説明

半導体装置の製造方法

【課題】半導体素子が形成された半導体基板から切り出される半導体チップの抗折強度を高めることができる半導体装置の製造方法の提供。
【解決手段】一面に半導体素子が形成された半導体基板に対し、前記一面側から格子状に溝を形成する工程Aと、前記溝の形成された半導体基板の一面側に粘着テープを貼る工程Bと、前記半導体基板の他面を前記溝が表出するまで研削し、前記半導体基板を複数の半導体チップに分割する工程Cと、前記半導体基板の他面側から前記半導体チップ及び該半導体チップ間の溝に少なくとも2本のレーザー光線を照射する工程Dとを少なくとも備え、前記工程Dは、2本のレーザー光線の一方及び他方を、前記溝の延伸方向に沿った両側面の一方の側あるいは他方の側にそれぞれ向けて、前記他面に対して斜め上方から照射しつつ、前記2本のレーザー光線及び/又は分割された半導体チップを相対的に移動させる半導体装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。より詳しくは、半導体装置の製造方法におけるダイシング工程で、個片化された半導体チップに生じた加工痕を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程では、半導体基板(ウエハ)の主面にダイシングラインで格子状に区画された複数の領域にIC等の回路が形成され、このダイシングラインに沿って該半導体基板を切削して回路毎に分割することで、個々の半導体チップを製造する。このような半導体チップを多数使用する携帯電話、スマートフォン、モバイルPC等は小型・薄型化が進んでおり、半導体チップの厚さをできるだけ薄く形成することが望まれている。そのため、半導体基板を個々の半導体チップに分割する前に、該半導体基板の裏面を研削することによって薄型化の実現が図られている。
【0003】
しかしながら、上述の半導体装置の製造方法では、切削や研削によって半導体チップの裏面や側面に微細なマイクロクラックやチッピング等の加工痕が生じるため、半導体チップの抗折強度が低下する問題がある。すなわち、プリント基板に実装した半導体チップの場合、該半導体チップとプリント基板との熱膨張係数の差異によって半導体チップに応力が加わる。その他、半導体チップをピックアップする際や、プリント基板にフリップチップ実装する際などにも、該半導体チップに応力が加わる。このように、半導体チップに応力が加わると、該半導体チップに生じた該加工痕を起点に該半導体チップに亀裂が入って割れてしまうことがある。
【0004】
今日では、先ダイシングと呼ばれる方法によって半導体チップを半導体基板から切り出す方法(特許文献1参照)がよく用いられている。この方法によれば、ダイシングブレードを用いて半導体基板の表面からダイシングラインに沿って所定の深さの切り込みを形成した後、該半導体基板の裏面を研削して、先に形成した切り込みを表出させることにより、各半導体チップを個片化するとともに薄厚化することができる。さらに、この研削によって、半導体チップの裏面と側面で構成される周縁辺に生じていたチッピングを一部除去することができる。しかしながら、研削や切削による加工痕が該周縁辺に生じるため、該半導体チップの抗折強度の低下を抑制をするには至らない。
【0005】
このような半導体チップの表面に生じる加工痕を除去するために、半導体チップの表面をエッチングする方法が提案されているが(特許文献2参照)、半導体素子がエッチング液によって損なわれる恐れがあり、該エッチング液の廃液処理の問題も生じる。また、半導体チップの表面に生じた加工痕にレーザー光線を照射して、該加工痕を溶融又は気化させることによって該半導体チップの表面を滑らかにする方法が提案されている(特許文献3及び4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭61−112345号公報
【特許文献2】特開2002−016021号公報
【特許文献3】特開2004−228218号公報
【特許文献4】特開2004−282037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、半導体素子が形成された半導体基板から切り出される半導体チップを、従来のレーザー照射によって処理した後においても、該半導体チップの抗折強度は満足できるものではないという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、半導体素子が形成された半導体基板から切り出される半導体チップの抗折強度を高めることができる半導体装置の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが上記問題を鋭意検討したところ、半導体素子が形成された半導体基板から切り出される半導体チップの裏面や側面に生じた加工痕が該半導体チップの抗折強度を低下させる原因であることを見出し、以下の手段によって上記問題を解決した。
【0009】
本発明の請求項1に記載の半導体装置の製造方法は、一面に半導体素子が形成された半導体基板に対し、前記一面側から格子状に溝を形成する工程Aと、前記溝の形成された半導体基板の一面側に粘着テープを貼る工程Bと、前記半導体基板の他面を前記溝が表出するまで研削し、前記半導体基板を複数の半導体チップに分割する工程Cと、前記半導体基板の他面側から前記半導体チップ及び該半導体チップ間の溝に少なくとも2本のレーザー光線を照射する工程Dとを少なくとも備え、前記工程Dは、2本のレーザー光線の一方及び他方を、前記溝の延伸方向に沿った両側面の一方の側あるいは他方の側にそれぞれ向けて、前記他面に対して斜め上方から照射しつつ、前記2本のレーザー光線及び/又は分割された半導体チップを相対的に移動させることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の半導体装置の製造方法は、請求項1において、前記2本のレーザー光線を照射する際、少なくとも一つのレーザー光線の光軸と前記他面とのなす角度を一定とすることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の半導体装置の製造方法は、請求項1又は2において、前記2本のレーザー光線のうち少なくとも一つを、前記溝の延伸方向に沿った両側面の一方の側若しくは他方の側に加えて、前記他面にも照射することを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の半導体装置の製造方法は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記2本のレーザー光線のうち少なくとも一つを、前記溝の延伸方向に沿った両側面の一方の側若しくは他方の側の端部並びに前記他面の端部で構成される周縁辺にも照射することを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の半導体装置の製造方法は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記2本のレーザー光線のうち少なくとも一つを、一方の半導体チップに照射すると同時に、隣接する他方の半導体チップにも照射することを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の半導体装置の製造方法は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記2本のレーザー光線は、波長、強度、照度およびビーム径から選ばれる一つ以上の光学特性について、互いに異なるものであることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の半導体装置の製造方法は、請求項1〜6のいずれか一項において、前記2本のレーザー光線を、前記一面側に貼った前記粘着テープ以外の領域に照射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、半導体チップの側面である前記溝の延伸方向に沿った両側面を少なくとも2本のレーザー光線で照射することによって、半導体基板に溝を形成する工程A(溝形成工程)において半導体チップの側面に生じてしまう加工痕を除去することができる。該加工痕を除去することにより、該半導体チップの抗折強度を高めることができる。
【0011】
また、前記2本のレーザー光線を前記他面に対して斜め上方から照射しつつ、前記2本のレーザー光線のうち少なくとも一つのレーザー光線の光軸と前記他面とのなす角度を一定として、前記2本のレーザー光線及び/又は前記半導体基板を相対的に移動させることにより、前記なす角度を一定としたレーザー光線により照射されるエリアごとの照射エネルギーを一定にすることができ、エリアごとの加工痕除去の程度のばらつきを少なくすることができる。
【0012】
また、前記溝の延伸方向に沿った両側面の一方の側若しくは他方の側に加えて前記他面にも、前記2本のレーザー光線のうち少なくとも一つを照射した場合には、前記研削工程において前記他面に生じてしまう加工痕を除去して、該半導体チップの抗折強度を一層高めることができる。
さらに、前記溝の延伸方向に沿った両側面の一方の側若しくは他方の側の端部並びに前記他面の端部で構成される前記半導体チップの周縁辺(エッジ)にも、前記2本のレーザー光線のうち少なくとも一つを照射した場合には、前記溝形成工程及び前記研削工程で該周縁辺に生じてしまう加工痕を除去して、該半導体チップの抗折強度をさらに一層高めることができる。
【0013】
また、前記2本のレーザー光線のうち少なくとも一つを、互いに隣接する一方の半導体チップと他方の半導体チップの両方に同時に照射した場合には、レーザー照射の工程を短縮して当該半導体装置の製造効率を高めることができる。
また、前記2本のレーザー光線の有する光学特性が互いに異なる場合、半導体チップの照射される部位ごとに異なるレーザーエネルギー強度で表面処理を行うことができる。
また、前記2本のレーザー光線を前記粘着テープ以外の領域に照射して、該粘着テープに照射しない場合には、該粘着テープがレーザー照射によって溶融・飛散して、その溶融・飛散した粘着テープが半導体チップに付着して汚染することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は本発明の溝形成工程を示す概略図、(b)は本発明の固定工程を示す概略図、(c)は本発明の研削工程を示す概略図、(d)は本発明のレーザー照射工程を示す概略図である。
【図2】照射工程における半導体基板に形成された半導体チップの配列を示す、半導体基板の上面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面の一部とレーザー照射を示す概略図である。
【図4】図2のA−A線に沿う断面の一部で半導体チップが位置ずれした場合のレーザー照射を示す概略図である。
【図5】図2のA−A線に沿う断面の一部とレーザー照射を示す斜視図である。
【図6】図2のA−A線に沿う断面の一部とレーザー照射を示す別の概略図である。
【図7】図2のA−A線に沿う断面の一部とレーザー照射を示すさらに別の概略図である。
【図8】図2のA−A線に沿う断面の一部とレーザー照射を示す別の斜視図である。
【図9】本発明に用いうるレーザー装置における光学系を示す概略図である。
【図10】図2のA−A線に沿う断面の一部とレーザー照射の方法の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
<第一実施形態>
本発明に係る半導体装置の製造方法の第一実施形態は、図1に示すように、(a)溝形成工程(工程A)、(b)固定工程(工程B)、(c)研削工程(工程C)、及び(d)レーザー照射工程(工程D)の少なくとも4工程を有する。
【0016】
前記溝形成工程(工程A)は、半導体素子が形成された半導体基板W(半導体ウエハ)の一面2において、格子状の溝5(ダイシングライン)を形成する工程である。
前記半導体基板Wは、半導体素子を形成するために用いられる公知の半導体基板が用いられ、例えば、シリコン(Si)半導体基板が挙げられる。
前記半導体基板Wの一面2には、格子状に区切られた区画の所定位置において半導体素子が予め形成されている(図示略)。該半導体素子には、絶縁樹脂や再配線層、封止樹脂層、はんだバンプ等のウエハレベルのパッケージ加工が施されていてもよい。
【0017】
前記溝形成工程(工程A、図1(a))では、前記ダイシングラインに沿った溝5(切り込み)を所定の深さで形成する、いわゆるハーフカットダイシングを行う。溝5の深さとしては、半導体チップ1の仕上げ厚よりも10〜60μm程度深くすることが好ましい。このことにより、形成された溝5の底部近傍に生じやすい大きな加工痕を、後工程の研削工程(c)で除去することができる。
【0018】
この溝5を形成する切削方法としては、先ダイシング法で用いられる公知の切削方法が用いられる。一般には、ダイヤモンドブレードあるいはレジンブレード等の切削刃を備えた回転ブレード(ダイシングブレード)を高速で回転させながら半導体基板Wの一面2に押し付けて徐々に溝を深くしていき、該切削刃の先端が該半導体基板Wを貫通しないように制御して行う。この段階では、該半導体基板Wから個々の半導体チップ1はまだ切り出されていない。また、切削で形成される溝5の垂直断面9(半導体チップの側面)には、切削刃による加工痕が生じる。
【0019】
前記固定工程(工程B、図1(b))では、溝5を形成した前記半導体基板Wの一面2側に粘着テープ3(保護テープ)を貼り付ける工程である。該粘着テープ3を貼り付けることにより、半導体基板Wの一面2に形成されている半導体素子を保護することができ、後工程において半導体基板Wから個々の半導体チップ1を切り出す際に、個々の半導体チップ1が散らばることを防ぐことができ、個々の半導体チップ1の取り扱いを容易にすることができる。このとき、前記粘着テープ3はシート状のものであって、半導体基板Wの一面2を単一の粘着シートの粘着面に固定できる形態であることが望ましい。このような用途で用いられる前記粘着テープ3(粘着シート)は市販の入手可能な公知のものを用いることができる。
【0020】
前記研削工程(工程C、図1(c))では、前記半導体基板Wの他面4を、該半導体基板Wの一面2側から形成した前記溝5が他面4側に表出するまで研削(研磨)して、その結果、前記半導体基板Wを複数の半導体チップ1に分割(個片化)する工程である。この研削方法としては、公知のバックグラインド法で用いられる研削方法を用いることができる。例えば、細かい粒径の研磨剤を含む研磨液を用いて、砥石を備えた回転ホイールを3000〜7000rpmで回転させながら、200〜500rpmで逆方向に回転している前記半導体基板Wの他面4に押し付けて徐々に該半導体基板Wの他面4を研削して、所定の厚さになるまで薄くする機械的研磨法が挙げられる。このとき、研削された該他面4には、砥石及び研磨剤による加工痕が生じる。
【0021】
前記レーザー照射工程(工程D、図1(d))は、前記半導体基板Wの他面4側から前記半導体チップ1及び該半導体チップ1間の溝5に少なくとも2本のレーザー光線を照射する工程である。
ここで、溝5の底部を構成する粘着テープ3には該レーザー光線を照射せず、溝5の両側面9に該レーザー光線を照射することが望ましい。粘着テープ3にレーザー光線が照射されると、該粘着テープ3が溶融・飛散し、半導体チップ1が汚損されることがあるためである。
【0022】
より詳細には、前記レーザー照射工程(工程D)では、図1(d)に示すように、前記2本のレーザー光線のうち一方(レーザー光線7)を、前記溝5の延伸方向Sに沿った両側面のうち一方の側9δ(9)に向けて前記他面4に対して斜め上方から照射し、且つ、前記2本のレーザー光線のうち他方(レーザー光線8)を、前記溝5の延伸方向Sに沿った両側面のうち他方の側9α(9)に向けて前記他面4に対して斜め上方から照射する。尚、図1(d)に示した点Sは、紙面に対して垂直な、前記溝5の延伸方向を示している。
【0023】
このとき、後で詳細に説明するように、レーザー光線7及び8を、半導体基板Wに形成された溝5の延伸方向に沿った両側面9に向けて、他面4に対して斜め上方から照射しつつ、レーザー光線7,8及び/又は分割された半導体チップ1を相対的に移動させて、レーザー光線7及び8を前記延伸方向へスキャンする。
このように、前記半導体チップ1の側面9や他面4に該レーザー光線7及び8を照射することにより、側面9や他面4に生じた前記加工痕を除去することができる。
なお、前記2本のレーザー光線のうち、例えば一方のレーザー光線7を加工痕の除去に使用し、他方のレーザー光線8を半導体チップへの印字(刻印)等の異なる用途に並行して使用することもできる。
【0024】
前記レーザー照射工程(工程D)に用いうるレーザー照射装置としては、YAGレーザーやYVOレーザー等の固体レーザー、あるいはCOレーザーやエキシマレーザー等のガスレーザーが挙げられる。前記加工痕に照射されるレーザーの照射エネルギーが大きい場合には該加工痕は気化されて除去され、該照射エネルギーが小さい場合には該加工痕は溶融及び再結晶化されて除去される。
本発明で用いる2本のレーザー光線の照射装置は同一であってもよいし、互いに異なっていても良い。
【0025】
前記照射エネルギーは、レーザー光線7及び8の波長、強度、及び照射速度によって適宜調整する必要がある。レーザー光線7及び8の強度が大き過ぎると、半導体チップ1の表面に形成されている半導体素子にダメージを与える危険性がある。また、レーザー光線7及び8の強度が大き過ぎる場合には、半導体チップ1の側面9で反射されたレーザー光線7が、半導体チップ1の一面2を固定している粘着テープ3に到達して該粘着テープ3を溶融・飛散させて半導体チップ1を汚損することもある。
【0026】
このようなリスクを回避するためのレーザー光線7及び8の強度を調整する方法として、半導体チップ1の厚さによって使用するレーザー光線7及び8を変える方法が挙げられる。例えば、半導体チップ1の厚さが50μmの場合は、比較的低エネルギーのYVOレーザーの第二高調波を使用し、半導体チップ1の厚さが200μmの場合は、エキシマレーザーを使用する方法が挙げられる。
【0027】
また、レーザー光線7及び8は、波長、強度(放射パワー)、照度(単位面積当たりの強度)、およびビーム径から選ばれる一つ以上の光学特性について、互いに異なるものであってもよい。光学特性が互いに異なる複数のレーザー光線を用いることにより、個々のレーザー光線に異なる用途を割り当てることができる。例えば、レーザー光線7の光学特性を、加工痕の除去に適した設定にして、レーザー光線8の光学特性を、半導体チップに印字(レーザー刻印)するのに適した設定にして用いても良い。
【0028】
図2に示すように、このレーザー照射工程の段階においては、個々の半導体チップ1はそれぞれ半導体基板Wから分割されてはいるが、前記粘着テープ3に固定されているため、分割される前の位置をほぼ維持している。すなわち、図3の断面図(図2におけるA−A間の断面)に示すように、個々の半導体チップ1a(1)〜1c(1)は整列した状態にあって、隣接する半導体チップ同士の離間距離hは、前記切削工程で前記半導体基板Wの一面2に形成した溝5の幅程度となっている。
【0029】
この半導体基板Wにおいて、レーザー光線7及び8を、前記半導体基板Wに形成された前記溝5の延伸方向D1およびD2に沿った両側面9に向けて、他面4に対して斜め上方から照射することによって、前記粘着テープ3上に整列して固定された状態の個々の半導体チップ1の側面9にレーザー光線7及び8を照射することができる(図3参照)。レーザー光線7が照射された領域ではその表面の一部が溶融又は気化することにより、該領域に生じていた加工痕が除去される。
【0030】
また、レーザー光線7の径、レーザー光線7と他面4とのなす角度θ、半導体チップ1の厚さt、及び半導体チップ1同士の離間距離h等にもよるが、図3のようにレーザー光線7を他面4に対して斜め上方から照射すると、半導体チップ1b(1)の側面9δ(9)と同時に、半導体チップ1b(1)の側面9δ(9)と他面4とで構成される周縁辺(エッジ)11、および半導体チップ1a(1)の周縁辺13の他面4側にもレーザー光線7を照射することができる。この場合、一度の照射によって隣接する2個の半導体チップ1a(1)及び1b(1)を同時に処理して製造効率を高めることができる。
【0031】
さらに、レーザー光線8についても、上記レーザー光線7と同様である。すなわち、レーザー光線8の径、レーザー光線8と他面4とのなす角度θ、及び半導体チップ1同士の離間距離h等にもよるが、図3のようにレーザー光線8を他面4に対して斜め上方から照射すると、半導体チップ1a(1)の側面9α(9)と同時に、半導体チップ1a(1)の側面9α(9)と他面4とで構成される周縁辺(エッジ)13、および半導体チップ1b(1)の周縁辺11の他面4側にもレーザー光線8を照射することができる。この場合、一度の照射によって隣接する2個の半導体チップ1a(1)及び1b(1)を同時に処理して製造効率を高めることができる。
【0032】
このように2本のレーザー光線7及び8を溝5の延伸方向に見て略対称で照射することにより、溝5の延伸方向に沿った両側面9の一方の側(半導体チップ1a(1)の側面9α(9))と他方の側(半導体チップ1b(1)の側面9δ(9))とにおいて同時並行で加工痕を除去することができる。
【0033】
このとき、周縁辺11を構成する側面9α(9)及び他面4にレーザー光線7を照射することを利用して、該周縁辺11の角を丸くしたR(アール)を形成してもよい。同様に、周縁辺13を構成する側面9δ(9)及び他面4にレーザー光線8を照射することを利用して、該周縁辺13の角を丸くしたR(アール)を形成してもよい。これらのRを形成することにより、半導体チップの抗折強度をより高めることができる。
【0034】
また、レーザー光線7及び8を他面4に対して斜め上方から照射することによって、レーザー光線7及び8を粘着テープ3に照射してしまうことを防ぐことができる。すなわち、前記研削工程において、粘着テープ3上の半導体チップ1b(1)の位置が動いてしまうことが起きうるが、この場合であっても図4に示すように、レーザー光線7及び8が粘着テープ3に照射されることを防ぐことができる。
【0035】
レーザー光線7及び8と他面4のなす角度θ及びθとしては、15〜75度が好ましく、25〜65度がより好ましく、40〜50度が最も好ましい。上記範囲であると溝5の両側面9(半導体チップ1の側面9)に対してレーザー光線7及び8を十分に照射することができる。なす角度θ及びθが90度に近い角度であると側面9に対するレーザー光線7及び8の照射量が小さくなり、さらにレーザー光線7及び8が粘着テープ3に照射されてしまう恐れがある。一方、なす角度θ及びθが0度に近い角度であると他面4に対するレーザー光線7及び8の照射量が小さくなり、さらにレーザー光線7及び8を所定の半導体チップの側面及び周縁辺に位置合わせすることが難しくなり、高度な制御技術が要求される。なす角度θ及びθは、同じ角度であってもよいし、互いに異なる角度であってもよい。
【0036】
ここで、なす角度θ及びθが15〜75度であるときの他面4の側面9に対する照射量の比は0.25〜4.0であり、なす角度θ及びθが25〜65度であるときの該照射量の比は0.5〜2.0であり、なす角度θ及びθが40〜50度であるときの該照射量の比は0.8〜1.2である。保護テープにレーザーを照射しないための適切ななす角度θは、関係式θ<tan-1(t/h)で表される。
【0037】
図5は、図2のA−A間における断面の一部を示す斜視図である。斜視図とともに示したxyz軸座標において、x軸は図2で半導体チップ1が整列するD1方向に相当し、y軸は図2で半導体チップ1が整列するD2方向に相当し、z軸は半導体チップ1の他面4に対する垂直方向に相当する。
【0038】
この図5において、レーザー光線8の照射角度をベクトルPと平行に設定して、半導体チップ1a(1)の半導体チップ1b(1)に隣接する側面9α(9)へ照射しながら、該レーザー光線8をx軸の負方向(D1方向)にスキャン(移動)する場合、該レーザー光線8の照射角度を規定する角度θおよび角度φは次の範囲が好適である。
【0039】
角度θは前述のとおりであり、15〜75度が好ましく、25〜65度がより好ましく、40〜50度が最も好ましい。
角度φは、図5に示したように、ベクトルPをxy平面に投影したベクトルHとx軸の単位ベクトルとがなす角度である。この角度φは、半導体チップ1の厚さや溝5の幅にもよるが、25〜65度が好ましく、35〜55度がより好ましく、40〜50度が最も好ましい。
【0040】
角度θ及びφが上記範囲であると、前述のようにD1方向へレーザー光線8をスキャンしながら半導体チップ1a(1)の側面9α(9)から、D2方向へ延伸する溝5を跨いで、半導体チップ1d(1)の側面9β(9)へレーザー光線8が移動する際に、該レーザー光線8が溝5の底部の粘着テープ3に照射されてしまうことを防ぐことができる。
一方、角度φが0度又は90度であると、レーザー光線8を、D1又はD2方向へスキャンしながら、隣接する半導体チップを跨がせる際に、粘着テープ3にレーザー光線8が照射されてしまう。
【0041】
角度θが90度又は角度φが0度であると、図6に示すように、溝5の両側面9(半導体チップ1の側面9)にレーザー光線8p(8)を照射することができないだけでなく、周縁辺13の近くを照射することも困難である。少しでもレーザー光線8の位置が溝5側へずれたり、半導体チップ1a(1)が溝5の幅を広くするように位置ずれしていた場合には、点線で示したように、レーザー光線8q(8)が粘着テープ3に照射されてしまうからである。よって、角度θが90度又は角度φが0度である場合、このような位置ずれを想定して、レーザー光線8の光軸の中心を、レーザー光線8の直径に相当する距離だけ周縁辺13から離す必要が一般にある。この場合、最も加工痕の集中する周縁辺13には、レーザー光線8が照射されないか、照射されたとしても加工痕を除去するには不十分な量である。
【0042】
また、図5において、レーザー光線7の照射角度をベクトルQと平行に設定して、半導体チップ1e(1)の半導体チップ1d(1)に隣接する側面9γ(9)へ照射しながら、該レーザー光線7をx軸の負方向(D1方向)にスキャン(移動)する場合、該レーザー光線8の照射角度を規定する角度θおよび角度φは次の範囲が好適である。
【0043】
角度θは前述のとおりであり、15〜75度が好ましく、25〜65度がより好ましく、40〜50度が最も好ましい。
角度φは、図5に示したように、ベクトルQをxy平面に投影したベクトルIとx軸の単位ベクトルとがなす角度である。この角度φは、半導体チップ1の厚さや溝5の幅にもよるが、−25〜−65度が好ましく、−35〜−55度がより好ましく、−40〜−50度が最も好ましい。
【0044】
角度θ及びφが上記範囲であると、前述のようにD1方向へレーザー光線7をスキャンしながら半導体チップ1e(1)の側面9ε(9)から、D2方向へ延伸する溝5を跨いで、半導体チップ1g(1)の側面9ζ(9)へレーザー光線8が移動する際に、該レーザー光線8が溝5の底部の粘着テープ3に照射されてしまうことを防ぐことができる。
一方、角度φが0度又は90度であると、レーザー光線8を、D1又はD2方向へスキャンしながら、隣接する半導体チップを跨がせる際に、粘着テープ3にレーザー光線8が照射されてしまう。
【0045】
角度θが90度又は角度φが0度であると、図7に示すように、溝5の両側面9(半導体チップ1の側面9)にレーザー光線7p(7)を照射することができないだけでなく、周縁辺11の近くを照射することも困難である。少しでもレーザー光線7の位置が溝5側へずれたり、半導体チップ1b(1)が溝5の幅を広くするように位置ずれしていた場合には、点線で示したように、レーザー光線7q(7)が粘着テープ3に照射されてしまうからである。よって、角度θが90度又は角度φが0度である場合、このような位置ずれを想定して、レーザー光線7の光軸の中心を、レーザー光線7の直径に相当する距離だけ周縁辺11から離す必要が一般にある。この場合、最も加工痕の集中する周縁辺11には、レーザー光線7が照射されないか、照射されたとしても加工痕を除去するには不十分な量である。
【0046】
本発明におけるレーザー光線7及び8の照射方法を、図5でまとめると、以下のように説明できる。半導体基板Wに形成された溝5の延伸方向(x軸方向又はD1方向)に沿った両側面9に向けて、半導体基板W(半導体チップ1)の他面4に対して斜め上方から照射するとき、レーザー光線7及び8は他面4(xy平面)に対してそれぞれ角度θ及びθを成して傾いていると同時に、レーザー光線7及び8は溝5の延伸方向(x軸方向)に対してそれぞれ角度φ及びφで傾いている。
【0047】
このようにレーザー光線7及び8を照射することによって、レーザー光線7及び8を両側面9に照射しながら、該レーザー光線7及び8を溝5の延伸方向(x軸方向又はD1方向)へ移動(スキャン)する。このとき角度θ及びφ、並びに角度θ及びφは、必ずしも一定に固定する必要はなく、レーザー照射口を首振り運動させることにより、例えば前述した好適な角度θ及びφ、並びに角度θ及びφの範囲の中で、連続的に変化させてもよい。
【0048】
しかし、レーザー照射されるエリアごとの照射エネルギーを一定にし、エリアごとの加工痕除去のばらつきを少なくして均一な表面処理を行えることから、レーザー光線7及び8の光軸と他面4とのなす角度θ及びθを一定として、レーザー光線7及び8並びに/又は分割された半導体チップ1(半導体基板W)を相対的に移動させることが好ましい。
【0049】
図5では、レーザー光線7とレーザー光線8とが、それぞれ異なる半導体チップ1に照射されている場合を示している。このように、溝5の延伸方向に沿って、D1方向へスキャンする際、レーザー光線7を先行させてレーザー光線8を追随させる配置として、且つ、溝5の一方の側の側面9α(9),9β(9),9γ(9)に対してレーザー光線8を照射し、溝5の他方の側の側面9δ(9),9ε(9),9ζ(9)に対してレーザー光線7を照射するようにレーザー光線7及び8を配置することにより、1回のスキャンで溝5の両側面9の加工痕を除去することができる。
【0050】
仮に、単一のレーザー光線8を用いて、溝5の両側面9の処理を行う場合、一方の側の側面9に対してレーザー照射及びスキャンした後で、該レーザー光線8をレーザー光線7の向きに変えて、再度同じ溝5における他方の側の側面9に対してレーザー照射及びスキャンをする必要がある。したがって、本発明の2本以上のレーザー光線を用いる場合の方が、単一のレーザー光線を用いる場合よりも、加工痕を除去する作業効率が高い。
【0051】
本発明における少なくとも2本のレーザー光線のうち、前述の2本のレーザー光線の配置は前述の説明に限定されない。例えば、図8に示すように、レーザー光線7の照射エリアとレーザー光線8の照射エリアとが一部重なるように照射してもよい。ここで、図8において前記照射エリアは楕円で示している領域である。
【0052】
このようにレーザー光線7及び8の照射エリアの一部が重なる場合、その重なった領域において照射されるレーザーエネルギーは、レーザー2本分が足し合わされたものとなる。この足し合わせを利用する方法としては、例えば、激しい加工痕が形成されている周縁辺11及び13に対して、レーザー光線7及び8を重ねて照射することにより、通常よりも強いレーザーエネルギーによって激しい加工痕をより効率的に除去することが挙げられる。
【0053】
ただし、レーザー光線7及び8の照射エリアが重なった領域に、レーザー光線7とレーザー光線8とが同時に照射されたことにより、その領域に対して過度に強い照射が行われて、半導体チップを損傷する恐れがないとも限らない。このリスクを回避するために、レーザー光線7とレーザー光線8とを交互に照射する方法を取ってもよい。この場合、照射エリアの位置は同じであっても同時に照射されることがないため、レーザーエネルギーの足し合わせは起こらない。レーザー光線7及び8を交互に照射する方法として、後述する光学的遅延回路が備えられた光学系を用いることができる。
【0054】
図8に示すように、レーザー光線7の光軸とレーザー光線8の光軸とをスキャン方向(D1方向)に対して略対称に配置して照射する方法として、一つのレーザー光源から得られるレーザー光線Aをビームスプリッタ、ミラー、fθレンズ等を含む光学系によりスプリットして、レーザー光線7及び8を得る方法が挙げられる(図9参照)。
【0055】
このように単一のレーザー光線Aをスプリットして得られたレーザー光線7及び8は、その光学特性を互いに同じものとすることができる。このとき、スプリットしたレーザー光線7及び8を前記略対称に照射するためにfθレンズを用いて集光する際、一つのfθレンズ24に対してレーザ光線7及び8を入射させる光学系(図9(a)参照)としてもよいし、二つのfθレンズ24及び25に対してレーザ光線7及び8をそれぞれ個別に入射させる光学系(図9(b)参照)としてもよい。なお、図9では、スキャンするためのガルバノミラー等の光学部品は省略して示していない。
【0056】
一つのfθレンズを備える光学系を用いる利点としては、光学系が比較的シンプルであり、該光学系に必要な部品が少なくて済み、該光学系を備える装置が小型化できることが挙げられる。一方、二つのfθレンズを備える光学系を用いる利点としては、レーザー光線7及び8を、それぞれ独立に制御することができ、レーザー光線7及び8を個別にメンテナンスできること、及び、各fθレンズから照射位置までの距離を任意に設定できるので、光学系の設計の自由度が大きくなることが挙げられる。
【0057】
また、前述のように、レーザー光線7及び8を交互に照射するために、例えばレーザー光線8の光路に遅延回路を設けて、レーザー光線7,8に光路差を付けてもよい(図9(c)参照)。この光路差を設けることにより、レーザー光線7,8のパルスの照射タイミングをずらすことができる。なお、パルスの幅が5μsecである場合、該光路差は約1.5mとなる。光路差は、パルス幅が大きいほど長くしなければならないので、装置が大型化してしまうのを防ぐために、パルス幅を5μsec以下にすることが望ましい。
【0058】
次に、レーザー光線7を溝5の延伸方向(D1方向)へスキャンするときの、レーザー照射方法の一例を示す。図10では、半導体チップ1a(1)及び1b(1)に照射されたレーザー光線8の光軸の中心位置の軌跡T2を点線で示し、他面4におけるレーザー光線8の照射エリアの形状を楕円で示している。また、半導体チップ1d(1)及び1e(1)に照射されたレーザー光線7の光軸の中心位置の軌跡T1を点線で示し、他面4におけるレーザー光線7の照射エリアの形状を楕円で示している。
【0059】
この軌跡T2のようにレーザー光線8を照射しながら、D1方向へスキャンすると、半導体チップ1a(1)の側面9、他面4、及び該側面9と他面4とで構成される周縁辺13、並びに半導体チップ1b(1)の他面4及とその端部に生じていた前記加工痕を除去することができる。また、このスキャンの過程において、半導体チップ1a(1)及び1b(1)の他面4に、レーザー照射による捺印を行ってもよい。
【0060】
また、軌跡T1のようにレーザー光線7を照射しながら、D1方向へスキャンすると、半導体チップ1e(1)の側面9、他面4、及び該側面9と他面4とで構成される周縁辺11、並びに半導体チップ1d(1)の他面4及とその端部に生じていた前記加工痕を除去することができる。また、このスキャンの過程において、半導体チップ1d(1)及び1e(1)の他面4に、レーザー照射による捺印を行ってもよい。
【0061】
以上の説明では、本発明における少なくとも2本のレーザー光線として、レーザー光線7及び8の2本を例示して説明しているが、さらに別のレーザー光線を増設してもよく、例えばレーザー光線の本数を3本以上としてもよい。2本のレーザー光線を上記説明のとおりに設けることに加えて、別のレーザー光線を増設した場合でも、本発明の効果を同様に得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、半導体基板から個片化された半導体チップの側面部に形成された加工痕をレーザーによって除去して、該半導体チップの抗折強度を高めるために広く利用することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g…半導体チップ、W…半導体基板(ウエハ)、B…支持台、2…一面、3…粘着テープ、4…他面、5…溝(ダイシングライン)、7,7p,7q…レーザー光線、8,8p,8q…レーザー光線、9,9α,9β,9γ,9δ,9ε,9ζ…側面、S…溝の延伸方向、D1…溝の延伸方向、D2…溝の延伸方向、11…周縁辺、13…周縁辺、h…溝の幅、T1,T2…軌跡、21…レーザー光源、22…ビームスプリッタ、23…ミラー、24…fθレンズ、25…fθレンズ、26…遅延回路、A…レーザー光線、t…半導体チップの厚さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に半導体素子が形成された半導体基板に対し、前記一面側から格子状に溝を形成する工程Aと、
前記溝の形成された半導体基板の一面側に粘着テープを貼る工程Bと、
前記半導体基板の他面を前記溝が表出するまで研削し、前記半導体基板を複数の半導体チップに分割する工程Cと、
前記半導体基板の他面側から前記半導体チップ及び該半導体チップ間の溝に少なくとも2本のレーザー光線を照射する工程Dとを少なくとも備え、
前記工程Dは、2本のレーザー光線の一方及び他方を、前記溝の延伸方向に沿った両側面の一方の側あるいは他方の側にそれぞれ向けて、
前記他面に対して斜め上方から照射しつつ、
前記2本のレーザー光線及び/又は分割された半導体チップを相対的に移動させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記2本のレーザー光線を照射する際、少なくとも一つのレーザー光線の光軸と前記他面とのなす角度を一定とすることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記2本のレーザー光線のうち少なくとも一つを、前記溝の延伸方向に沿った両側面の一方の側若しくは他方の側に加えて、前記他面にも照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記2本のレーザー光線のうち少なくとも一つを、前記溝の延伸方向に沿った両側面の一方の側若しくは他方の側の端部並びに前記他面の端部で構成される周縁辺にも照射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記2本のレーザー光線のうち少なくとも一つを、一方の半導体チップに照射すると同時に、隣接する他方の半導体チップにも照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記2本のレーザー光線は、
波長、強度、照度およびビーム径から選ばれる一つ以上の光学特性について、
互いに異なるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記2本のレーザー光線を、前記一面側に貼った前記粘着テープ以外の領域に照射することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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