説明

区画要素および区画要素の製造方法

本発明は、プロファイルド要素、特に、少なくとも一つの開口部が形成された特に金属の細長い本体を備えた、乾式構造部、建物の正面部、漆喰要素などのプロファイルド構造要素に関する。その開口部は、本体の長手方向の範囲に対して横方向に形成された少なくとも一つの縁部を含み、その縁部は、少なくとも部分的に本体の折曲部によって形成される。折曲部は、本体の隣接部とともに本体の少なくとも二重の層の領域を形成する。プロファイルド要素の長手方向範囲に対して横方向の剛性を増加させるように、折曲部が少なくともその二重の層の領域内で隣接部と連結される。さらに本発明は、こうしたプロファイルド要素の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、区画要素(section element)に関し、特に、少なくとも一つの開口部が形成された特に金属もしくはプラスチックを備えた細長い基体を有する、例えば、乾式構造部、建物の正面部、漆喰部、スクリード部、もしくはタイル部などの構造部に関する。さらに本発明は、こうした区画要素の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の区画要素は例えば特許文献1からも周知であり、特に乾式構造のC形直立部分として使用されている。その細長い基体には、例えば区画要素を製造するための所定の切削パターンが設けられている。適切な切削パターンの選択時に、区画要素の特に平行に延在する2つの長手部が折り曲げ処理において引き離され、それにより追加の材料投入をすることなく区画要素が広げられる。この点について引き離された長手部は、長手部とともに一体的に形成された連結要素を介して互いに連結される。対応する切削パターンは特許文献1に開示されており、その内容、特にその明細書中に開示の切削パターンに関連する内容は、本発明の開示内容に明示的に包含される。
【0003】
広げられた区画要素の製造の更なる可能性が特許文献2に記載されている。この明細書では、とりわけ区画要素が折り曲げ処理によって製造されるのではなく、区画内に導入されたスリットを引き離すことによりダイヤモンド形の開口部にまで拡大させる純粋な拡張処理により製造されることが記載されている。こうした区画要素は特に直立部分の製造用に用いられる。この明細書の内容、特にこの明細書に記載の切削パターンに関連する内容もまた、本発明の開示内容に明示的に包含される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2004/055289号
【特許文献2】国際公開第2007/101594号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さらに対応する区画要素を、拡張処理もしくは折り曲げ処理を行うことなく製造することとも可能であり、例えば通常の直立部分には普通のことであるが、その基体は、引き伸ばされていない、実質的に閉じられた設計を有する。こうした種類のものの開口は、例えば穴抜き処理により基体に導入される。これは打ち抜かれた材料が廃材となる点で不都合であり、それによりこうした区画要素の製造コストが増大する。
【0006】
概して多くの場合、こうした前記の種類の区画要素、特に直立部分においては、例えば、配管もしくはその他の中空体を通すだけでなく、ケーブル、線、もしくはその他の細長いバンド状もしくはコード状の要素を通す貫通開口部が設けられることが望ましい。こうした貫通開口部が、基体に対応する穴を穴抜きすることにより形成されるのか、前述の折り曲げ処理によって形成されるのか、あるいは引き離しによって形成されるのかに関係なく、区画要素は、形成された開口部の領域、特に区画要素の長手方向の範囲に対して横方向に低い剛性を有するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、従来の区画要素に対して、開口部の領域の剛性が増大された区画要素を提供することである。
【0008】
冒頭の区画要素を根幹として、この目的は、開口部が、基体の長手方向の範囲に対して横方向に形成されるとともに少なくとも部分的に基体の折曲部によって形成される少なくとも一つの縁部を含み、前記折曲部が基体の隣接部とともに基体の少なくとも二重の層の領域を形成し、前記折曲部が前記少なくとも二重層の領域内で前記隣接部と連結されて、区画要素の長手方向範囲に対して横方向の剛性を増大させる、本発明によって充足される。
【0009】
本発明によって設計されたこのような区画要素の製造方法は、基体の一部を展開(fold out)するためのスリットを基体に導入し、基体に開口部を形成するようにその一部を展開して、基体の長手方向範囲に対して横方向に延在するとともに前記スリットをつなぐキンク線(kink line)に沿って、その一部を折り曲げ、その折り曲げられた部分が基体の隣接部とともに基体の少なくとも二重の層の領域を形成するまで折り曲げ、その折曲部を前記少なくとも二重層内で隣接部に接続させて、区画要素の長手方向の範囲に対して横方向の剛性を増大させることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、区画要素の長手方向に対して横方向に延在する開口部の縁部の領域に直接少なくとも二重層の領域を製造し、それら2つの層の間に互いにずれが生じないように、その領域の個々の層を、互いに連結することにより、開口部によって生じる剛性の低下が補償される。前記の層の少なくとも一つは、基体の展開により開口部の少なくとも一つの領域を形成する材料部によって形成される。これにより、一方では、開口部の形成に用いられる材料が無駄にならず、むしろ基体の補強に用いられることが実現される。他方では、開口部から前記一部を折り曲げることにより、開口部の領域すなわち開口部によって形成された欠点の領域に直接補強効果をもたらすことが自動的に保証される。この点について、用語「横方向」とは、区画要素の長手方向だけには延在しないあらゆる方向として理解されたい。横方向に延在する縁部が少なくとも部品の領域内において区画要素の長手方向を横切る方向に延在している限り、その横方向に延在する縁部は、特に直線あるいは曲線として形成されてもよい。
【0011】
さらに、基体から折り曲げられた部分の一体的な連結の結果、剛性を増大させるように個別の部品を提供する必要が無い。折曲部の基体との一体的な連結により、100m/minよりもずっと速い超高速での、稼働処理(online process)による補強領域の製造が可能である。
【0012】
本発明の有利な実施例によれば、縁部が、基体の長手方向の範囲に対して少なくとも局部的に実質的に垂直に延在する。これにより開口部などを通して線を通すための均一な支持縁部が提供される。同時に、二重層の領域もまた基体の長手方向範囲に対して垂直に延在して、基体の長手方向範囲に対して垂直な方向に理想的な形で剛性の増加が達成される。
【0013】
本発明のさらに好ましい実施例では、折曲部は、クリンチングもしくはクリンピングなどの圧縮接合処理、クランピング、絞り、プレス、溶接、ねじ留め、ボンド接合、もしくはリベット締めにより、隣接部に連結される。基体の折曲部と隣接部との間の連結が強固になるほど、より区画要素の剛性は増大する。特に選択された連結処理を用いることにより多層領域における層間のせん断運動が防止され、例えば区画要素のアーチ作用が防止される。
【0014】
有利には折曲部によりその全長に亘って縁部が形成される。これは例えば基体が引き離されることにより、もしくは前述の折り曲げ処理により2つの離間された長手部に分離されるのではなく、むしろ実質的に閉じた面を形成する場合である。この場合、対応するスリットを基体に導入した後、それらのスリットによって画定された部分が基体から折り曲げられてもよく、その部分の折り曲げ時に生じる縁部が、折り曲げにより生じる開口部の全長に亘って自動的に延在する。この場合、縁部がその全長に亘ってキンク縁として形成されるため、縁部が鋭い縁部として形成されるのではなく、一定の丸みを有することを保証する。それにより開口部に通されたラインがダメージを受ける危険なく縁部にかかることができる。
【0015】
本発明のさらに有利な実施例によれば、縁部の第1の部分が折曲部により形成される。基体の折り曲げられていない部分によって形成される縁部の第2の部分が有利には縁部の第1の部分と隣接する。この点について、折り曲げられていない部分は特に基体の隣接部の少なくとも一部を形成することができる。縁部の第1の部分は、望ましくは単層の折曲部によって形成され、この第1の部分は、基体の二重層の折曲部によって形成される縁部の少なくとも一つの第2の部分と隣接する。
【0016】
この設計は、基体が前述の拡張処理(folding process)により引き離される(drawn apart)2つの長手部に分けられたときに、特に合理的である。拡張処理により既に生じた開口部が対応する折曲部により更に拡大され、それにより互いに結合する縁部の部位が、例えば基体の第1の長手部の折曲部と、第2の長手部の折り曲げられていない部分と、の両方によって形成される。この場合、折曲部は第1の長手部と、第2の長手部と、の両方により二重層の領域を形成し、増大された剛性を実現するように、対応する隣接部への折曲部の連結が、二重層の領域のうちの一つと、複数の二重層の領域と、の両方において確立される。
【0017】
この実施例では、基体は、有利には2つの相互に離間された長手部を含み、それらの長手部は、互いに平行に延在するとともに、前記長手部と一体的に形成されかつ各場合において前記長手部の間の間隔を架橋する連結要素を介して、複数の連結点で互いに連結されており、開口部が一方の長手部から間隔を超えて他方の長手部へと延在し、折曲部は長手部の間の間隔を架橋する縁部の領域を形成する。
【0018】
本発明のさらに有利な実施例によれば、開口部は、特に互いに対向する側に配置された、少なくとも2つのその開口部に対応して形成された縁部を含む。これにより開口部の双方の反対側に配置された側面に所望の改善された剛性が達成され、全体として開口部の領域における区画要素のさらに高い剛性が達成される。
【0019】
本発明のさらに好ましい実施例によれば、区画要素は、C形の断面(C section)、U形の断面(U section)、L形の断面(L section)、T形の断面(T section)、H形の断面(H section)、ハット形の断面(hat section)もしくはZ形の断面(Z section)として形成される。
【0020】
本発明のさらに有利な実施例によれば、縁部にカバー要素が少なくとも局部的に係合し、特に縁部がカバー要素によって包囲される。この場合、開口部に通された線が鋭く形成された縁部にかからず、縁部の周りを覆うカバー要素にかかるため、これは特に縁部の鋭利な設計において合理的である。それにより開口部に通された要素にダメージが生じないことが保証される。この点についてカバー要素は支持縁部の周りに係合するだけでなく、有利には、開口部の全周縁部に亘って係合し特に全周縁部を包囲するように形成される。
【0021】
縁部は有利には少なくとも局部的に折曲部を備え、特にフランジを備える。しかしながら一般に、前述のカバー要素に加えて、これは特に代替例として行われる。これはまた、鋭い縁部としての縁部のあらゆる形態にもかかわらず、開口部を通る線の支持部が丸みを帯びるように形成された折曲部により実現される。それにより開口部を通る要素へのダメージが回避される。
【0022】
既に述べたように、開口部は有利には特に電線の貫通開口部として形成されるが、概ね開口部がこれとは異なる機能を満たすことも可能である。開口部は特に、例えば空気通流孔もしくは絶縁材などその他の材料の通路開口部として利用される。また区画要素の補強はこの場合本発明の設計によって達成される。
【0023】
有利には複数の開口部が特に基体の長手方向に分散して配置されるように提供される。この点について開口部は特に等間隔で存在する。本発明により設計された線もしくはケーブルなどを通すための区画要素の柔軟性を持った利用は、複数の開口部の配置によりさらに向上される。
【0024】
本発明の更に有利な実施例を従属クレームに記載する。
【0025】
実施例および図面を参照しながら本発明を以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明により形成された区画要素を製造する、切削パターンを有するストリップ状の材料部の詳細を示す図。
【図2】本発明により形成されたC形の区画の図。
【図3】さらに変更された切削パターンを有するストリップ状の材料部の詳細を示す図。
【図4】図3を広げた後の金属要素の図。
【図5】図3の切削パターンにより形成された本発明のさらにC形の区画の図。
【図6】カバー要素の斜視図。
【図7−9】別のカバー要素の斜視図。
【図10−13】本発明の別の実施例の製造時における4つの異なる過程を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の区画要素を製造するための、例えば金属、プラスチック、もしくはその他の適切な材料を備えた、細長い平面材料部1を示す。材料部1は、長手方向に延在する基部3と、基部3の横方向に隣接するとともに、いずれの場合においても図2に示す直立部分7を形成するように破線6に沿って90°に折り曲げられてリム5(図2)を形成する2つの部分4と、を含む細長い基体2を含む。この点について、部分4の外側に配置された辺縁部8がリム5に対して90°の角をなしてこのようにC形の直立部分7を形成する。
【0028】
基体2の基部3に複数のスリット9,10が形成され、スリット9は基体2の長手方向に延在するとともに、スリット10はその垂直方向に延在する。この点についてスリット9,10は、例えば、ロータリースタンピング、レーザ切削、もしくはその他の適切な切削方法もしくはスタンピング方法により形成される。
【0029】
各2つのスリット9は、破線で示されたキンク線11で連結されており、その線に沿って基体2の部分12が折り曲げられて開口部13を形成する(図2)。図2の折曲部12によりそれぞれ開口部13の縁部14が形成されるとともに、横方向、特に基体2の長手方向に対して垂直に延在する。基体2の折曲部12が図2のように折り曲げられて、図1の斜線領域で示す基体2の隣接部15と面接触する。隣接部15とともに折曲部12が基体2の二重層部分16を形成し、それぞれの場合では基体2の長手方向から見たときに、それぞれ開口部13にすぐ隣接するように配置される。
【0030】
さらに図2から認識できるように、例えばリベット部として形成された連結手段17が設けられ、その連結手段により折曲部12が隣接部15に固定して接続される。連結手段17により、折曲部12と隣接部15との間の相対的な移動が防止され、それにより開口部13の領域、すなわち開口部13によりその強度が弱められた領域における基体2の補強が直接的に達成される。この補強効果により、例えば、直立部分としての使用に際し、厚板材を取り付ける時のねじのねじ込み時に発生する、リム5の横荷重による基部3の屈曲の回避が実現される。
【0031】
開口部13は、電線18などの導通要素として用いられる。縁部14がそれぞれ折曲部12によって形成されるため、縁部14は鋭利には形成されず、むしろある一定の丸みを有する。それにより縁部14にかかる電線18の絶縁体に生じるダメージが回避される。
【0032】
図3は基体35を有する材料部19を示し、斜め方向に延在するとともに材料部19の長手方向の範囲に沿って延在する複数のスリット20を有する。対応する切削パターン及び改良された切削パターンが特許文献1に記載されており、可能な異なる切削パターン及び材料部を拡張するための切削パターンの使用に関連する開示の内容は本発明に明示的に含まれる。
【0033】
それらの周知の切削パターンを形成するスリットに加えて、スリット22が図3のように、斜めに延在する2つのスリット21の各々に隣接するとともに材料部19の長手方向に対して垂直に延在するように形成される。材料部19の長手方向に延在するスリット23がスリット22の各々と隣接し、次いで各スリット22に対して平行に延在する追加のスリット24と隣接する。次いで2つのスリット24の端部が長手方向に延在するスリット25によって互いに接続される。
【0034】
スリット25のほぼ中央から始めて、追加のスリット26が次いでスリット24に平行且つそれらのスリット24の末端部を超えて延在し、次いで2つのスリット27,28が、スリット26の端部に隣接するとともに、長手方向に延在し、かつその各々の端部がほぼスリット24の基準線上にある。スリット27,28の端部はこの場合、以下に述べるキンク線31,32に相当する破線29,30を介してスリット24と接続する。
【0035】
以下に詳述するキンク線31,32に沿って折り曲げることが可能な基体35の部分33,34が、スリット24,25,26,27,28によって境界される。スリット状の開口部36がそれぞれ部分33,34内に形成されるとともに、材料部19の長手方向に沿って延在する。
【0036】
端部にタブ39,40が形成された基体35の舌状部37,38が、スリット22,23,24により更に形成される。
【0037】
材料部19の基体35はスリット20〜28によって2つの長手部41,42に分けられ、前記長手部は図4のように材料部19の長手方向に対して垂直に引き離すことが可能であるとともに、長手部41,42と一体的に形成されかつ長手部41,42の間の間隔をそれぞれ架橋する連結要素43を介して、その引き離された状態で互いに連結される。図4から認識できるように、2つの長手部の引き離しおよび部分33,34のキンク線29,30に沿った追加の折り曲げにより、材料部19の長手方向の縁部45,46によって境界された開口部44が、長手部41,42の間に形成される。
【0038】
この点についてはいずれの場合にも縁部45,46の第一の部分47が折曲部33,34により形成される一方、これに隣接する縁部45,46の第二の部分48が折曲されない舌状部37,38によって形成される。この点において折曲部33,34は、図1,2に記載のものと同様に、次いで図3の斜線領域で示す基体35の隣接部49,50と接触する。舌状部37,38の端部によってさらに隣接部51,52が形成され、隣接部49,50のように部分33,34の折り曲げ後に、折曲部33,34とともに基体35の二重層領域53,54を形成する。
【0039】
折曲部33,34が、それぞれ二重層領域53,54内の連結手段55,56を介して、隣接部49〜52に固定して接続される。この点においては連結手段55が一例としてリベット連結部として示されるが、既に冒頭に述べたその他の適切な連結手段として形成されてもよい。連結手段56は、図4の一例として、スリット状の開口部36と、舌状部37,38のタブ39,40と、によって形成される。このため、図4から認識できるように、タブ39,40が折り曲げられてスリット状の開口部36を通して押し出される。
【0040】
図5は、図3,4の材料部35から製造したC形の直立部分57を示す。この直立部分57は、それぞれ電線18もしくはその他の供給線を通すことが可能な複数の開口部44を含む。電線18が掛かる開口部44の縁部45は、部分34を折り曲げることにより、図5の右に示すその領域58だけが丸みのある縁部として形成されるため、電線18が縁部45の他の領域に寄り掛かる場合には、通された電線18が追加の防護手段なくダメージを受けるおそれがある。
【0041】
こうしたダメージを回避するために、図5の上の開口部44の図のように、縁部45の残りの部分に例えばフランジなどの湾曲部63が設けられる。
【0042】
さらに、もしくは任意選択的に、図5の中央の開口部の図のように、縁部45にカバー要素59が設けられる。カバー要素59は、例えば、図6に示す長手方向のスリットを有するスリーブの形状を有する。この場合、カバー要素59は単純に縁部45に差し込まれて、対応するクランプ効果により保持されるか、もしくはさらに挟み込まれるもしくは圧縮される。カバー要素59の上側は丸く形成されるため、電線18へのダメージが防止される。
【0043】
カバー要素は異なる形状を有することが可能であり、例えば、図7〜9のフック形のカバー要素60としても形成される。この点について、例えば、カバー要素60の延長された下側に突出した部分61や、リベット締め、あるいは冒頭に述べた種類の連結部のいずれかにより、カバー要素60の基体35への追加の締結が可能である。
【0044】
図5の下部に示すように、開口部44はその全縁部を対応するカバー要素62で覆うこともできる。従ってカバー要素62は、全般的に閉じられるとともに、それぞれカバー要素59,60と同様に縁部45ならびに縁部45に隣接する開口部44の縁部も保護するアイレットを形成する。
【0045】
図5に示す矩形とは対照的に、本質的に開口部に対応する丸い内部輪郭が実現できるように、カバー要素すなわちアイレットが丸い領域を有してもよい。このように、例えば、円形、楕円形、卵型、もしくは丸い角部を有する角張った形状が実現される。この点において、開口部自体は既に対応する丸い形状を有することができる。一方、開口部は、図5に例証として示す角張った形状とともに、その開口部に対応して形成されたカバー要素すなわちアイレットのみに形成された、例えば、角部と角部との間の領域に比べ、角部により大きな肉厚を有する、丸い内部輪郭を有することが可能である。
【0046】
図10は、図3の切削パターンが変更された、本発明の別の実施例を示す。簡略化のために、図3〜5の実施例との違いだけを以下に詳述する。この点について、図10〜13における、図3〜5と同一もしくは同様の要素には、同じ参照符号が付される。
【0047】
図10では、スリット64が、スリット21に接するとともに、それぞれ材料部19の長手方向に対して横方向に延在し、材料部19の中心線65のところまで、すなわち材料部19の上部及び下部における斜めに延在したスリット20,21によって形成される切削パターンの中央のところまで延在する。この点について、スリット64のうちの一方はスリット21から始まって中心線65の片側で終端するように延在し、もう一方のスリット64はスリット21から始まって中心線65に向かう方向に中心線65の反対側で終端するように延在する。
【0048】
中心線65に沿って走るとともに、次いでスリット64の反対側に延在しかつスリット64に平行に延在する更なるスリット67に隣接する、各スリット66が、スリット64に隣接する。各スリット67に対して垂直に延在する各スリット68が、スリット67の端部に形成されるとともに、互いに平行かつ材料部19の長手方向に平行に延在する。2つの各スリット68の中心が、スリット67に平行に延在するスリット69を介して互いに連結される。更にスリット68はそれぞれスリット67を超えて延在するとともに、破線で示すキンク線71を介して互いに連結された斜めに延在するスリット70で終端する。同様に、スリット67の端部が破線で示されるキンク線72を介してスリット68に接続される。
【0049】
図10から認識できるように、斜めに延在するとともに、スリット68,68,73の間に三角孔を形成するスリット73が、斜めに延在するスリット70に対応して、スリット68,69の間に形成される。斜めに延在するスリット70および斜めに延在するスリット73の両方が任意選択的に設けられ、結果としてもたらされる区画要素に鋭い隅が形成されるのを防ぐ。これらのスリットは概して省略されてもよい。鋭い隅を回避するように、スリット70,73が、例えば本質的に丸い角部を形成する湾曲したスリットに置き換えられてもよい。
【0050】
キンク線71,72、およびスリット68,70の間に境界された第2の部分76に隣接する第1の部分75が、スリット68,69、およびキンク線72の間に形成される。さらに、第3の部分77が、スリット66,67,68,70、およびキンク線71の間に形成される。
【0051】
図4に関して既に述べたのと同様に、図10に示す切削パターンの導入後、基体35の2つの長手部41,42が引き離される。それにより、図11に示すように、長手部41,42の間に間隔が生じ、連結要素43によって架橋される。
【0052】
続いて部分75がそれぞれキンク線72に沿って折り曲げられ、それにより図12に示す開口部78が形成される。
【0053】
更なるステップでは、既に一度折り曲げられた部分75が、今回初めて折り曲げられる部分76,77と一緒に、キンク線71に沿ってもう一度折り曲げられて、開口部78が図13に示すように最終寸法となる。折り曲げられた部分75,76,77は、基体35の隣接部79,80(図10参照)とともに、二重層もしくは三重層の領域81,82,83を形成し、その内部で折曲部75,76,77が連結手段84により隣接部79,80に接続される。この点について連結手段84は本発明の枠組み内で既に詳述した様々な方法で形成される。
【0054】
この実施例では、一つの部位だけでなく、材料部の長手方向の開口部78を境界する縁部87,88における2つの各部位85,86が、部分76,77の折り曲げ時にキンク線71に沿って形成されたキンク縁部により、丸みのある縁部となるように直接形成される。したがって、縁部87,88用のカバー要素もしくはアイレットは必ずしも必要ではない。しかしながら、概して言えば、既に述べたカバー要素やアイレットをこの実施例に付加的に用いてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…材料部
2…基体
3…基部
4…部分
5…リム
6…破線
7…直立部分
8…辺縁部
9…スリット
10…スリット
11…キンク線
12…折曲部
13…開口部
14…縁部
15…隣接部
16…二重層領域
17…連結手段
18…電線
19…材料部
20…スリット
21…スリット
23…スリット
24…スリット
25…スリット
26…スリット
27…スリット
28…スリット
29…破線
30…破線
31…キンク線
32…キンク線
33…折曲部
34…折曲部
35…基体
36…スリット状開口部
37…舌状部
38…舌状部
39…タブ
40…タブ
41…長手部
42…長手部
43…連結要素
44…開口部
45…縁部
46…縁部
47…縁部の第一の部分
48…縁部の第二の部分
49…隣接部
50…隣接部
51…隣接部
52…隣接部
53…二重層領域
54…二重層領域
55…連結手段
56…連結手段
57…直立部分
58…縁部領域
59…カバー要素
60…カバー要素
61…カバー要素の突出部分
62…カバー要素
63…湾曲部
64…スリット
65…中心線
66…スリット
67…スリット
68…スリット
69…スリット
70…スリット
71…キンク線
72…キンク線
73…スリット
74…孔
75…部分
76…部分
77…部分
78…開口部
79…隣接部
80…隣接部
81…三重層領域
82…三重層領域
83…二重層領域
84…連結手段
85…縁部の部位
86…縁部の部位
87…縁部
88…縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾式構造部、建物の正面部、漆喰部、スクリード部、もしくはタイル部の区画要素であって、金属もしくはプラスチックを備えるとともに少なくとも一つの開口部(13,44,78)が形成された細長い基体(2,35)を有する区画要素において、
前記開口部(13,44,78)が、前記基体(2,35)の長手方向の範囲に対して横方向に形成されるとともに少なくとも部分的に前記基体(2,35)の折曲部(12,33,34,75,76,77)によって形成された少なくとも一つの縁部(14,45,87,88)を含み、前記折曲部(12,33,34,75,76,77)が前記基体(2,35)の隣接部(15,49,50,51,52,79,80)とともに前記基体(2,35)の少なくとも二重の層の領域(16,53,54,81,82,83)を形成し、前記折曲部(12,33,34,75,76,77)が前記少なくとも二重層の領域(16,53,54,81,82,83)内で前記隣接部(15,49,50,51,52,79,80)と連結されて、該区画要素の長手方向範囲に対して横方向の剛性を増大させる、区画要素。
【請求項2】
前記縁部(14,45,87,88)が、前記基体(2,35)の前記長手方向の範囲に対して少なくとも局部的に実質的に垂直に延在することを特徴とする請求項1に記載の区画要素。
【請求項3】
前記折曲部(12,33,34,75,76,77)が、クリンチングもしくはクリンピングなどの圧縮接合処理、クランピング、絞り、プレス、溶接、ねじ留め、ボンド接合、もしくはリベット締めにより、前記隣接部(15,49,50,51,52,79,80)に連結されることを特徴とする請求項1または2に記載の区画要素。
【請求項4】
前記縁部(14)が、前記折曲部(12)により実質的にその全長に亘って形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の区画要素。
【請求項5】
前記縁部(45,87,88)の第一の部分(47,85)が、前記折曲部(33,34,75,76,77)によって形成されることを特徴とする請求項1,2,4のいずれかに記載の区画要素。
【請求項6】
前記基体(35)の折り曲げられていない部分(37,38)によって形成される前記縁部(45)の第2の部分(48)が、前記縁部(45)の前記第1の部分(47)と隣接することを特徴とする請求項5に記載の区画要素。
【請求項7】
前記折り曲げられていない部分(37,38)が、前記基体の前記隣接部(51,52)の少なくとも一部を形成することを特徴とする請求項6に記載の区画要素。
【請求項8】
前記縁部(87,88)の前記第1の部分(85)は、単層の折曲部(75)によって形成され、この第1の部分は、前記基体(35)の少なくとも二重層の折曲部(75,76;75,77)によって形成される前記縁部(87,88)の少なくとも一つの第2の部分(86)と隣接することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の区画要素。
【請求項9】
前記基体(35)が、2つの相互に離間された長手部(41,42)を含み、該長手部は、互いに平行に延在するとともに、前記長手部(41,42)と一体的に形成されかつそれぞれ前記長手部(41,42)の間の間隔を架橋する連結要素(43)を介して複数の連結点で互いに連結されており、前記開口部(44,78)が前記長手部の一方(41)から前記間隔を超えて前記長手部の他方(42)へと延在し、前記折曲部(33,34)が、前記長手部(41,42)の間の前記間隔を架橋する前記縁部の領域(45,87,88)を形成することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の区画要素。
【請求項10】
前記開口部(13,44,78)は、互いに対向する側に配置された、少なくとも2つの該開口部に対応して形成された縁部(14,45,87,88)を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の区画要素。
【請求項11】
前記区画要素は、C形の断面(7,57)、U形の断面、L形の断面、T形の断面、H形の断面、ハット形の断面もしくはZ形の断面として形成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の区画要素。
【請求項12】
前記縁部(45,87,88)にカバー要素(59,60,62)が少なくとも局部的に係合し、前記縁部が該カバー要素(59,60,62)によって包囲されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の区画要素。
【請求項13】
前記縁部(45,87,88)が少なくとも局部的に折曲部(63)を備え、特にフランジを備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の区画要素。
【請求項14】
前記開口部(13,44,78)は、電線もしくはその他の供給ラインの貫通開口部として形成されることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の区画要素。
【請求項15】
複数の開口部(13,44,78)が、前記基体(2,35)の長手方向に分散して配置されるように設けられることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の区画要素。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の区画要素の製造方法であって、
基体(2,35)の一部(12,33,34,75,76,77)を展開するためのスリット(9,10,24,25,26,27,28,66,67,68,69,70,73)を該基体(2,35)に導入し、前記基体(2,35)に開口部(13,44,78)を形成するようにその一部(12,33,34,75,76,77)を展開して、前記基体(2,35)の長手方向範囲に対して横方向に延在するとともに前記スリット(9,10,24,25,26,27,28,66,67,68,69,70,73)のうちの少なくとも幾つかをつなぐキンク線(11,31,32,71,72)に沿って、その一部を折り曲げ、その折り曲げられた部分(12,33,34,75,76,77)が前記基体(2,35)の隣接部(15,49,50,51,52,79,80)とともに前記基体(2,35)の少なくとも二重の層の領域(16,53,54,81,82,83)を形成するまで折り曲げ、その折曲部(12,33,34,75,76,77)を前記少なくとも二重層の領域(16,53,54,81,82,83)内で前記隣接部(15,49,50,51,52,79,80)に接続させて、区画要素の長手方向の範囲に対して横方向の剛性を増大させることを特徴とする区画要素の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2013−503272(P2013−503272A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525896(P2012−525896)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004716
【国際公開番号】WO2011/023277
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(510125914)プロテクトルヴェルク フロレンツ マイシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コムパニー コマンディトゲゼルシャフト (5)
【Fターム(参考)】