説明

医用画像生成システム

【課題】原画像のフレームレートに応じた出力用画像を生成することが可能な医用画像生成システムを提供する。
【解決手段】本発明の医用画像生成システムは、被検体の内部に存在する対象物の画像情報を取得する画像情報取得部と、画像情報が取得された位置を検出し、検出結果に応じた位置情報を順次生成する位置情報生成部と、画像情報に基づく原画像を一のフレームレートにより順次生成する原画像生成部と、位置情報を第1の取得レートにより取得し、原画像を第2の取得レートにより取得し、位置情報と原画像とを組み合わせて出力用画像を生成する出力用画像生成部と、一のフレームレートに応じ、第1の取得レート及び第2の取得レートの調整を行う制御部と、を有することを特徴とする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像生成システムに関し、特に、生体組織等の対象物の画像情報に基づく原画像を用いつつ、該原画像と異なる出力用画像を生成することが可能な医用画像生成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被検体としての生体の内部へ超音波ビームを送波し、該生体の内部の生体組織において超音波ビームが反射した反射波を受波することにより、該生体の断層像としての超音波画像の生成をリアルタイムに行うことが可能な超音波診断システムが従来広く用いられている。前記超音波診断システムにより生成された超音波画像は、例えば、術者等のユーザが病変の深達度の診断または臓器内部の状態の観察等を行う際に用いられている。
【0003】
また、近年においては、超音波画像と超音波探触子の位置情報とを組み合わせることにより、生体の内部における該超音波画像の取得位置の特定を補助するための3次元画像を生成可能な構成を有するものとして、例えば特許文献1の超音波診断装置が提案されている。
【特許文献1】特開2006−271523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した3次元画像の生成の際には、リアルタイム性を確保する目的において、超音波画像の生成レート(フレームレート)と、生成された該超音波画像の取得レートと、位置情報の取得レートとの各レートが適切に調整される必要がある。
【0005】
例えば、超音波画像の生成レートが該超音波画像の取得レート(または位置情報の取得レート)よりも遅い場合には、3次元画像の生成の際に遅延が生じてしまうことにより、結果的に、該3次元画像の生成を行う画像処理装置等の機種に応じたリアルタイム性が損なわれてしまう。
【0006】
また、例えば、超音波画像の生成レートが該超音波画像の取得レート(または位置情報の取得レート)よりも速い場合には、余分に生成された超音波画像を破棄する等の処理を適宜行わなければならず、結果的に、該3次元画像の生成を行う画像処理装置等の機種に応じたリアルタイム性が損なわれてしまう。
【0007】
そして、特許文献1の超音波診断装置においては、前述した問題点を解決するための手段等が開示も示唆もされていないため、リアルタイム性が損なわれた3次元画像が表示部に出力されてしまう、という課題が生じている。
【0008】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、原画像のフレームレートに応じた出力用画像を生成することが可能な医用画像生成システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における医用画像生成システムは、被検体の内部に存在する対象物の画像情報を取得する画像情報取得部と、前記画像情報が取得された位置を検出し、該位置の検出結果に応じた位置情報を順次生成する位置情報生成部と、前記画像情報に基づく原画像を一のフレームレートにより順次生成する原画像生成部と、前記位置情報を第1の取得レートにより取得し、前記原画像を第2の取得レートにより取得し、前記位置情報と前記原画像とを組み合わせて出力用画像を生成する出力用画像生成部と、前記一のフレームレートに応じ、前記第1の取得レート及び前記第2の取得レートの調整を行う制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明における医用画像生成システムによると、原画像のフレームレートに応じた出力用画像を生成することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
図1から図7は、本発明の実施形態に係るものである。図1は、本実施形態の超音波内視鏡システムの要部の構成の一例を示す図である。図2は、本実施形態の超音波内視鏡システムにおいて行われる処理の一例を示すフローチャートである。図3は、超音波診断装置の機種の選択を促すための画像の一例を示す図である。図4は、超音波診断装置のフレームレートの選択を促すための画像の一例を示す図である。図5は、本実施形態の超音波内視鏡システムにおいて行われる処理の、図2とは異なる例を示すフローチャートである。図6は、本実施形態の超音波内視鏡システムにおいて行われる処理の、図2及び図5とは異なる例を示すフローチャートである。図7は、超音波診断装置において生成される超音波画像の一例を示す図である。
【0013】
医用画像生成システムとしての超音波内視鏡システム1は、図1に示すように、超音波内視鏡2と、位置検出装置3と、超音波診断装置4と、画像処理装置5と、表示部としての機能を有するモニタ6と、を要部として有して構成されている。
【0014】
画像情報取得部としての機能を有する超音波内視鏡2は、被検体としての生体の内部へ挿入可能な先端部21と、先端部21の後端側に連設された細長の挿入部22と、挿入部22の後端側に連設された操作部23と、を具備している。また、先端部21は、超音波振動子21aと、外部から印加された磁界に応じて電気信号を出力するコイル21bと、を具備している。
【0015】
超音波振動子21aは、超音波診断装置4からの駆動信号に基づいて駆動し、生体の内部へ超音波ビームを送波する。また、超音波振動子21aは、生体の内部の生体組織において超音波ビームが反射した反射波を受波し、該反射波に応じたエコー信号を超音波診断装置4へ出力する。
【0016】
操作部23は、超音波内視鏡2、超音波診断装置4及び画像処理装置5に対する指示を行うことが可能な、図示しないスイッチ等を有している。
【0017】
位置情報生成部としての機能を有する位置検出装置3は、外部へ向けて磁界を放射する磁界放射アンテナ31と、磁界放射アンテナ31を駆動させるアンテナ駆動部32と、位置検出部33と、を具備している。
【0018】
位置検出部33は、コイル21bからの電気信号に基づいてコイル21bが存在する位置を特定するための演算を行い、演算結果に応じた位置情報データを順次生成する。
【0019】
原画像生成部としての機能を有する超音波診断装置4は、超音波振動子21aを駆動させるための駆動信号を生成及び出力する。また、超音波診断装置4は、超音波振動子21aからのエコー信号に基づき、生体の断層像としての超音波画像を、自身の性能に応じた画像生成レート(以降、フレームレートと記す)により順次生成する。なお、本実施形態の超音波診断装置4により生成される超音波画像には、該超音波画像が生成されたタイミングを示す時刻情報が各々付与されるものとする。
【0020】
画像処理装置5は、種々の操作に応じた指示が可能なスイッチ等が1または複数設けられた操作部51と、制御部52と、出力用画像生成部としての機能を有する画像生成部53と、を具備している。
【0021】
制御部52は、操作部51においてなされた指示に基づく制御を行う。また、制御部52は、超音波診断装置4のフレームレートを取得し、画像生成部53における超音波画像の取得レート及び位置情報データの取得レートを該フレームレートに応じて調整するための制御を行う。
【0022】
また、制御部52は、超音波診断装置4の機種とフレームレートとを対応させるためのテーブルデータ、及び、超音波診断装置4の機種と画面パターンとを対応させるための画面パターンデータが格納された、図示しないメモリ等の記憶部を具備している。
【0023】
なお、本実施形態の制御部52は、主にソフトウェアを用いて各種の制御を行うものとする。具体的には、本実施形態の制御部52は、超音波診断装置4のフレームレートを取得し、該フレームレートに応じて画像生成部53における超音波画像の取得レート及び位置情報データの取得レートを調整する制御を行うようにプログラミングされたソフトウェアを用いて、後述する図2、図5または図6に示す一連の処理を行うものとする。
【0024】
画像生成部53は、制御部52の制御に応じた各種画像を生成し、生成した該画像を映像信号としてモニタ6へ出力する。
【0025】
また、画像生成部53は、超音波診断装置4から超音波画像を取得する際の超音波画像取得レート、及び、位置検出装置3から位置情報データを取得する際の位置情報データ取得レートが、制御部52の制御に応じたフレームレートになるように調整を行う。その後、画像生成部53は、超音波画像と位置情報データとを組み合わせることにより、生体内における該超音波画像の取得位置の特定を補助するための3次元画像またはガイド画像を生成する。そして、画像生成部53は、生成した3次元画像またはガイド画像を映像信号としてモニタ6へ出力する。
【0026】
モニタ6は、画像処理装置5からの映像信号に応じた各種の画像を画面上に表示する。
【0027】
次に、超音波内視鏡システム1の作用について説明を行う。
【0028】
まず、術者等は、超音波内視鏡システム1の各部の電源を投入することにより、該各部を起動状態とする。
【0029】
超音波振動子21aは、超音波診断装置4の起動に伴って駆動し、生体の内部へ超音波ビームを送波した後、該生体の内部の生体組織において超音波ビームが反射した反射波を受波し、該反射波に応じたエコー信号を出力する。
【0030】
超音波診断装置4は、超音波振動子21aからのエコー信号に基づき、生体の断層像としての超音波画像を、自身の性能に応じたフレームレートにより順次生成する。
【0031】
一方、コイル21bは、磁界放射アンテナ31及びアンテナ駆動部32の起動に伴って印加された磁界を検知し、検知した磁界に応じた電気信号を位置検出部33へ出力する。
【0032】
位置検出部33は、コイル21bからの電気信号に基づいてコイル21bが存在する位置を特定するための演算を行い、演算結果に応じた位置情報データを順次生成する。
【0033】
そして、術者等は、操作部51において、超音波内視鏡システム1を画像調整モードへ遷移させるための操作を行う。これにより、前記操作に応じた指示が制御部52に対して行われる。
【0034】
ここで、画像調整モードにおける制御部52等の動作に関する説明を、図2のフローチャートに沿って行う。
【0035】
制御部52は、操作部51においてなされた指示に基づき、画像処理装置5等を画像調整モードに遷移させるための制御等を行う(図2のステップS1)。具体的には、制御部52は、操作部51においてなされた指示に基づき、前述したテーブルデータに予め書き込まれた、超音波診断装置4の各機種の名前(型番)を(図示しないメモリから)読み込む。そして、制御部52は、前述したテーブルデータの読み込み結果に基づく制御を画像生成部53に対して行うことにより、超音波診断装置4の機種の選択を術者等に促すための画像を生成及び出力させる。
【0036】
画像生成部53は、制御部52の制御に基づき、超音波診断装置4の機種の選択を術者等に促すための画像を生成し、生成した該画像を映像信号としてモニタ6へ出力する。これにより、例えば図3に示すような機種選択ウィンドウ6aがモニタ6に表示される。
【0037】
機種選択ウィンドウ6aには、前述したテーブルデータから読み込まれた、超音波診断装置4の各機種の名前(型番)が一覧表示される。また、機種選択ウィンドウ6aの内側には、一覧表示されている各機種の名前(型番)のうち、現在選択されているものを示すための選択枠6bが表示される。
【0038】
そして、操作部51に設けられた数字キーまたは矢印キー等が操作されることにより、機種選択ウィンドウ6aに一覧表示されている各機種の名前(型番)の中から、現在起動中の超音波診断装置4に適合する機種の名前(型番)の部分に選択枠6bが移動される。その後、操作部51に設けられたEnterキーまたは決定キー等が操作されることにより、機種選択ウィンドウ6aに一覧表示されている各機種の名前(型番)のうち、現在起動中の超音波診断装置4に相当する、選択枠6bに囲まれた一の機種の名前(型番)が選択される(図2のステップS2)。
【0039】
制御部52は、現在起動中の超音波診断装置4が選択されたことを検知すると、前述したテーブルデータを参照しつつ、現在起動中の超音波診断装置4が対応可能なフレームレートを(図示しないメモリから)読み込む。そして、制御部52は、前述したテーブルデータの読み込み結果に基づく制御を画像生成部53に対して行うことにより、現在起動中の超音波診断装置4のフレームレートの選択を術者等に促すための画像を生成及び出力させる。
【0040】
画像生成部53は、制御部52の制御に基づき、現在起動中の超音波診断装置4のフレームレートの選択を術者等に促すための画像を生成し、生成した該画像を映像信号としてモニタ6へ出力する。これにより、例えば図4に示すようなフレームレート設定ウィンドウ6cがモニタ6に表示される。
【0041】
フレームレート設定ウィンドウ6cには、前述したテーブルデータから読み込まれた、現在起動中の超音波診断装置4が対応可能なフレームレートが一覧表示される。また、フレームレート設定ウィンドウ6cの内側には、一覧表示されている各フレームレートのうち、現在選択されているものを示すための選択枠6dが表示される。
【0042】
そして、操作部51に設けられた数字キーまたは矢印キー等が操作されることにより、フレームレート設定ウィンドウ6cに一覧表示されている各フレームレートの中から、術者等の所望のフレームレートの部分に選択枠6dが移動される。その後、操作部51に設けられたEnterキーまたは決定キー等が操作されることにより、フレームレート設定ウィンドウ6cに一覧表示されている各フレームレートのうち、選択枠6dに囲まれた一のフレームレートが設定される(図2のステップS3)。
【0043】
制御部52は、現在起動中の超音波診断装置4が対応可能な一のフレームレートが設定されたことを検知すると、超音波診断装置4から超音波画像を取得する際の超音波画像取得レート、及び、位置検出装置3から位置情報データを取得する際の位置情報データ取得レートを、該一のフレームレートに応じて調整するための制御を画像生成部53に対して行う(図2のステップS4)。具体的には、制御部52は、超音波診断装置4から超音波画像を取得する際の超音波画像取得レート、及び、位置検出装置3から位置情報データを取得する際の位置情報データ取得レートを、図2のステップS3において選択された(取得した)一のフレームレートに一致させるための制御を画像生成部53に対して行う。
【0044】
画像生成部53は、超音波画像取得レート及び位置情報データ取得レートを、制御部52の制御に応じたフレームレートに一致させつつ、位置検出装置3から位置情報データを取得するとともに、超音波診断装置4から超音波画像を取得する。その後、画像生成部53は、取得した前記超音波画像と前記位置情報データとを組み合わせることにより、生体内における該超音波画像の取得位置の特定を補助するための3次元画像またはガイド画像を生成する。そして、画像生成部53は、生成した前記3次元画像または前記ガイド画像を、制御部52の制御に応じたフレームレートの映像信号としてモニタ6へ出力する。
【0045】
以上に述べたように、本実施形態の超音波内視鏡システム1においては、図2に示すフローチャートに沿った処理等が行われることにより、超音波診断装置4のフレームレートに応じた3次元画像またはガイド画像が画像処理装置5において生成され、モニタ6に表示される。すなわち、本実施形態の超音波内視鏡システム1においては、図2に示すフローチャートに沿った処理等が行われることにより、超音波診断装置4のフレームレートと略一致したフレームレートを具備する、超音波診断装置4の性能に応じたリアルタイム性が確保された状態の3次元画像またはガイド画像がモニタ6に表示される。
【0046】
なお、本実施形態の画像調整モードにおいては、図2に示すフローチャートの代わりに、例えば、図5に示すフローチャートに沿った処理等が行われるものであっても良い。
【0047】
ここで、画像調整モードにおける制御部52等の動作に関する説明を、図5のフローチャートに沿って行う。なお、図2に示すフローチャートの説明として既述である部分については、適宜省略しつつ説明を進めるものとする。
【0048】
制御部52は、図2のステップS1と同様に、操作部51においてなされた指示に基づき、画像処理装置5等を画像調整モードに遷移させるための制御等を画像生成部53に対して行う(図5のステップS11)。これにより、例えば図3に示すような機種選択ウィンドウ6a及び選択枠6bがモニタ6に表示される。
【0049】
そして、図2のステップS2と同様に、操作部51の操作により、機種選択ウィンドウ6aに一覧表示されている各機種の名前(型番)のうち、現在起動中の超音波診断装置4に相当する、選択枠6bに囲まれた一の機種の名前(型番)が選択される(図5のステップS12)。
【0050】
一方、制御部52は、現在起動中の超音波診断装置4が選択されたことを検知すると、前述したテーブルデータを参照しつつ、現在起動中の超音波診断装置4が対応可能なフレームレートを(図示しないメモリから)読み込む。そして、制御部52は、前述したテーブルデータの読み込み結果に基づき、超音波診断装置4において生成された超音波画像を、隣接するフレーム間において変移が生じるまでの間、1フレームずつ順次取得する(図5のステップS13及びステップS14)。
【0051】
制御部52は、隣接するフレーム間において変移が生じた2フレーム分の超音波画像の時刻情報を用い、該変移に要した時間としての変移時間を算出する。そして、制御部52は、前記変移時間に基づき、現在起動中の超音波診断装置4のフレームレートを算出する(図5のステップS15)。
【0052】
その後、制御部52は、図5のステップS15の処理により算出されたフレームレートに基づき、超音波診断装置4から超音波画像を取得する際の超音波画像取得レート、及び、位置検出装置3から位置情報データを取得する際の位置情報データ取得レートを、該フレームレートに応じて調整するための制御を画像生成部53に対して行う(図5のステップS16)。具体的には、制御部52は、超音波診断装置4から超音波画像を取得する際の超音波画像取得レート、及び、位置検出装置3から位置情報データを取得する際の位置情報データ取得レートを、図5のステップS15の処理結果としてのフレームレートに一致させるための制御を画像生成部53に対して行う。
【0053】
画像生成部53は、超音波画像取得レート及び位置情報データ取得レートを、制御部52の制御に応じたフレームレートに一致させつつ、位置検出装置3から位置情報データを取得するとともに、超音波診断装置4から超音波画像を取得する。その後、画像生成部53は、取得した前記超音波画像と前記位置情報データとを組み合わせることにより、生体内における該超音波画像の取得位置の特定を補助するための3次元画像またはガイド画像を生成する。そして、画像生成部53は、生成した前記3次元画像または前記ガイド画像を、制御部52の制御に応じたフレームレートの映像信号としてモニタ6へ出力する。
【0054】
以上に述べたように、本実施形態の超音波内視鏡システム1においては、図5に示すフローチャートに沿った処理等が行われることにより、超音波診断装置4のフレームレートに応じた3次元画像またはガイド画像が画像処理装置5において生成され、モニタ6に表示される。すなわち、本実施形態の超音波内視鏡システム1においては、第1の変形例としての図5に示すフローチャートに沿った処理等が行われた場合であっても、超音波診断装置4のフレームレートと略一致したフレームレートを具備する、超音波診断装置4の性能に応じたリアルタイム性が確保された状態の3次元画像またはガイド画像がモニタ6に表示される。
【0055】
なお、本実施形態の画像調整モードにおいては、図2に示すフローチャートの代わりに、例えば、図6に示すフローチャートに沿った処理等が行われるものであっても良い。
【0056】
ここで、画像調整モードにおける制御部52等の動作に関する説明を、図6のフローチャートに沿って行う。なお、図2に示すフローチャートの説明として既述である部分については、適宜省略しつつ説明を進めるものとする。
【0057】
制御部52は、図2のステップS1と同様に、操作部51においてなされた指示に基づき、画像処理装置5等を画像調整モードに遷移させるための制御等を画像生成部53に対して行う(図6のステップS21)。これにより、例えば図3に示すような機種選択ウィンドウ6a及び選択枠6bがモニタ6に表示される。
【0058】
そして、図2のステップS2と同様に、操作部51の操作により、機種選択ウィンドウ6aに一覧表示されている各機種の名前(型番)のうち、現在起動中の超音波診断装置4に相当する、選択枠6bに囲まれた一の機種の名前(型番)が選択される(図6のステップS22)。
【0059】
一方、制御部52は、現在起動中の超音波診断装置4が選択されたことを検知すると、超音波診断装置4において生成された超音波画像を1フレーム分取得する(図6のステップS23)とともに、前述した画面パターンデータを参照しつつ、該超音波画像の画面パターンを(図示しないメモリから)読み込む。
【0060】
そして、制御部52は、(図示しないメモリから)読み込んだ画面パターンを用いつつ、現在起動中の超音波診断装置4から取得した、例えば図7に示すような超音波画像に対して画像認識処理を行う(図6のステップS24)。
【0061】
なお、画像認識処理の処理対象として取得される画像は、図7に示すような超音波画像101に限らず、例えば、超音波診断装置4の設定画面に相当する画像であっても良い。
【0062】
そして、制御部52は、(図示しないメモリから)読み込んだ画面パターンを用いつつ、図7に示すような超音波画像101に対して画像認識処理を行うことにより、フレームレート描画部位102に文字列が描画されていることを検出した(図6のステップS25)場合、該文字列(図7においては「30fps」)を現在起動中の超音波診断装置4のフレームレートであるとして推定する(図6のステップS27)。
【0063】
また、制御部52は、(図示しないメモリから)読み込んだ画面パターンを用いつつ超音波画像101に対して画像認識処理を行うことにより、フレームレート描画部位102に文字列が描画されていないこと、または、フレームレート描画部位102自体が存在しないことを検出した(図6のステップS25)場合、該画像認識処理の結果に基づき、現在起動中の超音波診断装置4のフレームレートに関連する各パラメータの値を検出する(図6のステップS26)。
【0064】
図7に示す超音波画像101を例に挙げると、制御部52は、前記画像認識処理の結果に基づき、表示レンジ描画部位103aに描画された文字列(図7においては「6cm」)と、超音波観察画像103bの画角と、超音波観察画像103bの音線密度と、超音波観察画像103bにおけるフォーカス位置を示すマーカー103cの位置及び数と、を現在起動中の超音波診断装置4のフレームレートに関連する各パラメータの値として検出する。そして、制御部52は、前述した各パラメータを適宜組み合わせつつ演算を行うことにより、現在起動中の超音波診断装置4のフレームレートを推定する(図6のステップS27)。
【0065】
その後、制御部52は、図6のステップS27の処理により推定されたフレームレートに基づき、超音波診断装置4から超音波画像を取得する際の超音波画像取得レート、及び、位置検出装置3から位置情報データを取得する際の位置情報データ取得レートを、該フレームレートに応じて調整するための制御を画像生成部53に対して行う(図6のステップS28)。具体的には、制御部52は、超音波診断装置4から超音波画像を取得する際の超音波画像取得レート、及び、位置検出装置3から位置情報データを取得する際の位置情報データ取得レートを、図6のステップS27の処理結果としてのフレームレートに一致させるための制御を画像生成部53に対して行う。
【0066】
画像生成部53は、超音波画像取得レート及び位置情報データ取得レートを、制御部52の制御に応じたフレームレートに一致させつつ、位置検出装置3から位置情報データを取得するとともに、超音波診断装置4から超音波画像を取得する。その後、画像生成部53は、取得した前記超音波画像と前記位置情報データとを組み合わせることにより、生体内における該超音波画像の取得位置の特定を補助するための3次元画像またはガイド画像を生成する。そして、画像生成部53は、生成した前記3次元画像または前記ガイド画像を、制御部52の制御に応じたフレームレートの映像信号としてモニタ6へ出力する。
【0067】
以上に述べたように、本実施形態の超音波内視鏡システム1においては、図6に示すフローチャートに沿った処理等が行われることにより、超音波診断装置4のフレームレートに応じた3次元画像またはガイド画像が画像処理装置5において生成され、モニタ6に表示される。すなわち、本実施形態の超音波内視鏡システム1においては、第2の変形例としての図6に示すフローチャートに沿った処理等が行われた場合であっても、超音波診断装置4のフレームレートと略一致したフレームレートを具備する、超音波診断装置4の性能に応じたリアルタイム性が確保された状態の3次元画像またはガイド画像がモニタ6に表示される。
【0068】
なお、本実施形態においては、例えば同じ会社の製品を用いて超音波内視鏡システム1が構成されている場合には、超音波診断装置4と画像処理装置5との間に専用の制御線を設けることにより、超音波診断装置4のフレームレート、及び、フレームレートに関連する各パラメータを画像処理装置5(の制御部52)が直接読み込んで制御を行うことも可能である。
【0069】
また、本実施形態の超音波内視鏡システムは、前述したような、位置検出装置から発せられた磁界を超音波内視鏡に内蔵されたコイルにより検出するものに限らず、例えば、超音波内視鏡から発せられた磁界を位置検出装置により検出するものとして構成されても良い。
【0070】
一方、本実施形態の超音波内視鏡システムは、超音波診断装置4の機種に応じた複数のフレームレートの中から所望の一のフレームレートを選択可能な構成を有するものに限らず、例えば、術者等により所望のフレームレートの値を直接入力可能な構成を有するものであっても良い。
【0071】
本発明は、上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本実施形態の超音波内視鏡システムの要部の構成の一例を示す図。
【図2】本実施形態の超音波内視鏡システムにおいて行われる処理の一例を示すフローチャート。
【図3】超音波診断装置の機種の選択を促すための画像の一例を示す図。
【図4】超音波診断装置のフレームレートの選択を促すための画像の一例を示す図。
【図5】本実施形態の超音波内視鏡システムにおいて行われる処理の、図2とは異なる例を示すフローチャート。
【図6】本実施形態の超音波内視鏡システムにおいて行われる処理の、図2及び図5とは異なる例を示すフローチャート。
【図7】超音波診断装置において生成される超音波画像の一例を示す図。
【符号の説明】
【0073】
1 超音波内視鏡システム
2 超音波内視鏡
3 位置検出装置
4 超音波診断装置
5 画像処理装置
6 モニタ
21a 超音波振動子
21b コイル
33 位置検出部
51 操作部
52 制御部
53 画像生成部
101 超音波画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の内部に存在する対象物の画像情報を取得する画像情報取得部と、
前記画像情報が取得された位置を検出し、該位置の検出結果に応じた位置情報を順次生成する位置情報生成部と、
前記画像情報に基づく原画像を一のフレームレートにより順次生成する原画像生成部と、
前記位置情報を第1の取得レートにより取得し、前記原画像を第2の取得レートにより取得し、前記位置情報と前記原画像とを組み合わせて出力用画像を生成する出力用画像生成部と、
前記一のフレームレートに応じ、前記第1の取得レート及び前記第2の取得レートの調整を行う制御部と、
を有することを特徴とする医用画像生成システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の取得レート及び前記第2の取得レートを前記一のフレームレートに一致させることを特徴とする請求項1に記載の医用画像生成システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記原画像生成部の機種に応じたものとして前記一のフレームレートを取得することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の医用画像生成システム。
【請求項4】
前記制御部は、隣接するフレーム間において変移が生じた2フレーム分の前記原画像を用い、該変移に要した時間に基づいて前記一のフレームレートを算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の医用画像生成システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記原画像に対する画像認識処理により1または複数の描画部位に描画された文字列を検出し、該文字列の検出結果に基づいて前記一のフレームレートを推定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の医用画像生成システム。
【請求項6】
前記出力用画像生成部は、生成した前記出力用画像を前記一のフレームレートにより表示部へ出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の医用画像生成システム。
【請求項7】
前記制御部は、ソフトウェアを用いて制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の医用画像生成システム。
【請求項8】
前記ソフトウェアは、前記原画像生成部の条件に応じて予め関連付けられた取得レート値に基づき、前記第1の取得レート及び前記第2の取得レートを設定する制御を行うようにプログラミングされていることを特徴とする請求項7に記載の医用画像生成システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−261522(P2009−261522A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112962(P2008−112962)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】