説明

医療用チューブコネクタ

【課題】確実な連結状態を容易に得ることができるとともに、その連結状態を目視により確認することができ、連結状態の確認時に患者に痛みを与えることなく、さらに、容易に取り外し作業を行なうことが可能な構造を備える、医療用チューブコネクタを提供することにある。
【解決手段】レバー部材112を第1スリット153に沿って前進させ、さらに、第2スリット154に沿って軸周り回転させることで、隔壁155の開口部156から突出連結領域113が突出し、この連結突出管113が注射針の胴体部内に挿入されることで、液密的に注射針が医療用チューブコネクタ100に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用チューブコネクタの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、人体の機能を検査する装置としてさまざまなものが開発されている。その中の1つに、患者の循環器の機能を診断するための循環器X線診断装置がある。この循環器X線診断装置では、X線診断に必要な処置を施すための器具の1つとして、造影剤を患者に注入するための医療用インジェクタヘッドが装備されている。また、造影剤を患者に注入する場合には、医療用インジェクタヘッド側に接続されるチューブ、および、患者側に接続されるカテーテルチューブが用いられるが、患者への造影剤の注入、生理食塩水の注入等においては、患者の血管に注射針が導入され、この注射針にカテーテルチューブが連結されることとなる。
【0003】
図11は、患者の手首600の血管に注射針400が導入され、この注射針400にカテーテルチューブ504が連結された状態を示す模式図である。カテーテルチューブ504の先端部には、医療用チューブコネクタ500が取り付けられており、この医療用チューブコネクタ500と注射針400とを連結することで、カテーテルチューブ504が注射針400に連結されることとなる。
【0004】
図12に、注射針400と、医療用チューブコネクタ500との構造を示す。注射針400は、胴体部402と、この胴体部402から延びる針部401と、胴体部402を挟んで、針部401とは反対側に設けられ、半径方向に広がるフランジ部403とを備えている。一方、医療用チューブコネクタ500には、カテーテルチューブ504が連結される本体部501と、本体部501から延びる連結突出管503と、この連結突出管503の外周周囲において、回転可能に設けられその内面に雌ネジを構成するように螺旋突起502aが形成されたロータ502が設けられている。
【0005】
注射針400の医療用チューブコネクタ500への連結においては、フランジ部403をロータ502に当接させながら、ロータ502を回転させることで、フランジ部403の外周縁が、螺旋突起502aによって規定される雌ネジにより、徐々に内方に螺合し挿入されることで、連結突出管503が胴体部402内に挿入され、液密的に注射針400が医療用チューブコネクタ500に連結されることとなる。
【0006】
ここで、上記連結動作においては、注射針400の医療用チューブコネクタ500への連結において、ロータ502を複数回転させる必要があるが、ロータ502は比較的小さい形状を有していることから、その作業が比較的煩わしいものとなる。また、確実な連結状態が目視できないため、十分にロータ502を回転させなくとも、注射針400をチューブコネクタ500に形式的に連結することができるため、液密的に注射針400が医療用チューブコネクタ500に連結されずに、造影剤、生理食塩水等がこの連結部から洩れ出るおそれもある。
【0007】
また、患者にカテーテルチューブ504が連結された状態にいて、医療用チューブコネクタ500に緩みが発生していないかを確認する際には、ロータ502を回転させて確認する必要があるが、その場合、注射針400が左右に振れることとなり、患者に痛みを与えることにもなる。さらに、医療用チューブコネクタ500を外す際にも、ロータ502を回転させる必要があるが、外れることを防止するために、ロータ502は強く締めこまれているために、ロータ502を回転させる際にも力が必要となり、患者に痛みを与えることとなる。なお、上述したようなロータを採用した医療用チューブコネクタを開示する文献としては、以下に挙げる特許文献1が挙げられる。
【特許文献1】特開2005−143647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、連結動作において、その作業が比較的煩わしい点、確実な連結状態が目視できない点、連結状態の確認時に患者に痛みを与える点、および、取り外し作業時においても、その作業が比較的煩わしく、患者に痛みを与える点にある。よって、本願発明の目的は、確実な連結状態を容易に行なうことができるとともに、その連結状態を目視により確認することができ、また、連結状態の確認時に患者に痛みを与えることがなく、さらに、容易に取り外し作業を行なうことが可能な構造を備える、医療用チューブコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に基づいた医療用チューブコネクタにおいては、液管路を有する被連結部材の一端側に設けられるフランジ領域に係合し、上記被連結部材に医療用チューブを連結するための医療用チューブコネクタであって、管状の本体部と、上記本体部の一方端側に設けられ、上記被連結部材の上記フランジ領域が係合可能に嵌め入れられる嵌合領域と、上記本体部の軸方に沿って摺動可能に収納されるとともに、その内部に流路を有し、上記流路の一方端側に上記チューブが連結され、上記管路の他方端側に上記被連結部材の上記液管路と連結可能な連結領域が設けられるスライド部材とを備えている。
【0010】
さらに、上記スライド部材が上記嵌合領域から遠ざかる第1位置にスライド移動することで、上記連結領域の上記被連結部材の上記液管路への非連結状態が選択され、上記スライド部材が上記嵌合領域に近づく第2位置にスライド移動することで、上記連結領域の上記被連結部材の上記液管路への連結状態が選択され、上記本体部と上記スライド部材との間には、上記連結状態を維持させるための連結状態維持機構が設けられる。
【発明の効果】
【0011】
この発明に基づいた医療用チューブコネクタによれば、スライド部材を嵌合領域に近づく第2位置にスライド移動させることで、連結領域の被連結部材の液管路への連結状態が選択されることから、スライド部材を第2位置にスライドさせるという簡易な作業により連結状態が目視できるとともに、確実な連結状態を選択するとともに、目視により確実な連結状態を確認することが可能となる。また、連結状態の確認時においても、スライド部材を第2位置にスライドさせることのみであるため、被連結部材が不必要に振れることがなく、たとえば、被連結部材が患者の血管に導入される注射針であっても、患者に不必要な痛みを与えることがない。
【0012】
また、本体部とスライド部材との間には、連結領域の被連結部材の液管路への連結状態を維持させるための連結状態維持機構が設けられていることから、確実な連結状態を確保することが可能となる。さらに、取り外しの際には、スライド部材を第2位置から第1位置にスライドさせるという簡易な作業により容易に非連結状態を実現させ、患者に不必要な痛みを与えることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に基づいた各実施の形態における医療用チューブコネクタについて図を参照しながら説明する。なお、各図において同一または相当部分については同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さないこととする。
【0014】
(実施の形態1)
以下、図1〜図4を参照して、実施の形態1における医療用チューブコネクタ100の構造について説明する。なお、図1は、本実施の形態における医療用チューブコネクタ100の第1の状態における全体斜視図であり、図2は、本実施の形態における医療用チューブコネクタ100の第1の状態における側面図であり、図3は、本実施の形態における医療用チューブコネクタ100に採用されるスライド部材110の側面図であり、図4は、本実施の形態における医療用チューブコネクタ100の第2の状態における全体斜視図である。
【0015】
(筐体150)
まず、図1を参照して、本実施の形態における医療用チューブコネクタ100は、筐体150と、この筐体150の内部に収容されるスライド部材110とを備えている。筐体150は、管状の本体部151を有し、この本体部151の一方端側には、被連結部材としての注射針400のフランジ領域403(図5参照)が係合可能に嵌め入れられる嵌合領域158が設けられている。本体部151の側部には、横方向に張出す把持部152が形成されている。なお、この筐体150の最大全長は約30mm程度、外径は15mm程度である。
【0016】
本体部151の外周面には、その軸方向に延びる第1スリット153と、この第1スリット153から分岐し、図2に良く表れるように、本体部151の外周面において、円周方向に沿って徐々に嵌合領域158側に向かう第2スリット154とが設けられている。第1スリット153の嵌合領域158とは反対側の本体部151の端部には、スライド部材110の本体部151からの抜けを防止するための”かえり”として、第1スリット153に突出する外れ止め用爪159が一対(図4参照)設けられている。第2スリット154に露出する、嵌合領域158とは反対側の本体部151の端面には、円周方向に沿って係合凹部溝154a,154b,154cが設けられている。この係合凹部溝の数量は、3箇所に限定されるものでなく、適宜選択されるものである。また、本体部151の内部には、中央に開口部156を有する隔壁155が設けられている。一方、第2スリット154に露出する、嵌合領域158と同一側の本体部151の端面には、平らな面からなるガイド面154dが設けられている。
【0017】
嵌合領域158には、把持部152が延びる方向とは反対方向に開口を有するU字形状受入れ開口157が形成され、また、隔壁155との間に、係合溝157aが形成されている。開口157に注射針400の胴体部402が受入れられ、係合溝157aにフランジ領域403が受入れられる(図5参照)。
【0018】
(スライド部材110)
スライド部材110は、図1および図3に示すように、本体部151の内部に収容される円柱状摺動部材111と、この円柱状摺動部材111に対して略径方向に延びるとともに、上記第1スリット153および上記第2スリット154を通過可能なように設けられるレバー部材112とを備えている。
【0019】
円柱状摺動部材111には、嵌合領域158側に、注射針400の液管路を規定する胴体部402と連結可能な突出連結領域113が設けられている。また、レバー部材112は、連結部112aと、テーパ部112bと、円筒状のグリップ部112cを備え、連結部112aが、第1スリット153および第2スリット154を通過可能なように形成されている。
【0020】
円柱状摺動部材111、突出連結領域113、および、レバー部材112には、それぞれの部材を通過する流路114が形成され、レバー部材112のグリップ部112cに、カテーテルチューブ180が連結される。
【0021】
上記構成からなる医療用チューブコネクタ100において、図1に示す状態においては、レバー部材112が第1スリット153に位置し、スライド部材110が隔壁155から遠ざかる第1の位置に位置することで、突出連結領域113は、隔壁155から最も遠ざかる位置に退避することとなる。
【0022】
次に、レバー部材112を第1スリット153に沿って前進させ、さらに、第2スリット154に沿って軸周り回転させることで、スライド部材110が徐々に隔壁155に近づき、レバー部材112を第2スリット154に沿って最大限回転させることで、突出連結領域113が、図4に示すように、隔壁155の開口部156から最大限突出する第2の位置が選択される。
【0023】
図5は、本実施の形態における医療用チューブコネクタ100の嵌合領域158に、注射針400を係合させた場合を示している。ここで、横向きに開口するU字形状受入れ開口157を設けることで、医療用チューブコネクタ100の下方に患者の腕等が存在した場合であっても、医療用チューブコネクタ100と注射針400とを相対的に横方向に移動させることができるため、嵌合領域158への注射針400の装着または脱着を容易に実施可能としている。
【0024】
医療用チューブコネクタ100の嵌合領域158に、注射針400を係合させた状態で、上記したように、図1に示す状態から、レバー部材112を第1スリット153に沿って前進させ、さらに、第2スリット154に沿って軸周り回転させることで、隔壁155の開口部156から突出連結領域113が突出し、この連結突出管113が注射針400の胴体部402内に挿入されることで、液密的に注射針400が医療用チューブコネクタ100に連結されることとなる。
【0025】
ここで、レバー部材112の第2スリット154での移動時には、レバー部材112を筐体150の後端部側に押し戻そうとする力が作用し、連結部112aが、係合凹部溝154a,154b,154cに押し付けられながら、円柱状摺動部材111を前進させることとなる。その結果、連結突出管113が注射針400の胴体部402内に徐々に圧入されることから、注射針400の胴体部402の内径に誤差が生じている場合であっても、確実に液密状態を確保できるとともに、係合凹部溝154a,154b,154cのいずれかに、連結部112aが係合することで、連結突出管113と注射針400との連結状態が維持されることとなる。一方、連結状態を解除する場合には、レバー部材112を一旦ガイド面154d側に押し付けた状態で、レバー部材112を第2スリット154に沿って回動させる。この時、ガイド面154dは平らな面で構成されていることから、連結部112aは、ガイド面154dの沿ってスムースに移動させることが可能となる。
【0026】
以上、本実施の形態に基づいた医療用チューブコネクタ100によれば、スライド部材100を嵌合領域158に近づく第2位置にスライド移動させることで、連結突出管113が注射針400の胴体部402内に徐々に圧入される連結状態が選択されることから、スライド部材100を第2位置にスライドさせるという簡易な作業により連結状態が確保できるとともに、目視により確実な連結状態を確認することが可能となる。
【0027】
また、連結状態の確認時においても、スライド部材100を第2位置にスライドさせることのみであるため、注射針400が不必要に振れることがなく、たとえば、患者に不必要な痛みを与えることがない。
【0028】
また、筐体150とスライド部材110との間には、連結突出管113の注射針400の連結状態を維持させるための連結状態維持機構としての、第1スリット153、第2スリット154、および、係合凹部溝154a,154b,154c等が設けられていることから、確実な連結状態を確保することが可能となる。さらに、取り外しの際には、スライド部材110をガイド面154dの沿ってスムースに移動させた後、第2位置から第1位置にスライドさせるという簡易な作業により容易に非連結状態を実現させることができため、取り外しの際においても、患者に不必要な痛みを与えることがない。
【0029】
(実施の形態2)
次に、図6〜図9を参照して、実施の形態2における医療用チューブコネクタ100Aの構造について説明する。なお、図6は、本実施の形態における医療用チューブコネクタ100Aの第1の状態における全体斜視図であり、図7は、本実施の形態における医療用チューブコネクタ100Aの第1の状態における背面図であり、図8は、本実施の形態における医療用チューブコネクタ100Aに採用されるスライド部材110Aの側面図であり、図9は、本実施の形態における医療用チューブコネクタ100Aの第2の状態における全体斜視図である。
【0030】
本実施の形態における医療用チューブコネクタ100Aと、上記実施の形態1における医療用チューブコネクタ100との相違点は、スライド部材110Aの形態にある。したがって、ここではスライド部材110Aの構造のみ詳細に説明することとする。
【0031】
(スライド部材110A)
本実施の形態におけるスライド部材110Aは、図8に良く示されるように、本体部151の内部に収容される円柱状摺動部材111Aと、この円柱状摺動部材111Aに対して略径方向に延びるとともに、上記第1スリット153および上記第2スリット154を通過可能なように設けられるレバー部材112とを備えている。
【0032】
円柱状摺動部材111Aには、嵌合領域158側に、注射針400の液管路を規定する胴体部402と連結可能な突出連結領域113が設けられている。また、レバー部材112は、連結部112aと、テーパ部112bと、円筒状のグリップ部112cを備え、連結部112aが、第1スリット153および第2スリット154を通過可能なように形成されている。
【0033】
また、本実施の形態におけるスライド部材110Aによれば、円柱状摺動部材111Aおよび突出連結領域113の部材を通過する流路114が形成され、円柱状摺動部材111Aの後端部側に、カテーテルチューブ180が連結される。
【0034】
上記構成からなる医療用チューブコネクタ100Aにおいても、上記実施の形態1の場合と同様に、図6に示す状態においては、レバー部材112が第1スリット153に位置し、スライド部材110が隔壁155から遠ざかる第1の位置に位置することで、突出連結領域113は、隔壁155から最も遠ざかる位置に退避することとなる。
【0035】
また、レバー部材112を第1スリット153に沿って前進させ、さらに、第2スリット154に沿って軸周り回転させることで、スライド部材110が徐々に隔壁155に近づき、レバー部材112を第2スリット154に沿って最大限回転させることで、突出連結領域113が、図9に示すように、隔壁155の開口部156から最大限突出する第2の位置が選択される。
【0036】
図10は、本実施の形態における医療用チューブコネクタ100Aの嵌合領域158に、注射針400を係合させた場合を示し、上記実施の形態1における図5の状態と同じである。
【0037】
以上、本実施の形態に基づいた医療用チューブコネクタ100Aによっても、上記実施の形態2に基づいた医療用チューブコネクタ100と同様の作用効果を得ることができる。また、円柱状摺動部材111Aの後端部側に、カテーテルチューブ180が連結されることで、医療用チューブコネクタ100Aの小型化を図ることができるとともに、レバー部材112の移動にともなってカテーテルチューブ180が移動することがなく、カテーテルチューブ180への負荷を低減させることが可能となる。
【0038】
したがって、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明に基づいた実施の形態1における医療用チューブコネクタの第1の状態における全体斜視図である。
【図2】この発明に基づいた実施の形態1における医療用チューブコネクタの第1の状態における側面図である。
【図3】この発明に基づいた実施の形態1における医療用チューブコネクタに採用されるスライド部材の側面図である。
【図4】この発明に基づいた実施の形態1における医療用チューブコネクタの第2の状態における全体斜視図である。
【図5】この発明に基づいた実施の形態1における医療用チューブコネクタの、注射針を装着した第2の状態における全体斜視図である。
【図6】この発明に基づいた実施の形態2における医療用チューブコネクタの第1の状態における全体斜視図である。
【図7】この発明に基づいた実施の形態2における医療用チューブコネクタの第1の状態における背面図である。
【図8】この発明に基づいた実施の形態2における医療用チューブコネクタに採用されるスライド部材の側面図である。
【図9】この発明に基づいた実施の形態2における医療用チューブコネクタの第2の状態における全体斜視図である。
【図10】この発明に基づいた実施の形態2における医療用チューブコネクタの、注射針を装着した第2の状態における全体斜視図である。
【図11】医療用チューブコネクタの使用状態を示す模式図である。
【図12】医療用チューブコネクタの構造を示す全体斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
100,100A 医療用チューブコネクタ、110,110A スライド部材、111,111A 円柱状摺動部材、112 レバー部材、112a 連結部、112b テーパ部、112c グリップ部、113 突出連結領域、114 流路、150 筐体、151 本体部、152 把持部、153 第1スリット、154 第2スリット、154a,154b,154c 係合凹部溝、154d ガイド面、155 隔壁、156 開口部、157 U字形状受入れ開口、157a 係合溝、158 嵌合領域、159 外れ止め用爪、180 カテーテルチューブ、400 注射針、403 フランジ領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液管路を有する被連結部材(400)の一端側に設けられるフランジ領域(403)に係合し、前記被連結部材(400)に医療用チューブ(180)を連結するための医療用チューブコネクタ(100)であって、
管状の本体部(151)と、
前記本体部(151)の一方端側に設けられ、前記被連結部材の前記フランジ領域が係合可能に嵌め入れられる嵌合領域(158)と、
前記本体部(151)の軸方に沿って摺動可能に収納されるとともに、その内部に流路(114)を有し、前記流路(114)の一方端側に前記チューブが連結され、前記管路の他方端側に前記被連結部材の前記液管路と連結可能な連結領域(113)が設けられるスライド部材(110)と、を備え、
前記スライド部材(110)が前記嵌合領域(158)から遠ざかる第1位置にスライド移動することで、前記連結領域(113)の前記被連結部材の前記液管路への非連結状態が選択され、
前記スライド部材(110)が前記嵌合領域(158)に近づく第2位置にスライド移動することで、前記連結領域(113)の前記被連結部材の前記液管路への連結状態が選択され、
前記本体部(151)と前記スライド部材(110)との間には、前記連結状態を維持させるための連結状態維持機構(112,153,154)が設けられる、医療用チューブコネクタ。
【請求項2】
前記連結状態維持機構は、
前記本体部(151)の外周面において、軸方向に延びる第1スリット(153)と、
前記第1スリット(153)から分岐し、前記本体部(151)の外周面において、円周方向に沿って徐々に前記嵌合領域(158)側に向かう第2スリット(154)と、
前記スライド部材(110)において、前記本体部(151)の内部に収容される円柱状摺動部材(111)と、この円柱状摺動部材(111)に対して略径方向に延びるとともに、前記第1スリット(153)および前記第2スリット(154)を通過可能なように設けられるレバー部材(112)とを備える、請求項1に記載の医療用チューブコネクタ。
【請求項3】
前記第2スリット(154)に露出する、前記嵌合領域(158)とは反対側の前記本体部(151)の端面には、レバー部材(112)を位置決めするために、円周方向に沿って複数配置される係合凹部溝(154a,154b,154c)が設けられる、請求項2に記載の医療用チューブコネクタ。
【請求項4】
前記流路(114)は、前記スライド部材(110)に設けられる前記レバー部材(112)を通過するように設けられる、請求項2または3に記載の医療用チューブコネクタ。
【請求項5】
前記本体部(151)の内部には、中央に開口部(156)を有する隔壁(155)が設けられ、
前記円柱状摺動部材(111)は、前記嵌合領域(158)側に、前記被連結部材の前記液管路と連結可能な突出連結領域(113)が設けられ、
前記レバー部材(112)が前記第1スリット(153)に位置し、前記スライド部材(110)が前記隔壁(155)から遠ざかる第1位置にスライド移動することで、前記突出連結領域(113)の前記被連結部材の前記液管路への非連結状態が選択され、
前記レバー部材(112)が前記第2スリット(154)に位置し、前記スライド部材(110)が前記隔壁(155)に近づく第2位置にスライド移動することで、前記突出連結領域(113)が前記隔壁(155)の前記開口部(156)から突出し、前記連結領域(113)の前記被連結部材の前記液管路への連結状態が選択される、請求項2から4のいずれかに記載の医療用チューブコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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