説明

医用診断装置および医用データ収集システム

【課題】TCE作成が容易な医用診断装置および医用データ収集システムを提供すること。
【解決手段】実施形態の医用診断装置は、実施形態の医用診断装置は、ワークフローを取得または作成するワークフロー取得・生成部と、研究、教育または臨床試験用のTCEオブジェクトデータを収集するためのトリガ情報を前記ワークフローから設定するトリガ情報設定部と、前記ワークフローが操作実行される操作実行部と、前記操作実行されるワークフローの実行状態が前記トリガ情報と一致するかどうかを検出するトリガ検出部と、前記トリガ検出部での検出結果に基づいてTCE情報が格納されたTCEファイルを作成するTCE作成部と、前記TCE情報とTCE情報で指定された医用データを匿名化したTCEオブジェクトデータを送信するTCE画像転送部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用診断装置で取得される医用データ収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療情報の電子化および共有化の動きが急速に進んでいる。各医療機関内では、従来の診療録などをはじめとする医療情報の電子化(EMR:Electronic Medical Records)が行われ、政府や自治体レベルでは、複数施設から収集した医療情報の電子化(EHR:Electronic Health Records)が行なわれている。このように電子化された医療情報がネットワークで接続されることによって、病院内さらには地域病院間の連携関係を強化し、医療のIT化による高度医療を実現しようとする動きが盛んである。
【0003】
ここで、EMRやEHRの円滑な運用を実現するために、医療情報システムの標準化を促進する国際的機関のIHE(Integrating the Healthcare Enterprise)では、放射線部門における医療情報の電子化の標準化を目的として統合プロファイルを提供している(http://www.ihe.net/profiles/index.cfm)。
【0004】
医用診断装置で取得された臨床試験データはIHEの統合プロファイルの中のティーチングファイルと臨床試験データ(TCE:Teaching file and Clinical trial Export)のエクスポートプロトコルで定義される。
【0005】
この臨床試験データの取扱いについては、IHEテクニカルフレームワークとして提示・提案されている。(http://www.ihe.net/Technical_Framework/index.cfm:Radiology Technical Framework, Vol.I-Vol.IV)
臨床試験データ収集の一般的な実施方法として、人間ドックや健康診断などのルーチン検査の中から臨床試験データを収集する方法や、特化した検査を設定して臨床試験データを収集する方法がある。収集された臨床試験データを臨床試験のエビデンスとして確立するためは、検査対象となる標本数が統計上の条件を満たす必要があり、そのためには大量の臨床試験データを収集する必要がある。
【0006】
前述のTCEを利用しての標本収集が実施される場合、TCE作成に必要な入力作業は通常、手作業で行われている。TCE入力作業に時間がかかれば臨床試験データ収集数のスループットに影響を与える。従って大量の標本数が必要な臨床試験データ収集にはTCE作成の効率化が非常に有効となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Radiology Technical Framework, Vol.I-Vol.IV)URL(http://www.ihe.net/Technical_Framework/index.cfm):
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、上記問題を解決し、TCE作成が容易な医用診断装置および医用データ収集システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、実施形態の医用診断装置は、ワークフローを取得または作成するワークフロー取得・生成部と、研究、教育または臨床試験用のTCEオブジェクトデータを収集するためのトリガ情報を前記ワークフローから設定するトリガ情報設定部と、前記ワークフローが操作実行される操作実行部と、前記操作実行されるワークフローの実行状態が前記トリガ情報と一致するかどうかを検出するトリガ検出部と、前記トリガ検出部での検出結果に基づいてTCE情報が格納されたTCEファイルを作成するTCE作成部と、前記TCE情報とTCE情報で指定された医用データを匿名化したTCEオブジェクトデータを送信するTCE画像転送部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態における医用データ収集システム全体のブロック構成図である。
【図2】同実施形態におけるワークフロー選択の画面例を示す図である。
【図3】同実施形態におけるアクティビティを説明する図である。
【図4】同実施形態におけるトリガ情報設定を説明する図である。
【図5】同実施形態における臨床データ収集装置でのトリガ情報発信のフローチャート図である。
【図6】同実施形態における医用診断装置での処理を説明するフローチャート図である。
【図7】同実施形態におけるTCE入力情報である。
【図8】同実施形態における医用画像保存装置での処理を説明するフローチャート図である。
【図9】同実施形態における臨床データ収集装置での画像取得を示すフローチャート図である。
【図10】第2の実施形態における医用診断装置のブロック構成図である。
【図11】第3の実施形態における医用データ収集システムの概念図である。
【図12】同実施形態における医用データ収集システムのブロック構成図である。
【図13】第4の実施形態における医用診断装置のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず実施形態の説明の前にTCEについて説明する。TCEとは、具体的には以下の4種類の転送形態がある。
(1)Teaching file Export:興味深いデータ(画像)が取得され、後学のために対象検査・画像を匿名化して保管用サーバに転送する形態。
(2)Clinical Trial Export:臨床試験データとして利用するため、対象検査・画像を匿名化して保管用サーバに転送する形態。
(3)Research Collection Export:研究用途で利用するため、対象検査・画像を匿名化して保管用サーバに転送する形態。
(4)Publication Export:出版用途(論文用材料、執筆用材料)で利用するため、対象検査・画像を匿名化して保管用サーバに転送する形態。
【0012】
どの形態も目的は異なるが、TCEの基本的な使用方法はいずれについて同様であり、転送の際には検査対象の画像ID(キーオブジェクト)、利用者(オブザーバ)、用途などを指定するTCEファイルと、このTCEファイルのキーオブジェクトで指定される匿名化すべきオブジェクト(主として医用画像)を、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)などのネットワークに接続される一般的な医用画像保存装置(サーバ)に一旦転送する。
【0013】
医用画像保存装置では、このTCEファイルの情報に基づき、対象オブジェクトを匿名化し、TCE用画像保管装置(TCEリポジトリ)に転送する。利用者は、TCE用画像保管装置から対象オブジェクトを取り出し、例えば臨床試験などの特定の用途に使用する。
【0014】
ここで、本実施形態では、(2)の臨床試験データを収集する場合について特に注目し、自動的に臨床試験データが収集できる医用データ収集システムについて説明する。以下、発明を実施するための実施形態について図1から図13に示す図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
本実施形態の医用データ収集システムは、PACSなどの画像保存通信システム上に構築することが可能であり、既存のシステムとの整合性が容易に得られる。ネットワーク11には、超音波診断装置、CT(Comuputed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)などの複数の医用診断装置12A、12B、12Cと、これらの医用診断装置12で撮影された医用画像を保存する画像サーバとして機能する医用画像保存装置13、およびTCE用画像保管装置(TCEリポジトリ)として機能する臨床試験データ収集装置14が接続される。またネットワーク11は図示しないHIS(Hospital Information System)、RIS(Radiology Information System)などのネットワークと連動している。また医用診断装置12A、12B、12Cは、それぞれ装置種別は異なるが、本実施形態を実現するための共通の構成を有している。ここで医用診断装置12Aについては超音波診断装置を例として説明する。
【0016】
臨床試験データ収集装置14は、ワークフロー取得・生成部141、トリガ情報設定部142、トリガ情報配信部143、臨床試験データ受信部144、および臨床試験データ保存部145を有する。臨床試験データ収集装置14の機能は、点線枠で示すようにTCEファイルを作成するためのトリガを設定するTCEトリガ条件設定部146と、TCEオブジェクトを保存するTCEリポジトリ147に大きく分かれる。
【0017】
ワークフロー取得・生成部141では、医師または検査技師などの操作者は、予め保存されている超音波診断装置12A用のワークフローを取得して編集するか、新規にワークフローを作成する。ここで言うワークフローとは、超音波診断装置12Aの操作シーケンスを事前に記述したものである。このワークフローを順次実行し、操作をエミュレートすることにより超音波診断装置12Aの操作を半自動化できる。特に人間ドックや検診などのルーチン検査を実施する時には、このようなワークフローを用いて検査が実施されることが多い。また、検査によって多少の操作手順の違いがあるものの、ほとんど同様のワークフローを実施する場合が多いため、事前に作成された単数あるいは複数のワークフローを取得して編集してもよいし、新規作成してもよい。
【0018】
トリガ情報設定部142は、編集または新規作成したワークフローに対してTCE作成のためのトリガ情報を設定する。このトリガ情報によって、ワークフローと収集する臨床試験データ(対象画像)との「関連付け」をユーザが設定できるようにする。
【0019】
トリガ情報配信部143では、ワークフローと臨床試験データ(対象画像)との「関連付け」がなされたトリガ情報を超音波診断装置12Aに送信する。
【0020】
後述するように、各医用診断装置12A、12B、12CではTCE作成のためのトリガ情報と、ワークフローに従って実行される操作手順が一致するかどうかを検出し、一致した場合にはTCEの転送プロトコルが実行されることにより、臨床試験データのサンプリング抽出が自動的に実施され、効率よく臨床試験データが標本として収集される。
【0021】
臨床試験データ受信部144では、医用画像保存装置13からこのトリガ情報に基づいた臨床試験データを受信し、臨床試験データ保存部145に保存する。
【0022】
超音波診断装置12Aは、トリガ情報受信部121、認証部122、操作実行部123、トリガ検出部124、ローカル画像保存部125、TCE作成部126、およびTCE画像転送部127を有する。
【0023】
トリガ情報受信部121では、トリガ情報配信部143から送られてくるトリガ情報を受信する。認証部122では、トリガ情報を受け入れてよいかどうかについて認証を行う。
【0024】
医師または検査技師などの操作者は、操作実行部123に接続される操作デバイスを使用してワークフローを構成するアクティビティと呼ばれるメニューを実行する。操作実行部123では、アクティビティが実行されると、そのイベントを発生する。
【0025】
トリガ検出部124では、アクティビティに対応するイベントの種類、発生順序、組み合わせなどが、受信したトリガ情報の条件と合致するかどうかを検出する。
【0026】
ローカル画像保存部125には、画像保存に対応したアクティビティが実行された時に医用画像が保存される。ただし、ワークフローの条件によってはネットワークを経由した医用画像保存装置に保存される場合もある。
【0027】
TCE作成部126では、トリガ情報と合致した操作がなされた時にTCEを作成する。この時TCE作成に必要な画像IDをキーオブジェクトとして取得する。TCE画像転送部127では、TCEファイルと画像IDに対応した医用画像を医用画像保存装置13に送信する。ここで図中の点線矢印はTCEファイルの移動を示している。
【0028】
また、医用画像保存装置13は、TCE画像受信部131、サーバ画像保存部132、匿名化処理部133、および臨床試験データ送信部134を有している。
【0029】
TCE画像受信部131では、TCE画像転送部127からTCEファイルと、画像IDに対応する医用画像とを受信し、サーバ画像保存部132に保存する。
【0030】
匿名化処理部133は、受信したTCEファイルに基づき個人情報などのプライバシーデータを匿名化し、臨床試験データ送信部134では、臨床試験データ収集装置14にTCEファイルとともに臨床試験データを送信する。
【0031】
図2は、ワークフロー取得・生成部141で操作するワークフローの選択画面例を示している。例えば、超音波診断装置12Aでよく行われる検査に対して、予めワークフローがA〜Gまで表示されている。ここではワークフローFの「6.造影剤検査」を選択したと仮定する。そうすると、図3に示すようなワークフローFに対するアクティビティが表示される。
【0032】
ワークフローFは、例えば「Peripheral」、「Pre Phase」、「CHI Phase」、「Initialize」の4つのアクティビティ31で構成され、各アクティビティ31を選択することによって、設定ウインドウ32やサブフローウインドウ33、34,35が表示される。
【0033】
以下このワークフローFについて具体的に説明する。この造影剤検査を示すワークフローは血管に造影剤を投与し、超音波画像を収集するワークフローである。
【0034】
「Peripheral」とは、周辺機器設定の実施を意味するアクティビティである。この「Peripheral」を選択すると設定ウインドウ32が表示される。この例では画像の出力先として、MOやHDDなどの医用診断装置12Aに内蔵もしくは直接接続される外部記憶装置(図1のローカル画像保存部125)に出力するか、ネットワーク接続先をIPアドレスで指定し、ネットワーク画像サーバ(例えば図1のサーバ画像保存部132)に出力を設定する。
【0035】
また、「Pre Phase」とは、造影剤を投与する前のフェーズのアクティビティである。この「Pre Phase」を選択することで、サブフローウインドウ33が表示される。この例では、THI(Tissue Harmonic Imaging)撮像モードで行われる様々な表示モードにてスクリーニングを実施する。「Pre Phase」は、サブフローに展開されてサブフローウインドウ33に示される順に実施される。
【0036】
「THI」撮像モードとは超音波の高調波成分を用いて画像化するモードであり、ノイズが低減されたクリアな画像化が得られる。「MMode」は超音波画像のMotion(M)モードを意味する。Mモードとは断面上のさらにある一直線上に注目し、そこでの音波反射の経時変化を画像化するモードである。「Archive」は、画像が保存されプリントされる一連のデータの収集フローである。具体的な操作としては、「Freeze」(表示状態を止める操作)、「Still Store」(静止画像を保存する操作)、「Print」(静止画像を印刷する操作)、「Unfreeze」(Freeze状態を解除する操作)を行う。
【0037】
「Dual」は2画面表示モードである。「CDI」はカラー表示(Color Doppler Imaging)モードであり、ドップラー効果を利用して流速などをカラー表示する。「PW」はパルスドップラー表示(Pulse Wave imaging)モードであり、PW法を利用して画像化するモードである。
【0038】
「CHI Phase」とは、造影剤投与時に、造影剤が鮮明に画像化できるようにコントラスト強調(CHI:Contrast Harmonic Imaging)モードで画像化する撮像モードのアクティビティである。この「CHI Phase」を選択することで、サブフローウインドウ34が表示される。「CHI Phase」は、サブフローに展開されてサブフローウインドウ34に示される順に実施される。
【0039】
「1.5H」は、1.5 Harmonicを設定値とするCHIモード(コントラスト強調撮像モード)である。「Annotation」は、文字やマークを超音波画面に入力でき、例えば関心領域に矢印マークを付けたりする。
【0040】
「VCR REC」は、ビデオやDVDなどの撮影開始操作である。「Injection」は造影剤を投入するときの操作である。「Time Start」は、造影剤投入から何秒過ぎたかを記録するタイマーの開始操作である。
【0041】
「Flash ON」は、造影剤が投入された画像をより鮮明に画像化するために、表示画面をフラッシュする操作である。「Clip Store」は、造影剤投与による画面内の各組織の染まり具合を動画で保存する操作である。「Flash OFF」は表示画面のフラッシュをOFFにする操作である。
【0042】
「Depth Chg」は、表示画面の深さ方向を深くしたり浅くしたりする操作である。
【0043】
「VCR Stop」は、ビデオやDVDの撮影停止操作である。「Time Stop」は、造影剤投入から何秒過ぎたかを記録するタイマーの停止操作である。
【0044】
「Initialize」とは、次のCHI検査のために、表示状態を初期化して元の状態に戻すアクティビティである。この「Initialize」を選択することでサブフローウインドウ35が表示される。「Initialize」はサブフローに展開されてサブフローウインドウ35に示される順に実施される。
【0045】
「ANNO CLR」は、上述の「Annotation」(画面上の文字やマーク)をクリアする操作である。「BM CLR」は画面上に表示されたボディマーク(体位マーク)をクリアする操作である。上記で説明したワークフローにはボディマークを設定する操作はなかったが、その前の他のワークフローなどでボディマークが付加されていた場合は、この操作でクリアされる。「2D」は2D表示モードにする操作である。いわゆるBモードの1画面表示状態へ戻す操作である。
【0046】
次に、トリガ情報設定部142で行われるワークフローに対するトリガ設定について説明する。ワークフローについては図3で示した「造影剤検査」について行うものとする。図4は、トリガ設定画面を説明する図である。トリガ設定画面40は、「造影剤検査」を示すワークフロー41と、ワークフロー41を構成する各アクティビティがサブフローを有する場合には、それぞれサブフロー42、43、44を表示することができる。
【0047】
各アクティビティの左には、例えばトリガ情報を設定する黒丸あるいは白丸で示すマーキングを設定する。この例では黒丸は、そのアクティビティを構成する配下のアクティビティすべてをマーキングすることを示し、白丸は、そのアクティビティを構成する配下のアクティビティの一部がマーキングされていることを示している。すなわち、「Pre Phase」では、その配下のアクティビティすべてが選択されているのに対し、「CHI Phase」では、その配下の一部が選択されている。尚、さらにサブフローがある場合にはその配下に対して同様の表記となる。
【0048】
この例では、造影剤を投与する前のフェーズのアクティビティ「Pre Phase」がトリガ条件として全選択されていることから、モーションモード(「MMode」)、カラードップラーモード(「CDI」)、パルスドップラーモード「PW」で保存された画像を臨床試験データとして取得する。また、「CHI Phase」の一部がトリガとして選択されており、造影剤投与時にフラッシュを点灯させたビデオ画像を臨床試験データとして取得する。
【0049】
次に、臨床試験データ収集装置14におけるトリガ情報発信までのフローチャートについて図5を用いて説明する。
【0050】
まず、操作者は、ワークフロー取得・生成部141を用いて、臨床試験データとして収集したい医用診断装置のワークフローを取得する(ステップST501)。このワークフローは各医用診断装置からネットワーク11を介して取得してもよいし、予め臨床試験データ収集装置内に保存しているものを用いてもよい。また、これらを編集して使用してもよいし、新規に作成してもよい(ステップST502)。
【0051】
次に図4で示したように、ステップST503では、トリガ情報設定部142を用いて臨床試験データとして収集したいアクティビティにマーキングを行う。
【0052】
ステップST504では、マーキングしたアクティビティに対してトリガの論理モードを選択・登録する。例えば、ワークフローのシーケンス順序どおりに操作がなされた場合にトリガが発生する「順序指定」モード、ワークフローのシーケンス途中に他の操作が入ってもトリガが発生する「不連続」モード、およびワークフローシーケンスの順序が前後してもトリガが発生する「組み合わせ」モードなどの中から、検査内容およびワークフローを考慮して適宜、選択する。これにより検査内容に最適な収集条件を設定できるため、効率的な臨床試験データ収集が行える。
【0053】
次に、ステップST505では、臨床試験データを収集する者のユーザ名と認証に必要なパスワードなどの認証データを設定する。通常このユーザ名は、TCEで指定する利用者(オブザーバ)の項目と一致していてよい。TCEの入力項目については後述する。
【0054】
ステップST506では、ステップST503からステップST505で作成したトリガ情報を、超音波診断装置12Aに送信する。
【0055】
次に、図6に示すフローチャートを用いて超音波診断装置12Aでの処理を説明する。臨床試験データ収集装置14から送信されたトリガ情報は、トリガ情報受信部121にて受信される(ステップST601)。この時、次のステップST602では、認証部122において、このトリガ情報が権限のある適切なものかどうかを判断する。認証がOKであれば(ステップST602:Yes)、このトリガ情報をトリガ検出部124に取り込む。認証がNGであれば(ステップST602:No)、このトリガ情報は受け付けず、認証が不可である旨を臨床試験データ収集装置14に返送する(ステップST603)。
【0056】
ステップST604においては、医師または検査技師などの操作者は、図2に示すような所望のワークフローを選択し、操作実行部123に接続される操作デバイスを操作して検査を進める。
【0057】
ステップST605において、ワークフローに従って操作されるアクティビティが、トリガ情報と一致するかどうかを検出する。トリガ情報と一致した場合には(ステップST605:Yes)、所望の臨床試験データが取得された解釈し、ワークフロー実行時に保存された画像ID(キーオブジェクト)を取得する。
【0058】
そしてTCE作成部126においてTCEファイルの作成を行う。TCEファイルの入力項目は図7に示すように、(1)臨床試験データなどの使用用途を示すTCE Title、(2)主として画像IDを示すKey Object、(3)医師などの利用者を示すObserver、(4)送信先を示すExport Destinationなどがある。
【0059】
このTCEファイルは、上記のような標準規格で定義されるTCE情報の入力項目と、任意にユーザが設定するTCE情報の入力項目がある。ユーザが任意に設定するTCE情報にインフォームドコンセントの確認情報を付加し、これを用いた実施形態については後述する。
【0060】
ステップST607では作成されたTCEと画像IDから読み出された医用画像を、ネットワーク11を介して、医用画像保存装置13に送信する。
【0061】
図8を用いて、医用画像保存装置13で行われる処理について説明する。ステップST801では、超音波診断装置12Aから送られてきたTCEファイルと医用画像を受信する。そしてその医用画像を一旦サーバ画像保存部132に保存する(ステップST802)。
【0062】
その後、ステップST803では、受信したTCEファイル内に記述されている画像IDを元に、サーバ画像保存部132から医用画像を取得して、個人情報に相当する部分を匿名化したTCEオブジェクトデータ(臨床試験データ)を生成し、ステップST904では臨床試験データ収集装置14にTCEファイルと一緒に送信する。
【0063】
さらに、図9に示すフローチャートによって、臨床試験データ収集装置14での処理を説明する。ステップST901では、医用画像保存装置13から送られてきたTCEファイルと臨床試験データが格納されたTCEオブジェクトデータを臨床試験データ受信部144で受信する。その後、ステップST902では、臨床試験データ保存部145にTCEファイルと臨床試験データを保存する。
【0064】
以上のステップの後、臨床試験データ収集者は、臨床試験データ保存部145に保存された臨床試験データを利用、参照する目的でアクセスする。
【0065】
以上述べたように、第1の実施形態によれば、臨床試験データとして取得したい画像について、医用診断装置で使用されるワークフローを構成するアクティビティにマーキングを付与することにより臨床試験データ取得のためのトリガ情報を設定できる。このトリガ情報によって自動的にTCEファイルが生成され、TCEファイルに基づき匿名化された臨床試験データが取得できる。
【0066】
これにより、通常、手作業で行われていたTCEファイルへの入力作業に要する時間が短縮され、さらに操作者はTCEのための画像分類や選別に時間を費やすことなく自動的に臨床試験データの収集可能となる。このため臨床試験のエビデンスを確立するための大量の標本数が容易に得られる。
【0067】
(第2の実施形態)
本実施形態では、医用診断装置12A、12B、12Cにおいてもワークフローの取得・生成とトリガ情報を設定可能とする。
【0068】
図10は、医用診断装置12のブロック構成図である。図1の医用診断装置12Aとの違いは、医用診断装置12内にワークフロー取得・生成部141とトリガ情報設定部142を設けた点である。また、場合によってはTCE画像転送部127内にTCEオブジェクトのための匿名化処理部を設ける。
【0069】
このような構成にすれば、臨床試験データ収集装置14だけでなく、医用診断装置毎に独自にトリガ情報を設定できるので、担当医師によるきめ細かいトリガ設定が可能となる。
【0070】
また、TCE画像転送部127で匿名化処理を行えば、医用画像保存装置13を経由することなく、直接遠隔地の臨床試験データ収集装置14に臨床試験データを送信することができる。
【0071】
これは、PACSなどのネットワークも持たない比較的小さな病院においても、TCEオブジェクトが生成できるので、臨床試験データを遠隔地の臨床試験データ収集装置14に送信できるという効果を奏する。
【0072】
(第3の実施形態)
本実施形態では、患者の医用データを匿名化された臨床試験データとして広く使用して良いか否かのインフォームドコンセントを取得し、その可否が「可」の場合に、匿名化された臨床試験データを臨床試験データ収集装置14に送信する実施形態について説明する。また、この臨床試験データ収集装置14はWAN(Wide Area Network)に接続されており、国内だけでなく世界の複数の施設(病院)からTCEオブジェクトデータ(臨床試験データはもとより、教育、研究のための医用情報)を収集するものとする。
【0073】
図11は、本実施形態の医用データ収集システムの概念図である。複数の施設(ここでは病院A、病院B、および病院C)がWAN16に接続される。病院A、B、およびCには、医用診断装置12、医用画像保存装置13、およびカルテシステム15などがそれぞれ院内ネットワークに接続され、各病院の医用診断装置12で収集されたTCEオブジェクトデータを臨床試験データ収集装置14に送信する。これにより、WAN16に接続された臨床試験データ収集装置14は、複数の施設から匿名化されたTCEオブジェクトデータ(臨床試験データ)を収集する。
【0074】
また、臨床試験データ収集装置14だけでなく、TCEファイル内のTCE情報に示されたTCE TitleやExport Destinationに応じて、それぞれの転送形態に対応したTCEオブジェクトデータ収集装置で収集される。図11の例では、研究用データ収集装置17に研究用のTCEオブジェクトデータが収集され、教育用データ収集装置18に教育用のTCEオブジェクトデータが収集される。このWAN16はクラウドとして機能し、WAN16に接続されたObserver端末19からは、臨床試験データ収集装置14に保存されたTCEオブジェクトデータにアクセスできる。
【0075】
また上述したように、TCEオブジェクトデータは匿名化され、原則として閲覧者は限定されているものの、世界各国の複数の施設から収集され、教育、研究、または臨床試験のために公開される。このため、患者自身の医用画像を公開して良いか否かに対する患者の同意書(インフォームドコンセント)を取得することが好ましいと考えられる。
【0076】
図12は、第3の実施形態における医用データ収集システムのブロック構成図である。なお、図11の臨床試験データ収集装置14、研究用データ収集装置17、および教育用データ収集装置18を、ここではTCEオブジェクトデータ収集装置と呼ぶことにする。
【0077】
従って図12では、臨床試験データ収集装置14をTCEオブジェクトデータ収集装置14b、臨床試験データ送信部134をTCEオブジェクトデータ送信部134b、臨床試験データ受信部144をTCEオブジェクトデータ受信部144b、さらには臨床試験データ保存部145をTCEオブジェクトデータ保存部145bと一般的な名称に変更して説明する。
【0078】
図12に示すように、図1のブロック構成図に加え、TCEオブジェクトデータ収集装置14b(図1の臨床試験データ収集装置14)のTCEトリガ条件設定部146に、規格条件設定部148が追加される。また、医用診断装置12にインフォームドコンセントのための問い合わせ部128が追加される。さらには医用画像保存装置13に、インフォームドコンセント判断部135が追加される。ネットワーク11には、インフォームドコンセントを含むカルテ情報を管理するカルテシステム15が接続される。
【0079】
規格条件設定部148は、施設や国による規格・規制の違いを考慮してトリガ情報を決定することができる。この規格条件設定部148において国際標準規格に基づいたトリガ情報を設定することにより、TCEオブジェクトデータ収集装置14b(臨床試験データ収集装置14)は、国際標準規格に基づく統合プロファイルに沿ったTCEオブジェクトデータ(臨床試験データ)を収集することができる。例えば、CT装置などの放射線検査機器においては、照射線量および関連情報を統合的に扱った医用データを収集することが可能となる。
【0080】
トリガ検出部124は、TCEオブジェクトファイルを生成するためのトリガ情報との一致を検出した場合、問い合わせ部128に対して検出信号を送信する。
【0081】
そして問い合わせ部128はインフォームドコンセントの取得が必要である旨の情報を、ネットワーク11を介してカルテシステム15に送信する。
【0082】
また本実施形態ではTCEファイルに、ワークフロー実行中に取得された画像ID(キーオブジェクト)に対応するインフォームドコンセントの確認情報を新たなTCE情報として付加するものとする。
【0083】
このインフォームドコンセントの確認情報は、インフォームドコンセントの「可否」が得られるまでは、「未取得」の情報が入力される。これはワークフローを実行している診察段階でインフォームドコンセントが得られていない場合に対応するためである。インフォームドコンセントの確認情報が「未取得」であっても、TCEファイル、及びその対象となるTCEオブジェクトデータの生成を行う。
【0084】
カルテシステム15は、問い合わせ部128から送られる問い合わせ信号を契機として、対応する検査オーダ単位で患者のインフォームドコンセントが存在するかどうかを検索する。そして、医用画像保存装置13のインフォームドコンセント判定部135に対して、インフォームドコンセントが「未取得」であるか「取得済み」であるかの結果を送信する。さらに、インフォームドコンセントが「取得済み」の場合には、インフォームドコンセントの「可否」についても送信する。
【0085】
そして医用画像保存装置13のインフォームドコンセント判定部135は、インフォームドコンセントが「取得済み」であり、その内容が「可」の場合に限ってTCEオブジェクト(臨床試験データ)をTCEオブジェクトデータ収集装置14bに送信する。この時TCEファイルのキーオブジェクトに対するインフォームドコンセントの確認情報を「可」として送信する。
【0086】
さらにインフォームドコンセントが「未取得」の場合には、インフォームドコンセント判定部135は、インフォームドコンセントの「可否」が得られるまで所定の時間間隔、所定の回数でポーリングを行う。
【0087】
以上述べたように、第3の実施形態によれば、TCEオブジェクトデータ収集装置14bは、インフォームドコンセントが得られた医用データのみを扱うことができる。また、国際標準規格に基づく統合プロファイルに沿った医用データを収集できるため、匿名の医用データを統合的に扱うことが可能となる。
【0088】
(第4の実施形態)
また、図13に示すように、医用診断装置12内に規格条件設定部148b、問い合わせ部128b、およびインフォームドコンセント判断部135bを設けてもよい。各部の動作は第3の実施形態と同様である。
【0089】
ただし、本実施形態は、電子的なカルテシステムを有しない小規模の病院などでも適用可能な実施形態とする。カルテシステム15がない場合には、問い合わせ部128bは、医用診断装置12の図示しないモニタなどに、「インフォームドコンセントを取得してください。」などのメッセージを表示する。
【0090】
操作者は診断中もしくは診察後に、患者に対して「インフォームドコンセント」についての説明を行い、患者が了承すれば、医用診断装置12の図示しないモニタなどに表示されるインフォームドコンセント入力画面でインフォームドコンセントの「可否」を入力する。
【0091】
インフォームドコンセント判断部135bは、この入力されたインフォームドコンセントの「可否」に基づいて、TCEオブジェクトデータ収集装置14bへ匿名化されたTCEオブジェクトデータの送信を行う。
【0092】
このような構成にすれば、第2、第3の実施形態の効果に加え、医用画像保存装置13を経由することなく、直接遠隔地のTCEオブジェクトデータ収集装置14bにインフォームドコンセントがなされた匿名の医用データを送信することができる。
【0093】
本実施形態の医用診断装置および医用データ収集システムによれば、取得したい教育、研究、または臨床試験データなどの医用データについて、医用診断装置で使用されるワークフローを構成するアクティビティにマーキングを付与することにより臨床試験データをはじめとする医用データ取得のためのトリガ情報を設定できる。このトリガ情報によって自動的にTCEファイルが生成され、匿名化された医用データが取得できる。これにより、通常、手作業で行われていたTCEファイルへの入力作業に要する時間が短縮され、さらに操作者はTCEのための画像分類や選別に時間を費やすことなく自動的に匿名化された医用データの収集が可能となる。このため教育、研究、または臨床試験のエビデンスを確立するための大量の標本数が容易に得られる。
【0094】
尚、本実施形態では説明のため、主として臨床試験データについて述べたが、教育、研究に対するTCEオブジェクトでも適用可能である。また、TCEオブジェクトとして医用画像データを例にとって説明したが、カルテや、診断結果レポートなども同様の実施形態で扱うことが可能である。
【0095】
また、本実施形態はPACSなどの既存のシステムとの整合性が容易に得られ、さらにPACSなどを持たないネットワークにおいても適用可能である。
【0096】
本発明は、上記実施態様に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施形態で示した超音波診断装置でのワークフローは例示にすぎず、CT装置、MRI装置など他のワークフローにおいても適応可能である。
【0097】
また、実施形態では、TCEに準拠した形で説明したが、かならずしもTCEに準拠しなくても本実施形態の効果を発揮できる。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
11…ネットワーク
12、12A、12B、12C…医用診断装置(12A 超音波診断装置)
13…医用画像保存装置
14…臨床試験データ収集装置
121…トリガ情報受信部
122…認証部
123…操作実行部
124…トリガ検出部
125…ローカル画像保存部
126…TCE作成部
127…TCE画像転送部
128…問い合わせ部
131…TCE画像受信部
132…サーバ画像保存部
133…匿名化処理部
134…臨床試験データ送信部
135…インフォームドコンセント判断部
141…ワークフロー取得・生成部
142…トリガ情報設定部
143…トリガ情報配信部
144…臨床試験データ受信部
145…臨床試験データ保存部
146…TCEトリガ条件設定部
147…TCEリポジトリ
148…規格条件設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークフローを取得または作成するワークフロー取得・生成部と、
研究、教育または臨床試験用のTCEオブジェクトデータを収集するためのトリガ情報を前記ワークフローから設定するトリガ情報設定部と、
前記ワークフローが操作実行される操作実行部と、
前記操作実行されるワークフローの実行状態が前記トリガ情報と一致するかどうかを検出するトリガ検出部と、
前記トリガ検出部での検出結果に基づいてTCE情報が格納されたTCEファイルを作成するTCE作成部と、
前記TCE情報とTCE情報で指定された医用データを匿名化したTCEオブジェクトデータを送信するTCE画像転送部と、
を有する医用診断装置。
【請求項2】
前記トリガ情報設定部は、アクティビティの実行状態の順序、組み合わせによってトリガ情報が決定される請求項1記載の医用診断装置。
【請求項3】
前記トリガ情報設定部は、前記ワークフロー内の対応するアクティビティにマーキングを行うことにより、前記トリガ情報を設定する請求項2記載の医用診断装置。
【請求項4】
前記トリガ検出部での検出結果に基づいて、患者のインフォームドコンセントを確認する問い合わせ部をさらに有する請求項3記載の医用診断装置。
【請求項5】
患者のインフォームドコンセントが可の場合に、前記TCEオブジェクトデータをTCEオブジェクトデータ収集装置に送信する請求項4記載の医用診断装置。
【請求項6】
医用診断装置のワークフローを取得または作成するワークフロー取得・生成部と、
研究、教育または臨床試験用のTCEオブジェクトデータを収集するためのトリガ情報を前記ワークフローから設定するトリガ情報設定部と、
前記トリガ情報を前記医用診断装置に送信するトリガ情報配信部と、
前記トリガ情報により収集されるTCEオブジェクトデータを受信するTCEオブジェクトデータ受信部と、
前記TCEオブジェクトデータを保存するTCEオブジェクトデータ保存部と、
を有する医用データ収集システム。
【請求項7】
TCEオブジェクトデータ収集装置、医用診断装置、および医用画像保存装置を有する医用データ収集システムであって、
前記TCEオブジェクトデータ収集装置は、
前記医用診断装置のワークフローを取得または作成するワークフロー取得・生成部と、
研究、教育または臨床試験用のTCEオブジェクトデータを収集するためのトリガ情報を前記ワークフローから設定するトリガ情報設定部と、
前記トリガ情報を前記医用診断装置に送信するトリガ情報配信部と、
前記トリガ情報により収集されるTCEオブジェクトデータを受信するTCEオブジェクトデータ受信部と、
および前記TCEオブジェクトデータを保存するTCEオブジェクトデータ保存部と、
を有し、
前記医用診断装置は、
前記トリガ情報を受信するトリガ情報受信部と、
前記ワークフローを操作実行する操作実行部と、
前記操作実行されるワークフローが前記トリガ情報と一致するかどうかを検出するトリガ検出部と、
前記トリガ検出部での検出結果に基づいてTCE情報が格納されたTCEファイルを作成するTCE作成部と、
前記TCE情報とTCE情報で指定される医用データを送信するTCE画像転送部と、
を有し、
前記医用画像保存装置は、
前記TCEファイルと前記医用データを受信するTCE画像受信部と、
前記TCEファイルと前記医用データを保存するサーバ画像保存部と、
前記TCE情報に基づき、前記医用データに匿名化処理を施し、前記TCEオブジェクトデータに変換する匿名化処理部と、
前記TCEオブジェクトデータを前記TCEオブジェクトデータ収集装置に送信するTCEオブジェクトデータ送信部と、
を有する医用データ収集システム。
【請求項8】
前記トリガ情報設定部は、前記アクティビティの実行状態の順序、組み合わせによってトリガ情報が決定される請求項6または7記載の医用データ収集システム。
【請求項9】
前記トリガ情報設定部は、前記ワークフロー内の対応するアクティビティにマーキングを行うことにより、前記トリガ情報を設定する請求項8記載の医用データ収集システム。
【請求項10】
ワークフローを取得または作成するワークフロー取得・生成部と、
研究、教育または臨床試験用の医用データを収集するためのトリガ情報を前記ワークフローから設定するトリガ情報設定部と、
前記ワークフローが操作デバイスを用いて操作実行され、これにより医用データが収集される操作実行部と、
前記操作実行されるワークフローの実行状態が前記トリガ情報と一致するかどうかを検出するトリガ検出部と、
前記トリガ検出部での検出結果に基づいて医用データ収集情報を作成する収集情報作成部と、
を有する医用診断装置。
【請求項11】
前記医用データ収集情報で指定された医用データを匿名化し、インフォームドコンセントが可の場合に、前記匿名化された医用データを送信するデータ転送部をさらに有する請求項10記載の医用診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−232114(P2012−232114A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−94999(P2012−94999)
【出願日】平成24年4月18日(2012.4.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】