医用画像撮影システム
【課題】可搬型のＦＰＤを医用画像撮影システムに導入した場合の作業効率を効率化するとともに、撮影オーダ情報と医用画像データとの対応付けを確実に行うことができるようにする。
【解決手段】本発明に係る医用画像撮影システム１００によれば、携帯端末１０において撮影オーダ情報と撮影に使用するＦＰＤのＦＰＤＩＤ及び撮影順番を記憶するとともに、回診先で撮影内容等の変更があった場合に撮影オーダ情報を編集し、撮影終了後、撮影オーダ情報及びＦＰＤＩＤを含む撮影実施情報を制御装置２０に送信する。制御装置２０は、受信した撮影オーダ情報及び撮影実施情報により撮影オーダ情報ファイルの内容を更新し、ＦＰＤから受信した医用画像データをＦＰＤＩＤ及び撮影順番に基づいて撮影オーダ情報ファイルに記憶された更新された撮影オーダ情報と対応付ける。
【解決手段】本発明に係る医用画像撮影システム１００によれば、携帯端末１０において撮影オーダ情報と撮影に使用するＦＰＤのＦＰＤＩＤ及び撮影順番を記憶するとともに、回診先で撮影内容等の変更があった場合に撮影オーダ情報を編集し、撮影終了後、撮影オーダ情報及びＦＰＤＩＤを含む撮影実施情報を制御装置２０に送信する。制御装置２０は、受信した撮影オーダ情報及び撮影実施情報により撮影オーダ情報ファイルの内容を更新し、ＦＰＤから受信した医用画像データをＦＰＤＩＤ及び撮影順番に基づいて撮影オーダ情報ファイルに記憶された更新された撮影オーダ情報と対応付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、医用画像撮影システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
放射線を用いて撮影された画像は、診断のための医用画像として広く用いられており、近年では医用画像のデジタル化が実現されている。例えば、ＣＲ（Computed Radiography）装置は、被写体を透過した放射線を輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートに蓄積させた後、この輝尽性蛍光体シートをレーザ光で走査し、これにより輝尽性蛍光体シートから発光される輝尽光を光電変換して医用画像データを得るものである。
【０００３】
この輝尽性蛍光体を利用した医用画像撮影システムは、大きく分けて輝尽性蛍光体シートを内蔵して撮影と画像の読み取りの両方を行う専用タイプと、輝尽性蛍光体シートを収容した持ち運び可能なカセッテを用いるカセッテタイプとに分類される。
【０００４】
カセッテタイプの医用画像撮影システムは、制御装置と医用画像読取装置とを備えて構成される。医用画像読取装置は、カセッテから医用画像データ及びカセッテの識別情報を読み取って制御装置に送信するものである。制御装置は、撮影対象の患者の患者情報や撮影条件等からなる撮影オーダ情報を撮影に使用するカセッテの識別情報とを対応付けて記憶し、医用画像読取装置から送信された医用画像データをカセッテの識別情報に基づいて撮影オーダ情報に対応付けて保存するものである。
【０００５】
また、骨折や脳血管疾患等の患者や集中治療室にて管理中の患者等のために、回診用の移動可能な放射線源とカセッテとを利用して、回診先において撮影を行う医用画像撮影システムも知られている。例えば、特許文献１には、制御装置に記憶されている撮影オーダ情報のうち、回診撮影を行う撮影オーダ情報を携帯端末に送信し、携帯端末において回診撮影対象の撮影オーダ情報の表示や撮影オーダ情報とカセッテの識別情報との対応付けを行い、撮影後、制御装置にカセッテの識別情報が対応付けられた撮影オーダ情報を戻すシステムが記載されている。
【０００６】
ところで、近年、医用画像データの取得のために、上述の輝尽性蛍光体シートを内蔵したカセッテとともに、放射線を検出しデジタル画像データとして取得するＦＰＤ（Flat Panel Detector）が用いられるようになってきている。ＦＰＤは、カセッテが一枚の画像しか記録できないのに対し、複数の画像データを蓄積することができる（特許文献２参照）。そのため、ＦＰＤを利用することにより、回診撮影を効率化することが考えられる。
【特許文献１】特開２００４−２９０３１９号公報
【特許文献２】特許第３４９４６８３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、可搬型のＦＰＤを単純に従来のカセッテを用いた医用画像撮影システムに導入し、回診用に使用した場合、撮影オーダ情報と医用画像データとを１：１で対応付けることができず、問題となる。また、回診撮影先で撮影オーダ情報の変更、追加、削除等の編集があった場合、制御装置まで戻って撮影オーダ情報を編集し、再度携帯端末に送信するのでは手間がかかる。更に、カセッテを用いた医用画像撮影システムにおいては、撮影により取得された医用画像データは患者単位で表示しているが、回診先で撮影された複数の画像データを確認する際に患者単位で表示されたのでは、表示対象の患者を切り替える等の操作が必要となり煩雑である。
【０００８】
本発明の課題は、可搬型のＦＰＤを医用画像撮影システムに導入した場合の作業効率を効率化するとともに、撮影オーダ情報と医用画像データとの対応付けを確実に行うことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するため、請求項１に記載の発明は、
撮影オーダ情報を記憶する撮影オーダ情報記憶手段を有する制御装置と、前記制御装置と通信可能に構成され、前記制御装置から撮影オーダ情報を取得して表示する携帯端末と、被写体を透過した放射線に基づき医用画像データを生成し、生成された医用画像データを複数蓄積保存可能な可搬型ＦＰＤと、を備える医用画像撮影システムであって、
前記携帯端末は、
前記制御装置から取得した撮影オーダ情報に基づく医用画像データの生成に使用する可搬型ＦＰＤの識別情報を取得する取得手段と、
前記取得した可搬型ＦＰＤの識別情報を前記撮影オーダ情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報を編集する編集手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報と当該撮影オーダ情報に対応付けられた可搬型ＦＰＤの識別情報とを前記制御装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記可搬型ＦＰＤは、
前記生成した複数の医用画像データを生成順に記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された複数の医用画像データを当該可搬型ＦＰＤの識別情報と対応付けて前記生成順を識別可能に前記制御装置に送信する画像データ送信手段と、
を備え、
前記制御装置は、
前記携帯端末から送信された撮影オーダ情報及び可搬型ＦＰＤの識別情報を受信する受信手段と、
前記可搬型ＦＰＤから前記生成順を識別可能に送信された医用画像データ及び前記可搬型ＦＰＤの識別情報を受信する画像データ受信手段と、
前記撮影オーダ情報記憶手段に記憶されている撮影オーダ情報を前記携帯端末から受信した撮影オーダ情報に更新させるとともに前記受信した可搬型ＦＰＤの識別情報に対応付けて記憶させ、前記可搬型ＦＰＤから受信した医用画像データを前記可搬型ＦＰＤの識別情報及び当該医用画像データの生成順に基づいて前記更新した撮影オーダ情報と対応付ける制御手段と、
を備える。
【００１０】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明において、
前記制御装置を複数備え、前記携帯端末は、前記複数の制御装置のうち少なくとも一つと通信可能である。
【００１１】
請求項３に記載の発明は、
撮影オーダ情報を記憶する撮影オーダ情報記憶手段を有する制御装置と、前記制御装置から撮影オーダ情報を取得して表示する携帯端末と、被写体を透過した放射線に基づき医用画像データを生成し、生成された医用画像データを複数蓄積保存可能な可搬型ＦＰＤと、被写体を透過した放射線画像が記録されたカセッテから医用画像データ及びカセッテの識別情報を読み取って前記制御装置に送信する医用画像読取装置と、
を備える医用画像撮影システムであって、
前記携帯端末は、
前記制御装置から取得した撮影オーダ情報に基づく医用画像データの生成に使用する可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報を取得する取得手段と、
前記取得した可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報を前記撮影オーダ情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報を編集する編集手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報と当該撮影オーダ情報に対応付けられた可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報とを前記制御装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記可搬型ＦＰＤは、
前記生成した複数の医用画像データを生成順に記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された複数の医用画像データを当該可搬型ＦＰＤの識別情報と対応付けて前記生成順を識別可能に前記制御装置に送信する画像データ送信手段と、
を備え、
前記制御装置は、
前記可搬型ＦＰＤを使用する第１のモードと、前記カセッテを使用する第２のモードを有し、
前記携帯端末から送信された撮影オーダ情報及び、可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報を受信する受信手段と、
前記可搬型ＦＰＤから前記生成順を識別可能に送信された医用画像データ及び前記可搬型ＦＰＤの識別情報を受信する第１の画像データ受信手段と、
前記医用画像読取装置から送信された医用画像データ及びカセッテの識別情報を受信する第２の画像データ受信手段と、
前記第１のモードにおいて、前記撮影オーダ情報記憶手段に記憶されている撮影オーダ情報を前記携帯端末から受信した撮影オーダ情報に更新させるとともに前記受信した可搬型ＦＰＤの識別情報に対応付けて記憶させ、前記可搬型ＦＰＤから受信した医用画像データを前記可搬型ＦＰＤの識別情報及び当該医用画像データの生成順に基づいて前記更新した撮影オーダ情報と対応付け、前記第２のモードにおいて、前記撮影オーダ情報記憶手段に記憶されている撮影オーダ情報を前記携帯端末から受信した撮影オーダ情報に更新させるとともに前記受信したカセッテの識別情報に対応付けて記憶させ、前記医用画像読取装置から受信した医用画像データを前記カセッテの識別情報に基づいて前記更新した撮影オーダ情報と対応付ける制御手段と、
を備える。
【００１２】
請求項４に記載の発明は、請求項３に記載の発明において、
前記制御装置を複数備え、前記携帯端末は、前記複数の制御装置のうち少なくとも一つと通信可能である。
【００１３】
請求項５に記載の発明は、請求項４に記載の発明において、
前記医用画像読取装置を複数備え、
前記制御装置の制御手段は、前記第２のモードにおいて、前記撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテの識別情報を前記医用画像読取装置のそれぞれに通知して、前記カセッテの識別情報を有するカセッテから読み取った医用画像データを当該制御装置に送信させる。
【００１４】
請求項６に記載の発明は、請求項３〜５の何れか一項に記載の発明において、
前記制御装置は、医用画像データを画面上に表示する表示手段を備え、
前記制御装置の制御手段は、前記第１のモードにおいて、前記可搬型ＦＰＤから受信した複数の患者についての医用画像データを前記表示手段に同一画面上に表示させ、前記第２のモードにおいて、前記医用画像読取装置から受信した医用画像データを患者単位で前記表示手段に表示させる。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によれば、複数の医用画像データを記憶可能な可搬型ＦＰＤを用いた医用画像システムにおいて、撮影された医用画像データと撮影オーダ情報との対応付けを確実に行うことが可能となる。また、撮影オーダ情報に編集の必要が生じた場合に携帯端末で編集を行って撮影オーダ情報を管理する制御装置の撮影オーダ情報を更新させることができるので、回診撮影の作業を効率化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。なお、以下では、本発明に特徴的な実施の形態の一例として、持ち運び可能な携帯端末と、移動可能な放射線源とを利用し、回診先にて撮影を行うポータブルモードを有する医用画像撮影システムについて説明を行う。
【００１７】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図１は、本発明に係る医用画像撮影システム１００のシステム構成を示す概念図である。図１に示すように、医用画像撮影システム１００は、携帯端末１０Ａ〜１０Ｃ、制御装置２０Ａ〜２０Ｃ、医用画像読取装置３０Ａ〜３０Ｃ、放射線源４０Ａ〜４０Ｂ、ＣＲカセッテ５０Ａ〜５０Ｃ、情報管理装置６０、可搬型ＦＰＤ（以下、ＦＰＤという）７０Ａ〜７０Ｃ、ＦＰＤ撮影装置８０、ＣＲ撮影装置９０等から構成されている。また、制御装置２０Ａ〜２０Ｃ、医用画像読取装置３０Ａ〜３０Ｃ、情報管理装置６０、ＦＰＤ撮影装置８０、ＣＲ撮影装置９０は、ネットワークＮを介して接続されている。携帯端末１０Ａ〜１０Ｃと制御装置２０Ａ〜２０Ｃは、制御装置２０Ａ〜２０Ｃにそれぞれ設けられたクレードル２０１Ａ〜２０１Ｃを介して接続可能な構成となっている。ＦＰＤ７０Ａ〜７０Ｃと制御装置２０Ａ〜２０Ｃは、制御装置２０Ａ〜２０Ｃにそれぞれ設けられたクレードル２０２Ａ〜２０２Ｃを介して接続可能な構成となっている。
【００１８】
なお、携帯端末１０Ａ〜１０Ｃは同一の構成及び機能を有しており、以下、携帯端末１０Ａ〜１０Ｃを個別に識別する必要のないときにはこれらを統括して携帯端末１０と記す。また、制御装置２０Ａ〜２０Ｃ、クレードル２０１Ａ〜２０１Ｃ、クレードル２０２Ａ〜２０２Ｃ、医用画像読取装置３０Ａ〜３０Ｃ、放射線源４０Ａ〜４０Ｂ、ＣＲカセッテ５０Ａ〜５０Ｃ及びＦＰＤ７０Ａ〜７０Ｃについても同様であり、それぞれ制御装置２０、クレードル２０１、クレードル２０２、医用画像読取装置３０、放射線源４０、ＣＲカセッテ５０、ＦＰＤ７０と記す。また、各装置の台数は、図示例に限定されない。
【００１９】
携帯端末１０は、放射線源４０を操作する技師等が携帯する携帯型情報端末装置であり、クレードル２０１を介して制御装置２０と通信を行う。また、携帯端末１０は、制御装置２０から撮影オーダ情報を取得して表示するが、複数患者の撮影オーダ情報がある場合、撮影オーダ情報の中から所望の患者ＩＤに対応する撮影オーダ情報を検索して表示する。
【００２０】
制御装置２０は、情報管理装置６０から撮影オーダ情報を受信し、受信した撮影オーダ情報をクレードル２０１を介して携帯端末１０に送信する。また、制御装置２０は、撮影終了後、携帯端末１０から撮影オーダ情報に対応付けられたＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０の識別情報を受信し、ＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０の識別情報に基づいて、医用画像読取装置３０やＦＰＤ７０から受信した医用画像データを撮影オーダ情報と対応付け、医用画像データを管理する。
【００２１】
医用画像読取装置３０は、ＣＲカセッテ５０に記録された放射線画像を読み取る医用画像読取装置である。医用画像読取装置３０は、ＣＲカセッテ５０の輝尽性蛍光体シートに励起光を照射し、これによりシートから発光される輝尽光を光電変換し、得られた画像信号をＡ／Ｄ変換して、医用画像データを取得する。また、医用画像読取装置３０は、バーコードリーダを有し、ＣＲカセッテ５０に付帯されたカセッテの識別情報（以下、「カセッテＩＤ」と記す）を読み取り、医用画像データとカセッテＩＤとを対応付けて制御装置２０に送信する。
【００２２】
放射線源４０は、Ｘ線を発生する管球などにより構成され、回診用にポータブルで位置を自在に設置できる。撮影時には、患者の病室のベッドサイドなどで、被写体である患者の撮影対象部位を挟んでＣＲカセッテ５０やＦＰＤ７０の画像読取面に対向して設置され、被写体に向けて放射線を照射する。
【００２３】
ＣＲカセッテ５０は、放射線エネルギーの一部を蓄積する輝尽性蛍光体シートを内蔵しており、放射線源４０から照射され、放射線源４０とＣＲカセッテ５０との間に配置される被写体を透過した放射線エネルギーの一部を上記輝尽性蛍光体シートに蓄積する。なお、ＣＲカセッテ５０の表面には、ＣＲカセッテ５０の個体の識別情報となるカセッテＩＤを示すバーコード等が付帯されている。
【００２４】
情報管理装置６０は、医師から指示された撮影オーダ情報を一括して管理する端末であり、制御装置２０からの要求指示に応じて、撮影オーダ情報を抽出し、制御装置２０に抽出した撮影オーダ情報を送信する。なお、他の情報管理装置として、撮影オーダ情報の予約受付を行う受付装置（図示せず）を適用しても良く、ＨＩＳ（Hospital Information System）やＲＩＳ（Radiology Information System）等の情報管理システムを適用することとしてもよい。
【００２５】
ＦＰＤ７０は、放射線源４０から照射されて少なくとも被写体を透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して医用画像データを生成する。ＦＰＤ７０の表面には、ＦＰＤ７０の個体の識別情報となるＦＰＤＩＤを示すバーコード等が付帯されている。
【００２６】
ＦＰＤ撮影装置８０は、ＦＰＤ７０を着脱可能で、放射線源、装置内部に装填されたＦＰＤ７０を保持又は支持するブッキー台又は臥位テーブルを備える立位型又は臥位型の据え置き型撮影装置であり、放射線源を制御して被写体に放射線を照射し、ＦＰＤ撮影装置８０に装着されたＦＰＤ７０に放射線像を記録させる。また、ＦＰＤ撮影装置８０は、ＦＰＤ７０で読み取った医用画像データを取得して、撮影に使用されたＦＰＤ７０のＦＰＤＩＤと対応付けて制御装置２０に送信する。
【００２７】
ＣＲ撮影装置９０は、放射線源、ＣＲカセッテ５０を保持又は支持するブッキー台又は臥位テーブルを備える立位型又は臥位型の据え置き型撮影装置であり、放射線源を制御して被写体に放射線を照射し、ＣＲ撮影装置９０に装着されたＣＲカセッテ５０に放射線像を記録させる。
【００２８】
ネットワークＮは、ＬＡＮ（Local Area Network）やＷＡＮ（Wide Area Network）、インターネット等の様々な回線形態を適用可能である。なお、病院等の医療機関内で許可されるのであれば、無線通信や赤外線通信であってもよいが、撮影オーダ情報を送受信する際には重要な患者情報を含むため、撮影オーダ情報は暗号化することが好ましい。
【００２９】
次に、本発明において主要な構成要素となる各装置について詳細に説明する。
図２は、携帯端末１０の機能的構成を示すブロック図である。図２に示すように、携帯端末１０は、ＣＰＵ１１、操作部１２、表示部１３、送信手段としてのＩ／Ｆ１４、ＲＡＭ１５、記憶手段としての記憶装置１６、取得手段としてのバーコードリーダ１７等から構成され、各部はバス１８により接続されている。
【００３０】
ＣＰＵ（Central Processing Unit）１１は、記憶装置１６に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをＲＡＭ１５に展開し、当該プログラムに従って携帯端末１０の各部を集中制御する。
【００３１】
具体的にＣＰＵ１１は、記憶装置１６から撮影オーダ情報取得処理プログラム、撮影実施結果取得処理プログラム、撮影終了後処理プログラムを読み出して、後述する撮影オーダ情報取得処理（図１０参照）、撮影実施結果取得処理（図１２参照）、撮影終了後処理（図１６参照）を実行する。なお、各処理の詳細については後述する。
【００３２】
操作部１２は、表示部１３の表示画面を覆う透明なシートパネルに指または専用のスタイラスペンで触れることにより入力される位置情報を入力信号としてＣＰＵ１１に出力する、いわゆるタッチパネルにより構成されている。また、操作部１２は、電源ボタン、各種機能ボタン等を備えており、ボタン操作による操作信号をＣＰＵ１１に出力する。
【００３３】
表示部１３は、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）等による表示ディスプレイを備えており、ＣＰＵ１１からの表示指示に基づいて撮影オーダ情報や、取得した患者ＩＤ、カセッテＩＤ等の各種情報を画面上に表示する。
【００３４】
Ｉ／Ｆ１４は、携帯端末１０とクレードル２０１とを接続するためのインターフェースであり、携帯端末１０がクレードル２０１に装着されると、検出信号をＣＰＵ１１に出力する。また、Ｉ／Ｆ１４は、クレードル２０１を介して、携帯端末１０と制御装置２０との間で、データの転送速度の調整や、データ形式の変換を行い、両者間のデータのやりとりを仲介する。
【００３５】
例えば、Ｉ／Ｆ１４は、制御装置２０から撮影オーダ情報を受信するとともに、撮影終了後、撮影オーダ情報及び撮影実施情報（カセッテＩＤ、ＦＰＤＩＤ、撮影順番、各種フラグ等を含む）を、制御装置２０に送信する。なお、Ｉ／Ｆ１４は、必要に応じてＰＨＳ等の携帯電話端末を接続し、無線通信を確立してデータの送受信を行う構成であってもよい。
【００３６】
ＲＡＭ（Random Access Memory）１５は、前述の指定されたアプリケーションプログラム、入力指示、入力データ及び処理結果等を格納するワークメモリエリアを有する。
【００３７】
記憶装置１６は、プログラムやデータが予め記憶されている記憶媒体（図示せず）を有しており、この記憶媒体は、システムプログラム、当該システムプログラムに対応する各種アプリケーションプログラム及び各種処理プログラムで処理されたデータ等を記憶する。また、この記憶媒体は磁気的、光学的記憶媒体又は半導体メモリで構成され、記憶装置１６に固定的に設けられるもの又は着脱自在に装着するものである。
【００３８】
また、記憶装置１６は、制御装置２０から受信した撮影オーダ情報やその撮影実施情報を格納するための撮影オーダ情報ファイル１６１を記憶している。図３を参照して撮影オーダ情報ファイル１６１について説明する。図３は、撮影オーダ情報ファイル１６１のデータ構成例を示す図である。図３に示すように、撮影オーダ情報ファイル１６１は、撮影ＩＤ、患者ＩＤ、氏名、性別、年齢、病室、依頼科、撮影条件（撮影部位、撮影方向）等の撮影オーダ情報と、撮影に使用したＣＲカセッテ５０（ＦＰＤ７０）のカセッテＩＤ（ＦＰＤＩＤ）、撮影順番、編集フラグ、送信終了フラグ等の撮影実施情報とを格納するための項目を有し、撮影オーダ情報毎に各項目に対応するデータを１レコードとして格納する。
【００３９】
撮影ＩＤの項目には、撮影を特定するために一義的に割り当てられた識別コード（例えば、20020101001、20020101002、20020101003、…）が格納される。患者ＩＤの項目には、撮影を受ける患者を特定するために一義的に割り当てられた識別コード（例えば、10000002、1000005、…）が格納される。氏名の項目には、撮影対象となる患者の名前を示す文字情報が格納され、性別の項目には、撮影対象となる患者の性別を示す文字情報が格納される。年齢の項目には、撮影対象となる患者の年齢が数字情報により格納され、病室の項目には、撮影場所となる病室を示す文字情報が格納される。
【００４０】
依頼科の項目には、撮影を依頼した依頼科を示す文字情報が格納され、撮影条件の項目には、撮影部位及び撮影方向を示す情報（例えば、頭蓋骨Ａ→Ｐ、頭蓋骨Ｐ→Ａ、胸部Ｐ→Ａ、…）が格納される。
【００４１】
ＩＤの項目には、撮影に使用したＣＲカセッテ５０のカセッテＩＤ又はＦＰＤ７０のＦＰＤＩＤが格納される。
撮影順番の項目には、その撮影オーダ情報に基づく撮影が行われた順番（生成順）が格納される。
編集フラグの項目には、撮影オーダ情報が編集されたときの編集内容を示すフラグ（追加フラグ、変更フラグ、削除フラグ）が格納される。
送信終了フラグの項目には、制御装置２０へ撮影オーダ情報が送信されたことを示すフラグが格納される。
なお、撮影準備段階においてＩＤ項目、撮影順番項目、編集フラグ項目、送信終了フラグ項目にはデータは格納されておらず、ベッドサイドでの撮影時に格納される構成となっている。
【００４２】
なお、撮影オーダ情報には、患者情報として患者ＩＤ、氏名、性別、年齢の他、例えば、担当医師名、感染症等を警告する警告情報、薬物アレルギーの有無、妊娠の有無、追加病歴、車椅子や担架等の特別な介護の必要性、臨床診断名、守秘事項等の各種患者情報が格納される構成であっても良い。また、撮影部位及び撮影方向等の撮影条件の他、例えば、撮影方法（単純撮影、造影撮影等）、撮影予定日等の各種撮影情報が格納される構成であっても良い。
【００４３】
また、記憶装置１６は、後述する撮影実施結果取得処理における撮影順番のカウント値ｎを格納する。
【００４４】
バーコードリーダ１７は、カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤを取得するための取得手段の一例であり、光学的な読み取り装置であるスキャナを備えている。バーコードリーダ１７は、スキャナにてバーコードを読み取り、所定の規格に従ってデコードすることにより、バーコードが示す情報を取得する。ここで、所定の規格とは、ＪＡＮコード、ＵＰＣコード、ＣＯＤＥ３９、ＣＤＥ９３、ＣＯＤＥ１２８、ＮＷ−７、ＩＮＤＵＳＴＲＩＡＬ ２ｏｆ５、ＩＴＦ物流コード等である。
【００４５】
具体的に、バーコードリーダ１７は、ＣＲカセッテ５０を用いて撮影を行う際に、撮影に使用されるＣＲカセッテ５０に付帯されたバーコードを読み取り、カセッテＩＤを取得する。また、バーコードリーダ１７は、ＦＰＤ７０を用いて撮影を行う際に、撮影に使用されるＦＰＤ７０に付帯されたバーコードを読み取り、ＦＰＤＩＤを取得する。また、バーコードリーダ１７は、患者のベッドサイド又は患者の身体の一部に付帯されたバーコードを読み取り、患者ＩＤの認証を行った後、当該患者の撮影オーダ情報に対応するカセッテＩＤの対応付けが可能になるように構成してもよい。
【００４６】
図４は、制御装置２０の機能的構成を示すブロック図である。図４に示すように、制御装置２０は、制御手段としてのＣＰＵ２１、入力部２２、表示部２３、第２の画像データ受信手段としての通信制御部２４、ＲＡＭ２５、撮影オーダ情報記憶手段としての記憶装置２６、クレードル２０１が接続された受信手段としての第１のＩ／Ｆ２７、クレードル２０２が接続された画像データ受信手段（第１の画像データ受信手段）としての第２のＩ／Ｆ２８、バーコードリーダ２９等を備えて構成され、各部はバス２１０により接続されている。
【００４７】
ＣＰＵ２１は、記憶装置２６に記憶されているシステムプログラムや各種制御プログラムを読み出し、ＲＡＭ２５に展開し、該制御プログラムに従って各部の動作を集中制御する。また、ＣＰＵ２１は、ＲＡＭ２５に展開したプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をＲＡＭ２５に一時記憶させるとともに、表示部２３に表示させる。
【００４８】
具体的に、ＣＰＵ２１は、記憶装置２６からポータブル撮影準備処理プログラム、画像データ対応付け処理プログラムを読み出して、後述するポータブル撮影準備処理（図９参照）、画像データ対応付け処理（図１７参照）を実行する。
【００４９】
入力部２２は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードを含み、このキーボードで押下されたキーに対応する押下信号をＣＰＵ２１に出力する。なお、入力部２２は、必要に応じてマウス、タッチパネル等のポインティングデバイスや、その他の入力装置を備えることとしてもよい。
【００５０】
表示部２３は、ＬＣＤやＣＲＴ等により構成され、ＣＰＵ２１から入力される表示信号の指示に従って、入力部２２からの入力指示やデータ等を表示する。
【００５１】
通信制御部２４は、ＬＡＮアダプタやルータやＴＡ（Terminal Adapter）等によって構成され、専用線、或いはＩＳＤＮ回線等の通信回線を介してネットワークＮに接続された各装置との間の通信を制御する。
【００５２】
ＲＡＭ２５は、ＣＰＵ１１により実行制御される各種処理において、記憶装置２６から読み出されたＣＰＵ２１で実行可能なシステムプログラム、制御プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶する記憶領域を形成する。
【００５３】
記憶装置２６は、ＨＤＤ（Hard Disc Drive）や不揮発性の半導体メモリ等により構成され、ＣＰＵ２１で実行されるシステムプログラム、当該システムプログラムに対応する各種処理プログラム、及び処理結果等を記憶する。また、プログラムやデータが予め記憶された記録媒体（図示省略）を有しており、この記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体、もしくは半導体メモリで構成され、記憶装置２６に固定的、或いは着脱自在に装着するものである。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、ＣＰＵ２１は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【００５４】
また、記憶装置２６は、情報管理装置６０から受信した撮影オーダ情報や、その撮影実施情報を記憶するための撮影オーダ情報ファイル２６１を格納している。なお、撮影オーダ情報ファイル２６１は、図示しないが、上述した撮影オーダ情報ファイル１６１（図３参照）の項目に加えて、入力部２２により設定されたモードの情報を格納するためのモード設定項目、撮影オーダ情報に対応する医用画像データの画像識別情報（画像ＩＤ）を格納するための画像ＩＤ項目を有する。さらに、記憶装置２６は、医用画像読取装置３０から受信した医用画像データを撮影オーダ情報に対応付けて記憶する。
【００５５】
ここで、医用画像撮影システム１００は、ノーマルモードとポータブルモードの大きくわけて２つの動作モードを有する。ノーマルモードは、撮影室において撮影を行うモードである。ノーマルモードは、更に、ＦＰＤ７０を利用してＦＰＤ撮影装置８０により撮影を行うノーマルＦＰＤモードと、ＣＲカセッテ５０を利用してＣＲ撮影装置９０により撮影を行うノーマルＣＲモードを有する。ポータブルモードは、撮影を行う持ち運び可能な携帯端末１０と、移動可能な放射線源４０と、ＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０とを利用し、回診先にて撮影を行うモードである。ポータブルモードは、更に、ＦＰＤ７０を利用して撮影を行うポータブルＦＰＤモード（第１のモード）と、ＣＲカセッテ５０を利用して撮影を行うポータブルＣＲモード（第２のモード）を有する。
【００５６】
第１のＩ／Ｆ２７は、制御装置２０とクレードル２０１を接続するためのインターフェースであり、携帯端末１０がクレードル２０１に装着されたことを検出すると、検出信号をＣＰＵ２１にする。また、第１のＩ／Ｆ２７は、クレードル２０１を介して、制御装置２０と携帯端末１０との間で、データの転送速度の調整や、データ形式の変換を行い、両者間のデータのやりとりを仲介する。例えば、第１のＩ／Ｆ２７は、クレードル２０１を介して撮影開始前の携帯端末１０に撮影オーダ情報を送信するとともに、撮影終了後の携帯端末１０からカセッテＩＤと対応付けられた撮影オーダ情報を受信する。
【００５７】
第２のＩ／Ｆ２８は、制御装置２０とクレードル２０２を接続するためのインターフェースであり、ＦＰＤ７０がクレードル２０２に装着されたことを検出すると、検出信号をＣＰＵ２１にする。また、第２のＩ／Ｆ２８は、クレードル２０２を介して、制御装置２０とＦＰＤ７０との間で、データの転送速度の調整や、データ形式の変換を行い、両者間のデータのやりとりを仲介する。例えば、第２のＩ／Ｆ２８は、撮影終了後のＦＰＤ７０からカセッテＩＤと対応付けられた医用画像データを受信する。
【００５８】
図５は、ＦＰＤ７０の機能的構成を示すブロック図である。図５に示すように、ＦＰＤ７０は、ＣＰＵ７１、操作部７２、放射線検出部７３、画像データ送信手段としてのＩ／Ｆ７４、ＲＡＭ７５、画像記憶手段としての記憶装置７６等を備えて構成され、各部はバス７７により接続されている。
【００５９】
ＣＰＵ７１は、記憶装置７６に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをＲＡＭ７５に展開し、当該プログラムに従ってＦＰＤ７０の各部を集中制御する。
【００６０】
具体的にＣＰＵ７１は、記憶装置７６からＦＰＤ撮影処理プログラムを読み出して、後述するＦＰＤ撮影処理（図１５参照）を実行する。なお、各処理の詳細については後述する。
【００６１】
操作部７２は、電源ボタン、各種機能ボタン等を備えており、ボタン操作による操作信号をＣＰＵ１１に出力する。
【００６２】
放射線検出部７３は、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置には、放射線源から照射されて少なくとも被写体を透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して医用画像データを生成し蓄積する複数の画素がマトリックス状に配列されている。ここで、放射線検出部７３としては、図示は省略するが、例えば、放射線を蛍光（光）に変換する放射線光変換層と、放射線光変換層により変換された蛍光を検出して電気信号に変換する光電変換層とを備える間接型のもの、また、放射線光変換層及び光電変換層に替えて、放射線を直接電荷に変換する放射線受部を有する放射線電気信号変換層を備える直接型のもの等が挙げられる。なお、間接型のものは直接型のもので用いる高圧電源が不要であるため好ましい。
【００６３】
Ｉ／Ｆ７４は、ＦＰＤ７０とクレードル２０２とを接続するためのインターフェースであり、ＦＰＤ７０がクレードル２０２に装着されると、検出信号をＣＰＵ７１に出力する。また、Ｉ／Ｆ７４は、クレードル２０２を介して、ＦＰＤ７０と制御装置２０との間で、データの転送速度の調整や、データ形式の変換を行い、両者間のデータのやりとりを仲介する。なお、Ｉ／Ｆ７４は、クレードル２０２と無線通信を確立してデータの送受信を行う構成であってもよい。
【００６４】
ＲＡＭ７５は、前述の指定されたアプリケーションプログラム、入力指示、入力データ及び処理結果等を格納するワークメモリエリアを有する。
【００６５】
記憶装置７６は、半導体メモリ等により構成され、ＣＰＵ７１で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメータ、或いは処理結果等のデータを記憶する。例えば、記憶装置７６は、放射線検出部７３により生成された医用画像データを撮影順番（生成順）と対応付けて記憶する。また、記憶装置７６は、後述するＦＰＤ撮影処理における撮影順番のカウント値ｍを格納する。
【００６６】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図６は、制御装置２０の表示部２３に表示されるメニュー画面２３１を示す図である。図６に示すように、メニュー画面２３１には、システムメニューとして、「システムの状態」、「技師選択」、「検査履歴」、「ユーティリティ」、「画面形式」、「動作モード」の各メニューを指示する指示釦が設けられている。また、「画面形式」、「動作モード」の指示釦には、入力項目が設けられ、例えば、入力部２２を介して「動作モード」の入力項目に「ポータブルＦＰＤ」又は「ポータブルＣＲ」を入力して、当該釦を指示すると、ポータブルＦＰＤモード又はポータブルＣＲモードにて撮影を行う場合のポータブルリスト画面２３２（図７参照）が表示され、ポータブルリスト画面２３２からの入力に従って、ＣＰＵ２１により図９に示すポータブル撮影準備処理が実行される。
【００６７】
図７は、ポータブルモードにおいて、撮影オーダ情報が一覧表示されるポータブルリスト画面２３２を示す図である。図７に示すように、ポータブルリスト画面２３２には、撮影オーダ情報を表示する領域２３２ａと、各種指示を入力する指示釦を表示する領域２３２ｂとが設けられている。撮影オーダ情報を表示する領域２３２ａには、撮影オーダ情報の一部として、患者ＩＤ、タブ種別、氏名、性別、生年月日、撮影条件、保留を表示する項目が設けられ、各項目には、それぞれ対応するデータが表示されている。
【００６８】
また、ポータブルリスト画面２３２の右端及び下端において、各種指示を入力する指示釦を表示する領域２３２ｂには、上下矢印釦、「選択」指示釦の他、「送信」、「受信」、「新規／検索」、「修正」、「削除」、…、「確認画面」のテキストデータが表示された指示釦が設けられている。この各指示釦が入力部２２を介して操作されることにより、対応する指示が入力される。例えば、ポータブルリスト画面２３２に表示されている撮影オーダ情報が上下矢印釦の押下によるカーソル移動操作及び「選択」指示釦の押下、又は、「全選択」釦の押下により選択され、「送信」指示釦が押下されると、選択された撮影オーダ情報の送信指示が入力される。ここで、選択された撮影オーダ情報が携帯端末１０に送信されると、撮影オーダ情報ファイル２６１における当該撮影オーダ情報の送信終了フラグがＯＮに設定され、「タブ種別」の項目には、送信済みのチェックフラグ「→」が表示される。また、「新規／検索」指示釦が操作されると、撮影オーダ情報を新規に登録するための入力画面２３３、２３４が表示される。
【００６９】
図８は、上述したポータブルリスト画面２３２において、「新規／検索」指示釦が操作された場合に表示される入力画面２３３、２３４を示す図である。図８（ａ）は、撮影オーダ情報のうち、患者情報を新規に入力するための入力画面２３３を示す図である。図８（ａ）に示すように、入力画面２３３には、患者情報を入力する領域２３３ａと、文字入力を行うための文字キーを表示する領域２３３ｂとが設けられている。
【００７０】
入力画面２３３の上段に表示される患者情報を入力する領域２３３ａには、患者ＩＤ、患者氏名（ローマ字、カナ、漢字）、性別、生年月日、コメントを入力する項目が設けられており、入力部２２の操作に応じて入力されたデータが対応する項目に表示される構成となっている。また、入力画面２３３の下段に表示される文字キーを表示する領域２３３ｂにおいては、当該表示された文字キーに対応するキー入力が入力部２２の備えるマウスやタッチパネルを介して行われる。なお、キー入力は、入力部２２の備えるキーボードを介して行うことも可能である。
【００７１】
図８（ｂ）は、撮影オーダ情報のうち、撮影条件を新規に入力するための入力画面２３４を示す図である。図８（ｂ）に示すように、入力画面２３４には、撮影条件として撮影部位を指示する指示釦を表示する領域２３４ａと、撮影部位における撮影方向を指示する指示釦を表示する領域２３４ｂと、入力された撮影部位及び撮影方向を表示する領域２３４ｃとが設けられている。
【００７２】
入力画面２３４の左側上段に表示される撮影部位の指示釦を表示する領域２３４ａには、例えば、「頭部」、「頚部」、…、「TEST」のテキストデータが表示された指示釦が設けられ、各指示釦が入力部２２を介して指示されることにより撮影部位が選択されると、選択された撮影部位に対応する撮影方向の指示釦が入力画面２３４の左側中段及び下段の領域２３４ｂに表示される。例えば、「胸部」の撮影部位における撮影方向として、「斜位」、…、「じん肺」のテキストデータが表示された指示釦が設けられ、各指示釦が入力部２２を介して指示されることにより、対応する撮影方向が選択される。なお、ポータブルモードでの撮影が不可能な撮影方向の指示釦については網掛け表示が行われ、ポータブルモードでは、選択不可能な構成となっている。選択不可能な表示方法として、網掛け表示の他に、非表示又は非アクティブ表示とすることも可能である。また、選択不可能な指示釦が指示された場合に、音声や画像により警告を出力する構成であってもよい。
【００７３】
また、さらに、入力画面２３４の右側に表示される撮影部位及び撮影方向を表示する領域２３４ｃには、上述した指示釦が指示されることにより選択された撮影部位及び撮影方向が、例えば、「胸部 他 斜位」として表示される。入力画面２３３及び入力画面２４４により患者情報及び撮影条件が入力され、入力画面２３４の左下下部に表示されている「予約」釦が押下されると入力された患者情報及び撮影条件の撮影オーダ情報が生成され、ポータブルリスト画面２３２に当該入力された撮影オーダ情報が追加表示される。
【００７４】
以下、ポータブルＦＰＤモード又はポータブルＣＲモードにおいて医用画像撮影システム１００を構成する各装置において実行される各種処理について説明する。なお、ＣＲカセッテ５０及びＦＰＤ７０において、画像データは全て消去されており、また、ＦＰＤ７０の撮影順番カウント値ｍは０に初期化されているものとする。
【００７５】
まず、制御装置２０から携帯端末１０に撮影オーダ情報を取得させるポータブル撮影準備処理について説明する。図９は、ポータブル撮影準備処理を示すフローチャートである。ポータブル撮影準備処理は、入力部２２によりポータブルモードが設定された際にＣＰＵ２１と記憶装置２６に格納されているプログラムとの協働により実現される。
【００７６】
ＣＰＵ２１は、ポータブルリスト画面２３２における技師による入力部２２の操作により送信対象の撮影オーダ情報が選択され、送信指示が入力されると（ステップＳ１）、第１のＩ／Ｆ２７を制御して、携帯端末１０がクレードル２０１に装着されているか否かを判別する（ステップＳ２）。ここで、クレードル２０１に携帯端末１０が装着されていないと判別すると（ステップＳ２；ＮＯ）、ＣＰＵ２１は、表示部２３にエラー表示を行い（ステップＳ６）、ポータブル撮影準備処理を終了する。
【００７７】
一方、ＣＰＵ２１は、クレードル２０１に携帯端末１０が装着されていると判別すると（ステップＳ２；ＹＥＳ）、撮影オーダ情報ファイル２６１からステップＳ１において送信指示された撮影オーダ情報を取得し、第１のＩ／Ｆ２７及びクレードル２０１を介して、取得した撮影オーダ情報をモード設定情報とともに携帯端末１０に送信する（ステップＳ３）。モード設定情報は、メニュー画面２３１で設定された動作モードを示す情報である。そして、ＣＰＵ２１は、撮影オーダ情報ファイル２６１の送信済み撮影オーダ情報の送信終了フラグをＯＮに設定し（ステップＳ４）、更に、送信済み撮影オーダ情報のモード設定項目に、モード設定情報を格納し（ステップＳ５）、ポータブルモード撮影準備処理を終了する。
【００７８】
制御装置２０における上述のポータブル撮影準備処理に応じて、クレードル２０１に装着された携帯端末１０においては撮影オーダ情報取得処理が実行される。図１０は、撮影オーダ情報取得処理を示すフローチャートである。撮影オーダ情報取得処理は、操作部１２により携帯端末１０の動作モードが受信モードに設定された際にＣＰＵ１１と記憶装置１６に格納されているプログラムとの協働により実現される。なお、本実施の形態においては、受信モードの設定は、撮影オーダ情報ファイル１６１に記憶されている撮影オーダ情報の送信終了フラグが全てＯＮの場合にのみ可能な構成であることとする。
【００７９】
ＣＰＵ１１は、Ｉ／Ｆ１４により出力される検出信号に従って、携帯端末１０が制御装置２０のクレードル２０１に装着されたか否かを判別する（ステップＳ１１）。
【００８０】
携帯端末１０がクレードル２０１に装着されると（ステップＳ１１；ＹＥＳ）、ＣＰＵ１１は、Ｉ／Ｆ１４を制御して、制御装置２０から送信されるモード設定情報及び撮影オーダ情報を受信する（ステップＳ１２）。そして、ＣＰＵ１１は、受信したモード設定情報をＲＡＭ１５に記憶させるとともに、受信した撮影オーダ情報を記憶装置１６の撮影オーダ情報ファイル１６１に記憶させ（ステップＳ１３）、撮影順番のカウント値ｎを０に設定し（ステップＳ１４）、撮影オーダ情報取得処理を終了する。
【００８１】
上記ポータブル撮影準備処理及び撮影オーダ情報取得処理が終了すると、技師は、携帯端末１０、放射線源４０、撮影に使用するＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０を持って撮影を行う病室に移動する。なお、携帯端末１０の表示部１３には、操作部１２の所定の操作に応じて図１１に示す患者リスト画面１３１を表示させることができる。この患者リスト画面１３１は、上述の撮影オーダ情報取得処理により取得された撮影オーダ情報に含まれる患者情報の一部を一覧表示したものである。図１１に示すように、患者リスト画面１３１には、患者情報を示す領域１３１ａが設けられ、この領域１３１ａには、患者ＩＤ、患者の氏名、病室を表示する項目が設けられている。具体的に、患者ＩＤの項目には、「0001」の数字データが表示され、氏名の項目には、「山田 一郎」のテキストデータが表示されている。この患者リスト画面１３１により、技師は、撮影すべき患者のいる病室等を確認することができる。
【００８２】
次に、撮影を行う病室において、携帯端末１０により撮影オーダ情報の表示、カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤと撮影オーダ情報との対応付け、撮影オーダ情報と撮影順番との対応付けを行う撮影実施結果取得処理について説明する。
図１２は、携帯端末１０のＣＰＵ１１により実行される撮影実施結果取得処理を示すフローチャートである。撮影実施結果取得処理は、ＣＰＵ１１と記憶装置１６に格納されているプログラムとの協働により実現される。
【００８３】
まず、ＣＰＵ１１は、バーコードリーダ１７を制御して、患者のベッドサイド又は患者の身体の一部に付帯されたバーコードを読み取り、患者ＩＤを取得する（ステップＳ２１）。次いで、ＣＰＵ１１は、読み取った患者ＩＤに対応する撮影オーダ情報を撮影オーダ情報ファイル１６１から取得する（ステップＳ２２）。
【００８４】
続いて、ＣＰＵ１１は、取得した撮影オーダ情報を表示部１３に表示させる（ステップＳ２３）。
図１３は、携帯端末１０のバーコードリーダ１７により、患者ＩＤが取得された場合に、対応する患者の撮影オーダ情報を表示する表示画面１３２を示す図である。図１３に示すように、表示画面１３２には、患者情報を表示する領域１３２ａと、撮影条件を表示する領域１３２ｂとが設けられている。患者情報を表示する領域１３２ａには、患者氏名、患者ＩＤ、性別、年齢、病室を表示する項目が設けられ、各項目には、対応するデータが表示されている。また、撮影条件を表示する領域１３２ｂには、撮影条件（撮影部位及び撮影方向）を表示する項目１３２ｂ−１、カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤを表示する項目（ＩＤ項目）１３２ｂ−２が設けられており、ＩＤ項目１３２ｂ−２には、携帯端末１０のバーコードリーダ１７により取得されたデータが、読み取りと同時に表示される構成となっている。例えば、操作部１２により表示された撮影条件の情報のいずれかが押下されて選択され、次いでバーコードリーダ１７によりカセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤが取得されると、撮影オーダ情報ファイル１６１における、選択された撮影条件に対応する撮影オーダ情報のＩＤ項目に、取得されたＩＤが記憶されるとともに、表示画面１３２における選択された撮影条件に対応するＩＤ項目１３２ｂ−２に取得されたカセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤが表示される。
また、表示画面１３２の下部には、図１３に示すように、表示された撮影オーダ情報のデータの編集を指示するための「編集」釦１３２ｃが設けられており、操作部１２から入力される指示に応じて、データの編集（変更、追加、削除）が可能な構成となっている。即ち、回診時の患者の状態により、予定されていた撮影に追加や変更の必要が生じた場合や、重篤状態等の理由で予定されていた撮影が困難な場合に、その場で撮影オーダ情報を追加、変更、削除（キャンセル）等することが可能となっている。
【００８５】
ＣＰＵ１１は、操作部１２により表示部１３に表示されている撮影オーダ情報を編集する指示が入力されたか否かを判別し、撮影オーダ情報を編集する指示が入力されていないと判別すると（ステップＳ２４；ＮＯ）、ステップＳ２７の処理に移行する。一方、撮影オーダ情報を編集する指示が入力されたと判別すると（ステップＳ２４；ＹＥＳ）、ＣＰＵ１１は、入力された内容に応じて撮影オーダ情報を編集し、撮影オーダ情報ファイル１６１に記憶させる（ステップＳ２５）。このステップＳ２４〜２５により編集手段が実現される。
【００８６】
ステップＳ２５における編集指示及び編集は、例えば、表示画面１３２から行うことができる。例えば、「編集」釦１３２ｃが押下されると、ＣＰＵ１１は、表示画面１３２下部に表示されている釦の表示を変更し、「追加」釦、「削除」釦、「変更」釦（図示せず）を表示する。
表示画面１３２において操作部１２により「追加」釦が押下されると、ＣＰＵ１１は、図１４に示す入力画面１３３を表示する。入力画面１３３には、撮影条件として撮影部位を指示する指示釦を表示する領域１３３ａと、撮影方向を指示する指示釦を表示する領域１３３ｂが設けられている。操作部１２により撮影部位を指示する指示釦の何れかが押下されると、ＣＰＵ１１は、押下された撮影部位に対応する撮影方向の指示釦を表示する。図１４では、「胸部」を指示する指示釦が押下された場合を示している。操作部１２により表示された撮影方向の指示釦の何れかが押下されると、ＣＰＵ１１は、ステップＳ２１で取得された患者ＩＤの患者について、押下された撮影部位、撮影方向を撮影条件とする撮影オーダ情報を撮影オーダ情報ファイル１６１に追加し、追加フラグを設定する。
表示画面１３２において操作部１２により撮影条件を表示する領域１３２ｂに表示された何れかの撮影条件が押下され、「削除」釦が押下されると、ＣＰＵ１１は、撮影オーダ情報ファイル１６１における該当する撮影オーダ情報、即ち、ステップＳ２１で取得された患者ＩＤを有し、表示画面１３２において押下された撮影条件を有する撮影オーダ情報に削除フラグを設定する。ここで、削除を指示された撮影オーダ情報であっても撮影オーダ情報のデータ自体を削除せずに該当する撮影オーダ情報に削除フラグを設定するようにすることで、後述する撮影終了後処理（図１６参照）、画像データ対応付け処理（図１７参照）によって制御装置２０に撮影オーダ情報を戻した後に、制御装置２０において該当する撮影オーダが削除（キャンセル）されたことを技師等が確認可能に表示することが可能となる。また、携帯端末１０において、ＣＰＵ１１は、表示画面１３２の当該撮影オーダ情報に「キャンセル」を示す表示を行い、「削除」指示した撮影オーダ情報を技師が識別可能に表示する。
表示画面１３２において操作部１２により撮影条件を表示する領域１３２ｂに表示された何れかの撮影条件が押下され、「変更」釦が押下されると、ＣＰＵ１１は、表示部１３に入力画面１３４（図示せず）を表示する。入力画面１３４は、図１４に示した入力画面１３３と同様の表示である。この入力画面１３４から変更後の撮影部位及び撮影方向が押下されると、ＣＰＵ１１は、撮影オーダ情報ファイル１６１における該当する撮影オーダ情報、即ち、ステップＳ２１で取得された患者ＩＤを有し、表示画面１３２において押下された撮影条件を有する撮影オーダ情報の撮影条件を入力画面１３４で押下された撮影部位及び撮影方向の撮影条件に変更し、変更フラグを設定する。
【００８７】
編集後、ＣＰＵ１１は、ステップＳ２１で読み取った患者ＩＤに対応する撮影オーダ情報のうち、未撮影の撮影オーダ情報があるか否かを判別し、未撮影の撮影オーダ情報があると判別すると（ステップＳ２６；ＹＥＳ）、ステップＳ２７の処理に移行する。未撮影の撮影オーダ情報は、ステップＳ２１で読み取った患者ＩＤに対応する撮影オーダ情報のうち、撮影オーダ情報ファイル１６１に削除フラグ、カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤの何れも対応付けられていないものが該当する。未撮影の撮影オーダ情報がないと判別すると（ステップＳ２６；ＮＯ）、ＣＰＵ１１は、本処理を終了する。
【００８８】
ステップＳ２７において、操作部１２により表示部１３に表示された撮影オーダ情報の中から次に撮影対象とする撮影オーダ情報が押下されて選択される（図１３の「ＯＫ」釦１３２ｄが押下される）と（ステップＳ２７）、ＣＰＵ１１は、撮影順番のカウント値ｎを１インクリメントし（ステップＳ２８）、バーコードリーダ１７を制御して、撮影を行うＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０に付されたバーコードを読み取り、カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤを取得する（ステップＳ２９）。なお、モード設定がポータブルＦＰＤモードである場合、複数枚の撮影が可能であるため、図１３に示すように、表示画面１３２に前回の撮影に使用したのと同じＦＰＤ７０を使用することを指示するための釦、例えば「継続」釦１３２ｅを設け、操作部１２により「継続」釦１３２ｅが押下された際には前回取得されたＦＰＤＩＤと同じＩＤを自動取得するようにしてもよい。そして、ＣＰＵ１１は、取得したカセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤを選択された撮影オーダ情報に対応付けて撮影オーダ情報ファイル１６１のＩＤ項目に記憶させるとともに、撮影順番カウンタｎに記憶されている撮影順番を選択された撮影オーダ情報に対応付けて撮影オーダ情報ファイル１６１の撮影順番項目に記憶させ（ステップＳ３０）、ステップＳ３１の処理に移行する。
【００８９】
ここで、上記処理により、次の撮影対象の撮影オーダ情報の選択及び撮影に使用するカセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤを入力した後、技師は、入力したＩＤのＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０を用いて、選択した撮影オーダ情報の撮影条件で放射線撮影を行う。ＣＲカセッテ５０は、１枚分の画像データのみ蓄積が可能である。ＦＰＤ７０は、複数枚の画像データの蓄積が可能である。なお、ＦＰＤ７０における撮影処理については、後述する。
【００９０】
ステップＳ３１において、ＣＰＵ１１は、ステップＳ２１で読み取った患者ＩＤに対応する撮影オーダ情報のうち、未撮影の撮影オーダ情報があるか否かを判別し、未撮影の撮影オーダ情報があると判別すると（ステップＳ３１；ＹＥＳ）、ステップＳ２４に戻り、ステップＳ２４以降の処理を繰り返し実行する。ＣＰＵ１１は、未撮影の撮影オーダ情報がないと判別すると（ステップＳ３１；ＮＯ）、本処理は終了する。撮影実施結果取得処理が終了すると、ＣＰＵ１１は、表示部１３に患者リスト画面１３１を表示させる。なお、患者リスト画面１３１において、撮影済みの患者の患者情報は、網掛けなどで識別可能に表示することが望ましい。
【００９１】
上記撮影実施結果取得処理は、患者毎に繰り返し実行される。
ここで、ＦＰＤ７０において１回の撮影毎に実行されるＦＰＤ撮影処理について説明する。図１５は、ＦＰＤ撮影処理を示すフローチャートである。このＦＰＤ撮影処理は、ＣＰＵ７１と記憶装置７６に格納されているプログラムとの協働により実現される。
【００９２】
放射線源４０により照射され、患者の撮影部位を透過した放射線が放射線検出部７３により検出され、検出された放射線が電気信号に変換されて放射線検出部７３の各画素に蓄積されると（ステップＳ４１）、ＣＰＵ７１は、放射線検出部７３に蓄積された全ての電気信号を読み取って医用画像データを取得する（ステップＳ４２）。
【００９３】
続けてＣＰＵ７１は、撮影順番のカウント値ｍを１インクリメントさせ（ステップＳ４３）、取得した医用画像データに撮影順番ｍを対応付けて記憶装置７６に記憶させ（ステップＳ４４）、ＦＰＤ撮影処理を終了する。
【００９４】
全患者の撮影終了後、技師は、任意の制御装置２０へ移動し、操作部１２により携帯端末１０を送信モードに設定した上で、携帯端末１０を制御装置２０のクレードル２０１に装着する。これにより、携帯端末１０から撮影オーダ情報及び撮影実施情報を制御装置２０に送信する撮影終了後処理が実行される。
【００９５】
図１６は、携帯端末１０のＣＰＵ１１により実行される撮影終了後処理を示すフローチャートである。この撮影終了処理は、操作部１２により送信モードへの移行が指示された際にＣＰＵ１１と記憶装置１６に格納されているプログラムとの協働により実現される。
【００９６】
まず、ＣＰＵ１１は、Ｉ／Ｆ１４から出力される検出信号に従って、携帯端末１０が制御装置２０のクレードル２０１に装着されたか否かを判別する（ステップＳ５０）。クレードル２０１に携帯端末１０が装着されたと判別すると（ステップＳ５０；ＹＥＳ）、ＣＰＵ１１は、ＲＡＭ１５に記憶されているモード設定情報を制御装置２０に送信するとともに（ステップＳ５１）、送信終了フラグがＯＦＦの撮影オーダ情報及び撮影実施情報（ＩＤ項目、撮影順番、編集フラグ等を含む）を撮影オーダ情報ファイル１６１から取得して、制御装置２０に送信する（ステップＳ５２）。
【００９７】
次いで、ＣＰＵ１１は、送信した撮影オーダ情報について、送信終了フラグをＯＮに設定する（ステップＳ５３）。
【００９８】
次いで、ＣＰＵ１１は、ステップＳ５４に移行して、未送信の撮影オーダ情報が撮影オーダ情報ファイル１６１にあるか否かを判別し（ステップＳ５４）、未送信の撮影オーダ情報があると判別すると（ステップＳ５４；ＹＥＳ）、ステップＳ５２に戻り、上述したステップＳ５２以降の処理を繰り返して実行する。一方、撮影オーダ情報ファイル１６１に格納される全ての撮影オーダ情報に送信終了フラグＯＮが設定されていると判別すると（ステップＳ５４；ＮＯ）、ＣＰＵ１１は、本撮影終了後処理を終了する。
【００９９】
撮影終了後処理が終了すると、技師は、ＦＰＤ７０により撮影を行った場合には、撮影に使用したＦＰＤ７０を上記撮影終了後処理を行った制御装置２０のクレードル２０２に装着する。ＦＰＤ７０のＣＰＵ７１は、Ｉ／Ｆ７４から出力される検出信号に従って、ＦＰＤ７０が制御装置２０のクレードル２０２に装着されたことを検知すると、データ送信処理を実行する。即ち、ＣＰＵ７１は、記憶装置７６から順次医用画像データ及び対応する撮影順番を取得して、医用画像データに撮影順番及び自己のＦＰＤＩＤを対応付けて、Ｉ／Ｆ７４により制御装置２０に送信する。記憶装置７６に記憶されている全ての医用画像データの送信が終了すると、ＣＰＵ７１は、データ送信処理を終了する。
【０１００】
一方、ＣＲカセッテ５０により撮影を行った場合は、技師は、何れかの医用画像読取装置３０に移動し、撮影に使用したＣＲカセッテ５０のバーコードを医用画像読取装置３０のバーコードリーダにより読み取らせるとともに、バーコードを読み取ったＣＲカセッテ５０を医用画像読取装置３０に装着し、医用画像データの読み取りを行わせる。医用画像読取装置３０は、ＣＲカセッテ５０が装着されると、バーコードリーダにより読み取られたカセッテＩＤをメモリに一時記憶し、装着されたＣＲカセッテ５０に蓄積された放射線画像を読み取って医用画像データを取得する。そして、読み取った医用画像データにカセッテＩＤを対応付け、ネットワークＮを介して、予め送信先として通知された制御装置２０に送信する。
予め送信先として通知された制御装置２０とは、上述の撮影終了後処理の際に携帯端末１０が装着され、携帯端末１０から撮影オーダ情報が送信された制御装置２０である。携帯端末１０から撮影オーダ情報が送信されると、制御装置２０は、後述する画像データ対応付け処理（図１７参照）を実行し、受信した撮影オーダ情報がポータブルＣＲモードである場合に当該撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテＩＤ及び当該カセッテＩＤに対応する医用画像データの送信先（自装置のＩＰアドレス等）を医用画像読取装置３０のそれぞれに通知し、何れの医用画像読取装置３０において医用画像データが読み取られても、自装置に医用画像データが送信されるようにする。
【０１０１】
図１７は、制御装置２０のＣＰＵ２１により実行される画像データ対応付け処理を示すフローチャートである。この画像データ対応付け処理は、携帯端末１０から送信された撮影オーダ情報とＦＰＤ７０又は医用画像読取装置３０から送信された画像データを対応付ける処理である。
【０１０２】
ＣＰＵ２１は、第１のＩ／Ｆ２７により出力される検出信号に従って、携帯端末１０が制御装置２０のクレードル２０１に装着されているか否かを判別し、携帯端末１０が装着されていると判別すると（ステップＳ６０；ＹＥＳ）、装着された携帯端末１０から送信されたモード設定情報を受信し、撮影オーダ情報及びその撮影実施情報の受信を開始する（ステップＳ６１）。
【０１０３】
次いで、ＣＰＵ２１は、受信された撮影オーダ情報の撮影実施情報に追加フラグが設定されているか否かを判別し、追加フラグが設定されていると判別すると（ステップＳ６２；ＹＥＳ）、受信した撮影オーダ情報に撮影ＩＤを付与し、撮影オーダ情報ファイル２６１に追加登録し（ステップＳ６３）、ステップＳ６５の処理に移行する。
【０１０４】
一方、ＣＰＵ２１は、受信された撮影オーダ情報に追加フラグが設定されていないと判別すると（ステップＳ６２；ＮＯ）、記憶装置２６において撮影オーダファイル２６１に記憶されている対応する撮影オーダ情報（受信した撮影オーダ情報と撮影ＩＤが一致する撮影オーダ情報のレコード）を検索し、検索されたレコードを受信された撮影オーダ情報及び撮影実施情報の内容により更新し（ステップＳ６４）、ステップＳ６５の処理に移行する。
【０１０５】
ステップＳ６５において、ＣＰＵ２１は、携帯端末１０から受信されたモード設定情報を判別し、モード設定情報がポータブルＣＲモードであると判別すると（ステップＳ６５；ＹＥＳ）、通信制御部２４を介して、受信した撮影オーダ情報の撮影実施情報に含まれるカセッテＩＤ及び当該カセッテＩＤに対応する医用画像データの送信先情報（自装置のＩＰアドレス等）を医用画像読取装置３０のそれぞれに通知し（ステップＳ６６）、ステップＳ６７の処理に移行する。一方、ＣＰＵ２１は、携帯端末１０から受信されたモード設定情報がポータブルＦＰＤモードであると判別すると（ステップＳ６５；ＮＯ）、ステップＳ６７の処理に移行する。
【０１０６】
ステップＳ６７において、ＣＰＵ２１は、第１のＩ／Ｆ２７を介して、装着された携帯端末１０から次の撮影オーダ情報及び撮影実施情報を受信したか否かを判別し、次の撮影オーダ情報及び撮影実施情報を受信したと判別すると（ステップＳ６７；ＹＥＳ）、ステップＳ６２に戻る。携帯端末１０からの撮影オーダ情報の受信が終了すると（ステップＳ６７；ＮＯ）、ステップＳ６８の処理に移行する。
【０１０７】
ステップＳ６８において、ＣＰＵ２１は、携帯端末１０から受信したモード設定情報を判別し、モード設定情報がポータブルＦＰＤモードであると判別すると（ステップＳ６８；ＹＥＳ）、第２のＩ／Ｆ２８及びクレードル２０２を介してＦＰＤ７０から医用画像データの受信が開始されるのを待機する（ステップＳ６９）。ここで、上述のように、ＦＰＤ７０は、撮影した各医用画像データを自装置のＦＰＤＩＤ及び撮影順番と対応付けて制御装置２０に送信する。即ち、第２のＩ／Ｆ２８を介して受信される医用画像データには、ＦＰＤＩＤ及び撮影順番が対応付けられている。
【０１０８】
ＦＰＤ７０からの医用画像データの受信が開始されると（ステップＳ６９；ＹＥＳ）、ＣＰＵ２１は、受信した医用画像データを順次ＦＰＤＩＤ及び撮影順番に基づいて撮影オーダ情報に対応付けて記憶装置２６に記憶させる（ステップＳ７０）。具体的には、受信した医用画像データに対応付けられたＦＰＤＩＤを含む撮影オーダ情報（削除フラグが設定されているものを除く）を撮影順番の小さい（早い）順に並べ、受信した医用画像データの撮影順番の小さいものから順次対応付ける。撮影オーダ情報と医用画像データの対応付け方法としては、例えば、医用画像データのヘッダ部に撮影オーダ情報を書き込み、撮影オーダ情報の画像ＩＤ項目に医用画像データを識別するための画像ＩＤを書き込む等により行うことができる。
【０１０９】
そして、ＣＰＵ２１は、同一のＦＰＤ７０から受信された複数の医用画像データを表示部２３の画面上に患者跨ぎで表示させる（ステップＳ７１）。図１８は、図１７のステップＳ７１において表示部２３に表示される医用画像表示画面２３５を示す図である。図１８に示すように、医用画像表示画面２３５には、ＦＰＤ７０から受信された複数の患者の医用画像が同一画面に表示される構成、すなわち、患者跨ぎで表示される構成となっている。
【０１１０】
医用画像表示画面２３５には、技師情報を表示する領域２３５ａと、医用画像毎に、患者情報を表示する領域２３５ｂ、医用画像を表示する領域２３５ｃ及び撮影条件を表示する領域２３５ｄとが設けられ、同一画面には、４種類の医用画像が表示可能な構成となっている。具体的に、医用画像表示画面２３５の左上端の技師情報を表示する領域２３５ａには、技師の氏名として「スズキタロウ」のテキストデータを表示する項目が設けられている。また、左端に表示されている医用画像について説明すると、患者情報を表示する領域２３５ｂには、患者ＩＤとして「0001」の数字データを表示する項目と、氏名として「ヤマダ イチロウ」のテキストデータを表示する項目とが設けられている。
【０１１１】
その下部には、医用画像を表示する領域２３５ｃが設けられ、医用画像と、読取装置ＩＤとして「170」の数字データを表示する項目と、解像度として「通常」のテキストデータを表示する項目とが設けられている。さらに、その下部には、撮影条件を表示する領域２３５ｄが設けられ、撮影条件として「胸部 他 斜位」のテキストデータを表示する項目と、カセッテＩＤとして「01000108022016」の数字データを表示する項目が設けられている。
【０１１２】
そして、図１８に示すように、医用画像表示画面２３５には、「ヤマダ イチロウ」と「サクラ タロウ」の二人の患者の４枚の医用画像が同一画面に表示されている。
このように、ポータブルＦＰＤモードで一回の回診で回診先において複数の患者の医用画像を撮影した場合に、撮影した医用画像を患者が異なっても同一の画面上に表示することができるので、患者毎に医用画像を表示する画面のように次の患者を表示するためにいちいち患者を選択したりする操作が必要なく、医用画像を表示させる作業に係る手間を省いて操作性を向上させることができる。ＦＰＤ７０においては、一画像しか記録できないＣＲカセッテ５０とは異なり、複数の画像を蓄積することができるので、複数患者を回診することが想定され、撮影された医用画像を患者跨ぎで表示することは、特に好ましい。
【０１１３】
一方、ＣＰＵ２１は、モード設定情報がポータブルＣＲモードであると判別すると（ステップＳ６８；ＮＯ）、通信制御部２４を介して医用画像読取装置３０から医用画像データの受信が開始されるのを待機する（ステップＳ７２）。ここで、上述のように、医用画像読取装置３０は、ＣＲカセッテ５０から読み取った医用画像データをカセッテＩＤと対応付けて制御装置２０に送信する。即ち、通信制御部２４介して受信される医用画像データには、カセッテＩＤが対応付けられている。
【０１１４】
医用画像読取装置３０からの医用画像データの受信が開始されると（ステップＳ７２；ＹＥＳ）、ＣＰＵ２１は、受信した医用画像データを順次カセッテＩＤに基づいて撮影オーダ情報に対応付けて記憶装置２６に記憶させる（ステップＳ７３）。具体的には、受信した医用画像データに対応付けられたカセッテＩＤと一致するカセッテＩＤを有する撮影オーダ情報に当該医用画像データが対応付けられる。撮影オーダ情報と医用画像データの対応付け方法としては、例えば、医用画像データのヘッダ部に撮影オーダ情報を書き込み、撮影オーダ情報の画像ＩＤ項目に医用画像データを識別するための画像ＩＤを書き込む等により行うことができる。
【０１１５】
そして、ＣＰＵ２１は、受信された医用画像を表示部２３の画面上に患者毎に表示させる（ステップＳ７４）。
図１９は、図１７のステップＳ７４において表示部２３に表示される医用画像表示画面２３６を示す図である。図１９に示すように、医用画像表示画面２３６には、ＣＲカセッテ５０から受信された医用画像が患者毎に同一画面に表示される構成となっている。
【０１１６】
具体的に、医用画像表示画面２３６には、技師情報を表示する領域２３６ａと、画像の表示対象となっている患者の患者情報を表示する領域２３６ｂと、医用画像及び撮影条件を表示する複数の領域２３６ｃとが設けられ、同一画面には、同一患者についての４種類の医用画像が表示可能な構成となっている。図１９においては、医用画像表示画面２３６に、患者「桜 太郎」の医用画像が同一画面に表示されている。なお、従来より、ＣＲの医用画像撮影システムでは患者毎に医用画像を表示することが一般的であるため、ポータブルＣＲモードにおいては医用画像を患者毎に表示することとしている。
【０１１７】
以上の一連の処理により、ポータブルモードにおいて医用画像データが取得され、撮影オーダ情報と対応付けられる。なお、回診先で撮影オーダ情報の追加や削除があった場合、該当する撮影オーダ情報には追加フラグ、削除フラグが設定されているので、何れの撮影オーダ情報が追加又は削除された撮影オーダ情報であるかが識別可能となっている。そこで、携帯端末１０のＣＰＵ１１は、撮影オーダ情報を制御装置２０に戻す（送信する）際に、送信する撮影オーダの総件数、そのうち追加された撮影オーダ情報の件数、削除された撮影オーダ情報の件数を制御装置２０に送信し、制御装置２０のＣＰＵ２１は、事前に当該携帯端末１０に送信された撮影オーダ情報の件数と共に、受信した撮影オーダ情報の総件数、追加件数及び削除件数を表示部２３に表示し、技師等に上書き可否等の判断を仰ぎ、判断結果を入力させる構成としてもよい。このような構成とすることで、撮影オーダ情報と医用画像データとの対応付けの信頼性を高めることができる。また、表示部２３に撮影オーダ情報のリスト等を表示する際には、削除された撮影オーダ情報に「キャンセル」を示すアイコン表示をしたり、追加された撮影オーダ情報に「追加」を示すアイコンを表示をしたりすることにより、撮影オーダ情報の追加及び削除を技師が確認可能に表示するようにすることが好ましい。
【０１１８】
一方、制御装置２０において、図６に示すメニュー画面２３１から入力部２２によりノーマルＣＲモード又はノーマルＦＰＤモードが選択されると、以下の処理により医用画像データが取得され、撮影オーダ情報と対応付けられる。
まず、ＣＰＵ２１は、表示部２３に撮影オーダ情報一覧画面（図示せず）を表示させる。入力部２２の操作により撮影オーダ情報一覧画面から撮影オーダ情報が選択されると、ＣＰＵ２１は、バーコードリーダ２９を制御し、技師によりバーコードリーダ２９に対向して配置された、撮影に使用するＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０のバーコードを読み取って、カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤを取得する。ノーマルＦＰＤモードである場合には、ＣＰＵ２１は、撮影オーダ情報が選択された順番も併せて取得する。そして、選択された撮影オーダ情報のＩＤ項目に取得されたカセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤと撮影順番を対応付けて撮影オーダ情報ファイル２６１に記憶させるとともに、ノーマルＣＲモードである場合には、各医用画像読取装置３０に、ノーマルＦＰＤモードである場合には、ＦＰＤ撮影装置８０に、当該撮影オーダ情報に対応付けられたＩＤ（カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤ）及び当該ＩＤに対応する画像データの送信先（自装置のＩＰアドレス等）を通知する。
【０１１９】
技師は、撮影オーダ情報を選択し、この撮影に使用するＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０のバーコードを制御装置２０のバーコードリーダ２９により登録すると、登録したＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０を撮影室に搬送し、撮影を行う。
ＣＲカセッテ５０をＣＲ撮影装置９０に装着して撮影を行った場合、技師は、撮影後に撮影済みのＣＲカセッテ５０のバーコードを医用画像読取装置３０のバーコードリーダによりに読み取らせ、次いで、ＣＲカセッテ５０を医用画像読取装置３０に装着し、ＣＲカセッテ５０に記録された医用画像データの読み取りを行わせる。医用画像読取装置３０は、ＣＲカセッテ５０が装着されると、バーコードリーダにより読み取られたカセッテＩＤをメモリに一時記憶し、装着されたＣＲカセッテ５０に蓄積された放射線画像を読み取って医用画像データを取得する。そして、読み取った医用画像データにカセッテＩＤを対応付け、ネットワークＮを介して、予め送信先として通知された（カセッテ登録を行った）制御装置２０に送信する。
【０１２０】
一方、ＦＰＤ撮影装置８０をＦＰＤ撮影装置８０に装着して撮影を行った場合、ＦＰＤ撮影装置８０は、撮影済みのＦＰＤ７０から医用画像データ、ＦＰＤＩＤ、及び撮影順番を取得して、医用画像データにＦＰＤＩＤ及び撮影順番を対応付け、ネットワークＮを介して、予め送信先として通知された（ＦＰＤ登録を行った）制御装置２０に送信する。
【０１２１】
制御装置２０において、通信制御部２４を介して医用画像データ及びカセッテＩＤを受信すると、ＣＰＵ２１は、受信した医用画像データをカセッテＩＤに基づいて撮影オーダ情報に対応付けて記憶装置２６に記憶させる。具体的には、受信した医用画像データに対応付けられたカセッテＩＤと一致するＩＤを有する撮影オーダ情報に当該医用画像データが対応付けられる。撮影オーダ情報と医用画像データの対応付け方法としては、例えば、医用画像データのヘッダ部に撮影オーダ情報を書き込み、撮影オーダ情報の画像ＩＤ項目に医用画像データを識別するための画像ＩＤを書き込む等により行うことができる。また、通信制御部２４を介して医用画像データ、ＦＰＤＩＤ及び撮影順番を受信すると、ＣＰＵ２１は、受信した医用画像データをＦＰＤＩＤ及び撮影順番に基づいて撮影オーダ情報に対応付けて記憶装置２６に記憶させる。
そして、ＣＰＵ２１は、受信された医用画像を表示部２３の画面上に患者毎に表示させる。
【０１２２】
以上のように、本実施の形態の医用画像撮影システム１００によれば、回診先で撮影オーダ情報に基づいて撮影を行う場合、携帯端末１０において、撮影オーダ情報と撮影に使用するカセッテＩＤやＦＰＤＩＤとの対応付けを登録する。また、回診先で患者の容態等に応じて撮影状況に変更があった際に、携帯端末１０に記憶されている撮影オーダ情報を編集し、撮影状況に応じた内容を記憶しておく。撮影終了後、携帯端末１０は、モード設定情報、撮影オーダ情報及びＩＤ（カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤ）を含む撮影実施情報を制御装置２０に送信する。制御装置２０は、受信した撮影オーダ情報及び撮影実施情報により記憶装置２６に記憶されている撮影オーダ情報ファイル２６１の内容を更新する。
【０１２３】
ＦＰＤ７０を使用して撮影が行われると、ＦＰＤ７０は、被写体を透過した放射線を検出して電気信号に変換し、医用画像データを生成する。そして、生成した医用画像データを撮影順番（生成順）と対応付けて記憶装置７６に順次記憶する。撮影後、クレードル２０２に装着されると、ＦＰＤ７０は、記憶された医用画像データをＦＰＤＩＤ及び撮影順番と対応付けて制御装置２０に送信する。制御装置２０は、ＦＰＤ７０から医用画像データを受信すると、受信した医用画像データをＦＰＤＩＤ及び撮影順番に基づいて撮影オーダ情報に対応付けて記憶する。そして、制御装置２０は、表示部２３に受信した医用画像を患者跨ぎで表示させる。
【０１２４】
一方、ＣＲカセッテ５０を使用して撮影が行われ、医用画像読取装置３０においてＣＲカセッテ及びカセッテＩＤが取得されると、医用画像読取装置３０は取得した医用画像データをカセッテＩＤと対応付けて制御装置２０に送信する。制御装置２０は、医用画像読取装置３０から医用画像データ及びカセッテＩＤを受信すると、受信した医用画像データをカセッテＩＤに基づいて撮影オーダ情報に対応付けて記憶する。そして、制御装置２０は、表示部２３に受信した医用画像を患者毎に表示させる。
【０１２５】
従って、ＦＰＤ７０を使用して撮影を行った場合は、制御装置２０において、ＦＰＤＩＤ及び撮影順番に基づいて、医用画像データと撮影オーダ情報を対応付けるので、複数の医用画像データを蓄積可能なＦＰＤ７０を使用して一つのＦＰＤ７０につき複数の医用画像の撮影を行った場合であっても医用画像データと撮影オーダ情報との対応付けを確実に行うことが可能となる。また、ＦＰＤ７０を用いたときとＣＲカセッテ５０を用いたときとで回診先での技師の作業フローがほとんど変わらないため、作業効率を向上させることが可能となる。また、回診先で撮影を行う際に、患者の容態に応じて撮影状況に変更があった場合、携帯端末１０において撮影オーダ情報を編集して、編集した内容を制御装置２０に記憶された撮影オーダ情報に自動的に反映させることができるため、技師が制御装置まで戻って撮影オーダ情報を編集し、再度携帯端末に送信したり、撮影オーダ情報の変更内容を技師が制御装置に入力し直したりする必要がなくなり、回診撮影の作業を効率化することが可能となる。
【０１２６】
また、ポータブルＦＰＤモードの場合、回診先で撮影された医用画像を複数患者に跨って同時に表示画面上に表示するので、回診先で撮影された複数の医用画像を技師が確認する際に表示対象の患者を切り替える操作が必要なく、医用画像の確認作業を効率的に行うことが可能となる。
【０１２７】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な医用画像撮影システムの一例であり、これに限定されるものではない。
【０１２８】
例えば、上記実施の形態においては、携帯端末１０と制御装置２０の通信、及びＦＰＤ７０と制御装置２０との通信はクレードルを介して行うこととしたが、これに限定されず、無線通信等により行うこととしてもよい。
【０１２９】
また、一のＦＰＤ７０のみを使用し、当該ＦＰＤ７０が無線通信機能を有しており、撮影後、技師が制御装置２０の近辺に移動し無線通信操作をしてＦＰＤ７０に記憶されている医用画像データを制御装置２０に送信する構成であってもよい。この場合においてはＦＰＤＩＤの入力は不要である。
【０１３０】
その他、本実施の形態における医用画像撮影システム１００の各構成要素の細部構成、及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【０１３１】
【図１】本発明を適用した実施の形態における医用画像撮影システムのシステム構成を示す図である。
【図２】図１に示す携帯端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図３】図２の記憶装置に記憶される撮影オーダ情報ファイルのデータ構成を示す図である。
【図４】図１に示す制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図５】図１に示すＦＰＤの機能的構成を示すブロック図である。
【図６】図１に示す制御装置の表示部に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【図７】図１に示す制御装置の表示部に表示されるポータブルリスト画面の一例を示す図である。
【図８】（ａ）は、図１に示す制御装置の表示部に表示される患者情報を入力するための入力画面の一例を示す図であり、（ｂ）は、図１に示す制御装置の表示部に表示される撮影条件を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【図９】図１の制御装置のＣＰＵにより実行されるポータブル撮影準備処理を示すフローチャートである。
【図１０】図１の携帯端末のＣＰＵにより実行される撮影オーダ情報取得処理を示すフローチャートである。
【図１１】図１の携帯端末の表示部に表示される患者リスト画面の一例を示す図である。
【図１２】図１の携帯端末のＣＰＵにより実行される撮影実施結果取得処理を示すフローチャートである。
【図１３】図１の携帯端末の表示部に表示される撮影オーダ情報を表示する表示画面の一例を示す図である。
【図１４】図１の携帯端末の表示部に表示される撮影条件を編集するための入力画面の一例を示す図である。
【図１５】図１のＦＰＤのＣＰＵにより実行されるＦＰＤ撮影処理を示すフローチャートである。
【図１６】図１の携帯端末のＣＰＵにより実行される撮影終了後処理を示すフローチャートである。
【図１７】図１の制御装置のＣＰＵにより実行される画像データ対応付け処理を示すフローチャートである。
【図１８】ポータブルＦＰＤモードにおいて、図１の制御装置の表示部に表示される医用画像表示画面の一例を示す図である。
【図１９】ポータブルＣＲモードにおいて、図１の制御装置の表示部に表示される医用画像表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【０１３２】
１００ 医用画像撮影システム
１０ 携帯端末
１１ ＣＰＵ
１２ 操作部
１３ 表示部
１４ Ｉ／Ｆ
１５ ＲＡＭ
１６ 記憶装置
１７ バーコードリーダ
１８ バス
２０ 制御装置
２１ ＣＰＵ
２２ 入力部
２３ 表示部
２４ 通信制御部
２５ ＲＡＭ
２６ 記憶装置
２７ 第１のＩ／Ｆ
２０１ クレードル
２８ 第２のＩ／Ｆ
２０２ クレードル
２９ バーコードリーダ
２１０ バス
３０ 医用画像読取装置
４０ 放射線源
５０ ＣＲカセッテ
６０ 情報管理装置
７０ ＦＰＤ
７１ ＣＰＵ
７２ 操作部
７３ 放射線検出部
７４ Ｉ／Ｆ
７５ ＲＡＭ
７６ 記憶装置
７７ バス
８０ ＦＰＤ撮影装置
９０ ＣＲ撮影装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、医用画像撮影システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
放射線を用いて撮影された画像は、診断のための医用画像として広く用いられており、近年では医用画像のデジタル化が実現されている。例えば、ＣＲ（Computed Radiography）装置は、被写体を透過した放射線を輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートに蓄積させた後、この輝尽性蛍光体シートをレーザ光で走査し、これにより輝尽性蛍光体シートから発光される輝尽光を光電変換して医用画像データを得るものである。
【０００３】
この輝尽性蛍光体を利用した医用画像撮影システムは、大きく分けて輝尽性蛍光体シートを内蔵して撮影と画像の読み取りの両方を行う専用タイプと、輝尽性蛍光体シートを収容した持ち運び可能なカセッテを用いるカセッテタイプとに分類される。
【０００４】
カセッテタイプの医用画像撮影システムは、制御装置と医用画像読取装置とを備えて構成される。医用画像読取装置は、カセッテから医用画像データ及びカセッテの識別情報を読み取って制御装置に送信するものである。制御装置は、撮影対象の患者の患者情報や撮影条件等からなる撮影オーダ情報を撮影に使用するカセッテの識別情報とを対応付けて記憶し、医用画像読取装置から送信された医用画像データをカセッテの識別情報に基づいて撮影オーダ情報に対応付けて保存するものである。
【０００５】
また、骨折や脳血管疾患等の患者や集中治療室にて管理中の患者等のために、回診用の移動可能な放射線源とカセッテとを利用して、回診先において撮影を行う医用画像撮影システムも知られている。例えば、特許文献１には、制御装置に記憶されている撮影オーダ情報のうち、回診撮影を行う撮影オーダ情報を携帯端末に送信し、携帯端末において回診撮影対象の撮影オーダ情報の表示や撮影オーダ情報とカセッテの識別情報との対応付けを行い、撮影後、制御装置にカセッテの識別情報が対応付けられた撮影オーダ情報を戻すシステムが記載されている。
【０００６】
ところで、近年、医用画像データの取得のために、上述の輝尽性蛍光体シートを内蔵したカセッテとともに、放射線を検出しデジタル画像データとして取得するＦＰＤ（Flat Panel Detector）が用いられるようになってきている。ＦＰＤは、カセッテが一枚の画像しか記録できないのに対し、複数の画像データを蓄積することができる（特許文献２参照）。そのため、ＦＰＤを利用することにより、回診撮影を効率化することが考えられる。
【特許文献１】特開２００４−２９０３１９号公報
【特許文献２】特許第３４９４６８３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、可搬型のＦＰＤを単純に従来のカセッテを用いた医用画像撮影システムに導入し、回診用に使用した場合、撮影オーダ情報と医用画像データとを１：１で対応付けることができず、問題となる。また、回診撮影先で撮影オーダ情報の変更、追加、削除等の編集があった場合、制御装置まで戻って撮影オーダ情報を編集し、再度携帯端末に送信するのでは手間がかかる。更に、カセッテを用いた医用画像撮影システムにおいては、撮影により取得された医用画像データは患者単位で表示しているが、回診先で撮影された複数の画像データを確認する際に患者単位で表示されたのでは、表示対象の患者を切り替える等の操作が必要となり煩雑である。
【０００８】
本発明の課題は、可搬型のＦＰＤを医用画像撮影システムに導入した場合の作業効率を効率化するとともに、撮影オーダ情報と医用画像データとの対応付けを確実に行うことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するため、請求項１に記載の発明は、
撮影オーダ情報を記憶する撮影オーダ情報記憶手段を有する制御装置と、前記制御装置と通信可能に構成され、前記制御装置から撮影オーダ情報を取得して表示する携帯端末と、被写体を透過した放射線に基づき医用画像データを生成し、生成された医用画像データを複数蓄積保存可能な可搬型ＦＰＤと、を備える医用画像撮影システムであって、
前記携帯端末は、
前記制御装置から取得した撮影オーダ情報に基づく医用画像データの生成に使用する可搬型ＦＰＤの識別情報を取得する取得手段と、
前記取得した可搬型ＦＰＤの識別情報を前記撮影オーダ情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報を編集する編集手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報と当該撮影オーダ情報に対応付けられた可搬型ＦＰＤの識別情報とを前記制御装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記可搬型ＦＰＤは、
前記生成した複数の医用画像データを生成順に記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された複数の医用画像データを当該可搬型ＦＰＤの識別情報と対応付けて前記生成順を識別可能に前記制御装置に送信する画像データ送信手段と、
を備え、
前記制御装置は、
前記携帯端末から送信された撮影オーダ情報及び可搬型ＦＰＤの識別情報を受信する受信手段と、
前記可搬型ＦＰＤから前記生成順を識別可能に送信された医用画像データ及び前記可搬型ＦＰＤの識別情報を受信する画像データ受信手段と、
前記撮影オーダ情報記憶手段に記憶されている撮影オーダ情報を前記携帯端末から受信した撮影オーダ情報に更新させるとともに前記受信した可搬型ＦＰＤの識別情報に対応付けて記憶させ、前記可搬型ＦＰＤから受信した医用画像データを前記可搬型ＦＰＤの識別情報及び当該医用画像データの生成順に基づいて前記更新した撮影オーダ情報と対応付ける制御手段と、
を備える。
【００１０】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明において、
前記制御装置を複数備え、前記携帯端末は、前記複数の制御装置のうち少なくとも一つと通信可能である。
【００１１】
請求項３に記載の発明は、
撮影オーダ情報を記憶する撮影オーダ情報記憶手段を有する制御装置と、前記制御装置から撮影オーダ情報を取得して表示する携帯端末と、被写体を透過した放射線に基づき医用画像データを生成し、生成された医用画像データを複数蓄積保存可能な可搬型ＦＰＤと、被写体を透過した放射線画像が記録されたカセッテから医用画像データ及びカセッテの識別情報を読み取って前記制御装置に送信する医用画像読取装置と、
を備える医用画像撮影システムであって、
前記携帯端末は、
前記制御装置から取得した撮影オーダ情報に基づく医用画像データの生成に使用する可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報を取得する取得手段と、
前記取得した可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報を前記撮影オーダ情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報を編集する編集手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報と当該撮影オーダ情報に対応付けられた可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報とを前記制御装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記可搬型ＦＰＤは、
前記生成した複数の医用画像データを生成順に記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された複数の医用画像データを当該可搬型ＦＰＤの識別情報と対応付けて前記生成順を識別可能に前記制御装置に送信する画像データ送信手段と、
を備え、
前記制御装置は、
前記可搬型ＦＰＤを使用する第１のモードと、前記カセッテを使用する第２のモードを有し、
前記携帯端末から送信された撮影オーダ情報及び、可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報を受信する受信手段と、
前記可搬型ＦＰＤから前記生成順を識別可能に送信された医用画像データ及び前記可搬型ＦＰＤの識別情報を受信する第１の画像データ受信手段と、
前記医用画像読取装置から送信された医用画像データ及びカセッテの識別情報を受信する第２の画像データ受信手段と、
前記第１のモードにおいて、前記撮影オーダ情報記憶手段に記憶されている撮影オーダ情報を前記携帯端末から受信した撮影オーダ情報に更新させるとともに前記受信した可搬型ＦＰＤの識別情報に対応付けて記憶させ、前記可搬型ＦＰＤから受信した医用画像データを前記可搬型ＦＰＤの識別情報及び当該医用画像データの生成順に基づいて前記更新した撮影オーダ情報と対応付け、前記第２のモードにおいて、前記撮影オーダ情報記憶手段に記憶されている撮影オーダ情報を前記携帯端末から受信した撮影オーダ情報に更新させるとともに前記受信したカセッテの識別情報に対応付けて記憶させ、前記医用画像読取装置から受信した医用画像データを前記カセッテの識別情報に基づいて前記更新した撮影オーダ情報と対応付ける制御手段と、
を備える。
【００１２】
請求項４に記載の発明は、請求項３に記載の発明において、
前記制御装置を複数備え、前記携帯端末は、前記複数の制御装置のうち少なくとも一つと通信可能である。
【００１３】
請求項５に記載の発明は、請求項４に記載の発明において、
前記医用画像読取装置を複数備え、
前記制御装置の制御手段は、前記第２のモードにおいて、前記撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテの識別情報を前記医用画像読取装置のそれぞれに通知して、前記カセッテの識別情報を有するカセッテから読み取った医用画像データを当該制御装置に送信させる。
【００１４】
請求項６に記載の発明は、請求項３〜５の何れか一項に記載の発明において、
前記制御装置は、医用画像データを画面上に表示する表示手段を備え、
前記制御装置の制御手段は、前記第１のモードにおいて、前記可搬型ＦＰＤから受信した複数の患者についての医用画像データを前記表示手段に同一画面上に表示させ、前記第２のモードにおいて、前記医用画像読取装置から受信した医用画像データを患者単位で前記表示手段に表示させる。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によれば、複数の医用画像データを記憶可能な可搬型ＦＰＤを用いた医用画像システムにおいて、撮影された医用画像データと撮影オーダ情報との対応付けを確実に行うことが可能となる。また、撮影オーダ情報に編集の必要が生じた場合に携帯端末で編集を行って撮影オーダ情報を管理する制御装置の撮影オーダ情報を更新させることができるので、回診撮影の作業を効率化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。なお、以下では、本発明に特徴的な実施の形態の一例として、持ち運び可能な携帯端末と、移動可能な放射線源とを利用し、回診先にて撮影を行うポータブルモードを有する医用画像撮影システムについて説明を行う。
【００１７】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図１は、本発明に係る医用画像撮影システム１００のシステム構成を示す概念図である。図１に示すように、医用画像撮影システム１００は、携帯端末１０Ａ〜１０Ｃ、制御装置２０Ａ〜２０Ｃ、医用画像読取装置３０Ａ〜３０Ｃ、放射線源４０Ａ〜４０Ｂ、ＣＲカセッテ５０Ａ〜５０Ｃ、情報管理装置６０、可搬型ＦＰＤ（以下、ＦＰＤという）７０Ａ〜７０Ｃ、ＦＰＤ撮影装置８０、ＣＲ撮影装置９０等から構成されている。また、制御装置２０Ａ〜２０Ｃ、医用画像読取装置３０Ａ〜３０Ｃ、情報管理装置６０、ＦＰＤ撮影装置８０、ＣＲ撮影装置９０は、ネットワークＮを介して接続されている。携帯端末１０Ａ〜１０Ｃと制御装置２０Ａ〜２０Ｃは、制御装置２０Ａ〜２０Ｃにそれぞれ設けられたクレードル２０１Ａ〜２０１Ｃを介して接続可能な構成となっている。ＦＰＤ７０Ａ〜７０Ｃと制御装置２０Ａ〜２０Ｃは、制御装置２０Ａ〜２０Ｃにそれぞれ設けられたクレードル２０２Ａ〜２０２Ｃを介して接続可能な構成となっている。
【００１８】
なお、携帯端末１０Ａ〜１０Ｃは同一の構成及び機能を有しており、以下、携帯端末１０Ａ〜１０Ｃを個別に識別する必要のないときにはこれらを統括して携帯端末１０と記す。また、制御装置２０Ａ〜２０Ｃ、クレードル２０１Ａ〜２０１Ｃ、クレードル２０２Ａ〜２０２Ｃ、医用画像読取装置３０Ａ〜３０Ｃ、放射線源４０Ａ〜４０Ｂ、ＣＲカセッテ５０Ａ〜５０Ｃ及びＦＰＤ７０Ａ〜７０Ｃについても同様であり、それぞれ制御装置２０、クレードル２０１、クレードル２０２、医用画像読取装置３０、放射線源４０、ＣＲカセッテ５０、ＦＰＤ７０と記す。また、各装置の台数は、図示例に限定されない。
【００１９】
携帯端末１０は、放射線源４０を操作する技師等が携帯する携帯型情報端末装置であり、クレードル２０１を介して制御装置２０と通信を行う。また、携帯端末１０は、制御装置２０から撮影オーダ情報を取得して表示するが、複数患者の撮影オーダ情報がある場合、撮影オーダ情報の中から所望の患者ＩＤに対応する撮影オーダ情報を検索して表示する。
【００２０】
制御装置２０は、情報管理装置６０から撮影オーダ情報を受信し、受信した撮影オーダ情報をクレードル２０１を介して携帯端末１０に送信する。また、制御装置２０は、撮影終了後、携帯端末１０から撮影オーダ情報に対応付けられたＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０の識別情報を受信し、ＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０の識別情報に基づいて、医用画像読取装置３０やＦＰＤ７０から受信した医用画像データを撮影オーダ情報と対応付け、医用画像データを管理する。
【００２１】
医用画像読取装置３０は、ＣＲカセッテ５０に記録された放射線画像を読み取る医用画像読取装置である。医用画像読取装置３０は、ＣＲカセッテ５０の輝尽性蛍光体シートに励起光を照射し、これによりシートから発光される輝尽光を光電変換し、得られた画像信号をＡ／Ｄ変換して、医用画像データを取得する。また、医用画像読取装置３０は、バーコードリーダを有し、ＣＲカセッテ５０に付帯されたカセッテの識別情報（以下、「カセッテＩＤ」と記す）を読み取り、医用画像データとカセッテＩＤとを対応付けて制御装置２０に送信する。
【００２２】
放射線源４０は、Ｘ線を発生する管球などにより構成され、回診用にポータブルで位置を自在に設置できる。撮影時には、患者の病室のベッドサイドなどで、被写体である患者の撮影対象部位を挟んでＣＲカセッテ５０やＦＰＤ７０の画像読取面に対向して設置され、被写体に向けて放射線を照射する。
【００２３】
ＣＲカセッテ５０は、放射線エネルギーの一部を蓄積する輝尽性蛍光体シートを内蔵しており、放射線源４０から照射され、放射線源４０とＣＲカセッテ５０との間に配置される被写体を透過した放射線エネルギーの一部を上記輝尽性蛍光体シートに蓄積する。なお、ＣＲカセッテ５０の表面には、ＣＲカセッテ５０の個体の識別情報となるカセッテＩＤを示すバーコード等が付帯されている。
【００２４】
情報管理装置６０は、医師から指示された撮影オーダ情報を一括して管理する端末であり、制御装置２０からの要求指示に応じて、撮影オーダ情報を抽出し、制御装置２０に抽出した撮影オーダ情報を送信する。なお、他の情報管理装置として、撮影オーダ情報の予約受付を行う受付装置（図示せず）を適用しても良く、ＨＩＳ（Hospital Information System）やＲＩＳ（Radiology Information System）等の情報管理システムを適用することとしてもよい。
【００２５】
ＦＰＤ７０は、放射線源４０から照射されて少なくとも被写体を透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して医用画像データを生成する。ＦＰＤ７０の表面には、ＦＰＤ７０の個体の識別情報となるＦＰＤＩＤを示すバーコード等が付帯されている。
【００２６】
ＦＰＤ撮影装置８０は、ＦＰＤ７０を着脱可能で、放射線源、装置内部に装填されたＦＰＤ７０を保持又は支持するブッキー台又は臥位テーブルを備える立位型又は臥位型の据え置き型撮影装置であり、放射線源を制御して被写体に放射線を照射し、ＦＰＤ撮影装置８０に装着されたＦＰＤ７０に放射線像を記録させる。また、ＦＰＤ撮影装置８０は、ＦＰＤ７０で読み取った医用画像データを取得して、撮影に使用されたＦＰＤ７０のＦＰＤＩＤと対応付けて制御装置２０に送信する。
【００２７】
ＣＲ撮影装置９０は、放射線源、ＣＲカセッテ５０を保持又は支持するブッキー台又は臥位テーブルを備える立位型又は臥位型の据え置き型撮影装置であり、放射線源を制御して被写体に放射線を照射し、ＣＲ撮影装置９０に装着されたＣＲカセッテ５０に放射線像を記録させる。
【００２８】
ネットワークＮは、ＬＡＮ（Local Area Network）やＷＡＮ（Wide Area Network）、インターネット等の様々な回線形態を適用可能である。なお、病院等の医療機関内で許可されるのであれば、無線通信や赤外線通信であってもよいが、撮影オーダ情報を送受信する際には重要な患者情報を含むため、撮影オーダ情報は暗号化することが好ましい。
【００２９】
次に、本発明において主要な構成要素となる各装置について詳細に説明する。
図２は、携帯端末１０の機能的構成を示すブロック図である。図２に示すように、携帯端末１０は、ＣＰＵ１１、操作部１２、表示部１３、送信手段としてのＩ／Ｆ１４、ＲＡＭ１５、記憶手段としての記憶装置１６、取得手段としてのバーコードリーダ１７等から構成され、各部はバス１８により接続されている。
【００３０】
ＣＰＵ（Central Processing Unit）１１は、記憶装置１６に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをＲＡＭ１５に展開し、当該プログラムに従って携帯端末１０の各部を集中制御する。
【００３１】
具体的にＣＰＵ１１は、記憶装置１６から撮影オーダ情報取得処理プログラム、撮影実施結果取得処理プログラム、撮影終了後処理プログラムを読み出して、後述する撮影オーダ情報取得処理（図１０参照）、撮影実施結果取得処理（図１２参照）、撮影終了後処理（図１６参照）を実行する。なお、各処理の詳細については後述する。
【００３２】
操作部１２は、表示部１３の表示画面を覆う透明なシートパネルに指または専用のスタイラスペンで触れることにより入力される位置情報を入力信号としてＣＰＵ１１に出力する、いわゆるタッチパネルにより構成されている。また、操作部１２は、電源ボタン、各種機能ボタン等を備えており、ボタン操作による操作信号をＣＰＵ１１に出力する。
【００３３】
表示部１３は、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）等による表示ディスプレイを備えており、ＣＰＵ１１からの表示指示に基づいて撮影オーダ情報や、取得した患者ＩＤ、カセッテＩＤ等の各種情報を画面上に表示する。
【００３４】
Ｉ／Ｆ１４は、携帯端末１０とクレードル２０１とを接続するためのインターフェースであり、携帯端末１０がクレードル２０１に装着されると、検出信号をＣＰＵ１１に出力する。また、Ｉ／Ｆ１４は、クレードル２０１を介して、携帯端末１０と制御装置２０との間で、データの転送速度の調整や、データ形式の変換を行い、両者間のデータのやりとりを仲介する。
【００３５】
例えば、Ｉ／Ｆ１４は、制御装置２０から撮影オーダ情報を受信するとともに、撮影終了後、撮影オーダ情報及び撮影実施情報（カセッテＩＤ、ＦＰＤＩＤ、撮影順番、各種フラグ等を含む）を、制御装置２０に送信する。なお、Ｉ／Ｆ１４は、必要に応じてＰＨＳ等の携帯電話端末を接続し、無線通信を確立してデータの送受信を行う構成であってもよい。
【００３６】
ＲＡＭ（Random Access Memory）１５は、前述の指定されたアプリケーションプログラム、入力指示、入力データ及び処理結果等を格納するワークメモリエリアを有する。
【００３７】
記憶装置１６は、プログラムやデータが予め記憶されている記憶媒体（図示せず）を有しており、この記憶媒体は、システムプログラム、当該システムプログラムに対応する各種アプリケーションプログラム及び各種処理プログラムで処理されたデータ等を記憶する。また、この記憶媒体は磁気的、光学的記憶媒体又は半導体メモリで構成され、記憶装置１６に固定的に設けられるもの又は着脱自在に装着するものである。
【００３８】
また、記憶装置１６は、制御装置２０から受信した撮影オーダ情報やその撮影実施情報を格納するための撮影オーダ情報ファイル１６１を記憶している。図３を参照して撮影オーダ情報ファイル１６１について説明する。図３は、撮影オーダ情報ファイル１６１のデータ構成例を示す図である。図３に示すように、撮影オーダ情報ファイル１６１は、撮影ＩＤ、患者ＩＤ、氏名、性別、年齢、病室、依頼科、撮影条件（撮影部位、撮影方向）等の撮影オーダ情報と、撮影に使用したＣＲカセッテ５０（ＦＰＤ７０）のカセッテＩＤ（ＦＰＤＩＤ）、撮影順番、編集フラグ、送信終了フラグ等の撮影実施情報とを格納するための項目を有し、撮影オーダ情報毎に各項目に対応するデータを１レコードとして格納する。
【００３９】
撮影ＩＤの項目には、撮影を特定するために一義的に割り当てられた識別コード（例えば、20020101001、20020101002、20020101003、…）が格納される。患者ＩＤの項目には、撮影を受ける患者を特定するために一義的に割り当てられた識別コード（例えば、10000002、1000005、…）が格納される。氏名の項目には、撮影対象となる患者の名前を示す文字情報が格納され、性別の項目には、撮影対象となる患者の性別を示す文字情報が格納される。年齢の項目には、撮影対象となる患者の年齢が数字情報により格納され、病室の項目には、撮影場所となる病室を示す文字情報が格納される。
【００４０】
依頼科の項目には、撮影を依頼した依頼科を示す文字情報が格納され、撮影条件の項目には、撮影部位及び撮影方向を示す情報（例えば、頭蓋骨Ａ→Ｐ、頭蓋骨Ｐ→Ａ、胸部Ｐ→Ａ、…）が格納される。
【００４１】
ＩＤの項目には、撮影に使用したＣＲカセッテ５０のカセッテＩＤ又はＦＰＤ７０のＦＰＤＩＤが格納される。
撮影順番の項目には、その撮影オーダ情報に基づく撮影が行われた順番（生成順）が格納される。
編集フラグの項目には、撮影オーダ情報が編集されたときの編集内容を示すフラグ（追加フラグ、変更フラグ、削除フラグ）が格納される。
送信終了フラグの項目には、制御装置２０へ撮影オーダ情報が送信されたことを示すフラグが格納される。
なお、撮影準備段階においてＩＤ項目、撮影順番項目、編集フラグ項目、送信終了フラグ項目にはデータは格納されておらず、ベッドサイドでの撮影時に格納される構成となっている。
【００４２】
なお、撮影オーダ情報には、患者情報として患者ＩＤ、氏名、性別、年齢の他、例えば、担当医師名、感染症等を警告する警告情報、薬物アレルギーの有無、妊娠の有無、追加病歴、車椅子や担架等の特別な介護の必要性、臨床診断名、守秘事項等の各種患者情報が格納される構成であっても良い。また、撮影部位及び撮影方向等の撮影条件の他、例えば、撮影方法（単純撮影、造影撮影等）、撮影予定日等の各種撮影情報が格納される構成であっても良い。
【００４３】
また、記憶装置１６は、後述する撮影実施結果取得処理における撮影順番のカウント値ｎを格納する。
【００４４】
バーコードリーダ１７は、カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤを取得するための取得手段の一例であり、光学的な読み取り装置であるスキャナを備えている。バーコードリーダ１７は、スキャナにてバーコードを読み取り、所定の規格に従ってデコードすることにより、バーコードが示す情報を取得する。ここで、所定の規格とは、ＪＡＮコード、ＵＰＣコード、ＣＯＤＥ３９、ＣＤＥ９３、ＣＯＤＥ１２８、ＮＷ−７、ＩＮＤＵＳＴＲＩＡＬ ２ｏｆ５、ＩＴＦ物流コード等である。
【００４５】
具体的に、バーコードリーダ１７は、ＣＲカセッテ５０を用いて撮影を行う際に、撮影に使用されるＣＲカセッテ５０に付帯されたバーコードを読み取り、カセッテＩＤを取得する。また、バーコードリーダ１７は、ＦＰＤ７０を用いて撮影を行う際に、撮影に使用されるＦＰＤ７０に付帯されたバーコードを読み取り、ＦＰＤＩＤを取得する。また、バーコードリーダ１７は、患者のベッドサイド又は患者の身体の一部に付帯されたバーコードを読み取り、患者ＩＤの認証を行った後、当該患者の撮影オーダ情報に対応するカセッテＩＤの対応付けが可能になるように構成してもよい。
【００４６】
図４は、制御装置２０の機能的構成を示すブロック図である。図４に示すように、制御装置２０は、制御手段としてのＣＰＵ２１、入力部２２、表示部２３、第２の画像データ受信手段としての通信制御部２４、ＲＡＭ２５、撮影オーダ情報記憶手段としての記憶装置２６、クレードル２０１が接続された受信手段としての第１のＩ／Ｆ２７、クレードル２０２が接続された画像データ受信手段（第１の画像データ受信手段）としての第２のＩ／Ｆ２８、バーコードリーダ２９等を備えて構成され、各部はバス２１０により接続されている。
【００４７】
ＣＰＵ２１は、記憶装置２６に記憶されているシステムプログラムや各種制御プログラムを読み出し、ＲＡＭ２５に展開し、該制御プログラムに従って各部の動作を集中制御する。また、ＣＰＵ２１は、ＲＡＭ２５に展開したプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をＲＡＭ２５に一時記憶させるとともに、表示部２３に表示させる。
【００４８】
具体的に、ＣＰＵ２１は、記憶装置２６からポータブル撮影準備処理プログラム、画像データ対応付け処理プログラムを読み出して、後述するポータブル撮影準備処理（図９参照）、画像データ対応付け処理（図１７参照）を実行する。
【００４９】
入力部２２は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードを含み、このキーボードで押下されたキーに対応する押下信号をＣＰＵ２１に出力する。なお、入力部２２は、必要に応じてマウス、タッチパネル等のポインティングデバイスや、その他の入力装置を備えることとしてもよい。
【００５０】
表示部２３は、ＬＣＤやＣＲＴ等により構成され、ＣＰＵ２１から入力される表示信号の指示に従って、入力部２２からの入力指示やデータ等を表示する。
【００５１】
通信制御部２４は、ＬＡＮアダプタやルータやＴＡ（Terminal Adapter）等によって構成され、専用線、或いはＩＳＤＮ回線等の通信回線を介してネットワークＮに接続された各装置との間の通信を制御する。
【００５２】
ＲＡＭ２５は、ＣＰＵ１１により実行制御される各種処理において、記憶装置２６から読み出されたＣＰＵ２１で実行可能なシステムプログラム、制御プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶する記憶領域を形成する。
【００５３】
記憶装置２６は、ＨＤＤ（Hard Disc Drive）や不揮発性の半導体メモリ等により構成され、ＣＰＵ２１で実行されるシステムプログラム、当該システムプログラムに対応する各種処理プログラム、及び処理結果等を記憶する。また、プログラムやデータが予め記憶された記録媒体（図示省略）を有しており、この記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体、もしくは半導体メモリで構成され、記憶装置２６に固定的、或いは着脱自在に装着するものである。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、ＣＰＵ２１は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【００５４】
また、記憶装置２６は、情報管理装置６０から受信した撮影オーダ情報や、その撮影実施情報を記憶するための撮影オーダ情報ファイル２６１を格納している。なお、撮影オーダ情報ファイル２６１は、図示しないが、上述した撮影オーダ情報ファイル１６１（図３参照）の項目に加えて、入力部２２により設定されたモードの情報を格納するためのモード設定項目、撮影オーダ情報に対応する医用画像データの画像識別情報（画像ＩＤ）を格納するための画像ＩＤ項目を有する。さらに、記憶装置２６は、医用画像読取装置３０から受信した医用画像データを撮影オーダ情報に対応付けて記憶する。
【００５５】
ここで、医用画像撮影システム１００は、ノーマルモードとポータブルモードの大きくわけて２つの動作モードを有する。ノーマルモードは、撮影室において撮影を行うモードである。ノーマルモードは、更に、ＦＰＤ７０を利用してＦＰＤ撮影装置８０により撮影を行うノーマルＦＰＤモードと、ＣＲカセッテ５０を利用してＣＲ撮影装置９０により撮影を行うノーマルＣＲモードを有する。ポータブルモードは、撮影を行う持ち運び可能な携帯端末１０と、移動可能な放射線源４０と、ＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０とを利用し、回診先にて撮影を行うモードである。ポータブルモードは、更に、ＦＰＤ７０を利用して撮影を行うポータブルＦＰＤモード（第１のモード）と、ＣＲカセッテ５０を利用して撮影を行うポータブルＣＲモード（第２のモード）を有する。
【００５６】
第１のＩ／Ｆ２７は、制御装置２０とクレードル２０１を接続するためのインターフェースであり、携帯端末１０がクレードル２０１に装着されたことを検出すると、検出信号をＣＰＵ２１にする。また、第１のＩ／Ｆ２７は、クレードル２０１を介して、制御装置２０と携帯端末１０との間で、データの転送速度の調整や、データ形式の変換を行い、両者間のデータのやりとりを仲介する。例えば、第１のＩ／Ｆ２７は、クレードル２０１を介して撮影開始前の携帯端末１０に撮影オーダ情報を送信するとともに、撮影終了後の携帯端末１０からカセッテＩＤと対応付けられた撮影オーダ情報を受信する。
【００５７】
第２のＩ／Ｆ２８は、制御装置２０とクレードル２０２を接続するためのインターフェースであり、ＦＰＤ７０がクレードル２０２に装着されたことを検出すると、検出信号をＣＰＵ２１にする。また、第２のＩ／Ｆ２８は、クレードル２０２を介して、制御装置２０とＦＰＤ７０との間で、データの転送速度の調整や、データ形式の変換を行い、両者間のデータのやりとりを仲介する。例えば、第２のＩ／Ｆ２８は、撮影終了後のＦＰＤ７０からカセッテＩＤと対応付けられた医用画像データを受信する。
【００５８】
図５は、ＦＰＤ７０の機能的構成を示すブロック図である。図５に示すように、ＦＰＤ７０は、ＣＰＵ７１、操作部７２、放射線検出部７３、画像データ送信手段としてのＩ／Ｆ７４、ＲＡＭ７５、画像記憶手段としての記憶装置７６等を備えて構成され、各部はバス７７により接続されている。
【００５９】
ＣＰＵ７１は、記憶装置７６に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをＲＡＭ７５に展開し、当該プログラムに従ってＦＰＤ７０の各部を集中制御する。
【００６０】
具体的にＣＰＵ７１は、記憶装置７６からＦＰＤ撮影処理プログラムを読み出して、後述するＦＰＤ撮影処理（図１５参照）を実行する。なお、各処理の詳細については後述する。
【００６１】
操作部７２は、電源ボタン、各種機能ボタン等を備えており、ボタン操作による操作信号をＣＰＵ１１に出力する。
【００６２】
放射線検出部７３は、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置には、放射線源から照射されて少なくとも被写体を透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して医用画像データを生成し蓄積する複数の画素がマトリックス状に配列されている。ここで、放射線検出部７３としては、図示は省略するが、例えば、放射線を蛍光（光）に変換する放射線光変換層と、放射線光変換層により変換された蛍光を検出して電気信号に変換する光電変換層とを備える間接型のもの、また、放射線光変換層及び光電変換層に替えて、放射線を直接電荷に変換する放射線受部を有する放射線電気信号変換層を備える直接型のもの等が挙げられる。なお、間接型のものは直接型のもので用いる高圧電源が不要であるため好ましい。
【００６３】
Ｉ／Ｆ７４は、ＦＰＤ７０とクレードル２０２とを接続するためのインターフェースであり、ＦＰＤ７０がクレードル２０２に装着されると、検出信号をＣＰＵ７１に出力する。また、Ｉ／Ｆ７４は、クレードル２０２を介して、ＦＰＤ７０と制御装置２０との間で、データの転送速度の調整や、データ形式の変換を行い、両者間のデータのやりとりを仲介する。なお、Ｉ／Ｆ７４は、クレードル２０２と無線通信を確立してデータの送受信を行う構成であってもよい。
【００６４】
ＲＡＭ７５は、前述の指定されたアプリケーションプログラム、入力指示、入力データ及び処理結果等を格納するワークメモリエリアを有する。
【００６５】
記憶装置７６は、半導体メモリ等により構成され、ＣＰＵ７１で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメータ、或いは処理結果等のデータを記憶する。例えば、記憶装置７６は、放射線検出部７３により生成された医用画像データを撮影順番（生成順）と対応付けて記憶する。また、記憶装置７６は、後述するＦＰＤ撮影処理における撮影順番のカウント値ｍを格納する。
【００６６】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図６は、制御装置２０の表示部２３に表示されるメニュー画面２３１を示す図である。図６に示すように、メニュー画面２３１には、システムメニューとして、「システムの状態」、「技師選択」、「検査履歴」、「ユーティリティ」、「画面形式」、「動作モード」の各メニューを指示する指示釦が設けられている。また、「画面形式」、「動作モード」の指示釦には、入力項目が設けられ、例えば、入力部２２を介して「動作モード」の入力項目に「ポータブルＦＰＤ」又は「ポータブルＣＲ」を入力して、当該釦を指示すると、ポータブルＦＰＤモード又はポータブルＣＲモードにて撮影を行う場合のポータブルリスト画面２３２（図７参照）が表示され、ポータブルリスト画面２３２からの入力に従って、ＣＰＵ２１により図９に示すポータブル撮影準備処理が実行される。
【００６７】
図７は、ポータブルモードにおいて、撮影オーダ情報が一覧表示されるポータブルリスト画面２３２を示す図である。図７に示すように、ポータブルリスト画面２３２には、撮影オーダ情報を表示する領域２３２ａと、各種指示を入力する指示釦を表示する領域２３２ｂとが設けられている。撮影オーダ情報を表示する領域２３２ａには、撮影オーダ情報の一部として、患者ＩＤ、タブ種別、氏名、性別、生年月日、撮影条件、保留を表示する項目が設けられ、各項目には、それぞれ対応するデータが表示されている。
【００６８】
また、ポータブルリスト画面２３２の右端及び下端において、各種指示を入力する指示釦を表示する領域２３２ｂには、上下矢印釦、「選択」指示釦の他、「送信」、「受信」、「新規／検索」、「修正」、「削除」、…、「確認画面」のテキストデータが表示された指示釦が設けられている。この各指示釦が入力部２２を介して操作されることにより、対応する指示が入力される。例えば、ポータブルリスト画面２３２に表示されている撮影オーダ情報が上下矢印釦の押下によるカーソル移動操作及び「選択」指示釦の押下、又は、「全選択」釦の押下により選択され、「送信」指示釦が押下されると、選択された撮影オーダ情報の送信指示が入力される。ここで、選択された撮影オーダ情報が携帯端末１０に送信されると、撮影オーダ情報ファイル２６１における当該撮影オーダ情報の送信終了フラグがＯＮに設定され、「タブ種別」の項目には、送信済みのチェックフラグ「→」が表示される。また、「新規／検索」指示釦が操作されると、撮影オーダ情報を新規に登録するための入力画面２３３、２３４が表示される。
【００６９】
図８は、上述したポータブルリスト画面２３２において、「新規／検索」指示釦が操作された場合に表示される入力画面２３３、２３４を示す図である。図８（ａ）は、撮影オーダ情報のうち、患者情報を新規に入力するための入力画面２３３を示す図である。図８（ａ）に示すように、入力画面２３３には、患者情報を入力する領域２３３ａと、文字入力を行うための文字キーを表示する領域２３３ｂとが設けられている。
【００７０】
入力画面２３３の上段に表示される患者情報を入力する領域２３３ａには、患者ＩＤ、患者氏名（ローマ字、カナ、漢字）、性別、生年月日、コメントを入力する項目が設けられており、入力部２２の操作に応じて入力されたデータが対応する項目に表示される構成となっている。また、入力画面２３３の下段に表示される文字キーを表示する領域２３３ｂにおいては、当該表示された文字キーに対応するキー入力が入力部２２の備えるマウスやタッチパネルを介して行われる。なお、キー入力は、入力部２２の備えるキーボードを介して行うことも可能である。
【００７１】
図８（ｂ）は、撮影オーダ情報のうち、撮影条件を新規に入力するための入力画面２３４を示す図である。図８（ｂ）に示すように、入力画面２３４には、撮影条件として撮影部位を指示する指示釦を表示する領域２３４ａと、撮影部位における撮影方向を指示する指示釦を表示する領域２３４ｂと、入力された撮影部位及び撮影方向を表示する領域２３４ｃとが設けられている。
【００７２】
入力画面２３４の左側上段に表示される撮影部位の指示釦を表示する領域２３４ａには、例えば、「頭部」、「頚部」、…、「TEST」のテキストデータが表示された指示釦が設けられ、各指示釦が入力部２２を介して指示されることにより撮影部位が選択されると、選択された撮影部位に対応する撮影方向の指示釦が入力画面２３４の左側中段及び下段の領域２３４ｂに表示される。例えば、「胸部」の撮影部位における撮影方向として、「斜位」、…、「じん肺」のテキストデータが表示された指示釦が設けられ、各指示釦が入力部２２を介して指示されることにより、対応する撮影方向が選択される。なお、ポータブルモードでの撮影が不可能な撮影方向の指示釦については網掛け表示が行われ、ポータブルモードでは、選択不可能な構成となっている。選択不可能な表示方法として、網掛け表示の他に、非表示又は非アクティブ表示とすることも可能である。また、選択不可能な指示釦が指示された場合に、音声や画像により警告を出力する構成であってもよい。
【００７３】
また、さらに、入力画面２３４の右側に表示される撮影部位及び撮影方向を表示する領域２３４ｃには、上述した指示釦が指示されることにより選択された撮影部位及び撮影方向が、例えば、「胸部 他 斜位」として表示される。入力画面２３３及び入力画面２４４により患者情報及び撮影条件が入力され、入力画面２３４の左下下部に表示されている「予約」釦が押下されると入力された患者情報及び撮影条件の撮影オーダ情報が生成され、ポータブルリスト画面２３２に当該入力された撮影オーダ情報が追加表示される。
【００７４】
以下、ポータブルＦＰＤモード又はポータブルＣＲモードにおいて医用画像撮影システム１００を構成する各装置において実行される各種処理について説明する。なお、ＣＲカセッテ５０及びＦＰＤ７０において、画像データは全て消去されており、また、ＦＰＤ７０の撮影順番カウント値ｍは０に初期化されているものとする。
【００７５】
まず、制御装置２０から携帯端末１０に撮影オーダ情報を取得させるポータブル撮影準備処理について説明する。図９は、ポータブル撮影準備処理を示すフローチャートである。ポータブル撮影準備処理は、入力部２２によりポータブルモードが設定された際にＣＰＵ２１と記憶装置２６に格納されているプログラムとの協働により実現される。
【００７６】
ＣＰＵ２１は、ポータブルリスト画面２３２における技師による入力部２２の操作により送信対象の撮影オーダ情報が選択され、送信指示が入力されると（ステップＳ１）、第１のＩ／Ｆ２７を制御して、携帯端末１０がクレードル２０１に装着されているか否かを判別する（ステップＳ２）。ここで、クレードル２０１に携帯端末１０が装着されていないと判別すると（ステップＳ２；ＮＯ）、ＣＰＵ２１は、表示部２３にエラー表示を行い（ステップＳ６）、ポータブル撮影準備処理を終了する。
【００７７】
一方、ＣＰＵ２１は、クレードル２０１に携帯端末１０が装着されていると判別すると（ステップＳ２；ＹＥＳ）、撮影オーダ情報ファイル２６１からステップＳ１において送信指示された撮影オーダ情報を取得し、第１のＩ／Ｆ２７及びクレードル２０１を介して、取得した撮影オーダ情報をモード設定情報とともに携帯端末１０に送信する（ステップＳ３）。モード設定情報は、メニュー画面２３１で設定された動作モードを示す情報である。そして、ＣＰＵ２１は、撮影オーダ情報ファイル２６１の送信済み撮影オーダ情報の送信終了フラグをＯＮに設定し（ステップＳ４）、更に、送信済み撮影オーダ情報のモード設定項目に、モード設定情報を格納し（ステップＳ５）、ポータブルモード撮影準備処理を終了する。
【００７８】
制御装置２０における上述のポータブル撮影準備処理に応じて、クレードル２０１に装着された携帯端末１０においては撮影オーダ情報取得処理が実行される。図１０は、撮影オーダ情報取得処理を示すフローチャートである。撮影オーダ情報取得処理は、操作部１２により携帯端末１０の動作モードが受信モードに設定された際にＣＰＵ１１と記憶装置１６に格納されているプログラムとの協働により実現される。なお、本実施の形態においては、受信モードの設定は、撮影オーダ情報ファイル１６１に記憶されている撮影オーダ情報の送信終了フラグが全てＯＮの場合にのみ可能な構成であることとする。
【００７９】
ＣＰＵ１１は、Ｉ／Ｆ１４により出力される検出信号に従って、携帯端末１０が制御装置２０のクレードル２０１に装着されたか否かを判別する（ステップＳ１１）。
【００８０】
携帯端末１０がクレードル２０１に装着されると（ステップＳ１１；ＹＥＳ）、ＣＰＵ１１は、Ｉ／Ｆ１４を制御して、制御装置２０から送信されるモード設定情報及び撮影オーダ情報を受信する（ステップＳ１２）。そして、ＣＰＵ１１は、受信したモード設定情報をＲＡＭ１５に記憶させるとともに、受信した撮影オーダ情報を記憶装置１６の撮影オーダ情報ファイル１６１に記憶させ（ステップＳ１３）、撮影順番のカウント値ｎを０に設定し（ステップＳ１４）、撮影オーダ情報取得処理を終了する。
【００８１】
上記ポータブル撮影準備処理及び撮影オーダ情報取得処理が終了すると、技師は、携帯端末１０、放射線源４０、撮影に使用するＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０を持って撮影を行う病室に移動する。なお、携帯端末１０の表示部１３には、操作部１２の所定の操作に応じて図１１に示す患者リスト画面１３１を表示させることができる。この患者リスト画面１３１は、上述の撮影オーダ情報取得処理により取得された撮影オーダ情報に含まれる患者情報の一部を一覧表示したものである。図１１に示すように、患者リスト画面１３１には、患者情報を示す領域１３１ａが設けられ、この領域１３１ａには、患者ＩＤ、患者の氏名、病室を表示する項目が設けられている。具体的に、患者ＩＤの項目には、「0001」の数字データが表示され、氏名の項目には、「山田 一郎」のテキストデータが表示されている。この患者リスト画面１３１により、技師は、撮影すべき患者のいる病室等を確認することができる。
【００８２】
次に、撮影を行う病室において、携帯端末１０により撮影オーダ情報の表示、カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤと撮影オーダ情報との対応付け、撮影オーダ情報と撮影順番との対応付けを行う撮影実施結果取得処理について説明する。
図１２は、携帯端末１０のＣＰＵ１１により実行される撮影実施結果取得処理を示すフローチャートである。撮影実施結果取得処理は、ＣＰＵ１１と記憶装置１６に格納されているプログラムとの協働により実現される。
【００８３】
まず、ＣＰＵ１１は、バーコードリーダ１７を制御して、患者のベッドサイド又は患者の身体の一部に付帯されたバーコードを読み取り、患者ＩＤを取得する（ステップＳ２１）。次いで、ＣＰＵ１１は、読み取った患者ＩＤに対応する撮影オーダ情報を撮影オーダ情報ファイル１６１から取得する（ステップＳ２２）。
【００８４】
続いて、ＣＰＵ１１は、取得した撮影オーダ情報を表示部１３に表示させる（ステップＳ２３）。
図１３は、携帯端末１０のバーコードリーダ１７により、患者ＩＤが取得された場合に、対応する患者の撮影オーダ情報を表示する表示画面１３２を示す図である。図１３に示すように、表示画面１３２には、患者情報を表示する領域１３２ａと、撮影条件を表示する領域１３２ｂとが設けられている。患者情報を表示する領域１３２ａには、患者氏名、患者ＩＤ、性別、年齢、病室を表示する項目が設けられ、各項目には、対応するデータが表示されている。また、撮影条件を表示する領域１３２ｂには、撮影条件（撮影部位及び撮影方向）を表示する項目１３２ｂ−１、カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤを表示する項目（ＩＤ項目）１３２ｂ−２が設けられており、ＩＤ項目１３２ｂ−２には、携帯端末１０のバーコードリーダ１７により取得されたデータが、読み取りと同時に表示される構成となっている。例えば、操作部１２により表示された撮影条件の情報のいずれかが押下されて選択され、次いでバーコードリーダ１７によりカセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤが取得されると、撮影オーダ情報ファイル１６１における、選択された撮影条件に対応する撮影オーダ情報のＩＤ項目に、取得されたＩＤが記憶されるとともに、表示画面１３２における選択された撮影条件に対応するＩＤ項目１３２ｂ−２に取得されたカセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤが表示される。
また、表示画面１３２の下部には、図１３に示すように、表示された撮影オーダ情報のデータの編集を指示するための「編集」釦１３２ｃが設けられており、操作部１２から入力される指示に応じて、データの編集（変更、追加、削除）が可能な構成となっている。即ち、回診時の患者の状態により、予定されていた撮影に追加や変更の必要が生じた場合や、重篤状態等の理由で予定されていた撮影が困難な場合に、その場で撮影オーダ情報を追加、変更、削除（キャンセル）等することが可能となっている。
【００８５】
ＣＰＵ１１は、操作部１２により表示部１３に表示されている撮影オーダ情報を編集する指示が入力されたか否かを判別し、撮影オーダ情報を編集する指示が入力されていないと判別すると（ステップＳ２４；ＮＯ）、ステップＳ２７の処理に移行する。一方、撮影オーダ情報を編集する指示が入力されたと判別すると（ステップＳ２４；ＹＥＳ）、ＣＰＵ１１は、入力された内容に応じて撮影オーダ情報を編集し、撮影オーダ情報ファイル１６１に記憶させる（ステップＳ２５）。このステップＳ２４〜２５により編集手段が実現される。
【００８６】
ステップＳ２５における編集指示及び編集は、例えば、表示画面１３２から行うことができる。例えば、「編集」釦１３２ｃが押下されると、ＣＰＵ１１は、表示画面１３２下部に表示されている釦の表示を変更し、「追加」釦、「削除」釦、「変更」釦（図示せず）を表示する。
表示画面１３２において操作部１２により「追加」釦が押下されると、ＣＰＵ１１は、図１４に示す入力画面１３３を表示する。入力画面１３３には、撮影条件として撮影部位を指示する指示釦を表示する領域１３３ａと、撮影方向を指示する指示釦を表示する領域１３３ｂが設けられている。操作部１２により撮影部位を指示する指示釦の何れかが押下されると、ＣＰＵ１１は、押下された撮影部位に対応する撮影方向の指示釦を表示する。図１４では、「胸部」を指示する指示釦が押下された場合を示している。操作部１２により表示された撮影方向の指示釦の何れかが押下されると、ＣＰＵ１１は、ステップＳ２１で取得された患者ＩＤの患者について、押下された撮影部位、撮影方向を撮影条件とする撮影オーダ情報を撮影オーダ情報ファイル１６１に追加し、追加フラグを設定する。
表示画面１３２において操作部１２により撮影条件を表示する領域１３２ｂに表示された何れかの撮影条件が押下され、「削除」釦が押下されると、ＣＰＵ１１は、撮影オーダ情報ファイル１６１における該当する撮影オーダ情報、即ち、ステップＳ２１で取得された患者ＩＤを有し、表示画面１３２において押下された撮影条件を有する撮影オーダ情報に削除フラグを設定する。ここで、削除を指示された撮影オーダ情報であっても撮影オーダ情報のデータ自体を削除せずに該当する撮影オーダ情報に削除フラグを設定するようにすることで、後述する撮影終了後処理（図１６参照）、画像データ対応付け処理（図１７参照）によって制御装置２０に撮影オーダ情報を戻した後に、制御装置２０において該当する撮影オーダが削除（キャンセル）されたことを技師等が確認可能に表示することが可能となる。また、携帯端末１０において、ＣＰＵ１１は、表示画面１３２の当該撮影オーダ情報に「キャンセル」を示す表示を行い、「削除」指示した撮影オーダ情報を技師が識別可能に表示する。
表示画面１３２において操作部１２により撮影条件を表示する領域１３２ｂに表示された何れかの撮影条件が押下され、「変更」釦が押下されると、ＣＰＵ１１は、表示部１３に入力画面１３４（図示せず）を表示する。入力画面１３４は、図１４に示した入力画面１３３と同様の表示である。この入力画面１３４から変更後の撮影部位及び撮影方向が押下されると、ＣＰＵ１１は、撮影オーダ情報ファイル１６１における該当する撮影オーダ情報、即ち、ステップＳ２１で取得された患者ＩＤを有し、表示画面１３２において押下された撮影条件を有する撮影オーダ情報の撮影条件を入力画面１３４で押下された撮影部位及び撮影方向の撮影条件に変更し、変更フラグを設定する。
【００８７】
編集後、ＣＰＵ１１は、ステップＳ２１で読み取った患者ＩＤに対応する撮影オーダ情報のうち、未撮影の撮影オーダ情報があるか否かを判別し、未撮影の撮影オーダ情報があると判別すると（ステップＳ２６；ＹＥＳ）、ステップＳ２７の処理に移行する。未撮影の撮影オーダ情報は、ステップＳ２１で読み取った患者ＩＤに対応する撮影オーダ情報のうち、撮影オーダ情報ファイル１６１に削除フラグ、カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤの何れも対応付けられていないものが該当する。未撮影の撮影オーダ情報がないと判別すると（ステップＳ２６；ＮＯ）、ＣＰＵ１１は、本処理を終了する。
【００８８】
ステップＳ２７において、操作部１２により表示部１３に表示された撮影オーダ情報の中から次に撮影対象とする撮影オーダ情報が押下されて選択される（図１３の「ＯＫ」釦１３２ｄが押下される）と（ステップＳ２７）、ＣＰＵ１１は、撮影順番のカウント値ｎを１インクリメントし（ステップＳ２８）、バーコードリーダ１７を制御して、撮影を行うＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０に付されたバーコードを読み取り、カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤを取得する（ステップＳ２９）。なお、モード設定がポータブルＦＰＤモードである場合、複数枚の撮影が可能であるため、図１３に示すように、表示画面１３２に前回の撮影に使用したのと同じＦＰＤ７０を使用することを指示するための釦、例えば「継続」釦１３２ｅを設け、操作部１２により「継続」釦１３２ｅが押下された際には前回取得されたＦＰＤＩＤと同じＩＤを自動取得するようにしてもよい。そして、ＣＰＵ１１は、取得したカセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤを選択された撮影オーダ情報に対応付けて撮影オーダ情報ファイル１６１のＩＤ項目に記憶させるとともに、撮影順番カウンタｎに記憶されている撮影順番を選択された撮影オーダ情報に対応付けて撮影オーダ情報ファイル１６１の撮影順番項目に記憶させ（ステップＳ３０）、ステップＳ３１の処理に移行する。
【００８９】
ここで、上記処理により、次の撮影対象の撮影オーダ情報の選択及び撮影に使用するカセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤを入力した後、技師は、入力したＩＤのＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０を用いて、選択した撮影オーダ情報の撮影条件で放射線撮影を行う。ＣＲカセッテ５０は、１枚分の画像データのみ蓄積が可能である。ＦＰＤ７０は、複数枚の画像データの蓄積が可能である。なお、ＦＰＤ７０における撮影処理については、後述する。
【００９０】
ステップＳ３１において、ＣＰＵ１１は、ステップＳ２１で読み取った患者ＩＤに対応する撮影オーダ情報のうち、未撮影の撮影オーダ情報があるか否かを判別し、未撮影の撮影オーダ情報があると判別すると（ステップＳ３１；ＹＥＳ）、ステップＳ２４に戻り、ステップＳ２４以降の処理を繰り返し実行する。ＣＰＵ１１は、未撮影の撮影オーダ情報がないと判別すると（ステップＳ３１；ＮＯ）、本処理は終了する。撮影実施結果取得処理が終了すると、ＣＰＵ１１は、表示部１３に患者リスト画面１３１を表示させる。なお、患者リスト画面１３１において、撮影済みの患者の患者情報は、網掛けなどで識別可能に表示することが望ましい。
【００９１】
上記撮影実施結果取得処理は、患者毎に繰り返し実行される。
ここで、ＦＰＤ７０において１回の撮影毎に実行されるＦＰＤ撮影処理について説明する。図１５は、ＦＰＤ撮影処理を示すフローチャートである。このＦＰＤ撮影処理は、ＣＰＵ７１と記憶装置７６に格納されているプログラムとの協働により実現される。
【００９２】
放射線源４０により照射され、患者の撮影部位を透過した放射線が放射線検出部７３により検出され、検出された放射線が電気信号に変換されて放射線検出部７３の各画素に蓄積されると（ステップＳ４１）、ＣＰＵ７１は、放射線検出部７３に蓄積された全ての電気信号を読み取って医用画像データを取得する（ステップＳ４２）。
【００９３】
続けてＣＰＵ７１は、撮影順番のカウント値ｍを１インクリメントさせ（ステップＳ４３）、取得した医用画像データに撮影順番ｍを対応付けて記憶装置７６に記憶させ（ステップＳ４４）、ＦＰＤ撮影処理を終了する。
【００９４】
全患者の撮影終了後、技師は、任意の制御装置２０へ移動し、操作部１２により携帯端末１０を送信モードに設定した上で、携帯端末１０を制御装置２０のクレードル２０１に装着する。これにより、携帯端末１０から撮影オーダ情報及び撮影実施情報を制御装置２０に送信する撮影終了後処理が実行される。
【００９５】
図１６は、携帯端末１０のＣＰＵ１１により実行される撮影終了後処理を示すフローチャートである。この撮影終了処理は、操作部１２により送信モードへの移行が指示された際にＣＰＵ１１と記憶装置１６に格納されているプログラムとの協働により実現される。
【００９６】
まず、ＣＰＵ１１は、Ｉ／Ｆ１４から出力される検出信号に従って、携帯端末１０が制御装置２０のクレードル２０１に装着されたか否かを判別する（ステップＳ５０）。クレードル２０１に携帯端末１０が装着されたと判別すると（ステップＳ５０；ＹＥＳ）、ＣＰＵ１１は、ＲＡＭ１５に記憶されているモード設定情報を制御装置２０に送信するとともに（ステップＳ５１）、送信終了フラグがＯＦＦの撮影オーダ情報及び撮影実施情報（ＩＤ項目、撮影順番、編集フラグ等を含む）を撮影オーダ情報ファイル１６１から取得して、制御装置２０に送信する（ステップＳ５２）。
【００９７】
次いで、ＣＰＵ１１は、送信した撮影オーダ情報について、送信終了フラグをＯＮに設定する（ステップＳ５３）。
【００９８】
次いで、ＣＰＵ１１は、ステップＳ５４に移行して、未送信の撮影オーダ情報が撮影オーダ情報ファイル１６１にあるか否かを判別し（ステップＳ５４）、未送信の撮影オーダ情報があると判別すると（ステップＳ５４；ＹＥＳ）、ステップＳ５２に戻り、上述したステップＳ５２以降の処理を繰り返して実行する。一方、撮影オーダ情報ファイル１６１に格納される全ての撮影オーダ情報に送信終了フラグＯＮが設定されていると判別すると（ステップＳ５４；ＮＯ）、ＣＰＵ１１は、本撮影終了後処理を終了する。
【００９９】
撮影終了後処理が終了すると、技師は、ＦＰＤ７０により撮影を行った場合には、撮影に使用したＦＰＤ７０を上記撮影終了後処理を行った制御装置２０のクレードル２０２に装着する。ＦＰＤ７０のＣＰＵ７１は、Ｉ／Ｆ７４から出力される検出信号に従って、ＦＰＤ７０が制御装置２０のクレードル２０２に装着されたことを検知すると、データ送信処理を実行する。即ち、ＣＰＵ７１は、記憶装置７６から順次医用画像データ及び対応する撮影順番を取得して、医用画像データに撮影順番及び自己のＦＰＤＩＤを対応付けて、Ｉ／Ｆ７４により制御装置２０に送信する。記憶装置７６に記憶されている全ての医用画像データの送信が終了すると、ＣＰＵ７１は、データ送信処理を終了する。
【０１００】
一方、ＣＲカセッテ５０により撮影を行った場合は、技師は、何れかの医用画像読取装置３０に移動し、撮影に使用したＣＲカセッテ５０のバーコードを医用画像読取装置３０のバーコードリーダにより読み取らせるとともに、バーコードを読み取ったＣＲカセッテ５０を医用画像読取装置３０に装着し、医用画像データの読み取りを行わせる。医用画像読取装置３０は、ＣＲカセッテ５０が装着されると、バーコードリーダにより読み取られたカセッテＩＤをメモリに一時記憶し、装着されたＣＲカセッテ５０に蓄積された放射線画像を読み取って医用画像データを取得する。そして、読み取った医用画像データにカセッテＩＤを対応付け、ネットワークＮを介して、予め送信先として通知された制御装置２０に送信する。
予め送信先として通知された制御装置２０とは、上述の撮影終了後処理の際に携帯端末１０が装着され、携帯端末１０から撮影オーダ情報が送信された制御装置２０である。携帯端末１０から撮影オーダ情報が送信されると、制御装置２０は、後述する画像データ対応付け処理（図１７参照）を実行し、受信した撮影オーダ情報がポータブルＣＲモードである場合に当該撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテＩＤ及び当該カセッテＩＤに対応する医用画像データの送信先（自装置のＩＰアドレス等）を医用画像読取装置３０のそれぞれに通知し、何れの医用画像読取装置３０において医用画像データが読み取られても、自装置に医用画像データが送信されるようにする。
【０１０１】
図１７は、制御装置２０のＣＰＵ２１により実行される画像データ対応付け処理を示すフローチャートである。この画像データ対応付け処理は、携帯端末１０から送信された撮影オーダ情報とＦＰＤ７０又は医用画像読取装置３０から送信された画像データを対応付ける処理である。
【０１０２】
ＣＰＵ２１は、第１のＩ／Ｆ２７により出力される検出信号に従って、携帯端末１０が制御装置２０のクレードル２０１に装着されているか否かを判別し、携帯端末１０が装着されていると判別すると（ステップＳ６０；ＹＥＳ）、装着された携帯端末１０から送信されたモード設定情報を受信し、撮影オーダ情報及びその撮影実施情報の受信を開始する（ステップＳ６１）。
【０１０３】
次いで、ＣＰＵ２１は、受信された撮影オーダ情報の撮影実施情報に追加フラグが設定されているか否かを判別し、追加フラグが設定されていると判別すると（ステップＳ６２；ＹＥＳ）、受信した撮影オーダ情報に撮影ＩＤを付与し、撮影オーダ情報ファイル２６１に追加登録し（ステップＳ６３）、ステップＳ６５の処理に移行する。
【０１０４】
一方、ＣＰＵ２１は、受信された撮影オーダ情報に追加フラグが設定されていないと判別すると（ステップＳ６２；ＮＯ）、記憶装置２６において撮影オーダファイル２６１に記憶されている対応する撮影オーダ情報（受信した撮影オーダ情報と撮影ＩＤが一致する撮影オーダ情報のレコード）を検索し、検索されたレコードを受信された撮影オーダ情報及び撮影実施情報の内容により更新し（ステップＳ６４）、ステップＳ６５の処理に移行する。
【０１０５】
ステップＳ６５において、ＣＰＵ２１は、携帯端末１０から受信されたモード設定情報を判別し、モード設定情報がポータブルＣＲモードであると判別すると（ステップＳ６５；ＹＥＳ）、通信制御部２４を介して、受信した撮影オーダ情報の撮影実施情報に含まれるカセッテＩＤ及び当該カセッテＩＤに対応する医用画像データの送信先情報（自装置のＩＰアドレス等）を医用画像読取装置３０のそれぞれに通知し（ステップＳ６６）、ステップＳ６７の処理に移行する。一方、ＣＰＵ２１は、携帯端末１０から受信されたモード設定情報がポータブルＦＰＤモードであると判別すると（ステップＳ６５；ＮＯ）、ステップＳ６７の処理に移行する。
【０１０６】
ステップＳ６７において、ＣＰＵ２１は、第１のＩ／Ｆ２７を介して、装着された携帯端末１０から次の撮影オーダ情報及び撮影実施情報を受信したか否かを判別し、次の撮影オーダ情報及び撮影実施情報を受信したと判別すると（ステップＳ６７；ＹＥＳ）、ステップＳ６２に戻る。携帯端末１０からの撮影オーダ情報の受信が終了すると（ステップＳ６７；ＮＯ）、ステップＳ６８の処理に移行する。
【０１０７】
ステップＳ６８において、ＣＰＵ２１は、携帯端末１０から受信したモード設定情報を判別し、モード設定情報がポータブルＦＰＤモードであると判別すると（ステップＳ６８；ＹＥＳ）、第２のＩ／Ｆ２８及びクレードル２０２を介してＦＰＤ７０から医用画像データの受信が開始されるのを待機する（ステップＳ６９）。ここで、上述のように、ＦＰＤ７０は、撮影した各医用画像データを自装置のＦＰＤＩＤ及び撮影順番と対応付けて制御装置２０に送信する。即ち、第２のＩ／Ｆ２８を介して受信される医用画像データには、ＦＰＤＩＤ及び撮影順番が対応付けられている。
【０１０８】
ＦＰＤ７０からの医用画像データの受信が開始されると（ステップＳ６９；ＹＥＳ）、ＣＰＵ２１は、受信した医用画像データを順次ＦＰＤＩＤ及び撮影順番に基づいて撮影オーダ情報に対応付けて記憶装置２６に記憶させる（ステップＳ７０）。具体的には、受信した医用画像データに対応付けられたＦＰＤＩＤを含む撮影オーダ情報（削除フラグが設定されているものを除く）を撮影順番の小さい（早い）順に並べ、受信した医用画像データの撮影順番の小さいものから順次対応付ける。撮影オーダ情報と医用画像データの対応付け方法としては、例えば、医用画像データのヘッダ部に撮影オーダ情報を書き込み、撮影オーダ情報の画像ＩＤ項目に医用画像データを識別するための画像ＩＤを書き込む等により行うことができる。
【０１０９】
そして、ＣＰＵ２１は、同一のＦＰＤ７０から受信された複数の医用画像データを表示部２３の画面上に患者跨ぎで表示させる（ステップＳ７１）。図１８は、図１７のステップＳ７１において表示部２３に表示される医用画像表示画面２３５を示す図である。図１８に示すように、医用画像表示画面２３５には、ＦＰＤ７０から受信された複数の患者の医用画像が同一画面に表示される構成、すなわち、患者跨ぎで表示される構成となっている。
【０１１０】
医用画像表示画面２３５には、技師情報を表示する領域２３５ａと、医用画像毎に、患者情報を表示する領域２３５ｂ、医用画像を表示する領域２３５ｃ及び撮影条件を表示する領域２３５ｄとが設けられ、同一画面には、４種類の医用画像が表示可能な構成となっている。具体的に、医用画像表示画面２３５の左上端の技師情報を表示する領域２３５ａには、技師の氏名として「スズキタロウ」のテキストデータを表示する項目が設けられている。また、左端に表示されている医用画像について説明すると、患者情報を表示する領域２３５ｂには、患者ＩＤとして「0001」の数字データを表示する項目と、氏名として「ヤマダ イチロウ」のテキストデータを表示する項目とが設けられている。
【０１１１】
その下部には、医用画像を表示する領域２３５ｃが設けられ、医用画像と、読取装置ＩＤとして「170」の数字データを表示する項目と、解像度として「通常」のテキストデータを表示する項目とが設けられている。さらに、その下部には、撮影条件を表示する領域２３５ｄが設けられ、撮影条件として「胸部 他 斜位」のテキストデータを表示する項目と、カセッテＩＤとして「01000108022016」の数字データを表示する項目が設けられている。
【０１１２】
そして、図１８に示すように、医用画像表示画面２３５には、「ヤマダ イチロウ」と「サクラ タロウ」の二人の患者の４枚の医用画像が同一画面に表示されている。
このように、ポータブルＦＰＤモードで一回の回診で回診先において複数の患者の医用画像を撮影した場合に、撮影した医用画像を患者が異なっても同一の画面上に表示することができるので、患者毎に医用画像を表示する画面のように次の患者を表示するためにいちいち患者を選択したりする操作が必要なく、医用画像を表示させる作業に係る手間を省いて操作性を向上させることができる。ＦＰＤ７０においては、一画像しか記録できないＣＲカセッテ５０とは異なり、複数の画像を蓄積することができるので、複数患者を回診することが想定され、撮影された医用画像を患者跨ぎで表示することは、特に好ましい。
【０１１３】
一方、ＣＰＵ２１は、モード設定情報がポータブルＣＲモードであると判別すると（ステップＳ６８；ＮＯ）、通信制御部２４を介して医用画像読取装置３０から医用画像データの受信が開始されるのを待機する（ステップＳ７２）。ここで、上述のように、医用画像読取装置３０は、ＣＲカセッテ５０から読み取った医用画像データをカセッテＩＤと対応付けて制御装置２０に送信する。即ち、通信制御部２４介して受信される医用画像データには、カセッテＩＤが対応付けられている。
【０１１４】
医用画像読取装置３０からの医用画像データの受信が開始されると（ステップＳ７２；ＹＥＳ）、ＣＰＵ２１は、受信した医用画像データを順次カセッテＩＤに基づいて撮影オーダ情報に対応付けて記憶装置２６に記憶させる（ステップＳ７３）。具体的には、受信した医用画像データに対応付けられたカセッテＩＤと一致するカセッテＩＤを有する撮影オーダ情報に当該医用画像データが対応付けられる。撮影オーダ情報と医用画像データの対応付け方法としては、例えば、医用画像データのヘッダ部に撮影オーダ情報を書き込み、撮影オーダ情報の画像ＩＤ項目に医用画像データを識別するための画像ＩＤを書き込む等により行うことができる。
【０１１５】
そして、ＣＰＵ２１は、受信された医用画像を表示部２３の画面上に患者毎に表示させる（ステップＳ７４）。
図１９は、図１７のステップＳ７４において表示部２３に表示される医用画像表示画面２３６を示す図である。図１９に示すように、医用画像表示画面２３６には、ＣＲカセッテ５０から受信された医用画像が患者毎に同一画面に表示される構成となっている。
【０１１６】
具体的に、医用画像表示画面２３６には、技師情報を表示する領域２３６ａと、画像の表示対象となっている患者の患者情報を表示する領域２３６ｂと、医用画像及び撮影条件を表示する複数の領域２３６ｃとが設けられ、同一画面には、同一患者についての４種類の医用画像が表示可能な構成となっている。図１９においては、医用画像表示画面２３６に、患者「桜 太郎」の医用画像が同一画面に表示されている。なお、従来より、ＣＲの医用画像撮影システムでは患者毎に医用画像を表示することが一般的であるため、ポータブルＣＲモードにおいては医用画像を患者毎に表示することとしている。
【０１１７】
以上の一連の処理により、ポータブルモードにおいて医用画像データが取得され、撮影オーダ情報と対応付けられる。なお、回診先で撮影オーダ情報の追加や削除があった場合、該当する撮影オーダ情報には追加フラグ、削除フラグが設定されているので、何れの撮影オーダ情報が追加又は削除された撮影オーダ情報であるかが識別可能となっている。そこで、携帯端末１０のＣＰＵ１１は、撮影オーダ情報を制御装置２０に戻す（送信する）際に、送信する撮影オーダの総件数、そのうち追加された撮影オーダ情報の件数、削除された撮影オーダ情報の件数を制御装置２０に送信し、制御装置２０のＣＰＵ２１は、事前に当該携帯端末１０に送信された撮影オーダ情報の件数と共に、受信した撮影オーダ情報の総件数、追加件数及び削除件数を表示部２３に表示し、技師等に上書き可否等の判断を仰ぎ、判断結果を入力させる構成としてもよい。このような構成とすることで、撮影オーダ情報と医用画像データとの対応付けの信頼性を高めることができる。また、表示部２３に撮影オーダ情報のリスト等を表示する際には、削除された撮影オーダ情報に「キャンセル」を示すアイコン表示をしたり、追加された撮影オーダ情報に「追加」を示すアイコンを表示をしたりすることにより、撮影オーダ情報の追加及び削除を技師が確認可能に表示するようにすることが好ましい。
【０１１８】
一方、制御装置２０において、図６に示すメニュー画面２３１から入力部２２によりノーマルＣＲモード又はノーマルＦＰＤモードが選択されると、以下の処理により医用画像データが取得され、撮影オーダ情報と対応付けられる。
まず、ＣＰＵ２１は、表示部２３に撮影オーダ情報一覧画面（図示せず）を表示させる。入力部２２の操作により撮影オーダ情報一覧画面から撮影オーダ情報が選択されると、ＣＰＵ２１は、バーコードリーダ２９を制御し、技師によりバーコードリーダ２９に対向して配置された、撮影に使用するＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０のバーコードを読み取って、カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤを取得する。ノーマルＦＰＤモードである場合には、ＣＰＵ２１は、撮影オーダ情報が選択された順番も併せて取得する。そして、選択された撮影オーダ情報のＩＤ項目に取得されたカセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤと撮影順番を対応付けて撮影オーダ情報ファイル２６１に記憶させるとともに、ノーマルＣＲモードである場合には、各医用画像読取装置３０に、ノーマルＦＰＤモードである場合には、ＦＰＤ撮影装置８０に、当該撮影オーダ情報に対応付けられたＩＤ（カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤ）及び当該ＩＤに対応する画像データの送信先（自装置のＩＰアドレス等）を通知する。
【０１１９】
技師は、撮影オーダ情報を選択し、この撮影に使用するＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０のバーコードを制御装置２０のバーコードリーダ２９により登録すると、登録したＣＲカセッテ５０又はＦＰＤ７０を撮影室に搬送し、撮影を行う。
ＣＲカセッテ５０をＣＲ撮影装置９０に装着して撮影を行った場合、技師は、撮影後に撮影済みのＣＲカセッテ５０のバーコードを医用画像読取装置３０のバーコードリーダによりに読み取らせ、次いで、ＣＲカセッテ５０を医用画像読取装置３０に装着し、ＣＲカセッテ５０に記録された医用画像データの読み取りを行わせる。医用画像読取装置３０は、ＣＲカセッテ５０が装着されると、バーコードリーダにより読み取られたカセッテＩＤをメモリに一時記憶し、装着されたＣＲカセッテ５０に蓄積された放射線画像を読み取って医用画像データを取得する。そして、読み取った医用画像データにカセッテＩＤを対応付け、ネットワークＮを介して、予め送信先として通知された（カセッテ登録を行った）制御装置２０に送信する。
【０１２０】
一方、ＦＰＤ撮影装置８０をＦＰＤ撮影装置８０に装着して撮影を行った場合、ＦＰＤ撮影装置８０は、撮影済みのＦＰＤ７０から医用画像データ、ＦＰＤＩＤ、及び撮影順番を取得して、医用画像データにＦＰＤＩＤ及び撮影順番を対応付け、ネットワークＮを介して、予め送信先として通知された（ＦＰＤ登録を行った）制御装置２０に送信する。
【０１２１】
制御装置２０において、通信制御部２４を介して医用画像データ及びカセッテＩＤを受信すると、ＣＰＵ２１は、受信した医用画像データをカセッテＩＤに基づいて撮影オーダ情報に対応付けて記憶装置２６に記憶させる。具体的には、受信した医用画像データに対応付けられたカセッテＩＤと一致するＩＤを有する撮影オーダ情報に当該医用画像データが対応付けられる。撮影オーダ情報と医用画像データの対応付け方法としては、例えば、医用画像データのヘッダ部に撮影オーダ情報を書き込み、撮影オーダ情報の画像ＩＤ項目に医用画像データを識別するための画像ＩＤを書き込む等により行うことができる。また、通信制御部２４を介して医用画像データ、ＦＰＤＩＤ及び撮影順番を受信すると、ＣＰＵ２１は、受信した医用画像データをＦＰＤＩＤ及び撮影順番に基づいて撮影オーダ情報に対応付けて記憶装置２６に記憶させる。
そして、ＣＰＵ２１は、受信された医用画像を表示部２３の画面上に患者毎に表示させる。
【０１２２】
以上のように、本実施の形態の医用画像撮影システム１００によれば、回診先で撮影オーダ情報に基づいて撮影を行う場合、携帯端末１０において、撮影オーダ情報と撮影に使用するカセッテＩＤやＦＰＤＩＤとの対応付けを登録する。また、回診先で患者の容態等に応じて撮影状況に変更があった際に、携帯端末１０に記憶されている撮影オーダ情報を編集し、撮影状況に応じた内容を記憶しておく。撮影終了後、携帯端末１０は、モード設定情報、撮影オーダ情報及びＩＤ（カセッテＩＤ又はＦＰＤＩＤ）を含む撮影実施情報を制御装置２０に送信する。制御装置２０は、受信した撮影オーダ情報及び撮影実施情報により記憶装置２６に記憶されている撮影オーダ情報ファイル２６１の内容を更新する。
【０１２３】
ＦＰＤ７０を使用して撮影が行われると、ＦＰＤ７０は、被写体を透過した放射線を検出して電気信号に変換し、医用画像データを生成する。そして、生成した医用画像データを撮影順番（生成順）と対応付けて記憶装置７６に順次記憶する。撮影後、クレードル２０２に装着されると、ＦＰＤ７０は、記憶された医用画像データをＦＰＤＩＤ及び撮影順番と対応付けて制御装置２０に送信する。制御装置２０は、ＦＰＤ７０から医用画像データを受信すると、受信した医用画像データをＦＰＤＩＤ及び撮影順番に基づいて撮影オーダ情報に対応付けて記憶する。そして、制御装置２０は、表示部２３に受信した医用画像を患者跨ぎで表示させる。
【０１２４】
一方、ＣＲカセッテ５０を使用して撮影が行われ、医用画像読取装置３０においてＣＲカセッテ及びカセッテＩＤが取得されると、医用画像読取装置３０は取得した医用画像データをカセッテＩＤと対応付けて制御装置２０に送信する。制御装置２０は、医用画像読取装置３０から医用画像データ及びカセッテＩＤを受信すると、受信した医用画像データをカセッテＩＤに基づいて撮影オーダ情報に対応付けて記憶する。そして、制御装置２０は、表示部２３に受信した医用画像を患者毎に表示させる。
【０１２５】
従って、ＦＰＤ７０を使用して撮影を行った場合は、制御装置２０において、ＦＰＤＩＤ及び撮影順番に基づいて、医用画像データと撮影オーダ情報を対応付けるので、複数の医用画像データを蓄積可能なＦＰＤ７０を使用して一つのＦＰＤ７０につき複数の医用画像の撮影を行った場合であっても医用画像データと撮影オーダ情報との対応付けを確実に行うことが可能となる。また、ＦＰＤ７０を用いたときとＣＲカセッテ５０を用いたときとで回診先での技師の作業フローがほとんど変わらないため、作業効率を向上させることが可能となる。また、回診先で撮影を行う際に、患者の容態に応じて撮影状況に変更があった場合、携帯端末１０において撮影オーダ情報を編集して、編集した内容を制御装置２０に記憶された撮影オーダ情報に自動的に反映させることができるため、技師が制御装置まで戻って撮影オーダ情報を編集し、再度携帯端末に送信したり、撮影オーダ情報の変更内容を技師が制御装置に入力し直したりする必要がなくなり、回診撮影の作業を効率化することが可能となる。
【０１２６】
また、ポータブルＦＰＤモードの場合、回診先で撮影された医用画像を複数患者に跨って同時に表示画面上に表示するので、回診先で撮影された複数の医用画像を技師が確認する際に表示対象の患者を切り替える操作が必要なく、医用画像の確認作業を効率的に行うことが可能となる。
【０１２７】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な医用画像撮影システムの一例であり、これに限定されるものではない。
【０１２８】
例えば、上記実施の形態においては、携帯端末１０と制御装置２０の通信、及びＦＰＤ７０と制御装置２０との通信はクレードルを介して行うこととしたが、これに限定されず、無線通信等により行うこととしてもよい。
【０１２９】
また、一のＦＰＤ７０のみを使用し、当該ＦＰＤ７０が無線通信機能を有しており、撮影後、技師が制御装置２０の近辺に移動し無線通信操作をしてＦＰＤ７０に記憶されている医用画像データを制御装置２０に送信する構成であってもよい。この場合においてはＦＰＤＩＤの入力は不要である。
【０１３０】
その他、本実施の形態における医用画像撮影システム１００の各構成要素の細部構成、及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【０１３１】
【図１】本発明を適用した実施の形態における医用画像撮影システムのシステム構成を示す図である。
【図２】図１に示す携帯端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図３】図２の記憶装置に記憶される撮影オーダ情報ファイルのデータ構成を示す図である。
【図４】図１に示す制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図５】図１に示すＦＰＤの機能的構成を示すブロック図である。
【図６】図１に示す制御装置の表示部に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【図７】図１に示す制御装置の表示部に表示されるポータブルリスト画面の一例を示す図である。
【図８】（ａ）は、図１に示す制御装置の表示部に表示される患者情報を入力するための入力画面の一例を示す図であり、（ｂ）は、図１に示す制御装置の表示部に表示される撮影条件を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【図９】図１の制御装置のＣＰＵにより実行されるポータブル撮影準備処理を示すフローチャートである。
【図１０】図１の携帯端末のＣＰＵにより実行される撮影オーダ情報取得処理を示すフローチャートである。
【図１１】図１の携帯端末の表示部に表示される患者リスト画面の一例を示す図である。
【図１２】図１の携帯端末のＣＰＵにより実行される撮影実施結果取得処理を示すフローチャートである。
【図１３】図１の携帯端末の表示部に表示される撮影オーダ情報を表示する表示画面の一例を示す図である。
【図１４】図１の携帯端末の表示部に表示される撮影条件を編集するための入力画面の一例を示す図である。
【図１５】図１のＦＰＤのＣＰＵにより実行されるＦＰＤ撮影処理を示すフローチャートである。
【図１６】図１の携帯端末のＣＰＵにより実行される撮影終了後処理を示すフローチャートである。
【図１７】図１の制御装置のＣＰＵにより実行される画像データ対応付け処理を示すフローチャートである。
【図１８】ポータブルＦＰＤモードにおいて、図１の制御装置の表示部に表示される医用画像表示画面の一例を示す図である。
【図１９】ポータブルＣＲモードにおいて、図１の制御装置の表示部に表示される医用画像表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【０１３２】
１００ 医用画像撮影システム
１０ 携帯端末
１１ ＣＰＵ
１２ 操作部
１３ 表示部
１４ Ｉ／Ｆ
１５ ＲＡＭ
１６ 記憶装置
１７ バーコードリーダ
１８ バス
２０ 制御装置
２１ ＣＰＵ
２２ 入力部
２３ 表示部
２４ 通信制御部
２５ ＲＡＭ
２６ 記憶装置
２７ 第１のＩ／Ｆ
２０１ クレードル
２８ 第２のＩ／Ｆ
２０２ クレードル
２９ バーコードリーダ
２１０ バス
３０ 医用画像読取装置
４０ 放射線源
５０ ＣＲカセッテ
６０ 情報管理装置
７０ ＦＰＤ
７１ ＣＰＵ
７２ 操作部
７３ 放射線検出部
７４ Ｉ／Ｆ
７５ ＲＡＭ
７６ 記憶装置
７７ バス
８０ ＦＰＤ撮影装置
９０ ＣＲ撮影装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
撮影オーダ情報を記憶する撮影オーダ情報記憶手段を有する制御装置と、前記制御装置と通信可能に構成され、前記制御装置から撮影オーダ情報を取得して表示する携帯端末と、被写体を透過した放射線に基づき医用画像データを生成し、生成された医用画像データを複数蓄積保存可能な可搬型ＦＰＤと、を備える医用画像撮影システムであって、
前記携帯端末は、
前記制御装置から取得した撮影オーダ情報に基づく医用画像データの生成に使用する可搬型ＦＰＤの識別情報を取得する取得手段と、
前記取得した可搬型ＦＰＤの識別情報を前記撮影オーダ情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報を編集する編集手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報と当該撮影オーダ情報に対応付けられた可搬型ＦＰＤの識別情報とを前記制御装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記可搬型ＦＰＤは、
前記生成した複数の医用画像データを生成順に記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された複数の医用画像データを当該可搬型ＦＰＤの識別情報と対応付けて前記生成順を識別可能に前記制御装置に送信する画像データ送信手段と、
を備え、
前記制御装置は、
前記携帯端末から送信された撮影オーダ情報及び可搬型ＦＰＤの識別情報を受信する受信手段と、
前記可搬型ＦＰＤから前記生成順を識別可能に送信された医用画像データ及び前記可搬型ＦＰＤの識別情報を受信する画像データ受信手段と、
前記撮影オーダ情報記憶手段に記憶されている撮影オーダ情報を前記携帯端末から受信した撮影オーダ情報に更新させるとともに前記受信した可搬型ＦＰＤの識別情報に対応付けて記憶させ、前記可搬型ＦＰＤから受信した医用画像データを前記可搬型ＦＰＤの識別情報及び当該医用画像データの生成順に基づいて前記更新した撮影オーダ情報と対応付ける制御手段と、
を備える医用画像撮影システム。
【請求項２】
前記制御装置を複数備え、前記携帯端末は、前記複数の制御装置のうち少なくとも一つと通信可能である請求項１に記載の医用画像撮影システム。
【請求項３】
撮影オーダ情報を記憶する撮影オーダ情報記憶手段を有する制御装置と、前記制御装置から撮影オーダ情報を取得して表示する携帯端末と、被写体を透過した放射線に基づき医用画像データを生成し、生成された医用画像データを複数蓄積保存可能な可搬型ＦＰＤと、被写体を透過した放射線画像が記録されたカセッテから医用画像データ及びカセッテの識別情報を読み取って前記制御装置に送信する医用画像読取装置と、
を備える医用画像撮影システムであって、
前記携帯端末は、
前記制御装置から取得した撮影オーダ情報に基づく医用画像データの生成に使用する可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報を取得する取得手段と、
前記取得した可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報を前記撮影オーダ情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報を編集する編集手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報と当該撮影オーダ情報に対応付けられた可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報とを前記制御装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記可搬型ＦＰＤは、
前記生成した複数の医用画像データを生成順に記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された複数の医用画像データを当該可搬型ＦＰＤの識別情報と対応付けて前記生成順を識別可能に前記制御装置に送信する画像データ送信手段と、
を備え、
前記制御装置は、
前記可搬型ＦＰＤを使用する第１のモードと、前記カセッテを使用する第２のモードを有し、
前記携帯端末から送信された撮影オーダ情報及び、可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報を受信する受信手段と、
前記可搬型ＦＰＤから前記生成順を識別可能に送信された医用画像データ及び前記可搬型ＦＰＤの識別情報を受信する第１の画像データ受信手段と、
前記医用画像読取装置から送信された医用画像データ及びカセッテの識別情報を受信する第２の画像データ受信手段と、
前記第１のモードにおいて、前記撮影オーダ情報記憶手段に記憶されている撮影オーダ情報を前記携帯端末から受信した撮影オーダ情報に更新させるとともに前記受信した可搬型ＦＰＤの識別情報に対応付けて記憶させ、前記可搬型ＦＰＤから受信した医用画像データを前記可搬型ＦＰＤの識別情報及び当該医用画像データの生成順に基づいて前記更新した撮影オーダ情報と対応付け、前記第２のモードにおいて、前記撮影オーダ情報記憶手段に記憶されている撮影オーダ情報を前記携帯端末から受信した撮影オーダ情報に更新させるとともに前記受信したカセッテの識別情報に対応付けて記憶させ、前記医用画像読取装置から受信した医用画像データを前記カセッテの識別情報に基づいて前記更新した撮影オーダ情報と対応付ける制御手段と、
を備える医用画像撮影システム。
【請求項４】
前記制御装置を複数備え、前記携帯端末は、前記複数の制御装置のうち少なくとも一つと通信可能である請求項３に記載の医用画像撮影システム。
【請求項５】
前記医用画像読取装置を複数備え、
前記制御装置の制御手段は、前記第２のモードにおいて、前記撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテの識別情報を前記医用画像読取装置のそれぞれに通知して、前記カセッテの識別情報を有するカセッテから読み取った医用画像データを当該制御装置に送信させる請求項４に記載の医用画像撮影システム。
【請求項６】
前記制御装置は、医用画像データを画面上に表示する表示手段を備え、
前記制御装置の制御手段は、前記第１のモードにおいて、前記可搬型ＦＰＤから受信した複数の患者についての医用画像データを前記表示手段に同一画面上に表示させ、前記第２のモードにおいて、前記医用画像読取装置から受信した医用画像データを患者単位で前記表示手段に表示させる請求項３〜５の何れか一項に記載の医用画像撮影システム。
【請求項１】
撮影オーダ情報を記憶する撮影オーダ情報記憶手段を有する制御装置と、前記制御装置と通信可能に構成され、前記制御装置から撮影オーダ情報を取得して表示する携帯端末と、被写体を透過した放射線に基づき医用画像データを生成し、生成された医用画像データを複数蓄積保存可能な可搬型ＦＰＤと、を備える医用画像撮影システムであって、
前記携帯端末は、
前記制御装置から取得した撮影オーダ情報に基づく医用画像データの生成に使用する可搬型ＦＰＤの識別情報を取得する取得手段と、
前記取得した可搬型ＦＰＤの識別情報を前記撮影オーダ情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報を編集する編集手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報と当該撮影オーダ情報に対応付けられた可搬型ＦＰＤの識別情報とを前記制御装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記可搬型ＦＰＤは、
前記生成した複数の医用画像データを生成順に記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された複数の医用画像データを当該可搬型ＦＰＤの識別情報と対応付けて前記生成順を識別可能に前記制御装置に送信する画像データ送信手段と、
を備え、
前記制御装置は、
前記携帯端末から送信された撮影オーダ情報及び可搬型ＦＰＤの識別情報を受信する受信手段と、
前記可搬型ＦＰＤから前記生成順を識別可能に送信された医用画像データ及び前記可搬型ＦＰＤの識別情報を受信する画像データ受信手段と、
前記撮影オーダ情報記憶手段に記憶されている撮影オーダ情報を前記携帯端末から受信した撮影オーダ情報に更新させるとともに前記受信した可搬型ＦＰＤの識別情報に対応付けて記憶させ、前記可搬型ＦＰＤから受信した医用画像データを前記可搬型ＦＰＤの識別情報及び当該医用画像データの生成順に基づいて前記更新した撮影オーダ情報と対応付ける制御手段と、
を備える医用画像撮影システム。
【請求項２】
前記制御装置を複数備え、前記携帯端末は、前記複数の制御装置のうち少なくとも一つと通信可能である請求項１に記載の医用画像撮影システム。
【請求項３】
撮影オーダ情報を記憶する撮影オーダ情報記憶手段を有する制御装置と、前記制御装置から撮影オーダ情報を取得して表示する携帯端末と、被写体を透過した放射線に基づき医用画像データを生成し、生成された医用画像データを複数蓄積保存可能な可搬型ＦＰＤと、被写体を透過した放射線画像が記録されたカセッテから医用画像データ及びカセッテの識別情報を読み取って前記制御装置に送信する医用画像読取装置と、
を備える医用画像撮影システムであって、
前記携帯端末は、
前記制御装置から取得した撮影オーダ情報に基づく医用画像データの生成に使用する可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報を取得する取得手段と、
前記取得した可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報を前記撮影オーダ情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報を編集する編集手段と、
前記記憶手段に記憶された撮影オーダ情報と当該撮影オーダ情報に対応付けられた可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報とを前記制御装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記可搬型ＦＰＤは、
前記生成した複数の医用画像データを生成順に記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された複数の医用画像データを当該可搬型ＦＰＤの識別情報と対応付けて前記生成順を識別可能に前記制御装置に送信する画像データ送信手段と、
を備え、
前記制御装置は、
前記可搬型ＦＰＤを使用する第１のモードと、前記カセッテを使用する第２のモードを有し、
前記携帯端末から送信された撮影オーダ情報及び、可搬型ＦＰＤの識別情報又はカセッテの識別情報を受信する受信手段と、
前記可搬型ＦＰＤから前記生成順を識別可能に送信された医用画像データ及び前記可搬型ＦＰＤの識別情報を受信する第１の画像データ受信手段と、
前記医用画像読取装置から送信された医用画像データ及びカセッテの識別情報を受信する第２の画像データ受信手段と、
前記第１のモードにおいて、前記撮影オーダ情報記憶手段に記憶されている撮影オーダ情報を前記携帯端末から受信した撮影オーダ情報に更新させるとともに前記受信した可搬型ＦＰＤの識別情報に対応付けて記憶させ、前記可搬型ＦＰＤから受信した医用画像データを前記可搬型ＦＰＤの識別情報及び当該医用画像データの生成順に基づいて前記更新した撮影オーダ情報と対応付け、前記第２のモードにおいて、前記撮影オーダ情報記憶手段に記憶されている撮影オーダ情報を前記携帯端末から受信した撮影オーダ情報に更新させるとともに前記受信したカセッテの識別情報に対応付けて記憶させ、前記医用画像読取装置から受信した医用画像データを前記カセッテの識別情報に基づいて前記更新した撮影オーダ情報と対応付ける制御手段と、
を備える医用画像撮影システム。
【請求項４】
前記制御装置を複数備え、前記携帯端末は、前記複数の制御装置のうち少なくとも一つと通信可能である請求項３に記載の医用画像撮影システム。
【請求項５】
前記医用画像読取装置を複数備え、
前記制御装置の制御手段は、前記第２のモードにおいて、前記撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテの識別情報を前記医用画像読取装置のそれぞれに通知して、前記カセッテの識別情報を有するカセッテから読み取った医用画像データを当該制御装置に送信させる請求項４に記載の医用画像撮影システム。
【請求項６】
前記制御装置は、医用画像データを画面上に表示する表示手段を備え、
前記制御装置の制御手段は、前記第１のモードにおいて、前記可搬型ＦＰＤから受信した複数の患者についての医用画像データを前記表示手段に同一画面上に表示させ、前記第２のモードにおいて、前記医用画像読取装置から受信した医用画像データを患者単位で前記表示手段に表示させる請求項３〜５の何れか一項に記載の医用画像撮影システム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【公開番号】特開２００９−８９７２３（Ｐ２００９−８９７２３Ａ）
【公開日】平成２１年４月３０日（２００９．４．３０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２６００７２（Ｐ２００７−２６００７２）
【出願日】平成１９年１０月３日（２００７．１０．３）
【出願人】（３０３０００４２０）コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年４月３０日（２００９．４．３０）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年１０月３日（２００７．１０．３）
【出願人】（３０３０００４２０）コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Ｆターム（参考）】
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