説明

半田接続要素

接続目的で設けられた本体(2)およびそこから突起している少なくとも2つの半田足(3)を有し、熱膨張の差を適応させるのに適したそれぞれ弾性的に変形可能な接続部品が本体と半田足との間に延在している、電機部品を接続するための、具体的には窓ガラスなどの脆性基体を半田付けすることを対象とした、半田接続要素(1)において、本発明によれば表面上に半田付けするための3つ以上の半田足(3)が設けられており、熱膨張の差と接続されるべき部品からの機械的な力の効果が、本体(2)および/または半田接続要素(1)に対する半田足(3)および/または接続部品の弾性によって、基体面と平行な少なくとも2つの座標方向で適応されることが可能である。本体(2)自体が、切開部(6)によって弾性であるようにおよび/またはプラグイン突起(5)を備えるように構成されていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルの特徴を有する半田接続要素に関する。具体的には、本発明は、脆性基体、具体的には導電性構造を備えるガラス板上に半田付けするために提供され、一方ではガラスと、他方では半田付けされた金属との異なる熱膨張特性の間の相殺を可能にする、半田接続要素に関する。
【背景技術】
【0002】
独国実用新案第9013380U1号明細書は、加熱可能な自動車用窓ガラスのための現在の接続要素を開示しており、この要素は主に、弾性編組と、銅板からなり固定的に接続された半田足とからなる。好適な実施形態において、前記半田足は、2つの異なる半田面と、その間に延在するクランク状の架橋部とを備える。この架橋部のクランクが、弾性変形性によって、自身の半田付け工程の間および加熱可能な自動車用窓ガラスの操作中の、ガラスと板金部分の両方の異なる熱膨張の結果として構成される可能性のある応力を相殺する。
【0003】
知られているように、現在のこのタイプの接続要素は、固定的に溶接された配線部分のみならず、むしろ着脱可能な配線接続のためのプラグイン突起または押しボタンも供えて構成されることが可能である。
【0004】
独国特許第10046489C1号明細書は、半田付着部が挿入片によって半田付けされるべき接続面に固定される半田付け可能電気的接続要素を開示している。この挿入片は、多歯圧着部品として構成されることが可能である。しかしながら、本文献は、熱膨張の差を相殺する態様を検討するものでも、接続足としての圧着部品の歯を検討するものでもない。
【0005】
ある程度までは、従来の半田付け工程は、一方では板ガラス面またはそこに取り付けられる導体構造と半田付けされる金属部品との間のある程度厚い層の中に位置する軟性半田金属の(鉛含有)合金を選択することによって、機械的応力をさらに相殺する。硬い場合でさえ、これらの半田は比較的軟性または延性のままであり、緩やかな動きによる機械的応力を緩衝または相殺することができる。
【0006】
それ自体容易に半田付け可能であっても、より延性の低い鉛フリー半田の需要があるので、上述のような接続の場合、内部応力が構成される危険性が増し、前記接続が従来の半田接続要素を使用して構成され、前記要素の容量が応力を取り除くかまたは相殺するのに十分でない場合、一旦半田接続が確立すれば、この構成の結果、損耗が増加する可能性がある。
【0007】
熱的プレストレスト板ガラスはこの点においてより影響を受けにくいが、特に個々の板ガラスが比較的薄いガラスからなる場合には、非プレストレスト板ガラスからなる合板ガラスに破損が発生する可能性がある。特に完成した板ガラスの全体的な重量を減らすため、および、当然ながら、その全体的な厚さを減らすためにも、現代の合板ガラス製造では、厚さ2mm未満の個々の板ガラスが使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的に、自動車用窓ガラスの接続要素は、窓ガラスが関連する車体開口部に挿入された後に工具を使わず直ちに接続するために事前装備されており、すなわち窓ガラスの製造者が、(平板導体から丸形ケーブルへの)断面遷移およびプラグを備える接続要素全体をコンポジットに一体化する必要がある。
【0009】
これらの接続要素は、比較的高価である。従って、コンポジットの製造完了後に、板ガラス自体のみならず、再利用が不可能な方法で接続されている接続要素も不良品となった場合、望ましくないさらなる価値の損失が発生する可能性がある。
【0010】
多数の半田足を使用して、部品(メモリモジュール、マイクロチップ)を関連するプリント回路基体に電気的に接触させることが、超小型電子技術から知られている。しかしながら、これは様々な電気端子の最も確実な接触に焦点を当てており、単極接続の半田領域での熱膨張のいかなる差の相殺も、これらの知られているモジュールにおいて何の役割も果たさない。これとは無関係に、これらの接続において重要な電流は伝達されず、問題の用途、例えばおよそ12から14VのDC電圧のオンボード電圧での加熱可能な自動車用窓ガラスでは、200Aを越える電流が流れることができる。
【0011】
本発明は、単純かつ安価な実施形態において、インサイチュの、つまり板ガラスの表面上の、半田付けに起因する応力による板ガラス表面の負荷の増加をほぼ最小限に抑えることができる、半田接続要素を提供する目的に基づく。さらに、目的は、鉛を含まず、しかも通常の有益な接続特性を提供する半田付け材料によって、コネクタを基体に接続させる必要があることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、この目的は請求項1の特徴によって達成される。従属請求項の特徴は、本発明の有利な実施形態を開示する。
【0013】
全体としての半田面を、半田接続要素の本体への機械的に比較的脆弱な個々の接続を有する複数の小さい接触面へさらに分割することで、主方向のみならず、半田接点の全体の領域で二次元的に、応力を相殺させる(すなわち、窓ガラス表面上の全体的な印加)。しかしながら、同時に、半田付けされる接続の公称電流に対応する範囲の多数の接続または半田足は、局所的な過熱が確実に起こらないようにする。これらの半田足は、必要に応じて、先端または小さな半田面のみを有することができる。この場合に問題となるのは、とりわけ、各半田足が使用可能な半田の量、および各半田足を取り巻く空間条件である。この点において多数の半田足の一様な分布は重要ではない。
【0014】
本体の構造(材料、寸法、厚み)に応じて、本体それ自体が、応力を相殺するために変形可能な部分を備えて構成されていてもよい。例えば、応力がかかった場合に再度膨張または収縮することができる板金本体に切開部を形成することが可能である。
【0015】
それ自体が知られている方法で、本体はいかなる形状の接続要素も形成および/または含むことができる。これはしばしば柔軟な配線の一部に結合される。それ自体が知られている方法で、このタイプの柔軟な配線部分は本体に固定的に接続、例えば溶接されることが可能であるが、その自由端にはプラグイン接点が設けられている。しかしながら、例えばアンテナ接続のためのチョークコイルなど、電気または電子部品を直接実装(取り付け、半田付け、ボンディング)するのに適した本体を備える半田接続要素を製造することも可能である。
【0016】
本体、接続部品、および半田足は、一体に、または複数の要素として(組み立てられて)構成されることが可能である。複数の要素の実施形態の場合、本体および半田足は異なる材料で作られていてもよい。さらに、自由接続面を有していないという前提で、本体は絶縁材料で覆われていてもよい。
【0017】
このタイプの半田接続要素は大量生産品なので、これらを費用効率よく製造する能力は、特に重要になる。打ち抜き可能で屈曲可能/折り曲げ可能な板金材料でできた一体型の変形は、この点において特に都合がよい。しかしながら、より少量および/または特殊な場合には、特定の使用要件において、より複雑な変形もまったく考えられる。
【0018】
具体的には、以下の実施形態が可能である:圧着丸形編組:電流の流れに適合した丸形編組およびそれ自体知られている半田付着部を備える圧着コネクタは、自動的に製造されることが可能である。従来の接続と比較して、接続領域が15mm以下に減少されている。半田の量は、連続する半田隅肉を半田付けしているあいだに製造するような方法で(うまく丸められる方法で)適合されなければならない。
【0019】
半田接続要素の丸み付け:知られている実施形態は、従来は角を付けて曲げられる。これは、半田接合部の強応力伝達点を作り出す。半田接続要素のより丸みを帯びた連続的な形状は、接続物質のさらなる柔軟性と、より寛容に定義された応力伝達制限を可能にする。ガラスへの接続の実際の接触点は、この場合最小限になる。全体として、15mm以下が目標とされる。この場合にも、半田隅肉の連続的でゆったりとした進路が確保されるべきである。
【0020】
半田接続要素の本体の切開部:知られている硬質な一体架橋足とは異なり、平板型編組を通じてのみ結合される2つの部分に架橋足を分割するように、本体が切開(縫合、打ち抜き)される。この場合も、個々の半田領域は15mm以下とすべきである。半田隅肉の進路は連続的とすべきである。
【0021】
より薄い材料:プラグイン接続の多くの形態で標準化されているので、従来の半田接触足は0.8mmの材料厚を使用している。半分の材料厚、または3分の1まで減らされた材料厚が使用され、プラグイン接続のために、材料が標準化された厚みになるよう折り畳まれた場合、対応する領域の接続の剛性、およびそれによって発生する応力は、減少する。半田足の発明による材料の厚みは、0.01mmから0.4mmの間である。
【0022】
プラスチック材ハウジング内の直列接続:信号伝送のため、プラスチック材ハウジング内の相互の空間的固定位置関係にある複数の個別の接点を配置し、ひいては単一操作(誘導加熱半田付け)で半田付けを実行できるようにする接続が、既に存在する。しかしながら、これらの個別の接続は、単一の、電流印加編組から直列または並列に「ぶらさがる」ことも可能で、多くの接触によって十分な電流伝達を確実にすることもできる。同時に、これらの多くの個別接続は、(ケーブルによってのみ、適切であればプラスチック材ハウジング内によっても、接続される)剛性構造を形成せず、その結果、印加される応力が減少する。ここでも、個々の半田領域は15mm以下とすべきである。半田隅肉の進路は連続的とすべきである。
【0023】
本発明の対象の更なる詳細および利点は、複数の例示的実施形態の図面およびそれに続く掘り下げられた説明から、明らかになる。
【0024】
簡略図は縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】多数の先端を有する半田足と本体の上側の接続面とを備える半田接続要素の第1の実施形態の、互いに90°傾斜した、2つの図である。
【図2】図1と同様に構成され、取り付け済み半田面を備える多数の半田足を有する半田接続要素の第2の実施形態の、互いに90°傾斜した、2つの図である。
【図3】板金本体から切り離されたプラグイン突起を備える半田接続要素の第3の実施形態の、図解目的のためそれぞれ互いに90°傾斜した、2つの追加図である。
【図4】応力を相殺するために本体に切開部が設けられた、半田接続要素の第4の実施形態を示す図である。
【図5】切開部がその間にプラグイン突起を形成する、図4の変形としての第5の実施形態を示す図である。
【図6】半田足が先端を有するピンとして構成されている、半田接続要素の第6の実施形態を示す図である。
【図7】4つの半田足を備える一体型の、球状に湾曲または折り曲げられた板金部品の形状をなす半田接続要素の第7の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1によれば、半田接続要素1は、本体2と、矩形の本体2の長手側面に位置する多数の半田足3とを含む。半影で示される、半田足から離れた本体2の上側には、電気および/または電子機能素子(図示せず)の直接取り付けを含む考えられる全ての接続オプションで使用可能な接続面4がある。
【0027】
この場合、およびさらなる実施形態において、別の意味での接続部品は設けられず、むしろ半田足自体が十分に小さく弾性があり、そのためそれら自身が本体と実際の半田接合部の間の弾性接続部品を形成できることは、留意すべきである。また、本発明が達成しようとしている、応力に対する少なくとも二次元の相殺の目的が実現されるように、半田足が全方向において弾性であることも重要である。また、半田接続要素が半田付けされる基体の表面に対して垂直方向にも、すなわち直交するようにも、半田足がそれ自体弾性であれば、特に有利である。つまり、半田接続要素に押しつけることによって半田付けする前からその全ての半田足または先端が基体表面と接触するようになるという点から、これによって、基体の潜在的な湾曲(例えば湾曲した車両用窓ガラス)がある程度までは相殺されることが可能である。
【0028】
また、半田足は、現在の観点および以下の観点から離れて、必ずしも本体の側縁に沿って一様に分布させる必要はなく、むしろ距離を変えて分離させることもできることは、留意すべきである。さらに、矩形の半田接続要素において、このタイプの半田足は、短い側面に取り付けることも可能である。本文献に示されるより架橋に似た構成は、決してこれを除外しない。また、半田接続要素の本体は、必ずしも矩形である必要はなく、機能的原則から逸脱しなければ、むしろ原則的には全く異なる外形(三角形および多角形、円形、楕円形など)であってもよい。
【0029】
図2は、接触基部のサイズを大きくしてこの半田接続要素1が非常に薄い半田層(選択的に事前錫メッキ)によって半田付けされるようにする半田面3’が、半田足3の先端に取り付けられているという点での、第一の実施形態の変形例を示す。それらの半田面3’が実際の半田足3(この場合、本体2と半田面3’との間の先に述べられた接続部品と見なしてもよい)よりも多少広いということが、一方では「接続部品」の所望の弾性に、他方ではサイズが大きくなって薄い半田層で取り扱い可能な基体側の接続または接触領域に貢献する。
【0030】
比較的多数の半田足3により、図1および図2のこれらの半田接続要素1が、例えば電気的に接触する窓ガラスヒーターなどの高電流でも使用することができる。図2では、その自由端に平板プラグコネクタ5’などが設けられている、ケーブル部Kは、半田接続要素1に固定的に半田付けまたは溶接されている。
【0031】
図3では、半田接続要素1は、先の2つの実施形態の変形例において、板金本体2から容易に切り離されることが可能な自己のプラグイン突起5を備えて構成される。2つの傾斜図は、この半田接続要素の外形を示す。上の図に示されるのはさらに、プラグイン突起5に取り付け可能な平板プラグイン接点5’を有するケーブル端Kである。ケーブルKはまた、図2に示すように、その他端にプラグコネクタ(図示せず)も備えることができる。この場合は半田足の数が少なく、半田接続要素は先に論じられた2つの実施形態よりも全体的に小さいが、このようにしてなお高電流が流されてもよい。
【0032】
半田要素1は、この実施形態では、板金片から一体として打ち抜かれることが可能である。プラグイン突起5は、打ち抜き工程と同時にまたはその前/後に切り離されることが可能である。半田足3は下向きに曲げられ、半田面3’はそこから内向きに折り返される。明らかに、半田面3’は外向きに折り返されることもできるが、これはここで示されるバージョンよりも広い空間を占有することになる。さらに、折り下げられた半田面3’を備える6つの半田足3は、この半田接続要素の半田付け品質を危険にさらすことなく、機械的および熱膨張による応力が確実に対応および相殺されるようにする。
【0033】
図4による半田接続要素1の第4の実施形態では、半田足は図3の実施形態に従って構成されているが、この場合、本体2は2つの対向する切開部6によって、(半田足3が配置されている側縁に沿った)弾性部2’をさらに備える。切開部がこの場合互いに対向しているという事実に起因して、半田接続要素の(長手方向)両側に向かう応力をほぼ均一に相殺する。これらの切開部6、またはそれによって形成される本体部分2’は、半田足の先端または表面への半田付け品質を危険にさらすことなく、そこにかかる応力の影響下で僅かな変形を受ける可能性がある。しかしながら、同時に、この実施形態の本体2は、まだそれぞれに必要とされる接触手段を取り付けるのに十分な大きさの面4も有している。しかしながら、そこから離れて、2つの切開部6の間に位置する必要がある図3に対応するプラグイン突起が設けられることも可能である。
【0034】
さらに、それに対する変形例において、膨張切開部6によって直接本体2からプラグイン突起5を形成することも考えられる。このタイプの実施形態は、図5にまとめられている。この実施形態では、切開部6は当然ながら、例えば図3に示される実施形態のような、適切な平板プラグコネクタを挿入するのに十分な間隙幅を有する自由空間を形成しなければならない。必要であれば、この場合も、(基体から離れた)プラグイン突起の上側が、先に論じられた実施形態のような接続面を提供することができる。
【0035】
この場合も、半田接続要素1の両側での距離を変えることによって半田足3が相互に離れて配置されることは留意される。これは、2つの技術的効果を実現することを意図している。一方では、電流の流れが本体2の部分2’に分配され、これらの部分はその末端側で比較的狭くなっている。他方では、これは、本体2が、この場合には同じ方向に走っている切開部6の内端の領域の方が幾分硬いということをある程度相殺する。この領域の半田足3の間の距離を伸ばした結果、前記半田足は全体として、相互により近く配置された半田足よりも、切開部6の開放端の領域で幾分耐性が弱くなっている。このタイプの半田接続要素は、必要であれば、例えば図1または図2のように、より多数の半田足を備えて構成されてもよいことは理解される。
【0036】
いずれの場合でも、半田足3および切開部で得られる全体的な弾性の結果、この実施形態も熱膨張の差に対する半田接続の良好な抵抗を確実にする。同時に、図3による実施形態のように、半田接続要素の、特にプラグイン接続に関してコンパクトな、非常に単純な設計が実現される。
【0037】
図6は、純粋に視覚的な意味で針のむしろを思い起こさせるさらなる変形を示す。数が多いと電流の伝達に必要な断面を作り出す多数のピンが、半田足3として本体2に取り付けられている。全てのピンの先端が確実に接触して電流の伝達のために十分な有効断面が得られるように、このタイプの実施形態は、基体Sの表示されている面に用意された平面半田漕7に挿入される。この場合、本体2が比較的弾性/湾曲可能であって、したがって半田接続要素の高さにおいて限定的な柔軟性を確保することができれば有利である。
【0038】
この実施形態では、プラグイン突起5は、本体2の少なくとも1つの末端側に(好ましくは一体として)成型されている。明らかに、図解から離れて、この前提は他の実施形態でも可能である。また、複数のプラグイン突起または類似の接続要素または表面が1つの半田接続要素に設けられることもまったく可能である。
【0039】
最後に、図7は、球状に湾曲または丸みを帯びていて4つの半田足3を有する一体型板金部の形状の半田接続要素1の比較的単純な実施形態を示す。ここでも、板金プレートの適切に打ち抜かれたブランクの場合、外向きまたは(好ましくは)内向きに折り曲げられた半田面が、先に論じされた例のように各半田足3に設けられてもよい。この実施形態の上面も、接続面4のために十分な空間を提供する。この接続面の両側の輪郭縁は、半田接続要素の曲線を示す。
【0040】
図7による半田接続要素1の両方の主方向へのこの球状湾曲または折り曲げは、(他の傾斜方向と同様に、90°傾斜した方向から見た場合)その突起部においてほぼ矩形であるが、これも半田足の半田接合部の品質を危険にさらすことなく、基体と半田接続要素自体との間に発生する熱膨張のいかなる差も、十分なレベルで相殺させる。必要であるとわかったら、中央接続面の領域の球状湾曲は、半田接続要素の(冷間)成型時に同じ高さにするかまたは平坦なままにすることも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続目的で設けられた本体(2)およびそこから突起している少なくとも2つの半田足(3)を有し、熱膨張の差を適応させるのに適したそれぞれ弾性的に変形可能な接続部品が本体と半田足との間に延在している、電機部品を接続するための、具体的には窓ガラスなどの脆性基体を半田付けするための、半田接続要素(1)において、表面上に半田付けするための3つ以上の半田足(3)が設けられており、熱膨張の差と接続されるべき部品からの機械的な力の効果が、本体(2)および/または半田接続要素(1)に対する半田足(3)および/または接続部品の弾性によって、基体面と平行な少なくとも2つの座標方向で適応されることが可能であることを特徴とする、半田接続要素。
【請求項2】
さらに本体(2)自体が、半田足(3)の間に働く応力を相殺するために変形可能な部分(2’)を有することを特徴とする、請求項1に記載の半田接続要素。
【請求項3】
半田足が所定の配置で固定されている配線部分によって本体が直接形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の半田接続要素。
【請求項4】
本体(2)に、切開部(6)および/または打ち抜き部が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の半田接続要素。
【請求項5】
本体(2)の切開部(6)および/または打ち抜き部がプラグコネクタ(5’)を取り付けるためのプラグイン突起(5)を形成することを特徴とする、請求項4に記載の半田接続要素。
【請求項6】
本体(2)が、溶接、半田付け、および/または接着面(4)および/またはプラグイン突起(5)および/またはプラグインソケットおよび/または押しボタンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の半田接続要素
【請求項7】
本体(2)、接続部品、および半田足(3)が、一体にまたは複数の要素として構成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の半田接続要素。
【請求項8】
プラグ部品(5’)をその自由端に備える少なくとも1つの固定的に取り付けられた可撓性導体部(K)に確実に接続されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の半田接続要素。
【請求項9】
絶縁物質を備える接続面としての役割を果たさないその外周に本体が覆われていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の半田接続要素。
【請求項10】
半田足(3)が相互に同じまたは異なる距離で配置されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の半田接続要素。
【請求項11】
本体から離れた末端に取り付けられるかまたはそこから下に折り曲げられている半田面(3’)が半田足(3)に設けられていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の半田接続要素。
【請求項12】
基体が請求項1から11のいずれか一項に記載の半田接続要素を含むことを特徴とする、基体。
【請求項13】
基体がガラス、セラミック、高分子、またはそれらの層もしくは混合物を含むことを特徴とする、請求項12に記載の基体。
【請求項14】
高分子がポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、またはそれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項13に記載の基体。
【請求項15】
基体が一枚ガラスまたは二重ガラスであることを特徴とする、請求項12から14のいずれか一項に記載の基体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−507169(P2011−507169A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537299(P2010−537299)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010314
【国際公開番号】WO2009/074264
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】