医療処置用マット及びドレーピングシステム
患者を支持する医療処置用マット。クッション性のある物質と1つあるいはそれ以上の生理学的監視ラインを有するマット。クッション性のある物質の外側縁に沿って案内部と案内部に作動可能に連結されている可撓性を持つ部分を持つ生理学的監視ライン。可撓性を持つ部分は患者の方向へ伸びるように調整されている。トップ又はボトムドレープを含む、医療処置中に使用するドレーピングシステム。吸収物質又はプライバシー・シールドを含むボトムドレープ。ワークベンチ面を含むトップドレープ。上及びボトムドレープは互いに又はマットと対をなす、マット及びドレーピングシステム。マットと共に使用する時、開口あるいは孔を提供して1つあるいはそれ以上の生理学的監視ラインが通過できるようにする、ドレーピングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、患者が平らな場所に横たわって行われる、医療処置(例えば、心臓カテーテル法、外科処理、医療イメージング)中の装置の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
医療処置中に、患者はしばしば平らな場所に横たわって種々の医療装置にワイヤあるいはケーブルによってつながれることがある。ケーブルはしばしばもつれてはずれることがある。このような処置中に、患者はしばしば横たわって心地のよくない冷たい発泡材のマットの上に横たわる。腕を支持するアームボードは、通常、テーブルから取外し可能となっているが、取外されたとき、地面に落ちるかあるいは邪魔になる。処置後、患者はマットから持ち上げられてベッドあるいは移送装置等へ移送される。
【0003】
さらに、マットは、通常、患者から患者へと感染しないようにドレーピングされる必要がある。ドレーピングは、しばしば紙あるいはポリマー材料からなる単純なシートであり、縫いこまれたポケットを備えている。処置が長引いたとき、患者は排尿する必要があることもあるが、そのようにするには、患者自身とそのドレープに排尿するか(この結果、流体がたまる)、医療補助者によって置かれたしびんあるいはカテーテルが必要である。
【0004】
通常、引き続きの処置中マットはテーブルの上に置かれたままであり、しばしば心地の良いものではない。長時間にわたってマットの上に横たわった後、患者は背中とか首に痛みを覚えることがある。ケーブルを使用してもまた厄介で効果的ではない。多くのタイプのケーブル、チューブ、ライン、その他これらに類似のものが使用される必要があることがあり(例えば、ECG(心電図)、NIBP(非進入型血圧測定)、SaO2、あるいは、O2のために)、取付けるのが面倒であったり、あるいは、ある大きな装置部品(例えば、X線装置)にひっかかることがある。このように、準備設定時間を長くなったり処置時間が長くなったりする。
【0005】
現行の多くの医療処置でも、医療補助者は、彼らの後ろにあるカートに彼らのツールを置き、必要なツールをとって患者を覆うドレープの上におく。ツールはしばしば床の上に落ちる。医師のためにカテーテルあるいはガイドワイヤを持っているなどのいくつかの作業を行うには、さらに、医療補助者が必要となり、このようなことは、無駄であり不便で盛ある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許公報5,947,910号明細書
【特許文献2】米国特許公報5,964,703号明細書
【発明の概要】
【0007】
本明細書等にて本発明の多くの実施態様を提供する。1つの実施態様では、医療処置中に、その上に患者が横たわるためのマットが患者に提供される。そのマットは、1つあるいはそれ以上の以下の部品あるいは機能を備えている。すなわち、案内取付け具(例えば、ECG(心電図)、膨張可能あるいは可動な背中支持具、通信(コミュニケーション)娯楽システム、統合加熱冷却システム、酸素用パイプ、その他医療装置(SaO2センサ)用のワイヤ)用のワイヤ、又は、例えば、流体をポンピングするあるいはドップラー流を監視することを意図した統合医療装置である。
【0008】
1つの実施態様では、排尿(あるいは、その他の生物学的流体)又は処置用流体(コントラスト溶液、生体食塩水)を吸収する、統合吸収部材を持つ無菌あるいは殺菌済みドレーピングシステムが提供される。不妊ドレーピングシステムは、人体部分を覆う“プライバシー・シールド”形成するフラップ、又は、医療処置中に医療装置を保持するコンテナとファスナーの統合セットを含むこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下に、1つあるいはそれ以上の本発明の実施態様が、添付の図面と以下の詳細な説明を伴って記載される。この添付物と詳細な説明から、この他の特徴、目的、及び、作用効果は明らかになるであろう。実施態様は、限定を目的とするのではなく、例示を目的として示され記載されるものである。
【図1a】取外し可能なアームサポートを持つ、医療処置用マットの上面図である。
【図1b】取外し可能なアームサポートを持つ、医療処置用マットの断面図である。
【図2】1つの実施態様による、統合アームレストを持つ、医療処置用マットの概念的正面図である。
【図3a】1つの実施態様による、生理学的監視ラインを取り込んだ、医療処置用マットの概念的ダイヤグラムである。
【図3b】1つの実施態様による、生理学的監視ラインを取り込んだ、医療処置用マットの概念的ダイヤグラムである。
【図3c】1つの実施態様による、生理学的監視ラインを取り込んだ、医療処置用マットの概念的ダイヤグラムである。
【図3d】1つの実施態様による、生理学的監視ラインを取り込んだ、医療処置用マットの概念的ダイヤグラムである。
【図4】1つの実施態様による、首サポートと背中サポートを有する、医療処置用マットの概念的正面図である。
【図5】1つの実施態様による、患者に娯楽とコミュニケーションを提供する、医療処置用マットの概念的正面図である。
【図6】1つの実施態様による、ヒートパッドを備えた、医療処置用マットの概念的正面図である。
【図7】1つの実施態様による、患者が持ち運び易いようにハンドグリップを備えた、医療処置用マットの概念的正面図である。
【図8a】1つの実施態様による、テーブル、マット、及びドレーピングシステムを備えた、医療処置室の概念的側面断面図である。
【図8b】複数の異なる実施態様による、ドレーピングシステムの上面断面図である。
【図8c】複数の異なる実施態様による、ドレーピングシステムの上面断面図である。
【図8d】複数の異なる実施態様による、ドレーピングシステムの上面断面図である。
【図8e】複数の異なる実施態様による、ドレーピングシステムの上面断面図である。
【図9】1つの実施態様による、テーブル、マット、及びドレーピングシステムを備えた、医療処置室の概念的側面断面図である。
【図10】1つの実施態様による、ドレープの上からみた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
類似の参照番号は類似の部材を示す、図を参照して、様々な例示的な実施態様をここに記載する。
【0011】
1つの実施態様において、ワイヤ、ケーブル、加熱、冷却、グリップリング、統合装置、又は、その他の装備を含む、マットが提供される。1つの実施態様において、排尿の問題に特化した、さらには、医療補助者のためのワークベンチを形成する、患者ドレーピングシステムが提供される。ドレーピングシステムは、ワイヤとカテーテルを保持するクリップを含み、さらには、使用していない装置用の保管庫を含むこともできる。1つの実施態様において、このようなマット又は患者ドレーピングシステムを使用して、処置の遅れあるいは中断を減らすこと、テーブルから落下する可能性のある部材の量を減らすこと、処置に必要な支援者の数を減らすこと、又は、患者の心地良さを増すこと、による医療処置の効率化することを支援することができる。
【0012】
医療処置の1つの実施態様において、マットは、ワイヤ、チューブ、あるいは、例えば、ECG(心電図)、NIBP(非進入型血圧測定)、SaO2、あるいは、O2)監視用の、様々な部品用のその他のライン(例えば、生理学的監視ライン)を含むことができる。本発明のいくつかの実施態様によれば、医療処置マットは、医療処置室(例えば、手術室、あるいは、心臓カテーテル法の処置室)から回復エリアへ患者と共にあることができる。いくつかの実施態様では、患者を台車つき担架に移動するために、マットは、サイドグリップを備えることができる。さらに、1つあるいはそれ以上のドレープあるいはドレーピングシステムは、マットと共に使用されることができ、さらに、いくつかの実施態様では、マットと協働するように構成することができる。ドレープは、ワークベンチを形成する上部層を持ち、吸収部材、プライバシー・シールド、及びワークベンチを支持するものを持つ下部層を持つことができる。1つの実施態様において、マットは、医療処置室に留まって患者とともに移動する必要がないようにすることができる。
【0013】
1つの実施態様において、ケーブル、チューブの管理が提供される。ECG(心電図)、NIBP(非進入型血圧測定)、SaO2、あるいは、その他のタイプの生理学的ライン監視用の、クイック・コネクト及びその他のコネクター(例えば、リール・コネクター)が提供される。この実施態様は、より早いスループット(患者を引き留めておく時間を短くできる)あるいは、ケーブルとかコネクターをつなぎ直している間の処置の中断を最少化できるなどの、様々なメリットをもたらす。
【0014】
1つの実施態様において、ワイヤあるいはバルーン保管手段、ワークベンチ道具セット、ワイヤ/カテーテル安定化装置、及びプライベート・フラップを備えた吸収部材を含むことができる、先進的なワークベンチ・ドレープが供給される。この実施態様は、排尿の管理あるいは膀胱カテーテル処置の遅れまたは複雑化の低減、効率向上などの、様々なメリットをもたらす。さらに、従来、カテーテルを動かすことは2人以上でしか行うことができなかったが、一人できるようになる。
【0015】
1つの実施態様において、患者に心地よさを提供することができる。首あるいは背中サポートを含み、マットを温めることができ、又は音楽を提供することができる機能によってである。この実施態様によって、様々なメリットをもたらすことができる。これによって、患者に忠実な心地よさを提供することができる。1つの実施態様において、効率改善及びよりよいコミュニケーションをとるために、コミュニケーション機能を提供することもできる。補助者あるいは患者用のヘッドセットをも含むことができる。
【0016】
医療処置用マットとドレーピングシステムは、本発明の1つの実施態様にしたがった、作業面を含むことができる。このようなシステムの、ここで「iMat」(統合マット)として参照される、マットとドレーピングシステムの様々な特徴が記載される。マットは、1つあるいはそれ以上の以下の特徴を含むことができる。すなわち、心地よさを提供する盛り上がった周辺部、(ワイヤリング又はその他の接続のための)統合ワイヤ・ハーネス、(マットに横たわっている際患者が使用する(ワイヤレスインターフェイスを持つことができる)ヘッドホーンのような)装着可能な音楽鑑賞用装置、掴むためのハンドル、ヘッドレスト又はネックレスト、ECGワイヤ・スプールあるいはリール、ショルダー・パッド又は胸郭パッド、パッド入りの可動アームレスト、尾骨パッドを有する可動ランバー、アクセス可能なプラグポート、(例えば、電気的にあるいは加圧された空気によって駆動されることができる)熱源、(ケーブルをマットの一端からもう一方の端に通過させる)ケーブル・パススルー、又は、取外し可能な下部である。
【0017】
iMatシステムの作業面は、1つあるいはそれ以上の以下の特徴を含む。すなわち、テーブルとマットに渡る作業面を動かすために使用されることができる、ピボット・アーム、取外し可能なトレイ、(例えば、生態塩水のような)取外し可能な流体コンテナ、取外し可能な保管コンテナ、蓋、又は、(光などの)エネルギー源である。
【0018】
ドレープあるいはドレーピングシステムは、単独でもここに記載される医療処置用マットと共にでも使用されることができる。上又はボトムドレープ、あるいは、ここでは「iDRAPE」(統合ドレープ)として参照される統合ドレーピングシステムの様々な特徴が記載される。本発明実施態様群にしたがったドレープあるいはドレーピングシステムは、1つあるいはそれ以上の以下の特徴を含むことができる。すなわち、(例えば、電気的にあるいは加圧された空気によって駆動されることができる)熱源、1つまたはそれ以上の患者の体の部分をシールドする、隠す、マスクするための「モデスティ」パネル、(例えば、体から流出する流体を吸収する)統合吸収ブリーフ、(例えば、装置その他の部品を通すための)穿孔通過鵞口瘡、及び、統合ボトムドレープである。1つの実施態様では、トップドレープとボトムドレープは統合されていないが、取り付けあるいは接続することができる。
【0019】
図1は、アームサポートあるいはボード12を持つ、よく知られた医療処置用マット10の上面図である。図1bに示すマット10の断面図に示すように、医療処置用マット10は、通常、クッション性を持つ物質14(クッション性物質14)又はクッション性物質14を覆うX線透過性物質12を備えた発泡材のマットである。
【0020】
図2は、1つの実施態様による、統合アームレスト112を持つ、医療処置用マット110の概念的上面図である。統合アームレスト112は、マット110に統合され(一体化され)取付けられているが、最適な位置取りをするあるいは心地よくするためにオペレータがそれらはスライドさせたり(例えば、回転あるいは角度を変えるように)動かしたりすることができる。いくつかの実施態様では、アームレスト112は、アームレスト112の位置決めにオプションを提供するアームボード114に作動可能に連結されている。例えば、アームボード114は、アームボード114とアームレスト112が収容位置に配置されることができるように、マット110にピボット回転可能に連結されることができる。アームボード114とアームレスト112は、マット110に統合されているので、マット110から取外される必要はない。本発明のいくつかの実施態様では、アームボード114とアームレスト112は、マット110の内、脇、あるいは、下に保管されることができる。本発明のいくつかの実施態様では、アームボード114又はアームレスト112は、統合されたNIBPあるいはSaO2センサを含むこともできる。
【0021】
図2は、本発明のいくつかの実施態様による、医療処置用マット110の中に取り込まれることができる照射シールド116も示している。医療処置用マット110は、(マット上に横たわる患者を支持する)上面、及び、医療処置用テーブル上に配置され医療処置用テーブルによって支えられることができる下面、内側部、ほぼクッション性を持つ物質の外側周辺部に対応する部分を含む外側縁部を有する、例えば、患者の頭部、足、左右の脇に近接する、クッション性を持つ物質を含む。照射シールド116は、クッション性物質(クッション性をもつ物質)の外側縁部に沿って配置することができ、患者撮影中にオペレータが被爆する散乱された照射を低減するように配置することができる。いくつかの実施態様では、照射シールド116は、(図2の点線で示される)保管位置と(図2の実線で示される)シールド位置の間に配置することができる。矢印は、例えば、照射シールド116がマット110から引き出されて、散乱された照射から保護するように(通常、垂直に)配置されることを示している。いくつかの実施態様では、第二の照射シールド(図示しない)も、使用されることができる(例えば、照射シールド116が外側縁部の左側に置かれて、第二の照射シールドが外側縁部の右側に置かれ、両方のシールドは、(例えば、医療スタッフによって)保管位置とシールド位置の間に配置されることが出来る)。
【0022】
図3aから図3dは、1つの実施態様による、(例えば、心電図あるいは「ECG」ケーブル、血圧監視ライン、酸素密度飽和度監視などの)生理学的監視ラインを取り込んだ、医療処置用マット110の概念的ダイヤグラムである。医療処置用マット110は、(マット上に横たわっている患者を支持するための)上面を持つ、及び、医療処置用テーブル上に配置され医療処置用テーブルによって支えられることができる下面、内側部、ほぼ例えば、患者の頭部、足、左右の脇に対応する部分を含む外側縁部を有する、クッション性物質を有している。
【0023】
図3aに示すように、マット110は、さらに、患者(図示しない)に関する生理学的センサ300からの生理学的信号と通信できる、少なくとも1つの生理学的監視ライン200を含む。生理学的監視ライン200は、近接端部と末端端部、可撓部220、及び案内部210の末端部と可撓部220との間の作動連結230を持つ案内部210を含む。図3aに示すように、作動連結230は、クッション性物質の外側縁部のほぼ近くに可撓部220を取り出したり引っ込めたりできるように配置されることもできる。案内部210は、クッション性物質の外側縁部に沿って配置されることができる。例えば、図3aに示される案内部210は、足に沿った外側縁部の輪郭にそっている。このように、(例えば、X線あるいはこれに相当の処置過程などの)撮影過程で、生理学的監視ライン200を撮像中の撮像エリアから外しておき、生理学的監視ラインが撮像装置の移動又は処置テーブルの周囲にいる人を邪魔することを避けることを含むことができる、この生理学的監視ラインの配置はメリットをもたらす。
【0024】
本発明のいくつかの実施態様によれば、生理学的監視ライン200の案内部210の近接部は、監視装置に接続しやすくするように調整することができる。例えば、図3aに示すように、案内部210の近接端部は、1つあるいはそれ以上の生理学的監視ラインと1つあるいはそれ以上の外部監視装置との間で従来の接続することかできるハブ240で終端する。
【0025】
可撓部220は、電気的信号と通信できるようにクッション性物質の内部に向かって伸びるように調整することができる。これは、例えば、患者に取付けられた生理学的監視センサ300を接続あるいは連結を容易にするのに有益である。いくつかの実施態様では、可撓部220は、患者がクッション性物質の上面につくまで、実質的に、引っ込んだままである。この点、医療スタッフは、可撓部220を伸ばして生理学的センサ300に連結することにより(例えば、近接部に接続、取付け、配置することによって)、可撓部220を生理学的センサ300に接続することができる。
【0026】
生理学的監視ライン200は、(ECG信号の場合のように)電気的信号と通信できるように、あるいは、(例えば、血圧信号あるいは酸素飽和信号のような)流体的信号と通信できるように調節されることができる。図3bは、少なくとも2つ目の生理学的監視ラインを有する、本発明の特定の実施態様の上面図である。この例では、2つ目の生理学的監視ラインは、複数のECGケーブルからなっている。例えば、図3bは、医療処置用マット110の生理学的監視ライン200として5つのECGケーブルが取り込まれている、本発明の実施態様を示している。このように、図示された実施態様では、5つのECGケーブルの各々は、案内部210とマット110のクッション性物質の外側縁部のほぼ近くに配置された作動連結230を含んでいる。行く地価の実施態様では、作動連結230は、クッション性物質の外側に配置されることができる。図3bには示されていないが、可撓部220は、通常、作動連結230から伸びて(例えば、患者の皮膚に張られた表面電極)ECGセンサとの接続を容易にする。案内部210の近端部同士は、例えば、いくつかのあるいはすべてのECGケーブルを単一の接続で外部監視装置に接続することができる、ハブ240で連結されることができる。
【0027】
ハブ240は、例えば、生理学的監視ライン200を監視装置への接続を容易にすることができる。いくつかの実施態様では、ハブ240は、例えば、異なるタイプの生理学的監視ラインを異なるタイプの監視装置に接続できるようにするために、1つ以上のタイプのコネクタを含むことができる。コネクタの1つのタイプは、例えば、ECGケーブルをECG監視装置に電気的に連結するマルチピンコネクタであることができる。コネクタの別のタイプは、流体信号(例えば、血圧監視ライン、あるいは、酸素飽和度監視ライン)を適当な監視装置に連結するように調整された、チュービングコネクタ(例えば、ルアーコネクタ)であることができる。
【0028】
1つの実施態様では、作動可能な連結230は、素早く効果的に伸びたり引っ込んだりすることができる、リールコネクタを備えることができる。1つの実施態様では、コネクタは、同様に素早く効果的に伸びたり引っ込んだりすることができる、コイルコネクタを備えることができる。このようなリールあるいはコイルコネクタは、その中へ生理学的監視ライン200の可撓部220が引っ込む、作動連結230部としてハウジングを備えることができる。いくつかの実施態様では、作動可能な連結230は、可撓部220を作動連結230に向かって引張る、張力が可撓部220にかかるように配置するように調整されている。上に記載された、リールあるいはコイルコネクタを備えた、生理学的監視ラインの配置(ECG「ラインパイピング」)によって、素早く連結を形成することができ、医療処置中に医療スタッフがケーブルを再度取付けたり再度ルートを変更することが必要な回数を最小化することができる。これらのコネクタを使用することによって、X線Cアームを邪魔するケーブルを最少化する助けになることができる(例えば、引出し部材を最少化することができる)。例えば、作動可能な連結230は、オペレータが選択的に可撓部220にかかる張力を取り除くことができるようにする、(例えば、一旦、可撓部220が生理学的センサ300に接続されたら、可撓部220のすべての緩みが取り除かれる)戻り止め位置を含むことができる。これによって、作動可能な連結230が張力をかけることにより、生理学的センサ300が患者から外れる可能性を抑えることができる。図3aから図3dに示された位置、配置、及びコネクタのタイプは、単に例示として示したものである。異なる実施態様においては、様々な位置、配置、又はコネクタのタイプを使用することができる。
【0029】
図3cは、本発明のいくつかの実施態様による、医療処置用マット110の部分断面図である。図3cは、上面120、下面122、内側部132、及び外側縁部130を持つ、マット110の各部の配置の概要を示している。いくつかの実施態様では、1つあるいはそれ以上の生理学的監視ライン200の案内部210を クッション性物質の外側縁部130に沿って案内する導管250が使用されることができる。このような実施態様では、1つあるいはそれ以上の生理学的監視ライン200が、クッション性物質の外側縁部130に沿ってあるいは 内に配置された導管250内に収容されることができる。図3cは、本発明のいくつかの実施態様で使用された、いくつかのタイプの導管250を示している。例えば、実質的に導管250aによって示されているように、導管250は、クッション性物質の内側に配置することができる。代替的に、導管250は、クッション性物質の外側に配置することもでき、例えば、図3bと図3cに示されているような、ほぼ半円状の部材を含むこともできる。1つの実施態様では、導管250は、クッション性物質の内側に形成される中空の部位を備えることができ、例えば、図3cに示した導管250dを含むことができる。別の実施態様では、業界でよく知られ、実質的に平坦で、可撓性を持ち、電気伝導性を持たない部材に収容された複数の生理学的監視ライン200を含むことができる、リボンタイプのケーブルを備えた、導管250fが示されている。図3cでは、導管250fは中空の部位を持つ導管250d内に配置されて示されているが、本発明のいくつかの実施態様によれば、双方のタイプの導管が互いに独立に使用されることができる。
【0030】
図3は、導管250の別の可能な実施態様を示している。例えば、図3dの導管250eは、1つあるいはそれ以上の生理学的監視ライン200の案内部210を案内するように調整された2つあるいはそれ以上の非連続部分を有している。例えば、図3dに示すように、生理学的監視ライン200を案内する、クッション性物質の外側縁部に沿って間隙を形成する、2つあるいはそれ以上の分離した「バンド」を形成することができる。これは、医療処置用マット110の総重量を低減するメリットを持つことができ、画像の特徴を改善することができる。例えば、分離バンド250eは、X線画像で強調されることが抑えられる。代替的に、使用される物質にもよるが、バンドは、例えば、位置又は距離を示す放射非透過性マーカーとしても機能する。
【0031】
本発明のいくつかの実施態様では、導管250は、クッション性物質の外側縁部に沿って伸びる、ほぼ環状の部材である。ほぼ環状の部材は、通常、長尺形で中空であり、実質的に、断面はチューブ状あるいは円筒形であり、例えば、断面が半円形あるいはC字形状であることもできる。1つの実施態様では、例えば、ほぼ環状形の部材は、生理学的監視ライン200と導管250とを取付けたり取外したりできるように、実質的に、長手方向にスリットあるいはギャップ(間隙)を持ったチューブ状である。
【0032】
図3aに戻って参照すると、導管250は、生理学的監視ライン200の1つに対応する作動連結230の近くに位置する末端開口252を備えた、環状部材であることができる。いくつかの実施態様では、環状部材は、図3aに示すように、さらに、1つあるいはそれ以上の側面開口260を備えることができる。ある実施態様によれば、側面開口の各々は、例えば、生理学的監視ライン200の1つの案内部210と可撓部220との間の(例えば、作動連結230を介した)連結ができるように配置することができる。外側縁部は、さらに、1つあるいはそれ以上の、クッション性物質の内側から外側へ伸びる側面孔を含むことができる。別のある実施態様によれば、環状部材は、クッション性物質の外側縁部の形状に形を合わせるように屈曲するように調整された、チューブであることができる。別のある実施態様によれば、導管は、クッション性物質の内に形成された中空部位内に配置された、チューブを備えることができる。このチューブは、クッション性物質の側面開口に位置合わせできる、1つあるいはそれ以上の側面開口を備える。このような配置によって、生理学的監視ラインは、チューブ内の位置からクッション性物質の側面孔を通ってクッション性物質の外側の位置へとつながる経路を形成することができる。
【0033】
本発明のひとつの特に好適な実施態様において、医療処置用マット110は、2つの導管を含んでいる。第一の導管は、ほぼ外側縁部の左側に沿って走っており、第二の導管は、ほぼ外側縁部の右側に沿って走っており、各々の導管は、外側縁部の足部に近い領域と頭部の近くの領域との間の少なくとも1つの生理学的監視ラインを案内することができる。このような実施態様の1つの実施例では、1つの生理学的監視ラインの案内部は、外側縁部の足部近傍で左側から右側に沿って走っている。
【0034】
図4は、1つの実施態様による、首サポートと背中サポートを有する、医療処置用マット110の概念的上面図である。この実施態様では、空気ポンプ414がマット110の側面に提供されて、1つあるいはそれ以上の首サポートあるいは背中サポート機構に空気を供給する。図4に示すように、背中下部サポート410及び首サポート412用のエアバッグが備えられている。いくつかの実施態様では、首及び背中サポート・コントローラ416も備えることもできる。1つの実施態様では、(患者あるいは職業医療スタッフのような)ユーザは、コントローラ416を使用して、空気ポンプ414を操作して首サポート412に供給される空気の量を制御すること、又は、背中下部サポート410による支持の程度と質を制御することができる。これらの機能によって患者の心地よさを向上することができる。
【0035】
図5は、1つの実施態様による、患者に娯楽とコミュニケーション機能を提供する、医療処置用マット110の概念的上面図である。マット110のこの実施態様は、図に示されるように、所望するとき、患者に音響信号を伝えるために、1つあるいはそれ以上のスピーカ420を含んでいる。いくつかの実施態様では、マット110は、さらに、(例えば、スピーカー・エンクロージャに統合化された)マイクロフォン422を備えることができる。スピーカ420とマイクロフォン422は、掃除をすることができ(例えば、下に)動かすことができる。図5に示すように、スピーカ420又はマイクロフォン422は、通常、外側縁部の頭部の近くに連結されるか配置される。患者は、スピーカ420から指示あるいは患者に与えられるその他の情報を聴くことができる間、医療スタッフとコミュニケーションするためにマイクロフォン422を使用することができる。本発明のいくつかの実施態様では、患者は、スピーカ420から音楽を聴くことができる。1つの実施態様では、患者は、代替的にヘッドセット(図示せず)を使用することができる。図5に示すように、音楽プレーヤー又はコミュニケーション・システムを制御するために、コミュニケーション・センサ424と(例えば、コミュニケーション・センサ424に内蔵されている)コミュニケーション・センサ・コントローラ426を備えることができる。例えば、患者は、コントローラ426を使用して音量を制御し曲を選択しあるいはこれに類することをすることができる。例えば、CDプレーヤー、MP3プレーヤー、あるいはその他の音楽/娯楽源が搭載されているか接続されていれば、患者は、コミュニケーション・センサ・コントローラ426を使用して演奏されるCD(あるいは特定の音楽トラックあるいは娯楽トラック)を選択することができる。本発明のいくつかの実施態様によれば、ナースコール・ボタンあるいは駆動装置をコミュニケーション・センサ・コントローラ426に組み込むことができる。いくつかの実施態様では、コミュニケーション・センサ・コントローラ426は、ナースコール信号あるいはその他何らかのアラーム条件に応じて(例えば、ナースステーションなどの)遠隔監視ステーションへ信号を送信することができる。いくつかの実施態様では、マット110の中のハブ240は、オーディオ信号が、外側縁部の頭部近傍に(したがって、患者の頭部近傍に)配置された、1つあるいはそれ以上のスピーカ420に伝達されるようにオーディオ入力接続を含むことができる。本発明のいくつかの実施態様によれば、オーディオ信号は、導管250内に収容されたコンダクターを使用してスピーカ420に伝達される。
【0036】
図6は、1つの実施態様による、ヒートパッドを備えた、医療処置用マット110の概念的上面図である。この実施態様では、(図に示されているように)ヒータ460と加熱及び換気システム450を有する放射線透過性マットが備えられている。このようなマットは、患者の心地よさを向上することができ、また、保温用毛布の必要性を低減することもできる。また、患者が回復までの間、マット110の使用を容易にする。1つの実施態様では、例えば、電気コイルあるいはその他の加熱部材など、電気を使用して加熱したり温めたりすることができる。1つの実施態様では、圧縮空気を使用して加熱したり温めたりすることができる。別の実施態様では、加熱したり温めたりするために、エネルギーや刺激の様々な別の形態を使用することができる。
【0037】
図7は、1つの実施態様による、患者が持ち運び易いようにハンドグリップ470を備えた、医療処置用マット110の概念的上面図である。図7に示した実施態様において、マット110は、複数のハンドグリップ470を含むことができ、また、ハンドグリップ470をマット110の左右両側に含むことができる。ハンドルあるいはハンドグリップ470は、マット110あるいはマット110のクッション性物質の外側縁部に連結されることができる。医療スタッフは、ハンドグリップ470を使用して、例えば、患者を医療処置室から回復室へ移動するとき、患者とマット110を台車つき担架に乗せて搬送することができる。ある実施態様では、異なる患者に使用するために医療処置室に留めるというよりも、むしろ、患者と共にマット110を移動することを意図している。このように、ハンドルあるいはハンドグリップ470は、マット110の使い勝手を向上する。
【0038】
いくつかの実施態様では、マット110は追加的な機能又は能力を提供することができる。例えば、(例えば、医療処置室から回復室へ患者と共に移動するハンドグリップ470を備えたマット110のような)特定の患者と共にあるマット110を有する実施態様においては、例えば、患者の出血あるいはその他の状態を検出するために、1つあるいはそれ以上の検出器あるいはアラームをマット110の中に内蔵することができる。いくつかの実施態様では、マット110は、患者の出血を検知するように調整されたセンサからの信号を受信して、検出された出血の状態に応じてアラーム信号を送信することができる。
【0039】
いくつかの実施態様では、患者の出血センサは、例えば、患者に設けられた挿入部の血管外遊出物を検出することによって、あるいは、スキンパッチを伸ばして挿入部の歪信号を検出することによって、出血を検知するように調整されたスキンパッチを含むことができる。インピーダンスの変化を検知することによって、挿入部の血管外遊出物を検出するスキンパッチの例は、特許文献1、2に開示されており、ここに引用してそれらの内容を取り込むものとする。出血状態に応じて提供されるアラーム信号は、(例えば、音響アラーム、発光、その他の合図など)マット110自身によって提供されることができ、又は、ナースステーションのような遠隔監視ステーションに転送することができる。これにより、例えば、患者回復中に手助けとなる。図3aから図3dに戻って参照すると、例えば、生理学的監視ライン200は、マット110に備えられて信号を患者出血センサから監視装置へ伝達する。
【0040】
本発明のいくつかの実施態様によれば、ワイヤレスECGを備えることもできる。患者をペダルパルス監視するために、ドップラーを実装すること、あるいは、使用されることもできる。いくつかの実施態様では、検出器又はアラームを持つマット110は、医療処置室に留まって患者とともに移動する必要がないこともあり得る。
【0041】
ここでは、医療処置用マットの様々な実施態様を検討する。ある実施態様は、図2から図7に示された、1つあるいはそれ以上の装備を単独であるいは任意の組合せで含む。ある実施態様は、例えば、図8から図10に示された、あるいは、以下により詳細に記載されるようなドレープあるいはドレーピングシステムを提供する。ドレープあるいはドレーピングシステムのいくつかの実施態様は、トップドレープとボトムドレープの双方あるいは一方を含む。
【0042】
図8aは、1つの実施態様による、テーブル478、マット110、及びドレーピングシステムを備えた、医療処置室の概念的側面断面図である。図示された実施例では、診断あるいは治療過程で、患者は、部屋の中のテーブル478上に横たわり、X線放射に晒される。(例えば、Cアームのような)X線装置は、例えば、コリメータ492とイメージ増強管488を備えることができる。患者は、これまでに記載したどの実施態様のマット110(あるいは、ここで記載する様々な実施態様の装備のある組合せを含むマット)の上にも横たわることができる。さらに、ドレーピングシステムが使用されることもできる。図8に示すように、ドレープあるいはドレーピングシステムは、上面と下面とを持つボトムドレープ480を含んで、患者の下方でマット110の上に配置することもできる。ボトムドレープ480は、例えば、シートの代わりに使用されることができる。
【0043】
ボトムドレープは、生理学的監視ラインが通過することができる、2つあるいはそれ以上の孔あるいは換気口490含むことができる。例えば、例えば、ECGケーブルのような、生理学的監視ライン200は、マット110からボトムドレープ480の上面の上方の位置へ通過することができる。ある実施態様によれば、ボトムドレープ480の孔490は、マット100の生理学的監視ラインにほぼ位置合わせされるように配置するあるいは位置付けることができる。例えば、孔490は、1つあるいはそれ以上のマット110の作動連結230に位置合わせされることができる。いくつかの実施態様では、ボトムドレープ480は、例えば、ボトムドレープの孔とマット110の作動連結との位置合わせを容易にするように配置されたフックとループファスナーを使用することによって、マット110(あるいは、マット110のクッション物質)に連結されることができる。
【0044】
いくつかの実施態様では、ボトムドレープ480は、例えば、排尿又は医療処置で使用する流体(例えば、対照液、生体塩水など)など、患者の体から流出する流体を捕獲する。吸収物質部484は、おしめに使用されるものと類似する物質から製造されることができ、また、ボトムドレープ480の中に統合して形成することができる。ボトムドレープ480は、患者のプライベート部あるいは体のある領域をシールドするプライバシー・シールド482を含むこともできる。プライバシー・シールド482は、例えば、ボトムドレープ480の上面に連結された、柔軟性を有する物質(柔軟性物質)から製造することができる。いくつかに実施態様では、プライバシー・シールド482は、例えば、患者のプライベート部(例えば、鼠蹊部)を少なくとも部分的に覆うように配置されることができる。図8aに示された実施態様では、ボトムドレープ480は、比較的平坦な、ワークベンチ支持面486も含むことができ、又は、その上にワークベンチあるいはトレイを支持する安定な面あるいは構成を提供するように調整されることもできる。
【0045】
図8bから図8eは、本発明の実施態様にしたがったボトムドレープ480の様々な配置を示している。例えば、図8bは、ボトムドレープ480の中へ取り込まれた吸収物質部484を示している。図8cは、患者の鼠蹊部を少なくとも部分的に覆うように配置されるように調整された、プライバシー・シールド482を持ったボトムドレープ480を示している。図8dは、吸収物質部484とプライバシー・シールド482の双方を持つボトムドレープ480を示している。図8eは、患者の鼠蹊部の下方に配置された吸収物質部484、及び、患者の鼠蹊部を覆うプライバシー・シールド482を持つ図8dは、ボトムドレープ480を示している。図8eに示すように、プライバシー・シールド482は、配置と覆いを容易にするように形作られており、さらに、プライバシー・シールド482の配置を維持するファスナー494(例えば、フックとループ、接着剤、スナップ他)を含むことができる。
【0046】
いくつかの実施態様では、ボトムドレープ480は、トップドレープと接続することもできる(図9を使用して以下にさらに記載する)。1つの実施態様では、ボトムドレープは、さらに、(コンドームと同様に)巻き取ったり解放したりすることができる、あるいは、伸びたり引っ込んだりできるドレープ部を含むことができる。このように、滅菌野の外側を注入装置のハンドコントロールのような医療機器が通過し、1つあるいはそれ以上の医療処置中には滅菌野の内側を使用する。ドレープ部は、医療装置使用中、滅菌状態を維持する。1つの実施態様によれば、医療装置は、複数の異なる患者の処置で再使用できるが、ドレープ部は、ただ1人の患者用の廃棄可能な部品であることもできる。このように再利用できる医療装置の1つの例は、診療士が動力付注入システムから患者に注入する医療流体の流量を様々に制御できる、ハンドコントロールである。
【0047】
図9は、別の実施態様による、テーブル478、マット110、及びドレーピングシステム502を備えた、医療処置室の概念的側面断面図である。図9のドレーピングシステム502は、ドレーピングシステム502のボトムドレープ480と接続して安定化することができる、トップドレープ500を含む。トップドレープ500は、例えば、テーブル上にある、ワイヤ、バルーン、あるいは、その他の装置などの医療処置装置を保持する、1つあるいはそれ以上のコンテナ512を含む。1つの実施態様では、ワークベンチ510用の統合発泡ボード486が提供される。1つの実施態様では、ボトムドレープ480の統合発泡ボード486は、比較的平坦なワークベンチ510を支えて医療過程中に医療装置を置くことができる安定領域を提供するように調整される。ワークベンチ510の面は、1つあるいはそれ以上の装置をトップドレープ500に取付けるなんらかの手段を含むことができる。例えば、医療スタッフ交代中に、クリップは、カテーテル、ワイヤ、その他の部品を保持するために含まれることができる。医療処置中に医療スタッフが使用するためにワークベンチに取り付ける外部装置あるいは外部部品の取付け用にプラットホームも提供されることができる。1つの実施態様では、図8aのトップドレープに関して上述したのと同様に、トップドレープ500は、さらに、(コンドームと同様に)巻き取ったり解放したりすることができる、あるいは、伸びたり引っ込んだりできるドレープ部を含むことができる。
【0048】
図10は、1つの実施態様による、ドレープの上からみた斜視図である。1つの実施態様によれば、このドレープは、図8と図9にボトムドレープ480部として示した実施態様でボトムドレープ480は、例えば、1つあるいはそれ以上の(ECGワイヤのような)生理学的監視ラインを案内する、孔又は案内チャネル690を含むことができる。他のチャネルは、(例えば、酸素あるいは注入ポンプチューブのような)他のチューブを保持するために提供されることができる。1つの実施態様によれば、さらに、患者の下方を通って鼠蹊部を覆う高吸収性パッドあるいはフラップ684は、提供されることができる。患者にパッドを取付けての排尿のような患者の流体を収集するために、処置中に粘着性タブ694あるいは粘着性物質が使用されることができる。1つの実施態様において、高吸収性フラップ684は、流体を1リットルまで保持することができる。このようなパッドを使用することで、医療処置中に、テーブル上への排尿あるいはカテーテルの使用について心配することなく、患者は排尿することができる。これによって、医療処置中の患者の心地よさを向上することができ、また、掃除をしたりカテーテルを使用するための医療処置の中断を最少限にするあるいは根絶することもできる。
【0049】
以上の記載は、本発明の様々な実施態様の原理の及ぶ範囲を示す例である。実施態様は変更され又は様々なタイプの配置や構成に変えて実装することができる。特に、1つあるいはそれ以上の実施態様は、単一のマット又はマットとドレーピングシステムにおいて組合されることができる。当該分野の当業者は、本発明の範囲を逸脱せずに、又は、上述した実施態様に厳密に従うことなく、上述した実施態様に対して様々な変形実施態様又は設計変更を容易に為し得るであろう。したがって、添付の請求項を除いては、以上の記載は本発明が限定されることを意図するものではない。
【0050】
〔関連出願への参照〕
本出願は、2007年2月8日に出願された米国仮出願60/888,810の優先権を主張するものであり、ここに参照してその全内容を本明細書に完全に取り込むものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、患者が平らな場所に横たわって行われる、医療処置(例えば、心臓カテーテル法、外科処理、医療イメージング)中の装置の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
医療処置中に、患者はしばしば平らな場所に横たわって種々の医療装置にワイヤあるいはケーブルによってつながれることがある。ケーブルはしばしばもつれてはずれることがある。このような処置中に、患者はしばしば横たわって心地のよくない冷たい発泡材のマットの上に横たわる。腕を支持するアームボードは、通常、テーブルから取外し可能となっているが、取外されたとき、地面に落ちるかあるいは邪魔になる。処置後、患者はマットから持ち上げられてベッドあるいは移送装置等へ移送される。
【0003】
さらに、マットは、通常、患者から患者へと感染しないようにドレーピングされる必要がある。ドレーピングは、しばしば紙あるいはポリマー材料からなる単純なシートであり、縫いこまれたポケットを備えている。処置が長引いたとき、患者は排尿する必要があることもあるが、そのようにするには、患者自身とそのドレープに排尿するか(この結果、流体がたまる)、医療補助者によって置かれたしびんあるいはカテーテルが必要である。
【0004】
通常、引き続きの処置中マットはテーブルの上に置かれたままであり、しばしば心地の良いものではない。長時間にわたってマットの上に横たわった後、患者は背中とか首に痛みを覚えることがある。ケーブルを使用してもまた厄介で効果的ではない。多くのタイプのケーブル、チューブ、ライン、その他これらに類似のものが使用される必要があることがあり(例えば、ECG(心電図)、NIBP(非進入型血圧測定)、SaO2、あるいは、O2のために)、取付けるのが面倒であったり、あるいは、ある大きな装置部品(例えば、X線装置)にひっかかることがある。このように、準備設定時間を長くなったり処置時間が長くなったりする。
【0005】
現行の多くの医療処置でも、医療補助者は、彼らの後ろにあるカートに彼らのツールを置き、必要なツールをとって患者を覆うドレープの上におく。ツールはしばしば床の上に落ちる。医師のためにカテーテルあるいはガイドワイヤを持っているなどのいくつかの作業を行うには、さらに、医療補助者が必要となり、このようなことは、無駄であり不便で盛ある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許公報5,947,910号明細書
【特許文献2】米国特許公報5,964,703号明細書
【発明の概要】
【0007】
本明細書等にて本発明の多くの実施態様を提供する。1つの実施態様では、医療処置中に、その上に患者が横たわるためのマットが患者に提供される。そのマットは、1つあるいはそれ以上の以下の部品あるいは機能を備えている。すなわち、案内取付け具(例えば、ECG(心電図)、膨張可能あるいは可動な背中支持具、通信(コミュニケーション)娯楽システム、統合加熱冷却システム、酸素用パイプ、その他医療装置(SaO2センサ)用のワイヤ)用のワイヤ、又は、例えば、流体をポンピングするあるいはドップラー流を監視することを意図した統合医療装置である。
【0008】
1つの実施態様では、排尿(あるいは、その他の生物学的流体)又は処置用流体(コントラスト溶液、生体食塩水)を吸収する、統合吸収部材を持つ無菌あるいは殺菌済みドレーピングシステムが提供される。不妊ドレーピングシステムは、人体部分を覆う“プライバシー・シールド”形成するフラップ、又は、医療処置中に医療装置を保持するコンテナとファスナーの統合セットを含むこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下に、1つあるいはそれ以上の本発明の実施態様が、添付の図面と以下の詳細な説明を伴って記載される。この添付物と詳細な説明から、この他の特徴、目的、及び、作用効果は明らかになるであろう。実施態様は、限定を目的とするのではなく、例示を目的として示され記載されるものである。
【図1a】取外し可能なアームサポートを持つ、医療処置用マットの上面図である。
【図1b】取外し可能なアームサポートを持つ、医療処置用マットの断面図である。
【図2】1つの実施態様による、統合アームレストを持つ、医療処置用マットの概念的正面図である。
【図3a】1つの実施態様による、生理学的監視ラインを取り込んだ、医療処置用マットの概念的ダイヤグラムである。
【図3b】1つの実施態様による、生理学的監視ラインを取り込んだ、医療処置用マットの概念的ダイヤグラムである。
【図3c】1つの実施態様による、生理学的監視ラインを取り込んだ、医療処置用マットの概念的ダイヤグラムである。
【図3d】1つの実施態様による、生理学的監視ラインを取り込んだ、医療処置用マットの概念的ダイヤグラムである。
【図4】1つの実施態様による、首サポートと背中サポートを有する、医療処置用マットの概念的正面図である。
【図5】1つの実施態様による、患者に娯楽とコミュニケーションを提供する、医療処置用マットの概念的正面図である。
【図6】1つの実施態様による、ヒートパッドを備えた、医療処置用マットの概念的正面図である。
【図7】1つの実施態様による、患者が持ち運び易いようにハンドグリップを備えた、医療処置用マットの概念的正面図である。
【図8a】1つの実施態様による、テーブル、マット、及びドレーピングシステムを備えた、医療処置室の概念的側面断面図である。
【図8b】複数の異なる実施態様による、ドレーピングシステムの上面断面図である。
【図8c】複数の異なる実施態様による、ドレーピングシステムの上面断面図である。
【図8d】複数の異なる実施態様による、ドレーピングシステムの上面断面図である。
【図8e】複数の異なる実施態様による、ドレーピングシステムの上面断面図である。
【図9】1つの実施態様による、テーブル、マット、及びドレーピングシステムを備えた、医療処置室の概念的側面断面図である。
【図10】1つの実施態様による、ドレープの上からみた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
類似の参照番号は類似の部材を示す、図を参照して、様々な例示的な実施態様をここに記載する。
【0011】
1つの実施態様において、ワイヤ、ケーブル、加熱、冷却、グリップリング、統合装置、又は、その他の装備を含む、マットが提供される。1つの実施態様において、排尿の問題に特化した、さらには、医療補助者のためのワークベンチを形成する、患者ドレーピングシステムが提供される。ドレーピングシステムは、ワイヤとカテーテルを保持するクリップを含み、さらには、使用していない装置用の保管庫を含むこともできる。1つの実施態様において、このようなマット又は患者ドレーピングシステムを使用して、処置の遅れあるいは中断を減らすこと、テーブルから落下する可能性のある部材の量を減らすこと、処置に必要な支援者の数を減らすこと、又は、患者の心地良さを増すこと、による医療処置の効率化することを支援することができる。
【0012】
医療処置の1つの実施態様において、マットは、ワイヤ、チューブ、あるいは、例えば、ECG(心電図)、NIBP(非進入型血圧測定)、SaO2、あるいは、O2)監視用の、様々な部品用のその他のライン(例えば、生理学的監視ライン)を含むことができる。本発明のいくつかの実施態様によれば、医療処置マットは、医療処置室(例えば、手術室、あるいは、心臓カテーテル法の処置室)から回復エリアへ患者と共にあることができる。いくつかの実施態様では、患者を台車つき担架に移動するために、マットは、サイドグリップを備えることができる。さらに、1つあるいはそれ以上のドレープあるいはドレーピングシステムは、マットと共に使用されることができ、さらに、いくつかの実施態様では、マットと協働するように構成することができる。ドレープは、ワークベンチを形成する上部層を持ち、吸収部材、プライバシー・シールド、及びワークベンチを支持するものを持つ下部層を持つことができる。1つの実施態様において、マットは、医療処置室に留まって患者とともに移動する必要がないようにすることができる。
【0013】
1つの実施態様において、ケーブル、チューブの管理が提供される。ECG(心電図)、NIBP(非進入型血圧測定)、SaO2、あるいは、その他のタイプの生理学的ライン監視用の、クイック・コネクト及びその他のコネクター(例えば、リール・コネクター)が提供される。この実施態様は、より早いスループット(患者を引き留めておく時間を短くできる)あるいは、ケーブルとかコネクターをつなぎ直している間の処置の中断を最少化できるなどの、様々なメリットをもたらす。
【0014】
1つの実施態様において、ワイヤあるいはバルーン保管手段、ワークベンチ道具セット、ワイヤ/カテーテル安定化装置、及びプライベート・フラップを備えた吸収部材を含むことができる、先進的なワークベンチ・ドレープが供給される。この実施態様は、排尿の管理あるいは膀胱カテーテル処置の遅れまたは複雑化の低減、効率向上などの、様々なメリットをもたらす。さらに、従来、カテーテルを動かすことは2人以上でしか行うことができなかったが、一人できるようになる。
【0015】
1つの実施態様において、患者に心地よさを提供することができる。首あるいは背中サポートを含み、マットを温めることができ、又は音楽を提供することができる機能によってである。この実施態様によって、様々なメリットをもたらすことができる。これによって、患者に忠実な心地よさを提供することができる。1つの実施態様において、効率改善及びよりよいコミュニケーションをとるために、コミュニケーション機能を提供することもできる。補助者あるいは患者用のヘッドセットをも含むことができる。
【0016】
医療処置用マットとドレーピングシステムは、本発明の1つの実施態様にしたがった、作業面を含むことができる。このようなシステムの、ここで「iMat」(統合マット)として参照される、マットとドレーピングシステムの様々な特徴が記載される。マットは、1つあるいはそれ以上の以下の特徴を含むことができる。すなわち、心地よさを提供する盛り上がった周辺部、(ワイヤリング又はその他の接続のための)統合ワイヤ・ハーネス、(マットに横たわっている際患者が使用する(ワイヤレスインターフェイスを持つことができる)ヘッドホーンのような)装着可能な音楽鑑賞用装置、掴むためのハンドル、ヘッドレスト又はネックレスト、ECGワイヤ・スプールあるいはリール、ショルダー・パッド又は胸郭パッド、パッド入りの可動アームレスト、尾骨パッドを有する可動ランバー、アクセス可能なプラグポート、(例えば、電気的にあるいは加圧された空気によって駆動されることができる)熱源、(ケーブルをマットの一端からもう一方の端に通過させる)ケーブル・パススルー、又は、取外し可能な下部である。
【0017】
iMatシステムの作業面は、1つあるいはそれ以上の以下の特徴を含む。すなわち、テーブルとマットに渡る作業面を動かすために使用されることができる、ピボット・アーム、取外し可能なトレイ、(例えば、生態塩水のような)取外し可能な流体コンテナ、取外し可能な保管コンテナ、蓋、又は、(光などの)エネルギー源である。
【0018】
ドレープあるいはドレーピングシステムは、単独でもここに記載される医療処置用マットと共にでも使用されることができる。上又はボトムドレープ、あるいは、ここでは「iDRAPE」(統合ドレープ)として参照される統合ドレーピングシステムの様々な特徴が記載される。本発明実施態様群にしたがったドレープあるいはドレーピングシステムは、1つあるいはそれ以上の以下の特徴を含むことができる。すなわち、(例えば、電気的にあるいは加圧された空気によって駆動されることができる)熱源、1つまたはそれ以上の患者の体の部分をシールドする、隠す、マスクするための「モデスティ」パネル、(例えば、体から流出する流体を吸収する)統合吸収ブリーフ、(例えば、装置その他の部品を通すための)穿孔通過鵞口瘡、及び、統合ボトムドレープである。1つの実施態様では、トップドレープとボトムドレープは統合されていないが、取り付けあるいは接続することができる。
【0019】
図1は、アームサポートあるいはボード12を持つ、よく知られた医療処置用マット10の上面図である。図1bに示すマット10の断面図に示すように、医療処置用マット10は、通常、クッション性を持つ物質14(クッション性物質14)又はクッション性物質14を覆うX線透過性物質12を備えた発泡材のマットである。
【0020】
図2は、1つの実施態様による、統合アームレスト112を持つ、医療処置用マット110の概念的上面図である。統合アームレスト112は、マット110に統合され(一体化され)取付けられているが、最適な位置取りをするあるいは心地よくするためにオペレータがそれらはスライドさせたり(例えば、回転あるいは角度を変えるように)動かしたりすることができる。いくつかの実施態様では、アームレスト112は、アームレスト112の位置決めにオプションを提供するアームボード114に作動可能に連結されている。例えば、アームボード114は、アームボード114とアームレスト112が収容位置に配置されることができるように、マット110にピボット回転可能に連結されることができる。アームボード114とアームレスト112は、マット110に統合されているので、マット110から取外される必要はない。本発明のいくつかの実施態様では、アームボード114とアームレスト112は、マット110の内、脇、あるいは、下に保管されることができる。本発明のいくつかの実施態様では、アームボード114又はアームレスト112は、統合されたNIBPあるいはSaO2センサを含むこともできる。
【0021】
図2は、本発明のいくつかの実施態様による、医療処置用マット110の中に取り込まれることができる照射シールド116も示している。医療処置用マット110は、(マット上に横たわる患者を支持する)上面、及び、医療処置用テーブル上に配置され医療処置用テーブルによって支えられることができる下面、内側部、ほぼクッション性を持つ物質の外側周辺部に対応する部分を含む外側縁部を有する、例えば、患者の頭部、足、左右の脇に近接する、クッション性を持つ物質を含む。照射シールド116は、クッション性物質(クッション性をもつ物質)の外側縁部に沿って配置することができ、患者撮影中にオペレータが被爆する散乱された照射を低減するように配置することができる。いくつかの実施態様では、照射シールド116は、(図2の点線で示される)保管位置と(図2の実線で示される)シールド位置の間に配置することができる。矢印は、例えば、照射シールド116がマット110から引き出されて、散乱された照射から保護するように(通常、垂直に)配置されることを示している。いくつかの実施態様では、第二の照射シールド(図示しない)も、使用されることができる(例えば、照射シールド116が外側縁部の左側に置かれて、第二の照射シールドが外側縁部の右側に置かれ、両方のシールドは、(例えば、医療スタッフによって)保管位置とシールド位置の間に配置されることが出来る)。
【0022】
図3aから図3dは、1つの実施態様による、(例えば、心電図あるいは「ECG」ケーブル、血圧監視ライン、酸素密度飽和度監視などの)生理学的監視ラインを取り込んだ、医療処置用マット110の概念的ダイヤグラムである。医療処置用マット110は、(マット上に横たわっている患者を支持するための)上面を持つ、及び、医療処置用テーブル上に配置され医療処置用テーブルによって支えられることができる下面、内側部、ほぼ例えば、患者の頭部、足、左右の脇に対応する部分を含む外側縁部を有する、クッション性物質を有している。
【0023】
図3aに示すように、マット110は、さらに、患者(図示しない)に関する生理学的センサ300からの生理学的信号と通信できる、少なくとも1つの生理学的監視ライン200を含む。生理学的監視ライン200は、近接端部と末端端部、可撓部220、及び案内部210の末端部と可撓部220との間の作動連結230を持つ案内部210を含む。図3aに示すように、作動連結230は、クッション性物質の外側縁部のほぼ近くに可撓部220を取り出したり引っ込めたりできるように配置されることもできる。案内部210は、クッション性物質の外側縁部に沿って配置されることができる。例えば、図3aに示される案内部210は、足に沿った外側縁部の輪郭にそっている。このように、(例えば、X線あるいはこれに相当の処置過程などの)撮影過程で、生理学的監視ライン200を撮像中の撮像エリアから外しておき、生理学的監視ラインが撮像装置の移動又は処置テーブルの周囲にいる人を邪魔することを避けることを含むことができる、この生理学的監視ラインの配置はメリットをもたらす。
【0024】
本発明のいくつかの実施態様によれば、生理学的監視ライン200の案内部210の近接部は、監視装置に接続しやすくするように調整することができる。例えば、図3aに示すように、案内部210の近接端部は、1つあるいはそれ以上の生理学的監視ラインと1つあるいはそれ以上の外部監視装置との間で従来の接続することかできるハブ240で終端する。
【0025】
可撓部220は、電気的信号と通信できるようにクッション性物質の内部に向かって伸びるように調整することができる。これは、例えば、患者に取付けられた生理学的監視センサ300を接続あるいは連結を容易にするのに有益である。いくつかの実施態様では、可撓部220は、患者がクッション性物質の上面につくまで、実質的に、引っ込んだままである。この点、医療スタッフは、可撓部220を伸ばして生理学的センサ300に連結することにより(例えば、近接部に接続、取付け、配置することによって)、可撓部220を生理学的センサ300に接続することができる。
【0026】
生理学的監視ライン200は、(ECG信号の場合のように)電気的信号と通信できるように、あるいは、(例えば、血圧信号あるいは酸素飽和信号のような)流体的信号と通信できるように調節されることができる。図3bは、少なくとも2つ目の生理学的監視ラインを有する、本発明の特定の実施態様の上面図である。この例では、2つ目の生理学的監視ラインは、複数のECGケーブルからなっている。例えば、図3bは、医療処置用マット110の生理学的監視ライン200として5つのECGケーブルが取り込まれている、本発明の実施態様を示している。このように、図示された実施態様では、5つのECGケーブルの各々は、案内部210とマット110のクッション性物質の外側縁部のほぼ近くに配置された作動連結230を含んでいる。行く地価の実施態様では、作動連結230は、クッション性物質の外側に配置されることができる。図3bには示されていないが、可撓部220は、通常、作動連結230から伸びて(例えば、患者の皮膚に張られた表面電極)ECGセンサとの接続を容易にする。案内部210の近端部同士は、例えば、いくつかのあるいはすべてのECGケーブルを単一の接続で外部監視装置に接続することができる、ハブ240で連結されることができる。
【0027】
ハブ240は、例えば、生理学的監視ライン200を監視装置への接続を容易にすることができる。いくつかの実施態様では、ハブ240は、例えば、異なるタイプの生理学的監視ラインを異なるタイプの監視装置に接続できるようにするために、1つ以上のタイプのコネクタを含むことができる。コネクタの1つのタイプは、例えば、ECGケーブルをECG監視装置に電気的に連結するマルチピンコネクタであることができる。コネクタの別のタイプは、流体信号(例えば、血圧監視ライン、あるいは、酸素飽和度監視ライン)を適当な監視装置に連結するように調整された、チュービングコネクタ(例えば、ルアーコネクタ)であることができる。
【0028】
1つの実施態様では、作動可能な連結230は、素早く効果的に伸びたり引っ込んだりすることができる、リールコネクタを備えることができる。1つの実施態様では、コネクタは、同様に素早く効果的に伸びたり引っ込んだりすることができる、コイルコネクタを備えることができる。このようなリールあるいはコイルコネクタは、その中へ生理学的監視ライン200の可撓部220が引っ込む、作動連結230部としてハウジングを備えることができる。いくつかの実施態様では、作動可能な連結230は、可撓部220を作動連結230に向かって引張る、張力が可撓部220にかかるように配置するように調整されている。上に記載された、リールあるいはコイルコネクタを備えた、生理学的監視ラインの配置(ECG「ラインパイピング」)によって、素早く連結を形成することができ、医療処置中に医療スタッフがケーブルを再度取付けたり再度ルートを変更することが必要な回数を最小化することができる。これらのコネクタを使用することによって、X線Cアームを邪魔するケーブルを最少化する助けになることができる(例えば、引出し部材を最少化することができる)。例えば、作動可能な連結230は、オペレータが選択的に可撓部220にかかる張力を取り除くことができるようにする、(例えば、一旦、可撓部220が生理学的センサ300に接続されたら、可撓部220のすべての緩みが取り除かれる)戻り止め位置を含むことができる。これによって、作動可能な連結230が張力をかけることにより、生理学的センサ300が患者から外れる可能性を抑えることができる。図3aから図3dに示された位置、配置、及びコネクタのタイプは、単に例示として示したものである。異なる実施態様においては、様々な位置、配置、又はコネクタのタイプを使用することができる。
【0029】
図3cは、本発明のいくつかの実施態様による、医療処置用マット110の部分断面図である。図3cは、上面120、下面122、内側部132、及び外側縁部130を持つ、マット110の各部の配置の概要を示している。いくつかの実施態様では、1つあるいはそれ以上の生理学的監視ライン200の案内部210を クッション性物質の外側縁部130に沿って案内する導管250が使用されることができる。このような実施態様では、1つあるいはそれ以上の生理学的監視ライン200が、クッション性物質の外側縁部130に沿ってあるいは 内に配置された導管250内に収容されることができる。図3cは、本発明のいくつかの実施態様で使用された、いくつかのタイプの導管250を示している。例えば、実質的に導管250aによって示されているように、導管250は、クッション性物質の内側に配置することができる。代替的に、導管250は、クッション性物質の外側に配置することもでき、例えば、図3bと図3cに示されているような、ほぼ半円状の部材を含むこともできる。1つの実施態様では、導管250は、クッション性物質の内側に形成される中空の部位を備えることができ、例えば、図3cに示した導管250dを含むことができる。別の実施態様では、業界でよく知られ、実質的に平坦で、可撓性を持ち、電気伝導性を持たない部材に収容された複数の生理学的監視ライン200を含むことができる、リボンタイプのケーブルを備えた、導管250fが示されている。図3cでは、導管250fは中空の部位を持つ導管250d内に配置されて示されているが、本発明のいくつかの実施態様によれば、双方のタイプの導管が互いに独立に使用されることができる。
【0030】
図3は、導管250の別の可能な実施態様を示している。例えば、図3dの導管250eは、1つあるいはそれ以上の生理学的監視ライン200の案内部210を案内するように調整された2つあるいはそれ以上の非連続部分を有している。例えば、図3dに示すように、生理学的監視ライン200を案内する、クッション性物質の外側縁部に沿って間隙を形成する、2つあるいはそれ以上の分離した「バンド」を形成することができる。これは、医療処置用マット110の総重量を低減するメリットを持つことができ、画像の特徴を改善することができる。例えば、分離バンド250eは、X線画像で強調されることが抑えられる。代替的に、使用される物質にもよるが、バンドは、例えば、位置又は距離を示す放射非透過性マーカーとしても機能する。
【0031】
本発明のいくつかの実施態様では、導管250は、クッション性物質の外側縁部に沿って伸びる、ほぼ環状の部材である。ほぼ環状の部材は、通常、長尺形で中空であり、実質的に、断面はチューブ状あるいは円筒形であり、例えば、断面が半円形あるいはC字形状であることもできる。1つの実施態様では、例えば、ほぼ環状形の部材は、生理学的監視ライン200と導管250とを取付けたり取外したりできるように、実質的に、長手方向にスリットあるいはギャップ(間隙)を持ったチューブ状である。
【0032】
図3aに戻って参照すると、導管250は、生理学的監視ライン200の1つに対応する作動連結230の近くに位置する末端開口252を備えた、環状部材であることができる。いくつかの実施態様では、環状部材は、図3aに示すように、さらに、1つあるいはそれ以上の側面開口260を備えることができる。ある実施態様によれば、側面開口の各々は、例えば、生理学的監視ライン200の1つの案内部210と可撓部220との間の(例えば、作動連結230を介した)連結ができるように配置することができる。外側縁部は、さらに、1つあるいはそれ以上の、クッション性物質の内側から外側へ伸びる側面孔を含むことができる。別のある実施態様によれば、環状部材は、クッション性物質の外側縁部の形状に形を合わせるように屈曲するように調整された、チューブであることができる。別のある実施態様によれば、導管は、クッション性物質の内に形成された中空部位内に配置された、チューブを備えることができる。このチューブは、クッション性物質の側面開口に位置合わせできる、1つあるいはそれ以上の側面開口を備える。このような配置によって、生理学的監視ラインは、チューブ内の位置からクッション性物質の側面孔を通ってクッション性物質の外側の位置へとつながる経路を形成することができる。
【0033】
本発明のひとつの特に好適な実施態様において、医療処置用マット110は、2つの導管を含んでいる。第一の導管は、ほぼ外側縁部の左側に沿って走っており、第二の導管は、ほぼ外側縁部の右側に沿って走っており、各々の導管は、外側縁部の足部に近い領域と頭部の近くの領域との間の少なくとも1つの生理学的監視ラインを案内することができる。このような実施態様の1つの実施例では、1つの生理学的監視ラインの案内部は、外側縁部の足部近傍で左側から右側に沿って走っている。
【0034】
図4は、1つの実施態様による、首サポートと背中サポートを有する、医療処置用マット110の概念的上面図である。この実施態様では、空気ポンプ414がマット110の側面に提供されて、1つあるいはそれ以上の首サポートあるいは背中サポート機構に空気を供給する。図4に示すように、背中下部サポート410及び首サポート412用のエアバッグが備えられている。いくつかの実施態様では、首及び背中サポート・コントローラ416も備えることもできる。1つの実施態様では、(患者あるいは職業医療スタッフのような)ユーザは、コントローラ416を使用して、空気ポンプ414を操作して首サポート412に供給される空気の量を制御すること、又は、背中下部サポート410による支持の程度と質を制御することができる。これらの機能によって患者の心地よさを向上することができる。
【0035】
図5は、1つの実施態様による、患者に娯楽とコミュニケーション機能を提供する、医療処置用マット110の概念的上面図である。マット110のこの実施態様は、図に示されるように、所望するとき、患者に音響信号を伝えるために、1つあるいはそれ以上のスピーカ420を含んでいる。いくつかの実施態様では、マット110は、さらに、(例えば、スピーカー・エンクロージャに統合化された)マイクロフォン422を備えることができる。スピーカ420とマイクロフォン422は、掃除をすることができ(例えば、下に)動かすことができる。図5に示すように、スピーカ420又はマイクロフォン422は、通常、外側縁部の頭部の近くに連結されるか配置される。患者は、スピーカ420から指示あるいは患者に与えられるその他の情報を聴くことができる間、医療スタッフとコミュニケーションするためにマイクロフォン422を使用することができる。本発明のいくつかの実施態様では、患者は、スピーカ420から音楽を聴くことができる。1つの実施態様では、患者は、代替的にヘッドセット(図示せず)を使用することができる。図5に示すように、音楽プレーヤー又はコミュニケーション・システムを制御するために、コミュニケーション・センサ424と(例えば、コミュニケーション・センサ424に内蔵されている)コミュニケーション・センサ・コントローラ426を備えることができる。例えば、患者は、コントローラ426を使用して音量を制御し曲を選択しあるいはこれに類することをすることができる。例えば、CDプレーヤー、MP3プレーヤー、あるいはその他の音楽/娯楽源が搭載されているか接続されていれば、患者は、コミュニケーション・センサ・コントローラ426を使用して演奏されるCD(あるいは特定の音楽トラックあるいは娯楽トラック)を選択することができる。本発明のいくつかの実施態様によれば、ナースコール・ボタンあるいは駆動装置をコミュニケーション・センサ・コントローラ426に組み込むことができる。いくつかの実施態様では、コミュニケーション・センサ・コントローラ426は、ナースコール信号あるいはその他何らかのアラーム条件に応じて(例えば、ナースステーションなどの)遠隔監視ステーションへ信号を送信することができる。いくつかの実施態様では、マット110の中のハブ240は、オーディオ信号が、外側縁部の頭部近傍に(したがって、患者の頭部近傍に)配置された、1つあるいはそれ以上のスピーカ420に伝達されるようにオーディオ入力接続を含むことができる。本発明のいくつかの実施態様によれば、オーディオ信号は、導管250内に収容されたコンダクターを使用してスピーカ420に伝達される。
【0036】
図6は、1つの実施態様による、ヒートパッドを備えた、医療処置用マット110の概念的上面図である。この実施態様では、(図に示されているように)ヒータ460と加熱及び換気システム450を有する放射線透過性マットが備えられている。このようなマットは、患者の心地よさを向上することができ、また、保温用毛布の必要性を低減することもできる。また、患者が回復までの間、マット110の使用を容易にする。1つの実施態様では、例えば、電気コイルあるいはその他の加熱部材など、電気を使用して加熱したり温めたりすることができる。1つの実施態様では、圧縮空気を使用して加熱したり温めたりすることができる。別の実施態様では、加熱したり温めたりするために、エネルギーや刺激の様々な別の形態を使用することができる。
【0037】
図7は、1つの実施態様による、患者が持ち運び易いようにハンドグリップ470を備えた、医療処置用マット110の概念的上面図である。図7に示した実施態様において、マット110は、複数のハンドグリップ470を含むことができ、また、ハンドグリップ470をマット110の左右両側に含むことができる。ハンドルあるいはハンドグリップ470は、マット110あるいはマット110のクッション性物質の外側縁部に連結されることができる。医療スタッフは、ハンドグリップ470を使用して、例えば、患者を医療処置室から回復室へ移動するとき、患者とマット110を台車つき担架に乗せて搬送することができる。ある実施態様では、異なる患者に使用するために医療処置室に留めるというよりも、むしろ、患者と共にマット110を移動することを意図している。このように、ハンドルあるいはハンドグリップ470は、マット110の使い勝手を向上する。
【0038】
いくつかの実施態様では、マット110は追加的な機能又は能力を提供することができる。例えば、(例えば、医療処置室から回復室へ患者と共に移動するハンドグリップ470を備えたマット110のような)特定の患者と共にあるマット110を有する実施態様においては、例えば、患者の出血あるいはその他の状態を検出するために、1つあるいはそれ以上の検出器あるいはアラームをマット110の中に内蔵することができる。いくつかの実施態様では、マット110は、患者の出血を検知するように調整されたセンサからの信号を受信して、検出された出血の状態に応じてアラーム信号を送信することができる。
【0039】
いくつかの実施態様では、患者の出血センサは、例えば、患者に設けられた挿入部の血管外遊出物を検出することによって、あるいは、スキンパッチを伸ばして挿入部の歪信号を検出することによって、出血を検知するように調整されたスキンパッチを含むことができる。インピーダンスの変化を検知することによって、挿入部の血管外遊出物を検出するスキンパッチの例は、特許文献1、2に開示されており、ここに引用してそれらの内容を取り込むものとする。出血状態に応じて提供されるアラーム信号は、(例えば、音響アラーム、発光、その他の合図など)マット110自身によって提供されることができ、又は、ナースステーションのような遠隔監視ステーションに転送することができる。これにより、例えば、患者回復中に手助けとなる。図3aから図3dに戻って参照すると、例えば、生理学的監視ライン200は、マット110に備えられて信号を患者出血センサから監視装置へ伝達する。
【0040】
本発明のいくつかの実施態様によれば、ワイヤレスECGを備えることもできる。患者をペダルパルス監視するために、ドップラーを実装すること、あるいは、使用されることもできる。いくつかの実施態様では、検出器又はアラームを持つマット110は、医療処置室に留まって患者とともに移動する必要がないこともあり得る。
【0041】
ここでは、医療処置用マットの様々な実施態様を検討する。ある実施態様は、図2から図7に示された、1つあるいはそれ以上の装備を単独であるいは任意の組合せで含む。ある実施態様は、例えば、図8から図10に示された、あるいは、以下により詳細に記載されるようなドレープあるいはドレーピングシステムを提供する。ドレープあるいはドレーピングシステムのいくつかの実施態様は、トップドレープとボトムドレープの双方あるいは一方を含む。
【0042】
図8aは、1つの実施態様による、テーブル478、マット110、及びドレーピングシステムを備えた、医療処置室の概念的側面断面図である。図示された実施例では、診断あるいは治療過程で、患者は、部屋の中のテーブル478上に横たわり、X線放射に晒される。(例えば、Cアームのような)X線装置は、例えば、コリメータ492とイメージ増強管488を備えることができる。患者は、これまでに記載したどの実施態様のマット110(あるいは、ここで記載する様々な実施態様の装備のある組合せを含むマット)の上にも横たわることができる。さらに、ドレーピングシステムが使用されることもできる。図8に示すように、ドレープあるいはドレーピングシステムは、上面と下面とを持つボトムドレープ480を含んで、患者の下方でマット110の上に配置することもできる。ボトムドレープ480は、例えば、シートの代わりに使用されることができる。
【0043】
ボトムドレープは、生理学的監視ラインが通過することができる、2つあるいはそれ以上の孔あるいは換気口490含むことができる。例えば、例えば、ECGケーブルのような、生理学的監視ライン200は、マット110からボトムドレープ480の上面の上方の位置へ通過することができる。ある実施態様によれば、ボトムドレープ480の孔490は、マット100の生理学的監視ラインにほぼ位置合わせされるように配置するあるいは位置付けることができる。例えば、孔490は、1つあるいはそれ以上のマット110の作動連結230に位置合わせされることができる。いくつかの実施態様では、ボトムドレープ480は、例えば、ボトムドレープの孔とマット110の作動連結との位置合わせを容易にするように配置されたフックとループファスナーを使用することによって、マット110(あるいは、マット110のクッション物質)に連結されることができる。
【0044】
いくつかの実施態様では、ボトムドレープ480は、例えば、排尿又は医療処置で使用する流体(例えば、対照液、生体塩水など)など、患者の体から流出する流体を捕獲する。吸収物質部484は、おしめに使用されるものと類似する物質から製造されることができ、また、ボトムドレープ480の中に統合して形成することができる。ボトムドレープ480は、患者のプライベート部あるいは体のある領域をシールドするプライバシー・シールド482を含むこともできる。プライバシー・シールド482は、例えば、ボトムドレープ480の上面に連結された、柔軟性を有する物質(柔軟性物質)から製造することができる。いくつかに実施態様では、プライバシー・シールド482は、例えば、患者のプライベート部(例えば、鼠蹊部)を少なくとも部分的に覆うように配置されることができる。図8aに示された実施態様では、ボトムドレープ480は、比較的平坦な、ワークベンチ支持面486も含むことができ、又は、その上にワークベンチあるいはトレイを支持する安定な面あるいは構成を提供するように調整されることもできる。
【0045】
図8bから図8eは、本発明の実施態様にしたがったボトムドレープ480の様々な配置を示している。例えば、図8bは、ボトムドレープ480の中へ取り込まれた吸収物質部484を示している。図8cは、患者の鼠蹊部を少なくとも部分的に覆うように配置されるように調整された、プライバシー・シールド482を持ったボトムドレープ480を示している。図8dは、吸収物質部484とプライバシー・シールド482の双方を持つボトムドレープ480を示している。図8eは、患者の鼠蹊部の下方に配置された吸収物質部484、及び、患者の鼠蹊部を覆うプライバシー・シールド482を持つ図8dは、ボトムドレープ480を示している。図8eに示すように、プライバシー・シールド482は、配置と覆いを容易にするように形作られており、さらに、プライバシー・シールド482の配置を維持するファスナー494(例えば、フックとループ、接着剤、スナップ他)を含むことができる。
【0046】
いくつかの実施態様では、ボトムドレープ480は、トップドレープと接続することもできる(図9を使用して以下にさらに記載する)。1つの実施態様では、ボトムドレープは、さらに、(コンドームと同様に)巻き取ったり解放したりすることができる、あるいは、伸びたり引っ込んだりできるドレープ部を含むことができる。このように、滅菌野の外側を注入装置のハンドコントロールのような医療機器が通過し、1つあるいはそれ以上の医療処置中には滅菌野の内側を使用する。ドレープ部は、医療装置使用中、滅菌状態を維持する。1つの実施態様によれば、医療装置は、複数の異なる患者の処置で再使用できるが、ドレープ部は、ただ1人の患者用の廃棄可能な部品であることもできる。このように再利用できる医療装置の1つの例は、診療士が動力付注入システムから患者に注入する医療流体の流量を様々に制御できる、ハンドコントロールである。
【0047】
図9は、別の実施態様による、テーブル478、マット110、及びドレーピングシステム502を備えた、医療処置室の概念的側面断面図である。図9のドレーピングシステム502は、ドレーピングシステム502のボトムドレープ480と接続して安定化することができる、トップドレープ500を含む。トップドレープ500は、例えば、テーブル上にある、ワイヤ、バルーン、あるいは、その他の装置などの医療処置装置を保持する、1つあるいはそれ以上のコンテナ512を含む。1つの実施態様では、ワークベンチ510用の統合発泡ボード486が提供される。1つの実施態様では、ボトムドレープ480の統合発泡ボード486は、比較的平坦なワークベンチ510を支えて医療過程中に医療装置を置くことができる安定領域を提供するように調整される。ワークベンチ510の面は、1つあるいはそれ以上の装置をトップドレープ500に取付けるなんらかの手段を含むことができる。例えば、医療スタッフ交代中に、クリップは、カテーテル、ワイヤ、その他の部品を保持するために含まれることができる。医療処置中に医療スタッフが使用するためにワークベンチに取り付ける外部装置あるいは外部部品の取付け用にプラットホームも提供されることができる。1つの実施態様では、図8aのトップドレープに関して上述したのと同様に、トップドレープ500は、さらに、(コンドームと同様に)巻き取ったり解放したりすることができる、あるいは、伸びたり引っ込んだりできるドレープ部を含むことができる。
【0048】
図10は、1つの実施態様による、ドレープの上からみた斜視図である。1つの実施態様によれば、このドレープは、図8と図9にボトムドレープ480部として示した実施態様でボトムドレープ480は、例えば、1つあるいはそれ以上の(ECGワイヤのような)生理学的監視ラインを案内する、孔又は案内チャネル690を含むことができる。他のチャネルは、(例えば、酸素あるいは注入ポンプチューブのような)他のチューブを保持するために提供されることができる。1つの実施態様によれば、さらに、患者の下方を通って鼠蹊部を覆う高吸収性パッドあるいはフラップ684は、提供されることができる。患者にパッドを取付けての排尿のような患者の流体を収集するために、処置中に粘着性タブ694あるいは粘着性物質が使用されることができる。1つの実施態様において、高吸収性フラップ684は、流体を1リットルまで保持することができる。このようなパッドを使用することで、医療処置中に、テーブル上への排尿あるいはカテーテルの使用について心配することなく、患者は排尿することができる。これによって、医療処置中の患者の心地よさを向上することができ、また、掃除をしたりカテーテルを使用するための医療処置の中断を最少限にするあるいは根絶することもできる。
【0049】
以上の記載は、本発明の様々な実施態様の原理の及ぶ範囲を示す例である。実施態様は変更され又は様々なタイプの配置や構成に変えて実装することができる。特に、1つあるいはそれ以上の実施態様は、単一のマット又はマットとドレーピングシステムにおいて組合されることができる。当該分野の当業者は、本発明の範囲を逸脱せずに、又は、上述した実施態様に厳密に従うことなく、上述した実施態様に対して様々な変形実施態様又は設計変更を容易に為し得るであろう。したがって、添付の請求項を除いては、以上の記載は本発明が限定されることを意図するものではない。
【0050】
〔関連出願への参照〕
本出願は、2007年2月8日に出願された米国仮出願60/888,810の優先権を主張するものであり、ここに参照してその全内容を本明細書に完全に取り込むものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置用マットであって、
横たわっている患者を支持する上面、医療処置用テーブルに支持されるように調整された下面、内側部、並びに、頭部、足部、左側面、右側面、及び、生理学的信号を前記患者に取付けられた生理学的センサから伝達する第一生理学的監視ラインを備えた外側縁部を持つ、クッション性物質を具備し、
前記第一生理学的監視ラインは、
近端部と末端部を持つ、案内部、
柔軟性部、及び、
前記案内部の前記末端部と前記柔軟性部との間にあり、かつ、前記クッション性物質の前記外側縁部の近傍に配置される、作動連結を備え、
前記第一生理学的監視ラインの前記案内部は、ほぼ前記クッション性物質の前記外側縁部に沿って配置され、
前記案内部の前記近端部は、監視装置に接続されるように調整されており、そして、
前記柔軟性部は、前記クッション性物質の前記内側部に向かって伸びるように調整されている、医療処置用マット。
【請求項2】
前記第一生理学的監視ラインは、電気信号を伝達するように調整された、請求項1に記載のマット。
【請求項3】
前記第一生理学的監視ラインは、流体信号を伝達するように調整された、請求項1に記載のマット。
【請求項4】
さらに、少なくとも第二の生理学的監視ラインを備える、請求項1に記載のマット。
【請求項5】
前記第一生理学的監視ラインと前記第二の生理学的監視ラインの少なくとも1つは、ECGケーブルである、請求項4に記載のマット。
【請求項6】
前記第一生理学的監視ラインと前記第二の生理学的監視ラインの少なくとも1つは、血圧監視ラインである、請求項4に記載のマット。
【請求項7】
前記第一生理学的監視ラインと前記第二の生理学的監視ラインの少なくとも1つは、酸素飽和度監視ラインである、請求項4に記載のマット。
【請求項8】
前記第一生理学的監視ラインと前記第二の生理学的監視ラインの少なくとも1つは、前記外側縁部に沿って配置された導管内に収容されている、請求項4に記載のマット。
【請求項9】
前記導管は、前記クッション性物質内に配置されている、請求項8に記載のマット。
【請求項10】
前記導管は、前記クッション性物質の外に配置されている、請求項8に記載のマット。
【請求項11】
前記導管は、2つあるいはそれ以上の非連続部を備える、請求項8に記載のマット。
【請求項12】
前記導管は、前記外側部に沿って伸び、かつ、ほぼ環状形状を有する部材である、請求項8に記載のマット。
【請求項13】
前記環状部材は、前記生理学的監視ラインの1つの前記作動連結の近傍に配置された、末端開口を持つ、請求項12に記載のマット。
【請求項14】
前記環状部材は、さらに、各々が前記生理学的監視ラインの1つの前記案内部と前記柔軟部との間で作動連結されるように調整された、1つあるいはそれ以上の側面開口を含む、請求項13に記載のマット。
【請求項15】
1つあるいはそれ以上の作動連結は、前記クッション性物質の外側の面上に配置される、請求項14に記載のマット。
【請求項16】
前記環状部材は、前記外側縁部に追従するように屈曲するように調整されているチューブである、請求項12に記載のマット。
【請求項17】
前記導管は、前記生理学的監視ラインの前記案内部を案内するために前記クッション性物質内に形成された中空の部位を備える、請求項8に記載のマット。
【請求項18】
前記クッション性物質の前記外側縁部は、前記クッション性物質の内から前記クッション性物質の外へ伸びる、1つあるいはそれ以上の側面開口を含む、請求項17に記載のマット。
【請求項19】
さらに、前記中空の部位内に配置され、かつ、ほぼ前記外側縁部の前記1つあるいはそれ以上の側面孔に位置合わせて前記生理学的監視ラインが前記チューブの内側から前記クッション性物質の外側へ通過できるようにした、1つあるいはそれ以上の側面開口を持つ、チューブを備える、請求項18に記載のマット。
【請求項20】
前記作動連結は、前記柔軟性物質を引っ込めるように調整されている、請求項8に記載のマット。
【請求項21】
前記作動連結は、前記柔軟性物質を前記作動連結のハウジングの中へ引っ込めるように調整された、リールコネクターである、請求項20に記載のマット。
【請求項22】
さらに、前記外側縁部の前記左側にほぼ沿うように配置された、第一導管、及び、前記外側縁部の前記右側にほぼ沿うように配置された、第二導管とを備え、前記第一導管と前記第二導管の各々が、前記外側縁部の前記足部の近傍の領域と前記頭部に向かう領域との間の、少なくとも1つの前記第一生理学的監視ラインと前記第二の生理学的監視ラインの少なくとも1つを案内できる、請求項4に記載のマット。
【請求項23】
前記生理学的監視ラインの1つの前記案内部が前記外側縁部の前記足部の近傍で前記左側から前期右側に走る、請求項22に記載のマット。
【請求項24】
前記生理学的監視ラインの前記案内部と前記柔軟性部との間の前記作動連結は、前記柔軟性部が前記患者に取付けられた生理学的センサに向かって伸びるようにする、請求項4に記載のマット。
【請求項25】
少なくとも1つの前記作動連結は、前記外側縁部の前記頭部の近傍に配置されている、請求項24に記載のマット。
【請求項26】
前記作動連結は、前記生理学的監視ラインの前記柔軟性部に張力をかけて前記作動連結に向かって前記柔軟性部を引張るように調整された、機構を備えている、請求項4に記載のマット。
【請求項27】
前記作動連結は、オペレータが選択的に前記柔軟性部にかかる前記張力を取除くことができるようにする、戻り止め部分を含む、請求項26に記載のマット。
【請求項28】
さらに、前記クッション性物質の前記外側縁部に連結された、少なくとも1つのハンドルを備える、請求項4に記載のマット。
【請求項29】
少なくとも1つの前記生理学的監視ラインは、前記患者の出血を検知するように調整されたセンサに連結されており、前記マットは、さらに、出血状態の検出に応じてアラート信号を送信するように調整されている、請求項4に記載のマット。
【請求項30】
前記センサは、歪信号を検出するように調整されたスキンパッチであり、前記アラート信号は遠隔監視ステーションに伝達される、請求項29に記載のマット。
【請求項31】
前記センサは、インピーダンス信号の変化を検出するように調整されたスキンパッチであり、前記アラート信号は遠隔監視ステーションに伝達される、請求項29に記載のマット。
【請求項32】
さらに、前記クッション性物質の前記外側縁部に沿って配置され、かつ、患者撮影中にオペレータが被曝する散乱放射線を低減する、第一放射線シールドを備える、請求項4に記載のマット。
【請求項33】
前記放射線シールドは、収容位置とシールド位置との間に配置されることができる、請求項32に記載のマット。
【請求項34】
さらに、第二放射線シールドを備え、前記第一放射線シールドは、前記外側縁部の前記左側に配置され、前記第二放射線シールドは、前記外側縁部の前記右側に配置され、前記の2つの放射線シールドの各々は、収容位置とシールド位置との間に選択的に配置可能である、請求項32に記載のマット。
【請求項35】
医療処置用マットであって、
横たわっている患者を支持する上面、医療処置用テーブルに支持されるように調整された下面、内側部、並びに、頭部、足部、左側面、右側面、及び、生理学的信号を前記患者に取付けられた生理学的センサから伝達する2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインを備えた外側縁部を持つ、クッション性物質を具備し、
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインの各々は、
近端部と末端部を持つ、案内部、
柔軟性部、及び、
前記案内部の前記末端部と前記柔軟性部との間にあり、かつ、前記クッション性物質の前記外側縁部の近傍に配置される、かつ、前記柔軟性部を引っ込めるように調整された、作動連結を備え、
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインの前記案内部は、ほぼ前記クッション性物質の前記外側縁部に沿って配置され、
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインの前記柔軟性部は、前記クッション性物質の前記内側部に向かって伸びるように調整されており、そして、
前記案内部の前記近端部は、前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインと監視装置との接続を容易にするように調整されたハブの近傍に配置されている、医療処置用マット。
【請求項36】
前記ハブは、前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインと前記監視装置との間の接続が容易にされるように調整された、1つあるいはそれ以上のコネクタを備える、請求項35に記載のマット。
【請求項37】
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインは、ECGケーブルを含み、前記監視装置は、ECGモニターである、請求項36に記載のマット。
【請求項38】
さらに、前記外側縁部の前記左側にほぼ沿うように配置された、第一導管、及び、前記外側縁部の前記右側にほぼ沿うように配置された、第二導管とを備え、前記第一導管と前記第二導管の各々が、前記外側縁部の前記足部の近傍の領域と前記頭部に向かう領域との間の、少なくとも1つの前記第一生理学的監視ラインと前記第二の生理学的監視ラインの少なくとも1つを案内できる、請求項35に記載のマット。
【請求項39】
前記外側縁部の前記頭部は、前記患者にオーディオ信号を提供するように調整されている、請求項38に記載のマット。
【請求項40】
前記ハブは、オーディオ入力接続を含み、前記第一あるいは第二の導管は、前記オーディオ信号を前記外側縁部の前記頭部近傍に配置された1つあるいはそれ以上のスピーカに伝達するオーディオ信号ラインを含む、請求項39に記載のマット。
【請求項41】
医療処置用マット及びドレーピングシステムであって、
前記システムは、横たわっている患者を支持する上面、医療処置用テーブルに支持されるように調整された下面、内側部、並びに、頭部、足部、左側面、右側面、及び、生理学的信号を前記患者に取付けられた生理学的センサから伝達する2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインを備えた外側縁部を持つ、クッション性物質を具備し、
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインの各々は、
近端部と末端部を持つ、案内部、
柔軟性部、及び、
前記案内部の前記末端部と前記柔軟性部との間にあり、かつ、前記クッション性物質の前記外側縁部の近傍に配置される、かつ、前記柔軟性部を引っ込めるように調整された、作動連結を備え、
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインの前記案内部は、ほぼ前記クッション性物質の前記外側縁部に沿って配置され、
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインの前記柔軟性部は、前記クッション性物質の前記内側部に向かって伸びるように調整されており、さらに、
上面と下面を備え、かつ、前記患者の下方であって前記クッション性物質の前記上面に配置され、かつ、2つ又はそれ以上の孔を備える、ボトムドレープを具備し、
前記2つ又はそれ以上の孔の各々は、少なくとも1つの前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインが前記クッション性物質から前記ボトムドレープの前記上面の上方の位置へ通過できるように調整されている、医療処置用マット及びドレーピングシステム。
【請求項42】
前記ボトムドレープの前記2つ又はそれ以上の孔は、前記生理学的監視ラインにほぼ位置合わせされるように配置されている、請求項41に記載のマット。
【請求項43】
前記ボトムドレープの少なくとも1つの前記2つ又はそれ以上の孔は、前記生理学的監視ラインの1つの前記作動連結にほぼ位置合わせされるように配置されている、請求項41に記載のマット。
【請求項44】
前記ボトムドレープの前記下面は、前記クッション性物質に取外し可能に連結されるように調整されている、請求項43に記載のマット。
【請求項45】
前記ボトムドレープと前記クッション性物質との間の前記取外し可能な連結は、前記ボトムドレープの前記孔と前記クッション性物質の前記作動連結との間の位置合わせが容易になるように配置されたフックとループファスナーを備える、請求項44に記載のマット。
【請求項46】
前記ボトムドレープは、さらに、吸収性物質部を備える、請求項41に記載のマット。
【請求項47】
前記吸収性物質部は、体から流出する流体と医療処置用流体を捕獲するように調整されている、請求項46に記載のマット。
【請求項48】
前記ボトムドレープは、さらに、プライバシーシールドを備える、請求項41に記載のマット。
【請求項49】
前記プライバシーシールドは、前記ボトムドレープの前記上面に連結され、かつ、前記患者のプライベート部を少なくとも部分的に覆うように配置されるように調整された、柔軟性物質を備える、請求項48に記載のマット。
【請求項50】
さらに、を医療処置装置を保持するように調整された、1つあるいはそれ以上コンテナ、トップドレープを備える、請求項41に記載のマット。
【請求項51】
前記トップドレープは、前記ボトムドレープと接続するように調整された、請求項50に記載のマット。
【請求項52】
前記トップドレープは、比較的平坦なワークベンチ面を含む、請求項50に記載のマット。
【請求項53】
前記ワークベンチ面は、1つあるいはそれ以上の外部装置を前記トップドレープに取付ける、取付手段を含む、請求項52に記載のマット。
【請求項54】
医療処置用ドレーピングシステムであって、
医療処置用装置を支えるように調整された、1つ又はそれ以上のコンテナを備える、トップドレープと、
上面と下面を備え、かつ、生理学的監視ラインが当該ボトムドレープを通って前記上面の上方の位置へ通過できるように調整されている、1つ又はそれ以上の孔を備え、
前記トップドレープと前記ボトムドレープが互いに接続される、医療処置用ドレーピングシステム。
【請求項55】
前記トップドレープは、比較的平坦なワークベンチ面を含む、請求項54に記載のマット。
【請求項56】
前記1つ又はそれ以上のコンテナは、前記トップドレープの面に配置された、1つ又はそれ以上のポーチを備える、請求項54に記載のマット。
【請求項57】
前記ボトムドレープは、前記患者の体から流出する流体を捕獲するように調整された吸収性物質部を含む、請求項54に記載のマット。
【請求項1】
医療処置用マットであって、
横たわっている患者を支持する上面、医療処置用テーブルに支持されるように調整された下面、内側部、並びに、頭部、足部、左側面、右側面、及び、生理学的信号を前記患者に取付けられた生理学的センサから伝達する第一生理学的監視ラインを備えた外側縁部を持つ、クッション性物質を具備し、
前記第一生理学的監視ラインは、
近端部と末端部を持つ、案内部、
柔軟性部、及び、
前記案内部の前記末端部と前記柔軟性部との間にあり、かつ、前記クッション性物質の前記外側縁部の近傍に配置される、作動連結を備え、
前記第一生理学的監視ラインの前記案内部は、ほぼ前記クッション性物質の前記外側縁部に沿って配置され、
前記案内部の前記近端部は、監視装置に接続されるように調整されており、そして、
前記柔軟性部は、前記クッション性物質の前記内側部に向かって伸びるように調整されている、医療処置用マット。
【請求項2】
前記第一生理学的監視ラインは、電気信号を伝達するように調整された、請求項1に記載のマット。
【請求項3】
前記第一生理学的監視ラインは、流体信号を伝達するように調整された、請求項1に記載のマット。
【請求項4】
さらに、少なくとも第二の生理学的監視ラインを備える、請求項1に記載のマット。
【請求項5】
前記第一生理学的監視ラインと前記第二の生理学的監視ラインの少なくとも1つは、ECGケーブルである、請求項4に記載のマット。
【請求項6】
前記第一生理学的監視ラインと前記第二の生理学的監視ラインの少なくとも1つは、血圧監視ラインである、請求項4に記載のマット。
【請求項7】
前記第一生理学的監視ラインと前記第二の生理学的監視ラインの少なくとも1つは、酸素飽和度監視ラインである、請求項4に記載のマット。
【請求項8】
前記第一生理学的監視ラインと前記第二の生理学的監視ラインの少なくとも1つは、前記外側縁部に沿って配置された導管内に収容されている、請求項4に記載のマット。
【請求項9】
前記導管は、前記クッション性物質内に配置されている、請求項8に記載のマット。
【請求項10】
前記導管は、前記クッション性物質の外に配置されている、請求項8に記載のマット。
【請求項11】
前記導管は、2つあるいはそれ以上の非連続部を備える、請求項8に記載のマット。
【請求項12】
前記導管は、前記外側部に沿って伸び、かつ、ほぼ環状形状を有する部材である、請求項8に記載のマット。
【請求項13】
前記環状部材は、前記生理学的監視ラインの1つの前記作動連結の近傍に配置された、末端開口を持つ、請求項12に記載のマット。
【請求項14】
前記環状部材は、さらに、各々が前記生理学的監視ラインの1つの前記案内部と前記柔軟部との間で作動連結されるように調整された、1つあるいはそれ以上の側面開口を含む、請求項13に記載のマット。
【請求項15】
1つあるいはそれ以上の作動連結は、前記クッション性物質の外側の面上に配置される、請求項14に記載のマット。
【請求項16】
前記環状部材は、前記外側縁部に追従するように屈曲するように調整されているチューブである、請求項12に記載のマット。
【請求項17】
前記導管は、前記生理学的監視ラインの前記案内部を案内するために前記クッション性物質内に形成された中空の部位を備える、請求項8に記載のマット。
【請求項18】
前記クッション性物質の前記外側縁部は、前記クッション性物質の内から前記クッション性物質の外へ伸びる、1つあるいはそれ以上の側面開口を含む、請求項17に記載のマット。
【請求項19】
さらに、前記中空の部位内に配置され、かつ、ほぼ前記外側縁部の前記1つあるいはそれ以上の側面孔に位置合わせて前記生理学的監視ラインが前記チューブの内側から前記クッション性物質の外側へ通過できるようにした、1つあるいはそれ以上の側面開口を持つ、チューブを備える、請求項18に記載のマット。
【請求項20】
前記作動連結は、前記柔軟性物質を引っ込めるように調整されている、請求項8に記載のマット。
【請求項21】
前記作動連結は、前記柔軟性物質を前記作動連結のハウジングの中へ引っ込めるように調整された、リールコネクターである、請求項20に記載のマット。
【請求項22】
さらに、前記外側縁部の前記左側にほぼ沿うように配置された、第一導管、及び、前記外側縁部の前記右側にほぼ沿うように配置された、第二導管とを備え、前記第一導管と前記第二導管の各々が、前記外側縁部の前記足部の近傍の領域と前記頭部に向かう領域との間の、少なくとも1つの前記第一生理学的監視ラインと前記第二の生理学的監視ラインの少なくとも1つを案内できる、請求項4に記載のマット。
【請求項23】
前記生理学的監視ラインの1つの前記案内部が前記外側縁部の前記足部の近傍で前記左側から前期右側に走る、請求項22に記載のマット。
【請求項24】
前記生理学的監視ラインの前記案内部と前記柔軟性部との間の前記作動連結は、前記柔軟性部が前記患者に取付けられた生理学的センサに向かって伸びるようにする、請求項4に記載のマット。
【請求項25】
少なくとも1つの前記作動連結は、前記外側縁部の前記頭部の近傍に配置されている、請求項24に記載のマット。
【請求項26】
前記作動連結は、前記生理学的監視ラインの前記柔軟性部に張力をかけて前記作動連結に向かって前記柔軟性部を引張るように調整された、機構を備えている、請求項4に記載のマット。
【請求項27】
前記作動連結は、オペレータが選択的に前記柔軟性部にかかる前記張力を取除くことができるようにする、戻り止め部分を含む、請求項26に記載のマット。
【請求項28】
さらに、前記クッション性物質の前記外側縁部に連結された、少なくとも1つのハンドルを備える、請求項4に記載のマット。
【請求項29】
少なくとも1つの前記生理学的監視ラインは、前記患者の出血を検知するように調整されたセンサに連結されており、前記マットは、さらに、出血状態の検出に応じてアラート信号を送信するように調整されている、請求項4に記載のマット。
【請求項30】
前記センサは、歪信号を検出するように調整されたスキンパッチであり、前記アラート信号は遠隔監視ステーションに伝達される、請求項29に記載のマット。
【請求項31】
前記センサは、インピーダンス信号の変化を検出するように調整されたスキンパッチであり、前記アラート信号は遠隔監視ステーションに伝達される、請求項29に記載のマット。
【請求項32】
さらに、前記クッション性物質の前記外側縁部に沿って配置され、かつ、患者撮影中にオペレータが被曝する散乱放射線を低減する、第一放射線シールドを備える、請求項4に記載のマット。
【請求項33】
前記放射線シールドは、収容位置とシールド位置との間に配置されることができる、請求項32に記載のマット。
【請求項34】
さらに、第二放射線シールドを備え、前記第一放射線シールドは、前記外側縁部の前記左側に配置され、前記第二放射線シールドは、前記外側縁部の前記右側に配置され、前記の2つの放射線シールドの各々は、収容位置とシールド位置との間に選択的に配置可能である、請求項32に記載のマット。
【請求項35】
医療処置用マットであって、
横たわっている患者を支持する上面、医療処置用テーブルに支持されるように調整された下面、内側部、並びに、頭部、足部、左側面、右側面、及び、生理学的信号を前記患者に取付けられた生理学的センサから伝達する2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインを備えた外側縁部を持つ、クッション性物質を具備し、
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインの各々は、
近端部と末端部を持つ、案内部、
柔軟性部、及び、
前記案内部の前記末端部と前記柔軟性部との間にあり、かつ、前記クッション性物質の前記外側縁部の近傍に配置される、かつ、前記柔軟性部を引っ込めるように調整された、作動連結を備え、
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインの前記案内部は、ほぼ前記クッション性物質の前記外側縁部に沿って配置され、
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインの前記柔軟性部は、前記クッション性物質の前記内側部に向かって伸びるように調整されており、そして、
前記案内部の前記近端部は、前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインと監視装置との接続を容易にするように調整されたハブの近傍に配置されている、医療処置用マット。
【請求項36】
前記ハブは、前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインと前記監視装置との間の接続が容易にされるように調整された、1つあるいはそれ以上のコネクタを備える、請求項35に記載のマット。
【請求項37】
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインは、ECGケーブルを含み、前記監視装置は、ECGモニターである、請求項36に記載のマット。
【請求項38】
さらに、前記外側縁部の前記左側にほぼ沿うように配置された、第一導管、及び、前記外側縁部の前記右側にほぼ沿うように配置された、第二導管とを備え、前記第一導管と前記第二導管の各々が、前記外側縁部の前記足部の近傍の領域と前記頭部に向かう領域との間の、少なくとも1つの前記第一生理学的監視ラインと前記第二の生理学的監視ラインの少なくとも1つを案内できる、請求項35に記載のマット。
【請求項39】
前記外側縁部の前記頭部は、前記患者にオーディオ信号を提供するように調整されている、請求項38に記載のマット。
【請求項40】
前記ハブは、オーディオ入力接続を含み、前記第一あるいは第二の導管は、前記オーディオ信号を前記外側縁部の前記頭部近傍に配置された1つあるいはそれ以上のスピーカに伝達するオーディオ信号ラインを含む、請求項39に記載のマット。
【請求項41】
医療処置用マット及びドレーピングシステムであって、
前記システムは、横たわっている患者を支持する上面、医療処置用テーブルに支持されるように調整された下面、内側部、並びに、頭部、足部、左側面、右側面、及び、生理学的信号を前記患者に取付けられた生理学的センサから伝達する2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインを備えた外側縁部を持つ、クッション性物質を具備し、
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインの各々は、
近端部と末端部を持つ、案内部、
柔軟性部、及び、
前記案内部の前記末端部と前記柔軟性部との間にあり、かつ、前記クッション性物質の前記外側縁部の近傍に配置される、かつ、前記柔軟性部を引っ込めるように調整された、作動連結を備え、
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインの前記案内部は、ほぼ前記クッション性物質の前記外側縁部に沿って配置され、
前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインの前記柔軟性部は、前記クッション性物質の前記内側部に向かって伸びるように調整されており、さらに、
上面と下面を備え、かつ、前記患者の下方であって前記クッション性物質の前記上面に配置され、かつ、2つ又はそれ以上の孔を備える、ボトムドレープを具備し、
前記2つ又はそれ以上の孔の各々は、少なくとも1つの前記の2つまたはそれ以上の生理学的監視ラインが前記クッション性物質から前記ボトムドレープの前記上面の上方の位置へ通過できるように調整されている、医療処置用マット及びドレーピングシステム。
【請求項42】
前記ボトムドレープの前記2つ又はそれ以上の孔は、前記生理学的監視ラインにほぼ位置合わせされるように配置されている、請求項41に記載のマット。
【請求項43】
前記ボトムドレープの少なくとも1つの前記2つ又はそれ以上の孔は、前記生理学的監視ラインの1つの前記作動連結にほぼ位置合わせされるように配置されている、請求項41に記載のマット。
【請求項44】
前記ボトムドレープの前記下面は、前記クッション性物質に取外し可能に連結されるように調整されている、請求項43に記載のマット。
【請求項45】
前記ボトムドレープと前記クッション性物質との間の前記取外し可能な連結は、前記ボトムドレープの前記孔と前記クッション性物質の前記作動連結との間の位置合わせが容易になるように配置されたフックとループファスナーを備える、請求項44に記載のマット。
【請求項46】
前記ボトムドレープは、さらに、吸収性物質部を備える、請求項41に記載のマット。
【請求項47】
前記吸収性物質部は、体から流出する流体と医療処置用流体を捕獲するように調整されている、請求項46に記載のマット。
【請求項48】
前記ボトムドレープは、さらに、プライバシーシールドを備える、請求項41に記載のマット。
【請求項49】
前記プライバシーシールドは、前記ボトムドレープの前記上面に連結され、かつ、前記患者のプライベート部を少なくとも部分的に覆うように配置されるように調整された、柔軟性物質を備える、請求項48に記載のマット。
【請求項50】
さらに、を医療処置装置を保持するように調整された、1つあるいはそれ以上コンテナ、トップドレープを備える、請求項41に記載のマット。
【請求項51】
前記トップドレープは、前記ボトムドレープと接続するように調整された、請求項50に記載のマット。
【請求項52】
前記トップドレープは、比較的平坦なワークベンチ面を含む、請求項50に記載のマット。
【請求項53】
前記ワークベンチ面は、1つあるいはそれ以上の外部装置を前記トップドレープに取付ける、取付手段を含む、請求項52に記載のマット。
【請求項54】
医療処置用ドレーピングシステムであって、
医療処置用装置を支えるように調整された、1つ又はそれ以上のコンテナを備える、トップドレープと、
上面と下面を備え、かつ、生理学的監視ラインが当該ボトムドレープを通って前記上面の上方の位置へ通過できるように調整されている、1つ又はそれ以上の孔を備え、
前記トップドレープと前記ボトムドレープが互いに接続される、医療処置用ドレーピングシステム。
【請求項55】
前記トップドレープは、比較的平坦なワークベンチ面を含む、請求項54に記載のマット。
【請求項56】
前記1つ又はそれ以上のコンテナは、前記トップドレープの面に配置された、1つ又はそれ以上のポーチを備える、請求項54に記載のマット。
【請求項57】
前記ボトムドレープは、前記患者の体から流出する流体を捕獲するように調整された吸収性物質部を含む、請求項54に記載のマット。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図8e】
【図9】
【図10】
【図1b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図8e】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2010−517697(P2010−517697A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549244(P2009−549244)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/053366
【国際公開番号】WO2008/098152
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(508286762)アシスト・メディカル・システムズ,インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/053366
【国際公開番号】WO2008/098152
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(508286762)アシスト・メディカル・システムズ,インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】
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