説明

半導体集積回路

【課題】低規模で、かつSN比が劣化することのない、物理量を検出する半導体集積回路を提供する。
【解決手段】増幅器6は、第1入力用スイッチトキャパシタ回路2の差動出力端子と接続される第1の差動入力端子と、第2入力用スイッチトキャパシタ回路4の差動出力端子と接続される第2の差動入力端子とを含み、第1の差動入力端子および第2の差動入力端子から入力される二対の差動信号VIP,VIN、VIP2,VIN2を加算増幅して出力する。第1の相補積分用キャパシタCF1P,CF1Nは、第1の入力用スイッチトキャパシタ回路2の差動出力端子と増幅器6の差動出力端子とに接続される。第2の相補積分用キャパシタCF2P,CF2Nは、第2の入力用スイッチトキャパシタ回路4の差動出力端子と増幅器6の差動出力端子とに接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路に関し、特に物理量を検出するための半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル機器などにおいて、容量センサ素子を用いた加速度センサが用いられている。
【0003】
たとえば、特許文献1に記載のセンサユニットは、X,Y,Z軸方向にそれぞれ沿った加速度値Ax,Ay,Azを検出する加速度センサ1に接続されている。センサユニットは、加速度値Ax,Ay,Azをそれぞれ補正するための温度係数値TCx,TCy,TCzを順次生成するTCO回路と、それら温度係数値TCx,TCy,TCzのうちの対応する1つを用いて加速度値Ax,Ay,Azを順次補正して、加速度信号Xout,Yout,Zoutを生成する出力回路とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−20094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のセンサユニットでは、補正回路はオペアンプを備えることが必要であり、回路面積が大きくなる。さらに、オペアンプを追加することによってノイズの経路が増えて、SN(Signal to Noise)比が劣化する問題がある。
【0006】
それゆえに、本発明の目的は、低規模で、かつSN比が劣化することのない、物理量を検出する半導体集積回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、物理量を検出する半導体集積回路であって、第1の入力差動信号を受ける第1の入力用スイッチトキャパシタ回路と、第2の入力差動信号を受ける第2の入力用スイッチトキャパシタ回路と、第1の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と接続される第1の差動入力端子と、第2の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と接続される第2の差動入力端子とを含み、第1の差動入力端子および第2の差動入力端子から入力される二対の差動信号を加算増幅して出力する増幅器と、第1の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と増幅器の差動出力端子とに接続される第1の相補積分用キャパシタと、第2の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と増幅器の差動出力端子とに接続される第2の相補積分用キャパシタとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の物理量を検出する半導体集積回路によれば、回路面積を大きくすることなく、SN比の劣化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態のスイッチトキャパシタ積分器を表わす図である。
【図2】図1の増幅器の回路図である。
【図3】従来のスイッチトキャパシタ積分器を表わす図である。
【図4】第2の実施形態のスイッチトキャパシタ積分器の構成を表わす図である。
【図5】第3の実施形態のΔΣ変調器の構成を表わす図である。
【図6】第3の実施形態の変形例のΔΣ変調器の構成を表わす図である。
【図7】第4の実施形態のCV−ΔΣ変調器の構成を表わす図である。
【図8】第4の実施形態の変形例のCV−ΔΣ変調器の構成を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の実施形態のスイッチトキャパシタ積分器を表わす図である。
【0011】
図1を参照して、このスイッチトキャパシタ積分器は、第1入力用スイッチトキャパシタ回路2と、第2入力用スイッチトキャパシタ回路4と、増幅器6と、1対の第1の相補積分用キャパシタCF1P,CF1Nと、1対の第2の相補積分用キャパシタCF2P,CF2Nとを備える。
【0012】
第1入力用スイッチトキャパシタ回路2には、容量センサなどのハイインピーダンス(数MΩ)の出力値が第1の入力差動信号VIP,VINとして入力される。
【0013】
第2入力用スイッチトキャパシタ回路4には、容量センサの出力値を補正するためのDAC(Digital Analog Converter)などから出力される低インピーダンスの補正値(数十Ω〜数十kΩ)が第2の入力差動信号VIP2,VIN2として入力される。
【0014】
(第1入力用スイッチトキャパシタ回路)
第1入力用スイッチトキャパシタ回路2は、第1の入力用相補キャパシタC1P,C1Nと、1対の第1の相補スイッチS1P,S1Nと、1対の第2の相補スイッチS2P,S2Nと、1対の第3の相補スイッチS3P,S3Nと、1対の第4の相補スイッチS4P,S4Nとを備える。これらの相補スイッチは、MOSトランジスタで構成される。
【0015】
第1の正側スイッチS1Pは、制御端子に第2の制御信号P2が入力され、第1の入力用正側キャパシタC1Pの第1の端子と、第1の入力差動信号の正側信号VIPを受ける入力端子との間に設けられる。
【0016】
第1の負側スイッチS1Nは、制御端子に第2の制御信号P2が入力され、第1の入力用負側キャパシタC1Nの第1の端子と、第1の入力差動信号の負側信号VINを受ける入力端子との間に設けられる。
【0017】
第2の正側スイッチS2Pは、制御端子に第1の制御信号P1が入力され、第1の入力用正側キャパシタC1Pの第1の端子と、グランド電源VSSとの間に設けられる。
【0018】
第2の負側スイッチS2Nは、制御端子に第1の制御信号P1が入力され、第1の入力用負側キャパシタC1Nの第1の端子と、グランド電源VSSとの間に設けられる。
【0019】
第3の正側スイッチS3Pは、制御端子に第2の制御信号P2が入力され、第1の入力用正側キャパシタC1Pの第2の端子と、グランド電源VSSとの間に設けられる。
【0020】
第3の負側スイッチS3Nは、制御端子に第2の制御信号P2が入力され、第1の入力用負側キャパシタC1Nの第2の端子と、グランド電源VSSとの間に設けられる。
【0021】
第4の正側スイッチS4Pは、制御端子に第1の制御信号P1が入力され、第1の入力用正側キャパシタC1Pの第2の端子と、第1の転送差動信号の正側信号VIP_AMPを出力する出力端子との間に設けられる。
【0022】
第4の負側スイッチS4Nは、制御端子に第1の制御信号P1が入力され、第1の入力用負側キャパシタC1Nの第2の端子と、第1の転送差動信号の負側信号VIN_AMPを出力する出力端子との間に設けられる。
【0023】
(第2入力用スイッチトキャパシタ回路)
第2入力用スイッチトキャパシタ回路4は、第2の入力用相補キャパシタC2P,C2Nと、1対の第5の相補スイッチS5P,S5Nと、1対の第6の相補スイッチS6P,S6Nと、1対の第7の相補スイッチS7P,S7Nと、1対の第8の相補スイッチS8P,S8Nとを備える。
【0024】
第5の正側スイッチS5Pは、制御端子に第2の制御信号P2が入力され、第2の入力用正側キャパシタC2Pの第1の端子と、第2の入力差動信号の正側信号VIP2を受ける入力端子との間に設けられる。
【0025】
第5の負側スイッチS5Nは、制御端子に第2の制御信号P2が入力され、第2の入力用負側キャパシタC2Nの第1の端子と、第2の入力差動信号の負側信号VIN2を受ける入力端子との間に設けられる。
【0026】
第6の正側スイッチS6Pは、制御端子に第1の制御信号P1が入力され、第2の入力用正側キャパシタC2Pの第1の端子と、グランドとの間に設けられる。
【0027】
第6の負側スイッチS6Nは、制御端子に第1の制御信号P1が入力され、第2の入力用負側キャパシタC2Nの第1の端子と、グランドとの間に設けられる。
【0028】
第7の正側スイッチS7Pは、制御端子に第2の制御信号P2が入力され、第2の入力用正側キャパシタC2Pの第2の端子と、グランドとの間に設けられる。
【0029】
第7の負側スイッチS7Nは、制御端子に第2の制御信号P2が入力され、第2の入力用負側キャパシタC2Nの第2の端子と、グランドとの間に設けられる。
【0030】
第8の正側スイッチS8Pは、制御端子に第1の制御信号P1が入力され、第2の入力用正側キャパシタC2Pの第2の端子と、第2の転送差動信号の正側信号VIP2_AMPを出力する出力端子との間に設けられる。
【0031】
第8の負側スイッチS8Nは、制御端子に第1の制御信号P1が入力され、第2の入力用負側キャパシタC2Nの第2の端子と、第2の転送差動信号の負側信号VIN2_AMPを出力する出力端子との間に設けられる。
【0032】
(増幅器)
増幅器6は、第1の転送差動信号の正側信号VIP_AMPと、第1の転送差動信号の負側信号VIN_AMPと、第2の転送差動信号の正側信号VIP2_AMPと、第2の転送差動信号の負側信号VIN2_AMPとを受けて、これら2対の差動信号を加算増幅して、1対の増幅差動信号VOP,VONを出力する。
【0033】
(第1の相補積分用キャパシタ)
第1の正側積分用キャパシタCF1Pは、増幅器6の第1の転送差動信号の正側信号VIP_AMPを入力する入力端子(第1入力用スイッチトキャパシタ回路2の差動出力端子の一方)と、増幅器6の増幅差動信号の正側信号VOPを出力する出力端子との間に設けられる。
【0034】
第1の負側積分用キャパシタCF1Nは、増幅器6の第1の転送差動信号の負側信号VIN_AMPを入力する入力端子(第1入力用スイッチトキャパシタ回路2の差動出力端子の他方)と、増幅器6の増幅差動信号の負側信号VONを出力する出力端子との間に設けられる。
【0035】
(第2の相補積分用キャパシタ)
第2の正側積分用キャパシタCF2Pは、増幅器6の第2の転送差動信号の正側信号VIP2_AMPを入力する入力端子(第2入力用スイッチトキャパシタ回路4の差動出力端子の一方)と、増幅器6の増幅差動信号の正側信号VOPを出力する出力端子との間に設けられる。
【0036】
第2の負側積分用キャパシタCF2Nは、増幅器6の第2の転送差動信号の負側信号VIN2_AMPを入力する入力端子(第2入力用スイッチトキャパシタ回路4の差動出力端子の他方)と、増幅器6の増幅差動信号の負側信号VONを出力する出力端子との間に設けられる。
【0037】
図2は、図1の増幅器の回路図である。
図2を参照して、この増幅器6は、第1の入力用電流源IPC1と、第2の入力用電流源IPC4と、合流用差動電流源INC1,INC2と、出力用差動電流源IPC2,IPC3と、1対の第1の入力用PチャネルMOSトランジスタMP1,MP2と、1対の第2の入力用PチャネルMOSトランジスタMP3,MP4と、1対の折返し用NチャネルMOSトランジスタMNC1,MNC2とを備える。
【0038】
第1の入力用電流源IPC1と、第2の入力用電流源IPC4は、電源(VDD)と接続する。
【0039】
第1の入力用PチャネルMOSトランジスタMP1は、第1の入力用電流源IPC1とノードN1との間に設けられ、ゲートに第1の転送差動信号の正側信号VIP_AMPが入力される。
【0040】
第1の入力用PチャネルMOSトランジスタMP2は、第1の入力用電流源IPC1とノードN2との間に設けられ、ゲートに第1の転送差動信号の負側信号VIN_AMPが入力される。
【0041】
第2の入力用PチャネルMOSトランジスタMP3は、第2の入力用電流源IPC4とノードN1との間に設けられ、ゲートに第2の転送差動信号の正側信号VIP2_AMPが入力される。
【0042】
第2の入力用PチャネルMOSトランジスタMP4は、第2の入力用電流源IPC4とノードN2との間に設けられ、ゲートに第2の転送差動信号の負側信号VIN2_AMPが入力される。
【0043】
折返し用NチャネルMOSトランジスタMNC1は、ノードN1と出力端子OUTPとの間に設けられ、ゲートにバイアス電圧VBN1が入力され、フォールデッドカスコード構成の増幅器となる。
【0044】
折返し用NチャネルMOSトランジスタMNC2は、ノードN2と出力端子OUTNとの間に設けられ、ゲートにバイアス電圧VBN1が入力されゲートにバイアス電圧VBN1が入力され、フォールデッドカスコード構成の増幅器となる。
【0045】
合流用電流源INC1は、グランドとノードN1との間に設けられる。
合流用電流源INC2は、グランドとノードN2との間に設けられる。
【0046】
出力用電流源IPC2は、電源(VDD)と出力端子OUTPとの間に設けられる。
出力用電流源IPC3は、電源(VDD)と出力端子OUTNとの間に設けられる。
【0047】
出力端子OUTPから増幅差動信号の正側信号VOPが出力される。
出力端子OUTNから増幅差動信号の負側信号VONが出力される。
【0048】
(動作)
次に、このスイッチトキャパシタ積分器の動作を説明する。
【0049】
次のサンプリングフェーズと、転送フェーズが交互に繰り返される。
(1) サンプリングフェーズ
図示しない制御回路によって、第2の制御信号P2が「H」レベルとなり、第1の制御信号P1が「L」レベルとなる。これにより、スイッチS1P、S1N、S5P、S5N、S3P、S3N、S7P、S7Nはオンとなり、スイッチS2P、S2N、S6P、S6N、S4P、S4N、S8P、S8Nはオフとなる。
【0050】
このとき、グランド電源をVSSとすると、第1の入力用正側キャパシタC1Pに、(VIP−VSS)の電圧に対応する電荷が蓄積され、第1の入力用負側キャパシタC1Nに、(VIN−VSS)の電圧に対応する電荷が蓄積され、第2の入力用正側キャパシタC2Pに、(VIP2−VSS)の電圧に対応する電荷が蓄積され、第2の入力用負側キャパシタC2Nに、(VIN2−VSS)の電圧に対応する電荷が蓄積される。
【0051】
(2) 転送フェーズ
図示しない制御回路によって、第2の制御信号P2が「L」レベルとなり、第1の制御信号P1が「H」レベルとなる。これにより、スイッチS1P、S1N、S5P、S5N、S3P、S3N、S7P、S7Nはオフとなり、スイッチS2P、S2N、S6P、S6N、S4P、S4N、S8P、S8Nはオンとなる。
【0052】
第1の入力差動信号の正側信号VIPの電圧をVIPとし、第1の入力差動信号の負側信号VINの電圧をVINとし、第2の入力差動信号の正側信号VIP2の電圧をVIP2とし、第2の入力差動信号の負側信号VIN2の電圧をVIN2とし、グランド電源の電圧をVSSとする。
【0053】
このとき、第1の入力用正側キャパシタC1Pに蓄積された(VIP−VSS)の電圧に対応する電荷が、増幅器6の第1の転送差動信号の正側信号VIP_AMPが入力される入力端子(MOSトランジスタMP1のゲート)に転送される。
【0054】
第1の入力用負側キャパシタC1Nに蓄積された(VIN−VSS)の電圧に対応する電荷が、増幅器6の第1の転送差動信号の負側信号VIN_AMPが入力される入力端子(MOSトランジスタMP2のゲート)に転送される。
【0055】
第2の入力用正側キャパシタC2Pに蓄積された(VIP2−VSS)の電圧に対応する電荷が、増幅器6の第2の転送差動信号の正側信号VIP2_AMPが入力される入力端子(MOSトランジスタMP3のゲート)に転送される。
【0056】
第2の入力用負側キャパシタC2Nに蓄積された(VIN2−VSS)の電圧に対応する電荷が、増幅器6の第2の転送差動信号の負側信号VIN2_AMPが入力される入力端子(MOSトランジスタMP4のゲート)に転送される。
【0057】
つまり、転送フェーズにおいては、第1入力用スイッチトキャパシタ回路2の第1の入力用相補キャパシタC1P,C1Nに蓄えられた電荷と、第2入力用スイッチトキャパシタ回路4の第2の入力用相補キャパシタC2P,C2Nに蓄えられた電荷とが、増幅器6の2つの差動入力端子へ別々に入力される。
【0058】
第1入力用スイッチトキャパシタ回路2の差動出力端子と、第2入力用スイッチトキャパシタ回路4の差動出力端子は、一対のMOSトランジスタMP1,MP2のゲート端子対、さらにソース端子対を経て、一対のMOSトランジスタMP3,MP4のソース端子対、さらにゲート端子対に至る経路を介して接続しているが、この経路は、実質的に極めて高いインピーダンスとなる。第1の転送差動信号VIP_AMP,VIN_AMPと、、第2の転送差動信号VIP2_AMP,VIN2_AMPは互いに影響を与えない。
【0059】
MOSトランジスタMP1,MP2によって、第1の転送差動信号VIP_AMP,VIN_AMPがドレイン電流に変換され、MOSトランジスタMP3,MP4によって、第2の転送差動信号VIP2_AMP,VIN2_AMPがドレイン電流に変換される。これらのドレイン電流がノードN1,N2で加算され、差動電圧に変換されて出力端子OUTP,OUTNから出力される。
【0060】
第1の入力用正側キャパシタC1Pと第1の入力用負側キャパシタC1Nの容量が同一でC1とし、第2の入力用正側キャパシタC2Pと第2の入力用負側キャパシタC2Nの容量が同一でC2とし、第1の正側積分用キャパシタCF1Pと第1の負側積分用キャパシタCF1Nと第2の正側積分用キャパシタCF2Pと第2の負側積分用キャパシタCF2Nの容量が同一でCSとする。
【0061】
第n回目における増幅差動信号の正側信号VOPの電圧をVOP[n]とし、第n回目における増幅差動信号の負側信号VONの電圧をVON[n]とすると、次式(1)で表わされる関係が成立する。
【0062】
(VOP[n+1]−VON[n+1])=(VOP[n]−VON[n])
+C1/CS×(VIN−VIP)+C2/CS×(VIN2−VIP2) ・・・(1)
(参考)
図3は、従来のスイッチトキャパシタ積分器を表わす図である。
【0063】
このスイッチトキャパシタ積分器は、第1入力用スイッチトキャパシタ回路2と、第2入力用スイッチトキャパシタ回路4と、増幅器96と、1対の相補積分用キャパシタCF11P,CF11Nとを備える。
【0064】
第1入力用スイッチトキャパシタ回路2と、第2入力用スイッチトキャパシタ回路4は、図1に示すものと同様である。
【0065】
正側積分用キャパシタCF11Pは、増幅器96の転送差動信号の正側信号VIP_AMPを入力する入力端子と、増幅器96の増幅差動信号の正側信号VOPを出力する出力端子との間に設けられる。
【0066】
負側積分用キャパシタCF11Nは、増幅器96の転送差動信号の負側信号VIN_AMPを入力する入力端子と、増幅器96の増幅差動信号の負側信号VONを出力する出力端子との間に設けられる。
【0067】
増幅器96は、転送差動信号の正側信号VIP_AMPと、転送差動信号の負側信号VIN_AMPとを受けて、これらを増幅して、1対の増幅差動信号VOP,VONを出力する。
【0068】
増幅器96は、増幅器6と異なり、1つの差動入力端子が、第1入力用スイッチトキャパシタ回路2の差動出力端子と、第2入力用スイッチトキャパシタ回路4の差動出力端子と接続する。ここで、第1の入力(入力1)に接続される回路の出力がハイインピーダンスで、第2の入力(入力2)に接続される回路の出力がローインピーダンスである場合を考える。スイッチは、ON状態にてローインピーダンス、OFF状態にてハイインピーダンスとなる素子である。
【0069】
入力1から入力2までは、スイッチトキャパシタ回路が上述の2つの状態では、2つのローインピーダンスと2つのハイインピーダンスで接続されることになる。これを入力1側から見た場合、入力2自体がハイインピーダンスであるため、入力2のある一定の振幅が入力1に重畳されることを意味する。したがって、センサの入力経路と補正値の入力経路間の互いの信号に影響を受けることなく、センサの出力値を増幅および積分させつつ、センサの出力値を補正することは困難である。
【0070】
(効果)
本実施の形態では、増幅器6において、第1入力用スイッチトキャパシタ回路2の差動出力を受ける端子と、第2入力用スイッチトキャパシタ回路4の差動出力を受ける端子とが分離しており、かつ積分用キャパシタCF1P,CF1Nと積分用キャパシタCF2P,CF2Nが増幅器6の出力で結合しているため、互いの入力は分離されるが、積分値は加算されて出力される。その結果、ハイインピーダンスのセンサの出力値を増幅および積分させつつ、ローインピーダンスの補正値でセンサの出力値を補正することができる。
【0071】
なお、第1の積分用キャパシタCF1P,CF1N、第1の積分用キャパシタCF1P,CF2Nは、第1の入力用キャパシタC1P,C1N、第2の入力用キャパシタC2P,C2Nの値を調整することによって、2つの入力の重みを変えて加算することができる。
【0072】
[第2の実施形態]
図4は、第2の実施形態のスイッチトキャパシタ積分器の構成を表わす図である。
【0073】
図4を参照して、このスイッチトキャパシタ積分器は、容量センサ10と、CV変換器18とからなる。
【0074】
容量センサ10は、1対の相補可変キャパシタCSP,CSNを有する。
容量センサ10は、所定の距離をもって並行に配置する二つの固定電極と、その二つの固定電極の中央に配置される可動電極とで構成され、可動電極は加速度など外的作用に伴って二つの固定電極の中央から変位を持つものである。従って、可動電極と一方の固定電極との間に形成される第一の可変キャパシタCSPおよび可動電極と他方の固定電極との間に形成される第二の可変キャパシタCSNの静電容量値は、可動電極が物理的変位を持つことによって差動的に変化する。可変キャパシタCSPは、差動センス信号の正側信号SENPを出力する。可変キャパシタCSNは、差動センス信号の正側信号SENNを出力する。
【0075】
CV変換器19は、第1入力用スイッチトキャパシタ回路12と、第2入力用スイッチトキャパシタ回路4と、増幅器6と、1対の第1の相補積分用キャパシタCF1P,CF1Nと、1対の第2の相補積分用キャパシタCF2P,CF2Nとを備える。
【0076】
第2入力用スイッチトキャパシタ回路4と、増幅器6と、1対の第1の相補積分用キャパシタCF1P,CF1Nと、1対の第2の相補積分用キャパシタCF2P,CF2Nは、図1に示すものと同様なので、説明を繰り返さない。
【0077】
第1入力用スイッチトキャパシタ回路12は、1対の第1の相補スイッチS3P,S3Nと、1対の第2の相補スイッチS4P,S4Nとを備える。
【0078】
第1の正側スイッチS3Pは、容量センサ10の差動センス信号の正側信号SENPを出力する出力端子と基準電源VREFとの間に設けられ、ゲートに第2の制御信号P2が入力される。
【0079】
第1の負側スイッチS3Nは、容量センサ10の差動センス信号の負側信号SENNを出力する出力端子と基準電源VREFとの間に設けられ、ゲートに第2の制御信号P2が入力される。
【0080】
第2の正側スイッチS4Pは、容量センサ10の差動センス信号の正側信号SENPを出力する出力端子と第1の転送差動信号の正側信号VIP_AMPを出力する出力端子との間に設けられ、ゲートに第1の制御信号P1が入力される。
【0081】
第2の負側スイッチS4Nは、容量センサ10の差動センス信号の負側信号SENNを出力する出力端子と第1の転送差動信号の負側信号VIN_AMPを出力する出力端子との間に設けられ、ゲートに第1の制御信号P1が入力される。
【0082】
(1) サンプリングフェーズ
図示しない制御回路によって、第2の制御信号P2が「H」レベルとなり、第1の制御信号P1が「L」レベルとなる。これにより、スイッチS5P、S5N、S3P、S3N、S7P、S7Nはオンとなり、スイッチS6P、S6N、S4P、S4N、S8P、S8Nはオフとなる。
【0083】
基準電源VREFの電圧をVREFとし、第2の入力差動信号の正側信号VIP2の電圧をVIP2とし、第2の入力差動信号の負側信号VIN2の電圧をVIN2とし、グランド電源の電圧をVSSとする。第n回目のキャパシタCSPの容量をCSP[n]、第n回目のキャパシタCSNの容量をCSN[n]とする。
【0084】
第n回目において、キャパシタCSPに、(CSP[n]×VREF)の電荷が蓄積され、キャパシタCSNに、(CSN[n]×VREF)の電荷が蓄積される。
【0085】
第2の入力用正側キャパシタC2Pに、(VIP2−VSS)の電圧に対応する電荷が蓄積され、第2の入力用負側キャパシタC2Nに、(VIN2−VSS)の電圧に対応する電荷が蓄積される。
【0086】
(2) 転送フェーズ
図示しない制御回路によって、第2の制御信号P2が「L」レベルとなり、第1の制御信号P1が「H」レベルとなる。これにより、スイッチS5P、S5N、S3P、S3N、S7P、S7Nはオフとなり、スイッチS6P、S6N、S4P、S4N、S8P、S8Nはオンとなる。
【0087】
このとき、キャパシタCSPに蓄積された(CSP[n]×VREF)の電荷が、増幅器6の第1の転送差動信号の正側信号VIP_AMPが入力される入力端子に転送される。
【0088】
キャパシタCSNに蓄積されたCSN[n]×VREF)の電荷が、増幅器6の第1の転送差動信号の負側信号VIN_AMPが入力される入力端子に転送される。
【0089】
第2の入力用正側キャパシタC2Pに蓄積された(VIP2−VSS)の電圧に対応する電荷が、増幅器6の第2の転送差動信号の正側信号VIP2_AMPが入力される入力端子に転送される。
【0090】
第2の入力用負側キャパシタC2Nに蓄積された(VIN2−VSS)の電圧に対応する電荷が、増幅器6の第2の転送差動信号の負側信号VIN2_AMPが入力される入力端子に転送される。
【0091】
第n回目のキャパシタCSPの容量をCSP[n]、第n回目のキャパシタCSNの容量をCSN[n]とし、第2の入力用正側キャパシタC2Pと第2の入力用負側キャパシタC2Nの容量が同一でC2とし、第1の正側積分用キャパシタCF1Pと第1の負側積分用キャパシタCF1Nと第2の正側積分用キャパシタCF2Pと第2の負側積分用キャパシタCF2Nの容量が同一でCSとする。
【0092】
さらに、第n回目における増幅差動信号の正側信号VOPの電圧をVOP[n]とし、第n回目における増幅差動信号の負側信号VONの電圧をVON[n]とすると、次式(1)で表わされる関係が成立する。
【0093】
(VOP[n+1]−VON[n+1])=(VOP[n]−VON[n])
+{(CSN[n+1]−CSN[n])−(CSP[n+1]−CSp[n])}/CS×VREF
+C2/CS×(VIN2−VIP2)・・・(2)
(効果)
本実施の形態によれば、ハイインピーダンス素子である容量センサ素子の出力をCV変換する動作中に、容量センサに影響を与えることなく所望の電圧値を加算または減算するして容量センサの出力を補正することができる。
【0094】
[第3の実施形態]
図5は、第3の実施形態のΔΣ変調器の構成を表わす図である。
【0095】
図5を参照して、このΔΣ変調器は、第1スイッチトキャパシタ積分器20と、コンパレータ30と、DFF(Delay Flip Flop)32と、1ビットのDAC(Digital Analog Converter)34とを備える。
【0096】
第1スイッチトキャパシタ積分器20は、図1の本発明の第1の実施形態のスイッチトキャパシタ積分器と同様である。
【0097】
コンパレータ30は、第1スイッチトキャパシタ積分器20から出力される増幅差動信号VOP,VONの各々が一定の値以上のときに差動パルス信号VCP,VCNを出力する。
【0098】
DFF23は、コンパレータ30から出力される差動パルス信号VCP,VCNを受けて、差動信号CP,CPBを出力する。DFF32は、制御信号P3が「L」レベルから「H」レベルに変化したときの差動パルス信号VCP,VCNを差動信号CP,CPBとして出力する。DFF32は、制御信号P3が「L」レベルから「H」レベルに変化したとき以外は、以前の差動パルス信号VCP,VCNを差動信号CP,CPBとして出力する。
【0099】
DAC34は、DFF23から出力される差動信号CP,CPB(それぞれが1ビット)の各々をアナログ信号に変換して、差動アナログ信号VFBP,VFBNを第1スイッチトキャパシタ積分器20の第2入力用スイッチトキャパシタ回路4の差動入力端子に出力する。
【0100】
(効果)
本実施の形態のΔΣ変調器によれば、高い入力インピーダンスの信号を与えたとしても、ΔΣ変調器のDACの影響を低減させつつパルス密度変調(Pulse Density Modulation: PDM)波を生成できる。したがって、各種センサのASICにおいて、センサからの入力をすぐにデジタル信号に変換でき、回路面積の縮小およびSN比の向上に著しい効果を有する。
【0101】
[第3の実施形態の変形例]
図6は、第3の実施形態の変形例のΔΣ変調器の構成を表わす図である。
【0102】
このΔΣ変調器は、第1スイッチトキャパシタ積分器20と、コンパレータ30との間に第2スイッチトキャパシタ積分器28を備える。
【0103】
第2スイッチトキャパシタ積分器28は、図3の従来のスイッチトキャパシタ積分器と同様である。
【0104】
すなわち、第1スイッチトキャパシタ積分器20の差動増幅信号VMP1,VMN1を出力する端子と、第2のスイッチトキャパシタ積分器30の第1入力用スイッチトキャパシタ回路12の第1の入力差動信号を受ける端子とが接続される。
【0105】
第2のスイッチトキャパシタ積分器30の増幅器96が出力する差動増幅信号VOP,VONがコンパレータ30に入力される。
【0106】
DAC34は、差動アナログ信号VFBP,VFBNを第1スイッチトキャパシタ積分器20の第2入力用スイッチトキャパシタ回路4の差動入力端子に出力するとともに、第2スイッチトキャパシタ積分器28の第2入力用スイッチトキャパシタ回路14の差動入力端子にも出力する。
【0107】
(効果)
本変形例によれば、第3の実施形態よりもさらにノイズシェイピングの能力を向上させてSN比を向上させることができる。
【0108】
[第4の実施形態]
図7は、第4の実施形態のCV−ΔΣ変調器の構成を表わす図である。
【0109】
図7を参照して、このCV−ΔΣ変調器は、第1スイッチトキャパシタ積分器40と、コンパレータ30と、DFF(Delay Flip Flop)32と、1ビットのDAC(Digital Analog Converter)34とを備える。
【0110】
第1スイッチトキャパシタ積分器40は、図4の本発明の第2の実施形態のスイッチトキャパシタ積分器と同様である。
【0111】
コンパレータ30は、第1スイッチトキャパシタ積分器40から出力される増幅差動信号VOP,VONの各々が一定の値以上のときに差動パルス信号VCP,VCNを出力する。
【0112】
DFF23は、コンパレータ30から出力される差動パルス信号VCP,VCNを受けて、差動信号CP,CPBを出力する。DFF32は、制御信号P3が「L」レベルから「H」レベルに変化したときの差動パルス信号VCP,VCNを差動信号CP,CPBとして出力する。DFF32は、制御信号P3が「L」レベルから「H」レベルに変化したとき以外は、以前の差動パルス信号VCP,VCNを差動信号CP,CPBとして出力する。
【0113】
DAC34は、DFF23から出力される差動信号CP,CPB(それぞれが1ビット)をアナログ信号に変換して、差動アナログ信号VFBP,VFBNを第1スイッチトキャパシタ積分器40の第2入力用スイッチトキャパシタ回路4の差動入力端子に出力する。
【0114】
(効果)
本実施の形態のCV−ΔΣ変調器によれば、高い入力インピーダンスの信号を与えたとしても、CV−ΔΣ変調器のDACの影響を低減させつつパルス密度変調(Pulse Density Modulation: PDM)波を生成できる。したがって、各種センサのASICにおいて、センサからの入力をすぐにデジタル信号に変換でき、回路面積の縮小およびSN比の向上に著しい効果を有する。
【0115】
[第4の実施形態の変形例]
図8は、第4の実施形態の変形例のCV−ΔΣ変調器の構成を表わす図である。
【0116】
このCV−ΔΣ変調器は、第1スイッチトキャパシタ積分器40と、コンパレータ30との間に第2スイッチトキャパシタ積分器28を備える。
【0117】
第2スイッチトキャパシタ積分器28は、図3の従来のスイッチトキャパシタ積分器と同様である。
【0118】
すなわち、第1スイッチトキャパシタ積分器40の差動増幅信号VMP1,VMN1を出力する端子と、第2スイッチトキャパシタ積分器28の第1入力用スイッチトキャパシタ回路12の第1の入力差動信号を受ける端子とが接続される。
【0119】
第2のスイッチトキャパシタ積分器30の増幅器96が出力する差動増幅信号VOP,VONがコンパレータ30に入力される。
【0120】
DAC34は、差動アナログ信号VFBP,VFBNを第1スイッチトキャパシタ積分器40の第2入力用スイッチトキャパシタ回路4の差動入力端子へ出力するとともに、第2スイッチトキャパシタ積分器28の第2入力用スイッチトキャパシタ回路14の差動入力端子にも出力する。
【0121】
(効果)
本変形例によれば、第3の実施形態よりもさらにノイズシェイピングの能力を向上させてSN比を向上させることができる。
【0122】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0123】
2,12 第1入力用スイッチトキャパシタ回路、4 第2入力用スイッチトキャパシタ回路、6,96 増幅器、10 容量センサ、20,40 第1スイッチトキャパシタ積分器、30 コンパレータ、32 DFF、34 DAC、CSP,CSN 可変キャパシタ、S1P,S1N,S2P,S2N,S3P,S3N,S4P,S4N,S5P,S5N,S6P,S6N,S7P,S7N スイッチ、C1P,C1N,C2P,C2N,CF1P,CF1N,CF2P,CF2N,CF11P,CF11N キャパシタ、MP1,MP2,MP3,MP4,MNC1,MNC2 MOSトランジスタ、IPC1,IPC2,IPC3,IPC4,INC1,INC2 電流源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を検出する半導体集積回路であって、
第1の入力差動信号を受ける第1の入力用スイッチトキャパシタ回路と、
第2の入力差動信号を受ける第2の入力用スイッチトキャパシタ回路と、
前記第1の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と接続される第1の差動入力端子と、前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と接続される第2の差動入力端子とを含み、前記第1の差動入力端子および前記第2の差動入力端子から入力される二対の差動信号を加算増幅して出力する増幅器と、
前記第1の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と前記増幅器の差動出力端子とに接続される第1の相補積分用キャパシタと、
前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と前記増幅器の差動出力端子とに接続される第2の相補積分用キャパシタとを備えた、半導体集積回路。
【請求項2】
前記第1の入力用スイッチトキャパシタ回路は、
第1の一対の入力用相補キャパシタと、
前記第1の一対の入力用相補キャパシタの第1の一対の端子と、前記第1の入力差動信号を受ける一対の入力端子との間に設けられ、それぞれの制御端子に第2の制御信号が入力される第1の一対の相補スイッチと、
前記第1の一対の入力用相補キャパシタの第1の一対の端子と、グランドとの間に設けられ、それぞれの制御端子に第1の制御信号が入力される第2の一対の相補スイッチと、
前記第1の一対の入力用相補キャパシタの第2の一対の端子と、グランドとの間に設けられ、それぞれの制御端子に第2の制御信号が入力される第3の一対の相補スイッチと、
前記第1の一対の入力用相補キャパシタの第2の一対の端子と、前記第1の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子との間に設けられ、それぞれの制御端子に第1の制御信号が入力される第4の一対の相補スイッチとを含む、請求項1記載の半導体集積回路。
【請求項3】
物理量を検出する半導体集積回路であって、
一対の相補可変キャパシタを有し、第1の入力差動信号を出力する容量センサと、
前記第1の入力差動信号を受ける第1の入力用スイッチトキャパシタ回路と、
第2の入力差動信号を受ける第2の入力用スイッチトキャパシタ回路と、
前記第1の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と接続される第1の差動入力端子と、前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と第2の差動入力端子とを含み、前記第1の差動入力端子および前記第2の差動入力端子から入力される二対の差動信号を加算増幅して出力する増幅器と、
前記第1の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と前記増幅器の差動出力端子とに接続される第1の相補積分用キャパシタと、
前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と前記増幅器の差動出力端子とに接続される第2の相補積分用キャパシタとを備えた、半導体集積回路。
【請求項4】
前記第1の入力用スイッチトキャパシタ回路は、
前記第1の入力差動信号を受ける一対の入力端子と、基準電源との間に設けられ、それぞれの制御端子に第2の制御信号が入力される第3の一対の相補スイッチと、
前記第1の入力差動信号を受ける一対の入力端子と、前記第1の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子との間に設けられ、それぞれの制御端子に第1の制御信号が入力される第4の一対の相補スイッチとを含む、請求項3記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路は、
第2の一対の入力用相補キャパシタと、
前記第2の一対の入力用相補キャパシタの第1の一対の端子と、前記第2の入力差動信号を受ける一対の入力端子との間に設けられ、それぞれの制御端子に第2の制御信号が入力される第5の一対の相補スイッチと、
前記第2の一対の入力用相補キャパシタの第1の一対の端子と、グランドとの間に設けられ、それぞれの制御端子に第1の制御信号が入力される第6の一対の相補スイッチと、
前記第2の一対の入力用相補キャパシタの第2の一対の端子と、グランドとの間に設けられ、それぞれの制御端子に第2の制御信号が入力される第7の一対の相補スイッチと、
前記第2の一対の入力用相補キャパシタの第2の一対の端子と、前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子との間に設けられ、それぞれの制御端子に第1の制御信号が入力される第8の一対の相補スイッチとを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項6】
前記増幅器は、
第1の入力用電流源と、
第2の入力用電流源と、
一対の相補合流用差動電流源と、
一対の相補出力用差動電流源と、
前記第1の入力用電流源と前記一対の相補合流用差動電流源との間に設けられ、ゲートが前記第1の差動入力端子である第1の一対の入力用相補MOSトランジスタと、
前記第2の入力用電流源と前記一対の相補合流用差動電流源との間に設けられ、ゲートが前記第2の差動入力端子である第2の一対の入力用相補MOSトランジスタとを含み、
前記増幅器の差動出力端子は、前記一対の相補合流用差動電流源と前記一対の相補出力用差動電流源との間に設けられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項7】
前記半導体集積回路は、さらに、
前記増幅器の差動出力端子と接続され、前記差動出力端子から出力される差動信号が一定値以上のときに、差動パルス信号を出力するコンパレータと、
前記コンパレータの差動出力端子と接続されるD−フリップフロップと、
前記D−フリップフロップの差動出力端子と接続されるDA変換器と、
前記DA変換器の差動出力端子と、前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路の前記第2の入力差動信号を受ける端子とが接続される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項8】
物理量を検出する半導体集積回路であって、
第1のスイッチトキャパシタ積分器と、
第2のスイッチトキャパシタ積分器とを備え、
前記第1のスイッチトキャパシタ積分器は、
第1の入力差動信号を受ける第1の入力用スイッチトキャパシタ回路と、
第2の入力差動信号を受ける第2の入力用スイッチトキャパシタ回路と、
前記第1の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と接続される第1の差動入力端子と、前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と接続される第2の差動入力端子とを備え、前記第1の差動入力端子および前記第2の差動入力端子から入力される二対の差動信号を加算増幅して出力する第1の増幅器と、
前記第1の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と前記第1の増幅器の差動出力端子とに接続される第1の相補積分用キャパシタと、
前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と前記第1の増幅器の差動出力端子とに接続される第2の相補積分用キャパシタとを含み、
前記第2のスイッチトキャパシタ積分器は、
前記第1の増幅器の第1の差動出力端子と接続される第3の入力用スイッチトキャパシタ回路と、
前記第2の入力差動信号を受ける第4の入力用スイッチトキャパシタ回路と、
前記第3の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子および前記第4の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と接続される差動入力端子を含み、前記差動入力端子から入力される差動信号を加算増幅して出力する第2の増幅器と、
前記第3の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と前記第2の増幅器の差動出力端子とに接続される第3の相補積分用キャパシタと、
前記第4の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と前記第2の増幅器の差動出力端子とに接続される第4の相補積分用キャパシタとを含み、
前記半導体集積回路は、さらに、
前記第2の増幅器の差動出力端子と接続され、前記差動出力端子から出力される差動信号が一定値以上のときに、差動パルス信号を出力するコンパレータと、
前記コンパレータの差動出力端子と接続されるD−フリップフロップと、
前記D−フリップフロップの差動出力端子と接続されるDA変換器と、
前記DA変換器の差動出力端子と、前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路および前記第4の入力用スイッチトキャパシタ回路の前記第2の入力差動信号を受ける端子とが接続される、半導体集積回路。
【請求項9】
物理量を検出する半導体集積回路であって、
第1のスイッチトキャパシタ積分器と、
第2のスイッチトキャパシタ積分器とを備え、
前記第1のスイッチトキャパシタ積分器は、
一対の相補可変キャパシタを有し、第1の入力差動信号を出力する容量センサと、
前記第1の入力差動信号を受ける第1の入力用スイッチトキャパシタ回路と、
第2の入力差動信号を受ける第2の入力用スイッチトキャパシタ回路と、
前記第1の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と接続される第1の差動入力端子と、前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と接続される第2の差動入力端子とを備え、前記第1の差動入力端子および前記第2の差動入力端子から入力される二対の差動信号を加算増幅して出力する第1の増幅器と、
前記第1の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と前記第1の増幅器の差動出力端子とに接続される第1の相補積分用キャパシタと、
前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と前記第1の増幅器の差動出力端子とに接続される第2の相補積分用キャパシタとを含み、
前記第2のスイッチトキャパシタ積分器は、
前記第1の増幅器の第1の差動出力端子と接続される第3の入力用スイッチトキャパシタ回路と、
前記第2の入力差動信号を受ける第4の入力用スイッチトキャパシタ回路と、
前記第3の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子および前記第4の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と接続される差動入力端子を含み、前記差動入力端子から入力される差動信号を加算増幅して出力する第2の増幅器と、
前記第3の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と前記第2の増幅器の差動出力端子とに接続される第3の相補積分用キャパシタと、
前記第4の入力用スイッチトキャパシタ回路の差動出力端子と前記第2の増幅器の差動出力端子とに接続される第4の相補積分用キャパシタとを含み、
前記半導体集積回路は、さらに、
前記第2の増幅器の差動出力端子と接続され、前記差動出力端子から出力される差動信号が一定値以上のときに、差動パルス信号を出力するコンパレータと、
前記コンパレータの差動出力端子と接続されるD−フリップフロップと、
前記D−フリップフロップの差動出力端子と接続されるDA変換器と、
前記DA変換器の差動出力端子と、前記第2の入力用スイッチトキャパシタ回路および前記第4の入力用スイッチトキャパシタ回路の前記第2の入力差動信号を受ける端子とが接続される、半導体集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−185749(P2011−185749A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51473(P2010−51473)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】