説明

医薬処方

【課題】複数の原薬含有サブユニットを含む単一または多成分医薬剤形の射出成型に適する医薬上許容されるポリマー組成物並びに成型方法の提供。
【解決手段】アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、および膨潤性固体、崩壊剤、非還元糖および水可溶性増量剤およびその組み合わせまたは混合物からなる群から選択される少なくとも1つの溶解性修飾賦形剤および滑沢剤を含む賦形剤組成物。原薬含有サブユニットはカプセルコンパートメントおよび/または中実サブユブットであり、これは原薬を含むポリマーの中実マトリックスを含み、サブユニットは組立剤形の部材の間の溶接により組立て式剤形において互いに結合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬上許容されるポリマーブレンドを用いる射出成形型の単または多成分系剤形の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
経口投与するための種々の型の医薬剤形が知られている。一般に経口投与することを意図とする医薬カプセルがよく知られている。かかるカプセルは、カプセル壁用の他の材料、例えば、澱粉およびセルロース基材のポリマーもまた知られているが、一般に、医薬上許容される、例えば、経口的に摂取可能な、ゼラチンなどのポリマー材料のエンベロープ壁を含む。かかるカプセルは、一般に、カプセル成形器上でフィルムを作り、ついで放置して乾燥させることで作られる柔らかい壁を有する。射出成形により作製される硬い壁のカプセルも知られている。例えば、米国特許第4576284号;米国特許第4591475号;米国特許第4655840号;米国特許第4738724号;米国特許第4738817号;および米国特許第4790881号(すべて、ワーナー・ランバート社)を参照のこと。これらの特許は、ゼラチン、澱粉および他のポリマーでできた特定の構造のカプセル、および親水性ポリマー−水の混合物を射出成形することによるその製法を開示する。米国特許第4576284号は、具体的には、そのカプセルを閉じ、充填されたカプセル上にその場で成型により形成される、キャップを備えたカプセルを開示する。米国特許第4738724号は広範囲に及ぶ硬いカプセルの形状およびパーツを開示する。
【0003】
例えば、とりわけ、米国特許第4738724号(ワーナー・ランバート);米国特許第5672359号(ケンタッキー大学);米国特許第5443461号(アルザ社);WO95/16438(コルテックス社);WO90/12567(ヘルミントロジー・インスチテュート);DE−A−3727894およびBE900950(ワーナー・ランバート);FR2524311およびTL7610038(タパンホニーNV);FR1454013(プルリファーム);米国特許第3228789号(グラスマン)およひ米国特許第3186910号(グラスマン)における、各コンパートメントが異なる薬物放出特性を有する、あるいは、例えば異なる原薬または処方を含有する、型のカプセルを含め、多コンパートメントカプセルも知られている。米国特許第4738817号は、水−可塑化ゼラチンでできている、米国特許第3228789号および米国特許第3186910号のカプセルと同様の構造を有する多コンパートメントカプセルを開示する。米国特許第4738817号(’817)(ウィッター(Witter)ら)、米国特許第4790881号(’881)(ウィッターら)およびEP0092908(ウィッター・エフら)はすべて、ゼラチンおよび他の賦形剤で調製された射出成形のカプセルを開示する。ウィッターらの’817および’881はまた、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、酢酸フタル酸セルロース(CAP)およびポリビニルピロリドンなどの他の親水性ポリマーを用いてカプセルを調製する。米国特許第4790881号およびEP0091908は、何の証明もなく、何も具体的に詳細を開示しているわけではないが、一般にアクリレートおよびメタクリレート(オイドラギット(オイドラギットs))を含め、使用するのに適する腸溶性を有する他のポリマーを提案する。
【0004】
その中に原薬を分散させ、埋め込みまたは固溶液として溶かした、中実ポリマーのマトリックスを含む、医薬剤形も知られている。かかるマトリックスは射出成形工程で成形することができる。かかる技法は、Cuff GおよびRaouf F、Pharmaceutical Technology, June(1998)96−106頁に記載されている。かかる剤形のある具体的な処方は、とりわけ、米国特許第4678516号;米国特許第4806337号;米国特許第4764378号;米国特許第5004601号;米国特許第5135752号;米国特許第5244668号;米国特許第5139790号;米国特許第5082655号;米国特許第5552159号;米国特許第5939099号;米国特許第5741519号;米国特許第4801460号;米国特許第6063821号;WO99/27909;CA2227272;CA2188185;CA2211671;CA2311308;CA2298659;CA2264287;CA2253695;CA2253700およびCA2257547に開示されている。
【0005】
米国特許第5705189号は、薬物コーティングおよびカプセルの製造における熱可塑剤として用いるための、メタクリル酸、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチルの一群のコポリマーと関連付けられる。射出成形法により生成された歪みまたは他の歪曲について一定の品質のカプセルの形成についての情報は何ら示されていない。その中で示されるエマルジョンの粘度/温度図について、剪断速度のデータも示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
医薬上許容されるポリマーブレンドを、熱融解または射出成形することによって、カプセルなどのマルチコンパートメントであってもよい、適当な剤形に押出されるところの、医薬剤形を調製することも望ましいであろう。投与剤形としてのこの医薬ポリマー組成物は、各セクションで成形されるべき適当なポリマーを単に選択するだけで生成することが可能な、速やかな溶解、迅速、遅延、パルスまたは修飾放出を包含しうる、通常の剤形を選択することができるように、活性剤を含有する各セグメントについて種々の生理化学的特性を付与することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、本願の特許請求の範囲および明細書に定義される、医薬処方、射出成形されたカプセル殻、リンカー、スペーサー、多成分系の射出成形されたカプセル殻、リンカーまたはスペーサー、多成分系医薬剤形および他の態様を提供する。
患者の特定の投与要件に適合した剤形の、とりわけ、より大きな自由度および製造のし易さを付与する別のかつ改良された医薬剤形を提供することが本発明の目的である。
本発明のもう一つ別の目的は、医薬上許容されるポリマーブレンドを含む多成分系剤形を射出成形により製造する方法を提供することである。これらの多成分系剤形は放出用の医薬上活性な薬剤または複数の薬剤を含有するのに適する。
本発明はまた、カプセルまたは多成分系剤形の射出成形に用いられるべき、医薬上許容されるポリマーおよび適当な賦形剤の新規な処方または組成物に関する。
【0008】
本発明のもう一つ別の具体例は、医薬上許容されるポリマー処方/組成物でできた壁により境界が付された、原薬を含有していてもよい、カプセルコンパートメントを含む固体剤形に関する。
本発明によれば、好ましくはオイドラギットE100を含む、組成物でできた少なくとも1つの殻、リンカーまたはスペーサーを有する、多成分系射出成形カプセル殻であって、さらに好ましくは、その成分が相互に溶接されている、射出成形カプセル殻が提供される。
さらに詳しくは、本発明の好ましい具体例は、複数のサブユニットを含み、各サブユニットが、患者の胃腸環境にて、その中に含まれる原薬を放出するために溶解または崩壊可能な原薬含有のカプセルコンパートメントであるか、またはポリマーを含み、原薬を含有する中実マトリックスであって、当該ポリマーが、患者の胃腸環境下で、その中に含まれる原薬の放出のために溶解、分散または崩壊可能である中実マトリックスである、多成分系医薬剤形である。少なくとも患者に投与する前にサブユニットを溶接し、一の組み立てられた剤形とする。
【0009】
中実マトリックスがサブユニットの一つとして使用される場合、それは約30から90%w/wの量で存在するオイラギット100および5から約70%w/wの量で存在する溶解性修飾賦形剤を含むのが好ましい。中実マトリックスはまた、約30%w/wまでの量で存在する滑沢剤、約5%w/wまでの量で存在する可塑剤および約10%w/wまでの量で存在する加工剤を含むのも好ましい。
別の好ましい具体例において、医薬剤形は、各々が原薬含有カプセルコンパートメントである、複数のサブユニットを含む。この場合、コンパートメントは、各々、好ましくは、医薬上許容されるポリマー物質から作られる壁によって少なくとも一つの隣接するコンパートメントから物理的に分離されている。好ましい具体例において、当該壁は約30から90%w/wの量で存在するオイラギット100および約5から70%w/wの量で存在する溶解性修飾賦形剤を含む。中実マトリックスの場合、当該壁は、好ましくは、約30%w/wまでの量で存在する滑沢剤を含み、所望により約5%w/wまでの量で存在する可塑剤および約10%w/wまでの量で存在する加工剤を含んでいてもよい。
【0010】
もう一つ別の具体例において、医薬剤形は、当該壁がオイドラギット4135Fなどの第2の許容されるポリマー物質を混合処方にて含む、複数のサブユニットからなる。
サブユニットの少なくとも一つが原薬含有カプセルコンパートメントである場合において、その壁の厚さは約0.3ないし0.8mmの範囲にあるのが好ましい。
本発明の多成分剤形は、異なる放出特性を有する異なる剤形の種々の組み合わせから構成され得るという点で高度な汎用性を付与する。例えばサブユニットの少なくとも一つは実質的に即時放出性サブユニット、徐放性サブユニットまたはパルス放出性サブユニットとすることができる。
【0011】
本発明の好ましい態様により得られるもう一つ別の利点は成分の互換性である。したがって、それぞれが複数のサブユニットを含む、一組の多成分剤形が提供され得る。各サブユニットは、カプセルコンパートメントに含まれる原薬を放出するために患者の胃腸環境において可溶性あるいは崩壊性である原薬含有カプセルコンパートメントであるか、あるいはポリマーを含み、原薬を含有し、そのポリマーが中実マトリックスに含まれる原薬を放出するために患者の胃腸環境において可溶性、分散性、あるいは崩壊性であるところの、中実マトリックスであってもよい。その組の剤形の少なくとも一つは少なくとも一つのかかる原薬含有カプセルコンパートメントを含み、その組の他の剤形の他の少なくとも一つは少なくとも一つのかかる中実マトリックスを含み、ある剤形の原薬含有カプセルコンパートメントを他の剤形の中実マトリックスと交換することができる。このように、当該製造方法において、選択された成分を種々の組み合わせにおいて溶接し、患者に投与するための組立て式剤形を得ることができる。
【0012】
本発明のもう一つ別の重要な利点はカプセルコンパートメントの成分が射出成形で調製されるという方法にある。特にアミノアルキルメタクリレートコポリマーと溶解性修飾剤、滑沢剤、放出剤および増強剤のような賦形剤とからなる射出成形された薄壁のカプセルコンパートメントの場合には、カプセルコンパートメントを形成する物質は均質であることが重要である。ポリマーおよび賦形剤の分解を避けるために、物質を十分な低温で加工することも重要である。本発明によると、コポリマーと賦形剤組成物を同時に、実質的に同じ位置で細長い熱溶解性押出機に導入することで高度の均質性が達成される。ポリマーと賦形剤組成物を熱溶解性押出機中で混合し、その中で均質な組成物を形成し、ポリマーおよび賦形剤組成物を導入した位置から離れた位置にあるダイを通してストランドの形態にて熱溶解性押出機から組成物を取り出す。そのストランドをペレットに切断し、ついでそのペレットを射出成形機に導入し、薄壁のカプセルコンパートメントを形成する。医薬剤形は成分としてカプセルコンパートメントを使用して組み立てられる。
【0013】
ポリマーおよび賦形剤組成物の分解を避けるために、熱溶解性押出機を、約125℃を越えない温度、好ましくは約110℃を越えない温度に維持すべきである。好ましい態様において、ポリマーおよび賦形剤組成物を導入する位置からダイまで、熱溶解性押出機の長さに沿って、最高温度が約125℃を越えないように、温度を徐々に増加させる。
薄壁のカプセルコンパートメントの射出成形工程は射出成形機のバレルを約110から130℃の範囲の温度で維持し、射出成形機のノズルを約130から150℃の範囲の温度で維持しながら行うのが好ましい。ノズルの温度は約140℃であるのが好ましい。
薄壁のカプセルコンパートメントは、カプセルの迅速な溶解が望まれる場合に特に有利である。しかし、従来のカプセル殻の壁厚は、適当な強度を得、カプセル殻が破損または変形することなく形成かつ処理されるように、一般に均一であり、約0.3mmから0.5mmの範囲にある。
【0014】
本発明のもう一つ別の態様によれば、好ましい成形型の医薬カプセル成分は、略円錐台の側壁、側壁の一端に位置し、その一端と連結するドーム型の端壁、側壁の対向端に配置される環状のリム部により限定され、側壁、ドーム、および環状リム部が一緒になって内部および外部を有する中空の貯蔵部を形成し、開口端がドーム型の端壁と反対方向にある。側壁は複数のパネルからなり、その各々の厚みが約0.2ないし0.3mmの範囲にあり、強化リブをパネルと一体成形し、各パネルを一対の強化リブの間に配置させる。
【0015】
強化リブは中空の貯蔵部の外部に形成され、中央に頂点を配置したドーム型端壁の少なくとも一部にまで及んでおり、頂点に達するに従って厚みが徐々に薄くなっているのが好ましい。好ましい具体例においては、環状リム部はパネルを越えて径方向外側に伸び、テーパーが付された円錐台の外面を構成する。強化リブはその環状リム部のテーパーが付された円錐台表面と合致して結合する末端を有する。リム部と合致するその末端でのリブの厚みは環状リム部がパネルを越えて外方向に伸びる距離と実質的に等しく、それによりリブがリム部と円滑にまとまる。
本発明の他の目的および利点は以下の記載から明らかであるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】オイラギットE100を75%、ポリオックスN−80WSRを20%、ステアリルアルコールを5%含む、射出成形成分を示す。
【図2】オイラギットE100を75%、ポリオックスN−80WSRを20%、ステアリルアルコールを5%含み、オイドラギット4135Fリンカーに溶接されている、ポリマー組成物の、使用する溶解媒体がpH1.2の疑似胃液であるところの、溶解特性を示す。
【図3】本発明の組み立てた剤形の縦断面図を示す。
【図4】本発明の、一部組み立てた、剤形の縦断面図を示す。
【図5】図5Aは、本発明の別の剤形の、縦分解断面図を示す。図5Bは、図5Aの剤形にて用いるためのもう一つ別のサブユニットの縦断面図を示す。
【図6】本発明の組み立てた剤形の縦断面図を示す。
【図7】本発明の組み立てたもう一つ別の剤形の縦断面図を示す。
【図8】図8Aは、本発明の、一部組み立てた、さらに別の剤形の縦断面図を示す。図8Bは、図8Aの線B−B上の断面図を示す。図8Cは、図8Aの剤形の部分拡大分解図を示す。
【図9】図8Aの剤形の組立て順序を示す。
【図10】本発明に係る射出成形パネル殻の正面図を示す。
【図11】射出成形するためのペレットを製造するための熱溶融押出機およびペレット化装置を示す模式図を示す。
【図12】オイドラギットE100を基礎とするポリマーと、実施例1の混合ポリマー処方とを比較するレオロジープロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、医薬上許容されるポリマーおよび賦形剤の新規な組成物に関し、該ポリマー組成物は、例えば、スタックあるいは多成分剤形のように一緒に利用することのできる1またはそれ以上の成分へと射出成形されたものであってよい。ポリマー混合物は経口投与用活性薬剤を含んでもよい単一成分に射出成形されうることが認識される。
最終剤形としての医薬上許容されるポリマー混合物は、徐放性および/またはパルス放出性特性のような迅速な溶解、即時、遅延あるいは修飾溶解を提供するように設計され得る。
医薬上許容されるポリマー混合物の多成分剤形中に医薬上許容される薬物/活性剤を含み得る最終剤形を提供することが本発明の一つの目的である。
【0018】
本発明の剤形の部材、例えばカプセルコンパートメント壁、中実サブユニットまたはクロージャーもしくはリンカーは、例えば経口摂取で安全と一般に認められており、上記のカプセルコンパートメント壁、中実サブユニットまたはクロージャーもしくはリンカーの必要とされる形状に形成されうる医薬上許容されるポリマー混合物(および接着性溶接部が形成される場合、接着性物質)を含んでもよい。ポリマー物質を所望の形状に形成するための好ましい方法は、熱または冷ランナー射出成形方法とすることができる、射出成形である。そのような方法に適した射出成形機は知られている。
【0019】
医薬剤形は、複数のカプセルコンパートメントを含んでもよく、その各々には境界が設けられており、医薬上許容されるポリマー物質でできている壁によって少なくとも一つの隣接するコンパートメントから物理的に分離されており、その隣接するコンパートメントは組み立てられた剤形において互いに結合しており、少なくとも患者に投与する前は結合によって一体性を保持しており、1またはそれ以上のコンパートメントが原薬を含んでいる。適当には、この第1の具体例の組立て式剤形において、少なくとも2つのカプセルコンパートメントがある。組立て剤形にて、3つまたはそれ以上のコンパートメントが直線状に配置されていてもよく、例えば、線分の対向端に2つの末端コンパートメントを含み、1またはそれ以上の中間コンパートメントを含む配置とすることができる。そのようなカプセルコンパートメントが2つあるのが適当である。適当には、そのような2つのカプセルコンパートメントの一方は、すなわち、例えばそのコンパートメントが腸に到達した時にカプセルコンパートメント壁が溶解、破裂、腐食、そうでなければある時間経過した後に破れてその内容物を放出するように、徐放性成分である物質で造ることができる。適当には、そのような2つのカプセルコンパートメントの他方は、すなわち、例えばそのコンパートメントが口や胃にある時にカプセルコンパートメント壁が溶解、破裂、そうでなければ即時にまたは有効な程度に即時に破れてその内容物を放出するように、即時放出成分である物質で造ることができる。
【0020】
カプセルコンパートメントの1またはそれ以上、例えばすべてが、例えば、実質的に円筒形であってもよいが、かかる語は円形、楕円形あるいは縦軸を横切った扁円横断面を有する形、および平行あるいは先細、例えば少なくともその範囲の一部にわたって円錐形に先細になる側壁を有する形を含む。組み立てられた剤形が全体的に実質的に円筒形となるように、そのような実質的に円筒形のカプセルコンパートメントは、縦方向に配置された一端または両端に結合部材を備えていてもよい。
本発明の多成分剤形の好ましい形態は二つのカプセルコンパートメントを含む。
本発明は個々のサブユニット、例えば組立て式剤形における使用に適する個々のカプセルコンパートメントあるいは中実サブユニットも提供する。
【0021】
組立て式剤形において、剤形の二つの隣接する部分、例えばサブユニットが接触する領域において溶接手段、例えば熱溶接、超音波あるいは誘導溶接、あるいは接着溶接(例えばUV硬化接着剤のような硬化接着剤)によって隣接するカプセルコンパートメントを互いに結合させてもよい。熱溶接は例えばサブユニットを隣接するサブユニットと接触させ、2つの隣接するサブユニットが接触する領域に例えばレーザービームあるいは熱風、例えば窒素の細かいジェット流を向けることにより生じる局所的加熱を行うことで達成することができる。熱、誘導および超音波溶接では、通常、接触している剤形の隣接部分の物質の互いの局所的融合が起こり、その後の物質の凝固において隣接部分の間で結合が形成される。接着溶接は、剤形が組み立てられるときに接触する剤形の部分に接着剤(例えばUV硬化接着剤のような硬化接着剤)を塗り、接着剤を固めることで達成される。
【0022】
本発明の多成分剤形は特に超音波溶接を使用する製造に適する。超音波溶接は物質の接合が要求される部位で熱可塑性物質を軟化あるいは融解させるために高周波の音エネルギーの使用を伴う既知の技術である。超音波溶接の一般的な記載は、例えば“Ultrasonic Welding of Thermoplastics”(TWI Ltd.,Abington,Cambridgeshire GB(1997))のような出版物中に見られる。接合させるべき部分を加圧状態に持続し、通常20から40KHzの周波数の超音波振動に供する。接合部での熱の発生の原因となる実際の機構は十分には理解されていない。超音波溶接機は電源装置、制御システム、溶接ヘッド、部材を溶接させるのに保持する固定具、そして要求される圧力を加えるシステムの5つの主要成分を含む。電源装置は、電気を、例えば主電源からの電気エネルギーを、機械的、つまり超音波エネルギーに変換する変換機、例えば圧電性変換機を駆動する高周波電気に変換する。変換機と溶接部分との間にはブースターおよびホーンシステムが位置し、これは、超音波を増幅し(ブースターホーン)、固定圧を伝え、音エネルギーを溶接される部分に運ぶ(ソノトロードあるいは溶接ホーン)のに供する、通常は金属製の部品である。超音波溶接を成功させるためには、溶接される部分の設計と溶接装置のセットアップを注意深く行うことが重要である。
【0023】
好ましくは、付加的にまたは別法として、サブユニットの第一結合可能部が剤形の隣接部分、例えば適当な配置、例えば上記の直線状配置において隣接するサブユニット、の第二の結合可能部と結合するように、隣接するサブユニットは、それぞれ相互結合可能な第一および第二結合可能部を備えていてもよい。この相互結合は溶接により得られる結合度に貢献している可能性があり、あるいは付加的または別法として、溶接が形成される以前におよび準備として剤形の隣接部分を互いに保持するのを補助してもよく、例えば保持摩擦、スナップ、スクリュー、あるいは他の種類の結合可能部の間の嵌合を介して隣接するサブユニットを互いに保持するのに貢献する。結合可能部は好ましい配置のサブユニットを互いに組み立てるのを促進するためのものでよく、例えば1または複数のサブユニットの結合可能部は他のサブユニットの適合しない結合可能部には結合せず、他の選択されたサブユニットの適合する結合可能部には結合するものであってもよい。あるいは、サブユニットが広範囲の組み合わせで互いに結合されるように、サブユニットの結合可能部が共通で、互換性があってもよい。このことはとりわけ、異なるカプセルコンパートメントあるいは中実サブユニットが中実サブユニットまたは中実サブユニットとカプセルコンパートメントの異なる組み合わせで互いに結合するように、他の点では異なるカプセルコンパートメントあるいは中実サブユニットが相互に結合可能部をもってもよいということを意味する。
【0024】
例えば、一つの具体例として、第一および第二結合可能部をそれぞれ連結部分とすればよい。例えば、第一あるいは第二の部分がソケット部であり、対応する第二あるいは第一結合可能部が、保持摩擦、スナップ、スクリューあるいは他の種類の連動嵌合でソケットに適合する、対応するプラグ部であってもよい。例えばこれらのプラグおよびソケット部が共通である場合、いずれの中実サブユニットあるいはカプセルコンパートメント上のいずれのプラグ部も別の中実サブユニットあるいはカプセルコンパートメント上のいずれのソケット部とも相互結合し得る。
【0025】
例えば、摩擦嵌合において、プラグおよびソケット部の自然弾力および接触摩擦に反してプラグ部をソケットに入れるために力が加えられる必要があり、それらを引き離すために同様の力が加えられる必要があるために、プラグ部がソケットより少し大きくてもよい。例えば、スナップ嵌合において、プラグおよびソケット部は、部材がその自然弾力に反して互いに押し付けられるように互いに連結する、隆起および溝のような凹部および対応する凸部をそれぞれ備えていてもよい。そのような隆起および溝は、例えば結合可能なプラグおよびソケット部の周囲に位置する、共働作用の周囲あるいは部分的に周囲にあるビーズおよび溝を含んでもよい。
上記の第一および第二結合可能部は種々の方法でサブユニットを互いに組み立てるのに役立つ。
【0026】
例えば、3つまたはそれ以上、例えば4つのサブユニットが直線状に配置した本発明の剤形では、中間サブユニットは、隣接する中間サブユニットの1または複数の結合可能部に結合する、1または複数の結合可能部、例えば各端において一つの結合可能部を備えていてもよい。末端サブユニットは、隣接する中間サブユニットの結合可能部および/または別の末端サブユニットの1またはそれ以上の結合可能部と結合する、1またはそれ以上の結合可能部を備えていてもよい。これにより、2つの末端サブユニットが2つのサブユニットを含む剤形で互いに結合してもよく、あるいは2つの末端サブユニットが1またはそれ以上の中間サブユニットと結合してもよい。サブユニットの共通の第一および第二結合可能部を使用することにより、種々の末端および中間サブユニットが組立て式剤形の種々の組み合わせで互いに結合するように作られ得る。
【0027】
カプセルコンパートメントである1またはそれ以上のサブユニットは例えば実質的に桶の形状、つまり基部壁で閉じられた基部、および基部壁から延びた(本明細書では「上に向かう方向」と称する)側壁および上部の開口部を有する形状であってよい。そのような構造であるため、隣接するカプセルコンパートメントの開口部を閉じるために、および第一コンパートメントの基部壁が物理的にコンパートメントを分離するように、カプセルコンパートメントは隣接する第二カプセルコンパートメントの開口部に適合する第一コンパートメントの基部と互いに結合することができる。そのような構造において第一コンパートメントの基部はプラグが結合可能な部分を含み、第二コンパートメントの開口部はソケットが結合可能な部分を含む。
【0028】
例えば、剤形はカプセルコンパートメントの隣接する対の間に位置する1またはそれ以上のリンカーユニットを含んでもよく、好ましくは剤形の少なくとも一つの溶接部がカプセルコンパートメントとそのようなリンカーユニットの間にあってよい。そのようなリンカーユニットは例えば隣接するカプセルコンパートメント上に上記の第一および/または第二の結合可能部に結合できる結合可能部を有していてもよい。適当には、剤形のカプセルコンパートメントの直線方向の組み立てを促進するために、リンカーユニットが直線方向で対向する面の方向に結合可能部をもってもよい。適当には、そのようなリンカーユニットはカプセルコンパートメントの開口部用のクロージャーを有していてもよく、例えば、カプセルコンパートメントをその開口部でプラグまたはキャップ手段で結合し、隣接するサブユニット、例えば別のカプセルコンパートメントへの結合を可能にする結合可能部を有する。カプセルコンパートメントが徐放性成分でできている場合、好ましくはコンパートメントおよびクロージャーの完全なカプセルコンパートメントエンベロープが徐放性エンベロープとなるように、そのようなリンカー/クロージャーも徐放性成分から作られる。
【0029】
特定の形態では、リンカーがカプセルコンパートメントの開口部と結合する一つあるいは二つの結合可能部をもってもよい。例えばそのようなリンカーが、対向するプラグ部であり、カプセル−リンカー−カプセルの組み立てを形成するために二つの対向するカプセルコンパートメントの開口部にプラグおよびソケット手段にて結合できる二つの結合可能部をもってもよい。適当には、溶接部、例えば超音波溶接部がカプセルコンパートメントの両方とそれらの間にあるリンカーの間にそのような剤形において形成されてもよい。
例えば、リンカーはカプセルコンパートメントの開口部用のクロージャーを含んでもよく、クロージャーの第一あるいは第二部分が隣接するカプセルコンパートメントの第二あるいは第一部分と適切な配置でそれぞれ結合するように、このリンカーが1またはそれ以上の第一および/または第二の結合可能部を有していてもよい。
【0030】
例えば、ある形態ではそのようなリンカー/クロージャーが対向するカプセルコンパートメントの開口部と結合できる二つの対向するプラグ状結合可能部を備えていてもよい。その結果そのようなクロージャーはカプセルコンパートメント−リンカー−カプセルコンパートメントの直線状配置で、開口部が対向する二つのカプセルコンパートメントの間のリンカーとして作用してもよい。例えば、この配置が末端コンパートメント−リンカー―末端コンパートメントの配置であってもよい。
そのようなリンカーが本発明の剤形として使用される別の方法は明らかであろう。例えば、中間カプセルコンパートメントは二つの対向する開口端を有する略円筒形の形態であってもよく、二つのリンカーがそれぞれ別のサブユニットへの結合に利用できる他の結合可能部を残したまま、それぞれ円筒の開口端を有する各結合部分の一つを介して結合してもよい。
【0031】
好ましくは、リンカーの結合可能部の少なくとも一つあるいは両方は、カプセルコンパートメントの開口端にプラグ−および−ソケット様式で嵌合するプラグ部である。したがって、そのようなプラグ部は典型的には円筒形であり、開口端に隣接するカプセルコンパートメントの開口端の内側の形状に密接に対応する。
好ましくは、リンカーは、対向するプラグ結合部、リンカーの縦方向に略垂直に延びるプラグ部の対向する端面を備えた固体の壁部材の形態である。好ましくは、各プラグ部がカプセルコンパートメントの開口端にピッタリと摩擦嵌合する。好ましくはプラグ部がカプセルの開口部に適当な範囲で延長する場合、カプセルコンパートメントの開口端のリムに接合することにより各プラグ部がカプセルコンパートメントの開口端に延びることができる範囲を決定し限定するために、各プラグ部が接合面を備える。
【0032】
好ましい構造において、リンカーが略円筒形の固体を含み、その対向する末端がプラグ部で、二つの対向する接合面が円筒形の本体の周囲に形成されるレッジの面であり、長手方向に垂直な平面に略平行である。そのようなレッジは典型的には輪の形状をしており、カプセルの縦方向に垂直な平面を有する。そのようなリンカーを有する組立て式剤形は、対向する関係にある開口端、リンカーの対向する各プラグ部がプラグおよびソケット様式でカプセルコンパートメントの開口端に嵌合するそれらの間のリンカー、プラグ部および/またはリンカーの接合面の間で形成される超音波溶接部、および開口端の近く、例えば開口端のリムにあるコンパートメント壁を有する、それぞれ一つの開口端と一つの密閉端とをもつ円筒形(例えば上記の桶やバケツの形状)の二つのカプセルコンパートメントからなっていてもよい。
【0033】
多コンパートメントカプセルのアセンブリーの好ましい構造は、徐放性成分でできたカプセルコンパートメント、即時放出性成分でできたカプセルコンパートメントおよびその間にある徐放性成分でできたリンカーを含む。そのような構造において、即時放出性コンパートメントは、例えば腸でその成分を放出する徐放性エンベロープとしてのコンパートメントおよびクロージャーのエンベロープを残したまま、破れ、その成分を放出してもよい。
【0034】
射出成形方法では、流状ポリマーが成形ブロックの正確に作られたダイキャビティに加圧下で注入される。射出成形方法は、気密摩擦嵌合またはスナップ嵌合の連結による結合を得、溶接を促進するために隣接する部分間での適当な接触を維持するために必要な精度を有するサブユニットを作ることができる。射出成形の適当な技術は小型プラスチック部品、例えばLEGO(登録商標)のおもちゃの小型部材の製造分野にて知られている。Cuff.GおよびRaouf.F(前掲)に記載されているような方法を射出成形によりそのような中実サブユニットおよびカプセルコンパートメントを製造するのに使用してもよい。
したがって、本発明は、剤形の中実サブユニットおよびカプセルコンパートメントを含むサブユニットが医薬上許容できるポリマー混合物のそれぞれの成形キャビティで作られる成形方法、例えば射出成形あるいは粉末圧縮方法も提供する。
【0035】
上記の多成分剤形の詳細を図3から10を参照して説明する。
図3は、線分の対向端に二つの末端コンパートメント12および14、および一つの中間中実サブユニット13からなる順序で、組立て式剤形において直線方向に配置された三つのサブユニット12、13、14を含む剤形11を示す。コンパートメント12および14および中実サブユニット13は実質的に円筒形である。コンパートメント12および14は実質的に桶の形状である;すなわち、それぞれが基部壁12A、14Aにより閉じた基部を有し、それぞれが基部壁12A、14Aから上方に延びる側壁12B、14Bおよび上部の開口部を有する。コンパートメント12および14のそれぞれは射出成形によりポリビニルアルコールポリマーから作られる。
【0036】
中実サブユニット13も実質的に円筒形であり、コンパートメント12あるいは14のいずれかの開口部とかみ合い、それによりその開口部の閉鎖能を有するプラグの形状に形成される基部端13Aを有する。図3に示されるように、中実サブユニット13の基部端13Aはコンパートメント14の開口部と嵌合し、かみ合っている。中実サブユニット13の上端はカプセルコンパートメント12あるいは14の基部12Aあるいは14Aの形状とかみ合うことのできるソケットコネクターとして形成される上端13Bを有する。図3に示されるように中実サブユニット13の上端13Bのソケットはコンパートメント12の基部にかみ合う。
【0037】
コンパートメント12、14および中実サブユニット13は、コンパートメント12の基部12Aを、隣接する中実サブユニット13の上部ソケット13Bに嵌合させ、開口部を閉じるために中実サブユニット13の、基部13Aを隣接するコンパートメント14の開口部に嵌合させることで互いに結合する。サブユニット12、13、14のこのアセンブリでは、上部のサブユニット12、13の基部はプラグ部を含み、下部サブユニットそれぞれ13、14の開口部あるいは上部ソケットはソケットを含む。
コンパートメント14は末端コンパートメントであり、中実サブユニット13の基部末端13Aにより閉じられる開口部をもつ。他の上端コンパートメント12はクロージャー15により閉じられ、これはコンパートメント12の開口部に嵌合するような大きさのプラグ部16をもつ。
【0038】
プラグ部16および基部12Aおよび13Aはそれぞれコンパートメント12の開口部、中実サブユニット13のソケット、およびコンパートメント14の開口部に嵌合する。熱溶接部はプラグ部16、基部12A、13Aおよびコンパートメント12、14のそれぞれの開口部および上部ソケット、および中実サブユニット13の間の、これらの部分が接触する領域で形成される。基部12A、13Aおよびプラグ部16およびコンパートメント12、13および14の対応するそれぞれの開口部および上部ソケットのそれぞれは、基部12A、13A、コンパートメント12および14の開口部、上部ソケット13Bおよびプラグ部16およびコンパートメント12の開口部が、基部および開口部のポリマー物質の自然弾性に打ち勝って、スナップ嵌合連結のかみ合わせにより互いに結合するように、凸円周ビーズおよびビーズが嵌合するような対応する円周の溝のような特徴(図示せず)を付加的にあるいは別法として備えていてもよい。
【0039】
熱溶接部はプラグ部16、基部12Aおよび13A、コンパートメント12、14の開口部および上部ソケットおよび中実サブユニット13の間で、これらの部分が接触している領域にレーザービームをあてることで形成されてもよい。
コンパートメント12、13、14の基部12A、13A、14A、コンパートメント12および14の開口部、上部ソケット13Bおよびプラグ部16は、コンパートメント12および14および中実サブユニットが他の直線方向の組み合わせでも互いに嵌合され、プラグ15が他のコンパートメント14の開口部を閉じるためにも使用されるように、すべて共通の大きさであるのが好ましい。
同様に、二つあるいは三つ以上のサブユニット12、13あるいは14が、図1に示されたのに類似した方法で互いに結合されてもよい。
【0040】
図4は別の剤形のアセンブリ21を示す。このアセンブリ21も末端コンパートメント22、中間コンパートメント23および中実末端サブユニット24からなる直線状アセンブリにて3つのサブユニット22、23、24を含む。中間コンパートメント23は部分コンパートメント殻23A、23Bからなり、その部分殻23A、23Bは、各々、密閉端23Cおよび23D、ならびに各密閉端23C、23Dの反対側に開口部を有する側壁23E、23Fからなる。2つの部分殻23Aおよび23Bの開口部は、各々、結合可能プラグおよびソケット部25および26を備える。各プラグおよびソケット部25および26をかみ合わせることにより、これらの部分殻23A、23Bは結合してカプセルコンパートメント23を形成する。密閉端23C、23Dは外部結合可能部27、28を備える。
【0041】
末端コンパートメント22は桶の形状のコンパートメントの形態であり、開口部29を有し、それは中間コンパートメント23上に結合可能部27と形状にて一致するソケット部を含み、アセンブリ21と結合して一緒になる。
中実末端サブユニット24は実質的に円筒体として形成され、中間カプセルコンパートメント23上の結合可能部27または28のいずれかとかみ合うことのできるソケットの形態の結合可能部210を有する。図3に示されるように、中実サブユニット24上の結合可能部210はカプセルコンパートメント23上の部材28と結合する。
【0042】
図3の剤形では、熱溶接部は部材25、26、27、29、28および210の間で、これらの部材が接触している領域で形成される。これらの部材25、26、27、29、28および210は、各々、付加的または別法として、これらの連動部がスナップ嵌合のかみ合わせによって互いに結合するように、それぞれ、周辺凸部ビーズおよび当該ビーズが嵌合しうる周辺溝のような特徴(図示せず)を備えていてもよい。
図5Aは別の剤形のアセンブリ31を示している。このアセンブリ31は中実末端サブユニット32、中実中間サブユニット33、桶の形状の中間カプセルコンパートメント34および中実末端サブユニット35からなる直線状アセンブリにて4つのサブユニット32、33、34、35を含む。中間カプセルコンパートメントサブユニット34は開口部36を有し、この開口部36にすぐ隣接するリムがプラグ結合可能部として形成される。中実末端サブユニット35は実質的に半球状で、桶の形状の中間カプセルコンパートメント34のクロージャーキャップとして形成され、部材37が差し込まれて嵌合するソケット結合可能部38をその下端に形成する。コンパートメント34の密閉下端はソケット結合可能部39を外側に備える。
【0043】
中実中間サブユニット33はコンパートメント34の部材39とかみ合うことのできるプラグ結合部310として形成される上端およびソケット結合部分311として形成される下端を有する。
中実末端サブユニット32は平らな底および切形の半球状の外面を有し、中間コンパートメント33上の結合可能部311と形状にて一致するプラグ結合可能部312を有する。これらの部材37、38、39、310、311、312は、各々、付加的にまたは別法として、これらの連動部がスナップ嵌合のかみ合わせによって互いに結合するように、それぞれ、周辺凸部ビーズおよび当該ビーズが嵌合しうる周辺溝のような特徴(図示せず)を備えていてもよい。
【0044】
図5Bには、中実中間サブユニット33の代わりとなる構造が符号313で示されており、サブユニット33と共通の部材が対応して番号付けられている。サブユニット313は円筒形の内腔314を有し、そのためサブユニット313は略中空の円筒形となる。内腔314は、別法として、縦方向にテーパーが付されていてもよく、例えば略円筒形であってもよい。
種々の結合可能部37、38、39、310、311および312の結合により、アセンブリ31は図示されている軸に沿って互いに結合する。
【0045】
図9は線分の対向端に2つの末端コンパートメント42、44および一つの中間コンパートメント43を含む配置で、組立て式剤形で直線方向に配置された3つのカプセルコンパートメント42、43、44を含む剤形41を示す。コンパートメント42、43、44のすべては実質的に円筒形であり、縦軸を横切った楕円形の横断面をもつ。コンパートメント42、43、44は実質的に桶の形状であり、つまりそれぞれが基部壁42A、43A、44Aによって閉じられた基部、基部壁42A、43A、44Aから上方に延びる側壁42B、43B、44B、および上部の開口部をもつ。コンパートメント42、43および44は、各々、射出成形によりオイラギット100のようなポリマーから作られる。
【0046】
開口部を閉じるために、および第一コンパートメント42、43の基部壁42A、43Aが第一および第二コンパートメント42、43および44を物理的に分離するために、コンパートメントは、それぞれ隣接する第二コンパートメント43、44の開口部に嵌合する第一のコンパートメント42、43の基部42A、43Aにより互いに結合する。コンパートメント42、43、44のこのアセンブリにおいて、上部コンパートメント42、43の基部がプラグ部を含み、それぞれ下部コンパートメント43、44の開口部がソケットを含む。
コンパートメント44は末端コンパートメントであり、コンパートメント43の基部壁43Aにより閉じられる開口部を有する。もう一方の末端コンパートメント42はコンパートメント42の開口部に嵌合する大きさのプラグ部46を有するクロージャー45により閉じられる。
【0047】
基部42Aおよび43Aおよびプラグ部46はそれぞれコンパートメント43、44および42の開口部に嵌合する。溶接部は基部42Aおよび43A、プラグ部46、およびそれぞれコンパートメント43、44、42の開口部の間で、例えばこれらの部分が接触している領域に局所加熱あるいは超音波ホーン(図示せず)を加えることにより形成される。基部42A、43Aおよびプラグ部46およびコンパートメント43、44、42の対応する開口部は、各々、付加的または別法として、基部42A、43Aおよびコンパートメント43および44の開口部およびプラグ部46およびコンパートメント42の開口部が基部および開口部のポリマー物質の自然弾力に打ち勝つスナップ嵌合連動かみ合わせにより互いに結合しうるように、周辺凸部ビーズおよび当該ビーズが嵌合する対応する周辺溝のような特徴(図示せず)を備えていてもよい。
【0048】
コンパートメントの基部42A、43A、44Aおよびコンパートメント42、43、44の開口部、およびプラグ部46は、コンパートメント42、43および44が他の直線方向の組み合わせで互いに嵌合するように、およびプラグ45が他のコンパートメント42、43あるいは44のいずれの開口部も閉じるのに用いることができるように、すべて共通の大きさである。
同様に、2つまたはそれ以上の3のコンパートメント42、43あるいは44は、図4に示されたのと同様の方法で互いに結合してもよい。
【0049】
図7は別の剤形のアセンブリ51を示す。このアセンブリ51も2つの末端コンパートメント52、54および中間コンパートメント53の直線状のアセンブリにて3つのコンパートメント52、53、54を含む。中間コンパートメント53は2つの殻部分53Aおよび53Bからなり、この殻部分53Aは密閉端53Cおよび側壁53Eを含み、殻部分53Bは密閉端53Dおよび側壁53Fを含む。それぞれの殻部分は密閉端と反対側に開口部を有する。二つの殻部分53Aおよび53Bの開口部はそれぞれプラグ結合可能部55およびソケット結合可能部56を備える。これらの殻部分のそれぞれプラグおよびソケット部55および56は結合してカプセルコンパートメント53を形成する。密閉端53C、53Dの両方は外部にプラグ結合可能部57、58を備える。
【0050】
末端コンパートメント52、54は、各々、桶の形状のコンパートメントの形態であり、開口部、例えば、コンパートメント52の開口部59を有し、それは中間コンパートメント53上にプラグ結合可能部57、58と形状にて一致するソケット部を含み、アセンブリ51と結合して一緒になる。
図6の剤形では、溶接部が部材55、56、57、58およびコンパートメント52、54のそれぞれの開口部の間で、これらの部材が接触している領域に局所加熱あるいは超音波ホーン(図示せず)を加えることで形成される。これらの各部材55、56、57、58およびコンパートメント52、54のそれぞれの開口部は、付加的または別法として、これらの連動部がスナップ嵌合のかみ合わせによって互いに結合するように、それぞれ周辺凸部ビーズおよび当該ビーズが嵌合する周辺溝のような特徴(図示せず)を備えていてもよい。
【0051】
図6および7のコンパートメント42、43、44、52、54は、各々、同じかあるいは異なるポリマーから作られてもよく、同じかあるいは異なる薬剤放出特性を有していてもよい。末端コンパートメントの溶解あるいは破裂が中間コンパートメントの妨害なしに、および中間コンパートメントの溶解あるいは破裂の前に起こりうる場合、図3および4の各々の中間コンパートメントが放出修飾コンパートメントにより適している。
図6および7のコンパートメント42、43、44、53、54および55は同じあるいは異なる原薬および/または処方を含んでもよい。原薬あるいは処方は、例えば粉末、顆粒、あるいは他の固体形態であってよい。別法として、当該コンパートメントは液体、ゲルあるいは同様の処方(図示せず)を含んでもよい。
【0052】
図8A、8Bおよび8Cは別の剤形のアセンブリ61を示す。図8Aの縦断面および図8Bの横断面に示されるように、この剤形は直線方向に配列された末端カプセルコンパートメント62、リンカー63および別の末端カプセルコンパートメント64からなるアセンブリである。それぞれの末端コンパートメント62、64には一つの開口端および一つの密閉端があり、一般的に円筒形で、図8Aに示されているコンパートメントは、わずかにテーパーが付された円錐形で、その横断面は開口端で最大である。密閉端は丸い外面の端部壁の形態で、開口端の「バケツ」あるいは「桶」の形状を形成するコンパートメントを与える。各コンパートメントの端の丸い中央部分(コンパートメント62のケースで65と表される)は、溶接作業中に超音波エネルギーを加えるのを促進するために末端表面領域の少なくとも5%以上を平坦にする。各カプセルコンパートメント62、64の壁は、コンパートメントの側壁で約0.4±0.05mm厚である。
【0053】
リンカー63は、リンカーの縦方向を略垂直に延びる、対向する面66、67を中実壁の形態で提供される。これらの対向する面は、リンカーの縦方向の各末端で形成される対向するプラグ結合可能部68、69の末端面である。リンカー63はその長さ方向に平らになっており、直径:長さの比が約3:1である略円筒形体である。具体的な態様において、リンカー63の直径は約7.5mmで、その長さは約3.0mmである。末端面66、67は溶接作業中にそこに超音波エネルギーを加えるのを促進する程度に、少なくとも50%以上実質的に平坦である。当該面67は中央の凹部610を取り囲む平らな輪状の面である。面66は中央の穴に射出成形ランナー残留物611がある点を除けば同様である。平らな面66、67は少なくとも2mmの大きさ以上に連続して伸びる、つまり少なくとも4mmの面領域がある。各プラグ部68、69はカプセルコンパートメント62、64の開口端に摩擦嵌合でぴったりと嵌合する。各プラグ部68、69は円筒体63の周囲に形成されるレッジによって構成される接合面612を備える。接合面612は輪の形状で、その面がカプセルの縦方向に垂直である。接合面612は、各プラグ部68、69がカプセルコンパートメント62、64の開口端のリムに接合することでカプセルコンパートメント62、64の開口端に延びることができる範囲を決定し、限定する。図示されている具体的な態様において、接合面612は縦方向を横切って測ると約0.3mmである。
【0054】
超音波溶接部は各プラグ部68、69および/またはリンカー63の接合面612および開口端の近く、例えば開口端のリムのコンパートメント壁62、64の間に形成される。下部コンパートメント64はこのようにして接合した状態で示されており、上部コンパートメント62は分離した状態で示されている。
カプセルコンパートメント62、64およびリンカー63の隣接する接触部分の間に超音波溶接部を形成するために、図8Cの拡大図で示されるように、これらの部材をプロファイルし、寸法を定め、超音波接合を容易にする。結合可能プラグ68およびソケット613は一つのほぞ614の長さ(D1約0.2から0.3mm)が他のほぞ部615の長さ(D2約0.5から0.6mm)より短い連動ほぞ部614、615を含み、超音波溶接作業下で領域616のカプセルコンパートメント62の物質が、カプセルコンパートメント62とリンカー63の間で超音波溶接部を形成するためにほぞ部分が縦にかみ合うまで崩壊できる。リンカー63およびコンパートメント64の間の溶接部は同様の方法で形成される。
【0055】
プラグ部のD2の長さは約0.55mmで、端面66および67との間のリンカー63の端から端までの長さの約20%である。
図9は図8Aの剤形の一般的な組み立て手順を示す。手順は以下の工程を含む。
(1)第一カプセルコンパートメント64を、その開口部を上方に向けながら適当な支持手段に置き、それで支持し、カプセルコンパートメント64に適量の原薬を満たす。
(2)リンカー63の第一プラグ部69(図8A参照)を第一カプセルコンパートメント64の開口端に挿入する。この方法で、リンカー63はカプセルコンパートメント64の開口部のクロージャーを形成する。
(3)下向きの超音波ホーン(図示せず)をリンカーの面66、すなわち第一プラグ部69と反対方向にあるリンカーの末端面に加えて、リンカー63および第一のカプセルコンパートメント64の間に超音波溶接部を形成させる。
(4)第一カプセルコンパートメント64およびリンカー63の形成されたアセンブリを、プラグ部68(図8A参照)が下を向くように逆にする。
(5)第二カプセルコンパートメント62を、工程1と類似の方法で、その開口部を上方に向けながら適当な支持手段(図示せず)に置き、支持して、第二コンパートメント62を適量の原薬で満たす。
(6)リンカー63のプラグ部68を第二カプセルコンパートメント62の開口端に挿入する。
(7)超音波ホーン(図示せず)を底面から第二コンパートメント62の外面に加える。超音波溶接部をリンカー63および第二カプセルコンパートメント62の間で形成する。
工程(8)として示される別の溶接方法では、超音波ホーン(図示せず)を、カプセルコンパートメント64およびリンカー63の間の接触領域の側面に、矢印で示されるように横から加える。
【0056】
別法として、(図示せず)熱、レーザー、あるいは粘着溶接部がカプセルコンパートメント62および64、およびリンカー63の間で形成される。
図1および10のコンパートメントおよびサブユニットはそれぞれ同じあるいは異なるポリマーから作られてもよく、同じあるいは異なる薬剤放出特性を有していてもよい。末端コンパートメントの溶解あるいは破裂が中間コンパートメントの妨害なしに、中間コンパートメントの溶解あるいは破裂の前に起こりうる場合、中間カプセルコンパートメントは修飾放出コンパートメントにより適している。
【0057】
マトリックスポリマーの溶解はカプセルコンパートメントの薄壁の破裂よりもさらにゆっくり起こるであろうから、中実サブユニットは徐放性サブユニットとしてより適している。ユニット313の中空穴(図5B)は中実ユニット313に一次溶解反応速度につながる溶解速度を与える。
サブユニット12、13、14、22、23、24、32、33、34、35は、各々、同じあるいは異なる原薬および/または処方を含んでもよい。これは例えば粉末、顆粒、あるいは他の固体形態であってよい。別法として、カプセルコンパートメント12、14、22、34は液体、ゲルなどの処方(図示せず)を含有してもよい。末端サブユニット35は原薬を含んでもよく、あるいは単に原薬のない中実ポリマーキャップを含んでいてもよい。
【0058】
図10に示されるように、すぐに溶解できるという薄壁の利点を有するが、過度に薄い壁であるという欠陥を避けた好ましいカプセル殻は、強化リブにより分けられる複数の薄いパネルからなる。図10に見られるように、カプセルは3つの主要な部材、形状が略円錐台である側壁106、略半球状のドーム108および環状リム110からなる(本明細書で用いる際の「円錐台」なる語は、他に限定されない限り、円筒形、すなわちテーパーを付していない錐台を含む)。
側壁106は、側壁106の外部に一体的に形成され、隣接するパネルの間に挿入された、強化リブ114をもつ複数の薄壁パネル112からなる。リブはドーム108よりも部分的に膨らんでいてもよく、ドームの先端でなめらかに合わさるように、好ましくは116で厚みが徐々に先細になる。リブは図示されるように種々の幅とすることができる。
【0059】
環状リム110の外面の少なくとも部材118はテーパーを付した円錐台118の形態であるのが好ましく、リム110の最も外側の拡張部分である任意の部材120は円筒形であってよい。テーパーを付した部材118に結合するリブが環状リムでなめらかに合わさるように、部材110は好ましくは下端でのリブの厚さに等しい幅だけ壁106の下部から外方向に広がっている。
図10に示されているような構造のカプセル殻は、図3ないし9に描かれているような多数剤形の成分と同様に単一投与カプセルの成分として使用されうる。溶解を迅速にするために、壁パネルを極端に薄く、例えば約0.2から0.3mmの厚みとするが、強化リブにより歪みや破損に耐えられるという利点がある。図10に描かれた好ましい態様において、カプセル殻の外形は鋭いエッジがなく、取扱いまたは嚥下を困難としうる他の外部材を有さない。
【0060】
本明細書の目的のために、単一あるいは多成分剤形への射出成形および医薬用途での使用に適するポリマーの代表的な例は、ポリ(エチレン)オキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGおよびPEOの混合物、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸フタル酸セルロース、非晶質セルロースのようなセルロース誘導体、澱粉およびヒドロキシエチル澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウム、のようなその誘導体、(多糖類様プルラン、カラギナン、キサンタン、キトサンあるいは寒天ガムなどの)天然ポリマー、ポリアクリレート、およびポリ(メト)アクリレートおよびRoehm Pharmaから入手可能なオイラギット(オイドラギット)ファミリーのポリマーのようなその誘導体、ポリ(α−ヒドロキシ酸)およびポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(αアミノ酸)のようなそのコポリマー、(Gelucire(登録商標)44/14、Gelucire(登録商標)50/02、Gelucire(登録商標)50/03およびGelucire(登録商標)53/10などの)ポリグリコシル化グリセリド、(カルボポールのような)カルボキシビニルポリマーおよび(Poloxamer188TMのような)ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、およびそれらの組み合わせあるいは混合物を含むが、それに限定されない。
【0061】
本明細書で使用されるのに適しているの可能性があるのは、ポリマー類、ポリ(オルトエステル)、ポリホスファゼン、ポリ(ホスホエステル)、およびポリ無水物であり、これらの組み合わせあるいは混合物もまた本明細書での使用に適している可能性がある。
加えて、ヒアルロン酸、アルギン酸塩、カラギーナン、コラーゲン、ゼラチンおよび卵白も、単独であるいは別のポリマー混合物との組み合わせで、本明細書の射出成形に適するかもしれない。これまでに世界の規制当局により認可されていなくても、ポリマーの最終的な選択は一般に安全と認められた(GRAS)範疇で認可されるということが認識される。最終的に、ポリマーが成分あるいはサブユニットの内容物を放出するために溶解しない場合、成分は胃腸管の内容物をサブユニット中に入れ、そこで活性薬剤を溶解させる、穴形成試薬を含んでもよい。そのような能力において、サブユニットあるいは剤形はカプセルあるいは調節放出修飾試薬としてではなく、むしろ運搬装置として作用するだろう。ポリマーの選択は、所望の結果および認可が求められている規制当局によるだろうということが認識される。
【0062】
より好ましくは、(オイラギットE(登録商標)、オイラギットE100(登録商標)、オイラギット(登録商標)L、および/またはオイラギット(登録商標)Sのような)メタクリル酸コポリマー、オイラギット4135Fのようなポリ(メト)アクリレートコポリマー、(オイラギット(登録商標)RLおよび/またはオイラギット(登録商標)RSのような)メタクリル酸アンモニウムコポリマーが射出成形に適している。オイラギット(登録商標)100などのポリ(メト)アクリレートコポリマーの群は本発明の好ましい態様である。
オイラギットE100は、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸、メタクリン酸ブチル、メタクリル酸メチルを基礎とするコポリマーである、ブチルメトアシラット−(2−ジメチルアミノエチル)−メトアクリラット−メチルメトアシラット−コポリマー(1:2:1)(butylmethacylat-(2-dimethylaminoethyl)-methacrylat-methylmethacylat-copolymer)とも称される。これは約150000の平均分子量を有する。乾燥品中20.8%以上25.5%以下のジメチルアミノエチル基を含む。オイドラギットはRoehm GmbH, Germanyで製造されている。
【0063】
腸分泌液中で溶解性があり、カプセルに形成されうるアクリルおよび/またはメタクリル酸を基礎とするポリマーは、例えば米国第5705189号(Roehm GmbH)に開示されており、その内容を出典明示により本明細書の一部とする。これらのポリ(メト)アクリレートコポリマーは押し出し成形され、射出成形されて、アクリルおよび/またはメタクリル酸の比がコポリマーの略20%w/wあるいはそれ以上である、カプセルの半分となる(実施例1から8)。これらの実施例では、モノステアリン酸グリセロールに成形放出剤としてポリマーの3から5%w/wの基剤を添加された。
【0064】
エマルジョンE2(カラム6、第10行)がメタクリル酸、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチル(好ましくは10:25:65の比)のコポリマーである、米国特許第5705189に開示されている特定のポリマーが本発明での使用に好ましいポリマーであることが見出された。成分のこの比もオイラギット(登録商標)4135Fとして知られており、オイラギットFS30Dから得られる固体生産物であり、上記の通りRoehm Pharma、ドイツから入手できる。しかし、混合されていないポリマーだけでは射出成形に適さず、単一カプセルあるいは多成分系剤形のいずれかにアセンブリするための、適当な射出成形された、歪み、ねじれのないカプセル/サブユニット成分を生産するためには本明細書の教示に従って混合されなければならないことが判明した。
【0065】
ポリマーE4135Fの場合、射出成形器から容易に取り出せる、歪みなく成型された品質の部品を得るために、少なくとも一つの滑沢剤および一つの溶解性修飾剤が必要とされる。米国特許第5705189号に例示されるポリマーはすべて、本発明で使用されている混合組成物に比較して粘度が高い。
したがって、本発明の一の態様は、このポリマーを、カプセルおよび多コンパートメントユニットへの射出成形に適するものとする賦形剤の新しい混合物である。
【0066】
好ましいポリマーは、消化管の様々な地点で優先的に溶解あるいは崩壊する物質である。上記のように、そのようなポリマーとして、腸分泌液で溶解する既知のアクリルおよび/またはメタクリル酸を基礎とするポリマー、例えば市販されているポリマーのオイラギットTMシリーズが挙げられる。これらの例として、胃のより酸性のpHで優先的に溶解する、オイラギットE100TMのようなオイラギットETM、あるいは腸のよりアルカリ性のpHで優先的に溶解する、オイラギットLTMおよび/またはオイラギットSTMのような腸溶性ポリマーが挙げられる。
【0067】
他の好ましいポリマーとして、オイラギットRLTM、例えばオイラギットRL100TM、および/またはオイラギットRSTM、例えばオイラギットR100TM、および/またはそのようなオイラギットTMポリマーの混合物のような、不溶性であるが調節した割合、例えば消化管で所定の割合で水和するポリマーも挙げられる。一のかかる混合物は、オイドラギットRLおよびRSと、必要な潤滑剤および賦形剤の組み合わせであろう。
ポリマーオイラギット4135FTMはpH7以上でのみ、例えば結腸で溶解し、そのため徐放性成分としての処方に適する。逆に、記載されているようにポリマーオイラギットE100TMは酸性で溶解するので、即時放出成分としての使用に適する。
これらの医薬上許容されるポリマーの大部分は、米国の医薬協会および英国の医薬団体により共同で出版された医薬賦形剤の手引き「the Handbook of Pharmaceutical excipients」に詳しく記載されている。
【0068】
好ましくは、ポリマーキャリアーは3つの範疇:(1)活性剤の迅速な溶解および即時放出に有用な水可溶性ポリマー、(2)活性剤の放出制御に有用な水不溶性ポリマー、(3)活性剤のパルスあるいは標的放出のためのpH感受性ポリマー、に分類される。両方のキャリアーの組み合わせが本明細書で使用されてよいということが認識される。ポリ(メト)アクリレートのいくつかは溶解度がpH依存性であり、両方の範疇に分類されてよいということも認識される。
【0069】
水可溶性ポリマーは、一般に、ポリ(エチレンオキシド)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸、アルギン酸、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースフタレート、酢酸セルロース、プロピオン酸酢酸セルロース、フタル酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、澱粉およびヒドロキシエチル澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウムなどのその誘導体、デキストリン、キトサンおよびその誘導体、卵白、ゼイン、ゼラチンおよびコラーゲンを含むがそれらに限定されない。
【0070】
ベースポリマー材料として、あるいは溶解性修飾剤として本明細書で用いられる水可溶性ポリマーは、商品名:POLYOX(登録商標)などの、ポリエチレンオキシドである。当該ポリマーは、100K、200K、300K、400K、900Kおよび2000Kなどの、1のポリマーの分子量を組み合わせて用い、分子量を変えて用いることができる。POLYOXは水可溶性樹脂であり、NFに列挙されており、100Kないし900Kおよび1000Kないし7000Kの分子量を有する。好ましいポリエチレンオキシドはPOLYOX WSR−80またはPOLYOX WSR−205である。
【0071】
水不溶性ポリマーは一般に、ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、エチルセルロース、非晶質セルロース、ポリアクリレート、およびRohm PHarma(ドイツ)から入手できるオイラギットファミリーのポリマーのようなその誘導体、ポリ(αヒドロキシ酸)およびポリ(εカプロラクトン)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(αアミノ酸)およびそのコポリマー、ポリ(オルトエステル)、ポリホスファゼン、ポリ(ホスホエステル)、およびポリ無水物のようなそのコポリマーを含むが、それに限定されない。
これらの医薬上許容されるポリマーおよびその誘導体は市販されており、および/またはその分野で既知の技術により調製される。誘導体は、可変分子量、ポリマーの官能基の修飾を有するポリマーあるいはこれらの薬剤のコポリマー、あるいはそれらの混合物を意味する。
【0072】
さらに、2つあるいはそれ以上のポリマーが、成形における流出量、弾力性の向上、あるいは所望の薬剤の放出プロフィールのような、所望の特性を持つ混合物を形成するのに組み合わせて使用されてもよい。
溶解押し出し成形方法において最初に融解したポリマー組成物は融解流出量、強度、脆弱性および他の成形特性を補助する添加剤あるいは賦形剤をさらに含んでもよく、これらのさらなる賦形剤は可塑剤、吸収増進剤、さらなる界面活性剤、香剤、染料などを含むが、これに限定されないことが理解される。
【0073】
本明細書の組成物が種々の壁厚で成形される場合、カプセルあるいは成分が約0.3から0.8mmの壁厚であるのが好ましい。しかし、溶解作業により、所望の放出プロフィールに応じて、壁厚はより適切に作られるだろう。壁厚の増加あるいはこれに加えてさらに追加の賦形剤の修飾が、成分の歪みを減らすのに必要であるかもしれない。
ポリマー物質はその特性を修飾し、界面活性剤、吸収増進剤、滑沢剤、可塑剤、溶解性修飾剤、加工剤、染色剤、香剤および甘味剤を含むが、これに限定されない種々の用途にそれらを適合させるための他の物質を含んでもよい。
【0074】
界面活性剤を処方に混合することは、処方/混合物の粘性度および表面張力を低下させるのに必要であるか、あるいは望ましいが、量が多いと逆に得られる剤形の性質に悪影響を与えるかもしれない。界面活性剤の選択はHLB値により導かれるが、必ずしも役に立つ基準ではない。トウィーン(登録商標)80(HLB=10)、プルロニックF68(HLB=28)およびSDS(HLB>40)のようなHLB界面活性剤が本明細書で利用されているが、プルロニックF92のようなHLB値の低い界面活性剤を使用してもよい。
【0075】
界面活性剤はオリゴマー界面修飾剤とも称され、プルロニック(登録商標)(エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーである)、レシチン、エアロゾルOT(登録商標)(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシル40TM、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、すなわち、トウィーン20、60および80などのトウィーン(登録商標)といったポリソルベート、ソルビタン脂肪酸エステル、すなわち、Span(登録商標)あるいはArlacel(登録商標)、Emsorb(登録商標)、Capmul(登録商標)あるいはSorbester(登録商標)のようなソルビタンモノラウラート、モノオレアート、モノパルミタート、モノステアラートなど、トリトンX−200、ポリエチレングリコール、グリセリルモノステアラート、ビタミンE−TPGS(登録商標)(d−α−コハク酸トコフェリルポリエチレングリコール1000)、シュークロースステアラート、シュークロースオレアート、シュークロースパルミタート、シュークロースラウラート、およびシュークロースアセテートブチラートなどのようなシュークロース脂肪酸エステル、およびその組み合わせおよび混合物を含むが、これに限定されない。好ましい界面活性剤はビタミンE−TPGS(登録商標)、ラウリル硫酸ナトリウム、シュークロース脂肪酸エステル、レシチンおよびプルロニック群である。適当には、当該処方は約0ないし約10%w/wの界面活性剤を含有するであろう。界面活性剤は酸化エチレンと酸化プロピレンのブロックコポリマーであることが好ましい。酸化エチレンと酸化プロピレンのブロックコポリマーは、好ましくは0.25ないし約5%、より好ましくは0.5ないし2%w/wの量で存在する。
【0076】
ポリマーキャリアーあるいは第二オリゴマー界面修飾剤は、適宜選択されるならば、それ自体が吸収増進剤として作用する。本明細書での使用に適当な吸収増進剤は、キトサン、レシチン、レクチン、およびステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ビタミンE−TPGS由来のもののようなシュクロース脂肪酸エステルおよびそれらの組み合わせあるいは混合物を含むが、それに限定されない。適当には、吸収増進剤が約0から20%w/wの範囲で存在する。
可塑剤は組成物の融解特性を補助するために使用される。本発明で使用される可塑剤の具体例は、トリエチルシトラート(TEC)、トリアセチン、トリブチルシトラート、アセチルトリエチルシトラート(ATEC)、アセチルトリブチルシトラート(ATBC)、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル(DBS)、フタル酸ジエチル、ビニルピロリドングリコールトリアセタート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、プロピレングリコールあるいはヒマシ油およびそれらの組み合わせあるいは混合物である。ポリマー物質はいずれの可塑剤が使用に適するかどうかを決定するだろう。例えば、トリアセチンは約5%のレベルでE100あるいは4135Fとの使用には好ましくないが、オイラギットRSまたはRLあるいはPVAとの使用には好ましい可能性がある。適当には、可塑剤は約0から20%w/wの量で存在する。好ましくは、約0から5%w/wの量で存在する。
【0077】
放出修飾を補助する溶解修飾剤あるいは物質は、親水性賦形剤ということもできる。これらの賦形剤は殻の膨潤、侵食または溶解を補助するかもしれない。「エクスプロタブ」(澱粉グリコール酸ナトリウム)、「コリドン−CL」(架橋PVP)、BASFから市販されているコリドンVA64(コポビドン)、低いK値(K−15、K−25だけでなくK−30ないしK−90も)の第一級品質であるISP−プラスドンあるいはBASF−コリドンにより製造される、ポリビニルピロリドン(PVP、USPでPOVIDONEとしても知られている)のような膨潤性薬剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のようなセルロース誘導体、低分子量溶質、例えばマンニトール、ラクトースおよび澱粉のようなウィッキング剤、塩化ナトリウムのような無機塩(典型的には5から10%で);およびその組み合わせまたは混合物などの多くの種々の分類の薬剤を使用してもよい。しかしながら、澱粉グリコール酸ナトリウムと単一のポリマーとしてのオイドラギットE100との使用が射出成形に適することは見出せなかった。溶解性修飾賦形剤は約2.5%ないし約70%w/wの範囲にある。
【0078】
さらに具体的には、溶解性修飾剤としての使用のための膨潤性固体として知られている薬剤のクラスは、ポリ(エチレン)オキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび他のヒドロキシアルキルセルロース誘導体を包含するが、これらに限定されるものではない。ヒドロキシプロピルセルロースの使用により、単一ポリマーとしてE100を含む適当な成形可能なカプセル殻の生成に供することは判明しなかった。適当には、溶解性修飾賦形剤として使用される膨潤性固体は約5から約60%w/w、好ましくは約5から約30%w/wの範囲にある。
他の適当な溶解性修飾賦形剤は、約2.5から15%w/w、好ましくは5ないし10%w/wの範囲の量で存在する、キシリトールあるいはマンニトールなどの非還元糖質のクラスを含むが、これに限定されない。適当には、約5から約20%w/w、好ましくは5ないし10%w/wの範囲の量で存在する、ラクトースなどの水可溶性増量剤のクラスも含まれる。
【0079】
別の群の適当な溶解性修飾賦形剤は、クロスポピドン(架橋ポリビニルピロリドン)およびコリドンVA64(コポビドン、BSAFから市販されている)などの;それらの組み合わせあるいは混合物のような一般に崩壊剤と称される、薬剤である。コリドンVA64またはコポビドンは、コポリビドン、コポビドナム、コポビドネまたはコポビドンとしても知られている。それは2種のモノマー、ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルの割合でもある。
適当には、崩壊剤は約5ないし50%w/w、好ましくは10ないし40%の範囲にて存在する。より多くの種の溶解性修飾賦形剤の一つを単独であるいは混合物として組み合わせて約2.5ないし70%w/wの範囲にて用いることも理解されよう。
【0080】
好ましい溶解性修飾賦形剤は、約5ないし60%w/w、好ましくは約20ないし30%w/wの範囲にて使用されるPOLYOXである。POLYOXと1またはそれ以上の溶解性修飾賦形剤、例えば、スターチ1500、コポビドン、ラクトースまたはHMPCとの組み合わせまたは混合物も本発明の好ましい具体例である。
POLYOXは、約100℃またはそれ以上(100−190℃、好ましくは100−140℃)の、ポリマーブレンドの押出温度で融解する一群の親水性非イオン性ポリマーの代表例とみなすことができる。例えば、POLYOX N−80は100℃で溶融する。ポリエチレンオキシドはまた、本明細書中、溶融処理助剤と称され、金型中でのポリマーの粘りを減少させることを助成する。したがって、この物質は取出し助剤および滑沢剤として機能する。
【0081】
一般に加工剤として分類される、さらなる薬剤はタルクのような増強剤を含む。加工剤が、適当には約0から10%w/w、好ましくは5ないし10%w/wで存在する。
本発明の好ましい処方はタルクをPOLYOXおよび付加賦形剤、例えば滑沢剤と組み合わせ使用することである。もう一つ別の好ましい処方はPOLYOXおよびタルクとコポビドンとの組み合わせである。
本明細書で使用される適当な成形加工滑沢剤あるいは潤滑剤は、ステアリルアルコール、ステアリン酸、グリセロールモノステアラート(GMS)、タルク、マグネシウムステアラート、二酸化ケイ素、非晶質ケイ酸およびヒュームドシリカ、およびそれらの組み合わせあるいは混合物を含むが、それに限定されない。これは主に組成物の流出促進剤として機能する。好ましい滑沢剤はステアリルアルコールあるいはGMSである。クロダコールS95(Croda Oleochemicals)のような市販グレードのステアリルアルコールが本明細書での使用に好ましい。物質はミリングに適するべきである。
【0082】
処方に存在する滑沢剤の量は、適当には、約0〜30%w/w、好ましくは約10〜25%w/w、さらに好ましくは10〜15%w/wである。
ステアリルアルコールを本発明の処方に用いる場合、約10ないし15%w/w、より好ましくは10ないし12%w/wであることが好ましい。
POLYOXとステアリルアルコールとの組み合わせもまた、ポリマーオイドラギットE100との使用に効果的であることが見出された。
ステアリルアルコールは、成形加工滑沢剤として作用するが、成形歪みを引き起こさない、すなわち、混合物の流れをよくする滑沢剤に起因する、熱く柔らかい殻を成形型から取り外す時に多投与コンパートメント殻のしわを引き起こさないという利点をもつ。滑沢剤/流出促進剤としても使用できる別の代わりとなる物質は、レシチン(天然物)である。適当には、本明細書の使用のための滑沢剤は金属イオンによる汚染を導入しない。
【0083】
選択される好ましい処方は、ポリマーオイドラギットE−100、ステアリルアルコールなどの滑沢剤、ポリエチレンオキシド、好ましくはポリオックスN−80である溶解性修飾剤、所望によりタルクなどの強化剤、所望によりコリドンVA64を含むことが見出された。本発明によれば、所望の成分を成形するために処方物中に可塑剤を配合する必要のないことが決定された。しかしながら、E−100は、処方物にもかかわらず、pH依存性であることも判明した。
さらに好ましい処方は、約30ないし60%のポリマーオイドラギットE−100、約10ないし12%のステアリルアルコール、約10ないし20%のポリオックスN−80、約0ないし10%、好ましくは5ないし10%ののタルク、および/または約0ないし35%、好ましくは5ないし35%のコリドンVA64を含む。
【0084】
本発明の最終生成物、すなわち、カプセルおよび/または成分あるいはサブユニットは、そのポリマー物質中にそれらの互いの溶接されやすさを高める物質をさらに含んでもよい。サブユニットは構造特徴をさらに備えていてもよく、および/またはポリマー物質中にそれらの互いの溶接されやすさを高める物質、例えばポリマーがレーザーエネルギーを吸収するのを補助する炭素(例えば0.2〜0.5%)、酸化鉄あるいは二酸化チタン(例えば0.5〜1.0%)のような乳白剤を含んでもよい。そのような乳白剤は安全であると一般に認識される。
【0085】
例えば、複数のサブユニット、例えばカプセルコンパートメント、中実サブユニットあるいはそれらの組み合わせは、各々、同じあるいは異なるポリマーを含んでもよい。例えば、複数のサブユニット、例えばカプセルコンパートメント、中実サブユニットあるいはそれらの組み合わせは、各々、同じあるいは異なる原薬を含んでもよい。例えば、各サブユニットが同じ原薬を含むが、さまざまな速度で、患者への投与後さまざまな時間で、あるいは患者の胃腸系のさまざまな位置で、内容物を患者の胃腸管中に放出してもよい。別法として、サブユニットは、各々、それぞれが同じあるいは異なる速度、あるいは投与後の時間、あるいは患者の胃腸系の位置で放出されてもよい異なる原薬を含んでもよい。
【0086】
例えば、2つあるいはそれ以上のサブユニット、例えば2つのカプセルコンパートメントがそれぞれ、2つまたはそれ以上の原薬あるいは処方の組み合わせが患者に投与されるように、種々の原薬、および/または種々の原薬処方、および/または種々の処方の同じ薬剤を含んでよい。
本発明の剤形は、特定の投与要件に応える剤形を提供するために、薬剤の含量および/またはその内容物の放出特性において異なるサブユニットと一緒に組み立てることができる。
各サブユニット、およびそれによって組立て式剤形全体の大きさおよび形状が、そこに配合されるべき物質の性質および量、および意図された投与態様および被験者により決定されてよい。例えば、経口投与を意図した剤形は、経口投与を意図した既知のカプセルと同様の形状や大きさであってよい。
【0087】
剤形は、特に、経口投与に適する1または複数の原薬を含む経口剤形としての投与に適しており、そのような原薬のすべての種類に適するようである。
カプセルコンパートメントにも含まれる原薬は、あらゆる好適な形態、例えば粉末、顆粒、コンパクト、マイクロカプセル、ゲル、シロップあるいは液体で存在してもよいが、カプセルコンパートメント壁の材料が後の三つの形態の液体内容物に対して十分不活性であることを条件とする。コンパートメントの内容物、例えば原薬は、調剤ピン(dosating pins)あるいはキャビティ充填(die filling)のような、カプセルを満たすのに慣習的に使用されるような標準的方法によりコンパートメント中に導入されてよい。
【0088】
サブユニットは薬剤内容物の放出特性において互いに異なってもよく、これは種々の方法で達成されてもよい。例えば1またはそれ以上の中実サブユニットおよび/またはカプセルコンパートメントは、実質的に即時放出性である、すなわち薬剤内容物を実質的に摂食後あるいは胃に到達後すぐに放出してもよい。これは例えば薬剤内容物を実質的にすぐに放出するために溶解するか、崩壊するか、あるいはそうでなければ破れるマトリックスポリマーあるいはカプセルコンパートメント壁により達成され得る。一般的に即時放出サブユニットはカプセルコンパートメントであることにより提供されるのが好ましい。
例えば、1またはそれ以上の中実サブユニット、および/またはカプセルコンパートメントが徐放性サブユニットであってよい。ポリマーのバルクマトリックスは薄壁のカプセルの薬剤内容物を放出するためによりゆっくりと溶解し、あるいは分散し得るので、これらは中実サブユニットであるのが好ましい。
【0089】
例えば1またはそれ以上の中実サブユニットおよび/またはカプセルコンパートメントが、例えば患者の胃腸系の特定の所定の地点で薬剤内容物を放出する、パルス放出性サブユニットであってもよい。これは上記のオイラギット(登録商標)ポリマーのような、規定のpH環境でしか溶解あるいは分散しないポリマー物質の使用により達成される。例えば、E100は酸不安定性である。
例えば、上記のカプセルコンパートメント−リンカー−カプセルコンパートメント剤形において、一つのカプセルコンパートメントが効果的に即時放出であり、その他が徐放性、遅延性あるいはパルス放出性であってよい。これを達成するために、例えば一つのカプセルコンパートメントが、そのカプセルコンパートメントに胃あるいは消化管の上部でその薬剤内容物を放出させるポリマー物質からできていてよく、(第二コンパートメントのクロージャーとして作用する)リンカーおよび第二コンパートメント自体が、腸環境でのみその薬剤内容物を放出する物質、例えば上記の腸溶性ポリマーで製造することができる。
【0090】
サブユニットが胃腸管でその原薬内容物を放出する時間あるいは位置は、例えばサブユニット物質、例えば中実サブユニットマトリックスポリマーあるいはカプセルコンパートメント壁の物質の性質により、あるいはクロージャーにより閉じられる末端コンパートメントの場合はクロージャー物質の性質により、決定される。例えば、異なるコンパートメントに異なる薬剤放出特性を与えるために、異なる、例えば隣接するコンパートメントの壁は、異なるポリマー、あるいはそうでなければ溶解あるいは崩壊特性において異なるポリマーから作られてよい。同様に、例えば、異なる、例えば隣接する中実サブユニットのポリマーマトリックス物質は、異なる中実サブユニットに異なる薬剤放出特性を与えるために、異なるポリマー、あるいはそうでなければ溶解あるいは崩壊特性において異なるポリマーから作られてよい。
【0091】
例えばマトリックス、壁、あるいはクロージャーの物質は胃で原薬を放出するために胃のpHで溶解あるいは分散するポリマーとすることができる。別法として、異なるコンパートメントが異なる放出特性を有するように、異なるコンパートメント壁の物質は異なっていてもよい。
例えば中実サブユニットあるいはカプセルコンパートメントは、小腸あるいは大腸のpHで溶解あるいは分散し、腸で原薬を放出する腸溶性ポリマーを含むマトリックスあるいは壁またはクロージャーをそれぞれ備えていてもよい。そのような適当なポリマーは、例えば上記した米国特許第5705189号に言及されている。
【0092】
付加的または別法として、厚壁のコンパートメントが薄壁のコンパートメントよりゆっくりと崩壊するように、コンパートメントの間で壁材料の厚さが異なってもよい。
付加的または別法として、コンパートメント壁あるいはクロージャーは、優先的に溶解する弱い領域あるいは点を有していてもよく、それにより原薬内容物の放出の開始時間および/または放出速度を決定することもできる。例えばそのような弱い点は穴、例えばコンパートメントの壁あるいはクロージャーにおけるレーザーにより開いた穴といった小さい穴を含んでもよく、これらの穴は消化管の所定の点で溶解するポリマー物質、例えば腸溶性ポリマー物質のフィルムで密閉および/または覆われている。例えばそのような弱い点はカプセルコンパートメントが形成される成形作業中に形成されるカプセルコンパートメントの壁の薄い部分を含んでもよい。
【0093】
サブユニットは、付加的にまたは別法として、薬剤放出特性を修飾する表面あるいは他の構造的特徴を有することができる。例えば中実サブユニットに内部腔またはチャネルを設け、表面積を大きくすることもできる。例えば、中実サブユニットは中空の円筒形、ドーナツ形、あるいはトロイドの形態とすることができ、その形状は液体媒質中で一次溶解あるいは侵食する傾向にあり、それに対応してその媒質に分散される薬剤内容物が一次放出される傾向にあることが知られている。
【0094】
本明細書で使用される医薬上許容される薬品、活性剤あるいは薬剤は、哺乳動物、好ましくはヒトでの使用に薬理学的活性をもつ活性剤を含むということを意味している。薬理学的活性は予防であっても、病態の治療のためであってよい。
本明細書で使用される場合、「活性剤」、「薬剤部分」あるいは「薬剤」なる語は互換的に使用される。
活性剤の水可溶性は米国の薬局方により定義されている。したがって、そこで定義される「かなり溶ける」、「よく溶ける」、「溶ける」および「少し溶ける」という基準に合う活性剤は本発明に含まれる。
【0095】
適当な原薬は、鎮痛剤、抗炎症剤、駆虫剤、抗不整脈剤、抗生物質(ペニシリン系を含む)、抗凝固剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗てんかん剤、抗ヒスタミン剤、降圧剤、抗ムスカリン剤、抗結核剤、抗腫瘍剤、免疫抑制剤、抗甲状腺剤、抗ウイルス剤、不安鎮静剤(催眠剤および神経遮断剤)、収斂剤、β−アドレナリン受容体遮断剤、血液製剤およびその代替品、強心剤、コルチコステロイド、咳止め(去痰剤および粘液溶解剤)、診断剤、利尿剤、ドーパミン作用剤(抗パーキンソン病剤)、止血剤、免疫剤、脂質調節剤、筋弛緩剤、副交感神経作用剤、副甲状腺カルシトニンおよびビホスホナート、プロスタグランジン、放射性医薬品、性ホルモン(ステロイドを含む)、抗アレルギー剤、刺激剤および食欲抑制剤、交感神経興奮剤、甲状腺剤、PDE IV阻害剤、NK3阻害剤、CSBP/RK/p38阻害剤、抗精神病剤、血管拡張剤およびキサンチンを含むが、これに限定されない、薬剤の種々の公知のクラスから選択されうる。
【0096】
好ましい原薬は経口投与および静脈投与用のものを含む。これらの薬剤の分類の記載および各分類中の種類の一覧表は、Martindale、The Extra Pharmacopoeia、第29版、The Pharmaceutical Press、ロンドン、1989年に見ることがき、その内容を出典明示により本明細書の一部とする。原薬は市販されており、および/またはその分野で既知の技術により調製されうる。
ポリマー混合物は好ましくは既知の医薬上許容されるポリマーから選択されうる。最終射出成形成分の厚さと同様に、これらのポリマーの物理化学的特性は、速溶解、即時放出、遅延放出、徐放性のような修飾放出、調節放出、あるいはパルス放出性などの剤形の設計を指示するだろう。
【0097】
ポリマー混合物は選択成分を押し出し成形機の供給ホッパーに供給する熱溶解性押し出し成形品を生産するよく知られた方法により作られる。適当な周知の装置は本明細書の混合物の押し出し成形品を生産するのにすぐ利用できる。
図11に示されているように、ポリマー(オイラギットE100)および賦形剤組成物の均質な混合物からなるストランド72を生産する熱溶解性押出機70が示されている。押し出し成形機は二軸スクリュー式押出機である(1のスクリュー74を図示する)。スクリューはモーター76により駆動される。ポリマーおよび賦形剤組成物はそれぞれホッパー78および80を通して導入される。それらのホッパーは、ダイ82から離れた押出機の末端近くの位置にある押出機のバレルの内部に、ポリマーおよび賦形剤を、同時に、および実質的に同じ場所で供給する。ポリマーおよび賦形剤組成物の両方を実質的に同じ場所で導入することで、押し出し成形されたストランド72の組成物における高均質が保証される。このことは前記したように、特に薄壁のカプセルコンパートメントの場合に重要である。材料が押出機のバレルを介して推進される際に、材料が捏ねられるように、混合部材88をスクリューに沿って一定間隔で設ける。
【0098】
ストランド72はベルト90により一組のローラー94および回転式カッター96を含むペレット成形機92に運ばれる。ペレット成形機はストランド72をペレット98に切断し、これは収集されて射出成形器(図示せず)に運ばれる。
熱溶解性押出機では、ポリマー賦形剤混合物が100、102および104で模式的に示されている加熱コイルにより徐々に加熱される。ダイは別に加熱されるのが好ましい。熱溶解性押出機の温度が、ポリマーおよび賦形剤が導入される位置での相対的低温、例えば50℃から、約105℃ないし125℃の範囲のダイ温度まで徐々に昇温するように、加熱コイルおよびダイ加熱機を設けるのが好ましい。最高温度が120℃を越えないレベルで維持されるのが好ましいが、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリエチレンオキシド、タルクおよびステアリルアルコールを含む組成物は125℃の温度も許容できる。
【0099】
図12に示されているように、オイラギットE100を基礎とするポリマーと実施例1の処方とを比較したレオロジープロットは、加工剤としてポリエチレンオキシド、タルクおよびステアリルアルコールの添加が所定の剪断速度での粘度を減少させ、その分解温度よりも低い温度で成分を成形できるようにし、何ら分解の問題は生じないことを示している。
【0100】
(速放出/パルスカプセルあるいは成分)
1時間に満たない即時放出とは対照的に、多投与カプセルにおける(2〜4時間の間隔のような)速放出/パルスカプセルあるいは成分を生産するにおいて、適当なポリマーが本明細書にて教示されているが、即時放出特性については市販のオイラギットR100(Rohm)が好ましいポリマーである。薄壁の成分の殻(例えば、0.5mmの壁厚)に押出し可能な当該ポリマーを製造するために、E100を本明細書に記載の数種の賦形剤と混合することができる。
好ましくは、オイドラギットE100を溶解性修飾剤、例えば、POLYOX、および滑沢剤、例えば、ステアリルアルコールまたはGMSと混合する。
【0101】
(遅い/遅延放出/パルスカプセルあるいは成分)
多投与カプセルにおける遅い放出あるいは遅延放出のカプセルあるいは成分の生産において、上記のポリマーオイラギット4135F(Rohm)が好適である。処方されていない状態でのオイラギット(登録商標)4135Fの主要な問題は、水性媒体、例えばSIF(擬似腸分泌液)中での30時間を越えるその長い溶解時間である。したがって、溶解時間を改良するために、ポリマーに1または複数の親水性賦形剤を混合する。これがオイラギット4135Fポリマーによる水の吸収を高め、混合ポリマーが水を吸収して膨張する速度を速めるだろう。本明細書の実験セクションに記載されているように、溶解性修飾賦形剤、好ましくは膨潤性固体賦形剤、および任意に、崩壊剤、滑沢剤、ならびに所望により、界面活性剤のような第二の溶解性修飾賦形剤は、殻の歪みを減少あるいは歪みがなく、成形型から確実に再現され、射出できる、安定した射出成形品を生産するであろう。
【0102】
好ましい多成分剤形は、2000年7月27日出願、2001年2月8日WO第01/08666号として公開されたPCT/EP00/07295に開示されており、その内容は出典明示により本明細書の一部とする。本出願の多成分剤形は、超音波溶接を用い、成分を互いに密着させるのが好ましい。オイラギット4135Fは開口し、超音波溶接領域で膨潤し、溶接部での分離を引き起こすことにより、その中身を放出するであろう。
ダウ・ユニオン・カーバイドにより製造される、PEG4000、6450、8000などのPEG(ポリエチレングリコール)は、オイドラギット4135Fとの組み合わせにおいて許容される溶解性修飾賦形剤であるが、滑沢剤と酷似しすぎる作用をし、型から外す時に熱成型殻の型変形をもたらすことが判明した。ゲルシア(脂肪酸PEGエステル)が、ゲルシア中の微量のPEGのために、同様の問題を引き起こすかもしれない。
【0103】
好ましくは、親水性賦形剤、例えばラクトース、無機塩、HPC、ファーマコート603(ガラス転移温度175℃のHPMC)のようなHPMCは押出し温度で溶解しないものである。
記載されているように、これらの膨潤性固体は分子量により多くの等級、例えばHPCの95Kあるいは80K等級で市販されている。例えば、HPCの分子量が変化しても殻を水和する能力は保たれるが、水和速度は遅くなるかもしれない、すなわち膨張速度は減少するだろう。それゆえ、殻のより長い溶解時間およびその時間での成分の放出という結果になる可能性がある。
【0104】
(スペーサー成分)
これは(即時放出および遅い/徐放性コンパートメントなど)カプセルの2つの末端コンパートメントを閉じ、結合させるプラグ様リンカーである。これは遅い/遅延放出成分と同じポリマー混合物(4135F混合物)から作られうるが、ステアリルアルコールなどの適当な滑沢剤が混合され、他の親水性賦形剤は混合されない4135Fからも全く同様に作ることができる。スペーサーに親水性賦形剤が含まれないことで、遅い/遅延放出性成分の開口は、遅い/遅延放出性成分とコンパートメントのプラグクロージャーとして作用するスペーサーの、水妨害における不適合およびそれによる差異的膨潤性のために改善されるだろう。
【0105】
好ましくは、多成分剤形の一部である遅い/遅延放出成分あるいはサブユニットを形成するための遅延放出ポリマーの使用は、リンカープラグと重なる末端キャップコンパートメントの薄い領域が迅速に膨張し、隣接するスペーサーを引き離し、それによりサブユニットの中身を胃腸液に開放するように、殻の浸食/溶解または溶接部の破壊によりサブユニットの内容物を放出する方法を提供するだろう。
【0106】
本発明の多回投与成分は本明細書の記載例および実施例に従って生産されうる。実施例1は、オイラギットE100について使用される押出しおよび成形変数を要約するものである。
しかし、一般に、押出機は、適当な温度、およそ95ないし120℃、好ましくは110℃の温度に予熱される。射出成形機は適当な温度、スクリュー/バレルを横切って110−130℃、ホットチップ/ノズルにおいては好ましくは140℃の温度に予熱され、その温度はずっと維持されるべきである。
【実施例】
【0107】
本発明を以下の実施例を参照して説明する。かかる実施例は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきでない。温度はすべて摂氏で与えられ、溶媒は特に断りのないかぎり、すべて可能な限り純粋なものになっている。
【0108】
実施例1
本明細書に記載されている医薬上許容できるポリマー組成物による多成分医薬剤形の製造。実施例1は種々の多成分カプセルおよび適当なサブユニットを成形するために使用される一般的な方法を記載する。さらなる医薬組成物は以下で示され、記載されている。
【0109】
【表1】

【0110】
均質な粉末混合物を形成するために、適当な混合器を用いて、
項目2.ポリエチレンオキシド(ポリオックスWSR N−80)
項目3.タルク(NF)
項目4.粉砕したステアリルアルコール
を混合する。
ペレット供給器および粉末供給器の両方を備え、ストランド冷却装置およびペレット形成機を備えた、適当な同時回転の二軸スクリュー式熱溶解押出機をセットアップする。射出成型機において選択された金型を嵌合させる。例示としての加工変数は以下の通りである。
【0111】
押出機:
スクリュー速度 150rpm(125−175rpmの範囲)
帯1の温度(供給帯) 50℃(40−70℃の範囲)
帯2の温度 95℃(85−105℃の範囲)
帯3の温度 100℃(90−110℃の範囲)
帯の温度 105℃(95−115℃の範囲)
ダイの温度 110℃(100−120℃の範囲)
ポリマーストランドの温度 116℃(105−125℃の範囲)
ペレット供給器 1.20kg/時間(1.0−1.4kg/時間)
粉末供給器 0.80kg/時間(0.60−1.0kg/時間)
ストランド冷却装置: 使用する押出し速度に適するもの
ペレット成形器: 使用する押出し速度に適するもの
射出成形機: 機械の型およびペレット形成に応じた、適当な射出/
冷却回数、温度および射出圧
【0112】
押出し成形機を適当な温度に予熱する。ペレット供給器にアミノアルキルメタクリレートコポリマー(オイドラギットE100)を充填し、粉末供給機に混合物を充填する。押出機のスクリューを回転させ始め、ついで2つの供給機を始動させる。作動条件下、押出し工程で生じる水/蒸気を強制的に排出するためにダイの前の開口部は外界条件に対して開放的でなければならないことが判明した。しかし本発明のE100処方は射出成形の際の過度の湿気の問題はないようである。
冷却装置に沿って押出されたストランドをペレット成形器中で処理し、そうして形成されたペレットを集める。
適当な機械の設定を入力し、射出成形機を予熱する。ホッパーにペレットを充填し、多成分ユニットを成形する。
【0113】
さらなる実施例あるいはこの実施例の具体例を、同じ処理工程を用いるが、以下に示す種々の処方を用いて調製した。
実施例番号 処方構成要素 %w/w
実施例2 オイドラギットE100 75.0
ステアリルアルコール 5.0
ポリオックスWSR N−80 20.0
【0114】
実施例3 オイドラギット RS100:RL100(1:1) 73.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10.0
(ファーマコート603)
ラクトース(既製品) 5.0
ステアリルアルコール 12.0
【0115】
実施例4 オイドラギットE100 60.0
ヒドロキシプロピルセルロース(クルセルLF) 10.0
ポリエチレンオキシド(ポリオックスWSR N−80) 20.0
ステアリルアルコール 10.0
【0116】
実施例5 オイドラギットE100 60.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20.0
(ファーマコート603)
ポリエチレンオキシド(ポリオックスWSR N−80) 10.0
ステアリルアルコール 10.0
【0117】
実施例6 オイドラギットE100 60.0
スターチ1500 20.0
ポリエチレンオキシド(ポリオックスWSR N−80) 10.0
ステアリルアルコール 10.0
【0118】
実施例7 オイドラギットE100 65.0
モノステアリン酸グリセリル 5.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20.0
(ファーマコート603)
ステアリルアルコール 10.0
【0119】
実施例8 オイドラギットE100 65.0
モノステアリン酸グリセリル 5.0
スターチ1500 20.0
ステアリルアルコール 10.0
【0120】
実施例9 オイドラギットE100 70.0
ステアリルアルコール 10.0
ポリエチレンオキシド(ポリオックスWSR N−80) 10.0
コリドンVA−64 10.0
【0121】
実施例10 オイドラギットE100 60.0
ステアリルアルコール 10.0
ポリエチレンオキシド(ポリオックスWSR N−80) 10.0
コリドンVA−64 20.0
【0122】
実施例11 オイドラギットE100 75.0
ステアリルアルコール 10.0
ポリエチレンオキシド(ポリオックスWSR N−80) 10.0
ラクトース(既製品) 5.0
【0123】
実施例12 オイドラギットE100 65.0
ステアリルアルコール 10.0
モノステアリン酸グリセリル 5.0
コリドンVA−64 20.0
【0124】
実施例13 オイドラギットE100 70.0
オイドラギットRL 20.0
ステアリルアルコール 10.0
【0125】
実施例14 オイドラギットE100 60.0
オイドラギットRL 20.0
ポリオックスWSR N−80 10.0
ステアリルアルコール 10.0
【0126】
実施例15 オイドラギットE100 55.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20.0
(ファーマコート603)
ポリオックスWSR N−80 10.0
ラクトース(既製品) 5.0
ステアリルアルコール 10.0
【0127】
実施例16 オイドラギットE100 55.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 15.0
(ファーマコート603)
ポリオックスWSR N−80 10.0
ラクトース(既製品) 5.0
スターチ1500 5.0
ステアリルアルコール 10.0
【0128】
実施例17 オイドラギットE100 57.5
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 15.0
(ファーマコート603)
ポリオックスWSR N−80 10.0
ラクトース(既製品) 5.0
スターチ1500 2.5
ステアリルアルコール 10.0
【0129】
実施例18 オイドラギットE100 80.0
シュークロースエステル(D−1811F) 10.0
ポリオックスWSR N−80 10.0
【0130】
実施例19 オイドラギットE100 70.0
シュークロースエステル(D−1811F) 10.0
ポリオックスWSR N−80 10.0
ステアリルアルコール 10.0
【0131】
【表2】



【0132】
実施例39 オイドラギットE100 65.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20.0
(ファーマコート603)
ラクトース(既製品) 5.0
ステアリルアルコール 10.0
【0133】
実施例40 オイドラギットE100 57.0
ポリオックスWSRN−80 20.0
タルク 10.0
プルロニックF−68 1.0
ステアリルアルコール 12.0
【0134】
実施例41 E100 75%
ステアリルアルコール 3%
トリアセチン 2%
ポリオックスN200 20%
【0135】
実施例42
医薬上許容できるポリマーとしてオイドラギット4135Fを用いる、以下に示す医薬組成物である、多成分医薬剤形の製品は、実施例1の一般的記載に従って、製造することができる。
【0136】
【表3】

【0137】
均質な粉末混合物を形成するために、適当な混合器を用いて、
項目2.ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ファーマコート603)
項目3.ラクトース一水和物
項目4.粉砕したステアリルアルコール
を混合する。
ペレット供給器および粉末供給器の両方を備え、ストランド冷却装置およびペレット形成機を備えた、適当な同時回転の二軸スクリュー式熱溶解押出機をセットアップする。射出成型機において選択された金型を嵌合させる。例示としての加工変数は以下の通りである。
【0138】
押出機:
スクリュー速度 19mm押出機では150rpm(125−175r
pmの範囲)または16mm押出機では200rpm
(100−300rpm)
帯1の温度(供給帯) 60℃(30−75℃の範囲)
帯2の温度 115℃(85−130℃の範囲)
帯3の温度 120℃(90−135℃の範囲)
帯4の温度 125℃(95−140℃の範囲)
帯5の温度 130℃(100−145℃の範囲)
ストランドダイの温度 135℃(105−150℃の範囲)
ペレット供給器 1.6kg/時間(0.7−2.1kg/時間)
粉末供給器 0.6kg/時間(0.26−0.79kg/時間)
ストランド冷却装置: 使用する押出し速度に適するもの
ペレット成形器: 使用する押出し速度に適するもの
射出成形機: 機械の型およびペレット形成に応じた、適当な射出/
冷却回数、温度および射出圧
【0139】
押出し成形機を適当な温度に予熱する。ペレット供給器にメタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルのコポリマー(オイドラギット4135F)を充填し、粉末供給機に混合物を充填する。押出機のスクリューを回転させ始め、ついで2つの供給機を始動させる。冷却装置に沿って押出されたストランドをペレット成形器中で処理し、そうして形成されたペレットを集める。
適当な機械の設定を入力し、射出成形機を予熱する。ホッパーにペレットを充填し、多成分ユニットを成形する。
【0140】
実験データ
本発明の代表的処方は、溶解試験において、模擬胃液(SGF)でpH1.2とし、25rpmのパドル速度(USP2条件)で試験した場合に、<45分という申し分のないインビトロ溶解値を示した。
実施例2、8、9および39は<25分の溶解時間を示した。実施例20ないし38は<30分の溶解時間を示した。実施例19は<40分の溶解時間を示し、実施例5、10、14、15および17は<45分の溶解時間を示した。
【0141】
本明細書で引用した特許および特許出願を含むが、これらに限定されるものではないが、すべての刊行物は、十分に記載されており、各々個々の刊行物が具体的かつ個別的に本明細書の一部に含まれているように、引用により本明細書にその内容が含まれる。
【0142】
上記の記述はその好適な態様を含む本発明を十分に開示している。ここで開示されてい態様の修正および改良は以下の請求の範囲の枠内である。当業者であれば、さらに工夫することなく、上記の記述を用いて最大限に本発明を利用できるだろう。それゆえここであげた実施例は、決して本発明の範囲を制限するわけではなく、単なる例示として解釈されねばならない。独占的な権利や特権が請求されている本発明の態様は、上記で限定されている通りである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬剤形の製法であって、
a)約50〜90%w/wの量にて存在するアミノアルキルメタクリレートコポリマーE、および5〜70%w/wの量にて存在する膨潤性固体、崩壊剤、非還元糖および水可溶性増量剤およびその組み合わせまたは混合物からなる群から選択される少なくとも1つの溶解性修飾賦形剤および15%w/wまでの量にて存在する滑沢剤を含む賦形剤組成物を、同時に、細長い熱溶解押出機の第1の場所に導入し、該第1の場所は約50℃であり;
b)該アミノアルキルメタクリレートコポリマーEおよび該賦形剤組成物を熱溶解押出機中、約50℃〜約125℃で混合し、その中で、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEおよび賦形剤組成物の熱分解を実質的に伴うことなく、均質な組成物を形成させ;
c)第1の場所から離れた第2の場所にあるダイを介して、該均質な組成物をストランドの形態でその熱溶解押出機から押出し、該第2の場所は約125℃以下であり;
d)該ストランドをペレットに切断し;
e)該ペレットを射出成形機に導入し、射出成形により該ペレットから薄壁のカプセルコンパートメントを形成する
工程を含む、方法。
【請求項2】
溶解性修飾賦形剤がポリ(エチレン)オキシド、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ラクトース、スターチ1500、クロスカルメロースナトリウム、コポビドン、またはクロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)、あるいはその組み合わせまたは混合物であるところの、請求項1記載の方法。
【請求項3】
溶解性修飾賦形剤がポリエチレンオキシドであるところの、請求項2記載の方法。
【請求項4】
滑沢剤がステアリルアルコール、グリセロールモノステアレート(GMS)、タルク、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、非晶形ケイ酸またはヒュームドシリカ、あるいはその組み合わせまたは混合物であるところの、請求項1記載の方法。
【請求項5】
熱溶解押出機が約120℃以下に維持されるところの、請求項1記載の方法。
【請求項6】
熱溶解押出機が該アミノアルキルメタクリレートコポリマーEおよび該賦形剤組成物の融解温度よりも低温に維持されるところの、請求項1記載の方法。
【請求項7】
熱溶解押出機中の温度が、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEおよび賦形剤組成物が導入される第1の場所からダイまでのその熱溶解押出機の長さに沿って徐々に上昇するが、その最高温度が約125℃を越えないところの、請求項1記載の方法。
【請求項8】
熱溶解押出機が、第一および第二の対向端を有する細長いバレル、および該バレルの内部の長さ方向に沿ってアミノアルキルメタクリレートコポリマーEおよび賦形剤組成物を噴射するためのバレル内にある二軸スクリューを含み、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEおよび賦形剤組成物が導入される第1の場所がバレルの第一端に隣接して配置されており、ダイがバレルの第二端に隣接して配置されているところの、請求項1記載の方法。
【請求項9】
薄壁のカプセルコンパートメントの射出成形を、射出成形機のバレルの温度を約110℃ないし130℃の範囲に維持しながら、バレルおよびノズルを有する射出成形機を用いて行うところの、請求項1記載の方法。
【請求項10】
薄壁のカプセルコンパートメントの射出成形を、射出成形機のノズルの温度を約130℃ないし150℃の範囲に維持しながら、バレルおよびノズルを有する射出成形機を用いて行うところの、請求項1記載の方法。
【請求項11】
薄壁のカプセルコンパートメントの射出成形を、射出成形機のノズルの温度を約140℃に維持しながら、バレルおよびノズルを有する射出成形機を用いて行うところの、請求項1記載の方法。
【請求項12】
薄壁のカプセルコンパートメントの射出成形を、射出成形機のバレルの温度を約110℃ないし130℃の範囲に維持し、射出成形機のノズルの温度を約130℃ないし150℃の範囲に維持しながら、バレルおよびノズルを有する射出成形機を用いて行うところの、請求項1記載の方法。
【請求項13】
医薬剤形がその剤形の成分としてのカプセルコンパートメントを用いて組み立てられるところの、請求項1記載の方法。
【請求項14】
組立て式剤形のカプセルコンパートメントが、該成分の隣接部分が接触しているところの少なくとも1つの溶接部で接続されている、請求項13記載の方法。
【請求項15】
溶接部が熱溶接部、超音波溶接部、誘導溶接部または接着溶接部でできているところの、請求項14記載の方法。
【請求項16】
医薬上許容される押出成形組成物の製法であって、
a)約30〜90%w/wの量にて存在するアミノアルキルメタクリレートコポリマーE、0〜30%w/wの滑沢剤、膨潤性固体、崩壊剤、非還元糖質および水可溶性増量剤およびその組み合わせまたは混合物からなる群から選択される5〜70%w/wの少なくとも1つの溶解性修飾賦形剤、および随意に0〜5%の可塑剤、および/または0〜10%w/wの加工剤を混合し;
b)工程(a)の組成物を約50℃の熱溶解押出機中に導入し、該組成物を約125℃で押し出して、医薬上許容される押出成形組成物を形成すること
を含む、方法。
【請求項17】
アミノアルキルメタクリレートコポリマーEが50〜90%w/wの量にて存在するところの、請求項16記載の方法。
【請求項18】
滑沢剤がステアリルアルコール、グリセロールモノステアレート(GMS)、タルク、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、非晶形ケイ酸またはヒュームドシリカ、あるいはその組み合わせまたは混合物であるところの、請求項16記載の方法。
【請求項19】
滑沢剤がステアリルアルコールまたはグリセロールモノステアレートであるところの、請求項18記載の方法。
【請求項20】
滑沢剤が5〜15%w/wの量にて存在するところの、請求項19記載の方法。
【請求項21】
滑沢剤がステアリルアルコールであって、10〜12%w/wの量にて存在するところの、請求項20記載の方法。
【請求項22】
溶解性修飾賦形剤がポリ(エチレン)オキシド、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ラクトース、スターチ1500、クロスカルメロースナトリウム、コポビドン、またはクロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)、あるいはその組み合わせまたは混合物であるところの、請求項16記載の方法。
【請求項23】
溶解性修飾賦形剤がポリエチレンオキシド、ラクトース、HPMC、コポビドンあるいはその組み合わせまたは混合物であるところの、請求項22記載の方法。
【請求項24】
溶解性修飾賦形剤が5〜30%w/wの量にて存在するポリエチレンオキシドであるところの、請求項23記載の方法。
【請求項25】
ポリエチレンオキシドが10〜20%w/wの量にて存在するところの、請求項24記載の方法。
【請求項26】
溶解性修飾賦形剤がポリエチレンオキシド、およびラクトース、HPMCおよびコポビドンの少なくとも1つの組み合わせであるところの、請求項22記載の方法。
【請求項27】
溶解性修飾賦形剤がポリエチレンオキシドおよびコポビドンの組み合わせであるところの、請求項26記載の方法。
【請求項28】
ポリエチレンオキシドが10〜20%w/wの量にて存在し、コポビドンが5〜35%w/wの量にて存在するところの、請求項27記載の方法。
【請求項29】
可塑剤がクエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル(DBS)、フタル酸ジエチル、ビニルピロリドングリコールトリアセテート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、プロピレングリコールまたはヒマシ油、あるいはその組み合わせまたは混合物であるところの、請求項16記載の方法。
【請求項30】
加工剤がタルクであるところの、請求項16記載の方法。
【請求項31】
タルクが5〜10%w/wの量にて存在するところの、請求項30記載の方法。
【請求項32】
加工剤が5〜10%w/wの量にて存在するタルクであり、滑沢剤が10〜12%w/wの量にて存在するステアリルアルコールであるところの、請求項30記載の方法。
【請求項33】
医薬上許容される射出成形成分の製法であって、
a)約30〜90%w/wの量にて存在するアミノアルキルメタクリレートコポリマーE、0〜30%w/wの滑沢剤、5〜70%w/wの少なくとも1つの溶解性修飾賦形剤、および随意に0〜5%の可塑剤、および/または0〜10%w/wの加工剤を混合し;
b)工程(a)の組成物を熱溶解押出機中に提供して、約125℃以下で押し出し物を形成し;
c)該押し出し物を射出成形に付して、医薬上許容される射出成形成分を形成すること
を含む、方法。
【請求項34】
アミノアルキルメタクリレートコポリマーEが50〜90%w/wの量にて存在するところの、請求項33記載の方法。
【請求項35】
滑沢剤がステアリルアルコール、グリセロールモノステアレート(GMS)、タルク、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、非晶形ケイ酸またはヒュームドシリカ、あるいはその組み合わせまたは混合物であるところの、請求項34記載の方法。
【請求項36】
滑沢剤がステアリルアルコールまたはグリセロールモノステアレートであって、5〜15%w/wの量にて存在するところの、請求項35記載の方法。
【請求項37】
滑沢剤がステアリルアルコールであって、10〜12%w/wの量にて存在するところの、請求項33記載の方法。
【請求項38】
溶解性修飾賦形剤がポリ(エチレン)オキシド、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ラクトース、スターチ1500、クロスカルメロースナトリウム、コポビドン、またはクロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)、あるいはその組み合わせまたは混合物であるところの、請求項33記載の方法。
【請求項39】
溶解性修飾賦形剤がポリエチレンオキシド、ラクトース、HPMC、またはコポビドン、あるいはその組み合わせまたは混合物であるところの、請求項33記載の方法。
【請求項40】
溶解性修飾賦形剤が5〜30%w/wの量にて存在するポリエチレンオキシドであるところの、請求項39記載の方法。
【請求項41】
溶解性修飾賦形剤が約10〜20%w/wの量にて存在するポリエチレンオキシド、および5〜35%w/wの量にて存在するコポビドンの組み合わせであるところの、請求項39記載の方法。
【請求項42】
可塑剤がクエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル(DBS)、フタル酸ジエチル、ビニルピロリドングリコールトリアセテート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、プロピレングリコールまたはヒマシ油、あるいはその組み合わせまたは混合物であるところの、請求項39記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−173668(P2009−173668A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72831(P2009−72831)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【分割の表示】特願2002−560581(P2002−560581)の分割
【原出願日】平成14年1月30日(2002.1.30)
【出願人】(595047190)スミスクライン ビーチャム ピー エル シー (34)
【Fターム(参考)】