説明

半導体試験装置

【課題】循環冷却装置が稼動状態でも、カプラ内部に背圧が加わった状態とならず、ヒートシンクのカプラ着脱時に冷却流体の飛散を発生させる恐れのない半導体試験装置を実現する。
【解決手段】循環冷却装置からテストヘッドに設けられたカプラを介してヒートシンクに冷媒を供給する半導体試験装置において、前記テストヘッドに設けられ前記ヒートシンクをはずす際に第1の信号を発し前記ヒートシンクが接続された際に第2の信号を発する信号発生回路と、前記循環冷却装置の出力側と前記テストヘッドの入力側との間に設けられ前記第1の信号に基づき所定時間経過後に前記冷媒の前記テストヘッドへの入力を止めて前記循環冷却装置の入力側へ返還し、前記第2の信号に基づき前記冷媒の前記入力側への返還を止めて前記テストヘッドに入力する三方弁とを具備したことを特徴とする半導体試験装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体試験装置に関するものである。
更に詳述すれば、ヒートシンクを、カプラ部分から着脱する際に循環冷却装置を停止させず、カプラ部分からの流体飛散を防止できる半導体試験装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体試験装置に関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
【0003】
【特許文献1】特開平8−094706号公報
【特許文献2】特開2001−004718号公報
【特許文献3】特開平10−303586号公報
【0004】
図4は従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。
図において、循環冷却装置1は、テストヘッド2に設けられたヒートシンク21を冷却する。
ヒートシンク21は、テストヘッド2に設けられたカップラ22に着脱される。
循環冷却装置1は、熱交換器11、タンク12、ポンプ13を有する。
この場合は、冷媒は水が使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような装置においては、以下の間題点がある。
カプラ部分からヒートシンクを着脱する際、循環冷却装置1が稼動しているのでカプラ22の内部では背圧がかかった状態である。
このために、カプラ22の着脱時に、流体の飛散が起こる。
【0006】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、循環冷却装置が稼動状態でも、カプラ内部に背圧が加わった状態とならず、ヒートシンクのカプラ着脱時に冷却流体の飛散を発生させる恐れのない半導体試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を達成するために、本発明では、請求項1の半導体試験装置においては、
循環冷却装置からテストヘッドに設けられたカプラを介してヒートシンクに冷媒を供給する半導体試験装置において、前記テストヘッドに設けられ前記ヒートシンクをはずす際に第1の信号を発し前記ヒートシンクが接続された際に第2の信号を発する信号発生回路と、前記循環冷却装置の出力側と前記テストヘッドの入力側との間に設けられ前記第1の信号に基づき所定時間経過後に前記冷媒の前記テストヘッドへの入力を止めて前記循環冷却装置の入力側へ返還し、前記第2の信号に基づき前記冷媒の前記入力側への返還を止めて前記テストヘッドに入力する三方弁とを具備したことを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2の半導体試験装置においては、請求項1記載の半導体試験装置において、
前記信号発生回路と前記三方弁との間に設けられ前記第1の信号に基づき所定時間後に前記三方弁に動作信号を発するタイマーを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。
冷却を必要とするヒートシンクを、カプラ部分から着脱する際に経路内の循環冷却流体を循環させている循環冷却装置を停止させず、カプラ部分からの流体飛散を防止できる半導体試験装置が得られる。
【0010】
ヒートシンクのカプラ着脱時に、背圧がかかった状態で流体飛散が起こるようなカプラが使用できるので、カプラ自体を、安価なカプラが使用でき、安価な半導体試験装置が得られる。
テストヘッド側での装置の変更が無いので、既往の半導体試験装置を容易に改造できる半導体試験装置が得られる。
【0011】
本発明の請求項2によれば、次のような効果がある。
信号発生回路と三方弁との間に設けられ、第1の信号に基づき所定時間後に、三方弁に動作信号を発するタイマーが設けられたので、三方弁の動作時間を変更することが可能になり、
ヒートシンクの冷却時間を適切な時間に容易に変更できる半導体試験装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図、図2は図1の動作説明図である。
図において、図4と同一記号の構成は同一機能を表す。
以下、図4との相違部分のみ説明する。
【0013】
図1において、
信号発生回路31は、テストヘッド2に設けられ、ヒートシンク21をはずす際に、第1の信号を発し、ヒートシンク21が接続された際に、第2の信号を発する。
三方弁41は、循環冷却装置1の出力側とテストヘッド2の入力側との間に設けられ、第1の信号に基づき、所定時間経過後に冷媒のテストヘッド2への入力を止めて、循環冷却装置1の入力側へ返還し、第2の信号に基づき、冷媒の入力側への返還を止めてテストヘッド2に入力する。
【0014】
以上の構成において、
カードを着脱しない、通常の動作状況について以下に示す。
(1)通常の動作では、図1に示す如く、ヒートシンク21に冷却流体が流れる。
【0015】
カードを着脱する際の動作について以下に示す。
(1)ヒートシンク21外す為にテストヘッド2の電源をOFFにする。
(2)テストヘッド2の電源がOFFになった信号を、循環冷却装置1が受信する。
(3)循環冷却装置1内に設置された三方弁41によりテストヘッド2の側に流体が供給されなくなる。
(4)ヒートシンク21をカプラ22より外す。
【0016】
(5)メンテナンスなど終了後、ヒートシンク21をカプラ22に接続して、ヒートシンク21をテストヘッド2内に設置する。この状態では、テストヘッド2側には冷却流体が供給されない。
(6)テストヘッド2を電源ONにする。自動的に三方弁41が作動してテストヘッド2側に冷却流体を供給する。
【0017】
この結果、
冷却を必要とするヒートシンク21を、カプラ22の部分から着脱する際に、経路内の循環冷却流体を循環させている循環冷却装置1を停止させず、カプラ22の部分からの流体飛散を防止できる半導体試験装置が得られる。
【0018】
ヒートシンク21のカプラ22への着脱時に、背圧がかかった状態で流体飛散が起こるようなカプラが使用できるので、カプラ22自体を、安価なカプラが使用でき、安価な半導体試験装置が得られる。
テストヘッド1側での装置の変更が無いので、既往の半導体試験装置を容易に改造できる半導体試験装置が得られる。
【0019】
図3は、本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
図3において、タイマー51は、信号発生回路31と三方弁41との間に設けられ、第1の信号に基づき所定時間後に、三方弁41に動作信号を発する。
【0020】
この結果、三方弁41の動作時間を変更することが可能になり、ヒートシンク21の冷却時間を適切な時間に容易に変更できる半導体試験装置が得られる。
【0021】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。
したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】図1の動作説明図である。
【図3】本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
【図4】従来より一般に使用されている従来例の構成説明図である。
【符号の説明】
【0023】
1 循環冷却装置
11 熱交換器
12 タンク
13 ポンプ
2 テストヘッド
21 ヒートシンク
22 カップラ
31 信号発生回路
41 三方弁
51 タイマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環冷却装置からテストヘッドに設けられたカプラを介してヒートシンクに冷媒を供給する半導体試験装置において、
前記テストヘッドに設けられ前記ヒートシンクをはずす際に第1の信号を発し前記ヒートシンクが接続された際に第2の信号を発する信号発生回路と、
前記循環冷却装置の出力側と前記テストヘッドの入力側との間に設けられ前記第1の信号に基づき所定時間経過後に前記冷媒の前記テストヘッドへの入力を止めて前記循環冷却装置の入力側へ返還し、前記第2の信号に基づき前記冷媒の前記入力側への返還を止めて前記テストヘッドに入力する三方弁と
を具備したことを特徴とする半導体試験装置。
【請求項2】
前記信号発生回路と前記三方弁との間に設けられ前記第1の信号に基づき所定時間後に前記三方弁に動作信号を発するタイマー
を具備したことを特徴とする請求項1記載の半導体試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−91438(P2010−91438A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262313(P2008−262313)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】