説明

医療外科処置用ハンドピース

本発明は、内部を光ファイバが通過できるように適合化されかつグリップ部分と作用部分とを含む管状本体を備える。これには、処置されるべき組織上へレーザ光を当てる結果として発生する外科手術上の煙を吸引するように意図された、ハンドピース本体内に形成されかつ真空システムへ結合されるように適合化された短縮された長さの管状コンジットを備える一体式の吸煙手段が供給される。これには、脊椎穿刺針を結合するように適合化されたルアー・コーン終端部が提供されることが可能である。
このハンドピース内を低真空にすることにより、レーザの結果として発生する煙及び熱気を原因とする患者の副作用は効果的に回避され、前記煙は発生する同じポイントで吸引される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その新規特徴が本明細書に詳述するように多くの利点をもたらす医療外科処置のためのハンドピースに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の専門の組織治療に従って適合されるハンドピースは、内部を光ファイバ・ケーブルが通過できるように構成される実質的な管状本体を備えていることが周知である。ハンドピースの実質的な管状本体は、大きい方の直径を有するグリップ部分と、小さい方の直径を有する作用部分とを備える。前記作用部分の自由端では、光ファイバの作用端が突き出ている。
【0003】
侵襲性が最も少ない外科処置における光ファイバの使用は、組織内への深い穿通及び最適な凝固の達成を可能にすることから、極めて有効であることが証明されている。
【特許文献1】米国特許第6458125号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この技術を適用すると、組織とレーザ光との相互作用の結果、望ましくない外科手術上の煙が発生する。例えば、レーザによる椎間板除去の場合には、レーザの作用によって生じる煙と熱気とが脊椎内部に圧力を発生させる可能性があり、これが患者の痛みを長引かせる原因となることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、レーザ外科手術の過程における外科手術上の煙の発生に関する上述の問題点を克服することが可能な、同じ目的で今日使用されているハンドピースに代わるハンドピースを提供する。
【0006】
本発明のハンドピースは先に述べたタイプであり、即ちこれは、光ファイバによる外科的ダイオード・レーザ・アプリケーション用に適合されている。これは本質的に、内部を光ファイバが通過できるように適合化された実質的な管状本体を備えている。管状本体はグリップ部分と作用部分とを有し、かつこれは、処置されるべき組織上へレーザ光を当てる結果として発生する外科手術上の煙を吸引するように意図された一体式の吸煙手段を備えている。
【0007】
本発明によれば、好適には、前記一体式の吸煙手段は、ハンドピース本体内に形成される、真空システムへ結合されるように適合化された短縮された長さの管状コンジットを備えている。この管状コンジットはハンドピース本体のグリップ部分に形成されることが可能であり、かつこれは、脊椎穿刺針を取り付けるように適合化されたルアー・コーン終端部を有することが可能である。このハンドピース内を低真空にすることにより、レーザの結果として発生する煙及び熱気を原因とする患者の副作用は効果的に回避される。
【0008】
さらに、本発明のハンドピースを使用すれば、煙は発生する同じポイントで吸引されることから、スペースの節約及び高い効果が達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明による光ファイバを使用する外科手術用ダイオード・レーザ・アプリケーションのためのハンドピースの特徴及び利点は、その好適な実施形態の詳細な説明から明らかとなるであろう。以後の説明は、本明細書に添付された図面を参照する非限定的な例によって行われる。
【0010】
本明細書において本発明のハンドピースの好適な実施形態を説明するために使用する参照数字は、符号の説明の通りである。
【0011】
図に示す、以下で説明する例は、図面では概して(1)で参照されているハンドピースに関連している。ハンドピース(1)は、50μm乃至1500μmの範囲のコア径を有する極めて柔軟な光ファイバによる外科手術用ダイオード・レーザ・アプリケーション用に設計され、良質な切断のための少数の開口ファイバ並びに凝固及び気化のための多数の開口ファイバの双方を受け入れることができる。
【0012】
本明細書に添付された図面に非限定的な例として示すハンドピース(1)は、その内部を光ファイバ(2)が通過できるように適合化された実質的な管状本体を備える。
【0013】
ハンドピース(1)の実質的な管状本体は、グリップ部分(3)と作用部分(4)とを有する。グリップ部分(3)は陽極酸化アルミニウムで製造され、手術者が心地よく持てるように人間工学に基づくデザインを有する。前記グリップ部分(3)は、光ファイバ(2)が挿入される、ねじプラグ(6)を有する第1の端(5)を有する。ねじプラグ(6)は、ハンドピース(1)のグリップ部分(3)の第1の端(5)の内部に受容される。プラグ(6)をハンドピース(1)の前記第1の端(5)へねじ込むと、光ファイバ(2)はハンドピース(1)内を軸方向へ移動できないように閉じ込められた状態になる。プラグ(6)のねじ込みによる光ファイバ(2)の締め付けは、光ファイバ(2)がハンドピース(1)の全体を通過して作用部分(4)の端から僅かに突き出ると実行される。
【0014】
ハンドピース(1)のグリップ部分(3)は、マウスピース(8)が取り付けられる第2の端(7)を有する。マウスピース(8)は、ハンドピース(1)の前記作用部分(4)を画定するものであるカニューレ(9)を受容するという目的を有する。カニューレ(9)は、その内部を光ファイバ(2)が通過できるように適合化された任意の適切な構成を有することが可能である。
【0015】
また、一体式の吸煙手段(10)も供給される。これらの吸煙手段(10)は、処置されるべき組織上へレーザ光を当てることによって発生する外科手術上の煙を吸引するように適合化される。このために、前記手段(10)は、図2に詳述されているように、ハンドピース(1)の本体内へ形成される、コンジット(14)を介して真空システムへ結合されるように適切に適合化される長さが短縮された管状コンジット(11)を備えている。
【0016】
管状コンジット(11)は、ハンドピース(1)のグリップ部分(3)の内側の穴(12)を通るようにして収容される第1の長さ部分(11a)を有する。前記内側の穴(12)はハンドピース(1)の前記グリップ部分(3)の拡大された部分(13)に形成され、ハンドピース(1)の長手軸に対してある角度を形成する。先に述べたように、ハンドピース(1)本体の前記グリップ部分(3)に形成されるコンジット(11)の第1の長さ部分(11a)は、第1の長さ部分(11a)に対してある角度を形成する第2の長さ部分(11b)へと伸長し、よってコンジット(11)の前記第2の長さ部分(11b)は実質的にハンドピース(1)の長手軸に平行である。
【0017】
図面の図3には、マウスピース(8)が脊椎穿刺針(15)を取り付けるためのルアー・コーン終端部を有するハンドピース(1)の一実施形態が示されている。
【0018】
図1に示すハンドピース(1)の構成は、椎間板ヘルニアのレーザ治療等の外科手術において極めて効果的な器具をもたらし、患者側の苦痛を伴う望ましくない副作用が回避される。
【0019】
添付の図面に対応して、本発明の光ファイバによる外科手術用ダイオード・レーザ・アプリケーションのハンドピース(1)を構成するものが十分に記述されていれば、添付の請求の範囲において要約されている本発明の本質的な特徴が変更されない限り、便利であると考えられるどのような詳細な変更も導入され得ることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明によるハンドピースの一実施形態の縦断面図である。
【図2】液体がハンドピースへと供給される部分の拡大立面図である。
【図3】ルアー・コーン終端部を有しかつ内部に脊椎穿刺針が装着されている本発明によるハンドピースの一実施形態の側面図である。
【符号の説明】
【0021】
(1)ハンドピース
(2)光ファイバ
(3)グリップ部分
(4)作用部分
(5)グリップ部分の第1の端
(6)ねじプラグ
(7)グリップ部分の第2の端
(8)マウスピース
(9)カニューレ
(10)吸煙手段
(11)長さが短縮された管状コンジット
(11a)管状コンジットの第1の長さ部分
(11b)管状コンジットの第2の長さ部分
(12)グリップ部分の内側の穴
(13)拡大された部分
(14)真空コンジット
(15)脊椎穿刺針

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を光ファイバ(2)が通過できるように適合化された実質的な管状本体を備える光ファイバによるダイオード・レーザ・アプリケーションのための医療外科処置用ハンドピース(1)であって、前記実質的な管状本体はグリップ部分(3)と作用部分(4)とを有し、処置されるべき組織上へレーザ光を当てる結果として発生する外科手術上の煙を吸引するように意図された一体式の吸煙手段(10)をさらに備えることを特徴とする医療外科処置用ハンドピース。
【請求項2】
前記一体式の吸煙手段(10)は、ハンドピース(1)本体内に形成されかつ真空システムへ結合されるように適合化された短縮された長さの管状コンジット(11)を備えることを特徴とする請求項1に記載のハンドピース(1)。
【請求項3】
前記管状コンジット(11)は、前記ハンドピース(1)本体のグリップ部分(3)に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のハンドピース(1)。
【請求項4】
脊椎穿刺針(15)を結合するように適合化されたルアー・コーン終端部を有することを特徴とする請求項1に記載のハンドピース(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−536963(P2007−536963A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512226(P2007−512226)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/ES2004/000214
【国際公開番号】WO2005/110260
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(505311788)
【出願人】(505311803)
【Fターム(参考)】