説明

医用画像撮像装置用ワークフロー通知システム、医用画像撮像装置、医用画像撮像装置用ワークフロー通知方法、および医用画像撮像装置用ワークフロー通知プログラム

【課題】患者、放射線科医師、看護士等通知対象者の属性に応じて、医用画像撮像装置が有する情報を適切なタイミングで通知し、病院のワークフローを改善する。
【解決手段】医用画像撮像装置のプロセサ上でソフトウェアコンポーネントであるディスパッチ・エージェントが実行される。通知対象者の属性に応じたオブザーバ・エージェントが動いている各種のオブザーバ端末(携帯電話等)は、通知して欲しい情報(イベント)をディスパッチ・エージェントに登録する。ディスパッチ・エージェントは、プロセサで実行中の各種の処理プロセスを監視し、登録されたイベントの発生を検出すると、その発生をオブザーバ端末に通知する。ディスパッチ・エージェントもプロセサで実行されるプロセスの一種であるため、各種の処理プロセスを監視してもネットワークのトラフィックは増加しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像撮像装置用ワークフロー通知システム、医用画像撮像装置、医用画像撮像装置用ワークフロー通知方法、および医用画像撮像装置用ワークフロー通知プログラムに関する。詳しくは、MRI装置やCTスキャナ、超音波診断装置等の医療分野における医用画像撮像装置の撮像情報が必要な人に対し、通知対象者の属性に応じて必要かつ十分な情報を適切なタイミングで通知する医用画像撮像装置用ワークフロー通知システム、医用画像撮像装置、医用画像撮像装置用ワークフロー通知方法、および医用画像撮像装置用ワークフロー通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院では、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)と放射線科情報システム(RIS:Radiology Information System)が運用されている。ここで、HISは患者の受付や個人情報(氏名、年齢、住所、来院履歴、治療状況)の管理、診療費の会計処理までをコンピュータ上で行うシステムであり、RISはHISと連携し、放射線検査の予約、検査受付、検査データの読影、保管、医事請求までを一貫して行うシステムである。
【0003】
また、病院では、MRI装置やCTスキャナ、超音波診断装置等の異なった種類の医用画像撮像装置(モダリティ)が使われている。これらの医用画像撮像装置を、ネットワークや画像保存媒体で相互に接続して、患者の画像検査情報のやり取りや、画像データの伝送を可能とするために、医用ディジタル画像と通信に関する標準規格としてDICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)が制定されている。医用画像撮像装置は、DICOM MWM(Modality Worklist Management)に従ってHIS/RISから患者名や検査種別等の検査オーダー情報を受け取り、DICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)に従って検査の進捗状況や実施済み検査情報をHIS/RISに送る(たとえば、特許文献1の段落[0002]〜[0012]参照)。
【特許文献1】特開2005−261952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医用画像撮像装置からHIS/RISに対し、実施中、完了、中断、延期等の撮像進捗状況や実施済み検査情報は送られるが、検査の残り推定時間や撮像済み枚数、撮像予定枚数等の撮像中のリアルタイムの情報は提供されていない。
また、看護士への検査情報等の通知は電話やページャ(ポケベル)等で行われているため、通知を発する検査技師等に手間がかかる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、患者、放射線科医師、看護士等通知対象者の属性に応じて、患者の待ち推定時間、実施済み検査情報、次の患者の検査開始時刻等医用画像撮像装置が有する情報を適切なタイミングで通知し、病院のワークフローを改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムは、ネットワークに接続された医用画像撮像装置と複数のオブザーバ端末が含まれ、当該医用画像撮像装置に含まれるプロセサが複数の処理プロセスを実行し、当該処理プロセスが当該処理プロセスごとのイベントを発生させるシステムであって、上記オブザーバ端末が、上記医用画像撮像装置に対し、上記ネットワークを介して所定の上記イベントの登録リクエストを送信し、上記医用画像撮像装置が、上記オブザーバ端末から送信される上記登録リクエストを、上記ネットワークを介して受け付け、上記プロセサで実行中の上記処理プロセスを監視し、登録された上記イベントの発生を検出すると、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に通知メッセージを送信し、上記オブザーバ端末が、上記医用画像撮像装置から上記通知メッセージを受信する。
【0006】
好適には、本発明の医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムは、上記医用画像撮像装置が、上記通知メッセージを送信した後、それ以降上記イベントが発生しないときはオブザーバ端末に終了メッセージを送信し、または、それ以降も更に上記イベントが発生するときは、上記プロセサで実行中の上記処理プロセスの監視を継続し、登録された上記イベントの発生を検出すると、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に再度通知メッセージを送信し、上記オブザーバ端末が、上記医用画像撮像装置から上記終了メッセージまたは上記通知メッセージを受信する。
【0007】
好適には、本発明の医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムは、上記医用画像撮像装置が、上記オブザーバ端末から送信される上記イベントの上記登録リクエストを受信すると、上記オブザーバ端末の属するクラスにおいて通知が許可されているイベントの登録か否か判定し、通知が許可されているイベントの登録であるとき、プロセサで実行中の上記処理プロセスを調べ、すでに発生しているイベントであるか否か判定し、すでに発生しているイベントであるときは、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に通知メッセージを送信し、または、まだ発生していないイベントであるとき、上記オブザーバ端末に受付メッセージを送信し、上記オブザーバ端末が、上記医用画像撮像装置から上記通知メッセージまたは上記受付メッセージを受信する。
【0008】
好適には、本発明の医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムは、ネットワークに接続された少なくとも2台の医用画像撮像装置と認証サーバが含まれ、上記オブザーバ端末が、上記認証サーバに所定の医用画像撮像装置を対象とする認証リクエストを送信し、上記認証サーバが、上記認証リクエストを受信すると、上記オブザーバ端末が認証されるべきオブザーバ端末であるか否かを判定し、認証されるべきオブザーバ端末であるときは第1の認証許可メッセージを、上記認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末に送信し、上記認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末が、上記第1の認証許可メッセージを受信すると、上記所定の医用画像撮像装置に対して上記登録リクエストを送信することが可能となり、上記認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末が認証されるべきオブザーバ端末であるときは、上記認証サーバが、更に上記オブザーバ端末の属するクラスを判定し、第2の認証許可メッセージと当該クラスを、上記認証リクエストの対象である所定の医用画像撮像装置に送信し、上記認証リクエストの対象である上記所定の医用画像撮像装置が、上記第2の認証許可メッセージと上記クラスを受信すると、上記所定の医用画像撮像装置が上記認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末からの上記登録リクエストを受け付けることが可能となる。
【0009】
好適には、本発明の医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムは、上記オブザーバ端末が、ページャの電話番号が登録された受付オブザーバ端末を含み、上記受付オブザーバ端末が、上記医用画像撮像装置から上記通知メッセージを受信すると、上記登録されたページャの電話番号に電話する。
【0010】
また、本発明の医用画像撮像装置は、ネットワークに接続され、プロセサを含み、当該プロセサが複数の処理プロセスを実行し、当該処理プロセスが当該処理プロセスごとのイベントを発生させる医用画像撮像装置であって、オブザーバ端末からの所定のイベントの登録リクエストを、上記ネットワークを介して受け付ける登録部と、上記プロセサで実行中の上記処理プロセスを監視し、上記登録されたイベントの発生を検出するように構成されている監視部と、上記監視部によって上記登録されたイベントの発生が検出されると、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に通知メッセージを送信するように構成されている通知部とを有する。
【0011】
好適には、本発明の医用画像撮像装置は、上記通知部が、上記通知メッセージを送信した後、それ以降上記イベントが発生しないときはオブザーバ端末に終了メッセージを送信し、または、それ以降も更に上記イベントが発生するときは、上記監視部に移行し、上記監視部が、上記プロセサで実行中の上記処理プロセスの監視を継続し、登録された上記イベントの発生を検出すると、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に再度通知メッセージを送信する。
【0012】
好適には、本発明の医用画像撮像装置は、上記登録部が、上記オブザーバ端末から送信される上記所定のイベントの上記登録リクエストを受信すると、上記オブザーバ端末の属するクラスにおいて通知が許可されているイベントの登録か否か判定し、通知が許可されているイベントの登録であるとき、プロセサで実行中の上記処理プロセスを調べ、すでに発生しているイベントであるか否か判定し、すでに発生しているイベントであるときは、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に通知メッセージを送信し、または、まだ発生していないイベントであるとき、上記オブザーバ端末に受付メッセージを送信する。
【0013】
好適には、本発明の医用画像撮像装置は、上記オブザーバ端末から認証リクエストを受信すると、上記オブザーバ端末が認証されるべきオブザーバ端末であるか否かを判定し、認証されるべき上記オブザーバ端末であるときは、第1の認証許可メッセージを、当該認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末に送信するとともに、当該認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末の所属するクラスを判定するように構成されている認証・クラス分類部を有する。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、患者、放射線科医師、看護士等通知対象者の属性に応じて、患者の待ち推定時間、実施済み検査情報、次の患者の検査開始時刻等医用画像撮像装置の有する情報を適切なタイミングで通知することが可能となり、無駄な待ち時間と手間を省き、病院のワークフローを改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態である医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムの一例を示す図である。ネットワーク10に有線で接続されるMRI装置20やCTスキャナ30等の医用画像撮像装置と放射線科医師用オブザーバ端末51や受付用オブザーバ端末54等のオブザーバ端末、および無線LAN基地局60を介して無線で接続される超音波診断装置31等の医用画像撮像装置と看護士用オブザーバ端末52、患者用オブザーバ端末53、フィールドエンジニア用オブザーバ端末55等のオブザーバ端末で構成される。
【0016】
MRI装置20、CTスキャナ30、超音波診断装置31等の医用画像撮像装置はプロセサを有しており、プロセサ上でソフトウェアコンポーネントであるディスパッチ・エージェントが実行される。ディスパッチ・エージェントは、各種のオブザーバ端末に対してオブザーバ端末が要求する情報を適切なタイミングで通知する。なお、本発明が適用される医用画像撮像装置はネットワークに接続されており、プロセサを含むものであれば良く、MRI装置20、CTスキャナ30、超音波診断装置31以外のものであっても良い。
【0017】
ネットワークに接続されるパソコン、携帯電話、PDA等の端末でソフトウェアコンポーネントであるオブザーバ・エージェントが起動されると、これらの端末がオブザーバ端末となる。各オブザーバ端末はディスパッチ・エージェントに対し、ネットワークを介して取得したい情報を登録する。医用画像撮像装置のプロセサが各種の処理プロセスを実行しているとき、登録した情報が発生すると、各オブザーバ端末はディスパッチ・エージェントからネットワークを介して発生した情報の通知を受ける。
【0018】
なお、パソコン、携帯電話、PDA等に限られず、ネットワークに接続されており、オブザーバ・エージェントを実行できるものであればオブザーバ端末となる。また、1台のパソコン等の上で2つ以上のオブザーバ・エージェントが同時に実行されても良い。例えば、1台のパソコン上で放射線科医師用オブザーバ・エージェントと看護士用オブザーバ・エージェントが同時に実行される場合や、複数の受付用オブザーバ・エージェントが同時に実行される場合である。携帯電話やPDA等でも同様に2つ以上のオブザーバ・エージェントが同時に実行されても良い。例えば、1台のパソコンであっても、その上で放射線科医師用オブザーバ・エージェントと看護士用オブザーバ・エージェントが同時に実行されている場合、放射線科医師用オブザーバ端末と看護士用オブザーバ端末が同時に存在するとみなされる。
【0019】
ネットワークは、病院内のイントラネットの他、インターネットを含む。従って、オブザーバ端末は病院外でもディスパッチ・エージェントから通知を受けることができる。
【0020】
図2は、医用画像撮像装置の一例であるMRI装置20の構成を示す図である。MRI装置20は、マグネットシステム21、RF駆動部22、傾斜磁場駆動部23、データ収集部24、制御部25、クレードル26、オペレータコンソール27を有している。
【0021】
マグネットシステム21は、図2に示すように、概ね円柱状の内部空間(ボア)211を有し、ボア211内には、クッションを介して被検体40を載せたクレードル26が図示しない搬送部によって搬入される。
【0022】
マグネットシステム21内には、ボア211内のマグネットセンタ(走査する中心位置)の周囲に、静磁場発生部212、傾斜磁場コイル部213、及びRFコイル部214が配置されている。静磁場発生部212は、ボア211内に静磁場を形成する。静磁場の方向は、例えば、被検体40の体軸方向と平行である。傾斜磁場コイル部213は、RFコイル部214が受信する磁気共鳴信号に3次元の位置情報を持たせるために、静磁場発生部212が形成した静磁場の強度に勾配を付ける傾斜磁場を発生する。RFコイル部214は、静磁場発生部212が形成した静磁場空間内で被検体40の体内のスピンを励起するための高周波磁場を形成する。また、RFコイル部214は、被検体40の体内に励起されたスピンが生じる電磁波を磁気共鳴信号として受信する。
【0023】
RF駆動部22は、制御部25の指示に基づいて駆動信号DR1をRFコイル部214に与えて高周波磁場を発生させて、被検体40の体内のスピンを励起する。傾斜磁場駆動部23は、制御部25の指示に基づいて駆動信号DR2を傾斜磁場コイル部213に与えて傾斜磁場を発生させる。データ収集部24は、RFコイル部214によって受信した磁気共鳴信号を取り込み、A/D変換等を行って、オペレータコンソール27に出力する。
【0024】
制御部25は、オペレータコンソール27から送られてくる実行すべきプロトコルに即し、所定のパルスシーケンスに従って駆動信号DR1と駆動信号DR2を与えるようにRF駆動部22と傾斜磁場駆動部23を制御する。更に、制御部25は、データ収集部24を制御する。
【0025】
図3は、MRI装置のオペレータコンソール27の詳細な構成の一例を示す図である。オペレータコンソール27には、プロセサ271、メモリ272、画像処理データベース273、画像データベース274、操作部275、モニタ276、制御部インタフェース277、データ収集部インタフェース278、ネットワークインタフェース279が含まれる。
【0026】
プロセサ271は、ディスパッチ・エージェントを実行する。また、被検体40の被検部位に対応した実行すべきプロトコルを制御部インタフェース277から制御部25に送る。更に、プロセサ271は、RFコイル部214で受信さた磁気共鳴信号に基づいて、画像再構成処理を行う。
【0027】
画像処理データベース273と画像データベース274は、例えば記録再生可能なディスク装置等により構成される。画像処理データベース273には、ディスパッチ・エージェントプログラム、画像処理アプリケーションプログラム、画像処理プロトコルデータ等が記録される。また、画像データベース274にはデータ収集部24で収集されたデータや再構成画像データが記録される。なお、画像処理データベース273と画像データベース274は共通のディスク装置等により構成されていても良い。
【0028】
操作部275は、キーボードやマウス等により構成され、モニタ276は、グラフィックディスプレイ等により構成される。
【0029】
制御部インタフェース277は、制御部25と接続されており、制御部25に実行すべきプロトコルを送る。データ収集部インタフェース278は、データ収集部24と接続されており、データ収集部24からディジタル化された磁気共鳴信号を受け取る。
【0030】
ネットワークインタフェース279はネットワーク10に接続され、ディスパッチ・エージェントとオブザーバ・エージェント間の通信データを送受信する。またHIS/RISや各種サーバとの間で通信データを送受信する。
【0031】
プロセサ271で実行されるディスパッチ・エージェントは、他の処理プロセスを監視しており、MRI装置等の医用画像撮像装置で行われる全ての操作や計画されるスキャンを把握している。例えば、MRI装置のディスパッチ・エージェントが把握している情報は、(1)患者ごとのスキャン合計時間の推定、(2)位置決め/プリスキャン/スキャン/アイドル等のMRI装置の動作状態、(3)スキャン中/スキャン済みの患者情報、(4)再構成された画像の枚数、(5)画品質チェックのためにレビューされた画像枚数、(6)ネットワークで転送された画像枚数、(7)印刷された画像枚数、(8)後処理された画像枚数、(9)Logされたエラーメッセージ/警告、等である。
【0032】
オブザーバ端末は一つもしくは複数のクラスに所属する。クラスには放射線科医師クラス、他科医師クラス、看護士クラス、患者クラス、受付クラス、会計クラス、フィールドエンジニアクラス等がある。放射線科医師用オブザーバ端末51、他科医師用オブザーバ端末、看護士用オブザーバ端末52、患者用オブザーバ端末53、受付用オブザーバ端末54、会計用オブザーバ端末、フィールドエンジニア用オブザーバ端末55は、それぞれ放射線科医師クラス、他科医師クラス、看護士クラス、患者クラス、受付クラス、会計クラス、フィールドエンジニアクラスに所属するオブザーバ端末である。
【0033】
各オブザーバ端末がディスパッチ・エージェントから通知を受けることができる情報はクラスによって異なる。例えば放射線科医師クラスのオブザーバ端末は全ての患者の全ての情報に関する通知を受けることができる。また、患者クラスのオブザーバ端末は他の患者の情報は得られないが、ディスパッチ・エージェントによって計算された待ち推定時間は得られる。つまり、各オブザーバ端末がディスパッチ・エージェントから通知を受けることができる情報はオブザーバ端末が所属しているクラスごとに異なる。このため、例えば、患者が他の患者の病状を知ること等を防止でき、患者のプライバシーを守ることができる。
【0034】
本明細書、特許請求の範囲、及び図面では、オブザーバ端末がディスパッチ・エージェントに対して通知を受けるために登録する情報をイベントという。ディスパッチ・エージェントはイベントが発生すると、オブザーバ端末に通知する。イベントの例としては、例えば「患者Aの撮像開始まで10分」、「スキャン開始」、「スキャン終了」、「腹部再構成画像完成」、「患者Bの撮像終了まで5分」等がある。所属するクラスで通知を制限されていないイベントを通知が許可されているイベント、所属するクラスで通知を制限されているイベントを通知が許可されていないイベントという。
【0035】
図4は、ディスパッチ・エージェントの処理を示すブロック図である。ディスパッチ・エージェントは認証・クラス分類部70、登録部71、監視部72、通知部73、暗号化部74、復号部75の6つのブロックで構成される。
【0036】
認証・クラス分類部70は、認証を要求するオブザーバ端末が認証されるべきオブザーバ端末であるか否かを判定し、認証されるべきオブザーバ端末であるときは、更に、オブザーバ端末の所属するクラスを判定する。認証・クラス分類部70は、まず、オブザーバ・エージェントからIDとパスワードを含む認証リクエストを受信する。次に、IDとパスワードに基づいて認証し、IDに基づいてクラス分類を行う。そして、オブザーバ・エージェントに認証メッセージを送信する。なお、認証メッセージの内容は、許可または拒否のいずれかである。
【0037】
登録部71は、オブザーバ端末からイベントの登録を受け付ける。登録部71は、まず、オブザーバ端末から特定のイベントの登録リクエストを受信する。次に、オブザーバ端末の属するクラスにおける通知が許可されているイベントの登録か否か判定する。通知が許可されていないイベントの登録であるとき、登録部71は、オブザーバ端末にエラーメッセージを送信する。エラーメッセージの内容は、「XXクラスでは、このイベントの登録は許可されていません。」等である。通知が許可されているイベントの登録であるとき、登録部71は、プロセサで実行中の処理プロセスを調べ、すでに発生しているイベントであるか否か判定する。すでに発生しているイベントであるときは、登録部71から通知部73に移行する。まだ発生していないイベントであるとき、登録部71は、オブザーバ端末に受付メッセージを送る。
【0038】
監視部72は、プロセサで実行中の処理プロセスを監視し、イベントの発生を検出する。ここで、ディスパッチ・エージェントもプロセサで実行されるプロセスの一種である。このため、監視部72はプロセサ内に閉じて実行される。仮に監視部72が医用画像撮像装置とは別の監視サーバで動くとすると、イベントが生じていない場合であっても監視サーバは医用画像撮像装置にイベントの発生の有無を問い合わせ、医用画像撮像装置はイベントが生じていないことを返信しなければならない。この問い合わせと返信のために、医用画像撮像装置内のプロセサは通信プロセスを実行しなければならず、プロセサの処理負荷が増大する。更に、監視サーバと医用画像撮像装置の間でイベントが生じていないことを通知するための通信が頻繁に発生し、ネットワーク10のトラフィックが増加する。しかし、本実施形態によれば、ネットワーク10上での通信が発生するのは、イベントが生じたときのみであり、イベントが生じていない場合、医用画像撮像装置内のプロセサはプロセサ内に閉じた処理を実行するだけである。このため、プロセサにおける処理負荷の増加は少なく、また、ネットワーク10のトラフィックは増加しない。
【0039】
通知部73は、オブザーバ端末にイベントが発生したことを通知する。通知部73は、登録部71によってすでに発生しているイベントであると判定されたとき、および監視部72によってイベントの発生が検出されたとき、オブザーバ端末に通知メッセージを送信する。それ以降もイベントが生じるときは、通知部73から監視部72に移行して処理プロセスの監視を継続し、それ以降イベントが生じないときはオブザーバ端末に終了メッセージを送信する。なお、それ以降もイベントが生じるときの例としては、例えば、登録されるイベントが「撮影中のシリーズと再構成された画像の枚数をリアルタイムで取得」であるとき、シリーズがまだ継続する場合である。この場合、監視部72が「新たな画像が再構成される」というイベントの発生を検出するごとに、通知部73はオブザーバ端末に通知メッセージを送信する。
【0040】
暗号化部74は、メッセージを暗号化する。認証・クラス分類部70、登録部71、および通知部73から受け取った認証メッセージ、エラーメッセージ、受付メッセージ、通知メッセージ、および終了メッセージを暗号化してオブザーバ端末に送信する。また、復号部75は、暗号化されたリクエストを復号する。オブザーバ端末から受信する暗号化された認証リクエストと登録リクエストを復号し、認証・クラス分類部70と登録部71に渡す。
【0041】
図5は、ディスパッチ・エージェントの処理フローを示す図である。ディスパッチ・エージェントの処理は以下の通りである。
【0042】
認証・クラス分類過程:ディスパッチ・エージェントはオブザーバ・エージェントからIDとパスワードを含む認証リクエストを受信する(ステップST1)。ディスパッチ・エージェントは暗号化された認証リクエストを復号してIDとパスワードに基づいて認証し(ステップST2)、IDに基づいてクラス分類を行う(ステップST3)。ディスパッチ・エージェントはオブザーバ・エージェントに認証メッセージを送信する(ステップST4)。
【0043】
登録過程:ディスパッチ・エージェントは、オブザーバ・エージェントからイベントの登録リクエストを受信する(ステップST5)。ディスパッチ・エージェントは暗号化された登録リクエストを復号し、オブザーバ端末の属するクラスにおける通知が許可されているイベントの登録リクエストか否か判定する(ステップST6)。通知が許可されていないイベントの登録リクエストであるとき、ディスパッチ・エージェントはオブザーバ・エージェントにエラーメッセージを送信する(ステップST7)。通知が許可されているイベントの登録リクエストであるとき、ディスパッチ・エージェントはプロセサで実行中の処理プロセスを調べ、登録リクエストのイベントがすでに発生しているイベントであるか否か判定する(ステップST8)。すでに発生しているイベントであるときは、後述する通知過程のステップST11に移動する。まだ発生していないイベントであるとき、ディスパッチ・エージェントはオブザーバ・エージェントに受付メッセージを暗号化して送信する(ステップST9)。
【0044】
監視過程:ディスパッチ・エージェントはプロセサで実行中の処理プロセスを監視し、イベントを検出する(ステップST10)。
【0045】
通知過程:ディスパッチ・エージェントはイベントを検出すると、オブザーバ・エージェントに通知メッセージを暗号化して送信する(ステップST11)。ディスパッチ・エージェントは、それ以降もイベントが生じるときは、ステップST10に戻り(ステップST12)、それ以降イベントが生じないときはオブザーバ・エージェントに終了メッセージを暗号化して送信する(ステップST13)。
【0046】
図6は、オブザーバ・エージェントの処理フローを示す図である。オブザーバ・エージェントの処理は以下の通りである。
【0047】
認証過程:オブザーバ・エージェントはディスパッチ・エージェントにIDとパスワードを含む認証リクエストを暗号化して送信する(ステップST20)。オブザーバ・エージェントはディスパッチ・エージェントから暗号化された認証メッセージを受信する(ステップST21)。オブザーバ・エージェントは認証メッセージを復号してその内容を判定し(ステップST22)、拒否であるとき、オブザーバ・エージェントは正しいIDとパスワードを含む認証リクエストを再度送信するか、または終了するかをユーザに選択させる(ステップST23)。
【0048】
登録過程:認証メッセージの内容が許可であるとき、オブザーバ・エージェントはディスパッチ・エージェントに特定のイベントの登録リクエストを暗号化して送信する(ステップST24)。オブザーバ・エージェントはディスパッチ・エージェントが返送するメッセージを受信するのを待つ(ステップST25)。オブザーバ・エージェントは受信したメッセージがエラーメッセージであるか判定し(ステップST26)、エラーメッセージであるとき、オブザーバ・エージェントは正しい登録リクエストを再度送信するか、または終了するかをユーザに選択させる(ステップST27)。受信したメッセージがエラーメッセージではないとき、オブザーバ・エージェントは受付メッセージであるか通知メッセージであるか判定し(ステップST28)、受付メッセージであるとき、オブザーバ・エージェントは受付メッセージの内容を画面に表示する(ステップST29)。通知メッセージであるときは、後述するステップST32に移動し、オブザーバ・エージェントは通知メッセージの内容を画面に表示する(ステップST32)。
【0049】
監視過程:オブザーバ・エージェントはディスパッチ・エージェントからの通知メッセージまたは終了メッセージを待つ(ステップST30)。
【0050】
通知過程:オブザーバ・エージェントはディスパッチ・エージェントから受信したメッセージを復号し、通知メッセージであるか終了メッセージであるかを判定する(ステップST31)、受信したメッセージが通知メッセージであるとき、オブザーバ・エージェントは通知メッセージの内容を画面に表示し、ステップST30に戻る(ステップST32)。受信したメッセージが終了メッセージであるとき、オブザーバ・エージェントは終了メッセージの内容を画面に表示し、終了する(ステップST33)。
【0051】
なお、通知メッセージは、ブザー音、振動、ランプの点滅、アイコンの点滅等の注意喚起シグナルとともに、オブザーバ端末の画面に表示される。
【0052】
また、受付メッセージ、通知メッセージ、終了メッセージは必ずしも全ての文章がテキストデータである必要はなく、メッセージが定型的文章である場合には定型的文章に文章番号を割り当ててその番号を送信し、オブザーバ端末側でテキストデータに変換しても良いことは言うまでもない。また、上記では、オブザーバ・エージェントとディスパッチ・エージェント間の通信は暗号化されるとしたが、メッセージの内容によっては暗号化せず平文で送信するようにしても良い。
【0053】
以下に、本発明に係る医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムの実施例を示す。
【実施例1】
【0054】
看護士が撮像の終了した患者Aを迎えに行くタイミングを知りたい場合、看護士は、携帯電話のオブザーバ・エージェントを起動し、「患者Aの撮像終了3分前」というイベントの登録リクエストをディスパッチ・エージェントに送信する。MRI装置20のディスパッチ・エージェントが登録を受け付けると、受付メッセージを返す。そして、患者Aの撮像の終了が近づき、「患者Aの撮像終了3分前」というイベントが発生したとき、看護士用オブザーバ端末(携帯電話)52に「患者Aの撮像終了3分前です。」の通知メッセージを送信する。この通知メッセージにより、看護士は、患者Aの撮像がまもなく終了することを知り。患者Aを迎えに行く。
【実施例2】
【0055】
救急のMR検査の際、放射線科医師は画像が撮れたらすぐに画像を基に診断しなければいけない。そこで、放射線科医師コンソールのオブザーバ・エージェントを起動し、「撮影中のシリーズと再構成された画像の枚数をリアルタイムで取得」というイベントの登録リクエストを送信する。MRI装置20のディスパッチ・エージェントが登録を受け付けると、その時点の「撮影中のシリーズと再構成された画像の枚数」を通知する通知メッセージを直ちに返す。その後、MRI装置20のディスパッチ・エージェントは画像が再構成されるというイベントが発生するごとに「撮影中のシリーズと再構成された画像枚数」を通知する通知メッセージを送信する。この通知メッセージが放射線科医師用オブザーバ端末(放射線科医師コンソール)51に届くことにより、放射線科医師は撮影中のシリーズと再構成画像枚数を、放射線科医師コンソールが設置された診察室で知ることができるので、検査の進捗をリアルタイムで観察できる。重要な画像が再構成されたとき、放射線科医師はMRI装置20から再構成画像を転送し、診断する。
【実施例3】
【0056】
図7は、図1の医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムと電話ネットワーク80の関係を示す図である。図7では、図1の医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムに電話ネットワーク80、ページャ基地局81、及びページャ82が追加される。受付の担当者はMRI装置20の検査までの待ち時間を知るために、患者識別コードとページャの電話番号を登録して、受付端末のオブザーバ・エージェントを起動し、ディスパッチ・エージェントに「前の患者の撮像終了5分前」というイベントの登録リクエストを送信する。この登録リクエストには、患者を識別するための患者識別コードが含まれる。患者識別コードはオブザーバ端末を識別するためのIDとは異なり、患者ごとに付与される。患者には患者識別コードに対応するページャ82を渡す。MRI装置20のディスパッチ・エージェントは前の患者の残りスキャン推定時間が5分というイベントが発生したとき、受付用オブザーバ端末(受付端末)54に「前の患者の撮像終了5分前」の通知メッセージを送信する。この通知メッセージには次に撮像する患者の患者識別コードが含まれている。この通知メッセージを受けると、受付用オブザーバ端末54は、受付用オブザーバ端末54の画面に通知メッセージの内容を表示するとともに、自動的に患者識別コードに対応するページャ82の電話番号に電話する。ページャ82のベルが鳴ることにより、患者はMRI装置20の検査開始時刻が近いことを知る。
【0057】
なお、登録リクエストと通知メッセージには患者識別コードが含まれておらず、受付端末上で、患者ごとに異なるIDのオブザーバ・エージエントを起動する構成としても良い。
【実施例4】
【0058】
フィールドエンジニアは、MRI装置20を調査できる時刻を知るために、携帯電話のオブザーバ・エージェントを起動し、ディスパッチ・エージェントに「全ての撮像終了」というイベントの登録リクエストを送信する。MRI装置20のディスパッチ・エージェントが登録を受け付けると、「全ての撮像終了まで○○時間××分を予定しています。」という通知メッセージをフィールドエンジニア用オブザーバ端末(携帯電話)55に返す。そして、全ての撮像が終了するというイベントが発生したとき、「全ての撮像が終了しました。」という通知メッセージを送信する。この通知メッセージをフィールドエンジニア用オブザーバ端末55で受けることにより、フィールドエンジニアは全ての撮像が終了したことを知り、MRI装置20の調査を開始する。
【0059】
図8は、本発明の第2の実施形態である医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムの一例を示す図である。ネットワーク10に認証サーバ90が接続される。図9は、図8の実施形態におけるディスパッチ・エージェントの処理を示すブロック図である。登録部71、監視部72、通知部73、暗号化部74、復号部75は第1の実施形態と共通である。しかし、複数の医用画像撮像装置における認証・クラス分類過程の処理を認証サーバ90で集中して行うため、ディスパッチ・エージェントに認証・クラス分類部70が無い点が第1の実施形態と異なる。オブザーバ端末が認証リクエストを認証サーバ90に送信すると、認証サーバ90は認証を要求するオブザーバ端末が認証されるべきオブザーバ端末であるか否かを判定し、認証されるべきオブザーバ端末であるときは、更にオブザーバ端末の所属するクラスを判定する。認証されるべきオブザーバ端末であるときは、認証サーバ90は、認証を要求したオブザーバ端末に許可という内容の認証メッセージを送信し、また、認証を要求された医用画像撮像装置のディスパッチ・エージェントに許可という内容の認証メッセージとオブザーバ端末の属するクラスを送信する。認証されるべきオブザーバ端末でないときは、認証サーバ90は認証を要求したオブザーバ端末に拒否という内容の認証メッセージを送る。認証サーバ90によって認証データとクラス分類データを一括して管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施形態である医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムの一例を示す図である。
【図2】医用画像撮像装置の一例であるMRI装置20の構成を示す図である。
【図3】MRI装置のオペレータコンソール27の詳細な構成の一例を示す図である。
【図4】ディスパッチ・エージェントの処理を示すブロック図である。
【図5】ディスパッチ・エージェントの処理フローを示す図である。
【図6】オブザーバ・エージェントの処理フローを示す図である。
【図7】図1の医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムと電話ネットワーク80の関係を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態である医用画像撮像装置用ワークフロー通知システムの一例を示す図である。
【図9】図8の実施形態におけるディスパッチ・エージェントの処理を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
10…ネットワーク、20…MRI装置、27…オペレータコンソール、271…プロセサ、30…CTスキャナ、31…超音波診断装置、51…放射線化医師オブザーバ端末、52…看護士オブザーバ端末、53…患者オブザーバ端末、54…受付オブザーバ端末、55…フィールドエンジニア用オブザーバ端末、60…無線LAN基地局、70…認証・クラス分類部、71…登録部、72…監視部、73…通知部、80…電話ネットワーク、81…ページャ基地局、82…ページャ、90…認証サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された医用画像撮像装置と複数のオブザーバ端末が含まれ、当該医用画像撮像装置に含まれるプロセサが複数の処理プロセスを実行し、当該処理プロセスが当該処理プロセスごとのイベントを発生させるシステムであって、
上記オブザーバ端末が、上記医用画像撮像装置に対し、上記ネットワークを介して所定の上記イベントの登録リクエストを送信し、
上記医用画像撮像装置が、上記オブザーバ端末から送信される上記登録リクエストを、上記ネットワークを介して受け付け、上記プロセサで実行中の上記処理プロセスを監視し、登録された上記イベントの発生を検出すると、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に通知メッセージを送信し、
上記オブザーバ端末が、上記医用画像撮像装置から上記通知メッセージを受信する
医用画像撮像装置用ワークフロー通知システム。
【請求項2】
上記医用画像撮像装置が、上記通知メッセージを送信した後、それ以降上記イベントが発生しないときはオブザーバ端末に終了メッセージを送信し、または、それ以降も更に上記イベントが発生するときは、上記プロセサで実行中の上記処理プロセスの監視を継続し、登録された上記イベントの発生を検出すると、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に再度通知メッセージを送信し、
上記オブザーバ端末が、上記医用画像撮像装置から上記終了メッセージまたは上記通知メッセージを受信する
請求項1に記載の医用画像撮像装置用ワークフロー通知システム。
【請求項3】
上記医用画像撮像装置が、上記オブザーバ端末から送信される上記イベントの上記登録リクエストを受信すると、上記オブザーバ端末の属するクラスにおいて通知が許可されているイベントの登録か否か判定し、通知が許可されているイベントの登録であるとき、プロセサで実行中の上記処理プロセスを調べ、すでに発生しているイベントであるか否か判定し、すでに発生しているイベントであるときは、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に通知メッセージを送信し、または、まだ発生していないイベントであるとき、上記オブザーバ端末に受付メッセージを送信し、
上記オブザーバ端末が、上記医用画像撮像装置から上記通知メッセージまたは上記受付メッセージを受信する
請求項1または請求項2に記載の医用画像撮像装置用ワークフロー通知システム。
【請求項4】
ネットワークに接続された少なくとも2台の医用画像撮像装置と認証サーバが含まれ、
上記オブザーバ端末が、上記認証サーバに所定の医用画像撮像装置を対象とする認証リクエストを送信し、
上記認証サーバが、上記認証リクエストを受信すると、上記オブザーバ端末が認証されるべきオブザーバ端末であるか否かを判定し、認証されるべきオブザーバ端末であるときは第1の認証許可メッセージを、上記認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末に送信し、
上記認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末が、上記第1の認証許可メッセージを受信すると、上記所定の医用画像撮像装置に対して上記登録リクエストを送信することが可能となり、
上記認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末が認証されるべきオブザーバ端末であるときは、上記認証サーバが、更に上記オブザーバ端末の属するクラスを判定し、第2の認証許可メッセージと当該クラスを、上記認証リクエストの対象である所定の医用画像撮像装置に送信し、
上記認証リクエストの対象である上記所定の医用画像撮像装置が、上記第2の認証許可メッセージと上記クラスを受信すると、上記所定の医用画像撮像装置が上記認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末からの上記登録リクエストを受け付けることが可能となる
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の医用画像撮像装置用ワークフロー通知システム。
【請求項5】
上記オブザーバ端末が、ページャの電話番号が登録された受付オブザーバ端末を含み、
上記受付オブザーバ端末が、上記医用画像撮像装置から上記通知メッセージを受信すると、上記登録されたページャの電話番号に電話する
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の医用画像撮像装置用ワークフロー通知システム。
【請求項6】
ネットワークに接続され、プロセサを含み、当該プロセサが複数の処理プロセスを実行し、当該処理プロセスが当該処理プロセスごとのイベントを発生させる医用画像撮像装置であって、
オブザーバ端末からの所定のイベントの登録リクエストを、上記ネットワークを介して受け付ける登録部と、
上記プロセサで実行中の上記処理プロセスを監視し、上記登録されたイベントの発生を検出するように構成されている監視部と、
上記監視部によって上記登録されたイベントの発生が検出されると、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に通知メッセージを送信するように構成されている通知部と
を有する医用画像撮像装置。
【請求項7】
上記通知部が、上記通知メッセージを送信した後、それ以降上記イベントが発生しないときはオブザーバ端末に終了メッセージを送信し、または、それ以降も更に上記イベントが発生するときは、上記監視部に移行し、
上記監視部が、上記プロセサで実行中の上記処理プロセスの監視を継続し、登録された上記イベントの発生を検出すると、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に再度通知メッセージを送信する
請求項6に記載の医用画像撮像装置。
【請求項8】
上記登録部が、上記オブザーバ端末から送信される上記所定のイベントの上記登録リクエストを受信すると、上記オブザーバ端末の属するクラスにおいて通知が許可されているイベントの登録か否か判定し、通知が許可されているイベントの登録であるとき、プロセサで実行中の上記処理プロセスを調べ、すでに発生しているイベントであるか否か判定し、すでに発生しているイベントであるときは、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に通知メッセージを送信し、または、まだ発生していないイベントであるとき、上記オブザーバ端末に受付メッセージを送信する
請求項6または請求項7に記載の医用画像撮像装置。
【請求項9】
上記オブザーバ端末から認証リクエストを受信すると、上記オブザーバ端末が認証されるべきオブザーバ端末であるか否かを判定し、認証されるべき上記オブザーバ端末であるときは、第1の認証許可メッセージを、当該認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末に送信するとともに、当該認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末の所属するクラスを判定するように構成されている認証・クラス分類部
を有する請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の医用画像撮像装置。
【請求項10】
ネットワークに接続され、プロセサを含み、当該プロセサが複数の処理プロセスを実行し、当該処理プロセスが当該処理プロセスごとのイベントを発生させる医用画像撮像装置におけるワークフロー通知方法であって、
オブザーバ端末からの所定のイベントの登録リクエストを、上記ネットワークを介して受け付ける登録ステップと、
上記プロセサで実行中の上記処理プロセスを監視し、上記登録されたイベントの発生を検出する監視ステップと、
上記監視ステップにおいて上記登録されたイベントの発生が検出されると、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に通知メッセージを送信する通知ステップと
を有する医用画像撮像装置用ワークフロー通知方法。
【請求項11】
上記通知ステップが、上記通知メッセージを送信した後、それ以降上記イベントが発生しないときはオブザーバ端末に終了メッセージを送信し、または、それ以降も更に上記イベントが発生するときは、上記監視ステップに戻り、
上記監視ステップが、上記プロセサで実行中の上記処理プロセスの監視を継続し、登録された上記イベントの発生を検出すると、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に再度通知メッセージを送信する
請求項10に記載の医用画像撮像装置用ワークフロー通知方法。
【請求項12】
上記登録ステップが、上記オブザーバ端末から送信される上記所定のイベントの上記登録リクエストを受信すると、上記オブザーバ端末の属するクラスにおいて通知が許可されているイベントの登録か否か判定し、通知が許可されているイベントの登録であるとき、プロセサで実行中の上記処理プロセスを調べ、すでに発生しているイベントであるか否か判定し、すでに発生しているイベントであるときは、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に通知メッセージを送信し、または、まだ発生していないイベントであるとき、上記オブザーバ端末に受付メッセージを送信する
請求項10または請求項11に記載の医用画像撮像装置用ワークフロー通知方法。
【請求項13】
上記登録ステップの前に、
上記オブザーバ端末から認証リクエストを受信すると、上記オブザーバ端末が認証されるべきオブザーバ端末であるか否かを判定し、認証されるべき上記オブザーバ端末であるときは、第1の認証許可メッセージを、当該認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末に送信するとともに、当該認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末の所属するクラスを判定する認証・クラス分類ステップ
を有する請求項10ないし請求項12のいずれか1項に記載の医用画像撮像装置用ワークフロー通知方法。
【請求項14】
ネットワークに接続される医用画像撮像装置に含まれ、複数の処理プロセスを実行し、当該処理プロセスが当該処理プロセスごとのイベントを発生させるプロセサで実行されるプログラムであって、
当該プロセサに、
オブザーバ端末からの所定のイベントの登録リクエストを、上記ネットワークを介して受け付ける登録ステップと、
上記プロセサで実行中の上記処理プロセスを監視し、上記登録されたイベントの発生を検出する監視ステップと、
上記監視ステップにおいて上記登録されたイベントの発生が検出されると、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に通知メッセージを送信する通知ステップと
を実行させるための医用画像撮像装置用ワークフロー通知プログラム。
【請求項15】
上記通知ステップが、上記通知メッセージを送信した後、それ以降上記イベントが発生しないときはオブザーバ端末に終了メッセージを送信し、または、それ以降も更に上記イベントが発生するときは、上記監視ステップに戻り、
上記監視ステップが、上記プロセサで実行中の上記処理プロセスの監視を継続し、登録された上記イベントの発生を検出すると、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に再度通知メッセージを送信する
請求項14に記載の医用画像撮像装置用ワークフロー通知プログラム。
【請求項16】
上記登録ステップが、上記オブザーバ端末から送信される上記所定のイベントの上記登録リクエストを受信すると、上記オブザーバ端末の属するクラスにおいて通知が許可されているイベントの登録か否か判定し、通知が許可されているイベントの登録であるとき、プロセサで実行中の上記処理プロセスを調べ、すでに発生しているイベントであるか否か判定し、すでに発生しているイベントであるときは、上記ネットワークを介して上記オブザーバ端末に通知メッセージを送信し、または、まだ発生していないイベントであるとき、上記オブザーバ端末に受付メッセージを送信する
請求項14または請求項15に記載の医用画像撮像装置用ワークフロー通知プログラム。
【請求項17】
上記登録ステップを実行する前に、上記プロセサに、
上記オブザーバ端末から認証リクエストを受信すると、上記オブザーバ端末が認証されるべきオブザーバ端末であるか否かを判定し、認証されるべき上記オブザーバ端末であるときは、第1の認証許可メッセージを、当該認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末に送信するとともに、当該認証リクエストを送信した上記オブザーバ端末の所属するクラスを判定する認証・クラス分類ステップ
を実行させるための請求項14ないし請求項16のいずれか1項に記載の医用画像撮像装置用ワークフロー通知プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−99733(P2008−99733A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−282722(P2006−282722)
【出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】