説明

半導体装置

【課題】出力電圧もしくは出力電流の範囲を広げることなく、検出可能な照度範囲が広い光電変換装置を提供する。
【解決手段】光電変換素子101と、前記光電変換素子に電気的に接続された増幅回路とを含む光電変換装置と、前記光電変換装置に印加するバイアスを反転させるバイアス切り替え手段102とを有し、前記バイアス切り替え手段102を用いて前記光電変換装置に印加するバイアスを反転させることで、出力電圧もしくは出力電流の範囲を広げることなく、光電変換装置の検出可能な照度範囲を広げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に光電変換装置とトランジスタとを有する半導体装置
に関する。また、半導体装置を用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に電磁波の検知用途に用いられる光電変換装置は数多く知られており、例えば紫
外線から赤外線にかけて感度を有するものは総括して光センサと呼ばれている。その中で
も波長400nm〜700nmの可視光線領域に感度を持つものは特に可視光センサと呼
ばれ、人間の生活環境に応じて照度調整やオン/オフ制御などが必要な機器類に数多く用
いられている。
【0003】
特に表示装置では表示装置の周囲の明るさを検出し、その表示輝度を調整することが行
なわれている。なぜなら周囲の明るさを検出し、適度な表示輝度を得ることによって無駄
な電力を減らすことが可能であるからである。例えば、携帯電話やパーソナルコンピュー
タにそのような輝度調整用の光センサが用いられている。
【0004】
また周囲の明るさだけではなく、表示装置、特に液晶表示装置のバックライトの輝度を
光センサにより検出し、表示画面の輝度を調節することも行われている。
【0005】
このような光センサにおいては、センシング部分にフォトダイオードを用い、フォトダ
イオードの出力電流を増幅回路にて増幅することが行われている。このような増幅回路と
しては、例えばカレントミラー回路が用いられる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3444093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の光センサでは高照度まで検出しようとすると出力電流もしくは出力電圧が広範囲
に及んでしまうため、光電変換装置として使用しづらく消費電力が増大するといった問題
が挙げられる。
【0008】
上記問題を鑑み、本発明では、出力電圧もしくは出力電流の範囲を広げることなく、検出
可能な照度範囲が広い光電変換装置を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る半導体装置は、光電変換素子と光電変換素子に電気的に接続された増幅回
路とを含む光電変換装置と、光電変換装置に印加するバイアスを反転させるバイアス切り
替え手段とを有している。バイアス切り替え手段を用いて光電変換装置に印加するバイア
スを反転させることで、出力電圧もしくは出力電流の範囲を広げることなく、検出可能な
照度範囲を広げることが可能となる。
【0010】
なお、増幅回路は、少なくとも第1のトランジスタを含む2以上のトランジスタを有し
、入射される光は光電変換素子で検知し、光電変換装置に印加するバイアスを反転させる
と共に光電変換素子に生じる電流による検出と、第1のトランジスタのゲートソース間に
印加される、光電変換素子に生じる電圧による検出とを切り替えることを特徴とする。そ
のため、光電変換装置を構成するトランジスタの性質、例えばチャネル形成領域の結晶性
、しきい値やS値(サブスレッシュホールド値)を変化させることにより照度の検出範囲
、出力電流、出力電圧等を目的に応じて変化させることも可能となる。
【0011】
本発明の一は、照度検出機能を有する半導体装置であって、半導体装置は、光電変換素
子と光電変換素子に電気的に接続された増幅回路とを含む光電変換装置と、光電変換装置
に印加するバイアスを反転させるバイアス切り替え手段とを有し、増幅回路は、少なくと
も第1のトランジスタを含む2以上のトランジスタを有し、第1のトランジスタのゲート
電極は光電変換素子を介して第1のトランジスタの第1の電極に電気的に接続され、光電
変換素子は入射される光を検知し、バイアス切り替え手段は、所定の照度を境にバイアス
を反転させると共に、光電変換素子に生じる電流による検出と、第1のトランジスタのゲ
ートソース間に印加される、光電変換素子に生じる電圧による検出とを切り替えることを
特徴とする。
【0012】
本発明の一は、照度検出機能を有する半導体装置であって、光電変換素子と光電変換素
子に電気的に接続された増幅回路とを含む光電変換装置と、光電変換装置に印加するバイ
アスを反転させるバイアス切り替え手段とを有し、増幅回路は、少なくとも第1のトラン
ジスタを含む2以上のトランジスタを有し、光電変換素子は入射される光を検知し、光が
所定の照度以下では光電変換素子に生じる電流により検出され、光が所定の照度を超える
場合には第1のトランジスタのゲートソース間に光電変換素子に生じる電圧を印加するこ
とで検出され、バイアス切り替え手段は所定の照度を境にバイアスを反転させることを特
徴とする。
【0013】
本発明の一は、照度検出機能を有する半導体装置であって、光電変換素子と光電変換素
子に電気的に接続された増幅回路とを含む光電変換装置と、光電変換装置に印加するバイ
アスを反転させるバイアス切り替え手段とを有し、増幅回路は、少なくとも第1のトラン
ジスタを含む2以上のトランジスタを有し、第1のトランジスタのゲート電極は光電変換
素子を介して第1のトランジスタの第1の電極に電気的に接続され、光電変換素子は入射
される光を検知し、光が所定の照度以下では光電変換素子に生じる電流により検出され、
光が所定の照度を超える場合には第1のトランジスタのゲートソース間に光電変換素子に
生じる電圧を印加することで検出され、バイアス切り替え手段は所定の照度を境にバイア
スを反転させることを特徴とする。
【0014】
本発明の一は、照度検出機能を有する半導体装置であって、光電変換素子と光電変換素
子に電気的に接続された増幅回路とを含む光電変換装置と、光電変換装置に印加するバイ
アスを反転させるバイアス切り替え手段とを有し、増幅回路は、少なくとも第1のトラン
ジスタと第2のトランジスタとを有し、バイアスは光電変換装置の第1の端子及び第2の
端子より印加され、第1の端子は光電変換素子を介して第2のトランジスタの第1の電極
及びゲート電極並びに第1のトランジスタのゲート電極と電気的に接続され、第1の端子
は第1のトランジスタの第1の電極とも電気的に接続され、第2の端子は第1のトランジ
スタ及び第2のトランジスタの第2の電極に電気的に接続され、光電変換素子は入射され
る光を検知し、光が所定の照度以下では光電変換素子に生じる電流により検出され、光が
所定の照度を超える場合には光電変換素子に生じる電圧により検出され、バイアス切り替
え手段は所定の照度を境にバイアスを反転させることを特徴とする。
【0015】
上記構成において、増幅回路は第1のトランジスタを複数有することを特徴とする。ま
た、光電変換素子は、p型半導体層と、n型半導体層と、p型半導体層とn型半導体層の
間に設けられたi型半導体層とを有することを特徴とする。
【0016】
なお、本明細書において接続されているとは、電気的に接続されていることと同義であ
る。したがって、本発明が開示する構成において、所定の接続関係に加え、その間に電気
的な接続を可能とする他の素子(例えば、スイッチやトランジスタや容量素子やインダク
タや抵抗素子やダイオードなど)が配置されていてもよい。もちろん、間に他の素子を介
さずに配置されていてもよく、電気的に接続されているとは直接的に接続されている場合
を含むものとする。
【0017】
なお、本明細書において、光電変換装置に印加するバイアスを反転させるとは、光電変換
装置に印加する電位関係を反転させれば良く、必ずしも反転前後において同じ電位差であ
ることを要しない。また、本明細書において、トランジスタは薄膜トランジスタの場合に
ついて述べているが、特にこれに限定されない。
【発明の効果】
【0018】
本発明により出力電圧もしくは出力電流の範囲を広げることなく、検出可能な照度範囲を
広いものとすることが可能となる。よって、高性能な光電変換装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の半導体装置を示す図。
【図2】本発明の光電変換装置を示す図。
【図3】本発明の光電変換装置を示す図。
【図4】本発明の光電変換装置の出力電流における照度依存性を説明する図。
【図5】本発明の光電変換装置の出力電流における照度依存性を説明する図。
【図6】本発明の半導体装置を示す図。
【図7】本発明の光電変換装置を示す図。
【図8】本発明の光電変換装置の断面図。
【図9】本発明の光電変換装置の出力電流における照度依存性を示す図。
【図10】本発明の光電変換装置の出力電流における照度依存性を示す図。
【図11】本発明の光電変換装置の相対感度及び標準比視感度曲線を示す図。
【図12】本発明の半導体装置の作製工程を示す図。
【図13】本発明の半導体装置の作製工程を示す図。
【図14】本発明の半導体装置の作製工程を示す図。
【図15】本発明の光電変換装置の断面図。
【図16】本発明の半導体装置の作製工程を示す図。
【図17】本発明の半導体装置の作製工程を示す図。
【図18】本発明の半導体装置の作製工程を示す図。
【図19】バイアス切り替え手段について説明する図。
【図20】バイアス切り替え手段について説明する図。
【図21】バイアス切り替え手段について説明する図。
【図22】バイアス切り替え手段について説明する図。
【図23】バイアス切り替え手段について説明する図。
【図24】本発明の半導体装置を実装した装置を示す図。
【図25】本発明の半導体装置を実装した装置を示す図。
【図26】本発明の半導体装置を実装した装置を示す図。
【図27】本発明の半導体装置を実装した装置を示す図。
【図28】本発明の半導体装置を実装した装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一態様について説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施する
ことが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を
様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本形態の記載内容に
限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同様の
ものを指す符号は異なる図面間で共通の符号を用いて示し、同一部分又は同様な機能を有
する部分の詳細な説明は省略する。
【0021】
(実施の形態1)
本発明の半導体装置の一実施形態を図1を用いて説明する。図1(A)に示す半導体装
置は、光電変換装置101、バイアス切り替え手段102、電源103、端子V、抵抗
104とを有する。なお、光電変換装置101は、図1(B)に示すように光電変換素子
115と薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor(TFT))で
構成される薄膜集積回路とを有し、前記薄膜集積回路は少なくとも薄膜トランジスタ11
3とダイオード接続された薄膜トランジスタ112とで構成されるカレントミラー回路1
14を有する。なお、本実施形態においてカレントミラー回路114を構成する薄膜トラ
ンジスタはnチャネル型薄膜トランジスタとする。また、光電変換装置は、フォトICと
も言う。
【0022】
光電変換装置101の一方の端子121は、バイアス切り替え手段102を介し電源1
03の一方の電極と接続されており、光電変換装置101の他方の端子122は抵抗10
4を介し電源103の他方の電極に接続されている。なお、光電変換装置101から得ら
れる電流は抵抗104を用いて端子121と接続された端子V0より電圧として出力され
る。
【0023】
次に、光電変換装置101について図1(B)を用いて説明する。端子121は、光電
変換素子115を介し薄膜トランジスタ112のゲート電極及び第1の電極(ソース電極
及びドレイン電極の一方)と接続され、薄膜トランジスタ112の第2の電極(ソース電
極及びドレイン電極の他方)は端子122と接続されている。また、端子121は薄膜ト
ランジスタ113の第1の電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)とも接続されてい
る。一方、薄膜トランジスタ113の第2の電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)
は端子122と接続されている。なお、薄膜トランジスタ113のゲート電極は薄膜トラ
ンジスタ112のゲート電極と接続されている。
【0024】
図1(A)に示す半導体装置において、光電変換素子115に光が照射されることによ
り電子及び正孔が生じ、電流が発生する。なお、カレントミラー回路114は、光電変換
素子115から得られた電流を増幅する働きを有する。図1(B)では、薄膜トランジス
タ113が一つの場合、即ち光電変換素子115から得られた電流を2倍に増幅した場合
について示しているが、さらに高い電流を得たい場合にはゲート電極が薄膜トランジスタ
112のゲート電極に接続された薄膜トランジスタ113からなるユニット116を端子
121と端子122との間に並列して複数設ければ良い。例えば、図2に示すようにユニ
ット数をnとすることで、光電変換素子115から得られる電流をiとすると約(n+1
)倍の電流約(n+1)×iを光電変換装置101より出力することができる。なお、光
電変換素子115から得られた電流は照度依存性を有するため、照度すなわち照射された
光を検出することが可能となる。ここでは、光電変換装置101より得られた電流を抵抗
104を用いて端子V0より電圧として出力することで、照度を検出している。
【0025】
バイアス切り替え手段102は、所定の照度を境に電源103を用い光電変換装置10
1の端子121及び端子122に供給する電位関係、即ちバイアスを反転させる。図1に
おいては、2種類の電源103a、103bを用いたが、光電変換装置101に印加する
バイアスが反転されれば特にこれに限定されない。もちろん、反転前後において光電変換
装置101に印加される電圧は同一であることを要しない。
【0026】
また、光電変換装置101に印加するバイアスを反転させることで端子Voより出力さ
れる出力電圧も逆転するため、出力を反転させる切り替え手段(図示しない)を介して端
子V0より出力を得ても良い。
【0027】
電源103aを用いて光電変換装置101に電圧が印加されている場合の光検出につい
て、半導体装置のうちの光電変換装置101を抜き出し図3(A)を用いて説明する。な
お、電源103aの正の電極側に接続された端子121にはVddが、負の電極側に接続
された端子122にはVssの電位が供給されているものとする。このとき、薄膜トラン
ジスタ113の第1の電極はドレイン電極、第2の電極はソース電極として機能し、光が
照射されていない初期状態においては薄膜トランジスタ112及び薄膜トランジスタ11
3は非導通状態であるものとする。
【0028】
光が光電変換素子115に照射されると上述したように電流が得られ、薄膜トランジス
タ112は導通状態となり、電流iが薄膜トランジスタ112に流れる。なお、このとき
薄膜トランジスタ112の第1の電極はドレイン電極、第2の電極はソース電極となり、
薄膜トランジスタ112はダイオード接続された状態となっている。また、薄膜トランジ
スタ113のゲート電極及びソース電極の各々には、薄膜トランジスタ112のゲート電
極、ソース電極と同様の電位が供給されているため電流iが流れる。よって、光電変換装
置101より約2×iの電流値Iが得られる。その際の照度に対する光電変換装置101
より得られる電流値|I|(即ち、出力電流|I|)の関係を図4(図4中の10)に示
す。図4において、横軸、縦軸はそれぞれ対数表示した照度L、電流値|I|を表す。な
お、電流値|I|は電流値Iの絶対値を示している。光検出の際、半導体装置からの出力
電圧、即ち図1における端子V0からの出力電圧をV1以上V2以下、及び光電変換装置
101からの検出可能な電流範囲をI1以上I2以下と設定すると、図4より電源103
aを用いた際の半導体装置における検出可能な照度範囲はL1以上L2以下、即ち範囲(
A)となる。
【0029】
次に、図1(A)に示すバイアス切り替え手段102により電源103が切り替わる所
定の照度をL2とした場合について説明する。切り替えることにより電源103bを用い
、この場合の光電変換装置101を図3(B)に示す。なお、電源103bの負の電極側
に接続された端子121にはVssが、正の電極側に接続された端子122にはVddの
電位が供給されているものとする。即ち、図3(A)に示した電源103aのときとは光
電変換装置101に印加するバイアスを反転させた状態となっている。このとき、薄膜ト
ランジスタ113の第1の電極はソース電極、第2の電極はドレイン電極として機能し、
光が照射されていない初期状態においては薄膜トランジスタ112及び薄膜トランジスタ
113は非導通状態であるものとする。
【0030】
薄膜トランジスタ112が非導通状態で、光電変換素子115に光が照射されると、照
度の対数値に比例した開放電圧Vocが発生する。そのため、薄膜トランジスタ112の
第1の電極及びゲート電極並びにこれらに接続された薄膜トランジスタ113のゲート電
極の電位はVss+Vocとなる。よって、薄膜トランジスタ113のゲート・ソース間
電圧はVocとなり、薄膜トランジスタ113は導通状態となる。よって、薄膜トランジ
スタ113には電流i´が流れる。Vdd>Vss+Vocとすると薄膜トランジスタ1
12の第1の電極はソース電極、第2の電極はドレイン電極となる。よって、薄膜トラン
ジスタ112のゲート・ソース間電圧Vgsはゼロであるため、非導通状態である。なお
、このとき薄膜トランジスタ112のオフ電流については考えないものとして記載してい
る。
【0031】
このようにして、光電変換装置101より電流値i´が得られる。その際の照度に対す
る光電変換装置101からの出力電流の関係を図4中に11として示す。
【0032】
上述したように、本実施形態では半導体装置からの出力電圧、即ち図1における端子V0
からの出力電圧をV1以上V2以下とし、検出可能な電流範囲をI1以上I2以下と設定
した。よって、電源103bを用いた際の光電交換装置における検出可能な照度範囲は図
4に示すようにL2以上L3以下、即ち範囲(B)とすることができる。なお、照度L2
の検出には範囲(A)、範囲(B)のいずれの特性を用いても良いが、ここでは電源10
3が切り替わる所定の照度をL2としているため範囲(B)における照度範囲をL2<L
≦L3とする。
【0033】
このように光電変換装置に印加するバイアスを反転することで、出力電圧もしくは出力
電流の範囲を広げることなく、検出可能な照度範囲を広いものとすることが可能となる。
【0034】
なお、図4では照度範囲(B)において光電変換装置101より得られる電流値の絶対
値|I|がI1以上I2以下となる場合について述べたが、図5に示すように範囲(A)
及び範囲(B)において得られる電流値が大きく異なる場合がある。このような場合、出
力電圧が広範囲となってしまい、半導体装置として使用しづらいうえ消費電力が大きくな
ってしまう。
【0035】
上述したように範囲(A)では照度の検出に光電変換素子115の特性を、範囲(B)
では光電変換素子115から得られる開放電圧Voc及び薄膜トランジスタ112の特性
を利用している。そのため、薄膜トランジスタの特性を変化させることで範囲(B)の出
力電流を変化させることができる。よって、薄膜トランジスタの特性を制御することで範
囲(B)において所望の範囲内で出力電流を得ることができるため、範囲(A)及び範囲
(B)の出力電流の範囲をより近いものとすることが可能となる。例えば、薄膜トランジ
スタ113のしきい値電圧を制御した場合には、照度に対する出力電流の関係(図5中1
1)を縦軸方向にシフトさせる、即ち照度に対し得られる電流値を大きく増減させること
が可能となる。例えば、薄膜トランジスタのしきい値電圧を正の方向に変化させると、出
力電流(図5中11)は低い方向にシフトし、しきい値電圧を負の方向に変化させると出
力電流(図5中11)は高い方向にシフトする。ただし、薄膜トランジスタのしきい値制
御は、薄膜トランジスタがディプレション型トランジスタ、即ちノーマリーオンとならな
い範囲内で行うものとする。以上のようにして、出力電流を自由に設定することが可能と
なるため、出力電流ひいては出力電圧の範囲を広げることなく、検出可能な照度範囲を広
いものとすることが可能となる。
【0036】
また、薄膜トランジスタのS値(サブスレッシュホールド値)を制御することにより照
度に対する出力電流の関係(図5中11)の傾きを自由に設定することができる。例えば
、S値を大きくすると図5中11の傾きを小さくでき、S値を小さくすると図5中11の
傾きを大きいものとすることができる。そのため、範囲(A)及び範囲(B)における照
度に対する出力電流の関係を同一にすることも可能であるし、異ならせることも可能であ
る。例えば、後者においては高照度を検出する際には低照度と比較し照度依存性を低下さ
せることも可能であり、そうした場合半導体装置の光の検出範囲をさらに広げることも可
能となる。このように、目的に応じて所望の照度依存性を有する半導体装置を得ることが
できる。
【0037】
また、範囲(A)及び範囲(B)の出力電流の違いは、光電変換装置101に接続され
る抵抗、即ち図1(A)においては抵抗104の抵抗値を電源103と対応して選択する
ことで同一の出力電圧となるようにしても良い。具体的には、図6に示すようにバイアス
切り替え手段102と同時に切り替え可能な切り替え手段107を用いて抵抗104aと
抵抗104bとを切り替え、光電変換装置101に流れる電流を端子V0より電圧として
出力すれば良い。
【0038】
なお、上記では、所定の照度を境に範囲(A)では光電変換素子115の特性を、範囲
(B)では光電変換素子115から得られる開放電圧Voc及び薄膜トランジスタ112
の特性を用いて照度を検出した場合について述べたが、所定の照度を境に利用する特性は
逆であっても良い。例えば、図4において範囲(A)ではカレントミラー回路114の電
流増幅率を減少させることで光電変換装置101から得られる出力電流|I|を図4中の
11まで減少させ、一方、範囲(B)においては薄膜トランジスタ113に対ししきい値
制御を施すことで出力電流|I|を図4中の10まで増加させれば良い。このようにして
、範囲(A)及び範囲(B)における出力電流の関係を逆とすることで、照度を検出する
際、範囲(A)では光電変換素子115から得られる開放電圧Voc及び薄膜トランジス
タ112の特性を、範囲(B)では光電変換素子115の特性を利用することも可能であ
る。
【0039】
なお、本実施形態においてカレントミラー回路114が有する薄膜トランジスタにはn
チャネル型薄膜トランジスタを用いたが、pチャネル型薄膜トランジスタを用いても良い
。カレントミラー回路にpチャネル型薄膜トランジスタを用いた場合の光電変換装置の等
価回路図の一例を図7に示す。図7において、カレントミラー回路203は、薄膜トラン
ジスタ201と薄膜トランジスタ202とを有する。端子121は薄膜トランジスタ20
1及び光電変換素子204を介し端子122と接続される。また、端子121は薄膜トラ
ンジスタ202を介して端子122と接続される。なお、薄膜トランジスタ202のゲー
ト電極は、薄膜トランジスタ201のゲート電極及び薄膜トランジスタ201と光電変換
素子204とを接続する配線に接続されている。なお、図1と同様に薄膜トランジスタ2
02からなるユニットを複数並列して設けても良い。
【0040】
以上のことから、本発明により光電変換装置に印加するバイアスを反転させることで、出
力電圧もしくは出力電流の範囲を広げることなく、検出可能な照度範囲を広げることが可
能となる。また、光電変換装置を構成する薄膜トランジスタの性質、例えばしきい値やS
値を変化させることにより光の検出範囲、出力電流、出力電圧等を目的に応じて変化させ
ることが可能となる。
【0041】
図1(B)に示した光電変換装置101の一構成例における断面図を図8(A)及び(B
)に示す。
【0042】
図8(A)において、310は基板、312は下地絶縁膜、313はゲート絶縁膜であ
る。検出する光は基板310、下地絶縁膜312、およびゲート絶縁膜313を通過する
ため、これらの材料は全て透光性の高い材料を用いることが望ましい。
【0043】
図1における光電変換素子115は、配線319と、保護電極318と、光電変換層1
11と、端子121とを有する。なお、光電変換層111は、p型半導体層111p、n
型半導体層111n及びp型半導体層111pとn型半導体層111nの間に挟まれた真
性(i型)半導体層111iを有する。これに限らず、光電変換素子は、第1の導電層と
、第2の導電層と、これら2つの導電層の間に挟まれた光電変換層とを有していれば良い
。なお、光電変換層においても、上記に限らず少なくともp型半導体層とn型半導体層の
積層構造であれば良い。
【0044】
まず、p型半導体層111pは、13族の不純物元素、例えばホウ素(B)を含んだセ
ミアモルファスシリコン膜をプラズマCVD法により形成しても良いし、セミアモルファ
スシリコン膜を形成後、13族の不純物元素を導入してもよい。
【0045】
なお、セミアモルファス半導体膜とは、非晶質半導体と結晶構造を有する半導体(単結
晶、多結晶を含む)膜の中間的な構造の半導体を含む膜である。このセミアモルファス半
導体膜は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体膜であって、短距離秩序
を持ち格子歪みを有する結晶質なものであり、その粒径を0.5〜20nmとして非単結
晶半導体膜中に分散させて存在せしめることが可能である。セミアモルファス半導体膜は
、そのラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしており、またX線回
折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測され
る。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端化するために水素またはハロゲンを少
なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。本明細書では便宜上、このような半導体
膜をセミアモルファス半導体(SAS)膜と呼ぶ。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプ
トン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が
増し良好なセミアモルファス半導体膜を得ることもできる。なお、微結晶半導体膜(マイ
クロクリスタル半導体膜)もセミアモルファス半導体膜に含まれる。
【0046】
また、SAS膜は珪素を含む気体をグロー放電分解することにより得ることができる。
代表的な珪素を含む気体をとしては、SiHであり、その他にもSi、SiH
Cl、SiHCl、SiCl、SiFなどを用いることができる。また水素や、
水素にヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス
元素を加えたガスで、この珪素を含む気体を希釈して用いることで、SAS膜の形成を容
易なものとすることができる。希釈率は2倍〜1000倍の範囲で珪素を含む気体を希釈
することが好ましい。また、さらに珪素を含む気体中に、CH、Cなどの炭化物
気体、GeH、GeFなどのゲルマニウム化気体、Fなどを混入させて、エネルギ
ーバンド幅を1.5〜2.4eV、若しくは0.9〜1.1eVに調節しても良い。
【0047】
p型半導体層111pを形成したら、さらに導電型を付与する不純物を含まない半導体
層(真性半導体層又はi型半導体層と呼ぶ)111i、n型半導体層111nを順に形成
する。これによりp型半導体層111p、i型半導体層111i及びn型半導体層111
nを有する光電変換層111が形成される。
【0048】
なお本明細書においては、i型半導体層とは、半導体層に含まれるp型もしくはn型を
付与する不純物濃度が1×1020cm−3以下であり、酸素及び窒素が5×1019
−3以下である半導体層を指す。なお、光伝導度は暗伝導度に対して1000倍以上で
あることが好ましい。またi型半導体層には、ホウ素(B)が10〜1000ppm添加
されていてもよい。
【0049】
i型半導体層111iとしては、例えばプラズマCVD法でセミアモルファスシリコン
膜を形成すればよい。また、n型半導体層111nとしては、15族の不純物元素、例え
ばリン(P)を含むセミアモルファスシリコン膜を形成してもよいし、セミアモルファス
シリコン膜を形成後、15族の不純物元素を導入してもよい。
【0050】
また、p型半導体層111p、真性半導体層111i、n型半導体層111nとして、
セミアモルファス半導体膜だけではなく、アモルファス半導体膜を用いてもよい。
【0051】
また、配線319、接続電極320、端子電極351、薄膜トランジスタ112のソー
ス電極及びドレイン電極341、薄膜トランジスタ113のソース電極及びドレイン電極
342は、高融点金属膜と低抵抗金属膜(アルミニウム合金または純アルミニウムなど)
との積層構造となっている。ここでは、これら配線及び電極はチタン膜(Ti膜)とアル
ミニウム膜(Al膜)とTi膜とを順に積み重ねた三層構造とする。
【0052】
さらに、配線319、接続電極320、端子電極351、薄膜トランジスタ112のソ
ース電極及びドレイン電極341、薄膜トランジスタ113のソース電極及びドレイン電
極342を覆うように、それぞれ保護電極318、345、348、346及び347が
形成されている。
【0053】
これら保護電極は、光電変換層111の形成時におけるエッチング工程において、配線
319等を保護する。なお、保護電極の材料は、光電変換層111をエッチングするガス
(またはエッチャント)に対して光電変換層よりもエッチング速度の小さい導電材料であ
ることが好ましい。加えて、保護電極318の材料は、光電変換層111と反応して合金
とならない導電材料であることが好ましい。なお、その他の保護電極345、348、3
46及び347も保護電極318と同様の材料及び作製工程により形成される。
【0054】
また、保護電極318、345、348、346、347を設けない構造にしてもよい
。これら保護電極を設けない一例について図8(B)に示す。図8(B)において、配線
404、接続電極405、端子電極401、薄膜トランジスタ112のソース電極及びド
レイン電極402、薄膜トランジスタ113のソース電極及びドレイン電極403は単層
の導電膜により形成されており、このような導電膜として、チタン膜(Ti膜)が好まし
い。また、チタン膜に変えて、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(M
o)、ネオジウム(Nd)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、
ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イ
リジウム(Ir)、白金(Pt)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金
材料若しくは化合物材料からなる単層膜、若しくは、これらの窒化物、例えば、窒化チタ
ン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデンからなる単層膜、又はこれらの積
層膜を用いることができる。配線404、接続電極405、端子電極401、薄膜トラン
ジスタ112のソース電極及びドレイン電極402、薄膜トランジスタ113のソース電
極及びドレイン電極403を単層膜とすることにより、作製工程において成膜回数を減少
させることが可能となる。もちろん、図8(A)に示す配線319、接続電極320、端
子電極351、薄膜トランジスタ112のソース電極及びドレイン電極341、薄膜トラ
ンジスタ113のソース電極及びドレイン電極342においても、配線404等と同様の
材料を用いることができる。
【0055】
また、図8(A)及び(B)は、nチャネル型薄膜トランジスタ112、113はチャ
ネル形成領域が一つ(本明細書では「シングルゲート構造」という)のトップゲート型薄
膜トランジスタの例を示しているが、チャネル形成領域を複数有する構造にしてオン電流
値のバラツキを低減させてもよい。また、オフ電流値を低減するため、nチャネル型薄膜
トランジスタ112、113に低濃度ドレイン(Lightly Doped Drai
n(LDD))領域を設けてもよい。LDD領域とは、チャネル形成領域と、高濃度に不
純物元素を添加して形成するソース領域またはドレイン領域との間に低濃度に不純物元素
を添加した領域のことであり、LDD領域を設けるとドレイン領域近傍の電界を緩和して
ホットキャリア注入による劣化を防ぐという効果がある。
【0056】
また、ホットキャリアによるオン電流値の劣化を防ぐため、nチャネル型薄膜トランジ
スタ112、113を、ゲート絶縁膜を介してLDD領域をゲート電極と重ねて配置させ
た構造(本明細書では「GOLD(Gate−drain Overlapped LD
D)構造」と呼ぶ)としてもよい。GOLD構造を用いた場合、LDD領域をゲート電極
と重ねて形成しなかった場合よりも、さらにドレイン領域近傍の電界を緩和してホットキ
ャリア注入による劣化を防ぐ効果がある。このように、GOLD構造とすることで、ドレ
イン領域近傍の電界強度が緩和されてホットキャリア注入を防ぎ、劣化現象の防止に有効
である。
【0057】
また、カレントミラー回路を構成する薄膜トランジスタ112、113は、上述したト
ップゲート型薄膜トランジスタに限らず、ボトムゲート型薄膜トランジスタ、例えば逆ス
タガ型薄膜トランジスタでもよい。
【0058】
また、配線314は、配線319に接続する配線であって増幅回路の薄膜トランジスタ
113のチャネル形成領域上方にも延在してゲート電極にもなっている。
【0059】
配線315は、n型半導体層111nに接続された端子121と、接続配線320及び
保護電極345を介して接続された配線であり、薄膜トランジスタ113のドレイン配線
(ドレイン電極とも呼ぶ)またはソース配線(ソース電極とも呼ぶ)のいずれか一方と接
続される。
【0060】
検出する光は層間絶縁膜316及び層間絶縁膜317を通過するため、これら材料は透
光性の高い材料を用いることが望ましい。なお、絶縁膜317は、固着強度を向上させる
ため無機材料、例えば酸化珪素膜(SiOx)膜を用いることが好ましい。封止層324
においても無機材料を用いることが好ましく、これら絶縁膜はCVD法等を用いて形成す
ることができる。
【0061】
また、端子電極350は、配線314及び配線315と同一工程で形成され、端子電極
351は配線319及び接続電極320と同一工程で形成されている。なお、端子122
は補助電極348と端子電極351を介して端子電極350と接続されている。
【0062】
なお、端子121は半田364で基板360の電極361に実装されている。また、端
子122は端子121と同一工程で形成され、半田363で基板360の電極362に実
装されている。
【0063】
図8(A)及び(B)において、光は図中の矢印に示すとおり、基板310側から光電
変換層111に入射する。これにより電流が発生し、光を検知することが可能となる。
【0064】
このような光電変換装置に、印加するバイアスを反転させることで出力電圧もしくは出力
電流の範囲を広げることなく、検出可能な照度範囲を広げることが可能となる。また、光
電変換装置を構成する薄膜トランジスタの性質、例えばしきい値やS値を変化させること
により光の検出範囲や出力電圧等を目的に応じて変化させることが可能となる。
【実施例1】
【0065】
本実施例では、光電変換装置に印加するバイアスを反転した際に得られる電流特性につ
いて図9乃至図11を用いて説明する。
【0066】
図9及び図10(A)及び(B)に、図2に示した光電変換装置にバイアスを印加した
際得られた出力電流の照度依存性を示す。なお、図2においてユニット116の数は10
0とした。
【0067】
図9中、ELCとは島状半導体領域をエキシマレーザ(Exicimer Laser
)で結晶化させた薄膜トランジスタを用いて形成されたカレントミラー回路を有する光電
変換装置から得られる出力電流における照度依存性を示している。また、CWとは、連続
発振レーザ(Continuous Wave Laser)により島状半導体領域を結
晶化した薄膜トランジスタにより形成されたカレントミラー回路を有する光電変換装置か
ら得られる出力電流における照度依存性を示している。また、正方向、逆方向とは、光電
変換装置に印加するバイアス方向を示しており、図3(A)の状態を正方向、図3(B)
の状態を逆方向とする。なお、ELCの場合における照度依存性を抜き出したものを図1
0に示す。
【0068】
図9より、逆方向のバイアスを印加した時のみ、エキシマレーザで結晶化した島状半導
体領域を有する薄膜トランジスタを用いた光電変換装置の出力電流と、連続発振レーザで
結晶化した島状半導体領域を有する薄膜トランジスタを用いた光電変換装置の出力電流に
違いがあることが観察される。これは、薄膜トランジスタにおける島状半導体領域の結晶
性に由来するものである。実施の形態1でも述べたように正方向のバイアス印加時には光
電変換素子の特性を、逆方向のバイアス印加時には光電変換素子から得られる開放電圧V
oc及び薄膜トランジスタの特性を利用し光の照度を検出をしているからである。よって
、光電変換装置から得られる出力電流の照度依存性は、島状半導体領域の結晶性によって
変化させることが可能であることがわかる。なお、島状半導体領域の結晶性が影響を及ぼ
す薄膜トランジスタのS値や薄膜トランジスタのしきい値によっても変化させることがで
きる。よって、光電変換装置を所望の照度依存性とすることができる。以上のことから、
光電変換装置に印加するバイアスを反転させることで出力電圧もしくは出力電流の範囲を
広げることなく、照度の検出範囲を広いものとすることが可能なうえ、目的に応じた光検
出機能を有する半導体装置を得ることができる。
【0069】
ELCの場合、例えば光電変換装置に印加するバイアスを反転させる所定の強度を10
0lx、出力電流範囲を20nA以上5μA以下と設定すると、検出照度範囲の下限が0
.5lx程度、上限は10万lx以上とすることができる。よって、出力電流範囲を広げ
ることなく、検出可能な照度範囲を広げることが可能となる。
【0070】
なお、本発明の光電変換装置の相対感度及び標準視感度曲線を図11に示す。図11よ
り、本発明の光電変換装置の相対感度は標準視感度に非常に近いことがわかる。よって、
本発明の光電変換装置は人間の眼に近い視感度を得ることが可能となるため、光センサと
して用いた場合、より高性能なものとすることが可能となる。
【0071】
なお、本実施例は実施の形態及びその他の実施例と適宜組み合わせて用いることが可能
である。
【実施例2】
【0072】
本実施例では、本発明を適用した光電変換装置を有する半導体装置及びその作製方法に
ついて説明する。なお、光電変換装置の部分断面図の一例を図8、図12乃至14に示し
、これを用いて説明する。
【0073】
まず、基板(第1の基板310)上に素子を形成する。ここでは基板310として、ガ
ラス基板の一つであるAN100を用いる。
【0074】
次いで、プラズマCVD法で下地絶縁膜312となる窒素を含む酸化珪素膜(膜厚10
0nm)を形成し、さらに大気にふれることなく、半導体膜例えば水素を含む非晶質珪素
膜(膜厚54nm)を積層形成する。また、下地絶縁膜312は酸化珪素膜、窒化珪素膜
、窒素を含む酸化珪素膜を用いた積層してもよい。例えば、下地絶縁膜312として、酸
素を含む窒化珪素膜を50nm、さらに窒素を含む酸化珪素膜を100nm積層した膜を
形成してもよい。なお、窒素を含む酸化珪素膜や窒化珪素膜は、ガラス基板からのアルカ
リ金属などの不純物拡散を防止するブロッキング層として機能する。
【0075】
次いで、上記非晶質珪素膜を固相成長法、レーザ結晶化方法、触媒金属を用いた結晶化
方法等により結晶化させて、結晶構造を有する半導体膜(結晶性半導体膜)、例えば多結
晶珪素膜を形成する。ここでは、触媒元素を用いた結晶化方法を用いて多結晶珪素膜を得
る。まず、重量換算で10ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル溶液をスピナーで塗布す
る。なお、塗布に代えてスパッタ法でニッケル元素を全面に散布する方法を用いてもよい
。次いで、加熱処理を行い結晶化させて結晶構造を有する半導体膜を形成する。ここでは
、熱処理(500℃、1時間)の後、結晶化のための熱処理(550℃、4時間)を行っ
て多結晶珪素膜を得る。
【0076】
次いで、多結晶珪素膜表面の酸化膜を希フッ酸等で除去する。その後、結晶化率を高め
、結晶粒内に残される欠陥を補修するためのレーザ光(XeCl:波長308nm)の照
射を大気中、または酸素雰囲気中で行う。
【0077】
レーザ光には波長400nm以下のエキシマレーザ光や、YAGレーザの第2高調波又
は第3高調波を用いる。ここでは、繰り返し周波数10〜1000Hz程度のパルスレー
ザ光を用い、当該レーザ光を光学系にて100〜500mJ/cmに集光し、90〜9
5%のオーバーラップ率をもって照射し、シリコン膜表面を走査させればよい。本実施例
では、繰り返し周波数30Hz、エネルギー密度470mJ/cmでレーザ光の照射を
大気中で行なう。
【0078】
なお、大気中または酸素雰囲気中で行うため、レーザ光の照射により表面に酸化膜が形
成される。なお、本実施例ではパルスレーザを用いた例を示したが、連続発振のレーザを
用いてもよく、半導体膜の結晶化に際し、大粒径に結晶を得るためには、連続発振が可能
な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。代表的
には、Nd:YVOレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3
高調波(355nm)を適用すればよい。
【0079】
連続発振のレーザを用いる場合には、出力10Wの連続発振のYVOレーザから射出
されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換する。また、共振器の中にYVO
結晶と非線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学
系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、被処理体に照射する。
このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜1
0MW/cm)が必要である。そして、10〜2000cm/s程度の速度でレーザ光
に対して相対的に半導体膜を移動させて照射すればよい。
【0080】
次いで、上記レーザ光の照射により形成された酸化膜に加え、オゾン水で表面を120
秒処理して合計1〜5nmの酸化膜からなるバリア層を形成する。このバリア層は、結晶
化させるために添加した触媒元素、例えばニッケル(Ni)を膜中から除去するために形
成する。ここでは、オゾン水を用いてバリア層を形成したが、酸素雰囲気下の紫外線の照
射で結晶構造を有する半導体膜の表面を酸化する方法や酸素プラズマ処理により結晶構造
を有する半導体膜の表面を酸化する方法やプラズマCVD法やスパッタ法や蒸着法などで
1〜10nm程度の酸化膜を堆積してバリア層を形成してもよい。また、バリア層を形成
する前にレーザ光の照射により形成された酸化膜を除去してもよい。
【0081】
次いで、バリア層上にスパッタ法にてゲッタリングサイトとなるアルゴン元素を含む非
晶質珪素膜を10nm〜400nm、ここでは膜厚100nmで成膜する。アルゴン元素
を含む非晶質珪素膜は、シリコンターゲットを用いてアルゴンを含む雰囲気下で形成する
。プラズマCVD法を用いてアルゴン元素を含む非晶質珪素膜を形成する場合、成膜条件
は、モノシランとアルゴンの流量比(SiH:Ar)を1:99とし、成膜圧力を6.
665Paとし、RFパワー密度を0.087W/cmとし、成膜温度を350℃とす
る。
【0082】
その後、650℃に加熱された炉に入れて3分の熱処理を行い触媒元素を除去(ゲッタ
リング)する。これにより結晶構造を有する半導体膜中の触媒元素濃度が低減される。炉
に代えてランプアニール装置を用いてもよい。
【0083】
次いで、バリア層をエッチングストッパとして、ゲッタリングサイトであるアルゴン元
素を含む非晶質珪素膜を選択的に除去した後、バリア層を希フッ酸で選択的に除去する。
なお、ゲッタリングの際、ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるため
、酸化膜からなるバリア層をゲッタリング後に除去することが望ましい。
【0084】
なお、触媒元素を用いて半導体膜の結晶化を行わない場合には、上述したバリア層の形
成、ゲッタリングサイトの形成、ゲッタリングのための熱処理、ゲッタリングサイトの除
去、バリア層の除去などの工程は不要である。
【0085】
次いで、得られた結晶構造を有する半導体膜(例えば結晶性珪素膜)の表面にオゾン水
で薄い酸化膜を形成した後、第1のフォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成
し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体膜(本明細書では「島状半
導体領域」という)331及び332を形成する(図12(A)参照)。島状半導体領域
を形成した後、レジストからなるマスクを除去する。
【0086】
次いで、必要があれば薄膜トランジスタのしきい値を制御するために微量な不純物元素
(ホウ素またはリン)のドーピングを行う。ここでは、ジボラン(B)を質量分離
しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用いる。
【0087】
次いで、フッ酸を含むエッチャントで酸化膜を除去すると同時に島状半導体領域331
及び332の表面を洗浄した後、ゲート絶縁膜313となる珪素を主成分とする絶縁膜を
形成する。ここでは、プラズマCVD法により115nmの厚さで窒素を含む酸化珪素膜
(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成する。
【0088】
次いで、ゲート絶縁膜313上に金属膜を形成した後、第2のフォトマスクを用いてパ
ターニングを行い、ゲート電極334及び335、配線314及び315、端子電極35
0を形成する(図12(B)参照)。この金属膜として、例えば窒化タンタル(TaN)
及びタングステン(W)をそれぞれ30nm、370nm積層した膜を用いる。
【0089】
また、ゲート電極334及び335、配線314及び315、端子電極350として、
上記以外にもチタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(M
o)、ネオジウム(Nd)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、
ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イ
リジウム(Ir)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅
(Cu)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料
からなる単層膜、或いは、これらの窒化物、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒
化タンタル、窒化モリブデンからなる単層膜、又はこれらの積層膜を用いることができる

【0090】
次いで、島状半導体領域331及び332への一導電型を付与する不純物の導入を行っ
て、薄膜トランジスタ112のソース領域及びドレイン領域337、薄膜トランジスタ1
13のソース領域及びドレイン領域338の形成を行う(図12(C)参照)。本実施例
ではnチャネル型薄膜トランジスタを形成するものとし、n型の不純物、例えばリン(P
)、砒素(As)を島状半導体領域331及び332に導入する。
【0091】
次いで、CVD法により酸化珪素膜を含む第1の層間絶縁膜(図示しない)を50nm
形成した後、それぞれの島状半導体領域に添加された不純物元素を活性化処理する工程を
行う。この活性化工程は、ランプ光源を用いたラピッドサーマルアニール法(RTA法)
、或いはYAGレーザまたはエキシマレーザを裏面から照射する方法、或いは炉を用いた
熱処理、或いはこれらの方法のうち、いずれかと組み合わせた方法によって行う。
【0092】
次いで、水素及び酸素を含む窒化珪素膜を含む第2の層間絶縁膜316を、例えば10
nmの膜厚で形成する。
【0093】
次いで、第2の層間絶縁膜316上に絶縁物材料から成る第3の層間絶縁膜317を形
成する(図12(D)参照)。第3の層間絶縁膜317はCVD法で得られる絶縁膜を用
いることができる。本実施例においては固着強度を向上させるため、第3の層間絶縁膜3
17として、900nmの膜厚で形成した窒素を含む酸化珪素膜を形成する。
【0094】
次に、熱処理(300〜550℃で1〜12時間の熱処理、例えば窒素雰囲気中410
℃で1時間)を行い、島状半導体膜を水素化する。この工程は第2の層間絶縁膜316に
含まれる水素により島状半導体膜のダングリングボンドを終端させるために行うものであ
る。なお、ゲート絶縁膜313の存在に関係なく島状半導体膜を水素化することができる

【0095】
また第3の層間絶縁膜317として、シロキサンを用いた絶縁膜、及びそれらの積層構
造を用いることも可能である。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で
骨格構造で構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基
、アリール基)が用いられる。また、置換基にフルオロ基を含んでいても良い。
【0096】
第3の層間絶縁膜317としてシロキサンを用いた絶縁膜、及びそれらの積層構造を用
いた場合は、第2の層間絶縁膜316を形成後、島状半導体膜を水素化するための熱処理
を行い、次に第3の層間絶縁膜317を形成することもできる。
【0097】
次いで、第3のフォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、第1の層間絶
縁膜、第2の層間絶縁膜316、第3の層間絶縁膜317、及びゲート絶縁膜313を選
択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。そして、レジストからなるマスクを
除去する。
【0098】
なお、第3の層間絶縁膜317は必要に応じて形成すればよく、第3の層間絶縁膜31
7を形成しない場合は、第2の層間絶縁膜316を形成後に第1の層間絶縁膜、第2の層
間絶縁膜316及びゲート絶縁膜313を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形
成する。
【0099】
次いで、スパッタ法で金属積層膜を成膜した後、第4のフォトマスクを用いてレジスト
からなるマスクを形成し、選択的に金属膜をエッチングして、配線319、接続電極32
0、端子電極351、薄膜トランジスタ112のソース電極及びドレイン電極341、薄
膜トランジスタ113のソース電極及びドレイン電極342を形成する。そして、レジス
トからなるマスクを除去する。なお、本実施例の金属膜は、膜厚100nmのTi膜と、
膜厚350nmのSiを微量に含むAl膜と、膜厚100nmのTi膜との3層を積層し
たものとする。
【0100】
また図8(B)で示すように、配線404、接続電極405、端子電極401、及び薄
膜トランジスタ112のソース電極及びドレイン電極402、薄膜トランジスタ113の
ソース電極及びドレイン電極403を単層の導電膜により形成する場合は、耐熱性及び導
電率等の点からチタン膜(Ti膜)が好ましい。また、チタン膜に変えて、タングステン
(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジウム(Nd)、コバルト(Co
)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パ
ラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)から選ばれ
た元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層膜、或
いは、これらの窒化物、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モ
リブデンからなる単層膜、又はこれらの積層膜を用いることができる。配線404、接続
電極405、端子電極401、及び薄膜トランジスタ112のソース電極及びドレイン電
極402、薄膜トランジスタ113のソース電極及びドレイン電極403を単層膜にする
ことにより、作製工程において成膜回数を減少させることが可能となる。
【0101】
以上の工程で、多結晶珪素膜を用いたトップゲート型の薄膜トランジスタ112及び1
13を作製することができる。なお、薄膜トランジスタ112及び113のS値は、半導
体膜の結晶性や半導体膜とゲート絶縁膜との界面状態で変化させることが可能である。
【0102】
次いで、後に形成される光電変換層(代表的にはアモルファスシリコン)と反応して合
金になりにくい導電性の金属膜(チタン(Ti)またはモリブデン(Mo)など)を成膜
した後、第5のフォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、選択的に導電性
の金属膜をエッチングして配線319を覆う保護電極318を形成する(図13(A)参
照)。ここでは、スパッタ法で得られる膜厚200nmのTi膜を用いる。なお、接続電
極320、端子電極351、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極においても
保護電極318と同様の金属膜によって覆われる。従って、導電性の金属膜は、これらの
電極における2層目のAl膜が露呈されている側面も覆うため、導電性の金属膜は光電変
換層へのアルミニウム原子の拡散も防止できる。
【0103】
ただし、配線319、接続電極320、端子電極351、薄膜トランジスタ112のソ
ース電極及びドレイン電極341、薄膜トランジスタ113のソース電極及びドレイン電
極342を単層の導電膜で形成する場合、すなわち図8(B)で示すように、これらの電
極又は配線に代えて配線404、接続電極405、端子電極401、薄膜トランジスタ1
12のソース電極及びドレイン電極402、薄膜トランジスタ113のソース電極及びド
レイン電極403を形成する場合は、保護電極318は形成しなくてもよい。
【0104】
次に第3の層間絶縁膜317上に、p型半導体層111p、i型半導体層111i及び
n型半導体層111nを有する光電変換層111を形成する。
【0105】
p型半導体層111pは、13族の不純物元素、例えばホウ素(B)を含んだセミアモ
ルファスシリコン膜をプラズマCVD法にて成膜し形成しても良いし、セミアモルファス
シリコン膜を形成後、15族の不純物元素を導入してもよい。
【0106】
なお、配線319及び保護電極318は光電変換層111の最下層、本実施例ではp型
半導体層111pと接している。
【0107】
p型半導体層111pを形成したら、さらにi型半導体層111i及びn型半導体層1
11nを順に形成する。これによりp型半導体層111p、i型半導体層111i及びn
型半導体層111nを有する光電変換層111が形成される。
【0108】
i型半導体層111iとしては、例えばプラズマCVD法でセミアモルファスシリコン
膜を形成すればよい。また、n型半導体層111nとしては、15族の不純物元素、例え
ばリン(P)を含むセミアモルファスシリコン膜を形成してもよいし、セミアモルファス
シリコン膜を形成後、15族の不純物元素を導入してもよい。
【0109】
またp型半導体層111p、真性半導体層111i、n型半導体層111nとして、セ
ミアモルファス半導体膜だけではなく、アモルファス半導体膜を用いてもよい。
【0110】
次いで、全面に絶縁物材料(例えば珪素を含む無機絶縁膜)からなる封止層324を厚
さ(1μm〜30μm)で形成して図13(B)の状態を得る。ここでは絶縁物材料膜と
してCVD法により、膜厚1μmの窒素を含む酸化珪素膜を形成する。無機絶縁膜を用い
ることにより密着性の向上を図っている。
【0111】
次いで、封止層324をエッチングして開口部を設けた後、スパッタ法により端子12
1及び122を形成する。端子121及び122は、チタン膜(Ti膜)(100nm)
と、ニッケル膜(Ni膜)(300nm)と、金膜(Au膜)(50nm)との積層膜と
する。こうして得られる端子121及び端子122の固着強度は5Nを超え、端子電極と
して十分な固着強度を有している。
【0112】
以上の工程で、半田接続が可能な端子121及び端子122が形成され、図13(C)
に示す構造が得られる。
【0113】
このようにして、例えば1枚の大面積基板(例えば600cm×720cm)からは大
量のフォトICチップ(2mm×1.5mm)、即ち光電変換装置のチップを製造するこ
とが可能である。次いで、個々に切断して複数のフォトICチップを切り出す。
【0114】
切り出した1つのフォトICチップ(2mm×1.5mm)の断面図を図14(A)に
示し、その上面図を図14(B)、下面図を図14(C)に示す。なお、図14(A)に
おいて、基板310、素子形成領域410、端子121及び端子122を含む総膜厚は、
0.8±0.05mmである。
【0115】
また、光センサチップの総膜厚を薄くするために、基板310をCMP処理等によって
削って薄くした後、ダイサーで個々に切断して複数の光センサチップを切り出してもよい

【0116】
また、図14(B)において、端子121及び122の一つの電極サイズは、0.6m
m×1.1mmであり、電極間隔は0.4mmである。また、図14(C)において受光
部411の面積は、1.57mmである。また、増幅回路部412には、約100個の
薄膜トランジスタが設けられている。
【0117】
最後に、得られた光センサチップを基板360の実装面に実装する(図8(A)参照)
。なお、端子121と電極361、並びに端子122と電極362との接続には、それぞ
れ半田364及び363を用い、予め基板360の電極361及び362上にスクリーン
印刷法などによって半田を形成しておき、半田と端子電極を当接した状態にしてから半田
リフロー処理を行って実装する。半田リフロー処理は、例えば不活性ガス雰囲気中、25
5℃〜265℃程度の温度で約10秒行う。また、半田の他に金属(金、銀等)で形成さ
れるバンプ、又は導電性樹脂で形成されるバンプ等を用いることができる。また、環境問
題を考慮して鉛フリー半田を用いて実装してもよい。
【0118】
以上のようにして、半導体装置を作製することができる。なお、光を検出するために基板
310側から光電変換層111に光を入射する以外の箇所には筐体等を用いて光を遮断し
ても良い。なお、筐体は光を遮断する機能を有する材料なら何を用いてもよく、例えば金
属材料や黒色顔料を有する樹脂材料等を用いて形成すればよい。このような構造とするこ
とで、より信頼性の高い光検出機能を有する半導体装置とすることができる。
【0119】
本実施例では半導体装置が有する増幅回路をnチャネル型薄膜トランジスタで形成する
場合について説明したが、pチャネル型薄膜トランジスタでも良い。なお、pチャネル型
薄膜トランジスタは島状半導体領域への一導電型を付与する不純物を、p型の不純物、例
えばホウ素(B)に代えればnチャネル型薄膜トランジスタと同様のように作製すること
ができる。次に、増幅回路をpチャネル型薄膜トランジスタを用いて形成した例について
示す。
【0120】
増幅回路、例えばカレントミラー回路をpチャネル型薄膜トランジスタで形成した光電
変換装置の等価回路図の一例は既に述べたように図7であり、その断面図を図15に示す
。なお、図15は図7におけるpチャネル型の薄膜トランジスタ201及び202、並び
に光電変換素子204を抜き出して記載している。なお、図8と同様のものに関しては共
通の符号を用いて示し、同一部分又は同様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
上述したように、薄膜トランジスタ201の島状半導体領域及び薄膜トランジスタ202
の島状半導体領域には、p型の不純物、例えばホウ素(B)が導入されており、薄膜トラ
ンジスタ201にはソース領域及びドレイン領域241、薄膜トランジスタ202にはソ
ース領域及びドレイン領域242が形成される。また、光電変換素子が有する光電変換層
222は、n型半導体層222n、i型半導体層222i、p型半導体層222pを順次
積層した構成となっている。なお、n型半導体層222n、i型半導体層222i、p型
半導体層222pには、それぞれn型半導体層111n、i型半導体層111i、p型半
導体層111pと同様の材料及び作製方法を用いて形成することができる。
【0121】
なお、本実施例は実施の形態及びその他の実施例と適宜組み合わせて用いることが可能
である。
【実施例3】
【0122】
本実施例では増幅回路をボトムゲート型薄膜トランジスタを用いて形成した半導体装置
及びその作製方法の例を、図16乃至図18を用いて説明する。
【0123】
まず基板310上に、下地絶縁膜312及び金属膜511を形成する(図16(A)参
照)。この金属膜511として、本実施例では例えば窒化タンタル(TaN)及びタング
ステン(W)をそれぞれ30nm、370nm積層した膜を用いる。
【0124】
また、金属膜511として、上記以外にもチタン(Ti)、タングステン(W)、タン
タル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジウム(Nd)、コバルト(Co)、ジルコニ
ウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(P
d)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)
、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とす
る合金材料若しくは化合物材料からなる単層膜、或いは、これらの窒化物、例えば、窒化
チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデンからなる単層膜を用いること
ができる。
【0125】
なお、下地絶縁膜312を基板310上に形成せず、金属膜511を直接基板310に
形成してもよい。
【0126】
次に金属膜511をパターニングして、ゲート電極512及び513、配線314及び
315、端子電極350を形成する(図16(B)参照)。
【0127】
次いで、ゲート電極512及び513、配線314及び315、端子電極350を覆う
ゲート絶縁膜514を形成する。本実施例では、珪素を主成分とする絶縁膜、例えばプラ
ズマCVD法により115nmの厚さで窒素を含む酸化珪素膜(組成比Si=32%、O
=59%、N=7%、H=2%)を用いてゲート絶縁膜514を形成する。
【0128】
次にゲート絶縁膜514上に島状半導体領域515及び516を形成する。島状半導体
領域515及び516は、実施例2で述べた島状半導体領域331及び332と同様の材
料及び作製工程により形成すればよい(図16(C)参照)。
【0129】
島状半導体領域515及び516を形成したら、後に薄膜トランジスタ501のソース
領域及びドレイン領域521、薄膜トランジスタ502のソース領域及びドレイン領域5
22となる領域以外を覆ってマスク518を形成し、一導電型を付与する不純物の導入を
行う(図16(D)参照)。一導電型の不純物としては、nチャネル型薄膜トランジスタ
を形成する場合には、n型不純物としてリン(P)、砒素(As)を用い、pチャネル型
薄膜トランジスタを形成する場合には、p型不純物としてホウ素(B)を用いればよい。
本実施例ではn型不純物であるリン(P)を島状半導体領域515及び516に導入し、
薄膜トランジスタ501のソース領域及びドレイン領域521並びにこれら領域の間にチ
ャネル形成領域、薄膜トランジスタ502のソース領域及びドレイン領域522並びにこ
れら領域の間にチャネル形成領域を形成する。なお、必要があればチャネル形成領域に薄
膜トランジスタのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ホウ素またはリン)をド
ーピングしても良い。
【0130】
次いで、マスク518を除去し、図示しない第1の層間絶縁膜、第2の層間絶縁膜31
6及び第3の層間絶縁膜317を形成する(図16(E)参照)。第1の層間絶縁膜、第
2の層間絶縁膜316及び第3の層間絶縁膜317の材料及び作製工程は実施例2の記載
に基づけばよい。
【0131】
次に第1の層間絶縁膜、第2の層間絶縁膜316及び第3の層間絶縁膜317にコンタ
クトホールを形成し、金属膜を成膜、さらに選択的に金属膜をエッチングして、配線31
9、接続電極320、端子電極351、薄膜トランジスタ501のソース電極及びドレイ
ン電極531、薄膜トランジスタ502のソース電極及びドレイン電極532を形成する
。そして、レジストからなるマスクを除去する。なお、本実施例の金属膜は、膜厚100
nmのTi膜と、膜厚350nmのSiを微量に含むAl膜と、膜厚100nmのTi膜
との3層を積層したものとする。
【0132】
また配線319及びその保護電極318、接続電極320及びその保護電極533、端
子電極351及びその保護電極538、薄膜トランジスタ501のソース電極及びドレイ
ン電極531並びにその保護電極536、薄膜トランジスタ502のソース電極及びドレ
イン電極532並びにその保護電極537に代えて、それぞれ図8(B)の配線404、
接続電極405、端子電極401、薄膜トランジスタ112のソース電極及びドレイン電
極402、薄膜トランジスタ113のソース電極及びドレイン電極403と同様に、単層
の導電膜を用いてそれぞれの配線や電極を形成してもよい。
【0133】
以上のようにして、増幅回路503を構成するボトムゲート型の薄膜トランジスタ50
1及び502を作製することができる(図17(A)参照)。
【0134】
次に、第3の層間絶縁膜317上に、p型半導体層111p、i型半導体層111i及
びn型半導体層111nを含む光電変換層111を形成する(図17(B)参照)。光電
変換層111の材料及び作製工程等は、実施の形態及び実施例2を参照すればよい。
【0135】
次いで、封止層324、端子121及び122を形成する(図17(C)参照)。端子
121はn型半導体層111nに接続されており、端子122は端子121と同一工程で
形成される。
【0136】
さらに電極361及び362を有する基板360を、半田364及び363で実装する
。なお、基板360上の電極361は、半田364で端子121に実装されている。また
基板360の電極362は、半田363端子122に実装されている(図18(A)参照
)。
【0137】
図18(A)に示す半導体装置において、光電変換層111に入射する光は、主に基板
310側から入るが、これに限られない。また、図18(B)に示すように基板360側
の光電変換層111が形成される領域以外に筐体550を設けても良い。なお、筐体55
0は、光を遮断する機能を有する材料なら何を用いてもよく、例えば金属材料や黒色顔料
を有する樹脂材料等を用いて形成すればよい。このような構造とすることで、より信頼性
の高い光検出機能を有する半導体装置とすることができる。
【0138】
なお、本実施例は実施の形態及びその他の実施例と適宜組み合わせて用いることが可能
である。
【実施例4】
【0139】
本実施例では、図1におけるバイアス切り替え手段の一例として、バイアス切り替えを
行う回路について、図19〜図23を用いて説明する。
【0140】
図19に示す回路は、図1における光電変換装置101から得られる電流を電圧として
出力した出力電圧が、ある一定値に達した際に光電変換装置に印加するバイアスを反転さ
せる回路である。即ち、所定の照度を境にバイアスを反転させる回路である。なお、図1
9の回路では、基準電圧Vrを境界として、出力電圧がVrを超えた場合にバイアスを反
転するようにする。
【0141】
図19及び図20において、901はフォトセンサ出力VPS、902は基準電圧Vr
を決定するための基準電圧生成回路、903はコンパレータ、904は出力バッファであ
り、ここでは出力バッファ904は1段目904a、2段目904b、3段目904cを
有している。なお、出力バッファは3段しか記載していないが、4段以上にすることも可
能であり、また1段だけに設計することも可能である。なお、フォトセンサ出力VPS
、図1における端子Vより得られる出力に相当する。また、コンパレータ903、出力
バッファ904は、それぞれ図1におけるバイアス切り替え手段102、電源103に相
当し、905は光電変換素子101及び抵抗104に相当する。
【0142】
図20は図19の具体的な回路構成を示しており、コンパレータ903はpチャネル型
薄膜トランジスタ911及び913、nチャネル型薄膜トランジスタ912及び914、
抵抗921を有している。また、基準電圧生成回路902は抵抗923及び924を有し
、これらを用い基準電圧Vrを決定している。
【0143】
また、図20において出力バッファ904は一段目904aのみを記載しており、その
一段は、pチャネル型薄膜トランジスタ915及びnチャネル型薄膜トランジスタ916
で形成される。なお、図20においてはnチャネル型薄膜トランジスタはゲート電極が1
つであるシングルゲートの薄膜トランジスタを示しているが、オフ電流を小さくするため
に、ゲート電極が複数ある薄膜トランジスタすなわちマルチゲートの薄膜トランジスタ、
例えばゲート電極を2つ有するダブルゲートの薄膜トランジスタで形成してもよい。なお
他の段も904aと同様の回路にて形成すればよい。
【0144】
また図20において出力バッファ904の一段を、図22(A)に示す回路942及び
図22(B)に示す回路944に代えてもよい。図22(A)に示す回路942はnチャ
ネル薄膜トランジスタ916及びpチャネル型薄膜トランジスタ941で形成されており
、図22(B)に示す回路944はnチャネル薄膜トランジスタ916及び943で形成
されている。
【0145】
なお、フォトセンサ出力VPSには、光電変換装置から得られた電流を電圧として出力
した出力電圧を用いてもよいし、その出力電圧を増幅回路で増幅させた電圧を用いてもよ
い。
【0146】
また、図20では基準電圧生成回路により基準電圧Vrを決定しているが、その他の基
準電圧を得たい場合には図21に示すように基準電圧Vrを外部回路931から直接入力
してもよいし(図21(A)参照)、いくつかの入力電圧をセレクタ(アナログスイッチ
等)を用いて選択する回路932から入力しても良い(図21(B)参照)。
【0147】
なお、図20に示す回路において、基準電圧Vrは、コンパレータを構成している薄膜
トランジスタの閾値電圧以上(閾値電圧がVthとすると、Vth≦Vr)とする必要が
ある。これを満足するよう、基準電圧またはフォトセンサ出力電圧を調整する必要がある

【0148】
フォトセンサの出力VPSは、コンパレータ903のpチャネル型薄膜トランジスタ9
11のゲート電極に入力され、基準電圧生成回路902からの電圧値と比較され、基準電
圧生成回路からの電圧値より小さい場合は、電源103のうち電源103aに接続され、
図23(A)に示す方向に電流が流れる。また基準電圧生成回路からの電圧値より大きい
場合は、電源103のうち電源103bに接続され、図23(B)に示す方向に電流が流
れる。
【0149】
以上のようなバイアス切り替え手段を用いて光電変換装置に印加するバイアスを反転さ
せることで、出力電圧もしくは出力電流の範囲を広げることなく、検出可能な照度範囲を
広げることが可能となる。
【0150】
なお、本実施例は実施の形態及びその他の実施例と適宜組み合わせて用いることが可能
である。
【実施例5】
【0151】
本実施例では、本発明により得られた半導体装置を光センサとして様々な電子機器に組
み込んだ例について説明する。本発明が適用される電子機器として、コンピュータ、ディ
スプレイ、携帯電話、テレビなどが挙げられる。それらの電子機器の具体例を図24、図
25(A)〜図25(B)、図26(A)〜図26(B)、図27及び図28(A)〜図
28(B)に示す。
【0152】
図24は携帯電話に本発明を適用した一例であり、本体(A)701、本体(B)70
2、筐体703、操作キー704、音声出力部705、音声入力部706、回路基板70
7、表示パネル(A)708、表示パネル(B)709、蝶番710、透光性材料部71
1、光センサ712を有している。本発明は光センサ712に適用することができる。
【0153】
光センサ712は透光性材料部711を透過した光を検知し、検知した外部光の照度に
合わせて表示パネル(A)708及び表示パネル(B)709の輝度コントロールを行っ
たり、光センサ712で得られる照度に合わせて操作キー704の照明制御を行う。これ
により携帯電話の消費電力を低減することができる。
【0154】
次に上記とは異なる携帯電話の例について図25(A)及び図25(B)に示す。図2
5(A)及び図25(B)において、721は本体、722は筐体、723は表示パネル
、724は操作キー、725は音声出力部、726は音声入力部、727及び728は光
センサである。
【0155】
図25(A)に示す携帯電話では、本体721に設けられた本発明を適用した光センサ
727により外部の光を検知することにより表示パネル723及び操作キー724の輝度
を制御することが可能である。
【0156】
また、図25(B)に示す携帯電話では、図25(A)の構成に加えて、本体721の
内部に光センサ728を設けている。光センサ728により、表示パネル723に設けら
れているバックライトの輝度を検出し、輝度を制御することも可能となる。よって、さら
に消費電力を低減することが可能となる。
【0157】
図26(A)はコンピュータであり、本体731、筐体732、表示部733、キーボ
ード734、外部接続ポート735、ポインティングマウス736等を含む。また、図2
6(B)は表示装置でありテレビ受像器などがこれに当たる。本表示装置は、筐体741
、支持台742、表示部743などによって構成されている。
【0158】
図26(A)のコンピュータに設けられる表示部733、及び図26(B)に示す表示
装置の表示部743として、液晶パネルを用いた場合の詳しい構成を図27に示す。図2
7に示す液晶パネル762は、筐体761に内蔵されており、基板751a及び751b
、基板751a及び751bに挟まれた液晶層752、偏光フィルタ752a及び752
b、バックライト753等を有している。なお、筐体761には光センサ部754が形成
されている。
【0159】
本発明を用いて作製された光センサ部754はバックライト753からの光量を感知し
、その情報がフィードバックされて液晶パネル762の輝度が調節される。
【0160】
図28(A)及び図28(B)は、本発明の光センサをカメラ、例えばデジタルカメラ
に組み込んだ例を示す図である。図28(A)は、デジタルカメラの前面方向から見た斜
視図、図28(B)は、後面方向から見た斜視図である。図28(A)において、デジタ
ルカメラには、リリースボタン801、メインスイッチ802、ファインダ窓803、フ
ラッシュ804、レンズ805、鏡胴806、筺体807、光センサ814が備えられて
いる。また、図28(B)において、ファインダ接眼窓811、モニタ812、操作ボタ
ン813が備えられている。
【0161】
リリースボタン801は、半分の位置まで押下されると、焦点調整機構および露出調整
機構が作動し、最下部まで押下されるとシャッターが開く。メインスイッチ802は、押
下又は回転によりデジタルカメラの電源のON/OFFを切り替える。ファインダ窓80
3は、デジタルカメラの前面のレンズ805の上部に配置されており、図28(B)に示
すファインダ接眼窓811から撮影する範囲やピントの位置を確認するための装置である
。フラッシュ804は、デジタルカメラの前面上部に配置され、被写体輝度が低いときに
、リリースボタンが押下されてシャッターが開くと同時に補助光を照射する。レンズ80
5は、デジタルカメラの正面に配置されている。レンズは、フォーカシングレンズ、ズー
ムレンズ等により構成され、図示しないシャッター及び絞りと共に撮影光学系を構成する
。また、レンズの後方には、CCD(Charge Coupled Device)等
の撮像素子が設けられている。鏡胴806は、フォーカシングレンズ、ズームレンズ等の
ピントを合わせるためにレンズの位置を移動するものであり、撮影時には、鏡胴を繰り出
すことにより、レンズ805を手前に移動させる。また、携帯時は、レンズ805を沈銅
させてコンパクトにする。なお、本実施例においては、鏡胴を繰り出すことにより被写体
をズーム撮影することができる構造としているが、この構造に限定されるものではなく、
筺体807内での撮影光学系の構成により鏡胴を繰り出さずともズーム撮影が可能なデジ
タルカメラでもよい。ファインダ接眼窓811は、デジタルカメラの後面上部に設けられ
ており、撮影する範囲やピントの位置を確認する際に接眼するために設けられた窓である
。操作ボタン813は、デジタルカメラの後面に設けられた各種機能ボタンであり、セッ
トアップボタン、メニューボタン、ディスプレイボタン、機能ボタン、選択ボタン等によ
り構成されている。
【0162】
本発明を適用した光センサを図28(A)及び図28(B)に示すカメラに組み込むと
、光センサが光の有無及び強さを感知することができ、これによりカメラの露出調整等を
行うことができる。
【0163】
また本発明の光センサはその他の電子機器、例えばプロジェクションテレビ、ナビゲー
ションシステム等に応用することが可能である。すなわち光を検出する必要のあるもので
あればいかなるものにも用いることが可能である。光を検出した結果を、電子機器が有す
る照明制御装置等にフィードバックすることで、消費電力を低減することが可能となる。
【0164】
なお、本実施例は実施の形態及びその他の実施例と適宜組み合わせて用いることが可能
である。
【符号の説明】
【0165】
101 光電変換装置
102 バイアス切り替え手段
103 電源
103a 電源
103b 電源
104 抵抗
104a 抵抗
104b 抵抗
V0 端子
107 切り替え手段
111 光電変換層
111i i型半導体層
111n n型半導体層
111p p型半導体層
112 薄膜トランジスタ
113 薄膜トランジスタ
114 カレントミラー回路
115 光電変換素子
116 ユニット
121 端子
122 端子
201 薄膜トランジスタ
202 薄膜トランジスタ
203 カレントミラー回路
204 光電変換素子
222 光電変換層
222i i型半導体層
222n n型半導体層
222p p型半導体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照度検出機能を有する半導体装置であって、
光電変換素子と前記光電変換素子に電気的に接続された増幅回路とを含む光電変換装置と、
前記光電変換装置に印加するバイアスを反転させるバイアス切り替え手段とを有し、
前記増幅回路は、少なくとも第1のトランジスタを含む2以上のトランジスタを有し、
前記第1のトランジスタのゲート電極は前記光電変換素子を介して前記第1のトランジスタの第1の電極に電気的に接続され、
前記光電変換素子は入射される光を検知し、
前記バイアス切り替え手段は、所定の照度を境に前記バイアスを反転させると共に、前記光電変換素子に生じる電流による検出と、前記第1のトランジスタのゲートソース間に印加される、前記光電変換素子に生じる電圧による検出とを切り替えることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−181954(P2011−181954A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111158(P2011−111158)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【分割の表示】特願2007−115730(P2007−115730)の分割
【原出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】