説明

半中空形材製造用押出ダイス

【課題】十分な耐久性を備え、高品質の半中空形材を製造できる半中空形材製造用押出ダイスを提供する。
【解決手段】本発明の押出ダイス1は、ダイス本体2と、ホールプレート5とを備え、ダイス本体2は、成形孔3と、トング部成形部22と、トング開口部成形部23とを有し、ホールプレート5は、成形孔上流側のウエルドチャンバ51に通じるメタルホール55を有する。ウエルドチャンバ51内において、ホールプレート5に、ダイス本体2のトング部成形部22の上流側に対応して、ダミー成形部6が設けられる。ダミー成形部6の下流側端面に嵌合凹部65が設けられるとともに、トング部成形部22の上流側端面に嵌合凸部25が設けられる。嵌合凹部65および嵌合凸部25が隙間を設けた状態で凹凸嵌合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半中空形材を押出加工により製造する際に用いられる半中空形材製造用押出ダイスおよびその関連技術に関する。
【0002】
なお本明細書において、上流および下流とは、それぞれ押出方向に対し上流および下流を意味している。
【背景技術】
【0003】
周壁に長さ方向に沿ってスリット状のトング開口部(周壁開口部)を有する断面略C字状の半中空形材を押出加工により製造するには、ソリッドダイスを用いる方法や、ホローダイスを用いる方法が周知である。
【0004】
特許文献1に示すように、ソリッドダイスは、その中央部に半中空形材を成形する成形孔が設けられている。この成形孔の内側には半中空形材の空所であるトング部を成形するトング部成形部が配置されるとともに、このトング部成形部が、半中空形材のトング開口部を成形するトング開口部成形部(片持ち支持部)にてダイス外周部に一体に繋がっている。
【0005】
また特許文献2に示すように、ホローダイスは、雌型としてのポートプレートと、雄型としてのホールプレートとの組合せからなり、両プレートのベアリング部間の隙間によって環状の成形孔が形成されるとともに、その成形孔の一部を閉塞する態様に、トング開口部成形用の架橋片が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−176536号
【特許文献2】特開昭63−16809号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示すソリッドダイスを用いて、半中空形材を製造するに際して、半中空形材のトング比が大きいような場合には、トング部成形部の片持ち支持力(トング開口部成形部の強度)が弱くなるため、押出加工中に、トング部成形部に作用する押出荷重によって、トング開口部成形部において破損を起こす可能性が高くなり、十分な耐久性を得ることが困難である、という課題があった。
【0008】
また特許文献2に示すホローダイスを用いて、半中空形材を製造する場合には、形材製品の形状を決定するベアリング部が、雌型および雄型にそれぞれ別々に設けられるため、ベアリング部同士の位置調整等が困難であり、寸法精度の高い高品質の半中空形材を製造することが困難である、という課題があった。
【0009】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、十分な耐久性を備え、高品質の半中空形材を製造することができる半中空形材製造用押出ダイスおよびその関連技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
【0011】
[1]ダイス本体と、前記ダイス本体の押出方向上流側に設けられるホールプレートとを備え、前記ダイス本体は、半中空形材を成形する成形孔と、半中空形材のトング部を成形するトング部成形部と、半中空形材のトング開口部を成形するトング開口部成形部とを有し、前記ホールプレートは、その上流側から前記押出孔上流側のウエルドチャンバにかけて押出方向に沿って貫通するメタルホールを有する半中空形材製造用押出ダイスであって、
前記ウエルドチャンバ内において、前記ホールプレートに、前記ダイス本体の前記トング部成形部の上流側に対応して、ダミー成形部が設けられ、
前記ダミー成形部の下流側端面に、嵌合凹部および嵌合凸部のうち一方側の嵌合部が形成されるとともに、前記トング部成形部の上流側端面に、他方側の嵌合部が形成され、
前記一方側嵌合部および前記他方側嵌合部が、両嵌合部間に隙間を設けた状態で凹凸嵌合されることを特徴とする半中空形材製造用押出ダイス。
【0012】
[2]前記ダミー成形部は、前記トング部成形部に対し非固定状態となっている前項1に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【0013】
[3]前記一方側嵌合部が、嵌合凹部によって構成されるとともに、前記他方側嵌合部が、嵌合凸部によって構成される前項1または2に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【0014】
[4]前記ダミー成形部の下流側端面外周および前記トング部成形部の上流側端面外周間の隙間の幅寸法が、前記嵌合凹部の内周側面および前記嵌合凸部の外周側面間の隙間の幅寸法よりも大きく形成される前項1〜3のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【0015】
[5]前記ダミー成形部の下流側端面外周および前記トング部成形部の上流側端面外周間の隙間の幅寸法が、前記成形孔の幅寸法以下に設定される前項1〜4のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【0016】
[6]前記ダミー成形部の下流側端面外周および前記トング部成形部の上流側端面外周間の隙間の幅寸法が、0.1mm以上に設定される前項1〜5のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【0017】
[7]前記嵌合凹部の内周側面および前記嵌合凸部の外周側面間の隙間の幅寸法が、0.1〜0.5mmに設定される前項1〜6のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【0018】
[8]前記ダミー成形部の下流側端面は、前記トング部成形部の上流側端面よりも面積が小さく設定されている前項1〜7のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【0019】
[9]上流側から押出方向に沿って見た正面視状態において、前記ダミー成形部の輪郭線が、前記トング部成形部の輪郭線よりも径方向内側に配置される前項1〜8のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【0020】
[10]正面視状態において、前記ダミー成形部によって前記トング部成形部の上流側端面が60〜97%隠蔽される前項1〜9のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【0021】
[11]前記ホールプレートにおける前記メタルホールは、周方向に間隔をおいて複数設けられるとともに、前記ホールプレートにおける前記複数のメタルホールによって囲まれた部分が、軸心部として構成され、
前記軸心部の下流側端部に前記ダミー成形部が設けられる前項1〜10のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【0022】
[12]押出材料を押出加工して半中空形材を製造する押出ダイスを備えた半中空形材の製造装置であって、
前記押出ダイスが、前項1〜11のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイスによって構成されることを特徴とする半中空形材の製造装置。
【0023】
[13]前項1〜11のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイスを用いて押出材料を押出加工することにより、半中空形材を製造するようにしたことを特徴とする半中空形材の製造方法。
【発明の効果】
【0024】
発明[1]の半中空形材製造用押出ダイスによれば、トング部成形部の上流側にダミー成形部が設けられるため、押出加工時に、押出材料がダミー成形部の外周側を流動することにより、押出材料がトング部成形部の主要部に圧接せず、トング部成形部に作用する押出荷重が軽減される。このため、その押出荷重によりトング開口部成形部が破損する可能性を低く抑えることができ、耐久性を向上させることができる。さらにダミー成形部およびトング部成形部との間に隙間が設けられているため、押出荷重によってホールプレートに撓みが発生して、ダミー成形部が下流側に押し込まれたとしても、ダミー成形部がトング部成形部に圧接するのを有効に防止できる。このため、トング部成形部に多大な荷重が加わることがなく、トング開口部成形部の破損を確実に防止でき、耐久性を一層向上させることができる。その上さらにダミー成形部およびトング部成形部とを凹凸嵌合しているため、両成形部間に複雑な経路の隙間が形成される。このため、その隙間に押出材料が浸入するのを防止できて、その浸入による悪影響を回避することができる。
【0025】
また本発明によれば、製品形状を決定するベアリング部がダイス本体側に集約させて形成しているため、内周側および外周側ベアリング部間の位置調整等、各ベアリング部の寸法精度や形状の管理を精度良く簡単に行うことができ、高品質の半中空形材を簡単かつ確実に製造することができる。
【0026】
発明[2]の半中空形材製造用押出ダイスによれば、押出荷重によってホールプレートに撓みが発生して、ダミー成形部が変位したとしても、その変位による悪影響がトング部成形部に及ぶようなことがなく、耐久性をより一層向上させることができる。
【0027】
発明[3]〜[7]の半中空形材製造用押出ダイスによれば、上記の効果をより確実に得ることができる。
【0028】
発明[8]〜[10]の半中空形材製造用押出ダイスによれば、所望のメタルフローを形成することができ、安定した押出加工を行えて、高品質の半中空形材をより一層確実に製造することができる。
【0029】
発明[11]の半中空形材製造用押出ダイスによれば、適切な位置にダミー成形部を確実に形成できて、上記の効果をより確実に得ることができる。
【0030】
発明[12]の半中空形材の製造装置によれば、上記と効果を得ることができる。
【0031】
発明[13]の半中空形材製造用押出ダイスによれば、上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1はこの発明の実施形態である押出ダイスが適用された押出加工装置を示す断面図である。
【図2】図2は実施形態の押出ダイスを示す断面図である。
【図3A】図3Aは実施形態の押出ダイスにおけるダミー成形部周辺を拡大して示す断面図である。
【図3B】図3Bは図3AのB−B線断面図である。
【図4】図4は実施形態の押出ダイスを分解して示す斜視図である。
【図5】図5は実施形態の押出ダイスを上流側から見た正面図である。
【図6】図6は実施形態の押出ダイスに適用されたダイス本体を上流側から見た正面図である。
【図7】図7は実施形態の押出ダイスに適用されたホールプレートを下流側から見た背面図である。
【図8】図8は実施形態の押出加工装置によって製造された半中空形材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1はこの発明の実施形態である押出ダイス1が適用された押出加工装置10を示す断面図である。同図に示すように、この押出加工装置(半中空形材の製造装置)10は、直接押出加工方式のものであり、本実施形態の押出ダイス1を始め、その他に、コンテナ11、ステム12等を具備するものである。
【0034】
この押出加工装置10において製造される半中空形材8は図8に示すように、リップ溝型(リップチャンネル状)の形状を有しており、トング比が高い略C字状の断面形状に形成されている。
【0035】
この半中空形材8の材質は、金属であり、本実施形態ではアルミニウム(その合金を含む。以下同じ)である。
【0036】
この半中空形材8は、その内側に設けられ、かつ長さ方向(押出方向E)に延びるトング部(ボイド部)82と、外周壁に設けられ、かつ長さ方向に延びるスリット状のトング開口部(周壁開口部)83とを備え、トング開口部83を介してトング部82が外部に開放されている。
【0037】
図1〜7に示すように、本実施形態の押出ダイス1は、押出方向Eに対し下流側に配置されるダイス本体2と、上流側に配置されるホールプレート5とを別体に備えている。なお後に詳述するように、ホールプレート5は、ベアリング部を備えず、ダイス(雄型)として機能するものではないが、便宜上、ダイス本体2を雌型、ホールプレート5を雄型と称する場合もある。
【0038】
押出ダイス1のダイス本体2は、その中央部に半中空形材8を成形する成形孔3が押出方向Eに貫通して設けられている。成形孔3の断面形状は、製造される半中空形材8の断面形状に対応した形状の略C字状に形成されている。
【0039】
なお本実施形態において、ダイス本体2は、成形孔3を構成する内周側ベアリング部31および外周側ベアリング部32等の全てのベアリング部がダイス本体2に設定されるものであり、ソリッドダイスとして捉えることもできる。
【0040】
ダイス本体2の成形孔3の径方向内側には、半中空形材8のトング部82を成形するトング部成形部22が配置されるとともに、このトング部成形部22が、半中空形材8のトング開口部83を成形するトング開口部成形部23にてダイス本体2の外周部21と一体に繋がっている。従って、トング部成形部22は、ダイス本体外周部21にトング開口部成形部23としての片持ち支持部を介して片持ち状に支持されている。なおトング開口部成形部23は、トング部成形部22の基端くびれ部として捉えることもできる。
【0041】
トング部成形部22の断面形状(正面形状)は、半中空形材8のトング部82の断面形状に対応して、コーナーの曲率半径が大きい略矩形状(四角形状)に形成されている。
【0042】
トング部成形部22の上流側端面(正面)における中央部(内周部)には、押出方向Eに対し反対方向(反押出方向)に突出する嵌合凸部25が形成されている。この嵌合凸部25の正面断面形状は、略矩形状(四角形状)に形成されている。
【0043】
トング部成形部22における正面外周221と、嵌合凸部25の先端面(正面)251とは、軸心方向(押出方向E)に対し直交する平坦面に形成されている。さらに嵌合凸部25の外周側面252は、軸心方向と平行な面(円筒面)に形成されている。
【0044】
またダイス本体2の上流側端面(正面)における外周縁部には、上流側に突出する嵌合凸縁部29が周方向(軸心回りの方向)に連続して形成されている。
【0045】
一方、ホールプレート5は、下流側(背面側)の内部にウエルドチャンバ51を備え、このウエルドチャンバ51が下流側に開放されている。さらにホールプレート5には、上流側端部がホールプレート5の上流側端面(正面)に開口し、下流側端部が上記ウエルドチャンバ51に開口するメタルホール55が形成されている。メタルホール55の断面形状(正面視形状)は、略1/4円形に形成されており、このメタルホール55が周方向に等間隔おきに4つ形成されている。
【0046】
4つのメタルホール55の各間の領域は、ブリッジ53…として構成されており、隣合うメタルホール55,55がブリッジ53によって仕切られている。
【0047】
ホールプレート5における4つの各メタルホール55によって囲まれた部分は、軸心に沿って配置される軸心部50として構成されている。この軸心部50における下流側端部には、下流側方向に向けて突出する突出部61が設けられるとともに、この突出部61の先端(下流側端部)が、背面視状態において矩形状のダミー成形部6として形成されている。このダミー成形部6は、ダイス本体2のトング部成形部22に位置的に対応しており、トング部成形部22に対向した状態に配置されるとともに、後に詳述するように、トング部成形部22に対し略相似形に形成されている。
【0048】
ここで、このダミー成形部6を備えた本実施形態のホールプレート5と、周知のポートホールダイス(ホローダイス)のホールプレートとを比較した場合、本実施形態のダミー成形部6は、周知のホールプレートにおける雄型ダイス(マンドレル)と同じ位置に配置されるものではあるが、半中空形材8の製品形状を決定するベアリング部(内周側ベアリング部)を有するものではなく、内周ベアリング部としてのトング部成形部22とは別体に形成されている。つまり、このダミー成形部6は、雄型ダイスの位置に配置されるものの、雄型ダイスとして機能することはないため、雄型ダイスのダミーとして捉えることができる。
【0049】
なお本実施形態のダミー成形部6は、後に詳述するように、押出加工時において、主として、押出材料81の流れ(メタルフロー)を制御して、トング部成形部22への圧力を調整するものであり、流動制御部や圧力制御部と称するようにしても良い。
【0050】
ダミー成形部6の外周断面形状(背面外周形状)は、ダイス本体2のトング部成形部22の外周断面形状(正面外周形状)に対応して、コーナーの曲率半径が大きい略矩形状(四角形状)に形成されている。
【0051】
ダミー成形部6の下流側端面(先端面、背面)には、ダイス本体2のトング部成形部22における嵌合凸部25に対応して、嵌合凹部65が形成されている。
【0052】
この嵌合凹部65は、正面視状態において、嵌合凸部25に対し略相似形、つまり嵌合凸部25よりも一回り大きく、かつその嵌合凸部25と同様の矩形状(四角形状)に形成されており、嵌合凸部25をほぼ適合状態に挿入可能に構成されている。
【0053】
ダミー成形部6の背面外周601と、嵌合凹部65の底面651とは、軸心方向(押出方向E)に対し直交する平坦面に形成されている。さらに嵌合凹部65の内周側面652は、軸心方向と平行な面に形成されている。
【0054】
さらにこのダミー成形部6は、正面視状態において、トング部成形部22に対し一回り小さく形成されている。具体的には、正面視または背面視の状態において、トング部成形部22の上流側端面(正面)の面積に対し、ダミー成形部6の下流側端面(背面)の面積の割合(百分率)、換言すれば、ダミー成形部6の背面によりトング部成形部22の正面が隠蔽される割合(隠蔽率)が、60〜97%に設定するのが良く、より好ましくは75〜95%に設定するのが良い。すなわちこのダミー成形部6によるトング部成形部22の隠蔽率が、小さ過ぎる場合には、後述するように、押出加工時におけるトング部成形部22への押出荷重を十分に軽減させることができず、押出荷重によりトング開口部成形部23が破損する可能性が高くなり、耐久性の低下を来すおそれがある。逆にダミー成形部6による隠蔽率が、大き過ぎる場合には、後述するように、押出加工時におけるメタルフローを適切に制御することが困難になり、安定した押出加工を行うことが困難になるおそれがある。
【0055】
もっとも本発明においては、トング部成形部22の圧力軽減効果のみを重要視する場合には、ダミー成形部6によるトング部成形部22の隠蔽率を100%以上に、つまりダミー成形部6の背面形状を、トング部成形部22の正面形状よりも大きく形成するようにしても良い。さらに隠蔽率を105%以上にすれば、圧力軽減効果は、より一層高くなる。
【0056】
なお、本実施形態において、ダミー成形部6の背面(下流側端面)という場合、嵌合凹部65の領域も含まれるものであり、ダミー成形部6の輪郭線で囲まれる部分の全域である。従ってダミー成形部6の背面の面積は、正面視または裏面視において、輪郭線で囲まれる部分の面積となる。同様に、トング部成形部22の正面(上流側端面)という場合、嵌合凸部65の領域も含まれるものであり、トング部成形部22の輪郭線で囲まれる部分の全域である。従ってトング部成形部22の正面の面積は、正面視または裏面視において、輪郭線で囲まれる部分の面積となる。
【0057】
ここで図6に示すように、本実施形態において、トング部成形部22とトング開口部成形部23との境界線は、成形孔3の内周側ベアリング部31の両端部を結ぶ仮想の直線Lによって構成されている。従ってこの仮想の直線Lと、内周側ベアリング部31とによって、トング部成形部22の輪郭線(外周形状)が特定されるとともに、その輪郭線によって囲まれる領域がトング部成形部22の領域となり、この領域の面積がトング部成形部22の正面の面積と等しくなる。
【0058】
さらに図6に示すように、トング長さ(仮想直線Lの長さ)を「W」、トング部成形部22の正面面積を「St」としたとき、トング比Tは、(トング部成形部正面面積St)/(トング長さW)で求められる。そして本発明は、トング比Tが4以上(T≧4)の高トング比の押出ダイスに好適に採用することができる。
【0059】
また本実施形態において、ダミー成形部6における背面の輪郭線と、トング部成形部22における正面の輪郭線との間隔は、全周にわたって一定の距離に設定されて、ダミー成形部6の背面形状(外周形状)は、トング部成形部22の正面形状(外周形状)に対し略相似形に形成されている。具体的には、正面視状態において、ダミー成形部6の外周形状は、トング部成形部22の輪郭線(成形孔3の内周側ベアリング部31)を基点列としたとき、その基点列の各基点を中心とする各等距離円の集合体における内側の輪郭線によって構成される形状となる。つまりダミー成形部6の外周形状は、トング部成形部22の輪郭線を基線とする等距離線によって構成される形状となっている。
【0060】
さらにダミー成形部6の背面外周と、トング部成形部22の正面外周とは略平行に配置されている。
【0061】
またホールプレート5の下流側端面(背面)における外周縁部には、上記ダイス本体2の嵌合凸縁部29に対応して、嵌合凹段部59が周方向に連続して形成されている。
【0062】
そしてこの構成のホールプレート5の嵌合凹段部59内に、上記ダイス本体2の嵌合凸縁部29が嵌合されるとともに、ダミー成形部6の嵌合凹部65内に、トング部成形部22の嵌合凸部25が嵌合されるようにして、ダイス本体2とホールプレート5とが組み合わされて、本実施形態の押出ダイス1が製作される。
【0063】
図3Aおよび図3Bに示すように、こうして組み立てられた本実施形態の押出ダイス1においては、ホールプレート5におけるダミー成形部6と、ダイス本体2におけるトング部成形部22との間に隙間20が形成されている。具体的には、ダミー成形部6の背面外周601と、トング部成形部22の正面外周221との間に、軸心方向(押出方向E)に離間する第1隙間20aが形成され、ダミー成形部6の凹部内周側面652と、トング部成形部22の凸部外周側面252との間に、径方向に離間する第2隙間20bが形成され、ダミー成形部6の凹部底面651と、トング部成形部22の凸部先端面251との間に、軸心方向に離間する第3隙間20cが形成されている。
【0064】
本実施形態において、第1隙間20aの幅寸法を「Sa」、第2隙間20bの幅寸法を「Sb」、第3隙間20cの幅寸法を「Sc」、成形孔3の幅寸法(ベアリング幅)を「S1」としたとき、第1隙間寸法Saよりも第2隙間寸法Sbを狭く、つまり「Sa」>「Sb」の関係を成立させるのが良い。
【0065】
ここで、隙間20a〜20bは、後述するように押出材料(メタル)81の浸入を防止できるように狭く設定するのが良いが、仮に第1隙間寸法Saが狭過ぎる場合には、押出加工時にホールプレート5に加わる押出荷重によって、ホールプレート5が撓んだ際に、ホールプレート5のダミー成形部6の背面外周601が、ダイス本体2のトング部成形部22の正面外周221に圧接し、トング部成形部22に大きな荷重が加わって、その荷重によってトング開口部成形部23が破損する可能性が高くなるおそれがある。ところが、第2隙間20bは、押出方向Eに対し直交する径方向に離間しているため、ホールプレート5に押出方向Eの荷重(押出荷重)が加わって撓んだとしても、ダミー成形部6は押出方向Eに移動するので、ダミー成形部6の凹部内周側面652が、トング部成形部22の凸部外周側面222に干渉することはない。このため、第2隙間寸法Sbを狭く設定しようとも、押出加工時の撓みによる悪影響を受けることがないため、第2隙間寸法Sbを第1隙間寸法Saよりも狭く設定でき、それによって、隙間20a〜20cへの押出材料81の浸入を有効に防止することができる。
【0066】
具体的には、第2隙間寸法Sbを、0.1〜0.5mmに設定することにより、凸部内周側面652と凸部外周側面222との間の干渉を防止しつつ、押出材料81の浸入も確実に防止することができる。
【0067】
また本実施形態において、第1隙間寸法Saの下限値は、0.1mmに設定するのが良く、第1隙間寸法Saの上限値は、成形孔寸法S1と同等、より好ましくは成形孔寸法S1の半分以下に設定するのが良い。つまり0.1mm≦「Sa」≦「S1」、より好ましくは「Sa」≦「S1×1/2」の関係が成立するように構成するのが良い。なお言うまでもなく、成形孔3の幅寸法(ベアリング幅)S1は、半中空形材8の厚み(肉厚)寸法と等しくなる。
【0068】
ここで、第1隙間寸法Saが狭過ぎる場合には、既述したように、押出加工時のホールプレート5の撓みによりダミー成形部6がトング部成形部22に圧接し、トング部成形部22に大きな荷重が加わって、トング開口部成形部23が破損する可能性が高くなるおそれがある。逆に第1隙間寸法Saが広過ぎる場合、押出材料81が第1隙間20aに浸入し易くなる。この隙間20aに押出材料81が浸入して押出材料81をかみ込んでしまうと、押出荷重によってホールプレート5が撓んだ際に、ダミー成形部6が押出材料81を介してトング部成形部22を押圧し、トング部成形部22が撓んでトング開口部成形部23が破損する可能性が高くなるおそれがある。
【0069】
また本実施形態において、第3隙間寸法Scは、第1隙間寸法Sa以上、好ましくは第1隙間寸法Saと同程度、つまり「Sa≦Sc」、好ましくは「Sa≒Sc」の関係を成立させるのが良い。すなわち第3隙間寸法Scが狭過ぎる場合には、上記と同様に、押出加工時のホールプレート5が撓んだ際に、ダミー成形部6がトング部成形部22に圧接して、トング部成形部22に過大な荷重が加わるおそれがある。
【0070】
具体的には、第1隙間寸法Saおよび第3隙間寸法Scを、0.5〜4mmに設定するのが良い。
【0071】
また本実施形態の押出ダイス1においては、ダミー成形部6とトング部成形部22とは、ボルトやねじ等で機械的に連結固定されることはなく、ダミー成形部6とトング部成形部22とは、非連結状態ないし非固定状態、つまり互いに連係されることのないフリーな状態となっている。
【0072】
図1に示すように、本実施形態の押出ダイス1が、押出加工装置10におけるコンテナ11の下流側にダイスホルダー(図示省略)を介して保持されている。
【0073】
そしてこの押出加工装置10を用いた押出加工(半中空形材の製造方法)は、周知の押出加工方法と同様である。すなわち押出加工装置10のコンテナ11内に装填された押出材料(成形材料)81としてのアルミニウムビレットをステム12でダミーブロック13を介して押出方向Eに押し込む。これにより押出材料81が、ホールプレート5のメタルホール55から流入してウエルドチャンバ51に至り、さらにウエルドチャンバ51から成形孔3を通って成形加工される。これにより成形孔3に対応した形状の図8に示す半中空形材8が製造される。
【0074】
なお本実施形態の押出ダイス1では、ダミー成形部6とトング部成形部22との間に隙間22があり、さらにダミー成形部6はトング部成形部22に対して非固定状態となっているため、押出加工時にダミー成形部6にかかる押出荷重は、トング部成形部22で支持されず、ブリッジ53のみで支持されることになる。
【0075】
本実施形態の押出加工装置10によれば、ダイス本体2におけるトング部成形部22の上流側にダミー成形部6を配置しているため、押出加工時に、押出材料81がダミー成形部6の外周側を流動することにより、押出材料81がトング部成形部22の中心部(主要部)に圧接することがことがなく、トング部成形部22に作用する押出荷重が軽減される。このため、その押出荷重によりトング開口部成形部23が破損する可能性を低く抑えることができ、耐久性を向上させることができる。
【0076】
また本実施形態においては、ダミー成形部6をトング部成形部22に対し離間させているため、押出荷重によってホールプレート5に撓みが発生して、ダミー成形部6が下流側に押し込まれたとしても、ダミー成形部6がトング部成形部22に圧接するのを有効に防止できる。このため、トング部成形部22に多大な荷重が加わることがなく、この点からも、トング開口部成形部23の破損を確実に防止でき、耐久性を一層向上させることができる。
【0077】
その上さらに、本実施形態においては、ダミー成形部6をトング部成形部22に対し非固定状態としているため、ホールプレート5の撓みによりダミー成形部6が変位したとしても、その変位に追従してトング部成形部22が変位するようなことがなく、ダミー成形部6の変位による悪影響がトング部成形部22に及ぶようなことがない。従ってトング開口部成形部23の破損をより確実に防止でき、耐久性をより一層確実に向上させることができる。
【0078】
また本実施形態においては、ダミー成形部6およびトング部成形部22間における第1隙間20aの幅寸法Saを、上記したように成形孔3の幅寸法S1よりも狭く設定しているため、押出材料81は優先して成形孔3を通過するようになり、第1隙間20aに浸入するのを確実に防止することができる。その上さらに、第1隙間20aの内側に設けられる第2隙間20bの幅寸法Sbを、第1隙間20aよりも狭く設定しているため、たとえ第1隙間20aに押出材料81が浸入しようとも、その押出材料81が第1隙間20aから第2隙間20bに浸入するのをより確実に防止することができる。しかも、押出材料81における第2隙間20bへの浸入方向は、押出方向Eに対し逆方向(反押出方向)となるため、押出材料81が第2隙間20bに浸入するのをより一層確実に防止することができる。さらに本実施形態では、第1隙間20a、第2隙間20bおよび第3隙間20cによって、階段状の複雑な隙間経路が形成されるため、押出材料81が各隙間20a〜20cに浸入するのを、なお一層確実に防止することができる。
【0079】
このように本実施形態においては、ダミー成形部22およびトング部成形部22間における隙間20a〜20cに、押出材料81が浸入するのを確実に防止できるため、上記したようように、押出材料81が隙間20a〜20cに浸入することによる不具合を確実に防止することができ、安定した押出加工を長期間継続して行うことができる。
【0080】
また本実施形態においては、内周側ベアリング部31や外周側ベアリング部32等、製品形状を決定するベアリング部をダイス本体2側にのみ形成しているため、一般的なホローダイスのように、内周側ベアリング部と外周側ベアリング部とが、雄型(ホールプレート)と雌型(ポートプレート)とに分散して形成されるものと比較して、寸法精度に優れた半中空形材8を製造することができる。
【0081】
すなわち、ベアリング部が雄型および雌型に分散して形成されていると、各ベアリング部の寸法精度や形状の維持・管理、例えば内周側および外周側ベアリング部間の位置関係の調整(ベアリング幅の調整)等が面倒となり、高い寸法精度を維持できず、高品質の半中空形材を製造することが困難になるおそれがある。
【0082】
これに対し、本実施形態においては、ベアリング部31,32をダイス本体2側に集約させているため、ベアリング部31,32間の位置調整等の各ベアリング部31,32の寸法精度や形状の維持・管理を精度良く簡単に行うことができ、高い寸法精度を維持できて、高品質の半中空形材を簡単かつ確実に製造することができる。
【0083】
また本実施形態においては、ダミー成形部6の外周形状をトング部成形部22の外周形状よりも一回り小さく形成しているため、ダミー成形部6の外周面近傍を流動する押出材料81は、トング部成形部22の外周部に圧接しその外周部にガイドされて、径方向外側(外径方向)への流れとなって、成形孔3に流入される。その一方、ウエルドチャンバ51の周壁面近傍を流動する押出材料81は、ダイス本体2の外周部21に圧接しその外周部21にガイドされて、径方向内側(内径方向)への流れとなって、成形孔3に流入される。このように押出材料81が、内径方向および外径方向の両側から成形孔3に流入されるという所望の理想的な押出材料81の流れ(メタルフロー)を形成することができ、安定した押出加工をスムーズに行えて、高品質の半中空形材製品をより一層確実に製造することができる。
【0084】
特に本実施形態においては、ダミー成形部6の外周形状は、トング部成形部22の輪郭線を基線とする等距離線によって構成される形状としているため、周方向全域において、押出材料81が径方向内側から外側へとスムーズに流動して成形孔3に流入させることができ、上記理想的なメタルフローをより確実に実現させることができ、より一層高品質の半中空形材製品をより確実に製造することができる。
【0085】
なお本発明は、上記実施形態に示したものであることに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々に変更可能である。
【0086】
また上記実施形態では、押出材料(半中空形材)の材質として、アルミニウムを例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明は、アルミニウム以外の金属を用いることもできる。
【0087】
さらに本発明においては、ホールプレート5のメタルホール55の数や形状は、上記実施形態のものだけに限定されるものではない。
【0088】
また上記実施形態では、ダミー成形部6の嵌合凹部65の背面形状およびトング部成形部22の嵌合凸部225の先端面形状を、正面視において、矩形状(四角形状)に形成しているが、それだけに限られず、本発明においては、他の形状、例えば円形、楕円形、長円形、三角形、五角形以上の多角形、およびこれらの組み合わせた形状等に形成するようにしても良い。さらに嵌合凸部の形状と嵌合凹部との形状を異なる形状に形成しても良い。要は、凹凸嵌合できる構造であればどのような形状にしても良い。
【0089】
もっとも本発明においては、メタルフローをスムーズに行えるように、嵌合凹部の背面形状および嵌合凸部の先端面形状を、トング部成形部22の輪郭線を基線とする等距離線によって構成される形状に、換言すれば、嵌合凹部の背面形状および嵌合凸部の先端面形状を、トング部成形部22の外周形状に対し略相似形に形成するのが好ましい。
【0090】
また上記実施形態においては、嵌合凸部をダイス本体のトング部成形部に形成するとともに、嵌合凹部をホールプレートのダミー成形部に形成するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、嵌合凸部をダミー成形部に形成するとともに、嵌合凸部をトング部成形部に形成するようにしても良い。
【0091】
また上記実施形態では、ウエルドチャンバ51がホールプレート5に設けられた押出ダイスを例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、ウエルドチャンバをダイス本体側に形成していも良いし、ホールプレートおよびダイス本体の双方に跨がるように形成しても良い。要はウエルドチャンバは、ホールプレートおよびダイス本体の少なくともいずれか一方に設けられていれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0092】
この発明は、半中空形材を押出加工により製造する際に用いられる押出ダイス等に適用可能である。
【符号の説明】
【0093】
1:押出ダイス
10:押出加工装置
2:ダイス本体
20,20a〜20c:隙間
22:トング部成形部
22:正面外周
23:トング開口部成形部
25:嵌合凸部
251:凸部先端面
252:凸部外周側面
3:成形孔
5:ホールプレート
50:軸心部
51:ウエルドチャンバ
55:メタルホール
6:ダミー成形部
601:背面外周
65:嵌合凹部
651:凹部底面
652:凹部内周側面
8:半中空形材
81:押出材料
82:トング部
83:トング開口部
E:押出方向
S1:成形孔の幅寸法
Sa〜Sc:隙間の幅寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイス本体と、前記ダイス本体の押出方向上流側に設けられるホールプレートとを備え、前記ダイス本体は、半中空形材を成形する成形孔と、半中空形材のトング部を成形するトング部成形部と、半中空形材のトング開口部を成形するトング開口部成形部とを有し、前記ホールプレートは、その上流側から前記押出孔上流側のウエルドチャンバにかけて押出方向に沿って貫通するメタルホールを有する半中空形材製造用押出ダイスであって、
前記ウエルドチャンバ内において、前記ホールプレートに、前記ダイス本体の前記トング部成形部の上流側に対応して、ダミー成形部が設けられ、
前記ダミー成形部の下流側端面に、嵌合凹部および嵌合凸部のうち一方側の嵌合部が形成されるとともに、前記トング部成形部の上流側端面に、他方側の嵌合部が形成され、
前記一方側嵌合部および前記他方側嵌合部が、両嵌合部間に隙間を設けた状態で凹凸嵌合されることを特徴とする半中空形材製造用押出ダイス。
【請求項2】
前記ダミー成形部は、前記トング部成形部に対し非固定状態となっている請求項1に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【請求項3】
前記一方側嵌合部が、嵌合凹部によって構成されるとともに、前記他方側嵌合部が、嵌合凸部によって構成される請求項1または2に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【請求項4】
前記ダミー成形部の下流側端面外周および前記トング部成形部の上流側端面外周間の隙間の幅寸法が、前記嵌合凹部の内周側面および前記嵌合凸部の外周側面間の隙間の幅寸法よりも大きく形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【請求項5】
前記ダミー成形部の下流側端面外周および前記トング部成形部の上流側端面外周間の隙間の幅寸法が、前記成形孔の幅寸法以下に設定される請求項1〜4のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【請求項6】
前記ダミー成形部の下流側端面外周および前記トング部成形部の上流側端面外周間の隙間の幅寸法が、0.1mm以上に設定される請求項1〜5のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【請求項7】
前記嵌合凹部の内周側面および前記嵌合凸部の外周側面間の隙間の幅寸法が、0.1〜0.5mmに設定される請求項1〜6のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【請求項8】
前記ダミー成形部の下流側端面は、前記トング部成形部の上流側端面よりも面積が小さく設定されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【請求項9】
上流側から押出方向に沿って見た正面視状態において、前記ダミー成形部の輪郭線が、前記トング部成形部の輪郭線よりも径方向内側に配置される請求項1〜8のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【請求項10】
正面視状態において、前記ダミー成形部によって前記トング部成形部の上流側端面が60〜97%隠蔽される請求項1〜9のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【請求項11】
前記ホールプレートにおける前記メタルホールは、周方向に間隔をおいて複数設けられるとともに、前記ホールプレートにおける前記複数のメタルホールによって囲まれた部分が、軸心部として構成され、
前記軸心部の下流側端部に前記ダミー成形部が設けられる請求項1〜10のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイス。
【請求項12】
押出材料を押出加工して半中空形材を製造する押出ダイスを備えた半中空形材の製造装置であって、
前記押出ダイスが、請求項1〜11のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイスによって構成されることを特徴とする半中空形材の製造装置。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の半中空形材製造用押出ダイスを用いて押出材料を押出加工することにより、半中空形材を製造するようにしたことを特徴とする半中空形材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−16711(P2012−16711A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154004(P2010−154004)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】