医療用途のための負圧を提供するために利用者の身体に携帯可能な装置
本発明は、医療用途のための負圧の提供のため特に人間又は動物の身体の創傷の負圧治療のため、利用者の身体に携帯可能な装置(2)に関し、負圧生成装置と、体液を収容するための特に創傷から吸い出された創傷分泌物を収容するための使用後に使い捨て可能なワンウェイ容器(10)と、身体へと通じる吸引配管の接続部(12)とを有し、負圧生成装置は本装置の第1のハウジング部分(4)の内部又は表面に配置され、容器(10)は本装置の第2のハウジング部分(8)を形成し、又は第2のハウジング部分(8)の内部もしくは表面に配置され、ハウジング部分(4,8)は取外し可能に相互に固定可能であり、本装置(2)は取付手段を有し、これにより利用者の身体で携帯可能かつ携行可能である。本発明の装置は、利用者の身体に携行される状態(モバイル動作)の時に第1のハウジング部分(4)が身体と反対側を向くとともに第2のハウジング部分(8)が身体のほうを向くように設けられ、両ハウジング部分(4,8)は実質的に円板状に構成され、実質的に垂直方向に向く分離平面(14)で相互に当接することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用途のための負圧を提供するために、特に人間または動物の身体の創傷の負圧治療のために、利用者の身体に携帯可能な装置に関するものであり、負圧生成装置と、体液を収容するための、特に創傷から吸い出された創傷分泌物を収容するための、使用後に使い捨て可能なワンウェイ容器と、そのために身体へと通じる吸引配管の接続部とを有しており、負圧生成装置は本装置の第1のハウジング部分の内部または表面に配置されており、容器は本装置の第2のハウジング部分を形成しており、または第2のハウジング部分の内部もしくは表面に配置されており、各ハウジング部分は取外し可能なように相互に固定可能であり、本装置は取付手段を有しており、それによって利用者の身体で携帯可能かつ携行可能である。
【背景技術】
【0002】
このような種類の負圧創傷治療をする装置は、特に米国特許出願公開第2004/0073151A1号明細書、国際公開第2009/047524A2号パンフレット、国際公開第2007/030599A2号パンフレット、欧州特許出願公開第1905465A1号明細書などによって、すでにいくつも知られている。
【0003】
このような種類の創傷を負圧治療する装置では、負圧生成装置は吸引配管を介して創傷または創傷周辺部と連通しており、空気を通さないカバー材料が創傷および創傷周辺部の気密な閉鎖のために設けられており、それによって創傷空間で負圧を生成可能であるとともに、液体を創傷空間から前述の容器へ吸い出し可能である。
【0004】
負圧という概念は、本発明との関連では、周囲空気圧(大気の空気圧)に比べて低減された、特に創傷包帯内部における空気圧を指している。したがって、創傷空間を気密に閉鎖するための創傷包帯のカバー材料は、創傷空間内で負圧を印加して維持できるようにするために、発生する圧力差に耐えられるように構成されていなければならない。創傷治療における負圧療法の分野では、負圧は周囲空気圧と、カバー材料の下で印加される空気圧との間の圧力差として定量的に表される。典型的な場合、この圧力差は負圧療法の分野では高くとも250mmHg(mm水銀柱)(1mmHg=1トル=133.322パスカル)である。このような最大250mmHgの負圧範囲が、創傷の治癒に好適であることが判明している。好ましい負圧範囲は10から150mmHgの間である。
【0005】
装置を用いて創傷に印加される負圧は、典型的な負圧治療では、時間的に実質的に一定に保つことができ、または時間的に変化させることができ、特に周期的に変化させることができ、このことは、相応に構成されてプログラミングされた制御装置を通じて負圧生成装置で、特にさらに別のパラメータに依存して、具体化することができる。
【0006】
負圧を印加するために、および特に体液を吸い出すために、特に柔軟な吸引配管が、たとえばドレナージホースの形態で設けられており、これは一方では創傷カバー材料の領域にあるいわゆるポートを介して創傷周辺部または創傷空間と連通するとともに、他方では、冒頭に述べた体液を収容するための容器と、ないしは負圧生成装置と連通している。
【0007】
負圧創傷治療のほか、ここで記載の対象としている医療用途のために負圧を提供する装置のこれ以外の利用法も考えられ、特に、医療上の失禁処置の分野、ストーマ患者の処置の分野、あるいは場合により洗浄液を用いながら負圧を印加しない場合も含めた相当な期間に及ぶ創傷分泌物の吸出しの分野など、それ自体任意の体液の吸出しが考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、以上に説明した種類の装置をさらに改良して、いっそう利用者適合的な仕方で取扱可能なようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、上述した種類の装置において本発明によると、利用者の身体に携行される本装置の状態(モバイル動作)のときに第1のハウジング部分は身体と反対側を向くとともに第2のハウジング部分は身体のほうを向くように設けられており、両方のハウジング部分は実質的に円板状に構成されており、実質的に垂直方向に向く分離平面で相互に当接することによって解決される。両方のハウジング部分の円板状の構成は、本発明の意味においては、ハウジング部分が定置の動作で規定された通りに設置面で水平方向の架台の上に載っているときに、水平方向の奥行と比較して見て大きい幅と高さをそれぞれ有することを意味している。すなわちハウジング部分は、相互に取外し可能なように固定されているときに、円板平面に位置するそれぞれの面で相互に当接している。上で分離平面という表現を用いているが、これは必ずしも各ハウジング部分が厳密に平坦な面で相互に当接することを意味しているわけではない。むしろ好ましい態様では、センタリング手段として作用する突起等の成形物が、特に相互に相補的な形態で、各ハウジング部分に設けられていてよい。本発明によると、両方のハウジング部分は互いに折り返されたり相上下して重なったりするのではなく、本装置が規定された通りに水平方向の表面の上に設置面で載ったときに、または直立した人間の身体に携帯されたときに、実質的に垂直方向を向く上述の分離平面で相並んで相互に当接する。
【0010】
第2のハウジング部分を形成する、または第2のハウジング部分の内部もしくは表面に配置された容器が、第2のハウジング部分とともに本装置のモバイル動作で身体のほうを向き、負圧生成装置を収容する第1のハウジング部分は身体と反対を向くように方向づけられることにより、第2のハウジング部分を第1のハウジング部分によってある程度まで覆うことが可能である。このようにして、第三者が直接中を見ることを可能にすることなく、第2のハウジング部分または容器を透明に構成することもできる。さらに、身体の領域への第2のハウジング部分の配置は、負圧生成装置を収容する第1のハウジング部分の場合よりも高い、身体に合わせた適合化のための形成可能性を保証する。さらに、第1のハウジング部分の身体を反対を向く配置により、負圧生成装置およびその制御のための操作部材へのアクセス部を、本装置の見える側の領域に設けることができる。それにより、操作コンポーネントおよび場合により表示コンポーネントが身体と反対を向くように、特に上から見ることができるように配置されることによって、本装置の利用者自身によるアクセスも可能である。
【0011】
本発明の別の実施形態では、第2のハウジング部分が利用者の身体のほうを向く側で利用者の身体に向かう方向に、特に少なくとも1つの水平方向の平面で凹面状に構成されており、それによって人間工学的に身体へ当接可能になると特別に好ましいことが判明している。そのようにして、たとえば腰部領域でも利用者にとって快適な仕方で本装置を身体に携帯することができる。この場合、上述の平面は利用者/患者が立っているとき実質的に水平方向に延びており、第2のハウジング部分の身体のほうを向く面によるこの平面の切断線が凹面状に延びる。そのために、少なくとも区域的に300から500mm、特に300から400mmの曲率半径が好ましいことが判明している。
【0012】
さらに、第2のハウジング部分が利用者の身体のほうを向く側で少なくとも部分領域において水平方向の平面と垂直方向の平面で凹面状に構成されていると好ましい場合があることが判明している。このことも、たとえば利用者の腰部領域への本装置の配置を容易にすることができる。垂直方向の平面での凹面状の構成については、少なくとも区域的に500から900mm、特に600から800mm、特に700から800mmの曲率半径が好ましいことが判明している。
【0013】
しかしながら、たとえば第2のハウジング部分が身体のほうを向く側で水平方向の平面で凹面状に、かつ垂直方向を向く平面で区域的に凸面状に構成されており、それにより全体としてサドルの形態が具体化されるようになっている実施形態も考えられよう。
【0014】
上記とは関わりなく、第2のハウジング部分が利用者の身体のほうを向く側で、本装置の設置面と反対を向いている領域(すなわち上方)に、利用者の身体から離れる方向の斜面を第1のハウジング部分の方向に有していると好ましい場合があることが判明している。上述の面取りは、好ましい態様では人間工学的に丸められて構成されていてよいが、決してそれが不可欠というわけではない。このようにして本装置は、第2のハウジング部分の若干狭くなった面で利用者の身体に当接するが、このことは、利用者が本装置の上に身体をかがみ込むことを可能にする。これと同様に、第2のハウジング部分が利用者の身体のほうを向く側で、第2のハウジング部分の側壁または第1のハウジング部分の側壁への移行部において斜面として構成されていると好ましい場合があることが判明している。
【0015】
第1および第2のハウジング部分の利用者適合的な接合という観点から、第1および第2のハウジング部分が互いに向き合う側にセンタリング手段を有しており、各ハウジング部分は分離平面に対して実質的に横向きに相互に接合可能であると好ましいことが判明している。上述のセンタリング手段はそれ自体任意の態様で、たとえばピン状の部材やテーパ状の部材によって、あるいは突出するハウジング領域と引っ込んだハウジング領域とによって構成されていてよく、これらは特にブロック状またはボックス状に構成されていてよく、特に相補的かつ相応の戻り止め斜面を備えるように、相互にセンタリングをするような意味合いで協働する。特に、このセンタリング手段は、ないし各ハウジング部分の相互に当接する面は、正しい仕方でしか接合することができないように構成される。
【0016】
各ハウジング部分を接合するために、一方のハウジング部分が上方から垂直方向に対して若干斜めに他方のハウジング部分の受け面へ装着可能であり、次いで、分離平面に対して実質的に横向きに他方のハウジング部分に当接するように旋回可能であると好ましいことが判明している。
【0017】
第1および第2のハウジング部分を接合するときに容器と負圧生成装置との間の負圧連通も同時に成立すると好ましいことが判明しており、それにより接合プロセス全体が利用者適合的となり、利用者が体液と接触することがなくなる。同様に、使用後に各ハウジング部分を外すときにも、この思想にはさらに大きい意義がある。
【0018】
両方のハウジング部分を確実に当接した状態に保つために、各ハウジング部分がスナップ式、係止式、またはその他の仕方で嵌合式に作用するロック手段または係合手段によって相互に取外し可能なように固定可能であると好ましいことが判明している。
【0019】
本発明の1つの実施形態では、ロック手段または係合手段は一方のハウジング部分の分離平面から突出しており、各ハウジング部分を接合するときにハウジング部分の接合方向に対して横向きに偏向可能であり、係合位置へと移行可能であるのが好ましいことが判明している。
ロック手段または係合手段は、本発明の別の構成では、手動操作可能な操作機構によって解放方向へ移行可能である。手動操作可能な操作機構は、原則として本装置の任意の個所に配置されていてよい。しかしながら、この操作機構が本装置の上面に設けられており、特に押込み可能なキーとして構成されていると好ましいことが判明している。つまりこのようにして、本装置が特に水平方向の架台の上に載せられて、そのときに本装置が横方向へ滑って逃げることなく、操作機構をうまく操作できるようにすることが可能となる。
【0020】
本装置全体および/または一方もしくは他方のハウジング部分のみの保持、持上げ、または取扱いのために、一方または他方のハウジング部分が手動式の介入のために構成されていると好ましいことが判明しており、それにより本装置または該当するハウジング部分だけをそれによって把持し、他方のハウジング部分から取り外すことができる。第2のハウジング部分はこの目的のために介入窪みまたは介入凹部を有していると特別に好ましいことが判明している。このような介入窪みまたは介入凹部は、特にロック手段または係合手段のための手動操作可能な操作機構の領域に設けられており、それにより利用者または介護者は片方の手だけで第2の容器部分をロック解除して第1の容器部分から外すことができる。この介入窪みまたは介入凹部は、特に第2のハウジング部分の身体から離れるように傾いた上側領域で、身体のほうを向く第2のハウジング部分の側に設けられる。このようにして利用者は、モバイルでの動作を前提としたうえで、本装置を一方の手で把持するとともに他方の手で、あとで検討する特にベルト状の取付手段を外すことが容易に可能である。
【0021】
定置の動作のとき、あるいは特に平坦な面に本装置を一時的に置いたとき、本装置の高い安定性という観点から、本装置の重心が(容器が未使用の状態で)本装置の下側半分にあり、すなわち本装置の半分の高さの仮想的な水平中心面の下方にあると好ましいことが判明している。
【0022】
この観点から、本装置の設置面と高さとの比率が4.0〜6.0cm2/cm、特に4.5〜5.5cm2/cmであるのも好ましいことが判明している。本装置の設置面はたとえば約81cm2であってよく、高さは約16cmであってよい。
【0023】
本装置の設置面は両方のハウジング部分が互いに接合した状態のときに両方のハウジング部分により形成されることが考えられ、多くの用途について好ましい。しかしながら本発明の別の実施形態では、本装置の設置面が第1のハウジング部分でのみ形成されていれば十分であることが判明している。そのために、第1のハウジング部分は、設置面の一部を形成する、第1のハウジング部分の成形切欠きに突入する領域を有していると好ましいことが判明している。つまりこのようにして、負圧生成装置および制御コンポーネントを収容する第1のハウジング部分の安定性が、第2のハウジング部分を取り出した後でも、ほぼ変わらない形態で与えられるようにすることができる。
【0024】
別の発明思想によると、第1のハウジング部分の身体と反対を向く見える側への正面からの視線方向で、第1のハウジング部分が第2のハウジング部分を特に全面的に、または当該視線方向で見える面の少なくとも90%だけ隠すように、本装置を構成することが提案される。このことはひいては、第2のハウジング部分を安価に構成するという別の可能性を開く。本装置が利用者の身体に携帯されれば、その側方の面の領域のわずかな部分でしか、利用者または第三者にとって見ることが可能でないからである。つまり容器を携帯用の袋で「隠さ」なくてもよくなる。
【0025】
特別な意義のある発明思想によると、本装置はいわば複合体として、本装置を形成するために第1のハウジング部分と選択的に結合可能な、それぞれ容器を備える複数の第2のハウジング部分を含んでおり、第2のハウジング部分とその容器はさまざまに異なる大きさを特に奥行方向で、すなわち利用者に向かう方向で有していることが提案される。このようにして、さまざまなハウジング部分とその容器によって、さまざまに異なる収容容積を提供することができる。このとき、モバイル動作に適したハウジング部分と、むしろ定置の動作用として定められた、すなわち液体を収容する容器をさほど頻繁に交換せずにすむように特に大容量に構成された、ハウジング部分とを意図することができる。
【0026】
負圧生成装置の汚染や詰まりを防ぐために、容器と負圧生成装置との間に、特に容器とともに使用後にワンウェイ用品として使い捨て可能なフィルタ手段が設けられていると好ましいことが判明している。
【0027】
さらに、容器の充填水位表示装置が設けられていると好ましいことが判明している。この充填水位表示装置は、たとえば第2のハウジング部分のハウジング壁部の十分に透明な構成によって具体化されていてよく、あるいは、それ自体任意のその他の態様で、特に電子式のセンサと表示手段を通じて構成されていてよい。さらに、到達した容器の充填水位に依存して警告メッセージを出力する監視装置が好ましいことが判明している。第2のハウジング部分の容器は、吸引された液体を結合して液体がこぼれるのを防ぐために、超吸収性の媒体を含むことができる。
【0028】
すでに指摘したように、本装置の本発明に基づく構成は、第1のハウジング部分の身体と反対を向いている見える側に、負圧生成装置の操作部材と表示部材が設けられることを可能にするという利点がある。操作部材はタッチスクリーンの形態で構成されているのが好ましい。
【0029】
1つの独立した発明思想によると、第1のハウジング部分が垂直方向に対して所定の傾斜になったときに制御装置を介して表示部材の表示が特に180°回転するようにし、そのようにして上から利用者によって読取り可能であるようにする傾斜センサが、第1のハウジング部分に設けられていると好ましいことが判明している。本装置がたとえば定置で作動するときの、または直立した利用者によりモバイル動作で携帯されるときの、本装置の通常の垂直方向の配置を前提としたうえで、利用者は所定の傾斜になるまでしか、特に45°、特に40°、特に30°だけしか、本装置を傾ける必要がなく、それによって表示部材の表示(ディスプレイ)が回転して、利用者が表示を上から読み取ることができる。
【0030】
重要な意義のある別の発明思想によると、実質的に第1のハウジング部分の身体と反対を向いている見える側全体が面状のカバーにより形成されており、または覆われており、それにより操作部材の領域で汚れの溜まる継目ができるのが回避されると好ましいことが判明している。
【0031】
第1のハウジング部分に、特に第2のハウジング部分との分離平面に設けられ、そのようにして第2のハウジング部分により隠され、特に汚れに対して防護されるデータ交換用のインターフェース、特にUSBインターフェースが設けられていると好ましいことが判明している。このようにして、プログラム工学上の制御情報を本装置の電子制御装置へ伝送することができる。
【0032】
本装置のモバイル動作のために利用者の身体へ本装置を取り付けるためのすでに述べた取付手段は、好ましい態様では、第1および/または第2のハウジング部分の向かい合う側に取外し可能なように取付可能である、すなわち本装置の定置の動作のためにハウジング部分から外すことができる、柔軟なストライプ状またはベルト状の区域もしくはこのような複数の区域を含んでいる。あるいはこの取付手段は、ハウジング部分の外面に位置することになるヨークまたはラグであってもよく、これに別の取付手段を、たとえばベルト区域、携帯用ベルト等を、取外し可能なように接合させることができる。
【0033】
取付手段は、好ましい態様では、相互に当接する各ハウジング部分の間に取外し可能なように配置される。取付手段は、特に、相互に当接する各ハウジング部分の間の差込スリットへ差込可能であり、または各ハウジング部分の外面に設けられたヨーク、ラグ等に取外し可能なように連結可能である。
【0034】
特に柔軟な取付手段は、好ましい態様では、ベルトのような形式で身体の周囲に、特に腰部領域または少なくとも原則として上腿部、上腕部、胸郭などの周りに巻かれ、そのようにして本装置を身体に当てて保持する。特別に好ましい態様では、取付手段は本装置の第1および/または第2のハウジング部分とクイックロックのような形式で結合可能、かつ再び取外し可能である。取付手段はその自由端に、ハウジング部分へ差込可能な、特に弾性作用のある係合手段を備えるクイックロック手段を有することができ、または、差込可能もしくはその他の形で取付可能なヨークを柔軟な取付手段の固定のために有することができる。1つの好ましい実施形態では、取付手段は第1および第2のハウジング部分の間に、すなわち各ハウジング部分の間の分離平面に、取外し可能なように配置される。各ハウジング部分を相互に分離することによって取付手段を取り出すことができる実施形態も考えられ、好ましいであろう。あるいは、取付手段の取外しが各ハウジング部分の相互の分離とは関わりなく可能である実施形態も考えられ、好ましいであろう。腰ベルトの代替または追加として利用することのできる追加の肩ベルトや肩ひもが設けられていてもよい。これは、たとえばスプリングフックまたはそれ自体任意のクイックロックによって、ハウジング部分のヨークまたはラグに取外し可能なように固定することができる。
【0035】
さらに、各ハウジング部分が本装置の接合状態のときに吸引配管や測定通路もしくは洗浄通路のための接続部を除いて、および場合により介入窪みもしくは介入凹部を除いて、係合可能なコンポーネントを外面に有していないと好ましいことが判明している。
【0036】
本発明のその他の構成要件、詳細事項、および利点は添付の特許請求の範囲、図面の表示、および本発明による装置の好ましい実施形態についての以下の説明から明らかとなる。特許請求の範囲の構成要件については、それぞれ別々に、かつ請求項の引用から切り離して、任意の組み合わせの形で権利保護が主張される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1a】医療用途のための負圧を提供するために身体に携帯可能な本発明の装置の好ましい実施形態を示すさまざまな図である。
【図1b】医療用途のための負圧を提供するために身体に携帯可能な本発明の装置の好ましい実施形態を示すさまざまな図である。
【図1c】医療用途のための負圧を提供するために身体に携帯可能な本発明の装置の好ましい実施形態を示すさまざまな図である。
【図1d】医療用途のための負圧を提供するために身体に携帯可能な本発明の装置の好ましい実施形態を示すさまざまな図である。
【図1e】医療用途のための負圧を提供するために身体に携帯可能な本発明の装置の好ましい実施形態を示すさまざまな図である。
【図2a】負圧生成装置と制御コンポーネントとを含む、図1の本装置の第1のハウジング部分を示すさまざまな図である。
【図2b】負圧生成装置と制御コンポーネントとを含む、図1の本装置の第1のハウジング部分を示すさまざまな図である。
【図2c】負圧生成装置と制御コンポーネントとを含む、図1の本装置の第1のハウジング部分を示すさまざまな図である。
【図2d】負圧生成装置と制御コンポーネントとを含む、図1の本装置の第1のハウジング部分を示すさまざまな図である。
【図2e】負圧生成装置と制御コンポーネントとを含む、図1の本装置の第1のハウジング部分を示すさまざまな図である。
【図3a】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3b】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3c】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3d】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3e】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3f】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3g】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3h】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3i】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図4a】本発明による装置の別の実施形態を示す図1aからeに対応する図であり、図1aから2に示す装置よりも第2のハウジング部分が大きく寸法決めされている。
【図4b】本発明による装置の別の実施形態を示す図1aからeに対応する図であり、図1aから2に示す装置よりも第2のハウジング部分が大きく寸法決めされている。
【図4c】本発明による装置の別の実施形態を示す図1aからeに対応する図であり、図1aから2に示す装置よりも第2のハウジング部分が大きく寸法決めされている。
【図4d】本発明による装置の別の実施形態を示す図1aからeに対応する図であり、図1aから2に示す装置よりも第2のハウジング部分が大きく寸法決めされている。
【図4e】本発明による装置の別の実施形態を示す図1aからeに対応する図であり、図1aから2に示す装置よりも第2のハウジング部分が大きく寸法決めされている。
【図5】第1および第2のハウジング部分の間の負圧連通部の領域で本装置を示す断面図である。
【図6】図1および図4の装置の第2のハウジング部分を、この第2のハウジング部分のさまざまな設置面を図解するために下方から示す図である。
【図7】図1および図4の装置の第2のハウジング部分を、この第2のハウジング部分のさまざまな設置面を図解するために下方から示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1aからeは、医療用途のための負圧を提供するための本発明による携帯可能な装置2の第1の実施形態を示している。本装置は第1のハウジング部分4を含んでおり、その中には空気ポンプの形態の負圧生成装置と、本装置全体のための電気式および電子式の制御コンポーネントとが収容されており、これにはバッテリまたは特に再充電可能な蓄電池も含まれる。蓄電池のための充電接続部が符号6で示されている。さらに本装置2は、好ましい事例では体液を収容するための容器10、特に創傷から吸い出された創傷分泌物を収容するための容器を同時に形成する、第2のハウジング部分8を含んでいる。第2のハウジング部分8の全体が、使い捨て可能なワンウェイ用品として構成されているのが好ましい。その上側領域には、図示しない吸込配管のための接続管12が設けられており、該吸込配管は、たとえば本装置2を負圧療法のために使用するときに創傷から創傷を圧密に閉鎖する創傷包帯へと通じ、そこでたとえばポートを介して創傷空間と連通して、創傷空間の中で負圧を印加して維持し、創傷分泌物を容器10へと吸い出す。そのために容器10は、負圧生成装置と連通している。さらに、吸引配管と同じく創傷へと通じる、任意選択の測定通路または洗浄通路のための接続部13が図示されている。この接続部は第2のハウジング部分8を貫通し、第1のハウジング部分4に連通し、そこから測定通路または洗浄通路にたとえば洗浄媒体としての空気を作用させることができ、および/またはこの測定通路または洗浄通路で圧力を検出して評価することができる。
【0039】
本発明によるとハウジング部分4および8は、さまざまな図面に図示されている、実質的に垂直方向の分離平面14で相互に当接している。図1aに示すように、装置2が平坦な水平方向の架台16の上に置いてあるとき、分離平面14は実質的に垂直方向を向く。このことは、両方のハウジング部分4,8が互いに挿入されたり相上下して重ねられたりするのではなく、装置2が規定された通りに組み立てられた状態で相並んで位置することを意味している。つまり分離平面14という概念は、それが幾何学的に平坦な面でなければならないという意味に理解すべきものではなく、このことは、第1のハウジング部分4をさまざまな見方で示す図2aからeを見ればただちに明らかとなる。すぐにわかるとおり、第2のハウジング部分8と向かい合っている第1のハウジング部分4の側18は決して平坦ではなく、第2のハウジング部分8に向かう方向に突出する多数の部材を備えるように構成されている。第1のハウジング部分4のほうを向いている第2のハウジング部分8の側20は、第1のハウジング部分4の側18の構成に対して実質的に相補的に構成されており、それにより、両方のハウジング部分4,8は正しい仕方でしか相互に接合できず、ないしは互いに取り付けることができない。両方のハウジング部分4,8は全体として円板状に構成されており、すなわち、水平方向の幅Bと垂直方向の高さHは、水平方向かつ幅方向に対して垂直な奥行Tに比べてそれぞれ大きい。それにより、装置2を奥行方向で全体的に、利用者の身体で快適に携帯できるように構成、寸法決めできるようにすることが可能である。本発明によると装置2は、第2のハウジング部分8が身体のほうを向いて、すなわち身体と第1のハウジング部分4の間に位置するとともに、第1のハウジング部分4が身体と反対のほうを向いて位置するように、すなわち実質的に装置2の見える面を形成するように、相並んで配置されたハウジング部分4,8を身体で位置決め可能であるように構成されている。したがって、利用者の身体のほうを向いている第2のハウジング部分8の側8は、丸くなるように構成されている。図1c,1d,3f,3eに見て取れるように、身体のほうを向く側22は、水平方向の平面を含む断面図で見て凹面状に構成されており、一例として図示する事例では、たとえば368mmの曲率半径Rを区域的に含んでいる(図1c,3f)。これに加えて身体のほうを向く側22は、垂直方向の平面を含む断面図で見て同じく湾曲して構成されており、ここではたとえば750mmの曲率半径を有している(図1d)。このようにして、装置2を利用者の腰部領域で人間工学的に配置し、携帯することができる。
【0040】
さらに図面からわかるように、第2のハウジング部分8は身体のほうを向く側22に上側領域と側方で、利用者の身体から離れて第1のハウジング部分4に向かう方向に、ないしは側壁26に向かう方向もしくは第2のハウジング部分8の円板形状の円周端面に向かう方向に、斜面24を含んでいる。斜面24は、一例として図示した事例では周回するように構成されており、すなわち設置面28を起点として下から上に延び、そこで円弧状に他方の側に向かって延びてから、再び下方に向かって設置面28に戻っている。
【0041】
さらに図1dおよび図3からわかるように、第2のハウジング部分8の身体のほうを向く側22には、第2のハウジング部分8を貫く開口部の形態の介入凹部30が構成されており、すなわち、身体から少し離れるように傾く上側領域に構成されている。それにより、装置2を全体として、またはその第2のハウジング部分8のみを、手で把持して取り扱うことができる。
【0042】
図示した好ましい実施形態では、この介入凹部30の近傍で装置2の上面に、ロック手段または係合手段34に作用する、手動操作可能な操作機構32がたとえばキーの形態で設けられている(図2bおよび2d参照)。両方のハウジング部分4および8が接合された状態のとき、ロック手段または係合手段34は、両方のハウジング部分4,8を嵌合式に互いに保持するロックされた状態となる。操作機構32の操作によって初めてロックが外れ、それにより、ハウジング部分4,8を互いに分離することができる。介入凹部30および手動操作可能な操作機構32が互いに空間的に近傍に配置、構成されており、利用者は介入凹部30へ介入するだけでなく、同時にそれと同じ手の指で操作機構32を操作できるようになっていることで、第1のハウジング部分4から第2のハウジング部分8を外すための片手操作が実現される。これは特別に好ましいことが判明しているが、その理由は、そのような場合には体液で充填された第2のハウジング部分8を片手で外して、処分容器に入れることができるからである。
【0043】
両方のハウジング部分4,8を接合するには、第2のハウジング部分8を若干傾けで後の上からその下側縁部で、第1のハウジング部分4の回転中心を形成する2つのピン33(図2d)に装着する。そのために第2のハウジング部分には下側縁部に、ピン33を収容するための切欠かれた領域35(図3a)が構成されている。ピン33と切欠かれた領域35が互いに係合すると、第2のハウジング部分8を第1のハウジング部分4に対して旋回させることができる。それにより、互いに向き合う側18,20が相対し、そのようにしてセルフセンタリング式に(別の案内手段またはセンタリング手段37(図2d)および39(図3a)と、ハウジング部分4,8の互いに向かい合う側18,20の相補的な構成とによってサポートされながら)、規定された通りの位置に達する。特に垂直方向の分離面14に対して実質的に横向きへの、両方のハウジング部分4,8の相互運動により、ロック手段または係合手段34が自動的に偏向して係止されて、ハウジング部分4,8を相互にロックする位置にくる。そのために第2のハウジング部分8には、ロック手段または係合手段34により係合される係止フック41(図3i)が設けられている。ハウジング部分4,8がロックされた位置にくると、第2のハウジング部分8の容器10の内部と負圧生成装置との間の負圧連通も、接続手段36を介して自動的に成立する(あとで図5との関連で説明する)。
【0044】
第1のハウジング部分4の身体と反対を向くほうの見える側38は、垂直方向に対して若干傾くように構成されており、それにより、円板形状は上方に向かって先細になっている。このようにして、見える側38へのいっそう容易な視認性が与えられる。そこには操作部材40および表示部材42が特にタッチスクリーンの形態で設けられている。見える側38の実質的に全体が、面状のカバー44により覆われており、またはこれにより形成されており、それによって操作部材40の領域では汚れが溜まる継目が形成されることがない。
【0045】
さらに各図面は、相互に当接するハウジング部分4,8の間の分離平面14の領域に、特に好ましくは柔軟なベルトの形態の、またはたとえばベルトや肩ひもを取り付けることができるヨークもしくはラグの形態の、あるいはその他の形態の取付手段を差し込んで取外し可能に固定するための差込スリット46を示している。この取付手段はハウジング部分4,8から外すことができ、そのようにして、装置2を定置の動作で、すなわち特に平坦な架台16に載せて利用するときに、たとえばそれにより治療されるべき患者が病床に寝るときなどに、邪魔にならないのが好ましいことが判明している。図2dには、第1のハウジング部分4の側18に、差込スリット46に差し込まれた取付手段を固定可能である、または保持される手段48が図示されている。
【0046】
図4aからeに示す本発明の装置の別の実施形態が、図3に示す実施形態と相違しているのは、第2のハウジング部分8およびこれにより形成される容器10が広い容積で構成されていることによる。介入窪み30が形成されている、第2のハウジング部分8の身体のほうを向く側22の上側領域の斜面は、利用者の身体からさらに若干大きく離れるように傾いている。このようにして、いっそう良好なアクセス性が可能である。この大きい第2のハウジング部分8は、どちらかといえば装置2の定置の動作に適しており、そのために、外方に向かって凸面状に湾曲する面22を有することができ、あるいは、図4に示すよりもさらに外に張り出すように構成することもできるであろう。
【0047】
図5は、容器10を形成する第2のハウジング部分8の内部と、第1のハウジング部分4との間の負圧連通部の構成を詳細に示している。図示しない負圧生成装置第2の吸引側は、テーパ状に構成された接続手段36へと通じており、この接続手段は、ハウジング部分8に向かう方向でテーパ状に先細になっている。このようにして、第1のハウジング部分4のテーパ状の接続手段36に対して、少なくともわずかに可撓に構成された、第2のハウジング部分8の対応接続手段50を密閉的に当接させることができ、この対応接続手段は、一例として図示した事例では、可撓のシールリップ54により区切られる円形の開口部52を有している。この対応接続手段50は第2のハウジング部分8の内部に連通しており、それと同時にフィルタ58のためのフィルタ収容手段56を形成しており、このフィルタは、一例として図示した事例ではカップ型のフィルタとして構成されており、第1のハウジング部分1に細菌が吸い込まれるのを防止する。容易にわかるように、両方のハウジング部分4,8が相互運動をすると、第1のハウジング部分4の接続手段36は、第2のハウジング部分8の対応接続手段50とともに、外部に対して密閉された圧力連通部を形成する。
【0048】
測定通路ないし洗浄通路のための接続部13と、同じく一例としてテーパ状に構成された、第1のハウジング部分4の付属の接続手段60との間の連結部も、これと同様の仕方で構成されている。図3gを見ると明らかなように、第2のハウジング部分8の貫通孔62には、図示しない連結部材またはノズル部材を挿入することができ、これが測定通路または洗浄通路のための図1dに示す接続部13を形成する。図示しないこの連結部材またはノズル部材は、テーパ状の接続手段60と圧密に連結することができる。このようにして配管を介して、創傷分泌物の吸出しをサポートするために流体の媒体、特に空気や洗浄液を創傷へ案内することができる。典型的な場合、測定配管または洗浄配管と吸引配管は使い捨て可能なワンウェイ用品として第2のハウジング部分の付属構成要素になっており、使用後にはこれと一緒に処分される。
【0049】
最後に図6と図7は、異なる大きさの設置面64(約7cm2)および66(約55cm2)を、図1と図4に示す実施形態の異なる大きさの第2のハウジング部分8で図示している。ハウジング部分8は、第1のハウジング部分4から取り外されたときに、このような設置面64ないし66で架台の上に置くことが可能である。それが第1のハウジング部分4に保持されているとき、装置2の設置面は第1のハウジング部分4によって形成される。ハウジング部分4,8の設置面には脚部部材が設けられていてもよく、その様子は図1b,2b,4bを見ると明らかである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用途のための負圧を提供するために、特に人間または動物の身体の創傷の負圧治療のために、利用者の身体に携帯可能な装置に関するものであり、負圧生成装置と、体液を収容するための、特に創傷から吸い出された創傷分泌物を収容するための、使用後に使い捨て可能なワンウェイ容器と、そのために身体へと通じる吸引配管の接続部とを有しており、負圧生成装置は本装置の第1のハウジング部分の内部または表面に配置されており、容器は本装置の第2のハウジング部分を形成しており、または第2のハウジング部分の内部もしくは表面に配置されており、各ハウジング部分は取外し可能なように相互に固定可能であり、本装置は取付手段を有しており、それによって利用者の身体で携帯可能かつ携行可能である。
【背景技術】
【0002】
このような種類の負圧創傷治療をする装置は、特に米国特許出願公開第2004/0073151A1号明細書、国際公開第2009/047524A2号パンフレット、国際公開第2007/030599A2号パンフレット、欧州特許出願公開第1905465A1号明細書などによって、すでにいくつも知られている。
【0003】
このような種類の創傷を負圧治療する装置では、負圧生成装置は吸引配管を介して創傷または創傷周辺部と連通しており、空気を通さないカバー材料が創傷および創傷周辺部の気密な閉鎖のために設けられており、それによって創傷空間で負圧を生成可能であるとともに、液体を創傷空間から前述の容器へ吸い出し可能である。
【0004】
負圧という概念は、本発明との関連では、周囲空気圧(大気の空気圧)に比べて低減された、特に創傷包帯内部における空気圧を指している。したがって、創傷空間を気密に閉鎖するための創傷包帯のカバー材料は、創傷空間内で負圧を印加して維持できるようにするために、発生する圧力差に耐えられるように構成されていなければならない。創傷治療における負圧療法の分野では、負圧は周囲空気圧と、カバー材料の下で印加される空気圧との間の圧力差として定量的に表される。典型的な場合、この圧力差は負圧療法の分野では高くとも250mmHg(mm水銀柱)(1mmHg=1トル=133.322パスカル)である。このような最大250mmHgの負圧範囲が、創傷の治癒に好適であることが判明している。好ましい負圧範囲は10から150mmHgの間である。
【0005】
装置を用いて創傷に印加される負圧は、典型的な負圧治療では、時間的に実質的に一定に保つことができ、または時間的に変化させることができ、特に周期的に変化させることができ、このことは、相応に構成されてプログラミングされた制御装置を通じて負圧生成装置で、特にさらに別のパラメータに依存して、具体化することができる。
【0006】
負圧を印加するために、および特に体液を吸い出すために、特に柔軟な吸引配管が、たとえばドレナージホースの形態で設けられており、これは一方では創傷カバー材料の領域にあるいわゆるポートを介して創傷周辺部または創傷空間と連通するとともに、他方では、冒頭に述べた体液を収容するための容器と、ないしは負圧生成装置と連通している。
【0007】
負圧創傷治療のほか、ここで記載の対象としている医療用途のために負圧を提供する装置のこれ以外の利用法も考えられ、特に、医療上の失禁処置の分野、ストーマ患者の処置の分野、あるいは場合により洗浄液を用いながら負圧を印加しない場合も含めた相当な期間に及ぶ創傷分泌物の吸出しの分野など、それ自体任意の体液の吸出しが考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、以上に説明した種類の装置をさらに改良して、いっそう利用者適合的な仕方で取扱可能なようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、上述した種類の装置において本発明によると、利用者の身体に携行される本装置の状態(モバイル動作)のときに第1のハウジング部分は身体と反対側を向くとともに第2のハウジング部分は身体のほうを向くように設けられており、両方のハウジング部分は実質的に円板状に構成されており、実質的に垂直方向に向く分離平面で相互に当接することによって解決される。両方のハウジング部分の円板状の構成は、本発明の意味においては、ハウジング部分が定置の動作で規定された通りに設置面で水平方向の架台の上に載っているときに、水平方向の奥行と比較して見て大きい幅と高さをそれぞれ有することを意味している。すなわちハウジング部分は、相互に取外し可能なように固定されているときに、円板平面に位置するそれぞれの面で相互に当接している。上で分離平面という表現を用いているが、これは必ずしも各ハウジング部分が厳密に平坦な面で相互に当接することを意味しているわけではない。むしろ好ましい態様では、センタリング手段として作用する突起等の成形物が、特に相互に相補的な形態で、各ハウジング部分に設けられていてよい。本発明によると、両方のハウジング部分は互いに折り返されたり相上下して重なったりするのではなく、本装置が規定された通りに水平方向の表面の上に設置面で載ったときに、または直立した人間の身体に携帯されたときに、実質的に垂直方向を向く上述の分離平面で相並んで相互に当接する。
【0010】
第2のハウジング部分を形成する、または第2のハウジング部分の内部もしくは表面に配置された容器が、第2のハウジング部分とともに本装置のモバイル動作で身体のほうを向き、負圧生成装置を収容する第1のハウジング部分は身体と反対を向くように方向づけられることにより、第2のハウジング部分を第1のハウジング部分によってある程度まで覆うことが可能である。このようにして、第三者が直接中を見ることを可能にすることなく、第2のハウジング部分または容器を透明に構成することもできる。さらに、身体の領域への第2のハウジング部分の配置は、負圧生成装置を収容する第1のハウジング部分の場合よりも高い、身体に合わせた適合化のための形成可能性を保証する。さらに、第1のハウジング部分の身体を反対を向く配置により、負圧生成装置およびその制御のための操作部材へのアクセス部を、本装置の見える側の領域に設けることができる。それにより、操作コンポーネントおよび場合により表示コンポーネントが身体と反対を向くように、特に上から見ることができるように配置されることによって、本装置の利用者自身によるアクセスも可能である。
【0011】
本発明の別の実施形態では、第2のハウジング部分が利用者の身体のほうを向く側で利用者の身体に向かう方向に、特に少なくとも1つの水平方向の平面で凹面状に構成されており、それによって人間工学的に身体へ当接可能になると特別に好ましいことが判明している。そのようにして、たとえば腰部領域でも利用者にとって快適な仕方で本装置を身体に携帯することができる。この場合、上述の平面は利用者/患者が立っているとき実質的に水平方向に延びており、第2のハウジング部分の身体のほうを向く面によるこの平面の切断線が凹面状に延びる。そのために、少なくとも区域的に300から500mm、特に300から400mmの曲率半径が好ましいことが判明している。
【0012】
さらに、第2のハウジング部分が利用者の身体のほうを向く側で少なくとも部分領域において水平方向の平面と垂直方向の平面で凹面状に構成されていると好ましい場合があることが判明している。このことも、たとえば利用者の腰部領域への本装置の配置を容易にすることができる。垂直方向の平面での凹面状の構成については、少なくとも区域的に500から900mm、特に600から800mm、特に700から800mmの曲率半径が好ましいことが判明している。
【0013】
しかしながら、たとえば第2のハウジング部分が身体のほうを向く側で水平方向の平面で凹面状に、かつ垂直方向を向く平面で区域的に凸面状に構成されており、それにより全体としてサドルの形態が具体化されるようになっている実施形態も考えられよう。
【0014】
上記とは関わりなく、第2のハウジング部分が利用者の身体のほうを向く側で、本装置の設置面と反対を向いている領域(すなわち上方)に、利用者の身体から離れる方向の斜面を第1のハウジング部分の方向に有していると好ましい場合があることが判明している。上述の面取りは、好ましい態様では人間工学的に丸められて構成されていてよいが、決してそれが不可欠というわけではない。このようにして本装置は、第2のハウジング部分の若干狭くなった面で利用者の身体に当接するが、このことは、利用者が本装置の上に身体をかがみ込むことを可能にする。これと同様に、第2のハウジング部分が利用者の身体のほうを向く側で、第2のハウジング部分の側壁または第1のハウジング部分の側壁への移行部において斜面として構成されていると好ましい場合があることが判明している。
【0015】
第1および第2のハウジング部分の利用者適合的な接合という観点から、第1および第2のハウジング部分が互いに向き合う側にセンタリング手段を有しており、各ハウジング部分は分離平面に対して実質的に横向きに相互に接合可能であると好ましいことが判明している。上述のセンタリング手段はそれ自体任意の態様で、たとえばピン状の部材やテーパ状の部材によって、あるいは突出するハウジング領域と引っ込んだハウジング領域とによって構成されていてよく、これらは特にブロック状またはボックス状に構成されていてよく、特に相補的かつ相応の戻り止め斜面を備えるように、相互にセンタリングをするような意味合いで協働する。特に、このセンタリング手段は、ないし各ハウジング部分の相互に当接する面は、正しい仕方でしか接合することができないように構成される。
【0016】
各ハウジング部分を接合するために、一方のハウジング部分が上方から垂直方向に対して若干斜めに他方のハウジング部分の受け面へ装着可能であり、次いで、分離平面に対して実質的に横向きに他方のハウジング部分に当接するように旋回可能であると好ましいことが判明している。
【0017】
第1および第2のハウジング部分を接合するときに容器と負圧生成装置との間の負圧連通も同時に成立すると好ましいことが判明しており、それにより接合プロセス全体が利用者適合的となり、利用者が体液と接触することがなくなる。同様に、使用後に各ハウジング部分を外すときにも、この思想にはさらに大きい意義がある。
【0018】
両方のハウジング部分を確実に当接した状態に保つために、各ハウジング部分がスナップ式、係止式、またはその他の仕方で嵌合式に作用するロック手段または係合手段によって相互に取外し可能なように固定可能であると好ましいことが判明している。
【0019】
本発明の1つの実施形態では、ロック手段または係合手段は一方のハウジング部分の分離平面から突出しており、各ハウジング部分を接合するときにハウジング部分の接合方向に対して横向きに偏向可能であり、係合位置へと移行可能であるのが好ましいことが判明している。
ロック手段または係合手段は、本発明の別の構成では、手動操作可能な操作機構によって解放方向へ移行可能である。手動操作可能な操作機構は、原則として本装置の任意の個所に配置されていてよい。しかしながら、この操作機構が本装置の上面に設けられており、特に押込み可能なキーとして構成されていると好ましいことが判明している。つまりこのようにして、本装置が特に水平方向の架台の上に載せられて、そのときに本装置が横方向へ滑って逃げることなく、操作機構をうまく操作できるようにすることが可能となる。
【0020】
本装置全体および/または一方もしくは他方のハウジング部分のみの保持、持上げ、または取扱いのために、一方または他方のハウジング部分が手動式の介入のために構成されていると好ましいことが判明しており、それにより本装置または該当するハウジング部分だけをそれによって把持し、他方のハウジング部分から取り外すことができる。第2のハウジング部分はこの目的のために介入窪みまたは介入凹部を有していると特別に好ましいことが判明している。このような介入窪みまたは介入凹部は、特にロック手段または係合手段のための手動操作可能な操作機構の領域に設けられており、それにより利用者または介護者は片方の手だけで第2の容器部分をロック解除して第1の容器部分から外すことができる。この介入窪みまたは介入凹部は、特に第2のハウジング部分の身体から離れるように傾いた上側領域で、身体のほうを向く第2のハウジング部分の側に設けられる。このようにして利用者は、モバイルでの動作を前提としたうえで、本装置を一方の手で把持するとともに他方の手で、あとで検討する特にベルト状の取付手段を外すことが容易に可能である。
【0021】
定置の動作のとき、あるいは特に平坦な面に本装置を一時的に置いたとき、本装置の高い安定性という観点から、本装置の重心が(容器が未使用の状態で)本装置の下側半分にあり、すなわち本装置の半分の高さの仮想的な水平中心面の下方にあると好ましいことが判明している。
【0022】
この観点から、本装置の設置面と高さとの比率が4.0〜6.0cm2/cm、特に4.5〜5.5cm2/cmであるのも好ましいことが判明している。本装置の設置面はたとえば約81cm2であってよく、高さは約16cmであってよい。
【0023】
本装置の設置面は両方のハウジング部分が互いに接合した状態のときに両方のハウジング部分により形成されることが考えられ、多くの用途について好ましい。しかしながら本発明の別の実施形態では、本装置の設置面が第1のハウジング部分でのみ形成されていれば十分であることが判明している。そのために、第1のハウジング部分は、設置面の一部を形成する、第1のハウジング部分の成形切欠きに突入する領域を有していると好ましいことが判明している。つまりこのようにして、負圧生成装置および制御コンポーネントを収容する第1のハウジング部分の安定性が、第2のハウジング部分を取り出した後でも、ほぼ変わらない形態で与えられるようにすることができる。
【0024】
別の発明思想によると、第1のハウジング部分の身体と反対を向く見える側への正面からの視線方向で、第1のハウジング部分が第2のハウジング部分を特に全面的に、または当該視線方向で見える面の少なくとも90%だけ隠すように、本装置を構成することが提案される。このことはひいては、第2のハウジング部分を安価に構成するという別の可能性を開く。本装置が利用者の身体に携帯されれば、その側方の面の領域のわずかな部分でしか、利用者または第三者にとって見ることが可能でないからである。つまり容器を携帯用の袋で「隠さ」なくてもよくなる。
【0025】
特別な意義のある発明思想によると、本装置はいわば複合体として、本装置を形成するために第1のハウジング部分と選択的に結合可能な、それぞれ容器を備える複数の第2のハウジング部分を含んでおり、第2のハウジング部分とその容器はさまざまに異なる大きさを特に奥行方向で、すなわち利用者に向かう方向で有していることが提案される。このようにして、さまざまなハウジング部分とその容器によって、さまざまに異なる収容容積を提供することができる。このとき、モバイル動作に適したハウジング部分と、むしろ定置の動作用として定められた、すなわち液体を収容する容器をさほど頻繁に交換せずにすむように特に大容量に構成された、ハウジング部分とを意図することができる。
【0026】
負圧生成装置の汚染や詰まりを防ぐために、容器と負圧生成装置との間に、特に容器とともに使用後にワンウェイ用品として使い捨て可能なフィルタ手段が設けられていると好ましいことが判明している。
【0027】
さらに、容器の充填水位表示装置が設けられていると好ましいことが判明している。この充填水位表示装置は、たとえば第2のハウジング部分のハウジング壁部の十分に透明な構成によって具体化されていてよく、あるいは、それ自体任意のその他の態様で、特に電子式のセンサと表示手段を通じて構成されていてよい。さらに、到達した容器の充填水位に依存して警告メッセージを出力する監視装置が好ましいことが判明している。第2のハウジング部分の容器は、吸引された液体を結合して液体がこぼれるのを防ぐために、超吸収性の媒体を含むことができる。
【0028】
すでに指摘したように、本装置の本発明に基づく構成は、第1のハウジング部分の身体と反対を向いている見える側に、負圧生成装置の操作部材と表示部材が設けられることを可能にするという利点がある。操作部材はタッチスクリーンの形態で構成されているのが好ましい。
【0029】
1つの独立した発明思想によると、第1のハウジング部分が垂直方向に対して所定の傾斜になったときに制御装置を介して表示部材の表示が特に180°回転するようにし、そのようにして上から利用者によって読取り可能であるようにする傾斜センサが、第1のハウジング部分に設けられていると好ましいことが判明している。本装置がたとえば定置で作動するときの、または直立した利用者によりモバイル動作で携帯されるときの、本装置の通常の垂直方向の配置を前提としたうえで、利用者は所定の傾斜になるまでしか、特に45°、特に40°、特に30°だけしか、本装置を傾ける必要がなく、それによって表示部材の表示(ディスプレイ)が回転して、利用者が表示を上から読み取ることができる。
【0030】
重要な意義のある別の発明思想によると、実質的に第1のハウジング部分の身体と反対を向いている見える側全体が面状のカバーにより形成されており、または覆われており、それにより操作部材の領域で汚れの溜まる継目ができるのが回避されると好ましいことが判明している。
【0031】
第1のハウジング部分に、特に第2のハウジング部分との分離平面に設けられ、そのようにして第2のハウジング部分により隠され、特に汚れに対して防護されるデータ交換用のインターフェース、特にUSBインターフェースが設けられていると好ましいことが判明している。このようにして、プログラム工学上の制御情報を本装置の電子制御装置へ伝送することができる。
【0032】
本装置のモバイル動作のために利用者の身体へ本装置を取り付けるためのすでに述べた取付手段は、好ましい態様では、第1および/または第2のハウジング部分の向かい合う側に取外し可能なように取付可能である、すなわち本装置の定置の動作のためにハウジング部分から外すことができる、柔軟なストライプ状またはベルト状の区域もしくはこのような複数の区域を含んでいる。あるいはこの取付手段は、ハウジング部分の外面に位置することになるヨークまたはラグであってもよく、これに別の取付手段を、たとえばベルト区域、携帯用ベルト等を、取外し可能なように接合させることができる。
【0033】
取付手段は、好ましい態様では、相互に当接する各ハウジング部分の間に取外し可能なように配置される。取付手段は、特に、相互に当接する各ハウジング部分の間の差込スリットへ差込可能であり、または各ハウジング部分の外面に設けられたヨーク、ラグ等に取外し可能なように連結可能である。
【0034】
特に柔軟な取付手段は、好ましい態様では、ベルトのような形式で身体の周囲に、特に腰部領域または少なくとも原則として上腿部、上腕部、胸郭などの周りに巻かれ、そのようにして本装置を身体に当てて保持する。特別に好ましい態様では、取付手段は本装置の第1および/または第2のハウジング部分とクイックロックのような形式で結合可能、かつ再び取外し可能である。取付手段はその自由端に、ハウジング部分へ差込可能な、特に弾性作用のある係合手段を備えるクイックロック手段を有することができ、または、差込可能もしくはその他の形で取付可能なヨークを柔軟な取付手段の固定のために有することができる。1つの好ましい実施形態では、取付手段は第1および第2のハウジング部分の間に、すなわち各ハウジング部分の間の分離平面に、取外し可能なように配置される。各ハウジング部分を相互に分離することによって取付手段を取り出すことができる実施形態も考えられ、好ましいであろう。あるいは、取付手段の取外しが各ハウジング部分の相互の分離とは関わりなく可能である実施形態も考えられ、好ましいであろう。腰ベルトの代替または追加として利用することのできる追加の肩ベルトや肩ひもが設けられていてもよい。これは、たとえばスプリングフックまたはそれ自体任意のクイックロックによって、ハウジング部分のヨークまたはラグに取外し可能なように固定することができる。
【0035】
さらに、各ハウジング部分が本装置の接合状態のときに吸引配管や測定通路もしくは洗浄通路のための接続部を除いて、および場合により介入窪みもしくは介入凹部を除いて、係合可能なコンポーネントを外面に有していないと好ましいことが判明している。
【0036】
本発明のその他の構成要件、詳細事項、および利点は添付の特許請求の範囲、図面の表示、および本発明による装置の好ましい実施形態についての以下の説明から明らかとなる。特許請求の範囲の構成要件については、それぞれ別々に、かつ請求項の引用から切り離して、任意の組み合わせの形で権利保護が主張される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1a】医療用途のための負圧を提供するために身体に携帯可能な本発明の装置の好ましい実施形態を示すさまざまな図である。
【図1b】医療用途のための負圧を提供するために身体に携帯可能な本発明の装置の好ましい実施形態を示すさまざまな図である。
【図1c】医療用途のための負圧を提供するために身体に携帯可能な本発明の装置の好ましい実施形態を示すさまざまな図である。
【図1d】医療用途のための負圧を提供するために身体に携帯可能な本発明の装置の好ましい実施形態を示すさまざまな図である。
【図1e】医療用途のための負圧を提供するために身体に携帯可能な本発明の装置の好ましい実施形態を示すさまざまな図である。
【図2a】負圧生成装置と制御コンポーネントとを含む、図1の本装置の第1のハウジング部分を示すさまざまな図である。
【図2b】負圧生成装置と制御コンポーネントとを含む、図1の本装置の第1のハウジング部分を示すさまざまな図である。
【図2c】負圧生成装置と制御コンポーネントとを含む、図1の本装置の第1のハウジング部分を示すさまざまな図である。
【図2d】負圧生成装置と制御コンポーネントとを含む、図1の本装置の第1のハウジング部分を示すさまざまな図である。
【図2e】負圧生成装置と制御コンポーネントとを含む、図1の本装置の第1のハウジング部分を示すさまざまな図である。
【図3a】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3b】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3c】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3d】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3e】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3f】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3g】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3h】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図3i】体液を収容するための容器を形成する、図1の装置の第2のハウジング部分のさまざまな図である。
【図4a】本発明による装置の別の実施形態を示す図1aからeに対応する図であり、図1aから2に示す装置よりも第2のハウジング部分が大きく寸法決めされている。
【図4b】本発明による装置の別の実施形態を示す図1aからeに対応する図であり、図1aから2に示す装置よりも第2のハウジング部分が大きく寸法決めされている。
【図4c】本発明による装置の別の実施形態を示す図1aからeに対応する図であり、図1aから2に示す装置よりも第2のハウジング部分が大きく寸法決めされている。
【図4d】本発明による装置の別の実施形態を示す図1aからeに対応する図であり、図1aから2に示す装置よりも第2のハウジング部分が大きく寸法決めされている。
【図4e】本発明による装置の別の実施形態を示す図1aからeに対応する図であり、図1aから2に示す装置よりも第2のハウジング部分が大きく寸法決めされている。
【図5】第1および第2のハウジング部分の間の負圧連通部の領域で本装置を示す断面図である。
【図6】図1および図4の装置の第2のハウジング部分を、この第2のハウジング部分のさまざまな設置面を図解するために下方から示す図である。
【図7】図1および図4の装置の第2のハウジング部分を、この第2のハウジング部分のさまざまな設置面を図解するために下方から示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1aからeは、医療用途のための負圧を提供するための本発明による携帯可能な装置2の第1の実施形態を示している。本装置は第1のハウジング部分4を含んでおり、その中には空気ポンプの形態の負圧生成装置と、本装置全体のための電気式および電子式の制御コンポーネントとが収容されており、これにはバッテリまたは特に再充電可能な蓄電池も含まれる。蓄電池のための充電接続部が符号6で示されている。さらに本装置2は、好ましい事例では体液を収容するための容器10、特に創傷から吸い出された創傷分泌物を収容するための容器を同時に形成する、第2のハウジング部分8を含んでいる。第2のハウジング部分8の全体が、使い捨て可能なワンウェイ用品として構成されているのが好ましい。その上側領域には、図示しない吸込配管のための接続管12が設けられており、該吸込配管は、たとえば本装置2を負圧療法のために使用するときに創傷から創傷を圧密に閉鎖する創傷包帯へと通じ、そこでたとえばポートを介して創傷空間と連通して、創傷空間の中で負圧を印加して維持し、創傷分泌物を容器10へと吸い出す。そのために容器10は、負圧生成装置と連通している。さらに、吸引配管と同じく創傷へと通じる、任意選択の測定通路または洗浄通路のための接続部13が図示されている。この接続部は第2のハウジング部分8を貫通し、第1のハウジング部分4に連通し、そこから測定通路または洗浄通路にたとえば洗浄媒体としての空気を作用させることができ、および/またはこの測定通路または洗浄通路で圧力を検出して評価することができる。
【0039】
本発明によるとハウジング部分4および8は、さまざまな図面に図示されている、実質的に垂直方向の分離平面14で相互に当接している。図1aに示すように、装置2が平坦な水平方向の架台16の上に置いてあるとき、分離平面14は実質的に垂直方向を向く。このことは、両方のハウジング部分4,8が互いに挿入されたり相上下して重ねられたりするのではなく、装置2が規定された通りに組み立てられた状態で相並んで位置することを意味している。つまり分離平面14という概念は、それが幾何学的に平坦な面でなければならないという意味に理解すべきものではなく、このことは、第1のハウジング部分4をさまざまな見方で示す図2aからeを見ればただちに明らかとなる。すぐにわかるとおり、第2のハウジング部分8と向かい合っている第1のハウジング部分4の側18は決して平坦ではなく、第2のハウジング部分8に向かう方向に突出する多数の部材を備えるように構成されている。第1のハウジング部分4のほうを向いている第2のハウジング部分8の側20は、第1のハウジング部分4の側18の構成に対して実質的に相補的に構成されており、それにより、両方のハウジング部分4,8は正しい仕方でしか相互に接合できず、ないしは互いに取り付けることができない。両方のハウジング部分4,8は全体として円板状に構成されており、すなわち、水平方向の幅Bと垂直方向の高さHは、水平方向かつ幅方向に対して垂直な奥行Tに比べてそれぞれ大きい。それにより、装置2を奥行方向で全体的に、利用者の身体で快適に携帯できるように構成、寸法決めできるようにすることが可能である。本発明によると装置2は、第2のハウジング部分8が身体のほうを向いて、すなわち身体と第1のハウジング部分4の間に位置するとともに、第1のハウジング部分4が身体と反対のほうを向いて位置するように、すなわち実質的に装置2の見える面を形成するように、相並んで配置されたハウジング部分4,8を身体で位置決め可能であるように構成されている。したがって、利用者の身体のほうを向いている第2のハウジング部分8の側8は、丸くなるように構成されている。図1c,1d,3f,3eに見て取れるように、身体のほうを向く側22は、水平方向の平面を含む断面図で見て凹面状に構成されており、一例として図示する事例では、たとえば368mmの曲率半径Rを区域的に含んでいる(図1c,3f)。これに加えて身体のほうを向く側22は、垂直方向の平面を含む断面図で見て同じく湾曲して構成されており、ここではたとえば750mmの曲率半径を有している(図1d)。このようにして、装置2を利用者の腰部領域で人間工学的に配置し、携帯することができる。
【0040】
さらに図面からわかるように、第2のハウジング部分8は身体のほうを向く側22に上側領域と側方で、利用者の身体から離れて第1のハウジング部分4に向かう方向に、ないしは側壁26に向かう方向もしくは第2のハウジング部分8の円板形状の円周端面に向かう方向に、斜面24を含んでいる。斜面24は、一例として図示した事例では周回するように構成されており、すなわち設置面28を起点として下から上に延び、そこで円弧状に他方の側に向かって延びてから、再び下方に向かって設置面28に戻っている。
【0041】
さらに図1dおよび図3からわかるように、第2のハウジング部分8の身体のほうを向く側22には、第2のハウジング部分8を貫く開口部の形態の介入凹部30が構成されており、すなわち、身体から少し離れるように傾く上側領域に構成されている。それにより、装置2を全体として、またはその第2のハウジング部分8のみを、手で把持して取り扱うことができる。
【0042】
図示した好ましい実施形態では、この介入凹部30の近傍で装置2の上面に、ロック手段または係合手段34に作用する、手動操作可能な操作機構32がたとえばキーの形態で設けられている(図2bおよび2d参照)。両方のハウジング部分4および8が接合された状態のとき、ロック手段または係合手段34は、両方のハウジング部分4,8を嵌合式に互いに保持するロックされた状態となる。操作機構32の操作によって初めてロックが外れ、それにより、ハウジング部分4,8を互いに分離することができる。介入凹部30および手動操作可能な操作機構32が互いに空間的に近傍に配置、構成されており、利用者は介入凹部30へ介入するだけでなく、同時にそれと同じ手の指で操作機構32を操作できるようになっていることで、第1のハウジング部分4から第2のハウジング部分8を外すための片手操作が実現される。これは特別に好ましいことが判明しているが、その理由は、そのような場合には体液で充填された第2のハウジング部分8を片手で外して、処分容器に入れることができるからである。
【0043】
両方のハウジング部分4,8を接合するには、第2のハウジング部分8を若干傾けで後の上からその下側縁部で、第1のハウジング部分4の回転中心を形成する2つのピン33(図2d)に装着する。そのために第2のハウジング部分には下側縁部に、ピン33を収容するための切欠かれた領域35(図3a)が構成されている。ピン33と切欠かれた領域35が互いに係合すると、第2のハウジング部分8を第1のハウジング部分4に対して旋回させることができる。それにより、互いに向き合う側18,20が相対し、そのようにしてセルフセンタリング式に(別の案内手段またはセンタリング手段37(図2d)および39(図3a)と、ハウジング部分4,8の互いに向かい合う側18,20の相補的な構成とによってサポートされながら)、規定された通りの位置に達する。特に垂直方向の分離面14に対して実質的に横向きへの、両方のハウジング部分4,8の相互運動により、ロック手段または係合手段34が自動的に偏向して係止されて、ハウジング部分4,8を相互にロックする位置にくる。そのために第2のハウジング部分8には、ロック手段または係合手段34により係合される係止フック41(図3i)が設けられている。ハウジング部分4,8がロックされた位置にくると、第2のハウジング部分8の容器10の内部と負圧生成装置との間の負圧連通も、接続手段36を介して自動的に成立する(あとで図5との関連で説明する)。
【0044】
第1のハウジング部分4の身体と反対を向くほうの見える側38は、垂直方向に対して若干傾くように構成されており、それにより、円板形状は上方に向かって先細になっている。このようにして、見える側38へのいっそう容易な視認性が与えられる。そこには操作部材40および表示部材42が特にタッチスクリーンの形態で設けられている。見える側38の実質的に全体が、面状のカバー44により覆われており、またはこれにより形成されており、それによって操作部材40の領域では汚れが溜まる継目が形成されることがない。
【0045】
さらに各図面は、相互に当接するハウジング部分4,8の間の分離平面14の領域に、特に好ましくは柔軟なベルトの形態の、またはたとえばベルトや肩ひもを取り付けることができるヨークもしくはラグの形態の、あるいはその他の形態の取付手段を差し込んで取外し可能に固定するための差込スリット46を示している。この取付手段はハウジング部分4,8から外すことができ、そのようにして、装置2を定置の動作で、すなわち特に平坦な架台16に載せて利用するときに、たとえばそれにより治療されるべき患者が病床に寝るときなどに、邪魔にならないのが好ましいことが判明している。図2dには、第1のハウジング部分4の側18に、差込スリット46に差し込まれた取付手段を固定可能である、または保持される手段48が図示されている。
【0046】
図4aからeに示す本発明の装置の別の実施形態が、図3に示す実施形態と相違しているのは、第2のハウジング部分8およびこれにより形成される容器10が広い容積で構成されていることによる。介入窪み30が形成されている、第2のハウジング部分8の身体のほうを向く側22の上側領域の斜面は、利用者の身体からさらに若干大きく離れるように傾いている。このようにして、いっそう良好なアクセス性が可能である。この大きい第2のハウジング部分8は、どちらかといえば装置2の定置の動作に適しており、そのために、外方に向かって凸面状に湾曲する面22を有することができ、あるいは、図4に示すよりもさらに外に張り出すように構成することもできるであろう。
【0047】
図5は、容器10を形成する第2のハウジング部分8の内部と、第1のハウジング部分4との間の負圧連通部の構成を詳細に示している。図示しない負圧生成装置第2の吸引側は、テーパ状に構成された接続手段36へと通じており、この接続手段は、ハウジング部分8に向かう方向でテーパ状に先細になっている。このようにして、第1のハウジング部分4のテーパ状の接続手段36に対して、少なくともわずかに可撓に構成された、第2のハウジング部分8の対応接続手段50を密閉的に当接させることができ、この対応接続手段は、一例として図示した事例では、可撓のシールリップ54により区切られる円形の開口部52を有している。この対応接続手段50は第2のハウジング部分8の内部に連通しており、それと同時にフィルタ58のためのフィルタ収容手段56を形成しており、このフィルタは、一例として図示した事例ではカップ型のフィルタとして構成されており、第1のハウジング部分1に細菌が吸い込まれるのを防止する。容易にわかるように、両方のハウジング部分4,8が相互運動をすると、第1のハウジング部分4の接続手段36は、第2のハウジング部分8の対応接続手段50とともに、外部に対して密閉された圧力連通部を形成する。
【0048】
測定通路ないし洗浄通路のための接続部13と、同じく一例としてテーパ状に構成された、第1のハウジング部分4の付属の接続手段60との間の連結部も、これと同様の仕方で構成されている。図3gを見ると明らかなように、第2のハウジング部分8の貫通孔62には、図示しない連結部材またはノズル部材を挿入することができ、これが測定通路または洗浄通路のための図1dに示す接続部13を形成する。図示しないこの連結部材またはノズル部材は、テーパ状の接続手段60と圧密に連結することができる。このようにして配管を介して、創傷分泌物の吸出しをサポートするために流体の媒体、特に空気や洗浄液を創傷へ案内することができる。典型的な場合、測定配管または洗浄配管と吸引配管は使い捨て可能なワンウェイ用品として第2のハウジング部分の付属構成要素になっており、使用後にはこれと一緒に処分される。
【0049】
最後に図6と図7は、異なる大きさの設置面64(約7cm2)および66(約55cm2)を、図1と図4に示す実施形態の異なる大きさの第2のハウジング部分8で図示している。ハウジング部分8は、第1のハウジング部分4から取り外されたときに、このような設置面64ないし66で架台の上に置くことが可能である。それが第1のハウジング部分4に保持されているとき、装置2の設置面は第1のハウジング部分4によって形成される。ハウジング部分4,8の設置面には脚部部材が設けられていてもよく、その様子は図1b,2b,4bを見ると明らかである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用途のための負圧を提供するために、特に人間または動物の身体の創傷の負圧治療のために、利用者の身体に携帯可能な装置(2)であって、
負圧生成装置と、
体液を収容するための、特に創傷から吸い出された創傷分泌物を収容するための、使用後に使い捨て可能なワンウェイ容器(10)と、
身体へと通じる吸引配管の接続部(12)とを有しており、
前記負圧生成装置は前記装置の第1のハウジング部分(4)の内部または表面に配置されており、前記容器は前記装置の第2のハウジング部分(8)を形成しており、または第2のハウジング部分(8)の内部もしくは表面に配置されており、前記ハウジング部分(4,8)は取外し可能なように相互に固定可能であり、前記装置(2)は取付手段を有しており、それによって利用者の身体で携帯可能かつ携行可能であり、
そのような装置において、利用者の身体に携行される前記装置の状態(モバイル動作)のときに前記第1のハウジング部分(4)は身体と反対側を向くとともに前記第2のハウジング部分(8)は身体のほうを向くように設けられており、前記ハウジング部分(4,8)の両方は実質的に円板状に構成されており、実質的に垂直方向に向く分離平面(14)で相互に当接することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第2のハウジング部分(8)は利用者の身体のほうを向く側(22)で利用者の身体に向かう方向に、少なくとも1つの特に水平方向の平面で凹面状に構成されてことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
凹面状の前記構成は少なくとも区域的に300から500mm、特に300から400mmの曲率半径を含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のハウジング部分(8)は利用者の身体のほうを向く側(22)で少なくとも部分領域において水平方向の平面と垂直方向の平面で凹面状に構成されていることを特徴とする、請求項1,2または3に記載の装置。
【請求項5】
垂直方向の平面における凹面状の前記構成は少なくとも区域的に500から900mm、特に600から800mm、特に700から800mmの曲率半径を含んでいることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2のハウジング部分(8)は利用者の身体のほうを向く側で、前記装置の設置面(28)と反対を向いている領域に、利用者の身体から離れる方向の斜面(24)を前記第1のハウジング部分(4)の方向に有していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第2のハウジング部分(8)は利用者の身体のほうを向く側で、前記第2のハウジング部分(8)の側壁(26)または前記第1のハウジング部分(4)の側壁への移行部において斜面として構成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1および第2のハウジング部分(4,8)は互いに向き合う側にセンタリング手段を有していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジング部分(4,8)は分離平面(14)に対して実質的に横向きに相互に接合可能であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
一方のハウジング部分(8)は上方から垂直方向に対して若干斜めに他方のハウジング部分(4)の受け面へ装着可能であり、次いで、分離平面(14)に対して実質的に横向きに他方のハウジング部分(4)に当接するように旋回可能であることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
第1および第2のハウジング部分(4,8)を接合するときに前記容器(10)と前記負圧生成装置との間の負圧連通も同時に成立することを特徴とする、先行請求項のうちいずれか一項または複数項に記載の装置。
【請求項12】
前記ハウジング部分(4,8)はスナップ式、係止式、またはその他の仕方で嵌合式に作用するロック手段または係合手段(34)によって相互に取外し可能なように固定可能であることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか一項または複数項に記載の装置。
【請求項13】
前記ロック手段または前記係合手段(34)は一方の前記ハウジング部分の分離平面(14)から突出しており、前記ハウジング部分を接合するときに前記ハウジング部分の接合方向に対して横向きに偏向可能であり、係合位置へと移行可能であることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ロック手段または前記係合手段(34)は手動操作可能な操作機構(32)によって解放方向へ移行可能であることを特徴とする、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
手動操作可能な前記操作機構(32)は前記装置の上面に設けられており、特に押込み可能なキーとして構成されていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
第1および/または第2のハウジング部分(4,8)は手動式の介入のために構成されており、それにより前記装置(2)または第1もしくは第2のハウジング部分(4,8)をそれによって把持し、特に一方のハウジング部分を他方のハウジング部分から取り外すことができることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか一項または複数項に記載の装置。
【請求項17】
第2のハウジング部分(8)は特に第2のハウジング部分(8)を貫通するように構成されていてよい介入窪みまたは介入凹部(30)を有していることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記介入窪みまたは前記介入凹部(30)は前記ロック手段または前記係合手段(34)のための手動操作可能な操作機構(32)の領域に設けられており、それにより利用者または介護者は片方の手だけで第2のハウジング部分(8)をロック解除して第1のハウジング部分(4)から外すことができることを特徴とする、請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記介入窪みまたは前記介入凹部(30)は身体から離れるように傾いた上側領域で身体のほうを向く第2のハウジング部分(8)の側に設けられていることを特徴とする、請求項16,17または18に記載の装置。
【請求項20】
前記装置(2)の重心は前記装置の下側半分にあることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか一項または複数項に記載の装置。
【請求項21】
前記装置の設置面と高さとの比率は4.0〜6.0m2/m、特に4.5〜5.5m2/mであることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか一項または複数項に記載の装置。
【請求項22】
前記装置の設置面は第1のハウジング部分(4)により形成されていることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記第1のハウジング部分(4)は、前記第1のハウジング部分(4)の身体と反対を向く見える側(38)への正面からの視線方向で、前記第2のハウジング部分(8)を当該視線方向で見える面の少なくとも90%だけ隠し、特に全面的に隠すことを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
それぞれ前記容器(10)を備える複数の前記第2のハウジング部分(8)を有しており、前記第2のハウジング部分(8)およびその容器(10)はさまざまに異なる大きさを特に奥行方向で有していることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記容器(10)と前記負圧生成装置との間に、前記容器(10)とともに使用後に使い捨て可能なフィルタ手段(58)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記容器の充填水位表示装置を有していることを特徴とする、請求項1〜25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
到達した前記容器の充填水位に依存して警告メッセージを出力する監視装置を有していることを特徴とする、請求項1〜26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記第1のハウジング部分の身体と反対を向いている見える側(38)に前記負圧生成装置の操作部材と表示部材(42)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記操作部材はタッチスクリーンの形態で構成されていることを特徴とする、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のハウジング部分(4)が垂直方向に対して所定の傾斜になったときに制御装置を介して前記表示部材(42)の表示が特に180°回転するようにし、これにより上から利用者によって読取り可能であるようにする傾斜センサが前記第1のハウジング部分(4)に設けられていることを特徴とする、請求項1〜29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
実質的に前記第1のハウジング部分(4)の身体と反対を向いている見える側(38)全体が面状のカバーにより形成されており、または覆われており、それにより前記操作部材の領域で汚れの溜まる継目ができるのが回避されることを特徴とする、請求項1〜30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記第1のハウジング部分(4)には、特に第2のハウジング部分(8)との分離平面(14)に設けられ、これにより第2のハウジング部分(8)により隠されて防護されるデータ交換用のインターフェース、特にUSBインターフェースが設けられていることを特徴とする、請求項1〜31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記取付手段は第1および/または第2のハウジング部分の向かい合う側に取外し可能なように取付可能である柔軟なストライプ状の1つの区域または複数の区域を含んでいることを特徴とする、請求項1〜32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記取付手段は相互に当接する前記ハウジング部分(4,8)の間に取外し可能なように配置されており、特に、相互に当接するハウジング部分(4,8)の間の差込スリット(46)へ差込可能であることを特徴とする、請求項1〜33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記ハウジング部分(4,8)は前記装置の接合状態のときに吸引配管や測定通路もしくは洗浄通路のための接続部を除いて、および場合により前記介入窪みもしくは前記介入凹部を除いて、係合可能なコンポーネントを外面に有していないことを特徴とする、請求項1〜34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項1】
医療用途のための負圧を提供するために、特に人間または動物の身体の創傷の負圧治療のために、利用者の身体に携帯可能な装置(2)であって、
負圧生成装置と、
体液を収容するための、特に創傷から吸い出された創傷分泌物を収容するための、使用後に使い捨て可能なワンウェイ容器(10)と、
身体へと通じる吸引配管の接続部(12)とを有しており、
前記負圧生成装置は前記装置の第1のハウジング部分(4)の内部または表面に配置されており、前記容器は前記装置の第2のハウジング部分(8)を形成しており、または第2のハウジング部分(8)の内部もしくは表面に配置されており、前記ハウジング部分(4,8)は取外し可能なように相互に固定可能であり、前記装置(2)は取付手段を有しており、それによって利用者の身体で携帯可能かつ携行可能であり、
そのような装置において、利用者の身体に携行される前記装置の状態(モバイル動作)のときに前記第1のハウジング部分(4)は身体と反対側を向くとともに前記第2のハウジング部分(8)は身体のほうを向くように設けられており、前記ハウジング部分(4,8)の両方は実質的に円板状に構成されており、実質的に垂直方向に向く分離平面(14)で相互に当接することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第2のハウジング部分(8)は利用者の身体のほうを向く側(22)で利用者の身体に向かう方向に、少なくとも1つの特に水平方向の平面で凹面状に構成されてことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
凹面状の前記構成は少なくとも区域的に300から500mm、特に300から400mmの曲率半径を含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のハウジング部分(8)は利用者の身体のほうを向く側(22)で少なくとも部分領域において水平方向の平面と垂直方向の平面で凹面状に構成されていることを特徴とする、請求項1,2または3に記載の装置。
【請求項5】
垂直方向の平面における凹面状の前記構成は少なくとも区域的に500から900mm、特に600から800mm、特に700から800mmの曲率半径を含んでいることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2のハウジング部分(8)は利用者の身体のほうを向く側で、前記装置の設置面(28)と反対を向いている領域に、利用者の身体から離れる方向の斜面(24)を前記第1のハウジング部分(4)の方向に有していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第2のハウジング部分(8)は利用者の身体のほうを向く側で、前記第2のハウジング部分(8)の側壁(26)または前記第1のハウジング部分(4)の側壁への移行部において斜面として構成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1および第2のハウジング部分(4,8)は互いに向き合う側にセンタリング手段を有していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジング部分(4,8)は分離平面(14)に対して実質的に横向きに相互に接合可能であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
一方のハウジング部分(8)は上方から垂直方向に対して若干斜めに他方のハウジング部分(4)の受け面へ装着可能であり、次いで、分離平面(14)に対して実質的に横向きに他方のハウジング部分(4)に当接するように旋回可能であることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
第1および第2のハウジング部分(4,8)を接合するときに前記容器(10)と前記負圧生成装置との間の負圧連通も同時に成立することを特徴とする、先行請求項のうちいずれか一項または複数項に記載の装置。
【請求項12】
前記ハウジング部分(4,8)はスナップ式、係止式、またはその他の仕方で嵌合式に作用するロック手段または係合手段(34)によって相互に取外し可能なように固定可能であることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか一項または複数項に記載の装置。
【請求項13】
前記ロック手段または前記係合手段(34)は一方の前記ハウジング部分の分離平面(14)から突出しており、前記ハウジング部分を接合するときに前記ハウジング部分の接合方向に対して横向きに偏向可能であり、係合位置へと移行可能であることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ロック手段または前記係合手段(34)は手動操作可能な操作機構(32)によって解放方向へ移行可能であることを特徴とする、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
手動操作可能な前記操作機構(32)は前記装置の上面に設けられており、特に押込み可能なキーとして構成されていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
第1および/または第2のハウジング部分(4,8)は手動式の介入のために構成されており、それにより前記装置(2)または第1もしくは第2のハウジング部分(4,8)をそれによって把持し、特に一方のハウジング部分を他方のハウジング部分から取り外すことができることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか一項または複数項に記載の装置。
【請求項17】
第2のハウジング部分(8)は特に第2のハウジング部分(8)を貫通するように構成されていてよい介入窪みまたは介入凹部(30)を有していることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記介入窪みまたは前記介入凹部(30)は前記ロック手段または前記係合手段(34)のための手動操作可能な操作機構(32)の領域に設けられており、それにより利用者または介護者は片方の手だけで第2のハウジング部分(8)をロック解除して第1のハウジング部分(4)から外すことができることを特徴とする、請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記介入窪みまたは前記介入凹部(30)は身体から離れるように傾いた上側領域で身体のほうを向く第2のハウジング部分(8)の側に設けられていることを特徴とする、請求項16,17または18に記載の装置。
【請求項20】
前記装置(2)の重心は前記装置の下側半分にあることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか一項または複数項に記載の装置。
【請求項21】
前記装置の設置面と高さとの比率は4.0〜6.0m2/m、特に4.5〜5.5m2/mであることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか一項または複数項に記載の装置。
【請求項22】
前記装置の設置面は第1のハウジング部分(4)により形成されていることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記第1のハウジング部分(4)は、前記第1のハウジング部分(4)の身体と反対を向く見える側(38)への正面からの視線方向で、前記第2のハウジング部分(8)を当該視線方向で見える面の少なくとも90%だけ隠し、特に全面的に隠すことを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
それぞれ前記容器(10)を備える複数の前記第2のハウジング部分(8)を有しており、前記第2のハウジング部分(8)およびその容器(10)はさまざまに異なる大きさを特に奥行方向で有していることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記容器(10)と前記負圧生成装置との間に、前記容器(10)とともに使用後に使い捨て可能なフィルタ手段(58)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記容器の充填水位表示装置を有していることを特徴とする、請求項1〜25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
到達した前記容器の充填水位に依存して警告メッセージを出力する監視装置を有していることを特徴とする、請求項1〜26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記第1のハウジング部分の身体と反対を向いている見える側(38)に前記負圧生成装置の操作部材と表示部材(42)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記操作部材はタッチスクリーンの形態で構成されていることを特徴とする、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のハウジング部分(4)が垂直方向に対して所定の傾斜になったときに制御装置を介して前記表示部材(42)の表示が特に180°回転するようにし、これにより上から利用者によって読取り可能であるようにする傾斜センサが前記第1のハウジング部分(4)に設けられていることを特徴とする、請求項1〜29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
実質的に前記第1のハウジング部分(4)の身体と反対を向いている見える側(38)全体が面状のカバーにより形成されており、または覆われており、それにより前記操作部材の領域で汚れの溜まる継目ができるのが回避されることを特徴とする、請求項1〜30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記第1のハウジング部分(4)には、特に第2のハウジング部分(8)との分離平面(14)に設けられ、これにより第2のハウジング部分(8)により隠されて防護されるデータ交換用のインターフェース、特にUSBインターフェースが設けられていることを特徴とする、請求項1〜31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記取付手段は第1および/または第2のハウジング部分の向かい合う側に取外し可能なように取付可能である柔軟なストライプ状の1つの区域または複数の区域を含んでいることを特徴とする、請求項1〜32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記取付手段は相互に当接する前記ハウジング部分(4,8)の間に取外し可能なように配置されており、特に、相互に当接するハウジング部分(4,8)の間の差込スリット(46)へ差込可能であることを特徴とする、請求項1〜33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記ハウジング部分(4,8)は前記装置の接合状態のときに吸引配管や測定通路もしくは洗浄通路のための接続部を除いて、および場合により前記介入窪みもしくは前記介入凹部を除いて、係合可能なコンポーネントを外面に有していないことを特徴とする、請求項1〜34のいずれか一項に記載の装置。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図3h】
【図3i】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図5】
【図6】
【図7】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図3h】
【図3i】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2013−501548(P2013−501548A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524120(P2012−524120)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004011
【国際公開番号】WO2011/018133
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(500038020)パウル ハルトマン アクチェンゲゼルシャフト (64)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004011
【国際公開番号】WO2011/018133
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(500038020)パウル ハルトマン アクチェンゲゼルシャフト (64)
【Fターム(参考)】
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