説明

医療用子宮内システム

機能性子宮出血、月経過多、月経困難症、子宮内膜症、子宮筋腫、更年期不定愁訴、骨粗しょう症、および、泌尿生殖器萎縮の治療で用いる子宮内システム(1)が開示される。当該システムは、治療有効量の生物学的に活性な化合物のデポジット(22)を受け入れるための内部空間(20)を画定するフレーム(16)によって形成される。フレームは、デポジットの外面の実質的部分へのアクセスを可能にする開放構造を有し、デポジットは、子宮内への化合物の放出速度を制御する速度制御構造(26)を有する。雌哺乳類の子宮内にフレームを保持するために1つ以上の保持要素(6)がフレームに設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に子宮内システムに関し、特に、病状の治療のために治療有効量の生物学的に活性な化合物を子宮内に保持して放出することができるデバイスに関する。また、本発明は、生物学的に活性な化合物が内部に堆積した子宮内システムを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
子宮内デバイス(IUD)の使用は、長期避妊を行う都合のよい手法として長きにわたって認識されてきた。子宮内における装置の存在は、子宮内膜または子宮内壁による白血球およびプロスタグランジンの放出を引き起こす。これらの物質は、精子および卵子の両方に対して敵対的であり、受精と子宮内膜に対する受精卵子のその後の任意の付着とを妨げると考えられる。IUDにおける銅の使用は、殺精子効果を増大させる。
【0003】
幅広く受け入れられてきたIUDは、現在、Multiload(商標)の名前でN.V.Organonにより市場に出されている。そのようなデバイスは、US3952734に示されており、2つの弾性の片持ちアームを一端に有する長尺ステムを備えており、アームはステムの両側で横方向に延びている。銅ワイヤがステムの周囲に巻回される。子宮腔内への送入のため、ステムは管状シース内に収容されており、管状シースによりデバイスを頸部を通じて挿入できる。シースはステムを狭く囲繞しており、アームの形状および柔軟性は、挿入中にシースの周囲で潰れることができるように選択される。その結果、シースを引き戻してアームを折り畳み、IUDを子宮内に保持することができる。回収する目的で、アームとは反対の端部で糸がステムに取り付けられる。糸は、頸部を通じて延びて、デバイスの除去のために引っ張ることができる。通常の状況下では、最大5年まで長期にわたってIUDを除去することなく有効に使用できる。
【0004】
最近になって、子宮内での長期保持および放出のために所定量のホルモンを含むことができるデバイスが開発されてきた。これらのデバイスは一般に子宮内システム(IUS)と称され、以下では、作用物質が取り入れられたIUDを示すために用語IUSが使用される。1つのシステムがMirena(商標)の名前でSchering AGにより市場に出されている。該システムは、ステムの周囲にステロイド貯留体を有するT形状ポリエチレンフレームを備える。貯留体は、レボノルゲストレルとシリコンとの混合物により形成される円筒体から成る。貯留体は、3〜5年の期間にわたって放出速度を1日当たり約20マイクログラムに制御するシリコン膜によって覆われる。システムの挿入および除去は前述したものとほぼ同様である。そのようなシステムはUS4341728に示されている。ステロイドの使用は、避妊効果を高めることができ、システムの非避妊健康利点(例えば、月経過多)にも寄与する。銅コイル型のIUDは、女性の月経周期中に出血を増大させる傾向がある。ホルモンベースのIUSを使用すると、月経出血を減らすことができあるいは止めることさえできる。また、ホルモンの局所的投与により、その主な作用形態が卵巣機能の抑制である避妊のための他のホルモン方法と比べて少ない用量を使用できる。銅コイルの効果を増大させるために所定用量のプロゲストゲンを使用する他のデバイスがDE4125575Cに示されている。この文献によれば、プロゲストゲンが結晶形態でIUDの頭部に与えられ、その放出速度は、細かい孔または穿孔を通じた拡散によって制御される。あるいは、プロゲストゲンは、シリコンガラチン材料またはゴム系材料中に混入されて、外部からIUDに適用されてもよい。
【0005】
薬力学的特性を効果的に制御するため、システムは、長期間にわたって十分なフラックスを確保するべく十分な用量の作用物質を保存できなければならず、子宮頸部を通過する際の負傷や痛みを防止するように十分小さくなければならない。IUSの製造において直面される他の困難は、破壊することなく挿入、除去、および、使用の力に耐えるのに十分強いが、頸部を通過する際の負傷や痛みを防止するように十分小さい構造を形成する必要性があることである。特に、アームとステムとの間の接続部は、挿入体の周囲または挿入体内でのアームの折り曲げを可能にするべく柔軟でなければならない。除去時においても、アームは破壊することなく折れ曲がらなければならない。これは、子宮内でデバイスの一部を失うと、合併症につながる可能性があるからである。これらの問題を解決しようとする1つのデバイスがUS7080647に示されており、この場合、アームは、薬用ファイバステムのスロットに取り付けられる。デバイスの強度は、スロット接続のために利用できる限られた材料に依存すると考えられる。他のデバイスがWO96/01092から知られており、この場合、デバイスのアームを形成するために薬用デポジットが使用され、ステムがアームを取り囲むループを備える。
【0006】
更なる困難は、正確な用量の作用物質を確保することにある。従来のデバイスは、作用物質を取り囲む速度制御膜を使用する。一体的な膜の必要性が、デバイスの本体を作用物質デポジットに接続するために複雑な成形処理を必要としてきた。EP1400258およびWO06/079709はIUSの製造のための解決策について記載している。所定量の作用物質が例えばコーティングとしてデバイスの外面に与えられる多くの他のIUSが開示されている。
【0007】
生物活性材料の放出を可能にする穿孔を有する管状体を開示する他の別のデバイスがUS3656483から知られている。材料は、バネ部材により穿孔へ向けて付勢される一連のペレットの形態を成す。薬剤の浸出が穿孔領域で行われ、穿孔を通じた作用物質の通過によって放出速度が制御される。各ペレットが溶解されるにつれて、残存するペレットがバネによって押し下げられる。このようにして、一連の異なる作用物質をうまく放出することができる。それにもかかわらず、各作用物質の放出速度は、管状体の穿孔と製剤との間の相互関係に依存する。穿孔の任意の閉塞が薬剤のその後の放出に影響を及ぼす。構造の強度は、デバイス挿入を更に困難にして痛みを伴う場合がある外部チューブによって与えられる。
【0008】
生物学的に活性な化合物から成るデポジットが開放フレーム構造内に保持される子宮内システムが未公開PCT出願PCT/EP2008/065149(後に公開される優先権書類EP2057972)に開示されている。フレームの開放構造により、フレームとはほぼ無関係であると考えられる速度で化合物を放出できる。デポジットは、速度制御膜によって取り囲まれたロッドの形態を成してもよい。ノメゲストロールアセテート(NOMAc)、天然プロゲステロン、レボノルゲストレル、エトノゲストレル、ジドロゲステロン、メドロゲステロン、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストロールアセテート、クロルマジノンアセテート、シプロテロンアセテート、カプロン酸ゲストノロン、デメゲストン、プロメゲストン、ネステロン、トリメゲストン、ノルエチステロン(ノルエチンドロン)、ノルエチステロンアセテート、リネストレノール、エチノジオールアセテート、ノレチノドレル、ノルゲストレル、ノルゲスチメート、ジエノゲスト、ゲストデン、および、ドロスピレノンから成る群から選択されるプロゲストゲンを含む多くのプロゲストゲン活性を有するステロイド化合物が記載されている。エトノゲストレル取り込みのための値は、10〜70重量%エトノゲストレル、好ましくは30〜65重量%エトノゲストレル、より好ましくは40〜65重量%エトノゲストレルの範囲内で与えられる。54重量%エトノゲストレルの取り込みを伴う特定の例が記載されている。また、子宮内投与が、ホルモン補充物質、抗癌剤、化学療法薬、生理不順を治療するための薬剤などを含む多くの他の薬剤および作用物質のための望ましい投与法に相当することが、一般的に記載されている。これにより、この先願の明示的内容は具体的に特許請求の範囲に記載されていない。
【0009】
また、子宮内投与は、ホルモン補充物質、抗癌剤、化学療法薬、生理不順を治療するための薬剤などを含む多くの他の薬剤および作用物質のための望ましい投与法にも相当する。最小のデバイス開発でこれらの治療のうちの1つ以上に容易に適合され得るデバイスを提供することが望ましい。
【0010】
更なる化合物に関して薬剤または作用物質の放出速度を容易に予測できる簡単なデバイスを製造できることが望ましい。また、実際には、速度が確実に維持されなければならない。更に、デバイスの構造は、簡単でなければならず、最小数の構成要素を含まなければならないが、容易な挿入および正確な除去を可能にするべく強固で柔軟であるとともに小さくなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第3952734号明細書
【特許文献2】米国特許第4341728号明細書
【特許文献3】ドイツ特許第4125575号
【特許文献4】米国特許第7080647号明細書
【特許文献5】国際公開第96/01092号
【特許文献6】欧州特許第1400258号
【特許文献7】国際公開第06/079709号
【特許文献8】米国特許第3656483号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、機能性子宮出血、月経過多、月経困難症、子宮内膜症、子宮筋腫、体のほてり、発汗、気分変動を含む更年期不定愁訴、骨粗しょう症、および、膣萎縮を含む泌尿生殖器萎縮から成る群から選択される病状の治療で用いる、特に機能性子宮出血、月経過多、月経困難症、子宮内膜症、子宮筋腫の治療のための子宮内システムを提供することによりこれらの問題を扱う。このシステムは、治療有効量の生物学的に活性な化合物のデポジットと、デポジットを受け入れるための内部空間を画定し、デポジットの外面の実質的部分へのアクセスを可能にする開放構造を有するフレームと、雌哺乳類、好ましくはヒトの子宮内にフレームを保持するための1つ以上の保持要素とを備える。フレームの開放構造により、デポジットの外面の実質的部分が環境に対して直接に露出され、そのため、子宮への化合物の定常放出に対する速度制御効果を、デポジット自体の構造とデポジットが配置される環境とによって主に決定することができる。これは製造の観点から極めて有益である。これは、フレームが形成されると、既存の薬剤または制御放出カプセル/ファイバをフレームに挿入できるからである。放出速度は主にデポジット自体によって決定されるため、フレーム内の放出速度を比較的容易に予測できる。
【0013】
以下において、デポジットの外面の実質的部分へのアクセスを可能にする開放構造を有するフレームとは、デポジットの外面の少なくとも50%が露出される構成を意味すると理解されたい。好ましくは外面の60%を超える部分が露出され、より好ましくは70%を超える部分が露出される。
【0014】
本発明は、柔軟なフレームとデポジットとが相互に作用して複合的な機械構造を形成する場合に特別な利点を有する。このように、結果として得られるシステムは、フレームのみあるいはデポジットのみよりも大きい機械的強度、特に曲げ剛性を有することができる。実際に、組み合わせたものは、個別に測られるフレームの曲げ剛性とデポジットの曲げ剛性との和よりも大きい曲げ剛性を有し得ることが分かってきた。したがって、このようにして得ることができるフレームの小さい断面に起因して容易な挿入を依然として確保しつつ適切な強度を確保する改良された構造を得ることができる。理論に制約されないが、向上された剛性は、後に協働して複合ビームとして機能し得るデポジットと周囲フレームとの間の緊密な嵌合または締り嵌めの結果であると考えられる。この緊密な嵌合は望ましくは横方向および軸方向の両方でなされる。
【0015】
フレームは、その開放構造および柔軟設計により、それ自体が極めて柔軟となり得る。この場合、組み合わされたシステムの剛性の大部分がデポジットにより与えられてもよい。特に、フレームのステム部内に位置付けられるロッド形状のデポジットにおいて、該デポジットは、フレームのステム部自体の曲げ剛性よりも大きい曲げ剛性を有してもよい。好ましくは、デポジットは、フレームステムよりも少なくとも3倍硬く、より好ましくはフレームステムよりも5倍硬く、フレームステムよりも約10倍硬くてもよい。
【0016】
フレームステムは、好ましくは4.5mm未満、より好ましくは4.0mm未満の直径を有してもよく、直径が3.5mm未満であってもよい。当業者であれば分かるように、ステムを取り囲むための管状挿入体と組み合わせて使用する場合には、IUSが5.0mmの外径を有する挿入体内に嵌入可能であることが重要である。このようにすると、人の受け手に関して5.0mm以下の外径の挿入チューブを要求するISO−7439.2002を順守することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、フレームは、内部空間内へのデポジットの導入を可能にするための開口と、該開口を閉じるための閉塞部材とを備える。開口はフレームの前端に位置付けられるのが好ましい。デポジットは、内部空間内に挿入されると、それにより、フレームから不用意に外れないように安全に保持される。あるいは、フレームまたはデポジットのいずれかあるいは両方は、フレーム内へのデポジットの挿入およびその後のデポジットの保持を可能にするべく十分に柔軟であってもよい。
【0018】
閉塞部材はプラグを備えることが好ましい。プラグは、フレームと一体形成されてもよく、あるいは、別個の構成要素であってもよい。プラグまたはキャップの使用が好ましいが、当業者であれば分かるように、別の閉塞体が使用されてもよい。特に、フレームは、デポジットを収容するためにデポジットの周囲で互いに接合する2つの部品から形成されてもよい。両方の部品は、圧入、スナップ取り付け、形状嵌合、螺合などの機械的手段を使用して開口を閉じるように接続されてもよい。あるいは、部品は、互いに接着され、溶着され、ホットスタンピングされ、あるいは、さもなければ結合されてもよい。好ましい実施形態において、プラグは、ほぼ不浸透性であり、後述するようにデポジットの端部を覆って保護することができる。
【0019】
最も好ましくは、フレームは実質的に不活性な材料から形成される。この文脈における用語「実質的に不活性な材料」は、子宮内の環境への露出によって腐食されず且つそれ自体で積極的に作用物質を放出しない材料を示すよう意図される。それにもかかわらず、子宮内デバイスの性質により、フレームが子宮内膜による白血球およびプロスタグランジンの放出を引き起こし得ることは排除されない。最も好ましい実施形態において、フレームは、生体適合性ポリマー、特にポリエチレン(PE)、エチレンビニルアセテート(EVA)、または、これらの組み合わせを備える。そのようなポリマーは、そのような用途において十分な強度および弾性を有することが分かってきた。更なる好ましい実施形態によれば、フレームまたはデポジットのいずれかあるいは両方は、放射線不透過性材料などの指標を組み込んでもよい。この目的のためには硫酸バリウムが好ましい物質である。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、1つ以上の保持要素がフレームと一体に形成される。保持要素は、1または複数のアーム、コイル構造、アンカー、フック、バーブ、ファイバ等を含むがこれらに限定されない、デバイスを子宮内に保持する機能を確保する任意の形状を成してもよい。しかしながら、重要なのは、保持要素が必要に応じて子宮内へのデバイスの挿入および子宮からのデバイスの除去も可能にするということである。フレームは、好ましくは、内部空間が位置付けられる長尺なステムを備えてもよく、このとき、保持要素は、ステムから横方向に延びるアームとして形成されてもよい。内部空間は、少なくとも一部が必要に応じて保持要素内またはアーム内に形成されてもよい。当該技術分野においては様々な形状のアームが良く知られている。
【0021】
本発明に係るシステムは、閉経前、閉経前後、閉経後の期間で用いるのに有効な任意の適した治療効果のあるホルモン化合物または非ホルモン化合物のデポジットと共に使用するようになっている。本構造の利点は、所望の治療にしたがって異なる化合物を有する異なるデポジットのための土台として一形態のフレームを製造して使用できるという点である。好ましい形態のデポジットは、活性物質または活性化合物が溶解されあるいは分散されるポリマーマトリクスを備える。当業者は、特に前述した適用および治療に関して適用できる適切な化合物を良く認識している。マトリクスには、ホルモン、抗ホルモン、または、部分作動薬、部分拮抗薬、あるいは、それらの組み合わせなどの混合プロファイルを有するホルモン、または、非ホルモン化合物が取り込まれるのが好ましい。
【0022】
一実施形態において、ホルモン、抗ホルモン、または、混合プロファイルを有するホルモンは、プロゲステロン受容体作動薬、プロゲステロン受容体拮抗薬、または、SPRM(選択的プロゲステロン受容体モジュレータ)などの混合プロファイルプロゲステロン受容体リガンドを含む。当業者であれば分かるように、そのような化合物は、機能性子宮出血、月経過多、月経困難症、子宮内膜症、子宮筋腫の治療に有効となり得る。
【0023】
別の方法として、化合物は、低分子量GnRH拮抗薬またはGnRH作動薬を備えてもよい。これらの化合物は、子宮内膜症および子宮筋腫の治療に特に有益となり得る。
【0024】
あるいは、ホルモン、抗ホルモン、または、混合プロファイルを有するホルモンは、エストロゲン受容体作動薬、エストロゲン受容体拮抗薬、または、SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレータ)などの混合プロファイルエストロゲン受容体リガンドを含んでもよい。そのような薬剤は、一般に、閉経後または閉経前後の期間における更年期不定愁訴の軽減に適し得る。一実施形態において、化合物は、ER調節活性を有し、17ベータ−エストラジオール、エストリオール、共役ウマエストロゲン、ER−アルファ選択的アゴニスト単独またはプロゲステロンとの組み合わせから成る群から選択されてもよい。当業者であれば分かるように、そのような化合物は、体のほてり、発汗、気分変動を含む更年期不定愁訴、骨粗しょう症、および、膣萎縮を含む泌尿生殖器萎縮の治療において有効となり得る。これに代えてあるいはこれに加えて、化合物は、タモキシフェンまたはその活性代謝物、フルベストラント、アロマターゼ阻害薬、アナストロゾール、レトロゾール、および、エキセメスタンなどのエストラジオールの新たな形成を阻止する化合物を含んでもよい。
【0025】
更なる別の方法として、ホルモン、抗ホルモン、または、混合プロファイルを有するホルモンは、アンドロゲン受容体作動薬、アンドロゲン受容体拮抗薬、または、混合プロファイルアンドロゲン受容体リガンドを含むアンドロゲン受容体調節活性を有する化合物を備えてもよい。また、当業者であれば分かるように、黄体ホルモン薬、エストロゲン、および、アンドロゲン受容体モジュレータを含め、前記化合物の組み合わせが望ましい場合がある。また、当業者であれば分かるように、本発明は、黄体ホルモン薬、エストロゲン、および/または、アンドロゲン調節活性を組み合わせた化合物を含むことにも及ぶ。すなわち、ダナゾールは、エストロゲン/アンドロゲン調節活性を混合して成る化合物の一例である。
【0026】
他の代替案において、あるいは、先に加えて、化合物またはデポジットは1つ以上の非ステロイドホルモンを備えることができる。
【0027】
以上に代えてあるいは加えて、化合物またはデポジットは、医学的適応の治療のための且つ子宮内送出に適し得る1つ以上の非ホルモン化合物または薬物を備えることができる。そのような非ホルモン化合物は、抗炎症薬、抗生物質製剤、および、鎮痛薬を含んでもよい。
【0028】
活性化合物を有するポリマーマトリクスは、EVAポリマー、好ましくは10重量%を超える酢酸ビニル(VA)、より好ましくは15重量%を超えるVA、最も好ましくは26重量%を超えるVAを有するEVA材料を備えてもよい。41重量%を超える酢酸ビニルの割合は、加工性の問題および剛性の損失に起因して推奨されない。
【0029】
更なる好ましい実施形態によれば、ポリマーマトリクスが速度制御構造によって取り囲まれてもよい。この速度制御構造は、マトリクスと組み合わせて、子宮内への活性化合物の放出速度を決定する際の主な要因となり得る。言うまでもなく、実際の放出速度の少なくとも一部は多くの更なる要因によって決定される。速度制御構造は、ポリマーマトリクスコアを取り囲む膜を備えることが好ましい。この膜は、EVA、特に33重量%未満、好ましくは28重量%未満、最も好ましくは18重量%未満の割合のVAを有するEVAも備えることが好ましい。そのような構造は、長期間にわたって安定した速度で化合物の制御された放出を確保する際に最も有益であると考えられる。膜はフレームではなくデポジットの一部を形成するため、それぞれの膜を互いに独立に最適化できる。
【0030】
本発明の更なる態様によれば、デポジットは、実質的に形状安定性であり、使用中に腐食されない。デポジットが腐食されないという事実に起因して、デポジットが子宮内での長期にわたる保持中にフレームの開放構造から抜け出る可能性があるといった危険は殆どない。特に、フレームには大きな開口が設けられてもよい。形状安定なデポジットの他の特性は、フレームとデポジットとの相互作用に起因してIUSの機械的完全性が依然として損なわれないままであるという点である。
【0031】
本発明の更なる他の態様によれば、デポジットは、外周面と2つの端面とを有するロッド形状要素の形態を成して製造されてもよい。ロッドにおける好ましい寸法は、単一ロッドの場合、1.5〜3.0mmの直径、20〜45mmの長さであるが、幾つかの状況下では、1.0mm程度の小さい直径が十分な放出をもたらす場合がある。一般に、寸法は、主として、IUDの全長を36mmに制限する例えば前述したISO−7439.2002にしたがった規格機関によって決定付けられてもよい。また、例えばデポジットがIUDデバイスのアーム内に位置付けられるようになっていれば、異なる寸法を適用できる場合があることは言うまでもない。そのようなデポジットは、押出し成形プロセスによって製造すると都合よいことが分かっており、その後、使用するのに望ましい長さにカットされてもよい。特に、デポジットは、放出速度決定膜によって取り囲まれるロッド形状のポリマーマトリクスコアを形成するために共押出しプロセスによって形成されてもよい。共押出しプロセスの適した例は、US4957119の実施例1から5において見出すことができる。押出しされたロッドを所定の長さにカットする際、露出端は膜によって覆われない。この場合、フレームが2つの端面を覆ってこれらの領域からの化合物の放出、特に使用開始時の初期バーストを防止しあるいは減少させることが望ましい。特にこの場合、デポジットの外周面の周りの膜がフレームの開放構造によって露出される。デポジット内に保持される用量を最大にするためおよび/またはシステムの強度を高めるため、ロッドがIUDのほぼ全長にわたって延びてもよい。
【0032】
また、本発明は、子宮内システムの製造のための方法であって、内部空間と開放構造とを有するフレームを形成する工程;機能性子宮出血、月経過多、月経困難症、子宮内膜症、子宮筋腫、更年期不定愁訴、骨粗しょう症、および、泌尿生殖器萎縮から成る群から選択される病状の治療にとって治療有効量の生物学的に活性な化合物から成り、速度制御構造を備える外面を有するデポジットを提供する工程;及び、前記外面の実質的部分が前記開放構造を通じて露出されるようにデポジットを前記内部空間内に挿入する工程を含む方法に関する。特に、治療有効量の化合物のデポジットを設けることは、フレーム内への挿入のために既存の生薬形態を成す化合物を設けることを伴ってもよい。化合物は、ホルモン、抗ホルモン、または、部分作動薬、部分拮抗薬、あるいは、それらの組み合わせなどの混合プロファイルを有するホルモン、または、前述した適応に適する非ホルモン化合物を備えてもよい。
【0033】
本方法は、内部空間からのデポジットの抜け出しを防止するためにフレームの開口に閉塞体を適用することを更に含むことが好ましい。閉塞体の適用は、閉塞体の外れを防止するためにフレームに対して閉塞体を結合することを含んでもよく、例えば接着、溶着、または、ホットスタンピングにより自動的手順で行われてもよい。前述したように、好ましい実施形態では、開口およびその閉塞体がフレームの前端に位置付けられる。
【0034】
更なる好ましい実施形態において、方法は、化合物を含むポリマーマトリクスコアと速度制御膜との共押出しによってデポジットを形成することを含む。
【0035】
本発明の更なる他の態様によれば、本方法は、射出成形によってフレームを形成することを含んでもよい。フレームおよびその閉塞体は、単一の成形工程で形成されてもよく、あるいは、例えば異なる材料を使用して2つの別個の構成要素として形成されてもよい。
本発明の特徴および利点は、以下の図面を参照すれば十分理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】図1のIUDの2−2線に沿う断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の斜視図である。
【図4】組み立て前の本発明の第3の実施形態の斜視図である。
【図5】デポジットの挿入後の図4の実施形態の斜視図である。
【図6】本発明の第4の実施形態の斜視図である。
【図7】デポジットの挿入中の本発明の第5の実施形態の斜視図である。
【図8】本発明の第6の実施形態の斜視図である。
【図9】本発明に係るIUDアセンブリおよび挿入体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態に係る子宮内システム1が示されている。IUD1は、一対の横方向に延びるアーム6がその上端8に接続されて成るステム4を備える本体2を有する。ステム4の下端10には、ナイロン糸14が接続されるアイ12が設けられる。ステム4は、内部空間20への開口18を有するフレーム16により形成される。内部空間20内にはロッド形状のデポジット22が位置付けられる。
【0038】
図2は、線2−2に沿うIUD1の断面図を示している。図2は、ステム4のフレーム16と、内部空間20内に受けられるデポジット22とを更に明確に示している。また、図2は、コア24と外側膜26とを備えるようにデポジット22を示している。コア24は、酢酸ビニル比率が28%のEVA共重合体から成るマトリクスから形成され、該マトリクスには所定量の生物学的に活性な化合物が加えられる。コア24には、前述した治療有効量の適した生物学的に活性な化合物が取り込まれる。当業者は、意図される適応および実際の送出期間にしたがって考慮され得る活性物質の適切な取り込みを認識している。また、コア24は、放射線不透過性の指標として12重量%のBaSOを備える。膜26は、約40ミクロンの厚さを有し、酢酸ビニル比率が15%のEVA共重合体から成る。当業者であれば分かるように、コア24からの活性化合物の所望の放出速度によって決定される他の膜寸法および組成が使用されてもよい。デポジット22は、30mmの全長と、約2.3mmの直径とを有する。ステム4は、約36mmの全長と、約3.2mmの外径とを有する。
【0039】
IUD1の製造は、ステム4とアーム6とを含む一体品を成す本体2の射出成形によって行われる。このため、本体2は、混合比が44/36/20重量%の硫酸バリウム含有PE/EVA混合物を備える。硫酸バリウムの存在は、完成品のx線可視性を高める。その後、糸14が簡単な結び目によってアイ12に取り付けられる。本体2を形成した後、ロッド形状のデポジット22がそれを開口18のうちの1つに通して上端8へ向けてスライドさせることによりフレーム16内に挿入される。デポジット22は十分に柔軟であり、そのため、デポジットがS形状へと僅かに曲がることができ、デポジット22の他端をステム4の下端10へ挿入できるようになる。また、フレーム16も柔軟でありデポジット22の挿入に役立つ。ここで、デポジット22は、フレーム16内に効果的に保持され、ユーザによって操作されなければ抜け出ることができない。その結果、IUDは、いつでも使用できる状態となり、他の従来の挿入体を使用して医師によりユーザの子宮内へ従来のように挿入することができる。
【0040】
図3は本発明に係るIUD100の第2の実施形態を描いており、この場合、1が前にくる同様の参照符号は、図1および図2のシステムの場合と同じ特徴を表すために使用される。図3によれば、IUD100はステム104を有する本体102を備える。ステム104は、開口118と内部空間120とを有する螺旋コイル116によって形成される。コイル116は、金属から形成されるのが好ましいが、成形プラスチック部品であってもよい。アーム106がステム104の上端108と一体に形成されており、該上端にはコイル116が成形処理により埋め込まれる。ステム104の下端110も、成形品として形成され、糸114が接続されるアイ112を備える。デポジット122が内部空間120内に保持される。デポジット122は図1および図2のデポジットとほぼ同一であってもよい。内部空間120内へのデポジット122の挿入は、コイル116の変形によって行われる。糸114が下端110に取り付くように描かれているが、糸を上端108に取り付くようにステム104に通すことが望ましい場合もある。このようにすると、IUD100を引き抜くために糸114に作用する張力がコイル116の伸長を引き起こさない。
【0041】
図4および図5は、本発明に係るIUD200の第3の実施形態を描いており、この場合、2が前にくる同様の参照符号は、図1および図2のシステムの場合と同じ特徴を表すために使用される。図4によれば、IUD200は、スナップ要素209を有する2つのフレーム半体205、205’を成して形成されるステム204を有する本体202を備える。アイ212、212’がフレーム半体205、205’の下端210、210’に形成される。ステム204の上端208は一対のアーム206を有する。
【0042】
本体202は、フレーム半体205、205’と上端208との間にリビングヒンジ207、207’を有するように射出成形処理で形成される。デポジット222の挿入後、フレーム半体205、205’が互いにスナップ留めされて、図5に示されるようにステム204が形成される。このとき、デポジット222は内部空間220内に保持される。デポジット222は図1および図2のデポジットとほぼ同一であってもよい。その後、糸214がアイ212、212’に通されてフレーム半体205、205’の開放を更に抑制する。
【0043】
本発明に係るIUD300の第4の実施形態が図6にしたがって開示され、この場合、3が前にくる同様の参照符号は、図1および図2のシステムの場合と同じ特徴を表すために使用される。
【0044】
IUD300は、図1の実施形態にほぼ類似しており、一対の横方向に延びるアーム306がその上端308に接続されて成るステム304を含む本体302を備える。ステム304の下端310には、ナイロン糸314が接続されるアイ312が設けられる。ステム304は、内部空間320への開口318を有するフレーム316として形成される。内部空間320内にはロッド形状のデポジット322が位置付けられる。図1の実施形態とは異なり、IUD300は、上端308を貫通して形成される開口332を覆うキャップ330も含む。キャップ330は、上端部308に融合する滑らかな外面を有する。キャップ330は、IUD300の製造中にデポジット322の挿入を可能にする。挿入後、溶着処理により所定位置に固定されるキャップ330によって開口332が閉じられる。これに代えてあるいはこれに加えて、キャップ330は、適切な接着剤を使用して本体302に接着されてもよく、あるいは、本体にホットスタンピングされてもよく、あるいは、任意の他の適した技術により付けられてもよい。
【0045】
図7は本発明に係るIUD400の第5の実施形態を描いており、この場合、4が前にくる同様の参照符号は、図1および図2のシステムの場合と同じ特徴を表すために使用される。
【0046】
図7を参照すると、IUD400は、一対の横方向に延びるアーム406がその上端408に接続されて成るステム404を備える本体402を有する。先の実施形態の場合と同様、ステム404は、ほぼ開放するフレーム416として形成される。しかしながら、ステム404の下側部分は、対を成す下端410、410’を有する2つの柔軟な脚部405、405’として形成される。アイ412、412’が下端405、405’に形成される。
【0047】
本体402は射出成形処理で形成され、脚部405、405’は、それらをデポジット422の挿入のために離し広げることができるように十分に柔軟である。挿入後、脚部405、405’はそれらの当初の位置に戻る。その後、糸414がアイ412、412’に通され、それにより、デポジット422が内部空間420内に保持されるように脚部405、405’の開放が抑制される。脚部405、405’には、それらの下端410、410’にスナップコネクタ(図示せず)が設けられてもよい。
【0048】
図8は本発明に係るIUD500の第6の実施形態を描いており、この場合、5が前にくる同様の参照符号は、図1および図2のシステムの場合と同じ特徴を表すために使用される。
【0049】
図8を参照すると、IUD500は、それらの下端510に接続される互いに接合された一対の柔軟アーム506、506を備える。各アーム506’、506は、これと一体に形成される開放フレーム516をその上端508に有する。アイ512が糸514を受けるために下端505に形成される。図示のように、一方のアーム506が他方のアーム506’よりも長く、両方のアームは、挿入チューブ内へのIUDの挿入のためにそれらを一緒に折り曲げることができるように十分柔軟であり、それにより、フレーム516がチューブ内で互いにほぼ位置合わせされる。各フレーム516は内部空間520を備え、該内部空間内には先の実施形態の場合と同様にデポジット522が保持される。
【0050】
図9は、IUD1、100、200、300、400、500のいずれかの導入のための挿入体600を示している。挿入体600は、3.9mmの外径と約3.3mmの内径とを有する薄壁中空チューブ602を備える。デバイスの正確な位置決めの際に医師を助けるために、スライド可能なルーラ要素604がチューブ602に取り付けられる。IUD1は、最初に、アーム6だけが挿入体600の第1の端部606で露出された状態で挿入体内に引き込まれた位置にある。糸14が挿入体600の第2の端部608から延びており、そこで医師により糸を保持することができる。IUDの挿入は、他の従来の態様で行われ、ここでこれ以上詳しく説明しない。本発明のIUDは、IUDが管状要素内ではなくワンドまたはホルダの端部に設けられる他の挿入体構成と共に使用されてもよい。また、図9の実施形態では、IUDのアーム6が挿入体チューブの外側の周囲で折り曲げられて示されているが、これらのアームが代わりに挿入体内で一緒に折り曲げられてもよい。
【0051】
このように、前述した特定の実施形態を参照することにより本発明を説明してきた。これらの実施形態が本発明の思想および範囲から逸脱することなく様々な変更および当業者に良く知られた別の形態を成すことができるのが分かる。特に、全ての実施形態が横方向に延びる湾曲したアームを伴って示されてきたが、直線状の、分岐した、および、カールしたアームを含むがこれらに限定されない他の形状も可能である。これに代えてあるいはこれに加えて、システムを子宮内に維持するために他の形状の保持要素が使用されてもよい。したがって、特定の実施形態について説明してきたが、これらは、単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能性子宮出血、月経過多、月経困難症、子宮内膜症、子宮筋腫、更年期不定愁訴、骨粗しょう症、および、泌尿生殖器萎縮から成る群から選択される病状の治療において用いる子宮内システムであって、
治療有効量の生物学的に活性な化合物のデポジットと、
前記デポジットを受け入れるための内部空間を画定し、前記デポジットの外面の実質的部分へのアクセスを可能にする開放構造を有するフレームと、
雌哺乳類の子宮内に前記フレームを保持するための1つ以上の保持要素と、
を備える子宮内システム。
【請求項2】
前記フレームが、ほぼ柔軟であり、デポジットと相互に作用して、フレーム単独の曲げ剛性とデポジット単独の曲げ剛性との和よりも大きい曲げ剛性を有する機械的構造を形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記デポジットが、前記フレームのステム部内に位置するロッド形状のデポジットであり、前記フレームのステム部自体の曲げ剛性よりも大きい曲げ剛性を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記デポジットが、速度制御膜によって取り囲まれるポリマーマトリクスコアを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記デポジットが、実質的に形状安定性であり、使用中に腐食されない、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記化合物が、ホルモン、抗ホルモン、または、部分作動薬部分作動薬、部分拮抗薬、もしくは、それらの組み合わせなどの混合プロファイルを有するホルモンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ホルモン、抗ホルモン、または、混合プロファイルを有するホルモンが、プロゲステロン受容体作動薬、プロゲステロン受容体拮抗薬、または、SPRM(選択的プロゲステロン受容体モジュレータ)などの混合プロファイルプロゲステロン受容体リガンドを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ホルモン、抗ホルモン、または、混合プロファイルを有するホルモンが、エストロゲン受容体作動薬、エストロゲン受容体拮抗薬、または、SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレータ)などの混合プロファイルエストロゲン受容体リガンドを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記化合物が、ER調節活性を有し、17ベータ−エストラジオール、エストリオール、共役ウマエストロゲン、ER−アルファ選択的アゴニスト単独またはプロゲステロンとの組み合わせ、タモキシフェンまたはその活性代謝物、フルベストラント、アロマターゼ阻害薬、アナストロゾール、レトロゾール、および、エキセメスタンなどのエストラジオールの新たな形成を阻止する化合物から成る群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ホルモン、抗ホルモン、または、混合プロファイルを有するホルモンが、アンドロゲン受容体作動薬、アンドロゲン受容体拮抗薬、または、混合プロファイルアンドロゲン受容体リガンドを含むアンドロゲン受容体調節活性を有する化合物を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記治療有効量の前記生物学的に活性な化合物が非ホルモン化合物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
治療有効量の前記生物学的に活性な化合物が非ステロイドホルモンを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記フレームは、前記デポジットの外面の少なくとも50%へのアクセスを可能にする開放構造を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
子宮内システムの製造方法であって、
内部空間と開放構造とを有するフレームを形成する工程、
機能性子宮出血、月経過多、月経困難症、子宮内膜症、子宮筋腫、更年期不定愁訴、骨粗しょう症、および、泌尿生殖器萎縮から成る群から選択される病状の治療にとって治療有効量の生物学的に活性な化合物のデポジットであり、速度制御構造を備える外面を有するデポジットを提供する工程、および
前記外面の実質的部分が前記開放構造を通じて露出されるように前記デポジットを前記内部空間内に挿入する工程
を含む方法。
【請求項15】
前記化合物を含有するポリマーマトリクスコアと速度制御膜との共押出しによって前記デポジットを形成する工程を更に含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−525861(P2012−525861A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507785(P2012−507785)
【出願日】平成22年5月3日(2010.5.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055948
【国際公開番号】WO2010/128004
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(512059936)エム・エス・ディー・オス・ベー・フェー (24)
【Fターム(参考)】