説明

半導体情報処理装置

【課題】ライトプロテクト機能のない不揮発性メモリを使用したメモリカードならびに情報処理装置において、不揮発性のソフトウェアライトプロテクトが可能な不揮発性メモリおよびそれを用いたシステム技術を提供する。
【解決手段】不揮発性のソフトウェアライトプロテクト機能のない書き換え可能な不揮発性メモリを用いたFlashメモリカード1であって、一括電気的消去および書き込み可能なFlashメモリ2と、電源投入時のパワーオンリセット信号を発生するリセットIC3と、これらのデバイス間のコントロールとメモリカードインタフェースとの間の制御を行うカードコントローラ4とから構成され、Flashメモリ2には、ライトプロテクトを行いたいエリアのアドレスをライトするライトプロテクト保存レジスタ5がアトリビュート領域で設定され、システムからプロテクト範囲が設定されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性メモリおよびそれを用いたシステム技術に関し、特に不揮発性のソフトウェアライトプロテクト機能のない書き換え可能な不揮発性メモリを使用したシステム、たとえば情報処理装置全般およびメモリカード全般、さらに不揮発性メモリデバイスにおいて、不揮発性のソフトウェアライトプロテクトを可能とする不揮発性メモリ、およびそれを用いたメモリカード、情報処理装置、ならびに不揮発性メモリのソフトウェアライトプロテクト制御方法に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、不揮発性メモリとしてのFlashメモリ(フラッシュEEPROM)を用い、不揮発性のソフトウェアライトプロテクト機能を有するFlashメモリカードとしては、Intel社のSeries 2+が製品化されている。これは、Intel社のFlashメモリを使用しており、消去ブロック単位でのライトプロテクト機能をFlashメモリ自体が有している。
【0003】
なお、このソフトウェアライトプロテクト機能とは、書き込み禁止スイッチなどによるハードウェアライトプロテクト機能に対する言葉で、ユーザ(システム)側がFlashメモリ領域内の書き込み禁止領域を任意に設定できるという意味でのソフトウェアであり、このソフトウェアによってライトプロテクトを行うことをソフトウェアライトプロテクトと定義することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記のようなFlashメモリカードにおいては、ライトプロテクト機能をFlashメモリ自体が有しているために、ソフトウェアライトプロテクトが可能であるが、たとえば任意のエリアでのライトプロテクト機能のないFlashメモリを用いたメモリカードにおいては、ライトプロテクトエリアの書き換え可能な不揮発性のソフトウェアライトプロテクトが不可能となっている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ライトプロテクト機能のないFlashメモリなどの不揮発性メモリを使用したメモリカードならびに情報処理装置において、不揮発性メモリ内へのライトプロテクト保存レジスタの設定によって不揮発性のソフトウェアライトプロテクトを行うことができる不揮発性メモリ、およびそれを用いたメモリカード、情報処理装置、ならびに不揮発性メモリのソフトウェアライトプロテクト制御方法を提供することにある。
【0006】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0008】
すなわち、本発明の不揮発性メモリは、不揮発性のソフトウェアライトプロテクト機能のない書き換え可能な不揮発性メモリに適用され、不揮発性のソフトウェアライトプロテクト制御を可能とするために、不揮発性メモリ内に所定の消去単位に任意のライトプロテクトエリアのアドレスを書き込むライトプロテクト保存レジスタを設定するものである。
【0009】
この場合に、ライトプロテクトエリアの設定を、不揮発性メモリの先頭から任意まで、最終から任意まで、または任意から任意までの消去単位で変更可能にしたり、また消去単位の設定を、セクタ単位またはデバイスのブロック単位で変更可能とし、たとえばFlashメモリに適用するようにしたものである。
【0010】
また、本発明のメモリカードは、前記不揮発性メモリを用いるものであり、この不揮発性メモリと、少なくとも不揮発性メモリとメモリカードインタフェースとの間の制御を行うカードコントローラとから構成するものである。
【0011】
さらに、本発明の情報処理装置は、前記不揮発性メモリを用いるものであり、この不揮発性メモリと、少なくとも中央処理装置およびその周辺装置とから構成するものである。
【0012】
また、本発明の不揮発性メモリのソフトウェアライトプロテクト制御方法は、不揮発性メモリ内のライトプロテクト保存レジスタに任意のライトプロテクトエリアのアドレスを書き込み、そのアドレスを用いてユーザ側からアクセスされたアドレスがライトプロテクトエリア内か否かを判定し、不揮発性のソフトウェアライトプロテクト制御を行うものである。
【0013】
(作用)
前記した不揮発性メモリ、およびそれを用いたメモリカード、情報処理装置、ならびに不揮発性メモリのソフトウェアライトプロテクト制御方法によれば、たとえば一括電気的消去および書き込み可能なFlashメモリの最終アドレスをライトプロテクト保存レジスタとしてアトリビュート領域で設定し、このライトプロテクト保存レジスタにライトプロテクトを行いたいエリアのアドレスをライトする。
【0014】
この場合に、このライトプロテクトエリアは、Flashメモリの機能仕様などに対応して、Flashメモリの先頭セクタ、最終セクタまたは任意のセクタからの1セクタ刻み、2セクタ刻みなどのデータ単位の512byte(4096bit)で定義されるセクタ単位、または数セクタのデータの集まりを表すデバイスのブロック単位による先頭ブロック、最終ブロックまたは任意のブロックから任意のブロックまでのブロック単位で領域可変プロテクト方式により設定することができる。
【0015】
さらに、ライトプロテクト保存レジスタにライトしたライトデータを、システム側からの入力によるハードウェアリセット、システム側からのレジスタライトによるソフトウェアリセット、あるいは電源投入時によるパワーオンリセットをカードコントローラに入れることによって、カードコントローラ内のライトプロテクトレジスタに転送する。
【0016】
そして、それ以降、ユーザ側からアクセスされたアドレスがライトプロテクトエリア内か否かをカードコントローラで判定し、この結果ライトプロテクトエリア内の場合はライトプロテクトを可能とし、一方ライトプロテクトエリア外の場合はライトプロテクトを不可能として、消去単位でのソフトウェアライトプロテクト制御を行うことができる。
【0017】
これにより、ライトプロテクト情報が不揮発性であり、かつ任意の領域でのライトプロテクトが可能となり、ソフトウェアライトプロテクト機能のないFlashメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリを使用したメモリカードならびに情報処理装置などのシステムにおいて、ライトプロテクト情報、ライトプロテクト領域内のデータの保守性を向上させることができる。
【0018】
また、任意の領域でのライトプロテクトが可能なため、メモリのソフトウェアライトプロテクトにより書き込みが禁止されている領域のプロテクトエリアと、この領域以外の書き込みが禁止されていない領域のワークエリアをシステムに合わせて設定することができ、不揮発性メモリの有効利用を可能とすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0020】
(1)不揮発性メモリ内に所定の消去単位に任意のライトプロテクトエリアのアドレスを書き込むライトプロテクト保存レジスタを設定することにより、ユーザ側からアクセスされたアドレスがライトプロテクトエリア内か否かを判定し、ライトプロテクトエリア内の場合はライトプロテクトを可能とし、一方ライトプロテクトエリア外の場合はライトプロテクトを不可能とすることができるので、消去単位でのソフトウェアライトプロテクト制御が可能となる。
【0021】
(2)前記(1)において、ライトプロテクトエリアの設定を、不揮発性メモリの先頭から任意まで、最終から任意まで、または任意から任意までの消去単位で変更可能にしたり、また消去単位の設定を、セクタ単位またはデバイスのブロック単位で変更可能とすることにより、不揮発性メモリの機能仕様に対応した良好なソフトウェアライトプロテクト制御が可能となる。
【0022】
(3)前記(1)において、Flashメモリに適用することにより、特に一括電気的消去および書き込みが可能となる。
【0023】
(4)前記(1)〜(3)により、ライトプロテクト情報を不揮発性とし、かつ任意の領域でのライトプロテクトが可能となるので、ソフトウェアライトプロテクト機能のない書き換え可能な不揮発性メモリを使用したメモリカードならびに情報処理装置などのシステムにおいて、ライトプロテクト情報、ライトプロテクト領域内データの保守性の向上が可能となる。
【0024】
(5)前記(1)〜(3)により、任意の領域でのライトプロテクトが可能となり、不揮発性メモリのプロテクトエリアとワークエリアをシステムに合わせて設定することができるので、不揮発性メモリの有効利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態1である不揮発性メモリを用いたメモリカードを示す構成図である。
【図2】実施の形態1におけるソフトウェアライトプロテクト設定のフローチャートである。
【図3】実施の形態1におけるライトプロテクト情報転送のタイムチャートである。
【図4】実施の形態1におけるライトプロテクト情報転送を説明するブロック図である。
【図5】実施の形態1におけるメモリカードのアドレスマップを示す説明図である。
【図6】実施の形態1におけるライトプロテクト制御のフローチャートである。
【図7】実施の形態1におけるライトプロテクト判定回路を示す構成図である。
【図8】実施の形態1におけるライトプロテクト制御のタイムチャートである。
【図9】実施の形態1におけるライトプロテクト制御を説明するブロック図である。
【図10】実施の形態1におけるメモリカードを用いたシステム構成図である。
【図11】本発明の実施の形態2である不揮発性メモリを用いたメモリカードを示す構成図である。
【図12】本発明の実施の形態3である不揮発性メモリを用いたメモリカードを示す構成図である。
【図13】本発明の実施の形態4である不揮発性メモリを用いたメモリカードを示す構成図である。
【図14】本発明の実施の形態5である不揮発性メモリを用いたメモリカードを示す構成図である。
【図15】本発明の実施の形態6である不揮発性メモリを用いたメモリカードにおけるライトプロテクト制御のフローチャートである。
【図16】実施の形態6におけるライトプロテクト制御のタイムチャートである。
【図17】本発明の実施の形態7である不揮発性メモリを用いた半導体メモリを示す構成図である。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態である不揮発性メモリを用いたメモリカードを示す構成図、図2は本実施の形態におけるソフトウェアライトプロテクト設定のフローチャート、図3はライトプロテクト情報転送のタイムチャート、図4はライトプロテクト情報転送を説明するブロック図、図5はメモリカードのアドレスマップを示す説明図、図6はライトプロテクト制御のフローチャート、図7はライトプロテクト判定回路を示す構成図、図8はライトプロテクト制御のタイムチャート、図9はライトプロテクト制御を説明するブロック図、図10は本実施の形態のメモリカードを用いたシステム構成図である。
【0028】
まず、図1により本実施の形態の不揮発性メモリを用いたメモリカードの構成を説明する。
【0029】
本実施の形態のメモリカードは、たとえば不揮発性のソフトウェアライトプロテクト機能のない書き換え可能な不揮発性メモリを用いたFlashメモリカード1とされ、一括電気的消去および書き込み可能なFlashメモリ(不揮発性メモリ)2と、電源投入時のパワーオンリセット信号を発生するリセットIC3と、これらのデバイス間のコントロールとメモリカードインタフェースとの間の制御を行うカードコントローラ4とから構成されている。
【0030】
本実施の形態において、Flashメモリカード1に搭載されるFlashメモリ2には、たとえばこのFlashメモリ2のメモリ空間を意味するコモンFlashエリアの最終チップ、データ単位(512byte)である最終セクタ内に、ライトプロテクトを行いたいエリアのアドレスをライトするライトプロテクト保存レジスタ(WP保存Reg)5がアトリビュート領域で設定され、システムからプロテクト範囲(プロテクトエンドセクタ)の設定が可能となっている。
【0031】
このアトリビュート領域とは、Flashメモリカード1の識別情報と、ハードウェアの構成やFlashメモリカード1をシステムのアドレス空間のどこに割り当てるかなどを示すコンフィギュレーション情報を記憶するメモリ領域を表すものである。
【0032】
そして、このライトプロテクト保存レジスタ5によるライトプロテクト範囲が、たとえばコモンFlashエリアの先頭(0)セクタから(最終−1)セクタまでの任意のセクタまでとして可変プロテクト方式で設定され、これはFlashメモリ2の消去単位がセクタ単位(512byte)であることによるものである。この消去単位は、Flashメモリ2の機能仕様に対応して設定される。
【0033】
カードコントローラ4には、電源投入時に行われるリセットのパワーオンリセット、Flashメモリカード1を使用するシステム側からのリセット信号によるハードウェアリセット、このカードコントローラ4に設定されるソフトリセットレジスタにシステム側が書き込むことにより行われるソフトウェアリセットを行うことによって、Flashメモリ2のライトプロテクト保存レジスタ5から転送されるライトデータを格納するライトプロテクトレジスタ(WPReg)6が設定されている。
【0034】
次に、本実施の形態の作用について、始めにライトプロテクト設定の手順を図2に基づいて図1を参照しながら説明する。なお、このライトプロテクト設定の制御、さらに後述するライトプロテクト情報の転送制御、ライトプロテクト制御などの各制御は、カードコントローラ4を構成する論理素子による論理回路により行われている。
【0035】
まず、Flashメモリカード1に搭載されたFlashメモリ2の最終チップ、最終セクタをライトプロテクト保存レジスタ5として設定する。このレジスタ5はアトリビュート領域に属し、このレジスタ5にライトプロテクトエンドアドレスをライトしてライトプロテクト範囲を設定する(ステップ201)。
【0036】
このFlashメモリ2の最終チップ、最終セクタのライトプロテクト保存レジスタ5は、Flashメモリ2内にあるために、この情報を書き換えるか、またはFlashメモリ2が破壊される以外は不揮発性の情報として保持することができる。
【0037】
さらに、ライトプロテクト保存レジスタ5にライトされた情報を転送するために、電源投入時によるパワーオンリセット、システム側からの入力によるハードウェアリセット、あるいはシステム側からのレジスタライトによるソフトウェアリセットを入れる(ステップ202〜204)。
【0038】
これによって、ライトされた情報を、カードコントローラ4内に設定されたライトプロテクトレジスタ6に転送し、ソフトウェアライトプロテクト設定を完了することができる(ステップ205,206)。
【0039】
そして、ライトプロテクトレジスタ6にライトプロテクト情報が転送された後、システム側からアクセスされたアドレスとライトプロテクトレジスタ6に書き込まれたライトプロテクトエンドアドレスとを比較し、この比較結果に応じてライトプロテクト制御を行うことができる。
【0040】
続いて、ライトプロテクト情報の転送について、図3のタイムチャートに基づいて図4を参照しながら説明する。
【0041】
始めに、図4に示すように、カードコントローラ4には、ライトプロテクトレジスタ6の他に、ライトプロテクト情報転送機能として、パワーオンリセット、ハードウェアリセット、ソフトウェアリセットによるリセットパルスを用いて転送用の信号を発生させるリセット部7、Flashメモリ2への書き込み、読み出しを行う際にアドレスを発生させるアドレス制御部8、チップイネーブル信号、アウトプットイネーブル信号を発生させるFlashメモリコントロール信号発生部9、カードコントローラ4内に設定するレジスタの初期化や、ソフトウェアリセットによるリセットパルスを発生させるソフトウェアリセットレジスタ10、およびレジスタの制御を行うレジスタコントロール部11が設けられている。
【0042】
そして、まずFlashメモリ2内のライトプロテクト保存レジスタ5にライトプロテクトエンドアドレスをライトした後、たとえばハードウェアリセット時には、システム側からのリセット部7に入力されるリセットパルスを用いて、カードコントローラ4内において以下のような転送用の信号を発生させる。
【0043】
すなわち、カードコントローラ4内において、アドレス制御部8ではリセット部7からの信号をもとにライトプロテクト保存レジスタ5のアドレス信号(Adr)を発生させる。また、Flashメモリコントロール信号発生部9においては、リセット部7からの信号をもとに、チップイネーブル信号(/CE)、アウトプットイネーブル信号(/OE)を発生(ロウレベル)させる。
【0044】
そして、これらの発生されたライトプロテクト保存レジスタのアドレス信号、チップイネーブル信号、アウトプットイネーブル信号により、読み出されたライトプロテクト情報をカードコントローラ4内のライトプロテクトレジスタ6にラッチするためのラッチ信号を発生させる。
【0045】
これによって、ハードウェアリセット時において、Flashメモリ2のライトプロテクト保存レジスタ5から読み出されたライトプロテクト情報を、カードコントローラ4内のライトプロテクトレジスタ6に転送してラッチすることができる。
【0046】
また、ソフトウェアリセット時には、システム側からのレジスタライトにおけるアドレスコントロール信号を用いて、カードコントローラ4内のレジスタコントロール部11から発生されるライト信号をソフトウェアリセットレジスタ10に入力して、“1”をライトした後に“0”のライトを行ってソフトウェアリセットパルスを発生させる。
【0047】
そして、そのソフトウェアリセットパルスをリセット部7に入力し、カードコントローラ4内において、ハードウェアリセット時と同様にして転送用の信号を発生させて、ライトプロテクト保存レジスタ5からライトプロテクトレジスタ6にライトプロテクト情報を転送することができる。
【0048】
さらに、パワーオンリセット時には、Flashメモリカード1の電源が投入されると、リセットIC3によりパワーオンリセットパルスを発生させ、それをリセット部7に入力し、カードコントローラ4内において、ハードウェアリセット時と同様にして転送用の信号を発生させて、ライトプロテクト保存レジスタ5からライトプロテクトレジスタ6へのライトプロテクト情報の転送を可能とすることができる。
【0049】
続いて、ライトプロテクト制御について、図6のフローに基づいて、図5、図7〜図9を参照しながら説明する。
【0050】
始めに、Flashメモリカード1は、図5に示すようなアドレスマッピングになっており、ライトプロテクト保存レジスタ5はコモンFlash領域の最終チップ、最終セクタ内に設定されているため、そのセクタはアトリビュート領域に属し、よってコモンFlash領域としてはアクセス不可能となっている。
【0051】
また、カードコントローラ4には、ライトプロテクト制御機能として、図9に示すように、システム側がFlashメモリカード1にアクセスしたアドレスがライトプロテクト領域内か否かを判定するライトプロテクト領域判定部12、およびFlashメモリ2への書き込みデータの制御を行うデータ制御部13が設けられ、このライトプロテクト領域判定部12において、セクタアドレスとプロテクトエンドセクタアドレスとが比較され、データ制御部13にライトプロテクト制御を行うプロテクト信号が転送されるようになっている。
【0052】
すなわち、ライトプロテクト領域判定部12には、図7に示すように、セクタアドレスと、セクタアドレスの上位8bitを格納するライトプロテクトアッパーレジスタ(WPUReg)、および下位8bitを格納するライトプロテクトローレジスタ(WPLReg)のライトプロテクトレジスタ6に格納されたプロテクトエンドセクタアドレスとを比較する大小判別回路14が設けられ、プロテクト信号が発生される。
【0053】
そして、まずソフトウェアライトプロテクトの設定後、システム側からコモンFlash領域へのライトアクセス(/CE,/WE)がFlashメモリカード1に対して発生されると、カードコントローラ4内のライトプロテクト領域判定部12において、ライトプロテクトレジスタ6のプロテクトエンドアドレスとシステム側からアクセスされたセクタアドレスとを比較する(ステップ601,602)。
【0054】
その結果、たとえば(Flashメモリ2のライト時のセクタアドレス)≦(ライトプロテクトレジスタ6のプロテクトエンドセクタアドレス)であれば、ライトプロテクト範囲内と判断し、ライトプロテクト領域判定部12よりライトプロテクト信号を発生させ、それをデータ制御部13に入力し、データ制御部13において、Flashメモリ2へのライトデータをリセットコマンドもしくは無効コマンドにし、Flashメモリ2へライトする(ステップ603,604)。
【0055】
このリセットコマンドは、書き込みセットアップ状態をリセットするコマンドであり、また無効コマンドは、予め設定されているコマンド以外のコマンドを表し、これらのコマンドはライトプロテクトのときに用いられる。
【0056】
一方、(Flashメモリ2のライト時のセクタアドレス)>(ライトプロテクトレジスタ6のプロテクトエンドセクタアドレス)であれば、ライトプロテクト範囲外と判断し、正常ライトとしてライトデータをそのままFlashメモリ2にライトする(ステップ603,605)。
【0057】
これにより、ライト時にアクセスしたアドレスに対してライトプロテクト範囲内か否かを判定し、ライトプロテクト範囲内の場合はライトプロテクトを可能とし、一方ライトプロテクト範囲外の場合は、ライトプロテクトを不可能として正常ライトを可能とすることができる。
【0058】
以上のように構成されるFlashメモリカード1は、たとえば図10に示すような情報処理装置などのシステムに適用され、Flashメモリ2を搭載したFlashメモリカード1の他に、このメモリカード1とのカードインタフェース15を介して接続されるCPU16、RAM17、ROM18、プリンタ19、ハードディスク20、フロッピー(登録商標)ディスク21などから構成されている。
【0059】
このシステムにおいては、RAM17、ROM18およびFlashメモリカード1はメモリ領域に属し、またプリンタ19、ハードディスク20およびフロッピー(登録商標)ディスク21はI/O領域に属し、よってメモリカード1へのアクセスに対して、アドレスがライトプロテクト範囲内か否かを判定することによって、システムとしてのソフトウェアライトプロテクト制御を行うことができる。
【0060】
従って、本実施の形態のFlashメモリカード1によれば、Flashメモリ2にライトプロテクト保存レジスタ5が設定され、このライトプロテクト保存レジスタ5にライトプロテクト範囲のエンドセクタアドレスが格納されることにより、ユーザ側からアクセスされたアドレスがライトプロテクト範囲内か否かを判定し、ライトプロテクト範囲内の場合はライトプロテクトを可能とし、一方ライトプロテクト範囲外の場合はライトプロテクトを不可能とし、不揮発性のソフトウェアライトプロテクト制御を任意の領域で行うことができる。
【0061】
特に、ソフトウェアライトプロテクト機能のないFlashメモリ2を使用したFlashメモリカード1ならびに情報処理装置などのシステムに良好に適用可能となり、ライトプロテクト情報、ライトプロテクト領域内のデータの保守性を高めることができ、さらにライトプロテクト範囲を任意の領域に設定し、Flashメモリ2の有効利用のために書き込み禁止領域のプロテクトエリアとそれ以外の領域のワークエリアをシステムに合わせて設定することができる。
【0062】
(実施の形態2)
図11は本発明の他の実施の形態である不揮発性メモリを用いたメモリカードを示す構成図である。
【0063】
本実施の形態のメモリカードは、実施の形態1と同様に不揮発性のソフトウェアライトプロテクト機能のない書き換え可能なFlashメモリ(不揮発性メモリ)2aを用いたFlashメモリカード1aとされ、実施の形態1との相違点は、Flashメモリ2aのライトプロテクト範囲を(最終−1)セクタから規定する点である。
【0064】
すなわち、Flashメモリ2aのライトプロテクト保存レジスタ5aに設定されるライトプロテクト範囲(プロテクトスタートセクタ)を、コモンFlashエリアの(最終−1)セクタから任意のセクタまでとして設定することができる。
【0065】
従って、本実施の形態においても、ライトプロテクトレジスタ(WPReg)6aが設定されるカードコントローラ4aの制御によって、ソフトウェアライトプロテクト機能のないFlashメモリ2aを使用したFlashメモリカード1aの不揮発性のソフトウェアライトプロテクト制御を(最終−1)セクタからの任意の領域で可能とすることができる。
【0066】
(実施の形態3)
図12は本発明のさらに他の実施の形態である不揮発性メモリを用いたメモリカードを示す構成図である。
【0067】
本実施の形態のメモリカードは、実施の形態1および2と同様に不揮発性のソフトウェアライトプロテクト機能のない書き換え可能なFlashメモリ(不揮発性メモリ)2bを用いたFlashメモリカード1bとされ、実施の形態1および2との相違点は、Flashメモリ2bのライトプロテクト範囲をスタートアドレスとエンドアドレスによる可変方式で規定する点である。
【0068】
すなわち、Flashメモリ2bのライトプロテクト保存レジスタ5bに設定されるライトプロテクト範囲(プロテクトスタートとエンドセクタ)を、コモンFlashエリアの任意のセクタから任意のセクタまでとして設定することができる。
【0069】
従って、本実施の形態においても、ライトプロテクトスタートレジスタ(WPSReg)およびライトプロテクトエンドレジスタ(WPEReg)のライトプロテクトレジスタ6bが設定されるカードコントローラ4bの制御によって、ソフトウェアライトプロテクト機能のないFlashメモリ2bを使用したFlashメモリカード1bの不揮発性のソフトウェアライトプロテクト制御を任意から任意の領域で可能とすることができる。
【0070】
(実施の形態4)
図13は本発明のさらに他の実施の形態である不揮発性メモリを用いたメモリカードを示す構成図である。
【0071】
本実施の形態のメモリカードは、実施の形態1〜3と同様に不揮発性のソフトウェアライトプロテクト機能のない書き換え可能なFlashメモリ(不揮発性メモリ)2cを用いたFlashメモリカード1cとされ、実施の形態1〜3との相違点は、Flashメモリ2cのライトプロテクト単位を2セクタ単位とする点である。
【0072】
すなわち、Flashメモリ2cの(最終−1)、最終セクタに設定されるライトプロテクト保存レジスタ5cのライトプロテクト範囲(プロテクトエンドセクタ)を、コモンFlashエリアに2セクタ単位で設定することができる。
【0073】
従って、本実施の形態においても、ライトプロテクトレジスタ(WPReg)6cが設定されるカードコントローラ4cの制御によって、ソフトウェアライトプロテクト機能のないFlashメモリ2cを使用したFlashメモリカード1cの不揮発性のソフトウェアライトプロテクト制御を2セクタ単位の領域で可能とすることができる。
【0074】
(実施の形態5)
図14は本発明のさらに他の実施の形態である不揮発性メモリを用いたメモリカードを示す構成図である。
【0075】
本実施の形態のメモリカードは、実施の形態1〜4と同様に不揮発性のソフトウェアライトプロテクト機能のない書き換え可能なFlashメモリ(不揮発性メモリ)2dを用いたFlashメモリカード1dとされ、実施の形態1〜4との相違点は、Flashメモリ2dのライトプロテクト単位をセクタ単位に限らず、デバイスの消去単位を数セクタなどの複数のデータの集まりを表すブロック単位とする点である。
【0076】
すなわち、Flashメモリ2dの最終ブロックに設定されるライトプロテクト保存レジスタ5dのライトプロテクト範囲(プロテクトエンドブロック)を、コモンFlashエリアにデバイスのブロック単位で設定することができる。
【0077】
従って、本実施の形態においても、ライトプロテクトレジスタ(WPReg)6dが設定されるカードコントローラ4dの制御によって、ソフトウェアライトプロテクト機能のないFlashメモリ2dを使用したFlashメモリカード1dの不揮発性のソフトウェアライトプロテクト制御をデバイスのブロック単位の領域で可能とすることができる。
【0078】
(実施の形態6)
図15は本発明のさらに他の実施の形態である不揮発性メモリを用いたメモリカードにおけるライトプロテクト制御のフローチャート、図16はライトプロテクト制御のタイムチャートである。
【0079】
本実施の形態のメモリカードは、実施の形態1(2〜5)と同様に構成されて、不揮発性のソフトウェアライトプロテクト機能のない書き換え可能なFlashメモリ(不揮発性メモリ)2を用いたFlashメモリカード1とされ、実施の形態1〜5との相違点は、ライトプロテクト制御をライトデータではなく、Flashメモリ2へのコントロール信号で行う点である。
【0080】
すなわち、本実施の形態においては、まずソフトウェアライトプロテクトの設定後、システム側からコモンFlash領域へのライトアクセスがFlashメモリカード1に対して発生されると、ライトプロテクトレジスタ6のプロテクトエンドアドレスとシステム側からアクセスされたセクタアドレスとを比較する(ステップ1501,1502)。
【0081】
その結果、たとえば(Flashメモリ2のライト時のセクタアドレス)≦(ライトプロテクトレジスタ6のプロテクトエンドセクタアドレス)であれば、ライトプロテクト範囲内と判断し、ライト用のライトイネーブル信号(/WE)もしくはチップイネーブル信号(/CE)のコントロール信号をネゲート(ハイレベル)したままにしてライトプロテクトする(ステップ1503,1504)。
【0082】
一方、(Flashメモリ2のライト時のセクタアドレス)>(ライトプロテクトレジスタ6のプロテクトエンドセクタアドレス)であれば、ライトプロテクト範囲外と判断し、正常ライトとしてライトデータをそのままFlashメモリ2にライトする(ステップ1503,1505)。
【0083】
従って、本実施の形態においても、ユーザ側からアクセスされたアドレスがライトプロテクト範囲内か否かを判定し、ライトプロテクト範囲内の場合はライト用のコントロール信号をネゲートしてライトプロテクトを可能とし、一方ライトプロテクト範囲外の場合はライトプロテクトを不可能とし、不揮発性のソフトウェアライトプロテクト制御を任意の領域で可能とすることができる。
【0084】
(実施の形態7)
図17は本発明のさらに他の実施の形態である不揮発性メモリを用いた半導体メモリを示す構成図である。
【0085】
本実施の形態は実施の形態1〜6と異なり、不揮発性メモリ22自体にライトプロテクトレジスタ23を持ち、さらにシステム側がアクセスしたアドレスがライトプロテクト領域内か否かを判定するライトプロテクト領域判定部24、および不揮発性メモリ22への書き込み信号および書き込みデータの制御を行うライト制御部25が設けられる半導体メモリ26とされ、ライトプロテクト領域判定部24からのプロテクト信号を用いて、ライトデータもしくはライト信号が制御され、不揮発性メモリ22のライトプロテクト制御が可能となっている。
【0086】
すなわち、本実施の形態においては、たとえばFlashメモリなどの半導体メモリ26単体としてライトプロテクト機能を実現し、ライトプロテクト領域判定部24の結果、ライトプロテクト領域内であれば、ライトプロテクト領域判定部24よりライトプロテクト信号を発生させ、それをライト制御部25に入力し、不揮発性メモリ22への書き込み信号(/CE,/WE)をハイレベルにするか、または書き込みデータをリセットコマンドか無効コマンドにする。
【0087】
従って、本実施の形態においては、不揮発性メモリ22のライトプロテクトレジスタ23に設定されたプロテクトアドレスと、不揮発性メモリ22に対するアクセスのアドレスとを比較し、ライトプロテクト範囲内の場合はライトプロテクトを可能とし、一方ライトプロテクト範囲外の場合はライトプロテクトを不可能として、ライトプロテクトレジスタ23を不揮発性メモリ22自体に持つ場合における不揮発性のソフトウェアライトプロテクト制御を可能とすることができる。
【0088】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態1〜7に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0089】
たとえば、前記実施の形態におけるFlashメモリについては、コモンFlashエリアの最終チップ、最終セクタ内にライトプロテクト保存レジスタが設定される場合について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、コモンFlashエリアの先頭チップ、先頭セクタ内に設定する場合についても適用可能である。
【0090】
さらに、このライトプロテクト保存レジスタの設定とともに、ライトプロテクト範囲、消去単位はFlashメモリの機能仕様に対応して、適宜設定されることはいうまでもない。
【0091】
また、本実施の形態における不揮発性メモリは、Flashメモリの他に、ビット毎に電気的消去および書き込み可能なEEPROMなどの他の不揮発性メモリについても適用でき、さらにこの不揮発性メモリを使用したシステム、たとえば情報処理装置全般およびメモリカード全般、さらに不揮発性メモリデバイスなどにおいても広く適用可能である。
【0092】
以下に、本発明の実施態様を列挙する。
【0093】
1.ライトプロテクトアドレスを示すライトプロテクト保存レジスタを有するフラッシュメモリが搭載され、前記ライトプロテクト保持レジスタのデータに基づき、外部から入力されたアドレスが、ライトプロテクト範囲内か否か判断するフラッシュメモリカードと、
前記フラッシュメモリカードに接続されるカードインターフェイスと、
前記カードインターフェイスを介して接続される中央演算装置とを、
有する半導体情報処理装置。
【0094】
2.前記フラッシュメモリは、ソフトウエアライトプロテクト機能を有しない、前項1に記載の半導体情報処理装置。
【符号の説明】
【0095】
1,1a〜1d Flashメモリカード
2,2a〜2d Flashメモリ(不揮発性メモリ)
3 リセットIC
4,4a〜4d カードコントローラ
5,5a〜5d ライトプロテクト保存レジスタ
6,6a〜6d ライトプロテクトレジスタ
7 リセット部
8 アドレス制御部
9 Flashメモリコントロール信号発生部
10 ソフトウェアリセットレジスタ
11 レジスタコントロール部
12 ライトプロテクト領域判定部
13 データ制御部
14 大小判別回路
15 カードインタフェース
16 CPU
17 RAM
18 ROM
19 プリンタ
20 ハードディスク
21 フロッピー(登録商標)ディスク
22 不揮発性メモリ
23 ライトプロテクトレジスタ
24 ライトプロテクト領域判定部
25 ライト制御部
26 半導体メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライトプロテクトアドレスを示すライトプロテクト保存レジスタを有するフラッシュメモリが搭載され、前記ライトプロテクト保持レジスタのデータに基づき、外部から入力されたアドレスが、ライトプロテクト範囲内か否か判断するフラッシュメモリカードと、
前記フラッシュメモリカードに接続されるカードインターフェイスと、
前記カードインターフェイスを介して接続される中央演算装置とを、
有する半導体情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−165371(P2010−165371A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50412(P2010−50412)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【分割の表示】特願2007−120717(P2007−120717)の分割
【原出願日】平成6年8月3日(1994.8.3)
【出願人】(508117798)ソリッド ステート ストレージ ソリューションズ エルエルシー (11)
【Fターム(参考)】