説明

半導体集積回路、その半導体集積回路を使用したメモリカード用リーダ及び/又はライタ

【課題】 余分な外付け回路を実装することなく容易で安価に、対応したい機能のために外部に接続された部品を検出することができる半導体集積回路、その半導体集積回路を使用したメモリカード用リーダ及び/又はライタを得る。
【解決手段】 結果判定回路4は、入出力端子ioに周辺部品10が接続されて電源電圧Vddと入出力端子ioとの間に抵抗11が接続されたか否かを、接続制御回路6によってNMOSトランジスタ23がオンさせたときの入出力端子ioの電圧で判定し、該判定結果をNMOSトランジスタ23がオンしたタイミングで結果保持回路5に保持するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路、その半導体集積回路を使用したメモリカード用リーダ及び/又はライタに関し、特に、PCカード又は小型メモリカードのコントローラに使用される半導体集積回路、その半導体集積回路を使用したメモリカード用リーダ及び/又はライタに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラやビデオ等に代表されるデジタル情報家電と呼ばれる製品の出荷が著しく増大している中で、記録媒体としての小型メモリカードの需要が伸びてきている。このような小型メモリカードには複数の規格が存在しているため、小型メモリカードに対してデータの読み書きを行うカードリーダと呼ばれる装置は、複数のメディアカードをサポートしなければならなかった。しかし、カードリーダに搭載されるシステムによっては、メモリカードの内のいくつかをサポートしていたり、すべてをサポートしていたりと対応が異なっていた。
【0003】
このような中で、カードリーダのインタフェースを担うコントローラLSIにおいて、個々のメモリカードに対応した製品を開発することは、市場投入時期や開発資源の面から効率的ではなく、1つのコントローラLSIで対応する必要があった。
システムに搭載されたLSIにおいては、そのシステムがどの機能をサポートしているかを知る必要がある。LSIに搭載されたCPUで動作するプログラムや、コントローラLSIが接続されるホスト装置は、どのメディアカードのソフトウエアを実行させる必要があるかを最初に判断する必要があった。このため、システムでサポートするメディアカードをあらかじめ検出することが重要になる。
【0004】
このような背景の中で、幾つかの検出方法が考えられる。
システムでサポートするメディアカードをハードウエアによって検出する方法(例えば、特許文献1参照。)では、該検出のために接地された抵抗が必要になり、該接地を判断するピンとして、専用ピン又は兼用ピンを使用する場合が考えられる。また、システムでサポートするメディアカードをハードウエアによって検出する他の方法として、初期化時にシリアルROM等に代表される外部記憶装置からのデータロードを行うことが考えられる。また、システムでサポートするメディアカードをソフトウエアによって検出する方法として、個々のシステムに対応した必要なソフトウエアのみをあらかじめ組み込むことが考えられる。
【特許文献1】特開平10−98299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、専用ピン又は兼用ピンを使用したハードウエアによって検出する方法において、兼用ピンの場合、本来の機能において必要ではない場合にも前記抵抗が必要になり、不要な接地抵抗を設けることによってこのピン本来の特性に影響を及ぼしてしまうという問題があった。また、専用ピンの場合には、ピン数が増加するという問題があった。兼用ピン又は専用ピンを使用する何れの場合においても、抵抗実装による実装面積の増大やピン数の増加によるチップコストの増大及びパッケージサイズの増大を招き、低コスト及び高集積化を目指す製品においては、受け入れ難い方法であった。また、スイッチとなる接地パッドを設ける必要があり、このような特別な仕様の要求は混乱を招く要因になり、実装基板製作のミスを誘発する可能性があった。
【0006】
また、外部記憶装置からのデータロードを行う場合、常に外部記憶装置があるとは限らず、外部記憶装置がない場合には余分なコストがかかるという問題があった。ソフトウエアによって検出する前記方法では、複数の組み合わせに応じたソフトウエアを準備しなくてはならず、開発資源の増大、バージョン管理の煩雑さによるミスを誘起させる可能性があった。
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、余分な外付け回路を実装することなく容易で安価に、対応したい機能のために外部に接続された部品を検出することができる半導体集積回路、その半導体集積回路を使用したメモリカード用リーダ及び/又はライタを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る半導体集積回路は、少なくとも1つの入出力端子を有し、該入出力端子に所定の機能を有する部品が接続されると、該部品によって前記入出力端子が所定の第1電圧に接続される半導体集積回路において、
入力された制御信号に応じて対応する前記入出力端子を所定の第2電圧に接続する電圧接続回路部と、
前記入出力端子の電圧の検出を行う電圧検出回路部と、
入力された制御信号に応じて該電圧検出回路部で検出された電圧情報を保持する保持回路部と、
前記電圧接続回路部及び該保持回路部の動作制御を行う制御回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記入出力端子に前記部品が接続されたか否かを検出する場合、前記電圧接続回路部に対して該入出力端子を第1抵抗を介して前記第2電圧に接続させると共に、前記保持回路部に電圧検出回路部で検出された電圧情報を保持させ、保持回路部に保持された電圧情報から前記入出力端子に前記部品が接続されたか否かを判定するものである。
【0009】
具体的には、前記電圧接続回路部は、入力された制御信号に応じて対応する前記入出力端子を第1抵抗を介して前記第2電圧である負側電源電圧に接続し、該入出力端子は前記部品によって第2抵抗を介して前記第1電圧である正側電源電圧に接続されるようにした。
【0010】
また具体的には、前記電圧接続回路部は、入力された制御信号に応じて対応する前記入出力端子を第1抵抗を介して前記第2電圧である正側電源電圧に接続し、該入出力端子は前記部品によって第2抵抗を介して前記第1電圧である負側電源電圧に接続されるようにしてもよい。
【0011】
また、前記電圧接続回路部は、
前記第1抵抗と、
前記制御回路部からの制御信号に応じて該第1抵抗を前記第2電圧と前記入出力端子との間に接続するスイッチ回路と、
を備えるようにした。
【0012】
また、前記入出力端子は、前記部品が接続されると、一端が前記第1電圧に接続された第2抵抗の他端が接続される。
【0013】
また、前記制御回路部は、外部から入力された制御信号に応じて動作の初期化を行った後、前記入出力端子に前記部品が接続されたか否かの検出を行うようにした。
【0014】
また、前記制御回路部は、電源投入時に該電源電圧が所定の電圧以上になると、前記入出力端子に前記部品が接続されたか否かの検出を行うようにしてもよい。
【0015】
また、前記制御回路部は、所定のプログラムに従って前記電圧接続回路部及び該保持回路部の動作制御を行うCPUを備え、前記入出力端子に前記部品が接続されたことを検出すると該部品に対応するプログラムを実行するようにしてもよい。
【0016】
また、この発明に係るメモリカード用リーダ及び/又はライタは、少なくとも1つの入出力端子を有し、該入出力端子にメモリカード接続用のソケットが接続されると、該ソケットによって前記入出力端子が所定の第1電圧に接続される半導体集積回路を有するメモリカード用リーダ及び/又はライタにおいて、
前記半導体集積回路は、
入力された制御信号に応じて対応する前記入出力端子を所定の第2電圧に接続する電圧接続回路部と、
前記入出力端子の電圧の検出を行う電圧検出回路部と、
入力された制御信号に応じて該電圧検出回路部で検出された電圧情報を保持する保持回路部と、
前記電圧接続回路部及び該保持回路部の動作制御を行う制御回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記入出力端子に前記ソケットが接続されたか否かを検出する場合、前記電圧接続回路部に対して該入出力端子を第1抵抗を介して前記第2電圧に接続させると共に、前記保持回路部に電圧検出回路部で検出された電圧情報を保持させ、保持回路部に保持された電圧情報から前記入出力端子に前記ソケットが接続されたか否かを判定するものである。
【0017】
具体的には、前記電圧接続回路部は、入力された制御信号に応じて対応する前記入出力端子を第1抵抗を介して前記第2電圧である負側電源電圧に接続し、該入出力端子は前記ソケットによって第2抵抗を介して前記第1電圧である正側電源電圧に接続されるようにした。
【0018】
また具体的には、前記電圧接続回路部は、入力された制御信号に応じて対応する前記入出力端子を第1抵抗を介して前記第2電圧である正側電源電圧に接続し、該入出力端子は前記ソケットによって第2抵抗を介して前記第1電圧である負側電源電圧に接続されるようにしてもよい。
【0019】
また、前記電圧接続回路部は、
前記第1抵抗と、
前記制御回路部からの制御信号に応じて該第1抵抗を前記第2電圧と前記入出力端子との間に接続するスイッチ回路と、
を備えるようにした。
【0020】
また、前記入出力端子は、前記ソケットが接続されると、一端が第1電圧に接続された第2抵抗の他端が接続される。
【0021】
また、前記制御回路部は、外部から入力された制御信号に応じて動作の初期化を行った後、前記入出力端子に前記ソケットが接続されたか否かの検出を行うようにした。
【0022】
また、前記制御回路部は、電源投入時に該電源電圧が所定の電圧以上になると、前記入出力端子に前記ソケットが接続されたか否かの検出を行うようにしてもよい。
【0023】
また、前記制御回路部は、所定のプログラムに従って前記電圧接続回路部及び該保持回路部の動作制御を行うCPUを備え、前記入出力端子に前記ソケットが接続されたことを検出すると該ソケットに対応するプログラムを実行するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の半導体集積回路によれば、前記制御回路部は、前記入出力端子に前記部品が接続されたか否かを検出する場合、前記電圧制御回路部に対して該入出力端子を第1の抵抗を介して所定の電圧に接続させると共に前記保持回路部に電圧検出回路部で検出された電圧情報を保持させ、保持回路部に保持された電圧情報から前記入出力端子に前記部品が接続されたか否かを判定するようにしたことから、余分な外付け回路を実装することなく、対応したい機能のために外部に接続された部品を検出することができ、個々のシステムへの対応を容易にかつ安価に行うことができる。
【0025】
また、初期化完了後に接続された機能の有無を判定するようにしたことから、半導体集積回路の動作前に接続機能の判定結果を保持することができ、該判定を行うための時間を削減することができる。
【0026】
また、電源投入後に接続された機能の有無を判定するようにしてもよく、このようにすることにより、半導体集積回路の動作開始時には接続された機能の判定結果を保持することができる。
【0027】
前記入出力端子に前記部品が接続されたことを検出すると該部品に対応するプログラムを実行するようにしたことから、不要なソフトウエアを起動する必要がなく、処理の効率化を図ることができる。
【0028】
また、本発明のメモリカード用リーダ及び/又はライタによれば、前記入出力端子に前記ソケットが接続されたか否かを検出する場合、前記電圧制御回路部に対して該入出力端子を第1の抵抗を介して所定の電圧に接続させると共に前記保持回路部に電圧検出回路部で検出された電圧情報を保持させ、保持回路部に保持された電圧情報から前記入出力端子に前記ソケットが接続されたか否かを判定するようにしたことから、様々なシステムで対応するメモリカードの種類が異なった場合においても、余分な外付け回路を実装することなく、対応したい機能のために外部に接続されたメモリカード接続用のソケットを検出することができ、個々のシステムへの対応を容易にかつ安価に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態における半導体集積回路の構成例を示した概略図である。
図1において、半導体集積回路1は、対応する入出力端子ioに所定の周辺部品10が接続されたか否かに応じた信号レベルの信号を生成して出力する機能を備えた入出力セル2と、該入出力セル2を介して信号の入出力を行う所定の機能を有した内部回路3とを備えている。また、半導体集積回路1は、入出力セル2から出力された信号から入出力セル2に所定の周辺部品10が接続されたか否かを判定する結果判定回路4と、該結果判定回路4の判定結果を保持する結果保持回路5と、内部回路3からの制御信号に応じて入出力セル2に対して所定の周辺部品10が接続されたか否かを示す信号の生成を制御すると共に結果保持回路5に対する動作制御を行う接続制御回路6とを備えている。
【0030】
また、入出力セル2は、バッファ21,22と、NMOSトランジスタ23と、抵抗24とを備えている。バッファ21の入力端は内部回路3に接続されると共にバッファ21の出力端は入出力端子ioに接続され、バッファ22の入力端は入出力端子ioに接続されると共にバッファ22の出力端は内部回路3及び結果判定回路4にそれぞれ接続されている。入出力端子ioと負側電源電圧をなす接地電圧との間には、NMOSトランジスタ23と抵抗24が直列に接続され、NMOSトランジスタ23のゲートには接続制御回路6からの抵抗制御信号S1が入力されている。なお、バッファ21は入力された制御信号によって内部回路3から入力された信号の出力制御を行うが、該制御信号を省略している。また、NMOSトランジスタ23及び抵抗24は電圧接続回路部を、バッファ22及び結果判定回路4は電圧検出回路部を、結果保持回路5は保持回路部を、内部回路3及び接続制御回路6は制御回路部をそれぞれなす。更に、抵抗24は第1の抵抗を、NMOSトランジスタ23はスイッチ回路を、抵抗11は第2の抵抗をそれぞれなす。
【0031】
周辺部品10は、抵抗11を有しており、入出力セル2に所定の周辺部品10が接続されると、正側電源電圧をなす電源電圧Vddと入出力端子ioとの間に抵抗11が接続される。入出力端子ioの電圧は結果判定回路4に入力され、結果判定回路4は、該入力された電圧から周辺部品10が入出力端子ioに接続されたか否かを判定する。結果判定回路4は、判定結果を示す信号を結果保持部5に出力し、結果保持部5は、接続制御回路6によってNMOSトランジスタ23がオンして入出力端子ioと接地電圧との間に抵抗24が接続されたタイミングで結果判定回路4からの判定結果を保持し、該保持した判定結果を内部回路3に出力する。ここで、抵抗24の抵抗値は、抵抗11よりも大きくなるようにする必要があり、結果判定回路4がバッファ22の出力信号から周辺部品10が接続されたか否かの2値の論理判定を行うことができるようにする。例えば、抵抗11の抵抗値に対して、抵抗24の抵抗値が4倍以上であることが望ましい。
【0032】
このような構成において、入出力端子ioに周辺部品10が接続されると、電源電圧Vddと入出力端子ioとの間に抵抗11が接続される。この状態でNMOSトランジスタ23がオンすると、結果判定回路4は論理値「1」と判定し、該判定結果が結果保持回路5に保持される。入出力端子ioに周辺部品10が接続されていない図2の場合、NMOSトランジスタ23がオンすると、結果判定回路4は論理値「0」と判定し、該判定結果が結果保持回路5に保持される。
【0033】
また、抵抗11の抵抗値が広範囲になる場合は、結果判定回路4に電圧比較器を使用し、電源電圧Vddが5Vで、該電圧比較器の比較基準となる基準電圧を例えば1Vに設定すると、周辺部品10が入出力端子ioに接続されると、NMOSトランジスタ23がオンしたときの入出力端子ioの電圧が1V以上になる。また、周辺部品10が入出力端子ioに接続されていない図2の場合、NMOSトランジスタ23がオンしたときの入出力端子ioの電圧が約0Vになる。これらのことから、NMOSトランジスタ23がオンしたときの入出力端子ioの電圧から、周辺部品10が接続されたか否かの判定を行うことができる。
【0034】
一方、入出力端子ioに入力された信号は、バッファ22を介して内部回路3に出力され、内部回路3から出力された周辺部品10への信号は、バッファ21を介して入出力端子ioに出力され、入出力端子ioに接続された周辺部品10に出力される。このように、入出力端子ioは、本来の機能として使用される。図1の場合は、周辺部品10が接続され、周辺部品10を使用するために必要な抵抗11が存在していることから、内部回路3は、結果保持回路5に保持された判定結果から、周辺部品10を使用する機能を作動させる必要があると判断することができる。また、図2の場合は、入出力端子ioに周辺部品10が接続されていないため抵抗11がなく、内部回路3は、周辺部品10を使用する機能は作動させる必要がないと判断することができる。
【0035】
ここで、図3は、図1の接続制御回路6から出力される制御信号のタイミング例を示したタイミングチャートである。
図3において、初期化信号RESは内部回路3に入力された半導体集積回路1を初期化するための信号を示し、ローレベルで初期化、ハイレベルで初期化解除を示している。接続制御回路6から出力された抵抗制御信号S1は、ハイレベルでNMOSトランジスタ23がオンして導通状態になり、ローレベルでNMOSトランジスタ23がオフして遮断状態になる。接続制御回路6から出力された判定結果保持信号S2は、結果保持回路5に対して結果判定回路4からの判定結果を保持するタイミングを指定する信号である。
【0036】
図3では、結果保持回路5は、判定結果保持信号S2がハイレベルの期間に保持する判定結果の更新を行い、判定結果保持信号S2がローレベルの期間では、保持する判定結果の更新を行わないことを示している。初期化信号RES、抵抗制御信号S1及び判定結果保持信号S2の各変化点の時間差は、入出力端子ioに接続される周辺部品10の機能、及び抵抗11の抵抗値にそれぞれ依存する。半導体集積回路1が通常動作を始めるまでに結果保持回路5に判定結果を保持させることが望ましく、具体的には初期化信号RESがハイレベルになって初期化が完了する直後に、結果保持回路5に判定結果を保持させることが望ましい。また、図4に示すように、半導体集積回路1に供給される電源電圧、例えば電源電圧Vddが半導体集積回路1の動作範囲に入ってから、抵抗制御信号S1をハイレベルにしてNMOSトランジスタ23を導通状態にし、その後一定時間が経過すると結果保持回路5に判定結果が保持されるようにしてもよい。
【0037】
ここで、図1及び図2では、入出力端子ioが1つである場合を例にして説明したが、複数の入出力端子io1〜ion(nは、n>1の整数)がある場合は、図5のようになる。
図5において、半導体集積回路1aは、各入出力端子io1〜ionに対してそれぞれ入出力セルCEL1〜CELnが設けられ、入出力セルCEL1〜CELnに対応して結果判定回路A1〜An及び結果保持回路B1〜Bnが設けられている。入出力セルCEL1〜CELnは図1の入出力セル2と同じであり、結果判定回路A1〜Anはそれぞれ図1の結果判定回路4と同じであり、結果保持回路B1〜Bnはそれぞれ図1の結果保持回路5と同じである。なお、入出力セルCEL1〜CELnの各抵抗24の抵抗値は、対応する抵抗R1〜Rnの抵抗値に応じてそれぞれ変えるようにしてもよい。また、結果判定回路A1〜Anはそれぞれ電圧検出回路部をなし、結果保持回路B1〜Bnはそれぞれ保持回路部をなし、抵抗R1〜Rnはそれぞれ第2の抵抗をなす。
【0038】
接続制御回路6は、内部回路3からの制御信号に応じて入出力セルCEL1〜CELnに対して対応する所定の周辺部品L1〜Lnが接続されたか否かを示す信号の生成を制御すると共に結果保持回路B1〜Bnに対する動作制御を行う。具体的には、接続制御回路6から出力された抵抗制御信号S1は、ハイレベルで入出力セルCEL1〜CELnの各NMOSトランジスタ23がそれぞれオンして導通状態になり、ローレベルで入出力セルCEL1〜CELnの各NMOSトランジスタ23がそれぞれオフして遮断状態になる。接続制御回路6から出力された判定結果保持信号S2は、結果保持回路B1〜Bnに対して対応する結果判定回路A1〜Anからの判定結果を保持するタイミングを指定する。
【0039】
入出力セルCEL1〜CELnの各入出力端子io1〜ionには、対応する周辺部品L1〜Lnが接続される。任意の周辺部品Lk(k=1〜n)が対応する入出力セルCELkの入出力端子iokに接続されると、電源電圧Vddと該入出力端子iokとの間に抵抗Rkが接続される。入出力セルCELkの抵抗24の抵抗値は、対応する抵抗Rkよりも大きく、例えば、抵抗Rkの抵抗値に対して、対応する抵抗24の抵抗値が4倍以上であることが望ましい。
【0040】
このような構成において、入出力セルCELkの入出力端子iokに周辺部品Lkが接続された状態で入出力セルCELkのNMOSトランジスタ23がオンすると、結果判定回路Akは論理値「1」と判定し、該判定結果が結果保持回路Bkに保持される。入出力セルCELkの入出力端子iokに周辺部品Lkが接続されていない場合、入出力セルCELkのNMOSトランジスタ23がオンすると、結果判定回路Akは論理値「0」と判定し、該判定結果が結果保持回路Bkに保持される。
【0041】
また、抵抗Rkの抵抗値が広範囲になる場合は、結果判定回路Akの入力端をバッファ22を介さずに入出力端子iokに直接接続し、結果判定回路Akに電圧比較器を使用して、該電圧比較器の比較基準となる基準電圧を例えば1Vに設定すると、周辺部品Lkが対応する入出力セルCELkの入出力端子iokに接続されると、入出力セルCELkのNMOSトランジスタ23がオンしたときの入出力セルCELkにおける入出力端子iokの電圧が1V以上になる。また、周辺部品Lkが入出力セルCELkの入出力端子iokに接続されていない場合、入出力セルCELkのNMOSトランジスタ23がオンしたときの入出力セルCELkにおける入出力端子iokの電圧が約0Vになる。これらのことから、入出力セルCELkのNMOSトランジスタ23がオンしたときの入出力セルCELkにおける入出力端子iokの電圧から、周辺部品Lkが接続されたか否かの判定を行うことができる。
【0042】
一方、入出力セルCELkにおいて、入出力端子iokに入力された信号は、バッファ22を介して内部回路3に出力され、内部回路3から出力された周辺部品Lkへの信号は、バッファ21を介して入出力端子iokに出力され、入出力端子iokに接続された周辺部品Lkに出力される。このように、入出力セルCELkの入出力端子iokは、本来の機能として使用される。周辺部品Lkが対応する入出力セルCELkの入出力端子iokに接続され、周辺部品Lkを使用するために必要な抵抗Rkが存在していることから、内部回路3は、結果保持回路Bkに保持された判定結果から、周辺部品Lkを使用する機能を作動させる必要があると判断することができる。また、入出力セルCELkの入出力端子iokに周辺部品Lkが接続されていない場合、抵抗Rkがなく、内部回路3は、周辺部品Lkを使用する機能は作動させる必要がないと判断することができる。
【0043】
図6は、図5における内部回路3の内部構成例を示した図であり、図6では、図5と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略する。
図6において、内部回路3は、CPU31、プログラムメモリ32及びバス33を備えている。CPU31、プログラムメモリ32及び結果保持回路B1〜Bnはそれぞれバス33で接続され、CPU31からのリードアクセスが可能である。結果保持回路B1〜Bnは、例えば、CPU31の持つアドレス空間の何れかにマッピングされ、読み出しが可能になっている。CPU31で実行されるソフトウエアはプログラムメモリ32に格納されており、順次CPU31によって読み出されて実行されていく。プログラムメモリ32は、通常ROMの場合が多いが、RAMであってもよい。なお、図6では、プログラムメモリ32は半導体集積回路1aに内蔵されているが、外部に設けるようにしてもよい。
【0044】
このような構成において、所定の第k機能を実現するためには周辺部品Lkが必要となり、抵抗Rkが対応する入出力セルCELkの入出力端子iokに接続されたか否かによって周辺部品Lkの接続判定が行われる。第k機能用のソフトウエアがプログラムメモリ32に格納されており、第k機能を実現するためには第k機能用のソフトウエアが必要である。半導体集積回路1aが起動し、CPU31が初期化ルーチンにおいて、第1機能〜第n機能の必要性を判定し、それに伴った処理及び駆動ソフトウエアを実行する。
【0045】
図7は、図5における周辺部品L1〜Lnの例を示した図であり、メモリカード用リーダ及び/又はライタをなしている場合を例にして示している。図7では、周辺部品L1〜Lnが小型メモリカードソケットである場合を例にして示しており、図5と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略する。
図7において、小型メモリカードソケットが周辺部品L1〜Lnとして、対応する入出力セルCEL1〜CELnの入出力端子io1〜ionに接続される。小型メモリカードソケットL1〜Lnが入出力セルCEL1〜CELnの入出力端子io1〜ionに対応して接続されると、電源電圧Vddと入出力セルCEL1〜CELnの入出力端子io1〜ionとの間には、抵抗R1〜Rnが対応して接続される。
【0046】
小型メモリカードソケットLkが入出力セルCELkの入出力端子iokに接続されない場合は、電源電圧Vddと入出力セルCELkの入出力端子iokとの間には、対応する抵抗Rkが接続されない。このように、内部回路3は、電源電圧Vddと入出力セルCEL1〜CELnの各入出力端子io1〜ionに対応する抵抗R1〜Rnが接続されるか否かに応じて、各小型メモリカード機能を必要とするかしないかを判定することができる。
【0047】
このように、本第1の実施の形態における半導体集積回路は、結果判定回路が、入出力端子に周辺部品が接続されて電源電圧Vddと入出力端子との間に抵抗が接続されたか否かを、接続制御回路6によってNMOSトランジスタ23をオンさせたときの入出力端子の電圧で判定し、該判定結果をNMOSトランジスタ23がオンしたタイミングで対応する結果保持回路に保持するようにした。このことから、余分な外付け回路を実装することなく容易で安価に、対応したい機能のために外部に接続された部品を検出することができる。
【0048】
なお、前記第1の実施の形態の説明では、入出力端子に周辺部品が接続されると該入出力端子が抵抗によって電源電圧Vddに接続される場合を例にして説明したが、入出力端子に周辺部品が接続されると該入出力端子が抵抗によって接地電圧に接続されるようにしてもよい。この場合、NMOSトランジスタ23はPMOSトランジスタにし、電源電圧Vddと入出力端子との間に該PMOSトランジスタと抵抗24を直列に接続し、該PMOSトランジスタのスイッチングによって電源電圧Vddと入出力端子との間に抵抗24が接続されるようにする。また、接続制御回路6は、入出力端子に周辺部品が接続されているか否かを検出する場合、ローレベルの抵抗制御信号S1を出力して該PMOSトランジスタをオンさせる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施の形態における半導体集積回路の構成例を示した概略図である。
【図2】図1の半導体集積回路における周辺部品10が接続されていない状態を示した概略図である。
【図3】図1の接続制御回路6から出力される制御信号のタイミング例を示したタイミングチャートである。
【図4】図1の接続制御回路6から出力される制御信号のタイミングの他の例を示したタイミングチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態における半導体集積回路の他の構成例を示した概略図である。
【図6】図5の内部回路3の内部構成例を示した図である。
【図7】図5の周辺部品L1〜Lnの例を示した図である。
【符号の説明】
【0050】
1,1a 半導体集積回路
2,CEL1〜CELn 入出力セル
3 内部回路
4,A1〜An 結果判定回路
5,B1〜Bn 結果保持回路
6 接続制御回路
10,L1〜Ln 周辺部品
11,24,R1〜Rn 抵抗
21,22 バッファ
23 NMOSトランジスタ
31 CPU
32 プログラムメモリ
33 バス
io,io1〜ion 入出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの入出力端子を有し、該入出力端子に所定の機能を有する部品が接続されると、該部品によって前記入出力端子が所定の第1電圧に接続される半導体集積回路において、
入力された制御信号に応じて対応する前記入出力端子を所定の第2電圧に接続する電圧接続回路部と、
前記入出力端子の電圧の検出を行う電圧検出回路部と、
入力された制御信号に応じて該電圧検出回路部で検出された電圧情報を保持する保持回路部と、
前記電圧接続回路部及び該保持回路部の動作制御を行う制御回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記入出力端子に前記部品が接続されたか否かを検出する場合、前記電圧接続回路部に対して該入出力端子を第1抵抗を介して前記第2電圧に接続させると共に、前記保持回路部に電圧検出回路部で検出された電圧情報を保持させ、保持回路部に保持された電圧情報から前記入出力端子に前記部品が接続されたか否かを判定することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
前記電圧接続回路部は、入力された制御信号に応じて対応する前記入出力端子を第1抵抗を介して前記第2電圧である負側電源電圧に接続し、該入出力端子は前記部品によって第2抵抗を介して前記第1電圧である正側電源電圧に接続されることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記電圧接続回路部は、入力された制御信号に応じて対応する前記入出力端子を第1抵抗を介して前記第2電圧である正側電源電圧に接続し、該入出力端子は前記部品によって第2抵抗を介して前記第1電圧である負側電源電圧に接続されることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記電圧接続回路部は、
前記第1抵抗と、
前記制御回路部からの制御信号に応じて該第1抵抗を前記第2電圧と前記入出力端子との間に接続するスイッチ回路と、
を備えることを特徴とする請求項2又は3記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記入出力端子は、前記部品が接続されると、一端が前記第1電圧に接続された第2抵抗の他端が接続されることを特徴とする請求項2、3又は4記載の半導体集積回路。
【請求項6】
前記制御回路部は、外部から入力された制御信号に応じて動作の初期化を行った後、前記入出力端子に前記部品が接続されたか否かの検出を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の半導体集積回路。
【請求項7】
前記制御回路部は、電源投入時に該電源電圧が所定の電圧以上になると、前記入出力端子に前記部品が接続されたか否かの検出を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の半導体集積回路。
【請求項8】
前記制御回路部は、所定のプログラムに従って前記電圧接続回路部及び該保持回路部の動作制御を行うCPUを備え、前記入出力端子に前記部品が接続されたことを検出すると該部品に対応するプログラムを実行することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の半導体集積回路。
【請求項9】
少なくとも1つの入出力端子を有し、該入出力端子にメモリカード接続用のソケットが接続されると、該ソケットによって前記入出力端子が所定の第1電圧に接続される半導体集積回路を有するメモリカード用リーダ及び/又はライタにおいて、
前記半導体集積回路は、
入力された制御信号に応じて対応する前記入出力端子を所定の第2電圧に接続する電圧接続回路部と、
前記入出力端子の電圧の検出を行う電圧検出回路部と、
入力された制御信号に応じて該電圧検出回路部で検出された電圧情報を保持する保持回路部と、
前記電圧接続回路部及び該保持回路部の動作制御を行う制御回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記入出力端子に前記ソケットが接続されたか否かを検出する場合、前記電圧接続回路部に対して該入出力端子を第1抵抗を介して前記第2電圧に接続させると共に、前記保持回路部に電圧検出回路部で検出された電圧情報を保持させ、保持回路部に保持された電圧情報から前記入出力端子に前記ソケットが接続されたか否かを判定することを特徴とするメモリカード用リーダ及び/又はライタ。
【請求項10】
前記電圧接続回路部は、入力された制御信号に応じて対応する前記入出力端子を第1抵抗を介して前記第2電圧である負側電源電圧に接続し、該入出力端子は前記ソケットによって第2抵抗を介して前記第1電圧である正側電源電圧に接続されることを特徴とする請求項9記載のメモリカード用リーダ及び/又はライタ。
【請求項11】
前記電圧接続回路部は、入力された制御信号に応じて対応する前記入出力端子を第1抵抗を介して前記第2電圧である正側電源電圧に接続し、該入出力端子は前記ソケットによって第2抵抗を介して前記第1電圧である負側電源電圧に接続されることを特徴とする請求項9記載のメモリカード用リーダ及び/又はライタ。
【請求項12】
前記電圧接続回路部は、
前記第1抵抗と、
前記制御回路部からの制御信号に応じて該第1抵抗を前記第2電圧と前記入出力端子との間に接続するスイッチ回路と、
を備えることを特徴とする請求項10又は11記載のメモリカード用リーダ及び/又はライタ。
【請求項13】
前記入出力端子は、前記ソケットが接続されると、一端が第1電圧に接続された第2抵抗の他端が接続されることを特徴とする請求項10、11又は12記載のメモリカード用リーダ及び/又はライタ。
【請求項14】
前記制御回路部は、外部から入力された制御信号に応じて動作の初期化を行った後、前記入出力端子に前記ソケットが接続されたか否かの検出を行うことを特徴とする請求項9、10、11、12又は13記載のメモリカード用リーダ及び/又はライタ。
【請求項15】
前記制御回路部は、電源投入時に該電源電圧が所定の電圧以上になると、前記入出力端子に前記ソケットが接続されたか否かの検出を行うことを特徴とする請求項9、10、11、12又は13記載のメモリカード用リーダ及び/又はライタ。
【請求項16】
前記制御回路部は、所定のプログラムに従って前記電圧接続回路部及び該保持回路部の動作制御を行うCPUを備え、前記入出力端子に前記ソケットが接続されたことを検出すると該ソケットに対応するプログラムを実行することを特徴とする請求項9、10、11、12、13、14又は15記載のメモリカード用リーダ及び/又はライタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−113959(P2006−113959A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302923(P2004−302923)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】