説明

半透明または透明の曲壁上のマークを分析するための方法および光学装置

本発明は、照射面Sを有する光源5と、観測の光軸Aを有するカメラ6とを用いて半透明または透明である材料よりなる曲壁3の外表面31上に設けられたマーク2を分析する方法であって、下記を特徴とする方法に関する。
・下記のようにして光源を広範囲かつ均一にする
・第1に、光源5の照射面Sの虚像S’の範囲が、マーク2の表面を完全にカバーするようにし、かつ、
・光源5の照射面Sの虚像S’の輝度が均一になるようにする
・マーク2が分析され得るように、虚像S’の表面上に重ね合わされたマーク2の表面を観測する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半透明または透明である材料よりなる曲壁の外表面上にある、例えばコードのような、一般的な意味でのマークを読み取る技術分野に関する。
【0002】
本発明は、容器、とりわけ、例えば、ボトル(bouteille)、壺(pot)、アンプル(ampoule)、小瓶(flacon)または眼用レンズなどの、ガラスまたはプラスチック材料よりなる容器、の外壁上に設けられているマーク、サインまたはコードを読み取る分野における適用が特に有利であるが、これらに限られない。
【背景技術】
【0003】
物品の曲壁上のマークまたはコードを読み取る分野では、特許文献US2006/0091214が、カメラのレンズの位置調整のために、中心に孔が設けられた拡散スクリーンを照らす光源を有する装置を提案している。カメラの軸は、拡散スクリーンの軸と同一直線上にある。拡散スクリーンには、コードを読み取るための、複数の入射角を提供する光源を構成可能な拡散チャンバが設けられている。
【0004】
なお、拡散スクリーンの表面の中心には、カメラのレンズが存在する部分に対応する、照明がない領域が存在する。物品が、例えばガラスの表面のように正反射を発生させる場合は、カメラは、検査している物品の表面において反射された光源を観測する。光源がない領域は、像の中に、コードの読み取りを妨げる暗い領域を発生させる。
【0005】
さらに、上記の文献に記載の装置は、不透明である物品上に設けられたコードを読み取ることを目的とする。図1に示されるように、2つの反射面EsおよびEiを有する透明または半透明である物品上のコード2を読み取ることは、特有の問題を生じさせる。この例では、コード2は、物品の外側の反射面Esにマークされている。このような場合には、物品の内表面Ei上での反射により形成された外表面Esの像Iが現れる。このような、物品の内表面Ei上での反射によって得られる干渉像は、コードに対してずれている。これにより、物品の外表面Es上のコードの適切な検出が阻害される。
【0006】
本技術分野では、特許文献US4,644,151により、容器上にあり、その容器が成形された成形型の番号に対応するコードを読み取ることに適した装置もまた知られている。このようなコードは、一群の起伏部またはビーズ状部からなり、それぞれは、ミリメートルオーダの径を有する。コードは光源により照らされ、起伏部により反射されたその光線は、容器上に記されたコードを判定するためのリニアカメラ(camera lineaire)により回収される。このような読み取り装置は、検査される表面に対して起伏がほとんどないまたは全くないコードの読み取りには適していない。さらに、このような装置は、例えば、1ミリメートルよりも小さな極小のパターンまたは記号を有するコードの読み取りには不適切である。さらに、このような装置は、容器の内表面上での反射に起因して発生する像による干渉を回避していない。したがって、このような装置は、容器の広い角度範囲にわたって設けられるコードを読み取るために、一定間隔でのスキャニングを必要とする。
【発明の概要】
【0007】
そこで、本発明は、小さなパターンまたは記号よりなり、反射性かつ透明または半透明である材料よりなる曲壁の外表面上に設けられているマークを信頼性の高い方法で分析するのに適した新規の光学技術を提供することにより、従来技術の欠点を改善することを目的とする。
【0008】
このような目的を達成するために、本発明は、照射面を有する光源と、観測の光軸を有するカメラとを用いる方法を提案し、半透明または透明である材料よりなる曲壁の外表面上に設けられたマークを分析する。
【0009】
本発明によれば、方法は、下記のように実施される。
・下記のようにして光源を広範囲かつ均一にする
・第1に、光源の照射面の虚像の範囲が、マークの表面を完全にカバーするようにし、かつ、
・光源の照射面の虚像の輝度が均一になるようにする
・マークが分析され得るように、虚像の表面上に重ね合わされたマークの表面を観測する
【0010】
変形実施形態では、方法は、1つの像またはカメラと壁との間の相対的な運動時において得られる一連の像を取得することにより、マークの表面を観測することを含む。
【0011】
好ましくは、方法は、光源の照射面の虚像の範囲を、曲壁の曲率に適合させることを含む。
【0012】
本発明はまた、半透明または透明である材料よりなる曲壁の外表面上に設けられたマークを分析するための装置であって、
・照射面を有する光源と、
・曲壁の外表面に実質的に垂直である観測の光軸を有するレンズが設けられたカメラと、
を備える装置を提供する。
【0013】
本発明によれば、
・光源が、
・光源の照射面の虚像の範囲が、マークの表面を完全にカバーし、かつ、
・光源の照射面の虚像の輝度が均一となるような、
均一かつ広範囲の照射構造を有する
・カメラが、虚像の表面上に重ね合わされたマークの表面の像を取得するのに適合している。
【0014】
変形実施形態では、光源が、カメラのレンズの位置に対してずれているバックライト拡散スクリーンを備える。
【0015】
一実施形態では、偏向光学素子が、カメラのレンズの前方に配置されている。
【0016】
変形実施形態では、拡散スクリーンが、対向するミラーにより両側に延長されている。
【0017】
別の変形実施形態では、ミラーが広がる平面および拡散スクリーンが広がる平面に実質的に垂直である平面において広がるミラーにより拡散スクリーンが延長されている。
【0018】
別の実施形態では、装置は拡散スクリーンと曲壁との間に光学素子を含み、光学素子が、カメラのレンズの瞳孔の平面において、光源の表面の平面の像を形成するのに適合している。
【0019】
別の実施形態では、装置はカメラのレンズと曲壁との間に配置された半透明の光学素子を含み、拡散スクリーンが、半透明の光学素子の平面に対し、カメラのレンズの入射瞳と対称に配置されている。
【0020】
好ましくは、マークが、レーザーにより得られたマーキングである。
【0021】
種々の他の特徴は、非限定的な例としての本発明の実施形態を示す、添付の図面を参照しながら以下に各々記載している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明により解決され得る干渉像の問題を説明する概略図である。
【図2】図2は、本発明に従った分析装置が動作する原理を示す正面図である。
【図3】図3は、図2のIII-III線に対応する平面図である。
【図4】図4は、プリズムが実装された分析装置の変形実施形態の平面図である。
【図5】図5は、プリズムが実装された分析装置の変形実施形態の正面図である。
【図6】図6は、フレネルレンズが実装された分析装置の他の実施形態の平面図である。
【図7】図7は、フレネルレンズが実装された分析装置の他の実施形態の正面図である。
【図8】図8は、ビームスプリッタが実装された分析装置の他の実施形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図2および図3に示されるように、本発明は、眼用レンズまたは中空の物品(容器、小瓶または筒など)のような、2つの反射面31および32を有する物品の曲壁3の外表面31上に設けられた、サイン、マーク、または、より一般的には、種々のマーキング2を光学的に分析するのに適した装置1を提供する。マーク2は、適した方法(インクの付着、レーザーマーキングなど)により人為的に設けられ、例えばバーコード、文字数字コードまたはデータマトリクスのような、一次元または二次元の種々の形態を採り得る。
【0024】
壁3は、反射性かつ透明または半透明である材料よりなる。例えば、壁3は、ガラスまたはプラスチック材料よりなる。壁3は、物品の外表面31および内表面32に対応する2つの反射面を有する。外表面31は、内表面32に実質的に平行に広がる。すなわち内表面32は、外表面31と協働して、物品の壁の厚さを規定する。外表面31は、鏡のように作用するので、正反射面といえる。
【0025】
なお、本発明の装置1は、平面ではない壁3上、すなわち、種々の曲がった形状を有する壁上、に設けられたマーク2を分析することを目的とする。図2および図3に示される例においては、壁3は、半円筒状の形状を有する。表面31および32に垂直な横断面において、外表面31は、例えば図示の縦軸を中心とする円弧のように、所定の曲率を有する。壁3は、円筒の一部分であるので、縦軸は直線である。しかし、壁3が、カメラ6の横断面に対して垂直な面においても、曲率を有するようにもできる。
【0026】
装置1は、光源5と、通常は観測の光軸Aおよび光学的視野Cを有するレンズ7が設けられたカメラ6とを含む。通常は、カメラ6の光学的視野Cは、曲壁の外表面31上に設けられたマーク2の少なくとも全体の領域をカバーすなわち観測するように調整されている。カメラ6は、通常はマトリクスカメラである。
【0027】
光源5は、外表面31を照明するための均一かつ広範囲の照射面Sを有し、外表面31は、その正反射する性質により、反射により照射面Sの虚像S’を形成する。よって、虚像S’は、外表面31上での反射後にカメラによって観測される光源5の表面に対応する。
【0028】
図3では、明確性の観点から、像S’が図2と同一の場所に示されている。この図においては、外表面31によって構成される凸面鏡の光学非点収差を無視するものとする。実際には、外表面31が、軸をとし、半径がRの円筒鏡である鏡と考えることができるとすると、図3の断面に含まれる照射面Sの水平な部分の虚像は、約R/2の距離に位置する、すなわち、外表面31により近い、水平な部分S’であり、他の部分も全て外表面31から見て同じ側の虚像となる。また、光学非点収差が存在するので、完全な分析のためには、図2における虚像Sの位置S’が図2の断面に含まれる光源Sの垂直な部分の像に対応することを厳密に考える必要がある。
【0029】
本発明によれば、光源5は、均一かつ広範囲の照射面を有する。光源5は、下記の態様を有する。
・虚像S’の範囲がマーク2の表面の領域を完全にカバーし、かつ、
・虚像S’の輝度が均一である。
【0030】
なお、光源の虚像S’の輝度が均一であることは、すなわち、影の領域を含まないということである。
【0031】
さらに、虚像S’は、マーク2の表面の領域の全体をカバーする。すなわち、虚像S’の領域は、マーク2の領域よりも小さいということがない。実際には、および、好ましくは、虚像S’の領域は、装置1と物品との間の相対的な運動に関わらず、マーク2の表面が虚像S’の表面によって完全にカバーされることが確実になるように、マーク2の領域よりも大きくする。好ましくは、虚像S’の領域は、マーク2の領域の少なくとも1.5倍よりも大きくする。
【0032】
なお、カメラ6は、マーク2の背景にある、光源5の表面Sの虚像S’を観測する。このマーク2および虚像S’は、視野Cに含まれ、マーク2は、虚像S’内に含まれる。
【0033】
なお、光源5は、虚像S’の強度が干渉光によって妨げられないような背景を構成するのに十分なものである。光源5は、パルス光源であってもよく、または、連続光源であってもよい。
【0034】
光源5の表面Sの寸法は、上記の記載に直接的に基づく。カメラ6は、その光学的視野Cにおいて、反射された光源の虚像S’の表面を観測する。光学的視野Cの外縁C’は、光源5の表面Sの寸法(高さおよび幅)を規定する。図示の例において、表面Sの幅は、横断面に沿う、すなわち、表面31および32に垂直である。一方、高さは縦軸に沿う。
【0035】
好ましくは、光源5の表面Sは、外表面31上での反射後の観測の軸Aの像A’を中心とする。
【0036】
本発明の好ましい特徴によれば、観測の方向、すなわちカメラの観測の光軸Aは、壁の外表面31に実質的に垂直である。外表面31での反射後の観測の軸Aの像A’もまた外表面31に実質的に垂直であるので、観測の入射角αは小さい。観測の光軸Aと、反射後の観測の光軸Aの像A’とは、実質的に平行である。本発明の意味するところでは、観測の光軸Aと、観測の軸の像A’とは、両者間の角度が10°よりも小さいまたは10°に等しければ(α≦5°)、さらには、好ましくは6°に等しければ(α=3°)、実質的に平行とする。観測の方向が外表面31に垂直であれば、内表面32上での反射により形成される外表面の二次的な像は、外表面31の主の像に一致し、マーク2が二重になる干渉像は現れない。
【0037】
本発明から理解されるように、カメラ6は、光源の虚像S’上に重ね合わされたマーク2の表面の像を取得するのに適している。換言すると、カメラ6は、虚像S’上に重ね合わされたマーク2を観測するのに適している。マーク2および虚像S’は、観測の軸A上で実質的に一致している。
【0038】
カメラ6によって取得された像は、マーク2の分析または読み取りに適したプロセッサユニットによって処理される。照明および観測の条件が上記の態様であれば、取得される像の中には干渉像は現れず、像の中においてマーク2は良好で均一なコントラストを有するので、マークは、高い信頼性で読み取られ得る。
【0039】
図4および図5は、本発明に従った装置の第1の実施形態を示し、観測の光軸Aを偏向させるために、プリズムなどの光学素子11がカメラのレンズ7の前方に配置されており、装置1をより小型にしている。例えば、レンズ7は、プリズム11が端部に設けられている管12により延長されている。
【0040】
この実施形態では、光源5は、例えば一群の発光ダイオード(LED)により構成される、発光体14によるバックライトの(retro-eclaire)拡散スクリーン13を有する。照射面Sを規定する拡散スクリーン13は、カメラのレンズ7の位置に対してずれている。換言すると、拡散スクリーン13は、カメラ6から分離している。上記の図示された実施形態では、拡散スクリーン13は、プリズム11の下側に配置される。すなわち、拡散スクリーン13は、物品の縦軸に沿って、レンズ7の位置に対してずれている。拡散スクリーンとプリズムのそれぞれを、拡散スクリーン13がプリズム11の上側になるように、合計180°旋回させて配置させることもできる。
【0041】
好ましくは、カメラ6と、管12によって延長されたレンズ7とが開放箱16内に設けられ、プリズム11による偏向の前の観測の光軸が、物品の縦軸に垂直となる。拡散スクリーン13は、プリズム11の下側に配置され、表面Sの法線は、物品の縦軸に垂直である。LED14は、拡散スクリーン13の後方に設けられる。
【0042】
拡散スクリーン13は、光源5の領域を人為的に増大させるために配置されたミラー17によって、その両側で、所望の方向、図示の例では特に、曲がった外表面31に接する平面における水平方向に延長されている。すなわち、光源5の表面Sは、ミラー17で反射された表面Sの虚像に対応する表面S1だけ両側で増大している。例えば、ミラー17は対向し、縦軸に平行に配置されながら、拡散スクリーン13を延長する。ミラー17の存在により、縦軸に垂直な水平方向において、拡散スクリーン13の領域を人為的に増大させることができる。すなわち、光源5の領域は、光源5の表面の領域Sと、2つのミラー17の表面の領域S1との総和に相当するので、箱16の幅に対して、光源5の領域(幅)は水平に延長される。ミラーの存在により、光源5の幅方向のサイズを増大させなくても、物品の周囲または周辺側に観測域を増大させ得る。
【0043】
すなわち、本発明は、光源5の照射面Sの虚像S’の範囲を、曲壁3の曲率に適合させることができる。すなわち、壁3の曲率が大きくなれば(その曲率半径が小さくなれば)、光源5の表面の幅を大きくすればよい。
【0044】
他の変形実施形態では、第2の方向に、すなわち垂直軸に沿って、光源5の表面の領域を人為的に増大させることができる。この例では、拡散スクリーン13は、ミラー17が広がる平面および拡散スクリーン13が広がる平面に実質的に垂直な平面において広がるミラー19によって延長される。すなわち、光源5の表面の領域は、ミラー19上での反射に起因する表面Sの虚像に対応する領域S2の分だけ、垂直な面において増大する。
【0045】
図6および図7は、分析装置1が拡散スクリーン13と曲壁3との間に光学素子21を含む、他の実施形態を示す。光学素子21は、カメラ6のレンズ7の瞳孔の平面において、光源5の表面Sの平面の像を形成するのに適している。すなわち、例えばフレネルレンズなどの光学素子21は、光源5の平面を物品の縦軸上で結ばせるように作用する。壁の外表面31上での反射後には、光線は、レンズによって、レンズ7の瞳孔において結ばれる。このようにして、像において、光源5の表面Sは、曲がった外表面31に接する平面に含まれる水平方向に、均一かつ広範囲に現れる。
【0046】
この例では、レンズ7が設けられたカメラ6は、LED14によるバックライトから照らされる拡散スクリーン13の上側に配置され、フレネルレンズ21を通過する前は、観測の軸と照射の光軸とは、互いに平行である。なお、観測の軸および照射の軸は、フレネルレンズ21を用いることにより、10°よりも小さい角度を形成するようになるので、影を投じることを防ぐことができる。
【0047】
図8は、観測の軸と、照射の軸とが同一直線上にある、他の実施形態を示す。この例では、光源を拡散させるスクリーン13の表面は、壁の外表面31上で反射された後に、カメラによって観測される。壁上での反射の後に拡散スクリーン13のこの表面が水平方向に広範囲に現れることを確実にするために、フレネルレンズ21が、例えば、レンズ7と壁との間に配置されてもよい。このようにすれば、光源の平面が、物品の縦軸に一致する。壁の外表面での反射の後に、光線は、フレネルレンズ21によって、レンズ7の瞳孔において結ばれる。すなわち、像において、拡散スクリーン13の表面は、曲がった外表面31に接する平面に含まれる水平方向に、均一かつ広範囲に現れる。
【0048】
なお、観測の光軸Aは、物品の縦軸に垂直である。観測の軸と、照射の光軸とを一致させるために、半透明の光学素子23が、カメラ6のレンズ7と曲壁の外表面31との間に配置される。この例では、バックライト拡散スクリーン13は、半透明の光学素子23の平面に対し、カメラ6のレンズ7の入射瞳と対称に配置される。
【0049】
上記から、本発明に従った装置1は、良好な状態で、反射性かつ透明の壁上のマーク2を取得するように作用することが分かる。本発明の装置1は、図9に示されるような、ガラスの容器の壁3上に形成されたマトリクスコードのような二次元のマーク2を読み取るのに特に有利なアプリケーションである。好ましくは、マトリクスコードは、レーザーエッチングにより加熱して容器上に設けられたデータマトリクスコードである。図10に示されるように、本発明の装置1は、光源の虚像上に重ね合わされたコード2の表面の像30を取得するように作用する。像30の背景は、壁により反射された光源の像によって構成されるので、像30の背景は薄暗い。コード2の種々の点は、光を偏向させるので、像30の中で暗くなっている。光源は、コード全体を含む円状の区域を照らし、上記で説明したように、二次元、すなわち物品の垂直軸に対して平行方向および垂直方向に、均一に現れる。図10において明確に見られるように、この方法で得られた像は、良好な解像度を示す。
【0050】
さらに、このような装置1は小型であるので、持ち運び可能な読み取り装置の形態で実施することができ、また、物品のインライン検査のための機械に実装させることが容易にできる。なお、単一の像、または、例えば回転運動のような、カメラと壁との間の相対運動時における一連の像を取得することにより、マーク2を観測することもできる。相対運動時には、像は、重なることもあるが、マーク2を読み取るために、一緒に分析される。
【0051】
本発明は、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であり、上記および図示の例に限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射面(S)を有する光源(5)と、観測の光軸(A)を有するカメラ(6)とを用いて、半透明または透明である材料よりなる曲壁(3)の外表面(31)上に設けられたマーク(2)を分析する方法であって、下記を特徴とする方法。
・下記のようにして前記光源を広範囲かつ均一にする
・第1に、前記光源(5)の前記照射面(S)の虚像(S’)の範囲が、前記マーク(2)の表面を完全にカバーするようにし、かつ、
・前記光源(5)の前記照射面(S)の前記虚像(S’)の輝度が均一になるようにする
・前記マーク(2)が分析され得るように、前記虚像(S’)の表面上に重ね合わされた前記マーク(2)の表面を観測する
【請求項2】
1つの像または前記カメラと前記壁との間の相対的な運動時において得られる一連の像を取得することにより、前記マーク(2)の表面を観測することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光源(5)の前記照射面(S)の前記虚像(S’)の範囲を、前記曲壁(3)の曲率に適合させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
半透明または透明である材料よりなる曲壁(3)の外表面(31)上に設けられたマーク(2)を分析するための装置であって、
・照射面(S)を有する光源(5)と、
・前記曲壁の前記外表面(31)に実質的に垂直である観測の光軸(A)を有するレンズ(7)が設けられたカメラ(6)と、
を備え、下記を特徴とする装置。
・前記光源(5)が、
・前記光源の前記照射面(S)の虚像(S’)の範囲が、前記マーク(2)の表面を完全にカバーし、かつ、
・前記光源(5)の前記照射面(S)の前記虚像(S’)の輝度が均一となるような、
均一かつ広範囲の照射構造(S)を有する
・前記カメラ(6)が、前記虚像(S’)の表面上に重ね合わされた前記マーク(2)の表面の像を取得するのに適合している
【請求項5】
前記光源(5)が、前記カメラ(6)の前記レンズ(7)に対してずれているバックライト拡散スクリーン(13)を備えることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
偏向光学素子(11)が、前記カメラ(6)の前記レンズ(7)の前方に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記拡散スクリーン(13)が、対向するミラー(17)により両側に延長されていることを特徴とする、請求項4または5に記載の装置。
【請求項8】
前記ミラー(17)が広がる平面および前記拡散スクリーン(13)が広がる平面に実質的に垂直である平面において広がるミラー(19)により前記拡散スクリーン(13)が延長されていることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記拡散スクリーン(13)と前記曲壁との間に光学素子(21)を含み、前記光学素子(21)が、前記カメラ(6)の前記レンズ(7)の瞳孔の平面において、前記光源の表面の平面の像を形成するのに適合していることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記カメラ(6)の前記レンズ(7)と前記曲壁との間に配置された半透明の光学素子(23)を含み、拡散スクリーン(13)が、半透明の前記光学素子(23)の平面に対し、前記カメラ(6)の前記レンズ(7)の入射瞳と対称に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項11】
前記マーク(2)が、レーザーにより得られたマーキングであることを特徴とする、請求項4に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−527476(P2011−527476A)
【公表日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517204(P2011−517204)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051344
【国際公開番号】WO2010/004205
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(509083201)
【Fターム(参考)】