医療機器システム及び医療機器
【課題】表示部の表示の正確な認識を可能にし、操作ミスや判断ミスを防止する医療機器システムを提供する。
【解決手段】第1の医療機器20と第2の医療機器20とを有する医療機器システム。第1及び第2の医療機器20は、第1及び第2の医療機器20に関する情報を所定の表示色で夫々表示する第1及び第2の表示ユニット40と、第1及び第2の表示ユニット40の表示色を夫々設定する第1及び第2の色設定部53aとを有する。第1の色設定部53aと第2の色設定部53aとは、第1の表示ユニット40の表示色と第2の表示ユニット40の表示色とを互いに異なった色に設定可能である。
【解決手段】第1の医療機器20と第2の医療機器20とを有する医療機器システム。第1及び第2の医療機器20は、第1及び第2の医療機器20に関する情報を所定の表示色で夫々表示する第1及び第2の表示ユニット40と、第1及び第2の表示ユニット40の表示色を夫々設定する第1及び第2の色設定部53aとを有する。第1の色設定部53aと第2の色設定部53aとは、第1の表示ユニット40の表示色と第2の表示ユニット40の表示色とを互いに異なった色に設定可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器についての情報を表示する表示部を有する医療機器、及び、このような医療機器を複数組み合わせた医療機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な情報を表示する表示部を有する医療機器が用いられている。このような医療機器として、特許文献1には、医療用画像を表示する医療用画像表示装置が開示されている。
【0003】
特許文献1の医療用画像表示装置では、医療用画像を表示するのにLEDを用いている。LEDでは、画像を表示する液晶パネルの裏側に照明用のバックライトが配設されており、液晶パネルにおいて光の透過率を調節することで表示画像の明るさを調節している。
【0004】
医療用画像の観察においては、複数の医療用画像を相互に参照しながら観察する場合がある。このような観察に適するように、複数の医療用画像表示装置を並設し、各々の医療用画像表示装置に医療用画像を表示させることが行われている。この場合、表示画像の色に差があると、医療用画像の対比観察がしにくくなる。
【0005】
このような色の差を低減させるために、特許文献1の医療用画像表示装置では、表示画像の色の調整を可能としている。即ち、バックライトとして、相関色温度の異なる複数の光源を用い、これら光源の光量を夫々調節することにより、バックライトの発光色を調節している。そして、バックライトの発光色の調節によって、表示画像の色を調節し、表示画像間の色の差を低減している。
【特許文献1】特開2003−295154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、医療機器として多種多様のものが用いられるようになっており、複数の医療機器を並設して同時に使用することが行われている。ここで、医療機器の表示部に用いられる表示色は複数の医療機器間で似通っていることがある。このような場合には、他の医療機器の表示部を、目的とする医療機器の表示部と取り違えて、情報を誤認してしまうおそれがある。また、医療機器には、異なった出力レベルが選択可能であるといったように、複数のモード(状態)を有するものがある。ここで、各モードにおける表示部の表示色が似通ったものであると、医療機器がどのモードにあるか誤認してしまうおそれがある。
【0007】
ここで、特許文献1の医療用画像装置では、表示画像の色を調節することが可能である。しかしながら、特許文献1の医療用画像表示装置は、複数の医療用画像表示装置の表示画像の色の間の差を極力低減させることを目的としている。このため、複数の医療用画像表示装置のバックライトの発光色は予めほぼ一致するように製造されており、バックライトの個体間の発光色のばらつきを調節するためにバックライトの色を調節している。即ち、特許文献1の医療用画像表示装置は、微妙な色の差を調節するように構成されている。
【0008】
このため、特許文献1の医療用画像表示装置の色の調節方法は、複数の医療機器又は複数のモードの判別を容易にするための表示色の調節に適用するには、不適切なものである。
【0009】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、表示部の表示の正確な認識を可能にし、操作ミスや判断ミスを防止する医療機器システム及び医療機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、第1の医療機器と、第2の医療機器と、を具備し、前記第1の医療機器は、前記第1の医療機器に関する情報を所定の表示色で表示する第1の表示ユニットと、前記第1の表示ユニットの表示色を設定する第1の色設定部と、を有し、前記第2の医療機器は、前記第2の医療機器に関する情報を所定の表示色で表示する第2の表示ユニットと、前記第2の表示ユニットの表示色を設定する第2の色設定部と、を有し、前記第1の色設定部と前記第2の色設定部とは、前記第1の表示ユニットの表示色と前記第2の表示ユニットの表示色とを互いに異なった色に設定可能である、ことを特徴とする医療機器システムである。
【0011】
そして、本請求項1の発明では、第1の表示ユニットと第2の表示ユニットとは、夫々、第1の医療機器に関する情報と第2の医療機器に関する情報とを相異なる表示色で表示する。
【0012】
請求項2の発明は、前記第1の色設定部は、複数の表示色を登録可能な表示色登録部と、前記表示色登録部に登録されている複数の表示色からいずれかの表示色を選択して設定するための設定スイッチと、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システムである。
【0013】
そして、本請求項2の発明では、第1の表示ユニットは、設定スイッチによって選択され設定された表示色で第1の医療機器に関する情報を表示する。
【0014】
請求項3の発明は、前記表示色登録部には、複数の表示色が順番に登録されており、前記設定スイッチを操作することにより、順番に表示色が選択され設定される、ことを特徴とする請求項2に記載の医療機器システムである。
【0015】
そして、本請求項3の発明では、設定スイッチの操作毎に、第1の表示ユニットの表示色が順番に切替わる。
【0016】
請求項4の発明は、前記第1の表示ユニットは、所定の色で発光可能な発光部と、前記発光部の発光を利用して前記第1の医療機器に関する情報を所定の色で表示する表示部と、を有し、前記発光部は、夫々が三原色の相異なるいずれかの色で発光する第1乃至第3の光源を備え、前記第1の色設定部は、前記第1乃至第3の光源のいずれかの光源を選択する選択スイッチと、選択された光源の光量を調節するための調節部と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システムである。
【0017】
そして、本請求項4の発明では、選択スイッチによって第1乃至第3の光源のいずれかの光源を選択し、選択された光源の光量を調節部によって調節することにより、発光部の発光色を調節して、第1の表示ユニットの表示色を設定する。
【0018】
請求項5の発明は、前記第1乃至第3の光源には、順番が定まっており、前記選択スイッチを操作することにより、順番に光源が選択される、ことを特徴とする請求項4に記載の医療機器システムである。
【0019】
そして、本請求項5の発明では、選択スイッチの操作毎に、調節部によって調節される光源が順番に切替わる。
【0020】
請求項6の発明は、前記第1の表示ユニットは、所定の色で発光する発光部と、前記発光部の発光を利用して前記第1の医療機器に関する情報を所定の色で表示する表示部と、を有し、前記発光部は、夫々が三原色の相異なるいずれかの色で発光する第1乃至第3の光源を備え、前記第1の色設定部は、前記第1乃至第3の光源の光量を夫々調節するための第1乃至第3の調節部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システムである。
【0021】
そして、本請求項6の発明では、第1乃至第3の調節部によって夫々第1乃至第3の光源の光量を調節することにより、光源の発光色を調節して、第1の表示ユニットの表示色を設定する。
【0022】
請求項7の発明は、前記第1の医療機器は、前記第1の色設定部で設定された前記第1の表示ユニットの表示色に関する情報を前記第1の色設定部から取得し、前記第2の医療機器へと送信する送信手段をさらに有し、前記第2の医療機器は、前記送信手段から送信された前記第1の表示ユニットの表示色に関する情報を受信する受信手段をさらに有し、前記第2の色設定部は、前記受信手段から前記第1の表示ユニットの表示色に関する情報を取得し、前記第2の表示ユニットの表示色が前記第1の表示ユニットの表示色と同一に設定されるのを禁止する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システムである。
【0023】
そして、本請求項7の発明では、第1の医療機器から第2の医療機器へと第1の表示ユニットの表示色に関する情報を伝達し、そして、第2の表示ユニットの表示色が第1の表示ユニットの表示色と同一に設定されることを禁止する。
【0024】
請求項8の発明は、前記第2の色設定部は、設定されている前記第2の表示ユニットの表示色が前記第1の表示ユニットの表示色と同一である場合には、前記第2の表示ユニットの表示色を前記第1の表示ユニットの表示色と異なったものに自動的に変更する、ことを特徴とする請求項7に記載の医療機器システムである。
【0025】
そして、本請求項8の発明では、前記第2の表示ユニットの表示色が、前記第1の表示ユニットの表示色と異なったものに自動的に変更される。
【0026】
請求項9の発明は、複数のモードを有する医療機器であって、前記医療機器が複数のモードのいずれのモードにあるかを検知するモード検知部と、前記医療機器に関する情報を所定の表示色で表示する表示ユニットと、前記モード検知部によって検知されたモードに応じて、前記表示ユニットの表示色をモード毎に相異なる表示色に設定する色設定部と、を具備することを特徴とする医療機器である。
【0027】
そして、本請求項9の発明では、医療機器のモードに応じて、表示ユニットの表示色が切替わる。
【0028】
請求項10の発明は、前記モードを切替えるための切替スイッチをさらに具備する、ことを特徴とする請求項9に記載の医療機器である。
【0029】
そして、本請求項10の発明では、切替スイッチへの操作によって医療機器のモードが切替わり、表示ユニットの表示色が切替わる。
【0030】
請求項11の発明は、前記複数のモードは、前記医療機器が通常の作動状態にある少なくとも1つの通常モードと、前記医療機器に異常が発生している警告モードと、を有し、前記色設定部は、前記医療機器が所定の通常モードにある場合には表示色を所定の基調色に設定し、前記医療機器が他の通常モードにある場合には表示色を前記基調色の調和色に設定し、前記医療機器が警告モードにある場合には表示色を前記基調色の補色に設定する、ことを特徴とする請求項9に記載の医療機器である。
【0031】
そして、本請求項11の発明では、医療機器が警告モードにある場合には、通常モードの基調色の補色である表示色で表示ユニットの表示を行う。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、表示部の表示の正確な認識が可能となり、操作ミスや判断ミスが防止されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図4を参照して説明する。本実施形態の医療機器システムは、複数の医療機器を有する。図1に示されるように、これら医療機器20は、生体の観察、検査、処理等を行うためのハンドピース22を有する。このハンドピース22からケーブル24が延出されており、ケーブル24の延出端部は筐体26に接続されている。この筐体26は、生体の観察、検査、処理等に利用される光、各種信号、エネルギー等をケーブル24を介してハンドピース22に供給する。また、ハンドピース22から、各種信号等がケーブル24を介して筐体26に伝達される。
【0034】
筐体26の前面には、医療機器20に関する情報を操作者に告知するための表示部28が配設されている。表示部28に表示される医療機器20に関する情報としては、電源のON/OFF、筐体26に接続されているハンドピース22の種類、出力レベル等の各種設定、及び、医療機器20に異常が発生した場合の警告等がある。また、筐体26の前面には、表示部28の表示色を設定するための表示設定スイッチ30が配設されている。さらに、筐体26には、筐体26からハンドピース22への出力を操作するための出力スイッチ32が接続されている。
【0035】
図2に示されるように、出力スイッチ32への入力は、筐体26の出力スイッチ検知部34によって検知される。出力スイッチ32への入力を検知した出力スイッチ検知部34は、制御部36に出力信号を出力する。出力信号を入力された制御部36は、出力回路38を制御して、出力回路38からハンドピース22へとエネルギーを供給させる。ハンドピース22は、供給されたエネルギーを利用して生体に処置等を行う。
【0036】
また、制御部36は、医療機器20に関する情報を検知する。この情報を検知した制御部36は、情報信号を表示ユニット40に出力し、表示ユニット40は、医療機器20に関する情報を所定の表示色で表示する。この表示ユニット40は、医療機器20に関する情報を操作者に告知するための上述した表示部28を有する。本実施形態では、表示部28として、数字等の文字及び図形等を表示可能な液晶パネルが用いられている。この液晶パネルの裏側には、バックライトとして機能する発光部42が配設されている。発光部42は、所定の色で発光可能であり、発光部42の発光色が表示ユニット40の表示色となる。
【0037】
以下、発光部42の発光色を調整して、表示ユニット40の表示色を調節するための構成を説明する。筐体26の表示設定スイッチ30への入力は、設定スイッチ検知部44によって検知される。表示設定スイッチ30への入力を検知した設定スイッチ検知部44は、設定信号を制御部36に出力する。制御部36には設定番号Nが記憶されており、設定信号を入力された制御部36は設定番号をNからN+1へと更新する。
【0038】
一方、制御部36には、M個の表示色が登録されており、各表示色には1からMまでの登録番号が順番に付されている。即ち、制御部36は、複数の表示色を登録可能な表示色登録部としての機能を有する。登録されている表示色は、どんな色でもよいが、視認しやすいように明るい色が好ましい。
【0039】
そして、制御部36は、設定番号に対応する登録番号が付されている表示色を選択する。なお、制御部36に記録されている設定番号がN=Mである場合には、設定信号を入力された制御部36は設定番号をN=MからN=1へと更新する。制御部36は、選択された表示色についての色設定信号を表示色調整部46に出力する。
【0040】
この表示色調整部46は、表示ユニット40の発光部42の発光色を調整して、選択された表示色を実現する。即ち、図3に示されるように、発光部42は、三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)に夫々発光する第1乃至第3の光源48a,48b,48cを有する。本実施形態では、第1乃至第3の光源48a,48b,48cとして、夫々、赤色LED、緑色LED、青色LEDを用いている。制御部36からの色設定信号は、表示色調整部46の輝度調節部50に入力される。輝度調節部50は、入力された表示色を実現するような第1乃至第3の光源48a,48b,48cの夫々の輝度を算出し、かかる輝度を実現するような第1乃至第3の光源48a,48b,48cへの負荷電圧を夫々算出する。輝度調節部50は、算出した各負荷電圧についての各デジタルデータを夫々第1乃至第3のDAC(DAコンバータ)52a,52b,52cに出力する。これら第1乃至第3のDAC52a,52b,52cを介して、第1乃至第3の光源48a,48b,48cの輝度が夫々調節され、発光部42の発光色が調節される。
【0041】
このように、本実施形態では、表示設定スイッチ30、設定スイッチ検知部44、制御部36及び表示色調整部46によって、表示ユニット40の表示色を設定する色設定部53aが形成されている。
【0042】
次に、本実施形態の医療機器システムの作用について説明する。本実施形態の医療機器システムを用いるに際しては、複数の医療機器20の表示ユニット40の表示色を夫々設定する。
以下、図4のフローチャートを用いて、表示色の設定について説明する。
【0043】
電源ON(S11)
医療機器20の電源をONにする。
【0044】
表示設定スイッチへの入力?(S12)
表示設定スイッチ30に入力がされたか否か判断する。
【0045】
設定番号の更新 N→N+1(S13)
表示設定スイッチ30に入力がされた場合には、設定スイッチ検知部44によって表示設定スイッチ30への入力が検知される。そして、設定スイッチ検知部44から制御部36に設定信号が入力され、制御部36は設定番号をNからN+1へと更新する。
なお、表示設定スイッチ30に入力がされなかった場合には、ステップS12からステップS14へと進む。
【0046】
表示色の設定(S14)
制御部36は、設定番号に対応する登録番号が付されている表示色を選択する。このようにして、表示ユニット40の表示色が設定される。
【0047】
設定された表示色による表示(S15)
制御部36は、表示色についての色設定信号を表示色調整部46に入力する。表示色調整部46は、第1乃至第3の光源48a,48b,48cの輝度を調節し、発光部42を設定された表示色で発光させる。そして、制御部36から表示ユニット40へと情報信号が出力され、設定された表示色で医療機器20に関する情報が表示部28に表示される。
【0048】
電源OFF?(S16)
医療機器20を用いた観察、検査、処置等が終了した場合には、電源をOFFにして操作を終了する。
【0049】
このように医療機器20の表示色を設定する際には、複数の医療機器20の表示色が互いに異なるように設定を行う。そして、複数の医療機器20を同時に用いて観察、検査、処置等を行う場合には、表示部28の表示色に基づいて、その表示部28がどの医療機器20の表示部28か、即ち、その表示部28がどの医療機器20に関する情報を表示しているか判別する。そして、どの医療機器20に関するものか判別された情報からその医療機器20の状態を把握し、把握された状態に基づいて医療機器20による観察、検査、処置等を行う。
【0050】
従って、本実施形態の医療機器システムは次の効果を奏する。本実施形態の医療機器システムでは、複数の医療機器20の表示部28の表示色を互いに異なった表示色に設定している。このため、目的とする医療機器20の表示部28と他の医療機器20の表示部28とを取り違えて情報を誤認してしまうことが回避されている。従って、複数の医療機器20を用いる場合において、操作ミスや判断ミスが防止されている。
【0051】
特に、互いに類似する外観を有する多数の医療機器20を、狭いエリア内に互いに隣接して配置している場合には、表示部28の表示色が似通ったものであると、複数の表示部28を判別することが非常に困難となる。このような場合には、上記効果が特に顕著に発揮される。
【0052】
なお、本実施形態では、表示部28として液晶パネルを用いているが、数字等の文字を表示する7セグメント表示部を用いてもよい。また、表示部28としてガラス窓を用い、制御部36によって発光部42を点灯、点滅、消灯させることにより、医療機器20に関する情報を告知するようにしてもよい。
【0053】
図5乃至図7は、本発明の第2実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の医療機器は、第1実施形態の医療機器とは、表示ユニットの表示色を設定する色設定部の構成が異なっている。
【0054】
図3、図5及び図6を参照し、本実施形態の医療機器20の筐体26の前面には、発光部42の第1乃至第3の光源48a,48b,48cのいずれかの光源48a,48b,48c、即ち、三原色のいずれかの色を選択するための色選択スイッチ54が配設されている。また、医療機器20の筐体26の前面には、選択された光源48a,48b,48cの輝度を調節し、選択された色の発光色に占める割合を変化させて発光色を設定する調節部56が配設されている。この調節部56は、輝度を増加させるUPスイッチ56aと、低下させるDOWNスイッチ56bとを有する。
【0055】
色選択スイッチ54への入力は、色調節スイッチ検知部58によって検知される。色選択スイッチ54への入力を検知した色調節スイッチ検知部58は、制御部36を介して選択信号を表示色調整部46に出力する。ここで、表示色調整部46は、R(赤)設定状態、G(緑)設定状態、B(青)設定状態のいずれかの設定状態を取り得る。そして、表示色調整部46への選択信号の入力毎に、表示色調整部46の設定状態は、R設定状態→G設定状態→B設定状態→R設定状態のように循環的に切替わる。
【0056】
また、UPスイッチ56a及びDOWNスイッチ56bへの入力は、色調節スイッチ検知部58によって検知される。UPスイッチ56aへの入力を検知した色調節スイッチ検知部58は、制御部36を介してUP信号を表示色調整部46に出力する。UP信号を入力された表示色調整部46は、表示色調整部46がR設定状態にある場合には、赤色に発光する第1の光源48aの輝度を所定量だけ増大させて、発光部42の発光色に占める赤の割合を所定量だけ増大させる。同様に、表示色調整部46がGあるいはB設定状態にある場合には、発光部42の発光色に占める緑あるいは青の割合が所定量だけ増大される。一方、DOWNスイッチ56bへの入力により、光源48a,48b,48cの輝度が所定量だけ減少され、発光部42の発光色に占める赤、緑あるいは青の割合が所定量だけ減少される。このようにして、発光部42の発光色が調節される。
【0057】
このように、本実施形態では、色選択スイッチ54、UPスイッチ56a、DOWNスイッチ56b、色調節スイッチ検知部58、制御部36及び表示色調整部46によって、表示ユニット40の表示色を設定する色設定部53bが形成されている。
【0058】
次に、本実施形態の医療機器システムの作用について、図7のフローチャートを用いて説明する。第1実施形態と同様な工程については、詳細な説明を省略する。
【0059】
電源ON(S21)
医療機器20の電源をONにする。
【0060】
色選択スイッチへの入力?(S22)
色選択スイッチ54に入力がされたか否か判断する。
【0061】
R設定状態→G設定状態→B設定状態→R設定状態(S23)
色選択スイッチ54に入力がされた場合には、色調節スイッチ検知部58によって色選択スイッチ54への入力が検知される。そして、色調節スイッチ検知部58から制御部36を介して選択信号が表示色調整部46に出力され、表示色調整部46の設定状態が、R設定状態からG設定状態へと、G設定状態からB設定状態へと、あるいは、B設定状態からR設定状態へと切替わる。
【0062】
色選択スイッチ54に入力がされない場合には、ステップS22からステップS24へと進む。
【0063】
UPスイッチあるいはDOWNスイッチへの入力?(S24)
UPスイッチ56aあるいはDOWNスイッチ56bに入力がされたか否か判断する。
【0064】
設定状態に対応する光源の輝度の増大あるいは減少(S25)
UPスイッチ56aに入力がされた場合には、UPスイッチ56aへの入力が、色調節スイッチ検知部58によって検知される。そして、色調節スイッチ検知部58から制御部36を介してUP信号が表示色調整部46に出力される。UP信号を入力された表示色調整部46は、設定状態に対応する光源48a,48b,48cの輝度を増大させる。即ち、表示色調整部46がR、GあるいはB設定状態にある場合には、赤色、緑色あるいは青色に夫々発光する第1乃至第3の光源48a,48b,48cの輝度を所定量だけ増大させる。
【0065】
同様に、DOWNスイッチ56bに入力がされた場合には、設定状態に対応する光源48a,48b,48cの輝度を減少させる。
【0066】
このようにして、発光部42の発光色に占める赤、緑、青の割合を所定量だけ増減させ、表示ユニット40の表示色を設定する。
【0067】
UPスイッチ56aあるいはDOWNスイッチ56bに入力がされなかった場合には、ステップS24からステップS26へと進む。
【0068】
設定された表示色による表示(S26)
医療機器20に関する情報を設定された表示色で表示部28に表示する。
電源OFF?(S27)
医療機器20を用いた観察等が終了した場合には、電源をOFFにして操作を終了する。
【0069】
従って、本実施形態の医療機器システムは次の効果を奏する。本実施形態では、色選択スイッチ54によって、三原色の相異なるいずれかの色で夫々発光する第1乃至第3の光源48a,48b,48cのいずれかの光源48a,48b,48cを選択し、選択された光源48a,48b,48cの輝度をUPスイッチ56aあるいはDOWNスイッチ56bによって増減させることにより、発光部42の発光色を調節している。即ち、表示ユニット40の表示色を操作者の所望の色に調節することが可能となっており、複数の表示部28を判別することが容易になるような表示色を高い自由度で設定することが可能となっている。
【0070】
図8及び図9は、本発明の第3実施形態を示す。第2実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の医療機器は、第2実施形態の医療機器とは、表示ユニットの表示色を設定する色設定部の構成が異なっている。
【0071】
図8及び図9に示されるように、本実施形態の筐体26の前面には、表示色における赤色、緑色、青色の割合を夫々調節するための、第1乃至第3の調節部としての第1乃至第3のボリュームつまみ60a,60b,60cが配設されている。これら第1乃至第3のボリュームつまみ60a,60b,60cを回転操作することにより、発光部42の第1乃至第3の光源48a,48b,48cへの負荷電圧が夫々調節され、第1乃至第3の光源48a,48b,48cの輝度が夫々調節される。このようにして発光部42の発光色が調節され、表示色が設定される。
【0072】
従って、本実施形態の医療機器システムは次の効果を奏する。本実施形態では、ボリュームつまみ60a,60b,60cを回転操作することにより、光源48a,48b,48cの輝度を連続的に調節することが可能となっている。このため、第2実施形態のように、操作毎に光源48a,48b,48cの輝度を所定量だけ離散的に増減させるUPスイッチ56a及びDOWNスイッチ56bを用いる場合に比べて、光源48a,48b,48cの輝度を微妙に調節でき、表示色を微妙に設定することが可能となっている。
【0073】
図10乃至図12は、本発明の第4実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の医療機器は、医療機器のモードに応じて、表示ユニットの表示色を切替えるようにしたものである。
【0074】
図10及び図11に示されるように、筐体26の前面には、医療機器20のモード(状態)を切替える切替スイッチ62が配設されている。本実施形態では、医療機器20はモードA、モードB、モードCの3つのモードを取り得、切替スイッチ62への入力により、医療機器20のモードは、モードA→モードB→モードC→モードAのように循環的に切替わる。医療機器20のモードとしては、ハンドピース22への出力レベル等が選択され得る。
【0075】
切替スイッチ62への入力は、切替スイッチ検知部64によって検知される。切替スイッチ62への入力を検知した切替スイッチ検知部64はモード切替部66に切替信号を出力し、モード切替部66は医療機器20のモードを切替える。医療機器20のモードの切替は制御部36によって検知され、制御部36はモードデータを表示色調整部46に出力する。即ち、制御部36は、医療機器20のモードを検知するモード検知部としての機能を有する。表示色調整部46には、医療機器20の各モードに対応して互いに異なる表示色が登録されており、モードデータを入力された表示色調整部46は、モードに対応する表示色を選択する。そして、表示色調整部46は、発光部42の発光色を選択された表示色へと調節する。このようにして、表示ユニット40の表示色が設定される。
【0076】
このように、本実施形態では、切替スイッチ62、切替スイッチ検知部64、モード切替部66、制御部36及び表示色調整部46によって、表示ユニット40の表示色を設定する色設定部53cが形成されている。
【0077】
次に、本実施形態の医療機器システムの作用について説明する。
以下、図12のフローチャートを用いて、表示色の設定について説明する。
【0078】
電源ON(S31)
医療機器20の電源をONにする。
【0079】
切替スイッチへの入力?(S32)
切替スイッチ62に入力がされたか否か判断する。
【0080】
モードA→モードB→モードC→モードA(S33)
切替スイッチ62に入力がされた場合には、切替スイッチ検知部64によって切替スイッチ62への入力が検知される。そして、切替スイッチ検知部64からモード切替部66に切替信号が入力され、医療機器20のモードが、モードA→モードB、モードB→モードC、あるいは、モードC→モードAへと切替えられる。
切替スイッチ62に入力がされない場合には、ステップS32からステップS34へと進む。
【0081】
モードに対応する表示色の選択(S34)
医療機器20のモードは制御部36によって検知され、制御部36から表示色調整部46にモードデータが出力され、表示色調整部46はモードに対応する表示色を選択する。そして、表示色調整部46は、発光部42の発光色を選択された表示色へと調節する。このようにして、表示ユニット40の表示色が設定される。
【0082】
設定された表示色による表示(S35)
設定された表示色で、医療機器20に関する情報を表示部28に表示する。
【0083】
電源OFF?(S36)
医療機器20を用いた観察等が終了した場合には、電源をOFFにして操作を終了する。
【0084】
複数のモードを有する医療機器20を用いて観察等を行う場合には、表示部28の表示色に基づいて、医療機器20がいずれのモードにあるか判別する。そして、いずれのモードに関するものか判別された情報から、その医療機器20の状態を把握し、把握された状態に基づいて医療機器20による観察等を行う。
【0085】
従って、本実施形態の医療機器システムは次の効果を奏する。本実施形態の医療機器システムでは、医療機器20のモード毎に表示部28の表示色を互いに異なった表示色に設定している。このため、医療機器20がどのモードにあるか誤認することが回避され、複数のモードを有する医療機器20を用いる場合において、操作ミスや判断ミスが防止されている。
【0086】
特に、複数のモードにおいて表示される情報が、互いにそれほど異なったものでない場合には、表示部28の表示色が複数のモード間で似通ったものであると、医療機器20がいずれのモードにあるか判別することが困難になる。このような場合には、上記効果が特に顕著に発揮される。
【0087】
以下、本発明の第4実施形態の変形例について説明する。本変形例では、医療機器20のモードを切替える切替スイッチ62を用いず、接続されたハンドピース22の種類によって医療機器20のモードが切替わるようにしている。このため、表示色に基づいて、医療機器20のモードを判別することができると共に、ハンドピース22の種類を識別することが可能となっている。
【0088】
図13及び図14は、本発明の第5実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の医療機器は、医療機器が警告モードにある場合には、通常モードにある場合とは異なった表示色で表示を行うようにしたものである。
【0089】
図13を参照し、本実施形態の医療機器20は、医療機器20が通常の作動状態にある通常モードと、医療機器20に異常が発生している警告モードとを有する。そして、医療機器20は、表示色調整部46とは独立に、警告モードにおいて作動する警告時専用表示色調整部68を有する。
【0090】
医療機器20の制御部36は、医療機器20の異常を検知する。そして、異常を検知した制御部36は、医療機器20を通常モードから警告モードに切替え、表示色調整部46には停止信号を、警告時専用表示色調整部68には作動信号を出力する。作動信号を入力された警告時専用表示色調整部68は、表示ユニット40の表示色を、警告時専用表示色調整部68に登録されている所定の表示色に設定する。制御部36は、この所定の表示色で表示部28に警告を表示させる。
【0091】
ここで、表示設定スイッチ30、設定スイッチ検知部44及び表示色調整部46の構成は、第1実施形態と同様であり、表示色調整部46に登録されている複数の表示色から所定の表示色を設定することが可能である。ここで、表示色調整部46に登録されている複数の表示色は所定の基調色を含み、その他の登録されている表示色はこの基調色の調和色となっている。そして、警告時専用表示色調整部68に登録されている表示色は、この基調色の補色となっている。例えば、医療機器20が通常モードにある場合の表示色を青系統の色とし、医療機器20が警告モードにある場合の表示色を黄系統の色とすることが可能である。
【0092】
さらに、医療機器20が警告モードにある場合には、発光部42の輝度全体を通常モードにある場合よりも増大するようにしてもよい。また、医療機器20が警告モードにある場合には、通常モードの基調色の補色である所定の基調色を基準とする調和色間で,循環的に表示色が変化するようにしてもよい。
【0093】
このように、本実施形態では、表示設定スイッチ30、設定スイッチ検知部44、制御部36、表示色調整部46、警告時専用表示色調整部68によって、表示ユニット40の表示色を設定する色設定部53dが形成されている。
【0094】
次に、本実施形態の医療機器システムの作用について説明する。
【0095】
電源ON(S41)
医療機器20の電源をONにする。
【0096】
表示色の設定 設定された表示色による表示(S42)
第1実施形態と同様に表示色を設定し、設定された表示色で表示を行う。
【0097】
異常発生?(S43)
医療機器20に異常が発生したか否か判断する。
【0098】
表示色調整部OFF 警告時専用表示色調整部ON(S44)
医療機器20に異常が発生した場合には、制御部36によって異常が検知される。異常を検知した制御部36は、表示色調整部46を停止すると共に、警告時専用表示色調整部68を作動させる。
【0099】
警告時専用表示色調整部が表示色を設定 警告の表示(S45)
警告時専用表示色調整部68は、表示ユニット40の表示色を、警告時専用表示色調整部68登録されている所定の表示色に設定する。この所定の表示色で、表示部28に警告が表示される。ここで、警告モードの表示色は、通常モードの表示色の補色となっている。
【0100】
通常状態に復帰?(S46)
医療機器20が通常状態に復帰したか否か判断する。通常状態に復帰していない場合には、医療機器20の操作を停止する。通常状態に復帰した場合には、医療機器20の操作を続行する。
【0101】
なお、異常が発生しなかった場合には、ステップS43からステップS47へと進む。
【0102】
電源OFF?(S47)
医療機器20を用いた観察等が終了した場合には、電源をOFFにして操作を終了する。
【0103】
医療機器20を用いて観察等を行う際、表示部28に警告が表示された場合には、医療機器20に異常が発生したと判断して観察等を中断し、医療機器の復帰作業を行う。
【0104】
従って、本実施形態の医療機器システムは次の効果を奏する。本実施形態の医療機器20では、警告を表示する際の表示色が、医療機器20の通常モードの表示色の補色となっている。このため、警告表示に気づきやすくなっており、警告表示を見逃してしまうことが防止されている。
【0105】
図15乃至図17は、本発明の第6実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の医療機器システムは、複数の医療機器間で表示色の設定情報を互いに送受信し、複数の医療機器間で表示色が互いに異なったものとなるようにしている。
【0106】
図15及び図16に示すように、本実施形態の医療機器システムは、第1及び第2の医療機器20a,20bを有する。これら第1及び第2の医療機器20a,20bは、第1実施形態の医療機器20(図1及び図2参照)と以下の構成が異なっている。
【0107】
即ち、第1及び第2の医療機器20a,20bは、夫々、表示色の設定情報を互いに送受信するための第1及び第2の通信部70a,70bを有する。これら第1の通信部70aと第2の通信部70bとは、通信ケーブル72によって互いに接続されている。なお、第1の通信部70aと第2の通信部70bとの間の通信方法としては、RS232、LAN等の有線通信を用いてもよいし、無線LAN、Bluetooth、IrDA等の無線通信を用いてもよい。
【0108】
第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色は、夫々、第1実施形態と同様に第1及び第2の表示設定スイッチ30a,30bによって設定される。即ち、第1及び第2の表示設定スイッチ30a,30bによって、夫々、第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色を設定するための第1及び第2の設定番号N1、N2が設定される。
【0109】
ここで、第1の医療機器20aの第1の制御部36aは、設定されている第1の設定番号N1の番号データを第1の通信部70aに出力し、第1の通信部70aは、この番号データを第2の通信部70bに送信する。番号データを受信した第2の通信部70bは、第2の医療機器20bの第2の制御部36bに番号データを出力する。
【0110】
第2の制御部36bは、第1の医療機器20aの第1の設定番号N1を記憶すると共に、第1の医療機器20aの第1の設定番号N1と、第2の制御部36bで設定されている第2の設定番号N2とを比較する。第2の制御部36bは、第1の設定番号N1と第2の設定番号N2とが等しい場合には、第2の設定番号N2をN2から例えばN2+1へと更新する。また、第2の制御部36bは、次の送受信まで、第2の設定番号N2が、記録されている第1の設定番号と等しく設定されることを禁止する。例えば、N2=N1−1である場合に、第2の設定スイッチへの入力がなされた場合には、N2はN1+1へと更新される。即ち、第2の制御部36bは、次の送受信まで、第2の医療機器20bの表示色が、直前の送受信時の第1の医療機器20aの表示色と同一となることを禁止する。
【0111】
さらに、第2の制御部36bは、設定されている又は更新された第2の設定番号N1のデータを第2の通信部70bに出力し、第2の通信部70bは、このデータを第1の通信部70aに送信する。このデータを受信した第1の通信部70aは、第1の制御部36aにデータを出力する。第1の制御部36aは、第2の設定番号N2を記憶すると共に、次の送受信まで、第1の設定番号N1が、記録されている第2の設定番号N2と同一に設定されることを禁止する。即ち、第1の制御部36aは、次の送受信まで、第1の医療機器20aの表示色が、直前の送受信時の第2の医療機器20bの表示色と同一となることを禁止する。
【0112】
このような第1の通信部70aと第2の通信部70bとの間の送受信は、ポーリング等を用いて定期的に行われる。
【0113】
次に、本実施形態の医療機器20の作用について説明する。
【0114】
以下、図17のフローチャートを用いて、第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色の設定について説明する。
【0115】
第1及び第2の医療機器
第1及び第2の設定番号N1,N2を送受信(S51)
第1及び第2の医療機器20a,20bの電源をONにした後、第1及び第2の表示色設定スイッチによって、第1及び第2の設定番号N1、N2を夫々設定することにより、第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色が夫々設定される。
【0116】
第1及び第2の医療機器20a,20bは、設定された第1及び第2の設定番号N1、N2の番号データを第1及び第2の通信部70a,70bを介して互いに送受信する。
【0117】
N1とN2とが異なっているか?(S52)
第1の設定番号N1を入力された第2の医療機器20bの第2の制御部36bは、入力された第1の設定番号N1と、第2の制御部36bで設定されている第2の設定番号N2とを比較する。
【0118】
第2の医療機器 N2→N2+1(S53)
第2の制御部36bは、第1の設定番号N1と第2の設定番号N2とが等しい場合には、第2の設定番号N2をN2からN2+1へと更新する。即ち、第2の医療機器20bの表示色は、第1の医療機器20aの表示色とは異なった表示色に自動的に変更される。
【0119】
なお、第1の設定番号N1と第2の設定番号N2とが異なっている場合には、ステップS52からステップS54へと進む。
【0120】
第1の医療機器 N1=N2を禁止 第2の医療機器 N2=N1を禁止(S54)
第1及び第2の制御部36a,36bは、夫々、入力された第2及び第1の設定番号N2,N1を記録する。そして、第1の制御部36aは、次の送受信まで、第1の設定番号N1が、記録されている第2の設定番号N2と等しく設定されることを禁止する。同様に、第2の制御部36bは、次の送受信まで、第2の設定番号N2が、記録されている第1の設定番号N1と等しく設定されることを禁止する。
【0121】
このように、第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色を設定する際、第1の医療機器20aと第2の医療機器20bとの表示色が同一となった場合には、自動的に第2の医療機器20bの表示色が変更される。そして、次の送受信まで、第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色が、夫々、直前の送受信時の第2及び第1の医療機器20b,20aの表示色と同一となることが禁止される。
【0122】
なお、第1の医療機器20aと第2の医療機器20bとの表示色の両方を再設定した場合には、第1の医療機器20aと第2の医療機器20bとの表示色は、直前の送受信時の第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色の両方と異なる同一の表示色に設定される場合がある。この場合には、次の送受信時に、第2の医療機器20bの表示色が、第1の医療機器20aの表示色と異なるように変更される。
【0123】
従って、本実施形態の医療機器システムは次の効果を奏する。本実施形態では、第1の医療機器20aと第2の医療機器20bとの間で表示色の設定情報を互いに送受信し、第1の医療機器20aと第2の医療機器20bとの表示色が互いに異なったものとなるように第1及び第2の制御部36a,36bで制御を行っている。このため、操作者自身が、第1の医療機器20aと第2の医療機器20bとの表示色が異なったものとなるように注意する必要がなく、表示色の設定が簡便なものとなっている。
【0124】
本実施形態では、第1の通信部70aと第2の通信部70bとの間の送受信は、ポーリング等を用いて定期的に行われている。代わって、医療機器20の電源を投入した後の初期設定の直後、医療機器20の表示色を設定した直後等に送受信を行うようにしてもよい。
【0125】
上述した実施形態において、各種スイッチ等は筐体26の前面に配設されているが、筐体26の背面等、筐体26のどこに配設されていてもよい。
【0126】
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1)
・医療機器には、光や電気信号やエネルギーなどを生成し、生体とは離れた位置に配置される筺体と、前記筺体に接続し、生体に対して観察や検査や処置の少なくとも1つに用いられるハンドピースとからなるものがある。
・第1の医療機器には、第1の医療機器の動作状態を所定の色の発行によって表示する第1の表示灯が設けられている。
・第2の医療機器には、前記第1の表示灯に表示された色とは異なる色の発光によって第2の医療機器の動作状態表示する第2の表示灯が設けられている。
【0127】
(付記項2)
・医療機器には、光や電気信号やエネルギーなどを生成し、生体とは離れた位置に配置される筺体と、前記筺体に接続し、生体に対して観察や検査や処置の少なくとも1つに用いられるハンドピースとからなるものがある。
・第1の医療機器には、第1の医療機器の動作状態を所定の色の発光によって表示する第1の表示灯と、第1の表示灯の発光色を所望の色に設定可能な第1の色設定手段を具備する。
・第2の医療機器には、第2の医療機器の動作状態を所定の色の発光によって表示する第2の表示灯と、第2の表示灯の発光色を前記第1の表示される色とは異なる所望の色に設定可能な第2の色設定手段を具備する。
【0128】
(付記項3)
・医療機器には、複数のモード(状態)が存在するものがある。
・この医療機器には、以下の機能を備えた表示灯を具備する。
・医療機器の第1の動作状態では、その動作状態を所定の色の発光によって表示する。
・医療機器の第2の動作状態では、その動作状態を、前記第1の動作状態での表示色とは異なる色の発光によって表示する。
【0129】
(付記項4)
・付記項3にかかる発明
・第1の動作状態の表示色を、所望の色に設定可能な第1の色設定手段を具備する。
・第2の動作状態の表示色を、前記第1の表示色とは異なる所望の色に設定可能な第2の色設定手段を具備する。
【0130】
(付記項5)
・付記項3にかかる発明
・医療機器の動作状態のうち、警告状態の表示色設定手段は、他の動作状態での設定手段とは分離して具備したことを特徴とする。
【0131】
(付記項6)
・付記項1、付記項2、又は、付記項3にかかる発明
・表示灯が、三原色LEDにより構成されていることを特徴とする。
【0132】
(付記項7)
第1の医療機器と、前記第1の医療機器に関する情報を表示する第1の表示部と、前記第1の医療機器に関する情報に対応する色を設定する第1の色設定部と、前記第1の色設定部で設定した色を前記第1の表示部に発光する第1の発光部と、前記第1の表示部に表示させる前記第1の医療機器に関する情報を検知して、この検知した情報に対応する前記第1の色設定部で設定した色を前記第1の発光部に発光させる制御を行う第1の制御部と、前記第1の色設定部で設定した第1の色情報を外部へ送信する第1の通信部と、第2の医療機器と、前記第2の医療機器に関する情報を表示する第2の表示部と、前記第1の通信部が送信する第1の色情報を受信する第2の通信部と、前記第2の医療機器に関する情報に対応するとともに前記第2の通信部で受信した前記第1の色情報と異なる色を設定する第2の色設定部と、前記第2の色設定部で設定した色を前記第2の表示部に発光する第2の発光部と、前記第2の表示部に表示させる前記第2の医療機器に関する情報を検知して、この検知した情報に対応する前記第2の色設定部で設定した色を前記第2発光部に発光させる制御を行う第2の制御部と、を具備することを特徴とする医療機器システム。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、表示部の表示の正確な認識を可能にし、操作ミスや判断ミスを防止する、医療機器についての情報を表示する表示部を有する医療機器、及び、このような医療機器を複数組み合わせた医療機器システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の第1実施形態の医療機器を示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態の医療機器を示すブロック図。
【図3】本発明の第1実施形態の医療機器の表示色調整部を説明するためのブロック図。
【図4】本発明の第1実施形態の医療機器における表示色の設定を説明するためのフローチャートを示す図。
【図5】本発明の第2実施形態の医療機器を示す斜視図。
【図6】本発明の第2実施形態の医療機器を示すブロック図。
【図7】本発明の第2実施形態の医療機器における表示色の設定を説明するためのフローチャートを示す図。
【図8】本発明の第3実施形態の医療機器を示す斜視図。
【図9】本発明の第3実施形態の医療機器の表示色調整部を説明するためのブロック図。
【図10】本発明の第4実施形態の医療機器を示す斜視図。
【図11】本発明の第4実施形態の医療機器を示すブロック図。
【図12】本発明の第4実施形態の医療機器における表示色の設定を説明するためのフローチャートを示す図。
【図13】本発明の第5実施形態の医療機器を示すブロック図。
【図14】本発明の第5実施形態の医療機器における表示色の設定を説明するためのフローチャートを示す図。
【図15】本発明の第6実施形態の医療機器システムを示す斜視図。
【図16】本発明の第6実施形態の医療機器を示すブロック図。
【図17】本発明の第6実施形態の医療機器における表示色の設定を説明するためのフローチャートを示す図。
【符号の説明】
【0135】
20,20a,20b…医療機器、40,40a,40b…表示ユニット、53a,53b,53c,53d…色設定部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器についての情報を表示する表示部を有する医療機器、及び、このような医療機器を複数組み合わせた医療機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な情報を表示する表示部を有する医療機器が用いられている。このような医療機器として、特許文献1には、医療用画像を表示する医療用画像表示装置が開示されている。
【0003】
特許文献1の医療用画像表示装置では、医療用画像を表示するのにLEDを用いている。LEDでは、画像を表示する液晶パネルの裏側に照明用のバックライトが配設されており、液晶パネルにおいて光の透過率を調節することで表示画像の明るさを調節している。
【0004】
医療用画像の観察においては、複数の医療用画像を相互に参照しながら観察する場合がある。このような観察に適するように、複数の医療用画像表示装置を並設し、各々の医療用画像表示装置に医療用画像を表示させることが行われている。この場合、表示画像の色に差があると、医療用画像の対比観察がしにくくなる。
【0005】
このような色の差を低減させるために、特許文献1の医療用画像表示装置では、表示画像の色の調整を可能としている。即ち、バックライトとして、相関色温度の異なる複数の光源を用い、これら光源の光量を夫々調節することにより、バックライトの発光色を調節している。そして、バックライトの発光色の調節によって、表示画像の色を調節し、表示画像間の色の差を低減している。
【特許文献1】特開2003−295154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、医療機器として多種多様のものが用いられるようになっており、複数の医療機器を並設して同時に使用することが行われている。ここで、医療機器の表示部に用いられる表示色は複数の医療機器間で似通っていることがある。このような場合には、他の医療機器の表示部を、目的とする医療機器の表示部と取り違えて、情報を誤認してしまうおそれがある。また、医療機器には、異なった出力レベルが選択可能であるといったように、複数のモード(状態)を有するものがある。ここで、各モードにおける表示部の表示色が似通ったものであると、医療機器がどのモードにあるか誤認してしまうおそれがある。
【0007】
ここで、特許文献1の医療用画像装置では、表示画像の色を調節することが可能である。しかしながら、特許文献1の医療用画像表示装置は、複数の医療用画像表示装置の表示画像の色の間の差を極力低減させることを目的としている。このため、複数の医療用画像表示装置のバックライトの発光色は予めほぼ一致するように製造されており、バックライトの個体間の発光色のばらつきを調節するためにバックライトの色を調節している。即ち、特許文献1の医療用画像表示装置は、微妙な色の差を調節するように構成されている。
【0008】
このため、特許文献1の医療用画像表示装置の色の調節方法は、複数の医療機器又は複数のモードの判別を容易にするための表示色の調節に適用するには、不適切なものである。
【0009】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、表示部の表示の正確な認識を可能にし、操作ミスや判断ミスを防止する医療機器システム及び医療機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、第1の医療機器と、第2の医療機器と、を具備し、前記第1の医療機器は、前記第1の医療機器に関する情報を所定の表示色で表示する第1の表示ユニットと、前記第1の表示ユニットの表示色を設定する第1の色設定部と、を有し、前記第2の医療機器は、前記第2の医療機器に関する情報を所定の表示色で表示する第2の表示ユニットと、前記第2の表示ユニットの表示色を設定する第2の色設定部と、を有し、前記第1の色設定部と前記第2の色設定部とは、前記第1の表示ユニットの表示色と前記第2の表示ユニットの表示色とを互いに異なった色に設定可能である、ことを特徴とする医療機器システムである。
【0011】
そして、本請求項1の発明では、第1の表示ユニットと第2の表示ユニットとは、夫々、第1の医療機器に関する情報と第2の医療機器に関する情報とを相異なる表示色で表示する。
【0012】
請求項2の発明は、前記第1の色設定部は、複数の表示色を登録可能な表示色登録部と、前記表示色登録部に登録されている複数の表示色からいずれかの表示色を選択して設定するための設定スイッチと、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システムである。
【0013】
そして、本請求項2の発明では、第1の表示ユニットは、設定スイッチによって選択され設定された表示色で第1の医療機器に関する情報を表示する。
【0014】
請求項3の発明は、前記表示色登録部には、複数の表示色が順番に登録されており、前記設定スイッチを操作することにより、順番に表示色が選択され設定される、ことを特徴とする請求項2に記載の医療機器システムである。
【0015】
そして、本請求項3の発明では、設定スイッチの操作毎に、第1の表示ユニットの表示色が順番に切替わる。
【0016】
請求項4の発明は、前記第1の表示ユニットは、所定の色で発光可能な発光部と、前記発光部の発光を利用して前記第1の医療機器に関する情報を所定の色で表示する表示部と、を有し、前記発光部は、夫々が三原色の相異なるいずれかの色で発光する第1乃至第3の光源を備え、前記第1の色設定部は、前記第1乃至第3の光源のいずれかの光源を選択する選択スイッチと、選択された光源の光量を調節するための調節部と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システムである。
【0017】
そして、本請求項4の発明では、選択スイッチによって第1乃至第3の光源のいずれかの光源を選択し、選択された光源の光量を調節部によって調節することにより、発光部の発光色を調節して、第1の表示ユニットの表示色を設定する。
【0018】
請求項5の発明は、前記第1乃至第3の光源には、順番が定まっており、前記選択スイッチを操作することにより、順番に光源が選択される、ことを特徴とする請求項4に記載の医療機器システムである。
【0019】
そして、本請求項5の発明では、選択スイッチの操作毎に、調節部によって調節される光源が順番に切替わる。
【0020】
請求項6の発明は、前記第1の表示ユニットは、所定の色で発光する発光部と、前記発光部の発光を利用して前記第1の医療機器に関する情報を所定の色で表示する表示部と、を有し、前記発光部は、夫々が三原色の相異なるいずれかの色で発光する第1乃至第3の光源を備え、前記第1の色設定部は、前記第1乃至第3の光源の光量を夫々調節するための第1乃至第3の調節部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システムである。
【0021】
そして、本請求項6の発明では、第1乃至第3の調節部によって夫々第1乃至第3の光源の光量を調節することにより、光源の発光色を調節して、第1の表示ユニットの表示色を設定する。
【0022】
請求項7の発明は、前記第1の医療機器は、前記第1の色設定部で設定された前記第1の表示ユニットの表示色に関する情報を前記第1の色設定部から取得し、前記第2の医療機器へと送信する送信手段をさらに有し、前記第2の医療機器は、前記送信手段から送信された前記第1の表示ユニットの表示色に関する情報を受信する受信手段をさらに有し、前記第2の色設定部は、前記受信手段から前記第1の表示ユニットの表示色に関する情報を取得し、前記第2の表示ユニットの表示色が前記第1の表示ユニットの表示色と同一に設定されるのを禁止する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システムである。
【0023】
そして、本請求項7の発明では、第1の医療機器から第2の医療機器へと第1の表示ユニットの表示色に関する情報を伝達し、そして、第2の表示ユニットの表示色が第1の表示ユニットの表示色と同一に設定されることを禁止する。
【0024】
請求項8の発明は、前記第2の色設定部は、設定されている前記第2の表示ユニットの表示色が前記第1の表示ユニットの表示色と同一である場合には、前記第2の表示ユニットの表示色を前記第1の表示ユニットの表示色と異なったものに自動的に変更する、ことを特徴とする請求項7に記載の医療機器システムである。
【0025】
そして、本請求項8の発明では、前記第2の表示ユニットの表示色が、前記第1の表示ユニットの表示色と異なったものに自動的に変更される。
【0026】
請求項9の発明は、複数のモードを有する医療機器であって、前記医療機器が複数のモードのいずれのモードにあるかを検知するモード検知部と、前記医療機器に関する情報を所定の表示色で表示する表示ユニットと、前記モード検知部によって検知されたモードに応じて、前記表示ユニットの表示色をモード毎に相異なる表示色に設定する色設定部と、を具備することを特徴とする医療機器である。
【0027】
そして、本請求項9の発明では、医療機器のモードに応じて、表示ユニットの表示色が切替わる。
【0028】
請求項10の発明は、前記モードを切替えるための切替スイッチをさらに具備する、ことを特徴とする請求項9に記載の医療機器である。
【0029】
そして、本請求項10の発明では、切替スイッチへの操作によって医療機器のモードが切替わり、表示ユニットの表示色が切替わる。
【0030】
請求項11の発明は、前記複数のモードは、前記医療機器が通常の作動状態にある少なくとも1つの通常モードと、前記医療機器に異常が発生している警告モードと、を有し、前記色設定部は、前記医療機器が所定の通常モードにある場合には表示色を所定の基調色に設定し、前記医療機器が他の通常モードにある場合には表示色を前記基調色の調和色に設定し、前記医療機器が警告モードにある場合には表示色を前記基調色の補色に設定する、ことを特徴とする請求項9に記載の医療機器である。
【0031】
そして、本請求項11の発明では、医療機器が警告モードにある場合には、通常モードの基調色の補色である表示色で表示ユニットの表示を行う。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、表示部の表示の正確な認識が可能となり、操作ミスや判断ミスが防止されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図4を参照して説明する。本実施形態の医療機器システムは、複数の医療機器を有する。図1に示されるように、これら医療機器20は、生体の観察、検査、処理等を行うためのハンドピース22を有する。このハンドピース22からケーブル24が延出されており、ケーブル24の延出端部は筐体26に接続されている。この筐体26は、生体の観察、検査、処理等に利用される光、各種信号、エネルギー等をケーブル24を介してハンドピース22に供給する。また、ハンドピース22から、各種信号等がケーブル24を介して筐体26に伝達される。
【0034】
筐体26の前面には、医療機器20に関する情報を操作者に告知するための表示部28が配設されている。表示部28に表示される医療機器20に関する情報としては、電源のON/OFF、筐体26に接続されているハンドピース22の種類、出力レベル等の各種設定、及び、医療機器20に異常が発生した場合の警告等がある。また、筐体26の前面には、表示部28の表示色を設定するための表示設定スイッチ30が配設されている。さらに、筐体26には、筐体26からハンドピース22への出力を操作するための出力スイッチ32が接続されている。
【0035】
図2に示されるように、出力スイッチ32への入力は、筐体26の出力スイッチ検知部34によって検知される。出力スイッチ32への入力を検知した出力スイッチ検知部34は、制御部36に出力信号を出力する。出力信号を入力された制御部36は、出力回路38を制御して、出力回路38からハンドピース22へとエネルギーを供給させる。ハンドピース22は、供給されたエネルギーを利用して生体に処置等を行う。
【0036】
また、制御部36は、医療機器20に関する情報を検知する。この情報を検知した制御部36は、情報信号を表示ユニット40に出力し、表示ユニット40は、医療機器20に関する情報を所定の表示色で表示する。この表示ユニット40は、医療機器20に関する情報を操作者に告知するための上述した表示部28を有する。本実施形態では、表示部28として、数字等の文字及び図形等を表示可能な液晶パネルが用いられている。この液晶パネルの裏側には、バックライトとして機能する発光部42が配設されている。発光部42は、所定の色で発光可能であり、発光部42の発光色が表示ユニット40の表示色となる。
【0037】
以下、発光部42の発光色を調整して、表示ユニット40の表示色を調節するための構成を説明する。筐体26の表示設定スイッチ30への入力は、設定スイッチ検知部44によって検知される。表示設定スイッチ30への入力を検知した設定スイッチ検知部44は、設定信号を制御部36に出力する。制御部36には設定番号Nが記憶されており、設定信号を入力された制御部36は設定番号をNからN+1へと更新する。
【0038】
一方、制御部36には、M個の表示色が登録されており、各表示色には1からMまでの登録番号が順番に付されている。即ち、制御部36は、複数の表示色を登録可能な表示色登録部としての機能を有する。登録されている表示色は、どんな色でもよいが、視認しやすいように明るい色が好ましい。
【0039】
そして、制御部36は、設定番号に対応する登録番号が付されている表示色を選択する。なお、制御部36に記録されている設定番号がN=Mである場合には、設定信号を入力された制御部36は設定番号をN=MからN=1へと更新する。制御部36は、選択された表示色についての色設定信号を表示色調整部46に出力する。
【0040】
この表示色調整部46は、表示ユニット40の発光部42の発光色を調整して、選択された表示色を実現する。即ち、図3に示されるように、発光部42は、三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)に夫々発光する第1乃至第3の光源48a,48b,48cを有する。本実施形態では、第1乃至第3の光源48a,48b,48cとして、夫々、赤色LED、緑色LED、青色LEDを用いている。制御部36からの色設定信号は、表示色調整部46の輝度調節部50に入力される。輝度調節部50は、入力された表示色を実現するような第1乃至第3の光源48a,48b,48cの夫々の輝度を算出し、かかる輝度を実現するような第1乃至第3の光源48a,48b,48cへの負荷電圧を夫々算出する。輝度調節部50は、算出した各負荷電圧についての各デジタルデータを夫々第1乃至第3のDAC(DAコンバータ)52a,52b,52cに出力する。これら第1乃至第3のDAC52a,52b,52cを介して、第1乃至第3の光源48a,48b,48cの輝度が夫々調節され、発光部42の発光色が調節される。
【0041】
このように、本実施形態では、表示設定スイッチ30、設定スイッチ検知部44、制御部36及び表示色調整部46によって、表示ユニット40の表示色を設定する色設定部53aが形成されている。
【0042】
次に、本実施形態の医療機器システムの作用について説明する。本実施形態の医療機器システムを用いるに際しては、複数の医療機器20の表示ユニット40の表示色を夫々設定する。
以下、図4のフローチャートを用いて、表示色の設定について説明する。
【0043】
電源ON(S11)
医療機器20の電源をONにする。
【0044】
表示設定スイッチへの入力?(S12)
表示設定スイッチ30に入力がされたか否か判断する。
【0045】
設定番号の更新 N→N+1(S13)
表示設定スイッチ30に入力がされた場合には、設定スイッチ検知部44によって表示設定スイッチ30への入力が検知される。そして、設定スイッチ検知部44から制御部36に設定信号が入力され、制御部36は設定番号をNからN+1へと更新する。
なお、表示設定スイッチ30に入力がされなかった場合には、ステップS12からステップS14へと進む。
【0046】
表示色の設定(S14)
制御部36は、設定番号に対応する登録番号が付されている表示色を選択する。このようにして、表示ユニット40の表示色が設定される。
【0047】
設定された表示色による表示(S15)
制御部36は、表示色についての色設定信号を表示色調整部46に入力する。表示色調整部46は、第1乃至第3の光源48a,48b,48cの輝度を調節し、発光部42を設定された表示色で発光させる。そして、制御部36から表示ユニット40へと情報信号が出力され、設定された表示色で医療機器20に関する情報が表示部28に表示される。
【0048】
電源OFF?(S16)
医療機器20を用いた観察、検査、処置等が終了した場合には、電源をOFFにして操作を終了する。
【0049】
このように医療機器20の表示色を設定する際には、複数の医療機器20の表示色が互いに異なるように設定を行う。そして、複数の医療機器20を同時に用いて観察、検査、処置等を行う場合には、表示部28の表示色に基づいて、その表示部28がどの医療機器20の表示部28か、即ち、その表示部28がどの医療機器20に関する情報を表示しているか判別する。そして、どの医療機器20に関するものか判別された情報からその医療機器20の状態を把握し、把握された状態に基づいて医療機器20による観察、検査、処置等を行う。
【0050】
従って、本実施形態の医療機器システムは次の効果を奏する。本実施形態の医療機器システムでは、複数の医療機器20の表示部28の表示色を互いに異なった表示色に設定している。このため、目的とする医療機器20の表示部28と他の医療機器20の表示部28とを取り違えて情報を誤認してしまうことが回避されている。従って、複数の医療機器20を用いる場合において、操作ミスや判断ミスが防止されている。
【0051】
特に、互いに類似する外観を有する多数の医療機器20を、狭いエリア内に互いに隣接して配置している場合には、表示部28の表示色が似通ったものであると、複数の表示部28を判別することが非常に困難となる。このような場合には、上記効果が特に顕著に発揮される。
【0052】
なお、本実施形態では、表示部28として液晶パネルを用いているが、数字等の文字を表示する7セグメント表示部を用いてもよい。また、表示部28としてガラス窓を用い、制御部36によって発光部42を点灯、点滅、消灯させることにより、医療機器20に関する情報を告知するようにしてもよい。
【0053】
図5乃至図7は、本発明の第2実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の医療機器は、第1実施形態の医療機器とは、表示ユニットの表示色を設定する色設定部の構成が異なっている。
【0054】
図3、図5及び図6を参照し、本実施形態の医療機器20の筐体26の前面には、発光部42の第1乃至第3の光源48a,48b,48cのいずれかの光源48a,48b,48c、即ち、三原色のいずれかの色を選択するための色選択スイッチ54が配設されている。また、医療機器20の筐体26の前面には、選択された光源48a,48b,48cの輝度を調節し、選択された色の発光色に占める割合を変化させて発光色を設定する調節部56が配設されている。この調節部56は、輝度を増加させるUPスイッチ56aと、低下させるDOWNスイッチ56bとを有する。
【0055】
色選択スイッチ54への入力は、色調節スイッチ検知部58によって検知される。色選択スイッチ54への入力を検知した色調節スイッチ検知部58は、制御部36を介して選択信号を表示色調整部46に出力する。ここで、表示色調整部46は、R(赤)設定状態、G(緑)設定状態、B(青)設定状態のいずれかの設定状態を取り得る。そして、表示色調整部46への選択信号の入力毎に、表示色調整部46の設定状態は、R設定状態→G設定状態→B設定状態→R設定状態のように循環的に切替わる。
【0056】
また、UPスイッチ56a及びDOWNスイッチ56bへの入力は、色調節スイッチ検知部58によって検知される。UPスイッチ56aへの入力を検知した色調節スイッチ検知部58は、制御部36を介してUP信号を表示色調整部46に出力する。UP信号を入力された表示色調整部46は、表示色調整部46がR設定状態にある場合には、赤色に発光する第1の光源48aの輝度を所定量だけ増大させて、発光部42の発光色に占める赤の割合を所定量だけ増大させる。同様に、表示色調整部46がGあるいはB設定状態にある場合には、発光部42の発光色に占める緑あるいは青の割合が所定量だけ増大される。一方、DOWNスイッチ56bへの入力により、光源48a,48b,48cの輝度が所定量だけ減少され、発光部42の発光色に占める赤、緑あるいは青の割合が所定量だけ減少される。このようにして、発光部42の発光色が調節される。
【0057】
このように、本実施形態では、色選択スイッチ54、UPスイッチ56a、DOWNスイッチ56b、色調節スイッチ検知部58、制御部36及び表示色調整部46によって、表示ユニット40の表示色を設定する色設定部53bが形成されている。
【0058】
次に、本実施形態の医療機器システムの作用について、図7のフローチャートを用いて説明する。第1実施形態と同様な工程については、詳細な説明を省略する。
【0059】
電源ON(S21)
医療機器20の電源をONにする。
【0060】
色選択スイッチへの入力?(S22)
色選択スイッチ54に入力がされたか否か判断する。
【0061】
R設定状態→G設定状態→B設定状態→R設定状態(S23)
色選択スイッチ54に入力がされた場合には、色調節スイッチ検知部58によって色選択スイッチ54への入力が検知される。そして、色調節スイッチ検知部58から制御部36を介して選択信号が表示色調整部46に出力され、表示色調整部46の設定状態が、R設定状態からG設定状態へと、G設定状態からB設定状態へと、あるいは、B設定状態からR設定状態へと切替わる。
【0062】
色選択スイッチ54に入力がされない場合には、ステップS22からステップS24へと進む。
【0063】
UPスイッチあるいはDOWNスイッチへの入力?(S24)
UPスイッチ56aあるいはDOWNスイッチ56bに入力がされたか否か判断する。
【0064】
設定状態に対応する光源の輝度の増大あるいは減少(S25)
UPスイッチ56aに入力がされた場合には、UPスイッチ56aへの入力が、色調節スイッチ検知部58によって検知される。そして、色調節スイッチ検知部58から制御部36を介してUP信号が表示色調整部46に出力される。UP信号を入力された表示色調整部46は、設定状態に対応する光源48a,48b,48cの輝度を増大させる。即ち、表示色調整部46がR、GあるいはB設定状態にある場合には、赤色、緑色あるいは青色に夫々発光する第1乃至第3の光源48a,48b,48cの輝度を所定量だけ増大させる。
【0065】
同様に、DOWNスイッチ56bに入力がされた場合には、設定状態に対応する光源48a,48b,48cの輝度を減少させる。
【0066】
このようにして、発光部42の発光色に占める赤、緑、青の割合を所定量だけ増減させ、表示ユニット40の表示色を設定する。
【0067】
UPスイッチ56aあるいはDOWNスイッチ56bに入力がされなかった場合には、ステップS24からステップS26へと進む。
【0068】
設定された表示色による表示(S26)
医療機器20に関する情報を設定された表示色で表示部28に表示する。
電源OFF?(S27)
医療機器20を用いた観察等が終了した場合には、電源をOFFにして操作を終了する。
【0069】
従って、本実施形態の医療機器システムは次の効果を奏する。本実施形態では、色選択スイッチ54によって、三原色の相異なるいずれかの色で夫々発光する第1乃至第3の光源48a,48b,48cのいずれかの光源48a,48b,48cを選択し、選択された光源48a,48b,48cの輝度をUPスイッチ56aあるいはDOWNスイッチ56bによって増減させることにより、発光部42の発光色を調節している。即ち、表示ユニット40の表示色を操作者の所望の色に調節することが可能となっており、複数の表示部28を判別することが容易になるような表示色を高い自由度で設定することが可能となっている。
【0070】
図8及び図9は、本発明の第3実施形態を示す。第2実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の医療機器は、第2実施形態の医療機器とは、表示ユニットの表示色を設定する色設定部の構成が異なっている。
【0071】
図8及び図9に示されるように、本実施形態の筐体26の前面には、表示色における赤色、緑色、青色の割合を夫々調節するための、第1乃至第3の調節部としての第1乃至第3のボリュームつまみ60a,60b,60cが配設されている。これら第1乃至第3のボリュームつまみ60a,60b,60cを回転操作することにより、発光部42の第1乃至第3の光源48a,48b,48cへの負荷電圧が夫々調節され、第1乃至第3の光源48a,48b,48cの輝度が夫々調節される。このようにして発光部42の発光色が調節され、表示色が設定される。
【0072】
従って、本実施形態の医療機器システムは次の効果を奏する。本実施形態では、ボリュームつまみ60a,60b,60cを回転操作することにより、光源48a,48b,48cの輝度を連続的に調節することが可能となっている。このため、第2実施形態のように、操作毎に光源48a,48b,48cの輝度を所定量だけ離散的に増減させるUPスイッチ56a及びDOWNスイッチ56bを用いる場合に比べて、光源48a,48b,48cの輝度を微妙に調節でき、表示色を微妙に設定することが可能となっている。
【0073】
図10乃至図12は、本発明の第4実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の医療機器は、医療機器のモードに応じて、表示ユニットの表示色を切替えるようにしたものである。
【0074】
図10及び図11に示されるように、筐体26の前面には、医療機器20のモード(状態)を切替える切替スイッチ62が配設されている。本実施形態では、医療機器20はモードA、モードB、モードCの3つのモードを取り得、切替スイッチ62への入力により、医療機器20のモードは、モードA→モードB→モードC→モードAのように循環的に切替わる。医療機器20のモードとしては、ハンドピース22への出力レベル等が選択され得る。
【0075】
切替スイッチ62への入力は、切替スイッチ検知部64によって検知される。切替スイッチ62への入力を検知した切替スイッチ検知部64はモード切替部66に切替信号を出力し、モード切替部66は医療機器20のモードを切替える。医療機器20のモードの切替は制御部36によって検知され、制御部36はモードデータを表示色調整部46に出力する。即ち、制御部36は、医療機器20のモードを検知するモード検知部としての機能を有する。表示色調整部46には、医療機器20の各モードに対応して互いに異なる表示色が登録されており、モードデータを入力された表示色調整部46は、モードに対応する表示色を選択する。そして、表示色調整部46は、発光部42の発光色を選択された表示色へと調節する。このようにして、表示ユニット40の表示色が設定される。
【0076】
このように、本実施形態では、切替スイッチ62、切替スイッチ検知部64、モード切替部66、制御部36及び表示色調整部46によって、表示ユニット40の表示色を設定する色設定部53cが形成されている。
【0077】
次に、本実施形態の医療機器システムの作用について説明する。
以下、図12のフローチャートを用いて、表示色の設定について説明する。
【0078】
電源ON(S31)
医療機器20の電源をONにする。
【0079】
切替スイッチへの入力?(S32)
切替スイッチ62に入力がされたか否か判断する。
【0080】
モードA→モードB→モードC→モードA(S33)
切替スイッチ62に入力がされた場合には、切替スイッチ検知部64によって切替スイッチ62への入力が検知される。そして、切替スイッチ検知部64からモード切替部66に切替信号が入力され、医療機器20のモードが、モードA→モードB、モードB→モードC、あるいは、モードC→モードAへと切替えられる。
切替スイッチ62に入力がされない場合には、ステップS32からステップS34へと進む。
【0081】
モードに対応する表示色の選択(S34)
医療機器20のモードは制御部36によって検知され、制御部36から表示色調整部46にモードデータが出力され、表示色調整部46はモードに対応する表示色を選択する。そして、表示色調整部46は、発光部42の発光色を選択された表示色へと調節する。このようにして、表示ユニット40の表示色が設定される。
【0082】
設定された表示色による表示(S35)
設定された表示色で、医療機器20に関する情報を表示部28に表示する。
【0083】
電源OFF?(S36)
医療機器20を用いた観察等が終了した場合には、電源をOFFにして操作を終了する。
【0084】
複数のモードを有する医療機器20を用いて観察等を行う場合には、表示部28の表示色に基づいて、医療機器20がいずれのモードにあるか判別する。そして、いずれのモードに関するものか判別された情報から、その医療機器20の状態を把握し、把握された状態に基づいて医療機器20による観察等を行う。
【0085】
従って、本実施形態の医療機器システムは次の効果を奏する。本実施形態の医療機器システムでは、医療機器20のモード毎に表示部28の表示色を互いに異なった表示色に設定している。このため、医療機器20がどのモードにあるか誤認することが回避され、複数のモードを有する医療機器20を用いる場合において、操作ミスや判断ミスが防止されている。
【0086】
特に、複数のモードにおいて表示される情報が、互いにそれほど異なったものでない場合には、表示部28の表示色が複数のモード間で似通ったものであると、医療機器20がいずれのモードにあるか判別することが困難になる。このような場合には、上記効果が特に顕著に発揮される。
【0087】
以下、本発明の第4実施形態の変形例について説明する。本変形例では、医療機器20のモードを切替える切替スイッチ62を用いず、接続されたハンドピース22の種類によって医療機器20のモードが切替わるようにしている。このため、表示色に基づいて、医療機器20のモードを判別することができると共に、ハンドピース22の種類を識別することが可能となっている。
【0088】
図13及び図14は、本発明の第5実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の医療機器は、医療機器が警告モードにある場合には、通常モードにある場合とは異なった表示色で表示を行うようにしたものである。
【0089】
図13を参照し、本実施形態の医療機器20は、医療機器20が通常の作動状態にある通常モードと、医療機器20に異常が発生している警告モードとを有する。そして、医療機器20は、表示色調整部46とは独立に、警告モードにおいて作動する警告時専用表示色調整部68を有する。
【0090】
医療機器20の制御部36は、医療機器20の異常を検知する。そして、異常を検知した制御部36は、医療機器20を通常モードから警告モードに切替え、表示色調整部46には停止信号を、警告時専用表示色調整部68には作動信号を出力する。作動信号を入力された警告時専用表示色調整部68は、表示ユニット40の表示色を、警告時専用表示色調整部68に登録されている所定の表示色に設定する。制御部36は、この所定の表示色で表示部28に警告を表示させる。
【0091】
ここで、表示設定スイッチ30、設定スイッチ検知部44及び表示色調整部46の構成は、第1実施形態と同様であり、表示色調整部46に登録されている複数の表示色から所定の表示色を設定することが可能である。ここで、表示色調整部46に登録されている複数の表示色は所定の基調色を含み、その他の登録されている表示色はこの基調色の調和色となっている。そして、警告時専用表示色調整部68に登録されている表示色は、この基調色の補色となっている。例えば、医療機器20が通常モードにある場合の表示色を青系統の色とし、医療機器20が警告モードにある場合の表示色を黄系統の色とすることが可能である。
【0092】
さらに、医療機器20が警告モードにある場合には、発光部42の輝度全体を通常モードにある場合よりも増大するようにしてもよい。また、医療機器20が警告モードにある場合には、通常モードの基調色の補色である所定の基調色を基準とする調和色間で,循環的に表示色が変化するようにしてもよい。
【0093】
このように、本実施形態では、表示設定スイッチ30、設定スイッチ検知部44、制御部36、表示色調整部46、警告時専用表示色調整部68によって、表示ユニット40の表示色を設定する色設定部53dが形成されている。
【0094】
次に、本実施形態の医療機器システムの作用について説明する。
【0095】
電源ON(S41)
医療機器20の電源をONにする。
【0096】
表示色の設定 設定された表示色による表示(S42)
第1実施形態と同様に表示色を設定し、設定された表示色で表示を行う。
【0097】
異常発生?(S43)
医療機器20に異常が発生したか否か判断する。
【0098】
表示色調整部OFF 警告時専用表示色調整部ON(S44)
医療機器20に異常が発生した場合には、制御部36によって異常が検知される。異常を検知した制御部36は、表示色調整部46を停止すると共に、警告時専用表示色調整部68を作動させる。
【0099】
警告時専用表示色調整部が表示色を設定 警告の表示(S45)
警告時専用表示色調整部68は、表示ユニット40の表示色を、警告時専用表示色調整部68登録されている所定の表示色に設定する。この所定の表示色で、表示部28に警告が表示される。ここで、警告モードの表示色は、通常モードの表示色の補色となっている。
【0100】
通常状態に復帰?(S46)
医療機器20が通常状態に復帰したか否か判断する。通常状態に復帰していない場合には、医療機器20の操作を停止する。通常状態に復帰した場合には、医療機器20の操作を続行する。
【0101】
なお、異常が発生しなかった場合には、ステップS43からステップS47へと進む。
【0102】
電源OFF?(S47)
医療機器20を用いた観察等が終了した場合には、電源をOFFにして操作を終了する。
【0103】
医療機器20を用いて観察等を行う際、表示部28に警告が表示された場合には、医療機器20に異常が発生したと判断して観察等を中断し、医療機器の復帰作業を行う。
【0104】
従って、本実施形態の医療機器システムは次の効果を奏する。本実施形態の医療機器20では、警告を表示する際の表示色が、医療機器20の通常モードの表示色の補色となっている。このため、警告表示に気づきやすくなっており、警告表示を見逃してしまうことが防止されている。
【0105】
図15乃至図17は、本発明の第6実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の医療機器システムは、複数の医療機器間で表示色の設定情報を互いに送受信し、複数の医療機器間で表示色が互いに異なったものとなるようにしている。
【0106】
図15及び図16に示すように、本実施形態の医療機器システムは、第1及び第2の医療機器20a,20bを有する。これら第1及び第2の医療機器20a,20bは、第1実施形態の医療機器20(図1及び図2参照)と以下の構成が異なっている。
【0107】
即ち、第1及び第2の医療機器20a,20bは、夫々、表示色の設定情報を互いに送受信するための第1及び第2の通信部70a,70bを有する。これら第1の通信部70aと第2の通信部70bとは、通信ケーブル72によって互いに接続されている。なお、第1の通信部70aと第2の通信部70bとの間の通信方法としては、RS232、LAN等の有線通信を用いてもよいし、無線LAN、Bluetooth、IrDA等の無線通信を用いてもよい。
【0108】
第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色は、夫々、第1実施形態と同様に第1及び第2の表示設定スイッチ30a,30bによって設定される。即ち、第1及び第2の表示設定スイッチ30a,30bによって、夫々、第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色を設定するための第1及び第2の設定番号N1、N2が設定される。
【0109】
ここで、第1の医療機器20aの第1の制御部36aは、設定されている第1の設定番号N1の番号データを第1の通信部70aに出力し、第1の通信部70aは、この番号データを第2の通信部70bに送信する。番号データを受信した第2の通信部70bは、第2の医療機器20bの第2の制御部36bに番号データを出力する。
【0110】
第2の制御部36bは、第1の医療機器20aの第1の設定番号N1を記憶すると共に、第1の医療機器20aの第1の設定番号N1と、第2の制御部36bで設定されている第2の設定番号N2とを比較する。第2の制御部36bは、第1の設定番号N1と第2の設定番号N2とが等しい場合には、第2の設定番号N2をN2から例えばN2+1へと更新する。また、第2の制御部36bは、次の送受信まで、第2の設定番号N2が、記録されている第1の設定番号と等しく設定されることを禁止する。例えば、N2=N1−1である場合に、第2の設定スイッチへの入力がなされた場合には、N2はN1+1へと更新される。即ち、第2の制御部36bは、次の送受信まで、第2の医療機器20bの表示色が、直前の送受信時の第1の医療機器20aの表示色と同一となることを禁止する。
【0111】
さらに、第2の制御部36bは、設定されている又は更新された第2の設定番号N1のデータを第2の通信部70bに出力し、第2の通信部70bは、このデータを第1の通信部70aに送信する。このデータを受信した第1の通信部70aは、第1の制御部36aにデータを出力する。第1の制御部36aは、第2の設定番号N2を記憶すると共に、次の送受信まで、第1の設定番号N1が、記録されている第2の設定番号N2と同一に設定されることを禁止する。即ち、第1の制御部36aは、次の送受信まで、第1の医療機器20aの表示色が、直前の送受信時の第2の医療機器20bの表示色と同一となることを禁止する。
【0112】
このような第1の通信部70aと第2の通信部70bとの間の送受信は、ポーリング等を用いて定期的に行われる。
【0113】
次に、本実施形態の医療機器20の作用について説明する。
【0114】
以下、図17のフローチャートを用いて、第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色の設定について説明する。
【0115】
第1及び第2の医療機器
第1及び第2の設定番号N1,N2を送受信(S51)
第1及び第2の医療機器20a,20bの電源をONにした後、第1及び第2の表示色設定スイッチによって、第1及び第2の設定番号N1、N2を夫々設定することにより、第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色が夫々設定される。
【0116】
第1及び第2の医療機器20a,20bは、設定された第1及び第2の設定番号N1、N2の番号データを第1及び第2の通信部70a,70bを介して互いに送受信する。
【0117】
N1とN2とが異なっているか?(S52)
第1の設定番号N1を入力された第2の医療機器20bの第2の制御部36bは、入力された第1の設定番号N1と、第2の制御部36bで設定されている第2の設定番号N2とを比較する。
【0118】
第2の医療機器 N2→N2+1(S53)
第2の制御部36bは、第1の設定番号N1と第2の設定番号N2とが等しい場合には、第2の設定番号N2をN2からN2+1へと更新する。即ち、第2の医療機器20bの表示色は、第1の医療機器20aの表示色とは異なった表示色に自動的に変更される。
【0119】
なお、第1の設定番号N1と第2の設定番号N2とが異なっている場合には、ステップS52からステップS54へと進む。
【0120】
第1の医療機器 N1=N2を禁止 第2の医療機器 N2=N1を禁止(S54)
第1及び第2の制御部36a,36bは、夫々、入力された第2及び第1の設定番号N2,N1を記録する。そして、第1の制御部36aは、次の送受信まで、第1の設定番号N1が、記録されている第2の設定番号N2と等しく設定されることを禁止する。同様に、第2の制御部36bは、次の送受信まで、第2の設定番号N2が、記録されている第1の設定番号N1と等しく設定されることを禁止する。
【0121】
このように、第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色を設定する際、第1の医療機器20aと第2の医療機器20bとの表示色が同一となった場合には、自動的に第2の医療機器20bの表示色が変更される。そして、次の送受信まで、第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色が、夫々、直前の送受信時の第2及び第1の医療機器20b,20aの表示色と同一となることが禁止される。
【0122】
なお、第1の医療機器20aと第2の医療機器20bとの表示色の両方を再設定した場合には、第1の医療機器20aと第2の医療機器20bとの表示色は、直前の送受信時の第1及び第2の医療機器20a,20bの表示色の両方と異なる同一の表示色に設定される場合がある。この場合には、次の送受信時に、第2の医療機器20bの表示色が、第1の医療機器20aの表示色と異なるように変更される。
【0123】
従って、本実施形態の医療機器システムは次の効果を奏する。本実施形態では、第1の医療機器20aと第2の医療機器20bとの間で表示色の設定情報を互いに送受信し、第1の医療機器20aと第2の医療機器20bとの表示色が互いに異なったものとなるように第1及び第2の制御部36a,36bで制御を行っている。このため、操作者自身が、第1の医療機器20aと第2の医療機器20bとの表示色が異なったものとなるように注意する必要がなく、表示色の設定が簡便なものとなっている。
【0124】
本実施形態では、第1の通信部70aと第2の通信部70bとの間の送受信は、ポーリング等を用いて定期的に行われている。代わって、医療機器20の電源を投入した後の初期設定の直後、医療機器20の表示色を設定した直後等に送受信を行うようにしてもよい。
【0125】
上述した実施形態において、各種スイッチ等は筐体26の前面に配設されているが、筐体26の背面等、筐体26のどこに配設されていてもよい。
【0126】
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1)
・医療機器には、光や電気信号やエネルギーなどを生成し、生体とは離れた位置に配置される筺体と、前記筺体に接続し、生体に対して観察や検査や処置の少なくとも1つに用いられるハンドピースとからなるものがある。
・第1の医療機器には、第1の医療機器の動作状態を所定の色の発行によって表示する第1の表示灯が設けられている。
・第2の医療機器には、前記第1の表示灯に表示された色とは異なる色の発光によって第2の医療機器の動作状態表示する第2の表示灯が設けられている。
【0127】
(付記項2)
・医療機器には、光や電気信号やエネルギーなどを生成し、生体とは離れた位置に配置される筺体と、前記筺体に接続し、生体に対して観察や検査や処置の少なくとも1つに用いられるハンドピースとからなるものがある。
・第1の医療機器には、第1の医療機器の動作状態を所定の色の発光によって表示する第1の表示灯と、第1の表示灯の発光色を所望の色に設定可能な第1の色設定手段を具備する。
・第2の医療機器には、第2の医療機器の動作状態を所定の色の発光によって表示する第2の表示灯と、第2の表示灯の発光色を前記第1の表示される色とは異なる所望の色に設定可能な第2の色設定手段を具備する。
【0128】
(付記項3)
・医療機器には、複数のモード(状態)が存在するものがある。
・この医療機器には、以下の機能を備えた表示灯を具備する。
・医療機器の第1の動作状態では、その動作状態を所定の色の発光によって表示する。
・医療機器の第2の動作状態では、その動作状態を、前記第1の動作状態での表示色とは異なる色の発光によって表示する。
【0129】
(付記項4)
・付記項3にかかる発明
・第1の動作状態の表示色を、所望の色に設定可能な第1の色設定手段を具備する。
・第2の動作状態の表示色を、前記第1の表示色とは異なる所望の色に設定可能な第2の色設定手段を具備する。
【0130】
(付記項5)
・付記項3にかかる発明
・医療機器の動作状態のうち、警告状態の表示色設定手段は、他の動作状態での設定手段とは分離して具備したことを特徴とする。
【0131】
(付記項6)
・付記項1、付記項2、又は、付記項3にかかる発明
・表示灯が、三原色LEDにより構成されていることを特徴とする。
【0132】
(付記項7)
第1の医療機器と、前記第1の医療機器に関する情報を表示する第1の表示部と、前記第1の医療機器に関する情報に対応する色を設定する第1の色設定部と、前記第1の色設定部で設定した色を前記第1の表示部に発光する第1の発光部と、前記第1の表示部に表示させる前記第1の医療機器に関する情報を検知して、この検知した情報に対応する前記第1の色設定部で設定した色を前記第1の発光部に発光させる制御を行う第1の制御部と、前記第1の色設定部で設定した第1の色情報を外部へ送信する第1の通信部と、第2の医療機器と、前記第2の医療機器に関する情報を表示する第2の表示部と、前記第1の通信部が送信する第1の色情報を受信する第2の通信部と、前記第2の医療機器に関する情報に対応するとともに前記第2の通信部で受信した前記第1の色情報と異なる色を設定する第2の色設定部と、前記第2の色設定部で設定した色を前記第2の表示部に発光する第2の発光部と、前記第2の表示部に表示させる前記第2の医療機器に関する情報を検知して、この検知した情報に対応する前記第2の色設定部で設定した色を前記第2発光部に発光させる制御を行う第2の制御部と、を具備することを特徴とする医療機器システム。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、表示部の表示の正確な認識を可能にし、操作ミスや判断ミスを防止する、医療機器についての情報を表示する表示部を有する医療機器、及び、このような医療機器を複数組み合わせた医療機器システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の第1実施形態の医療機器を示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態の医療機器を示すブロック図。
【図3】本発明の第1実施形態の医療機器の表示色調整部を説明するためのブロック図。
【図4】本発明の第1実施形態の医療機器における表示色の設定を説明するためのフローチャートを示す図。
【図5】本発明の第2実施形態の医療機器を示す斜視図。
【図6】本発明の第2実施形態の医療機器を示すブロック図。
【図7】本発明の第2実施形態の医療機器における表示色の設定を説明するためのフローチャートを示す図。
【図8】本発明の第3実施形態の医療機器を示す斜視図。
【図9】本発明の第3実施形態の医療機器の表示色調整部を説明するためのブロック図。
【図10】本発明の第4実施形態の医療機器を示す斜視図。
【図11】本発明の第4実施形態の医療機器を示すブロック図。
【図12】本発明の第4実施形態の医療機器における表示色の設定を説明するためのフローチャートを示す図。
【図13】本発明の第5実施形態の医療機器を示すブロック図。
【図14】本発明の第5実施形態の医療機器における表示色の設定を説明するためのフローチャートを示す図。
【図15】本発明の第6実施形態の医療機器システムを示す斜視図。
【図16】本発明の第6実施形態の医療機器を示すブロック図。
【図17】本発明の第6実施形態の医療機器における表示色の設定を説明するためのフローチャートを示す図。
【符号の説明】
【0135】
20,20a,20b…医療機器、40,40a,40b…表示ユニット、53a,53b,53c,53d…色設定部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の医療機器と、第2の医療機器と、を具備し、
前記第1の医療機器は、前記第1の医療機器に関する情報を所定の表示色で表示する第1の表示ユニットと、前記第1の表示ユニットの表示色を設定する第1の色設定部と、を有し、
前記第2の医療機器は、前記第2の医療機器に関する情報を所定の表示色で表示する第2の表示ユニットと、前記第2の表示ユニットの表示色を設定する第2の色設定部と、を有し、
前記第1の色設定部と前記第2の色設定部とは、前記第1の表示ユニットの表示色と前記第2の表示ユニットの表示色とを互いに異なった色に設定可能である、
ことを特徴とする医療機器システム。
【請求項2】
前記第1の色設定部は、複数の表示色を登録可能な表示色登録部と、前記表示色登録部に登録されている複数の表示色からいずれかの表示色を選択して設定するための設定スイッチと、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システム。
【請求項3】
前記表示色登録部には、複数の表示色が順番に登録されており、
前記設定スイッチを操作することにより、順番に表示色が選択され設定される、
ことを特徴とする請求項2に記載の医療機器システム。
【請求項4】
前記第1の表示ユニットは、所定の色で発光可能な発光部と、前記発光部の発光を利用して前記第1の医療機器に関する情報を所定の色で表示する表示部と、を有し、
前記発光部は、夫々が三原色の相異なるいずれかの色で発光する第1乃至第3の光源を備え、
前記第1の色設定部は、前記第1乃至第3の光源のいずれかの光源を選択する選択スイッチと、選択された光源の光量を調節するための調節部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システム。
【請求項5】
前記第1乃至第3の光源には、順番が定まっており、
前記選択スイッチを操作することにより、順番に光源が選択される、
ことを特徴とする請求項4に記載の医療機器システム。
【請求項6】
前記第1の表示ユニットは、所定の色で発光する発光部と、前記発光部の発光を利用して前記第1の医療機器に関する情報を所定の色で表示する表示部と、を有し、
前記発光部は、夫々が三原色の相異なるいずれかの色で発光する第1乃至第3の光源を備え、
前記第1の色設定部は、前記第1乃至第3の光源の光量を夫々調節するための第1乃至第3の調節部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システム。
【請求項7】
前記第1の医療機器は、前記第1の色設定部で設定された前記第1の表示ユニットの表示色に関する情報を前記第1の色設定部から取得し、前記第2の医療機器へと送信する送信手段をさらに有し、
前記第2の医療機器は、前記送信手段から送信された前記第1の表示ユニットの表示色に関する情報を受信する受信手段をさらに有し、
前記第2の色設定部は、前記受信手段から前記第1の表示ユニットの表示色に関する情報を取得し、前記第2の表示ユニットの表示色が前記第1の表示ユニットの表示色と同一に設定されるのを禁止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システム。
【請求項8】
前記第2の色設定部は、設定されている前記第2の表示ユニットの表示色が前記第1の表示ユニットの表示色と同一である場合には、前記第2の表示ユニットの表示色を前記第1の表示ユニットの表示色と異なったものに自動的に変更する、
ことを特徴とする請求項7に記載の医療機器システム。
【請求項9】
複数のモードを有する医療機器であって、
前記医療機器が複数のモードのいずれのモードにあるかを検知するモード検知部と、
前記医療機器に関する情報を所定の表示色で表示する表示ユニットと、
前記モード検知部によって検知されたモードに応じて、前記表示ユニットの表示色をモード毎に相異なる表示色に設定する色設定部と、
を具備することを特徴とする医療機器。
【請求項10】
前記モードを切替えるための切替スイッチをさらに具備する、
ことを特徴とする請求項9に記載の医療機器。
【請求項11】
前記複数のモードは、前記医療機器が通常の作動状態にある少なくとも1つの通常モードと、前記医療機器に異常が発生している警告モードと、を有し、
前記色設定部は、前記医療機器が所定の通常モードにある場合には表示色を所定の基調色に設定し、前記医療機器が他の通常モードにある場合には表示色を前記基調色の調和色に設定し、前記医療機器が警告モードにある場合には表示色を前記基調色の補色に設定する、
ことを特徴とする請求項9に記載の医療機器。
【請求項1】
第1の医療機器と、第2の医療機器と、を具備し、
前記第1の医療機器は、前記第1の医療機器に関する情報を所定の表示色で表示する第1の表示ユニットと、前記第1の表示ユニットの表示色を設定する第1の色設定部と、を有し、
前記第2の医療機器は、前記第2の医療機器に関する情報を所定の表示色で表示する第2の表示ユニットと、前記第2の表示ユニットの表示色を設定する第2の色設定部と、を有し、
前記第1の色設定部と前記第2の色設定部とは、前記第1の表示ユニットの表示色と前記第2の表示ユニットの表示色とを互いに異なった色に設定可能である、
ことを特徴とする医療機器システム。
【請求項2】
前記第1の色設定部は、複数の表示色を登録可能な表示色登録部と、前記表示色登録部に登録されている複数の表示色からいずれかの表示色を選択して設定するための設定スイッチと、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システム。
【請求項3】
前記表示色登録部には、複数の表示色が順番に登録されており、
前記設定スイッチを操作することにより、順番に表示色が選択され設定される、
ことを特徴とする請求項2に記載の医療機器システム。
【請求項4】
前記第1の表示ユニットは、所定の色で発光可能な発光部と、前記発光部の発光を利用して前記第1の医療機器に関する情報を所定の色で表示する表示部と、を有し、
前記発光部は、夫々が三原色の相異なるいずれかの色で発光する第1乃至第3の光源を備え、
前記第1の色設定部は、前記第1乃至第3の光源のいずれかの光源を選択する選択スイッチと、選択された光源の光量を調節するための調節部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システム。
【請求項5】
前記第1乃至第3の光源には、順番が定まっており、
前記選択スイッチを操作することにより、順番に光源が選択される、
ことを特徴とする請求項4に記載の医療機器システム。
【請求項6】
前記第1の表示ユニットは、所定の色で発光する発光部と、前記発光部の発光を利用して前記第1の医療機器に関する情報を所定の色で表示する表示部と、を有し、
前記発光部は、夫々が三原色の相異なるいずれかの色で発光する第1乃至第3の光源を備え、
前記第1の色設定部は、前記第1乃至第3の光源の光量を夫々調節するための第1乃至第3の調節部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システム。
【請求項7】
前記第1の医療機器は、前記第1の色設定部で設定された前記第1の表示ユニットの表示色に関する情報を前記第1の色設定部から取得し、前記第2の医療機器へと送信する送信手段をさらに有し、
前記第2の医療機器は、前記送信手段から送信された前記第1の表示ユニットの表示色に関する情報を受信する受信手段をさらに有し、
前記第2の色設定部は、前記受信手段から前記第1の表示ユニットの表示色に関する情報を取得し、前記第2の表示ユニットの表示色が前記第1の表示ユニットの表示色と同一に設定されるのを禁止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器システム。
【請求項8】
前記第2の色設定部は、設定されている前記第2の表示ユニットの表示色が前記第1の表示ユニットの表示色と同一である場合には、前記第2の表示ユニットの表示色を前記第1の表示ユニットの表示色と異なったものに自動的に変更する、
ことを特徴とする請求項7に記載の医療機器システム。
【請求項9】
複数のモードを有する医療機器であって、
前記医療機器が複数のモードのいずれのモードにあるかを検知するモード検知部と、
前記医療機器に関する情報を所定の表示色で表示する表示ユニットと、
前記モード検知部によって検知されたモードに応じて、前記表示ユニットの表示色をモード毎に相異なる表示色に設定する色設定部と、
を具備することを特徴とする医療機器。
【請求項10】
前記モードを切替えるための切替スイッチをさらに具備する、
ことを特徴とする請求項9に記載の医療機器。
【請求項11】
前記複数のモードは、前記医療機器が通常の作動状態にある少なくとも1つの通常モードと、前記医療機器に異常が発生している警告モードと、を有し、
前記色設定部は、前記医療機器が所定の通常モードにある場合には表示色を所定の基調色に設定し、前記医療機器が他の通常モードにある場合には表示色を前記基調色の調和色に設定し、前記医療機器が警告モードにある場合には表示色を前記基調色の補色に設定する、
ことを特徴とする請求項9に記載の医療機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−254964(P2006−254964A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−72936(P2005−72936)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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