説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】小型化を図った上で感度性能を向上しつつ、より高出力の半導体装置を低コストで得られるようにする。
【解決手段】半導体装置5は、基板1と、基板1の上に保持され、外部からの波動を電気信号に変換する変換体3と、基板1の上に保持され、変換体3からの電気信号を増幅する増幅素子4とを有している。基板1には、増幅素子4と対向する領域に基板1を表裏方向に貫通する第1の貫通孔1cが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波動、例えば音波を電気信号に変換する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話等の携帯機器においては、さらなる小型化及び軽量化が求められている。この要望に応え、携帯機器は、その内部に実装されるマイクロフォンも小型化及び軽量化が図られている。
【0003】
具体的には、音孔を有する基板の上に、音波を電気信号に変換する変換体(変換素子)を実装し、基板の基板電極と変換体の振動体電極とをボンディングワイヤにより接続する。また、変換体の電気信号を増幅する増幅素子を備え、基板の基板電極と増幅素子の素子電極とをボンディングワイヤにより接続し、基板のマイクロフォンを基板モジュール化することにより、小型化及び軽量化を図ろうとしている。さらには、小型化及び軽量化を図りつつ、より高出力化に向けての性能向上が求められている。なお、類似する先行文献としては、パッケージの小型化に関する第1の従来例として特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−348696号公報(第1図)
【特許文献2】特開2007−263677号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、第1の従来例においては、半導体装置の小型化が不十分であるという問題がある。すなわち、第1の従来例においては、上述したように、変換体及び増幅素子をいずれも基板上に実装するため、パッケージの小型化が十分に図れていない。
【0006】
第1の従来例のさらなる小型化を図るべく第2の従来例として特許文献2がある。第2の従来例は、小型化を図ってはいるものの、変換体の振動膜を振動させるために、増幅素子(LSIチップ)自体に凹部を設けており、該増幅素子が薄い場合には凹部を設けることができない。ここで、マイクロフォンの性能で最も重要である、外部音に対するマイクロフォン感度はこの凹部の大きさに依存する。その結果、マイクロフォンの小型化を図るがゆえに、凹部の容量を十分に確保できず、マイクロフォン感度の性能を劣化させてしまうという問題が生じる。
【0007】
さらに、第1の従来例及び第2の従来例においては、小型化及び軽量化を図りつつ、より高出力化を目指すには、増幅素子の高出力化に伴って、とりわけ増幅素子の発熱が増大してしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、前記の問題を解決し、小型化を図った上で感度性能を向上しつつ、より高出力の半導体装置を低コストで得られるようにすることを目的とする。
【0009】
なお、本発明においては、小型化、感度性能の向上、放熱性の向上による高出力化及び低コスト化のうち、少なくとも高出力化を達成できればよい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するため、本発明は、半導体装置を、増幅素子が実装される基板における該増幅素子の対向部分に孔部を設ける構成とする。
【0011】
具体的に、本発明に係る半導体装置は、基板と、基板の上に保持され、外部からの波動を電気信号に変換する変換体と、基板の上に保持され、変換体からの電気信号を増幅する増幅素子とを備え、基板は増幅素子と対向する領域に基板を表裏方向に貫通する第1の孔部を有している。
【0012】
本発明の半導体装置によると、基板は増幅素子と対向する領域に基板を表裏方向に貫通する第1の孔部を有しているため、半導体装置の小型化及び軽量化を図りつつ増幅素子からの発熱を半導体装置の外部へ放熱しやすくすることができる。その結果、より高出力の半導体装置を低コストで得ることができる。
【0013】
本発明の半導体装置において、第1の孔部には放熱板が設けられていてもよい。
【0014】
このようにすると、増幅素子からの発熱をより効率的に放熱することができる。
【0015】
この場合に、放熱板は増幅素子と固着されていてもよい。
【0016】
さらにこの場合に、本発明の半導体装置は、基板の上に変換体及び増幅素子を覆うように保持されたキャップ材をさらに備え、キャップ材は増幅素子と固着されていてもよい。
【0017】
このようにすると、キャップ材の全体が放熱板として機能するため、放熱効率をより一層高めることができる。
【0018】
この場合に、キャップ材は、基板の上の周縁部に固着されたリブ材と、該リブ材の上に固着された板状部材とからなっていてもよい。
【0019】
このようにすると、板状部材は作製が容易であるため、製造コストの低減に有効である。また、リブ構造を採用すると、背面空間を任意に設定できるため、半導体装置がマイクロフォンである場合には、音質が安定し且つ向上する。
【0020】
この場合に、板状部材は増幅素子と固着されていてもよい。
【0021】
このようにすると、放熱効率をより一層高めることができる。
【0022】
さらにこの場合に、板状部材は、基板と反対側の面上に形成された凹凸形状を有していてもよい。
【0023】
このようにすると、増幅素子からの発熱を半導体装置の外部へより確実に放熱しやすくすることができる。
【0024】
本発明の半導体装置において、基板は、変換体と対向する領域に基板を貫通する第2の孔部を有していてもよい。
【0025】
このようにすると、変換体が保持された位置において基板を貫通する第2の孔部を、例えば音孔として利用することにより、キャップ材に音孔を設ける必要がなくなる。
【0026】
第1の孔部に放熱板が設けられている場合に、本発明の半導体装置において、変換体は、該変換体の一の面に形成された第1電極と、一の面と対向する他の面に形成された第2電極とを有し、第1電極と第2電極とは、変換体の内部を貫通する貫通電極によって電気的に接続されていてもよい。
【0027】
このようにすると、変換体と基板とを電気的に接続する平面積を縮小できるため、半導体装置のさらなる小型化及び軽量化を図ることができる。
【0028】
この場合に、変換体は増幅素子の上に固着されていてもよい。
【0029】
また、この場合に、増幅素子は変換体の上に固着されていてもよい。
【0030】
このようにすると、変換体と増幅素子とがスタック構造となるため、半導体装置のさらなる小型化及び軽量化を図ることができる。また、増幅素子からの発熱を半導体装置の上面はもとより、半導体装置の側面からも外部へ放熱しやすくすることができる。
【0031】
この場合に、変換体と増幅素子との平面形状は同一であり、且つ、変換体と増幅素子との互いの側面は、基板の上面に対して垂直な方向に一致していてもよい。
【0032】
さらにこの場合に、基板と変換体との平面形状は同一であり、且つ、基板と変換体との互いの側面は、基板の上面に対して垂直な方向に一致していてもよい。
【0033】
このようにすると、スタック構造を採る変換体と増幅素子とを平面的に同等のサイズとすることができる。このため、特にスタック構造の基板側に変換体を配置した場合には、該変換体の平面サイズを縮小することができ、半導体装置のさらなる小型化及び軽量化を図ることができる。
【0034】
本発明の半導体装置において、増幅素子は、基板側に素子形成面を対向させて保持されていてもよい。
【0035】
このようにすると、増幅素子は、いわゆるフリップチップ接続されるため、ボンディングワイヤが不要となるので、増幅素子の実質的な実装面積を縮小することができるので、半導体装置のさらなる小型化及び軽量化を図ることができる。
【0036】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、基板に該基板の表裏方向に貫通する第1の孔部を形成する工程(a)と、基板の上に、外部からの波動を電気信号に変換する変換体を固着する工程(b)と、基板の上に第1の孔部と対向するように増幅素子を固着する工程(c)とを備えている。
【0037】
本発明の半導体装置の製造方法によると、基板の上に第1の孔部と対向するように増幅素子を固着するため、半導体装置の小型化及び軽量化を図りつつ増幅素子からの発熱を半導体装置の外部に放熱しやすくすることができる。その結果、より高出力の半導体装置を低コストで実現することができる。
【0038】
本発明の半導体装置の製造方法において、工程(a)は、基板における変換体と対向する領域に、基板の表裏方向に貫通する第2の孔部を形成する工程を含んでいてもよい。
【0039】
このようにすると、変換体と対向する領域に形成した第2の孔部を、例えば音孔として利用することにより、キャップ材に音孔を設ける必要がなくなる。
【0040】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(b)及び工程(c)よりも後に、基板の上に、変換体及び増幅素子を覆うようにキャップ材を固着する工程(d)をさらに備えていてもよい。
【0041】
この場合に、工程(d)は、基板の周縁部に変換体及び増幅素子を囲むようにリブ材を固着する工程と、リブ材の上に、板状部材を固着する工程とを含んでいてもよい。
【0042】
このようにすると、板状部材は製造が容易であるため、半導体装置の低コスト化につながる。また、リブ構造を採るため、半導体装置がマイクロフォンである場合には、背面空間を任意に設定できるので、音質が安定し且つ向上する。
【0043】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(a)において、基板には、第1の孔部が複数形成されており、工程(b)及び工程(c)において、変換体及び増幅素子は、それぞれ複数で且つ変換体及び増幅素子を一対として基板の上に固着され、工程(b)及び工程(c)よりも後に、切断手段により基板とキャップ材とを一対の変換体及び増幅素子を含むように切断することにより、基板を個片化する工程(e)をさらに備えていてもよい。
【0044】
このようにすると、小型化及び軽量化並びに放熱構造を有する半導体装置を得ることができる。その上、基板とキャップ材とを同時に切断することにより、半導体装置の製造コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明の半導体装置及びその製造方法によると、小型化を図る共に感度性能を向上しつつ、より高出力の半導体装置を低コストで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示し、図5(e)のIV−IV線における模式的な断面図である。
【図5】(a)〜(e)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の模式的な平面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の一変形例に係る半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図13】本発明の第7の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な断面図である。
【図14】本発明の第7の実施形態の一変形例に係る半導体装置を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態及びそれ以降の各実施形態における各図面は、理解を容易にするために各構成要素を主体に模式的に示しており、それらの形状及び縦横の寸法比等については正確には表されていない。
【0048】
図1に示すように、半導体装置5は、基板1と、該基板1の主面上に保持され、例えば外部から入力される音波を電気信号に変換するコンデンサ等を構成する振動膜2を含む変換体3と、該基板1の主面上に変換体3と間隔をおいて保持され、振動膜2からの電気信号を増幅するアンプ出力機能、整流出力機能及びデジタル化信号処理出力機能等の出力機能を有する増幅素子4と、基板1の上に変換体3及び増幅素子4を覆うように保持されたシールドキャップ材13とから構成されている。
【0049】
基板1は、例えば上層基板1a及び下層基板1bの2層構造を有し、上面に形成された複数の基板電極18と、下面に形成された複数の実装端子9とを有している。基板電極18と実装端子9とは、内部に形成された内部配線12によって電気的に接続されている。なお、ここでは、基板1に2層構造を採用したが、実装端子9の個数及び配置位置(配列)に制約がなければ、単層でも構わない。また、実装端子9の個数及び配列数を増やす必要があれば、2層以上の多層基板を用いればよい。基板1の組成には、一般的な樹脂系有機基板を想定しているが、リードフレームに用いられる銅(Cu)系合金若しくは鉄(Fe)系合金等の金属材料又はセラミック材料等からなる無機基板を用いてもよい。
【0050】
基板1の上面には、増幅素子4が素子接着材19によって固着されている。増幅素子4の上面に形成された増幅素子電極16と基板1上の基板電極18とは、増幅素子ワイヤ17によって電気的に接続されている。
【0051】
本実施形態の特徴として、基板1における増幅素子4の下側部分には、第1の貫通孔1cが形成されている。従って、増幅素子4の下面は、基板1から第1の貫通孔1cを通して露出するため、半導体装置の小型化及び軽量化を図りながら、増幅素子4からの発熱を半導体装置5の外部に容易に放熱することができる。従って、半導体装置5の高出力化を図ることができる。
【0052】
なお、増幅素子4を基板1の上に素子接着材19により固着する際には、素子接着材19をあらかじめ基板2に設けられた第1の貫通孔1cを避けて塗布するのが望ましい。しかしながら、素子接着材19に熱伝導性に優れた材料を用いる場合には、第1の貫通孔1cを塞いでも構わない。さらに、基板1に設ける第1の貫通孔1cは、増幅素子4を固着する前にあらかじめ形成されていてもよく、また、増幅素子4を固着した後に形成してもよい。
【0053】
基板2の上面における増幅素子4の側方には、振動膜2と該振動膜2の下側に設けられた背面空間3aとを有する変換体3が、その背面空間3a側を変換体接着材36によって固着されている。変換体3の上面に形成された変換体電極8と基板1上の基板電極18とは、変換体ワイヤ35によって電気的に接続されている。なお、増幅素子接着材19と変換体接着材36とは、互いの組成が同一でもよく、また異なっていてもよい。また、増幅素子ワイヤ17と変換体ワイヤ35との組成も、同一でもよく、異なっていてもよい。
【0054】
変換体3を構成する振動膜2は、変換体配線15、変換体電極8、変換体ワイヤ35、基板電極18、基板1の内部配線12及び増幅素子ワイヤ17を介して増幅素子電極16と電気的に接続されている。また、図示はしていないが、増幅素子電極16は、内部回路と接続されている。上述したように、増幅素子電極16と基板電極18とは増幅素子ワイヤ17で接続され、基板電極18と実装端子9とは互いに接続されているため、変換体3の振動膜2は、増幅素子4を介して基板1の実装端子9との間で電気信号処理等を経て電気的に接続される。
【0055】
基板1の上にキャップ接着材20によって固着された、例えば金属材料からなるシールドキャップ材13には、外部から入力される音波が振動膜2に直接に伝わるように、変換体3を構成する振動膜2の上方に第2の貫通孔13aが設けられている。なお、シールドキャップ材13は、シールドが可能であれば樹脂材料等でも構わない。
【0056】
変換体3の振動膜2は、受動膜と能動膜との2層構造であり、該受動膜と能動膜とは互いに間隔をおいて保持されている。従って、受動膜と能動膜との間隔が物理的に変動すれば、コンデンサの容量変化の理論によって電気容量に変化が生じる。すなわち、半導体装置5の外部から入力される音波は、シールドキャップ材13に設けられた第2の貫通孔13aから、変換体3の振動膜2を振動させることにより、その振動が電気容量の変化に変換される。さらに、変換された電気信号は、上述した電気的接続経路を通して増幅素子4に入力される。増幅素子4は、振動膜2からの電気信号を処理し、途中の電気経路を介して基板1の実装端子9から出力される。
【0057】
以上のように、第1の実施形態に係る半導体装置5は、増幅素子4を保持する基板1における増幅素子4の下側に第1の貫通孔1cを設けているため、半導体装置5の小型化及び軽量化を図りながら、増幅素子4からの発熱を外部に容易に放熱することができる。従って、より高出力の半導体装置5を得ることができる。
【0058】
なお、半導体装置5をプリント基板等に実装する際には、該プリント基板自体にも第1の貫通孔1cと対向する位置に孔部を設けておけば、半導体装置5の放熱がさらに促進される。
【0059】
(第1の実施形態の第1変形例)
図2に第1の本実施形態の第1変形例を示す。
【0060】
図2に示すように、第1変形例に係る半導体装置5は、増幅素子4における基板1の第1の貫通孔1cからの露出面に、放熱板接着材52を介して放熱板50が固着されていることを特徴とする。
【0061】
放熱板50は、熱伝導性に優れた材料であることが望ましく、本変形例においては、金属材料、例えばニッケルめっきを施した銅合金を用いたが樹脂材でも構わない。また、放熱板接着材52も熱伝導性が高い材料であることが望ましく、ここでは、金属材料、例えば銀を混ぜ合わせた熱硬化性樹脂を用いている。
【0062】
このように、第1変形例に係る半導体装置5は、増幅素子4の高出力化に伴う該増幅素子4からの発熱が放熱板50を介して外部に放熱されることにより、半導体装置5の小型化及び軽量化を図りつつ、放熱特性等の品質を向上することができる。なお、半導体装置5の基板1をプリント基板等に実装する際に、基板1と共に放熱板50をもプリント基板に実装すれば、プリント基板の外部への放熱性が向上する。さらに、プリント基板に設けられた放熱機構に放熱板50を実装すれば、半導体装置5だけでなく、プリント基板全体の放熱性も促進される。
【0063】
(第1の実施形態の第2変形例)
図3に第1の本実施形態の第2変形例を示す。
【0064】
図3に示すように、第2変形例に係る半導体装置5は、増幅素子4における基板1の第1の貫通孔1cからの露出面に放熱板接着材52を介して放熱板50を固着して設けると共に、増幅素子4の上面とシールドキャップ材13との間に放熱板接着材52を充填していることを特徴とする。
【0065】
この際、シールドキャップ材13は、熱伝導性に優れた材料であることが望ましく、本変形例においては金属材料、例えばニッケルメッキを施した銅合金を用いたが樹脂材でも構わない。また、放熱板接着材52も熱伝導性に優れた材料であることが望ましく、本変形例においては金属材料、例えば銀を混ぜ合わせた熱硬化性樹脂を用いている。
【0066】
従って、増幅素子4の高出力化に伴う発熱は、増複素子4の下方だけでなく、シールドキャップ材13の全面から半導体装置5の外部へ放熱される。このため、半導体装置5の小型化及び軽量化を図りつつ、放熱特性等の品質がさらに向上した半導体装置5を実現できる。
【0067】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図4を参照しながら説明する。ここでは、図1及び図2に示した構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0068】
図4に示すように、第2の実施形態に係る半導体装置5は、シールドキャップ材が、板状キャップ材25とリブ材28とから構成されていることを特徴とする。板状キャップ材25における変換体3の振動膜2と対向する部位には、第2の貫通孔25aが形成されている。なお、シールドキャップ材以外の他の部材は、図2に示した第1の実施形態の第1変形例と同等である。
【0069】
具体的には、例えば樹脂材料からなるリブ材28は、基板1の周縁部の上に変換体3及び増幅素子4の周囲を囲むように下部接着材27により固着されている。
【0070】
また、変換体3と対向する部位に第2の貫通孔26aが設けられた、例えば樹脂材料からなる板状キャップ材25は、各リブ材28の上面と上部接着材26によって固着されている。尚、リブ材28及び板状キャップ材25はシールドが可能であれば金属材料等でも構わない。
【0071】
このように、第2の実施形態に係る半導体装置5によると、第1の実施形態と同様の効果を得られる上に、変換体3及び増幅素子4を覆うキャップに、板状キャップ材25を用いているため、シールドキャップの作製が容易となって、製造コストの低減を図ることができる。
【0072】
以下、前記のように構成された第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図5(a)〜図5(e)を参照しながら説明する。
【0073】
まず、図5(a)に示すように、複数の第1の貫通孔1cが形成される共に、上面に複数の基板電極18が形成され、下面に複数の実装端子9が形成された、例えば2層構造の基板1を用意する。
【0074】
次に、図5(b)及び図4に示すように、素子接着材19によって、基板1の上の各第1の貫通孔1cを跨ぐように増幅素子4をそれぞれ固着する。その後、増幅素子4の増幅素子電極16と基板1の基板電極18とを増幅素子ワイヤ17によって電気的に接続する。続いて、基板1上における増幅素子4の側方の領域に、振動膜2と該振動膜2の下側に背面空間3aとを有する変換体3の背面空間3a側を変換体接着材36により固着する。その後、変換体3の変換体電極8と基板1の基板電極18とを変換体ワイヤ35によって電気的に接続する。ここでは、変換体電極8に、多結晶シリコン(Poly-Si)系材料を用い、増幅素子電極16に、一般的なアルミニウム(Al)系材料を用いている。従って、変換体ワイヤ35にはAlウェッジボンド方式を採用し、増幅素子ワイヤ17にはAuボールボンド方式を採用している。
【0075】
また、本実施形態においては、増幅素子4の増幅素子電極16と基板1の基板電極18とを増幅素子ワイヤ17で接続した後に、基板1の上に変換体3を固着している。しかし、これに限らず、基板1の上に変換体3を固着した後に、増幅素子電極16と基板電極18とを増幅素子ワイヤ17で接続してもよい。
【0076】
その後、固着された1つの変換体3及び1つの増幅素子4を1対として、各対ごとにそれぞれを囲むように、基板1の上にリブ材28を下部接着材27によって固着する。
【0077】
次に、図5(c)及び図4に示すように、板状キャップ材25を、リブ材28を覆うように上部接着材26によって固着する。ここでは、下部接着材27と上部接着材26とは、組成が同一の熱硬化性樹脂材を用いているため、板状キャップ材25を載置した後、下部接着材27と上部接着材26とを、酸化防止のため窒素雰囲気で約150℃〜250℃にまで加熱して硬化し、互いに固着させる。このとき、基板1の裏面の第1の貫通孔1cからそれぞれ露出する増幅素子4の下面にも、放熱板接着材52を用いて放熱板50をそれぞれ固着する。その後、板状キャップ材25における各変換体3の振動膜2と対向する部位に第2の貫通孔25aをそれぞれ形成する。なお、放熱板50は、増幅素子4の下面にあらかじめ固着しておいてもよい。また、第2の貫通孔25aにおいても、固着前にあらかじめ形成しておいてもよい。
【0078】
次に、図5(d)に示すように、基板1、リブ材28及び板状キャップ材25を切断手段である、例えばダイシングブレード等を用いて同時に切断する。ここで、ダイシングブレードの砥粒にはダイヤモンドを用いたが、CBN(cubic boron nitride)でも構わない。また、砥粒を固着するためのボンド材には、銅(Cu)−錫(Sn)系のメタルボンドを用いたが、ニッケル(Ni)系のメタルボンド又は熱硬化性樹脂材を用いてもよい。また、ダイシングブレードにより切断する際の、基板1、リブ材28及び板状キャップ材25の固定に粘着性を持つテープ材(図示せず)を用いたが、他の固定方式、例えば真空吸着法でも構わない。但し、第2の貫通孔25aと振動膜2とは空間的につながっているため、真空による吸着力によって振動膜2を破壊しないようにする必要がある。さらに、ダイシングブレードにより切断する際には、摩擦熱と切削屑とが発生する。このときの冷却及び切断屑の除去等を目的として、一般に切削水を使用する。さらに、切削水の水流力及び切削屑等によっても振動膜2を破壊しないようにする必要がある。従って、本実施形態においては、振動膜2を保護できるように、基板1だけでなく板状キャップ材25の上面にもテープ材を貼付して、第2の貫通孔25aに切削水及び切削屑等が浸入しないようにしている。
【0079】
以上の切断工程の後、テープ材に保持された半導体装置5を個別にピックアップして、図5(e)及び図4に示す半導体装置5を得る。
【0080】
なお、増幅素子4を基板1の上に素子接着材19により固着する際には、素子接着材19をあらかじめ基板2に設けられた第1の貫通孔1cを避けて塗布するのが望ましい。また、基板1にあらかじめ第1の貫通孔1cを設けたが、例えば、増幅素子4を固着した後に、基板1における増幅素子4の下側部分にドリル等によって第1の貫通孔1cを形成してもよい。
【0081】
このように、本実施形態に係る半導体装置5は、増幅素子4の近傍に第1の貫通孔1cを設け、さらに該第1の貫通孔1cを通して増幅素子4の下面に放熱板50を固着している。このため、半導体装置5の小型化及び軽量化を図りつつ、増幅素子4からの発熱が外部により一層放熱しやすくなる。その結果、半導体装置5の高出力化を図ることができる。
【0082】
また、半導体装置5をプリント基板等にへ実装する際に、プリント基板自体に少なくとも1つの孔部を形成しておけば、半導体装置5の放熱がさらに促進される。さらに、このとき、放熱板50自体をプリント基板に実装すれば、プリント基板の外部への放熱が容易となる。さらに、プリント基板に放熱機構が設けてある場合には、その放熱機構に放熱板50を実装すれば、半導体装置5はもとよりプリント基板全体の放熱性も一層促進される。
【0083】
ここで、放熱板50は、熱伝導性に優れた材料であることが望ましく、本実施形態においては、金属材料を用いたが、樹脂材料でも構わない。
【0084】
また、放熱板接着材52も熱伝導性に優れた材料であることが望ましく、本実施形態においては、金属材料を混ぜ合わせた熱硬化性樹脂を用いている。また、リブ材28も熱伝導性に優れた材料であることが望ましく、本実施形態においては、金属材料を用いたが樹脂材料でも構わない。
【0085】
このように、増幅素子4の高出力化に伴う発熱は、放熱板50を介して半導体装置5の外部に放熱されることにより、半導体装置5の小型化及び軽量化を図りつつ、放熱特性等の品質を向上することができる。その結果、より高出力の半導体装置5を得ることができる。
【0086】
その上、第2の実施形態においては、変換体3及び増幅素子4を覆うキャップに、板状キャップ材25を用いているため、キャップの作製が容易となって、製造コストの低減を図ることができる。
【0087】
(第2の実施形態の一変形例)
図6に第2の本実施形態の一変形例を示す。
【0088】
図6に示すように、本変形例に係る半導体装置5は、増幅素子4の上面と板状キャップ材25との間に放熱板接着材52を充填していることを特徴とする。
【0089】
この際、板状キャップ材25は、熱伝導性に優れた材料であることが望ましく、本変形例においては金属材料、例えばニッケルめっきを施した銅合金を用いたが樹脂材料を用いてもよい。また、放熱板接着材52も熱伝導性に優れた材料であることが望ましく、本変形例においては金属、例えば銀を混ぜ合わせた熱硬化性樹脂を用いている。
【0090】
従って、増幅素子4の高出力化に伴う発熱は、増複素子4の下面に設けた放熱板50だけでなく、板状キャップ材25の全面から半導体装置5の外部へ放熱される、このため、小型化及び軽量化を図りつつ、放熱特性等の品質がさらに向上した半導体装置5を実現できる。
【0091】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図7を参照しながら説明する。ここでは、図1、図2及び図4に示した構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0092】
図7に示すように、第3の実施形態に係る半導体装置5は、変換体3及び増幅素子4が共にフリップチップ実装されていることを特徴とする。すなわち、変換体3は基板1の上面に、振動膜2及び変換体電極8が形成された面を基板1と対向させて固着されている。具体的には、変換体電極8はバンプ11を介在させて基板電極18と電気的に接続されている。さらに、基板電極18、バンプ11及び変換体電極8の周囲には、変換体アンダーフィル材23が充填されている。また、基板1における変換体3の振動膜2と対向する領域には、音孔となる第2の貫通孔1dが形成されている。
【0093】
増幅素子4は、基板1の上面に、増幅素子表面電極10が形成された面を基板1と対向させて固着されている。具体的には、増幅素子表面電極10はバンプ11を介在させて基板電極18と電気的に接続されている。さらに、基板電極18、バンプ11及び増幅素子表面電極10を含め、増幅素子と放熱板50との間には、増幅素子アンダーフィル材24が充填されている。
【0094】
増幅素子4の素子形成面と反対側の面(上面)と板状キャップ材25との間には、放熱板接着材52が充填されている。
【0095】
以上により、小型化及び軽量化を図りつつ、放熱特性等の品質が向上した半導体装置5を実現できる。
【0096】
以下、前記のように構成された半導体装置5の製造方法について、第2の実施形態と異なる工程のみを説明する。
【0097】
まず、それぞれ複数の第1の貫通孔1c及び第2の貫通孔1dが形成される共に、上面に複数の基板電極18が形成され、下面に複数の実装端子9が形成された2層構造の基板1を用意する。但し、各貫通孔1c、1dの少なくとも一方は、後工程で形成してもよい。
【0098】
次に、基板1の上に、増幅素子4をその下面(素子形成面)が第1の貫通孔1cと対向するように配置して、増幅素子表面電極10と基板電極18とをバンプ11によって接続することにより固着する。続いて、増幅素子表面電極10、バンプ11及び基板電極18との接合を確保し且つ持続させるために、増幅素子4と基板1との間に増幅素子アンダーフィル材24を流し込む。続いて、増幅素子アンダーフィル材24を加熱して固化する。ここでは、増幅素子アンダーフィル材24として、熱硬化性樹脂を用いている。なお、増幅素子4の下面には放熱板50を固着するため、増幅素子アンダーフィル材24は、放熱性が高い材料を選ぶ必要がある。
【0099】
なお、増幅素子アンダーフィル材24は、増幅素子表面電極10と基板電極18とをバンプ11により接続する際に、塗布してもよい。また、増幅素子アンダーフィル材24に代えて、テープ材等を用いてもよい。
【0100】
次に、基板1の上に、変換体3をその振動膜2を下向きで且つ基板1の第2の貫通孔1dと対向するように配置して、変換体電極8と基板電極18とをバンプ11によって接続することにより固着する。続いて、変換体電極8、バンプ11及び基板電極18との接合を確保し且つ持続させるために、変換体3と基板1との間に変換体アンダーフィル材23を流し込む。続いて、変換体アンダーフィル材23を加熱等により固化する。ここでは、変換体アンダーフィル材23として、熱硬化性樹脂を用いている。なお、変換体アンダーフィル材23は、変換体電極8と基板電極18とをバンプ11により接続する際に塗布してもよい。また、変換体アンダーフィル材23に代えて、テープ材等を用いてもよい。
【0101】
なお、バンプ11による接続部を保護するために各アンダーフィル材23、24を用いたが、これらのアンダーフィル材23、24を用いなくても接続部を保護することができれば、必ずしもアンダーフィル材23、24を用いる必要はない。但し、本実施形態においては、隣接するバンプ11同士の間にはバンプピッチによる隙間があるため、基板1に設けられた第2の貫通孔1dから入る外部からの音が漏れやすくなる。従って、本実施形態においては、集音効率の観点からも、各アンダーフィル材23、24を用いている。
【0102】
また、増幅素子4を基板1の上に実装した後に変換体3を実装したが、これとは逆に、基板1の上に変換体3を実装した後に、増幅素子4を実装してもよい。
【0103】
次に、基板1上に実装された変換体3及び増幅素子4の周囲をそれぞれ囲むように、基板1の上に下部接着材27によって各リブ材28を載置する。続いて、リブ材28の上に上部接着材26を塗布すると共に、増幅素子4の上面(素子形成面と反対側の面)に放熱板接着材52を塗布する。その後、放熱板として機能する板状キャップ材25を載置する。その後、下部接着材27、上部接着材26及び放熱板接着材52は、いずれも同等の組成を持つ熱硬化性樹脂であるため、板状キャップ材25を載置した後、下部接着材27、上部接着材26及び放熱板接着材52を、酸化防止のため窒素雰囲気で約150℃〜250℃にまで加熱して硬化し、互いに固着させる。なお、本実施形態においては、放熱板接着材52には、熱伝導性を向上させるために熱硬化性樹脂に金属材料、例えば銀を混入している。
【0104】
また、本実施形態においては、増幅素子4と板状キャップ材25との間に放熱板接着材52を充填したが、増幅素子4の発熱を板状キャップ材25に伝えることができるのであれば、必ずしも放熱板接着材52を用いる必要はない。
【0105】
また、板状キャップ材25は、熱伝導性に優れた材料であることが望ましく、本実施形態においては、金属材料、例えばニッケルめっきを施した銅合金を用いたが、樹脂材料でも構わない。さらに、リブ材28に対しても、熱伝導性が高い材料を選択すれば、リブ材28自体が放熱効果を発揮するため、半導体装置5の側面からの放熱性も向上する。
【0106】
次に、基板1、リブ材28及び板状キャップ材25をダイシングブレード等によって同時に切断する。その後、テープ材に保持された半導体装置5を個別にピックアップして、図7に示す半導体装置5を得る。
【0107】
以上説明したように、第3の実施形態に係る半導体装置5は、第2の実施形態に係る半導体装置の効果を得られる上に、増幅素子4における基板1と反対側の上方に放熱板として機能する板状キャップ材25を配置し、且つ増幅素子4と板状キャップ材25との間に放熱板接着材52を充填しているため、増幅素子4からの発熱を半導体装置5の外部に、より確実に放熱しやすくすることができる。その結果、より高出力の半導体装置5を得ることができる。
【0108】
さらに、板状キャップ材25自体が比較的に大面積の放熱板となるため、より一層放熱特性が向上する。また、放熱板となる板状キャップ材25は製造が容易であり、半導体装置5のコストの低下にもつながる。
【0109】
また、シールドキャップがリブ構造を採ると共に、変換体3の背面空間3aが上方となるように変換体3をフリップチップ実装している。このため、背面空間3aの容積を任意に設定でき、集音能力を確保しつつ広い周波数帯域で振動膜2が振動しやすくなるので、音質が安定し且つ向上する。
【0110】
(第3の実施形態の第1変形例)
図8に第3の実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す。
【0111】
図8に示すように、第1変形例に係る半導体装置5は、放熱板として機能する板状キャップ材25の上面に、凹凸形状25bを有している。
【0112】
(第3の実施形態の第2変形例)
図9に第3の実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す。
【0113】
図9に示す第1変形例は、放熱板として機能する板状キャップ材25の上面に、断面三角突起形状25cを有している。
【0114】
このように、第1変形例及び第2変形例によると、放熱板である板状キャップ材25の表面積が凹凸形状25b又は三角突起形状25cによって増大するため、図7に示す板状キャップ材25を有する半導体装置と比べて、放熱性がより一層促進される。
【0115】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図10を参照しながら説明する。ここでは、図1、図2及び図7に示した構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0116】
図10に示すように、第4の実施形態に係る半導体装置5は、変換体3をその振動膜2が上側となるように実装している。さらに、変換体3と基板1との電気的な接続に変換体ワイヤを用いる代わりに、上面の変換体電極8と下面の変換体電極8との間に貫通孔を設け、該貫通孔に形成された貫通孔導体部14により電気的に接続されている。ここで、貫通孔導体部14の外周面、すなわち変換体3に形成された貫通孔の内壁には、一般に自然酸化膜が形成されるため、貫通孔導体部14から変換体3への漏れ電流が抑制される。
【0117】
また、第4の実施形態においては、変換体3の振動膜2を板状キャップ材25と対向させる構成を採るため、板状キャップ材25における振動膜2との対向部分には、第2の実施形態と同様に、第2の貫通孔25aを設けている。
【0118】
第4の実施形態に係る半導体装置5の製造方法は、変換体3を上向きに実装する以外は第3の実施形態と同等である。
【0119】
なお、変換体3の下面のバンプ11による接続部を保護するために、変換体アンダーフィル材23を用いたが、該アンダーフィル材23を用いなくても接続部を保護することができれば、必ずしも変換体アンダーフィル材23を用いる必要はない。変換体アンダーフィル材23を用いない場合には、隣接するバンプ11同士の間にはバンプピッチによる隙間があるため、変換体3の背面空間3aから板状キャップ材25の内側に空気の流通が可能となる。このため、変換体3の背面空間3aを増大できるので、半導体装置5の感度が向上して音質が良好となる。
【0120】
このように、第4の実施形態に係る半導体装置5は、第3の実施形態と同様に、増幅素子4と板状キャップ材25との間に放熱板接着材52を充填して、板状キャップ材25を実質的に放熱板として機能させるため、半導体装置5の小型化及び軽量化を図りつつ、増幅素子4からの発熱を外部へより確実に放熱しやすくすることができる。その結果、より高出力の半導体装置5を得ることができる。
【0121】
さらに、増幅素子4の下面に固着した放熱板50に加え、板状キャップ材25の全面が放熱板として機能し、該板状キャップ材25は比較的に面積が大きいため、より放熱特性が向上する。また、シールドキャップがほぼ板状構造であるため、製造が容易となって、半導体装置5の製造コストを低減することができる。
【0122】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について図11を参照しながら説明する。ここでは、図1、図2、図7及び図10に示した構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0123】
図11に示すように、第5の実施形態に係る半導体装置5は、増幅素子4と変換体3とが基板1の上に順次積層されて実装されている。
【0124】
具体的には、素子形成面を上にした増幅素子4は、基板1に形成された第1の貫通孔1cを跨ぐように、素子接着材19により固着されている。増幅素子4における第1の貫通孔1cから露出する下面には放熱板50が放熱板接着材52により固着されている。
【0125】
変換体3は、第4の実施形態と同様に貫通孔導体部14が形成されており、増幅素子4の上面の増幅素子表面電極10との間でバンプ11を介在させて固着されている。ここで、図示はしないが、増幅素子表面電極10と増幅素子電極16とは、内部回路を通じて電気的に接続されている。
【0126】
基板1の周縁部には、変換体3の振動膜2と対向する位置に第2の貫通孔13aが設けられたシールドキャップ材13が、積層された増幅素子4及び変換体3を覆うようにしてキャップ接着材20により固着されている。
【0127】
このように、第5の実施形態によると、増幅素子4と変換体3とを上下に積層して実装するため、放熱特性が向上した半導体装置5の小型化及び軽量化をより一層促進することができる。
【0128】
以下、前記のように構成された半導体装置5の製造方法について説明する。
【0129】
まず、第1の貫通孔1cが形成される共に、上面に複数の基板電極18が形成され、下面に複数の実装端子9が形成された2層構造の基板1を用意する。
【0130】
次に、基板1の上に、増幅素子4をその素子形成面と反対側の面である下面を第1の貫通孔1cに対向させて配置し、素子接着材19により固着する。続いて、増幅素子4の増幅素子電極16と基板1の基板電極18とを増幅素子ワイヤ17によって接続する。
【0131】
続いて、増幅素子4の上に振動膜2と該振動膜2の下側に背面空間3aを有する変換体3を、その背面空間3aを下側にして固着する。ここでは、変換体3の下面の変換体電極8と増幅素子4の増幅素子表面電極10とをバンプ11によって接続する。増幅素子表面電極10、バンプ11及び変換体電極8の互いの接合を確保し且つ持続させるために、変換体3の下側に変換体アンダーフィル材23を流し込み、その後、流し込まれた変換体アンダーフィル材23を加熱するなどして固化する。なお、ここでも、バンプ11による接続部を保護するために、変換体アンダーフィル材23を用いたが、該変換体アンダーフィル材23を用いなくても、接続部を保護できるのであれば、必ずしも変換体アンダーフィル材23を用いる必要はない。但し、隣接するバンプ11同士の間には、バンプピッチによる隙間があるため、変換体3の背面空間3aからシールドキャップ13の内側に空気の流通が可能となる。このため、背面空間3aを実質的に増大できるので、半導体装置5の感度が向上して音質が良好となる。
【0132】
なお、本実施形態においては、増幅素子電極16と基板電極18とを増幅素子ワイヤ17で接続した後に、増幅素子4の上に変換体3を実装したが、これとは逆に、増幅素子4の上に変換体3を実装した後に、増幅素子電極16と基板電極18とを増幅素子ワイヤ17で接続しても構わない。
【0133】
その後、基板1の上に積層された増幅素子4及び変換体3を覆うように、基板1の上の周縁部に、第2の貫通孔13aが形成されたシールドキャップ材13をキャップ接着材20により固着する。以上により、図11に示す半導体装置5を得る。
【0134】
第5の実施形態に係る半導体装置5は、増幅素子4の高出力化に伴う発熱が該増幅素子4の下面に固着された放熱板50を介して外部に放熱される、さらに、増幅素子4は変換体3と積層されて基板1の上に実装されていることにより、半導体装置の小型化及び軽量化を図りつつ、放熱特性等の品質が向上した半導体装置5を実現できる。その結果、より高出力の半導体装置5を得ることができる。
【0135】
なお、半導体装置5をプリント基板等に実装する際に、放熱板50もプリント基板に実装すれば、プリント基板の外部に放熱しやすくなる。さらに、プリント基板に設けられた放熱機構に放熱板50を実装すれば、半導体装置5だけでなく、プリント基板全体の放熱性も促進される。
【0136】
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態について図12を参照しながら説明する。ここでは、図1、図2及び図10に示した構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0137】
図12に示すように、第6の実施形態に係る半導体装置5は、基板1の上に増幅素子4と変換体3とが順次積層され、且つ、基板1と増幅素子4と変換体3との互いの幅Wが同一寸法となるように形成されている。
【0138】
具体的には、第6の実施形態に係る増幅素子4はフリップチップ実装されており、且つ素子形成面とは反対側の面(裏面)上に、複数の増幅素子裏面電極31、33が設けられている。増幅素子4には増幅素子貫通孔導体部32が形成されており、増幅素子裏面電極31は増幅素子貫通孔導体部32を介して増幅素子表面電極10と電気的に接続されている。変換体3における貫通孔導体部14と接続された下面の変換体電極8は、増幅素子4の増幅素子裏面電極33とバンプ11を介して電気的に接続されている。
【0139】
以上の構成により、変換体3及び増幅素子4には、基板1との電気的な接続にワイヤを用いることがなく、且つシールドキャップ材をも用いる必要がないため、半導体装置5のさらなる小型化及び軽量化が可能となる。
【0140】
以下、前記のように構成された半導体装置5の製造方法について説明する。
【0141】
まず、第1の貫通孔1cが形成される共に、上面に複数の基板電極18が形成され、下面に複数の実装端子9が形成された2層構造の基板1を用意する。
【0142】
次に、基板1の上に、増幅素子4をその素子形成面が基板1の第1の貫通孔1cに対向するように配置して、増幅素子表面電極10と基板電極18とをバンプ11によって接続することにより固着する。続いて、増幅素子表面電極10とバンプ11と基板電極18との接合を確保し且つ持続させるために、増幅素子4と基板との間に増幅素子アンダーフィル材24を流し込み、その後、増幅素子アンダーフィル材24を加熱等により固化する。
【0143】
次に、増幅素子4の上に、変換体3をその背面空間3a側を下向きに配置して、変換体電極8と増幅素子裏面電極31とをバンプ11によって接続することにより固着する。変換体電極8とバンプ11と増幅素子裏面電極31との接合を確保し且つ持続させるために、変換体3と増幅素子4との間に変換体アンダーフィル材23を流し込む。その後、変換体アンダーフィル材23を加熱等により固化する。ここで、増幅素子アンダーフィル材24と変換体アンダーフィル材23とに、組成が同一の又は性質が同等の材料を用いれば、両アンダーフィル材23、24を固化する工程を同時に行えるため量産性が向上する。
【0144】
また、ここでは、各アンダーフィル材23、24には、組成が同一で粘性が同等である材料を用いたため、各アンダーフィル材23、24を別工程で流し込んだが、粘性が異なる材料を用いてもよい。例えば、切断前には平面寸法が大きい増幅素子4に、変換体アンダーフィル材23よりも粘性が低い増幅素子アンダーフィル材24を用いれば、増幅素子アンダーフィル材24と変換体アンダーフィル材23とを同一工程で流し込むことが可能となるので量産性が向上する。
【0145】
また、増幅素子アンダーフィル材24及び変換体アンダーフィル材23は、いずれもバンプ11を接合する工程で塗布等の処理を行ってもよい。また、アンダーフィル材23、24に代えて、テープ材等を用いても構わない。さらに、増幅素子4を基板1の上に固着した後に、増幅素子4の上に変換体3を固着したが、これとは逆に、増幅素子4の上に変換体3を固着した後に、積層された変換体3及び増幅素子4を基板1の上に固着してもよい。
【0146】
なお、増幅素子4と変換体3とを共にウェーハ状態から作製する場合には、ウェーハ状態の複数の増幅素子4と、ウェーハ状態の複数の変換体3とをそれぞれバンプ11に接合する。その後、ダイシングブレード等によって、ウェーハ状態の増幅素子4とウェーハ状態の変換体3とを同時に切断することにより、増幅素子4と変換体3とが互いに接続されたスタック状の個片を形成する。続いて、個片とされたスタック状の増幅素子4と変換体3と基板1の上にバンプ11によって接合する。その後、必要なアンダーフィル材23、24を流し込み、さらに固化する。
【0147】
次に、増幅素子4における基板1の第1の貫通孔1cから露出する下面に、放熱板接着材52によって放熱板50を固着する。以上により、図12に示す半導体装置5を得る。
【0148】
このように、第6の実施形態によると、変換体3と増幅素子4とを積層構造(スタック構造)としているため、半導体装置5の小型化とさらなる軽量化とを図ることができる。また、増幅素子4は基板1との間で増幅素子ワイヤではなく、バンプ11により接合しているため、基板1にワイヤループ分のマージンを取る必要がなくなる。これにより、半導体装置5の幅Wを小さくすることができ、半導体装置5のさらなる小型化が可能となる。
【0149】
さらに第5の実施形態においては、幅素子4と変換体3との平面積を同等としている。これにより、増幅素子4の平面寸法を小さくすることができ、シールドキャップを不要にできる。これによっても、半導体装置5の小型化及び軽量化をより一層図ることができる。従って、本実施形態においては、小型化及び軽量化を図りながら、放熱特性に優れた半導体装置5を得ることができ、高出力化を実現できる。
【0150】
また、増幅素子4と変換体3との2枚のウェーハ接合状態から、ダイシング加工等によって増幅素子4と変換体3とが接合された個片状態に同時に加工できるため、加工時間を短縮できるので、製造コストを低減できる。
【0151】
なお、半導体装置5をプリント基板等に実装する際に、放熱板50もプリント基板に実装すれば、プリント基板の外部に放熱しやすくなる。さらに、プリント基板に設けられた放熱機構に放熱板50を実装すれば、半導体装置5だけでなく、プリント基板全体の放熱性も促進される。
【0152】
(第7の実施形態)
以下、本発明の第7の実施形態について図13を参照しながら説明する。ここでは、図1、図2及び図10に示した構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0153】
図13に示すように、第7の実施形態に係る半導体装置5は、基板1の上に変換体3と増幅素子4とが順次積層され、且つ、変換体3と増幅素子4との互いの幅Wが同一寸法となるように形成されている。また、積層された変換体3及び増幅素子4は、シールドキャップ材13に覆われており、増幅素子4とシールドキャップ材13との間には放熱板接着材52が充填されて、増幅素子4とシールドキャップ材13とが互いに固着されている。
【0154】
変換体3は、その振動膜2が基板1に設けられた第1の貫通孔1cと対向するように下向きに固着され、フリップチップ実装されている。変換体3には、貫通孔導体部14が設けられており、変換体3の上にフリップチップ実装された増幅素子4は、変換体3の貫通孔導体部14を介して変換体3及び基板1と電気的に接続されている。
【0155】
このように、第7の実施形態に係る半導体装置5は、変換体3と増幅素子4とを積層構造(スタック構造)としているため、さらなる小型化及び軽量化を図ることができる。
【0156】
その上、増幅素子4に放熱板となるシールドキャップ材13を固着しているため、半導体装置5の小型化及び軽量化を図りつつ、増幅素子4からの発熱を半導体装置5の上面だけでなく、半導体装置5の側面からも外部に放熱しやすくすることができる。
【0157】
以下、前記のように構成された半導体装置5の製造方法について説明する。
【0158】
まず、第1の貫通孔1cが形成される共に、上面に複数の基板電極18が形成され、下面に複数の実装端子9が形成された2層構造の基板1を用意する。
【0159】
次に、基板1の上に、変換体3をその振動板2の表面が第1の貫通孔1cに対向するように配置して、基板1の基板電極18と変換体3の変換体電極8とをバンプ11によって接続することにより固着する。続いて、基板電極18とバンプ11と変換体電極8との接合を確保し且つ持続させるために、変換体アンダーフィル材23を流し込む。続いて、流し込まれた変換体アンダーフィル材23を加熱等により固化する。なお、変換体アンダーフィル23は、基板電極18と変換体電極8とをバンプ11により接続する際に、塗布等の処理を行ってもよい。
【0160】
次に、変換体3の上に増幅素子4を、変換体3の変換体電極8と増幅素子表面電極10とを増幅素子バンプ34によって接続することにより固着する。変換体電極8と増幅素子表面電極10とバンプ11との接合を確保し且つ持続させるために、変換体3と増幅素子4との間に増幅素子アンダーフィル材24を流し込む。その後、流し込まれた増幅素子アンダーフィル材24を加熱等により固化する。ここでも、増幅素子アンダーフィル材24は、変換体電極8と増幅素子表面電極10とをバンプ11により接続する際に、塗布等の処理を行ってもよい。また、ここでは各アンダーフィル材23、24を用いたが、テープ材等により代替しても構わない。
【0161】
なお、基板1の上に変換体3を実装した後に、該変換体3の上に増幅素子4を実装したが、これとは逆に、変換体3の上に増幅素子4を実装した後に、積層された変換体3と増幅素子4とを基板1の上に実装してもよい。このとき、積層された変換体3と増幅素子4とは、第6の実施形態と同様に、共にウェーハ状態にある複数の変換体3及び増幅素子4に対して、ダイシング加工等を行って形成してもよい。
【0162】
次に、積層された変換体3及び増幅素子4を覆うように、基板1の上の周縁部に放熱板を兼ねるシールドキャップ材13をキャップ接着材20により固着する。このとき、増幅素子4の上に放熱板接着材52を塗布しておき、増幅素子4とシールドキャップ材13とを互いに固着する。以上により、図13に示す半導体装置5を得る。
【0163】
なお、本実施形態においては、放熱板を兼ねるシールドキャップ材13を基板1の上にも設けたが、半導体装置5の外部から進入する音が第1の貫通孔1cを介して振動膜2に十分に伝わるのであれば、シールドキャップ材13を基板1の上には設ける必要がない。
【0164】
また、増幅素子4の上面とシールドキャップ材13とを放熱板接着材52によって固着したが、増幅素子4からの放熱がシールドキャップ材13に伝播するのであれば、必ずしも放熱板接着材52は必要ではない。
【0165】
以上のように、第7の実施形態によると、変換体3と増幅素子4とを積層構造(スタック構造)としているため、さらなる半導体装置の小型化及び軽量化を図ることができる。その上、増幅素子4とシールドキャップ材13とを接続して、該シールドキャップ材13を放熱板として機能させるため、半導体装置5の小型化及び軽量化を図りつつ、増幅素子4からの発熱を半導体装置5の上面だけでなく、半導体装置5の側面からも外部に放熱しやすくすることができる。その結果、高出力の半導体装置5を得ることができる。
【0166】
(第7の実施形態の一変形例)
図14に第7の実施形態の一変形例を示す。
【0167】
図14に示すように、本変形例に係る半導体装置5は、基板1の平面寸法を変換体3及び増幅素子4と同一のWとしている。
【0168】
さらに、基板1に設けた第1の貫通孔1cの開口径を第7の実施形態に係る第1の貫通孔1cの開口径よりも大きくしている。これにより、シールドキャップ材13が不要となり、増幅素子4の上面にのみ放熱板50を形成している。
【0169】
また、第2の実施形態等と同様に、放熱板50は熱伝導性に優れた材料であることが望ましく、本変形例においては金属材料を用いたが、樹脂材料でも構わない。
【0170】
放熱板接着材52も、熱伝導性に優れた材料であることが望ましく、本変形例においても金属材料を混ぜ合わせた熱硬化性樹脂を用いている。
【0171】
本変形例に係る半導体装置5は、第7の実施形態と比べて、シールドキャップ材を有さないため、半導体装置5のさらなる小型化及び軽量化を図ることができる。
【0172】
その上、増幅素子4の上面に放熱板50が固着されているため、半導体装置5の小型化及び軽量化を図りつつ、増幅素子4からの発熱を外部に放熱しやすくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0173】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法は、小型化を図る共に感度性能を向上しつつ、より高出力の半導体装置を低コストで得ることができ、波動を電気信号に変換する半導体装置及びその製造方法等に有用である。
【符号の説明】
【0174】
1 基板
1a 上層基板
1b 下層基板
1c 第1の貫通孔(第1の孔部)
1d 第2の貫通孔(第2の孔部)
2 振動膜
3 変換体
3a 背面空間
4 増幅素子
5 半導体装置
8 変換体電極
9 実装端子
10 増幅素子表面電極
11 バンプ
12 内部配線
13 シールドキャップ材
13a 第2の貫通孔
14 貫通孔導体部
15 変換体配線
16 増幅素子表面電極
17 増幅素子ワイヤ
18 基板電極
19 素子接着材
20 キャップ接着材
21 増幅素子貫通孔
23 変換体アンダーフィル材
24 増幅素子アンダーフィル材
25 板状キャップ材
25a 第2の貫通孔
25b 凹凸形状
25c 三角突起形状
26 上部接着材
27 下部接着材
28 リブ材
31 増幅素子裏面電極
32 増幅素子貫通孔導体部
33 増幅素子裏面電極
35 変換体ワイヤ
36 変換体接着材
50 放熱板
52 放熱板接着材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に保持され、外部からの波動を電気信号に変換する変換体と、
前記基板の上に保持され、前記変換体からの電気信号を増幅する増幅素子とを備え、
前記基板は、前記増幅素子と対向する領域に前記基板を表裏方向に貫通する第1の孔部を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1の孔部には、放熱板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記放熱板は、前記増幅素子と固着されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記基板の上に、前記変換体及び増幅素子を覆うように保持されたキャップ材をさらに備え、
前記キャップ材は、前記増幅素子と固着されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記キャップ材は、前記基板の上の周縁部に固着されたリブ材と、該リブ材の上に固着された板状部材とからなることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記板状部材は、前記増幅素子と固着されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記板状部材は、前記基板と反対側の面上に形成された凹凸形状を有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記基板は、前記変換体と対向する領域に前記基板を貫通する第2の孔部を有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記変換体は、該変換体の一の面に形成された第1電極と、前記一の面と対向する他の面に形成された第2電極とを有し、
前記第1電極と前記第2電極とは、前記変換体の内部を貫通する貫通電極によって電気的に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記変換体は、前記増幅素子の上に固着されていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記増幅素子は、前記変換体の上に固着されていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記変換体と前記増幅素子との平面形状は同一であり、且つ、前記変換体と前記増幅素子との互いの側面は、前記基板の上面に対して垂直な方向に一致していることを特徴とする請求項10又は11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記基板と前記変換体との平面形状は同一であり、且つ、前記基板と前記変換体との互いの側面は、前記基板の上面に対して垂直な方向に一致していることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記増幅素子は、前記基板側に素子形成面を対向させて保持されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項15】
基板に該基板の表裏方向に貫通する第1の孔部を形成する工程(a)と、
前記基板の上に、外部からの波動を電気信号に変換する変換体を固着する工程(b)と、
前記基板の上に、前記第1の孔部と対向するように増幅素子を固着する工程(c)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記工程(a)は、前記基板における前記変換体と対向する領域に、前記基板の表裏方向に貫通する第2の孔部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記工程(b)及び工程(c)よりも後に、
前記基板の上に、前記変換体及び増幅素子を覆うようにキャップ材を固着する工程(d)をさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記工程(d)は、
前記基板の周縁部に前記変換体及び増幅素子を囲むようにリブ材を固着する工程と、
前記リブ材の上に、板状部材を固着する工程とを含むことを特徴とする請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記工程(a)において、前記基板には、前記第1の孔部が複数形成されており、
前記工程(b)及び工程(c)において、前記変換体及び増幅素子は、それぞれ複数で且つ前記変換体及び増幅素子を一対として前記基板の上に固着され、
前記工程(b)及び工程(c)よりも後に、
切断手段により、前記基板と前記キャップ材とを前記一対の変換体及び増幅素子を含むように切断することにより、前記基板を個片化する工程(e)をさらに備えていることを特徴とする請求項17又は18に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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