説明

医療装置アセンブリ

ハブを流体保管容器にルアースリップ関係で確実に連結させるための連結機構を有する、医療装置アセンブリを記載する。例示的な医療装置は、空洞を形成するハブと、ハブに係合させられる空洞内に配置される第2の指示要素とを備える。医療装置のさらなる特徴部分は、ハブと線接触を形成するように輪郭付けられた第2の指示要素を備える。具体的な一構成では、ハブは、ハブに取り付けられ突起を有する空洞内へと近位に延びる、第1の指示要素を備える。さらなる具体的な一構成では、医療装置は、ハブおよび流体保管容器の最適な流体密封係合を視覚的に指示する指示システムを有する流体保管容器を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、流体保管容器に連結するための、ルアースリップ機構を有する医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ルアー取付け具または連結具を有する、注射器など流体保管容器は、しばしばハブまたはルアー取付け具を用いて組み立てられる。ハブを注射器に連結するために用いられる2つの共通の機構は、「ルアーロック」機構および「ルアースリップ」機構を含む。
【0003】
ルアーロック機構は、一般に、めねじが切られたカラーと同軸関係にあるオス取付け具を有する、流体保管容器を備える。協働するハブまたはメスルアーロック取付け具は、ハブにねじり力またはトルク力を加えるときに、円錐形オス取付け具のめねじが切られたカラーを係合するための外部ラグを有する。
【0004】
ルアースリップ取付け具は、一般に、ねじ切りされたカラーをもたないオス取付け具を有する流体保管容器を備える。協働するハブまたはメスルアースリップ取付け具は通常、オス取付け具の外面上で摺動する内面を有する。ハブは、摩擦嵌めまたは締まり嵌め関係で、オス取付け具に取り付けられる。使用者は、ハブをオス取付け具に取り付けるために、ハブとオス取付け具の間に流体密封関係を生み出すためにハブをオス取付け具上で摺動させるときに十分な力を加えなくてはならない。ハブと医療装置を確実に連結させ損ねると、固定されないハブが使用中にオス取付け具から外れる、「飛び出し(pop off)」が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書において規定されるような、ハブを流体保管容器にルアースリップ関係で確実に連結するための連結機構を有する医療装置は、こうした問題に対する実行可能な解決法を提示する。さらに、ハブと流体容器の間のそのような確実な連結を指示する機構が必要とされている。
【0006】
本発明の第1の態様は、流体保管容器とともに使用するための医療装置に関する。医療装置は、流体保管容器がハブと確実に連結されたときに、ハブの第1の指示要素とハブの第2の指示要素との間に線接触相互作用を形成する構造を有する。本明細書で用いる「線接触」という用語は、一方または両方の表面が圧縮可能でありかつ/または圧縮不可能である、2つの表面の間の2つ以上の点での接触を含む。本明細書で用いる「表面接触」または「点接触」という用語は、一方または両方の表面が圧縮可能でありかつ/または圧縮不可能である、2つの表面の間の一点での接触を含む。1つまたは複数の実施形態において、医療装置は、開口部を有する遠位端と、開いた近位端と、遠位端から近位端へと延び空洞を形成する側壁とを有する、ハブを備える。医療装置は、ハブの遠位端に取り付けられ空洞内へと延びる第1の指示要素と、空洞内に配置される第2の指示要素とをさらに備える。1つまたは複数の実施形態では、第1の指示要素または第2の指示要素のいずれか一方が、可撓性を有する。
【0007】
1つまたは複数の実施形態では、ハブの開口部は、遠位端にて空洞と流体連通する。ハブは任意で、その遠位端に取り付けられ遠位方向に延びる、針カニューレを備えることができる。1つまたは複数の実施形態とともに使用される針カニューレは、近位端、遠位端、および空洞と流体連通するそれを貫通する管腔を備える。ハブの代替的実施形態は、針カニューレを覆う安全キャップを備えることができる。具体的な一実施形態では、ハブは、ハブの遠位端から延びる同軸壁部を備えることができ、この同軸壁部は、同軸壁部とハブの側壁の間に、安全キャップを受けるためのチャネルを形成する。
【0008】
第1の指示要素は、ハブの遠位端に取り付けられる遠位端と、ハブの空洞内へと延びる近位端とを備える。1つまたは複数の実施形態において、第1の指示要素の遠位端は、ハブの遠位端内で開口部を取り囲む。1つまたは複数の実施形態の第1の指示要素は、ハブの側壁とともに凹部を形成する。第1の指示要素はまた、径方向外向きに延びる突起を備えることもできる。1つまたは複数の実施形態では、突起は、第1の指示要素の外面上に配置され、第1の指示要素とハブの側壁の間に形成される凹部内へと延びる。
【0009】
1つまたは複数の実施形態の第2の指示要素は、開いた近位端と、開いた遠位端と、開いた近位端から開いた遠位端へと延びる本体とを備える。本体は、中空の内部を画成する内面を備える。第2の指示要素の1つまたは複数の実施形態の本体は、中空かつ円筒状とすることができる。
【0010】
1つまたは複数の実施形態では、中空内部は、第1の指示要素を包みまたは受けるように、サイズ決めおよび形状付けされる。さらなる具体的な一実施形態では、中空内部は、第2の指示要素の本体が、第1の指示要素とハブの側壁の間に形成される凹部に入ることを可能にする。第2の指示要素の本体は、第2の指示要素に遠位方向の力が加えられると、凹部に入る。1つまたは複数の実施形態では、第1の指示要素の突起は、第2の指示要素に所定の遠位方向の力が加えられるまで、本体が凹部に入ることを妨げる。具体的な一実施形態では、突起は、第2の指示要素の本体が凹部に入るときに、第2の指示要素の中空内部内へと近位に前進するように形状付けされかつ/または前進するようになされている。
【0011】
1つまたは複数の実施形態によれば、第2の指示要素の内面または内面によって形成される断面の幅は、第2の指示要素に力が遠位方向に加えられるときに、第1の指示要素との線接触相互作用を形成するように輪郭付けされる。本明細書で用いる「断面の幅」という用語は、円形および非円形断面を有する物体の断面の、周囲または縁部上の2点間の最も長い距離を含む。2つの点は、物体の断面の、内面または外面の周囲または縁部上に配置することができる。物体の「断面の幅」は、物体の「直径」と呼ぶことができる円形断面を有することを認識されたい。「断面の幅」および「直径」という用語は、円形断面を有する物体に交換可能に用いることができる。
【0012】
具体的な一実施形態では、内面は、第2の指示要素の開いた遠位端に隣接する第1の直径部分を備える。内面はまた、第1の直径部分から開いた近位端へと延びる軸方向長さを有する、第2の直径部分を備えることができる。1つまたは複数の実施形態では、内面の直径は、第2の直径部分に沿って第1の直径部分から第2の指示要素の開いた近位端に向かって増大する。
【0013】
1つまたは複数の実施形態によれば、第2の指示要素は、断面の幅を画成する内面を備える。内面は、本体の開いた遠位端に隣接する先細部分と、先細部分の遠位に隣接する傾斜部分と、本体の開いた近位端に隣接する拡大部分とを備える。1つまたは複数の実施形態では、傾斜部分は、先細の直径部分から拡大部分に向かって延びる、軸方向長さを有する。具体的な一実施形態では、内面の断面の幅は、傾斜部分の軸方向長さに沿って先細部分から拡大部分に向かって増大する。1つまたは複数の実施形態の第2の指示要素は、本明細書に記載するように、第1の指示要素を覆って遠位に摺動するようになされる。具体的な一実施形態では、第2の指示要素の内面の傾斜部分は、第2の指示要素が第1の指示要素を受けるときに、第1の指示要素との線接触相互作用を形成する。さらなる具体的な一実施形態では、流体保管容器とハブが流体密封係合するとき触覚可能なフィードバックを提供するように、傾斜部分の軸方向長さを縮小することができる。
【0014】
先細部分を有する第2の指示要素は、突起を有する第1の指示要素とともに用いることができ、この突起は、第2の指示要素に所定の力が、第1の指示要素に対する遠位方向に加えられるときに、先細部分を超えて近位に摺動するように形状付けされかつ/または摺動するようになされている。あるいはこの突起は、第2の指示要素に所定の力が第1の指示要素に対する近位方向に加えられるまで、第2の指示要素が第1の指示要素と係合しまたは第1の指示要素を覆って遠位に摺動することを妨げるように、形状付けされおよび/または妨げるようになされ得る。
【0015】
第2の指示要素の1つまたは複数の実施形態の開いた遠位端は、連続的な、または中実の周囲を備える。1つまたは複数の実施形態では、連続的なまたは中実の周縁は、ハブと流体容器が流体密封係合するまで第2の指示要素に遠位方向の力が加えられるときに維持される、円形形態を有する。
【0016】
本明細書に記載する医療装置の1つまたは複数の実施形態は、ハブと流体保管装置の流体密封係合をもたらすための十分な力がハブに加えられたことを指示するための手段を組み込むことができる。1つまたは複数の実施形態によれば、この手段は、ハブとの少なくとも2つの接触点を形成する。たとえばハブは、開口部から空洞内へと近位に延びるその遠位端にて、第1の指示要素を備えることができ、この手段は、ハブに力が加えられる間に、少なくとも第2の指示要素との2つの接触点を形成する。1つまたは複数の実施形態において、第1の指示要素はまた、径方向に延びる突起を備えることもでき、指示手段は、近位端、遠位端、および近位端から遠位端へと延びる内面を有し遠位端から近位端へと増大する直径を有する、中空の円筒状本体を備える。具体的な一実施形態では、中空の円筒状本体は、ハブに必要な力が加えられる間にその円形形状を維持する、円形断面を有する。さらなる具体的な一実施形態では、指示手段は、ハブと流体保管装置が流体密封係合するときに、触覚可能なフィードバックを生み出す。
【0017】
本発明の第2の態様は、可視指示部を備える特徴部分に関する。可視指示部は、本明細書に記載されるような医療装置の、1つまたは複数の実施形態とともに用いることができる。可視指示部は、流体保管装置上に、たとえば流体保管装置の開口部に隣接して配置される。1つまたは複数の実施形態において、流体保管装置は、ルアー先端を有する注射筒を備え、可視指示部は、その先端上に配置される。代替的実施形態では、流体保管装置は、オスルアー連結具を備え、可視指示部は、オスルアー連結具上に配置される。可視指示部は、流体移送装置と医療装置または医療装置のハブが流体密封係合する前に、可視指示部を完全に見ることができるように、先端上の位置に配置される。可視指示部の第1の所定の部分は、流体保管装置と医療装置の間の連結が緩過ぎるときにも見ることができる。1つまたは複数の実施形態によれば、可視指示部の第1の所定の部分よりも少ない第2の所定の部分は、最適な締付けのとき、および/または流体保管装置とハブが流体密封係合するときに見ることができる。具体的な一実施形態では、可視指示部は、流体保管装置とハブの間の連結が、締め付け過ぎであるときは、見ることができない。本明細書に記載する流体保管装置は、医療装置が可視指示特徴部分を利用するかどうかにかかわらず、医療装置の1つまたは複数の実施形態とともに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】流体保管容器に取り付けられて示される、本発明の1つまたは複数の実施形態による医療装置アセンブリを示す図である。
【図2】図1のアセンブリを示す拡大図である。
【図3】図1に示すハブ、第2の指示要素、および流体保管容器の、線3−3に沿った拡大断面図である。
【図4】図2に示す第2の指示要素を示す拡大図である。
【図5】図4に示す第2の指示要素の線5−5に沿った斜視断面図である。
【図6】図3に示す第2の指示要素を示す拡大断面図である。
【図7】図4に示す第2の指示要素の線7−7に沿った断面図である。
【図8】第2の指示要素の一代替的実施形態を示す断面図である。
【図9A】図3に示すハブの拡大断面図である。
【図9B】一代替的実施形態によるハブを示す拡大断面図である。
【図10】部分的に組み立てられた、図3に示すハブ、第2の指示要素、および流体保管容器の断面図である。
【図11】図10の拡大図である。
【図12】流体保管容器に対する近位方向の力が最初にハブに加えられた後の、図10を示す図である。
【図13】図12の拡大図である。
【図14】流体保管容器に対する近位方向の力がハブに連続的に加えられた後の、図12を示す図である。
【図15】図14の拡大図である。
【図16】ハブと流体保管容器が流体密封係合した後の図13を示す図である。
【図17】図16の拡大図である。
【図18A】流体保管容器に対して近位方向の力をハブに加えるときに、ハブの代替的実施形態を超えて遠位に前進する、図8の第2の指示要素を示す断面図である。
【図18B】流体保管容器に対して近位方向の力をハブに連続的に加えるときに、図18Aのハブの代替的実施形態を超えて遠位に前進する、図8の第2の指示要素を示す断面図である。
【図19】本発明の第2の実施形態による医療装置を示す部分的に組み立てられた図である。
【図20】最適に組み立てられた、図19の医療装置を示す図である。
【図21】締め付け過ぎのアセンブリにおける図19の医療装置を示す図である。
【図22】締付けが緩過ぎるアセンブリにおける図19の医療装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本発明は、以下の説明に記載される構造または工程ステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実践または実行することができる。
【0020】
本発明の一態様は、流体保管容器と流体密封係合で連結されまたは取り付けることができる、医療装置を提供する。1つまたは複数の実施形態の医療装置アセンブリは、流体保管容器との流体密封係合を指示するための手段として、第1の指示要素および/または第2の指示要素を利用することができる。医療装置アセンブリの1つまたは複数の実施形態は、ハブと、流体保管容器との流体密封係合をもたらすのに十分な力がハブに加わることを指示するための手段とを備える。指示するための手段は、医療装置アセンブリと流体保管容器とを、ルアースリップ構成で係合させる間に用いることができる。本明細書に記載する医療装置アセンブリの実施形態は、任意の針カニューレおよび/または任意の針先端キャップとともに用いることができる。
【0021】
図1〜図21は、1つまたは複数の実施形態による医療装置アセンブリを示す。医療装置アセンブリは、注射筒など流体保管容器、無針注射器セット、あるいは、医薬または他の液体を保存および/または移送するために用いることができる他の装置とともに用いることができることが理解されるであろう。1つまたは複数の実施形態において、流体保管容器は、容器の内容物へのアクセスを可能にする開口部を備える。開口部は、オスルアー取付け具を備えることができ、または、医療装置アセンブリとともに用いるために別のやり方で構成することができる。
【0022】
図1〜図21は、流体保管容器140との流体密封係合をもたらすのに十分な力がハブに加えられることを指示するための手段を有するハブ160を備える、本発明による医療装置アセンブリを示す。1つまたは複数の実施形態において、そのような力が加えられることを指示するための手段は、力が加えられる間にハブとの少なくとも2つの接触点を形成する。1つまたは複数の実施形態では、そのような力が加えられることを示すための手段は、ハブに取り付けられまたはハブと一体に形成される第1の指示要素170、および/またはハブ160内に配置される第2の指示要素180を備える。
【0023】
図1〜図7は、ハブ160に取り付けられた任意の針カニューレ132を備える、医療装置アセンブリの一実施形態を示す。図1〜図7はまた、流体送達システム100を形成するためにハブに取り付けられる注射筒の形の、任意の流体保管容器140を示す。1つまたは複数の実施形態において、流体保管容器140は、内面144を備える側壁142を有し、内面144は、医薬を含むことができる容器の内容物を保持するための、チャンバ146を画成する。容器140は、開いた近位端141、遠位端149、遠位壁部148を備える。遠位壁部148は、チャンバ146と流体連通する開口部152を有する、ルアー先端150を備える。流体保管容器140は、流体保管容器140の近位端141内に挿入される、プランジャロッド120を備えることができる。図示の構成は、単なる例であり、構成要素は、図示の形状およびサイズと異なることができることを理解されたい。
【0024】
図9Aにより分かりやすく示されるハブ160は、開いた近位端161および遠位端169を備え、遠位端169は、それを貫通する管腔134を有する任意の針カニューレ132を備える。ハブ160は、側壁164を備え、側壁164は、遠位端169から開いた近位端161へと延び、空洞166を画成する。遠位端169は、任意の針カニューレ132の管腔134と流体連通する、そこを通る通路130を備える。図10により分かりやすく示すように、第2の指示要素180は、ハブ160の空洞166内に配置される。
【0025】
ハブ160の遠位端169はさらに、第1の指示要素170を備え、第1の指示要素170は、ハブ160の遠位端169に取り付けられる遠位端179と、空洞166内へと近位に延びる自由な近位端171とを有する。具体的な一実施形態では、第1の指示要素170は、ハブの遠位端169に恒久的に取り付けられる。より具体的な実施形態では、第1の指示要素170は、ハブ160と一体に形成される。一代替的実施形態では、第1の指示要素170は、ハブの遠位端169に取り付けまたは固定することができる別個の構成要素である。1つまたは複数の実施形態の第1の指示要素170は、実質的にねじをもたず、以下でより完全に説明するように、第2の指示要素180との締まり嵌め係合を形成する。第1の指示要素170は、側壁164とともに凹部163を形成する。凹部163は、ハブの遠位端169から第1の指示要素170の自由な近位端171へと延びることができる。1つまたは複数の実施形態では、第1の指示要素は、ハブの側壁164とともに周囲凹部を形成する、ハブの側壁164と同軸で形成される第2の側壁の形とすることができる。具体的な一実施形態では、同軸で形成される第2の側壁は、通路130を取り囲み、または包囲することができる。さらなる具体的な一実施形態では、第1の指示要素は、通路130に隣接してハブの遠位端169に取り付けられ、空洞166内へと延びる、片持ち梁を備えることができる。
【0026】
凹部163は、ハブが流体保管容器に取り付けられるときに、第2の指示要素180を受けるように形成される。第1の指示要素170は、第1の指示要素170の外面から径方向外向きに凹部163内へと延びる、少なくとも1つの突起175を備える。突起175は、単一の延長部分とすることができ、または、第1の指示要素170の周りで同心円上に形成される畝部とすることができる。1つまたは複数の実施形態では、突起の位置は、様々な形状を有する流体保管容器との流体密封連結を指示するため、かつ様々なサイズおよび形状を有する第2の指示要素180とともに用いるために、修正することができる。
【0027】
図9Bに示す代替的実施形態では、本発明の医療装置は、針カニューレ132を有するハブ260を備えることができ、ハブ260は、汚染および不測の針刺しを防止するため、かつ/または針カニューレ132を保護するために、針先端キャップ(図示せず)など1つまたは複数の構成要素を組み込むように構成される。ハブ260は、遠位端269を通る通路230、開いた近位端261、ならびに遠位端269および近位端261から延びる、空洞266を画成する側壁264を備える。ハブ260は、ハブ260と流体保管容器の間の流体密封係合を指示するための、第1の指示要素270を備える。ハブ260は、遠位端269にて側壁264の周りに形成される、同軸壁部267を備える。同軸壁部267は、針先端キャップ(図示せず)を受けるためのチャネル268を形成する。
【0028】
針カニューレ132は、ステンレス鋼など金属を含む、当業界で知られる様々な材料で製作することができ、知られた製造方法を用いてハブ160または260内で保持される。たとえば、針を保持するために、接着剤を用いることができる。ハブは、射出成形など知られた方法を用いて製造することができ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートおよびそれらの組み合わせなど、射出成形可能なプラスチックで製作することができる。針カニューレとハブは、熱可塑性材料で一体に形成することもできる。ハブの側壁164はまた、様々な流体保管容器に取り付けるように形状付けることができる。
【0029】
ハブの形状は、選択的な流体保管容器と、ルアースリップ構成で締まり嵌めを形成するように修正することができる。たとえばハブは、(図9〜図17に示すように)流体保管容器の先端とルアースリップ構成を形成するために、形成円錐台形を有するように形状付けることができる。ハブはまた、当業界で知られた標準的なルアースリップ取付け具または他のルアー取付け具とともに用いるように形状付けることもできる。1つまたは複数の実施形態において、ハブ160の側壁164は、ルアーロック構成で流体保管容器と係合するための、いかなるねじももたなくてもよい。
【0030】
図10〜図17により分かりやすく示すように、第2の指示要素180は、ハブ160の空洞166内に配置される。図4〜図7を参照すると、第2の指示要素180は、開いた近位端181および開いた遠位端189を備える。第2の指示要素180はまた、軸方向長さを有する中空本体182と、遠位端189から近位端181へと延びる中空内部186を画成する、内面184とを備える。1つまたは複数の実施形態において、第2の指示要素180は、ハブ160と流体保管容器の流体密封係合を保証または促進するように形状付けおよび位置決めされる。具体的な一実施形態では、図10〜図11により分かりやすく示すように、第2の指示要素180は、ハブ160がたとえば流体保管容器140の先端150など流体保管容器の開口部を覆って配置されるときに、第2の指示要素180の近位端181が先端150に当接する一方で、第2の指示要素180の遠位端189が第1の指示要素170の近位端171に隣接および/または接触するように、ハブ160の空洞166内に位置決めされる。
【0031】
1つまたは複数の実施形態では、先端150は、組立て中に第2の指示要素180の近位端181に隣接して配置され、流体保管容器140およびハブ160の組立て中に、第2の指示要素180の中空内部186に入らない。1つまたは複数の実施形態によれば、第2の指示要素180は、図10〜図17に示すように、使用者が所定の力を流体保管容器140に向かって近位方向にハブ160に加え、または第2の指示要素180が第1の指示要素170および第1の指示要素170の外面上に配置された突起175上を遠位に前進することを可能にするように、所定の力をハブ160に向かって遠位方向に流体保管容器140に加えることを要求するように、形状付けおよび構成される。この所定の力を加えることにより、第2の指示要素180が空洞166で凹部163へと移動させられ、それにより、ハブ160および先端150が流体密封係合を形成する点が指示される。
【0032】
1つまたは複数の実施形態によれば、突起175は、第1の指示要素170の外面上に配置され、ハブ160と先端150の間に流体密封係合を形成するために必要とされる所定の力を調整するように、形状および配置を修正することができる。たとえば、ハブ160と先端150の間に流体密封係合を形成するためにハブ160および/または流体保管容器140に加えることが必要な力の大きさ全体を増大させるために、突起175の高さを増大させることができる。突起170の高さを増大させることにより、第1の指示要素170上での第2の指示要素180の遠位方向への前進に対する抵抗が高まる。この抵抗の増大は、ハブ160と先端150の間にそのような係合を形成するためにより大きい力が必要であることを使用者に示す。第2の指示要素180が第1の指示要素170上で凹部163内へと前進することは、流体密封係合を生み出すのに十分な力が、ハブ160および/または流体保管容器140に加えられたことを示す。
【0033】
図4〜図7により分かりやすく示すように、第2の指示要素180は、ハブ160の第1の指示要素170を覆って嵌まるような形状である。第2の指示要素180の中空本体182は、細長および中実とすることができる。1つまたは複数の実施形態では、第2の指示要素180の遠位端189および/または近位端181に隣接する、中空本体182の内面184は、開いた遠位端189を画成し、かつ/または開いた近位端181にある、中実の、連続的な、または中断されない周縁190を備える。具体的な一実施形態では、本体182の内面184および/または外面は、めねじをもたなくてもよい。1つまたは複数の実施形態では、内面184は、中空内部186を形成するように形状付けされ、中空内部186は、第2の指示要素180が第1の指示要素170上で遠位に進むときに、第1の指示要素170を包むことができる。第2の指示要素180の開いた近位端181と開いた遠位端189の間に延びる本体182は、中実である必要はなく、開いた遠位端189から、開いた近位端181から、または本体182に沿って、中空内部186にアクセスすることを可能にする開口を備えることができ、開いた遠位端189および/または近位端181に隣接する内面184によって形成される中実な周縁190は、連続的であることを理解されたい。
【0034】
第2の指示要素180は、別個の部分としてハブの空洞166内に配置され、ハブが流体保管容器に係合する前はハブに取り付けられず、または連結されない。具体的な一実施形態では、第2の指示要素180は、ハブ160の空洞166の内側に嵌まるように形状付けすることができる。さらなる具体的な一実施形態では、第2の指示要素180は、ハブ160の空洞166内で摺動可能および/または運動可能となるように形状付けることができる。さらなる具体的な一実施形態では、第2の指示要素180は、ハブ160の空洞166内のいかなる方向においても回転不可能となるように形状付けることができる。さらに別の具体的な実施形態では、第2の指示要素180は、開いた遠位端189および開いた近位端181から延びる軸の周りでのみ回転可能となるように形状付けることができる。
【0035】
1つまたは複数の実施形態では、本体182の外面は、第2の指示要素180がハブ160の空洞166に嵌まることを可能にする断面幅を有し、内面184は周縁にて、第2の指示要素180が第1の指示要素170上で遠位に摺動することを可能にする断面幅を有する。さらなる具体的な一実施形態では、本体182は、第2の指示要素180がハブ160の凹部163内で遠位に前進することを可能にする厚さを有する。図4〜図7においてより明らかに示す本体182は、中実の円形断面をその全長に沿って有する円柱を形成し、遠位端189および近位端181にて連続的な中実な周縁190を備える。
【0036】
第1の指示要素および第2の指示要素は、いかなる形状の断面を有することもできることを理解されたい。1つまたは複数の実施形態では、第1の指示要素および/または第2の指示要素は、第1の指示要素および/または第2の指示要素の内面が非円形形状を形成し、第1の指示要素および/または第2の指示要素の外面が円形形状を形成するような断面を有することができる。具体的な一実施形態では、第1の指示要素および/または第2の指示要素は、内面が円形形状を形成し、外面が非円形形状を形成するような断面を有することができる。第1の指示要素および/または第2の指示要素が非円形断面を有する実施形態では、医療装置アセンブリが、第1の指示要素に対する第2の指示要素の向きを制御するための手段を備えることができることを理解されたい。
【0037】
さらなる具体的な一実施形態では、本体182の外面は、本体182の外面の長さに沿った1つまたは複数の点に配置される、径方向外向きに延びるリップ183または突起を備える。リップ183は、第2の指示要素180の遠位端181および/または近位端189付近に配置することができる。代替的実施形態は、第2の指示要素180を備えることができ、第2の指示要素180は、本体182の外面に沿って配置される複数のリップを備えることができる。リップ183は、図4〜図7に示すように、本体182の外面から径方向外向きに延びる単一の突出点とすることができ、または、本体182の外面の外周に形成される周縁とすることができる。
【0038】
1つまたは複数の実施形態では、リップ183は、本体182の厚さを増大させる。具体的な一実施形態では、リップのところでの第2の指示要素180の断面の幅は、本体182の残りの部分での第2の指示要素180の外面での第2の指示要素180の断面の幅よりも大きい。図10の実施形態により分かりやすく示すように、リップ183によって形成される増大された断面の幅は、流体送達システム100を形成するときに医療装置アセンブリと流体保管容器が係合する前に、第2の指示要素180がハブ160の空洞166内に保持されるように、ハブ160の側壁164との締まり嵌めまたは摩擦嵌め関係を形成する。
【0039】
1つまたは複数の実施形態では、内面184は、第1の指示要素170の外面と締まり嵌めを形成する、内面184にて測定される断面の幅を有する。より詳細に説明するように、第2の指示要素180の1つまたは複数の実施形態の内面184は、徐々に先細になる断面の幅を画成し、この幅は、内面184の長さに沿った1つまたは複数の点にて、細くなる部分を形成する。より具体的には、内面184は、最も細い断面幅を画成する第1の断面区域を含むように形状付けることができる。さらなる具体的な一実施形態では、内面184は、第2の断面区域を備えるように形状付けることができ、第2の断面区域は、第1の断面区域での断面の幅よりも大きい、内面184にて測定される断面の幅を画成し、第1の断面区域から遠位および/または近位に延びる。1つまたは複数の実施形態では、第2の断面区域は、それが第1の断面区域から遠位および/または近位に延びるときに増大する、断面の幅を備えることができる。代替的実施形態では、内面184は、第3の断面区域を備えるように形状付けすることができ、第3の断面区域は、第1の断面区域および第2の断面区域の断面の幅よりも大きい、内面184にて測定される断面の幅を有する。第3の断面区域は、第2の指示要素180の近位端181および/または遠位端189に隣接して配置することができる。1つまたは複数の実施形態では、第3の断面区域は、その長さに沿って増減する断面の幅を有することができる。第3の断面区域は、第2の断面区域、ならびに第2の指示要素180の近位端181および/または遠位端189に、隣接して配置することができる。
【0040】
図4〜図7に示す実施形態では、第2の指示要素180は、円形断面を備え、第1の直径区域185を画成する内面184を有し、第1の直径区域185は、本体182の軸方向長さに沿った1つまたは複数の点にて、内面の周囲に沿って測定される狭くなった断面の幅または直径を有することができる。1つまたは複数の実施形態では、第1の直径区域185は、先細の部分であり、この部分は、第2の指示要素180の内面184の残りの部分によって画成される断面の幅に対して、徐々に減少する断面の幅を有する。第2の指示要素180はまた、内面184の軸方向長さに沿った1つまたは複数の点にて第2の直径区域187を備えることができ、この第2の直径区域は、第1の直径区域185から、第2の指示要素180の遠位端189および/または近位端181に向かって延びる。1つまたは複数の実施形態では、内面184の直径が第2の直径区域187に沿って第1の直径区域185から近位端181へと延びるように、内面184は、第2の指示要素180の開いた遠位端189に隣接する第1の直径区域185と、第1の直径区域185から開いた近位端181へと延びる軸方向長さを有する第2の直径区域187とを備える。そのような実施形態では、第2の直径区域180は、内面184にて測定される直径が近位へと増大する、斜面または斜面部分を形成する。具体的な一実施形態では、第1の直径区域185は、第2の指示要素180の近位端181に隣接して配置され、第2の直径区域187は、第2の指示要素180の遠位端189に向かって遠位に延びる。
【0041】
第2の指示要素180の内面184はまた、第1の直径区域185での直径および第2の直径区域187での直径よりも大きい直径を有する、第3の直径区域188も備えることができる。1つまたは複数の実施形態において、第3の直径区域188は、その長さ全体に沿って一定の直径を有する。具体的な一実施形態では、第3の直径区域188は、その長さに沿って近位または遠位方向に増大する直径を有する。
【0042】
第1の直径区域185、第2の直径区域187、および第3の直径区域188を利用する実施形態では、第2の直径区域187は、第1の直径区域185の直径より大きく第3の直径区域188の直径より小さい直径を有する。1つまたは複数の実施形態では、第2の指示要素180は、遠位端189に隣接して配置される第1の直径区域185と、第1の直径区域185の近位に隣接して配置される第2の直径区域187と、第2の直径区域187に隣接して近位に配置され近位端181に向かって延びる、第3の直径区域188とを備える。さらなる具体的な一実施形態では、第2の直径区域187の直径は、それが第1の直径区域185から第3の直径区域188へと延びるにつれて増大する。さらに別の具体的な一実施形態では、第3の直径区域188は、その長さに沿って遠位または近位方向に増大する直径を有する。
【0043】
1つまたは複数の実施形態では、第3の直径区域188は、流体保管容器140の先端150が第2の指示要素の中空内部186に入りまたはそれに挿入されることを防ぐようにサイズ決めされる、内面184にて測定される直径を有する。プラスチックまたはポリマー材料で構成される第2の指示要素180の実施形態では、使用中の、またはより具体的には、第2の指示要素180を第1の指示要素170および/または突起175上で遠位に前進させる力をハブおよび/または流体保管容器に加える際の変形を防ぐために、第3の直径区域188は、第2の指示要素180を支持するのに十分な剛性を有する。具体的な一実施形態の第3の直径区域188はまた、第1の指示要素170の直径、および/または突起175および第1の指示要素170によって形成される直径と同じかそれより大きい直径を有することができる。1つまたは複数の実施形態では、第3の直径区域188の直径は、第3の直径区域188が突起175を超えて遠位に前進することを可能にするように、突起175によって形成される直径よりも大きい。そのような実施形態では、第3の直径区域188が突起175を超えて遠位に前進することは、医療装置と流体保管容器が流体密封係合していること、および、流体保管容器に向かって近位方向にハブ160へと、またはハブ160に向かって遠位方向に流体保管容器140へと、残りのまたはさらなる力が加えられるべきではないことを示す。
【0044】
第1の直径区域185は、第2の指示要素180の遠位端189にて進入角度178を形成し、この進入角度178は、第1の指示要素170と突起175の線接触を形成しながら、第2の指示要素180が第1の指示要素170を超えて遠位に動くことを可能にする。作動前に、進入角度178と第1の指示要素170の間に、線接触を形成することができることを理解されたい。具体的な一実施形態では、進入角度178はまた、突起175との線接触を形成する。さらなる具体的な一実施形態では、線接触を、進入角度178および第1の直径区域と、第1の指示要素170および突起175との間に形成することができる。
【0045】
図10〜図17の第1の指示要素170および第2の指示要素180の運動において示すように、第2の指示要素180は、第2の指示要素180が凹部163に入り、第1の指示要素170を覆って遠位に摺動するとき、第1の指示要素180および/または突起175との1つまたは複数の線接触相互作用を形成する。図12〜図13に示すように、1つまたは複数の線接触相互関係は、第1の指示要素170が、第2の指示要素180の進入角度178に接触する点から形成される。1つまたは複数の実施形態において、第1の指示要素170は、径方向内向きに屈曲し、第1の指示要素170と第2の指示要素180の間の線接触が維持されたままで、第2の指示要素180が凹部163内へとさらに遠位に前進することを可能にする。近位方向の力が流体保管容器140に向かってハブ160に加えられ、または、遠位方向の力がハブ160に向かって流体保管容器140に加えられるとき、第2の指示要素180は、図14〜図15に示すように、第1の指示要素170および/または突起175が第2の指示要素180の第1の直径区域185に接触するときに、第1の指示要素170を超えて遠位に前進し続け、1つまたは複数の線接触相互関係を形成する。使用者が近位方向の力を流体保管容器140に向かってハブ160に加え続け、または、遠位方向の力がハブ160に向かって流体保管容器140に加えられるときに、図16〜図17に示すように、第1の指示要素170および/または突起175が第2の指示要素180の第2の直径区域187および/または第3の直径区域188に接触するとき、1つまたは複数の線接触相互関係が形成される。1つまたは複数の実施形態では、第2の直径区域187が突起175を超えて遠位に前進し、第3の直径区域188が突起175を超えて遠位に前進し始めるとき、線接触はもはや維持されない。1つまたは複数の実施形態によれば、第2の指示要素180が第1の指示要素の突起175を超えて遠位に動かされると、突起175は、180、および具体的には第1の直径部分185が近位方向に動くことを防ぐことにより、第2の指示要素180を凹部163内に保持する。
【0046】
具体的な一実施形態では、第2の指示要素180の遠位端189にて第1の直径区域185の間に形成される進入角度178は、突起185の高さよりも大きい半径を有する。そのような実施形態では、第2の指示要素の半径がより大きいことにより、第2の指示要素180が突起175を超えて遠位に滑らかに前進することが保証される。
【0047】
1つまたは複数の実施形態によれば、遠位端189および近位端181にて第2の指示要素の内面184によって形成される中実周縁190は、第2の指示要素180が第1の指示要素170および突起175を覆って遠位に動くとき、その形状を維持し、または変形に抵抗する。第2の指示要素180の中実周縁190は、内面184と、第1の指示要素170および/または突起175の外面との間に接触領域を形成する。たとえば、円柱形の第2の指示要素180を利用する実施形態では、中実周縁190は、第2の指示要素180が第1の指示要素170および突起175を覆って遠位に動くときに円形形状を維持し、内面184と第1の指示要素170の外面との間に円形接触領域を形成する。1つまたは複数の実施形態では、中実周縁190が剛性を有することにより、第2の指示要素180がその形状を維持することが保証され、すなわち、医療装置アセンブリと流体保管容器140の間に流体密封係合を形成するために、より大きいまたは増大された係合力を必要とする流体保存装置とともに、医療装置アセンブリを使用することを可能にする。第2の指示要素180の遠位端189および/または近位端181にて内面184により形成される中実周縁190を中断させることにより、第2の指示要素180は、第1の指示要素170および突起175を覆って遠位に動くときに変形させられ、ハブ160と流体保管容器140とを流体密封係合で連結するために必要とされる係合力に可変性をもたらす。たとえば、円柱形状を有する第2の指示要素180の内面184によって形成される、中実周縁190内に存在する中断部は、本体182の断面が円形から楕円形へと変化するように、本体182を変形させることができる。第2の指示要素180が正多角形を有する別の実施例では、内面184によって形成される中実周縁190内の中断部は、本体182の断面が正多角形から不規則多角形に変化するように、本体を変形させることができる。
【0048】
非共形の表面間の相互作用により、線接触部または表面接触部が生み出される。第2の指示要素180の実施形態が、先細の幾何学形状であることにより、第2の指示要素180と第1の指示要素170の間に線接触相互作用を形成することが可能となる。線接触相互作用は、両方の表面に加えられる応力および圧力を、2つ以上の点または位置に分散させる。これにより、あらゆる単一点に加えられる応力が低減され、それにより、一方または両方の表面内の欠陥がいずれかの部品の構造的完全性を損なう可能性が低減される。先細の第2の指示要素をもたない医療装置アセンブリは、第1の指示要素との、点または表面接触しか形成しない傾向がある。こうしたアセンブリでは、両方の表面に加えられる応力または力は、分散されない。本発明の1つまたは複数の実施形態によれば、第2の指示要素180の内面184は、第2の指示要素180が第1の指示要素170および突起175上で遠位に動くときに第1の指示要素170との線接触を維持するように、さらに輪郭付けられる。1つまたは複数の実施形態では、第2の直径区域187が突起175を過ぎて遠位に前進した後は、突起175と第2の指示要素180の間に接触部が存在しない。具体的には、進入角度178、第1の直径区域185、第2の直径区域187、および第3の直径区域188は、第1の指示要素の突起175を遠位に超える第1の直径区域185および第2の直径区域187の遠位運動の範囲全体を通して、第2の指示要素180と第1の指示要素170および突起175との間に線接触を生み出すように形状付けられる。
【0049】
第2の指示要素380の一代替的実施形態を、図8に示す。第2の指示要素380は、開いた遠位端389から開いた近位端381へと延びる本体382を有する。本体382は、中空内部386を画成する内面384と、本体382の外面から径方向外向きに延びるリップ383とを備える。内面384は、開いた遠位端389に隣接する先細部分385、直径部分385の近位に隣接する傾斜部分387、および開いた近位端381に隣接する拡大部分388を備える。傾斜部分387は、内面384にて測定される断面の幅が傾斜部分387に沿って先細部分385から拡大部分388へと延びるように、先細部分385から拡大部分388に向かって延びる軸方向長さを有する。この実施形態では、先細部分385および拡大部分388で内面384にて測定される断面の幅の変化が、より急激になり、またはより緩やかでなくなるように、傾斜部分387の長さが縮小される。そのような実施形態では、ハブと流体保管装置の流体密封係合は、第1の指示要素と第2の指示要素380の間の1つまたは複数の線接触相互作用を維持しながら、より顕著で触覚のあるフィードバックを提供する。たとえば、先細部分385が第1の指示要素および突起を超えて遠位に前進するとき、よりカチッとまたはパチッと嵌まる係合が生み出される。このように強められる触覚可能なフィードバックは、突起を超えて先細部分385を遠位に前進させるときに、内面384から測定される断面の幅が拡大し、突起と拡大部分388がより迅速に位置合せされることにより生み出されると考えられる。
【0050】
本明細書に記載する、1つまたは複数の実施形態の第2の指示要素は、プラスチック材料または金属で製作することができる。1つまたは複数の実施形態では、第2の指示要素は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、またはそれらの組み合わせなど、射出成形可能なプラスチックを用いて射出成形される。上記で議論されるように、第2の指示要素の内面は、第2の指示要素が第1の指示要素を覆って遠位に前進するとき、1つまたは複数の線接触相互作用を形成する。線接触相互作用によって、突起および/または第1の指示要素上の成形の欠陥に対する感度が低減されると考えられる。線接触相互作用はまた、第2の指示要素が突起を覆って遠位に通過するときの、第2の指示要素の実施形態の内面の変形を低減すると考えられる。
【0051】
流体密封係合を指示するための手段を提供する以前の試みは、十分に触角可能なフィードバックを使用者に提供するために、直径、構造的角度、および接触相互作用の、急激な変化を有する要素を用いることが多い。そのような試みは、直径または他の構造特徴におけるより緩やかな変化を用いることを妨げていた。こうした試みはまた、触覚可能なフィードバックを強化するために、剛性の材料を用い、用いられる材料の剛性および/または堅さによって生じることがある潜在的な削ぎ(skiving)および予測不可能な係合力を許容するために、要素の本体内に構造的な間隙を組み込む。さらにまた、触覚可能なフィードバックを作り出すことが必要であることにより、所望の構造を製作するために用いることができる材料の範囲が限定される。
【0052】
ハブを流体保管容器に流体密封係合で確実に連結させるための連結機構、およびハブと流体容器の間のそのような係合を示す機構を改善する以前の試みは、第1の指示要素および/または第2の指示要素に用いられる材料のタイプを修正することに重点を置いてきた。材料の修正はまた、医療装置アセンブリの重量を低減すること、および、金属構成要素を形成するために用いられるスタンピングなど他の製造方法よりも容易に製造能力を高めることができる、成形など他の製造方法の利用を可能にすることなど、さらなる利点をもたらすと考えられていた。製造方法の変化により、より幅広い材料を選択することも可能になる。第1の指示要素および/または第2の指示要素を形成するために用いられる材料の修正における具体的な試みは、第1の指示要素および/または第2の指示要素を製造するために、より剛性の高いプラスチック材料を用いることに重点を置いていた。そのような材料は、ハブと流体保管容器の間に流体密封係合を形成するために必要な係合力の、より良好な指示部をもたらすと考えられていた。しかし、そのような試みにおいて、より剛性の高いプラスチックは、ハブの流体保管容器への流体密封係合に必要とされる係合力への直接的な結果をもたなかった。様々な材料をさらに使用することにより、ハブと流体保管容器の間の流体密封係合の正確な指示を妨げる第1の指示要素と第2の指示要素の係合力のばらつきなど、さらなる問題が生じた。
【0053】
たとえば本明細書に記載される第2の指示要素に先細の設計を用いることなどにより、構成要素の形状を修正することによって、これらの問題は軽減される。第2の指示要素の中実周縁190の設計はさらに、製造可能性を改善し、厳密な寸法への依存を低減するより弾性高い材料の選択および使用を可能にした。さらに、第1の指示要素の外面および第2の指示要素の内面の表面仕上げは、第1の指示要素と第2の指示要素の間のより一貫した相互作用を保証するように、修正することができる。
【0054】
1つまたは複数の実施形態では、射出成形によって製造される第2の指示要素180は、使用される材料に基づいて応用例を限定していた他の製造方法によって生じる構造的な突起を、実質的にもたない。そのような構造的な突起は、遠位端および/または近位端にて本体から径方向外向きに延びる突起を含み、その突起は、ハブの削ぎ、またはハブと先端の間に流体密封係合を形成するために必要とされる係合力の他の増大を生じることがある。
【0055】
1つまたは複数の実施形態では、ハブの側壁164、第1の指示要素170、および/または第2の指示要素180はまた、先端150と通路130の間の使用されていない空間または空いた空間を減少させるように形状付けおよび構成することができる。以前の連結機構における試みでは、ハブと流体保管容器の間の流体密封係合を指示するために、製造手段および材料が限定される結果として、第2の指示要素の開口部にて周縁内に間隙が含まれていた。そのような実施形態では、その開いた間隙により、流体保管装置に取り付けられたときのハブ内部の使用されない空間が増大した。中実の連続的な本体182を備える第2の指示要素180の実施形態は、ハブが流体保管装置に取り付けられるときの空洞内の使用されない空間を減少させる。1つまたは複数の実施形態では、本明細書に記載される第2の指示要素の1つまたは複数の実施形態の遠位端がハブ160の遠位端169に接触するまで、第1の指示要素170と側壁164の間に形成された凹部163内へと前進することを可能にするように、第1の指示要素170の長さを調整することができる。そのような実施形態では、第1の指示要素170の長さおよび第2の指示要素の遠位端の運動は、使用者が力をハブへと近位方向に、または流体保管容器へと遠位方向に加えることを妨げることにより、ハブ160と先端または流体保管容器との間の流体密封係合のさらなる指示をもたらす。一実施形態では、第1の指示要素170の長さは、様々な長さを有する第2の指示要素の使用を可能にするように調整することができる。1つまたは複数の実施形態では、第1の指示要素170の長さは、第2の指示要素が、ハブ160の遠位端169によって干渉されずまたは妨害されずに、突起175を超えて遠位に前進することを可能にするのに十分な長さである。あるいは、先端150と通路130の間の使用されない空間を縮小するために、第2の指示要素180の本体182の長さを縮小することができる。側壁164はまた、凹部163の長さおよび/または寸法を増減するように、調整または修正することができるが、凹部163の長さは、第2の指示要素180が突起175を超えて遠位に前進することを可能にしなければならない。
【0056】
ハブ360の一代替的実施形態を、図18Aおよび図18Bに示す。ハブ360は、側壁364および第1の指示要素370を備え、第1の指示要素370は、可撓性を有し、側壁364とともに凹部363を形成する。使用者が、ハブ360と流体保管容器の間に流体密封係合を形成するために、所定の力をハブ360に加えるとき、第1の指示要素380は、通路330に向かって内向きに撓み、第2の指示要素の本体382が第1の指示要素370および/または突起375を覆って凹部363内へと遠位に前進することを可能にする。第1の指示要素370がその元の形状を回復する能力により、ハブ360と流体保管容器の間の流体密封係合の、使用者のための触覚可能なフィードバックが生み出される。図18BおよびAに示すように、第2の指示要素380の傾斜部分387は、縮小された長さを有し、それにより、第2の指示要素の内面に沿った様々な点において測定される直径または断面の幅が、より劇的に増大する。そのような実施形態では、第1の指示要素は、より迅速に撓みかつ弛緩することが可能になり、それにより、ハブと流体保管容器の間の流体密封係合の、使用者のための強化された触覚可能なフィードバックが生み出される。
【0057】
一代替的実施形態によれば、第2の指示要素の本体は、可撓性を有することができ、かつ、第2の指示要素が第1の指示要素および/または突起を覆って遠位に前進するときに撓むことができる。そのような実施形態では、中実周縁は、剛性を有し、第2の指示要素が第1の指示要素を覆って遠位に前進するときに、その形状を維持することができる。さらなる具体的な一実施形態では、第1の指示要素および第2の指示要素のうちの一方が、第1の指示要素および第2の指示要素のうちのもう一方よりも大きい可撓性を有する。さらに別の具体的な一実施形態では、第1の指示要素および第2の指示要素のうちの一方が可撓性を有し、2つのうちのもう一方は、可撓性要素と比べて相対的に可撓性が低い。
【0058】
第2の指示要素の内面の長さに沿った様々な点で測定される直径または断面の幅が徐々に増大する実施形態では、第2の指示要素が第1の指示要素の突起を超えて遠位に前進した後に撓められた要素がその元の形状を回復することを可能にする、様々な可撓性または剛性を有する様々な材料を使用することにより、第1の指示要素および/または第2の指示要素は、触覚可能なフィードバックを提供することができる。
【0059】
本発明の第2の態様は、たとえば図1に示す流体保管容器140など流体保管容器への取付けの間に、本明細書に記載される医療装置アセンブリとともに用いるための指示システムに関する。指示システムは、たとえば図1に示すハブ160などハブおよび流体保管容器の連結中に最適な係合または最適な程度の圧入または締まり嵌めが達成されたことの、可視指示を提供する。具体的には、指示システムは、ハブ160と流体保管容器140の間のルアースリップ連結の、締め付け過ぎ、緩過ぎ、および最適な締付けの、可視指示を提供する。ハブ160および流体保管容器のルアースリップの締め付け過ぎにより、ハブ160と流体保管容器140の間の接合部または対合接触部にて、過剰な圧縮力が生じることがある。この過剰な圧縮力は後に、ハブ160を流体保管容器140から取り外すために、大きい力を加えることを使用者に要求する可能性がある。ハブ160および流体保管容器のルアースリップ連結の締付けが緩いことにより、連結によって形成される流体密封係合または封止の効果が低下するおそれがあり、かつ、流体保管容器内からハブ160を通って送達される医薬の漏れ、または流体保管容器140からのハブ160の完全な分離がもたらされるおそれがある。
【0060】
図19〜図22に示す実施形態の指示システムは、たとえば流体保管容器440の先端または開口部の周囲に沿って流体保管容器440に加えられる、可視指示部400を備える。1つまたは複数の実施形態では、可視指示部は、流体保管容器上に印刷されまたはオーバーモールドされた色付き区域である。流体保管容器440上に可視指示部を適用しまたは形成するために、当業界で知られる他の手段を用いることができる。ハブ460を流体保管容器440に取り付ける間に、ハブ460に、流体保管容器440に対して近位方向に力が加えられる。力を加えた後に、可視指示部400に対するハブ460の位置は、最適な締付けを得るために適当な力がハブに加えられたかどうかを指示する。図20により分かりやすく示すように、可視指示部400をハブ460のすぐ隣に位置合せすることにより、最適な係合が指示される。図21は、ハブ460と流体保管容器440の間の締め付け過ぎの連結を指示する、可視指示部400とハブ460の重なりを示す。図22は、ハブ460と流体保管容器440の間の緩過ぎる連結を指示する、可視指示部400とハブ460の間の空間を示す。
【0061】
具体的な一実施形態では、可視指示部400は、流体保管容器の開口部付近から流体保管部の長さに沿って近位に、3つの異なる位置に形成される、3本の個別の縞(図示せず)を備える。さらなる具体的な一実施形態では、3本の縞は、別々の色を有することができる。そのような実施形態では、流体保管容器の開口部の最も近くに配置される第1の縞は、第1の縞であり、赤色とすることができ、第1の縞の近位に隣接して配置される第2の縞は、緑色とすることができ、第2の縞の近位に隣接して配置される第3の縞は、黄色とすることができる。力が流体保管容器に向かって近位方向にハブに加えられるとき、または力がハブに向かって遠位方向に流体保管容器に加えられるときに、第1の縞、第2の縞、および第3の縞(または赤の縞、緑の縞および黄色の縞)が見えることは、締付けが緩いこと、ならびに、ハブおよび/または流体保管容器にさらなる力が加えられなければならないことを指示する。第2の縞および第3の縞(または緑の縞および黄色の縞)が見えることは、最適な締付けを指示し、第3の縞(または黄色の縞)のみが見えることは、締め付け過ぎを指示する。1つまたは複数の実施形態では、図19〜図22の指示システムは、流体密封係合の触覚可能なフィードバックを低減する本明細書に記載される医療アセンブリ間の、流体密封係合の可視指示を提供するのに有用となることがある。そのような実施形態のアセンブリの例は、第2の指示要素180を備え、第2の指示要素180は、第3の直径区域188を備えず、または、第1の直径区域からの直径の変化および第2の指示要素の残りの長さの変化が緩やかとなり、またはより急激でなくなるのに十分な長さを有する、第2の直径区域187を備える。あるいは、図19〜図22の指示システムはまた、医療装置アセンブリと流体保管容器の間の流体密封係合のさらなる指示を提供するために、強化された触角可能なフィードバックを有する実施形態とともに用いることもできる。
【0062】
本発明の第3の態様は、本明細書に記載される医療装置を用いる方法に関する。1つまたは複数の実施形態では、この方法は、空洞を画成する内面を有する側壁、開いた近位端、空洞と流体連通するそこを通る開口部を有する遠位端、および空洞内に配置される第2の指示要素とを有する、ハブを提供するステップを含む。この方法は、開いた近位端が流体保管容器の開口部と位置合せされるようにハブを位置決めするステップと、流体保管容器の開口部が空洞内に配置され第2の指示要素に当接するように、近位方向の力をハブに加え、または遠位方向の力を流体保管容器に加えるステップとを、さらに含む。この方法は、連続的な力を、近位方向でハブに、かつ/または遠位方向で流体保管容器に加え、第2の指示要素を空洞内へさらに遠位に前進させ、ハブと係合させるステップをさらに含む。ハブの遠位端から空洞内へと延びる第1の指示要素を用いる医療装置の実施形態では、この方法は、第2の指示要素が、第1の指示要素を包み、ハブおよび流体保管装置が流体密封係合するまで第1の指示要素とハブの間に形成される凹部内へと入るように、連続的な力を、流体保管容器に向かって近位方向にハブに、かつ/またはハブに向かって遠位方向に流体保管容器に加えるステップを含む。
【0063】
本明細書全体を通して、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「一実施形態」とは、実施形態に関連して記載される特定の特徴部分、構造、材料、または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。すなわち、本明細書全体の様々な部分に見られる「1つまたは複数の実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「1つの実施形態において」、または「一実施形態において」という表現は、本発明の同一の実施形態を必ずしも示さない。さらに、特定の特徴部分、構造、材料、または特徴は、1つまたは複数の実施形態において、いかなる適当なやり方で組み合わせることもできる。
【0064】
本明細書において、特定の実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理および応用例の例示に過ぎないことを理解されたい。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の方法および装置に様々な修正および変更を加えることができることが、当業者には明らかとなるであろう。すなわち、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内にある、修正形態および変形形態を包含することが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体保管容器とともに用いるための医療装置であって、
空洞を画成する内面を有する側壁、開いた近位端、および前記空洞と流体連通するそこを通る開口部を有する遠位端を備えるハブと、
前記ハブの前記遠位端に取り付けられる遠位端、および前記空洞内へと延びる自由な近位端を有し、前記ハブの前記側壁とともに周囲凹部を形成する第1の指示要素と、
開いた近位端、開いた遠位端、および前記開いた近位端から前記開いた遠位端へと延びる本体を有する、前記ハブの前記空洞内に配置される第2の指示要素と
を備え、
前記本体部分が、遠位方向の力が前記第2の指示要素に加えられるときに前記本体が前記ハブの前記凹部に入ることを可能にするように前記第1の指示要素を包むための、中空内部を画成する内面を有し、前記第2の指示要素の前記内面が、前記第2の指示要素に遠位方向の力をかけるときに前記第1の指示要素との線接触相互作用を形成するように輪郭付けられることを特徴とする医療装置。
【請求項2】
前記内面が、前記第2の指示要素の前記開いた遠位端に隣接する第1の直径部分と、前記内面の前記直径が前記第2の直径部分に沿って前記第1の直径部分から前記第2の指示要素の前記開いた近位端へと増大するように、前記第1の直径部分から前記開いた近位端へと延びる軸方向長さを有する第2の直径部分とを備えることを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記第2の指示要素の前記開いた遠位端が、前記ハブおよび前記流体容器が流体密封係合するまで遠位方向の力を前記第2の指示要素に加えるときに円形を維持する、連続的な周縁を備えることを特徴とする請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記第1の指示要素が、所定の遠位方向の力が前記第2の指示要素に加えられるまで、前記第2の指示要素の前記本体部分が前記凹部に入ることを妨げる、径方向外向きに延びる突起を備えることを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項5】
前記第1の指示要素または前記第2の指示要素のうちの一方が、可撓性を有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項6】
前記ハブの前記遠位端に取り付けられ前記遠位方向に延びる針カニューレをさらに備え、前記針カニューレが、近位端、遠位端、および前記空洞と流体連通するそれを通る管腔を有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項7】
前記流体保管装置が、先端を備え、前記先端が、前記流体保管装置および前記ハブの前記空洞が前記流体密封係合する前に完全に見え、前記流体保管装置および前記ハブが流体密封係合するとその所定の部分が見える可視指示部を有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項8】
流体保管容器とともに用いるための医療装置であって、
空洞を画成する内面を有する側壁、開いた近位端、および前記空洞と流体連通するそこを通る開口部を有する遠位端を備えるハブであって、前記遠位端が、前記開口部を取り囲み前記空洞内へと近位に延びる第1の指示要素をさらに備えるハブと、
前記ハブの前記空洞内に配置され、中空の円筒状本体を有する第2の指示要素と
を備え、
前記中空の円筒本体が、開いた近位端と、開いた遠位端と、断面の幅を規定する内面とを備え、前記開いた遠位端に隣接する先細部分と、前記先細部分の遠位に隣接する傾斜部分と、前記開いた近位端に隣接する拡大部分とを備え、前記内面の前記断面の幅が前記傾斜部分の前記軸方向長さに沿って前記先細部分から前記拡大部分へと増大するように、前記傾斜部分が、前記先細の直径部分から前記拡大部分へと延びる軸方向長さを有し、前記第2の指示要素が、前記第1の指示要素を覆って遠位に摺動するようになされることを特徴とする医療装置。
【請求項9】
前記第2の指示要素の前記内面の前記傾斜部分が、前記内面と前記第1の指示要素の間に線接触相互作用を形成することを特徴とする請求項8に記載の医療装置。
【請求項10】
前記第1の指示要素が、所定の力を前記第1の指示要素に対して近位方向に前記第2の指示要素に加えるときに、前記第2の指示要素の前記先細部分を超えて近位に前進するようになされる、径方向外向きに延びる突起を備えることを特徴とする請求項8に記載の医療装置。
【請求項11】
前記第1の指示要素が、所定の力が前記第1の指示要素に対して近位方向に前記第2の指示要素に加えられるまで、前記第2の指示要素が前記第1の指示要素に係合することを妨げる、径方向外向きに延びる突起を備えることを特徴とする請求項8に記載の医療装置。
【請求項12】
前記流体保管容器および前記ハブが流体密封結合するとき触覚可能なフィードバックをもたらすように、前記傾斜部分の前記軸方向長さが縮小されることを特徴とする請求項8に記載の医療装置。
【請求項13】
前記ハブの前記遠位端に取り付けられ前記遠位方向に延びる針カニューレをさらに備え、前記針カニューレが、近位端、遠位端、および前記空洞と流体連通するそれを通る管腔を有することを特徴とする請求項8に記載の医療装置。
【請求項14】
前記流体保管装置が、オスルアー連結具を備え、前記オスルアー連結具が、前記流体保管装置および前記ハブの前記空洞が前記流体密封係合する前に完全に見え、前記流体保管装置および前記ハブが流体密封係合するときにその所定の部分が見える可視指示部を有することを特徴とする請求項9に記載の医療装置。
【請求項15】
流体保管容器とともに用いるための医療装置であって、
空洞を画成する内面を有する側壁、開いた近位端、および前記空洞と流体連通するそこを通る開口部を有する遠位端を備えるハブであって、前記遠位端が、前記開口部から前記空洞内へと近位に延びる第1の指示要素をさらに備えるハブと、
流体保管装置との流体密封係合をもたらすのに十分な力が前記ハブに加えられたことを指示するための手段と
を備え、
前記手段が、前記力を前記ハブに加える間に前記第1の指示要素との少なくとも2つの接触点を形成することを特徴とする医療装置。
【請求項16】
前記第1の指示要素が、径方向に延びる突起を備え、前記指示手段が、近位端、遠位端、および前記近位端から前記遠位端へと延びる内面を有する中空の円筒形本体を備え、前記内面が、前記遠位端から前記近位端へと増大する直径を有することを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記中空の円筒形本体が、前記ハブに前記十分な力を加える間に維持される円形断面を備えることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ハブおよび前記流体保管装置の流体密封係合により、触覚可能なフィードバックが生み出されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ハブの前記遠位端に取り付けられ前記遠位方向に延びる針カニューレをさらに備え、前記針カニューレが、近位端、遠位端、および前記空洞と流体連通するそれを通る管腔を有することを特徴とする請求項15に記載の医療装置。
【請求項20】
前記流体保管装置が、オスルアー連結具を備え、前記オスルアー連結具が、前記流体保管装置および前記ハブの前記空洞が前記流体密封係合する前に完全に見え、前記流体保管装置および前記ハブが流体密封係合した後にその所定の部分が見える可視指示部を有することを特徴とする請求項16に記載の医療装置。
【請求項21】
前記針カニューレを覆う安全キャップをさらに備え、前記ハブが、前記ハブの前記遠位端から延び前記同軸壁部と前記側壁の間に前記安全キャップを受けるためのチャネルを形成する同軸壁部を備えることを特徴とする請求項19に記載の医療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2013−500770(P2013−500770A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522928(P2012−522928)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/043200
【国際公開番号】WO2011/014444
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】