説明

半導体システム、及びその起動方法、プログラム

【課題】 半導体の接合部温度が動作保証下限温度よりも低い低温時から動作保証下限温度に達したことを早く判定して、正常起動を早く行える半導体システム、起動方法、プログラムを提供できる。
【解決手段】 半導体のパッケージ表面温度を測定する。その測定の結果に基づいて、半導体の再起動の可否を判定する。測定の結果、電源を供給前のパッケージ表面温度が第一の温度より低い状態から、電源を供給後のパッケージ表面温度が電源を供給前のパッケージ表面温度より上昇した場合に半導体を再起動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気基板に接合される半導体を起動する半導体システム、及びその起動方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気基板及び電気基板システムでは半導体が使用されている。半導体には動作保証温度範囲が規定されており、この動作保証温度範囲から外れた温度環境下では、その動作は保証されない。動作保証温度範囲から外れた低温度環境下では、電気基板と半導体との接合部温度が最低動作保証温度に達した状態で半導体を起動する必要がある。このためには、半導体の接合部温度を測定する必要があるが、接合部温度の測定は困難であり、通常は、半導体パッケージの表面温度を測定し、ここから接合部温度を換算する。図5(A)は、この換算を説明するための図であり、接合部温度の換算式は次の通りである。
【0003】
Tj=Tc+P×θjc
Tj(℃) :接合部温度
Tc(℃) :半導体パッケージ表面温度
P(W) :接合部の電力損失
θjc(℃/W) :半導体パッケージの熱抵抗
低温時に半導体を早く動作保証温度範囲に入れるための先行技術として、特許文献1がある。半導体内部に加熱回路を備え、低温時は加熱回路により半導体を温め、接合部温度が所定の温度に達したら当該半導体の動作を開始させるというものである。また、半導体外部に備えた加熱部により半導体を温め、温度測定箇所の温度が所定の温度に達したら、当該半導体の動作を開始させるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−258216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、温度測定箇所と接合部温度の関係について説明が記載されていない。一般的に、温度測定箇所である半導体パッケージ表面温度(Tc)は接合部温度に対して以下の式に従って徐々に上昇することになる。
【0006】
Tc=(T1−T2−P×θjc)(1−exp-kt)+T2
T1(℃) :半導体接合部(ジャンクション)の飽和温度
T2(℃) :半導体周囲温度
P(W) :半導体の電力損失
θjc(℃/W) :半導体パッケージの熱抵抗
k :熱伝達係数
t :時間
即ち、半導体接合部が所定の温度になったことを半導体パッケージ表面温度で判定する場合、半導体接合部から半導体パッケージ表面への熱伝達に要する時間だけ待機しなければならない。
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、半導体の接合部温度が動作保証下限温度よりも低い低温時から動作保証下限温度に達したことを早く判定して、正常起動を早く行える半導体システム、起動方法、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明による半導体システムは以下の構成を備える。即ち、
電気基板と、該電気基板に接合される半導体を備える半導体システムであって、
前記半導体のパッケージ表面温度を測定する温度測定手段と、
前記半導体に電源を供給する電源供給手段と、
前記温度測定手段の測定の結果に基づいて、前記半導体の再起動の可否を判定する再起動判定手段とを備え、
前記再起動判定手段は、前記温度測定手段の測定の結果、前記電源を供給前の前記パッケージ表面温度が第一の温度より低い状態から、前記電源を供給後のパッケージ表面温度が前記電源を供給前のパッケージ表面温度より上昇した場合に前記半導体を再起動する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、半導体の接合部温度が動作保証下限温度よりも低い低温時において、動作保証下限温度に達したことを早く判定して、正常動作開始を早く行える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態1のシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1の再起動判定部の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態2のシステムを示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態2の再起動判定部の処理を示すフローチャートである。
【図5】半導体接合部温度とパッケージ表面温度の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態1の半導体システムを示すブロック図である。
【0013】
図1において、101は半導体である。102は半導体101に供給される電源部である。103は半導体101への電源部102の供給を制御するスイッチである。電源部102とスイッチ103で電源供給部を構成している。104は温度測定用の温度検知素子であり、熱電対やサーミスタ、半導体温度センサー等で構成される。105は温度検知素子104からの信号を受けて、測定箇所の温度を測定する温度測定部である。温度検知素子104と温度測定部105で温度測定部を構成している。106は再起動判定部であり、半導体の再起動の可否を、温度測定部105での測定温度を元に判定し、その判定結果に基づいて、所定の制御フローに則ってスイッチ103を制御し、半導体101への電源の供給を制御する。
【0014】
尚、再起動判定部106は、半導体システムの各種構成要素を制御するためのCPU、半導体システムに係る各種プログラムを記憶するROM、ROMから読み出したプログラムを展開して実行するためのROM等で実現される。また、再起動判定部106は、専用のハードウェア、あるいはソフトウェア、あるいはそれらの組み合わせに基づいて実現することもできる。
【0015】
実施形態1の半導体システムの動作について、図2の再起動判定部の再起動フローチャートに従って説明する。尚、実施形態1では、半導体101(あるいはIC)の動作保証温度を−10℃〜+85℃とし、最低動作保証温度を−10℃(第一の温度)としている。また、図中の記号は以下を示している。
【0016】
Tc(℃) :半導体パッケージの表面温度
ΔTc(℃) :半導体に電源が供給されて、接合部温度Tjが上昇したと判断するための温度上昇値
Tc_NoPower(℃/W) :半導体への電源供給前のTc
まず、半導体101に電源を供給する前に半導体101のパッケージ表面温度(以下、Tc)を温度測定部105によって測定する(ステップS201)。Tcが『第一の温度(最低動作保証温度の−10℃)』以上である場合、半導体101の接合部温度(以下、Tj)も同じく−10℃以上であり、半導体101は既に正常に動作できる温度状態にある。よって、再起動判定部106は半導体101に電源を供給するためにスイッチ103をONにして、半導体101に通電する(ステップS202)。これにより、電源部102から半導体101に電源が供給され、半導体101は通常動作を行うことになる(ステップS203)。
【0017】
一方、Tcが『第一の温度(最低動作保証温度の−10℃)』よりも低い場合、この電源供給前の半導体101のTcをTc_NoPowerとして一旦保持する(ステップS204)。次に、半導体101に電源を供給するためにスイッチ103をONにして、半導体101に通電する(ステップS205)。電源を供給された半導体101の接合部では電力が消費され、Tjの温度は急激に上昇する。Tjの温度飽和には1秒とかからない。但し、Tcは、接合部と半導体101のパッケージ表面の間の熱伝導率の低いパッケージ材料の伝達時間だけ遅れて徐々に上昇し出す。これついて、図5(B)で説明する。図5(B)のTcのカーブは、以下の関係式に従って上昇する。
【0018】
Tc=(T1−T2−P×θjc)(1−exp-kt)+T2
T1(℃) :半導体接合部の飽和温度(ここでは、−2℃)
T2(℃) :半導体周囲温度(ここでは、−30℃)
P(W) :半導体の電力損失(ここでは、0.5W)
θjc(℃/W):半導体パッケージの熱抵抗(30℃/W)
k :熱伝達係数
t :時間
半導体周囲温度−30℃の環境の中で、半導体101に電源を供給する前は、T2=Tj=Tc=−30℃である。P=0.5W、θjc=30℃/Wとしたとき、Pxθjc=15℃となる。また、事前の検討結果から、半導体101に電源を供給することでTjは28℃上昇する(ΔTj=電源の供給前後のTcの飽和値の差より)ことがわかっていることから、T1=−2℃(=T2+ΔTj)となる。即ち、半導体101に電源を供給することで、Tjは動作保証温度より低い−30℃から動作保証温度である−2℃まで1秒も経たずに上昇する。この時点で、半導体101を再起動することで通常動作が行えるわけである。
【0019】
しかし、従来の方式では、Tc=−25℃(=最低動作保証温度(−10℃)−Pxθjc)になるまでの時間t1だけ待たなければならなかった。この時間は数分から数十分に相当する。この待ち時間を無くし、半導体101の正常動作を少しでも早くするため、Tcが電源供給前の温度(Tc_NoPower)より所定の温度ΔTc上昇した場合(ステップS206でYES)、Tjは最低動作保証温度に達したと判断するようにする。この場合、半導体101の電源を供給し直す(再供給する)ために、スイッチ103を一旦OFFにして、再度ONにする(ステップS207)。つまり、半導体101を再起動する。この後、半導体101はこのまま通常動作を続けることができる(ステップS203)。
【0020】
尚、電源を供給後、Tcにかかわらず半導体を再起動することも考えられるが、半導体が発熱し出したことを確認してから行うようにしている。また、所定の温度ΔTcは定数であり、実施形態1において、2℃に設定している。前述したように発熱したことを確認するためである。別の実施形態として、ΔTcを2℃以下にすることも考えられるが、温度検出のAD変換誤差等を考えると2℃程度が適切な値である。
【0021】
以上説明したように、実施形態1によれば、半導体パッケージの表面温度が電源供給前の温度(Tc_NoPower)より、動作保証温度に達したとみなせる所定の温度ΔTc上昇した場合に、接合部温度Tjが最低動作保証温度に達したと判断するようにする。これにより、半導体パッケージの表面温度が最低動作保証温度に達する前よりも早く、半導体を起動することができる。
【0022】
<実施形態2>
図3は実施形態2の半導体システムを示すブロック図である。
【0023】
図3において、101から106は図1と同一の構成要素であるため、その詳細説明は省略する。図3では、図1の構成に加えて、半導体を温めるための外部ヒーター301と、外部ヒーター301の熱を半導体101まで送るためのファン302を備えている。
【0024】
実施形態2の半導体システムの動作について、図4の再起動判定部の再起動フローチャートに従って説明する。尚、実施形態2では、半導体101(あるいはIC)の動作保証温度を−10℃〜+85℃とし、最低動作保証温度を−10℃(第一の温度)としている。また、図中の記号は以下を示している。
【0025】
Tc(℃) :半導体パッケージの表面温度
ΔTc(℃) :半導体に電源が供給されて、接合部温度Tjが上昇したと判断するための温度上昇値
Tc_NoPower(℃/W) :半導体への電源供給前のTc
ΔTj(℃) :半導体に通電することによるTjでの温度上昇値(例えば、28℃)
P(W) :半導体の電力損失(例えば、0.5W)
θjc(℃/W) :半導体パッケージの熱抵抗(例えば、30℃/W)
Pxθjc(℃) :飽和したTcとTjの温度差
まず、半導体101に電源を供給する前に半導体101のパッケージ表面温度Tcを温度測定部105によって測定する(ステップS401)。Tcが『第一の温度(最低動作保証温度の−10℃)』以上である場合、半導体101の接合部温度Tjも同じく−10℃以上であり、半導体101は既に正常に動作できる温度状態にある。よって、再起動判定部106は半導体101に電源を供給するためにスイッチ103をONにして、半導体101に通電する(ステップS402)。これにより、電源部102から半導体101に電源が供給され、半導体101は通常動作を行うことになる(ステップS403)。
【0026】
一方、Tcが『第一の温度』よりも低くかつ『第二の温度』よりも高い場合、ステップS404〜ステップS407の動作を実行する。この動作は、図2のフローチャートのステップS204〜ステップS207と同じである。
【0027】
尚、ここで、第一の温度とは、例えば、最低動作保証温度の−10℃である。
【0028】
また、第二の温度とは、最低動作保証温度(−10℃)−ΔTj(半導体に電源を供給することで上昇する接合部での温度上昇分=電源の供給前後の半導体表面の飽和温度の差分値(差分温度))である。
【0029】
Tcが『第二の温度(最低動作保証温度(−10℃)−ΔTj)』以下の場合、半導体101に電源を供給して接合部温度Tjが上昇しても接合部は最低動作保証温度の−10℃に達しない。このときは、外部ヒーター301及びファン302を用いて半導体101の周囲温度を上昇させる必要がある。
【0030】
半導体101に電源を供給した時に接合部温度が最低動作保証温度(−10℃)になる周囲温度は、『第三の温度(最低動作保証温度(−10℃)−ΔTj(28℃)+Pxθjc(15℃))』である。Pxθjcは半導体101の接合部で消費される電力(P)と半導体パッケージの熱抵抗(θjc)の積で算出られる、接合部−半導体パッケージ表面間の飽和温度の差分値(差分温度)である。
【0031】
外部ヒーター301で加熱する場合は、半導体101の外部から温めてTjを上昇させることになるため、Pxθjcの温度差分が加えられた値になる。即ち、外部ヒーター301及びファン302をONにする(ステップS408)。そして、Tcが『第三の温度(最低動作保証温度(−10℃)−ΔTj+Pxθjc)』より高くなった場合(ステップS409でYES)、半導体101に電源を供給する(ステップS410)。電源を供給することで接合部は最低動作保証温度(−10℃)に達することができるため、半導体101はこのまま通常動作を続けることができる。
【0032】
この後、Tcが『最低動作保証温度(−10℃)−Pxθjc』に達した場合(ステップS411でYES)、外部ヒーター301及びファン302をOFFにする(ステップS412)。その後、通常動作を続けることになる(ステップS403)。
【0033】
尚、所定の温度ΔTcについては実施形態1と同様に2℃に設定している。別の実施形態としてΔTcを2℃以下にすることも考えられるが、温度検出のAD変換誤差を考えると2℃程度が適切な値である。また、ステップS409において、Tcが『第三の温度(最低動作保証温度(−10℃)−ΔTj+Pxθjc)』より高くなった場合、本来であればこのTcの温度によりTjが『最低動作保証温度(−10℃)−ΔTj』に達するまで待つ必要がある。しかしながら、実施形態2では、この時間を組み入れていない。
【0034】
これは、外部ヒーター301による温度上昇が徐々に行われることを想定しているため、半導体101のパッケージ表面と接合部はほぼ同時に温まっていくとして制御しているためである。外部からの温め方で、半導体101のパッケージ表面と接合部の温まり方に差が出る場合は、この熱の伝達時間だけ待つことになる。この待ち時間はシステムの事前検討において算出しておくことになる。また、ステップS412で、外部ヒーター301をOFFにしたため、周囲温度が低い状態が継続するとTcもいずれ『最低動作保証温度(−10℃)−Pxθjc』を下回ることなる。このときは外部ヒーター301やファン302を再びONにする制御が別途必要になる。
【0035】
更に、初めは『第一の温度(最低動作保証温度(−10℃))』以上あった半導体101の接合部温度が、その後、環境温度の変化により『第一の温度(最低動作保証温度(−10℃))』以下になることもありえる。このときは、Tcの温度から事前にこれを検知して外部ヒーター301を別途制御することになる。
【0036】
実施形態2では半導体を温める外部装置として外部ヒーターとファンを記載したが、これに限定されるものではなく、ペルチェ素子や温水循環、光照射等、半導体を温める外部加熱部であれば何でもよい。
【0037】
以上、実施形態2では、半導体101の再起動に際しては電源を供給し直す(再供給する)ことで行っているが、場合によっては半導体101が備えるリセット端子へのリセット信号の再供給を制御してもよい。
【0038】
更に、半導体101の接合部温度Tjの判定のために半導体パッケージ表面温度Tcを測定しているが、これに限定されない。例えば、半導体101の接合部温度Tjと温度相関のとれる電気基板上の場所(位置)の基板温度で有れば半導体パッケージ表面温度Tcに限定されるものではない。例えば、半導体101の直下の電気基板の表面温度がある。また、半導体101の端部から指定された距離離れた位置(例えば、1mm)での電気基板の表面温度であったり、半導体101が実装されている電気基板の真裏(半導体101の裏面)の表面温度でも、事前に温度相関を取れさえすればよい。
【0039】
また、測定温度が、周りのノイズや温度検出素子の感度の高さ、測定間隔の早さ等によって敏感に変動するときは、測定温度をそのまま判定に使用するのではなく、過去の一定時間の測定値の加算平均を取るなどして平滑化した値を用いるとよい。
【0040】
以上説明したように、実施形態2によれば、実施形態1で説明した効果に加えて、環境温度の状況に応じて、外部の外部加熱部(外部ヒーターとファン)を用いて、より早く半導体を起動することが可能となる。
【0041】
尚、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述しているが、これら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0042】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気基板と、該電気基板に接合される半導体を備える半導体システムであって、
前記半導体のパッケージ表面温度を測定する温度測定手段と、
前記半導体に電源を供給する電源供給手段と、
前記温度測定手段の測定の結果に基づいて、前記半導体の再起動の可否を判定する再起動判定手段とを備え、
前記再起動判定手段は、前記温度測定手段の測定の結果、前記電源を供給前の前記パッケージ表面温度が第一の温度より低い状態から、前記電源を供給後のパッケージ表面温度が前記電源を供給前のパッケージ表面温度より上昇した場合に前記半導体を再起動する
ことを特徴とする半導体システム。
【請求項2】
電気基板と、該電気基板に接合される半導体を備える半導体システムであって、
前記半導体のパッケージ表面温度を測定する温度測定手段と、
前記半導体に電源を供給する電源供給手段と、
前記温度測定手段の測定の結果に基づいて、前記半導体の再起動の可否を判定する再起動判定手段とを備え、
前記再起動判定手段は、前記温度測定手段の測定の結果、前記電源を供給前の前記パッケージ表面温度が第一の温度より低い状態で、前記電源を供給後の前記パッケージ表面温度が前記電源を供給前のパッケージ表面温度より所定の温度だけ上昇した場合に半導体を再起動する
ことを特徴とする半導体システム。
【請求項3】
電気基板と、該電気基板に接合される半導体を備える半導体システムであって、
前記半導体のパッケージ表面温度を測定する温度測定手段と、
前記半導体に電源を供給する電源供給手段と、
前記温度測定手段の測定の結果に基づいて、前記半導体の再起動の可否を判定する再起動判定手段と、
前記半導体を外部から加熱する外部加熱手段とを備え、
前記再起動判定手段は、前記温度測定手段の測定の結果、
前記電源を供給前の前記パッケージ表面温度が第一の温度と第二の温度の間にあるときは、前記電源を供給後のパッケージ表面温度が前記電源を供給前のパッケージ表面温度より上昇した場合に前記半導体を再起動し、
前記電源を供給前のパッケージ表面温度が前記第二の温度より低いときは、前記外部加熱手段を動作させて、前記パッケージ表面温度が第三の温度より高くなった場合に前記半導体を再起動する
ことを特徴とする半導体システム。
【請求項4】
電気基板と、該電気基板に接合される半導体を備える半導体システムであって、
前記半導体のパッケージ表面温度を測定する温度測定手段と、
前記半導体に電源を供給する電源供給手段と、
前記温度測定手段の測定の結果に基づいて、前記半導体の再起動の可否を判定する再起動判定手段と、
前記半導体を外部から加熱する外部加熱手段とを備え、
前記再起動判定手段は、前記温度測定手段の測定の結果、
前記電源を供給前の前記パッケージ表面温度が第一の温度と第二の温度の間にあるときは、前記電源を供給後のパッケージ表面温度が前記電源を供給前のパッケージ表面温度より所定の温度だけ上昇したときに半導体を再起動し、
前記電源を供給前のパッケージ表面温度が前記第二の温度より低いときは、前記外部加熱手段を動作させて、前記パッケージ表面温度が第三の温度より高くなった場合に前記半導体を再起動する
ことを特徴とする半導体システム。
【請求項5】
前記第一の温度は、前記半導体の最低動作保証温度である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体システム。
【請求項6】
前記第二の温度は、前記第一の温度から、前記電源の供給前後の前記半導体と前記電気基板との接合部での飽和温度との差分温度を引いた温度である
ことを特徴とする請求項3または4に記載の半導体システム。
【請求項7】
前記第三の温度は、前記第二の温度に、前記電源を供給したときの前記半導体と前記電気基板との接合部での飽和温度と前記半導体のパッケージ表面の飽和温度との差分温度を加えた温度である
ことを特徴とする請求項3または4に記載の半導体システム。
【請求項8】
前記再起動判定手段による前記半導体の再起動は、前記半導体への電源の再供給によって実行される
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体システム。
【請求項9】
前記再起動判定手段による前記半導体の再起動は、前記半導体が備えるリセット端子へのリセット信号の再供給によって実行される
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体システム。
【請求項10】
前記温度測定手段は、前記半導体のパッケージ表面温度の測定にかえて、事前に前記半導体と前記基板との接合部の温度と相関のとれる、前記電気基板上の指定された位置の基板温度を、前記半導体のパッケージ表面温度として測定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体システム。
【請求項11】
前記基板温度は、前記半導体の直下の前記電気基板の表面温度、前記半導体の端部から指定された距離離れた位置での前記電気基板の表面温度、前記半導体が実装されている電気基板の裏面の表面温度である
ことを特徴とする請求項10に記載の半導体システム。
【請求項12】
前記再起動判定手段は、前記温度測定手段の測定の結果として、該温度測定手段でされた過去の一定時間の測定値で平滑化した値を用いる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体システム。
【請求項13】
電気基板と、該電気基板に接合される半導体を備える半導体システムを起動するための起動方法であって、
前記半導体のパッケージ表面温度を測定する温度測定工程と、
前記半導体に電源を供給する電源供給工程と、
前記温度測定工程の測定の結果に基づいて、前記半導体の再起動の可否を判定する再起動判定工程とを備え、
前記再起動判定工程は、前記温度測定工程の測定の結果、前記電源を供給前の前記パッケージ表面温度が第一の温度より低い状態から、前記電源を供給後のパッケージ表面温度が前記電源を供給前のパッケージ表面温度より上昇した場合に前記半導体を再起動する
ことを特徴とする起動方法。
【請求項14】
電気基板と、該電気基板に接合される半導体を備える半導体システムを起動するための起動方法であって、
前記半導体のパッケージ表面温度を測定する温度測定工程と、
前記半導体に電源を供給する電源供給工程と、
前記温度測定工程の測定の結果に基づいて、前記半導体の再起動の可否を判定する再起動判定工程とを備え、
前記再起動判定工程は、前記温度測定工程の測定の結果、前記電源を供給前の前記パッケージ表面温度が第一の温度より低い状態で、前記電源を供給後の前記パッケージ表面温度が前記電源を供給前のパッケージ表面温度より所定の温度だけ上昇した場合に半導体を再起動する
ことを特徴とする起動方法。
【請求項15】
電気基板と、該電気基板に接合される半導体を備える半導体システムを起動するための起動方法であって、
前記半導体のパッケージ表面温度を測定する温度測定工程と、
前記半導体に電源を供給する電源供給工程と、
前記温度測定工程の測定の結果に基づいて、前記半導体の再起動の可否を判定する再起動判定工程と、
前記半導体を外部から加熱する外部加熱工程とを備え、
前記再起動判定工程は、前記温度測定工程の測定の結果、
前記電源を供給前の前記パッケージ表面温度が第一の温度と第二の温度の間にあるときは、前記電源を供給後のパッケージ表面温度が前記電源を供給前のパッケージ表面温度より上昇した場合に前記半導体を再起動し、
前記電源を供給前のパッケージ表面温度が前記第二の温度より低いときは、前記外部加熱工程を動作させて、前記パッケージ表面温度が第三の温度より高くなった場合に前記半導体を再起動する
ことを特徴とする起動方法。
【請求項16】
電気基板と、該電気基板に接合される半導体を備える半導体システムを起動するための起動方法であって、
前記半導体のパッケージ表面温度を測定する温度測定工程と、
前記半導体に電源を供給する電源供給工程と、
前記温度測定工程の測定の結果に基づいて、前記半導体の再起動の可否を判定する再起動判定工程と、
前記半導体を外部から加熱する外部加熱工程とを備え、
前記再起動判定工程は、前記温度測定工程の測定の結果、
前記電源を供給前の前記パッケージ表面温度が第一の温度と第二の温度の間にあるときは、前記電源を供給後のパッケージ表面温度が前記電源を供給前のパッケージ表面温度より所定の温度だけ上昇したときに半導体を再起動し、
前記電源を供給前のパッケージ表面温度が前記第二の温度より低いときは、前記外部加熱工程を動作させて、前記パッケージ表面温度が第三の温度より高くなった場合に前記半導体を再起動する
ことを特徴とする起動方法。
【請求項17】
請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体システムの起動をコンピュータに機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−169555(P2012−169555A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31264(P2011−31264)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】