説明

化粧水

【課題】本発明は、本発明は、天然成分のみから構成され、肌荒れの防止効果に優れ、かつ簡易に作成できる化粧水を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、上記課題を解決するために、生の月桂樹の葉及び茎と、アロエと、月桃の葉とよりなる天然素材を細かく切断し、鍋に入れた水に投入し、強火で沸騰させ、沸騰の後、弱火で1時間〜2時間保持し、その後、前記天然素材を濾し、前記天然素材から抽出した混合エキスを含むことを特徴とする化粧水の構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚に塗布する化粧水に関し、更に詳しくは、月桂樹、アロエ、月桃から抽出した混合エキスを含む天然由来成分のみで構成された化粧水に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、化粧水に特定の効果を付与することを目的とし、美白剤、保湿剤等の生理活性成分が配合されている。例えば、皮膚の黒化や、シミ、ソバカス等の色素沈着を予防又は改善することを目的とする化粧水には、アスコルビン酸又はその誘導体、アルブチン等のハイドロキノン誘導体酸等の美白剤が配合されている。
【0003】
また肌荒れを予防又は改善することを目的とする化粧水には、トレハロース等の保湿剤、コラーゲン、エラスチン等の生体高分子、ニコチン酸及びその誘導体、ビタミンA、ビタミンE及びそれらの誘導体等のビタミン類等の生理活性成分が配合されている。
【0004】
しかし、化学合成成分を含有する従来の化粧水は、アレルギー体質の人には、使用できないこともある。
【0005】
天然成分のみを組成とする化粧水として、特許文献1のようなものもある。特許文献1には、泡盛1lに対して、ゴマ200〜300g、砂糖キビの茎の短冊状を1.5〜2.0kg、レモンの輪切りを700〜1200g混入し、20日間以上保存したことを特徴とする化粧水が公開されている。
【特許文献1】特開2001−114666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、天然成分のみを構成成分とする化粧水は少なく、特に月桂樹と、アロエ及び月桃の葉から得られ混合エキスを使用した化粧水はない。
【0007】
そこで、本発明は、天然成分のみから構成され、肌荒れの防止効果に優れ、かつ簡易に作成できる化粧水を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、生の月桂樹の葉及び茎と、アロエと、月桃の葉とよりなる天然素材から、水又は湯で抽出した混合エキスを含む天然成分のみからなることを特徴とする化粧水の構成とし、また生の月桂樹の葉及び茎と、アロエと、月桃の葉とよりなる天然素材を細かく切断し、鍋に入れた水に投入し、強火で沸騰させ、沸騰の後、弱火で1時間〜2時間保持し、その後、前記天然素材を濾し、前記天然素材から抽出した混合エキスを含むことを特徴とする化粧水の構成とした。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上の構成であるから、以下の効果がある。第1に、簡易かつ効果的な化粧水を提供でき、第2に、天然成分のみで構成された化粧水であるので、アレルギー反応など、炎症を起こす危険性が低い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
天然素材のみから構成される化粧水を提供するという目的を、生の月桂樹の葉及び茎と、アロエと、月桃の葉とよりなる天然素材を細かく切断し、鍋に入れた水に投入し、強火で沸騰させ、沸騰の後、弱火で1時間〜2時間保持し、その後、前記天然素材を濾し、前記天然素材から抽出した混合エキスを含むことを特徴とする化粧水の構成とするとすることで実現した。
【実施例1】
【0011】
図1は、混合エキスを抽出するための天然素材の配合の一例を示す図である。本発明で用いる天然素材は、生の月桂樹の葉及び茎と、アロエと、月桃の葉である。本発明は、これら天然素材を鍋などの容器に入れた水に投入し、加熱し、これら天然素材の水溶性成分であるエキスを水相に抽出する。
【0012】
ここでは、配合の一例として、生の月桂樹の葉と茎を合わせて200g、アロエ2枚(約500〜800グラム)、月桃2枚(約500〜800グラム)を、2リットルの水に投入し、加熱し、混合エキスを抽出した。なお、本発明の目的を逸脱しない範囲で、その配合比は適時変更できる。
【0013】
月桂樹(ゲッケイジュ)とは、地中海沿岸原産のクスノキ科の常緑高木で、学名Laurus nobilisという。日本名では月桂樹、英語でベイ/ベイリーフ/ローレル、フランス語でローリエなどと呼ばれる。
【0014】
月桂樹の葉(ローリエ、ローレル)は、芳香があって香辛料として用いられている。また、月桂樹の葉、実は、それぞれ月桂葉、月桂実という生薬名を持つ。月桂樹の葉に含まれるシネオールという芳香成分は、蜂さされやリューマチ、そして神経痛などを改善する効果があるとされている。さらに、シネオールは唾液の分泌を促進するため、食欲の増進や消化作用を助け、肝臓や腎臓の働きを活発にすると言われている。
【0015】
特に、ローリエという場合は、月桂樹の葉を乾燥させた香辛料のことを指すのが一般的である。ヨーロッパ地方でよく使用されるスパイスで、すがすがしい芳香があるので香り付けに使用される。肉の臭みなどを消す働きがあり、カレーなどの煮込み料理にはよく使用される。出し・ソースなどにも利用されることがある。
【0016】
月桂樹の葉を生で料理に使用することもあるが、青くささと苦みがでるとされている。好みによるが、保存の点も含め乾燥させて調理に使用するのが一般的である。ローリエを自宅で作る場合には、葉がそり返らないように重しを乗せ、日陰で2週間ほど乾燥させればよい。
【0017】
料理に用いる場合は乾燥させてから利用する方が、苦味が少なく香りが引き立つ。乾燥した葉を折ることで、より強い香りを出すことができる。調理に使う際には、長時間煮込むと苦味が出てくる。
【0018】
本発明では、生の月桂樹の葉を使用し、さらに枝、茎をも使用する。月桂樹の葉から抽出した油成分は、一般に薬用、化粧用などに使用されているが、本発明は、月桂樹の生の葉及び茎から抽出した水溶性成分を化粧水として使用することを特徴とする。
【0019】
アロエとは、原産地はアフリカ南部、およびマダガスカルで、アロエ科アロエ属の多肉植物の総称であり、観葉植物として、一般に流通し、食用となることもある。現在までに300種以上が知られている。日本ではキダチアロエとアロエベラ、シャボンアロエの3種がよく栽培される。
【0020】
普通観賞用に栽培されるものはキダチアロエ(学名Aloe arborescens)という。「木立ち」の名の通り茎が伸びて立ち上がる。暖地では戸外でも育ち冬に赤橙色の花をつける。非常に苦味が強い。
【0021】
ヨーグルト等に添加され、食用となるアロエには苦味の少ないアロエベラ(学名A. vera)が用いられる。花は黄色で、葉は長く株の根元から伸びる。寒さには強くない。
【0022】
日本薬局方に基原植物として収載されているアロエは、アロエフェロックス(A. ferox)(ケープアロエともいう)、およびこれとアロエアフリカーナ(A. africana)又はアロエスピカータ(A. spicata)との雑種とされている。これらの葉の汁を乾燥させたものが日本薬局方でいう「アロエ」である。これを内服すると胃腸の改善効果、便秘に効果があるとされている。
【0023】
キダチアロエは、昔から俗に「医者いらず」といわれており、民間療法に使用されている。葉肉の内服で健胃、便秘に効果がある。外用で傷や火傷に用いられる場合もある。
【0024】
本発明で用いられる、アロエは、アロエベラより、キダチアロエが優れている。キダチアロエの苦み成分が化粧水としての効果が発揮するものと思われる。
【0025】
月桃とは、熱帯・亜熱帯に自生しているショウガ科ハナミョウガ属の多年生常緑草本であり、日本では九州南部から中国南部〜熱帯アジアに分布している。学名:Alpinia zerumbet別名:アルピニアといい、月桃の仲間にはゲットウ、タイリンゲットウ、タイワンゲットウ、フイリゲットウ、クマタケラン、アオノクマタケラン等がある。
【0026】
月桃の葉は、長さ40〜60cm、濃緑色で光沢があり、長楕円数個左右に先端は尖り、下端は鞘となり茎を包む。花は夏に、茎頂の下垂する提灯のような大型で総状花序をつける。
【0027】
花は長さ4cmくらい、花冠は3裂し、唇弁は大型で舟型、縁にぎざぎざがあり、黄と紅との条紋がある。果実は花後に長さ約2cmで倒卵球形。これは縦の助条があり、熱すると赤くなって、その一側が縦裂して球型で灰色の種子を露出する。種子は〈白手〉または〈白手伊豆砂〉と言われることがある。
【0028】
月桃は、原産地では葉に芳香があるので食物を包み,葉鞘は編み物細工,網や綱の原料となっている。〈伊豆砂〉の一種で健胃剤として使用されることもある。または、ウイスターソース、カレー等の香辛料として使われている。沖縄では昔から月桃の葉を餅(方言名:ムーチー)の包装材に、種子をとして漢方に用いてきた。
【0029】
月桃の葉部から得られる精油は、防虫剤、防カビ剤、抗菌剤等に使用されている。月桃にはこのような有効成分が多く含まれていることが、最近明らかにされつつある。したがって、月桃の葉部や茎部、根茎部および種子は、香料、色素、防虫、防カビ、防腐、農薬、医薬あるいはバルブ原料となる有効成分を含み、多様な可能性を秘めた産業資源となり得るものと期待されている。
【0030】
図2は、本発明である化粧水の製造工程を示す図である。本発明である化粧水製造工程1は、天然素材準備工程2と、続いて、加熱抽出工程3と、次に、濾過工程4と、最後に包装工程5とからなる。例えば、図1の配合組成で化粧水を作成した場合、加熱によって濃縮されるため、水を加え約100〜400ml程度の化粧水が得られるように調整するとよい。
【0031】
天然素材準備工程2は、混合エキスを抽出する天然素材(月桂樹の葉及び茎と、アロエと、月桃の葉)を準備する工程である。月桂樹の葉及び茎は、生の状態で使用し、アロエ及び月桃も生の葉を使用する。
【0032】
先ず、前記天然素材を細かく切断する。月桂樹の葉及び茎は、葉を付けたままの状態の茎を約20cm程度に切断する。さらに細かく切断してもよい。アロエ、月桃は、細かく、具体的には約1cm角程度に切りきざむ。これにより、水溶性の有効成分が水相に効率よく、溶出される。
【0033】
なお、アロエの葉を単体で使用したときに比べ、月桃からもエキスを抽出した混合エキスである方が、化粧水としての肌荒れ防止効果が高かった。さらに、生の月桂樹を併用することでその効果は高まった。
【0034】
また、月桂樹は、乾燥物であるローリエより、生の状態で使用した方が効果が高かった。これは、乾燥することにより、化粧水としての有効成分が、劣化、減少することによるものと考えられる。
【0035】
加熱抽出工程3は、前記天然素材を湯中で加熱保持し、混合エキスを水中に抽出する工程である。先ず、鍋などの容器に水を張り、続いて前記天然素材準備工程2で準備された天然素材を投入し、強火で急速に加熱沸騰させる。沸騰の後、弱火(80〜95℃)で1時間〜2時間保持し、湯中に、前記天然素材のエキスを抽出し、混合エキス含有水を作成する。
【0036】
このとき、弱火で1時間〜2時間の長時間加温保持し、混合エキスを抽出した方が、短時間(例えば、30分)の加熱抽出より、より化粧水としての肌荒れ防止効果が高かった。一般に、調理に使う場合は、ローリエなどは、長時間煮込むことによって、苦みが感じられ好ましくないとされるが、化粧水としての有効成分を抽出するには、長時間の加熱抽出の方が好ましかった。苦み成分が、化粧水の効果を高めるものと思われる。また、低温(30℃)より、高温(80〜98℃)で加熱抽出して作成した化粧水の方が、肌荒れ防止効果が高かった。
【0037】
濾過工程4は、混合エキスが抽出された天然素材(ガラ)を、布、濾紙等で除去する工程である。本発明である化粧水は、身体に塗布するものであるから、極力天然素材由来の混雑物を除去することが望ましい。
【0038】
それには、先ず、粗めのザル等で、大きな天然素材を除去し、ついでガーゼ、手拭い、さらしなどの生地で、小さな混雑物を除去し、最後にコーヒーなどのドリップに使用する濾紙で細かな混雑物を除去するとよい。
【0039】
包装工程5は、混合エキスが溶出した化粧水を瓶などの容器に注入、保存する工程である。本発明である化粧水は、化学成分である保存料などを添加していないことから、常温での保存では、1週間程度しか保存できないが、冷蔵保存することにより、1月程度は十分傷むことなく効能を維持することができる。
【0040】
本発明である化粧水には、月桂樹、月桃から溶出する抗菌成分が含まれるためであると思われる。一方、一般の天然素材のみからなる化粧水は、たとえ冷蔵保存をしたとしても、10日間もすると悪臭が発生し、使用することができなくなる。
【0041】
このようにしてなる本発明である化粧水は、顔、首、手、足など、身体全体に塗布して使用することができる。また、入浴の際、石鹸で身体を洗う際に併用してもよく、入浴後、塗布し就寝中の肌の保湿力を改善してもよい。さらに、本発明である化粧水は、化学薬品が添加されていなことから、アレルギー体質の人であっても安心して使用できる。
【0042】
本発明である化粧水を身体に塗布することにより、肌荒れの防止、特に肌の保湿、キメの改善、美白、日焼け止め効果に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】混合エキスを抽出するための天然素材の配合の一例を示す図である。
【図2】本発明である化粧水の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 化粧水製造工程
2 天然素材準備工程
3 加熱抽出工程
4 濾過工程
5 包装工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生の月桂樹の葉及び茎と、アロエと、月桃の葉とよりなる天然素材から、水又は湯で抽出した混合エキスを含むことを特徴とする化粧水。
【請求項2】
生の月桂樹の葉及び茎と、アロエと、月桃の葉とよりなる天然素材を細かく切断し、鍋に入れた水に投入し、強火で沸騰させ、沸騰の後、弱火で1時間〜2時間保持し、その後、前記天然素材を濾し、前記天然素材から抽出した混合エキスを含むことを特徴とする化粧水。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−115126(P2008−115126A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301193(P2006−301193)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(306033667)
【Fターム(参考)】