述する締め込み具を構成する雄具203のベース203bにおける屈曲部を挟んだ他方側203dがこの溝201cに納まって棒材201に雄具203が止着されるようになっている。
【0018】
一方、間隔形成部材21には、かかる棒状部材20における隣り合う縦桟1、1間に位置される箇所を納める凹部211が形成されている。すなわち、かかる間隔形成部材21は、隣り合う縦桟1、1の一方の幅広の側面10に接する側面部212と、隣り合う縦桟1、1の他方の幅広の側面10に接する側面部212と、かかる凹部211とを有している。かかる間隔形成部材21の両側面部212、212間の寸法、つまり、間隔形成部材21の左右方向xの寸法を変えることで、化粧格子Lの縦桟1間の間隔を変えることができる。図示の例では、各間隔形成部材21はその左右方向xの寸法を略等しくさせているが、この左右方向xの寸法を異ならせる二種以上の間隔形成部材21を用いて化粧格子Lを構成させるようにすれば、縦桟1間の間隔を一様にさせない化粧格子Lを構成させることができる。
【0019】
図示の例では、かかる間隔形成部材21は、上面部と下面部、前面部と後面部、および左右側面部212、212を備えた六面体に、その下面部から上方に凹み込み、かつ、左右側面部212、212においてそれぞれ開放された溝状をなす前記凹部211を形成させてなる。かかる凹部211の前後内壁211a、211aは縦向きの面を有すると共に、この前後内壁211a、211a間の寸法を前記棒材201の前後の縦向きの面201a、201a間の寸法と略等しくさせている。そして、かかる間隔形成部材21は、かかる棒材201における隣り合う縦桟1、1間に位置される箇所を、この棒材201の縦向きの面201aが凹部211の内壁211aに面的に接し、かつ、この棒材201の縦向きの面201a間に亘る横向きの上面201bが凹部211の内奥部211bに接するように、かかる凹部211にはめ込み状に納めることで、この棒材201と組み合わされて横桟2を形作っている。(図2)すなわち、この実施の形態にあっては、横桟構成体2’を構成する棒材201の外面の少なくとも一部と間隔形成部材21の凹部211の内面の少なくとも一部とが面的に接し合うようになっており、棒材201を介して棒状部材20に対する間隔形成部材21の組み合わせ状態が安定的に維持されるようになっている。
【0020】
前記棒状部材20における隣り合う縦桟1、1間に位置される箇所に間隔形成部材21を組み合わせた後に、この間隔形成部材21の外側をさらに化粧部材7で覆うようにすれば、間隔形成部材21の前記凹部211を隠すことができる。かかる化粧部材7としては、図10に示されるように、間隔形成部材21の前面部と上面部と後面部の外側をそれぞれ覆う三つの板体70…70にヒンジ部71を介して間隔形成部材21の下面部を覆う蓋板体72を連接させてなる構成のものを用いることができる。ヒンジ部71は一枚の化粧シート73をコ字状に組み合わされた三つの板体70…70の外面と蓋板体72の外面とに貼着させることで形成されている。この例では、かかる化粧部材7の組み合わされた三つの板体70…70の内側に間隔形成部材21を収め入れた後、蓋板体72によりこの三つの板体70…70の開放箇所74を塞いでこの蓋板体72のヒンジ71部側と反対の端部をこの三つの板体70…70側に止着させることで、間隔形成部材21の外面の全体を化粧部材7で覆うようにしてある。
【0021】
締め込み具は、ナット体202aを備えた雌具202とボルト体203aを備えた雄具203とから構成されている。この締め込み具により左右の端縦桟1’、1’の少なくとも一方と前記横桟構成体2’を構成する棒材201とを、この左右の端縦桟1’、1’間の距離可変にネジ止めさせている。図示の例では、かかる棒材201と左右の端縦桟1’、1’の双方をかかる締め込み具によりネジ止めさせている。
【0022】
雌具202は、縦方向に延びる一対の縦板部202e、202eの下端間を横板部202fで連接させてなるベース202dを備えている。このベース202dにおける縦板部202eの一方にはネジSの通し孔202gが形成されており、この通し孔16を通じてネジSを端縦桟1’の幅広の側面10に打ち込むことで雌具202は端縦桟1’に取り付けられるようになっている。また、ベース202dにおける縦板部202eの他方には、ナット体202aが回動可能に支持されている。かかるナット体202aは、外形を六角柱状とする主体部202bと、この主体部202bの一方の端面に筒一端を一体に連接させた延長筒部202cとを備えている、主体部202bの雌ネジ孔に延長筒部202cの内部は連通しており、延長筒部202cの筒他端を通じて主体部202b内に前記ボルト体203aが入り込むようになっている。ベース202dにおける縦板部202eの他方には、左右方向xにこの縦板部202eを貫通した軸孔202hが形成されている。ナット体202aは、前記延長筒部202cをベース202dの内側からこの軸孔202hに入れ込むと共に、その筒他端をカシメてこの軸孔202hから抜け出さないようにすることで、ベース202dに回動可能に組み合わされている。
【0023】
雄具203は、L字状をなすように屈曲された板体よりなるベース203bを有している。このベース203bの屈曲部を挟んだ一方側203cの外面(屈曲外側の面)にボルト体203aの一端が接合されている。かかるベース203bの屈曲部を挟んだ他方側203dにはネジSの通し孔203eが形成されており、前記一方側203cの内面に前記棒材201の端部を突き当てさせ、かつ、他方側203dをこの棒材201の前記溝201cに納めた状態で、この通し孔203eを通じてネジSを棒材201に打ち込むことで雄具203は棒材201の端部に取り付けられるようになっている。
【0024】
かかる雌具202は、端縦桟1’とこれに隣り合う中間縦桟1”との間に介装される間隔形成部材21の凹部211内に納まる大きさに構成され、また、雄具203は棒材201の端部に取り付けられた状態でこの棒材201の中間縦桟1”の通し孔16の通過を妨げない大きさに構成されている。
【0025】
中間縦桟1”の通し孔16に横桟構成体2’を構成する棒状部材20を通すと共に、この棒状部材20の端部を端縦桟1’に接続させた状態から、前記締め込み具を構成する雌具202のナット体202aを操作することで、雄具203のボルト体203aを左右の端縦桟1’、1’間の距離を狭める向きに螺進させることができる。すなわち、一方の端縦桟1’に対し他方の端縦桟1’を引き寄せることができる。これにより、各縦桟1間に配される間隔形成部材21と縦桟1とを密着させて各縦桟1間に間隔形成部材21の寸法分の所期の隙間を正確に形成させることができ、所望の化粧格子Lを容易に構成させることができる。また、各縦桟1に反りなどがある場合でも、かかる締め込み具の操作によりこうした反りなどを矯正して、適切な化粧格子Lを形成させることができる。また、こうした反りなどが事後的に生じた場合でも、かかる締め込み具の操作によりこれを矯正することもできる。
【0026】
図示の例では、端縦桟1’とこれに隣り合う中間縦桟1”との間に介装される間隔形成部材21は、締め込み具の操作終了まではこの操作を妨げない位置において端縦桟1’とこれに隣り合う中間縦桟1”との間にセットしておき、この操作終了後に締め込み具を凹部211内に納めてこれを覆い隠す所定位置まで端縦桟1’とこれに隣り合う中間縦桟1”との間をスライド移動させるようにする。
【0027】
図8に示されるように、締め込み具を構成する雌具202の縦板部202eの一方に形成させた通し孔202gを、縦板部202eの他方に備えられたナット体202aの中心線上に位置されるようにして、このナット体202a内に図8の右側から通される工具により前記通し孔202gを通じて端縦桟1’にネジSを打ち込むようにすることもできる。このようにした場合、かかる雌具202のナット体202aにこの後にネジ付けられる雄具203のボルト体203aと前記ネジSとを同一線上に位置させることができることから、横桟構成体2’と端縦桟1’とを強固に組み合わせることができる。また、この図8に示される例では、この雌具202の縦板部202eの一方側を納める凹所17を端縦桟1’に形成させており、端縦桟1’に対する締め込み具の固定位置合わせの容易化が図られている。
【0028】
図9に示されるように、締め込み具を構成する雌具202のベース203bの横板部202fに下方からドライバーなどの工具により操作可能な回転体203fを備えさせると共に、この回転体203fとナット体202aとにこの回転体203fの回転によりナット体202aを回動させるように噛み合うギヤ部203gを形成させるようにすれば、間隔形成部材21の凹部211内に締め込み具を納めさせた状態でその操作をなすことが可能となる。
【符号の説明】
【0029】
L 化粧格子
1 縦桟
1’ 端縦桟
1” 中間縦桟
2’ 横桟構成体
20 棒状部材
201 棒材
202 雌具
202a ナット体
203 雄具
203a ボルト体
21 間隔形成部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の縦桟と、
一以上の横桟構成体とを備えてなる化粧格子であって、
化粧格子の外縁を構成する左右の端縦桟間にある中間縦桟には、横桟構成体を構成する棒状部材の通し孔が形成されており、
横桟構成体は、前記棒状部材と、間隔形成部材とから構成されていると共に、この間隔形成部材には棒状部材における隣り合う縦桟間に位置される箇所を納める凹部が形成されており、
棒状部材は、棒材と、ナット体を備えた雌具とボルト体を備えた雄具とからなる締め込み具とを有しており、この締め込み具により左右の端縦桟の少なくとも一方と棒材とを、この左右の端縦桟間の距離可変にネジ止めさせてなることを特徴とする化粧格子。
【請求項2】
棒状部材を構成する棒材の外面の少なくとも一部と間隔形成部材の凹部の内面の少なくとも一部とが面的に接し合うようになっていることを特徴とする請求項1に記載の化粧格子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−242455(P2010−242455A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−95453(P2009−95453)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【出願人】(501195625)住友林業クレスト株式会社 (43)
【出願人】(000154853)株式会社北浦工業 (21)
【Fターム(参考)】