説明

半径方向熱電装置アセンブリ

幾つかの実施形態では、熱交換装置が、少なくとも1つの入り口と少なくとも1つの第1の出口と少なくとも1つの第2の出口とを有する、ハウジングを含む。この装置は、ハウジング内に配置されており、かつ、少なくとも1つの入口から流体を受け取りかつこの流体を第1の出口と第2の出口との少なくとも1つに移動させるように形状構成されている、インペラをさらに含む。これに加えて、この装置は、一定の体積の流体を受け入れかつこの流体が第1の出口または第2の出口を経由して出て行く前にこの流体を選択的に温度調節するように形状構成されている1つまたは複数の熱交換モジュールを備える。一実施形態では、この熱交換モジュールは部分的または全体的にハウジング内に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2007年7月23日付で出願された米国仮特許出願第60/951,431号明細書の米国特許法119条(e)項に基づく優先権を主張し、この仮出願の全体が本明細書中の引例によって本明細書に組み入れられている。
【0002】
本開示は、一般的に温度調節装置に関し、および、さらに特に、加熱および/または冷却された流体を生じさせるために有用な熱電熱交換器に関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第5,626,021号明細書は、熱電ユニットと送風機とを備える温度調節システムを開示し、この温度調節システムは、自動車の座席の表面に対して加熱および/または冷却された空気を提供するために使用されることが可能である。このシステムは、さらに、密閉空間、ベッド、椅子、他の座席アセンブリ、および/または、直接的にユーザに対して、加熱および/または冷却された空気を提供するためにも使用されることが可能である。
【0004】
自動車の座席に関しては、こうした装置では、加熱および/または冷却された空気は、座席の中に形成されている1つまたは複数の空気ダクトを通して、および、その次にその座席の表面を通して乗客にその空気を送ることによって、乗客に対して配送されることが可能である。こうした温度調節システムのために座席の内側と下方と周囲とにおいて利用可能な空間の量が著しく制限されている場合が多い。例えば、自動車によっては、重量を減らすために、または、乗客室を増大させるために、座席の厚さが数インチであり、かつ、その自動車の床板または背部のような自動車の隣接構造に突き当たる。さらに、自動車製造業者が、座席の内側や下方や周囲に電子部品や可変ランバーサポートのような様々な装置をますます多く取り付けるようになっている。これに加えて、乗客空間を増大させるために、および/または、重量を減少させるために、座席によって占められるキャビン空間の量を可能な限り小さく減少させるように、座席のサイズ、特に背もたれのサイズが設計されることが多い。
【0005】
現在の温度調節システムは、車両座席の内側や下方や周囲に取り付けるには大きすぎる可能性がある。従来のシステムは、空気の温度を選択的に調整する熱交換器に到達するためにダクトを通過する空気流を発生する、直径5インチまたは6インチの送風機を有する可能性がある。この熱交換器は、幅および長さが数インチである可能性があり、かつ、1インチほどの厚さである可能性がある。空気が熱交換器から座席クッションの底部および/または座席クッションの背部にダクトを通して搬送される。このシステムは大きいことが多く、および、自動車座席の下側または内側への取り付けが困難である場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
旋回可能または回転可能な座席背部にダクトが座席底部から到達しなければならない場合には、こうしたシステムと共に使用されるダクト装置も大きくかつ使用困難である可能性がある。こうしたダクトは座席内の追加の空間を使用するだけでなく、空気流を妨害し、したがって空気流を提供するためのより大きな送風機も必要とする。より大きな送風機は追加の空間を必要とする可能性があり、より早い速度で動作させられる必要があるだろうし、および/または、より大きい騒音を発生するだろう。自動車の車内では騒音は望ましくない。さらに、ダクト装置は、通過する空気の温度に悪影響を与え、および、低温の空気を加熱するかまたは高温の空気を冷却し、この結果として、より大きな送風機または熱交換器が必要になることが多い。こうした欠点を考慮して、よりコンパクトでエネルギー効率がより高い自動車座席用の加熱/冷却システムと、好ましくはより静かなシステムとが必要とされている。これに加えて、よりコンパクトでよりエネルギー効率が高い加熱/冷却システムは、さらに、他の局所的な空調環境においても使用される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの実施態様では、熱交換装置が、少なくとも1つの入り口と少なくとも1つの第1の出口と少なくとも1つの第2の出口とを有する、ハウジングを含む。この熱交換装置は、ハウジング内に配置されており、および、少なくとも1つの入口から流体を受け取りかつこの流体を第1の出口と第2の出口との少なくとも1つに移動させるように形状構成されている、インペラをさらに含む。これに加えて、この装置は、一定の体積の流体を受け入れかつこの流体が第1の出口または第2の出口を通って出て行く前にこの流体を選択的に温度調節するように形状構成されている、1つまたは複数の熱交換モジュールを備える。一実施態様では、この熱交換モジュールは部分的または全体的にハウジング内に配置されている。
【0008】
幾つかの実施態様では、この熱交換モジュールは熱電装置を備える。他の実施態様では、この熱電装置はペルチエ回路を備える。別の構成では、この熱交換モジュールは、熱電装置と熱的に連通している熱交換器をさらに備え、したがって、流体の体積の少なくとも一部分がこの熱交換器を経由してまたはこの熱交換器の付近に送られる。1つの構成では、この熱交換器は、熱伝導性かつ非導電性の材料を含む基板(substrate)と熱的に連通している。
【0009】
他の構成では、熱交換モジュールは、ハウジングの内部の外周部部分に沿って配置されている。別の実施態様では、熱交換モジュールは実質的にハウジングの外周部全体に沿って延びる。さらに別の構成では、この装置は、少なくとも2つの別々の熱交換モジュールを備える。一実施態様では、熱交換モジュールはハウジングの内部に実質的に互いに等間隔に配置されている。他の実施態様では、熱交換モジュールは互いに電気的に接続されている。一実施態様では、熱交換モジュールはエンドカップリング(end coupling)を使用して互いに電気的に接続されており、このエンドカップリングは熱電装置の基板の延長部分を備える。
【0010】
幾つかの構成では、熱交換モジュールは、熱電装置の上部側部と流体連通している1組の上部熱交換器と、熱電装置の下部側部と流体連通している1組の下部熱交換器とを備える。1つの構成では、少なくとも1つの第1の出口はこの1組の上部熱交換器と流体連通しており、かつ、少なくとも1つの第2の出口はこの1組の下部熱交換器と流体連通している。別の構成では、少なくとも第1の出口はハウジングの側壁部分に沿って配置されており、かつ、少なくとも第2の出口はハウジングの底部部分に沿って配置されている。
【0011】
幾つかの実施態様では、インペラは、少なくとも第1の出口と少なくとも第2の出口とに対して実質的に等体積の流体を配送するように形状構成されている。他の構成では、熱交換器は、上記熱交換器に近づく流体流方向に概ね一致する方向に沿って方向配置されている。さらに別の実施態様では、この装置は、例えば自動車座席、ベッド、ソファー、椅子、車椅子、スタジアムシート、および/または、これらの類似物のような、座席アセンブリに温度調節された流体を供給するように形状構成されている。幾つかの実施態様では、熱交換モジュールは、使用時の熱応力に順応するように形状構成されている。一実施態様では、熱交換モジュールの基板は少なくとも1つの伸縮継手を備える。
【0012】
他の構成では、温度調節式座席アセンブリ(climate controlled seat assembly)が、座席底部部分と、座席背部部分と、熱交換装置とを備える。この熱交換装置は、少なくとも1つの入り口と少なくとも1つの第1の出口と少なくとも1つの第2の出口とを有するハウジングと、そのハウジング内に配置されており、かつ、少なくとも1つの入口から流体を受け入れかつ第1の出口と第2の出口の少なくとも1つにその流体を移動させるように形状構成されているインペラと、一定の体積の流体を受け入れかつ第1の出口または第2の出口を通って上記流体が外に出る前に上記流体を選択的に温度調節するように形状構成されている少なくとも1つの熱交換モジュールとを含む。幾つかの構成では、熱交換モジュールはハウジング内に配置されている。他の実施態様では、熱交換装置の第1の出口または第2の出口を出て行く温度調節された流体が、座席底部部分と座席背部部分の少なくともどちらか一方の部分の開口部内に配送されるように形状構成されている。さらに、幾つかの実施態様では、温度調節された流体は、座席アセンブリの乗客に向けて移動させられるように形状構成されている。幾つかの構成では、熱交換装置は、座席背部部分または座席底部部分の表面に取り付けられている。別の実施態様では、第1の出口と第2の出口の少なくとも1つが、座席背部部分または座席底部部分の開口部と概ね整合しかつ流体連通しているように形状構成されている。
【0013】
他の実施態様では、流体を温度調節する方法が、送風機のハウジングの中に少なくとも1つの熱交換モジュールを配置することを含む。この少なくとも1つの熱交換モジュールは、一定の体積の流体を受け入れるように、かつ、ハウジングの出口を通って上記流体が出て行く前に上記流体を選択的に温度調節するように形状構成されている。この方法は、さらに、上記熱交換モジュールに通電することと送風機のエンペラを作動させることとによって、上記流体を選択的に加熱または冷却することを含む。幾つかの構成では、この熱交換モジュールは熱電装置を含む。
【0014】
米国特許第6,606,866号明細書が、上述した欠点の多くに対処するように形状構成されている半径方向熱交換器と熱電ユニットとを有する熱電装置(TED)の様々な形状構成を開示している。米国特許第6,606,866号明細書の設計の幾つかの側面が、従来技術に対する改善策を示すが、その商業的な用途を限定している。例えば、米国特許第6,606,866号明細書に開示されている半径方向熱電モジュールは、製造が困難である可能性があり、および、熱膨張力を原因とする疲労損傷を結果的に生じさせることがある。これに加えて、その半径方向熱交換器の中を通る空気流が商業的用途のためには最適化されないだろう。
【0015】
幾つかの実施態様が、熱交換器モジュールシステムを備える環状熱交換器システムを提供する。この熱交換器モジュールシステムは、熱交換モジュールシステムの開口部を画定する内周部と、熱電装置の外周部の少なくとも一部分を画定する複数の扇形部分(sector)を備える第1の基板と第2の基板とを備える熱電装置と、第1の基板と第2の基板との間に配置されている複数の熱電ペレットとを備える。
【0016】
幾つかの実施態様が、外周部の少なくとも一部分と開口部とを画定する複数の熱交換器モジュールを備える熱交換器モジュールシステムを提供する。各々の熱交換器モジュールは、第1の基板と第2の基板とこの第1の基板と第2の基板との間に配置されている複数の熱電ペレットとを備える熱電装置と、第2の基板に熱的に結合されている第2の熱交換器とを備える。
【0017】
幾つかの実施態様が、複数の熱交換器モジュールを備える熱交換器モジュールシステムであって、この複数の熱交換器モジュールの各々は、
第1の基板と、第2の基板と、この第1の基板と第2の基板との間に配置されている複数の熱電ペレットとを備える電熱装置と、
第1の基板に熱的に結合されている第1の熱交換器と、
第2の基板に熱的に結合されている第2の熱交換器と、
少なくとも幾つかの互いに隣接する熱交換器モジュールを結合する複数の結合部材
とを備える
熱交換器モジュールシステムを提供する。
【0018】
幾つかの実施態様が、熱交換器モジュールシステムを製造する方法を提供し、この方法は、実質的に直線状の配列の形に配置されている複数の熱交換器モジュールを備える熱交換器モジュールシステムの結合部材を変形させることと、実質的に多角形の熱交換器モジュールシステムを形成するように互いに隣接する熱交換器モジュールを結合する部材を結合することとを含む。
【0019】
幾つかの実施態様が、流体を調節する方法を提供し、この方法は、熱交換器モジュールの電熱装置に電圧を印加することであって、この熱交換器モジュールは、第1の基板と、第2の基板と、この第1の基板と第2の基板との間に配置されている複数の熱電ペレットとを備える電熱装置と、第1の基板に熱的に結合されている第1の熱交換器と、第2の基板に熱的に結合されている第2の熱交換器とを備え、および、電圧は第1の基板と第2の基板との間の温度差を効果的に発生させることと、熱交換器モジュールシステムの第1の熱交換器と第2の熱交換器とを通して流体を流すこととを含む。この熱交換器モジュールシステムは、熱交換器モジュールシステムの外周部と開口部の外周部との少なくとも一部分を画定する複数の熱交換器モジュールを備え、および、各々のモジュールは上部部分と下部部分とを備え、および、流体の第1の部分は、開口部の外周部から熱交換器モジュールシステムの上部部分を通って半径方向に流れ、その次にそのシステムの外に半径方向に出て行き、および、流体の第2の部分は、開口部の外周部から熱交換器モジュールシステムの下部部分を通って半径方向に流れ、その次に約90度向きを変えて軸方向に流出する。
【0020】
幾つかの実施態様が、調節された空気を配送するための熱モジュールを提供し、このモジュールは、上部部分と下部部分とこの上部部分と下部部分との間を延びる側壁とを備えかつ内側空洞を画定するハウジングであって、上部部分はその内側空洞の中への入口を少なくとも部分的に画定し、側壁は第1の出口を少なくとも部分的に画定し、および、下部部分は第2の出口を少なくとも部分的に画定するハウジングと、ハウジング内に配置されているインペラであって、回転軸線を中心として回転するようにかつ入口を通してハウジングの中に空気を吸い込んでから側壁に向けて半径方向にその流れを方向付けるように形状構成されている複数の羽根を備えるインペラと、ハウジング内に配置されている熱電熱交換器システムとを備える。この熱電熱交換器システムは、インペラ軸の回転軸線の周りに形成されておりかつ流体が少なくとも部分的に第1の方向にその第1の熱交換器に沿って流れるように形状構成されている第1の熱交換器と、インペラの回転軸線の周りに形成されておりかつ第1の熱交換器の下方に配置されておりかつ流体が少なくとも部分的に第1の方向にその第2の熱交換器に沿って流れるように形状構成されている第2の熱交換器と、熱電装置を通って流れる電流に応答して一方の表面と反対側の表面との間の温度勾配を生じさせる互いに対向する表面を有し、かつ、その一方の表面が第1の熱交換器と熱的に連通しており、かつ、その反対側の表面が第2の熱交換器と熱的に連通している熱電装置とを備え、および、ハウジングの一部分が、第1の熱交換器からの流体が第1の出口に向けて方向付けられかつ第2の熱交換器からの流体が第2の出口に向けて方向付けられるように、第1の熱交換器の出口と第2の熱交換器の出口との間を延びる。
【0021】
幾つかの実施態様が、上部部分と下部部分とこの上部部分と下部部分との間を延びる側壁とを含むハウジングを備える半径方向出口送風機を提供する。このハウジングは内側空洞を概ね画定し、および、上部部分は、この内側空洞の中への入口を少なくとも部分的に概ね画定する。さらに、下部部分は、実質的に周方向および/または半径方向において対称的な出口を少なくとも部分的に画定する。この半径方向出口送風機は、さらに、ハウジング内に配置されているインペラを含み、このインペラは、回転軸線を中心として回転するように、かつ、入口を通してハウジングの中に空気を吸い込んでから1つまたは複数の出口に向けて半径方向および/または軸方向に流れを方向付けるように形状構成されている複数の羽根を備える。
【0022】
これらの特徴と他の特徴とを本明細書でさらに詳細に説明する。
【0023】
本発明の装置とシステムと方法とのこれらの特徴と側面と利点と他の特徴と側面と利点とを、本発明を非限定的に図示することが意図されている特定の好ましい実施形態の図面を参照しながら以下で詳細に説明する。これらの図面は76個の図を含む。添付図面が本発明の着想を図示する目的のものであるということと、一定の縮小比ではないことがあるということとが理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】図1Aは、熱電熱交換器システムの実施形態の上方からの斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aに示されている熱電熱交換器システムの下方からの斜視図である。
【図1C】図1Cは、図1Aに示されている熱電熱交換器システムの分解組立図である。
【図1D】図1Dは、図1Aの熱交換器システムの側断面図である。
【図1E】図1Eは、熱交換器モジュールの実施形態の斜視図である。
【図1F】図1Fは、流れ誘導器(flow director)の実施形態上に取り付けられている図1Eの熱交換器モジュールの斜視図である。
【図1G】図1Gは、一実施形態による3つの熱交換器モジュールを備える送風機アセンブリの上面図である。
【図1H】図1Hは、一実施形態による2つの熱交換器モジュールを備える送風機アセンブリの上面図である。
【図1I】図1Iは、別の実施形態による2つの熱交換器モジュールを備える送風機アセンブリの上面図である。
【図2A】図2Aは、複数の長方形熱交換器を備える多角形熱交換器モジュールシステムの実施形態の上面図である。
【図2B】図2Bは、複数の長方形熱交換器を備える多角形熱交換器モジュールシステムの別の実施形態の上面図である。
【図2C】図2Cは、複数の長方形熱交換器を備える多角形熱交換器モジュールシステムの別の実施形態の上面図である。
【図2D】図2Dは、互いに隣接する熱交換器モジュールを結合するために使用可能な結合部材を備えるシステムの平明図を示す。
【図2E】図2Eは、一実施形態による結合部材を使用して互いに連結されている互いに隣接する熱交換器モジュールの上面図を示す。
【図2F】図2Fは、一実施形態によるスポット溶接を使用して互いに取り付けられている互いに隣接する熱交換器モジュールの結合部材の側面図を示す。
【図2G】図2Gは、一実施形態による互いに隣り合わせに配置されている互いに隣接する熱交換器モジュールの結合部材の側面図を示す。
【図2H】図2Hは、一実施形態による使用して互いにスポット溶接されている図2Gの結合部材を示す。
【図2I】図2Iは、一実施形態による互いに隣接する熱交換器モジュールの間に配置されている流れ遮断部材を備えるアセンブリの上面図を示す。
【図3A】図3Aは、変形自在な結合部材を備える直線状熱交換器モジュールシステムの実施形態の上面図を示す。
【図3B】図3Bは、多角形の形状に変換された図3Aの直線状熱交換器モジュールシステムを示す。
【図3C】図3Cは、図3Aに示されている熱交換器モジュールシステムの直線状の実施形態を図3Bに示されている多角形の実施形態の形に変換する場合の結合部材の変形の具体例の斜視図である。
【図3D】図3Dは、図3Aに示されている熱交換器モジュールシステムの直線状の実施形態を図3Bに示されている多角形の実施形態の形に変換する場合の結合部材の変形の具体例の斜視図である。
【図4A】図4Aは、変形自在な結合部材を備える細部直線状熱交換器モジュールシステムの別の実施形態の上面図を示す。
【図4B】図4Bは、4Aの結合部材の変形の具体例の斜視図である。
【図4C】図4Cは、4Aの結合部材の変形の具体例の斜視図である。
【図5A】図5Aは、変形自在な結合部材を備える細部直線状熱交換器モジュールシステムの別の実施形態の上面図を示す。
【図5B】図5Bは、5Aの結合部材の変形の具体例の斜視図である。
【図5C】図5Cは、5Aの結合部材の変形の具体例の斜視図である。
【図6A】図6Aは、変形自在な結合部材を備える細部直線状熱交換器モジュールシステムの別の実施形態の上面図を示す。
【図6B】図6Bは、6Aの結合部材の変形の具体例の斜視図である。
【図6C】図6Cは、6Aの結合部材の変形の具体例の斜視図である。
【図6D】図6Dは、図6Aの熱交換器モジュールシステムの製造に使用されるレイアウトの上面図である。
【図6E】図6Eは、一実施形態による1つまたは複数の熱交換器モジュールを備える送風機アセンブリで使用するように構成されているプリント回路基板の上面図である。
【図7A】図7Aは、熱交換器システムでの使用に適している環状熱交換器モジュールの実施形態を斜視図の形で示す。
【図7B】図7Bは、図7Aの熱交換器モジュールで使用可能な熱交換器の実施形態の斜視図である。
【図7C】図7Cは、図7Aの熱交換器モジュールで使用可能な熱交換器の実施形態の詳細斜視図である。
【図7D】図7Dは、図7Aの熱交換器モジュールで使用可能な熱交換器の実施形態の詳細斜視図である。
【図7E】図7Eは、図7Aに示されている熱交換器モジュールの実施形態の断面図である。
【図7F】図7Fは、図7Eの熱交換器モジュールの第1の基板と第2の基板との間の温度差の効果を示す、図7Eの熱交換器モジュールの断面図である。
【図7G】図7Gは、図7Aの熱交換器モジュールの第1の基板と第2の基板との間の温度差の効果を示す、図7Aに示されている熱交換器で使用される電熱装置の実施形態の上面図である。
【図7H】図7Hは、セグメント化された基板の一部分の実施形態の上面図を示す。
【図8A】図8Aは、扇形部分に分割された第1の基板と扇形部分に分割されていない第2の基板とを備える環状電熱装置の実施形態の上面図である。
【図8B】図8Bは、扇形部分に分割された第1の基板と扇形部分に分割されていない第2の基板とを備える環状電熱装置の実施形態の下面図である。
【図9A】図9Aは、一実施形態による熱電装置の基板がそれから得られるシートの上面図である。
【図9B】図9Bは、図9Aのシートから切断または他の方法で提供される複数の円弧形の基板部分を備える熱電装置の実施形態の上面図である。
【図9C】図9Cは、別の実施態様による熱電装置の基板がそれから得られるシートの上面図である。
【図9D】図9Dは、さらに別の実施形態による熱電装置の基板がそれから得られるシートの上面図である。
【図10】図10Dは、図1Dに示されている実施形態よりも第1および第2の熱交換器が低く配置されており、これによって第1および第2の熱交換器を通過する空気流を等化する、熱交換器システムの実施形態の側断面図である。
【図11A】図11Aは、第1および第2の熱交換器を通過する空気流の横方向の分散を変更するためのフィンまたは羽根を備える熱交換器システムの実施形態の上面図である。
【図11B】図11Bは、第1および第2の熱交換器を通過する空気流の横方向の分散を変更するためのフィンまたは羽根を備える熱交換器システムの別の実施形態の上面図である。
【図11C】図11Cは、空気がインペラから送風機アセンブリの内側に配置されている熱交換器モジュールに向けて移動させられる一実施形態の上面図を示す。
【図11D】図11Dは、図11Cの送風機アセンブリの詳細な上面図を示す。
【図11E】図11Eは、送風機アセンブリ内に配置されている熱交換器モジュールの熱交換器の別の実施形態の上面図を示す。
【図11F】図11Fは、送風機アセンブリ内に配置されている熱交換器モジュールの熱交換器の別の実施形態の上面図を示す。
【図11G】図11Gは、送風機アセンブリ内に配置されている熱交換器モジュールの熱交換器の別の実施形態の上面図を示す。
【図11H】図11Hは、一実施形態による折り返し熱交換器の斜視図を示す。
【図11I】図11Iは、一実施形態による波形形状を有する折り返し熱交換器の上面図を示す。
【図11J】図11Jは、一実施形態による波形形状を有する折り返し熱交換器の側面図を示す。
【図12A】図12Aは、第1および第2の熱交換器の中を通過する相対的な空気流を変更するように形状構成されている垂直スプリッタプレートをインペラが備えるモータ/インペラアセンブリの実施形態の断面図である。
【図12B】図12Bは、図12Aの垂直スプリッタプレートを備えるモータ/インペラアセンブリの実施形態の上面図である。
【図13A】図13Aは、第1および第2の熱交換器の中を通過する相対的な空気流を変更するように形状構成されている傾斜スプリッタプレートをインペラが備えるモータ/インペラアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【図13B】図13Bは、第1および第2の熱交換器の中を通過する相対的な空気流を変更するように形状構成されている傾斜スプリッタプレートをインペラが備えるモータ/インペラアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【図14A】図14Aは、頂部リングを備えるモータ/インペラアセンブリの実施形態を斜視図の形で示す。
【図14B】図14Bは、頂部リングを備えるモータ/インペラアセンブリの実施形態を側断面図の形で示す。
【図14C】図14Cは、図14Aと図14Bに示されているモータモータ/インペラアセンブリの実施形態に関する計算された空気流の断面図である。
【図15】図15は、頂部リングを備えないモータ/インペラアセンブリの実施形態の側断面図である。
【図16】図16は、互いに異なる数の上部羽根部分と下部羽根部分とを備えるモータ/インペラアセンブリの実施形態を示す。
【図17】図17は、一実施形態による熱電装置を含む換気システムの略図である。
【図18A】図18Aは、半径方向出口送風機の実施形態の断面図である。
【図18B】図18Bは、半径方向出口送風機の実施形態の斜視図である。
【図18C】図18Cは、座席クッション内に取り付けられている半径方向出口送風機の実施形態の上面図である。
【図18D】図18Dは、座席クッション内に取り付けられている半径方向出口送風機の実施形態の側面図である。
【図19A】図19Aは、空気流出口が筒口(snout)を使用して90度曲げられている送風機を示す。
【図19B】図19Bは、座席クッション内に取り付けられている図19Aに示されている送風機の上面図である。
【図19C】図19Cは、座席クッション内に取り付けられている図19Aに示されている送風機の側面図である。
【図20】図20は、半径方向出口送風機の実施形態を備える座席システムの実施形態の側断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下で説明する実施形態が、1つまたは複数の改善点を実現するために使用できる様々な形状構成を示す。これらの特定の実施形態および具体例は単に例示的なものにすぎず、および、本明細書に示されている着想、および/または、その様々な側面および/または特徴を限定することは意図されていない。本明細書で使用される場合に、術語「冷却側(cooling side)」、「加熱側(heating side)」、「低温側(cold side)」、「高温側(hot side)」、「より低温側(cooler side)」、「より高温側(hotter side)」等は、相対的な術語であり、および、何らかの特定の温度を意味するものではない。例えば、熱電素子またはアレイの「高温(hot)」側、「加熱(heating)」側、または、「より高温(hotter)」側が、外界温度であってよく、かつ、「低温(cold)」側、「冷却(cooling)」側、または、「より低温(cooler)」側が、外界温度よりも低い温度であってもよい。これとは逆に、「低温(cold)」側、「冷却(cooling)」側、または、「より低温(cooler)」側が外界温度であってよく、かつ、「高温(hot)」側、「加熱(heating)」側、または、「より高温(hotter)」側が外界温度よりも高い温度であってもよい。したがって、これらの術語は、熱電の一方の側の温度が逆に設計されている側よりも高いか低い温度であるということを示すように、互いに対して相対的である。
【0026】
これに加えて、以下の説明では流体の流れが方向を有するものとして言及されている。この言及が行われる時には、この言及は、一般的に、図面に示されている方向を意味する。例えば、熱交換器上でのまたは熱交換器を通過する流体の流れが、これらの熱交換器がそれを中心として配置されている軸線から遠ざかるものとして、または、この軸線に沿ったものとして説明されることがある。当業者は、装置内の流体の流れのパターンが、螺旋状、円環運動、別の乱流または層流パターン、および/または、類似のパターンとなる可能性があるということを理解するだろう。本明細書において説明されている、軸線から「遠ざかって」または軸線に「沿って」または他のあらゆる方向を表す術語は、図面に関する方向の例示的な一般化であることが意図されている。さらに、「頂部の(top)」、「底部の(bottom)」、「上部の(upper)」、「下部の(lower)」、「左の(left)」、「右の(right)」、「前部の(front)」、「背部の(back)」、「時計回りの(clockwise)」、および、「反時計回りの(counterclockwise)」のような方向に関する術語も、図面に示されている形状構成に関連している。
【0027】
図1Aは、概ね円板形の熱電熱交換器システム100の実施形態の上部斜視図である。この図示されている熱電熱交換器システム100は平らな円筒形外側ハウジング110を備え、この外側ハウジング110は内側空洞または内側チャンバ111(図1Dを参照されたい)を画定する。ハウジング110は、一般的に、頂部壁112と底部壁114と側部壁116とを備える。図示されている実施形態では頂部壁112と底部壁114は概ね平らかつ円形であり、および、側部壁116は概ね円筒形である。他の構成または実施形態では、ハウジング110、頂部壁112、底部壁114、側部壁116、および/または、システム100のあらゆる他の部分の形状が、所望または必要に応じて変更されることが可能であるということを当業者は理解するだろう。
【0028】
概ね円形の取り入れ口または入口122が頂部壁112の中央または中央付近に備えられることが可能である。他の実施形態では、取り入れ口が、図示されている取り入れ口122に加えて、または、この取り入れ口112の代わりに、底部壁114内に形成されることが可能である。第1の出口124が、側部壁116の頂部または上部部分に形成されている1つまたは複数の開口部を備える。さらに、第2の出口126(図1Bに示されている)が、底部壁114の外周部の周りに形成されている1つまたは複数の開口部126を備える。取り入れ口122、第1の出口124、および/または、第2の出口126の各々は、ハウジング110の内側空洞の中に延びてもよく、および、この内側空洞と流体連通していてもよい。
【0029】
続けて図1Aを参照すると、モータ/インペラまたは送風機アセンブリ130がハウジング110内に配置されており、および、取り入れ口122の中を通して目に見えている。図示されているように、流れ誘導器(flow director)または流れセパレータ(flow separator)140が側部壁116に交差して貫通して延びることが可能である。図示されている実施形態では、流れ誘導器140は、頂部壁112と側部壁116の上部部分とを備える上部部分110aと、側部壁116の下部部分と底部壁114とを備える下部部分110bとに、ハウジング110を区分する。セパレータ140は本明細書でさらに詳細に説明される。
【0030】
図1Bは、熱電熱交換器システム100の底部斜視図であり、底部壁114内に形成されている第2の出口126を示す。多くの用途では、第1の出口124および/または第2の出口126は、熱電熱交換器システム100によって供給される温度調節された流体を1つまたは複数の所望の場所に誘導しおよび/またはこうした場所から誘導するダクト系統(ducting system)と流体連通している。取り入れ口122と第1の出口124と第2の出口126とに関する他の構成が特定の用途または使用に応じて他の実施形態において使用されるということを当業者は理解するだろう。例えば、取り入れ口122、第1の出口124、および/または、第2の出口126の図示されている実施形態の形状と場所とが、所望または必要に応じて他の実施形態において変更されることが可能である。
【0031】
図1Cは、図1Aと図1Bとに示されている熱電熱交換器システム100の分解組立図である。頂部から底部にかけて、図1Cは、ハウジングの上部部分110aと、複数の熱交換器モジュール152を備える熱交換器モジュールシステム150と、流れ誘導器140と、モータ/インペラアセンブリ130が中に取り付けられているハウジングの下部部分110bとを示す。この図示されている実施形態では、熱交換器モジュールシステム150は、例えば正六角形のような多角形の構成に方向配置されている複数の熱交換器モジュール152を備える。このような構成は、さらに、本明細書では「多角形熱交換器モジュールシステム」とも呼ばれており、これは本明細書でさらに詳細に説明する。本明細書でさらに詳細に説明されているように、変更された実施形態において、この多角形熱交換器モジュールシステム150は、6個より多いかまたは6個より少ない熱交換器モジュール152を含むことが可能であることが想定されている。これに加えて、この図示されている実施形態では熱交換器モジュール152が平らな側部を有する概ね長方形であるが、変更された実施形態が、平らではない側部を有する熱交換器モジュール152を含むことが可能であることが想定されている。例えば、1つの特定の構成では、熱交換器システム150は、概ね円形のパターンの形に配列されている複数の円弧形セグメントを備える。
【0032】
図1Dは、熱電熱交換器システム100の周端部に沿った断面図であり、この図は、中央軸線102を中心として装置100が概ね回転対称であるので、装置100の概ね半分部分だけを示す。上述したように、ハウジング110は頂部部分110aと底部部分110bとを備えることが可能である。図示されている構成では、流れ誘導器140がハウジングの頂部部分110aと底部部分110bとの間に配置されている。モータ/インペラアセンブリ130が、ハウジング110によって画定されている空洞111内において底部壁114の中央に取り付けられている。取り入れ口122は頂部壁112の中央に形成されている。熱交換器モジュール152は流れ誘導器140に接触しており、および、装置100の中を通って流れる流体の実質的にすべてがその中に配置されている熱交換器モジュール152の1つまたは複数を通って流れるように、頂部壁112と底部壁114との間を延びる。
【0033】
さらに続けて図1Dに示されている実施形態を参照すると、熱交換器モジュール152は、第1の熱交換器154と、第2の熱交換器156と、一般的にこれらの間に配置されている熱電装置160とを備える。幾つかの構成では、熱交換モジュール152、154はフィン(例えば、折れ曲がりフィン)およびその類似物を備える。熱電装置160が電気エネルギーを温度差または温度勾配に変換するようになっていることが有利である。適切な熱電装置160の一例がペルチェ素子であり、このペルチェ素子は、例えば一連のn型またはp型の半導体ペレットまたは素子のような、電気的には直列に接続されておりかつ熱的には並列に接続されている少なくとも1対の互いに異なる材料を備える。幾つかの構成では、複数の半導体ペレットが第1の基板164と第2の基板166との間に配置されている。熱電装置160を通過する電流の向きに応じて、第1の基板164または第2の基板166の一方が加熱され、かつ、その他方が冷却されるだろう。基板164、166は典型的には、例えば特定のセラミック材料および/またはポリマー樹脂のような、高い熱伝達率と低い導電率とを有する当業で公知の材料を含む。一実施形態では、基板164、166は、ポリイミド(例えば、充填ポリイミド)、エポキシ、および/または、この類似物を含む。
【0034】
図示されている実施形態では、第1の熱交換器154は第1の基板164に熱的に結合されており、および、第2の熱交換器156は第2の基板166に熱的に結合されている。熱交換器は任意の適切な手段によって基板に熱的に結合されている。一実施形態では、これらの基板は、ポリイミド層の片側または両側に固定されている銅または他の金属の部材を備える。したがって、熱交換器(例えば、フィン)は、基板内に含まれている銅または他の金属の外側層に溶接または他の形で固定されることが可能である。他の構成では、熱交換器は、例えば、サーマル接着剤、サーマルエポキシ、サーマルグリース、サーマルペースト、および/または、当業で公知の他のサーマルコンパウンドのような1つまたは複数のサーマルコンパウンドを互いに隣接する基板の間に配置することによって、隣接する基板に熱的に結合されることが可能である。サーマル接着剤および/またはサーマルエポキシを使用する実施形態では、サーマルコンパウンドは、さらに、基板に熱交換器を機械的に固定する役割を果たすことも可能である。幾つかの実施形態では、熱交換器は、当業で公知の機械的留め具を使用して基板に固定される。熱交換器154、156は典型的には、例えばフィン、羽根、ピン、流路、および/または、この類似物のような、半径方向の流体流を可能にする、表面積が大きい幾何学的形状に形成されている熱伝導性材料を備える。
【0035】
より詳細に本明細書で説明されるように、幾つかの実施形態では、第1の熱交換器154と第2の熱交換器156は(例えば、流体流の方向に、流れの方向に対して概ね垂直な方向に、および/または、他の任意の方向に)放射状にセグメント化されている。熱交換器をセグメント化することが、隣接するセグメントを互いに熱的に隔離することによって、熱交換器から流体への熱伝達の効率を増大させることを促進することが可能である。これに加えて、熱交換器および/または基板のセグメント化は、空気または他の流体が熱電装置によって加熱または冷却される時のそのシステムに対する熱応力を減少させることを促進することが可能である。他の実施形態では、第1の熱交換器154と第2の熱交換器156は、半径方向のセグメント化なしに、または、部分的な半径方向のセグメント化を伴う形で、形成されることが可能である。
【0036】
図示されている実施形態では、流れ誘導器140またはデバイダ(divider)が熱電装置160に接触しかつこの熱電装置160から半径方向に延び、この熱電装置160は、頂部壁122と側部壁116の上部部分と共に、空洞111の頂部の外周部の周りに第1のチャンバ118を画定する。同様に、流れ誘導器140と熱電装置160と底部壁114と側部壁116の下部部分とが、空洞の底部の外周部の周りに第2のチャンバ119を画定する。加熱された流体が第1および第2のチャンバ118、119の一方の中を通って流れ、かつ、冷却された流体が第1および第2のチャンバ118、119の他方の中を通って流れるので、幾つかの実施形態では、流れ誘導器140は、当業で公知の断熱材料を備える。適切な断熱材料の例が、例えばポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレア、ポリカーボネート、コポリマー、これらのブレンド、および、これらの混合物のような、1つまたは複数のポリマー樹脂を含む。幾つかの実施形態では、断熱材料は、例えば発泡剤を使用して膨張させられ、このことがその材料の断熱値を増大させる。流れ誘導器140の幾つかの実施形態は複合材料を含み、このことが、例えば、所望の断熱特性と所望の機械的特性の両方を実現する。例えば、幾つかの実施形態では、1つまたは複数のポリマー材料と、当業で公知の1つまたは複数の繊維強化材料(例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維等)とを含む複合材料が形成される。好ましい実施形態では、第1のチャンバ118と第2のチャンバ119との間には実質的に流体が流れない。第1の出口124は第1のチャンバ118を装置100の第1の外側部分と流体連通させることが可能であり、一方、第2の出口126は第2のチャンバ119を装置100の第2の外側部分と流体連通させることが可能である。
【0037】
図1Eに示されている熱交換器モジュール152の実施形態に示されているように、第1の熱交換器154と第2の熱交換器156は熱電装置よりも(半径方向に)長いことが可能であり、これによってスロット158を形成する。次に図1Fを参照すると、この図示されている構成では、流れ誘導器140の少なくとも一部分が、熱交換器154、156の間に概ね形成されているスロット158の中に受け入れられるように寸法決定され形状構成されている。したがって、幾つかの実施形態では、流れ誘導器140と、熱電装置160のスロット158の垂直寸法とが、実質的に同一の厚さである。図示されている実施形態では、流れ誘導器140は、各々の熱交換器モジュール152の横方向の動きを減少させるために各々の熱交換器モジュール152を横方向に(すなわち、そのそれぞれの末端において)係合させて固定するように寸法決定されている複数の係合部材142を備える。
【0038】
続けて図1Dを参照すると、モータ/インペラアセンブリ130が、モータロータ134に固定されている複数の送風機羽根132を含むことが可能である。熱電装置160とモータ/インペラアセンブリ130とに給電する電気回路の電流経路と端子の詳細は、図面を明瞭化するために省略されている。
【0039】
使用時には、例えば空気のような流体が、モータ/インペラアセンブリ130によって取り入れ口122の中を通して熱電熱交換器システム100の中に吸い込まれ、モータ/インペラアセンブリ130は流体を圧縮するかまたは他の形で流体にエネルギーを及ぼす。したがって、空気または他の流体は、ハウジング110内のチャンバ111の中に半径方向に追い出されることが可能である。流体の第1の部分が第1の熱交換器154の中を通過させられ、この第1の熱交換器154は、例えば、流体の第1の部分を冷却する。その次に、この流体の冷却された第1の部分が第1のチャンバ118の中に入り、および、第1の出口124(例えば、排出出口)を通って外に出る。同様に、流体の第2の部分が第2の熱交換器156の中を通過させられ、この第2の熱交換器154は、例えば、流体の第2の部分を加熱する。この流体の第2の部分が第2のチャンバ119の中に入り、および、第2の出口126(例えば、主出口)を通って装置100の外に出る。この図示されている実施形態では、第1の熱交換器154と第2の熱交換器156と第1のチャンバ118と第2のチャンバ119のすべてが、ハウジング110内に配置されており、および、したがって、ハウジング110によって画定されている空洞111の一部分の中に配置されている。
【0040】
図1Dの矢印が、熱交換器システム100の中を通る全体的な流体の流れを示す。これらの矢印を参照すると、この図示されている実施形態では、流体が、モータ/インペラアセンブリ130の回転軸線に対して概ね平行であるかまたは実質的に平行でありかつ円板形のハウジング110に対して垂直である第1の方向Aにおいて、システム100の中に入る。その次に、流体は、モータ/インペラアセンブリの130の回転軸線に対して実質的に半径方向Bに方向付けられるように約90度向きを変えられる。この流れは、第1および第2の熱交換器154、156を通ってこの半径方向に進み続ける。この図示されている構成では、第1の熱交換器154の中を通る流体は第1の出口124の中を半径方向に進んでハウジング110の外に出る。この図示されている実施形態では、第2の熱交換器156の中を通る流体は流れ続けて側壁116によって約90度向きを変えられ、第2の出口126を通って外に出て、半径方向Bに対して概ね垂直でありかつモータ/インペラアセンブリ130の回転軸線に対して平行である方向にハウジング110の外に出る。変更された実施形態において、第1の出口124および/または第2の出口126が、半径方向に、接線方向に、軸方向に、または、任意の中間方向に、流体を放出するように、互いに無関係に形状構成されることが可能であるということを当業者は理解するだろう。
【0041】
一実施形態では、第1の熱交換器154は、熱交換器システム100の「排出側(waste side)」を含む。すなわち、第2の熱交換器156の中を通る空気の流れが、熱交換器システム100によって冷却および/または加熱される座席アセンブリ(例えば、自動車座席、ベッド等)の表面に向けて方向付けられることが可能である。第2の熱交換器を通る空気の流れが加熱されるべきかまたは冷却されるべきかに応じて、第1の熱交換器152の中を流れる空気から熱が取り除かれるかまたはこの空気に対して熱が伝達される。変更された実施形態では、システム100が逆にされ、第2の熱交換器156が熱交換器システム100の「排出側」として働く。例えば、この逆の加熱/冷却モードは、ペルチェ回路または他の熱電装置に供給される電流の向きを変更することによって実現されることが可能である。
【0042】
幾つかの実施形態では、図1Gから図1Iに示されているように、および、本明細書でさらに詳細に説明されるように、熱交換器モジュールシステムが、システムの外周部全体の周りに配置されてはいない1つまたは複数の熱交換システム(例えば、熱電装置、熱交換器等)を含むことが可能である。例えば、図1Gに示されている構成では、このシステムは、中央インペラ130′の周りに(例えば、120度の増分のように、等しいまたは実質的に等しい間隔で)配置されている、合計で3個の熱交換システム150′を備える。他の実施形態では、熱交換システム150′の数量、サイズ、形状、間隔、位置、および/または、他の詳細事項が、所望または必要に応じて様々であることが可能である。幾つかの実施形態では、熱交換システム150′は互いに電気的に接続されている(例えば、ペレットが互いに直列に電気的に接続されている)。しかし、他の構成では、熱交換システム150′は互いに別個に給電および制御される。
【0043】
図1Gから図1Iに示されている、断続的に間隔が開けられている熱交換システム150′は、そのシステムの全体または大半の周りに熱交換システムを含むもの(例えば、図1C、図2A等)と同様の仕方で機能する。空気が温度調節のために1つまたは複数の熱交換システム150′に送られる。上述したように、空気の一部分が主出口を通ってそのシステムから出て行き、一方、空気の残り部分が排出出口を通ってそのシステムから出て行く。このシステムのハウジングは、断続的に配置されている開口部を含むことが可能である。例えば、一実施形態では、この開口部(例えば、出口、排出口等)は熱交換システム150′の場所、サイズ、間隔、および/または、他の特徴に概ね一致する。
【0044】
図1Hに示されているシステムは図1Gに示されておりかつ本明細書で説明されている実施形態に類似している。しかし、示されているように、この図示されているシステムは、インペラ130″の互いに反対側の端部に概ね配置されている2つの熱交換システム150″だけを含む。図1Gと図1Hでは、熱交換システムは、このシステムのハウジング、インペラ、および/または、1つまたは複数の他の構成要素または特徴要素の傾斜した形状に概ね適合するように、湾曲した形状を含む。しかし、図1Iに示されているように、熱交換システム150′″は概ね長方形の形状または他の任意の形状を含むことが可能である。
【0045】
図1Gから図1Iに示されている実施形態は、熱交換モジュールのサイズと複雑性(例えば、構成要素の個数、必要な材料の量等)が削減されるので、こうしたアセンブリの製造コストを低下させることを促進することが可能である。このような形状構成は、さらに、パッケージング上の追加の柔軟性をアセンブリに与えることを促進することも可能である。
【0046】
図2Aは、本明細書で説明されている熱交換器システム100で使用されることが可能な多角形熱交換器モジュールシステム2200の変更された実施形態の上面図を示す。上述した実施形態とは対照的に、図2Aの実施形態は8個の熱交換器モジュール2210の組を備え、熱交換器モジュール2210の各々は多角形の一辺の少なくとも一部分を形成する。これらの熱交換器モジュール2210は、集合的に、多角形熱交換器モジュールシステム2200の外周部の少なくとも一部分を形成する。熱交換器モジュールシステム2200内の開口部2240が、例えば上述したモータ/インペラアセンブリを受け入れるように、形成され、寸法決定され、および、他の仕方で形状構成されている。図示されているこの実施形態では、熱交換器モジュール2210は、さらに、開口部2240の外周部の少なくとも一部分を画定する。この図示されている実施形態は、中央軸線2250を中心として概ね対称的であり、および、正多角形(例えば、八角形)を形成する。当業者は、他の実施形態が回転対称ではないこともあるということを理解するだろう。
【0047】
この図示されている実施形態では、互いに隣接する熱交換器モジュール2210は互いに概ね接触し、これによって小さな間隙を伴っているかまたは間隙をまったく伴わない閉じた形状を形成する。この形状構成は、熱交換器モジュールシステム2200の中を通して流体を送ることを促進することが可能である。上述したように、この図示されている熱交換器モジュールシステム2200は、例えば図1Aから図1Fに示されている熱交換器システムでの使用に適している。各々の熱交換器モジュール2210は、熱電装置2216の互いに反対側の表面に熱的に結合している第1の熱交換器および第2の熱交換器(図示されていない)を含むことが可能である。幾つかの実施形態では、熱電装置2216の面積は、第1の熱交換器2212と第2の熱交換器(図示されていない)の面積と同一の広がりをもつのではない。例えば、図示されている実施形態では、熱電装置2216は、網掛けで示されている第1の熱交換器2212および第2の熱交換器よりも狭い。したがって、熱交換器モジュールシステム2200は、流体が、多角形の内側の開口部2240から、熱電装置に熱的に結合されている熱交換器を通過して多角形の外側に流れ出すことを可能にするように形状構成されている。上述したように、このことが、所望に応じて、こうした空気または他の流体が選択的に加熱または冷却されることを可能にする。
【0048】
図示されている実施形態では、後述する湾曲した熱交換器モジュールとは対照的に、各々の熱交換器モジュール2210が、上方から見た場合に概ね長方形または直線状である。長方形の熱交換器モジュールを含むシステムの実施形態が、熱電装置2216および/または熱交換器モジュール2210の製造の容易性、コストの削減、互換性、交換可能性、設計上の融通性等という1つまたは複数の利点を提供することが可能である。例えば、図示されている実施形態が実質的に概ね等しい寸法形状の熱交換器モジュール2210を備えるが、他の実施形態が少なくとも2つの異なる寸法形状の熱交換器モジュールを備える。
【0049】
他の実施形態では、熱交換器モジュールシステムが、多角形の外周部の少なくとも一部分を画定する複数の熱電装置と、それに熱的に結合されている第1および第2の熱交換器とを備える。第1および第2の熱交換器の少なくとも一方が、互いに隣接する熱電装置にまたがる。例えば、幾つかの実施形態が、図2Aから図2Cに示されているハウジングのような特定のハウジングの中に含まれている熱交換器モジュール(例えば、熱電装置、基板等)の幾つかまたは全部にそって延びるように、寸法決定されているか、形成されているか、または、他の仕方で形状構成されている、図7Aと図7Bとに示されているタイプの単体の(unitary)の環状熱交換器を備える。したがって、単体の環状熱交換器の熱伝達の利点を伴う、本明細書でさらに詳細に説明されるように、熱電装置の多角形配列の利点。
【0050】
図2Bは、図2Aに示されている実施形態に類似している熱交換器モジュールシステム2200の別の実施形態の上面図を示す。しかし、図示されているように、図2Bに示されている実施形態は合計で6個の熱交換器モジュール2210を含む。図2Cの上面図に示されている熱交換器モジュールシステム2200の実施形態は、互いに隣接する熱交換器モジュール2210の間に間隙を有するということを除いて、図2Bに示されている実施形態に類似している。幾つかの実施形態では、間隙2202が熱交換器モジュールシステム2200の製造し易さを向上させる。例えば、この間隙は、個別の構成要素の1つまたは複数に関するより広範囲の寸法許容差を可能にする。間隙2202は、例えば熱膨張および熱収縮、機械的運動、および/または、これに類似した動きのような、熱交換器モジュール2210および/またはその構成要素の相対的な動きも可能することができる。熱交換器モジュールの相互間の間隙は、例えば、適切に形状構成された流れ誘導器を使用して、および/または、別個のフィラーストリップ(filler strip)を使用して、満たされることが可能であり、これによって流体が熱交換器モジュールシステムを迂回することを防止する。他の実施形態は、あらゆる互いに隣接する対の熱交換器モジュールの間に間隙を備えない。互いに隣接する熱交換器モジュールの間に間隙を備える実施形態では、こうした間隙のサイズが個別の用途による所望または必要に応じて変化することが可能である。
【0051】
図2Dは、互いに隣接する熱交換器モジュール2210を機械的および/または電気的に結合するためのシステム2200の実施形態の一部分を図示する。この図示されている実施形態では、各々の熱交換器モジュール2210は、互いに隣接する熱交換器モジュール2210の1つまたは複数の構成要素(例えば、基板、熱交換器等)および/または一部分を機械的および/または電気的に結合させるように寸法決定され形状構成されている相互連結タブの形の結合部材2230を各々の末端に備える。例えば、互いに隣接する熱交換器モジュール2210の基板は、1つまたは複数の互いに隣接する熱電装置のペレットを通して電流を有利に送るために、互いに電気的に結合されることが可能である。この結合部材2230は、例えばプラグ、ソケット、クイックコネクト(quick connect)、クリップ、はんだ継手、溶接部、ねじ、スエージ、リベット、接着剤、これらの組合せ、および/または、これらの類似物を使用して、当業で公知の任意の方法によって結合させられることが可能である。上述したように、互いに隣接する熱交換モジュールの1つまたは複数の部分または構成要素(例えば、熱電装置、基板、フィン、または、他の熱交換器等)が、1つまたは複数の取り付け方法または装置を使用して互いに接合させられることが可能である。幾つかの実施形態では、熱交換モジュールは、そのシステムの設計を単純化するために互いに電気的および/または熱的に連結されている。
【0052】
図2Eに図示されているように、互いに隣接する熱交換モジュールは、結合部材2230′に沿って、または、このモジュールの端縁に沿って延びる別の部分に沿って、互いに取り付けられることが可能である。幾つかの実施形態では、結合部材2230′は、隣接する熱交換モジュールの結合部材2230′と重なり合うように形成され、寸法決定され、および、他の仕方で形状構成されている概ね長方形のタブ部材である。幾つかの実施形態では、この結合部材2230′は、互いに隣接する熱交換モジュールの熱電装置を互いに電気的に連通させるように形状構成されている金属層または金属ストリップまたは別の伝導性部材を備える。この結果として、1つのモジュールに供給される電流が、特定のシステム内の1つまたは複数の他のモジュールに有利に送られることが可能である。
【0053】
図2Fは、互いにスポット溶接されている互いに隣接する結合部材2230′の側面図を示す。図示されているように、スポット溶接電極E+、E−が、結合部材2230′の互いに反対側の端部に沿って配置されることが可能である。結合部材2230′を互いに接触させるように押し付けるために十分な力が加えられ終わると、電流が一方の電極E+から他方の電極E−に流されることが可能である。このプロセスの結果として、結合部材2230′が互いに接触している場所またはこの付近に、スポット溶接部2268が形成されることが可能である。
【0054】
幾つかの実施形態では、結合部材2230′は単純に熱電装置の上部および/または下部基板の延長部分である。上述したように、この基板が、例えばポリイミド、セラミック、および/または、これらの類似物のような、熱伝導性かつ電気絶縁性の層を含むことが好ましい。この結果として、電流が結合部材2230′を通過して一方の電極E+から他方の電極E−に流れるための導電性経路が存在しなければならないので、結合部材2230′内へのこうした非導電性層の延長部分が、結合部材2230′を互いにスポット溶接することをさらに困難にする可能性がある。したがって、スポット溶接プロセスが行われることが可能となる前に、基板の非導電性層または部分(例えば、ポリイミド、セラミック等)が除去され、穿通され、または、他の仕方で露出させられるだろう。
【0055】
図2Gは、互いに隣接する熱交換モジュール内の熱電装置の基板2264(例えば、下部または上部)の本質的に延長部分である2つの結合部材2230′の側面図を示す。図示されているように、各々の結合部材2230′は、隣接する結合部材2230′の金属層2266に接触しているかまたは隣接しているように形状構成されている金属(例えば、銅)層2266を含む。これに加えて、基板2264の互いに反対側の側面が、ポリイミド層2265、セラミック層、または、何らかの他の非導電性材料の層を含む。したがって、上述したように、この非導電性材料層2265は、スポット溶接部2268が結合部材2230′の相互間に形成されることが可能である前に、除去されるか、切り込まれるか、穿通されるか、または、他の仕方で露出させられる必要があるだろう。
【0056】
一実施形態では、スポット溶接部2268が、非導電性材料層2265を露出させることなしに、互いに隣接する結合部材2230′の間に形成されることが可能である、図2Hに示されている。図示されているように、電極E+、E−が、互いに対して水平方向に位置合わせされていない場所に、各々の結合部材2230′の金属層2266に沿って配置されるだろう。この結果として、安定性のために、各々の電極E+、E−の反対側に反作用力または平衡力Bを加える必要があるだろう。これに加えて、金属層または部材2266の相互間の適正な接触を確実なものにするために、スポット溶接部2268が必要とされている結合部材2230′の部分に沿って、締め付け力または圧迫力Fが加えられるだろう。図示されているように、電流が、スポット溶接時(例えば、図2F)に通常に行われるものに比べて直接的ではない経路に沿って、金属層または部材2266を通して送られることが可能である。しかし、このスポット溶接方法は、ポリイミドまたは別の非導電性層を結合部材2230′から除去する必要なしに、結合部材2230′の相互間に適切なスポット溶接部2268が形成されることを可能にするだろう。このようなスポット溶接方法が、熱交換器システムの互いに隣接する熱交換モジュールを連結することに無関係である他の使用分野に適用可能であることが理解されるだろう。
【0057】
図2Iは、熱交換アセンブリ内に配置されている複数の熱交換器モジュール150の上面図を示す。上述したように、熱交換器モジュール150は、熱電装置と熱的に連通している互いに隣接する熱交換器(例えば、フィン)の間に間隙188を形成するように方向配置されることが可能である。送風機によって動かされる空気または他の流体が熱交換器モジュール150の熱交換器をバイパスまたは迂回することがないことを確実なものにするために、流れ遮断タブ190または他の部材が1つまたは複数のこうした間隙188に効果的に配置されることが可能である。幾つかの実施形態では、タブ190はハウジング(例えば、上部プレート、下部プレート、側部壁等)に取り付けられている。しかし、他の実施形態では、タブ190または他の流れ遮断部材は、モジュール150および/またはそのアセンブリの別の部分に取り付けられている。
【0058】
図3Aは、複数の熱交換器モジュール2310と、互いに隣接する熱交換器モジュール2310を結合する複数の結合部材2360とを備える、熱交換器モジュールシステム2300の一実施形態の上面図を示す。末端の結合部材2370が各々の末端熱交換器モジュール2310aから延びる。このシステム2300の実施形態は、例えば、図2Aに示されている熱交換器モジュールシステムに類似した熱交換器モジュールシステムを製造するために、有用である。各々の熱交換器モジュール2310は実質的に上述したとおりであり、熱電装置と第1の熱交換器と第2の熱交換器とを備える。
【0059】
図3Aを続けて参照すると、熱交換器モジュール2310各々の端縁と、結合部材2230各々の端縁と、末端結合部材2370各々の端縁とが、実質的に同一直線上にあることが可能である。この図示されている実施形態は、例えば、製造時の装置2300の形状構成である。しかし、当業者は、異なる構成が他の実施形態で使用可能であるということを理解するだろう。この図示されている実施形態では、結合部材2360は互いに隣接する熱交換器モジュール2310を機械的かつ電気的に結合させ、および、末端結合部材2370は末端熱交換器モジュール2310aに機械的かつ電気的に結合されている。幾つかの実施形態では、より詳細に後述するように、各結合部材2360の少なくとも一部分が可撓性であり、湾曲可能であり、および/または、変形可能である。
【0060】
図3Bは、図3Aに示されている直線状の形状構成(破線で示されている)から多角形(例えば、この図示されている実施形態では六角形)の形状構成への熱交換器モジュールシステム2300の変換の上面図を示す。この図示されている実施形態では、この変換は、所望の形状構成を実現するために結合部材2360を湾曲または変形させることによって生じさせられる。この図示されている実施形態では、末端結合部材2370は最終的な形状構成に近い。
【0061】
図3Cと図3Dは、図2300Aに示されている直線状の形状から図3Bに示されているもののような閉じた形状へ装置2300を再び形状構成するための、結合部材2360の実施可能な折り返しの斜視図である。
【0062】
図4Aは、図2Aに概ね示されているタイプの熱交換器モジュールシステムを製造するのに適している結合部材2460と互いに隣接する熱交換器モジュール2410との別の実施形態の詳細部分の上面図である。図4Bと図4Cは、結合部材2460の適切な折り曲げまたは変形を示す。図4Bに最も適切に見て取とれるように、結合部材2460の一部分2462は、熱交換器モジュール2410の下流側に配置されることが可能であり、および、したがって、熱交換器モジュール2410からの空気流を部分的にまたは完全に遮断するように形状構成されることが可能である。
【0063】
図5Aは、図2Aに示されているタイプの熱交換器モジュールシステムを製造するのに適している結合部材2560と互いに隣接する熱交換器モジュール2510との別の実施形態の詳細部分の上面図である。図5Bと図5Cは、結合部材2560の適切な折り曲げまたは変形を示す。
【0064】
図6Aは、図2Aに示されているタイプの熱交換器モジュールシステムを製造するのに適している結合部材2660と互いに隣接する熱交換器モジュール2610との別の実施形態の詳細部分の上面図である。図6Bと図6Cは、結合部材2660の適切な折り曲げまたは変形を示す。図5Aと図6Aに示されている折り曲げ形状構成では、結合部材2560、2660のどんな部分も熱交換器モジュール2510、2610の下流側に位置していないので、空気流の遮断は問題ではない。
【0065】
さらに、図6Aに最も適切に見てとれるように、結合部材2660は、熱交換器モジュール2610のエンベロープ内(例えば、すなわち、熱交換器モジュールの幅の境界の範囲内)に全体として形成されることが可能である。したがって、結合部材2660の少なくとも一部分が熱交換器モジュール2610の少なくとも一部分(例えば、熱電装置の基板または他の部分または構成要素)と共に一体状に形成されている実施形態では、この図示されている実施形態は、例えば図4A−4Cおよび図5A−5Cに示されている実施形態のような熱交換器モジュールのエンベロープを越えて結合部材が延びる実施形態と比較して、廃棄物がより少ない形で製造されることが可能である。2個の熱交換器モジュール2610の例示的なレイアウトが図6Dに示されており、この図はこうした効率的なレイアウトを示す。したがって、図6A−6Cに示されている熱交換器モジュールシステムの実施形態は、より効率的であり、製造がより容易であり、および/または、製造コストがより低いことが可能である。
【0066】
図6Eは、1つまたは複数の熱交換器モジュール150を取り付けることを容易にするために使用されることが可能である、プリント回路基板(PCB)180または他の電気バスの一実施形態を示す。図示されているように、PCB 180または他の基部部材は、モジュール150の端部151が上に取り付けられることが可能な複数のスリット182または他の接続箇所を含むことが可能である。このスリット182は、各スリット182において有利に露出させられる主電気ストリップ181または導電性部材を使用してモジュール150の端部151が(例えば、直流の形状構成に)互いに電気的に連通させられることを可能にするように、形状構成されることが可能である。この結果として、1つまたは複数のモジュール150(例えば、熱電装置、フィン、または、他の熱交換器等)がPCB 180または類似の基部に容易に固定されることが可能である。例えば、モジュール150は、スリット182または他の接続箇所においてPCB 180にはんだ付けされることが可能である末端端子151を含むことが可能である。このことが、熱交換器モジュール150に関する数量とタイプと他の詳細事項を選択することによってユーザが特定のアセンブリを便利良くカスタマイズすることを可能にする。さらに、PCBに対する容易な接続が、互いに隣接するモジュール150の間のより複雑で、より労働集約的で、かつ、高コストである電気的接続部を不要にする。PCBまたは他の電気バス部材が、本明細書に図示および/または説明されている実施形態またはその等価物のいずれの中にも組み込まれることが可能であるということが理解されるだろう。
【0067】
図4から図6に示されている実施形態は、さらに、その少なくとも一部分が(例えば図7Bに示されている実施形態に類似している熱交換器のような)後述する複数の熱電装置にまたがっている、第1および第2の熱交換器に熱的に結合されている多角形の外周部を画定する複数の熱電装置を備える熱交換器システムにおいても有用である。
【0068】
図7Aは、例えば本明細書で説明および/または図示(例えば、図1、図9等)されている熱交換器システムのような、熱交換器システムにおいて使用するのに適している熱交換器モジュール1900の実施形態の斜視図を示す。図示されている熱交換器モジュール1900は、熱電装置1910と、熱電装置1910の上部表面上に配置されている第1の熱交換器1920と、熱電装置1910の下部表面上に配置されている第2の熱交換器1930とを備える。この図示されている実施形態では、熱電装置1910は、開口部1940の外周部を形成する小さい方の半径(R1)と熱交換器モジュール1900の外周部を形成する大きい方の半径(R2)とによって画定されている、薄いリング形または環状の円板の形態である。幾つかの実施形態では、この開口部1940は、例えば上述されておりかつ図1Dに示されているような、モータ/インペラアセンブリを受け入れるように寸法決定および形状構成されている。この図示されている実施形態では、熱交換器1920、1930の各々は実質的にリング形であり、熱電装置1901と同じか実質的に同じ高さ(H)と、熱電装置1901と同じかまたは実質的に同じ小さい方の半径(R1)と大きい方の半径(R2)とを有する。しかし、他の構成では、このモジュールの相対的な高さ(H)、小さい方の半径、および/または、大きい方の半径、および/または、他の任意の属性が、所望または必要に応じて変化させられるだろう。
【0069】
図7Aに示されている実施形態では、熱交換器1920、1930は、図7B−7Dに示されている複数のフィン1922を形成するように1つまたは複数の熱伝導性材料をプリーツ状にするか扇状に折り畳むことによって製造される。当業者は、他の実施形態が異なる扇状の折り畳み形状を使用することがあるということを理解するだろう。図7Bに示されている熱交換器1920の詳細図である図7Cと図7Dとに示されているように、フィン1922は小さい方の半径R1において互いにより接近しており、かつ、大きい方の半径R2において最大の間隔にまで半径方向により大きく相互間隔が広がる。したがって、フィンの密度は、図示されている構成では流体流の上流側にある熱交換器1920、1930の中央において最も高く、および、流体流の下流側にある外側端縁において最も低い。
【0070】
幾つかの実施形態では、パイプを通る流体流のための熱伝達が、2つの重要な変数、すなわち、熱伝達係数hと熱伝達表面積Aとによって決まるだろう。熱伝達係数hがパイプ入口(この場合にはR1における熱交換器の上流側の末端)で最も高いということが公知である。表面積AもR1で最も大きく、これはフィン密度がR1において最も高いからである。これらの効果の両方が組み合わさって、入口のファン密度がより高くかつ出口のファン密度がより低い熱交換器における改善された熱交換を実現し、このことは、図示されている実施形態においては、フィンの間隔を変更するために熱交換器の頂部および底部に対して垂直な軸線を中心として推定上の長方形熱交換器を湾曲または変形させることによって実現される。この図示されている実施形態では、この変形は円形であり、結果的にリング形の熱交換器を生じさせる。当業者は、他の実施形態において、例えば円弧形への変形のような他の変形を使用して同一の結果が得られるということを理解するだろう。
【0071】
図7Eは、図7Aの断面E−Eに沿った熱交換器モジュール1900の断面を示す。熱電装置1910は、第1の基板1912と、第2の基板1914と、これらの間に配置されている複数の半導体ペレット1916とを備える。この半導体ペレット1916は、電気エネルギーを温度勾配に変換するための当業で公知のタイプである。基板1912、1914は、典型的には、当業で公知の高い熱伝導性と低い導電性とを有する上述した材料を含む。
【0072】
第1の熱交換器1920は第1の基板1912(例えば、基板上に配置されている銅または他の金属の層)に固定されており、かつ、第2の熱交換器1930は第2の基板に同様に固定されている。上述したように、熱交換器1920、1930は、典型的には、基板1912と基板1914との間の適切な熱伝導性を実現すると同時に、使用中はその2つの部分が適切に互いに連結された状態のままであることを確実にする形で、それぞれに基板1912、1914に固定されている。
【0073】
使用時には、電圧がペレットを挟んで印加される時に、第1の基板1912と第2の基板1914の一方が暖まり(高温)、かつ、その他方が冷える(低温)。第1の基板1912が高温の基板でありかつ第2の基板1914が低温の基板である図7Eに示されているように、通常の(正の)熱膨張係数を有する材料の場合には、高温の基板が膨張し、かつ、低温の基板が収縮する。基板1912と基板1914の膨張差がペレット1906における剪断モーメントと曲げモーメントと剪断応力と曲げ応力とを生じさせ、このことが熱電装置1910の機械的故障の原因となる可能性がある。熱電装置1910の物理的変形が、さらに、熱交換器システムにおける流体力学にも悪影響を及ぼす可能性があり、これによってそのシステムの効率を低下させる。剪断力と曲げ力と剪断応力と曲げ応力との大きさは、基板1912、1914の熱膨張の係数、温度差(ΔT=Th−Tc)、基板1912、1914のサイズ(例えば、長さ、幅、厚さ等)(L)、および/または、1つまたは複数の他のファクタに依存するだろう。
【0074】
図7Gは、使用中の図7Aに示されている熱電装置1910の上面図であり、第1の基板1912の膨張と第2の基板1914の収縮とを示す。この装置1910に関する有効長さLは、より小さい、大きい方の半径と小さい方の半径との間の差(R2−R1)ではなく、熱電装置1910全体の外径(2R2)である。こうしたより大きな有効寸法が、図示されている実施形態において、比較的に大きい剪断力と曲げ力とを結果的に生じさせるだろう。
【0075】
図8Aと図8Bは、膨張差の有害な効果の少なくとも一部分を減少させると同時に湾曲形またはリング形の熱交換器からの熱伝達の増大という利点を維持する、環状熱電装置2010の上面図と下面図をそれぞれに示す。熱電装置2010は、概ね円筒形の形状を有する、図7A−7Fに示されている熱電装置1910に類似しており、および、例えば、図7Aに示されている熱電熱交換器モジュールの構成要素として、および/または、図1に示されている熱電熱交換器システムにおいて、類似の用途に適している。この示されている熱電装置2010は、それぞれに第1および第2の基板2012、2014と、これらの基板の間に配置されている複数のペレット(図示されていない)とを備える。概ね円形の開口部2040が、例えば、上述したモータ/インペラアセンブリを受け入れるために、備えられている。この図示されている実施形態では、第2の基板2014とペレットは、概ね熱電装置1910に関して上述した通りである。しかし、第1の基板2012は複数の扇形部分または部品2012aを備える。この図示されている実施形態では、扇形部分2012aは中心軸線2050を中心として概ね回転対称である。したがって、7つの扇形部分2012aの各々は概ね同一のサイズを有する。当業者は、他の実施形態が、互いに等しくないサイズの扇形部分、および/または、他のより多いかまたはより少ない扇形部分を備えるということを理解するだろう。第1の基板の扇形部分2012aが単一のユニットとしてではなく個別的に自由に動くので、第1の基板2012と第2の基板2014との間の温度差によって生じさせられる剪断力と曲げ力とを評価する際の関連の長さLが、基板2010の直径(2R2)ではなく、各扇形部分2012aの半径方向幅(R2−R1)、および/または、各扇形部分2012aの周方向幅Wのどちらか長い方である。R2−R1が2R2よりも小さく、および、幾つかの実施形態ではR2−R1が2R2よりも著しく小さいので、剪断力と曲げ力と剪断応力と曲げ応力とが有利に減少させられることが可能である。本質的には、第1の基板2012を扇形部分2012aに分割することが、そのための「伸縮継手」2013を実現する。所望または必要に応じて、基板が半径方向および/または周方向にこうした伸縮継手2013または間隙を備えることが可能であるということが理解されるだろう。
【0076】
この図示されている実施形態では、扇形部分2012aは概ね円弧形または切頭くさび形であり、複数の概ね半径方向の切れ目を有する単一部品の第1の基板1912(図7G)に対応し、これによって、第1の基板1912の外周部の少なくとも一部分を画定する複数の横方向または周方向に区分された扇形部分を結果的に生じさせる。この図示されている実施形態では、扇形部分2012aは第1の基板2012の外周部(R1)と開口部2040の外周部(R2)の両方を画定する。幾つかの実施形態では、図7Bに示されている実施形態に類似している環状の第1の熱交換器が、第1の基板2010に熱的に結合されている。他の実施形態が多構成要素形の熱交換器(multicomponent heat exchanger)を使用し、例えば各々の構成要素が扇形部分2012aに相当する。他の構成では、単一の熱交換器が、伸縮継手を有する基板の2つ以上の異なる扇形部分2012aにわたって部分的にまたは完全に延びることが可能である。この扇形部分に区分された基板2012は、図1Dに示されている実施形態に関して上述したセグメント化された熱交換器とは異なっており、このセグメント化された熱交換器は横方向でなく概ね半径方向に区分されている。扇形部分化された基板2012を備える熱交換器モジュールまたはシステムの幾つかの実施形態は、さらに、1つまたは複数の半径方向にセグメント化された熱交換器も備え、この1つまたは複数の半径方向にセグメント化された熱交換器は、流れの方向におけるセグメントの相互間の断熱と、改善された熱的性能とを実現する。
【0077】
図7Hは、第1の基板2010の一部分の実施形態の上面図であり、この第1の基板2010は横方向と半径方向の両方において扇形部分2010aに区分されており、これによって、熱電装置の第1の基板と第2の基板との間の温度差から生じる機械的応力をさらに減少させる。したがって、これらの基板を周方向にセグメント化することによって、加熱および/または冷却中に周方向において応力が減少させられることが可能である。これに加えて、その装置に大きな半径方向の寸法がある場合には、半径方向におけるセグメント化も応力を減少させることが可能である。これに加えて、半径方向のセグメント化は、さらに、より効率的な熱伝達を結果的に生じさせることが可能な断熱を実現することも可能である。熱電装置の使用中に生じさせられる熱応力の減少に関する追加の詳細事項に関しては、2007年7月23日付で出願された米国特許出願公開第60/951,432号明細書と、2008年7月23日付で出願されており、かつ、本明細書にその内容全体が引例として組み入れられている米国特許出願公開第60/951,432号明細書の米国特許法119条(e)項に基づく優先権を主張する、標題「セグメント化された熱電装置(SEGMENTED THERMOELECTRIC DEVICE)」の非仮出願(出願番号は不明)とを参照されたい。
【0078】
図9Aは、図8Aと図8Bとに示されている実施形態に類似している環状熱電装置2110の上部基板および/または下部基板を供給するように切断されるかまたは他の仕方で形成されることが可能な熱伝導性で非導電性の材料のシート2109Aの上面図を示す。熱電装置2110のための基板がそれから得られるシート2109Aまたは他の部材が、比較的に大きい長方形の形状を備えることが可能である。図9Aに示されているように、熱電装置2110が概ね湾曲した形状を含む実施形態では、基板は、複数の円弧形の部材を備えることが可能である。これは、本明細書でさらに詳細に説明するように、使用中に熱応力を軽減することを促進するために熱電装置の基板の一方(例えば、上部基板または下部基板)が半径方向の伸縮継手を含む場合に当てはまるだろう。したがって、第1の基板2112は、図8Aに示されている実施形態の第1の基板2012に類似している扇形部分2112aの形に分割されるだろう。
【0079】
図9Aを続けて参照すると、この円弧形基板の使用が、個別の基板部分が抜き出される基板シートの「パッキング効率(packing efficiency)」を増加させることを促進することが可能である。言い換えると、廃棄される(例えば、基板の一部分を提供するために切断されるかまたは他の形で使用されることが不可能な)シート2109Aの材料の量が、有利に減少させられることが可能である。このことが、特に基板材料の関連コストが比較的高い場合に、こうした装置のための製造コストおよび/またはアセンブリコストを低下させることが可能である。これとは対照的に、複数のセグメント化された円弧形部分の代わりに単一の環状基板(図8B)が使用される場合には、「廃棄される」シート材料の量が著しくより多いだろうということを当業者が理解するだろう。
【0080】
熱電装置2110から製造される熱交換器モジュールは、さらに、上述したように、第1の基板2112に熱的に結合されている第1の熱交換器と、第2の基板2114に熱的に結合されている第2の熱交換器とを備える。幾つかの実施形態では、第1および第2の熱交換器は円弧形熱電装置サブユニット2110aに形状的に実質的に一致し、これによって円弧形の熱交換器サブモジュールを形成する。あるいは、この代わりに、円弧形熱交換器ユニットの各々は個別の熱交換器モジュールと見なされることが可能であり、および、個別の熱交換器モジュールのアセンブリは熱交換器モジュールアセンブリまたはシステムを形成すると見なされることが可能である。
【0081】
他の実施形態では、第1および第2の熱交換器の少なくとも一方の熱交換器の境界が、円弧形熱電装置サブユニット2110aの少なくとも1つに対する境界の1つに実質的に一致しない。例えば、幾つかの実施形態では、第1および第2の熱交換器の各々が、例えば図7Bに示されているような単体の熱交換器を備える。幾つかの実施形態では、熱電装置の第1および第2の基板の少なくとも一方が、半径方向に区分されている扇形部分を備え、幾つかの実施形態では同中心の熱電装置を本質的に形成する。この構成の詳細な説明は米国特許第6,539,725号明細書に見いだされることが可能であり、この明細書の全体が本明細書に引例として組み入れられている。
【0082】
図9Bは、複数の基板部分2110a、すなわち、図示されている実施形態では3つの熱電装置サブユニットが、半径方向に入れ子状に納められている、熱電装置2110の実施形態の上面図を示す。説明したように、単一の円形またはドーナッツ形の基板に比較すると、複数の円弧形の基板2110aの使用は、廃棄物を減少させることによって製造コストを減少させることを促進するだろう。明確に言えば、円弧形の基板部分は、図9Bに示されているように切断物の間の廃棄物を減少させるために積み重ね構成または入れ子状構成の形で互いに隣接して切断されるだろう。これとは対照的に、円形またはドーナッツ形の熱電装置の使用は、環状またはドーナッツ形の基板部分がシートまたは他の部材2109C(図9Cを参照されたい)から切断されるかまたは打ち抜かれる時に、基板の穴の部分が廃棄されるので、より多量の基板材料(例えば、銅または他の金属部分が表面の片方または両方に付着しているポリイミド)が廃棄されることを結果的に生じさせる。
【0083】
図9Dを参照すると、長方形の基板部分の使用が、熱伝導性材料のシート2109Dが切断されるかまたは他の仕方で加工される時に生じさせられる廃棄材料の量をさらに減少させることが可能である。示されているように、幾つかの実施形態では、長方形の基板の使用は、シート2109Dが複数の水平線と垂直線とに沿って簡単に切断可能なので、廃棄基板材料の量を最小限にすることを促進することが可能である。図9Dに示されているようにこのような長方形の基板部分を使用するように形状構成される複数の長方形の熱電装置2112Dを備える装置の一実施形態。
【0084】
図1Dを参照して本明細書で説明したように、第1の熱交換器154からの空気(例えば、廃棄空気)が半径方向に送られることが可能であり、一方、第2の熱交換器156からの空気(例えば、主空気)が、モータ/インペラアセンブリ130の回転軸線に平行である方向に送られることが可能である。異なる出口方向に加えて、モータ/インペラからの流れが空洞111の下側へと偏倚させられるだろう。このことが、熱交換器154、156の間の不均一な流れを結果的に生じさせる可能性がある。一般的には、等しい量または概ね等しい量の空気が両方の熱交換器154、156に送られることが望ましい。
【0085】
図10は、変更された熱交換器システム300を示す。この図示されている実施形態では、上部ハウジング部分302と下部ハウジング部分304とセパレータ306とが、第1の熱交換器154と第2の熱交換器156とが上述した図1A−1Dの実施形態よりも低く位置しているように形状構成されている。したがって、モータ/インペラアセンブリ130を出て行く空気は、第1の熱交換器154と第2の熱交換器156とに入る前に半径方向かつ下向きの方向に移動する。この構成は、空洞111の下部部分への空気の偏倚を補正する第1の熱交換器154の中を通してより多くの空気を押し流す。
【0086】
図11Aは、流れ調整または流れ誘導フィンまたは羽根320が第1および第2の熱交換器154、156の上流および/または下流に配置されることが可能な追加の実施形態を示す。この羽根は、その装置の出口を経由した空気流の横方向の分散を実現するために使用されることが可能である。幾つかの実施形態では、このフィンまたは羽根320は、等しいかまたは実質的に等しい流れを熱電装置に供給するように形状構成されている。他の実施形態では、このフィンまたは羽根320は、所望の流れのパターンを得るために使用される。
【0087】
図11Bは、流れを制限して第1の熱交換器154を通るように流れを偏倚させるために選択的に使用されることが可能であるフィンまたは羽根322を第2の熱交換器156の出口126が備えている実施形態を示す。インペラから1つまたは複数の熱電装置および/または出口に向けて空気が半径方向に遠ざかるように送られる時にその空気を分配および/または調整するために、1つまたは複数の他の装置または方法が使用されることが可能であるということが理解されるだろう。
【0088】
上述したように、インペラによって移動させられる空気または他の流体が、フィンまたは他の熱交換器の中への容易な流体の流入を可能にする方向に方向付けられないことがある。したがって、図11Cと図11Dとに示されているように、熱交換器システム150Cは、インペラ130Cによってその熱交換器システムに向けて方向付けられる空気をより適切に受け入れるように形状構成されることが可能である。図11Dの詳細な上面図を参照すると、互いに隣接するフィン156Cまたは他の熱交換器が、その中を通って流体が流入することを容易にするように、方向配置されることが可能である。例えば、フィン156Cは、予想される空気流方向Aに一致するかまたは実質的に一致するように概ねなっている特定の角度θ2だけ、半径方向に対して傾斜していることが可能である。この結果として、このシステムを通過する場合の流体ヘッドロスが有利に減少させられることが可能である。さらに、この特徴は、騒音の減少と、そのシステムの効率の改善と、1つまたは複数の他の利点の実現を促進することが可能である。
【0089】
図11E−11Gは、熱交換器システムの先頭端部に空気または他の流体が接近する時にその空気または他の流体により適切に順応するように形状構成されている熱交換器システム150E、150F、150Gの様々な他の実施形態を示す。例えば、図11Dに示されている構成と同様に、図11E−11Gに示されている3つの実施形態は、インペラから出て行く空気流Aの予想方向に応じて湾曲させられている先頭端部を有するフィン156E、156F、156Gを備える。
【0090】
図11Eに示されているように、フィン156Eまたは他の熱交換器の末尾端部は(例えば、先頭端部と同一の方向に、または、これとは反対の方向に)湾曲させられていることも可能である。さらに、フィン156Fの末尾端部は、図11Fに示されているように、湾曲していない(例えば、半径方向に概ね一直線状である)ことが可能である。これに加えて、図11Gに示されているように、フィン156Gまたは他の熱交換器は、それに流入して通過する空気が所望の仕方で方向付けられることを可能にするための任意の他の形状または形状構成を有することが可能である。
【0091】
図1Hは、本明細書に開示されている実施形態のいずれにおいても使用されるように形状構成されている折り曲げ形フィン156Hの斜視図を示す。上述したように、このフィンまたは他の熱交換器は、1つまたは複数の熱電装置または基板と熱的に連通した状態にされることが可能である。特定のアセンブリが、所望または必要に応じて、1組、2組、または、それより多くの組のこうしたフィン156Hを含むことが可能である。上述したように、こうした熱交換器の単体構造が、1つ、2つ、または、3つ以上の熱交換器モジュールの頂部上または底部上に配置されることが可能である。
【0092】
図11Iと図11Jは、折り曲げ形熱交換器156I(例えば、フィン)の別の実施形態の上面図と側面図をそれぞれに示す。図示されているように、フィン156Iは湾曲しているかまたは縦溝が付いた(fluted)形状を含むことが可能である。例えば、上述したように、この形状構成は、空気または他の流体が中を通って流入することを容易にすることが可能である。熱交換器が所望または必要に応じて1つまたは複数の他の形状、設計、または、形状構成を含むことが可能である。
【0093】
図12Aは、第1および第2の熱交換器154、156の間で流れを偏倚させるための別の構成を示す。この実施形態では、モータ/インペラアセンブリ130は、インペラ130の羽根を高さL1の上部部分132aと高さL2の下部部分132bとに分ける水平スプリッタプレート138を備え、この場合にL2>L1である。上部部分132aまたは下部部分132bの相対的高さまたは他の寸法を増大させることによって、特定の用途または使用による所望または必要に応じて、空気が第1の熱交換器154または第2の熱交換器156のどちらに対しても偏倚させられることが可能である。図10の実施形態に比較すると、この実施形態は、そのシステムの頂部表面の概ね平らな輪郭を有利に維持することが可能である(すなわち、図10の頂部壁302は段差を含む可能性がある)。
【0094】
図12Bは、図12Aに示されている水平スプリッタプレート138を含むモータ/インペラアセンブリ130の実施形態の上面図を示す。モータロータ134からスプリッタプレート138/羽根132a、132bアセンブリに延びる複数のスポーク136が、取り入れ口または入口122(図1D)を通して吸い込まれる流体が羽根の下部部分132bに流れることを可能にするだろう。当業者は、本明細書で明確に開示されている装置および方法の代わりに、または、これに加えて、羽根の下部部分132bに流体を供給するための他の手段が他の実施形態で使用されることが可能であるということを理解するだろう。例えば、底部壁114(図1D)内の1つまたは複数の流体取り入れ口が備えられることが可能である。
【0095】
図13Aは、図12の構成の変更された実施形態を示す。この実施形態では、スプリッタプレート138は、第1の熱交換器または第2の熱交換器のどちらかに向けて空気が方向付けられる時に円滑な移行を実現するために、半径方向から角度θに上方または下方に傾斜させられることが可能である。このことが、スプリッタプレート138に空気が接触する時に生じさせられる乱流を削減および/または排除することが可能である。図13Bは、相対的な流体流が矢印によって概ね表示されているスプリッタプレート138の周囲の領域の詳細図である。幾つかの実施形態では、スプリッタプレート138は、さらに、特定の用途または使用による所望または必要に応じて、さらに乱流を減少させるために湾曲した輪郭または他の形の輪郭を含むことが可能である。
【0096】
図14Aと図14Bは、頂部リング139を備えるモータ/インペラアセンブリ130の実施形態をそれぞれに斜視図と側断面図との形で示す。幾つかの実施形態では、頂部リング139は、図14Cに示されているように、上部チャンバ118と流体連通している上部熱交換器を通る空気流を減少させ、この図14Cは、頂部リング139を備えるモータモータ/インペラアセンブリ130の計算流体力学(CFD)モデルの断面図である。頂部リング139からの乱流が上部熱交換器を通過する空気流の減少の原因であるだろうと考えられており、この空気流の減少は、第1および第2の熱交換器の間において不均衡な空気流を結果的に生じさせる。
【0097】
したがって、モータ/インペラアセンブリ130の幾つかの実施形態は頂部リングを備えず、図15において側断面図にその具体例が示されている。モータ/インペラアセンブリ130の幾つかの実施形態が、頂部リングを備える類似のモータ/インペラアセンブリに比較した場合の上部熱交換器を通過する空気流の改善を実現し、これによって第1および第2の熱交換器の間におけるより均衡のとれた空気流を結果的にもたらす。
【0098】
図16は、第1および第2の熱交換器を通る相対的な空気流の制御を可能にするモータ/インペラアセンブリ130の別の実施形態の側面図を示す。図示されているように、モータ/インペラアセンブリ130は、図12Aと図13Aと図13Bとに示されている実施形態に類似している、上部部分132aと下部部分132bとに羽根を概ね分割する垂直スプリッタプレート138を備えることが可能である。この図示されている実施形態では、この相対的な空気流が、羽根の上部部分132aおよび/または下部部分132bの個数を変化させることによって変更される。例えば、この図示されている実施形態は、50個の上部羽根部分132aと80個の下部羽根部分132bとを備える。当業者は、所望または必要に応じて、様々な個数の上部羽根部分132aと下部羽根部分132bとを備えるということを理解するだろう。さらに、上部羽根部分132aの個数は下部羽根部分132bの個数よりも多いことが可能である。個々の用途において上部羽根部分132aの個数と下部羽根部分132bの個数とに影響を与える要因が、非限定的に、モータ/インペラアセンブリ130および装置全体の特定の幾何学的形状(例えば、形状、サイズ等)、熱交換器の特徴、および/または、その類似物を含むだろう。幾つかの実施形態では、この要因は、例えばCFDのようなモデル化によって、1つまたは複数の経験的な方法によって、および/または、これらに類似した方法によって決定される。
【0099】
本明細書で上述したように、幾つかの実施形態は、自動車座席、ベッド、家具、車椅子、他の静止的または可動的な座席アセンブリまたは他の装置、および/または、これらの類似物に温度調節された空気を供給するのに有用であるが、こうした用途だけに限定されるのではない。この方法および装置は、温度調節された空気の局所化された流れが必要とされるあらゆる場合に使用可能である。幾つかの実施形態では、空気または他の流体を選択的に温度調節するようになっているこうした流体移送システムおよび装置が、直接的に(例えば、スポット加熱または冷却)、または、座席アセンブリまたは他の装置の流体配送システムを経由して、1人または複数人のユーザに向けて送られることが可能である。図17は、本明細書で説明されている熱交換システム100が換気式自動車座席10との組合せの形で使用される一実施形態を示す。このシステム100は、専用の制御装置12によって、または、主制御ユニット(図示されていない)によって、別個に制御されることが可能である。
【0100】
本明細書で説明されているシステムと装置と方法の実施形態は、空気および/または他の気体または流体の調節に限定されていない。例えばヘリウムのような幾つかの気体が空気よりも高い熱伝導率を有し、および、特定の用途では望ましいが、一方、酸素、窒素、および/または、アルゴンのような他の気体が他の用途において望ましい。様々な気体と気体混合物が、個々の用途に応じて使用されることが可能である。
【0101】
幾つかの実施形態が、適切なシール、断熱材、および/または、当業で公知の他の構成要素を使用して、例えば液体および/または超臨界流体のような他の流体を加熱または冷却するのに使用可能であり、これによって、こうした流体が電気接点、熱電装置、および/または、他の任意の電気的および/または機械的構成要素の性能に悪影響を及ぼすことを防止する。したがって、水および不凍液のような液体が本明細書に説明されている方法および装置の実施形態に適合可能であり、液体金属(例えば、液体ナトリウム)、流体および固体のスラリー、他のニュートン流体または非ニュートン流体、および/または、これらの類似物も同様である。
【0102】
熱電装置システムから得られる温度変化が大きいことが可能なので、本明細書で説明されている熱交換器システムとその変形物は、広範囲の様々な用途に適用可能である。本明細書で説明されている方法と装置は、温度調節された流体を移送する(例えば、ポンプ送りする)必要があるあらゆる状況に対して一般的に適用可能である。こうした用途は、例えば熱電対アセンブリの場合のような基準温度を使用する装置のような、定温装置を含む。別の例示的な用途は、例えば実験室用および/または工業用の、定温浴における構成要素としてである。本明細書で説明されている方法および装置は、低い流量および/または小さい温度変化を伴う用途と、高い流量および/または大きな温度差を伴う用途とにおいて有用である。
【0103】
熱交換器上、熱交換器の上流側または下流側、および/または、どこか他の場所において、予め決められた場所に温度センサを配置することと、インペラの回転を電子的に制御することとによって、予め決められた温度に温度を維持するために、または、予め決められた温度条件を実現するために、温度調節された流体の調整された流れが実現されることが可能である。したがって、例えば自動車座席、ベッド、ウォーターベッド、水槽、ウォータークーラー、飲料の冷却等において、局所化された温度制御が望まれている場合に、幾つかの実施形態が特に有用である。
【0104】
特定の実施形態では、熱電装置が1つまたは複数のセンサを備えることが可能である。幾つかの実施形態では、熱電装置の内側または熱電装置の外側に配置されることが可能であるこうしたセンサが、制御ルーチンの一部分としておよび/または安全装置機構の一部分として温度が使用できるように、制御装置(図示されていない)の1つまたは複数と通信するように形状構成されることが可能である。他の実施形態では、温度センサが、送風機/熱電装置アセンブリの内側および/またはこのアセンブリの上流側および/または下流側の他の位置に配置されることが可能である。
【0105】
さらに、幾つかの実施形態が、異なる時点で異なる温度を有する流体が必要とされる状況において特に使用される。幾つかの実施形態では、この装置は送風機として運転され、および、熱電的側面が所望に応じて活用される。例えば、幾つかの実施形態が、より温かい流体、より冷たい流体、および/または、周囲温度の流体を提供する。
【0106】
図18Aに断面図として示されておりかつ図18Bに斜視図として示されている別の実施形態では、装置1800は、TED、熱交換器、ヒータ、または、他の温度変更ユニットまたは熱変更ユニットを含まない。その代わりに、この装置またはシステムは、装置100における対応する構成要素と同様である、ハウジング1810と取り入れ口1822と出口1824とモータ/インペラアセンブリ1830とを備える半径方向出口送風機1800として形状構成されることが可能である。この図示されている実施形態では、出口1824から外に出る空気流の方向が装置1800の対称軸と概ね同軸である。この形状構成は、座席クッション1890内に取り付けられている半径方向出口送風機1800の実施形態の上面図と側面図である図18Cと図18Dとに示されているように、空気分配流路1892が出口1824の外周部の周りに流体的に連結されることが可能なので、例えばシート用、クッション用、または、ベッド用の、大きな表面全体にわたって換気が分配される用途において利点を有する。空気流が送風機出口において拡散させられるので、本明細書で説明されている他の送風機アセンブリよりも小さい圧力しか必要でない。
【0107】
出口1924から外に出て行く空気流が、例えば図19Aに示されているような筒口(snout)を使用して(例えば、90度等に)向きを変えられる送風機1900では、座席アセンブリ、ベッド、または、他の装置の1つまたは複数の分配流路がその筒口を通して連結され、この結果としてより複雑な流体連結システムを生じさせる。このシステムは、さらに、例えば、座席クッション1990とこれに関連した分配流路1902とに取り付けられている送風機1900の上面図と側面図である図19Bと図19Cとに示されているように、より高い背圧も示すだろう。
【0108】
半径方向出口送風機1800の幾つかの実施形態は、さらに、他のタイプの送風機に比較して減少した騒音を生じさせる。例えば、図19Aに示されている送風機1900は、スクロール(scroll)のカットオフ(cutoff)に「カットオフ区域(cutoff zone)」1980を備える。幾つかの実施形態では、このカットオフ区域においては、空気の一部分が出口1924から外に出て行き、および、別の部分が送風機1900のハウジング内を循環し続け、このことが、スクロールとインペラとカットオフとの形状構成に応じて騒音を発生させる可能性がある。図18Aに示されている半径方向出口送風機1800がカットオフを備えないので、装置1800はカットオフ騒音を全く生じさせず、この結果としてより静かな装置をもたらす。さらに、送風機内の騒音が、ハウジングの周囲での圧力勾配を結果的に生じさせる流れ、圧力、速度、および/または、1つまたは複数の流れ特性または属性における不均一性に関連している。半径方向出口送風機1800の対称性が、こうした非均一性を減少させるように形状構成されることが可能であり、これによって同一の流量および背圧において騒音を減少させる。
【0109】
半径方向出口送風機1800の幾つかの実施形態は、同じ空気流においては、スクロールを備える送風機と同じだけ高い背圧を生じさせることはないが、しかし、および、したがって、相対的により高い背圧が望ましい特定の用途には適していない。
【0110】
図20は、座面2010と背部2020とを換気するように形状構成されている半径方向出口送風機1800を備える座席システム2000の実施形態の側断面図を示す。この図示されている実施形態は、座面2010と背部2020との両方のシート外装(seat trim)2040の下方に配置されている採用随意の加熱マット2030または他の加熱要素を備える。
【0111】
本明細書で説明されている実施形態のいずれにおいても、一体化された送風機−TED装置が、1人または複数人のユーザに対して温度調節された空気または他の流体を直接的に送るように形状構成されることが可能である。例えば、こうした空気は、ダクトまたは他の導管(例えば、座席アセンブリ、ベッド等の内部流路)を使用して、ユーザの首、肩、足、および/または、他の解剖学的区域に配送されることが可能である。幾つかの構成では、こうしたダクトまたは導管は座席アセンブリの外側に配置されている(例えば、座席、ベッド等の側部に沿って配置されている)。
【0112】
他の実施形態では、図20に示されているように、送風機−TED装置の1つまたは複数の主出口が、クッション、マットレス(例えば、芯部分、トッパ(topper)部分等)内に形成されている対応する流路、入口、または、他の導管、または、座席アセンブリ(例えば、自動車座席、ベッド等)のあらゆる他の部材または構成要素と流体連通しているように形状構成されることが可能である。上述したように、このことが、別個の導管または相互連結ダクト部材を不要にすることが可能であり、このことは、空間が一般的に比較的に制限されている実施形態において特に有利だろう。
【0113】
幾つかの好ましい実施形態と特定の特徴とを本明細書で説明してきたが、様々な省略と置換と組合せと変更と、このシステム、装置および/または方法の詳細事項の1つまたは複数とが、本明細書の開示内容からの逸脱なしに、当業者によって行われることが可能であるということが理解されるだろう。さらに、1つの図面および/または実施形態の1つまたは複数の様々な構成要素が、任意の特定の図面または実施形態において図示および/または説明されていない特定の組合せを生じさせるために、他の図面および/または実施形態の構成要素との異なる組合せの形で使用されてもよい。したがって、本開示内容の範囲は上述の説明によっては限定されず、上述の説明は例示を意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換装置であって、
少なくとも1つの入り口と少なくとも1つの第1の出口と少なくとも1つの第2の出口とを有する、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されており、および、前記少なくとも1つの入口から流体を受け取りかつ前記流体を前記第1の出口と前記第2の出口との少なくとも1つに移動させるように形状構成されているインペラと、
一定の体積の流体を受け入れかつ前記流体が前記第1の出口または前記第2の出口を通って出て行く前に前記流体を選択的に温度調節するように形状構成されている少なくとも1つの熱交換モジュールと、を備えている熱交換装置において、
前記熱交換モジュールは前記ハウジング内に配置されている、
熱交換装置。
【請求項2】
前記熱交換モジュールは熱電装置を備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記熱電装置はペルチェ回路を備える請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記熱交換モジュールはさらに熱交換器を備え、前記熱交換器は前記熱電装置と熱的に連通しており、および、前記一定の体積の流体の少なくとも一部分が前記熱交換器を経由してまたは前記熱交換器の付近に送られる請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記熱交換器は基板と熱的に連通しており、および、前記基板は熱伝導性かつ非導電性の材料を備える請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記熱交換モジュールは、前記ハウジングの内部の外周部分に沿って配置されている請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記熱交換モジュールは前記ハウジングの外周部分全体に沿って延びる請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は少なくとも2つの別々の熱交換モジュールを備える請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記熱交換モジュールは前記ハウジングの内部において互いに等間隔に配置されている請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記熱交換モジュールは互いに電気的に接続されている請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記熱交換モジュールはエンドカップリングを使用して互いに電気的に接続されており、および、前記エンドカップリングは熱電装置の基板の延長部分を含む請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記熱交換モジュールは、前記熱電装置の上部側部と流体連通している1組の上部熱交換器と、前記熱電装置の下部側部と流体連通している1組の下部熱交換器とを備え、および、前記少なくとも1つの第1の出口が前記1組の上部熱交換器と流体連通しており、かつ、前記少なくとも1つの第2の出口が前記1組の下部熱交換器と流体連通している請求項4に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも第1の出口は前記ハウジングの側壁部分に沿って配置されており、および、前記少なくとも第2の出口は前記ハウジングの底部部分に沿って配置されている請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記インペラは、前記少なくとも第1の出口と前記少なくとも第2の出口とに対して等体積の流体を配送するように形状構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記熱交換器は、前記熱交換器に接近する流体流方向に一致する方向に沿って方向配置されている請求項4に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、温度調節された流体を座席アセンブリに供給するように形状構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記熱交換モジュールは、使用中の熱応力に順応するように形状構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記熱交換モジュールの基板は少なくとも1つの伸縮継手を備える請求項17に記載の装置。
【請求項19】
座席底部部分と、座席背部部分と、熱交換装置とを備えている温度調節式座席アセンブリであって、
前記熱交換装置は、
少なくとも1つの入口と、少なくとも1つの第1の出口と、少なくとも1つの第2の出口とを有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置されているインペラであって、前記少なくとも1つの入口から流体を受け入れ、かつ、前記第1の出口と前記第2の出口との少なくとも1つに前記流体を送るインペラと、
一定の体積の流体を受け入れかつ前記第1の出口または前記第2の出口を通って前記流体が外に出る前に前記流体を選択的に温度調節するように形状構成されている少なくとも1つの熱交換モジュールと、を備えており、
前記熱交換モジュールは前記ハウジング内に配置されており、
前記熱交換装置の前記第1の出口または前記第2の出口を出て行く前記温度調節された流体は、前記座席底部部分と前記座席背部部分との少なくともの開口部の中に配送されるように形状構成されており、
前記温度調節された流体は、前記座席アセンブリの乗員に向かって移送されるように形状構成されている、
温度調節式座席アセンブリ。
【請求項20】
前記熱交換装置は前記座席背部部分または前記座席底部部分の表面に取り付けられている請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記第1の出口と前記第2の出口の少なくとも1つは、前記座席底部部分または前記座席背部部分の開口部に概ね整合しかつ前記開口部と流体連通しているように形状構成されている請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項22】
流体を温度調節する方法であって、
送風機のハウジングの中に少なくとも1つの熱交換モジュールを配置することであって、前記少なくとも1つの熱交換モジュールは、一定の体積の流体を受け入れるように、かつ、前記ハウジングの出口を経由して前記流体が出て行く前に前記流体を選択的に温度調節するように形状構成されていることと、
前記熱交換モジュールに通電することと前記送風機のエンペラを作動させることとによって、前記流体を選択的に加熱または冷却すること
とを含み、
前記熱交換モジュールは熱電装置を含む、
方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図11G】
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【図11H】
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【図11I】
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【図11J】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20】
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【公表番号】特表2010−534821(P2010−534821A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518364(P2010−518364)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/070933
【国際公開番号】WO2009/015235
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(509103495)アメリゴン インコーポレイティド (3)
【Fターム(参考)】