説明

単分散ポリマー粒子の製造法

【解決手段】モノマーを単分散の膨潤可能なポリマー/オリゴマーを含む水性分散液と接触させて、立体安定剤の存在下で重合を開始することによって形成される単分散ポリマー粒子の製造法。
【効果】得られた膨潤した種子粒子は、粒子モード径を特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的に単分散のポリマー粒子の製造における改良法および実質的に単分散のポリマー粒子の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
単分散ポリマー粒子(すなわち10%未満、好ましくは5%未満、そしてさらに好ましくは3%未満の変動係数を有する粒子)は、ここ数年、市販されており、多くの技術分野(例えば医薬、分離プロセス、トナー、フィルタ、スペーサなど)で用途を見出されている。
【0003】
ポリマービーズは、水性分散液中のポリマー種子にモノマーおよび重合開始剤(すなわち触媒)を拡散することによって製造することができる。種子の膨潤およびそれに続く重合の開始(例えば、加熱して開始剤を活性化することによる)によってより大きいポリマー粒子が製造される。膨潤および重合による最大体積増加は、約5倍以下である。最近、Professor John Ugelstadは、大量のモノマーを使用して種子を膨潤させる前に、比較的低分子量で低水溶性の有機化合物を種子中に拡散させると、種子の膨潤力を125倍かまたはそれを超える体積増加に高めることができることを見出した。その効果はエントロピーに基づくものであり、特に有機化合物の化学的性質によるものではない。好適に、重合開始剤をこの目的のために使用することができる。有機溶媒(例えばアセトンまたは比較的少量のモノマー)を使用して、種子中への有機化合物の拡散を高めることができる。この「Ugelstad重合法」(これは、例えばEP-B-3905 (Sintef)(特許文献1)およびUS-A-4530956 (Ugelstad)(特許文献2)に記載されている)は、所望の粒径を得るため、必要に応じていくつかの膨潤および重合段階を実施して単分散粒子を製造するのに使用することができる。
【0004】
また、WO 92/16581 (Cornell Research Foundation)(特許文献3)は、単分散粒子(特にマクロポーラスポリマービーズ)の製造法を記載している。記載された方法は、可溶性ポリマー粒子、モノマー相および水を含む三相エマルジョンを使用している。また、三相エマルジョンは、乳化剤および懸濁安定剤を含む。ポリマー粒子は、モノマーを吸収して膨潤してから重合する。この方法では、可溶性ポリマー種子粒子は、形状/サイズ調節剤として、および多孔化剤の両者として作用する。初期(すなわち膨潤前)の粒子は、約0.5〜10μmの直径を有し、2〜5μmが最も好ましく、エマルジョン重合または分散重合といったような従来技術よって製造される。
【0005】
Ugelstad法の単純化されたバージョンでは、膨潤力の強化は、単にオリゴマー種子粒子(例えば、オリゴマーの重量平均分子量が50モノマー単位まで、または5000ドルトンまでに相当するもの)を使用することで達せられる。
EP-B-3905(特許文献1)とUS-A-4530956(特許文献2) (これらの開示は本願明細書に引用したものとする)に記載された方法および単純化されたUgelstad法は、比較的複雑で能率が悪い。WO 92/16581(特許文献3)に記載された方法は、EP-P-3905(特許文献1)およびUS-A-4530956(特許文献2)に開示されたものよりも特に改善されているわけではない。WO 92/15681(特許文献3)の要点は、実質的に均一なサイズのマクロポーラスポリマービーズの製造法であり、得られた不溶性の発泡ビーズから(最初の)可溶性ポリマーを抽出することでマクロ多孔性が得られるものであると考えられる。ビーズのサイズを制御する上で、ポリマー種子の分散重合の際に立体安定剤を添加することが有用であるということは、当分野では周知である。したがって、このWO 92/16581(特許文献3)の特徴は、明白で周知の好都合な方法の特徴を本発明の方法に恣意的に採用した他は何も示していないと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP-B-3905
【特許文献2】US-A-4530956
【特許文献3】WO 92/16581
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの方法は、すべて改善が必要であり、特に、様々な化学的または物理的特性を有する単分散ポリマー粒子の製造を容易にする改善が必要である。
所望サイズの粒子の凝集および重合段階における小粒子の形成を避けるためには、水相中でポリマーの立体安定剤を使用することが重要である。驚いたことに、膨潤により25μm未満のサイズの粒子を生成する場合、立体安定剤としてポリビニルピロリドン(PVP)を使用することで小さめの粒子の形成は本質的に避けられるのに対して、膨潤により5μmより大きいサイズの粒子を生成する場合、セルロースエーテルが立体安定剤として効果的に作用することが分かった。PVPは、16μmより大きい粒子を安定化するのに使用することもできるが、特に16μmまでの粒子に使用することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、単分散ポリマー粒子の製造法を提供するものであって、その方法は、
1) (a) (i)単分散の膨潤可能な種子ポリマー(またはオリゴマー)粒子、(ii) 5000ドルトン未満の分子量および25℃で10-2g/L未満の水溶解度を有する有機化合物(例えば重合開始剤)を含む液滴、(iii)アニオン界面活性剤、および場合により(iv)前記有機化合物が可溶な有機溶媒を含む水性分散液を形成し、そして(b)前記有機化合物を前記種子粒子中に拡散させる;または
(a)単分散の膨潤可能な種子オリゴマー粒子および好ましくはアニオン界面活性剤を含む水性分散液を形成する;のいずれか一方、
2) 種子粒子の水性分散液を、モノマー(これは、前記有機化合物が存在する場合、前記有機化合物よりも少なくとも10倍水溶性である)ならびに必要に応じて水溶性の立体安定剤、必要に応じて多孔化剤、および必要に応じて重合開始剤と接触させ、そして前記モノマーを前記種子粒子中に拡散させて、膨潤した種子粒子の水性分散液を形成し;そして
3)膨潤した種子粒子の水性分散液中で前記モノマーの重合を開始する:ことからなる方法であって、
前記膨潤した粒子のモード径が、5μmより大きい場合、膨潤した種子粒子の前記水性分散液の水相が、重合の際にさらに立体安定剤として水溶性のセルロースエーテルを含むか、または前記膨潤した粒子の前記モード径が1〜25μmの範囲である場合、膨潤した種子粒子の前記水性分散液の水相が、重合の際にさらに立体安定剤としてポリビニルピロリドンを含むことを特徴とする。
【0009】
別法として、上記方法の特徴2)は、代わりに、種子粒子の水性分散液をモノマー(これは、前記有機化合物が存在する場合、前記有機化合物よりも少なくとも10倍水溶性である)と接触させ、そして前記モノマーを前記種子粒子中に拡散させて膨潤した種子粒子の水性分散液を形成し、そして必要に応じて水溶性の立体安定剤を添加し、必要に応じて多孔化剤を添加し、そして必要に応じて重合開始剤を添加することを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例15〜17で製造した分散粒子の膨潤度(体積による)を水からTHFまで、そして水から酢酸ブチルまで示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記方法において、膨潤した種子粒子の前記水性分散液の水相が重合の際に、さらに立体安定剤として水溶性のセルロースエーテルを含む場合、前記膨潤した粒子のモード径は、15μmより大きいことが好ましい。
膨潤した粒子を形成する際に、水溶性セルロースエーテルを使用する場合、膨潤した粒子のモード径は、200μm未満であることが好ましい。
【0012】
PVPは、好ましくは10〜2000kD、さらに好ましくは25〜1500kD、特に好ましくは30〜1000kDの重量平均分子量を有する。膨潤した粒子が1〜25μm範囲の下端のサイズを有する場合、より低い分子量のPVPを使用することが好ましく、そして膨潤した粒子がその範囲の上端のサイズを有する場合、より高い分子量のPVPを使用することが好ましい。したがって、例えば20〜80kD(例えば30kD PVP)は、特に8μmまでの膨潤した粒子サイズに適しているのに対して、900〜1500kDのPVPは、8μmより上の膨潤した粒子サイズに特に適している。このようなPVPの好適な例としては、PVP K30およびPVP K90 (例えば、International Speciality Products および Flukaから入手可能)が含まれる。
【0013】
適切なセルロースエーテルの例としては、アルキルセルロース、好ましくはC1-4-アルキルセルロース; および(ヒドロキシアルキル)アルキルセルロース、好ましくは(ヒドロキシ-C1-4-アルキル)- C1-4-アルキルセルロース、さらに好ましくは(ヒドロキシ-C1-4-アルキル)メチルセルロースが含まれる。一般的に、これらのセルロースエーテルは、10〜100kD、特に15〜80kDの範囲の重量平均分子量を有する。このような物は、置換の度合いや分子量の程度が異なる範囲で、例えばBenecel MP 333C、Benecel MP 651C、Culminal MEPC 1500、Culminal MHPC 400、Walocel MK 400 PFVおよびMethocel K100として市販されている。2%の水溶液中で21℃の時に50〜150mPa・s の粘度を生じるセルロースエーテルは特に好ましい。
【0014】
本発明では、体積によるサイズの増加(すなわち、膨潤した粒子体積の種子粒子体積に対する比率)は、30〜1000倍の間である。直径の増加についての対応する比率が3.5以上であることは、好ましい実施態様である。
上記の詳述した方法の工程は、単分散ポリマー粒子を製造するためのUgelstad重合法における最終的な膨潤および重合段階または中間の膨潤および重合段階を表していることに注意しなければならない。
【0015】
モノマー(またはモノマーの混合物)を含む混合物は、ポリマー粒子と接触させるような時には、水性分散液の形であることが好ましい。重合開始剤をポリマー粒子の水性分散液と接触させる場合にも、また、好ましくは水性エマルジョンの形であり、好ましくは重合可能なもしくは重合可能でない有機溶媒、例えばアルコール(特にC1-4アルカノール)、エーテル(特に環状エーテル)、ケトン(例えばアセトン)、ジアルキルスルホキシド、ジアルキルホルムアミド、モノマーなどを含む。しかしながら、アセトンのような水と混和性の溶媒が好ましい。両者のこのようなエマルジョンの液滴サイズは、好ましくは5μm以下、例えば0.1〜1μm、特に0.3〜0.6μmである。これは、強力ミキサー、例えば圧力ホモジナイザー(例えばGaulinホモジナイザー)またはローター固定子ミキサーを使用して製造することができる。立体安定剤(存在する場合)は、モノマーと一緒にまとめて、あるいは分けて種子粒子の水性分散液に加えることができる。追加の立体安定剤が必要ならば、水溶液の形で加えるのが好ましい。重合媒体中の立体安定剤の濃度は、ポリビニルピロリドンについては、好ましくは1〜40g/L、特に4〜25g/Lであり、そしてセルロースエーテルについては、0.1〜10g/L、特に1〜5g/Lである。
【0016】
Ugelstad重合法では、初期の実質的に単分散の種子ポリマー粒子を、乳化重合によって好適に製造することができる。本発明者らは、特に適切な初期の種子粒子は、実質的に酸素を含まない条件下で乳化重合を実施することによって製造することができることを見出した。したがって、さらなる態様から見ると、本発明は、単分散ポリマー粒子の製造法を提供し、その方法は、
1) 実質的に酸素を含まない条件下で乳化重合によって単分散の膨潤可能な種子粒子を調製し;
2) 前記種子粒子が非オリゴマー性である場合(そして場合によりそれがオリゴマー性である場合)、
(a) 前記種子粒子を5000ドルトン未満の分子量および25℃で10-2g/L未満の水溶解度を有する有機化合物(例えば、重合開始剤)、アニオン界面活性剤ならびに場合により、その中に前記有機化合物が可溶である有機溶媒を含む水性分散液と接触させ、そして
(b) 前記有機化合物を前記種子粒子中に拡散させ;
3) 種子粒子の水性分散液をモノマー(これは、前記有機化合物を使用する場合、前記有機化合物よりも少なくとも10倍水溶性である)と接触させ、そして前記モノマーを前記種子粒子中に拡散させて膨潤した種子粒子の水性分散液を形成し;そして必要に応じて水溶性の立体安定剤を加え、必要に応じて多孔化剤を加え、そして必要に応じて重合開始剤を加え;そして
4) 連続相にて立体安定剤を含む水性分散液中で前記モノマーの重合を開始することからなる。
【0017】
所望により、得られた粒子をさらに、膨潤および重合させてより大きい単分散ポリマーまたはオリゴマー粒子を得ることができる。これらの段階のいずれかで1〜25μmのサイズを有する膨潤した粒子を調製する場合、ポリビニルピロリドンを立体安定剤として使用することが好ましく、そして15μmより大きいサイズを有する膨潤した粒子を調製する場合、セルロースエーテルを立体安定剤として使用することが好ましい。セルロースエーテルは、また、前記膨潤した粒子のモード径が5〜15μmである場合も立体安定剤として使用することができる。膨潤した粒子が5μm未満、特に2μm未満の粒径を有する場合、そして特に使用する有機化合物が重合開始剤である場合、界面活性剤としてC8-16アルキルスルフェートまたはスルホナート、特にドデシルスルフェート(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)を使用することが好適であり、それは、これらが安定剤および開始剤の両者の取込み促進剤としての役割を果たすからである。種子粒子が1μm未満のモード粒子径を有する場合、界面活性剤は、特に好ましくはドデシル硫酸ナトリウムである。
【0018】
モノマーがアミノ官能化モノマーである場合(または、二つ以上のモノマーを使用して一つのコモノマーがアミノ官能化モノマーである場合)、種子粒子が膨潤した後に開始剤を加えるのが好ましいので、有機化合物(すなわち、EP-B-3905の物質I)としては、非開始剤(例えばアジピン酸ジオクチルのような物質)を使用することが好ましい。このようなアミノモノマーについては、開始剤は、好ましくはアゾ化合物、例えば2,2'-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)またはアゾビス-ジメチルバレロニトリルである。他のモノマー、特にビニルモノマー(例えば、スチレン)およびアクリルモノマーについては、過酸化物開始剤(例えば、ジベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t-ブチル-パーオキシベンゾエート、t-ブチル-パーオキシピバレートおよび特にジオクタノイルパーオキサイド)を使用すること、および種子粒子の膨潤を促進する有機化合物として開始剤を使用することが好ましい。
【0019】
一般に、熱によって活性化される重合開始剤を使用するのが好ましい。この方法では、重合が起こるよりも低い温度で開始剤とモノマーとを、膨潤した種子粒子中に取り込み、次いで水性分散液を重合が起こる温度(例えば、50〜90℃、さらに一般的には60〜85℃)に加熱することができる。重合中、水性分散液は粘着状態となるので、分散液はできるだけ穏やかに、しかも均一な分散を維持するために十分に撹拌しなければならない。
【0020】
最終的な膨潤および重合段階では、残留モノマーの量を減らすため重合段階の終わりに、例えば70〜95℃に昇温することが好ましい。
所望サイズの単分散ポリマー粒子の製造(これには膨潤および重合のサイクルが2回以上、例えば多くとも10回までこのようなサイクルが必要でありうる)に続いて、ポリマー粒子の表面は、所望により誘導体化することができる。例えば、二官能性試薬(例えばジアミン)と、最終的な重合段階に使用するモノマー中に存在する官能基との反応により、所望の官能基(例えば、アミン、カルボキシル、エポキシ、ヒドロキシルなど)を導入するのに役立つ。このような官能基は、官能化されたモノマーまたはコモノマー(例えば、メタクリル酸グリシジル、HEMA、MMAまたはアミノスチレン)の使用によって、同様に導入することができる。このような基は、得られた粒子として有利であり、コンビナトリアル化学、ペプチド合成、担体触媒およびクロマトグラフ分離のような応用分野における最終用途に特に適している。
【0021】
所望の最終用途に応じて、単分散ポリマー粒子は、コーティング(例えば、金属コーティングにより)することができ、例えば、磁性結晶、特異結合の相手(例えば、抗体、アビジンまたはストレプトアビジンなど)、またはその表面に結合した、あるいは細孔中もしくは表面上に付着した触媒のような物質を保持することができるし、または発泡させる(例えば、発泡剤を使用して)ことができる。
【0022】
膨潤および重合段階は、例えば、界面活性剤、安定剤、有機溶媒などの物質の存在下にて水性分散液中で実施され、これらは粒子から除去することが望ましい。同様に、重合して架橋されたポリマーを製造する場合、例えば、クロマトグラフィに使用する際に漏出を避けるために、種子粒子を形成する鎖状ポリマーまたはオリゴマーを除去することが望ましい。一般に、水-混和性有機溶媒(架橋されたポリマーは不溶性である)またはこのような溶媒の水溶液は、このために使用することができる。しかし、これに関しては、Ugelstad重合法の望ましくない残留物を除去する際のその驚くべき有効性から考えると、酢酸ブチルを使用することが特に適切である。この使用は、本発明のさらなる態様を形成する。この態様から見ると、本発明は、単分散ポリマー粒子、特に水性分散液中で種子ポリマーまたはオリゴマー粒子を膨潤させた種子粒子内でモノマーを重合させることによって製造された粒子の洗浄法を提供し、この方法は、例えば酢酸ブチルまたはその溶液を用いた洗浄またはすすぎによって、前記単分散ポリマー粒子を酢酸ブチルと接触させることを含む。
【0023】
初期ポリマー種子(すなわち、Ugelstadの膨潤および重合技術によって製造されてない粒子)は、分散重合または乳化重合によって製造することが好ましく、後者の場合、実質的に酸素を含まない条件下(例えば、不活性ガス雰囲気下、例えばアルゴン、ヘリウムなどの希ガス)で、しかも水相中の酸素含量が0〜5ppm、さらに特定すると0〜3ppm、好ましくは0〜2ppm、特に0.01〜2ppmであることが好ましい。これは、使用前に水を沸騰させるか、またはさらに好ましくは、液体試薬を窒素でパージすることによって実施することができる。窒素で液体試薬をパージする時に、必要な時間の長さはパージする体積に左右される。例えば、2リットルの容器をパージする時は、1〜50分間のパージ時間が好ましく、特に好ましくは少なくとも10分間のパージである。
【0024】
乳化重合の水相は、アニオン界面活性安定剤、例えば、C8-16アルキルスルフェート(デシルスルフェート、例えば、ナトリウムデシルスルフェート)を含む。これは、その臨界ミセル濃度より低い濃度で存在することが好ましい。
膨潤していない初期種子は、好ましくは0.2〜1μm(特に0.3〜0.7μm、とりわけ0.4〜0.6μm)の範囲のモード粒子径を有する。これは、モノマー、水および界面活性剤を混合し、加熱(例えば、80℃)し、そして強力な撹拌下で開始剤を投入することによって実施することができる。乳化重合によって調製される初期種子は、好ましくはスチレンポリマーである。その後の種子は、都合のよいことにポリマー性またはオリゴマー性であってもよい。
【0025】
本発明の方法について、上記詳述した方法の工程において、重合開始剤を有機化合物(すなわちEP-2-3905の方法の物質I)として使用する場合、それは、有機過酸化物(例えば、tert-ブチルパーオキシネオデカノエート、とりわけジオクタノイルパーオキサイド(DOP))であるのが好ましく、そして、水、アニオン界面活性剤(好ましくはナトリウムドデシルスルフェートまたはスルホネート)および有機溶媒(例えば、アセトン)を使用してファインエマルジョンにすることが好ましい。モノマーは、過酸化物開始剤のための溶媒として使用してもよいが、使用しないのが好ましく、溶媒として使用するならば、比較的少量のモノマーしか使わないことが好ましい。
【0026】
一般に、乳化は高圧ミキサー(例えば、圧力ホモジナイザー)またはローター固定子ミキサーを用いて実施して0.05〜5μm、より好ましくは0.05〜0.5μm、特に0.05〜0.3μmの範囲のモード液滴径を得ることが好ましい。乳化の間は、界面活性剤は、その臨界ミセル濃度より高い、例えば、3〜10g/L、より好ましくは4〜6g/Lの濃度で存在することが好ましい(ドデシル硫酸ナトリウムの臨界ミセル濃度は、約2.5g/Lである)。しかし、重合段階の間は、界面活性剤は、その臨界ミセル濃度より低い、例えば1.5g/L未満(好適には0.1〜1.0g/L)の濃度で存在することが好ましい。これは、いずれも、エマルジョン形成後、重合開始前に希釈(例えば、水による)によって行うことができる。別法として、所望の濃度は、エマルジョン形成後、重合開始前に例えば、水または立体安定剤の溶液による希釈によって実施することもできる。さらなる選択肢として、所望の濃度は、エマルジョン形成前に立体安定剤の適切に希釈された溶液を加えることによって得ることもできる。
【0027】
ポリマー種子粒子による有機化合物の取込みの際に、分散液の温度は、20〜50℃の間に維持するのが好ましく、これは、それより低い温度では、沈殿が生じることがあり、それより高い温度では、新たな粒子を形成し得るからである。一般に、25℃±2℃の温度が好ましい。
この取込み段階の間は、分散液を撹拌することが好ましい。取込みに必要な時間は、種子直径、有機化合物の量および性質、エマルジョン液滴サイズ、ならびに界面活性剤および有機溶媒の量および性質によって左右される。一般に1〜5日の期間(とりわけ2〜3日)で十分である。有機化合物が開始剤である場合、範囲外サイズの粒子の発生を防止するために、取込みが少なくとも実質的に完了していることが重要である。
【0028】
有機化合物取込みの際の、分散液の有機溶媒濃度は、5〜15%w/w が好適である。
本発明の方法において使用するモノマーおよびコモノマーは、好ましくはビニルモノマー(例えば、スチレン)、アクリルモノマーおよびメタクリレートモノマーならびにそれらと共重合可能なモノマー、例えば、スチレン、ジビニルベンゼン(DVB)、エチルビニルベンゼン、ビニルピリジン、アミノ-スチレン、メチル-スチレン、エチレンジメタクリレート、(EDMA)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸グリシジル(GMA)、ビニルベンジルクロライド(VBC)、塩化ビニル(VC)、ジメチルスチレン、エチルスチレン、エチル-メチル-スチレン、p-クロロスチレン、2,4-ジクロロスチレン、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸、エチルメチルメタクリレート、マイレン酸、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチルおよびアクリロニトリルである。
【0029】
本発明の方法において、例えば乳化重合によって作られる初期ポリマー種子は、ポリマーである。特に好ましくは、初期ポリマー種子は、スチレンホモポリマーまたはコポリマー、例えば、スチレンホモポリマーまたはスチレン-ジビニルベンゼンコポリマーである。最も好ましくは、乳化重合によって調製される初期種子は、ホモポリマー、特にポリスチレンである。他の技術(例えば分散重合)によって調製される初期種子は、ホモポリマーまたはコポリマーであってもよく、そしてオリゴマー性であってもポリマー性であってもよい。このような種子は、典型的にはモード径が1〜10μmで、そして場合により、いくつかの架橋剤を含むことができる。一方、本発明で使用する乳化重合によって調製された初期種子は、典型的には直径約1μm以下である。
【0030】
中間種子は、ポリマーまたはオリゴマー種子のいずれであってもよい。本明細書を通して、オリゴマーとは、例えば、50まで、とりわけ10〜25のモノマー単位に相当する低い重量平均分子量(例えば、5000ドルトンまで、例えば1000〜4000D、特に1500〜3000D)を有するポリマーを指すものである。オリゴマー種子は、その膨潤力が一般に、より長い鎖状ポリマーのものより非常に大きいという長所を有している。
【0031】
中間のすなわちより大きいサイズの種子(例えば、膨潤前に約1μm以上のモード粒子径を有する)については、US-A-4186120中にUgelstadによって記載されているように連鎖移動剤(例えば、ハロゲン化アルカン)を配合することが望ましい。これは、重合段階において二山分布の分子量分布を有するポリマーを調製し得るという長所がある。低い方の分子量成分は、その重合段階で調製された粒子に、後に続く膨潤および重合段階のためのより大きい膨潤力をもたらす結果となる。
【0032】
連鎖移動剤の使用に対する選択肢として、高い開始剤濃度を、オリゴマーの調製において使用することができる。これに関しては、US-A-4530956 (Ugelstad)(この開示は引用したものとする)の技術を使用することができる。
また、粒子の核形成を防止するために、水相中に水溶性の重合禁止剤(例えば、ヨウ化カリウム)を含むことが好ましい。
【0033】
多孔性の生成物が望まれる場合、多孔化剤を、好ましくは少なくとも最終的な膨潤および重合段階において膨潤した種子粒子中に配合しなければならない。「多孔化剤」として使用することができるのは、重合段階で重合せず、しかも重合後に粒子から除去することによって多孔性粒子が製造される有機物質である。また、多孔化剤は、発泡剤として使用することができ、このような物質を含浸させた粒子は、加熱して多孔化剤が蒸発するにつれて膨張する。適切な多孔化剤の例としては、有機酸、アルコール、エステル、芳香族溶媒、12個までの炭素を有する置換されていてもよい脂肪族炭化水素、例えば、トルエン、シクロヘキサノール、酢酸ブチル、プロパン、ペンタン、シクロペンタン、シクロブタン、ヘプタン、塩化メチル、塩化エチル、ジクロロジフルオロメタンなどが含まれる。トルエンおよびn-ヘプタン(特に1:10〜10:1、とりわけ1:4〜4:1の体積比)が好ましい。多孔化剤は、モノマーとの混合物として投入するのが好適である。
【0034】
多孔化剤の組合せ(その少なくとも一つは、重合段階において製造されるポリマーのための溶媒であり、そしてその少なくとも一つは、ポリマーのための溶媒ではない)を使用することで、得られる多孔性粒子において、所望の細孔径分布を達成することは可能である。したがって、例えば、ビニルポリマー(例えば、スチレン)については、トルエンを溶媒の多孔化剤として、そしてn-ヘプタンを非溶媒の多孔化剤として使用することができる。これに関する「溶媒」の用語の使用は、膨潤した粒子がこの溶媒中に完全に溶解することができること、または膨潤した粒子が非溶媒の多孔化剤中に少しも溶解することができないということを意味するものではない。このように、2つのタイプの多孔化剤を組合せると、得られる多孔性粒子において、所望の細孔径分布を達成することができる。この多孔化剤の組合せの使用は、本発明のさらなる態様を形成する。この態様から見ると、本発明は、多孔性の単分散ポリマー粒子の製造法を提供し、その方法は、
1) (a) (i)単分散の膨潤可能な種子ポリマー(またはオリゴマー)粒子、(ii) 5000ドルトン未満の分子量および25℃で10-2g/L未満の水溶解度を有する有機化合物(例えば重合開始剤)を含む液滴、(iii)アニオン界面活性剤、および場合により、(iv)前記有機化合物が可溶な有機溶媒を含む水性分散液を形成し;そして
(b)前記有機化合物を前記種子粒子中に拡散させる;または
(a)単分散の膨潤可能な種子オリゴマー粒子および好ましくはアニオン界面活性剤を含む水性分散液を形成する;のいずれか一方、
2) 種子粒子の水性分散液を、モノマー(これは、前記有機化合物が存在する場合、前記有機化合物よりも少なくとも10倍水溶性である)と接触させ、そして前記モノマーを前記種子粒子中に拡散させて、膨潤した種子粒子の水性分散液を形成し、そして必要に応じて水溶性の立体安定剤を加え、必要に応じて多孔化剤を加え、そして必要に応じて重合開始剤を加え;そして
3) 膨潤した種子粒子の水性分散液中で前記モノマーの重合を開始する:ことからなる方法であって、
前記膨潤した種子粒子が少なくとも2つの多孔化剤を含み、その少なくとも一つが工程(3)で製造されるポリマーのための溶媒であり、そしてその少なくとも一つが工程(3)で製造されるポリマーのための溶媒ではないことを特徴とする。
【0035】
この態様においては、直径の増加に関する比率は、好ましくは4.5以上である。
一般に、架橋モノマー(例えば、ジビニルベンゼン)は、種子中に拡散されるモノマーの0〜100% w/wとして使用することができる(例えば、多孔性粒子を製造するためには少なくとも30%、そして非常に高度に膨潤可能な粒子を製造するためには0.5%まで)。
【0036】
多孔性粒子および多くの他の粒子の製造においては、架橋剤を含むかまたはその代わりにモノマーまたはコモノマーとして、複数の重合部位を有する化合物(例えば、複数の重合可能な炭素-炭素二重結合を有する化合物、例えば、ジビニルベンゼンのようなジエン、またはヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートおよびジビニルベンジルエーテルのような化合物)を使用する必要がある。特に望ましくは、本発明に従って製造される単分散ポリマー粒子は、30〜100%(より具体的には、60〜95%、特に70〜90%、とりわけ75〜82%)のジビニルベンゼン(ここで、パーセンテージは、全モノマー残存物に対するジビニルベンゼンモノマー残存物の重量である)である。
【0037】
少なくとも一つの膨潤段階(好ましくは最終段階)において種子中に分散されたモノマーが、少なくとも2つのアクリル酸もしくはメタクリル酸モノマーまたはそれらのエステルモノマー(より好ましくは、少なくとも一つがメタクリル酸グリシジルである)からなる場合、官能化されたまたは官能化可能な単分散粒子を製造するためにUgelstad法が、特に効果的に使用できることが分かった。したがって、さらなる態様から見ると、本発明は、単分散ポリマー粒子の製造法を提供し、その方法は、
1) (a) (i)単分散の膨潤可能な種子ポリマー(またはオリゴマー)粒子、(ii) 5000ドルトン未満の分子量および25℃で10-2g/L未満の水溶解度を有する有機化合物(例えば重合開始剤)を含む液滴、(iii)アニオン界面活性剤、および場合により、(iv)前記有機化合物が可溶な有機溶媒を含む水性分散液を形成し;そして(b)前記有機化合物を前記種子粒子に拡散させる;または
(a)単分散の膨潤可能な種子オリゴマー粒子および好ましくはアニオン界面活性剤を含む水性分散液を形成する;のいずれか一方、
2)種子粒子の水性分散液を、モノマー(これは、前記有機化合物が存在する場合、前記有機化合物よりも少なくとも10倍水溶性である)と接触させ、そして前記モノマーを前記種子粒子中に拡散させて、膨潤した種子粒子の水性分散液を形成し、そして必要に応じて水溶性の立体安定剤を加え、必要に応じて多孔化剤を加え、そして必要に応じて重合開始剤を加え;そして
3)膨潤した種子粒子の水性分散液中で前記モノマーの重合を開始する:ことからなる方法であって、
前記モノマーが、少なくとも2つのアクリル酸もしくはメタクリル酸モノマーまたはそれらのエステルモノマー、より好ましくは少なくとも一つがメタクリル酸グリシジルであることを特徴とする。
【0038】
この態様において、直径の増加に関する比率は、好ましくは4.5以上である。
変動係数(CV)は、
【0039】
【数1】

【0040】
(式中、平均とは平均粒子径のことであり、そして標準偏差は粒子径の標準偏差である)としてパーセンテージで規定される。CVは、主モードで計算するのが好ましい(すなわち、一山分布の分布曲線を検出した粒子径分布に合わせる)。したがって、上記モードサイズより小さいまたは大きい粒子は、計算では無視することができ、計算は、例えば、全粒子数(検出可能な粒子)の約90%(通常、約99%を超える)に基づくことになる。このようなCVの測定は、コールターカウンターチャンネラーザー 256の粒子径測定器にて実施できる。
【実施例】
【0041】
本発明の実施態様を、さらに以下の限定されない実施例によって説明する。
【0042】
〔実施例1〕
多孔性の架橋されたポリスチレン粒子、30μm
1400gの水、84gのジオクタノイルパーオキサイド(DOP)、140gのアセトンおよび7gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では380kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で8〜9分間均質化した。
【0043】
均質化の後、178.1gのエマルジョンを5μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。ここで使用したのは19.8gの水および2.1gのオリゴマー粒子を含む種子懸濁液21.9gである。
25℃で3日撹拌した後、活性化された種子粒子180.8gを、1683gの水、0.6gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、2.6gのMethocel K100 (HPMC=ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、117gの80%ジビニルベンゼン(DVB)[すなわち80重量% のDVB、20重量%のエチルビニルベンゼンおよび他のDVB製造の副生物]、223gの多孔化剤(1:2の体積比のトルエン: n-ヘプタン)含むエマルジョンとともに仕込んだ。エマルジョンを、第一段階で330kg/cm2、そして第二段階で50kg/cm2で6〜7分間均質化した。
【0044】
25℃で15時間膨潤させた後、788gの水に溶解した5.3gのMethocel K100を反応器に投入した。次いで、分散液を70℃で10時間重合させた。30μmの粒子径を有する単分散懸濁液が形成された。
粒子を浮選によって液相から分離し、そして液相を排出した。次いで、粒子を2リットルのメタノールと共に1時間撹拌してから沈降させて洗浄した。沈降後、液相を排出し、新たなメタノール(2リットル)を入れ、記載した操作を4回繰り返した。それから、粒子懸濁液を100μmの篩分け布を通してふるいにかけた。そして粒子懸濁液を6リットルの酢酸ブチル、続いて6.7リットルのメタノールを用いて濾過した。最終的に、2リットルのメタノールで最低3回、液相の沈降および排出をして粒子を洗浄した。
【0045】
最終生成物は、不純物のない透明な液相中の30μmのポリマー粒子であった。
【0046】
〔実施例2〕
多孔性のアクリル粒子、30μm
1400gの水、84gのDOP、140gのアセトンおよび7gのSDSを2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では380kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で8〜9分間均質化した。
【0047】
均質化の後、88.4gのエマルジョンを5μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。ここで使用したのは8.75gの水および0.85gのオリゴマー粒子を含む種子懸濁液9.6gである。
25℃で3日間撹拌した後、活性化された種子粒子89gを、844gの水、1,3gのMethocel K100、44.9gのエチレンジメチルアクリレート(EDMA)、11.4gのヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、113gの多孔化剤(体積比1:1のシクロヘキサノール: 酢酸ブチル)を含むエマルジョンとともに仕込んだ。混合物をUltra Turraxを用いて最大速度で10分間乳化した。
【0048】
25℃で2時間膨潤させた後、395gの水に溶解されたヨウ化カリウム(KI)0.4gを反応器に投入して、それから分散液を50℃で1時間、60℃で3時間、そして70℃で1時間重合させた。30μmの粒子径を有する単分散懸濁液が形成された。
【0049】
〔実施例3〕
充実ポリスチレン粒子、20μm
1400gの水、84gのDOP、140gのアセトンおよび7gのSDSを2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では380kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で8〜9分間均質化した。
【0050】
均質化の後、159gのエマルジョンに5μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液を仕込んだ。39.7gの水および4.2gのオリゴマー粒子を含む43.9gの種子懸濁液を使用した。
25℃で2日間撹拌した後、184.4gの活性化種子粒子を、836gの水、1.5gのMethocel K100、348.8gのスチレンを含むエマルジョンに仕込んだ。エマルジョンを、第一段階で400kg/cm2、そして第二段階で100kg/cm2で4〜5分間均質化した。
【0051】
25℃で2時間膨潤させた後、427gの水に溶解した3gのMethocel K100を反応器に投入し、それから分散液を60℃で1時間、そして70℃で9時間重合させた。20μmの粒子径を有する単分散懸濁液が形成された。
【0052】
〔実施例4〕
充実の架橋されたポリスチレン粒子、54μm
1400gの水、42gのDOP、222gのアセトンおよび7gのSDSを2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で8〜9分間均質化した。
【0053】
均質化の後、159gのエマルジョンを9.5μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。ここで使用したのは16.6gの水および1gのオリゴマー粒子を含む種子懸濁液17.6gである。
25℃で3日間撹拌した後、活性化された種子粒子146.3gを1198gの水、2.5gのMethocel K100、228gのスチレン、7.3gの65%DVBを含むエマルジョンとともに仕込んだ。エマルジョンを、第一段階で400kg/cm2、そして第二段階で100kg/cm2で5〜6分間均質化した。
【0054】
25℃で1時間膨潤させた後、500gの水に溶解された0.5gのMechocel K100および0.5gのKIを反応器に投入し、それから分散液を60℃で1時間、そして70℃で9時間重合させた。54μmの粒子径を有する単分散粒子懸濁液が形成された。
【0055】
〔実施例5〕
充実の架橋されたポリスチレン粒子、15μm
1400gの水、84gのDOP、140gのアセトンおよび7gのSDSを2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で8〜9分間均質化した。
【0056】
均質化の後、75.8gのエマルジョンを、3.2μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。ここで使用したのは20gの水および2gのオリゴマー粒子を含む種子懸濁液22gである。
25℃で1日撹拌した後、活性化された種子粒子85gを784gの水、1.25gのSDS、204.3gのスチレン、0.37gの80%DVBを含むエマルジョンとともに仕込んだ。エマルジョンを、第一段階で400kg/cm2、そして第二段階で100kg/cm2で4〜5分間均質化した。
【0057】
25℃で5時間膨潤させた後、702gの水に溶解された15gのPVP K90 (ポリビニルピロリドン)および0.4gのヨウ化カリウムを反応器に投入し、それから分散液を60℃で1時間、そして70℃で9時間重合させた。15μmの粒径を有する単分散懸濁液が形成された。
【0058】
〔実施例6〕
多孔性の架橋されたポリスチレン粒子、4.5μm
4970gの水、248.5gのDOP、および24.85gのSDSを2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で25分間均質化した。
【0059】
均質化の後、3947.6gのエマルジョンを、1μmの粒径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とに仕込んだ。1555.2gの水および136.0gのオリゴマー粒子を含む1691.2gの種子懸濁液を使用した。
25℃で20時間撹拌した後、活性化された種子粒子5126.2gを42576gの水、26.47gのSDS、536.5gのPVP K-3D、2989.7gの62.3%DVB、1991.7gのスチレンおよび4727.0gの多孔化剤(トルエン)を含むエマルジョンとともに仕込んだ。エマルジョンを第一段階で380kg/cm2、そして第二段階で100kg/cm2で30分間均質化した。
【0060】
25℃で20時間膨潤させた後、42026.4gの水を反応器に投入し、それから分散液を60℃で1時間、70℃で4時間そして80℃で2.5時間重合させた。4.5μmの粒子径を有する単分散懸濁液が形成された。
【0061】
〔実施例7〕
多孔性の架橋されたポリスチレン粒子、2.8μm
2630gの水、214.4gのDOP、291.9gのアセトンおよび14.73gのSDSを、2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で25分間均質化した。
【0062】
均質化の後、2994.6gのエマルジョンに0.5μmの粒子径を有する単分散ポリスチレン粒子の種子懸濁液を仕込んだ。ここで使用したのは290.4gの水および50.9gのポリマー粒子を含む種子懸濁液341.3gである。
25℃で20時間撹拌した後、 活性化された種子粒子懸濁液3032.6gを、43375.1gの水、31.42gのSDS、1412.7gのPVP K-30、2989.6gの62.9%DVB、1998.2gのスチレンおよび4780.7gの多孔化剤(トルエン)を含むエマルジョンとともに仕込んだ。エマルジョンを、第一段階では380kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で60分間均質化した。
【0063】
25℃で20時間膨潤させた後、42379.7gの水を反応器に投入し、それから分散液を60℃で1時間、70℃で4時間、そして80℃で2.5時間重合させた。2.8μmの粒径を有する単分散懸濁液が形成された。
【0064】
〔実施例8〕
多孔性の架橋されたポリスチレン粒子、2.6μm
1548gの水、16gのPVP-K30、2.4gのSDS、176.6gの63%DVB、44gのスチレン、204.6gの多孔化剤(トルエン)および5.6gの2,2-アゾビス(2-メチルブチロニトリル) (AMBN)を2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で35分間均質化した。
【0065】
均質化の後、1013.4gのエマルジョンを、0.65μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。ここで使用したのは、36.8gの水および3.58gのオリゴマー粒子を含む種子懸濁液40.4gである。
25℃で20時間膨潤させた後、794gの水に溶解された8gのPVP K-30および0.8gのヨウ化カリウムを反応器に投入し、それから分散液を60℃で1時間間、70℃で4時間、そして80℃で2.5時間重合させた。2.6μmの粒径を有する単分散懸濁液が形成された。
【0066】
〔実施例9〕
初期種子粒子の調製、0.5μm
280gのスチレンを500mlの10重量%水酸化ナトリウムで抽出し、それから水を用いてpH7に洗浄し、そして次に10分間アルゴンを用いてフラッシュした。2Lの反応器中で1400gの水および0.53gのホウ砂を80℃まで加熱し、そして100gの水を蒸発させて酸素を除去した。それから50mlの沸騰水中の、0.56gのナトリウムデシルスルフェートを投入して10分間撹拌し、次いで洗浄し、そして実質的に酸素を含まないスチレンを投入し、15分間撹拌した。次いで、100mlの沸騰水中の、0.84gのカリウムパーオキソジスルフェートを導入した。混合物をアルゴン雰囲気中80℃で13時間保った。0.5μmの粒径を有するポリマー粒子の単分散懸濁液が形成された。
【0067】
〔実施例10〕
アミン基を有する充実メタクリル粒子、6μm
900gの水、90gのDOP、90gのアセトンおよび5.4gのSDSを2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では380kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で6〜7分間均質化した。
【0068】
均質化の後、77.0gのエマルジョンを、1μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。ここで使用したのは、13.2gの水および1.3gのオリゴマー粒子を含む種子懸濁液14.5gである。
25℃で1日撹拌した後、活性化種子粒子83.3gを、864.6gの水、2.0gのSDS、158.9gのメタクリル酸メチル(MMA)、45.4gのメタクリル酸グリシジル(GMA)および22.7gのエチレングリコール-ジメタクリレート (EDMA)とともに仕込んだ。
【0069】
25℃で15時間膨潤させた後、788gの水を反応器に投入し、それから分散液を70℃で6時間重合させた。それから38.4gのエチレンジアミンを反応器に投入し、次いで18時間反応を進行させた。6μmの粒径を有する単分散懸濁液が形成された。
【0070】
〔実施例11〕
コアおよびシェル粒子、10μm
工程1
1200gの水、120gのDOP、240gのアセトンおよび7.2gのSDSを2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で7〜8分間均質化した。
【0071】
均質化の後、83gのエマルジョンを、2μmの粒子径を有する単分散ポリスチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。ここで使用したのは、6.5gの水および1.4gのポリマー粒子を含む種子懸濁液7.9gである。
25℃で1日撹拌した後、アセトンを真空下での蒸発によって除去し、そして活性化された種子粒子71gを907gの水、 2.1gのSDS、138.4gのメチルスチレン、34.6gの55%DVBとともに仕込んだ。
【0072】
25℃で20時間膨潤させた後、647gの水に溶解された0.4gのKIを反応器に投入し、それから70℃で5時間重合させた(コア)。次いで、バッチを25℃に冷ました。
工程2
工程1の懸濁液550gを取り、そしてその水性物を230gの水に溶解された0.1gのMethocel J 75MS (ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、0.05gのKIおよび0.1gのSDSとともに仕込んだ。このバッチに15.6gのMMA、12.5gのGMAおよび3.1gのEDMAの混合物を加えた。
【0073】
25℃で2時間撹拌した後、温度を65℃に1時間、そしてさらに70℃に5時間高めた。
最終混合物は単分散であり、しかも約10μmの直径を有する粒子を含んでいた。
【0074】
〔実施例12〕
塩素基を有する充実ポリスチレン粒子、200μm
1370gの水、82gのDOP、205gのアセトンおよび8.2gのSDSを2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で8〜9分間均質化した。
【0075】
均質化の後、166gのエマルジョンを、71μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。ここで使用したのは、71.2gの水および7.8gのオリゴマー粒子を含む種子懸濁液79gである。
25℃で2日撹拌した後、222gの活性化された種子粒子を、1583gの水、8.5gのMethocel K100、124.4gのスチレン、3gの62.8%DVB、58.5gのビニルベンジルクロライド(VBC)を含むエマルジョンとともに仕込んだ。
エマルジョンを、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で5〜6分間均質化した。
【0076】
25℃での1時間のための膨潤の後、温度を60℃に1時間そしてさらに70℃に10時間高めた。200μmの粒子径を有する単分散懸濁液が形成された。
【0077】
〔実施例13〕
アミン官能基を含む多孔性の架橋されたポリスチレン粒子、30μm
1500gの水、119gのビス(2-エチルヘキシル)アジペート、152gのアセトンおよび8gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を、2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で8〜9分間均質化した。
【0078】
均質化の後、499gのエマルジョンを、5μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。8gのオリゴマー粒子および85gの水を含む93gの種子懸濁液を使用した。
45℃で1日撹拌した後、 活性化種子粒子を含む種子懸濁液96.9gを、798.3gの水、1.2gのMethocel K-100、0.3gのドデシル硫酸ナトリウム、34.74gの80%ジビニルベンゼン(DVB) (すなわち80重量%のDVB、20重量%のエチルビニルベンゼンおよびDVB製造における他の副生物)、52.5gのスチレン、4.2gの2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)および205.7gのトルエンを含む1097.7gのエマルジョンとともに仕込んだ。エマルジョンを第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で8〜9分間均質化した。
【0079】
25℃で0.5時間膨潤させた後、299.8gの水、0.5gのMethocel K-100、0.1gのドデシル硫酸ナトリウムおよび5.1gの4-アミノスチレンの混合物を投入し、そしてさらに3時間膨潤を続けた。次いで、506.2gの水および3.37gのMethocel K-100を反応器に投入した。それから分散液を、60℃で1時間、そして70℃で17時間重合させて、30μmの直径を有する粒子の懸濁液を得た。
【0080】
粒子を実施例1で説明したように洗浄した。
【0081】
〔実施例14〕
アミン官能基を含む多孔性の架橋されたポリスチレン粒子、30μm
850gの水、110.50gのビス(2-エチルヘキシル)アジぺート、141.95gのアセトンおよび4.25gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で8〜9分間均質化した。
【0082】
均質化の後、102.68gのエマルジョンを、5μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。1.71gのオリゴマー粒子および26.2gの水を含む種子懸濁液27.21gを使用した。
45℃で24時間撹拌した後、活性化された種子粒子を含む種子懸濁液87.06gを、1035.84gの水、1.58gのMethocel K-100、0.5gのドデシル硫酸ナトリウム、53.41gの80%ジビニルベンゼン(DVB) [すなわち、80重量%のDVB、20重量%のエチルビニルベンゼンおよびDVB製造における他の副生物]、56.07gのスチレン、6.71gの2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、269.41gのトルエンおよび12.56gの4-アミノ-スチレンを含むエマルジョン1436.08gととも仕込んだ。4-アミノ-スチレンを添加することなく、エマルジョンを第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で8〜9分間均質化し、その後でエマルジョンを4-アミノスチレンと混合した。
【0083】
27℃で1時間膨潤させた後、次いで473.69gの水および3.16gのMethocel K-100の混合物を反応器に投入した。それから、分散液を60℃で1時間そして70℃で10時間重合させて30μmの直径を有する粒子の懸濁液を得た。
粒子は、実施例1に説明したようにして洗浄した。
【0084】
〔実施例15〕
アミン官能基を含む架橋されたポリスチレン粒子、32μm
1380gの水、179gのビス(2-エチルヘキシル)アジペート、230gのアセトンおよび7gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で10〜12分間均質化した。
【0085】
均質化の後、292gのエマルジョンを、5μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。7gのオリゴマー粒子および72gの水を含む種子懸濁液79gを使用した。
45℃で1日撹拌した後、活性化種子粒子を含む種子懸濁液52.5gを、0.9gのMethocel K-100、0.3gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、2.1gのジビニルベンゼン(DVB) [すなわち、80重量%のDVB、20重量%のエチルビニルベンゼンおよびDVB製造における他の副生物]、174.1gのスチレン、58.7gのアミノスチレン、および12.9gの2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)含んでいるエマルジョン850.5gとともに仕込んだ。Ultra Turraxミキサーを使用して混合物を10分間乳化した。
【0086】
27℃で1時間膨潤させた後、 281.6gの水および1.9gのMethocel K-100を反応器に投入した。次いで分散液を60℃で1時間そして70℃で10時間重合させて、32μmの直径を有する粒子の懸濁液を得た。
粒子は、実施例1に説明したようにして洗浄した。直径は、それぞれ水、酢酸ブチルおよびテトラヒドロフラン中に分散された粒子において測定した。
【0087】
〔実施例16〕
アミン官能基を含む架橋されたポリスチレン粒子、35μm
1380gの水、179gのビス(2-エチルヘキシル)アジペート、230gのアセトンおよび7gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を、2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で10〜12分間均質化した。
【0088】
均質化の後、292gのエマルジョンを、5μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。7gのオリゴマー粒子および72gの水を含む種子懸濁液79gを使用した。
45℃で1日撹拌した後、活性化された種子粒子を含む種子懸濁液52.2gを0.9gのMethocel K-100、0.3gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、5.9gのジビニルベンゼン(DVB) [すなわち80重量%のDVB、20重量%のエチルビニルベンゼンおよびDVB製造における他の副生物]、166.0gのスチレン、63.0gのアミノスチレンおよび12.9gの2,2'-アゾビス(2-メチルブチロ-ニトリル)を含むエマルジョン850.5gとともに仕込んだ。Ultra Turraxミキサーを使用して混合物を10分間乳化した。
【0089】
27℃で1時間膨潤させた後、281.6gの水および1.9gのMethocel K-100を反応器に投入した。次いで、分散液を60℃で1時間、そして70℃で10時間重合させて35μmの直径を有する粒子の懸濁液を得た。
粒子は、実施例1に説明したようにして洗浄した。直径は、それぞれ水、酢酸ブチルおよびテトラヒドロフラン中に分散された粒子において測定した。
【0090】
〔実施例17〕
アミン官能基を含む架橋されたポリスチレン粒子、35μm
1380gの水、179gのビス(2-エチルヘキシル)アジペート、230gのアセトンおよび7gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS) を2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で10〜12分間均質化した。
【0091】
均質化の後、292gのエマルジョンを、5μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。7gのオリゴマー粒子および72gの水を含む種子懸濁液79gを使用した。
45℃で1日撹拌した後、活性化された種子粒子を含む種子懸濁液52.2gを、0.9gのMethocel K-100、0.3gのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、8.8gのジビニルベンゼン(DVB) [すなわち80重量%のDVB、20重量%のエチルビニルベンゼンおよびDVB製造における他の副生物]、167.3gのスチレン、58.7gのアミノスチレン、および12.9gの2,2'-アゾビス(2-メチルブチロ-ニトリル)を含むエマルジョン850.5gとともに仕込んだ。Ultra Turraxミキサーを使用して混合物を10分間乳化した。
【0092】
27℃で1時間膨潤させた後、281.6gの水および1.9gのMethocel K-100を反応器に投入した。次いで、分散液を60℃で1時間、そして70℃で10時間重合させて35μmの直径を有する粒子の懸濁液を得た。
粒子は、実施例1にて説明したようにして洗浄した。粒径は、それぞれ水、酢酸ブチルおよびテトラヒドロフラン中に分散された粒子において測定した。元素分析は、窒素3.0重量%および酸素0.38重量%の含量を示した。
【0093】
〔実施例18〕
アミン-官能化された粒子のカルボキシルおよびアミド官能基を用いたさらなる官能化
メタノール中の実施例17で製造した粒子5gをジオキサン(3x180ml)で洗浄した。2.07gの無水琥珀酸をジオキサン懸濁液(96g)に加えた。混合物を加熱して、40℃で3時間機械的に撹拌した。粒子は、ジオキサン(2x 200ml)、メタノール(100ml)およびジオキサン(200ml)を用いて洗浄した。IRスペクトルは、1750〜1650cm-1で幅広いピークを示したが、これはアミド基とカルボン酸基の両方が形成されたことを示している。
【0094】
乾燥した粒子の元素分析では、窒素2.5重量%および酸素9.3重量%の含量を示した。これは、100%近いアミン転化率を示している。
【0095】
〔実施例19〕
アミン-官能化された粒子のアミド官能基を用いたさらなる官能化
メタノール中の実施例17で製造した粒子5gをジオキサン(3x180ml)で洗浄した。4.23gのブロモ酢酸ブロマイドおよび3.0gのジイソプロピルエチルアミンをジオキサン懸濁液(79g)に加えた。混合物を20℃で1時間機械的に撹拌した。粒子は、ジオキサン(2x150ml)、20%-水および1gのジイソプロピルエチルアミンを含むジオキサン(150ml)およびジオキサン(2x150ml)を用いて洗浄した。
【0096】
IRスペクトルは、アミド基の形成を示す1685cm-1でピークを示した。
乾燥した粒子の元素分析は、13.2重量%の臭素含量であり、96%の転化率を示した。
【0097】
〔実施例20〕
多孔性の架橋されたポリスチレン粒子、5.0μm
2020.0gの水、202.0gのDOP、202.0gのアセトンおよび10.10gのSDSを2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で、第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で10分間均質化した。
【0098】
均質化の後、1429.3gのエマルジョンを、0.9μmの粒子径を有する単分散オリゴマー性スチレン粒子の種子懸濁液とともに仕込んだ。ここで使用したのは、341.1gの水および31.7gのオリゴマー粒子を含む種子懸濁液372.8gである。
25℃での23時間の撹拌の後、活性化された種子懸濁液581.3gを7053.9gの水、18.0gのMethocel K-100、883.0gの80%ジビニルベンゼン(DVB) [すなわち80重量%のDVB、20重量%のエチルビニルベンゼンおよびDVB製造における他の副生物]、168.1gのトルエンおよび525.6gのn-ヘプタンを含むエマルジョンとともに仕込んだ。エマルジョンを、2段階Manton Gaulinホモジナイザー中で第一段階では400kg/cm2、そして第二段階では100kg/cm2で30分間均質化した。
【0099】
25℃で20時間膨潤させた後、3234.2gの水および35.9gのMethocel K-100を反応器に投入し、それから分散液を60℃で1時間そして70℃で10時間重合させた。5μmの粒子径を有する単分散懸濁液が形成された。
粒子は、実施例1に説明したようにして洗浄した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単分散ポリマー粒子の製造法において、
1) (a) (i)単分散の膨潤可能な種子ポリマー(またはオリゴマー)粒子、(ii) 5000ドルトン未満の分子量および25℃で10-2g/L未満の水溶解度を有する有機化合物(例えば重合開始剤)を含む液滴、(iii)アニオン界面活性剤、および場合により(iv)前記有機化合物が可溶な有機溶媒を含む水性分散液を形成し、そして(b)前記有機化合物を前記種子粒子中に拡散させる;または
(a)単分散の膨潤可能な種子オリゴマー粒子および好ましくはアニオン界面活性剤を含む水性分散液を形成する;のいずれか一方、
2) 種子粒子の水性分散液を、モノマー(これは、前記有機化合物が存在する場合、前記有機化合物よりも少なくとも10倍水溶性である)ならびに必要に応じて水溶性の立体安定剤、必要に応じて多孔化剤、および必要に応じて重合開始剤と接触させ、そして前記モノマーを前記種子粒子中に拡散させて、膨潤した種子粒子の水性分散液を形成し;そして
3)膨潤した種子粒子の水性分散液中で前記モノマーの重合を開始する:ことからなる方法であって、
前記膨潤した粒子のモード径が、5μmより大きい場合、膨潤した種子粒子の前記水性分散液の水相が、重合の際にさらに立体安定剤として水溶性のセルロースエーテルを含むか、または
前記膨潤した粒子の前記モード径が1〜25μmの範囲である場合、膨潤した種子粒子の前記水性分散液の水相が、重合の際にさらに立体安定剤としてポリビニルピロリドンを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
重量平均分子量10〜2000KDのポリビニルピロリジンを前記立体安定剤として使用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ポリビニルピロリジンを立体安定剤として使用し、そして前記膨潤した種子粒子のモード径が16μmまでであることを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
重合の際に、膨潤した種子粒子の前記水性分散液の水相がさらに立体安定剤として水溶性のセルロースエーテルを含み、前記膨潤した種子粒子のモード径が15μmより大きいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースを前記立体安定剤として使用することを特徴とする請求項1または4に記載の方法。
【請求項6】
前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースがMethocel K-100であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
分子量10〜100kDのセルロースエーテルを前記立体安定剤として使用することを特徴とする請求項1、4、5または6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
多孔性の単分散ポリマー粒子の製造法において、
1) (a) (i)単分散の膨潤可能な種子ポリマー(またはオリゴマー)粒子、(ii) 5000ドルトン未満の分子量および25℃で10-2g/L未満の水溶解度を有する有機化合物(例えば重合開始剤)を含む液滴、(iii)アニオン界面活性剤、および場合により、(iv)前記有機化合物が可溶な有機溶媒を含む水性分散液を形成し、そして(b)前記有機化合物を前記種子粒子中に拡散させる;または
(a)単分散の膨潤可能な種子オリゴマー粒子および好ましくはアニオン界面活性剤を含む水性分散液を形成する;のいずれか一方、
2)種子粒子の水性分散液を、モノマー(これは、前記有機化合物が存在する場合、前記有機化合物よりも少なくとも10倍水溶性である)と接触させ、そして前記モノマーを前記種子粒子中に拡散させて、膨潤した種子粒子の水性分散液を形成し、そして必要に応じて水溶性の立体安定剤を加え、必要に応じて多孔化剤を加え、そして必要に応じて重合開始剤を加え;そして
3)膨潤した種子粒子の水性分散液中で前記モノマーの重合を開始する:ことからなる方法であって、
前記膨潤した種子粒子が少なくとも2つの多孔化剤を含み、その少なくとも一つが工程(3)で製造されるポリマーのための溶媒であり、そしてその少なくとも一つが工程(3)で製造されるポリマーのための溶媒ではないことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記多孔化剤が、トルエンおよびn-ヘプタンを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
単分散ポリマー粒子の製造法において、
1) 乳化重合によって単分散の膨潤可能な種子粒子を調製し、その際アニオン界面活性剤を実質的に酸素を含まない条件下で乳化剤として使用し、前記膨潤可能な種子粒子が0.2〜1μmの範囲のモード粒子径を有しており;
2) 前記種子粒子が非オリゴマー性である場合(そして場合によりそれがオリゴマー性である場合)、(a) 前記種子粒子を5000ドルトン未満の分子量および25℃で10-2g/L未満の水溶解度を有する有機化合物(例えば、重合開始剤)、アニオン界面活性剤ならびに場合により、その中に前記有機化合物が可溶である有機溶媒を含む水性分散液と接触させ、そして(b) 前記有機化合物を前記種子粒子中に拡散させ;
3) 種子粒子の水性分散液をモノマー(これは、前記有機化合物を使用する場合、前記有機化合物よりも少なくとも10倍水溶性である)と接触させ、そして前記モノマーを前記種子粒子中に拡散させて膨潤した種子粒子の水性分散液を形成し、そして必要に応じて水溶性の立体安定剤を加え、必要に応じて多孔化剤を加え、そして必要に応じて重合開始剤を加え; そして
4) 連続相にて立体安定剤を含む水性分散液中で前記モノマーの重合を開始することを特徴とする方法。
【請求項11】
工程(1)において水相の酸素含量が、0〜1ppmの間であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記モノマーが少なくとも30重量%のジビニルベンゼンを含むことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記有機化合物が、ジオクタノイルパーオキサイドであることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
単分散ポリマー粒子の製造法において、
1) (a) (i)単分散の膨潤可能な種子ポリマー(またはオリゴマー)粒子、(ii) 5000ドルトン未満の分子量および25℃で10-2g/L未満の水溶解度を有する有機化合物(例えば重合開始剤)を含む液滴、(iii)アニオン界面活性剤、および場合により、(iv)前記有機化合物が可溶な有機溶媒を含む水性分散液を形成し;そして
(b)前記有機化合物を前記種子粒子に拡散させる;または
(a)単分散の膨潤可能な種子オリゴマー粒子および好ましくはアニオン界面活性剤を含む水性分散液を形成する;のいずれか一方、
2)種子粒子の水性分散液を、モノマー(これは、前記有機化合物が存在する場合、前記有機化合物よりも少なくとも10倍水溶性である)と接触させ、そして前記モノマーを前記種子粒子中に拡散させて、膨潤した種子粒子の水性分散液を形成し、そして必要に応じて水溶性の立体安定剤を加え、必要に応じて多孔化剤を加え、そして必要に応じて重合開始剤を加え;そして
3)膨潤した種子粒子の水性分散液中で前記モノマーの重合を開始する:ことからなる方法であって、
前記モノマーが、少なくとも2つのアクリル酸もしくはメタクリル酸モノマーまたはそれらのエステルモノマー、より好ましくは少なくとも一つがメタクリル酸グリシジルであることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記モノマーとしてメタクリル酸グリシジルを使用することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
モノマーがアミノ官能化されたモノマーである場合(または、2つ以上のモノマーを使用して一つのコモノマーがアミノ官能化されたモノマーである場合)、非開始剤である前記有機化合物が存在する際に、前記種子粒子が膨潤した後に重合開始剤を添加することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記非開始剤がジオクチルアジペートであることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記重合開始剤が、2,2'-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)であることを特徴とする請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記アニオン界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記単分散ポリマー粒子を、続いてコーティングし、含浸し、または誘導体化することを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
単分散ポリマー粒子、特に水性分散液中の種子ポリマー(またはオリゴマー)粒子を膨潤させて、膨潤した種子粒子内でモノマーを重合させることによって製造される粒子の洗浄法であって、前記単分散ポリマー粒子を酢酸ブチルと接触させることを特徴とする方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−174251(P2010−174251A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74194(P2010−74194)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【分割の表示】特願2000−611584(P2000−611584)の分割
【原出願日】平成12年4月10日(2000.4.10)
【出願人】(506001516)
【Fターム(参考)】