説明

医薬組成物

【課題】本発明は有効成分を親水性ポリマーマトリックス内に含む除放性製剤を提供する。
【解決手段】前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、製剤のインビトロにおける放出速度は溶解媒体のイオン強度に実質的に依存しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2-[4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ]-2-メチル-プロパン酸の塩を含む固形の剤形に関する。
【背景技術】
【0002】
2-[4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ]-2-メチル-プロパン酸,1-メチルエチルエステルはフィブラートのファミリーである「フェノフィブラート」としても知られており、脂質制御剤である。フェノフィブラートは例えば米国特許第 3,907,792、4,895,726、6,074,670及び6,277,405号に記載されている。フェノフィブラートは多様な異なる製剤の形態で市販されており成人内因性高脂血症、高コレステロール血症及び高トリグリセリド血症の治療に使用される。フェノフィブラートの活性代謝物は2-[4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ]-2-メチル-プロパン酸であり、フェノフィブリン酸として知られている。
【0003】
フェノフィブラートのようなフィブラートに関する問題点の1つはこれらの化合物が疎水性であり、あまり水に溶解しないことである。従ってこれらの化合物の生物学的利用能(すなわち、それらの消化管における吸収)は低い。フェノフィブラートの疎水性及び水に難溶性である性質により、対象の消化管におけるフェノフィブラートの吸収は対象の食物の摂取後に増加する(絶食条件において対象がフェノフィブラートを摂取した場合と比較して)。この食物による効果は、摂食対絶食条件におけるフェノフィブラートの生物学的利用能を比較した場合に望ましくない。
【0004】
さらに、対象のコンプライアンスは、患者が食物の食物摂取と薬物の投与を調整しなければならないので、食物効果を持っている薬物の問題である。近年、フェノフィブラートに付随する食物効果を克服するために複雑な技術が使用されてきた。
【0005】
フェノフィブラートと対照的に、フェノフィブリン酸は小腸領域においてより高い溶解度を示す。しかしながら、このより高い溶解度はフェノフィブリン酸の伝達の調節に関して問題となる(Cmax が参照するフェノフィブラートを含む医薬組成物の許容可能な(承認される)限界を超える可能性など)。例えば非晶質フェノフィブリン酸を含む即放性製剤が、例えば米国特許出願第2005/0148594号に記載されている。その中で報告するように非晶質フェノフィブリン酸を含む製剤は、対象に投与された場合、前記公開された出願の実施例6に記載されたフェノフィブラート-含有カプセル製剤の2倍の生物学的利用能を示す。そのうえ、前記記載した溶解度の差異の観点から、前記剤形においては、有効成分、主にフェノフィブラートは単純にフェノフィブリン酸で置換することができない。
【0006】
さらに、当該技術分野において摂食又は絶食条件下患者に投与した際に有意な食物作用を示さないフェノフィブリン酸の固体剤形が必要とされている。そのような固体剤形は摂食又は絶食条件下のいずれにおいても服用する柔軟性を付与することにより患者のコンプライアンスを改良する。
【0007】
堅牢性(robust)薬物製剤の放出速度は実質的に溶解媒体の特性に依存しない。例えば、堅牢性製剤は異なるイオン強度を有する溶解媒体において基本的に同じ放出速度を示す。ヒトにおいて胃腸管におけるイオン強度の通常の絶食状態のレベルは 0.10〜0.14 であり、より高い値が食物の摂取により誘導される。したがって、堅牢性薬物製剤の放出速度は胃腸管中で摂食及び絶食下においても最小限の変動しか示さないことを予測することになる。堅牢性薬物製剤のさらなる特徴はその放出速度が製造工程のスケールアップにおける厳密な工程においても影響されないことである。
【0008】
本発明の目的は堅牢である除放性フェノフィブリン酸製剤を提供することである。従って本発明の製剤の放出速度は実質的に溶解媒体のイオン強度に依存しない。この目的は本発明において溶解媒体に暴露した際にフェノフィブリン酸の遅延性放出を示す親水性ゲル形成マトリックス製剤によって達成され、放出速度がイオン強度に実質的に依存しないことを特徴とする。
【0009】
出願人等は除放性フェノフィブリン酸製剤を堅牢に製造することに貢献するいくつかの要素を見出した。ひとつの要素は塩の選択である。出願人等は堅牢フェノフィブリン酸製剤が可溶性の塩を含むべきであることを見出した。第2に、フェノフィブリン酸塩の製剤中の割合も製剤の堅牢性(robustness)に影響する。最後に、製剤の薬物の腸溶性コーティングの存在又は非存在である。
【発明の概要】
【0010】
一態様において、親水性ポリマーマトリックス内に有効成分を含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、製剤のインビトロにおける放出速度は溶解媒体のイオン強度には実質的に依存しない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】高イオン強度及び低イオン強度におけるインビトロにおける崩壊における、8時間の薬物放出の差異に対する7つのフェノフィブリン酸の塩及びフェノフィブリン酸のIDR値を示す。
【図2】フェノフィブリン酸の錠剤のインビトロにおける溶解特性(0.05M及び0.3Mの溶解媒体中で行われた場合)を示す。
【図3】フェノフィブリン酸コリン塩の錠剤のインビトロにおける溶解特性(0.05M及び0.3Mの溶解媒体中で行われた場合)を示す。
【図4】フェノフィブリン酸メトホルミン塩の錠剤のインビトロにおける溶解特性(0.05M及び0.3Mの溶解媒体中で行われた場合)を示す。
【図5】フェノフィブリン酸プロカイン塩の錠剤のインビトロにおける溶解特性(0.05M及び0.3Mの溶解媒体中で行われた場合)を示す。
【図6】フェノフィブリン酸ジエタノールアミン塩の錠剤のインビトロにおける溶解特性(0.05M及び0.3Mの溶解媒体中で行われた場合)を示す。
【図7】フェノフィブリン酸エタノールアミン塩の錠剤のインビトロにおける溶解特性(0.05M及び0.3Mの溶解媒体中で行われた場合)を示す。
【図8】フェノフィブリン酸カルシウム塩の錠剤のインビトロにおける溶解特性(0.05M及び0.3Mの溶解媒体中で行われた場合)を示す。
【図9】フェノフィブリン酸トリス塩の錠剤のインビトロにおける溶解特性(0.05M及び0.3Mの溶解媒体中で行われた場合)を示す。
【図10】含有量32.5%の場合のフェノフィブリン酸の錠剤及びフェノフィブリン酸コリン塩の錠剤のインビトロにおける溶解特性を示す(0.05M及び0.3Mの溶解媒体中で行われた場合)。
【図11】含有量65.5%の場合のフェノフィブリン酸の錠剤及びフェノフィブリン酸コリン塩の錠剤のインビトロにおける溶解特性(0.05M及び0.3Mの溶解媒体中で行われた場合)を示す。
【図12】フェノフィブリン酸コリン塩の被覆及び非被覆錠のインビトロにおける溶解特性(0.05M及び0.3Mの溶解媒体中で行われた場合)を示す。
【0012】
(発明の詳細な説明)
本発明の他の態様は、有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分の水への溶解度は16.1 mg/ml以上である。
【0013】
本発明の他の態様は、有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分の水への溶解度は19.0 mg/ml以上である。
【0014】
一態様において、本発明は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤に関する。前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、塩はコリン、エタノールアミン及びジエタノールアミンから成る群から選択され、有効成分の水への溶解度は16.1 mg/ml以上である。
【0015】
本発明の他の態様は有効成分をHPMCマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分の水への溶解度は16.1mg/mlより高い。
本発明の他の態様は有効成分をHPMCマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分の水への溶解度は19.0 mg/ml以上である。
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分のIDRはpH 6.8で7.09mg/min/cm2より高い。
【0016】
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、塩はコリン、エタノールアミン及びジエタノールアミンから成る群から選択され、有効成分のIDRはpH 6.8で7.09mg/min/cm2より高い。
本発明の他の態様は有効成分をHPMC マトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分のIDRはpH 6.8で7.09mg/min/cm2より高い。
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分のIDRはpH 6.8で8.05mg/min/cm2以上である。
【0017】
本発明の他の態様は有効成分をHPMC マトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分のIDRはpH 6.8で8.05mg/min/cm2以上である。
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、製剤のインビトロにおける放出速度は溶解媒体のイオン強度には実質的に依存しない。
【0018】
本発明の他の態様は有効成分をHPMC マトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、製剤のインビトロにおける放出速度は溶解媒体のイオン強度には実質的に依存しない。
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、インビトロにおける崩壊において、0.05M及び0.3Mの溶解媒体に溶解した場合、0.5、1、2、4、6及び8時間における溶解の割合の差異は25%未満であった。
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、塩はコリン、エタノールアミン及びジエタノールアミンから成る群から選択され、インビトロにおける崩壊において、0.05M及び0.3Mの溶解媒体に溶解した場合、0.5、1、2、4、6及び8時間における溶解の割合の差異は25%未満であった。
【0019】
本発明の他の態様は有効成分をHPMC マトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、インビトロにおける崩壊において、0.05M及び0.3Mの溶解媒体に溶解した場合、0.5、1、2、4、6及び8時間における溶解の割合の差異は25%未満であった。
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、インビトロにおける崩壊において、0.05M及び0.3Mの溶解媒体に溶解した場合、0.5、1、2、4、6及び8時間における溶解の割合の差異は21.4%未満であった。
本発明の他の態様は有効成分をHPMC マトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、インビトロにおける崩壊において、0.05M及び0.3Mの溶解媒体に溶解した場合、0.5、1、2、4、6及び8時間における溶解の割合の差異は21.4%未満であった。
【0020】
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、製剤における有効成分の割合は33%〜75%である。
本発明の他の態様は有効成分をHPMCマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、製剤における有効成分の割合は33%〜75%である。
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、製剤における有効成分の割合は50%〜75%である。
【0021】
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、塩はコリン、エタノールアミン及びジエタノールアミンから成る群から選択され、製剤における有効成分の割合は50%〜75%である。
本発明の他の態様は有効成分をHPMC マトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、製剤における有効成分の割合は50%〜75%である。
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、有効成分はフェノフィブリン酸の可溶性の塩であり、製剤における有効成分の割合は33%〜75%である。
【0022】
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、有効成分はフェノフィブリン酸の可溶性の塩であり、製剤における有効成分の割合は50%〜75%である。
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、製剤における有効成分の割合は33%〜75%であり、製剤の放出速度は溶解媒体のイオン強度には実質的に依存しない。
本発明の他の態様は有効成分を親水性ポリマーマトリックス中に含む除放性製剤を提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、製剤における有効成分の割合は50%〜75%であり、製剤の放出速度は溶解媒体のイオン強度には実質的に依存しない。
【0023】
本発明の他の態様は親水性ポリマーマトリックスを提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分の崩壊時間の差異は0.3M又は0.05Mのイオン強度の媒体中で崩壊した場合、475分未満であった。
本発明の他の態様は親水性ポリマーマトリックスを提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、塩はコリン、エタノールアミン及びジエタノールアミンから成る群から選択され, 有効成分の崩壊時間の差異は0.3M 又は0.05Mのイオン強度の媒体中で崩壊した場合、475分未満であった。
本発明の他の態様は親水性ポリマーマトリックスを提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分の崩壊時間の差異は0.3M 又は0.05Mのイオン強度の媒体中で崩壊した場合、100分未満であった。
【0024】
本発明の他の態様はHPMCマトリックスを提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分の崩壊時間の差異は0.3M又は0.05Mのイオン強度の媒体中で崩壊した場合、475分未満であった。
本発明の他の態様はHPMCマトリックスを提供することであり、前記有効成分はフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分の崩壊時間の差異は0.3M又は0.05Mのイオン強度の媒体中で崩壊した場合、100分未満であった。
【0025】
(定義)
本明細書及び添付する請求項において使用されるように、内容が明らかに別に述べない限り、単数形「a」「an」及び「the」は複数の関連事項を含む。従って、例えば、「有効成分」に関しては単一の有効成分ならびに2以上の異なる有効成分の組み合わせを含み、「賦形剤」に関しては2以上の賦形剤の混合物ならびに単一の賦形剤を含む等である。
本発明を説明し、請求する際に、以下に示す定義に従って、以下の用語が使用される。
本明細書で使用されるように、「約」という用語は「およそ」と同義に使用される。たとえば、「約」という用語は引用する値の少し外側、すなわちプラス又はマイナス10%を意味する。そのような用量は従って「約」及び「およそ」を記載する請求項の範囲に含まれる。
【0026】
本明細書で使用されるように、「有効成分」、「薬理学的有効成分」及び「薬物」という用語は本明細書中で互換的に使用され2-[4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ]-2-メチル-プロパン酸 (フェノフィブリン酸)の塩を意味する。本用語は緩衝された2-[4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ]-2-メチル-プロパン酸も意味する。フェノフィブリン酸の塩には、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、トロメタミン、リジン、ピペラジン、カルシウム、シクロヘキシルアミン、プロカイン、メトホルミン、カリウム、リジン、メグルミン、ジエチルアミン、ナトリウム及びエチレンジアミンが含まれるが、これらに限定されない。緩衝フェノフィブリン酸を提供するのに使用することができるカウンターイオンの例としては、水酸化カルシウム、水酸化コリン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、グアニジン、水酸化マグネシウム、メグルミン、エタノールアミン、ピペラジン、ペペリジン、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、トロメタミン、ベンザチン、ベンゼン-エタンアミン、アデニン、水酸化アルミニウム、水酸化アンモニウム、シトシン、ジエチルアミン、グルコサミン、グアニン、ニコチンアミド、水酸化カリウム、水酸化亜鉛、ヒドラバミン(hydrabamine)、トリブチルアミン、デアノール、エポラミン、水酸化リチウム、プロカイン、ピリドキシン、トリエタノールアミン、オルニチン、グリシン、リジン、アルギニン、バリン、セリン、プロリン、アスパラギン酸、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン又はトレオニンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の固形剤形を準備する際に使用される有効成分の固体状態の形態は重要ではない。例えば固体剤形を調製する際に使用される有効成分は、無定形または結晶形でありうる。最終的な剤形は少なくとも結晶形の有効成分の検出可能な量を含んでいる。有効成分の結晶の特性は粉末X線回折分析を使用し、示差走査熱量測定又は当該技術分野で公知な任意の他の技術によっても検出可能である。
【0027】
本明細書で使用されるように「雲り点」という用語はHPMCゲルで観測された現象であって、それらの温度の増加に伴って高分子の沈殿を起こす現象であり、光透過率で測定できる特性について言及する。光透過率が50%に達する温度を雲り点と呼ぶ。
【0028】
本明細書で使用されるように「遅延性放出(delayed release)」という用語は薬物製剤が薬物製剤の経口投与と前述の剤形からの薬物の放出の間の時間の遅れを示すという除放性のタイプを意味する。当業者によく知られているパルス型放出システム(Pulsed release systems)(パルス型薬物放出(pulsatile drug release)とも知られる)及び腸溶性コーティングの使用は遅延性放出メカニズムの例である。
【0029】
本明細書で使用されるように、「溶解媒体」という用語は水溶性溶液を意味し、その中で錠剤製剤からの薬物の放出が測定される。これらの溶液は2つの濃度(0.05M及び0.3M)を有するリン酸二水素カリウム溶液である。0.05 M 及び0.3 MのKH2PO4はそれぞれ高イオン強度及び低イオン強度を表す。これらの溶液のpHは6.0に調製される。
【0030】
本明細書で互換的に使用されるように、「単一pHにおける溶解」、「単一pH」又は「単一pH系」は以下の表1に記載された方法を言う。
表1

【0031】
有効成分の「有効量」又は「治療有効量」は非毒性であるが、所望の効果を奏するのに十分な量の有効成分を意味する。「有効な」有効成分の量は対象により、個人の年齢及び一般的条件、特に有効成分又は薬剤等に依存して変化する。従って、常に正確な「有効量」を特定することはできない。しかしながら、任意の個々の場合におけるおおよその「有効量」は、当業者によってルーチン実験を用いて決定されるだろう。
【0032】
本明細書で使用されるように、「遅延性放出」又は「持続性放出」の語は長い期間にわたる薬物の緩慢な放出を提供する薬物製剤を意味する。
【0033】
本明細書で使用されるように「絶食した」患者、「絶食状態」又は「絶食」はいかなる食物も摂取していない、すなわち少なくとも1種の有効成分を含む本発明の経口製剤の投与前少なくとも10時間絶食し、いかなる食物も摂取せずに製剤の投与後少なくとも4時間後まで継続して絶食している患者を意味する。製剤は好ましくは240mlの水と共に絶食期間中に投与し摂取の1時間前〜1時間後まで水は自由に摂取させた。
【0034】
本明細書で使用されるように「摂食患者」、「摂食条件」又は「摂食」は少なくとも10時間一晩絶食し、続いて試験製剤の最初の摂取30分前に試験食を完全に消費した患者を意味する。本発明の製剤を240 mlの水と共に食物の消費5分後に投与する。投与後少なくとも4時間は何も食事をとらせなかった。水は摂取の1時間前及び1時間後自由にとらせた高脂肪食はおよそ1000カロリーを患者に与え、そのカロリー内容量のおよそ50%は食物の脂肪成分由来である。
【0035】
代表的な高脂肪高カロリー試験食にはバターで焼いた2個の卵、ベーコン2枚、バターを付けた2枚のトースト、4オンスのハッシュブラウンポテト、8オンスの全乳を含み、150カロリー(タンパク)、250カロリー(炭水化物)、500〜600カロリー(脂肪)を提供する。高脂肪食はフェノフィブリン酸の食物研究(food studies)の臨床効果において使用することができる。そのような高脂肪試験食を与えられた患者を本明細書において「高脂肪食条件」下にあるという。低脂肪食はおよそ500カロリーを患者に提供しそのカロリー内容量の30%が食物の脂肪成分由来である。そのような低脂肪試験食を与えられた患者は、本明細書において「低脂肪食条件」下にあることを意味する。
【0036】
本明細書で使用されるように、本明細書内で互換的に使用される「製剤」、「形態」又は「剤形」という用語は、所望の治療効果を達成するために十分な量の有効成分を含む医薬組成物の任意の形態を表す。過剰投与にならずに効率的な方法で最も有効な結果をもたらす投与頻度は 薬理学的特性及びその物理学的特性の両方を含む特定の有効成分の特性によって変動する。
【0037】
本明細書で使用されるように、「親水性ポリマー」という用語にはヒドロキシプロピルメチルセルロース (HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール (“PEG”)、キサンタンガム、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、スターチ、架橋ホモポリマー及びアクリル酸のコポリマー 及び膨張及び/又はゲル形成特性を有する他の医薬的に許容可能な物質及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書で使用されるように、溶液の「イオン強度」の用語は溶液中のイオン濃度又は溶液中のイオンの濃度の機能を意味する。イオン濃度のモル濃度とイオンの電荷で計算することができる。
【0039】
本明細書で使用されるように、「IDR」という用語は固有溶解速度(intrinsic dissolution rate)の略語である。固有溶解速度とは、表面積、撹拌速度、pH、および溶解媒体のイオン強度が一定に保たれている場合の、医薬的に許容可能な成分のみの溶解速度である。
【0040】
本明細書で使用されるように、「不活性基質」という用語は(a)異なる酸化物、セルロース、有機ポリマー及び他の材料を単独又は混合物として含む水に不溶性の基質又は種;又は(b) 異なる無機塩、糖、ノンパレイル(non-pareils)及び他の材料を単独又は混合物として含む水溶性基質又は種を意味する。
【0041】
本明細書で使用されるように、「膜」は水性溶液又は体液が透過可能であり、また有効成分も透過可能であっても良いフィルム又は層を意味する。
【0042】
本明細書で使用されるように「除放性」という用語は薬物の放出が即時型ではない製剤を含む薬物を言う (例えば, Guidance for Industry SUPAC-MR: Modified Release Solid Oral Dosage Forms, Scale-Up and Postapproval Changes: Chemistry, Manufacturing, and Controls; In Vitro Dissolution, Testing and In Vivo Bioequivalence Documentation, U.S. Department of Health and Human services, Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research (“CDER”), September 1997 CMC 8, 34頁を参照されたい。本明細書において参照として組み込む)。除放性製剤において、前記製剤の投与によっては、薬物又は有効成分の吸収プールへの即時型放出という結果にはならない。用語は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed. (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995)中に定義されるように「非即時型放出」と互換的に使用される。本明細書で使用されるように、「除放性」という用語は除放性放出、持続性放出、遅延性放出及び制御型放出製剤を含む。
【0043】
本明細書で使用されるように、「医薬的に許容可能な賦形剤」又は「医薬的に許容可能な添加物」に記載されるような「医薬的に許容可能な」という語句は非-毒性又はそうでなければ生理学的に許容可能な材料という意味である。
【0044】
本明細書で使用されるように、「可溶性の塩」という用語は、水への溶解度が25 ℃で16.1 mg/mlより大きい全てのフェノ酸(feno acid)塩を表す。
本明細書で使用されるように「対象」という用語は動物、好ましくはヒト又は非-ヒトを含む哺乳類を意味する。患者及び対象は本明細書において互換的に使用される。
【0045】
本明細書で使用されるように、イオン強度に「実質的に依存しない」との用語は、溶解媒体における錠剤製剤からの薬物、フェノフィブリン酸塩の放出は溶解媒体のイオン強度の変化にあまり影響を受けないこと、つまり溶解が低(0.05M)及び高(0.3M)イオン強度の媒体中で行われた場合に薬物放出%における差異が8時間以内の時点で25%未満であることを意味する。
【0046】
本明細書で使用されるように「処置(treating)」及び「治療(treatment)」という用語は症状の重篤度及び/又は頻度を軽減させること、症状及び/又は原因の消失、症状及び/又は原因の発現の予防及び障害の改善又は治療を意味する。従って、例えば、患者を「治療する」ことは影響されやすい個人における特定の障害又は有害な生理学的事象の予防ならびに障害や疾患を阻害又は回復させることにより臨床的に症状を有する個人を治療することを含む。
【0047】
I. 塩の選択
溶解速度及び崩壊時間
出願人は塩製剤における塩の選択がフェノフィブリン酸製剤の堅牢性に影響を与えることを評価した。出願人らは7つの異なるフェノフィブリン酸の塩及びフェノフィブリン酸単独を含むフェノフィブリン酸製剤の放出速度を検討した。検討した製剤それぞれの成分は表2に示した。錠剤を製造するのに使用された方法は表2に続く実施例1に記載されている。
各塩の溶解度は実施例2に従って測定された。同様に、フェノフィブリン酸の各塩のIDR値は実施例3に従って決定された。フェノフィブリン酸の塩及びそれらの各溶解度及びIDRを表4に示す。
【0048】
出願人らは各フェノフィブリン酸塩製剤の高イオン強度及び低イオン強度の溶解媒体における溶解速度を上述のような単一pH法を用いて検討した。表4は0.05M及び0.3Mにおける8時間後の溶解%及び各製剤のこれらのイオン強度における差異を示す。出願人はその結果を図1に図示した。図1におけるグラフは各フェノフィブリン酸塩製剤のIDRを8時間における溶解値の差異に対してプロットしている。図1及び表4にみられるように より大きい溶解度ならびにより高いIDR値を有するフェノフィブリン酸塩は溶解媒体のイオン強度に対しあまり感受性ではない(すなわち、8時間における溶解値及び全体の特性の差異は高イオン強度及び低イオン強度で比較した場合により少ない)。
【0049】
図2-9は0.05M及び.3Mのイオン強度の溶解媒体におけるフェノフィブリン酸塩及びフェノフィブリン酸製剤の溶解特性を示す(表5は低いイオン強度の媒体において試験した製剤の溶解データを示し、表6は高いイオン強度の媒体において試験した製剤の溶解データを示す)。これらの図に示すように、より溶解度の高いフェノフィブリン酸塩はより堅牢であり、従って放出速度は溶解媒体のイオン強度に対しあまり感受性ではない。
【0050】
表2

【0051】
実施例1
錠剤製剤:
内部顆粒の成分を、造粒機(または、ミキサー)に入れ乾燥混合し、続いて造粒機へ適切な量の水を加え、最適な顆粒が達成されるまで造粒する。次に顆粒は必要なら追加期間の間、ひと固まりになった状態で濡らし、続いてオーブン又は流動床乾燥機で乾燥させた。 乾燥した顆粒は、フィッツミル(fitzmill)を使用したか、またはメッシュを使用することで手動でふるいにかけた。二酸化ケイ素及びHPC Exfは40-メッシュのふるいでふるいにかけた。粉砕した顆粒、ふるいにかけた二酸化ケイ素及びHPCをV-混合機に入れ5分間〜26 rpmで混合した。SSFを40-メッシュのふるいにかけた。ふるいをかけたSSFを混合機に加え、さらに5分間混合した。顆粒を計量しラウンダーツーリング(rounder tooling)を用いて275 mg/錠剤の標的重量を有する錠剤に圧縮した。標的錠剤の硬度は〜20SCUであった。
【0052】
実施例2
溶解度の測定:
フェノフィブリン酸塩の水への溶解度値は25℃で測定した。塩をガラス容器に量り水を加えた。懸濁液は約2日間水浴中で端から端へ回転した。懸濁液のpHを測定した。残った固体を0.45 μm PTFEメンブレンフィルターによるろ過で取り除いた。得られた飽和溶液を適切にHPLC移動相に希釈し、以下に記載するHPLCアッセイ(表3)で分析した。集めた残留固体物の粉末x-線回折パターンは実験の最後に記録した。
【0053】
HPLC分析:
表3
フェノフィブリン酸のHPLCアッセイ

【0054】
実施例 3
固有溶解速度 (IDR):
フェノフィブリン酸の塩のIDRは、50mM クエン酸ナトリウムバッファー(pH 4.0又はpH 6.8、μ=0.155M (NaClによる))中で測定した。
塩のペレットはおよそ100 mg の化合物を ステンレス鋼製ダイ中で1300ポンド未満の力で1分間の滞留時間で圧縮することにより調製した。錠剤を含むダイは、37℃で溶解媒体の400mLの中に沈めた。溶液をパドルで〜60rpmの速度で攪拌した。各時点で、3mLのサンプルを採取しろ過した。最初のろ液の半分を捨てた後、残りを集め上記HPLC 法で分析した。溶解媒体の総体積は各データポイントにおいて失った体積を新たなバッファーを37℃で補充することにより一定に維持した。
【0055】
表4

*IDRの単位はmg/min/cm2である; IDRはpH 6.8で測定した。
【0056】
表5

【0057】
表6

【0058】
出願人はフェノフィブリン酸塩製剤の崩壊時間を測定し、塩が可溶性であるほど、崩壊時間がより短いことが媒体のイオン強度により影響を受けるか確認した。崩壊時間の測定方法は実施例4に示す。フェノフィブリン酸コリン塩、アミンフェノフィブリン酸ジエタノール塩及びフェノフィブリン酸の崩壊時間を表7に示す。
【0059】
実施例4
崩壊:
崩壊時間は錠剤を加熱した(37℃)水性媒体(900 ml 0.05M KH2PO4 pH 6.0及び900 ml 0.3M KH2PO4 pH 6.0)に入れることで評価した。錠剤は続いて固定した速度で完全に崩壊するまで急速に上下させ、崩壊時間は分で記録した。
【0060】
表7

【0061】
II.フェノフィブリン酸の塩濃度
出願人らはまたフェノフィブリン酸塩の製剤内における割合が製剤の堅牢性に影響を与えることを見いだした。出願人らはフェノフィブリン酸塩又はフェノフィブリン酸の割合の異なる製剤を比較しフェノフィブリン酸塩又はフェノフィブリン酸の割合が33〜75の時に、製剤が最も堅牢であることを見いだした。出願人らは製剤I及びK(表8に示す)の堅牢性を製剤A及びB(表2に示す)と溶解媒体のイオン強度の製剤の溶解速度への影響を評価することによって比較した。図10及び11は異なる有効成分の製剤の溶解曲線を図示している。図10は32.5%の薬物を含む製剤I及びKの放出速度を示し、図11は65.5%の薬物を含む製剤A及びBの高イオン強度及び低イオン強度の溶解媒体における放出特性を示す。出願人らはフェノフィブリン酸塩製剤の溶解特性は高薬物含有量においてあまりイオン強度の影響を受けないことを見いだした。
【0062】
表8

【0063】
III. 腸溶性コーティング
出願人らは腸溶性コーティングの存在又は非存在が製剤の堅牢性に影響を与えるかどうかを評価した。出願人らはフェノフィブリン酸コリン塩の溶解特性をコーティングの有無で比較した。試験した、コーティングが有るものと無いものの製剤の組成を表9に示す。これらの錠剤は実施例6の製造方法に従って製造された。図12は0.05 M及び0.3 Mの溶解媒体中で溶解した場合の被覆、非被覆錠の溶解特性を示す。図12に示すように、被覆錠の溶解は溶解媒体のイオン強度にあまり影響を受けなかった。
【0064】
表9

【0065】
実施例 5
被覆及び非被覆錠の製造方法:
顆粒は粉末を乾燥混合した後、最適な顆粒になるまでゆっくりと水を加えることで調製した。顆粒は、続いて必要であれば追加期間の間、ひと固まりになった状態で湿らせ、次にオーブン又は流動床乾燥機で乾かした。乾燥した顆粒はフィッツミルを用いて粉砕し又はメッシュを使用して手動でふるいにかけ、ステアリン酸マグネシウムのような外部顆粒賦形剤と混合した。最終的な混合物を計量し圧縮機を用いて錠剤に打ち出した。錠剤は任意にパンコーター(pan coater)を用いてコートした。
【0066】
当業者は、本発明が対象を実施し、記載された結論と利点を得る為に適していることならびに固有であることを容易に理解するだろう。本明細書に記載された組成、製剤、方法、手順、処理、分子、特定の化合物は、現在好ましい実施例を代表し、例示的であり、本発明の範囲の制限を意図しない。本明細書に開示された発明に、本発明の範囲と趣旨から逸脱せずに様々な置換及び修正を行うことは当業者にとって容易に明らかである。
【0067】
明細書で参照されたすべての特許と刊行物は、本発明が関係する当業者の水準を示している。各刊行物が具体的かつ個別に参照として組み込まれるようにすべての特許と刊行物は参照として本明細書に組み込まれる。
【0068】
本明細書において例示的に記載された発明は、本明細書で具体的に開示しなかった任意の要素又は複数の要素、限定又は複数の限定が無くても適切に実施される。従って、例えば、本明細書の各場合において「を含む(comprising)」「基本的にからなる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」のいずれの用語も他の2つの用語のどちらかと置き換わっても良い。
採用されている用語及び表現は記載であって限定ではない用語として使用され、そのような用語及び表現は、示され又は記載された特徴及びそれらの部分のいかなる同等物を排除することを意図しないが、請求された発明の範囲内で多様な修正が可能である。従って、本発明が好ましい実施例及び任意の特徴により具体的に開示されていたとしても、本明細書に開示された概念の修正及び改変が当業者によって行われても良く、そのような修正及び改変は付属する請求項で定義されるように本発明の範囲内にあると認識されると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性ポリマーマトリックス中に有効成分を含む除放性製剤であって、有効成分がフェノフィブリン酸の塩であり、前記有効成分の水への溶解度が16.1mg/mLより高い、前記除放性製剤。
【請求項2】
前記有効成分の水への溶解度が少なくとも19.0mg/mLである、請求項1に記載の除放性製剤。
【請求項3】
親水性ポリマーマトリックス中に有効成分を含む除放性製剤であって、有効成分がフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分の固有溶解速度(IDR)がpH6.8において7.09mg/min/cm2より高い、前記除放性製剤。
【請求項4】
親水性ポリマーマトリックスがヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項1又は3に記載の除放性製剤。
【請求項5】
IDRがpH6.8において少なくとも8.05mg/min/cm2である、請求項3に記載の除放性製剤。
【請求項6】
親水性ポリマーマトリックス中に有効成分を含む除放性製剤であって、有効成分がフェノフィブリン酸の塩であり、さらに0.05M及び0.3Mの溶解媒体に溶解した場合に0.5、1、2、4、6及び8時間の時点の溶解率の差異が約25%を越えない、前記除放性製剤。
【請求項7】
製剤における有効成分の割合が33%〜75%である、請求項1に記載の除放性製剤。
【請求項8】
製剤における有効成分の割合が50%〜75%である、請求項7に記載の除放性製剤。
【請求項9】
製剤の放出速度が溶解媒体のイオン強度に実質的に依存しない、請求項7または8に記載の製剤。
【請求項10】
親水性ポリマーマトリックス中に有効成分を含む除放性製剤であって、有効成分がフェノフィブリン酸の塩であり、有効成分の崩壊時間の差異が、0.3M又は0.05Mのイオン強度の媒体中で崩壊させた場合に475分未満である、前記除放性製剤。
【請求項11】
有効成分の崩壊時間の差異が、0.3M又は0.05Mのイオン強度の媒体中で崩壊させた場合に100分未満である、前記除放性製剤。
【請求項12】
親水性ポリマーマトリックス中に有効成分を含む除放性製剤であって、有効成分がフェノフィブリン酸の塩であり、塩がコリン、エタノールアミン及びジエタノールアミンからなる群から選択され、有効成分の水への溶解度が16.1 mg/mlより高い、前記除放性製剤。
【請求項13】
親水性ポリマーマトリックスがヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項12に記載の除放性製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−506855(P2010−506855A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532610(P2009−532610)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/081267
【国際公開番号】WO2008/046052
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(507140966)アボット ラボラトリーズ (3)
【出願人】(509103554)フルニエ ラボラトリーズ アイルランド リミテッド (1)
【Fターム(参考)】